JPWO2016060248A1 - 絞り缶用鋼板及びその製造方法 - Google Patents
絞り缶用鋼板及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2016060248A1 JPWO2016060248A1 JP2016507711A JP2016507711A JPWO2016060248A1 JP WO2016060248 A1 JPWO2016060248 A1 JP WO2016060248A1 JP 2016507711 A JP2016507711 A JP 2016507711A JP 2016507711 A JP2016507711 A JP 2016507711A JP WO2016060248 A1 JPWO2016060248 A1 JP WO2016060248A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- rolled steel
- cold
- less
- content
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/46—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for sheet metals
- C21D9/48—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for sheet metals deep-drawing sheets
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/60—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing lead, selenium, tellurium, or antimony, or more than 0.04% by weight of sulfur
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
Description
本願は、2014年10月17日に、日本に出願された特願2014−213239号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
(1)本発明の一態様にかかる絞り缶用の鋼板は、化学成分として、質量%で、C:0.150超〜0.260%、Sol.Al:0.005〜0.100%、B:0.0005〜0.02%、Si:0.50%以下、Mn:0.70%以下、P:0.070%以下、S:0.05%以下、N:0.0080%以下、Nb:0.003%以下、Ti:0.003%以下、を含有し、残部がFe及び不純物からなり、前記化学成分中のホウ素含有量と窒素含有量とが、質量%で、0.4≦B/N≦2.5を満足し、前記鋼板が、ミクロ組織として、平均粒径が2.7〜4.0μmであるフェライトと、粒状セメンタイトとを含み、前記鋼板の板厚が0.15〜0.50mmであり、前記鋼板を100℃で1時間の時効処理を実施した後に行う引張方向が圧延方向と平行となる引張試験から得られる降伏強度を単位MPaでYPとし、全伸びを単位%でELとし、降伏点伸びを単位%でYP−ELとし、及び降伏比を単位%でYRとしたとき、前記YPが360〜430MPaであり、前記ELが25〜32%であり、前記YP−ELが0%であり、前記YRが80〜87%である。
(2)上記(1)に記載の絞り缶用鋼板では、前記板厚が0.20超〜0.50mmのときの前記ELが27〜32%であってもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の絞り缶用鋼板では、前記鋼板の表面上に、Niめっき層、Ni拡散めっき層、Snめっき層、及びTFSめっき層のうちの少なくとも1つが配されてもよい。
(4)上記(1)または(2)に記載の絞り缶用鋼板の製造方法では、前記化学成分を有する鋳片を得る製鋼工程と、前記鋳片を、1000℃以上に加熱し、840〜950℃で仕上げ圧延し、仕上げ圧延後冷却し、500〜720℃で巻取って、熱延鋼板を得る熱延工程と、前記熱延鋼板に対して累積圧下率が80%超の一次冷間圧延を実施して、一次冷延鋼板を得る一次冷延工程と、前記一次冷延鋼板を、平均昇温速度10〜40℃/秒で昇温し、650〜715℃の温度範囲内で均熱し、その後、500〜400℃の間を平均冷却速度5〜80℃/秒で冷却する連続焼鈍を実施して、焼鈍鋼板を得る焼鈍工程と、前記焼鈍工程後に、過時効処理を施していない前記焼鈍鋼板を0.5〜5.0%の累積圧下率で調質圧延して、調質圧延鋼板を得る調質圧延工程と、を備える。
(5)上記(4)に記載の絞り缶用鋼板の製造方法では、前記調質圧延工程後に、前記調質圧延鋼板に対して、Niめっき処理、Ni拡散めっき処理、Snめっき処理、及びTFSめっき処理のうちの少なくとも1つを実施するめっき工程をさらに備えてもよい。
本実施形態に係る絞り缶用冷延鋼板は、化学成分として、基本元素であるC、Sol.Al、及びBを含み、残部がFe及び不純物からなる。
炭素(C)は固溶して鋼の強度を高める。鋼の強度が高まれば、冷延鋼板をゲージダウンすることができる。C含有量が0.150超であれば、促進時効処理後のL方向の降伏強度YPを360MPa以上にすることができる。さらに、後述の条件のCALを実施することにより、フェライト組織の平均粒径が4.0μm以下となり、フェライト粒が粗大粒と微細粒とを含む混粒となりやすい。その結果、促進時効処理後の降伏点伸びYP−ELを0%にすることができる。C含有量が0.15以下であれば、上記効果が得られない。一方、C含有量が0.260%超であれば、冷延鋼板の硬度が高くなりすぎ、図6に示すとおり、自然時効が飽和した後(促進時効処理後)の全伸びELが低下する。この場合、冷延鋼板のプレス成形性が低くなる。したがって、C含有量は0.150超〜0.260%である。なお、Cは、オーステナイト形成元素である。本実施形態に係る冷延鋼板ではミクロ組織を制御するために、C含有量の下限が、0.153%、0.155%、または0.160%であることが好ましい。C含有量の好ましい上限は0.260%未満であり、さらに好ましくは0.250%である。フェライト粒が混粒となりやすい。
シリコン(Si)は、不可避的に含有される不純物である。Siは、冷延鋼板のめっき密着性、及び、製缶後の冷延鋼板の塗装密着性を低下させる。したがって、Si含有量は0.50%以下に制限する。Si含有量の好ましい上限は0.50%未満である。Si含有量はなるべく低い値が好ましい。ただ、工業的に安定してSi含有量を0%にすることは難しいので、Si含有量の下限を0.0001%としてもよい。
マンガン(Mn)は、不可避的に含有される不純物である。Mnは、冷延鋼板を硬質化し、冷延鋼板の全伸びELを低下させる。そのため、プレス成形性(絞り加工性)が低下する。また、Mnは、オーステナイト形成元素であり、本実施形態に係る冷延鋼板ではミクロ組織を制御するために鋼に添加しない。Mn含有量が0.70%超の場合、本実施形態に係る鋼板に特有の機械特性を得にくくなる。したがって、Mn含有量は0.70%以下に制限する。Mn含有量の好ましい上限は0.70%未満である。Mn含有量はなるべく低い値が好ましい。ただ、工業的に安定してMn含有量を0%にすることは難しいので、Mn含有量の下限を0.0001%としてもよい。
燐(P)は、不可避的に含有される不純物である。Pは、一般的に、冷延鋼板の強度を高める。しかしながら、P含有量が高すぎれば、プレス成形性が低下する。具体的には、絞り缶に成形した後の耐二次加工脆性が低下する。深絞り加工された絞り缶では、たとえば、−10℃のような低温で、落下時の衝撃により脆性破断する場合があり、また曲げ加工歪みにより缶側壁端部が脆性破断する場合がある。このような破断を二次加工脆性割れと称する。P含有量が過剰な場合、二次加工脆性割れが生じやすくなる。したがって、P含有量は0.070%以下に制限する。ただ、工業的に安定してP含有量を0%にすることは難しいので、P含有量の下限を0.0001%としてもよい。
硫黄(S)は、不可避的に含有される不純物である。Sは、熱間圧延時の鋼板表層で脆性割れを発生させ、熱延鋼帯に耳荒れを生じさせる。したがって、S含有量は0.05%以下に制限する。S含有量はなるべく低い値が好ましい。ただ、工業的に安定してS含有量を0%にすることは難しいので、S含有量の下限を0.0001%としてもよい。
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Alはさらに、連続鋳造時に鋳片の表面品質を高める。Al含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、上記効果が飽和して製造コストが高くなる。したがって、Al含有量は0.005〜0.100%である。本実施形態に係る絞り缶用冷延鋼板でのAl含有量は、Sol.Al(酸可溶性アルミニウム)の含有量を意味する。
窒素(N)は、不可避的に含有される不純物である。Nは、鋼を時効硬化させる元素であり、そのため、冷延鋼板のプレス成形性を低下させ、ストレッチャーストレインを発生させる。本実施形態に係る冷延鋼板では、鋼中に後述のBを含有させ、NをBと結合させて窒化物を形成させることにより、固溶Nによる時効硬化を抑制する。しかしながら、N含有量が高すぎれば、固溶Nによる時効硬化が生じやすくなる。したがって、N含有量は0.0080%以下に制限する。N含有量はなるべく低い値が好ましい。ただ、工業的に安定してN含有量を0%にすることは難しいので、N含有量の下限を0.0005%としてもよい。
ボロン(B)は、Nと結合してBN(窒化ホウ素)を形成し、固溶Nを低減する。これにより、固溶Nによる時効硬化が抑制される。Bはさらに、冷延鋼板の集合組織をランダム化して、塑性ひずみ比であるr値(ランクフォード値)を1に近づける。これにより、イヤリング特性(絞り缶の成形後に発生する缶円周方向の缶高さの不均一の程度)が向上する。また、Bは、フェライト形成元素であり、本実施形態に係る冷延鋼板ではミクロ組織を制御するために添加する。B含有量が0.0005%未満であれば、これらの効果が得られない。一方、B含有量が0.02%超であれば、上記効果が飽和する。したがって、B含有量は0.0005〜0.02%である。B含有量の下限は、0.0010%、または0.0015%であることが好ましい。
本実施形態に係る冷延鋼板は、ミクロ組織として、平均粒径(平均直径)が2.7〜4.0μmであるフェライトと、粒状セメンタイトと、を主に含む。また、上述したBNは微細析出物であるので低倍率の場合には観察できないが、ミクロ組織として、このBNを含んでもよい。本実施形態に係る冷延鋼板では、上記した化学成分に制御することに加えて、上記のミクロ組織に制御することによって、高強度で、プレス成形性に優れ、非St−St性にも優れる冷延鋼板を得ることが可能となる。
本実施形態に係る冷延鋼板は、板厚が0.15〜0.50mmであり、冷延鋼板を100℃で1時間の時効処理(促進時効処理)を実施した後に行う引張試験から得られる降伏強度を単位MPaでYPとし、全伸びを単位%でELとし、降伏点伸びを単位%でYP−ELとし、及び、降伏比を単位%でYRとしたとき、
YPが360〜430MPaであり、
ELが25〜32%であり、
YP−ELが0%であり、
YRが80〜87%である。
ここで、引張試験は、平行部がL方向(圧延方向)に平行な引張試験片を用いて室温(25℃)大気中でJIS Z2241(2011)に準拠して実施する。
降伏強度YPが360MPa以上であれば、冷延鋼板を薄肉化(ゲージダウン)しても、耐内外圧強度に優れた絞り缶が得られる。一方、降伏強度YPの上限は、特に制限されない。ただ、降伏強度YPが高すぎると、プレス成形が困難となるので、降伏強度YPを430MPa以下としてもよい。なお、本実施形態に係る冷延鋼板では、上述のように明確な降伏点を示さないことを技術特徴とするので、降伏強度YPは0.2%耐力のことを意味する。
全伸びELが25%以上であれば、絞り缶用冷延鋼板としてのプレス成形性(絞り加工性)を満足できる。一方、全伸びELの上限は、値が大きいほど好ましいので、特に制限されない。ただ、工業的に安定して全伸びELを32%超とすることは難しいので、全伸びELの上限を32%とし、より好ましくは30%としてもよい。なお、全伸びELとは、弾性伸びと永久伸びとの和のことを意味する。
降伏点伸びYP−ELが0%であれば、降伏直後に降伏点よりも小さい変形抵抗で進行する定常変形を抑制できるので、ストレッチャーストレインの発生を抑制できる。なお、本実施形態に係る冷延鋼板にて、降伏点伸びYP−ELが0%であるとは、降伏直後に降伏点(0.2%耐力)よりも小さい変形抵抗(応力)で変形(ひずみ)が進行しないことを意味する。すなわち、本実施形態に係る冷延鋼板にて、降伏点伸びYP−ELが0%であるとは、降伏点降下することなく、降伏直後から(0.2%耐力到達直後から)応力−ひずみ曲線が加工硬化を示すことを意味する。
降伏比YRが80%以上であれば、引張強度TSに対して降伏強度YPが十分に高い値であることを意味する。そのため、冷延鋼板を薄肉化(ゲージダウン)することが可能となり、耐内外圧強度に優れた絞り缶が得られる。すなわち、絞り加工時の加工ひずみ量が小さい缶底と絞り加工時の加工ひずみ量が大きい胴上部とを比較したとき、成形後の絞り缶にて缶底と胴上部との強度差が小さくなり、機械的品質が均一な絞り缶を得ることが可能となる。一方、降伏比YRの上限は、特に制限されない。ただ、降伏比YRが高すぎると、プレス成形が困難となるので、降伏比YRを87%以下としてもよい。なお、降伏比YRは、単位MPaでの降伏強度YPを、単位MPaでの引張強度TSで割った値の百分率を意味する。
本実施形態に係る冷延鋼板は、冷延鋼板の表面上(板面上)に、Niめっき層、Ni拡散めっき層、Snめっき層、及びティンフリースチール(TFS)めっき層(金属Cr層とCr水和酸化物層との2層からなるめっき層)のうちの少なくとも1つが配されてもよい。冷延鋼板の板面上に、上記のめっき層が配されることにより、表面外観が向上し、耐食性、耐薬品性、耐応力割れ性などが向上する。
製鋼工程では、C:0.150超〜0.260%、Sol.Al:0.005〜0.100%、B:0.0005〜0.02%、Si:0.50%以下、Mn:0.70%以下、P:0.070%以下、S:0.05%以下、N:0.0080%以下、Nb:0.003%以下、Ti:0.003%以下、を含有し、残部がFe及び不純物からなり、化学成分中のホウ素含有量と窒素含有量とが、質量%で、0.4≦B/N≦2.5を満足する溶鋼を製造する。製造された溶鋼から鋳片(スラブ)を製造する。例えば、通常の連続鋳造法、インゴット法、薄スラブ鋳造法などの鋳造方法でスラブを鋳造すればよい。なお、連続鋳造の場合には、鋼を一度低温(例えば、室温)まで冷却し、再加熱した後、この鋼を熱間圧延してもよいし、鋳造された直後の鋼(鋳造スラブ)を連続的に熱間圧延してもよい。
熱延工程では、製鋼工程後の鋳片を、1000℃以上(例えば、1000〜1280℃)に加熱し、840〜950℃で仕上げ圧延し、仕上げ圧延後冷却し、500〜720℃で巻取って、熱延鋼板を製造する。
一次冷延工程では、熱延工程後の熱延鋼板に対して累積圧下率が80%超の一次冷間圧延を実施して、0.15〜0.50mmの板厚を有する一次冷延鋼板を製造する。
焼鈍工程では、一次冷延工程後の一次冷延鋼板を、平均昇温速度:10〜40℃/秒で昇温し、再結晶完了温度以上でかつフェライト単相域温度(例えば、650〜715℃)で均熱し、その後、500〜400℃の間の平均冷却速度が5〜80℃/秒となる条件で冷却する連続焼鈍を実施して、焼鈍鋼板を製造する。
本実施形態に係る冷延鋼板の製造方法では、BAF−OAを実施しない。上述のとおり、BAF−OAを実施しなくても、本実施形態の冷延鋼板は、高強度で、プレス成形性に優れ、非St−St性にも優れる。本実施形態に係る冷延鋼板の製造方法でBAF−OAを実施すれば、鋼中の固溶Cが低減して、降伏強度YPが360MPa未満になる。したがって、本実施形態に係る冷延鋼板の製造方法では、BAF−OAを実施しない。本実施形態ではBAF−OAを実施しないため、絞り缶用冷延鋼板の生産性が著しく高まる。
調質圧延工程では、焼鈍工程後に過時効処理を施していない焼鈍鋼板を、0.5〜5.0%の累積圧下率で調質圧延(スキンパス圧延)して、調質圧延鋼板を製造する。圧下率が0.5%未満であれば、促進時効処理後の鋼板において、降伏点伸びYP−ELが0%超となる場合がある。圧下率が5.0%を超えれば、全伸びELが25%未満となり、プレス成形性が低下する。圧下率が0.5〜5.0%であれば、絞り等の加工までに発生する時効硬化後においても優れた非St−St性及びプレス成形性が得られる。調質圧延工程後の調質圧延鋼板は、板厚が0.15〜0.50mmとなる。
本実施形態に係る冷延鋼板の製造方法では、調質圧延工程後に、調質圧延鋼板の表面上(板面上)に、Niめっき処理、Ni拡散めっき処理、Snめっき処理、及びTFSめっき処理のうちの少なくとも1つを実施してもよい。この場合、調質圧延鋼板の板面上に、Niめっき層、Ni拡散めっき層、Snめっき層、及びTFSめっき層(金属Cr層とCr水和酸化物層との2層からなるめっき層)のうちの少なくとも1つが形成される。なお、Ni拡散めっき層は、Niめっき処理を施した鋼板に拡散熱処理を施すことによって形成される。
20: 粒状セメンタイト
Claims (5)
- 絞り缶用の鋼板であって、
前記鋼板が、化学成分として、質量%で、
C:0.150超〜0.260%、
Sol.Al:0.005〜0.100%、
B:0.0005〜0.02%、
Si:0.50%以下、
Mn:0.70%以下、
P:0.070%以下、
S:0.05%以下、
N:0.0080%以下、
Nb:0.003%以下、
Ti:0.003%以下、
を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
前記化学成分中のホウ素含有量と窒素含有量とが、質量%で、0.4≦B/N≦2.5を満足し、
前記鋼板が、ミクロ組織として、
平均粒径が2.7〜4.0μmであるフェライトと、
粒状セメンタイトと
を含み、
前記鋼板を100℃で1時間の時効処理を実施した後に行う引張方向が圧延方向と平行となる引張試験から得られる降伏強度を単位MPaでYPとし、全伸びを単位%でELとし、降伏点伸びを単位%でYP−ELとし、及び降伏比を単位%でYRとしたとき、
前記YPが360〜430MPaであり、
前記ELが25〜32%であり、
前記YP−ELが0%であり、
前記YRが80〜87%である
ことを特徴とする絞り缶用鋼板。 - 前記ELが27〜32%であることを特徴とする請求項1に記載の絞り缶用鋼板。
- 前記鋼板の表面上に、Niめっき層、Ni拡散めっき層、Snめっき層、及びTFSめっき層のうちの少なくとも1つが配される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の絞り缶用鋼板。 - 請求項1または2に記載の絞り缶用鋼板の製造方法であって、
前記化学成分を有する鋳片を得る製鋼工程と、
前記鋳片を、1000℃以上に加熱し、840〜950℃で仕上げ圧延し、仕上げ圧延後冷却し、500〜720℃で巻取って、熱延鋼板を得る熱延工程と、
前記熱延鋼板に対して累積圧下率が80%超の一次冷間圧延を実施して、一次冷延鋼板を得る一次冷延工程と、
前記一次冷延鋼板を、平均昇温速度10〜40℃/秒で昇温し、650〜715℃の温度範囲内で均熱し、その後、500〜400℃の間を平均冷却速度5〜80℃/秒で冷却する連続焼鈍を実施して、焼鈍鋼板を得る焼鈍工程と、
前記焼鈍工程後に、過時効処理を施していない前記焼鈍鋼板を0.5〜5.0%の累積圧下率で調質圧延して、調質圧延鋼板を得る調質圧延工程と、を備える
ことを特徴とする絞り缶用鋼板の製造方法。 - 前記調質圧延工程後に、前記調質圧延鋼板に対して、Niめっき処理、Ni拡散めっき処理、Snめっき処理、及びTFSめっき処理のうちの少なくとも1つを実施するめっき工程をさらに備える
ことを特徴とする請求項4に記載の絞り缶用鋼板の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014213239 | 2014-10-17 | ||
JP2014213239 | 2014-10-17 | ||
PCT/JP2015/079313 WO2016060248A1 (ja) | 2014-10-17 | 2015-10-16 | 絞り缶用鋼板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5930144B1 JP5930144B1 (ja) | 2016-06-08 |
JPWO2016060248A1 true JPWO2016060248A1 (ja) | 2017-04-27 |
Family
ID=55746780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016507711A Active JP5930144B1 (ja) | 2014-10-17 | 2015-10-16 | 絞り缶用鋼板及びその製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5930144B1 (ja) |
CN (1) | CN106795609B (ja) |
TW (1) | TWI560280B (ja) |
WO (1) | WO2016060248A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109423577B (zh) * | 2017-08-30 | 2021-01-12 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种高强多相钢镀锡原板及其制造方法 |
US20220018003A1 (en) * | 2018-11-21 | 2022-01-20 | Jfe Steel Corporation | Steel sheet for cans and method for manufacturing the same |
EP3901300A4 (en) * | 2018-12-20 | 2022-04-27 | JFE Steel Corporation | STEEL SHEET FOR CAN AND METHOD FOR PRODUCING IT |
JP7368692B2 (ja) * | 2019-03-29 | 2023-10-25 | 日本製鉄株式会社 | 中炭素鋼板の製造方法 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2353804B (en) * | 1998-05-29 | 2003-04-02 | Toyo Kohan Co Ltd | Steel sheet coated with a resin layer suitable for a can thinned, deep drawn and ironed and steel sheet therefor |
JP3931455B2 (ja) * | 1998-11-25 | 2007-06-13 | Jfeスチール株式会社 | 缶用鋼板およびその製造方法 |
JP4374126B2 (ja) * | 2000-08-15 | 2009-12-02 | 新日本製鐵株式会社 | イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板および製造方法 |
JP4280078B2 (ja) * | 2003-01-24 | 2009-06-17 | 新日本製鐵株式会社 | 深絞り性に優れた高強度冷延鋼板及びめっき鋼板、加工性に優れた鋼管、並びに、それらの製造方法 |
US20050199322A1 (en) * | 2004-03-10 | 2005-09-15 | Jfe Steel Corporation | High carbon hot-rolled steel sheet and method for manufacturing the same |
JP5355905B2 (ja) * | 2007-04-10 | 2013-11-27 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 衝撃吸収特性、形状凍結性及びフランジ部切断性に優れた、自動車、二輪車または鉄道車両用構造部材並びにその製造方法 |
JP4235247B1 (ja) * | 2007-09-10 | 2009-03-11 | 新日本製鐵株式会社 | 製缶用高強度薄鋼板及びその製造方法 |
JP2013224476A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-10-31 | Jfe Steel Corp | 加工性に優れた高強度薄鋼板及びその製造方法 |
CN103572159B (zh) * | 2012-07-18 | 2017-06-09 | 株式会社神户制钢所 | 耐氢脆化特性优越的超高强度冷轧钢板的制造方法 |
JP5821810B2 (ja) * | 2012-08-28 | 2015-11-24 | 新日鐵住金株式会社 | 細粒鋼板の製造方法 |
EP3243923B1 (en) * | 2015-01-07 | 2019-10-23 | Posco | Super high strength plated steel sheet having tensile strength of 1300 mpa or more |
-
2015
- 2015-10-16 TW TW104134061A patent/TWI560280B/zh not_active IP Right Cessation
- 2015-10-16 CN CN201580055679.7A patent/CN106795609B/zh active Active
- 2015-10-16 WO PCT/JP2015/079313 patent/WO2016060248A1/ja active Application Filing
- 2015-10-16 JP JP2016507711A patent/JP5930144B1/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TWI560280B (en) | 2016-12-01 |
CN106795609A (zh) | 2017-05-31 |
WO2016060248A1 (ja) | 2016-04-21 |
JP5930144B1 (ja) | 2016-06-08 |
CN106795609B (zh) | 2018-12-04 |
TW201623653A (zh) | 2016-07-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101479391B1 (ko) | 형상 동결성이 우수한 냉연 박강판 및 그 제조 방법 | |
JP6037084B2 (ja) | 絞り缶用鋼板及びその製造方法 | |
JP5569657B2 (ja) | 耐時効性に優れた鋼板およびその製造方法 | |
US10633730B2 (en) | Material for cold-rolled stainless steel sheet | |
US10550454B2 (en) | Cold-rolled ferritic stainless steel sheet | |
JP6428986B1 (ja) | 絞り缶用冷延鋼板、及びその製造方法 | |
TW201335386A (zh) | 熱浸鍍鋅鋼板及其製造方法 | |
KR20120008033A (ko) | 시효성 및 베이킹 경화성이 우수한 냉연 강판 및 그 제조 방법 | |
WO2020209276A1 (ja) | 鋼板及びその製造方法 | |
KR101994914B1 (ko) | 캔용 강판 및 캔용 강판의 제조 방법 | |
KR102428145B1 (ko) | Ni 확산 도금 강판 및 Ni 확산 도금 강판의 제조 방법 | |
JP2007284783A (ja) | 高強度冷延鋼板及びその製造方法 | |
JP5930144B1 (ja) | 絞り缶用鋼板及びその製造方法 | |
KR101813914B1 (ko) | 연신의 면내 이방성이 작은 고강도 강판 및 그의 제조 방법 | |
JP6699310B2 (ja) | 絞り缶用冷延鋼板及びその製造方法 | |
KR101891427B1 (ko) | 캔용 강판 및 그 제조 방법 | |
KR20150060957A (ko) | 형상 동결성이 우수한 냉연 강판 및 그의 제조 방법 | |
KR102485003B1 (ko) | 성형성 및 표면품질이 우수한 고강도 도금강판 및 그 제조방법 | |
RU2604081C1 (ru) | Способ производства непрерывно отожженного нестареющего холоднокатаного проката ультра глубокой вытяжки | |
TWI665312B (zh) | 鋼板 | |
JP5534112B2 (ja) | 冷間圧延の素材用の熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP2007239035A (ja) | 耐ひずみ時効性および耐肌荒れ性に優れ、面内異方性の小さい冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP6897878B1 (ja) | 缶用鋼板およびその製造方法 | |
JP7355994B2 (ja) | 高炭素鋼板およびその製造方法 | |
JP2007239036A (ja) | 平均r値が高く、面内異方性の小さい冷延鋼板およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20160329 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160405 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160418 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5930144 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |