JPWO2016104805A1 - ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置 - Google Patents

ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置 Download PDF

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Abstract

溶融ガラスを成形体から流下させてガラス板を成形する成形工程と、成形体の下方に配置される一対のローラによって、成形工程で成形されたガラス板を下方に搬送しながら、ガラス板の搬送方向に対して順次温度が下がるようガラス板の温度を制御するヒータによって、ガラス板を冷却する冷却工程と、を備える。冷却工程では、一対のローラは、熱による変形が抑制されるよう冷却されながらガラス板を挟持し、ヒータは、一対のローラにより冷却されたガラス板の領域の温度を、ガラス板の幅方向で均一になるよう制御する。

Description

本発明は、ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置に関する。
ダウンドロー法を用いてガラス板(シートガラス)を製造する方法が用いられている。ダウンドロー法により成形されるシートガラスは、板厚がほぼ一定の製品領域(幅方向中央領域)と、製品領域より板厚が厚い製品領域の幅方向の両端に位置する端部(耳部)とからなる。成形されたシートガラスを下方向に安定して搬送するために、シートガラスの製品領域と端部との境界領域を搬送ロールにより挟持している。
ところで、シートガラスは、反り、歪が一定の品質基準を満たすように冷却(徐冷)される。具体的には、反り及び歪が所定の値になるように、流れ方向に沿ってシートガラスの幅方向の温度プロファイルが予め設計されている。すなわち、予め設計された温度プロファイルとなるように温度管理を実行することにより、予め想定した反り、歪の値を有するガラス板を製造することができる。これによって、顧客先の反りおよび歪の品質基準を満たすガラス板を製造することができる。したがって、シートガラスが、設計された温度プロファイルとなるように、冷却装置やヒータなどを用いて厳密な温度管理を行っている。
特開2013−212987号公報
シートガラスを搬送しながら冷却するとき、シートガラスの搬送に用いる搬送ロールが熱により変形するのを抑制するために、搬送ロールの温度が一定以下になるよう冷却されている。搬送ロールが冷却されると、搬送ロールとシートガラスとの温度差が大きくなり、さらに、シートガラスが薄くなってシートガラスの保有熱が小さくなると、シートガラスは搬送ロールによる影響を受けやすくなり、搬送ロールがシートガラスを挟持する領域を所定の温度プロファイルに基づいて成形することが困難となる場合がある。
そこで、本発明は、薄いガラス板であっても、搬送ロールがシートガラスを挟持する領域において、設計された温度プロファイルを再現しようとした場合に容易にこの温度プロファイルを実現することができ、ガラス板の平面度(反り量)を精度良く得ることが可能なガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置を提供することを目的とする。
本発明は以下の形態を含む。
(形態1)
溶融ガラスを成形体から流下させてガラス板を成形する成形工程と、
前記成形体の下方に配置される一対のローラによって、前記成形工程で成形された前記ガラス板を下方に搬送しながら、前記ガラス板の搬送方向に対して順次温度が下がるよう前記ガラス板の温度を制御するヒータによって、前記ガラス板を冷却する冷却工程と、を備え、
前記冷却工程では、
前記一対のローラは、熱による変形が抑制されるよう冷却されながら前記ガラス板を挟持し、
前記ヒータは、前記一対のローラにより冷却された前記ガラス板の領域の温度を、前記ガラス板の幅方向で均一になるよう制御する、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
(形態2)
形態1において、
前記成形工程では、前記ガラス板の幅方向の両端と、前記両端に挟まれた前記両端における前記ガラス板の厚さより前記ガラス板の厚さが薄い幅方向中央領域と、を有するガラス板が成形され、
前記冷却工程では、
前記一対のローラは、前記幅方向中央領域と前記端との間の領域を挟持し、
前記ヒータは、前記ローラが挟持する前、前記幅方向中央領域の温度が均一になり、かつ、前記ローラが挟持する挟持領域の温度が前記幅方向中央領域の温度より高くなるよう、前記ガラス板の温度を制御する。
(形態3)
形態1又は2において、前記冷却工程では、前記ヒータは、前記ローラが前記ガラス板を挟持する前、前記挟持領域の温度分布が、前記両端に挟まれた、前記両端における前記ガラス板の厚さより前記ガラス板の厚さが薄い幅方向中央領域及び前記端に向かって低くなるよう前記ガラス板の温度を制御する。
(形態4)
形態1〜3のいずれか1つの形態において、
前記ヒータは、前記幅方向に複数に分割された分割ヒータを含み、
前記分割ヒータは、前記ローラが挟持する挟持領域に対応する幅方向の位置に設けられた挟持領域対応ヒータを含む。
(形態5)
形態4において、前記分割ヒータは、前記挟持領域対応ヒータの他に、前記ガラス板の幅方向の両端に挟まれた、前記両端における前記ガラス板の厚さより前記ガラス板の厚さが薄い幅方向中央領域に対応する幅方向の位置に設けられた中央領域対応ヒータを含み、
前記挟持領域対応ヒータの前記ガラス板からの距離を、前記中央領域対応ヒータの前記ガラス板からの距離に比べて遠くし、前記ローラが前記ガラス板を挟持する前、前記挟持領域の温度が前記幅方向中央領域の温度より高くなるように、前記挟持領域対応ヒータの出力を制御する。
(形態6)
形態5において、前記幅方向中央領域は、前記幅方向の中心を含む第1中央領域と、前記第1中央領域と前記挟持領域との間に位置する第2中央領域を有し、
前記中央領域対応ヒータは、前記第1中央領域に対応する幅方向の位置に設けられた第1中央領域対応ヒータと、前記第2中央領域に対応する幅方向の位置に設けられた第2中央領域対応ヒータと、を含み、
前記第2中央領域対応ヒータの前記ガラス板からの距離を、前記第1中央領域対応ヒータの前記ガラス板からの距離に比べて遠くし、前記ローラが前記ガラス板を挟持する前、前記第2中央領域の温度が前記第1中央領域の温度より部分的に高くなるように、前記第2中央領域対応ヒータの出力を制御する。
(形態7)
形態3において、前記挟持領域における前記温度分布の最高温度と前記幅方向中央領域の温度と間の温度差が、前記ガラス板の前記搬送方向の上流側から下流側に向かって徐々に小さくなる。
(形態8)
形態1〜7のいずれか1つの形態において、
前記ガラス板と前記ヒータとの間には、前記ガラス板の表面と対向するように均熱板が配置され、
前記ヒータの前記幅方向の熱分布を前記均熱板によりなだらかにすることにより、前記ガラス板の温度分布を制御する。
(形態9)
溶融ガラスを流下させてガラス板を成形する成形体と、
前記成形体の下方に配置され、前記ガラス板を下方に搬送する一対のローラと、
前記ガラス板の搬送方向に対して順次温度が下がるよう前記ガラス板の温度を制御するヒータと、を備え、
前記一対のローラは、熱による変形が抑制されるよう冷却されながら前記ガラス板を挟持し、
前記ヒータは、前記一対のローラにより冷却された前記ガラス板の領域の温度を、前記ガラス板の幅方向で均一になるよう制御する、ことを特徴とするガラス板の製造装置。
本発明によれば、薄いガラス板であっても、搬送ロールがシートガラスを挟持する領域において、設計された温度プロファイルを再現しようとする場合に実現することができ、ガラス板の平面度(反り量)を精度良く得ることができる。
本実施形態に係るガラス板の製造方法のフローチャートである。 ガラス板の製造方法で用いられるガラス板の製造装置示す模式図である。 成形装置の概略の概略図(断面図)である。 成形装置の概略の概略図(側面図)である。 制御装置の制御ブロック図である。 冷却チャンバー内の雰囲気温度を制御するヒータを背面側から見た図である。 図6を上流側から見た図である。 冷却工程におけるシートガラスの所定の高さ位置における温度プロファイルを示す図である。 冷却工程におけるシートガラスの所定の高さ位置におけるシートガラスの温度分布を示す図である。 冷却工程におけるにおける分割ヒータの配置例を示す図である。
本実施形態に係るガラス板(ガラス基板)の製造方法では、例えばTFT(Thin Film Transistor)ディスプレイ用のガラス基板を製造する。ガラス板は、ダウンドロー法を用いて製造される。以下、図面を参照しながら、本実施形態に係るガラス基板の製造方法について説明する。
(1)ガラス板の製造方法の概要
まず、図1および図2を参照して、ガラス基板の製造方法に含まれる複数の工程および複数の工程に用いられるガラス基板の製造装置100を説明する。ガラス基板の製造方法は、図1に示すように、主として、溶融工程S1と、清澄工程S2と、成形工程S3と、冷却工程S4と、切断工程S5とを含む。
溶融工程S1は、ガラスの原料が溶融される工程である。ガラスの原料は、所望の組成になるように調合された後、図2に示すように、上流に配置された溶融装置11に投入される。ガラス原料は、例えば、SiO,Al,B,CaO,SrO,BaO等の組成からなる。具体的には、歪点が660℃以上となるガラス原料を用いる。ガラスの原料は、溶融装置11で溶融されて、溶融ガラスFGになる。溶融温度は、ガラスの種類に応じて調整される。本実施形態では、ガラス原料が1500℃〜1650℃で溶融される。溶融ガラスFGは、上流パイプ23を通って清澄装置12に送られる。
清澄工程S2は、溶融ガラスFG中の気泡の除去を行う工程である。清澄装置12内で気泡が除去された溶融ガラスFGは、その後、下流パイプ24を通って、成形装置40へと送られる。
成形工程S3は、溶融ガラスFGをシート状のガラス(シートガラス)SGに成形する工程である。具体的に、溶融ガラスFGは、成形装置40に含まれる成形体41に連続的に供給された後、成形体41からオーバーフローする。オーバーフローした溶融ガラスFGは、成形体41の表面に沿って流下する。溶融ガラスFGは、その後、成形体41の下端部41aで合流してシートガラスSGへと成形される。シートガラスSGは、幅方向の端に位置する側部(耳部、端部)と、側部に挟まれた幅方向の中央領域とを有する。シートガラスSGの側部の板厚は、中央領域の板厚と比べて厚く成形される。シートガラスSGの中央領域は、一定の板厚からなるガラス基板の製品となる領域である。シートガラスSGの中央領域の板厚を0.4mm以下の薄板に成形しようとする場合、シートガラスSGの側部の板厚は従来より薄く成形される。
冷却工程S4は、シートガラスSGを冷却(徐冷)する工程である。シートガラスSGは、冷却工程S4を経て室温に近い温度へと冷却される。なお、冷却工程S4における、冷却の状態に応じて、ガラス基板の厚み(板厚)、ガラス基板の反り量、およびガラス基板の歪量が決まる。
切断工程S5は、室温に近い温度になったシートガラスSGを、所定の大きさに切断する工程である。
なお、所定の大きさに切断されたシートガラスSG(ガラス板PG)は、その後、端面加工等の工程を経て、ガラス基板となる。
以下、図3〜図5を参照して、ガラス基板の製造装置100に含まれる成形装置40の構成を説明する。なお、本実施形態において、シートガラスSGの幅方向とは、シートガラスSGが流下する方向(流れ方向)に直交する方向、すなわち、水平方向を意味する。
(2)成形装置の構成
まず、図3および図4に、成形装置40の概略構成を示す。図3は、成形装置40の断面図である。図4は、成形装置40の側面図である。
成形装置40は、シートガラスSGが通過する通路と、通路を取り囲む空間とを有する。通路を取り囲む空間は、オーバーフローチャンバー20、フォーミングチャンバー30、および冷却チャンバー80で構成されている。
オーバーフローチャンバー20は、清澄装置12から送られる溶融ガラスFGをシートガラスSGに成形する空間を構成する。
フォーミングチャンバー30は、オーバーフローチャンバー20の下方に配置され、シートガラスSGの厚みおよび反り量を調整するための空間を構成する。フォーミングチャンバー30では、冷却工程の一部が実行される。シートガラスSGは、成形体41の表面に沿って流下し、成形体41の下端部41aで合流してシートガラスSGへと成形されるが、成形体41の下端部41aより下流においては、シートガラスSGの温度が徐々に下がっていく。
冷却チャンバー80は、オーバーフローチャンバー20の下方に配置され、シートガラスSGの歪量を調整するための空間を構成する。具体的に、冷却チャンバー80では、フォーミングチャンバー30内を通過したシートガラスSGが、徐冷点、歪点を経て、室温近傍の温度まで冷却される。なお、冷却チャンバー80は、断熱部材80a,80bによって複数に区分けされた空間を備える。
また、成形装置40は、主として、成形体41と、仕切り部材50と、冷却ローラ51と、温度調整ユニット60と、引下げローラ81a〜81gと、ヒータ82a〜82gと、切断装置90とを備えている。さらに、成形装置40は、制御装置500を備える(図5参照)。制御装置500は、成形装置40に含まれる各構成の駆動部を制御する。
以下、成形装置40に含まれる各構成について詳細に説明する。
(2−1)成形体
成形体41は、オーバーフローチャンバー20内に設けられる。成形体41は、溶融ガラスFGをオーバーフローさせることによって、溶融ガラスFGをシート状のガラス板へと成形する。このガラス板は、以降、シートガラスSGという。
図3に示すように、成形体41は、断面形状で略5角形の形状(楔形に類似する形状)を有する。略5角形の先端は、成形体41の下端部41aに相当する。
また、成形体41は、第1端部に流入口42を有する(図4参照)。流入口42は、上述の下流パイプ24と接続されており、清澄装置12から流れ出た溶融ガラスFGは、流入口42から成形体41に流し込まれる。成形体41には、溝43が形成されている。溝43は、成形体41の長手方向に延びる。具体的には、溝43は、第1端部から、第1端部の反対側の端部である第2端部に延びる。より具体的に、溝43は、図4の左右方向に延びる。溝43は、流入口42近傍が最も深く、第2端部に近づくにつれて、徐々に浅くなるように形成されている。成形体41に流し込まれた溶融ガラスFGは、成形体41の一対の頂部41b,41bからオーバーフローし、成形体41の一対の側面(表面)41c,41cを沿いながら流下する。その後、溶融ガラスFGは、成形体41の下端部41aで合流してシートガラスSGになる。
このとき、成形体41の下端部41aでのシートガラスSGの液相温度は1100℃以上であり、液相粘度は2.5×10poise以上であり、より好ましくは、液相温度は1160℃以上であり、液相粘度は1.2×10poise以上である。また、成形体41の下端部41aでのシートガラスSGの側部(耳部、端部)の粘度を105.7Poise未満である。
(2−2)仕切り部材
仕切り部材50は、オーバーフローチャンバー20からフォーミングチャンバー30への熱の移動を遮断する部材である。仕切り部材50は、溶融ガラスFGの合流ポイントの近傍に配置されている。また、図3に示すように、仕切り部材50は、合流ポイントで合流した溶融ガラスFG(シートガラスSG)の厚み方向両側に配置される。仕切り部材50は、断熱材である。仕切り部材50は、溶融ガラスFGの合流ポイントの上側雰囲気および下側雰囲気を仕切ることにより、仕切り部材50の上側から下側への熱の移動を遮断する。
(2−3)冷却ローラ
冷却ローラ51は、フォーミングチャンバー30内に設けられる。より具体的に、冷却ローラ51は、仕切り部材50の直下に配置されている。また、冷却ローラ51は、シートガラスSGの厚み方向両側、且つ、シートガラスSGの幅方向両側に配置される。シートガラスSGの厚み方向両側に配置された冷却ローラ51は対で動作する。すなわち、シートガラスSGの両側部(幅方向両端部)は、二対の冷却ローラ51,51,・・・によって挟み込まれる。
冷却ローラ51は、内部に通された空冷管により空冷されている。冷却ローラ51は、シートガラスSGの側部(耳部)に接触し、熱伝導によりシートガラスSGの側部(耳部)を急冷する(急冷工程)。冷却ローラ51に接触したシートガラスSGの側部の粘度は、所定値(具体的には、109.0poise)以上である。
冷却ローラ51は、冷却ローラ駆動モータ390(図5を参照)により回転駆動される。冷却ローラ51は、シートガラスSGの側部を冷却すると共に、シートガラスSGを下方に引き下げる機能も有する。
(2−4)温度調整ユニット
温度調整ユニット60は、オーバーフローチャンバー20内及びフォーミングチャンバー30内に設けられ、シートガラスSGを徐冷点近傍まで冷却するユニットである。温度調整ユニット60は、複数の冷却ユニット61〜65を有する。複数の冷却ユニット61〜65は、シートガラスSGの幅方向およびシートガラスSGの流れ方向に配置される。具体的に、複数の冷却ユニット61〜65には、中央領域冷却ユニット61〜63と、側部冷却ユニット64,65とが含まれる。中央領域冷却ユニット61〜63は、シートガラスSGの幅方向中央領域CAを空冷する。幅方向中央領域CAは以降、中央領域CAという。ここで、シートガラスSGの中央領域とは、シートガラスSGの幅方向中央部分であって、シートガラスSGの有効幅およびその近傍を含む領域である。言い換えると、シートガラスSGの中央領域は、シートガラスSGの両側部に挟まれた部分である。シートガラスSGの両側部は、両耳部ともいう。中央領域冷却ユニット61〜63は、シートガラスSGの中央領域CAの表面に対向する位置に、流れ方向に沿って配置される。中央領域冷却ユニット61〜63に含まれる各ユニットは、独立して制御可能である。また、側部冷却ユニット64,65は、シートガラスSGの側部を水冷する。側部冷却ユニット64,65は、シートガラスSGの側部の表面に対向する位置に、流れ方向に沿って配置される。側部冷却ユニット64,65に含まれる各ユニットは、独立して制御可能である。
(2−5)引下げローラ(搬送ローラ)
引下げローラ(搬送ローラ)81a〜81gは、冷却チャンバー80内に設けられ、フォーミングチャンバー30内を通過したシートガラスSGを、シートガラスSGの流れ方向へ引き下げる。引下げローラ81a〜81gは、冷却チャンバー80の内部で、流れ方向に沿って所定の間隔を空けて配置される。引下げローラ81a〜81gは、シートガラスSGの厚み方向両側(図3参照)、および、シートガラスSGの幅方向両側(図4参照)に複数配置される。すなわち、引下げローラ81a〜81gは、シートガラスSGの幅方向の両側部、かつ、シートガラスSGの厚み方向の両側に接触しながらシートガラスSGを下方に引き下げる。
引下げローラ81a〜81gは、引下げローラ駆動モータ391(図5参照)によって駆動される。また、引下げローラ81a〜81gは、シートガラスSGに対して内側に回転する。引下げローラ81a〜81gの周速度は、下流側の引下げローラ程、大きい。すなわち、複数の引下げローラ81a〜81gのうち、引下げローラ81aの周速度が最も小さく、引下げローラ81gの周速度が最も大きい。シートガラスSGの厚み方向両側に配置された引下げローラ81a〜81gは、対で動作し、対の引下げローラ81a,81a,・・・が、シートガラスSGを下方向に引き下げる。
引下げローラ81a〜81gは高温のシートガラスSGを挟持するため、熱による変形を防ぐために、引下げローラ81a〜81gの内部に通された空冷管により空冷されている。引下げローラ81a〜81gがシートガラスSGを挟持した挟持領域では、シートガラスSGの温度が低下(粘度が上昇)する。特に、シートガラスSGの中央領域の板厚を0.4mm以下の薄板に成形しようとする場合、シートガラスSGの保有熱は小さく、シートガラスSGの温度は、引下げローラ81a〜81gの影響を受けやすい。引下げローラ81a〜81gが挟持した挟持領域の粘度が上昇すると、挟持領域に隣接する他の領域との粘度差が生じ、歪等が発生する原因となる。このため、後述する温度プロファイルを実現することにより、引下げローラ81a〜81gが挟持した挟持領域、及び、挟持領域に隣接する領域において大きな歪が発生するのを抑制する。
(2−6)ヒータ
ヒータ82(82a〜82g)は、冷却チャンバー80の内部に設けられ、冷却チャンバー80の内部空間の温度を調整する。具体的に、ヒータ82a〜82gは、シートガラスSGの流れ方向およびシートガラスSGの幅方向に複数配置される。より具体的には、シートガラスSGの流れ方向には、7つのヒータが配置され、シートガラスの幅方向には7つのヒータが配置される。幅方向に配置される7つのヒータは、シートガラスSGの中央領域CAと、引下げローラ81a〜81gが挟持する挟持領域RAを含む、シートガラスSGの側部(耳部)とをそれぞれ熱処理する。ヒータ82a〜82gは、後述する制御装置500によって出力が制御される。これにより、冷却チャンバー80内部を通過するシートガラスSGの近傍の雰囲気温度が制御される。ヒータ82a〜82gによって冷却チャンバー80内の雰囲気温度が制御されることによって、シートガラスSGの温度制御が行われる。また、温度制御により、シートガラスSGは、粘性域から粘弾性域を経て弾性域へと推移する。このように、ヒータ82a〜82gの制御により、冷却チャンバー80では、シートガラスSGの温度が、徐冷点近傍の温度から室温近傍の温度まで冷却される。ここで、徐冷点は、粘度が1013poiseとなるときの温度であり、例えば、715.0℃である。
シートガラスSGの幅方向に複数配置されるヒータについて説明する。図6は、冷却チャンバー80内の雰囲気温度を制御するヒータ82aを背面側から見た図であり、図7は、図6を上流側から見た図である。ヒータ82aは、シートガラスSGの幅方向に複数配置される分割ヒータ82a1〜82a7からなる。各分割ヒータは、シートガラスSGの側部の最外端部領域R,Lに対応する幅方向の位置に設けられ、最外端部領域R,Lを加熱する分割ヒータ82a1,82a7、引下げローラ81a〜81gが挟持する内側端部領域に対応する幅方向の位置に設けられ、内側端部領域を加熱する分割ヒータ(挟持領域対応ヒータ)82a2,82a6、シートガラスSGの第1中央領域CA1に対応する幅方向の位置に設けられ、第1中央領域CA1を加熱する分割ヒータ(第1中央領域対応ヒータ)82a4、シートガラスSGの第2中央領域CA2に対応する幅方向の位置に設けられ、第2中央領域CA2を加熱する分割ヒータ(第2中央領域対応ヒータ)82a3、82a5に分かれている。内側端部領域は、引下げローラ81a〜81gが挟持する領域であるため、以降ではこの領域を挟持領域RAという。
シートガラスSGの側部は、シートガラスSGの両側の端から、シートガラスSGの幅方向内側に向かって例えば10〜500mm、あるいは10〜300mmまでの範囲の領域であり、引下げローラ81a〜81gがシートガラスSGを挟持する挟持領域RAは、上記側部の領域のうち、両側の端からシートガラスSGの幅方向内側に向かって、例えば50〜500mmあるいは50〜300mmまでの範囲にあることが好ましい。最外端部領域R,Lは、挟持領域RAに対してシートガラスSGの幅方向外側に位置する領域である。中央領域CAは、挟持領域RAに対してシートガラスSGの幅方向内側の領域である。
中央領域CAは、さらに、挟持領域RAと隣接せず、シートガラスSGの幅方向の中心を含む第1中央領域CA1と、挟持領域RAと隣接する第2中央領域CA2とに分かれている。第2中央領域CA2は、挟持領域RAに対してシートガラスSGの幅方向内側に位置する領域であり、挟持領域RAからシートガラスSGの幅方向内側に向かって、中央領域CAの20〜80%の幅を有する領域である。第1中央領域CA1は、第2中央領域CA2からシートガラスSGの幅方向内側の領域である。
各分割ヒータ82a1〜82a7は、制御装置500によって出力が独立して制御され、冷却チャンバー80内部を通過するシートガラスSGの近傍の雰囲気温度が制御されて、シートガラスSGの温度制御が行われる。分割ヒータ82a1〜82a7それぞれが独立して制御されて、最外端部領域R,L、挟持領域RA、第1中央領域CA1,第2中央領域CA2の温度プロファイルが実現される。
なお、ヒータ82b〜82gにおけるシートガラスの幅方向に配置されるヒータは、分割ヒータ82a1〜82a7と同様の構成であるため、説明を省略する。
なお、各ヒータ82a〜82gの近傍には、雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段である熱電対380が設けられている。具体的には、複数の熱電対380が、シートガラスSGの流れ方向およびシートガラスSGの幅方向に配置されている。熱電対380は、シートガラスSGの第1中央領域CA1の幅方向の中心位置の温度と、シートガラスSGの最外端部領域R,Lの温度とをそれぞれ検出する。ヒータ82a〜82gの出力は、熱電対380によって検出される雰囲気温度に基づいて制御される。
ヒータ82a〜82gとシートガラスSGとの間の空間に、シートガラスSGの表面と対向するように均熱板83が設置される。均熱板83は、ヒータ82a〜82gから輻射される熱を受け、均熱板83の表面全体に、受けた熱を拡散させる。均熱板83は、その対向面から、シートガラスSGの表面に向かって熱を輻射する。均熱板83は、一枚の金属板、または、複数枚の金属板から構成される。ヒータ82a〜82gのそれぞれは、対応する均熱板83に向かって熱を輻射する。例えば、ヒータ82aに対応する均熱板83は、ヒータ82aから輻射される熱を受け、均熱板83と対向するシートガラスSGの表面に向かって、受けた熱を輻射する。本実施形態において、引下げローラ81a〜81gに挟持されたシートガラスSGにおける領域は、温度が局所的に低下する領域である。均熱板83は、ヒータ82a〜82gから受けた熱を均熱板83の表面全体に拡散させて、シートガラスSGの表面に向かって輻射することで、ガラス板3の表面の温度の局所的な低下を抑制する。すなわち、本実施形態では、均熱板83を用いることにより、ヒータ82a〜82gのシートガラスSGの幅方向の熱分布をなだらかにすることにより、シートガラスSGの温度分布を制御する。
均熱板83は、例えば、高温下で使用することができ、かつ、熱伝導率が高いニッケルの金属板が好ましい。シートガラスSGの幅方向に沿って滑らかな温度分布を形成する観点からは、均熱板83の熱伝導率は、10W/(m・K)以上であることが好ましい。また、均熱板83は、その表面からの熱の輻射率を向上させるために、セラミック塗料を塗布してセラミック層が形成されてもよく、表面に酸化被膜が形成されてもよい。シートガラスSGの表面に塵等の異物が付着することを抑制する観点からは、膜厚1μm程度の不動態被膜(スーパーブラック処理膜)が均熱板83の表面に形成されることが好ましい。
(2−7)切断装置
切断装置90は、冷却チャンバー80内で室温近傍の温度まで冷却されたシートガラスSGを、所定のサイズに切断する。切断装置90は、所定の時間間隔でシートガラスSGを切断する。これにより、シートガラスSGは、複数のガラス板PGになる。切断装置90は、切断装置駆動モータ392(図5を参照)によって駆動される。
(2−8)制御装置
制御装置500は、CPU、RAM、ROM、およびハードディスク等から構成されており、ガラス板の製造装置100に含まれる種々の機器の制御を行う。
具体的には、図5に示すように、制御装置500は、ガラス基板の製造装置100に含まれる各種のセンサ(例えば、熱電対380)やスイッチ(例えば、主電源スイッチ381)等による信号を受けて、温度調整ユニット60、ヒータ82a〜82g、分割ヒータ82a1〜82a7、冷却ローラ駆動モータ390、引下げローラ駆動モータ391、切断装置駆動モータ392等の制御を行う。
(3)温度管理
本実施形態に係るガラス基板の製造方法では、冷却工程S4において、シートガラスSGの流れ方向および幅方向の温度管理を行っている。温度管理は、温度プロファイルTP1に基づいて行われる。温度プロファイルTP1とは、シートガラスSG近傍の雰囲気温度についての、シートガラスSGの幅方向に沿った温度分布である。言い換えると、温度プロファイルTP1は、目標の温度分布である。すなわち、温度管理は、温度プロファイルTP1を実現させるように行われる。温度管理は、上述した、引下げローラ81a〜81g、分割ヒータ82a1〜82a7を備えるヒータ82a〜82gを用いて行われる。
シートガラスSGの温度は、シートガラスSGの雰囲気温度を制御することにより、管理される。ここで、シートガラスSGの温度と引下げローラ81a〜81g及び分割ヒータ82a1〜82a7を備えるヒータ82a〜82gによって制御される雰囲気温度とは、基本的に同様の値である。
以下、図8を参照して、冷却工程S4におけるシートガラスSGの温度管理について詳細に説明する。図8は、シートガラスSGの所定の高さ位置における温度プロファイルを示す。また、図9は、シートガラスSGの所定の高さ位置におけるシートガラスSGの温度分布を示す図である。
(3−1)冷却工程
冷却工程S4は、成形工程S3を経て、冷却チャンバー80に搬送されたシートガラスSGを冷却する工程である。冷却工程S4では、温度プロファイルTP1に基づいて、シートガラスSGの温度管理が行われる。シートガラスSGは、従来の製造方法では、引下げローラ81a〜81gによって冷却されるため、図9に示すように、挟持領域RAの温度がシートガラスSGの第1中央領域CA1の温度より低くなっている。シートガラスSGの中央領域CAの板厚が0.4mm以下となるような薄いシートガラスSGでは、その温度は引下げローラ81a〜81gによる影響を受けやすく、シートガラスSGの挟持領域RAの温度は低下しやすい。挟持領域RAと挟持領域RAに隣接する第2中央領域CA2との間で温度差が生じると、反り、歪の原因となる。このため、シートガラスSGの挟持領域RAの温度低下が抑制されるように、冷却チャンバー80内において目標とする温度分布になるように、温度分布を制御する必要がある。以下、冷却工程S4で実行される温度プロファイルTP1を詳細に説明する。
(3−1−1)温度プロファイル
温度プロファイルTP1は、冷却チャンバー80内において分割ヒータ82a1〜82a7によって実現される、シートガラスSGの近傍の雰囲気温度の温度分布である。この温度分布が、引下げローラ81a〜81gに挟持される直前のシートガラスSGの温度分布に反映されるので、温度プロファイルTP1は引下げローラ81a〜81gに挟持される直前のシートガラスSGの温度分布でもある。温度プロファイルTP1は、第1中央領域CA1の温度が均一であり、最外端部領域R,Lの末端の温度は、第1中央領域CA1の温度よりも低い。また、温度プロファイルTP2は、第1中央領域CA1,第2中央領域CA2及び挟持領域RAの温度が均一となる理想の温度プロファイルである。ここで、第1中央領域CA1の温度が均一であるとは、第1中央領域CA1の温度が、基準温度に対して所定の温度域に含まれることをいう。所定の温度域とは、基準温度±20℃の範囲である。基準温度は、第1中央領域CA1の幅方向の平均温度である。また、温度プロファイルTP1は、挟持領域RAの温度が、第1中央領域CA1の温度よりも高い。挟持領域RAの温度の最高温度と第1中央領域CA1の温度との温度差TDは、例えば、30℃〜150℃である。挟持領域RAの温度は、引下げローラ81a〜81gが接触することにより、温度が低下してしまう。このため、挟持領域RAの最高温度を第1中央領域CA1の温度より、30℃〜150℃高くすることにより、引下げローラ81a〜81gによる冷却を緩和して、温度プロファイルTP2に示すように、シートガラスSGにおける第1中央領域CA1,第2中央領域CA2及び挟持領域RAの温度を均一にすることができる。すなわち、一対の引下げローラ81a〜81gは、熱による変形が抑制されるよう冷却されながらシートガラスSGを挟持し、分割ヒータ82a1〜82a7は、引下げローラ81a〜81gにより冷却されたシートガラスSGの挟持領域RAの温度を、シートガラスSGの幅方向で均一になるよう制御する。挟持領域RAの温度は、分割ヒータ82a2,82a6から受けた熱を均熱板83が表面全体に拡散させるため、山なり状の緩やかな曲線を示す。挟持領域RAの温度を、第1中央領域CA1の温度より高くするのに伴って、挟持領域RAに隣接する第2中央領域CA2及び最外端部領域R,Lの温度も高くする。これは、引下げローラ81a〜81gによる冷却の影響は、挟持領域RAだけでなく、挟持領域RAに隣接する第2中央領域CA2及び最外端部領域R,Lにも及ぶためである。挟持領域RAだけでなく、挟持領域RAに隣接する第2中央領域CA2及び最外端部領域R,Lの一部を、第1中央領域CA1の温度より高くすることにより、挟持領域RAを含めた隣接領域についても、反り、歪を抑制することができる。
このように、一対の引下げローラ81a〜81gは、第1中央領域CA1と最外端部領域R,Lとの間の領域を挟持し、分割ヒータ82a1〜82a7は、第1中央領域CA1の温度が均一になり、かつ、挟持領域RAの温度が第1中央領域CA1の温度より高くなるよう、引下げローラ81a〜81gが挟持する前のシートガラスSGの温度を制御する。
挟持領域RAの温度の最高温度と第1中央領域CA1の温度との温度差TDは、上流側、つまり、ヒータ82aによって加熱される空間が一番大きく、下流側に向かうにしたがって徐々に小さくなり、ヒータ82gによって加熱される空間が一番小さくなる。例えば、ヒータ82a〜82gのそれぞれによって加熱される空間における温度差TDは、150℃、130℃、110℃、90℃、70℃、50℃、30℃と、徐々に小さくなる。これは、シートガラスSGの温度が高い上流側ほど、引下げローラ81による冷却の影響を受けやすいため、温度差TDを大きくして、引下げローラ81による冷却を緩和するためである。
図10は、分割ヒータ82a1〜82a7の配置例を示す図である。分割ヒータ82a1〜82a7の出力を変化させずに、分割ヒータ82a1〜82a7をシートガラスSG側、均熱板83側に近づけると、シートガラスSGの温度は高くなる。分割ヒータ82a1〜82a7の熱は、均熱板83の表面において拡散されるが、分割ヒータ82a1〜82a7を均熱板83に近づけすぎると、均熱板83によって熱が拡散されない場合がある。このため、温度を高くしたい挟持領域RAに対向する位置にある分割ヒータ82a2,82a6を均熱板83から離し、分割ヒータ82a2,82a6の出力を高めることにより、挟持領域RAの局部的な加熱が抑制され、挟持領域RAの温度分布を滑らかにすることができる。分割ヒータ82a2,82a6の位置を、分割ヒータ82a4の位置より距離D1だけ背面側にずらした場合、放射による伝熱量は物体からの距離の2乗に反比例して減衰するため、離れた距離D1に応じて分割ヒータ82a2,82a6の出力を高める。すなわち、分割ヒータ(挟持領域対応ヒータ)82a2,82a6のシートガラスSGからの距離を、分割ヒータ(第1中央領域対応ヒータ)82a4のシートガラスSGからの距離に比べて遠くし、引下げローラ81a〜81gがシートガラスSGを挟持する前、挟持領域RAの温度が第1中央領域CA1の温度より高くなるように、分割ヒータ(挟持領域対応ヒータ)82a2,82a6の出力を制御することが好ましい。
また、挟持領域RAに隣接する第2中央領域CA2に対向する分割ヒータ82a3,82a5の位置を、分割ヒータ82a4の位置より距離D2だけ背面側にずらし、分割ヒータ82a3,82a5の出力を高める。距離D2は、距離D1よりも小さい。挟持領域RAに隣接する第2中央領域CA2においても、引下げローラ81による冷却の影響を受けるため、第2中央領域CA2の温度を高める。第2中央領域CA2は挟持領域RAより引下げローラ81による冷却の影響が小さいため、第2中央領域CA2の温度分布を挟持領域RAの温度分布よりなだらかな曲線にする必要がある。このため、分割ヒータ82a4の位置より、距離D2だけ背面側にずらし、分割ヒータ82a3,82a5の出力を高めることによって実現できる。すなわち、分割ヒータ(第2中央領域対応ヒータ)82a3,82a5のシートガラスSGからの距離を、分割ヒータ(第1中央領域対応ヒータ)82a4のシートガラスSGからの距離に比べて遠くし、引き下げローラ81a〜81gがシートガラスSGを挟持する前、図8に示す温度プロファイルTP1のように、第2中央領域CA2の温度が第1中央領域CA1の温度より部分的に高くなるように、分割ヒータ(第2中央領域対応ヒータ)82a3,82a5の出力を制御することが好ましい。
距離D1,D2が大きくなるほど、温度分布はなだらかな曲線になるため、距離D1<距離D2、分割ヒータ82a2,82a6の出力<分割ヒータ82a3,82a5の出力、とすることもできる。温度分布の幅方向の急激な変化を抑制し、挟持領域RAと第2中央領域CA2の反り、歪を制御することができる。
本実施形態では、引下げローラ81a〜81gに挟持される前のシートガラスSGにおいて、引下げローラ81a〜81gによって冷却される挟持領域RAの温度を第1中央領域CA1の温度より高めることにより、引下げローラ81a〜81gによる冷却を緩和でき、挟持領域RAに発生する反り、歪を抑制することができる。また、引下げローラ81a〜81gに挟持される前のシートガラスSGにおいて、最外端部領域R,L及び、第2中央領域CA2、すなわち挟持領域RAに隣接する領域の温度を、第1中央領域CA1の温度より高めることにより、最外端部領域R,L、及び、第2中央領域CA2に発生する反り、歪を抑制することができる。特に、シートガラスSGの板厚が0.4mm以下の場合には、引下げローラ81a〜81gによるシートガラスSGの冷却を緩和できるため、板厚が0.05mmから0.4mmの範囲のシートガラスSGにおいて、大きな歪を抑制することができる。
以上、本実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
11 溶解装置
12 清澄装置
40 成形装置
41 成形体
51 冷却ローラ
60 温度調整ユニット
81a〜81g 引下げローラ
82a〜82g ヒータ
82a1〜82a7 分割ヒータ
90 切断装置
100 ガラス基板の製造装置
500 制御装置

Claims (9)

  1. 溶融ガラスを成形体から流下させてガラス板を成形する成形工程と、
    前記成形体の下方に配置される一対のローラによって、前記成形工程で成形された前記ガラス板を下方に搬送しながら、前記ガラス板の搬送方向に対して順次温度が下がるよう前記ガラス板の温度を制御するヒータによって、前記ガラス板を冷却する冷却工程と、を備え、
    前記冷却工程では、
    前記一対のローラは、熱による変形が抑制されるよう冷却されながら前記ガラス板を挟持し、
    前記ヒータは、前記一対のローラにより冷却された前記ガラス板の領域の温度を、前記ガラス板の幅方向で均一になるよう制御する、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記成形工程では、前記ガラス板の幅方向の両端と、前記両端に挟まれた、前記両端における前記ガラス板の厚さより前記ガラス板の厚さが薄い幅方向中央領域と、を有するガラス板が成形され、
    前記冷却工程では、
    前記一対のローラは、前記幅方向中央領域と前記端との間の領域を挟持し、
    前記ヒータは、前記ローラが前記ガラス板を挟持する前、前記幅方向中央領域の温度が均一になり、かつ、前記ローラが挟持する挟持領域の温度が前記幅方向中央領域の温度より高くなるよう、前記ガラス板の温度を制御する、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記冷却工程では、前記ヒータは、前記ローラが前記ガラス板を挟持する前、前記挟持領域の温度分布が、前記両端に挟まれた、前記両端における前記ガラス板の厚さより前記ガラス板の厚さが薄い幅方向中央領域及び前記端に向かって低くなるよう前記ガラス板の温度を制御する、請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記ヒータは、前記幅方向に複数に分割された分割ヒータを含み、
    前記分割ヒータは、前記ローラが挟持する挟持領域に対応する幅方向の位置に設けられた挟持領域対応ヒータを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記分割ヒータは、前記挟持領域対応ヒータの他に、前記ガラス板の幅方向の両端に挟まれた、前記両端における前記ガラス板の厚さより前記ガラス板の厚さが薄い幅方向中央領域に対応する幅方向の位置に設けられた中央領域対応ヒータを含み、
    前記挟持領域対応ヒータの前記ガラス板からの距離を、前記中央領域対応ヒータの前記ガラス板からの距離に比べて遠くし、前記ローラが前記ガラス板を挟持する前、前記挟持領域の温度が前記幅方向中央領域の温度より高くなるように、前記挟持領域対応ヒータの出力を制御する、請求項4に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記幅方向中央領域は、前記幅方向の中心を含む第1中央領域と、前記第1中央領域と前記挟持領域との間に位置する第2中央領域を有し、
    前記中央領域対応ヒータは、前記第1中央領域に対応する幅方向の位置に設けられた第1中央領域対応ヒータと、前記第2中央領域に対応する幅方向の位置に設けられた第2中央領域対応ヒータと、を含み、
    前記第2中央領域対応ヒータの前記ガラス板からの距離を、前記第1中央領域対応ヒータの前記ガラス板からの距離に比べて遠くし、前記ローラが前記ガラス板を挟持する前、前記第2中央領域の温度が前記第1中央領域の温度より部分的に高くなるように、前記第2中央領域対応ヒータの出力を制御する、請求項5に記載のガラス板の製造方法。
  7. 前記挟持領域における前記温度分布の最高温度と前記幅方向中央領域の温度と間の温度差が、前記ガラス板の前記搬送方向の上流側から下流側に向かって徐々に小さくなる、請求項3に記載のガラス板の製造方法。
  8. 前記ガラス板と前記ヒータとの間には、前記ガラス板の表面と対向するように均熱板が配置され、
    前記ヒータの前記幅方向の熱分布を前記均熱板によりなだらかにすることにより、前記ガラス板の温度分布を制御する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  9. 溶融ガラスを流下させてガラス板を成形する成形体と、
    前記成形体の下方に配置され、前記ガラス板を下方に搬送する一対のローラと、
    前記ガラス板の搬送方向に対して順次温度が下がるよう前記ガラス板の温度を制御するヒータと、を備え、
    前記一対のローラは、熱による変形が抑制されるよう冷却されながら前記ガラス板を挟持し、
    前記ヒータは、前記一対のローラにより冷却された前記ガラス板の領域の温度を、前記ガラス板の幅方向で均一になるよう制御する、
    ことを特徴とするガラス板の製造装置。
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