JPWO2016113823A1 - 太陽光発電設備の監視装置、太陽光発電設備の監視システム、および、太陽光発電設備の監視方法 - Google Patents

太陽光発電設備の監視装置、太陽光発電設備の監視システム、および、太陽光発電設備の監視方法 Download PDF

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Abstract

監視装置(10)は、データ取得部(11)と表示制御部(12)とを備える。データ取得部(11)は、太陽光発電設備(30)の動作に関するデータを取得する。表示制御部(12)は、太陽光発電設備(30)の動作状態を所定の表示様式で表す表示情報を前記データから生成し、前記表示情報を出力する。上記データは、太陽光発電設備(30)を構成する複数の構成要素それぞれに対して設定されている複数の計測点である第1計測点、第2計測点および第3計測点での計測データを含む。上記表示様式は、太陽光発電設備(30)における構成要素に一対一に対応するエレメントを構成要素の位置に関連付けて配置した図形を含んでいる。表示制御部(12)は、計測データを基に構成要素それぞれの動作状態が正常か否かを判断した結果である監視データを、エレメントの表示状態に反映させる。

Description

本発明は、太陽光発電設備の動作状態を監視する太陽光発電設備の監視装置、太陽光発電設備の監視システム、および、太陽光発電設備の監視方法に関する。
従来、太陽光発電設備の動作状態を監視し、太陽電池ストリングの劣化、および、発電不良を検出する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1には、小型太陽電池パネルの出力により日射量を予測し、予測した日射量に基づいて、太陽電池ストリングの予測発電量を求め、太陽電池ストリングの発電量を予測発電量と比較する技術が記載されている。性能が劣化している太陽電池ストリングは、比較結果により検出される。
特開2013−84759号公報
特許文献1には、太陽電池ストリングの異常を検出すると表示器に表示すること、および、太陽電池ストリングの発電量を表示器にグラフで表示することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、太陽光発電設備の構成要素のうちの太陽電池ストリングの劣化を検出するものであるが、太陽光発電設備の他の構成要素の異常については考慮されていない。そのため、太陽光発電設備の構成要素のうちのどの箇所に異常が生じているかがわからず、対処に時間を要するという問題がある。
本発明は、太陽光発電設備に異常が生じた場合に異常箇所を特定でき、結果的に、異常への迅速な対応を可能にする太陽光発電設備の監視装置、太陽光発電設備の監視システム、および、太陽光発電設備の監視方法を提供することを目的とする。
本発明に係る太陽光発電設備の監視装置は、太陽光発電設備の動作に関するデータを取得するデータ取得部と、前記太陽光発電設備の動作状態を所定の表示様式で表す表示情報を前記データから生成し、前記表示情報を出力する表示制御部とを備え、前記データは、前記太陽光発電設備を構成する複数の構成要素それぞれに対して設定されている複数の計測点での計測データを含み、前記表示様式は、前記太陽光発電設備における前記構成要素に一対一に対応するエレメントを前記構成要素の位置に関連付けて配置した図形を含んでおり、前記表示制御部は、前記計測データを基に前記構成要素それぞれの動作状態が正常か否かを判断した結果である監視データを、前記エレメントの表示状態に反映させる。
本発明に係る太陽光発電設備の監視システムは、前記太陽光発電設備の監視装置と、前記太陽光発電設備の監視装置が出力した表示情報を表示する表示装置とを備える。
本発明に係る太陽光発電設備の監視方法は、太陽光発電設備を構成する複数の構成要素それぞれに対して設定されている複数の計測点での計測データを含む前記太陽光発電設備の動作に関するデータを取得するステップと、前記太陽光発電設備の動作状態を、前記太陽光発電設備における前記構成要素に一対一に対応するエレメントを前記構成要素の位置に関連付けて配置した図形を含む所定の表示様式で表す表示情報を前記データから生成するステップと、前記表示情報を出力するステップと、前記計測データを基に前記構成要素それぞれの動作状態が正常か否かを判断した結果である監視データを、前記エレメントの表示状態に反映させるステップとを有する。
本発明の構成によれば、太陽光発電設備に異常が生じた場合に異常箇所を特定でき、結果的に、異常への迅速な対応が可能となる。
図1は、実施の形態を示すブロック図である。 図2は、実施の形態に用いる太陽光発電設備の例を示す構成図である。 図3は、実施の形態に用いる表示様式の一例を示す図である。 図4は、実施の形態に用いる表示様式の他例を示す図である。 図5は、実施の形態に用いる表示様式の要部を示す図である。 図6は、実施の形態に用いる表示様式のさらに他例を示す図である。
以下に説明する監視装置は、太陽光発電設備で発生したデータに基づいて太陽光発電設備の動作状態を監視する。太陽光発電設備で発生したデータは、インターネット、移動体通信網のような電気通信回線を通して監視装置に伝送される。したがって、監視装置を用いることにより、太陽光発電設備の動作状態は、太陽光発電設備から離れた場所で監視されることが可能である。また、監視装置が太陽光発電設備に隣接して配置される場合は、太陽光発電設備で発生したデータは、電気通信回線を通して監視装置に伝送されずに、監視装置に直接に与えられることが可能である。
以下に説明する実施の形態では、監視装置がインターネットのような電気通信回線に接続されたサーバであって、複数の太陽光発電設備で発生したデータを監視装置に集めることが可能である構成を想定する。すなわち、監視装置は、複数の太陽光発電設備について動作状態を監視する。
本実施の形態では、複数の太陽光発電設備の動作状態を監視装置に集約して監視する例を説明するが、複数の太陽光発電設備の動作状態を、太陽光発電設備それぞれに関連付けた端末装置に監視装置から送信する構成を採用してもよい。すなわち、複数の太陽光発電設備について動作状態の監視を、1箇所で集中的に行う構成と、複数箇所で分散して行う構成とのどちらでも採用することが可能である。要するに、太陽光発電設備で発生するデータが電気通信回線を通して監視装置で取得可能な環境であれば、監視装置の場所によらずに、太陽光発電設備の動作状態を監視することが可能である。
監視装置は、主として太陽光発電設備を用いて発電事業を行う事業者向けであって、1台の監視装置が監視する太陽光発電設備のサイト数は、たとえば100〜500サイトを想定している。ただし、監視装置の台数を増加させるか、監視装置の処理能力を高めることにより、監視可能な太陽光発電設備のサイト数は、必要に応じて増加させることが可能である。
(実施の形態)
本実施の形態では、図1に示すように、監視装置10は、太陽光発電設備30から計測データを受け取る。また、本実施の形態では、計測データが電気通信回線41を通して太陽光発電設備30から監視装置10に送信される構成を採用している。電気通信回線41は、インターネットを用いたVPN(Virtual Private Network)、移動体通信網、又は、専用回線などにより構成され得る。
監視装置10は、計測データを取得するデータ取得部11と、太陽光発電設備30の動作状態を視覚化するための表示情報を出力する表示制御部12とを備える。また、監視装置10は、データ取得部11が取得した計測データを基に、太陽光発電設備30が正常か否かを判断した結果である監視データを生成する判断部13を備える。
表示制御部12は、計測データと監視データとを用いて表示情報を生成する。監視装置10は、表示装置20とともに監視システムを構築する。したがって、表示制御部12が出力した表示情報は、表示装置20に与えられ、太陽光発電設備30の動作状態が表示装置20の画面に表示される。すなわち、本実施の形態の太陽光発電設備の監視システムは、監視装置10と、監視装置10が出力した表示情報を表示する表示装置20とを備える。
表示装置20は、例えば、サーバである監視装置10に対してクライアントとなる端末装置であり、一般的には、監視装置10と電気通信回線42を通して通信するパーソナルコンピュータが用いられる。電気通信回線42は、インターネットを用いたVPN、移動体通信網、又は、専用回線などにより構成され得る。
表示装置20は、タブレット端末、スマートフォンなどから選択することが可能であり、また、シンクライアント(thin client)であってもよい。本実施の形態において、表示装置20は、基本的にはドットマトリクスによる表示を行う構成を採用するが、セグメントによる表示を行う構成も採用可能である。また、表示装置20と監視装置10とは単一のコンピュータで構成されていてもよい。表示制御部12が出力した表示情報による表示装置20への表示例については後述する。
なお、監視装置10が把握している太陽光発電設備30の動作状態は、太陽光発電設備30で発電した電力を受電する需要者が使用する表示装置20に転送することが可能であり、需要者への情報提供のツールとして用いることも可能である。
本実施の形態の太陽光発電設備30は、図2に示すように、太陽電池モジュール31と電力変換装置32とを備える。本実施の形態は、中規模から大規模の太陽光発電設備30を対象にしており、たとえば発電規模が50〜1000kW程度、望ましくは1000kW程度である太陽光発電設備30を対象にしている。この程度の発電規模であると、複数台の電力変換装置32が必要になることが多い。本実施の形態では、一例として4台の電力変換装置32を用いている。なお、本実施の形態の監視装置10は、発電規模にかかわらず用いることが可能である。
太陽電池モジュール31は、所定数が直列接続されることによりストリング33を構成する。また、本実施の形態の太陽光発電設備30は、複数のストリング33を並列に接続するために接続装置34と集電装置35とを備える。接続装置34は、いわゆる接続箱であって所定数のストリング33が接続され、集電装置35はいわゆる集電箱であって複数の接続装置34が接続される。1台の接続装置34に接続されるストリング33は、たとえば8個であり、1台の集電装置35に接続される接続装置34は、たとえば5台である。なお、接続装置34には、接続される所定数のストリング33が共用する1台のブレーカが収納され、集電装置35には、接続される複数の接続装置34に一対一に対応する複数のブレーカが収納される。
ストリング33と接続装置34との間には、複数のストリング33が接続されるストリングモニタ36が設けられる。ストリングモニタ36は、ストリング33の動作を監視する装置であり、接続された複数のストリング33それぞれの出力を計測した計測データを出力する。ストリングモニタ36は、複数のストリング33のそれぞれについて計測データを出力する。本実施の形態において、ストリングモニタ36は、接続装置34の筐体に収納されることを想定しているが、ストリングモニタ36は接続装置34の筐体とは別に設けられていてもよい。なお、ストリングモニタ36は、計測データに加えて監視データを併せて出力してもよい。この監視データは、たとえば、ストリングモニタ36が監視した断線などに関するデータである。
ストリングモニタ36には、たとえば4個のストリング33が接続される。接続装置34に8個のストリング33が接続される場合であって、ストリングモニタ36に4個のストリング33が接続される場合には、接続装置34に2台のストリングモニタ36が接続される。
集電装置35は、電力変換装置32に一対一に接続される。本実施の形態の太陽光発電設備30は、4台の電力変換装置32を備え、4台の電力変換装置32は変電設備40を通して電力系統43に接続される。変電設備40は、電力変換装置32の出力電圧を電力系統43の電圧に合わせて昇圧するために設けられている。ここでは、電力系統43として6600Vの高圧配電線路を想定している。そのため、電力変換装置32の出力電圧を昇圧するための変電設備40が設けられている。
上述したように、太陽光発電設備30の電力系は、太陽電池モジュール31、ストリング33、ストリングモニタ36、接続装置34、集電装置35、電力変換装置32、および、変電設備40の各構成要素により階層的に構成されている。構成要素それぞれの個数は、設計の範囲で適宜に変更することが可能である。たとえば、上述した構成例では、4個のストリング33がストリングモニタ36に接続されているが、8個のストリング33がストリングモニタ36に接続される構成であってもよい。この場合、ストリングモニタ36は接続装置34と一対一に接続される。また、変電設備40に接続される電力変換装置32の台数は4台以外であってもよい。
太陽光発電設備30には、ストリングモニタ36がストリング33の出力を計測する第1計測点P1のほかに、電力変換装置32の出力が計測される第2計測点P2が設けられる。また、本実施の形態では、電力変換装置32と電力系統43との連系点に設定された第3計測点P3が設けられている。第3計測点P3は、電力系統43と電力変換装置32との連系点であるから、第3計測点P3では、変電設備40の出力が計測される。なお、電力変換装置32は、電力変換装置32の入力および出力に関する入出力データと、電力変換装置32の動作状態に関する状態データとを監視する機能を有していてもよい。また、第3計測点P3では、変電設備40の出力の計測のほか、変電設備40の動作状態に関する状態データを監視する機能を有していてもよい。
第1計測点P1と第2計測点P2と第3計測点P3とのそれぞれでは電圧および電流が計測される。電圧値および電流値は、たとえば1秒〜30分の範囲で選択される単位時間の平均値が用いられる。要するに、計測データは、単位時間における計測値を基に算出された1秒当たりの平均値である。実用上は、単位時間は30秒〜1分の範囲で選択してもよい。
第1計測点P1でストリングモニタ36が計測した計測データは、後述する通信部37を通して監視装置10に送信される。通信部37は、ストリングモニタ36と一体である場合と、ストリングモニタ36とは別に設けられる場合とがある。本実施の形態では、ストリングモニタ36とは別に通信部37を設けている。通信部37は、第2計測点P2および第3計測点P3での計測データを、ストリングモニタ36で得られた計測データと併せて監視装置10に送信する。
第2計測点P2にはセンサ381が配置され、第3計測点P3にはセンサ382が配置される。センサ381および382は、どちらも電流および電圧を計測する。第1計測点P1で計測する電圧は直流であるが、第2計測点P2および第3計測点P3で計測する電圧は交流である。ストリングモニタ36は、第1計測点P1の電流を、ホールIC、磁気抵抗素子およびシャント抵抗などから選択されるセンサで計測する。また、第2計測点P2および第3計測点P3の電流を計測するセンサ381および382は、電流トランス、ホールIC、磁気抵抗素子およびシャント抵抗などから選択される。
ストリング33の出力は、天候および温度のような気象条件によって変化する。また、ストリング33の出力は、太陽高度の影響を受けるから、時間の経過に伴って変化し、季節によって変化する。さらに、太陽光発電設備30が設置されている場所の緯度によってもストリング33の出力に相違が生じる。太陽光発電設備30の周囲に、樹木、建物などが存在すると、1日のうちの特定の時間帯には日陰によってストリング33の出力が低下する可能性もある。
太陽光発電設備30の設置場所は既知であるから、日時に応じて太陽高度を計算することが可能であり、出力の実測あるいはシミュレーションを行えば、日陰の影響を求めることが可能である。すなわち、これらの条件の影響は、太陽光発電設備30の設置場所がわかれば、計算でほぼ求めることが可能である。
一方、気象条件の変化は簡単な計算では求めることができないから、太陽光発電設備30には気象条件を計測するための気象計39が配置される。気象計39は、日射量に応じて晴天、雨天、曇天および降雪などの天候を判別し、気温および湿度を計測するために、日射センサと温度センサと湿度センサとを備える。天候の判別には、日射量を計測する日射計のほかに、太陽電池モジュール31の上空を撮影するカメラが併用される場合もある。気象計39は、カメラを備えている場合、カメラが撮影した画像から、太陽電池モジュール31の上空の雲の位置および速度、並びに、上空の色調などを考慮して天候を決定することが可能である。
ストリングモニタ36が計測した第1計測点P1の計測データ、センサ381が計測した第2計測点P2の計測データ、センサ382が計測した第3計測点P3の計測データ、および、気象計39が計測した計測データは、通信部37を通して監視装置10に送信される。監視装置10は、太陽光発電設備30から受け取った計測データを用いて、太陽光発電設備30の動作状態が正常か否かの判断を行い、判断結果である監視データを生成する。
ここに、計測データに基づいて監視データを生成する構成を太陽光発電設備30が備えている場合、通信部37は、監視データを計測データと併せて監視装置10に送信することが可能である。すなわち、第1計測点P1と第2計測点P2と第3計測点P3とでの計測データを監視装置10に送信し、監視装置10が計測データから監視データを生成するのではなく、太陽光発電設備30が計測データから監視データを生成する構成であってもよい。また、監視装置10と太陽光発電設備30との両方で監視データを生成する構成を採用することも可能である。たとえば、太陽光発電設備30において、電力変換装置32が監視データを生成し、ストリングモニタ36の計測データについては、監視装置10が監視データを生成する構成であってもよい。
なお、本実施の形態では、計測点が、ストリング33に対応する第1計測点P1、接続装置34に対応する第2計測点P2、および、電力変換装置32に対応する第3計測点P3の3種類であるが、計測点が3種類であることは必須ではない。計測点は、太陽光発電設備30の複数の構成要素に対応付けられ、太陽光発電設備30における異なる階層で電圧および電流が計測されるように設定される。また、計測点を設定した階層に、同じ構成要素が複数あるときには、構成要素ごとに電圧および電流が計測される。
上述した例では、1台の接続装置34に8個のストリング33が接続されているから、第1計測点P1が対応付けられている階層では、同じ構成要素であるストリング33が1台の接続装置34に対して8個ある。したがって、第1計測点P1では、8個のストリング33の電圧および電流を計測している。
ところで、監視装置10の判断部13は、データ取得部11が太陽光発電設備30から取得した計測データを用いて監視データを生成する。判断部13は、計測データを閾値と比較することにより、第1計測点P1、第2計測点P2および第3計測点P3のそれぞれに対応した構成要素が正常か否かを計測する。
上述のように、太陽光発電設備30の構成要素は階層化されているから、判断部13は、下位階層の構成要素に対応する計測点の監視データが異常を表すとき、その上位階層の構成要素に対応する計測点の監視データを異常とすることも可能である。たとえば、判断部13は、第1計測点P1の監視データが異常を示すときに、第2計測点P2および第3計測点P3の監視データも異常とする。また、判断部13は、第1計測点P1の計測データが正常であっても、第2計測点P2の監視データが異常を示すときには、第3計測点P3の計測データも異常とする。
第1計測点P1での計測データを用いてストリング33が正常か否かを判断するには、ストリング33の出力が変化する条件を考慮して閾値を設定する必要がある。たとえば、太陽光発電設備30は夜間は発電しないから、夜間にはストリング33が正常か否かを判断することはできない。また、太陽光発電設備30は、曇天時、雨天時などには発電するとしても、晴天時に比べるとストリング33の出力は低下し、また温度によってもストリング33の出力は変化するから、これらの条件が考慮されていなければ正常か否かは判断できない。
以上のことから、太陽光発電設備30が正常か否かを判断するための閾値は、日照、温度、時間帯に応じて設定され得る。また、判断部13は、晴天を条件として設定された閾値を用いて、晴天であることが保証されるときのストリング33の出力を用いて、太陽光発電設備30が正常か否かを判断してもよい。
太陽光発電設備30が同じ仕様の多数のストリング33を備えているから、太陽光発電設備30を構成するすべてのストリング33の出力から中央値あるいは最頻値のような出力の代表値を求め、出力の代表値に基づいて閾値を定めることも可能である。あるいは、太陽光発電設備30を構成するすべてのストリング33の出力のうち上位10%と下位10%とを除外した平均値を求め、この平均値に基づいて閾値を定めることが可能である。上述の例は一例であり、閾値は他の方法で定めることが可能である。
判断部13は、ストリング33それぞれの出力を、上述のようにして定めた閾値と比較することにより、個々のストリング33が正常か否かを判断する。たとえば、判断部13は、第1計測点P1で計測された電圧値および電流値をそれぞれの閾値と比較し、電圧値が電圧用の閾値以上かつ電流値が電流用の閾値以上の場合に正常と判断する。判断部13は、第1計測点P1で計測された電圧値および電流値を用いて電力値を求め、電力値が閾値以上である場合に正常と判断する構成でもよい。
本実施の形態では、ストリング33と接続装置34とが階層化され、複数個(実施の形態では8個)のストリング33が上位階層である接続装置34に接続されている。言い換えると、1台の接続装置34に接続された複数個のストリング33は1つのグループを形成している。上述したように、本実施の形態では、下位階層の構成要素に対応する計測点の計測データから得られた監視データが異常を表すときに、上位階層の構成要素に対応する計測点の監視データも異常としている。すなわち、グループ内のいずれかのストリング33について異常を示す監視データが生じると、グループ全体の監視データも異常とするのである。要するに、監視装置10は、グループを単位として正常か否かを判断する機能を有している。
グループが正常か否かの判断は、ストリング33ごとの監視データの論理積として求められる。すなわち、判断部13は、接続装置34に接続されているすべてのストリング33の監視データが正常であると、接続装置34の出力を正常と判断し、いずれかのストリング33の監視データが異常であると、接続装置34の出力を異常と判断する。また、判断部13は、接続装置34の出力を異常と判断すると、接続装置34の上位階層である電力変換装置32の出力を異常と判断し、電力変換装置32の上位階層である変電設備40の出力も異常と判断する。要するに、下位階層の異常は上位階層で継承される。
なお、上述したように、監視装置10において計測データから監視データを生成するのではなく、太陽光発電設備30において計測データから監視データを生成する構成を採用することが可能である。この場合、監視装置10は、判断部13の機能のうち、計測データから監視データを生成する機能は不要になり、下位階層の異常を上位階層でも継承する機能のみを持つ。また、上述したように、太陽光発電設備30と監視装置10との両方が監視データを生成する構成を採用してもよい。
ところで、表示制御部12は、計測データおよび監視データを、表示装置20の画面に表示する表示情報を生成する。表示情報は、画面の表示様式を定める情報を含み、この表示様式に計測データおよび監視データを当て嵌めるように構成されている。
監視装置10を用いる主な目的は、太陽光発電設備30が正常に動作しているか否かを監視することと、太陽光発電設備30の発電に関する定量的なデータを監視することとである。また、本実施の形態の表示制御部12には、基本的に2種類の表示様式が定められており、2種類の表示様式は切替可能になっている。
一方の表示様式は、図3に示すように、監視装置10が管理している太陽光発電設備30が配置されている場所を、地図50の上のシンボル51で表し、太陽光発電設備30が正常に動作しているか否かを、シンボル51の表示状態で表すように構成されている。
図3に示す例では、監視装置10が管理する太陽光発電設備30のサイトが複数あり、サイトの場所それぞれにシンボル51が付与されている。シンボル51の表示状態は、たとえば、青色(白抜き)が正常、赤色(密度の高い斜線を付した部分)が第2計測点P2での異常、オレンジ色(密度の低い斜線を付した部分)が第1計測点P1での異常というように、色で区別される。図3では、第2計測点P2での異常が「パワコン異常」と表記され、第1計測点P1での異常が「SMU異常」と表記されている。なお、パワコンは電力変換装置32を意味し、SMU(String Monitor Unit)はストリングモニタ36を意味する。
地図50の上でのシンボル51の位置は、太陽光発電設備30を監視装置10の管理対象とする際に登録される情報で決まる。すなわち、監視装置10に太陽光発電設備30を登録する際に、発電の規模などの情報に加えて、地理上の位置の情報が登録され、この情報を用いて地図50の上でのシンボル51の位置が定められる。シンボル51の色は、計測データに基づいて判断部13が判断した結果である監視データに基づいて定められる。
なお、シンボル51の表示状態は、色を変化させて表すほかに、シンボル51の形状を変化させて表すことが可能であり、また、シンボル51の中に他の図形あるいは文字を表示することにより、シンボル51の表示状態を変化させることが可能である。
ところで、他方の表示様式は、図4のように、特定の太陽光発電設備30について、発電に関する情報と、動作状態に関する情報と、補助的な情報とを表すように構成されている。図4に示す表示様式の情報は、表示装置20の画面に、図3のような表示様式で情報が表示されている状態において、特定のサイトに対応するシンボル51を選択することにより表示される。つまり、選択されたシンボル51に対応する太陽光発電設備30について、表示装置20の画面に、発電に関する情報と、動作状態に関する情報と、補助的な情報とが表示される。ここに、シンボル51の選択とは、たとえば、シンボル51にカーソルを合わせてダブルクリックを行うことである。
図4に示す表示様式には、発電に関する情報を表示するために、1時間ごとの発電電力量の推移を示す領域61、所定の期間内の発電電力量を示す領域62、発電中の電力を表す領域63が設けられている。図4に示す例では、動作状態に関する情報を表示する領域は、動作状態が正常か否かを表す領域64、動作状態の詳細を表す領域65である。補助的な情報を表す領域は、太陽光発電設備30の外観の静止画像あるいは動画像を表す領域66、気象計39が計測した気象情報を表示する領域67である。表示制御部12は、いわゆるライブカメラを用いた実況の動画像を領域66に表示してもよい。
領域61には、当日の1日における1時間ごとの発電電力量が棒グラフ611で表され、適宜に指定された日の1時間ごとの発電電力量が折れ線グラフ612で表されている。折れ線グラフ612は、過去の発電電力量の実績に基づいて求められた代表値を表していてもよい。代表値は、過去の同月の平均値、過去の同月の中央値などである。
領域62には、当日の発電電力量と、当月の発電電力量と、太陽光発電設備30が設置されてからの発電電力量とが数値で表されている。領域62には、当年の発電電力量などの他の情報が表示されることもある。
領域63には、発電規模(定格発電電力)に対する発電中の電力がリング状の円グラフ631で表される。図4に示す例では、円グラフ631を見ると、太陽光発電設備30の出力が発電規模に対して4分の3程度であることがわかり、円グラフ631の周囲に示された数値によって、50kWの発電規模に対し、発電中の電力が38kWであることがわかる。なお、図4の円グラフ631において、発電中の電力は、青色などに着色した部分(実線で囲まれた白抜き部分)で表される。
領域64は、領域63の円グラフ631と同様の形状を有したリング状のエレメント641を備える。エレメント641は、太陽光発電設備30に異常があるか否かを表し、たとえば、青色のときに正常、赤色のときに異常を表す。図4に示す例では、太陽光発電設備30に異常が生じている状態を表している。また、図4に示す例では、領域63と領域64とを表示装置20の画面上でほぼ対称に配置した画面のデザインを採用し、エレメント641が円グラフ631とほぼ同形状のリング状に形成されている。ただし、正常と異常とが異なる形状のエレメントで表されていてもよい。
領域65は、太陽光発電設備30の構成要素ごとの動作状態を表す図形を備える。上述した太陽光発電設備30は、8個のストリング33が接続装置34に接続されているが、図4に示す例は、16個のストリング33が1台の接続装置34に接続された例を示している。さらに、図4に示す例では、接続装置34はストリングモニタ36と一対一に対応しており、1つのグループを構成する16個のストリング33は、1台のストリングモニタ36に接続されている。
領域65に配置された図形は、全体としては円形であって、この図形の中に、太陽光発電設備30の構成要素に対応付けたエレメント651、652、653および654が配置されている。太陽光発電設備30を表す図形は、構成要素の階層を中心からの距離に対応付けて表している。
エレメント651はストリング33に対応し、エレメント652は接続装置34に対応し、エレメント653は電力変換装置32に対応する。エレメント654は変電設備40に対応する。すなわち、エレメント651は第1計測点P1の計測データに基づく監視データの内容を表し、エレメント653は第2計測点P2の計測データに基づく監視データの内容を表し、エレメント654は第3計測点P3の計測データに基づく監視データの内容を表す。エレメント652は、1台のストリングモニタ36に接続された16個のストリング33を総合した監視データの内容を表す。つまり、エレメント652は、グループ内のストリング33がすべて正常であるときに正常を表し、グループ内のストリング33のいずれかに異常があると異常を表すことも可能である。
この図形の拡大図を図5に示す。太陽光発電設備30と電力系統43とが接続される連系点は1点であるから、第3計測点P3に対応するエレメント654は、1個のリング状に形成される。エレメント654は、内側の領域に構成要素の名称が表示される。ここでは、エレメント654の内側に、第3計測点P3に対応することを示すために、「系統連系」という名称が表記されている。
エレメント651、652および653は、エレメント654の外側に仮想的に設定したリング上に配置され、リングの一部にはエレメント651、652および653と対応する構成要素の名称を表示するネーム部655、656および657が設けられる。第1計測点P1はストリング33それぞれの計測データを計測するから、エレメント651に対応するネーム部655に「ストリング」の名称が表記されている。また、エレメント652はグループを構成する16個のストリング33が接続されたストリングモニタ36に対応し、エレメント652に対応するネーム部656に「SMU」の名称が表記されている。第2計測点P2は電力変換装置32の計測データを計測するから、エレメント653に対応するネーム部657には「パワコン」の名称が表記されている。なお、上述したように、パワコンは電力変換装置32を表し、SMUはストリングモニタ36を表す。
第2計測点P2に対応するエレメント653は、エレメント654の外周を囲むように仮想的に設定されたリング上に配置される。図2に示した構成例では、第2計測点P2は4点であるが、図4および図5に示す表示様式の例では、第2計測点P2が5点である場合を想定している。したがって、仮想的に設定されたリング上に5個のエレメント653が設けられ、このリング上にネーム部657が設けられる。つまり、仮想的なリングが6個の部分に分割され、1つの部分がネーム部657になり、残りの5個の部分のそれぞれがエレメント653になる。
同様にして、エレメント652は、エレメント653を含むリングの外周を囲むように仮想的に設定されたリング上に配置され、エレメント651は、エレメント652を含むリングの外周を囲むように仮想的に設定されたリング上に配置される。
1台の電力変換装置32に対して5台の接続装置34が接続され、ストリングモニタ36は接続装置34と一対一に対応しているから、1個のエレメント653に対して5個のエレメント652が対応する。つまり、エレメント652は25個設けられ、25個のエレメント652とネーム部656とが仮想的に設定された1つのリング上に配置される。
さらに、ストリングモニタ36には16個のストリング33が接続されるから、エレメント652に対して16個のエレメント651が対応する。図形の中心からエレメント652を見込む角度は10度程度であるから、エレメント652に沿うように16個のエレメント651を配置すると、図形の中心からエレメント651を見込む角度が1度以下になり、視認性が低下する可能性がある。そのため、本実施の形態では、16個のエレメント651が8個ずつ2列に並べられ、エレメント652が配置された仮想的なリングの外周に交差する方向に列が延びるように、エレメント651が配置されている。
図示例では、1つのグループを構成する16個のエレメント651を配置するために、平行な2本の直線が仮想的に設定され、直線ごとに8個のエレメント651が並べられている。さらに、1つのグループを構成するエレメント651を並べた2本の直線の間に仮想的に設定した中心線が、エレメント654の中心を通るように配置される。つまり、領域65に配置した図形において、エレメント651は、8個ずつがほぼ放射方向の列をなすように配置されている。
太陽光発電設備30の動作状態が正常か否かは、エレメント651、652、653および654の表示状態で表される。たとえば、表示制御部12は、太陽光発電設備30の構成要素の動作状態が正常か否かに応じて、構成要素に対応したエレメント651、652、653および654の色を変化させる。図5に示す例では、正常を青色(白抜き)で表し、異常を赤色(斜線を付与)で表している。動作状態が正常か否かは、異なる色で表すほか、連続表示と点滅表示とで表すことも可能である。なお、エレメント654は、連系点において電力系統43に停電のような異常が生じているか否かを表している。
エレメント651、652、653および654が上述のように配置されることにより、領域65に配置された図形は、全体として、太陽あるいはヒマワリを想起させる独特な形状に形成される。また、太陽光発電設備30の構成要素に対応するエレメント651、652、653および654が、複数の仮想的なリング上に配置され、かつ仮想的なリングが同心円状に配置された図形を用いているから、この図形の中に構成要素の階層構造が表現される。すなわち、上位階層の構成要素について動作状態の異常が示されている場合に、下位階層のどの構成要素に異常が生じているかも示される。また、多数の構成要素が全体として円形の図形で表現されているから、表示装置20の画面において領域65が占める面積が比較的小さくなる上に、正方形状の領域65に情報が集約され、画面内に他の情報が混在する場合でも情報の認識を容易にする。
なお、領域65に配置する図形は、電力変換装置32の台数に応じて、全体として六角形状、八角形状などの多角形状を採用してもよい。また、領域65に配置される図形は、図5に示した図形が展開され、ストリング33に対応するエレメント651の列が平行にならんだ四角形状の図形であってもよい。また、上述した構成例では、表示制御部12が表示装置20に対して表示様式を提供しているが、表示様式が可変ではないセグメント式などの表示装置20を用いて、上述した表示を行ってもよい。
さらに、太陽光発電設備30の出力は日射量の影響を受けるから、監視装置10は、インターネットのような電気通信回線を通して気象情報を取得し、図6のように、図3と同様の地図50の上に、気象情報として取得した雲52の位置の目安を表示してもよい。雲52の位置が示されていると、太陽光発電設備30の出力が低下したときに、故障による出力低下か天候による出力低下かを判断する目安が得られる。
図6では雲52の位置の目安を表示しているが、太陽光発電設備30に設けられている気象計39からは天候、気温および湿度に関する情報が得られるから、これらの情報も地図上に表示すれば、太陽光発電設備30の出力が変動する要因を推定する際に役立つ。要するに、太陽光発電設備30のサイトごとに出力低下の原因が、故障によるか天候などの影響によるかが直観的に確認できるように、太陽光発電設備30の発電電力量に影響する気象情報を地図50の上に重ねて配置することにしてもよい。
なお、上述した構成例では集電装置35を用いているが、電力変換装置32に接続装置34を接続する構成を採用してもよい。電力変換装置32に複数台の接続装置34を接続する場合は、電力変換装置32が集電装置35に相当する構成を備えていればよい。
上述したように、本実施の形態における太陽光発電設備の監視装置10は、データ取得部11と表示制御部12とを備える。データ取得部11は、太陽光発電設備30の動作に関するデータを取得する。表示制御部12は、太陽光発電設備30の動作状態を所定の表示様式で表す表示情報を前記データから生成し、前記表示情報を出力する。前記データは、太陽光発電設備30を構成する複数の構成要素それぞれに対して設定されている複数の計測点(第1計測点P1、第2計測点P2および第3計測点P3)での計測データを含む。前記表示様式は、太陽光発電設備30における構成要素に一対一に対応するエレメント(651、652、653および654)を構成要素の位置に関連付けて配置した図形を含んでいる。表示制御部12は、計測データを基に構成要素それぞれの動作状態が正常か否かを判断した結果である監視データを、エレメント(651、652、653および654)の表示状態に反映させる。
この構成によれば、構成要素それぞれの動作状態が正常か否かが、構成要素に一対一に対応するエレメント(651、652、653および654)の表示状態で表されるから、異常が生じている構成要素の種類を直観的に認識させることが可能になる。しかも、エレメント(651、652、653および654)は構成要素の位置に対応付けて配置されているから、太陽光発電設備30に異常が生じた場合に、エレメント(651、652、653および654)の位置により異常箇所が特定される。すなわち、太陽光発電設備30に異常が生じた場合に、異常が生じている箇所の特定が容易になる表示を可能にするから、ユーザは異常への迅速な対応が可能になる。
本実施の形態において、太陽光発電設備30は、構成要素として、複数のストリング33と複数の接続装置34と電力変換装置32とを備える。ストリング33は、太陽電池モジュール31で構成される。接続装置34は、複数のストリング33の出力を所定数ずつのグループにまとめる。電力変換装置32は、接続装置34からの出力を交流に変換する。計測点は、ストリング33の出力を計測する第1計測点P1と、電力変換装置32の出力を計測する第2計測点P2とを含む。
この構成によれば、太陽光発電設備30の構成要素のうちの、ストリング33と、電力変換装置32とに関して動作状態が正常か否かを判断することが可能になる。すなわち、太陽光発電設備30に異常が生じた場合に、ストリング33に原因があるか、電力変換装置32に原因があるかが容易に特定される。
本実施の形態において、太陽光発電設備30は電力系統43と接続される。計測点は、電力変換装置32と電力系統43との連系点に設定された第3計測点P3をさらに備える。
この構成によれば、太陽光発電設備30と電力系統43との連系点に関して正常か否かの判断が可能であるから、たとえば、電力系統43の停電状態などが検出可能になる。
上記図形は、エレメントとして、ストリング33に一対一に対応する複数の第1のエレメント651と、電力変換装置32に対応する第2のエレメント653と、連系点に対応する第3のエレメント654とを備えてもよい。グループを構成するストリング33に対応する第1のエレメント651は列を形成する。ストリング33が接続された電力変換装置32に対応する第2のエレメント653は第1のエレメント651の列の一端側に配置される。第3のエレメント654は第2のエレメント653を挟んで第1のエレメント651の反対側に配置されている。
この構成によれば、太陽光発電設備30の構成要素における階層的構造を、構成要素に対応したエレメントの配置に反映させているから、構成要素に異常が生じた場合に、異常が生じている構成要素の場所を特定させることが容易になる。
上記図形は、第1のエレメント651と第2のエレメント653と第3のエレメント654とが、それぞれ仮想的に設定されたリング上に配置されてもよい。第3のエレメント654が配置されたリングを第2のエレメント653が配置されたリングが囲み、かつ第2のエレメント653が配置されたリングを第1のエレメント651が配置されたリングが囲む。
この構成によれば、太陽光発電設備30の構成要素が全体としてリング状である図形で表され、かつ図形の中心からの距離に応じて異なる種類の構成要素が対応付けられる。したがって、太陽光発電設備30の構成要素の階層的構造がリング状の図形で表されることにより、異常が生じている構成要素の位置をユーザに認識させやすくなる。しかも、図形は、全体としてリング状であるから、太陽あるいはヒマワリを想起させて親しみやすさを演出することが可能であり、多数の構成要素をリング状の図形に集約させているから、表示装置20に表示させる場合に画面上での配置の自由度が高くなる。また、この図形により、多数の構成要素に対応するエレメント(651、652、653および654)をコンパクトに配置することが可能になる。
上記表示様式は、太陽光発電設備30を表すシンボル51を、太陽光発電設備30が配置されている場所に対応させて地図50上に配置するように定められていてもよい。この場合、表示制御部12は、計測データを基に太陽光発電設備30の動作状態が正常か否かを判断した結果をシンボル51の表示状態に反映させる。
この構成によれば、地図50の上で太陽光発電設備30が配置されている地理的な場所を地図50の上で確認することができるから、複数の太陽光発電設備30の動作状態を監視する場合に、異常が生じている太陽光発電設備30を即座に知ることが可能になる。すなわち、異常が生じた太陽光発電設備30は、シンボル51の表示状態が正常な太陽光発電設備30とは異なるから、地図50に表示状態が異なるシンボル51があれば、その太陽光発電設備30に異常が生じていると認識させることが可能である。また、表示装置20の1画面に表示可能な地図50の範囲であれば、複数の太陽光発電設備30の動作状態を同時に表示できる。つまり、ユーザが太陽光発電設備30の動作状態を常時監視する場合に、画面の切替、画面のスクロールなどを行うことなく、複数の太陽光発電設備30について監視することが可能になる。そして、異常が生じている太陽光発電設備30の位置が地図50の上に示されるから、現場での確認作業あるいは修理作業のようなサービスが必要であれば、サービス拠点にすみやかに指示することが可能になる。
前記表示様式は、太陽光発電設備30の発電電力量に影響する気象情報を地図50上に重ねて配置するように定められていてもよい。
この構成によれば、気象情報が地図50の上に重ねられているから、発電電力量の低下の原因が、太陽光発電設備30の動作状態の異常であるか、天候などの気象条件であるかを識別させることができる。
なお、本発明の包括的又は具体的な各種態様には、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体等の1つ又は複数の組み合わせが含まれる。
本発明の一態様に係る太陽光発電設備の監視方法は、太陽光発電設備を構成する複数の構成要素それぞれに対して設定されている複数の計測点での計測データを含む前記太陽光発電設備の動作に関するデータを取得するステップと、前記太陽光発電設備の動作状態を、前記太陽光発電設備における前記構成要素に一対一に対応するエレメントを前記構成要素の位置に関連付けて配置した図形を含む所定の表示様式で表す表示情報を前記データから生成するステップと、前記表示情報を出力するステップと、前記計測データを基に前記構成要素それぞれの動作状態が正常か否かを判断した結果である監視データを、前記エレメントの表示状態に反映させるステップとを有する。
また、本発明の一態様に係るプログラムは、太陽光発電設備を構成する複数の構成要素それぞれに対して設定されている複数の計測点での計測データを含む前記太陽光発電設備の動作に関するデータを取得するステップと、前記太陽光発電設備の動作状態を、前記太陽光発電設備における前記構成要素に一対一に対応するエレメントを前記構成要素の位置に関連付けて配置した図形を含む所定の表示様式で表す表示情報を前記データから生成するステップと、前記表示情報を出力するステップと、前記計測データを基に前記構成要素それぞれの動作状態が正常か否かを判断した結果である監視データを、前記エレメントの表示状態に反映させるステップとをコンピュータに実行させる。
なお、上述した実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。
また、上述した実施の形態で示した構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明の範囲に含まれる。
10 監視装置
11 データ取得部
12 表示制御部
20 表示装置
30 太陽光発電設備
31 太陽電池モジュール
32 電力変換装置
33 ストリング
34 接続装置
43 電力系統
50 地図
51 シンボル
651 エレメント(第1のエレメント)
652 エレメント
653 エレメント(第2のエレメント)
654 エレメント(第3のエレメント)
P1 第1計測点
P2 第2計測点
P3 第3計測点

Claims (9)

  1. 太陽光発電設備の動作に関するデータを取得するデータ取得部と、
    前記太陽光発電設備の動作状態を所定の表示様式で表す表示情報を前記データから生成し、前記表示情報を出力する表示制御部とを備え、
    前記データは、前記太陽光発電設備を構成する複数の構成要素それぞれに対して設定されている複数の計測点での計測データを含み、
    前記表示様式は、前記太陽光発電設備における前記構成要素に一対一に対応するエレメントを前記構成要素の位置に関連付けて配置した図形を含んでおり、
    前記表示制御部は、
    前記計測データを基に前記構成要素それぞれの動作状態が正常か否かを判断した結果である監視データを、前記エレメントの表示状態に反映させる
    太陽光発電設備の監視装置。
  2. 前記太陽光発電設備は、前記構成要素として、
    太陽電池モジュールで構成された複数のストリングと、
    前記ストリングの出力を所定数ずつのグループにまとめる複数の接続装置と、
    前記接続装置からの出力を交流に変換する電力変換装置とを備え、
    前記計測点は、
    前記ストリングの出力を計測する第1計測点と、前記電力変換装置の出力を計測する第2計測点とを含む
    請求項1記載の太陽光発電設備の監視装置。
  3. 前記太陽光発電設備は電力系統と接続され、
    前記計測点は、前記電力変換装置と前記電力系統との連系点に設定された第3計測点をさらに備える
    請求項2記載の太陽光発電設備の監視装置。
  4. 前記図形は、前記エレメントとして、
    前記ストリングに一対一に対応する複数の第1のエレメントと、
    前記電力変換装置に対応する第2のエレメントと、
    前記連系点に対応する第3のエレメントとを備え、
    前記グループを構成する前記ストリングに対応する前記第1のエレメントは列を形成し、
    前記ストリングが接続された前記電力変換装置に対応する前記第2のエレメントは前記第1のエレメントの列の一端側に配置され、
    前記第3のエレメントは前記第2のエレメントを挟んで前記第1のエレメントの反対側に配置されている
    請求項3記載の太陽光発電設備の監視装置。
  5. 前記図形は、
    前記第1のエレメントと前記第2のエレメントと前記第3のエレメントとが、それぞれ仮想的に設定されたリング上に配置され、
    前記第3のエレメントが配置されたリングを前記第2のエレメントが配置されたリングが囲み、かつ、前記第2のエレメントが配置されたリングを前記第1のエレメントが配置されたリングが囲む
    請求項4記載の太陽光発電設備の監視装置。
  6. 前記表示様式は、
    前記太陽光発電設備を表すシンボルを、前記太陽光発電設備が配置されている場所に対応させて地図上に配置するように定められ、
    前記表示制御部は、
    前記計測データを基に前記太陽光発電設備の動作状態が正常か否かを判断した結果を前記シンボルの表示状態に反映させる
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽光発電設備の監視装置。
  7. 前記表示様式は、
    前記太陽光発電設備の発電電力量に影響する気象情報を前記地図上に重ねて配置するように定められている
    請求項6記載の太陽光発電設備の監視装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽光発電設備の監視装置と、
    前記太陽光発電設備の監視装置が出力した表示情報を表示する表示装置とを備える
    太陽光発電設備の監視システム。
  9. 太陽光発電設備を構成する複数の構成要素それぞれに対して設定されている複数の計測点での計測データを含む前記太陽光発電設備の動作に関するデータを取得するステップと、
    前記太陽光発電設備の動作状態を、前記太陽光発電設備における前記構成要素に一対一に対応するエレメントを前記構成要素の位置に関連付けて配置した図形を含む所定の表示様式で表す表示情報を前記データから生成するステップと、
    前記表示情報を出力するステップと、
    前記計測データを基に前記構成要素それぞれの動作状態が正常か否かを判断した結果である監視データを、前記エレメントの表示状態に反映させるステップとを有する
    太陽光発電設備の監視方法。
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