JPWO2016052454A1 - 放熱板および放熱板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
基板2は、通電により発熱する発熱体を搭載して用いられ、発熱体が発した熱を放出する放熱板として機能する。この基板2は、金属層3と、金属層3の一方の面である形成面31に形成された樹脂層4とを備える。また、形成面31には、金属層3の厚さ方向の途中まで凹没した多数の凹部33が形成されている。そして、隣り合う凹部33同士は、所定の間隔を置いて互い離間して設けられ、各凹部33は、それぞれ、底部331が丸みを帯びている。これにより、金属層と樹脂層との剥離を確実に防止することができるとともに、金属層での電界集中を確実に防止することができる。
Description
本発明は、放熱板および放熱板の製造方法に関する。
発光ダイオード(LED)素子を有する発光装置、いわゆる「LED電球」が知られている。このLED電球は、複数個の発光ダイオード素子と、これらの発光ダイオード素子が行列状に配置される基板と、基板を発光ダイオード素子ごと収納する筒状のハウジングと、ハウジングの基端部に設置された口金と、ハウジングの先端部に設置された蓋体としてのカバーとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、発光ダイオード素子は、発光の際に発熱するため、LED電球では、その熱を放出する必要がある。このため、発光ダイオード素子から発せられた熱を基板を介してハウジング側に伝達して放熱するのが好ましい。
また、特許文献1に記載のLED電球では、基板は、アルミニウムで構成されたアルミ基板である。このため、アルミニウム基板と発光ダイオード素子との絶縁性を確保するうえで、アルミニウム基板上に樹脂材料で構成された樹脂層が積層されることが想定される。この場合、基板は、アルミニウム層と樹脂層との積層体となる。そして、アルミニウム層と樹脂層との密着性を高めるために、一般的にアルミニウム層に粗面加工を施す方法が採られる。この粗面加工には、例えばサンドブラストが用いられる。
サンドブラストでは、アルミニウム層に粗面加工を施すこと、すなわち、アルミニウム層の表面に多数の凹部を形成することができる。しかしながら、サンドブラストの性質上、これらの凹部は、大きさや配設密度等が均一とはならない(図11、図12参照)。このため、アルミニウム層上に樹脂層を積層しても、当該樹脂層とアルミニウム層との密着性が高い部分と低い部分とが生じてしまう。その結果、密着性が低い部分で、樹脂層がアルミニウム層から剥離してしまうという問題がある。また、凹部の底部は、鋭利な形状となる場合があり(図12参照)、基板の使用状態によっては、当該底部で電界集中が発生して、樹脂層での絶縁破壊の起点となるという問題もある。
本発明の目的は、金属層と樹脂層との剥離を確実に防止することができるとともに、金属層での電界集中を確実に防止することができる放熱板および放熱板の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1) 通電により発熱する発熱体を搭載して用いられ、該発熱体が発した熱を放出する機能を有する放熱板であって、
前記発熱体側の一方の面と、該一方の面と反対側の他方の面とを有し、金属材料で構成された金属層と、
前記金属層の前記一方の面に形成され、主として樹脂材料で構成された樹脂層とを備え、
前記金属層には、前記一方の面に、その厚さ方向の途中まで凹没した多数の凹部が形成されており、隣り合う前記凹部同士は、所定の間隔を置いて互い離間して設けられ、前記各凹部は、それぞれ、その底部が丸みを帯びていることを特徴とする放熱板。
(1) 通電により発熱する発熱体を搭載して用いられ、該発熱体が発した熱を放出する機能を有する放熱板であって、
前記発熱体側の一方の面と、該一方の面と反対側の他方の面とを有し、金属材料で構成された金属層と、
前記金属層の前記一方の面に形成され、主として樹脂材料で構成された樹脂層とを備え、
前記金属層には、前記一方の面に、その厚さ方向の途中まで凹没した多数の凹部が形成されており、隣り合う前記凹部同士は、所定の間隔を置いて互い離間して設けられ、前記各凹部は、それぞれ、その底部が丸みを帯びていることを特徴とする放熱板。
(2) 前記各凹部には、それぞれ、前記樹脂層の一部が入り込んでいる上記(1)に記載の放熱板。
(3) 前記多数の凹部は、規則的に配列されている上記(1)または(2)に記載の放熱板。
(4) 前記各凹部は、それぞれ、当該放熱板の平面視で円形をなし、
隣り合う前記凹部同士の平均中心間距離は、前記凹部の当該放熱板の平面視での平均直径の1.1倍以上、2.0倍以下である上記(3)に記載の放熱板。
隣り合う前記凹部同士の平均中心間距離は、前記凹部の当該放熱板の平面視での平均直径の1.1倍以上、2.0倍以下である上記(3)に記載の放熱板。
(5) 前記各凹部は、それぞれ、当該放熱板の平面視で円形をなし、
前記凹部の当該放熱板の平面視での平均直径は、5μm以上、100μm以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の放熱板。
前記凹部の当該放熱板の平面視での平均直径は、5μm以上、100μm以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の放熱板。
(6) 前記樹脂層は、粒子で構成されたフィラーを含み、
前記フィラーの前記粒子の平均粒径は、前記平均直径よりも小さい上記(5)に記載の放熱板。
前記フィラーの前記粒子の平均粒径は、前記平均直径よりも小さい上記(5)に記載の放熱板。
(7) 前記金属層の前記一方の面の当該放熱板の平面視での面積を面積S1[mm2]とし、前記各凹部の当該放熱板の平面視での面積を面積S2[mm2]として、該面積S2の総和を総面積ΣS2[mm2]としたとき、該総面積ΣS2の前記面積S1に対する割合は、20%以上、80%以下である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の放熱板。
(8) 前記多数の凹部の底部の平均曲率は、5以上、100以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の放熱板。
(9) 前記多数の凹部の平均深さは、0.5μm以上、10μm以下である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の放熱板。
(10) 前記多数の凹部の深さの標準偏差が1μm以上、10μm以下である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の放熱板。
(11) 当該放熱板の総厚は、300μm以上、5000μm以下であり、
前記金属層は、前記他方の面が平坦面となっている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の放熱板。
前記金属層は、前記他方の面が平坦面となっている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の放熱板。
(12) 前記金属材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の放熱板。
(13) 通電により発熱する発熱体を搭載して用いられ、該発熱体が発した熱を放出する機能を有する放熱板を製造する方法であって、
金属材料で構成された金属箔の一方の面にレーザ光を照射して、前記一方の面に前記金属箔の厚さ方向の途中まで凹没した多数の凹部を形成するレーザ光照射工程と、
前記多数の凹部が形成された前記金属箔の前記一方の面に、樹脂材料で構成された樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを有し、
前記レーザ光照射工程では、隣り合う前記凹部同士が所定の間隔を置いて互い離間し、前記各凹部のそれぞれの底部が丸みを帯びるように、前記多数の凹部を形成することを特徴とする放熱板の製造方法。
金属材料で構成された金属箔の一方の面にレーザ光を照射して、前記一方の面に前記金属箔の厚さ方向の途中まで凹没した多数の凹部を形成するレーザ光照射工程と、
前記多数の凹部が形成された前記金属箔の前記一方の面に、樹脂材料で構成された樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを有し、
前記レーザ光照射工程では、隣り合う前記凹部同士が所定の間隔を置いて互い離間し、前記各凹部のそれぞれの底部が丸みを帯びるように、前記多数の凹部を形成することを特徴とする放熱板の製造方法。
(14) 前記レーザ光は、近赤外線レーザ光である上記(13)に記載の放熱板の製造方法。
本発明によれば、金属層に底部が丸みを帯びた多数の凹部が形成されていることにより、金属層と樹脂層との剥離を確実に防止することができるとともに、金属層での電界集中を確実に防止することができる。
以下、本発明の放熱板および放熱板の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の放熱板を用いた実装基板の一例を示す部分断面図ある。図2は、図1中の二点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大図である。図3は、図1中の放熱板の金属層を矢印B方向から見た図(平面図)である。図4は、図3中の二点鎖線で囲まれた領域[C]の拡大図である。
図5は、本発明の放熱板における凹部の深さの分布を示すグラフ(a)と、従来の放熱板における凹部の深さの分布を示すグラフ(b)である。図6は、本発明の放熱板における凹部の直径の分布を示すグラフ(a)と、従来の放熱板における凹部の直径の分布を示すグラフ(b)である。図7〜図10は、それぞれ、図1に示す実装基板を製造する過程を順に示す斜視図である。図11は、従来の放熱板における凹部の断面図である。図12は、従来の放熱板における凹部の平面図である。
なお、以下では、説明の都合上、図1、図2、図7〜図11中の上側を「上(上方)」または「表」、下側を「下(下方)」または「裏」と言う。また、図3、図4中の左右方向を「x軸方向」、上下方向を「y軸方向」と言い、図7中の紙面奥行き方向を「x軸方向」、左右方向を「y軸方向」と言う。
図1に示す実装基板1は、基板2と半導体素子20とで構成され、半導体素子20が基板2に搭載、実装されている。なお、実装基板1は、例えば、ラジエータ30上に載置して用いられる。また、実装基板1とラジエータ30との間には、例えばグリース層が介在していてもよい。
半導体素子20は、例えば、ICチップ、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ等である。この半導体素子20は、基板2上に半田(図示せず)を介して固定されている。これにより、半導体素子20は、基板2の回路パターン5と電気的に接続され、外部電力(図示せず)から回路パターン5を介して電力が供給される。また、半導体素子20は、電力が供給された際、すなわち、通電された際に発熱する発熱体でもある。
基板2は、半導体素子20が発した熱Qをラジエータ30側に向かって放出する放熱板として機能する。その他、基板2は、半導体素子20を支持する支持基板としても機能し、半導体素子20と電気的に接続され、電力を供給する回路基板としても機能する。
図1に示すように、このような機能を有する基板2は、金属層3と、樹脂層4と、回路パターン5とで構成され、これらが下方からこの順に積層された積層体である。
なお、基板2の総厚ttotalは、特定の値に限定されないが、300μm以上、5000μm以下であるのが好ましく、1000μm以上、3000μm以下であるのがより好ましい。
金属層3は、金属材料で構成された層である。本実施形態では、金属層3の上面(一方の面)が樹脂層4が形成される形成面31であり、下面(他方の面)がラジエータ30に対向する対向面32である。
また、金属層3の厚さt1は、基板2の中で最も厚い。厚さt1の総厚ttotalに対する割合は、40〜80%であるのが好ましく、50〜70%であるのがより好ましい。
また、金属層3を構成する金属材料は、特定の種類に限定されない。金属材料には、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金を用いることができる。これらの中でも、金属材料としては、特にアルミニウムが好ましい。アルミニウムは、比較的熱伝導率が高い材料である。アルミニウムで金属層3を構成した場合、前記大きさの厚さt1と相まって、熱Qが基板2を介してラジエータ30に確実に伝達され、よって、基板2は、優れた放熱性を発揮する。
図2、図4に示すように、形成面31には、多数の凹部33が形成されている。これらの凹部33は、金属層3の厚さ方向の途中まで凹没した部分、すなわち、形成面31を基準面として当該基準面から対向面32に到達しない程度の所定深さで凹没した部分である。これにより、形成面31は、平坦面が粗面化された粗面となっており、対向面32は、平坦面を維持している。
樹脂層4は、主として樹脂材料で構成された層である。樹脂層4の厚さt2は、特定の値に限定されないが、40μm以上、300μm以下であるのが好ましく、80μm以上、200μm以下であるのがより好ましい。
なお、樹脂層4を構成する樹脂材料としては、特定の種類に限定されない。樹脂材料としては、例えば、熱硬化性樹脂である、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。なお、樹脂材料には、これらの樹脂のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
図2に示すように、樹脂層4を構成する樹脂材料中には、電気絶縁性かつ高熱伝導性を有する粒子41で構成されるフィラーを混合することもできる。かかるフィラーの粒子41の構成材料としては、例えば、アルミナ等の金属酸化物、窒化ホウ素等の窒化物が挙げられる。
樹脂層4上には、回路パターン5が形成されている。樹脂層4は、金属層3と回路パターン5とを絶縁する絶縁層としての機能を有している。
回路パターン5は、例えば、樹脂層4の上面42全面に積層された金属箔をエッチングにより所定のパターンに加工することにより形成される。回路パターン5は、例えば半田により半導体素子20と電気的に接続されている。回路パターン5は、導電性を有する金属材料で構成されている。回路パターン5を構成する金属材料には、例えば、銅を好適に用いることができる。これにより、回路パターン5は、比較的抵抗値が小さくなる。なお、回路パターン5は、その少なくとも一部がソルダーレジスト層で覆われていてもよい。
さて、前述したように、金属層3の形成面31には、多数の凹部33が形成されている。
図4に示すように、これらの凹部33(凹部33の開口)は、基板2の平面視で、それぞれ円形をなし、行列状に規則的に配列されている。そして、x軸方向およびy軸方向のいずれの方向にも、隣り合う凹部33同士は、所定の間隔を置いて互いに離間して、すなわち、互いにつながることなく設けられている。したがって、隣り合う凹部33の内側の空間同士は、互いに連通していない。
これにより、形成面31には、凹部33の開口以外の平坦な部分311が残る(図2参照)。部分311は、金属層3の中で半導体素子20から最も近い部分である。このような平坦な部分311が残っていることにより、半導体素子20で発せられた熱Qは、いち早くかつ均一に当該部分311に到達することができ、その後金属層3を介して迅速にラジエータ側に放熱される。
なお、隣り合う凹部33同士の平均中心間距離は、凹部33の基板2の平面視での平均直径(凹部33の開口の平均直径)の1.1倍以上、2.0倍以下であるのが好ましく、1.2倍以上、1.5倍以下であるのがより好ましい。なお、隣り合う凹部33同士の平均中心間距離とは、図4に示す隣り合う凹部33同士の中心間距離Lの平均値であり、凹部33の基板2の平面視での平均直径とは、図4に示す凹部33の直径(最大長さ)φd1の平均値である。以下では、凹部33の基板2の平面視での平均直径を、単に「凹部33の平均直径」と言うこともある。
また、凹部33の平均直径は、5μm以上、100μm以下であるのが好ましく、10μm以上、80μm以下であるのがより好ましい。
また、形成面31の基板2の平面視での面積を面積S1[mm2]、各凹部33の基板2の平面視での面積を面積S2[mm2]として、面積S2の総和を総面積ΣS2[mm2]としたとき、総面積ΣS2の面積S1に対する割合は、20%以上、80%以下であるのが好ましく、50%以上、70%以下であるのがより好ましい。なお、形成面31の基板2の平面視での面積(面積S1)とは、平坦な部分311の面積と総面積ΣS2との合計である。
さらに、凹部33の平均深さは、0.5μm以上、10μm以下であるのが好ましく、1μm以上、5μm以下であるのがより好ましい。なお、凹部33の平均深さとは、図2に示す凹部33の深さ(最大深さ)Mの平均値である。
そして、以上のような条件を満足する各凹部33には、それぞれ、樹脂層4の一部が入り込むことにより、樹脂層4が凹部33に噛み込んでいる(図2参照)。基板2では、前記条件を満足する凹部33と、樹脂層4の当該凹部33に噛み込んだ噛み込み部43との相乗効果により、樹脂層4の金属層3に対するアンカー効果が発揮される。よって、例えば実装基板1の使用状態での、金属層3と樹脂層4との剥離を確実に防止することができる。
なお、後述するように、前記条件を満足する凹部33の形成は、金属層3となる金属箔等の母材3’にレーザ光Bを照射することにより可能である(図7参照)。本発明者らは、鋭意検討した結果、レーザ光照射により、前記条件を満足する凹部33を容易かつ確実に母材3’に形成し得ることを見い出した。
また、実装基板1が使用される環境によっては、基板2を折り曲げた状態で使用する場合もある。この場合、金属層3に凹部33が形成されていないと、基板2の折り曲げ条件等によっては、基板2の折り曲げ部に応力が集中して金属層3と樹脂層4との剥離が生じてしまうおそれがある。しかしながら、本発明では、金属層3に凹部33を形成することによる前記アンカー効果により、基板2の折り曲げ条件等によらず、金属層3と樹脂層4との剥離が確実に防止される。
また、凹部33は前述したように行列状に規則的に配列されている、すなわち、凹部33の配設密度が均一となっている。これにより、樹脂層4の金属層3に対するアンカー効果が樹脂層4の下面(裏面)44全体にわたって均一に発揮され、よって、金属層3と樹脂層4との剥離をより確実に防止することができる。
本実施形態では、樹脂層4には、粒子41で構成されるフィラーが含まれている。そして、このフィラーの粒子41の平均粒径は、好ましくは凹部33の平均直径よりも小さく設定される。具体的には、フィラーの粒子41の平均粒径は、凹部33の平均直径の1%以上、90%以下であるのが好ましく、2%以上、10%以下であるのがより好ましい。なお、フィラーの粒子41の平均粒径とは、図2に示す粒子41の粒径(最大長さ)φd2の平均値である。
これにより、凹部33に噛み込んだ噛み込み部43にもフィラーの粒子41が分散され、よって、噛み込み部43での熱伝導性の向上に寄与する。また、フィラーを構成する多数の粒子41が凹部33に存在することができるため、フィラーの粒子41同士、並びに、フィラーの粒子41と部分311および底部331との接触点が多くなり、より基板2の放熱性が向上すると言う利点もある。
ところで、形成面31に凹部33を形成するために、当該形成面31に対する粗面加工は、金属層3の母材3’にレーザ光Bを照射することにより行なわれると述べた。仮に、粗面加工にサンドブラストを用いた場合、その性質上、研磨材を構成する1つの粒子で形成された凹部900は、図11、図12に示す状態となる。すなわち、各凹部900は、直径や深さが不均等となる(図5、図6参照)。
また、凹部900同士も一部重なってしまう、すなわち、多数の凹部900の一部は、互いにつながってしまう。さらに、凹部900の配設密度にもムラが生じる、すなわち、不均一となる。したがって、図11、図12に示す状態の金属層では、その上面に樹脂層4を形成しても、金属層と樹脂層4との剥離が容易に生じてしまう。
基板2では、このような状態が解消されているため、金属層3と樹脂層4との剥離を確実に防止することができる。
また、図11に示す状態では、各凹部900の底部901は、鋭利な形状となっている。この場合、当該底部901で電界集中が発生して、樹脂層4での絶縁破壊の起点となることがある。
さらに、互いにつながった凹部900の境界部も鋭利な形状となっており、当該境界部の頂部が各凹部900の底部901に脱落(脱離)して、樹脂層4に金属粉として混入するおそれがある。この場合、樹脂層4の電気絶縁性が損なわれる可能性がある。
一方、本発明では、図2に示すように、各凹部33は、それぞれ、その底部331が丸みを帯びている。底部331の平均曲率は、5以上、100以下であるのが好ましく、10以上、80以下であるのがより好ましい。底部331がこのような丸みを帯びていることにより、底部331での電界集中が発生するのを確実に防止することができる。その結果、樹脂層4での絶縁破壊を確実に阻止することができる。なお、底部331の平均曲率とは、図2に示す底部331の曲率(最小曲率)Cの平均値である。
また、サンドブラストでは、研磨材を除去するために、金属層の洗浄工程が必要となる。これは、研磨材を除去しなければ、例えば樹脂層4への研磨材の混入により、樹脂層4の絶縁性が低下するからである。しかしながら、レーザ光照射では、金属層3の洗浄工程を省略することができる。これにより、基板2の製造工程が簡素化され、よって、基板2の製造コストの削減を図ることができる。
なお、形成された凹部33の形状等の条件は、金属層3の形成面31および/または厚さ方向に切断した断面を、例えば走査電子顕微鏡、レーザ顕微鏡等を用いて確認および測定することができる。
次に、実装基板1を製造する方法について説明する。この製造方法には、基板2を製造する方法(本発明の放熱板の製造方法)も含まれている。
本製造方法は、レーザ光照射工程(図7参照)と、樹脂層形成工程(図8参照)と、回路パターン形成工程(図9参照)と、実装工程(図10参照)とを有している。
[1]レーザ光照射工程
まず、図7に示すように、金属層3となる母材3’として厚さt1の金属箔を用意する。母材3’の形成面31および対向面32は、それぞれ、平坦面となっている。そして、母材3’の形成面31にその上方からレーザ光Bを照射しつつ、形成面31上を走査する。この走査は、x軸方向への主走査とy軸方向への副走査とを繰り返すことにより行なわれる。
まず、図7に示すように、金属層3となる母材3’として厚さt1の金属箔を用意する。母材3’の形成面31および対向面32は、それぞれ、平坦面となっている。そして、母材3’の形成面31にその上方からレーザ光Bを照射しつつ、形成面31上を走査する。この走査は、x軸方向への主走査とy軸方向への副走査とを繰り返すことにより行なわれる。
そして、形成面31上のレーザ光Bが照射された部分の痕跡は、見た目には、蛇行した線状に見える。これは、凹部33の大きさが非常に微小であり、当該凹部33が集合した集合体330が線状に見えるからである。従って、形成面31には、図2、図4に示すような多数の凹部33が形成されている。これにより、形成面31に多数の凹部33が形成された母材(金属箔)3’、すなわち、金属層3が得られる。
レーザ光Bとしては、母材3’の材質に応じて適宜選択される。レーザ光Bとしては、例えば、CO2レーザ光等の遠赤外線レーザ光、Nd−YAGレーザ光等の近赤外線レーザ光、エキシマレーザ光が挙げられる。これらの中でも、レーザ光Bとしては、近赤外線レーザ光(ダイオード励起型レーザ光)が好ましい。近赤外線レーザ光は、例示したレーザ光の中でも強度が比較的高いレーザ光であり、その強度の調整およびその装置の取扱いも容易である。
また、近赤外線レーザ光は、そのパルス波形をフラットにすることが可能であり、一定のエネルギを母材3’の形成面31に安定的かつ均一に照射することができる。このため、形成される凹部33は、その底部331の丸みを帯びた形状も均一にすることができ、底部331での電界集中を防止する効果、すなわち、金属層3の耐電界集中性を向上することができる。
そして、図2、図4に示す状態の凹部33を形成するように、照射条件を適宜調節する。照射条件としては、例えば、強度分布(ビームモード)、スポット径、レンズの焦点距離(ディフォーカス)、レンズの開口数(Fナンバー)、レンズの焦点深度が挙げられる。例えば、レンズの焦点距離(ディフォーカス)以外の照射条件を一定として、レーザ光Bを照射する場合、レンズの焦点距離を調節することで、形成される凹部33の平均直径を制御することができる。
一例として、焦点が母材3’の形成面31に合うように、レンズの高さを調整した場合に、形成される凹部33の平均直径が0.5μmとなる照射条件において、レンズの高さを、母材3’の形成面31から4mm離すまたは近づけるように調節すると、形成される凹部33の平均直径が0.2μm程度となる。
なお、母材3’がアルミニウム箔である場合、凹部33を形成しようとして、サンドブラストを施すと、母材3’は、波打ったような状態となり(よれよれになり)、基板2の作製に用いるのには適さなくなってしまう。
また、レーザ光照射によれば、照射条件を適宜調節することにより、金属層3では、形成面31に凹部33が形成されたとしても、対向面32は、平坦面を維持する。これにより、対向面32のラジエータ30に対する接触面積を、放熱に十分な程度に確保することができる。
さらに、凹部33の形成にレーザ光照射を用いた場合と、サンドブラストを用いた場合とを比較してみる。
図5に示すように、両者で凹部33の直径φd1の分布が正規分布となり、平均値(平均直径)が同じになったとしても、レーザ光照射を用いた場合の凹部33の直径φd1の標準偏差σd1は、サンドブラストを用いた場合の凹部33の直径φd1の標準偏差σd1’よりも小さくなる。従って、レーザ光照射を用いた方が、凹部33同士の間での直径φd1のばらつきが小さいということができる。なお、凹部33の直径φd1の標準偏差σd1は、1μm以上、15μm以下であるのが好ましく、2μm以上、5μm以下であるのがより好ましい。
図6に示すように、両者で凹部33の深さMの分布が正規分布となり、平均値(平均深さ)が同じになったとしても、レーザ光照射を用いた場合の凹部33の深さMの標準偏差σMは、サンドブラストを用いた場合の凹部33の深さMの標準偏差σM’よりも小さくなる。従って、レーザ光照射を用いた方が、凹部33同士の間での深さMのばらつきが小さいということができる。なお、凹部33の深さMの標準偏差σMは、1μm以上、10μm以下であるのが好ましく、2μm以上、5μm以下であるのがより好ましい。
このように、レーザ光照射により形成される凹部33は、直径φd1、深さMのいずれもばらつきが小さいことにより、前記アンカー効果が安定して発揮され、よって、金属層3と樹脂層4との剥離防止により効果的に寄与する。
[2]樹脂層形成工程
次に、図8に示すように、金属層3の凹部33が形成された形成面31に樹脂層4を形成する。まず、金属層3の形成面31に、樹脂層4の構成材料としての液状材料を、例えばスプレー法等により付与する。その後、形成面31上の液状材料を自然乾燥または強制乾燥により乾燥される。これにより、厚さt2の樹脂層4が得られる。なお、この時点において、樹脂層4が完全に硬化していない状態、いわゆるBステージの状態であってもよい。
次に、図8に示すように、金属層3の凹部33が形成された形成面31に樹脂層4を形成する。まず、金属層3の形成面31に、樹脂層4の構成材料としての液状材料を、例えばスプレー法等により付与する。その後、形成面31上の液状材料を自然乾燥または強制乾燥により乾燥される。これにより、厚さt2の樹脂層4が得られる。なお、この時点において、樹脂層4が完全に硬化していない状態、いわゆるBステージの状態であってもよい。
[3]回路パターン形成工程
次に、図9に示すように、樹脂層4上に回路パターン5を形成する。まず、樹脂層4の上面42に、回路パターン5となる金属箔を例えば蒸着や熱圧プレス等により積層する。次いで、この金属箔をエッチングにより所定のパターンに加工する。これにより、回路パターン5が形成される。
次に、図9に示すように、樹脂層4上に回路パターン5を形成する。まず、樹脂層4の上面42に、回路パターン5となる金属箔を例えば蒸着や熱圧プレス等により積層する。次いで、この金属箔をエッチングにより所定のパターンに加工する。これにより、回路パターン5が形成される。
本製造方法では、この回路パターン形成工程までで基板2が得られる。
なお、基板2の使用態様によっては、回路パターン形成工程を省略してもよい。
なお、基板2の使用態様によっては、回路パターン形成工程を省略してもよい。
[4]実装工程
次に、図10に示すように、半導体素子20を用意し、回路パターン5上の所定の位置に半田(図示せず)を介して固定する。これにより、半導体素子20と回路パターン5とが電気的に接続される。
次に、図10に示すように、半導体素子20を用意し、回路パターン5上の所定の位置に半田(図示せず)を介して固定する。これにより、半導体素子20と回路パターン5とが電気的に接続される。
以上のような工程を経ることにより、実装基板1が得られる。そして、得られた実装基板1では、前述したように、金属層3と樹脂層4との剥離を確実に防止することができるとともに、金属層3での電界集中を確実に防止することができる。
以上、本発明の放熱板および放熱板の製造方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、放熱板を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、放熱板には、任意の構成物が付加されていてもよい。また、放熱板の製造方法は、任意の追加の工程を有していてもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
[1]基板(放熱板)の作製
(実施例1〜4)
各実施例において、それぞれ、21枚の金属層を作製し、その後、20枚の金属層を用いて基板(放熱板)を作製した。なお、各金属層および基板は、それぞれ、次のようにして作製した。
(実施例1〜4)
各実施例において、それぞれ、21枚の金属層を作製し、その後、20枚の金属層を用いて基板(放熱板)を作製した。なお、各金属層および基板は、それぞれ、次のようにして作製した。
1.金属層の作製
まず、500mm×500mm×厚さ1mmのサイズのアルミニウム基板(#5052−34H)を用意した。次に、レーザ装置(サマック株式会社製、バックパックレーザ CL 20Q型、レーザビームソースパワー最大20W、波長1064nm)を用いて、アルミニウム基板の片面(形成面)に、ダイオード励起型レーザ光を照射して凹部を多数形成した。これにより、金属層を得た。なお、アルミニウム基板に凹部を形成したときの条件等は、表1に示すとおりに設定した。
まず、500mm×500mm×厚さ1mmのサイズのアルミニウム基板(#5052−34H)を用意した。次に、レーザ装置(サマック株式会社製、バックパックレーザ CL 20Q型、レーザビームソースパワー最大20W、波長1064nm)を用いて、アルミニウム基板の片面(形成面)に、ダイオード励起型レーザ光を照射して凹部を多数形成した。これにより、金属層を得た。なお、アルミニウム基板に凹部を形成したときの条件等は、表1に示すとおりに設定した。
2.樹脂層の作製
まず、ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂(三菱化学社製、4275、重量平均分子量:6.0×104、ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格との比率=75:25)3.9質量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、830S、エポキシ当量170)3.0質量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000、エポキシ当量:250、下記化学式において、Rがいずれも水素原子で、n=1である成分とn=2である成分との混合物)3.0質量部と、ジシアンジアミド(デグサ製)0.3質量部と、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−403)1.3質量部と、球状アルミナ(平均粒径:22μm、円形度:0.91、新日鉄住金マテリアルズ社製、AX−25)67.3質量部と、多面体状アルミナ(平均粒径:4μm、円形度:0.75、日本軽金属社製、LS−210)13.2質量部と、多面体状アルミナ(平均粒径:0.7μm、円形度:0.71、日本軽金属社製、LS−250)8.0質量部と、をシクロヘキサノンに溶解・混合して混合物を得た。次に、この混合物を高速撹拌装置を用い撹拌した。これにより、固形分基準で86質量%のワニス状のエポキシ樹脂組成物を得た。
まず、ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂(三菱化学社製、4275、重量平均分子量:6.0×104、ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格との比率=75:25)3.9質量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、830S、エポキシ当量170)3.0質量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000、エポキシ当量:250、下記化学式において、Rがいずれも水素原子で、n=1である成分とn=2である成分との混合物)3.0質量部と、ジシアンジアミド(デグサ製)0.3質量部と、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−403)1.3質量部と、球状アルミナ(平均粒径:22μm、円形度:0.91、新日鉄住金マテリアルズ社製、AX−25)67.3質量部と、多面体状アルミナ(平均粒径:4μm、円形度:0.75、日本軽金属社製、LS−210)13.2質量部と、多面体状アルミナ(平均粒径:0.7μm、円形度:0.71、日本軽金属社製、LS−250)8.0質量部と、をシクロヘキサノンに溶解・混合して混合物を得た。次に、この混合物を高速撹拌装置を用い撹拌した。これにより、固形分基準で86質量%のワニス状のエポキシ樹脂組成物を得た。
得られたワニス状のエポキシ樹脂組成物を、上記「1.」で得られた金属層の形成面(凹部が形成された面)に塗布し、乾燥させた。これにより、金属層上に樹脂層を形成した。なお、樹脂層の厚さt2は、80μmであった。
3.基板の作製
上記「2.」で得られた樹脂層の上面(金属層と反対側の面)に、回路パターンとなる厚さ210μmである銅箔を熱圧プレスにより積層した。
これにより、図1に示すような総厚ttotalが1290μmの基板(放熱板)を得た。
上記「2.」で得られた樹脂層の上面(金属層と反対側の面)に、回路パターンとなる厚さ210μmである銅箔を熱圧プレスにより積層した。
これにより、図1に示すような総厚ttotalが1290μmの基板(放熱板)を得た。
(比較例1)
アルミニウム基板に凹部を形成したときの条件等を表1に示すとおりに設定したこと以外は、前記実施例1〜4と同様にして、21枚の基板を作製した。
アルミニウム基板に凹部を形成したときの条件等を表1に示すとおりに設定したこと以外は、前記実施例1〜4と同様にして、21枚の基板を作製した。
各実施例1〜4および比較例1で作製した1枚の金属層の上面(形成面)および厚さ方向に切断した断面を、走査電子顕微鏡を用いて確認した。その結果、各実施例1〜4で作製した金属層では、図2、図4に示すように、隣り合う凹部33同士は、つながることなく、所定の間隔を置いて互いに離間しており、かつ、各凹部の底部は、丸みを帯びた形状をなしていた。これに対して、比較例1で作製した金属層では、図11、図12に示すように、多数の凹部の一部は、互いにつながっており、かつ、各凹部の底部は、鋭利な形状となっていた。
また、このとき、形成された凹部のサイズ等も測定し、その測定結果を、次の試験結果とともに表1に示した。
[2]剥離試験および電界集中試験
(2−1)剥離試験
各実施例1〜4および比較例1で作製した10枚の基板を、それぞれ、折り曲げた。
(2−1)剥離試験
各実施例1〜4および比較例1で作製した10枚の基板を、それぞれ、折り曲げた。
(2−2)電界集中試験
各実施例1〜4および比較例1で作製した10枚の基板のそれぞれにおいて、金属層と銅箔との間に100Vの電圧を印加した。
各実施例1〜4および比較例1で作製した10枚の基板のそれぞれにおいて、金属層と銅箔との間に100Vの電圧を印加した。
[3]評価
(3−1)剥離試験結果
各実施例1〜4で作製した10枚の基板の全てにおいて、金属層と樹脂層との剥離は認められなかった。
比較例1で作製した10枚の基板のうちの8枚の基板において、金属層と樹脂層との剥離が認められた。
(3−1)剥離試験結果
各実施例1〜4で作製した10枚の基板の全てにおいて、金属層と樹脂層との剥離は認められなかった。
比較例1で作製した10枚の基板のうちの8枚の基板において、金属層と樹脂層との剥離が認められた。
(3−2)電界集中試験結果
各実施例1〜4で作製した10枚の基板において、それぞれ、金属層と樹脂層とを強制的に剥離して、凹部の底部に亀裂が発生しているか否かを走査電子顕微鏡を用いて確認した。その結果、各実施例1〜4で作製した10枚の基板の全てにおいて、凹部の底部に電界集中による亀裂の発生は認められなかった。
各実施例1〜4で作製した10枚の基板において、それぞれ、金属層と樹脂層とを強制的に剥離して、凹部の底部に亀裂が発生しているか否かを走査電子顕微鏡を用いて確認した。その結果、各実施例1〜4で作製した10枚の基板の全てにおいて、凹部の底部に電界集中による亀裂の発生は認められなかった。
比較例1で作製した10枚の基板において、それぞれ、金属層と樹脂層とを強制的に剥離して、凹部の底部に亀裂が発生しているか否かを走査電子顕微鏡を用いて確認した。その結果、比較例1で作製した10枚の基板の全てにおいて、凹部の底部に電界集中による亀裂の発生が認められた。
さらに、電界集中試験結果を確認した後、剥離された各実施例1〜4および比較例1の樹脂層中に金属片が存在しているか否かを確認した。なお、金属片の有無は、走査電子顕微鏡を用いて確認した。
(3−3)総合評価
各実施例1〜4および比較例1で作製された10枚の基板について、以下に示す評価基準に従って、実際の使用に適しているか否かの評価をした。
各実施例1〜4および比較例1で作製された10枚の基板について、以下に示す評価基準に従って、実際の使用に適しているか否かの評価をした。
・評価基準
○ :適している
× :適していない
これらの評価結果を表1に示す。
○ :適している
× :適していない
これらの評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、各実施例1〜4で作製した基板は、いずれも実際の使用に適しているという結果であった。
また、凹部を形成する際の条件を、前記実施形態で記載した数値範囲内で変更して、実施例1〜4と同様にして、金属層および基板を作製した。かかる基板に対して、前記と同様の評価を行なっても、その結果は、実施例1〜4とほぼ同じであった。
本発明の放熱板は、通電により発熱する発熱体を搭載して用いられ、発熱体が発した熱を放出する機能を有する。この放熱板は、発熱体側の一方の面と、一方の面と反対側の他方の面とを有し、金属材料で構成された金属層と、金属層の一方の面に形成され、主として樹脂材料で構成された樹脂層とを備え、金属層には、一方の面に、その厚さ方向の途中まで凹没した多数の凹部が形成されており、隣り合う前記凹部同士は、所定の間隔を置いて互いに離間して設けられ、前記各凹部は、それぞれ、その底部が丸みを帯びている。これにより、金属層と樹脂層との剥離を確実に防止することができるとともに、金属層での電界集中を確実に防止することができる。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有する。
Claims (14)
- 通電により発熱する発熱体を搭載して用いられ、該発熱体が発した熱を放出する機能を有する放熱板であって、
前記発熱体側の一方の面と、該一方の面と反対側の他方の面とを有し、金属材料で構成された金属層と、
前記金属層の前記一方の面に形成され、主として樹脂材料で構成された樹脂層とを備え、
前記金属層には、前記一方の面に、その厚さ方向の途中まで凹没した多数の凹部が形成されており、隣り合う前記凹部同士は、所定の間隔を置いて互いに離間して設けられ、前記各凹部は、それぞれ、その底部が丸みを帯びていることを特徴とする放熱板。 - 前記各凹部には、それぞれ、前記樹脂層の一部が入り込んでいる請求項1に記載の放熱板。
- 前記多数の凹部は、規則的に配列されている請求項1または2に記載の放熱板。
- 前記各凹部は、それぞれ、当該放熱板の平面視で円形をなし、
隣り合う前記凹部同士の平均中心間距離は、前記凹部の当該放熱板の平面視での平均直径の1.1倍以上、2.0倍以下である請求項3に記載の放熱板。 - 前記各凹部は、それぞれ、当該放熱板の平面視で円形をなし、
前記凹部の当該放熱板の平面視での平均直径は、5μm以上、100μm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の放熱板。 - 前記樹脂層は、粒子で構成されたフィラーを含み、
前記フィラーの前記粒子の平均粒径は、前記平均直径よりも小さい請求項5に記載の放熱板。 - 前記金属層の前記一方の面の当該放熱板の平面視での面積を面積S1[mm2]とし、前記各凹部の当該放熱板の平面視での面積を面積S2[mm2]として、該面積S2の総和を総面積ΣS2[mm2]としたとき、該総面積ΣS2の前記面積S1に対する割合は、20%以上、80%以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の放熱板。
- 前記多数の凹部の底部の平均曲率は、5以上、100以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の放熱板。
- 前記多数の凹部の平均深さは、0.5μm以上、10μm以下である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の放熱板。
- 前記多数の凹部の深さの標準偏差が1μm以上、10μm以下である請求項1ないし9のいずれか1項に記載の放熱板。
- 当該放熱板の総厚は、300μm以上、5000μm以下であり、
前記金属層は、前記他方の面が平坦面となっている請求項1ないし10のいずれか1項に記載の放熱板。 - 前記金属材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金である請求項1ないし11のいずれか1項に記載の放熱板。
- 通電により発熱する発熱体を搭載して用いられ、該発熱体が発した熱を放出する機能を有する放熱板を製造する方法であって、
金属材料で構成された金属箔の一方の面にレーザ光を照射して、前記一方の面に前記金属箔の厚さ方向の途中まで凹没した多数の凹部を形成するレーザ光照射工程と、
前記多数の凹部が形成された前記金属箔の前記一方の面に、樹脂材料で構成された樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを有し、
前記レーザ光照射工程では、隣り合う前記凹部同士が所定の間隔を置いて互いに離間し、前記各凹部のそれぞれの底部が丸みを帯びるように、前記多数の凹部を形成することを特徴とする放熱板の製造方法。 - 前記レーザ光は、近赤外線レーザ光である請求項13に記載の放熱板の製造方法。
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