JPWO2016080242A1 - 振動発生ユニット、振動体ユニット及び超音波処置具 - Google Patents

振動発生ユニット、振動体ユニット及び超音波処置具 Download PDF

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Abstract

振動発生ユニットのフロントマスは、支持されるフランジ部と、前記フランジ部より基端側に設けられるブロック部と、を備える。前記ブロック部の基端には、素子ユニットの先端が当接する。前記素子ユニットの圧電素子で発生した超音波振動が伝達されることにより、前記フランジ部より前記基端側に位置する振動腹の1つである基準振動腹が前記ブロック部と前記素子ユニットとの境界位置又は前記境界位置の近傍に位置する所定の周波数領域で、前記フロントマスは振動する。

Description

本発明は、電力が供給されることにより超音波振動を発生する素子ユニット(圧電素子)を備える振動発生ユニットに関する。また、その振動発生ユニットを備える振動体ユニット、及び、その振動体ユニットを備える超音波処置具に関する。
特許文献1には、超音波振動を用いて生体組織等の処置対象を処置する超音波処置具が開示されている。この超音波処置具では、電力を供給されることにより超音波振動を発生する複数の圧電素子を備える素子ユニットが設けられている。発生した超音波振動は、振動伝達部材(プローブ)を通して、振動伝達部材の先端部に設けられる処置部に伝達される。圧電素子を含む素子ユニットの先端は、フロントマス(先端側固定部)の基端に当接している。フロントマスには、振動子ケースに支持されるフランジ部と、超音波振動の振幅を拡大するホーンとが設けられている。フロントマスでは、フランジ部に素子ユニットの先端が当接し、フランジ部の先端側にホーンが連続している。
特許第4918565号公報
前記特許文献1のような超音波処置具では、素子ユニット(圧電素子)は、フロントマスとは音響インピーダンスが異なり、素子ユニットとフロントマスとの境界位置で、先端側に向かって伝達される超音波振動に対する音響インピーダンスが変化する。また、超音波振動によって素子ユニット及びフロントマスが振動する状態では、振動子ケースに支持されるフランジ部又はフランジ部の近傍に超音波振動の振動節が位置する。このため、フランジ部に素子ユニットの先端が当接する構成では、音響インピーダンスが変化する素子ユニットとフロントマスとの境界位置は、超音波振動の振動節又は振動節の近傍に位置することになり、超音波振動の振動腹から境界位置までの距離が大きくなる。超音波振動による応力が大きくなる振動節又は振動節の近傍に素子ユニットとフロントマスとの境界位置が位置することにより、境界位置での音響インピーダンスの変化によって、超音波振動の振幅が変化する(フロントマスでの振幅が素子ユニットでの振幅に比べて大きくなる。)。
ここで、素子ユニットの圧電素子は、経時劣化、熱滅菌処理等によって特性が変化する。圧電素子の特性が変化することにより、素子ユニットの音響インピーダンスも製造時から変化し、素子ユニットとフロントマスとの境界位置での超音波振動の振幅の拡大率(変成比)が変化する。境界位置での振幅の拡大率が変化することにより、振動伝達部材の処置部においての振動速度(振幅)が変化する。処置部での振動速度が変化することにより、処置における処置性能が変化してしまう。
本発明は前記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、振動伝達部材(処置部)での振動速度への圧電素子の特性変化の影響が低減される振動発生ユニットを提供することにある。また、その振動発生ユニットを備える振動体ユニット及び超音波処置具を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明のある態様の振動発生ユニットは、収容ケースによって支持されるフランジ部と、前記フランジ部より基端側に設けられるブロック部と、を備え、超音波振動を伝達可能なフロントマスと、電力が供給されることにより前記超音波振動を発生する圧電素子を備え、先端が前記ブロック部の基端に当接するとともに、前記圧電素子で発生した前記超音波振動を前記基端側から先端側へ前記フロントマスを通して伝達することにより、前記フランジ部より前記基端側に位置する振動腹の1つである基準振動腹が前記ブロック部との境界位置又は前記境界位置の近傍に位置する所定の周波数領域で前記フロントマスを振動させる素子ユニットと、を備える。
本発明によれば、振動伝達部材(処置部)での振動速度への圧電素子の特性変化の影響が低減される振動発生ユニットを提供することができる。また、その振動発生ユニットを備える振動体ユニット及び超音波処置具を提供することができる。
第1の実施形態に係る超音波システムを示す概略図である。 第1の実施形態に係る振動子ユニットの構成を概略的に示す断面図である。 第1の実施形態に係る振動発生ユニットの構成を示すとともに、振動体ユニットが所定の周波数範囲で縦振動する状態を説明する概略図である。 第1の変形例に係る振動発生ユニットの構成を示すとともに、振動体ユニットが所定の周波数範囲で縦振動する状態を説明する概略図である。 第2の変形例に係る振動発生ユニットの構成を示すとともに、振動体ユニットが所定の周波数範囲で縦振動する状態を説明する概略図である。 第3の変形例に係る振動発生ユニットの構成を示すとともに、振動体ユニットが所定の周波数範囲で縦振動する状態を説明する概略図である。 第4の変形例に係る振動発生ユニットの構成を示すとともに、振動体ユニットが所定の周波数範囲で縦振動する状態を説明する概略図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態の超音波処置システム1を示す図である。図1に示すように、超音波処置システム1は、超音波処置具2を備える。超音波処置具2は、長手軸Cを有する。ここで、長手軸Cに平行な方向(長手軸Cに沿う方向)を長手軸方向とする。また、長手軸方向の一方側が先端側(図1の矢印C1側)であり、先端側とは反対側が基端側(図1の矢印C2側)である。
超音波処置具2は、振動子ユニット3と、術者等によって保持可能な保持ユニット5と、シース6と、ジョー(把持部材)7と、振動伝達部材(先端側振動伝達部材)8と、を備える。保持ユニット5は、長手軸Cに沿って延設される保持本体部11と、長手軸Cに対して交差するある1つの方向へ向かって保持本体部11から延設される固定ハンドル12と、保持本体部11に回動可能に取付けられる可動ハンドル13と、を備える。可動ハンドル13が保持本体部11に対して回動することにより、可動ハンドル13は固定ハンドル12に対して開く又は閉じる。保持本体部11の先端側には、回転操作入力部である回転操作ノブ15が連結されている。回転操作ノブ15は、保持本体部11に対して長手軸Cを中心として回転可能である。また、保持本体部11には、エネルギー操作入力部であるエネルギー操作ボタン16が取付けられている。
シース6は、回転操作ノブ15の内部及び保持本体部11の内部に先端側から挿入された状態で、保持ユニット5に連結されている。また、ジョー7は、シース6の先端部に回動可能に取付けられている。振動伝達部材8は、保持本体部11の内部からシース6の内部を通って先端側に向かって延設されている。本実施形態では、振動伝達部材8の中心軸が長手軸Cと一致し、振動伝達部材8は基端から先端まで長手軸Cに沿って延設されている。振動伝達部材8の先端部には、処置部17が設けられている。振動伝達部材8は、処置部17がシース6の先端から先端側へ向かって突出する状態で、シース6に挿通されている。開閉操作入力部である可動ハンドル13を固定ハンドル12に対して開動作又は閉動作させることにより、シース6の可動部(図示しない)が長手軸Cに沿って移動し、ジョー7が回動する。ジョー7が回動することにより、ジョー7が、振動伝達部材8の処置部17に対して開動作又は閉動作する。また、シース6、ジョー7及び振動伝達部材8は、回転操作ノブ15と一体に、保持本体部11に対して長手軸Cを中心として回転可能である。
図2は、振動子ユニット3の構成を示す図である。図1及び図2に示すように、振動子ユニット3は、振動子ユニット3の外装を形成する振動子ケース21を備える。振動子ケース21は、基端側から保持本体部11の内部に挿入された状態で、保持ユニット5に連結されている。また、保持本体部11の内部では、シース6に振動子ケース21が分離可能に連結されている。振動子ケース21には、ケーブル18の一端が接続されている。超音波処置システム1では、ケーブル18の他端は、エネルギー源ユニット10に分離可能に接続される。ここで、エネルギー源ユニット10は、例えば医療用の電源装置(エネルギー制御装置)であり、電源、変換回路(いずれも図示しない)等を備える。また、エネルギー源ユニット10では、電力の出力を制御する制御部(図示しない)がCPU(Central Processing Unit)又はASIC(application specific integrated circuit)を備えるプロセッサから形成され、メモリ等の記憶部(図示しない)が設けられている。
また、振動子ユニット3では、振動子ケース21の内部に、振動発生ユニット22が設けられている。すなわち、本実施形態では、振動子ケース21は、内部に振動発生ユニット22を収容する収容ケースとなる。振動発生ユニット22は、振動子ケース21に取付けられている。振動発生ユニット22は、フロントマス(先端側固定部)23を備える。本実施形態では、フロントマス23の中心軸が長手軸Cと一致し、フロントマス23は基端から先端まで長手軸Cに沿って延設されている。フロントマス23の先端によって、振動発生ユニット22の先端が形成されている。保持本体部11の内部では、フロントマス23の先端が振動伝達部材8の基端に分離可能に接続される。フロントマス23が振動伝達部材8に接続されていることにより、振動発生ユニット22の先端側に振動伝達部材8が連結される。なお、振動発生ユニット22に振動伝達部材8が連結された状態では、振動発生ユニット22は、振動伝達部材8と一体に、保持本体部11に対して長手軸Cを中心として回転可能である。
振動発生ユニット22では、フロントマス23の基端側に柱状のボルト部(素子装着部)25が接続されている。本実施形態では、ボルト部25の中心軸が長手軸Cと一致し、ボルト部25は基端から先端まで長手軸Cに沿って延設されている。ボルト部25の基端によって、振動発生ユニット22の基端が形成されている。フロントマス23及びボルト部25は、例えばチタン(Ti)等の超音波振動を伝達可能な材料から形成されている。なお、本実施形態では、フロントマス23及びボルト部25は、別部材であるが、フロントマス23及びボルト部25が一体に形成されてもよい。
また、ボルト部25には、素子ユニット26及びバックマス(基端側固定部)27が装着される。素子ユニット26及びバックマス27はリング状に形成され、ボルト部(素子装着部)25が素子ユニット26及びバックマス27の順に挿通されることにより、素子ユニット26及びバックマス27がボルト部25に装着される。したがって、ボルト部25に装着された素子ユニット26及びバックマス27は、ボルト部25の外周側に配置される。バックマス27は、例えば超ジュラルミン(A2024)等の超音波振動を伝達可能な材料から形成される。
素子ユニット26は、基端及び先端を有し、基端から先端まで長手軸Cに沿って延設されている。素子ユニット26の基端には、バックマス27の先端が当接し、素子ユニット26の先端は、フロントマス23の基端に当接している。したがって、バックマス27は、基端側から素子ユニット26に当接し、フロントマス23は、先端側から素子ユニット26に当接している。このため、素子ユニット26は、長手軸Cに平行な(長手軸Cに沿う)長手軸方向についてバックマス(基端側固定部)27とフロントマス(先端側固定部)23との間で、挟まれている。
素子ユニット26は、(本実施形態では4つの)圧電素子31A〜31Dと、第1の電極部材32と、第2の電極部材33と、を備える。振動発生ユニット22の長手軸方向について、それぞれの圧電素子31A〜31Dは、第1の電極部材32と第2の電極部材33との間で挟まれている。第1の電極部材32には、電気配線部35Aの一端が接続され、第2の電極部材33には、電気配線部35Bの一端が接続されている。電気配線部35A,35Bは、ケーブル18の内部を通って延設され、電気配線部35Aの他端及び電気配線部35Bの他端は、エネルギー源ユニット10の電源、変換回路(いずれも図示しない)に電気的に接続されている。
また、保持ユニット5の内部には、スイッチ部(図示しない)が設けられている。スイッチ部の開閉状態は、エネルギー操作ボタン16でのエネルギー操作の入力に対応して、切替わる。スイッチ部は、振動子ユニット3及びケーブル18の内部を通って延設される信号経路部(図示しない)を介して、エネルギー源ユニット10の制御部(図示しない)に電気的に接続されている。制御部は、スイッチ部の開閉状態を検出することにより、エネルギー操作ボタン16でのエネルギー操作の入力を検知する。エネルギー操作の入力が検知されることにより、エネルギー源ユニット10から電力が出力される。エネルギー源ユニット10から電力(交流電力)が出力されることにより、第1の電極部材32と第2の電極部材33との間に電圧が印加される。第1の電極部材32と第2の電極部材33との間に印加される電圧によって、第1の電極部材32と第2の電極部材33との間で挟まれるそれぞれの圧電素子31A〜31Dに電流(交流電流)が流れ、それぞれの圧電素子31A〜31Dは、電流を超音波振動に変換する。すなわち、それぞれの圧電素子31A〜31Dでは、電力が供給されることにより、超音波振動が発生する。
圧電素子31A〜31Dは、フロントマス23及びバックマス27より音響インピーダンスZが高くなる。ここで、音響インピーダンスZは、振動体ユニット20の長手軸Cに垂直な断面積Sと特性インピーダンスζとの積である。特性インピーダンスζは、部品を形成する材料によって決まる物性値であり、材料(物質)ごとに固有の値を有する。特性インピーダンスζは、材料の密度ρ及び材料での音の伝播速度c(すなわち、材料の密度ρ及びヤング率E)に基づいて決定される値である。圧電素子31A〜31Dは、例えばチタン酸ジルコ酸鉛(PZT)等のセラミックスから形成され、フロントマス23及びバックマス27より特性インピーダンスζが高い材料から形成される。このため、圧電素子31A〜31Dでは、フロントマス23及びバックマス27より音響インピーダンスZが高くなる。
発生した超音波振動は、素子ユニット26からフロントマス23を通して基端側から先端側へ向かって伝達される。そして、超音波振動は、フロントマス23から振動伝達部材8に伝達され、振動伝達部材8において処置部17に向かって超音波振動が伝達される。処置部17は、伝達された超音波振動を用いて生体組織等の処置対象を処置する。すなわち、振動発生ユニット22及び振動伝達部材8によって、超音波振動によって振動する振動体ユニット20が形成され、振動体ユニット20は、振動発生ユニット22の基端から振動伝達部材8の先端まで延設される。超音波振動が処置部17に向かって伝達される状態では、振動体ユニット20は振動方向が長手軸C(長手軸方向)に平行な縦振動を行う。本実施形態では、ボルト部25の基端(バックマス27の基端)によって、振動体ユニット20の基端が形成され、振動伝達部材8の先端によって、振動体ユニット20の先端が形成されている。すなわち、圧電素子31A〜31Dで発生した超音波振動がフロントマス23を通して伝達されることにより、フロントマス23及び素子ユニット26を含む振動体ユニット20が振動する(縦振動する。)。
フロントマス23には、振動子ケース(収容ケース)21に支持されるフランジ部(被支持部)36が設けられている。振動発生ユニット22は、振動子ケース21の内周部によってフランジ部36が支持された状態で、振動子ケース21に取付けられている。また、フロントマス23では、フランジ部36の基端側にブロック部(スペーサブロック)37が設けられている。ブロック部37は、基端及び先端を有し、基端から先端まで長手軸Cに沿って延設されている。ブロック部37の基端によって、フロントマス23の基端が形成されている。本実施形態では、ブロック部37は、フランジ部36の基端から素子ユニット26の先端まで、長手軸Cに沿って連続している。したがって、素子ユニット26の先端は、ブロック部37の基端に当接している。素子ユニット26とブロック部37との当接部分が、素子ユニット26とブロック部37(フロントマス23)との間の境界位置B0となる。
また、フロントマス23には、長手軸Cに垂直な断面積が先端側へ向かうにつれて減少するテーパ状のホーン(断面積減少部)38が形成されている。本実施形態では、ホーン38は、フランジ部36の先端側に連続している。このため、本実施形態では、ホーン38の基端(ホーン振動入力端)に、フランジ部36が形成されている。したがって、ホーン38は、素子ユニット26とブロック部37との間の境界位置B0より先端側に位置している。圧電素子31A〜31Dで発生した超音波振動がフロントマス23を通して先端側へ向かって伝達される状態では、ホーン38によって超音波振動の振幅が拡大される。なお、本実施形態では、振動発生ユニット22の先端は、ホーン38の先端(ホーン振動出力端)より、先端側に位置している。
次に、本実施形態の振動発生ユニット22、振動体ユニット20及び超音波処置具2の作用及び効果について説明する。超音波処置具2を用いて処置を行う際には、保持ユニット5を保持した状態で、シース6、ジョー7及び振動伝達部材8を腹腔等の体腔内に挿入する。そして、ジョー7と振動伝達部材8の処置部17との間に、生体組織等の処置対象を配置する。この状態で、可動ハンドル13を固定ハンドル12に対して閉動作させ、ジョー7を処置部17に対して閉じることにより、ジョー7と処置部17との間で処置対象を把持する。処置対象が把持された状態で、エネルギー操作ボタン16でエネルギー操作が入力されることにより、エネルギー源ユニット10から電力が出力され、出力された電力が振動発生ユニット22の圧電素子31A〜31Dに供給される。これにより、圧電素子31A〜31D(素子ユニット26)で、超音波振動が発生する。そして、発生した超音波振動が、フロントマス23を通して振動伝達部材8に伝達され、振動伝達部材8において処置部17に向かって超音波振動が伝達される。これにより、振動発生ユニット22及び振動伝達部材8から形成される振動体ユニット20が、振動方向が長手軸Cに対して平行な縦振動を行う。ジョー7と処置部17との間で処置対象が把持された状態で処置部17が縦振動することにより、処置部17と処置対象との間で摩擦熱が発生する。摩擦熱によって、処置対象が凝固されると同時に切開される。
処置においては、エネルギー源ユニット10の制御部によって、圧電素子31〜31Dに供給される電力の電流の周波数、電流値、電圧値等が調整される。また、振動体ユニット20は、圧電素子31A〜31Dで発生する超音波振動をフロントマス23及び振動伝達部材8を通して処置部17に伝達することによって基準共振周波数Frref(例えば47kHz)で振動する状態に、設計されている。振動体ユニット20では、高価な圧電素子31A〜31Dを備える振動発生ユニット22は、使用後に熱滅菌処理等が行われ再利用される。一方、振動伝達部材8は、使用後に廃棄される。
ここで、チタンから形成される振動伝達部材8及びフロントマス23は、製造する過程において、部品ごとに材料の物性(特にヤング率E)にばらつきが生じてしまう。例えば、振動伝達部材8ごとに材料の物性にばらつきが生じることにより、振動体ユニット20では、振動発生ユニット22に接続される振動伝達部材8の材料の物性に対応して、振動する状態での共振周波数Frが変化する。また、用いられるフロントマス23の材料の物性に対応して、振動する状態での共振周波数Frが変化する。すなわち、振動体ユニット20は、振動伝達部材8及びフロントマス23の物性に対応して振動の共振周波数Frにばらつきが生じ、必ずしも基準共振周波数Frrefで振動するわけではない。したがって、圧電素子31A〜31Dで発生する超音波振動によって、振動体ユニット20は、最小共振周波数Frmin(例えば46kHz)以上で最大共振周波数Frmax(例えば48kHz)以下の所定の周波数領域Δfで、振動する(縦振動する)。なお、基準共振周波数Frrefは、所定の周波数領域Δfに含まれる。前述のように、振動発生ユニット22及び振動伝達部材8から形成される振動体ユニット20は、基準共振周波数Frrefを含む所定の周波数範囲Δfで振動するように、寸法等が決定されるとともに、振動体ユニット20が基準共振周波数Frrefを含む所定の周波数範囲Δfで振動するように、圧電素子31A〜31Dに供給される電流の周波数等も調整される。
図3は、振動体ユニット20が所定の周波数範囲Δfで縦振動している状態での、振動発生ユニット22での縦振動(振動)を説明する図である。図3では、基準共振周波数Frrefで縦振動する状態、最小共振周波数Frminで縦振動する状態、及び、最大共振周波数Frmaxで縦振動する状態のグラフを示している。これらのグラフでは、横軸に長手軸方向についての位置(X)、縦軸に縦振動の振幅(V)を示している。振動体ユニット20が縦振動している状態では、振動体ユニット20の先端及び基端は、自由端となる。このため、超音波振動(縦振動)の振動腹の1つは振動体ユニット20の基端(振動発生ユニット22の基端)に位置し、超音波振動の振動腹の1つは振動体ユニット20の先端(振動伝達部材8の先端)に位置する。図3に示すように、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が縦振動する状態では、縦振動の振動腹の1つである振動腹A1(図3では、A1ref、A1a、A1bで示す)が、振動発生ユニット22の基端(ボルト部25の基端)に位置している。本実施形態では、振動腹A1が、超音波振動の振動腹の中で最も基端側に位置する最基端振動腹となる。
ここで、振動腹A1に対して超音波振動(縦振動)の半波長(λ/2)だけ先端側に位置する振動腹を振動腹A2(図3では、A2ref、A2a、A2bで示す)とし、振動腹A1に対して超音波振動の1波長(λ)だけ先端側に位置する振動腹を振動腹A3(図3では、A3ref、A3a、A3bで示す)とする。振動腹A2は、超音波振動(縦振動)の振動腹の中で二番目に基端側に位置し、振動腹A3は、超音波振動の振動腹の中で三番目に基端側に位置している。また、振動腹A1に対して超音波振動の4分の1波長(λ/4)だけ先端側に位置する振動節を振動節N1(図3では、N1ref、N1a、N1bで示す)とし、振動腹A2に対して超音波振動の4分の1波長(λ/4)だけ先端側に位置する振動節を振動節N2(図3では、N2ref、N2a、N2bで示す)とする。振動節N1は、超音波振動の振動節の中で最も基端側に位置し、振動節N2は、超音波振動の振動節の中で二番目に基端側に位置している。
また、振動体ユニット20が基準周波数Frrefで振動する状態での超音波振動(縦振動)の波長λを基準波長λrefとする。基準共振周波数Frrefから共振周波数Frが減少すると、超音波振動(縦振動)の波長λは基準波長λrefから増加する。したがって、所定の周波数範囲Δfでの振動においては、振動体ユニット20が最小共振周波数Frminで振動する際に、波長λが最大波長λmaxとなる。一方、基準共振周波数Frrefから共振周波数Frが増加すると、超音波振動(縦振動)の波長λは基準波長λrefから減少する。したがって、所定の周波数範囲Δfでの振動においては、振動体ユニット20が最大共振周波数Frmaxで振動する際に、波長λが最小波長λminとなる。
基準共振周波数Frrefで振動体ユニット20が振動する状態では、長手軸方向についてフロントマス23のフランジ部36に、振動節N2ref(N2)が位置している。また、最小共振周波数Frminで振動体ユニット20が振動する状態では、振動節N2aはフランジ部36から僅かに先端側にずれ、最大共振周波数Frmaxで振動体ユニット20が振動する状態では、振動節N2bはフランジ部36から僅かに基端側にずれる。ただし、最小共振周波数Frminで振動体ユニット20が振動する状態及び最大共振周波数Frmaxで振動体ユニット20が振動する状態のいずれにおいても、振動節N2(N2a、N2b)のフランジ部36からのずれは、微小である。したがって、最小共振周波数Frmin以上で最大共振周波数Frmax以下の所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振幅がゼロになる振動節N2が、フランジ部36又はフランジ部36の近傍に位置する。このため、基準共振周波数Frrefを含む所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フランジ部36での超音波振動の振幅がゼロになる、又は、フランジ部36がほとんど振動しない。したがって、振動発生ユニット22がフランジ部36で振動子ケース21に強固に取付けられるとともに、振動発生ユニット22からフランジ部36を通しての振動子ケース21への超音波振動の伝達が有効に防止される。
基準共振周波数Frrefで振動体ユニット20が振動する状態では、長手軸方向について素子ユニット26とフロントマス23(ブロック部37)との間の境界位置B0に、基準振動腹である振動腹A2ref(A2)が位置している。また、最小共振周波数Frminで振動体ユニット20が振動する状態では、波長λが最大波長λmaxになるため、振動腹A2aは境界位置B0から僅かに先端側にずれ、最大共振周波数Frmaxで振動体ユニット20が振動する状態では、波長λが最小波長λminになるため、振動腹A2bはフランジ部36から僅かに基端側にずれる。ただし、最小共振周波数Frminで振動体ユニット20が振動する状態及び最大共振周波数Frmaxで振動体ユニット20が振動する状態のいずれにおいても、振動腹A2(A2a、A2b)の境界位置B0からのずれは、微小である。したがって、最小共振周波数Frmin以上で最大共振周波数Frmax以下の所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、超音波振動による応力がゼロになる振動腹A2が、境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する。
実際に、最小共振周波数Frminで振動体ユニット20が振動する状態では、素子ユニット26とフロントマス23(ブロック部37)との間の境界位置B0から振動腹(基準振動腹)A2aまでの先端側への距離L1aは、所定の周波数範囲Δfでの超音波振動の20分の1波長(λ/20)以下となる。また、最大共振周波数Frmaxで振動体ユニット20が振動する状態では、素子ユニット26とフロントマス23との間の境界位置B0から振動腹(基準振動腹)A2bまでの基端側への距離L1bは、所定の周波数
範囲Δfでの超音波振動の20分の1波長(λ/20)以下となる。したがって、フロントマス23及び素子ユニット26を含む振動体ユニット20が所定の周波数範囲Δfで振動する状態では、境界位置B0から振動腹A2までの長手軸方向についての距離(L1)がゼロ又は超音波振動の20分の1波長(λ/20)以下になる。
所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フロントマス23と素子ユニット26との境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する振動腹(基準振動腹)A2は、フランジ部36より基端側に位置する振動腹(A1,A2)の1つであり、フランジ部36より基端側に位置する振動腹(A1,A2)の中で最もフランジ部36に近い。また、所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、前述のように、振動腹A2に対して超音波振動の4分の1波長(λ/4)だけ先端側に位置する振動節N2が、フランジ部36又はフランジ部36の近傍に位置する。したがって、所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、長手軸方向についてフランジ部36と境界位置B0との間の距離L2は、超音波振動の4分の1波長と同一又は略同一となる。また、所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、長手軸方向について振動発生ユニット22の基端と境界位置B0との間の距離L3は、超音波振動の半波長と同一又は略同一となる。したがって、所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、長手軸方向について振動発生ユニット22の基端とフランジ部36との間の距離L4は、超音波振動の4分の3波長(3λ/4)と同一又は略同一となる。
また、本実施形態では、基準周波数Frrefで振動体ユニット20が振動する状態では、振動発生ユニット22の先端に、振動腹A3ref(A3)が位置する。また、最小共振周波数Frminで振動体ユニット20が振動する状態では、振動腹A3aは振動発生ユニット22の先端から僅かに先端側にずれ、最大共振周波数Frmaxで振動体ユニット20が振動する状態では、振動腹A3bは振動発生ユニット22の先端から僅かに基端側にずれる。ただし、最小共振周波数Frminで振動体ユニット20が振動する状態及び最小共振周波数Frmaxで振動体ユニット20が振動する状態のいずれにおいても、振動腹A3(A3a、A3b)の振動発生ユニット22の先端からのずれは、微小である。したがって、最小共振周波数Frmin以上で最大共振周波数Frmax以下の所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振動腹A3が、振動発生ユニット22の先端又は振動発生ユニット22の先端の近傍に位置する。
振動腹A3は、振動発生ユニット22の基端に位置する振動腹A1に対して超音波振動の1波長(λ)だけ先端側に位置する。このため、所定の周波数領域Δfでフロントマス23及び素子ユニット26を含む振動体ユニット20が振動する状態では、振動発生ユニット22の長手軸方向についての全長(先端と基端との間の距離)L5は、超音波振動の1波長と同一又は略同一となり、超音波振動の4分の3波長より大きくなる。また、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フロントマス23と素子ユニット26の境界位置B0から振動発生ユニット22の先端(フロントマス23の先端)までの長手軸方向についての距離L6が、超音波振動の半波長と同一又は略同一となる。したがって、振動体ユニット20が所定の周波数領域Δfで振動する状態では、境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する振動腹(基準振動腹)A2からフロントマス23の先端までの長手軸方向についての距離は、超音波振動の半波長と同一又は略同一となり、超音波振動の4分の1波長より大きくなる。
また、フロントマス23のホーン38は、長手軸方向について振動発生ユニット22の先端と境界位置B0との間に位置するため、振動体ユニット20が所定の周波数領域Δfで振動する状態では、ホーン38は、振動腹A2と振動腹A3との間に位置する。したがって、振動体ユニット20が所定の周波数領域Δfで振動する状態では、超音波振動による応力がゼロになる振動腹(A1〜A3)はホーン38に位置せず、ホーン38では超音波振動による応力が作用する。このため、先端側(超音波振動の伝達方向)へ向かって長手軸Cに垂直な断面積が減少するホーン38では、超音波振動の振幅が拡大される。ホーン38の基端(振動入力端)での振幅に対するホーン38の先端(振動出力端)での振幅を示す拡大率(変成比)ε1は、ホーン38が設けられる位置での超音波振動の応力が大きくなるほど、大きくなる。本実施形態では、超音波振動による応力が極大になる振動節N2がホーン38の基端(フランジ部36)の近傍に位置するため、ホーン38での拡大率ε1は、大きくなる。なお、所定の周波数領域Δfに含まれないある共振周波数Frで振動体ユニット20を振動さることにより、応力がゼロになる振動腹の1つをホーン38に位置させることは可能である。ただし、この場合、ホーン38での断面積の変化率(減少率)に関係なく、ホーン38で超音波振動の振幅は拡大されず、拡大率ε1は最小値である1になる。
また、圧電素子31A〜31D(素子ユニット26)は、フロントマス23(ブロック部37)に比べて特性インピーダンスζが高い材料から形成され、フロントマス23に比べて音響インピーダンスZが高くなる。このため、素子ユニット26とブロック部37との間の境界位置B0では、先端側へ向かって伝達される超音波振動に対する音響インピーダンスZが変化する。境界位置B0のように音響インピーダンスZが変化する位置において超音波振動による応力が作用する場合、音響インピーダンスZが変化する位置(物性及び断面積Sの少なくとも一方が変化する位置)で超音波振動の振幅が変化する。本実施形態では、境界位置B0より先端側(超音波振動の伝達方向側)のフロントマス23で境界位置B0より基端側の素子ユニット26に比べて、音響インピーダンスZが低くなる。このため、境界位置B0で超音波振動による応力が作用する場合は、境界位置B0において超音波振動の振幅が拡大され、ブロック部37での振幅が素子ユニット26での振幅に比べて大きくなる。また、境界位置B0での超音波振動の振幅の拡大率(変成比)ε2(すなわち、素子ユニット26での超音波振動の振幅に対するブロック部37での超音波振動の振幅の比率)は、境界位置B0で作用する超音波振動による応力が大きくなるほど、大きくなる。
本実施形態では、振動体ユニット20が所定の周波数領域Δfで振動する状態において、超音波振動による応力がゼロとなる振動腹(基準振動腹)A2が、境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する。このため、素子ユニット26とブロック部37との間の境界位置B0では、超音波振動による応力がゼロになる、又は、応力がほとんど作用しない。境界位置B0において超音波振動による応力がゼロになる、又は、応力がほとんど作用しない場合、境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率に関係なく、境界位置B0での振幅の拡大率ε2は、小さくなり、最小値である1又は1に近い値となる。したがって、振動体ユニット20が所定の周波数領域Δfで振動する状態では、境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率に関係なく、境界位置B0において超音波振動の振幅がほとんど変化しない(ほとんど拡大されない)。
素子ユニット26の圧電素子31A〜31Dは、経時的に劣化するとともに、処置での使用後にはオートクレーブ滅菌等の熱滅菌処理が行われる。このため、圧電素子31A〜31Dは、経時劣化、熱滅菌処理等によって特性が変化する。圧電素子31A〜31Dの特性が変化することにより、素子ユニット26において音響インピーダンスZ(音響特性インピーダンスζ)も製造時から変化し、素子ユニット26とブロック部37(フロントマス23)との間(すなわち、境界位置B0)での音響インピーダンスZの変化率も変化する。ただし、本実施形態では前述のように、境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率に関係なく、境界位置B0での振幅の拡大率ε2は、小さくなり、最小値である1又は1に近い値となる。このため、圧電素子31A〜31Dの特性が製造時から変化した場合でも、振動体ユニット20が所定の周波数領域Δfで振動する状態において、境界位置B0での振幅の拡大率ε2は、製造時からほとんど変化しない。境界位置B0での振幅の拡大率ε2が製造時から変化しないことにより、振動体ユニット20が所定の周波数領域Δfで振動する状態では、フロントマス23(ブロック部37)での超音波振動の振幅も製造時からほとんど変化せず、振動伝達部材8の処置部17においての振動速度(振幅)も製造時からほとんど変化しない。したがって、本実施形態では、振動伝達部材8(処置部17)での振動速度への圧電素子31A〜31Dの特性変化の影響が低減される。このため、経時劣化、熱処理等によって圧電素子31A〜31Dの特性が変化した場合でも、処置部17での振動速度を製造時から変化させることなく、安定した処置性能で処置を行うことができる。
また、前述のように、フロントマス23は、製造する過程において、部品ごとに材料の物性(特にヤング率E)にばらつきが生じてしまう。このため、振動発生ユニット22に用いられるフロントマス23は、部品ごとに音響インピーダンスZ(音響特性インピーダンスζ)が変化する。したがって、振動発生ユニット22に用いられるフロントマス23に対応して、フロントマス23と素子ユニット26との境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率が変化する。すなわち、フロントマス23の物性に対応し、振動発生ユニット22ごとに、境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率がばらつく。ただし、本実施形態では前述のように、境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率に関係なく、境界位置B0での振幅の拡大率ε2は、小さくなり、最小値である1又は1に近い値となる。このため、製品ごとに境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率がばらつく場合でも、製品ごとの境界位置B0での拡大率ε2のばらつきは小さくなり、製品ごとの処置部17での振動速度のばらつきも小さくなる。すなわち、本実施形態では、処置部17の振動速度へのフロントマス23の物性の影響が小さくなる。これにより、フロントマス23の物性(ヤング率E等)に関係なく、いずれの振動発生ユニット22を用いた超音波処置具2においても、安定した処置性能を確保することができる。
(変形例)
なお、第1の実施形態ではホーン38の基端(振動入力端)にフランジ部36が設けられているが、これに限るものではない。例えば、第1の変形例として図4に示すように、ホーン38の先端(振動出力端)に振動子ケース21に支持されるフランジ部36が設けられてもよい。図4では、振動発生ユニット22の構成に加えて、振動体ユニット20が所定の周波数範囲Δf内の基準共振周波数Frrefで縦振動する状態のグラフを示している。このグラフでは、横軸に長手軸方向についての位置(X)、縦軸に縦振動の振幅(V)を示している。
図4に示すように、本変形例でも、振動体ユニット20が基準周波数Frrefで振動する状態において、フランジ部36に超音波振動の振動節N2が位置する。そして、最小共振周波数Frmin以上で最大共振周波数Frmax以下の所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振動節N2はフランジ部36又はフランジ部36の近傍に位置する。また、本変形例でも、振動体ユニット20が基準周波数Frrefで振動する状態において、フロントマス23(ブロック部37)と素子ユニット26との間の境界位置B0に超音波振動の振動腹A2が位置する。そして、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振動腹A2は境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する。すなわち、振動体ユニット20が所定の周波数範囲Δfで振動する状態では、振動腹A2が境界位置B0に位置する、又は、境界位置B0から振動腹A2までの長手軸方向についての距離が超音波振動の20分の1波長(λ/20)以下になる。したがって、本変形例でも、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、境界位置B0からフランジ部36までの長手軸方向についての距離L2は、超音波振動の4分の1波長と同一又は略同一となる。
また、本変形例でも、振動発生ユニット22の先端は、フランジ部36より先端側に位置している。このため、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振動発生ユニット22の長手軸方向についての全長(先端と基端との間の距離)L5は、超音波振動の4分の3波長より大きくなる。また、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フロントマス23と素子ユニット26の境界位置B0から振動発生ユニット22の先端(フロントマス23の先端)までの長手軸方向についての距離L6は、超音波振動の4分の1波長より大きくなる。
本変形例では、長手軸方向についてフランジ部36と境界位置B0との間において、フランジ部36の基端側にホーン38が連続し、ホーン38の基端側にブロック部37が連続している。すなわち、境界位置B0とフランジ部36との間の距離L2の範囲に、ホーン38及びブロック部37が配置されている。本変形例でも、振動体ユニット20が所定の周波数領域Δfで振動する状態では、超音波振動による応力がゼロになる振動腹(A1〜A3)はホーン38に位置せず、ホーン38では超音波振動による応力が作用する。このため、ホーン38では、超音波振動の振幅が拡大される。
前述のような構成にすることにより、本変形例でも、境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率に関係なく、境界位置B0での振幅の拡大率ε2は、小さくなり、最小値である1又は1に近い値となる。このため、第1の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
また、第2の変形例として図5に示すように、ホーン38の先端(振動出力端)と基端(振動入力端)との間の中間位置に振動子ケース21に支持されるフランジ部36が設けられてもよい。図5では、振動発生ユニット22の構成に加えて、振動体ユニット20が所定の周波数範囲Δf内の基準共振周波数Frrefで縦振動する状態のグラフを示している。このグラフでは、横軸に長手軸方向についての位置(X)、縦軸に縦振動の振幅(V)を示している。
図5に示すように、本変形例でも、振動体ユニット20が基準周波数Frrefで振動する状態において、フランジ部36に超音波振動の振動節N2が位置する。そして、最小共振周波数Frmin以上で最大共振周波数Frmax以下の所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振動節N2はフランジ部36又はフランジ部36の近傍に位置する。また、本変形例でも、振動体ユニット20が基準周波数Frrefで振動する状態において、フロントマス23(ブロック部37)と素子ユニット26との間の境界位置Bに超音波振動の振動腹A2が位置する。そして、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振動腹A2は境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する。すなわち、振動体ユニット20が所定の周波数範囲Δfで振動する状態では、振動腹A2が境界位置B0に位置する、又は、境界位置B0から振動腹A2までの長手軸方向についての距離が超音波振動の20分の1波長(λ/20)以下になる。したがって、本変形例でも、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、境界位置B0からフランジ部36までの長手軸方向についての距離L2は、超音波振動の4分の1波長と同一又は略同一となる。
また、本変形例でも、振動発生ユニット22の先端は、フランジ部36(ホーン38)より先端側に位置している。このため、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20
が振動する状態では、振動発生ユニット22の長手軸方向についての全長(先端と基端との間の距離)L5は、超音波振動の4分の3波長より大きくなる。また、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フロントマス23と素子ユニット26の境界位置B0から振動発生ユニット22の先端(フロントマス23の先端)までの長手軸方向についての距離L6は、超音波振動の4分の1波長より大きくなる。
本変形例では、長手軸方向についてフランジ部36と境界位置B0との間において、フランジ部36の基端側にホーン38の一部が連続し、ホーン38の基端側にブロック部37が連続している。また、本変形例でも、振動体ユニット20が所定の周波数領域Δfで振動する状態では、超音波振動による応力がゼロになる振動腹(A1〜A3)はホーン38に位置せず、ホーン38では超音波振動による応力が作用する。このため、ホーン38では、超音波振動の振幅が拡大される。
前述のような構成にすることにより、本変形例でも、境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率に関係なく、境界位置B0での振幅の拡大率ε2は、小さくなり、最小値である1又は1に近い値となる。このため、第1の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
また、前述の実施形態等では基準周波数Frrefで振動体ユニット20が振動する状態において超音波振動の振動腹の1つである振動腹A3が振動発生ユニット22の先端に位置するが、これに限るものではない。例えば第3の変形例として図6に示すように、基準周波数Frrefで振動体ユニット20が振動する状態において、超音波振動の振動腹A3が振動発生ユニット22の先端より先端側に位置してもよい。図6では、振動発生ユニット22の構成に加えて、振動体ユニット20が所定の周波数範囲Δf内の基準共振周波数Frrefで縦振動する状態のグラフを示している。このグラフでは、横軸に長手軸方向についての位置(X)、縦軸に縦振動の振幅(V)を示している。
図6に示すように、本変形例でも、振動体ユニット20が基準周波数Frrefで振動する状態において、フランジ部36に超音波振動の振動節N2が位置する。そして、最小共振周波数Frmin以上で最大共振周波数Frmax以下の所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振動節N2はフランジ部36又はフランジ部36の近傍に位置する。また、本変形例でも、振動体ユニット20が基準周波数Frrefで振動する状態において、フロントマス23(ブロック部37)と素子ユニット26との間の境界位置B0に超音波振動の振動腹A2が位置する。そして、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振動腹A2は境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する。すなわち、振動体ユニット20が所定の周波数範囲Δfで振動する状態では、振動腹A2が境界位置B0に位置する、又は、境界位置B0から振動腹A2までの長手軸方向についての距離が超音波振動の20分の1波長(λ/20)以下になる。したがって、本変形例でも、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、境界位置B0からフランジ部36までの長手軸方向についての距離L2は、超音波振動の4分の1波長と同一又は略同一となる。
本変形例では、前述の実施形態等とは異なり、所定の周波数領域Δfのいずれの共振周波数Frで振動体ユニット20が振動する状態においても、振動腹A3は、振動発生ユニット22の先端より先端側に位置している。したがって、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フロントマス23と素子ユニット26の境界位置B0から振動発生ユニット22の先端(フロントマス23の先端)までの長手軸方向についての距離L6は、超音波振動の半波長より小さくなる。ただし、本変形例でも、振動発生ユニット22の先端は、フランジ部36(ホーン38)より先端側に位置している。このため、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振動発生ユニット22の長手軸方向についての全長(先端と基端との間の距離)L5は、超音波振動の4分の3波長より大きくなる。また、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フロントマス23と素子ユニット26の境界位置B0から振動発生ユニット22の先端(フロントマス23の先端)までの長手軸方向についての距離L6は、超音波振動の4分の1波長より大きくなる。
本変形例でも、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態においてフロントマス23と素子ユニット26との間の境界位置B0又は境界位置B0の近傍に超音波振動の振動腹A2が位置する。このため、本変形例でも、境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率に関係なく、境界位置B0での振幅の拡大率ε2は、小さくなり、最小値である1又は1に近い値となる。したがって、第1の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
また、本変形例では、所定の周波数領域Δfのいずれの共振周波数Frで振動体ユニット20が振動する状態においても、振動腹A3を含む超音波振動の振動腹は、振動発生ユニット22の先端に位置しない。このため、振動発生ユニット22に振動伝達部材8が接続されていない状態(すなわち、振動発生ユニット22単体では)、振動発生ユニット22は所定の周波数領域Δfで振動しない。これにより、振動伝達部材8が接続されていない状態で振動発生ユニット22が振動する誤作動が、有効に防止される。
また、第4の変形例として図7に示すように、基準周波数Frrefで振動体ユニット20が振動する状態において、超音波振動の振動腹A3が振動発生ユニット22の先端より基端側に位置してもよい。図7では、振動発生ユニット22の構成に加えて、振動体ユニット20が所定の周波数範囲Δf内の基準共振周波数Frrefで縦振動する状態のグラフを示している。このグラフでは、横軸に長手軸方向についての位置(X)、縦軸に縦振動の振幅(V)を示している。
本変形例では、所定の周波数領域Δfのいずれの共振周波数Frで振動体ユニット20が振動する状態においても、振動腹A3は、振動発生ユニット22の先端より基端側に位置している。したがって、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フロントマス23と素子ユニット26の境界位置B0から振動発生ユニット22の先端(フロントマス23の先端)までの長手軸方向についての距離L6は、超音波振動の半波長より大きくなる。本変形例でも、振動発生ユニット22の先端は、フランジ部36(ホーン38)より先端側に位置している。このため、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、振動発生ユニット22の長手軸方向についての全長(先端と基端との間の距離)L5は、超音波振動の4分の3波長より大きくなる。また、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フロントマス23と素子ユニット26の境界位置B0から振動発生ユニット22の先端(フロントマス23の先端)までの長手軸方向についての距離L6は、前述のように超音波振動の半波長より大きく、超音波振動の4分の1波長より大きくなる。
本変形例でも、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態においてフロントマス23と素子ユニット26との間の境界位置B0又は境界位置B0の近傍に超音波振動の振動腹A2が位置する。このため、本変形例でも、境界位置B0での音響インピーダンスZの変化率に関係なく、境界位置B0での振幅の拡大率ε2は、小さくなり、最小値である1又は1に近い値となる。したがって、第1の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
また、本変形例でも第3の変形例と同様に、所定の周波数領域Δfのいずれの共振周波数Frで振動体ユニット20が振動する状態においても、振動腹A3を含む超音波振動の振動腹は、振動発生ユニット22の先端に位置しない。このため、振動発生ユニット22に振動伝達部材8が接続されていない状態(すなわち、振動発生ユニット22単体では)、振動発生ユニット22は所定の周波数領域Δfで振動しない。これにより、振動伝達部材8が接続されていない状態で振動発生ユニット22が振動する誤作動が、有効に防止される。
また、圧電素子(31A〜31D)の数は、前述の実施形態等に限るものではない。すなわち、素子ユニット26には、少なくとも1つの圧電素子(31A〜31D)が設けられていればよい。
また、前述の実施形態等では、振動発生ユニット22の基端から境界位置B0までの距離L3は、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態での超音波振動の半波長と同一又は略同一であるが、これに限るものではない。例えば、ある変形例では、振動発生ユニット22の基端から境界位置B0までの距離L3は、所定の周波数領域Δfで振動体ユニット20が振動する状態での超音波振動の一波長と同一又は略同一であってもよい。この場合、超音波振動の振動腹の中で基端側から3番目の振動腹A3が、境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する。そして、超音波振動の振動節の中で基端側から3番目の振動節(N3)が、フランジ部36又はフランジ部36の近傍に位置する。したがって、本変形例でも、前述の実施形態等と同様に、ブロック部37と素子ユニット26との間の境界位置B0からフランジ部36までの長手軸方向についての距離L3は、振動体ユニット20が所定の周波数領域Δfで振動する状態での4分の1波長と同一又は略同一となる。そして、所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フロントマス23と素子ユニット26との境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する振動腹(基準振動腹)A3は、フランジ部36より基端側に位置する振動腹(A1〜A3)の中で最もフランジ部36に近い。
また、前述の実施形態等では、所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態では、フランジ部36より基端側に位置する振動腹(A1,A2;A1〜A3)の中で最もフランジ部36に近い振動腹(A2;A3)が、フロントマス23と素子ユニット26との境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置するが、これに限るものではない。例えば、ある変形例では、所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態において、超音波振動の振動節の中で基端側から3番目の振動節(N3)が、フランジ部36又はフランジ部36の近傍に位置し、フランジ部36より基端側に3つの振動腹(A1〜A3)が位置する。そして、本変形例では、所定の周波数範囲Δfで振動体ユニット20が振動する状態において、フランジ部36より基端側に位置する振動腹(A1〜A3)の中で2番目にフランジ部36に近い振動腹(A2)である基準振動腹が、フロントマス23と素子ユニット26との境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する。したがって、フランジ部36より基端側に位置する振動腹(A1〜A3)の中で最もフランジ部36に近い振動腹(A3)は、フロントマス23と素子ユニット26との境界位置B0から離間して位置している。本変形例でも、フロントマス23と素子ユニット26との境界位置B0又は境界位置B0の近傍に位置する振動腹(基準振動腹)A2は、フランジ部36より基端側に位置する振動腹(A1〜A3)の1つである。
また、ある変形例では、フロントマス23にフランジ部36及びブロック部37のみが設けられ、ホーン38が設けられていない。この場合、フロントマス23において、超音波振動の振幅は拡大されない。
また、超音波処置具2では、振動伝達部材8の処置部17に超音波振動が伝達されるとともに、処置部17及びジョー7に高周波電力がエネルギー源ユニット10から供給され、処置部17及びジョー7を高周波電力の電極として機能させてもよい。処置部17及びジョー7が電極として機能することにより、ジョー7と処置部17との間で把持された処置対象に高周波電流が流れ、処置対象が変性され、凝固が促進される。この場合、ボルト部25、フロントマス23及び振動伝達部材8を通して、処置部17に高周波電力が供給されるが、フロントマス23及びボルト部25は圧電素子(31A〜31D)から電気的に絶縁され、処置部17に供給される高周波電力は、圧電素子(31A〜31D)に供給されない。ただし、この場合も、超音波振動を発生させる電流(交流電流)は、圧電素子(31A〜31D)に供給される。
また、超音波処置具2には、ジョー7が設けられなくてもよい。この場合、例えば、シース6の先端から突出する処置部17がフック状に形成される。フックに処置対象を引掛けた状態で、超音波振動によって処置部17を振動させることにより、処置対象が切除される。
前述の実施形態等では、振動発生ユニット(22)は、超音波振動を伝達可能なフロントマス(23)を備え、フロントマス(23)に、収容ケース(21)によって支持されるフランジ部(36)と、フランジ部(36)より基端側に設けられるブロック部(37)と、が設けられている。ブロック部(37)の基端には、素子ユニット(26)の先端が当接し、素子ユニット(36)は、電力が供給されることにより超音波振動を発生する圧電素子(31A〜31D)を備える。圧電素子(31A〜31D)で発生した超音波振動が基端側から先端側へフロントマス(23)を通して伝達されることにより、フランジ部(36)より基端側に位置する振動腹(A1,A2;A1〜A3)の1つである基準振動腹(A2;A3)がブロック部(37)と素子ユニット(26)との境界位置(B0)又は境界位置(B0)の近傍に位置する所定の周波数領域(Δf)でフロントマス(23)及び素子ユニット(26)を含む振動体ユニット(20)が振動する。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、本発明は前述の実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
前記目的を達成するために、本発明のある態様の振動発生ユニットは、収容ケースによって支持されるフランジ部と、前記フランジ部より基端側に設けられるブロック部と、を備え、超音波振動を伝達可能なフロントマスと、電力が供給されることにより前記超音波振動を発生する圧電素子を備え、先端が前記ブロック部の基端に当接するとともに、前記圧電素子で発生した前記超音波振動を前記基端側から先端側へ前記フロントマスを通して伝達することにより、振動節の1つが前記フランジ部又は前記フランジ部の近傍に位置し、かつ、前記フランジ部より前記基端側に位置する振動腹の1つである基準振動腹が前記ブロック部との境界位置又は前記境界位置の近傍に位置する所定の周波数領域で前記フロントマスを振動させる素子ユニットと、を備える。
前記目的を達成するために、本発明のある態様の振動発生ユニットは、収容ケースによって支持されるフランジ部と、前記フランジ部より基端側に設けられるブロック部と、を備え、超音波振動を伝達可能なフロントマスと、先端が前記ブロック部の基端に当接し、電力が供給されることにより前記超音波振動を発生する圧電素子と、を備え、前記圧電素子で発生した前記超音波振動が前記基端側から先端側へ前記フロントマスを通して伝達されることにより、振動節の1つが前記フランジ部又は前記フランジ部の近傍に位置し、かつ、前記フランジ部より前記基端側に位置する振動腹の1つである基準振動腹が前記ブロック部と前記圧電素子との当接位置又は前記当接位置の近傍に位置する所定の周波数領域で前記フロントマスが振動する

Claims (7)

  1. 収容ケースによって支持されるフランジ部と、前記フランジ部より基端側に設けられるブロック部と、を備え、超音波振動を伝達可能なフロントマスと、
    電力が供給されることにより前記超音波振動を発生する圧電素子を備え、先端が前記ブロック部の基端に当接するとともに、前記圧電素子で発生した前記超音波振動を前記基端側から先端側へ前記フロントマスを通して伝達することにより、前記フランジ部より前記基端側に位置する振動腹の1つである基準振動腹が前記ブロック部との境界位置又は前記境界位置の近傍に位置する所定の周波数領域で前記フロントマスを振動させる素子ユニットと、
    を具備する振動発生ユニット。
  2. 前記超音波振動によって前記所定の周波数領域で前記フロントマス及び前記素子ユニットが振動する状態では、前記境界位置から前記基準振動腹までの長手軸方向についての距離がゼロ又は前記超音波振動の20分の1波長以下になる、請求項1の振動発生ユニット。
  3. 前記フロントマスは、前記ブロック部と前記素子ユニットとの前記境界位置より前記先端側に設けられ、前記先端側へ向かって伝達される前記超音波振動の振幅を拡大するホーンを備える、請求項1の振動発生ユニット。
  4. 前記フロントマスの先端は、前記振動発生ユニットの先端を形成し、
    前記超音波振動によって前記所定の周波数領域で前記フロントマス及び前記素子ユニットが振動する状態では、前記基準振動腹から前記フロントマスの前記先端までの長手軸方向についての距離が前記超音波振動の4分の1波長より大きくなる、
    請求項1の振動発生ユニット。
  5. 前記超音波振動によって前記所定の周波数領域で前記フロントマス及び前記素子ユニットが振動する状態では、前記振動発生ユニットの長手軸方向についての全長は、前記超音波振動の4分の3波長より大きくなる、請求項1の振動発生ユニット。
  6. 請求項1の振動発生ユニットと、
    先端部に処置部を備え、前記フロントマスの先端に基端が接続されるとともに、前記素子ユニットで発生した前記超音波振動が前記フロントマスを通して伝達され、前記振動発生ユニットから伝達された前記超音波振動を前記処置部に向かって伝達する振動伝達部材と、
    を具備する振動体ユニット。
  7. 請求項6の振動体ユニットと、
    前記フランジ部を支持する状態で前記振動発生ユニットが取付けられる前記収容ケースと、
    内部から前記振動伝達部材が前記先端側に向かって延設され、保持可能な保持ユニットと、
    を具備する超音波処置具。
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