JPWO2016052439A1 - 5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法 - Google Patents

5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法 Download PDF

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Abstract

アルコールと、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の少なくとも一方と、チオシアン酸アルカリ金属塩と、を含む混合物に対し、臭素化剤と塩基とをこの順に添加することにより、式(II)で表される化合物を得る工程を有する5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。Rは、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルキルチオ基を表す。

Description

本発明は、5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法に関する。
5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールは、1,2,4−チアジアゾール環を含む化合物(例えばアゾ化合物)を合成する際の出発物質又は合成中間体として知られている。
例えば、下記文献1には、良好な色相及び堅牢性を有し、高い分子吸収係数を示すアゾ色素として、1,2,4−チアジアゾール環を有する特定構造のアゾ色素が開示されており、さらに、上記アゾ色素を合成する際の合成中間体として、5−アミノ−3−メチルチオ−1,2,4−チアジアゾールを合成したことが開示されている。具体的には、文献1の段落0053には、メタノールとチオシアン酸ナトリウムと特定のアミジン化合物の硫酸液とを含む混合物に対し、トリエチルアミン及び臭素を同時に滴下することにより5−アミノ−3−メチルチオ−1,2,4−チアジアゾールを合成したことが開示されている。また、文献1では、トリエチルアミン及び臭素を同時に滴下する際のpH条件について積極的に開示していない。
また、下記文献2には、グラム陰性菌及びグラム陰性菌を含む広範囲の病原微生物に対して優れた抗菌特性を示す、7−置換−3−セフェム−4−カルボン酸又はその塩が開示されており、さらに、7−置換−3−セフェム−4−カルボン酸又はその塩を合成する際の合成中間体として、5−アミノ−3−カルボン酸メチル−1,2,4−チアジアゾールを合成したことが開示されている。具体的には、文献2中、例えば「製造例8(5)」には、1−メトキシカルボニルホルムアミジン塩酸塩を含む混合物に、まず臭素を加え、次いでトリエチルアミンを加え、次いでチオシアン酸カリウムのメタノール溶液を加えることにより、5−アミノ−3−カルボン酸メチル−1,2,4−チアジアゾールを合成したことが開示されている。
文献1:特開2008−266545号公報
文献2:特公平2−40677号公報
しかし、文献1及び2に記載された合成方法について、目的物の収率と反応再現性とをより向上させることが求められている。
本開示は、5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールを高収率で製造でき、反応再現性に優れた5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> アルコールと、下記式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の少なくとも一方と、チオシアン酸アルカリ金属塩と、を含む混合物に対し、臭素化剤と塩基とをこの順に添加することにより、下記式(II)で表される化合物を得る工程を有する5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
式(I)及び式(II)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルキルチオ基を表す。
<2> 混合物のpHが、9.0〜11.5である<1>に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<3> アルコールが、第1級アルコールである<1>又は<2>に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<4> 臭素化剤が、臭素である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<5> 塩基が、第3級アミンである<1>〜<4>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<6> 式(I)及び式(II)中のRが、メチル基又はメチルチオ基である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<7> アルコールが、炭素数1〜3の第1級アルコールである<1>〜<6>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<8> 塩基が、炭素数3〜9の第3級アミンである<1>〜<7>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<9> アルコールが、メタノールである<1>〜<8>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<10> 塩基が、トリエチルアミンである<1>〜<9>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<11> 式(II)で表される化合物を得る工程は、混合物に対し、臭素化剤と塩基とをこの順に添加することにより、式(II)で表される化合物を含む反応液を得る段階と、反応液を濃縮する段階と、濃縮後の反応液に水を添加することにより、式(II)で表される化合物を析出させる段階と、を有する<1>〜<10>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<12> 混合物に対して添加される臭素化剤の量が、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の合計量に対し、0.5モル倍〜5.0モル倍である<1>〜<11>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<13> 混合物に対して添加される塩基の量が、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の合計量に対し、0.5モル倍〜6.0モル倍である<1>〜<12>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<14> 混合物中における、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の総含有量に対するチオシアン酸アルカリ金属塩の含有量が、0.7モル倍〜5.0モル倍である<1>〜<13>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
<15> 混合物中における、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩並びにチオシアン酸アルカリ金属塩の総含有量が、混合物の全量に対し、1質量%〜40質量%である<1>〜<14>のいずれか1つに記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
本発明の態様によれば、5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールを高収率で製造でき、反応再現性に優れた5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法が提供される。
以下、本開示の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法について詳細に説明する。
本明細書中において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法(以下、「本開示の製造方法」ともいう)は、アルコールと、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の少なくとも一方と、チオシアン酸アルカリ金属塩と、を含む混合物に対し、臭素化剤と塩基とをこの順に添加することにより、下記式(II)で表される化合物を得る工程を有する。本開示の製造方法は、必要に応じ、その他の工程を有していてもよい。
下記式(II)で表される化合物は、5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールである。
式(I)及び式(II)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルキルチオ基を表す。
本明細書中では、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の少なくとも一方を、総称し、「特定アミジン」ということがある。
本開示の製造方法によれば、目的物である式(II)で表される化合物を高収率で製造することができる。更に、本開示の製造方法は、反応再現性に優れた製造方法である。
ここで、「反応再現性に優れる」とは、目的物の製造(合成)を複数回行った場合において、ほぼ同様の収率で、安定して目的物が製造(合成)されることを指す。
上記効果が得られる理由は、以下のように推定される。なお、本発明は以下の推定によって限定されるものではない。
即ち、特定アミジン及びチオシアン酸アルカリ金属塩を出発物質とし、これらを含む混合物に臭素化剤及び塩基を添加して式(II)で表される化合物を生成させる反応を効率的に進行させるためには、活性中間体であるアミジン−Br錯体を安定的に生成させることが好ましい。
本発明者等は、In−situ IR(その場赤外線分光)測定により、アミジン−Br錯体の安定性は、アミジン−Br錯体が生成される液体のpHの影響を非常に強く受けることを見出した。
以上の観点から、本開示の製造方法では、アルコールと特定アミジンとチオシアン酸アルカリ金属塩とを含む混合物に対し、臭素化剤と塩基とを同時に添加するのではなく、まず臭素化剤を添加する。これにより、臭素化剤と塩基とを同時に添加する場合と比較して、アミジン−Br錯体が生成される液体のpHが安定し、アミジン−Br錯体が安定的に生成されると考えられる。次に、アミジン−Br錯体が生成された液体に対し、塩基を添加することにより、塩基性条件下において、アミジン−Br錯体とチオシアン酸アルカリ金属塩との反応が効率良く進行し、式(II)で表される化合物(目的物)が高収率で生成されると考えられる。
以上の理由により、本開示の製造方法では、目的物が高収率で得られると考えられる。 更に、本開示の製造方法では、アミジン−Br錯体が安定的に生成されるので、反応再現性が高く維持されると考えられる。
ここで、アルコールと特定アミジンとチオシアン酸アルカリ金属塩とを含む混合物に対し、臭素化剤及び塩基を同時に添加する方法(例えば、前述の文献1に記載された方法)では、本開示の製造方法と比較して、目的物の収率及び反応再現性が低下する。この理由は、混合物に対して臭素化剤及び塩基を同時に添加することにより、アミジン−Br錯体が生成されるべき液体のpHが変動し、アミジン−Br錯体を安定的に生成することができないため、と考えられる。
また、混合物に対して臭素化剤及び塩基を同時に添加した場合には、アミジン−Br錯体が生成されるべき液体のpHが高くなりすぎることがあり、臭素化剤からアミジン−Br錯体が生成される反応よりも、臭素化剤からHBrが生成される反応が優先的となり、アミジン−Br錯体の生成の効率が低下するとも考えられる。
また、アルコールと特定アミジンとチオシアン酸アルカリ金属塩とを含む混合物に対してではなく、アルコールと特定アミジンとを含みチオシアン酸アルカリ金属塩を含まない混合物に対して臭素化剤と塩基とをこの順に添加し、次いでここにチオシアン酸アルカリ金属塩を添加する方法(例えば、前述の文献2に記載された方法)においても、本開示の製造方法と比較して、目的物の収率及び反応再現性が低下する。この理由は明らかではないが、アミジン−Br錯体が短寿命であるために、後からチオシアン酸アルカリ金属塩を添加したのでは、式(II)で表される化合物の生成効率が低下するためと考えられる。
これに対し、本開示の製造方法では、系内に予めチオシアン酸アルカリ金属塩が存在することで、短寿命なアミジン−Br錯体と予め存在しているチオシアン酸アルカリ金属塩との反応が安定的に進行し、その結果、安定的に式(II)で表される化合物が生成されるものと考えられる。
本開示の製造方法において、混合物のpHは、9.0〜11.5であることが好ましい。
混合物のpHが9.0以上であると、アミジン−Br錯体がより安定的に存在することができるので、収率及び反応再現性をより向上させることができる。
混合物のpHが11.5以下であると、臭素化剤からのHBrの生成が抑制され、アミジン−Br錯体の生成の効率がより向上する。従って、混合物のpHが11.5以下であると、収率及び反応再現性をより向上させることができる。
混合物のpHは、9.5〜11.0がより好ましく、10.0〜11.0が特に好ましい。
ここで、混合物のpHは、25℃に調温された混合物のpHを指す。
また、混合物のpHは、臭素化剤及び塩基が添加される前のpHを指す。
本開示の製造方法では、例えば、アルコールと特定アミジンとチオシアン酸アルカリ金属塩とを混合した直後の混合物のpHが9.0〜11.5の範囲外である場合には、混合物に対して酸又は塩基を添加することにより、混合物のpHを9.0〜11.5の範囲に調整し、pHが9.0〜11.5の範囲に調整された混合物に対し、臭素化剤及び塩基をこの順に添加することが好ましい。
pHの調製に用いる酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、スルホン酸等が挙げられる。
pHの調製に用いる塩基としては、後述する、臭素化剤の後に添加される塩基と同様のものが挙げられる。
<式(II)で表される化合物>
まず、本開示の製造方法の目的物である、式(II)で表される化合物(5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾール)について説明する。
式(II)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルキルチオ基を表す。
式(II)中、Rで表される炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(具体的には、n−プロピル基、i−プロピル基)、ブチル基(具体的には、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基)、ペンチル基が挙げられる。
炭素数1〜5のアルキル基としては、収率及び反応再現性の観点から、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(II)中、Rで表される炭素数1〜5のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基(具体的には、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基)、ブチルチオ基(具体的には、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基)、ペンチルチオ基が挙げられる。
炭素数1〜5のアルキルチオ基としては、収率及び反応再現性の観点から、炭素数1〜3のアルキルチオ基が好ましく、メチルチオ基又はエチルチオ基がより好ましく、メチルチオ基が特に好ましい。
式(II)中のRとしては、収率及び反応再現性の観点から、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルキルチオ基が好ましく、メチル基、エチル基、メチルチオ基、又はエチルチオ基がより好ましく、メチル基又はメチルチオ基が特に好ましい。
式(II)で表される化合物は、1,2,4−チアジアゾール環を有する化合物全般(例えばアゾ化合物)の合成中間体又は出発物質として有用である。
<混合物>
次に、本開示の製造方法において、臭素化剤及び塩基が添加される対象物である混合物について説明する。
混合物は、アルコールと、特定アミジンと、チオシアン酸アルカリ金属塩と、を含む。
混合物中におけるアルコールは、反応溶媒としての機能を有する成分である。
混合物は、アルコールを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
アルコールとしては、混合物中の各成分の溶解性の観点から、第1級アルコール(メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール等)が好ましく、炭素数1〜3の第1級アルコールがより好ましく、メタノールが特に好ましい。
混合物中におけるアルコールの含有量は、混合物全量に対し、40質量%〜95質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、60質量%〜80質量%が特に好ましい。
(式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の少なくとも一方)
混合物は、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の少なくとも一方(特定アミジン)を含む。
式(I)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルキルチオ基を表す。
式(I)中のRは、式(II)中のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(I)で表されるアミジン化合物の鉱酸塩としては、式(I)で表されるアミジン化合物の硫酸塩、式(I)で表されるアミジン化合物の塩酸塩、式(I)で表されるアミジン化合物のリン酸塩、等が挙げられ、中でも、式(I)で表されるアミジン化合物の硫酸塩が特に好ましい。
混合物は、特定アミジンを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
また、混合物は、特定アミジンとして、式(I)で表されるアミジン化合物及び式(I)で表されるアミジン化合物の鉱酸塩のいずれか一方のみを含んでいてもよいし、両方を含んでいてもよい。
次に、チオシアン酸アルカリ金属塩について説明する。
チオシアン酸アルカリ金属塩としては、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム等が挙げられ、中でも、チオシアン酸ナトリウムが特に好ましい。
混合物は、チオシアン酸アルカリ金属塩を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
上記混合物中における、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の総含有量に対するチオシアン酸アルカリ金属塩の含有量は、0.7モル倍〜5.0モル倍であることが好ましい。
以下、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の総含有量に対するチオシアン酸アルカリ金属塩の含有量が0.7モル倍〜5.0モル倍であることを、「モル比〔チオシアン酸アルカリ金属塩/特定アミジン〕が0.7〜5.0である」とも表記する。
上記混合物中におけるモル比〔チオシアン酸アルカリ金属塩/特定アミジン〕は、0.7〜5.0であることが好ましく、1.0〜4.0であることがより好ましく、1.5〜3.5であることが更に好ましく、2.0〜3.0であることが特に好ましい。
上記混合物中における、特定アミジン及びチオシアン酸アルカリ金属塩の総含有量は、混合物の全量に対し、1質量%〜40質量%が好ましく、5質量%〜35質量%がより好ましく、5質量%〜35質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%が特に好ましい。
本明細書中において、特定アミジン及びチオシアン酸アルカリ金属塩の総含有量とは、混合物中における式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩並びにチオシアン酸アルカリ金属塩の総含有量を意味する。
より詳細には、特定アミジン及びチオシアン酸アルカリ金属塩の総含有量とは、混合物中に、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩のいずれか一方のみが含まれる場合には、このいずれか一方のみ及びチオシアン酸アルカリ金属塩の総含有量を指し、混合物中に、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の両方が含まれる場合には、この両方及びチオシアン酸アルカリ金属塩の量含有量を意味する。
混合物は、アルコール、特定アミジン、及びチオシアン酸アルカリ金属塩以外のその成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、アルコール以外の溶媒、混合物のpH調整に用いられる酸又は塩基、等が挙げられる。これらの酸及び塩基の具体例は、それぞれ、前述のとおりである。
ここで、アルコール以外の溶媒としては、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、2−ブタノンなどが挙げられる。
但し、混合物中における、アルコール以外の溶媒の含有量は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
<臭素化剤>
本開示の製造方法では、上述の混合物に対し、まず臭素化剤を添加する。
臭素化剤としては、臭素、ブロモジメチルスルホニウムブロミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−ブロモスクシンイミド、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン等が挙げられ、臭素が好ましい。
添加される臭素化剤の量は、アミジン−Br錯体の生成効率の点から、特定アミジンの量に対し、0.5モル倍〜5.0モル倍が好ましく、1.0モル倍〜4.0モル倍がより好ましく、1.5モル倍〜3.5モル倍が更に好ましく、2.0モル倍〜3.0モル倍が特に好ましい。
本明細書中において、「特定アミジンの量」は、混合物中における式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の合計量を意味する。より詳細には、「特定アミジンの量」は、混合物中に、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩のいずれか一方のみが含まれる場合には、このいずれか一方のみの量を指し、混合物中に、式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の両方が含まれる場合には、この両方の合計量を意味する。
また、本開示の製造方法では、収率及び反応再現性をより向上させる観点から、混合物に対し臭素化剤を、滴下の形態で添加することが好ましい。
より好ましくは、混合物に対し臭素化剤を、0.2時間〜5.0時間(より好ましくは0.5時間〜4.0時間、さらに好ましくは1.0時間〜3.0時間、特に好ましくは1.0時間〜2.0時間)かけて滴下する形態である。
また、混合物に対し臭素化剤が添加される時の混合物及び臭素化剤の温度は、−5℃〜10℃が好ましく、0℃〜10℃がより好ましい。
<塩基>
本開示の製造方法では、臭素化剤が添加された後の混合物に対し、塩基を添加する。
塩基としては特に制限はなく、第3級アミン、アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド)等が挙げられる。
中でも、収率及び反応再現性の観点から、第3級アミンが好ましい。
第3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジメチルプロピルアミン、メチルジイソプロピルアミン等が挙げられる。
中でも、収率及び反応再現性の観点から、炭素数3〜9の第3級アミンがより好ましく、炭素数3〜6の第3級アミンがより好ましく、トリエチルアミンが特に好ましい。
添加される塩基の量は、特定アミジンの量に対し、0.5モル倍〜6.0モル倍が好ましく、1.0モル倍〜6.0モル倍がより好ましく、2.0モル倍〜5.5モル倍が更に好ましく、3.0モル倍〜5.0モル倍が特に好ましい。
なお、「特定アミジンの量」の意味については前述のとおりである。
また、本開示の製造方法では、収率及び反応再現性をより向上させる観点から、混合物に対し塩基を、滴下の形態で添加することが好ましい。
より好ましくは、混合物に対し臭素化剤を、0.2時間〜5.0時間(より好ましくは0.5時間〜4.0時間、さらに好ましくは1.0時間〜3.0時間、特に好ましくは1.0時間〜2.0時間)かけて滴下する形態である。
また、臭素化剤が添加された後の混合物に対し、塩基が添加される時の、混合物、臭素化剤、及び塩基の温度は、−5℃〜+10℃が好ましく、0℃〜+10℃がより好ましい。
本開示の製造方法では、上記のように、混合物に対して臭素化剤及び塩基を順次添加することにより、式(II)で表される化合物を生成させる反応を行う。
反応時間は、好ましくは0.2〜5.0時間、より好ましくは0.5時間〜4.0時間、更に好ましくは1.0時間〜3.0時間、特に好ましくは1.5時間〜2.5時間である。
反応温度は、−5℃〜+10℃が好ましく、0℃〜+10℃がより好ましい。
上記反応の停止は、反応液に対し亜硫酸ナトリウム及び水の混合液を加える方法等、公知の方法によって行うことができる。
本開示の製造方法において、式(II)で表される化合物を得る工程は、混合物に対し、臭素化剤と塩基とをこの順に添加することにより、式(II)で表される化合物を含む反応液を得る段階と、反応液に水を添加することにより、式(II)で表される化合物を析出させる段階と、を有することが好ましい。
これにより、反応液からの式(II)で表される化合物(目的物)の取り出しがより容易となる。
式(II)で表される化合物を析出させる段階は、反応液に水を添加し、水が添加された反応液を例えば0℃〜10℃に冷却することにより、式(II)で表される化合物を析出させる段階であることがより好ましい。
本開示の製造方法において、式(II)で表される化合物を得る工程は、混合物に対し、臭素化剤と塩基とをこの順に添加することにより、式(II)で表される化合物を含む反応液を得る段階と、反応液を濃縮する段階と、濃縮後の反応液に水を添加することにより、式(II)で表される化合物を析出させる段階と、を有することが好ましい。
式(II)で表される化合物を得る工程が反応液を濃縮する段階を有することにより、収率及び反応再現性(特に、反応再現性)が更に向上する。
式(II)で表される化合物を得る工程が反応液を濃縮する段階を有する場合においても、式(II)で表される化合物を析出させる段階は、濃縮後の反応液に水を添加し、水が添加された反応液を例えば0℃〜10℃に冷却することにより、式(II)で表される化合物を析出させる段階であることがより好ましい。
濃縮は、減圧条件下で溶媒(本開示の製造方法では主としてアルコール)を留去する通常の方法によって行うことができる。
溶媒を留去する時の反応液の温度は、20℃〜80℃が好ましく、30℃〜70℃がより好ましく、40℃〜60℃が特に好ましい。
また、濃縮後の混合物に添加される水の温度は、20℃〜80℃が好ましく、30℃〜70℃がより好ましく、40℃〜60℃が特に好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下において、「%」は、特に断りが無い限り、「質量%」を指す。
〔実施例1〕
アルコールと特定アミジンとチオシアン酸アルカリ金属塩とを含む混合物に対し、臭素化剤と塩基とをこの順に滴下することにより、5−アミノ−3−メチルチオ−1,2,4−チアジアゾールの合成を行った。この合成は2回行った。以下、詳細を示す。
<1回目の合成>
メタノール100mLに対し、室温で、アミジンAの硫酸塩13.9g(0.05mol)を加え、トリエチルアミン15.4mL(0.11mol)を加えた。得られた溶液に、チオシアン酸ナトリウム10.5g(0.13mol)を室温で添加することにより混合物を得た。
ここで、アミジンAは、式(I)中のRがメチルチオ基であるアミジン化合物である。また、アミジンAの硫酸塩は、特定アミジンの一例である。
次に、上記混合物に対し、まず、内温5℃で臭素化剤として臭素(19.2g、0.12mol)を滴下し、次いで、同じく内温5℃で塩基としてトリエチルアミン26.4mL(0.19mol)を滴下した。
得られた溶液を5℃で2時間攪拌し、次いで亜硫酸ナトリウム(1.9g)/水10mLを滴下して反応を停止した。その後、内温5℃で水500mLを添加し、減圧条件下溶媒留去した(−90kPa、内温50℃)。その後、内温50℃で水を滴下し、滴下後5℃に冷却して30分間撹拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶をろ取し、水50mLで2回洗浄することにより、白黄色結晶10.3g(収率70%)を得た。
得られた白黄色結晶を、下記条件の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、及びNMRによって分析した結果、得られた白黄色結晶は、式(II)で表される化合物である、5−アミノ−3−メチルチオ−1,2,4−チアジアゾール(以下、「MSTY」ともいう)であることが確認された。
(HPLC分析条件)
−反応追跡条件−
・カラム: 東ソー(株)製 TSKgel(登録商標) ODS−80TM(カラムサイズ4.6mmI.D.×25cm)
・流速: 1mL/min
・検出波長: 230nm
・カラム温度: 40℃
・A液: 超純水/メタノール=9/1(体積比、酢酸0.1体積%及びトリエチルアミン0.1体積%を含む)
・B液: 超純水/メタノール=1/9(体積比、酢酸0.1体積%及びトリエチルアミン0.1体積%を含む)
・グラジエント条件: 0.1min(A液/B液=80/20(体積比))→10.0min(A液/B液=80/20(体積比))→40.0min(A液/B液=0/100(体積比))→45min(A液/B液=0/100(体積比))→45min(stop)
・保持時間(retention time): アミジンA;2.94min,NaSCN;3.41min,MSTY;11.0min
−結晶の分析条件−
・カラム: 東ソー(株)製 TSKgel(登録商標) ODS−80TM(カラムサイズ4.6mmI.D.×25cm)
・流速: 1mL/min
・検出波長: 254nm
・カラム温度: 40℃
・A液: 超純水(酢酸0.1体積%及びトリエチルアミン0.1体積%を含む)
・B液: アセトニトリル(酢酸0.1体積%及びトリエチルアミン0.1体積%を含む)
・グラジエント条件: 0.01min(A液/B液=80/20(体積比))→65.0min(A液/B液=10/90(体積比))→75.00min(A液/B液=0/100(体積比))→75.01min(A液/B液=80/20(体積比))→90.00min(A液/B液=80/20(体積比))→90.01min(stop)
・保持時間(retention time): MSTY;5.14min、不明不純物;15.72min
(NMR測定結果: 400MHz,CDCl
5.7(brs,2H),2.6(s,3H).
(混合物のpHの測定)
臭素化剤(臭素)が滴下される前の混合物のpH(25℃)を、pHメーターを用いて測定した。結果を表1に示す。
(アミジン−Br錯体の生成の確認)
上記混合物に対して臭素及びトリエチルアミンを順次滴下する全過程において、下記条件のIn situ IR検証実験を行うことにより、活性中間体であるアミジン−Br錯体の生成を確認し、下記判断基準に従って判断した。結果を表1に示す。
なお、下記判断基準において、「最大値」とは、実施例1の1回目及び2回目、実施例2の1回目及び2回目、並びに実施例3の1回目及び2回目の中での、アミジン−Br錯体由来のピークの総面積の最大値を指す。
−In situ IR検証実験の条件−
・装置名:ReactIRTM iC10(メトラー・トレド社製)
・プローブ:DiCompTM(6mm、ダイヤモンド、メトラー・トレド社製)
・測定間隔:2分
−判断基準−
A:アミジン−Br錯体由来のピークの総面積が最大値に対して、70%以上100%以下であり、活性中間体であるアミジン−Br錯体の生成が確認された。
B:アミジン−Br錯体由来のピークの総面積が最大値に対して、30%以上70%未満であり、活性中間体であるアミジン−Br錯体の生成が確認された。
C:アミジン−Br錯体由来のピークの総面積が最大値に対して0%以上30%未満であった。
<2回目の合成>
1回目の合成と同様の手順により、2回目の合成を行った。
収率、アミジン−Br錯体の生成の確認結果、及び生成物の色を表1に示す。
<反応再現性の評価>
1回目の合成の収率及び2回目の合成の収率に基づき、下記評価基準に従って、反応再現性を評価した。
−反応再現性の評価基準−
A: 1回目の合成の収率と2回目の合成の収率との差が3%以内であり、反応再現性に優れていた。
B: 1回目の合成の収率と2回目の合成の収率との差が3%を超えており、反応再現性に劣っていた。
〔実施例2〕
実施例1において、混合物を得る段階で加えたトリエチルアミン15.4mL(0.11mol)及び混合物に対して臭素の次に滴下したトリエチルアミン26.4mL(0.19mol)を、それぞれ、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液21.2mL(0.11mol)及び28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液36.7mL(0.19mol)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
実施例1において、アミジンAの硫酸塩を、同じモル数のアミジンBの硫酸塩に変更することにより、式(II)中のRがメチル基である化合物を合成したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
アミジンBは、式(I)におけるRがメチル基であるアミジン化合物である。
〔比較例1〕
アルコールと特定アミジンとチオシアン酸アルカリ金属塩とを含む混合物に対し、臭素化剤及び塩基を同時に滴下することにより、5−アミノ−3−メチルチオ−1,2,4−チアジアゾールの合成を行った。この合成は2回行った。以下、詳細を示す。
<1回目の合成>
メタノール100mLに対し、室温で、アミジンAの硫酸塩13.9g(0.05mol)を加え、トリエチルアミン15.4mL(0.11mol)を加えた。得られた溶液に、チオシアン酸ナトリウム10.5g(0.13mol)を室温で添加することにより混合物を得た。
得られた混合物に対し、内温5℃で、トリエチルアミン14mL(0.1mol)と臭素16.3g(0.102mol)とを同時に滴下した。得られた溶液を室温にて2時間攪拌し、反応液とした。得られた反応液を冷水1000mLに添加し、30分攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶をろ取し、水で十分洗浄し、乾燥させることにより、黄色結晶5.1g(収率35%)を得た。
得られた黄色結晶について、実施例1と同様にして分析を行ったところ、得られた黄色結晶は、5−アミノ−3−メチルチオ−1,2,4−チアジアゾール(MSTY)であることが確認された。
また、上記合成過程において、実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
<2回目の合成>
1回目の合成と同様の手順により、2回目の合成を行った。
収率、アミジン−Br錯体の生成の確認結果、及び生成物の色を表1に示す。
<反応再現性の評価>
1回目の合成の収率及び2回目の合成の収率に基づき、実施例1と同様にして反応再現性の評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
比較例1において、トリエチルアミンと臭素とを同時に滴下した後の操作を、下記の操作に変更したこと以外は比較例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
−トリエチルアミンと臭素とを同時に滴下した後の操作(比較例2)−
トリエチルアミンと臭素とを同時に滴下して得られた溶液を5℃で2時間攪拌し、次いで亜硫酸ナトリウム(1.9g)/水10mLを滴下して反応を停止した。その後、内温5℃で水500mLを添加し、減圧条件下溶媒留去した(−90kPa、内温50℃)。その後、内温50℃で水を滴下し、滴下後5℃に冷却して30分間撹拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶をろ取し、水50mLで2回洗浄することにより、黄色結晶を得た。
〔比較例3〕
アルコールと特定アミジンとを含む混合物に対し、臭素化剤と塩基とをこの順に滴下し、次いでシアン酸アルカリ金属塩を添加することにより、5−アミノ−3−メチルチオ−1,2,4−チアジアゾールの合成を行った。この合成は2回行った。以下、詳細を示す。
<1回目の合成>
メタノール100mLを5℃に冷却し、ここに、アミジンAの硫酸塩13.9g(0.05mol)及びトリエチルアミン15.4mL(0.11mol)を内温5℃で添加して混合物を得た。得られた溶液に対し、内温5℃で、臭素16.3g(0.102mol)とトリエチルアミン14mL(0.1mol)とをこの順に滴下した。
得られた溶液に対し、内温5℃でチオシアン酸ナトリウム10.5g(0.13mol)を加えた。
得られた溶液を5℃で2時間攪拌し、次いで亜硫酸ナトリウム(1.9g)/水10mLを滴下して反応を停止した。その後、内温5℃で水500mLを添加し、減圧条件下溶媒留去した(−90kPa、内温50℃)。その後、内温50℃で水を滴下し、滴下後5℃に冷却して30分間撹拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶をろ取し、水50mLで2回洗浄することにより、黄色結晶を得た。
得られた黄色結晶について、実施例1と同様にして分析を行ったところ、得られた黄色結晶は、5−アミノ−3−メチルチオ−1,2,4−チアジアゾール(MSTY)であることが確認された。
また、上記合成過程において、実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
<2回目の合成>
1回目の合成と同様の手順により、2回目の合成を行った。
収率、アミジン−Br錯体の生成の確認結果、及び生成物の色を表1に示す。
表1に示すように、アルコールと特定アミジンとチオシアン酸アルカリ金属塩とを含む混合物に対し、臭素化剤と塩基とをこの順に添加した実施例1〜3では、高収率で、かつ、反応再現性よく、生成物(目的物:5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾール)を得ることができた。
これに対し、アルコールと特定アミジンとチオシアン酸アルカリ金属塩とを含む混合物に対し、臭素化剤と塩基とを同時に添加した比較例1及び2では、収率及び反応再現性が低下した。
また、チオシアン酸アルカリ金属塩を、臭素化剤及び塩基の添加よりも後に添加した比較例3でも、収率及び反応再現性が低下した。
2014年10月2日に出願された日本国特許出願2014−204007の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (15)

  1. アルコールと、下記式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の少なくとも一方と、チオシアン酸アルカリ金属塩と、を含む混合物に対し、臭素化剤と塩基とをこの順に添加することにより、下記式(II)で表される化合物を得る工程を有する5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。

    式(I)及び式(II)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルキルチオ基を表す。
  2. 前記混合物のpHが、9.0〜11.5である請求項1に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  3. 前記アルコールが、第1級アルコールである請求項1又は請求項2に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  4. 前記臭素化剤が、臭素である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  5. 前記塩基が、第3級アミンである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  6. 前記式(I)及び前記式(II)中のRが、メチル基又はメチルチオ基である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  7. 前記アルコールが、炭素数1〜3の第1級アルコールである請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  8. 前記塩基が、炭素数3〜9の第3級アミンである請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  9. 前記アルコールが、メタノールである請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  10. 前記塩基が、トリエチルアミンである請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  11. 前記式(II)で表される化合物を得る工程は、
    前記混合物に対し、前記臭素化剤と前記塩基とをこの順に添加することにより、前記式(II)で表される化合物を含む反応液を得る段階と、
    前記反応液を濃縮する段階と、
    濃縮後の反応液に水を添加することにより、前記式(II)で表される化合物を析出させる段階と、
    を有する請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  12. 前記混合物に対して添加される前記臭素化剤の量が、前記式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の合計量に対し、0.5モル倍〜5.0モル倍である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  13. 前記混合物に対して添加される前記塩基の量が、前記式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の合計量に対し、0.5モル倍〜6.0モル倍である請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  14. 前記混合物中における、前記式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩の総含有量に対する前記チオシアン酸アルカリ金属塩の含有量が、0.7モル倍〜5.0モル倍である請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
  15. 前記混合物中における、前記式(I)で表されるアミジン化合物及びその鉱酸塩並びに前記チオシアン酸アルカリ金属塩の総含有量が、前記混合物の全量に対し、1質量%〜40質量%である請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の5−アミノ−3置換−1,2,4−チアジアゾールの製造方法。
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