JPWO2016135950A1 - 粉末酵素製剤及びその製造方法、並びにその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
近年では、健康な生活を送るために自然なものを好む人や、周囲の人間に気後れをしないように体臭ケアを行う人が増えており、これら脂肪族アルデヒドを自然の酵素の力で効果的に除去できる製品の提供が期待されている。
しかしながら、アルデヒド脱水素酵素は、温度、湿度、酸素等の外的要因の影響を受けやすく、製造加工時及び保存時に速やかに活性が低下して、アルデヒド分解能を失う。
したがって、アルデヒド脱水素酵素活性を経時安定化し、これを用いてアルデヒドを分解、除去することは、特に常温下、酸素存在下において、極めて困難である。
また、特許文献1には、粒径が200μm以下の金属酸化物のコロイド状微粒子と酵素をイオン相互作用的に複合化させることにより、酵素活性を経時安定化した化粧料が記載されている。
その結果、
アルデヒド脱水素酵素に2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を配合した粉末酵素製剤であって、
該2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩がアルデヒド脱水素酵素に吸着してあることにより、
意外にも、温度、湿度、酸素等の外的環境の影響が緩和され、常温下でもアルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性が増すことを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)アルデヒド脱水素酵素に2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を配合した粉末酵素製剤であって、
該2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩がアルデヒド脱水素酵素に吸着してある、
粉末酵素製剤、
(2)(1)の粉末酵素製剤において、
前記遊離アミノ酸、又はそれらの塩が、
グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンから選ばれる2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を含む、
粉末酵素製剤、
(3)(1)又は(2)の粉末酵素製剤において、
粉末酵素製剤に含有される遊離アミノ酸総量に対して、
前記グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンから選ばれる2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で25%以上である、
粉末酵素製剤、
(4)(1)乃至(3)のいずれか一つの粉末酵素製剤において、
酸性アミノ酸である前記グルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩から選ばれる1種以上と、
塩基性アミノ酸である前記リジン及びアルギニン、又はそれらの塩から選ばれる1種以上とを含む、
粉末酵素製剤、
(5)(4)の粉末酵素製剤において、
粉末酵素製剤に含有される遊離アミノ酸総量に対して、
酸性アミノ酸である前記グルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で15%以上85%以下、
かつ、塩基性アミノ酸である前記リジン及びアルギニン、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で15%以上85%以下である、
粉末酵素製剤、
(6)アルデヒド脱水素酵素に2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を配合した、
粉末酵素製剤、
(7)(6)の粉末酵素製剤において、
前記遊離アミノ酸、又はそれらの塩が、
グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンから選ばれる2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を含む、
粉末酵素製剤、
(8)(6)又は(7)の粉末酵素製剤において、
粉末酵素製剤に含有される遊離アミノ酸総量に対して、
前記グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンから選ばれる2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で25%以上である、
粉末酵素製剤、
(9)(6)乃至(8)のいずれか一つの粉末酵素製剤において、
酸性アミノ酸である前記グルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩から選ばれる1種以上と、
塩基性アミノ酸である前記リジン及びアルギニン、又はそれらの塩から選ばれる1種以上とを含む、
粉末酵素製剤、
(10)(9)の粉末酵素製剤において、
粉末酵素製剤に含有される遊離アミノ酸総量に対して、
酸性アミノ酸である前記グルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で15%以上85%以下、
かつ、塩基性アミノ酸である前記リジン及びアルギニン、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で15%以上85%以下である、
粉末酵素製剤、
(11)(1)乃至(10)のいずれか一つの粉末酵素製剤の製造方法であって、
前記アルデヒド脱水素酵素と前記2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩とを溶液中で混合した後、
得られた混合液を乾燥する、
粉末酵素製剤の製造方法、
(12)(11)の粉末酵素製剤の製造方法において、
前記混合液の乾燥が凍結乾燥である、
粉末酵素製剤の製造方法、
(13)(1)乃至(10)のいずれか一つの粉末酵素製剤、又は(11)又は(12)の製造方法で得られた粉末酵素製剤を配合する、
食品、
(14)(1)乃至(10)のいずれか一つの粉末酵素製剤、又は(11)又は(12)の製造方法で得られた粉末酵素製剤を配合する、
食品の製造方法、
(15)(1)乃至(10)のいずれか一つの粉末酵素製剤、又は(11)又は(12)の製造方法で得られた粉末酵素製剤を配合する、
化粧料、
である。
また、アミノ酸は、従来、食品や化粧料に用いられており、安全に使用することができる。
したがって、本発明の粉末酵素製剤は、食品、サプリメント、食品添加剤、経口剤、口腔内洗浄剤、化粧料、外用剤、脱臭剤等として使用することにより、生体に有害であり、不快臭の原因ともなる脂肪族アルデヒドを除去することが可能となる。
よって、人々の健康と、生活環境の向上に貢献することができる。
なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明の粉末酵素製剤は、アルデヒド脱水素酵素に2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を配合した粉末酵素製剤であって、該2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩がアルデヒド脱水素酵素に吸着してあることにより、温度、湿度、酸素等の外的環境の影響が緩和され、常温下でもアルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性に優れることに特徴を有する。
本発明の粉末酵素製剤とは、アルデヒド脱水素酵素に2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を配合し、該2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩がアルデヒド脱水素酵素に吸着してある粉末である。
粉末酵素製剤の平均粒子径は、本発明の効果を奏すれば特に限定されず、例えば、1〜1000μm程度であればよい。
本発明の粉末酵素製剤に含有されるアルデヒド脱水素酵素は、植物由来のものでも、動物由来のものでもよいが、食品工業の分野等で広く使用されてきた酵母、酢酸菌等の微生物由来のものがよく、特に比活性が格段に高い酢酸菌由来のものを用いるとよい。
また、微生物由来のアルデヒド脱水素酵素は、当該酵素が細胞膜を貫通した複合体として存在しているため、本発明のアルデヒド脱水素酵素の原料としては、単離されたアルデヒド脱水素酵素単体の他に、細胞膜と一体の前記複合体を用いてもよい。
酵素単体を用いる場合は、例えば、界面活性剤を添加して酵素を単離、精製する。細胞膜と一体の前記複合体を用いる場合は、例えば、フレンチプレス等の処理によって細胞を破砕し細胞質を除去する。あるいは細胞を破砕せずにそのまま用いる。
このようにして得たアルデヒド脱水素酵素には、本発明の効果を損なわない範囲で、乾燥等の処理を施してもよい。
本発明の粉末酵素製剤は、アルデヒド脱水素酵素として細胞膜と一体の前記複合体を用いると、アルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性が増す。
さらに、細胞膜と一体の前記複合体として、破砕しない細胞そのもの、例えば微生物菌体そのものを用いると、経時安定性に優れる。特に、微生物菌体そのものを死菌体にして用いると、生菌の代謝作用による変質を抑制され、経時安定性に優れる。
なお、特に規定した場合を除き、以下、細胞膜と一体の前記複合体又はその破砕物をアルデヒド脱水素酵素と省略する。
本発明の粉末酵素製剤に配合される遊離アミノ酸は、蛋白質を構成する20種類である。
具体的には、アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジンである。
また、遊離アミノ酸の塩は、上記20種類のナトリウム塩、カリウム塩、塩酸塩、その他の塩類等を挙げることができる。
本発明に用いる遊離アミノ酸は、L体、D体、又はDL体のいずれの光学異性体であってもよく、水和物であってもよい。
なお、遊離アミノ酸、又はそれらの塩の配合量は、本発明の効果を奏する量であればよく、具体的には粉末酵素製剤全量に対して遊離アミノ酸換算で1〜99%であればよい。保存中の遊離アミノ酸量の増減は、本発明の遊離アミノ酸、又はそれらの塩の配合量に対して極わずかであり、配合量には影響しない。
本発明の粉末酵素製剤は、前記20種類の遊離アミノ酸のうち、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンから選ばれる2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を含むようにすると、アルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性に優れる。
本発明の粉末酵素製剤は、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンの4種の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を遊離アミノ酸換算で遊離アミノ酸総量の25%以上、さらに35%以上含有すると、アルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性に優れる。
上記4種の遊離アミノ酸、又はそれらの塩の合計含有量の上限は、本発明の効果を奏する程度であれば特に限定されないが、具体的には、100%以下である。
なお、本発明において、遊離アミノ酸量とは、アルデヒド脱水素酵素活性の経時安定化に寄与するアミノ酸、すなわち、粉末酵素製剤中に存在する遊離アミノ酸、又はそれらの塩が遊離アミノ酸換算で含有される量を測定した値を意味し、蛋白質やペプチドとして存在するアミノ酸は含まない。
遊離アミノ酸量は、通常に用いられる測定法によって求めればよく、例えば、後述する試験例2のように、粉末酵素製剤にイオン交換水を添加し、振とう、遠心分離処理を施して上清を分離する。分離した上清にスルホサリチル酸を添加して除タンパク処理を施し、再度振とう、遠心分離処理を施す。得られた上清を減圧乾固した後、クエン酸緩衝液を添加して溶解し、アミノ酸自動分析計を用いて測定する。
さらに、本発明の粉末酵素製剤は、酸性アミノ酸であるグルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩から選ばれる1種以上と、塩基性アミノ酸であるリジン及びアルギニン、又はそれらの塩から選ばれる1種以上とを組み合わせて配合すると、アルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性に優れる。
本発明の粉末酵素製剤のアルデヒド脱水素酵素活性は、粉末酵素製剤に含まれる遊離アミノ酸総量に対して、酸性アミノ酸であるグルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で15%以上85%以下、かつ、塩基性アミノ酸であるリジン及びアルギニン、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で15%以上85%以下であると、経時安定性に優れる。
さらに、前記酸性アミノ酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で25%以上75%以下、かつ、前記塩基性アミノ酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で25%以上75%以下であると、経時安定性に特に優れる。
前記2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩がアルデヒド脱水素酵素活性の経時安定化に及ぼす作用機構は明らかではないが、異なる種類の遊離アミノ酸が共存することにより、温度、湿度、酸素等の外的要因の影響が緩和され、アルデヒド脱水素酵素活性の常温下での経時安定化に寄与するものと考えられる。
特に、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンの4種の遊離アミノ酸、又はそれらの塩は、いずれも極性を有しており、アルデヒド脱水素酵素との静電気的な相互作用が発現することによりアルデヒド脱水素酵素活性の経時安定化に有利に働くと考えられる。
さらに、中性条件下において、酸性アミノ酸であるグルタミン酸及びアスパラギン酸は負電荷、塩基性アミノ酸であるリジン及びアルギニンは正電荷を帯びる。正負の異なる電荷を有する遊離アミノ酸、又はそれらの塩を配合することにより、アルデヒド脱水素酵素との間に発現する静電的な相互作用が強まることに加えて、遊離アミノ酸、又はそれらの塩同士の相互作用も強まり、アルデヒド脱水素酵素活性の経時安定化に大きく寄与するものと考えられる。
本発明の粉末酵素製剤中の遊離アミノ酸、又はそれらの塩の含有比率が、微生物換算した前記アルデヒド脱水素酵素1部に対して、遊離アミノ酸換算で0.1部以上20部以下、さらに0.2部以上15部以下であると、アルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性に優れる。
本発明の粉末酵素製剤には、必須原料であるアルデヒド脱水素酵素及び2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩以外の原料を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択し、配合することができる。
具体的には、ブドウ糖、ガラクトース、マンノース、乳糖、マルトース、ショ糖、マンニトール、トレハロース、澱粉加水分解物、水飴、還元水飴、澱粉、ペクチン、セルロース等の糖類、全粉乳、脱脂粉乳、カゼイン、アルブミン等の蛋白質、アスコルビン酸、トコフェロール、タンニン、カテキン、クルクミン、ヘスぺリジン、イソフラボン等のポリフェノール類等の抗酸化剤、各種界面活性剤、ホホバ油、パーム油、シア脂、珪藻土、シリカ、活性炭等の多孔質素材等が挙げられる。
本発明の粉末酵素製剤は、前記のように、植物由来又は動物由来のアルデヒド脱水素酵素、好ましくは、食品工業の分野等で広く使用されてきた酵母、酢酸菌等の菌由来のもの、特に比活性の高い酢酸菌由来のものを用いる。そして、アルデヒド脱水素酵素に2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を加え、例えば次のようにして製造することができる。
酢酸菌を、少なくとも、グルコース等を由来とする糖質と、酵母エキス等を由来とするビタミン及びミネラル類、並びにエタノールを含む培地で培養する。
この場合、培地におけるエタノール濃度は3%以上とし、品温25〜35℃、通気量は培地1Lあたり0.02〜5L/minの培養条件で培養するとよい。
この培養は、培養液中の酢酸酸度4%未満で行う。すなわち、培地中での酢酸菌の増殖にともない、培地中のエタノールがアルデヒドを経て酢酸に酸化され、培地中の酢酸酸度は上昇するが、本発明においては、酢酸酸度が4%になる前、好ましくは酢酸酸度が0.5%以上3.9%以下のとき、特に1%以上3.5%以下の時に培養を停止する。
なお、酢酸酸度は、フェノールフタレインの呈色反応を指標に中和するまで水酸化ナトリウムを滴下し、滴下した水酸化ナトリウムの物質量換算で算出する。
本発明においては、アルデヒド脱水素の活性を経時安定化する観点から、アルデヒド脱水素酵素を含む酢酸菌体と前記発酵成分とを分離するとよい。
分離する方法は、例えば、遠心処理(重力換算、1000〜20000g)、膜濃縮処理、乾燥処理等を施し、アルデヒド脱水素酵素を含む酢酸菌体の画分を分取する。
次に、酢酸菌体の画分から培地成分や発酵成分を除去するため、洗浄を行ってもよい。
洗浄方法は、例えば、酢酸菌体の濃縮画分が水に不溶である特徴を利用し、クエン酸やリン酸の緩衝水溶液に希釈混合後、再度遠心処理を施し、その上澄み液を除去することにより、培地成分や発酵成分を除去する。
また、アルデヒド脱水素酵素は菌膜に存在することから、菌体に超音波、フレンチプレス等の処理を施して細胞膜破砕物を用いてもよく、さらに界面活性剤や酵素を作用させてアルデヒド脱水素酵素を分画した酵素単体として用いてもよい。
次に、前述のアルデヒド脱水素酵素に2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を混合する。
混合方法は、粉末同士を混合する方法と、一部又は全てを溶媒中で混合し乾燥する方法に大別される。
前記方法により製造したアルデヒド脱水素酵素と2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を混合し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩を吸着させる。
混合方法は、例えば、アルデヒド脱水素酵素粉末と遊離アミノ酸、又はそれらの塩の粉末を混合する方法、アルデヒド脱水素酵素粉末と遊離アミノ酸、又はそれらの塩の溶液を混合する方法、アルデヒド脱水素酵素と遊離アミノ酸、又はそれらの塩を溶液中で混合する3つの方法が挙げられる。
アルデヒド脱水素酵素粉末と遊離アミノ酸、又はそれらの塩の粉末を混合する場合、例えば、回転円筒内等に両者を添加し、転動によって造粒する等、常法により粉末化を行えばよい。
アルデヒド脱水素酵素粉末と遊離アミノ酸、又はそれらの塩の溶液を混合する場合、アルデヒド脱水素酵素粉末に対し、遊離アミノ酸、又はそれらの塩の溶液をスプレー等の通常実施される方法で噴霧する等して混合すればよい。
アルデヒド脱水素酵素と遊離アミノ酸、又はそれらの塩を溶液中で混合する場合、溶媒にアルデヒド脱水素酵素及び遊離アミノ酸、又はそれらの塩を添加して混合してもよく、アルデヒド脱水素酵素の分散液と遊離アミノ酸、又はそれらの塩の溶液とを混合してもよい。
溶液に用いる溶媒は、清水、pH緩衝液等、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよい。
この工程において、本発明の効果を損なわない範囲で糖類等の通常用いられる賦形剤等のその他の原料を配合できる。
原料の一部又は全てを溶液として混合に用いる製造方法では、噴霧乾燥、凍結乾燥等の常法により粉末化する。
噴霧乾燥を施す場合、例えば、前記溶液を、入口温度100〜130℃、出口温度50〜70℃として噴霧、乾燥させる。
凍結乾燥を施す場合、例えば、前記溶液を金属製のバットに流し入れ、−20〜−50℃で凍結した後、減圧下において棚を5〜50℃に加熱して溶媒を除去し乾燥させる。
本発明においては、アルデヒド脱水素酵素に対する熱の影響が抑制される凍結乾燥によって粉末化すると、得られる粉末酵素製剤のアルデヒド脱水素酵素活性は、経時安定性に優れる。
なお、アルデヒド脱水素酵素粉末と遊離アミノ酸又はそれらの塩の溶液を混合する場合は、通常実施される造粒の方法と同様に、前記混合工程と前記乾燥工程を同時に行ってもよい。
本発明の粉末酵素製剤は、脂肪族アルデヒドを除去する効果を有する。
特に、炭素数が1から10かつ窒素原子を含有しない脂肪族アルデヒドの除去に格別の効果を奏する。
具体的には、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブタナール、グリセルアルデヒド、マロンジアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノネナール、デカナール、イソオクタナール、イソノネナール、イソデカナール等が挙げられる。
例えば、生体内又は生体外の脂肪族アルデヒドを除去するために、経口摂取してもよく、外用剤として塗布してもよい。
アルデヒドは、揮発時における濃度がわずか0.1から数十ppmで生体への酸化ストレスや不快臭の原因となる。
本発明の粉末酵素製剤を経口摂取や塗布により用いる場合の使用量は、アルデヒドを分解、除去できる程度であればよく、例えば、経口摂取1食分又は塗布100平方センチメートルあたり1〜100mgとすることができる。
また、本発明の粉末酵素製剤は、建物や人の集まる公共施設の臭い等の環境中のアルデヒドを除去するために、
壁材等の建材に塗布したり、噴霧してもよい。
本発明の粉末酵素製剤を食品に用いる場合、本発明の粉末酵素製剤の効果を損なわない範囲で、次の原料を組み合わせて用いることができる。
具体的には、トレハロース、アスパルテーム、フェニルアラニン等の甘味料、クエン酸、酢酸、乳酸、リン酸、柑橘果汁等の酸味料、ブドウ糖、ショ糖、乳糖、食塩、醤油、その他の調味料、ペクチン、ゼラチン、寒天、アルギン酸、大豆多糖類、セルロース、キサンタンガム、グアーガム、カラギナン等の増粘安定剤、コラーゲン、ヒアルロン酸、プラセンタ、コエンザイムQ10、コンドロイチン、ローヤルゼリー等の美容原料、ウコン、肝臓エキス、ケイヒ、ウイキョウ、ショクヤク、甘草等の生薬、香料、色素、保存料等が挙げられる。
本発明の粉末酵素製剤を化粧料に用いる場合、本発明の粉末酵素製剤の効果を損なわない範囲で、次の原料を組み合わせて用いることができる。
具体的には、珪藻土、活性炭、シリカ等の多孔質微粒子、タルク、マイカ、ベントナイト、カオリン、セリサイト等の粘土鉱物、セルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、シクロデキストリン、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉等の多糖類、ポリフェノール、ユーカリエキス、カテキン、メマツヨイグサ抽出物等の植物抽出物、ポリシロキサン、環状シロキサン等のシリコーン油、ミリスチン酸イソプロピル、パラフィン、スクワラン、ミツロウ、パーム油、ホホバ油、シア脂等の油脂、エタノール、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、塩化リゾチーム、銀化合物等の殺菌又は防腐剤、塩化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、ミョウバン、パラフェノールスルホン酸、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酒石酸等の収斂又は消臭剤、グリチルリチン酸、尿素、オウゴンエキス、オウバクエキス等の抗炎症剤、コラーゲン、ヒアルロン酸、コエンザイムQ10、コンドロイチン、プラセンタ、セラミド、エラスチン、アスタキサンチン、レスベラトロール、リコピン、ローヤルゼリー、アロエエキス、白金ナノコロイド、レチノイン酸、レチノール、加水分解小麦、シカクマメエキス、ラクトフェリン、豆乳発酵液、EGF等の美容成分、ビタミンC誘導体、アルブチン、フラーレン、トラネキサム酸、ハイドロキノン、ヨクイニンエキス等の美白成分、酸化チタン、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体等の紫外線吸収剤、ペンチレングリコール、ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、アデノシン等の保湿剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ジアルキルスルホハク酸塩等のアニオン界面活性剤、ポリエチレングリコール硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体等の非イオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、イミダゾリニウムベタイン、卵黄レシチン、大豆レシチン等の両性界面活性剤、各種アミノ酸、各種ビタミン、各種ペプチド、高級脂肪酸、多価アルコール、増粘剤、炭酸塩、乳化剤、香料等が挙げられる。
エタノール4%、酵母エキス0.2%、及び清水95.7%に酢酸菌(Gluconacetobacter konbuchae NBRC 14816株)0.1%を添加し、品温30℃、培養液あたりの通気量を0.4L/minの条件で、24時間培養を行った。
得られた酢酸菌溶液に遠心濃縮処理(10000g)を施し、清水で数回洗浄後、10%酢酸菌溶液を調製した。
得られた溶液にフレンチプレス処理を施して酢酸菌体を破砕し死滅させ、微生物換算で10%のアルデヒド脱水素酵素(酵素が細胞膜と一体の前記複合体)水溶液を得た。
調製例1において、酢酸菌をAcetobacter Aceti NBRC 14818 株に置き換えた以外は同様にして、微生物換算で10%のアルデヒド脱水素酵素(酵素が細胞膜と一体の前記複合体)水溶液を得た。
調製例1の10%アルデヒド脱水素酵素(酵素が細胞膜と一体の前記複合体)10%、L−グルタミン酸ナトリウム3%、L−アスパラギン酸ナトリウム3%、L−アルギニン3%、デキストリン10%、清水71%を撹拌混合した。これを品温−30℃で急速凍結した後、減圧下、棚温15℃で真空凍結乾燥処理を施し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩が吸着してある本発明の粉末酵素製剤を得た。
L−アルギニンをリジンに置き換えた以外は、全て実施例1に準じて調製し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩が吸着してある本発明の粉末酵素製剤を得た。
L−グルタミン酸ナトリウム3%、L−アスパラギン酸ナトリウム3%、L−アルギニン3%、デキストリン10%を、L−グルタミン酸ナトリウム6.5%、L−アルギニン2.5%、マンニトール2.5%、清水13.7%に置き換えた以外は、全て実施例1に準じて調製し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩が吸着してある本発明の粉末酵素製剤を得た。
L−グルタミン酸ナトリウム3%、L−アスパラギン酸ナトリウム3%、L−アルギニン3%を、L−アスパラギン酸ナトリウム3%、リジン6%、グリシン0.2%、デキストリン2.5%、清水4.5%に置き換えた以外は、全て実施例1に準じて調製し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩が吸着してある本発明の粉末酵素製剤を得た。
L−グルタミン酸ナトリウム3%、L−アスパラギン酸ナトリウム3%、L−アルギニン3%を、L−グルタミン酸ナトリウム1%、L−アスパラギン酸ナトリウム1%、L−アルギニン1%、清水6%に置き換えた以外は、全て実施例1に準じて調製し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩が吸着してある本発明の粉末酵素製剤を得た。
L−グルタミン酸ナトリウム3%、L−アスパラギン酸ナトリウム3%、L−アルギニン3%を、L−グルタミン酸ナトリウム0.1%、L−アスパラギン酸ナトリウム0.1%、L−アルギニン0.2%、グリシン0.6%、清水8%に置き換えた以外は、全て実施例1に準じて調製し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩が吸着してある本発明の粉末酵素製剤を得た。
L−グルタミン酸ナトリウム3%、L−アスパラギン酸ナトリウム3%、L−アルギニン3%をグリシンを9%に置き換えた以外は、全て実施例1に準じて調製し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩が吸着してある粉末酵素製剤を得た。
アルデヒド脱水素酵素活性の測定より求めたアルデヒド脱水素酵素の初期活性に対する残存活性は、0%であった。
L−グルタミン酸ナトリウム3%、L−アスパラギン酸ナトリウム3%、L−アルギニン3%を、L−グルタミン酸ナトリウム9%に置き換えた以外は、全て実施例1に準じて調製し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩が吸着してある粉末酵素製剤を得た。
アルデヒド脱水素酵素活性の測定より求めたアルデヒド脱水素酵素の初期活性に対する残存活性は、4%であった。
L−グルタミン酸ナトリウム3%、L−アスパラギン酸ナトリウム3%、L−アルギニン3%を、L−アルギニン9%に置き換えた以外は、全て実施例1に準じて調製し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩が吸着してある粉末酵素製剤を得た。
アルデヒド脱水素酵素活性の測定より求めたアルデヒド脱水素酵素の初期活性に対する残存活性は、10%であった。
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた粉末酵素製剤0.05gを、5cm四方のアルミパウチに封入し、37℃で2ヵ月間の促進保存試験に供した。
アルデヒド脱水素酵素の経時安定性は、以下の遊離アミノ酸含有量の測定方法、アルデヒド脱水素酵素活性の測定方法、残存活性の評価基準を用い行った。
<遊離アミノ酸含有量の測定方法>
粉末酵素製剤2gに10mLのイオン交換水を添加して15分間振とうし、50℃で30分間加温した後、遠心分離処理を施して上清を分離してメスフラスコに移し、50mLにメスアップした。
メスアップした上清20mLに3%スルホサリチル酸20mLを添加して15分間振とうし(除タンパク処理)、遠心分離処理を施して上清を分離して減圧乾固した。ここにクエン酸塩緩衝液を添加し、孔径0.45μmのメンブレンフィルターを用いてろ過処理を施した後、アミノ酸自動分析計を用いて粉末酵素製剤中に存在する遊離アミノ酸を測定した。
<アルデヒド脱水素酵素活性の測定方法>
製造直後及び促進保存試験後のアルデヒド脱水素酵素活性を次のように測定した。
すなわち、pH5のマッキルベイン緩衝液0.125mL、0.1Mアセトアルデヒド0.2mL、0.1mg/mL粉末酵素製剤懸濁液を混合し、蒸留水を添加して総量0.8mLに調整した。
これに、0.1Mフェリシアン化カリウム0.1mLを加え、37℃で20分間保温処理を施し、Dupanol液0.5mLを加えて酵素反応を停止した。
次に、2.5mLの蒸留水を混合し、室温で20分間放置した後、生成したプルシアンブルーの呈色を吸光度660nmで測定した。
この場合、ブランク試験として、粉末酵素製剤懸濁液を配合していない試料を測定した。
なお、アルデヒド脱水素酵素の残存活性は、粉末酵素製剤の製造直後のアルデヒド脱水素酵素活性の値を100%として算出した値である。
<評価基準>
A:残存活性が50%以上
B:残存活性が30%以上
C:残存活性が30%未満
一方、遊離アミノ酸、又はそれらの塩を1種のみ配合した粉末酵素製剤(比較例1〜3)は、残存活性が30%未満と大幅に低下しており、アルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性に欠けるものであった。
よって、アルデヒド脱水素酵素に2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を配合することにより、常温下でもアルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性が増すことがわかる。
また、酸性アミノ酸であるグルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩から選ばれる1種以上を25%以上75%以下、かつ、塩基性アミノ酸であるリジン及びアルギニン、又はそれらの塩から選ばれる1種以上を25%以上75%以下含有する粉末酵素製剤(実施例1〜5)は、残存活性がより高く50%以上に保たれており、アルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性に優れていた。
よって、酸性アミノ酸であるグルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩から選ばれる1種以上、及び塩基性アミノ酸であるリジン及びアルギニン、又はそれらの塩から選ばれる1種以上を特定量含有するように調製した粉末酵素製剤は、常温下でもアルデヒド脱水素酵素活性の経時安定性に優れることがわかる。
まず、濾紙を敷いた300mL用の三角フラスコを用意し、この濾紙に、アセトアルデヒド1μLと、実施例1の粉末酵素製剤の1水溶液1mLを注下して、すぐに三角フラスコにブチルゴム製の蓋をして密閉した。密閉後、品温37℃で10分間の保温処理を行った。
同様に、アセトアルデヒドをノネナールに置き換えて保温処理を行った。
実施例2〜6及び比較例1〜3についても、実施例1と同様の試験を行った。
得られた2つの三角フラスコについて、下記の評価基準で消臭試験を実施した。
<評価基準>
A:アセトアルデヒド及びノネナール臭がほとんど消失した。
B:アセトアルデヒド及びノネナール臭が軽減された。
C:アセトアルデヒド又はノネナール臭が軽減されなかった。
一方、試験例1でアルデヒド脱水素酵素の初期活性に対する残存活性が30%未満であった粉末酵素製剤(比較例1〜3)は、アセトアルデヒド及びノネナール臭を軽減することができなかった。
真空凍結乾燥処理を噴霧乾燥処理に置き換えた以外は、全て実施例1に準じて調製し、本発明の粉末酵素製剤を調製した。噴霧乾燥処理は、噴霧乾燥機の入口品温170℃、出口品温65℃で乾燥処理を施し、本発明の粉末酵素製剤を得た。
試験例2の評価基準に基づき、実施例1の粉末酵素製剤と比較したところ、消臭効果が得られたが、実施例1の方が実施例7よりも消臭効果に優れていた。
調製例1の10%アルデヒド脱水素酵素(酵素と細胞膜が結合した複合体)から分離したアルデヒド脱水素酵素粉末10%と、L−グルタミン酸ナトリウム粉末3%、L−アスパラギン酸ナトリウム粉末3%、L−アルギニン粉末3%、デキストリン粉末10%を、粉体混合機に常温(20℃)で投入した後、100rpmで5時間撹拌混合し、アルデヒド脱水素酵素に遊離アミノ酸、又はそれらの塩が吸着している本発明の粉末酵素製剤を得た。
試験例2の評価基準に基づいて消臭試験を行ったところ、消臭効果が得られた。また、実施例1の方が実施例8よりも消臭効果に優れていた。
実施例1の粉末酵素製剤0.1部、デキストリン0.5部、結晶セルロース0.3部、コーンスターチ0.05部、ショ糖脂肪酸エステル0.05部を乾式混合した後、1平方センチメートル当たり1.6tの荷重を加えて圧縮成形し、直径9mm、厚さ4mm、重さ290mg、平面視が円形のタブレット錠剤を製造した。
得られたタブレット錠剤を摂食したところ、アセトアルデヒドによる口臭が改善された。
調製例2のアルデヒド脱水素酵素を用いた以外は実施例1と同様にして得た粉末酵素製剤0.1部、ショ糖4部、ウコン粉末0.05部、ビタミンC0.05部、ビタミンB20.05部、難消化性デキストリン0.05部、クエン酸0.005部、酢酸0.005部、清水95.69部を混合し、常法により1本100gの容器詰め飲料を製造した。
ビール800mLを飲酒後、得られた容器詰め飲料を摂取したところ、アセトアルデヒドによる飲酒時の悪酔いが軽減した。
実施例2の粉末酵素製剤0.1部、液化石油ガス90部、2−エチルヘキサン酸セチル7.7部、無水ケイ酸1部、ポリシロキサン共重合体1部を混合し、常法により一缶180mLのスプレー剤を製造した。
得られたスプレー剤を、50代男性が24時間着用した綿製の肌着に噴霧、塗布したところ、ノネナールによる加齢臭が軽減した。
調製例2のアルデヒド脱水素酵素を用いた以外は実施例2と同様にして得た粉末酵素製剤0.1部、エタノール10部、イソプロピルメチルフェノール2部、タルク1部、メントール0.05部、清水86.85部を混合し、常法に則り、10cm角のポリエステル製のシートに浸漬した。
50代男性が、得られたシート状化粧料を使用して首筋を拭いたところ、ノネナールによる加齢臭が軽減した。
Claims (15)
- アルデヒド脱水素酵素に2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を配合した粉末酵素製剤であって、
該2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩がアルデヒド脱水素酵素に吸着してある、
粉末酵素製剤。 - 請求項1に記載の粉末酵素製剤において、
前記遊離アミノ酸、又はそれらの塩が、
グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンから選ばれる2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を含む、
粉末酵素製剤。 - 請求項1又は2に記載の粉末酵素製剤において、
粉末酵素製剤に含有される遊離アミノ酸総量に対して、
前記グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンから選ばれる2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で25%以上である、
粉末酵素製剤。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の粉末酵素製剤において、
酸性アミノ酸である前記グルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩から選ばれる1種以上と、
塩基性アミノ酸である前記リジン及びアルギニン、又はそれらの塩から選ばれる1種以上とを含む、
粉末酵素製剤。 - 請求項4に記載の粉末酵素製剤において、
粉末酵素製剤に含有される遊離アミノ酸総量に対して、
酸性アミノ酸である前記グルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で15%以上85%以下、
かつ、塩基性アミノ酸である前記リジン及びアルギニン、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で15%以上85%以下である、
粉末酵素製剤。 - アルデヒド脱水素酵素に2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を配合した、
粉末酵素製剤。 - 請求項6に記載の粉末酵素製剤において、
前記遊離アミノ酸、又はそれらの塩が、
グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンから選ばれる2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を含む、
粉末酵素製剤。 - 請求項6又は7に記載の粉末酵素製剤において、
粉末酵素製剤に含有される遊離アミノ酸総量に対して、
前記グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニンから選ばれる2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で25%以上である、
粉末酵素製剤。 - 請求項6乃至8のいずれか一項に記載の粉末酵素製剤において、
酸性アミノ酸である前記グルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩から選ばれる1種以上と、
塩基性アミノ酸である前記リジン及びアルギニン、又はそれらの塩から選ばれる1種以上とを含む、
粉末酵素製剤、 - 請求項9に記載の粉末酵素製剤において、
粉末酵素製剤に含有される遊離アミノ酸総量に対して、
酸性アミノ酸である前記グルタミン酸及びアスパラギン酸、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で15%以上85%以下、
かつ、塩基性アミノ酸である前記リジン及びアルギニン、又はそれらの塩の合計含有量が遊離アミノ酸換算で15%以上85%以下である、
粉末酵素製剤。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の粉末酵素製剤の製造方法であって、
前記アルデヒド脱水素酵素と前記2種以上の遊離アミノ酸、又はそれらの塩とを溶液中で混合した後、
得られた混合液を乾燥する、
粉末酵素製剤の製造方法。 - 請求項11に記載の粉末酵素製剤の製造方法において、
前記混合液の乾燥が凍結乾燥である、
粉末酵素製剤の製造方法。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の粉末酵素製剤、又は請求項11又は12に記載の製造方法で得られた粉末酵素製剤を配合する、
食品。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の粉末酵素製剤、又は請求項11又は12に記載の製造方法で得られた粉末酵素製剤を配合する、
食品の製造方法。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の粉末酵素製剤、又は請求項11又は12に記載の製造方法で得られた粉末酵素製剤を配合する、
化粧料。
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