JPWO2016103312A1 - 分析データ処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

試料上の測定対象領域に対するイメージング質量分析を行う際には、個別基準値算出部(21)が各測定点のPi/Ii(ただしPiはTIC値、Iiは最大強度値)の中で最大値を求め、それを個別基準値として測定データとともに外部記憶装置(3)に保存しておく。異なる試料から得られた複数のデータの比較解析を行う際には、共通基準値決定部(22)が対応する複数の個別基準値を読み出して最小のものを共通基準値Fminに定める。規格化演算処理部(23)は外部記憶装置(3)から読み出した強度値に対し、共通基準値Fmin、各測定点のTIC値Pi、及び演算の際に強度値を格納する変数の最大許容値long_Maxから求まる規格化係数long_MaxX(Fmin/Pi)を乗じることで、各強度値を規格化する。これにより、複数の質量分析イメージングデータ間の強度値の規格化が簡単に行え、また演算時のオーバーフローを回避しつつ丸め誤差も最小限に抑えることができる。

Description

本発明は、分析装置で得られたデータを処理する方法及び装置に関し、さらに詳しくは、試料上の2次元領域内の多数の測定点についてそれぞれ所定の分析を行って該測定点付近の試料に関するデータを取得することが可能な分析装置で得られたデータを処理する方法及び装置に関する。本発明において処理対象であるデータを取得する分析装置は例えばイメージング質量分析装置、フーリエ変換赤外分光光度測定(FTIR)イメージング装置、ラマン分光イメージング装置、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分析装置(SEM/EDS)、走査型プローブ顕微鏡(SPM)などである。
質量分析イメージングは、生体組織切片などの試料の2次元領域内の複数の測定点(微小領域)に対しそれぞれ質量分析を行うことにより、特定の質量を有する物質の分布を調べる手法であり、創薬やバイオマーカ探索、各種疾病・疾患の原因究明などへの応用が進められている。質量分析イメージングを実施するための質量分析装置は一般にイメージング質量分析装置と呼ばれている(非特許文献1など参照)。また、通常、試料上の任意の2次元領域について顕微観察を行い、その顕微観察画像に基づいて分析対象領域を定めて該領域のイメージング質量分析を実行することから、顕微質量分析装置や質量顕微鏡などと呼ばれることもあるが、本明細書では「イメージング質量分析装置」と呼ぶこととする。
図5はイメージング質量分析装置により得られるデータとそれに基づくイメージング画像表示の概略説明図である。イメージング質量分析装置では、サンプル100上の2次元的な測定対象領域101内に設定された多数の測定点(微小領域)102それぞれにおいて、所定の質量電荷比m/z範囲における質量電荷比と強度値(イオン強度値)との関係を示すマススペクトルデータが取得される。本明細書では、測定対象領域内の全ての測定点から得られたマススペクトルデータの集合を質量分析イメージングデータという。
こうして収集された質量分析イメージングデータに基づいて、特定の質量を有する成分の2次元分布を観測したい場合には、分析者は、該成分由来のイオンの質量電荷比(図5の例ではm/z=M1)におけるイメージング画像の作成・表示を指示する。すると、各測定点102において得られたマススペクトルからm/z=M1における強度値が抽出され、その強度値をカラースケールやグレイスケールで表した画素が各測定点102のx軸、y軸の二軸方向の位置に対応付けて配置されることで所望のマッピング画像、つまり質量分析イメージング画像が作成される。一つの質量分析イメージングデータから、質量電荷比方向のデータ点数分の枚数の質量分析イメージング画像を作成することができる。
イメージング質量分析装置に通常利用されるマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)イオン源は生体試料等に適したイオン化法であるものの、測定毎(つまりはレーザー光照射毎)のイオン強度のばらつきが比較的大きい。そこで、通常、一つの測定点に対するマススペクトルを取得する際に、複数回の繰り返し測定を行い、その複数回の測定でそれぞれ得られたイオン強度信号を積算する。しかしながら、そうした信号の積算を行っても測定点毎のイオン強度のばらつきの影響を十分に解消できないことがある。そのため、各測定点において得られた特定の質量電荷比に対する強度値からそのままイメージング画像を作成しても、必ずしも物質の分布を正確に反映しているとは限らない。そこで、イメージング画像を作成する際に、各測定点における強度値をそのまま用いるのではなく、所定の基準に従って規格化した強度値が用いられることがしばしばある。
例えば非特許文献2には、一つの試料から得られた質量分析イメージングデータに対してTIC規格化やXIC規格化を行ったうえでイメージング画像の作成・表示を行ったり統計解析を行ったりすることが有効であることが示されている。TICは「Total Ion Current」の略称であり、各測定点で取得したマススペクトルにおける全質量電荷比範囲のイオン強度値の和のことである。TIC規格化を行えば、各測定点のTICが同じになるように各質量電荷比における強度値が規格化される。一方、XICは「Extract Ion Current」の略称であり、各測定点で取得したマススペクトルにおける特定の質量電荷比のイオン強度値又は特定の質量電荷比範囲のイオン強度値の和のことである。XIC規格化を行えば、各測定点のXICが同じになるように各質量電荷比における強度値が規格化されるから、例えば特定の質量電荷比におけるピークの高さを全ての測定点間で揃えることができる。また、特許文献2には、TIC基準による規格化をより拡張したpノルムに基づいてマススペクトルの強度値を規格化することが開示されているが、これも、マススペクトルに現れる一つのピークの強度値又は複数のピークの強度値の和を基準とする規格化である。
ところで、イメージング質量分析を利用した試料の解析では、複数の試料からそれぞれ得られた質量分析イメージングデータを比較することで、特定の成分の有無を判定したり、そうした成分の空間分布の類似性を判定したり、或いはそうした成分の含有量を或る程度定量的に比較したりしたいという強い要望がある。比較したい複数の質量分析イメージングデータは異なる日時に測定されたものであったり、異なる測定条件の下で測定されたものだったりすることも多々ある。イメージング質量分析装置では、MALDIイオン源のレーザー光の照射径、該レーザー光のエネルギー、イオン源におけるサンプル表面付近からのイオンの引き出し電圧、イオン検出器の印加電圧、さらには、試料の種類や前処理の条件の相違など、様々な要因によって、得られる信号の強度値が大きく異なる傾向にある。そのため、複数の試料からそれぞれ得られた質量分析イメージングデータを正確に比較するには、それらデータの間でも同じ基準に従って強度値を規格化する必要がある。
しかしながら、上述した従来の規格化の方法は、それぞれの質量分析イメージングデータ内でのTICやXICの最大値を基準として規格化を行うものであるため、複数の質量分析イメージングデータを適切に規格化するような共通の基準値を求めることはできない。この共通の基準値を分析者が適宜に決め、その基準値に基づいて規格化を行うことも可能ではあるものの、基準値が適切でないと規格化演算の際にデータのオーバーフローや大きな丸め誤差が発生するおそれがある。
即ち、コンピュータ上で上述したような規格化演算を行う場合、通常、質量分析により得られた強度値は16bitや32bitなど所定のビット長の変数に格納されるため、そのダイナミックレンジは限られる。そのため、規格化の基準値が大きすぎると、一部の強度値が規格化によって大きくなりすぎ、オーバーフローが発生することがある。逆に規格化の基準値が小さすぎると、規格化後の強度値に大きな丸め誤差が発生し、解析精度の低下に繋がる。こうした事態を避けるには、規格化の際の基準となる共通の基準値を適切に設定することが重要である。
上記のような規格化のための共通の基準値を求めることなしに複数の質量分析イメージングデータを適切に規格化する一つの方法として、特許文献1に記載のデータ処理方法がある。このデータ処理方法では、複数の質量分析イメージングデータを一つの質量分析イメージングデータとして取り扱えるように、まず比較対象の複数の質量分析イメージングデータを空間的に結合する。そうした結合を行うために、複数の質量分析イメージングデータにおける空間分解能(つまりは一つ測定点のサイズ又は間隔)及び質量分解能を揃えるように、データの補間処理を行う。そして、結合によって得られた一つの質量分析イメージングデータに対し、TIC規格化又はXIC規格化を実施することで各測定点の強度値を修正する。
ただし、単にTICやXICの最大値を基準として規格化を行うと、規格化演算においてオーバーフローが生じるおそれがある。そこで、特許文献1に記載のデータ処理方法では、規格化を行う際に、さらに、強度値が格納される変数の最大許容値を超えないように全測定点の強度値に対し1よりも小さい定数を乗じるスケーリング処理を同時に行い、オーバーフローを回避するようにしている。
特開2014−215043号公報 米国特許公開第2012/0016598号明細書
「iMScope TRIO イメージング質量顕微鏡」、株式会社島津製作所、[平成26年12月5日検索]、インターネット<URL: http://www.an.shimadzu.co.jp/bio/imscope/index.htm> 杉浦(Y. Sugiura)ほか6名、「ビジュアライゼイション・オブ・ザ・セル-セレクティブ・ディストリビューション・オブ・ピーユーエフエー-コンテイニング・フォスファティダイルコリンズ・イン・マウス・ブレイン・バイ・イメージング・マス・スペクトロメトリ(Visualization of the cell-selective distribution of PUFA-containing phosphatidylcholines in mouse brain by imaging mass spectrometry)」、ジャーナル・オブ・リピッド・リサーチ(Journal of Lipid Research)、Vol.50、2009年、pp.1766-1788
上述した特許文献1に記載のデータ処理方法は、比較対象である複数の質量分析イメージングデータを適切に規格化できる優れた方法の一つではあるものの、複数の質量分析イメージングデータを結合する処理には時間が掛かる。この処理に要する時間は、質量分析イメージングデータの質量分解能や空間分解能が高くなりデータサイズが大きくなるほど長くなる。また、そうした処理を短時間で行うためには高い性能のコンピュータが必要になることもある。また上記手法では、結合したデータ内の最大値に合わせて規格化を行うため、結合していないデータ間では同じ基準の下で規格化を行うことができない。複数の質量分析イメージングデータ間で空間分解能や質量分解能を揃える必要がある場合には、上記のような結合処理は有効であるものの、空間分解能等を揃える必要がなく複数の質量分析イメージングデータをより簡便に効率良く比較したい場合には、それら複数の質量分析イメージングデータにおける強度値の規格化をより簡単な処理で効率的に行えるようにすることが必要である。
また、こうした問題はイメージング質量分析装置のみならず、試料上の多数の測定点においてそれぞれ分析を実行してデータを収集するような他の分析装置でも同様である。そうした分析装置として例えば、試料上の多数の測定点においてフーリエ変換赤外分光光度測定法による赤外吸収スペクトルをそれぞれ取得するFTIRイメージング装置、試料上の多数の測定点においてラマン分光法によるラマン散乱スペクトルをそれぞれ取得するラマン分光イメージング装置、試料上の多数の測定点において電子線励起に対して試料から出る特性X線のエネルギーと強度との関係を示すスペクトルをそれぞれ取得する電子線マイクロアナライザや走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分析装置、試料上の多数の測定点において探針と試料との距離を変えながら探針に作用する力を測定し、探針と試料間との間の距離と探針に掛かる力との関係を示すスペクトル(フォースカーブ)のような試料表面からの高さと物性情報との関係を示すスペクトルを取得したり、試料のバイアス電圧を変えて探針に流れる電流を測定し、電流−電圧特性(I−Vカーブ)を取得したりする走査型プローブ顕微鏡、などを挙げることができる。
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、イメージング質量分析装置などの分析装置によって、例えば異なる試料からそれぞれ得られた複数の分析データをより簡便に効率良く比較できるようにするために、上記従来技術のような複数の分析データの結合処理を行うことなく、それら複数の分析データ間での強度値の規格化をより簡単な処理で効率的に行えるようにすることをその主たる目的としている。
上記課題を解決するために成された本発明に係る分析データ処理方法の第1の態様は、試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるスペクトルデータ集合を扱う分析データ処理方法であって、互いに異なる複数のスペクトルデータ集合について、
a)一つのスペクトルデータ集合毎に、各測定点のスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を基準値に基づいて規格化する際に、その規格化後の強度値が所定の許容値を超えないような最大の基準値を求める個別基準値取得ステップと、
b)全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得ステップにより得られた複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出ステップと、
c)各スペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出ステップにより選出された共通の基準値に基づいて規格化する規格化実行ステップと、
を有することを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る分析データ処理方法の第2の態様は、試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるスペクトルデータ集合を扱う分析データ処理方法であって、互いに異なる複数のスペクトルデータ集合について、
a)一つのスペクトルデータ集合毎に、一つの測定点におけるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値の積算値と最大強度値との比が全ての測定点の中で最大であるものを規格化のための基準値として求める個別基準値取得ステップと、
b)全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得ステップにより得られた複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出ステップと、
c)各スペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出ステップにより選出された共通の基準値に基づいて、規格化後の強度値が所定の許容値を超えないように規格化する規格化実行ステップと、
を有することを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る分析データ処理装置の第1の態様は、本発明に係る分析データ処理方法の第1の態様を実施するための装置であり、試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるスペクトルデータ集合を扱う分析データ処理装置において、互いに異なる複数のスペクトルデータ集合について、
a)一つのスペクトルデータ集合毎に、各測定点のスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を基準値に基づいて規格化する際に、その規格化後の強度値が所定の許容値を超えないような最大の基準値を求める個別基準値取得部と、
b)全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得部により得られた複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出部と、
c)各スペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出部により選出された共通の基準値に基づいて規格化する規格化実行部と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る分析データ処理装置の第2の態様は、本発明に係る分析データ処理方法の第2の態様を実施するための装置であり、試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるスペクトルデータ集合を扱う分析データ処理装置であって、互いに異なる複数のスペクトルデータ集合について、
a)一つのスペクトルデータ集合毎に、一つの測定点におけるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値の積算値と最大強度値との比が全ての測定点の中で最大であるものを規格化のための基準値として求める個別基準値取得部と、
b)全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得部により得られた複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出部と、
c)各スペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出部により選出された共通の基準値に基づいて、規格化後の強度値が所定の許容値を超えないように規格化する規格化実行部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係る分析データ処理方法及び装置は例えば、イメージング質量分析装置、フーリエ変換赤外分光光度測定イメージング装置、ラマン分光イメージング装置、電子線マイクロアナライザ、走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分析装置、走査型プローブ顕微鏡などの分析装置により得られたデータを処理するものである。
分析装置がイメージング質量分析装置である場合、上記「所定のパラメータ」とは質量電荷比であり、スペクトルデータは質量電荷比とイオン強度値との関係を示すマススペクトルデータである。ただし、飛行時間型質量分析装置ではまず飛行時間とイオン強度値との関係を示す飛行時間スペクトルが作成され、該飛行時間スペクトル上の各イオンの飛行時間が質量電荷比に換算されることでマススペクトルが作成される。したがって、「マススペクトルデータ」は、質量電荷比に換算する前の飛行時間で表された「飛行時間スペクトルデータ」でも構わない。
また、分析装置がフーリエ変換赤外分光光度測定イメージング装置やラマン分光イメージング装置である場合、上記「所定のパラメータ」とは光の波数、波長の逆数などであり、スペクトルデータは赤外吸収スペクトルデータや赤外反射スペクトルデータ、又はラマン散乱スペクトルデータである。また、分析装置が電子線マイクロアナライザ、走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分析装置である場合には、上記「所定のパラメータ」とはX線の波長又はエネルギーであり、スペクトルデータは特性X線スペクトルデータである。また、分析装置が走査型プローブ顕微鏡である場合には、上記「所定のパラメータ」とは、探針の試料表面からの高さ又は試料に印加されたバイアス電圧であり、スペクトルデータは試料表面−探針間の距離と探針に加わる力との関係を示すフォースカーブ、又は前述したバイアス電圧と探針に流れる電流との関係を示す電流−電圧曲線である。
本発明に係る分析データ処理方法及び装置において、規格化の手法は例えば、上述したTIC規格化、XIC規格化、又はpノルム基準による規格化である。当然、これら規格化の手法によって規格化のための基準値は異なり、それによって、その基準値を求める際に用いられるスペクトルデータ中の強度値も相違する。即ち、例えばTIC規格化を行う場合であれば、基準値を求めるためにスペクトルデータ中の全てパラメータ値に対する強度値の積算値が用いられるし、XIC規格化を行う場合であれば、スペクトルデータ中の特定の一つのパラメータ値に対する強度値又は所定のパラメータ値範囲に入る複数のパラメータ値に対する強度値の積算値が用いられる。
本発明の第1の態様による分析データ処理装置により実施される本発明の第1の態様による分析データ処理方法では、個別基準値取得ステップにおいて、一つのスペクトルデータ集合に含まれる各測定点のスペクトルデータ中の例えば全てのパラメータ値に対する強度値を基準値に基づいて規格化する際に、その規格化後の強度値が所定の許容値を超えないような最大の基準値が求められる。そして、例えば比較解析したい複数のスペクトルデータ集合について、それぞれ同じように基準値が求められる。
ここで「所定の許容値」は、典型的には、コンピュータにより規格化演算を実行する際に強度値が格納される変数が採り得る最大値、つまりはコンピュータによる演算に際しデータのオーバーフローが生じないことが保証される最大値である。この場合、個別基準値取得ステップにおいて求まる基準値に基づいて、その一つのスペクトルデータ集合に含まれる複数のスペクトルデータ中の強度値を規格化した場合には、その規格化演算の際のオーバーフローを確実に回避できる。また、演算の際の丸め誤差も最小に抑えられる。
複数のスペクトルデータ集合に対してそれぞれ得られる基準値は異なるから、共通基準値選出ステップでは、その複数の基準値の中で最小のものを共通の基準値として選出するか、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する。これは、全てのスペクトルデータ集合に含まれる規格化対象の強度値に対して、規格化演算時にオーバーフローが生じないことが保証される基準値である。ただし、基準値を小さくするほど丸め誤差は大きくなるから、複数の基準値の中の最小値よりも小さい値ではなくその最小値自体を共通の基準値として選出することが望ましい。
そして、規格化実行ステップでは、複数のスペクトルデータ集合それぞれに含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、上述した共通の基準値に基づいて規格化する。その結果、複数のスペクトルデータ集合における全ての測定点で同一の基準に従って、例えばTIC値が揃うように強度値を修正することができる。また、その演算の際にオーバーフローが生じることを回避しつつ、丸め誤差もできるだけ小さくすることができる。したがって、異なるスペクトルデータ集合間での強度値の規格化を精度良く行うことができ、それらスペクトルデータ集合同士の比較が正確に行える。
本発明の第1の態様による分析データ処理方法及び装置では、スペクトルデータ集合毎の規格化の基準値を求める際に、規格化後の強度値が所定の許容値を超えないという条件が織り込まれている。つまり、その基準値に基づいた規格化を行えば、少なくともその一つのスペクトルデータ集合に含まれる規格化対象の強度値はオーバーフローすることがない。これに対し、本発明の第2の態様による分析データ処理方法及び装置では、スペクトルデータ集合毎の規格化の基準値を求める際には、規格化後の強度値が所定の許容値を超えないという条件は課されない。したがって、そうして求まった基準値に基づいて単に規格化を行った場合には、その一つのスペクトルデータ集合に含まれる規格化対象の強度値は基準値に合うように適切に規格化されるものの、演算上でオーバーフローする可能性がある。それは、共通基準値選出ステップにより選出された共通の基準値を用いた場合でも同様である。
そこで、本発明の第2の態様による分析データ処理方法及び装置では、規格化実行ステップにおいて各強度値を規格化する際に、規格化後の強度値が所定の許容値を超えないという条件を織り込んだ規格化の演算処理を行う。そのため、上記本発明の第1の態様による分析データ処理方法及び装置と同様に本発明の第2の態様による分析データ処理方法及び装置によっても、その規格化演算の際にオーバーフローが生じることを回避しつつ、丸め誤差もできるだけ小さくすることができる。また、複数のスペクトルデータ集合における全ての測定点で同一の基準に従って、例えばTIC値が揃うように強度値を修正することができ、それらスペクトルデータ集合同士の比較が正確に行える。
本発明の第1の態様、第2の態様のいずれの分析データ処理方法及び装置においても、個別基準値取得ステップによる一つのスペクトルデータ集合毎の基準値の取得は、例えば比較解析を行いたい複数のスペクトルデータ集合が分析者により指定され、それら複数のスペクトルデータ集合の間での規格化が必要になったときに行えばよい。ただし、基準値を取得するには、スペクトルデータ集合が保存されている外部記憶装置等から多くのデータを読み出す必要があり、その処理には或る程度の時間が掛かる。また、比較解析の度にそうした基準値を求める処理を実行するのも時間の無駄である。
一つのスペクトルデータ集合に対する規格化のための基準値は、該データの強度値に依存するから、強度値が決まれば一義的に決まる。そこで、基準値の取得は必ずしも規格化の直前に行う必要はなく、測定によりデータが取得された時点以降、いつ行ってもよい。
そこで、本発明に係る分析データ処理方法において、好ましくは、個別基準値取得ステップは所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することでそのスペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータが収集されるときに行われるようにするとよい。そうして得られた基準値は、例えば測定により得られたデータと同じデータファイル内に格納したり、該データファイルと関連付けられた別のファイル内に格納したりしておけばよい。
これにより、複数のスペクトルデータ集合に含まれるデータの規格化を行う際には改めて個別の基準値を算出する必要はなく、そのために要する時間を短縮して効率的な規格化処理が行える。
また、上述したように、規格化のための基準値を小さくするほど丸め誤差は大きくなるが、ユーザが介在することなく自動的に共通の基準値が決まるのではなく、共通の基準値の決定についてユーザが関与したい場合もある。そこで、本発明に係る分析データ処理方法において、上記共通基準値選出ステップでは、全てのスペクトルデータ集合に対し個別基準値取得ステップにより得られた複数の基準値をユーザに提示し、その提示された情報に基づくユーザの指示に応じた値を共通の基準値として設定するようにしてもよい。
本発明に係る分析データ処理方法及び装置によれば、例えば複数の試料からそれぞれ得られた分析データを比較したい場合に、従来の一手法のように比較したいデータ同士を結合することなく、そのまま、必要なデータを規格化して比較することができる。そのため、そうしたデータの結合などの余分な処理に要する時間が不要になり、比較解析を効率的に進めることができる。また、本発明に係る分析データ処理方法及び装置によれば、演算に用いられる変数のダイナミックレンジを有効に利用することができ、規格化の演算の際にオーバーフローが生じることを回避しつつ、丸め誤差も抑えることができる。それによって、異なるスペクトルデータ集合間での強度値の規格化を精度が向上し、それらスペクトルデータ集合同士の比較解析も正確に行えるようになる。また、変数のビット長を無駄に長くしておく必要もないので、コンピュータのリソースの有効活用を図ることができる。
本発明に係る分析データ処理装置の一実施例であるイメージング質量分析装置の概略構成図。 本実施例のイメージング質量分析装置における測定実行時の特徴的なデータ処理のフローチャート。 本実施例のイメージング質量分析装置における複数のイメージング質量分析データに対する規格化処理のフローチャート。 本実施例のイメージング質量分析装置において実行される複数のイメージング質量分析データに対する規格化処理の概略説明図。 イメージング質量分析により得られるデータとそれに基づく2次元イメージング画像作成・表示の概略説明図。
以下、イメージング質量分析装置で得られる質量分析イメージングデータを例に挙げて、本発明に係る分析データ処理方法及び装置を説明する。
まず、本発明の特徴の一つである、複数の質量分析イメージングデータに対する規格化処理方法について、図4を参照して説明する。
ここでは、図4(a)、(b)、(c)に示すような異なる三つの試料A、B、Cから得られた質量分析イメージングデータを規格化する場合を例に挙げる。図5により説明したように、一つの質量分析イメージングデータは、試料100上の所定の測定対象領域101内の多数の測定点102における所定の質量電荷比範囲のマススペクトルデータの集合である。三つの質量分析イメージングデータにおいて、測定点のサイズ(測定点の間隔)、測定点の数、質量電荷比範囲、質量分解能などは揃っている必要はない。
一つの質量分析イメージングデータにおいて、i番目(i=1〜N:Nは測定対象領域101内の測定点102の総数)の測定点におけるマススペクトルの中で最大の強度値をIi、該マススペクトル上の全ての強度値の和であるTIC値をPiとする。また、この質量分析イメージングデータにおける規格化の基準となるTIC値、つまりは個別基準値をPsjとする。ここで、jは質量分析イメージングデータに付された連番であり、図4中に示したように試料Aはj=1、試料Bはj=2、試料Cはj=3であるとする。さらに、コンピュータにおいて規格化の演算処理を行う際に、強度値を格納する変数が採ることができる最大許容値をlong_Maxとする。
この場合、一つ質量分析イメージングデータ内の全ての測定点について、次の(1)式を満たせば、規格化の演算の際にオーバーフローは生じない。
i×(Psj/Pi)<long_Max …(1)
この(1)式を変形すると、
Psj<long_Max×(Pi/Ii) …(2)
となる。
図4(a)では、i=8、i=16の二つの測定点に対するマススペクトルを例示しており、前者からI8、P8が求まり、後者からI16、P16が求まる。
TIC規格化の際に用いる個別基準値Psjが(2)式を満たせば、規格化演算の際にオーバーフローは生じない。即ち、TIC規格化の際に、全てのiに対するlong_Max×(Pi/Ii)の値のうちの最大値以下の適宜の値を個別基準値Psjに定め、各測定点におけるTIC値をその個別基準値Psjに揃えるように規格化を行えばオーバーフローを生じることなく規格化することができる。ただし、個別基準値Psjの値を小さくしすぎると規格化演算の際の丸め誤差が大きくなる。そのため、個別基準値Psjは可能な限りlong_Max×(Pi/Ii)の最大値に近い値に定めることが望ましい。したがって、通常はlong_Max×(Pi/Ii)の最大値を個別基準値Psjとすればよい。この場合、個別基準値Psjにはlong_Maxの要素が織り込まれており、これに基づく規格化ではオーバーフローが起きないことが保証される。
互いに比較したい複数の質量分析イメージングデータについてそれぞれ、上記(2)式に基づき、規格化演算におけるオーバーフローが生じるおそれのない個別基準値Psjを求める。図4の例では、三つの個別基準値Ps1、Ps2、Ps3が求まる。通常、それら個別基準値Psjは互いに相違する。そこで、その複数の質量分析イメージングデータに対してそれぞれ得られた個別基準値Psjを比較し、その中で値が最小のものを選択する。選択した個別基準値を共通基準値Pminとする。この共通基準値Pminは、比較対象である複数の質量分析イメージングデータについて全ての測定点におけるTIC値及び最大強度値を考慮したものである。そのため、比較対象である全ての質量分析イメージングデータにおいて、各測定点のTIC値が共通基準値Pminとなるようにマススペクトルの各強度値を規格化することで、複数の質量分析イメージングデータを同一の基準で且つ、オーバーフローが発生しないように規格化することができる。また、規格化演算の際に生じる丸め誤差もできるだけ小さく抑えることができる。具体的には、各測定点におけるマススペクトルの強度値にそれぞれ、次の(3)式で求まる規格化係数Gを乗じることで、強度値を修正すればよい。
G=Pmin/Pi …(3)
なお、上記説明はTIC規格化を行う場合を前提としているが、XIC規格化を行う場合でも原理は同様である。規格化を行う際の基準値は、TIC規格化の場合にはマススペクトルの全質量電荷比範囲に亘る強度値の積算値、XIC規格化の場合には特定の質量電荷比における強度値又は特定の質量電荷比範囲の強度値の積算値である。したがって、質量電荷比やその範囲を限定したうえで上述した説明に基づき共通基準値を定め、その共通基準値に基づいた規格化を行えばよい。さらにまた、特許文献2に開示されているようなpノルムを基準とする規格化の場合も同様であり、TIC値Piをpノルムに置き換えればよい。
上述した演算処理をコンピュータ上で行うためには、比較したい複数の質量分析イメージングデータを例えば外部記憶装置からコンピュータ内のメインメモリやCPU内部のレジスタなどに読み込み、上記(2)式に従って、質量分析イメージングデータ毎にlong_Max×(Pi/Ii)の最大値を求めることで個別基準値Psjを取得する。そして、複数の質量分析イメージングデータに対する個別基準値Psjのうち値が最小であるPminを求め、それを基準とし(3)式に従ってそれぞれの強度値を規格化すればよい。ただし、こうした処理手順では、次のような実用上の問題がある。
即ち、上述したように質量分析イメージングデータの総データ量は数十GB以上になる場合がある。コンピュータのメインメモリの容量には制約があるため、データを比較する際に、比較したい複数の質量分析イメージングデータの全てをメインメモリに読み込むことは通常困難である。そのため、複数の質量分析イメージングデータを一つずつメインメモリに読み込んで個別基準値Psjを求め、これを繰り返して複数の個別基準値Psjを求める。そして、共通基準値Pminを選出し、その後に再び複数の質量分析イメージングデータを一つずつメインメモリに読み込んで共通基準値Pminを基準とした規格化を行う必要がある。この場合、個別基準値Psjの算出時と各強度値の規格化時とで同じデータをメインメモリに読み込む作業が必要となる。つまり、同じデータを読み込む作業が2回生じるため、データ解析に時間が掛かることになる。
そこで、こうした問題を避けるためには次のような手順で処理を行うとよい。即ち、イメージング質量分析装置において試料に対する測定を実行してデータを収集する際や、解析のためにデータに対しノイズ除去などの前処理を行う際に、質量分析イメージングデータ毎に個別基準値Psjを算出する。そして、その個別基準値Psjを例えば、質量分析イメージングデータと同じデータファイル内又は該データファイルと関連付けられた別のファイルなどに保存しておく。複数の質量分析イメージングデータに対する比較解析を行う際には、比較したい複数の質量分析イメージングデータに対する個別基準値Psjが保存されているファイルを読み込むか、或いは、そうしたファイルから個別基準値Psjのみを読み込み、共通基準値Pminを決定する。そのあと、個々の質量分析イメージングデータをメインメモリに読み込んで共通基準値Pminを基準とした規格化を行う。これにより、規格化の個別基準値Psjを求めるために質量分析イメージングデータをメインメモリに読み込む作業は必要なくなり、少なくとも規格化演算処理に要する時間を短縮することができる。
次に、上述したデータの規格化処理を実施するイメージング質量分析装置の一実施例の構成及び動作を説明する。図1は本実施例のイメージング質量分析装置の要部の構成図である。
このイメージング質量分析装置は、イメージング質量分析部1と、得られたデータに対し後述するような様々なデータ処理を実行するデータ処理部2と、イメージング質量分析部1で取得されたマススペクトルデータ等を保存する例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などの大容量の外部記憶装置3と、分析者が操作する操作部4と、分析結果等を表示する表示部5と、を備える。
イメージング質量分析部1は、図示しないものの、サンプル上の光学顕微画像を観察するための顕微観察部と、大気圧MALDIイオン源、イオントラップ、及び飛行時間型質量分析計(TOFMS)を含む質量分析部と、を備える。このイメージング質量分析部1では、図5によりすでに説明したように、分析者により指定されたサンプル100上の測定対象領域101内の多数の測定点(微小領域)102に対しそれぞれ質量分析を実施し、測定点毎に所定の質量電荷比範囲に亘るマススペクトルデータを得ることができる。このマススペクトルデータは、イオンの解離を伴わない質量分析によって得られたもの以外に、例えばマススペクトル上に現れる任意のピークに対応するイオンをイオントラップにおいて解離させ、それにより生成されたイオンを質量分析することで得られたMS/MSスペクトル(さらにはnが3以上のMSnスペクトル)データでもよい。
データ処理部2は機能ブロックとして、データ収集部20、個別基準値算出部21、共通基準値決定部22、規格化演算処理部23、ピーク行列作成部24、イメージング画像作成部25、統計解析演算部26、データファイル作成部27、メインメモリ28、表示処理部29、などを含む。このデータ処理部2の実体はCPU、RAM、ROMなどを含むパーソナルコンピュータ(又はより高性能なワークステーション)であり、このコンピュータに予めインストールされた専用のデータ解析用ソフトウエアを実行することで、メインメモリ28を除く上記各ブロックの機能が実現される。
図2は本実施例のイメージング質量分析装置において一つの試料に対して測定を行う際の特徴的なデータ処理のフローチャート、図3は複数のイメージング質量分析データに対する規格化処理のフローチャートである。これらの図を参照しつつ、本実施例のイメージング質量分析装置における特徴的なデータ処理動作を説明する。
測定対象であるサンプルがイメージング質量分析部1にセットされると、図示しない顕微観察部はサンプル上の高解像の顕微画像を撮影し、その画像がデータ処理部2を介して表示部5の画面上に表示される。分析者は、この画像を参照して操作部4によりサンプル上の測定対象領域を指定する。すると、図示しない制御部は、指定された測定対象領域内の多数の測定点に対する質量分析を順次実行するようにイメージング質量分析部1を制御する。即ち、測定点を指定する変数iをまず1にセットし(ステップS11)、i番目の測定点に対する測定を実行する(ステップS12)。これによって、i番目の測定点におけるマススペクトルデータが得られるから、データ収集部20はこのデータをメインメモリ28に一旦格納する(ステップS13)。
データ処理部2においては、これと並行して個別基準値算出部21が、i番目の測定点に対して得られたマススペクトルデータから、最大の強度値Iiと質量電荷比全体に亘る強度値を積算したTIC値Piとを算出し、iの値に対応付けて内部に一時的に記憶する(ステップS14)。したがって、i=1のときには、最大強度値I1とTIC値P1とが記憶される。
次に、制御部では変数iがその測定対象領域内の測定点総数であるNに達したか否かが判定され(ステップS15)、変数iが測定点総数Nに達していなければiの値をインクリメント(ステップS16)してステップS12へ戻る。一方、変数iが測定点総数Nに達していればステップS15からS17へ進む。したがって、変数iが測定点総数NになるまでステップS12〜S16の処理を繰り返す。これによって、分析者により指定された測定対象領域内の全ての測定点に対する質量分析が実施され、メインメモリ28には全測定点に対するマススペクトルデータ、つまりはその試料に対する質量分析イメージングデータが格納される。一方、個別基準値算出部21には、i=1〜Nについての最大強度値IiとTIC値Piとが記憶される。そのあと、個別基準値算出部21は、それら全ての測定点(つまりi=1〜N)についてPi/Iiを計算し、その中の最大値を未スケーリング個別基準値Fjとして選択する(ステップS17)。この未スケーリング個別基準値Fjは上記個別基準値Psjとは異なりlong_Maxの要素が織り込まれていない。
データファイル作成部27は、メインメモリ28に格納されている一つの試料に対する質量分析イメージングデータ、個別基準値算出部21により得られた未スケーリング個別基準値Fj、及び、i=1〜Nの全ての測定点において得られたTIC値Piを一つのデータファイルに格納し、このデータファイルを外部記憶装置3に保存する。
また、図2には示していないが、質量分析イメージングデータに対して主成分分析(PCA)、主成分回帰分析(PCR)、部分的最小二乗法(PLS)、階層的クラスタ分析(HCA)、仮説検定、サポートベクターマシーン(SVM)などの多変量解析を行う場合には、マススペクトルから抽出したピーク情報(ピークの質量電荷比値と強度値)に基づくピーク行列を作成しておくと都合がよい。そこで、必要に応じて、試料に対する測定によって得られたデータをメインメモリ28に格納するのと並行して、ピーク行列作成部24は、マススペクトルデータに対してピーク検出を行い、検出された各ピークの強度値を質量電荷比値に並べたピーク行列を作成する。そして、データファイル作成部27は、そのピーク行列も質量分析イメージングデータと同じデータファイルに格納するとよい。
マススペクトルに対してピーク検出を行う際に、強度値が所定の閾値以上のピーク、或いは、特定の質量電荷比範囲内に現れるピークなど、ピーク検出の条件を絞ることで、検出されるピークの数は少なくなり、ピーク行列データのサイズは小さくなる。したがって、後述する比較解析のための多変量解析に要する処理時間を短くしたり、或いは、多変量解析の際にメインメモリ28に読み込むデータの量を少なくしたりしたい場合には、上述のようなピーク検出条件を厳しくしてピーク行列データのサイズを抑えるとよい。
また、TIC規格化ではなくXIC規格化を行う場合には、上述したように、TIC値Piに代えて、得られたマススペクトルの中で特定の質量電荷比における強度値又は特定の質量電荷比範囲の強度値の積算値を用いて同様に未スケーリング個別基準値を算出し、それをデータファイル内に格納しておけばよい。また、特許文献2に開示されているようなpノルムに基づく規格化を行う場合でも同様である。さらにまた、比較解析の際にTIC規格化とXIC規格化とを選択的に行いたい場合やXIC規格化でも着目する質量電荷比値や質量電荷比範囲を切り替えたい場合には、それぞれの条件に対応した未スケーリング個別基準値を算出して、それらをまとめてデータファイル内に格納しておけばよい。
図2に示したフローチャートは一つの試料に対する測定を行う際のものであり、別の試料に対しては図2に示したフローチャートに従った処理が別途実施される。したがって、試料を測定する毎に、また同じ試料でも別の測定対象領域に対する測定が実施される毎に、その試料又は測定対象領域に対する質量分析イメージングデータや未スケーリング個別基準値、各測定点のTIC値を格納したデータファイルが作成され、それが外部記憶装置3に保存される。
次に、上述のようにして複数の試料に対するデータファイルが外部記憶装置3に保存されている状態で、複数の質量分析イメージングデータの比較解析を行う場合に実行されるデータ処理について図3を参照して説明する。
この場合、分析者は操作部4により比較したい複数の質量分析イメージングデータを指定する(ステップS21)。すでに述べた図4は、三つの試料A、B、Cに対する質量分析イメージングデータが指定された例である。それらの比較解析を行うに先立って、共通基準値決定部22は外部記憶装置3に保存されている、それら複数の質量分析イメージングデータに対応するデータファイルから未スケーリング個別基準値Fjを読み出す(ステップS22)。そして、読み出された複数の未スケーリング個別基準値Fj中で最小の値を見つけ未スケーリング共通基準値Fminとして内部に記憶する(ステップS23)。
引き続き、規格化演算処理部23は外部記憶装置3に保存されているデータファイルから質量分析イメージングデータと各測定点におけるTIC値Piとを読み出す(ステップS24)。そして、未スケーリング共通基準値Fmin、各測定点におけるTIC値Pi、及び装置に特有の値である変数の最大許容値long_Maxから、次の(4)式に従って規格化係数G’を計算する。
G’=long_Max×(Fmin/Pi) …(4)
そして、この規格化係数G’を質量分析イメージングデータに含まれる各測定点におけるマススペクトルの強度値に乗じることで、該強度値を修正してメインメモリ28に格納する(ステップS25)。この場合には、上述した規格化処理方法の説明とは異なり、未スケーリング個別基準値Fjにlong_Maxの要素が織り込まれておらず、当然、未スケーリング共通基準値Fminにもlong_Maxの要素が織り込まれていないが、(4)式で求める規格化係数G’にはlong_Maxの要素が織り込まれるため、規格化演算の際にオーバーフローが生じないようにスケーリングが同時に実施される。したがって、上述した規格化方法と同様の規格化が達成されることになる。
上記のような規格化係数G’をそれぞれの強度値に乗じることで、未スケーリング共通基準値Fminに基づいて全ての強度値が規格化された質量分析イメージングデータがメインメモリ28に格納される。異なるデータファイルに格納されている別の質量分析イメージングデータについてもステップS24、S25の処理が行われ、同じ未スケーリング共通基準値Fminに基づいてそれぞれの強度値が規格化されることになる。
また、複数の試料について得られた特定の質量電荷比を持つイオンの2次元分布を比較したい場合には、各質量分析イメージングデータの中からその特定の質量電荷比における強度値を示すデータのみを抽出し、その強度値を規格化してメインメモリ28に格納すればよい。こうして同一の共通基準値の下に強度値が規格化された複数の質量分析イメージングデータがメインメモリ28に用意されたならば、例えば統計解析演算部26は強度値が規格化されたデータに基づく所定の統計解析を行い、その結果を表示処理部29を介して表示部5の画面上に出力する。また、視覚上で比較したい複数のイメージング画像を表示する場合には、イメージング画像作成部25がメインメモリ28に格納されているデータに基づいてイメージング画像を再現し、その画像を表示処理部29を介して表示部5の画面上に出力する。
上述したように、外部記憶装置3に保存されている各データファイル内にそれぞれピーク行列データが格納されており、ピーク行列データを用いた主成分分析等の多変量解析を行うことで複数の質量分析イメージングデータの比較解析を行いたい場合には、規格化演算処理部23は外部記憶装置3に保存されているデータファイル内のマススペクトルデータではなくピーク行列データを読み出し、そのピーク行列データ中の各要素である強度値に対し上述した規格化係数を乗じればよい。そうして得られた複数の規格化されたピーク行列データを用いた多変量解析を行えば、複数の試料を測定する際の測定条件のばらつき等の影響を軽減した、精度の高い多変量解析が行える。
また、上述したようにピーク検出条件を厳しくしてもともとのピーク行列データのサイズを小さくしておくことで、メインメモリ28に格納する規格化済みのピーク行列データのデータ量は少なくて済む。したがって、メインメモリ28の占有容量を抑えることができるとともに、多変量解析に要する時間も短くなる。
また、本実施例のイメージング質量分析装置では、試料に対する測定を実行してデータを収集する際に並行して個別基準値を算出し、その個別基準値をデータファイル内に格納しているが、本実施例のイメージング質量分析装置で取得した質量分析イメージングデータと別の装置で取得した質量分析イメージングデータとの比較解析を行いたい場合、その別の装置において作成されたデータファイルには各測定点におけるマススペクトルデータしか格納されていないことがあり得る。即ち、場合によっては、個別基準値が格納されていないデータファイルを取り扱う必要がある。
そこで、例えばコンピュータに別途インストールしたデータ変換用ソフトウエアなどを用い、該ソフトウエアによる処理によってメインメモリにデータを読み込んでピーク検出を行い、ピーク行列を作成してそれをデータが格納されているデータファイルに格納するとともに、個別基準値も算出して同じデータファイルに格納しておく。このようにしてピーク行列と個別基準値とが追加されたデータファイルを作成することで、上記実施例のイメージング質量分析装置において図3で説明したような処理が可能となる。もちろん、こうしたデータ変換用ソフトウエアの機能を上述したような規格化処理を行うデータ解析用ソフトウエアに組み込むようにしてもよい。
また、上記実施例のイメージング質量分析装置では、各質量分析イメージングデータから決定された個別基準値に基づいて共通基準値が自動的に決まっていたが、共通基準値の設定に分析者の判断の余地を加えるようにしてもよい。そのためには例えば、複数の質量分析イメージングデータの比較解析の際に、共通基準値決定部22はデータファイルから読み出した複数の未スケーリング個別基準値Fj(又は個別基準値Psj)を表示処理部29を介して表示部5の画面上に表示する。分析者はこれを確認し、例えばその中の最小のものよりもさらに小さい値を共通基準値として操作部4より入力する。このとき、入力された値が複数の個別基準値の中の最小値よりも大きいと、規格化演算の際にオーバーフローが生じるおそれがあるから、そうした値が入力されたときには警告を発したり、或いはそうした入力自体ができないように上限を設定したりしてもよい。共通基準値決定部22はこの入力された値を共通基準値に設定する。これにより、自動的に決まった値ではなく分析者が入力した値を基準とした強度値の規格化が可能となる。
また、前述のように、上記実施例のイメージング質量分析装置では、long_Maxの要素が織り込まれていない未スケーリング個別基準値Fjがデータファイル内に格納されているが、long_Maxは装置(ソフトウエア)に固有で定まっているから、規格化処理方法の説明で述べたように、(2)式に基づいてlong_Maxの要素を織り込んだ個別基準値Psjを求め、これをデータファイル内に格納してもよい。この場合には、この個別基準値Psjから共通基準値Pminを求め、共通基準値Pminに基づき(3)式に従って求めた規格化係数Gを用いて各測定点のマススペクトルデータの強度値を規格化すればよく、規格化の際にはスケーリングを行う必要はない。
また、上記実施例は本発明をイメージング質量分析装置で得られたデータの処理に適用した例であるが、本発明はイメージング質量分析装置だけでなく、試料上の測定対象領域内に設定された多数の測定点それぞれに対し何らかのスペクトル情報を取得する様々な分析装置に適用することができる。
例えば、FTIRイメージング装置では、試料上の測定対象領域内の多数の測定点に対しフーリエ変換赤外分光光度測定を実施し、赤外吸収スペクトルをそれぞれ取得する。また、ラマン分光イメージング装置では、試料上の測定対象領域内の多数の測定点に対しラマン分光測定を実施し、ラマン散乱スペクトルをそれぞれ取得する。また、電子線マイクロアナライザや走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分析装置では、試料上の測定対象領域内の多数の測定点にそれぞれ励起線として電子線を照射し、それによって試料から放出される特性X線のエネルギーと強度との関係を示すスペクトルをそれぞれ取得する。走査型プローブ顕微鏡では、試料上の多数の測定点において、探針と試料との距離を変えながら探針に作用する力を測定し、探針と試料との間の距離と探針にかかる力との関係を示すスペクトル(フォースカーブ)のような試料表面からの高さと物性情報との関係を示すスペクトルを取得する。したがって、例えば複数の試料に対してこれら分析装置により得られたデータを比較解析する際にも、上述したような強度値の規格化を行うことで、正確な比較解析が可能となる。
また、上記実施例や上述した各種の変形例はいずれも本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜に変更、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
1…イメージング質量分析部
2…データ処理部
20…データ収集部
21…個別基準値算出部
22…共通基準値決定部
23…規格化演算処理部
24…ピーク行列作成部
25…イメージング画像作成部
26…統計解析演算部
27…データファイル作成部
28…メインメモリ
29…表示処理部
3…外部記憶装置
4…操作部
5…表示部
100…サンプル
101…測定対象領域
102…測定点
上記課題を解決するために成された本発明に係る分析データ処理方法の第1の態様は、試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるスペクトルデータ集合を扱う分析データ処理方法であって、互いに異なる複数のスペクトルデータ集合について、
a)一つのスペクトルデータ集合毎に、各測定点のスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を基準値に基づいて規格化する際に、その規格化後の強度値が所定の許容値を超えない基準値を求める個別基準値取得ステップと、
b)全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得ステップにより得られた複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出ステップと、
c)各スペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出ステップにより選出された共通の基準値に基づいて規格化する規格化実行ステップと、
を有することを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る分析データ処理装置の第1の態様は、本発明に係る分析データ処理方法の第1の態様を実施するための装置であり、試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるスペクトルデータ集合を扱う分析データ処理装置において、互いに異なる複数のスペクトルデータ集合について、
a)一つのスペクトルデータ集合毎に、各測定点のスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を基準値に基づいて規格化する際に、その規格化後の強度値が所定の許容値を超えない基準値を求める個別基準値取得部と、
b)全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得部により得られた複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出部と、
c)各スペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出部により選出された共通の基準値に基づいて規格化する規格化実行部と、
を備えることを特徴としている。
本発明の第1の態様による分析データ処理装置により実施される本発明の第1の態様による分析データ処理方法では、個別基準値取得ステップにおいて、一つのスペクトルデータ集合に含まれる各測定点のスペクトルデータ中の例えば全てのパラメータ値に対する強度値を基準値に基づいて規格化する際に、その規格化後の強度値が所定の許容値を超えない基準値が求められる。そして、例えば比較解析したい複数のスペクトルデータ集合について、それぞれ同じように基準値が求められる。
また、上述したように、規格化のための基準値を小さくするほど丸め誤差は大きくなるが、ユーザが介在することなく自動的に共通の基準値が決まるのではなく、共通の基準値の決定についてユーザが関与したい場合もある。そこで、本発明に係る分析データ処理方法において、上記共通基準値選出ステップでは、全てのスペクトルデータ集合に対し個別基準値取得ステップにより得られた複数の基準値をユーザに提示し、その提示された情報に基づくユーザの指示に応じた値を共通の基準値として設定するようにしてもよい。
また、本発明に係る第1、第2の態様による分析データ処理方法及び装置では、複数の試料についてそれぞれ得られた質量分析イメージングデータなどの複数のスペクトルデータ集合を対象としたデータ処理を行うが、一つの試料について得られた質量分析イメージングデータ、つまりは試料上の複数の測定点におけるスペクトルデータを対象として同様の処理を実施してもよい。
即ち、本発明に係る分析データ処理方法の第3の態様は、試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるデータを扱う分析データ処理方法であって、
a)測定点毎に、一つの測定点のスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を基準値に基づいて規格化する際に、その規格化後の強度値が所定の許容値を超えない基準値を求める個別基準値取得ステップと、
b)前記個別基準値取得ステップにより得られた各測定点のスペクトルデータに対する複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出ステップと、
c)各スペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出ステップにより選出された共通の基準値に基づいて規格化する規格化実行ステップと、
を有することを特徴としている。
また本発明に係る分析データ処理装置の第3の態様は、本発明に係る分析データ処理方法の第3の態様を実施するための装置であり、試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるデータを扱う分析データ処理装置において、
a)測定点毎に、一つの測定点のスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を基準値に基づいて規格化する際に、その規格化後の強度値が所定の許容値を超えない基準値を求める個別基準値取得部と、
b)前記個別基準値取得部により得られた各測定点のスペクトルデータに対する複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出部と、
c)各スペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出部により選出された共通の基準値に基づいて規格化する規格化実行部と、
を備えることを特徴としている。
また本発明に係る分析データ処理方法の第4の態様は、試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるデータを扱う分析データ処理方法であって、
a)測定点毎に、一つの測定点におけるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値の積算値と最大強度値との比が全ての測定点の中で最大であるものを規格化のための基準値として求める個別基準値取得ステップと、
b)前記個別基準値取得ステップにより得られた各測定点のスペクトルデータに対する複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出ステップと、
c)各スペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出ステップにより選出された共通の基準値に基づいて、規格化後の強度値が所定の許容値を超えないように規格化する規格化実行ステップと、
を有することを特徴としている。
また本発明に係る分析データ処理装置の第4の態様は、本発明に係る分析データ処理方法の第4の態様を実施するための装置であり、試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるデータを扱う分析データ処理装置であって、
a)測定点毎に、一つの測定点におけるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値の積算値と最大強度値との比が全ての測定点の中で最大であるものを規格化のための基準値として求める個別基準値取得部と、
b)前記個別基準値取得部により得られた各測定点のスペクトルデータに対する複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出部と、
c)各スペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出部により選出された共通の基準値に基づいて、規格化後の強度値が所定の許容値を超えないように規格化する規格化実行部と、
を備えることを特徴としている。
一つの質量分析イメージングデータにおいて、i番目(i=1〜N:Nは測定対象領域101内の測定点102の総数)の測定点におけるマススペクトルの中で最大の強度値をIi、該マススペクトル上の全ての強度値の和であるTIC値をPiとする。また、この質量分析イメージングデータにおける規格化の基準となるTIC値、つまりは個別基準値をPsjとする。ここで、jは質量分析イメージングデータに付された連番であり、図4中に示したように試料Aはj=1、試料Bはj=2、試料Cはj=3であるとする。さらに、コンピュータにおいて規格化の演算処理を行う際に、強度値を格納する変数が採ることができる最大許容値をlong_Maxとする。
この場合、一つ質量分析イメージングデータ内の全ての測定点について、次の(1)式を満たせば、規格化の演算の際にオーバーフローは生じない。
i×(Psj/Pilong_Max …(1)
この(1)式を変形すると、
Psj long_Max×(Pi/Ii) …(2)
となる。
図4(a)では、i=8、i=16の二つの測定点に対するマススペクトルを例示しており、前者からI8、P8が求まり、後者からI16、P16が求まる。
TIC規格化の際に用いる個別基準値Psjが(2)式を満たせば、規格化演算の際にオーバーフローは生じない。即ち、TIC規格化の際に、全てのiに対するlong_Max×(Pi i )の値のうちの最大値以下の適宜の値を個別基準値Psjに定め、各測定点におけるTIC値をその個別基準値Psjに揃えるように規格化を行えばオーバーフローを生じることなく規格化することができる。ただし、個別基準値Psjの値を小さくしすぎると規格化演算の際の丸め誤差が大きくなる。そのため、個別基準値Psjは可能な限りlong_Max×(Pi/Ii)の最大値に近い値に定めることが望ましい。したがって、通常はlong_Max×(Pi/Ii)の最大値を個別基準値Psjとすればよい。この場合、個別基準値Psjにはlong_Maxの要素が織り込まれており、これに基づく規格化ではオーバーフローが起きないことが保証される。

Claims (8)

  1. 試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるスペクトルデータ集合を扱う分析データ処理方法であって、互いに異なる複数のスペクトルデータ集合について、
    a)一つのスペクトルデータ集合毎に、各測定点のスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を基準値に基づいて規格化する際に、その規格化後の強度値が所定の許容値を超えないような最大の基準値を求める個別基準値取得ステップと、
    b)全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得ステップにより得られた複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出ステップと、
    c)各スペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出ステップにより選出された共通の基準値に基づいて規格化する規格化実行ステップと、
    を有することを特徴とする分析データ処理方法。
  2. 試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるスペクトルデータ集合を扱う分析データ処理方法であって、互いに異なる複数のスペクトルデータ集合について、
    a)一つのスペクトルデータ集合毎に、一つの測定点におけるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値の積算値と最大強度値との比が全ての測定点の中で最大であるものを規格化のための基準値として求める個別基準値取得ステップと、
    b)全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得ステップにより得られた複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出ステップと、
    c)各スペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出ステップにより選出された共通の基準値に基づいて、規格化後の強度値が所定の許容値を超えないように規格化する規格化実行ステップと、
    を有することを特徴とする分析データ処理方法。
  3. 請求項1又は2に記載の分析データ処理方法であって、
    前記所定の許容値は、前記規格化実行ステップによる規格化演算を実行する際に強度値が格納される変数が採り得る最大値であることを特徴とする分析データ処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の分析データ処理方法であって、
    前記個別基準値取得ステップによる一つのスペクトルデータ集合毎の基準値の取得は、所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することでそのスペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータが収集されるときに行われることを特徴とする分析データ処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析データ処理方法であって、
    前記共通基準値選出ステップでは、全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得ステップにより得られた複数の基準値をユーザに提示し、その提示された情報に基づくユーザの指示に応じた値を共通の基準値として設定することを特徴とする分析データ処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の分析データ処理方法であって、
    前記スペクトルデータは質量電荷比とイオン強度値との関係を示すマススペクトルデータであることを特徴とする質量分析データ処理方法。
  7. 試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるスペクトルデータ集合を扱う分析データ処理装置において、互いに異なる複数のスペクトルデータ集合について、
    a)一つのスペクトルデータ集合毎に、各測定点のスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を基準値に基づいて規格化する際に、その規格化後の強度値が所定の許容値を超えないような最大の基準値を求める個別基準値取得部と、
    b)全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得部により得られた複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出部と、
    c)各スペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出部により選出された共通の基準値に基づいて規格化する規格化実行部と、
    を備えることを特徴とする分析データ処理装置。
  8. 試料上に設定された所定の測定対象領域内の複数の測定点に対しそれぞれ所定の分析を実行することで収集された、所定のパラメータと信号強度値との関係を示すスペクトルデータが前記測定点の空間位置情報に関連付けられてなるスペクトルデータ集合を扱う分析データ処理装置であって、互いに異なる複数のスペクトルデータ集合について、
    a)一つのスペクトルデータ集合毎に、一つの測定点におけるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値の積算値と最大強度値との比が全ての測定点の中で最大であるものを規格化のための基準値として求める個別基準値取得部と、
    b)全てのスペクトルデータ集合に対し前記個別基準値取得部により得られた複数の基準値の中から最小のものを共通の基準値として選出する、又はその最小のものよりもさらに小さい値を共通の基準値として設定する共通基準値選出部と、
    c)各スペクトルデータ集合に含まれるスペクトルデータ中の全て又は一部のパラメータ値に対する強度値を、前記共通基準値選出部により選出された共通の基準値に基づいて、規格化後の強度値が所定の許容値を超えないように規格化する規格化実行部と、
    を備えることを特徴とする分析データ処理装置。
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