JPWO2016067848A1 - 袋及び袋製造方法、並びに供給装置 - Google Patents
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Abstract
Description
袋本体部と、
前記袋本体部から延び出る延出部と、が一体に形成されており、
前記袋本体部の前記延出部との連続部を除く縁部における前記2つのフィルム部どうしが、剥離不能又は一体に連なることで封止縁部が形成され、
前記袋本体部の前記封止縁部より内側部分及び前記延出部における前記2つのフィルム部どうしが、剥離可能に仮融着されていることを特徴とする。
この袋によれば、部品点数としては基本的にフィルム部だけでよい。また、フィルム部に注入孔を形成したり、注入孔にキャップを装着したりする必要はない。したがって、少ない部品点数及び少ない工数で簡易に製造できる。また、注入孔が無いために、引っ張り力等の外力を受けた際に、局所的な変形が生じるのを抑制でき、シワ等の外観不良部が出来るのを防止できる。さらに、袋本体部の封止縁部より内側部分及び延出部におけるフィルム部どうしを仮融着して密着させることによって、これらフィルム部どうしの間に空間が形成されるのを防止できる。したがって、袋の内部に空気が混入されるのを確実に防止することができる。この袋に内容物を入れる際は、前記延出部の2つのフィルム片を剥がし、これらフィルム片の裂け目に内容物の供給圧を印加することによって、袋本体の仮融着を解除しながら、袋本体部の内部に内容物を充填することができる。
前記2つのフィルム部を互いに対面させるとともに、袋本体部となる領域と、前記袋本体部から一体に延び出る延出部となる領域とを剥離可能に仮融着し、
次に、前記袋本体部となる領域の前記延出部との連続部を除く縁部における前記2つのフィルム部どうしを剥離不能に融着することで封止縁部を形成することを特徴とする。
前記2つのフィルム部の前記延出部を構成する一対のフィルム片どうしを剥離する剥離手段と、
前記内容物を吐出する吐出口を有し、前記吐出口が、前記展開された一対のフィルム片の内面どうし間に跨がるように配置されるノズルと、
前記ノズルとの間に前記フィルム片を挟み付ける受け部材と、
を備えたことを特徴とする。
前記2つのフィルム部の前記延出部を構成する一対のフィルム片どうしを剥離して展開し、
ノズルの吐出口が前記一対のフィルム片の内面どうし間に跨がるようにして、これら一対のフィルム片を前記ノズルと受け部材との間に挟み付けた状態で、
前記吐出口から前記内容物を吐出し、
その後、前記一対のフィルム片どうしを接合することを特徴とする。
<袋10>
図1(a)及び(b)は、第1実施形態の袋10を、内容物を充填する前の空の状態で示したものである。図1(c)に示すように、この袋10に内容物が収容されることで、内容物入り袋10Xが構成される。内容物は、例えば接着剤3である。接着剤3は流動性を有している。以下の説明では、特に断らない限り、袋10は、接着剤3の充填前(図1(a)及び(b))の空の状態であるものとする。
なお、図1(b)及び(c)において、フィルム部11の厚みは、幅及び長さに対して誇張されている。
図1(c)に示すように、内容物入り袋10Xにおいては、袋本体部13の内側部分13aのフィルム部11,11の上記仮融着が解除され、これらフィルム部11,11どうしの間に袋内室10aが形成されている。この袋内室10aに接着剤3が充填されている。また、延出部14におけるフィルム部11,11(フィルム片14a,14a)どうしは、剥離不能に融着(ヒートシール)されている。これによって、接着剤3(内容物)が密封されている。内容物入り袋10Xの、例えば先細部13eの先端部分を切断することによって、注出口が形成される。この注出口から接着剤3を注出させることができる。
図2は、袋10の製造装置20を示したものである。図2(a)に示すように、袋製造装置20は、一対の繰出ロール21,21と、仮融着処理部22と、封止処理部23と、切断処理部24とを備えている。各繰出ロール21には、長尺帯状の連続フィルム11Aが巻回されている。この連続フィルム11Aからフィルム部11が切り出されて、袋10が形成される。
袋10は、次のようにして製造される。
<繰り出し工程>
図2(a)に示すように、2つの連続フィルム11A,11Aがそれぞれの繰出ロール21から繰り出される。
各フィルム11Aには、弛まないように所要の張力が付与されている。各フィルム11Aには注入孔等の開口部又は穿孔部が無いから、張力を付与しても、フィルム11Aに局所的に大きな変形が生じることはない。
図2(b)に拡大して示すように、2つのフィルム11A,11Aは、漸次接近されて
、仮融着処理部22のロール22a,22bどうしの間に導入される。これによって、2つのフィルム11A,11Aが、互いに対面されるとともに、重ね合わされ、さらには互いに圧し当てられる。
さらに、フィルム11A,11Aが、ジャケットロール22aによって所望の仮融着温度まで加熱される。これによって、フィルム11A,11Aどうしが、互いに剥離可能に仮融着(疑似シール)される。この仮融着工程における仮融着領域は、フィルム11Aの全域である。つまり、袋本体部13となる領域と、延出部14となる領域との全体が仮融着される。言い換えると、疑似シール部17となる領域だけでなく、封止縁部16となる領域も仮融着される。これによって、仮融着する部分としない部分とを区別する必要が無く、仮融着工程を簡易化できる。加えて、2つのフィルム11A,11Aどうしの間に空気がまったく又は殆ど入り込まないようにすることができる。受けロール22bの外周部をシリコンゴム製とすることによって、微小な変位や凹凸を吸収したり、仮融着後のフィルム11A,11Aがロール22a,22bから離れ易くしたりすることができる。
仮融着されたフィルム11A,11Aは、封止処理部23へ導入される。そして、加熱封止部23aによって、フィルム11A,11Aにおける袋本体部13となる領域の三方の縁部が、剥離不能に融着(ヒートシール)される。これによって、封止縁部16が形成される。さらに、封止冷却部23bによって、封止縁部16が冷却されることで、封止縁部16の封止性を高めることができる。
続いて、切断処理部24によって袋10を切り出す。
なお、カット工程後に融着工程を行ってもよい。融着工程とカット工程とを同時併行して行なってもよい。
このようにして作製された袋10によれば、袋内側部分13a及び延出部14におけるフィルム部11,11どうしが疑似シールされて密着されている。したがって、袋10の内部に空気がまったく又は殆ど入り込まないようにすることができる。
袋10は、キャップが無く、全体が薄い扁平なシート状であるため、複数の袋10,10…を重ねて保管する場合に嵩張ることがない。したがって、保管に必要なスペースを小さくできる。搬送する際は、一度に多数の袋10,10…を搬送することができる。
図3は、袋10に接着剤3を供給する供給装置30を示したものである。
供給装置30は、袋支持部31と、注入部32と、封止部33とを備えている。袋支持部31は、二点鎖線にて簡易的に示すフレーム31fと、一対のホルダ34,34を有している。一対のホルダ34,34は、互いに対向するように向けられて、フレーム31fに組み込まれている。各ホルダ34の対向面には、凹部34aが形成されている。これらホルダ34,34が、矢印にて模式的に示すホルダ開閉機構34Dによって互いに接近離間される。詳細な図示は省略するが、ホルダ開閉機構34Dは、電動若しくは油圧シリンダモータ、その他のアクチュエータや、ホルダ34との接続機構等を含む。ホルダ34,34の間に袋10が挟持される。このとき、袋10の長手方向は鉛直に向けられ、かつ袋10の幅方向は、ホルダ34,34どうしの対向方向に対して直交する方向(図3において紙面と直交する方向)へ向けられる。
なお、ノズル35の外形状は、四角柱形状であるが、これに限られず、円柱形状又は楕円柱形状等であってもよい。
剥離手段36が、吸盤36aに代えて、又は吸盤36aに加えて、フィルム片14aの縁を摘まむツマミ部を備えていてもよい。
各受け部材37の中央部には、吸盤収容凹部37bが形成されている。
上記の供給装置30が次のように動作することで、袋10に接着剤3が供給され、ひいては内容物入り袋10Xが製造される。
<袋保持工程>
図6(a)に示すように、袋10を、一対のホルダ34,34どうしの間に配置するとともに、ホルダ34,34によって袋10の封止縁部16を挟み付けて保持する。また、受け部材37,37によって、袋本体部13と延出部14の境付近を挟み付けて保持する。延出部14は、受け部材37から上方へほぼ垂直に突出される。
次に、図6(a)に示すように、一対の吸盤36a,36aを前進させて、延出部14のフィルム片14a,14aにそれぞれ宛がう。そして、三方弁36bを吸引位置に切り替え、吸引ポンプ36cの吸引によって、吸盤36aをフィルム片14aに吸着させる。
続いて、図6(b)の二点鎖線にて示すように、吸盤36a,36aを互いに反対方向へ後退させる。これによって、フィルム片14a,14aどうしが剥離される。逆に言うと、フィルム片14a,14aは、吸盤36aの引き剥がし力によって剥がれる程度に仮融着(疑似シール)されている。各吸盤36aは、受け部材37へ向けて円弧状の軌跡に沿って下降され、受け部材37の吸盤収容凹部37bに収容される。これによって、図8(a)に示すように、各フィルム片14aが、ほぼ直角に折り曲げられて水平になり、受け部材37の上面に接する。2つのフィルム片14a,14aは、互いに反対側へ折り曲げられて、面一に展開される。これらフィルム片14a,14aの合せ目が、疑似シール部17の裂け目17cとなる。裂け目17cは、受け部材37,37どうしの対向方向と直交する方向(図6において紙面直交方向)へ直線状に延びている。
2つのフィルム片14a,14aどうしを吸盤36aで剥離後、吸盤36aとは別のロボットアームその他のマニピュレータ等の手段によって、フィルム片14a,14aを展開操作してもよい。
次に、図6(c)に示すように、ノズル35を下降させることによって、フィルム片14a,14aをノズル35と受け部材37との間に挟み付ける。フィルム片14a,14aの上面(内面)には、Oリング35bが強く押し当てられる。図4に示すように、吐出口35aは、裂け目17cを挟んで、フィルム片14a,14aの上面(内面)どうし間に跨がる。吐出口35aの長軸が、ちょうど裂け目17cに沿うように配置される。つまり、裂け目17cの中央部が、吐出口35aを縦断している。
この時点で、三方弁36を大気解放位置に切り替え、吸盤36aの吸着を解除してもよい。または、後述する吐出工程〜延出部解放工程において吸着解除してもよい。
次に、図7(a)に示すように、接着剤3を供給源3Aからノズル35へ導入し、吐出口35aから吐出させる。この接着剤3の吐出圧によって、裂け目17cの中央部(吐出口35aを縦断する部分)が下方へ進展し、袋10の上側部分に供給通路10dが出来る。供給通路10dは、導入穴37aの内周面形状に倣って楕円筒状になる(図8(a))。さらに、接着剤3は、この供給通路10dを経て、袋本体部13の疑似シール部17のフィルム部11,11どうしを漸次剥がしながら、これらフィルム部11,11どうしの間に入り込む。逆に言うと、疑似シール部17は、接着剤3の吐出圧によって引き剥がされる程度に仮融着(疑似シール)されている。接着剤3の注入に伴って、袋10が凹部34aに倣うように膨らむ。これによって、図7(b)に示すように、袋内室10aに接着剤3を充填することができ、内容物入り袋10Xを得ることができる。
次に、図7(c)及び図8(b)に示すように、ノズル35及び受け部材37を延出部14から離すことで、延出部14のフィルム片14a,14aを解放する。このとき、供給通路10dの上端部が開口され、そこから接着剤3が露出されるが、供給通路10dの開口面積は小さく、外気に触れる接着剤3は僅少である。
次に、図3に示すように、ホルダ34ひいては内容物入り袋10Xを封止部33へ移送する。
<フィルム片起立工程>
次に、一対のフィルム片14a,14aを起立処理部38によって起こす。
<封止工程>
続いて、融着処理部39によってフィルム片14a、14aどうしを融着(ヒートシール)して接合する。これによって、内容物入り袋10Xを封止できる。
フレーム31fに複数対のホルダ34,34を設けてもよく、注入部32における1つの袋10への注入工程と、封止部33における別の袋10Xの封止工程とを同時併行して行なうことにしてもよい。
図9に示すように、袋10の形状としては種々の態様を適用できる。図9(a)の袋10においては、袋本体部13の上端部の幅方向の両側に一対の肩部13g,13gが設けられている。封止縁部16が、これら肩部13g,13gにも及んでいる。すなわち、肩部13gにおけるフィルム部11,11どうしが剥離不能に融着されている。延出部14の幅寸法は、袋本体部13の幅寸法よりも小さい。この延出部14が、袋本体部13の幅方向の中央部に配置されるとともに、袋本体部13における一対の肩部13g,13gどうしの間の部分に連なっている。また、袋10の下端部は、直線状になっており、先細部13eが形成されていない。
<切り出し工程>
図10(a)に示すように、繰出ロール21の連続フィルム11Aをカットすることによって、袋10を展開した形状の袋展開フィルム11Yを切り出す。袋展開フィルム11Yは、2つのフィルム部11,11を含む。これらフィルム部11,11が、連続部11gにおいて一体に連なっている。ここでは、袋10の底部となるべき箇所が、連続部11gとなっている。
図10(b)に示すように、袋展開フィルム11Yを連続部11gにおいて二つ折りにする。これによって、2つのフィルム部11,11どうしを重ね合わせる、
次に、図11(a)及び(b)に示すように、仮融着処理部22のジャケットロール22a及び受けロール22bの間にフィルム11Y(11,11)を通す。これによって、フィルム部11,11どうしを仮融着(疑似シール)する。仮融着する領域は、好ましくはフィルム部11の全幅に及ぶようにする。
次に、図11(c)及び(d)に示すように、加熱封止部23aによって、フィルム部11,11の三方の縁を剥離不能に熱融着して、封止縁部16を形成する。
<封止冷却工程>
続いて、図11(e)及び(f)に示すように、封止冷却部23bによって、封止縁部16を冷却することよって、封止縁部16の一体化強度を高める。
例えば、内容物は、接着剤3に限られず、飲料、その他の液体であってもよく、粉体等の固形物であってもよい。
吐出口35a及び導入穴37aは、長円や長方形等の長形状に限られず、真円形や正方形等であってもよい。
内容物の充填後のフィルム片14a、14aどうしを接合する手段は、融着(ヒートシール)に限られず、接着剤による接着等であってもよい。
第2実施形態(図10〜図11)において、袋展開フィルム11Yの連続部11gが、袋10の左右何れかの側部となるべき箇所に設けられていてもよい。つまり、袋10を、いわゆる二方袋にしてもよい。連続部11g(封止縁部16の一部)については、必ずしも融着(ヒートシール)する必要はない。
10 袋
10X 内容物入り袋
11 フィルム部
13 袋本体部
13a 袋本体部の閉縁部より内側部分
14 延出部
14a フィルム片(延出部のフィルム部)
16 封止縁部
17 疑似シール部
30 供給装置
35 ノズル
35a 吐出口
36 剥離手段
37 受け部材
Claims (4)
- 2つのフィルム部を備え、これらフィルム部が互いに対面することによって、
袋本体部と、
前記袋本体部から延び出る延出部と、が一体に形成されており、
前記袋本体部の前記延出部との連続部を除く縁部における前記2つのフィルム部どうしが、剥離不能又は一体に連なることで封止縁部が形成され、
前記袋本体部の前記封止縁部より内側部分及び前記延出部における前記2つのフィルム部どうしが、剥離可能に仮融着されていることを特徴とする袋。 - 2つのフィルム部から袋を製造する方法であって、
前記2つのフィルム部を互いに対面させるとともに、袋本体部となる領域と、前記袋本体部から一体に延び出る延出部となる領域とを剥離可能に仮融着し、
次に、前記袋本体部となる領域の前記延出部との連続部を除く縁部における前記2つのフィルム部どうしを剥離不能に融着することで封止縁部を形成することを特徴とする袋の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の袋に内容物を供給する供給装置であって、
前記2つのフィルム部の前記延出部を構成する一対のフィルム片どうしを剥離する剥離手段と、
前記内容物を吐出する吐出口を有し、前記吐出口が、前記展開された一対のフィルム片の内面どうし間に跨がるように配置されるノズルと、
前記ノズルとの間に前記フィルム片を挟み付ける受け部材と、
を備えたことを特徴とする供給装置。 - 請求項1又は2に記載の袋に内容物を充填した内容物入り袋の製造方法であって、
前記2つのフィルム部の前記延出部を構成する一対のフィルム片どうしを剥離して展開し、
ノズルの吐出口が前記一対のフィルム片の内面どうし間に跨がるようにして、これら一対のフィルム片を前記ノズルと受け部材との間に挟み付けた状態で、
前記吐出口から前記内容物を吐出し、
その後、前記一対のフィルム片どうしを接合することを特徴とする内容物入り袋の製造方法。
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