JPWO2016052352A1 - ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

熱可塑性ポリウレタンと、ケテンイミン化合物とを含有するポリウレタン樹脂組成物、及び、熱可塑性ポリウレタンと、ケテンイミン化合物とを含有するポリウレタン樹脂組成物を用いて成形されたポリウレタン樹脂成形体。

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂成形体に関する。
ポリウレタンは、機械的特性、耐摩耗性、弾性回復率、耐屈曲性などの諸特性に優れ、溶融成型が可能であるため、合成ゴムやプラスチックの代替素材として様々な用途に用いられている。
更に、ポリウレタンは、シーリング材や断熱材などのウレタンフォーム、靴製品、バンパーやヘッドレストなどの自動車部品用途等、昨今の使用用途の拡大により、材料としての耐熱性や耐加水分解安定性、耐摩耗性の更なる向上が求められている。
例えば、特開2011−246550号公報では、ポリウレタンの合成時に環状カルボジイミドを添加することで耐加水分解性及び耐熱性が向上したポリウレタンを製造することが提案されている。
しかし、特開2011−246550号公報に開示されているようにポリウレタンの合成時に環状カルボジイミドを添加する方法では、市販品のポリウレタンの改良にはつながらず、汎用的な方法ではい。
また、ポリウレタンは熱分解するため、高温での成形は難がある。例えばポリウレタン樹脂を用いて射出成形する場合、高温の場合でもスクリュー部は220℃以下で行われ、一部先端(ノズル)では230℃程度である。そのため、仮に市販品のポリウレタンを用いて成形する際に環状カルボジイミドを添加した場合、ポリウレタンの成形温度は通常は220℃未満であるのに対し、環状カルボジイミドの融点は、通常230〜250℃と高温であるため、反応し難く、耐熱性等の向上効果は小さい。
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、汎用のポリウレタンを用いても、耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性に優れたポリウレタン樹脂成形体を製造することができるポリウレタン樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、汎用のポリウレタンを用いても、耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性に優れたポリウレタン樹脂成形体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、例えば、以下のポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂成形体が提供される。
<1> 熱可塑性ポリウレタンと、ケテンイミン化合物とを含有するポリウレタン樹脂組成物。
<2> ケテンイミン化合物が、下記一般式(1)で表されるケテンイミン化合物である<1>に記載のポリウレタン樹脂組成物。
一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシル基又は置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。
<3> 一般式(1)において、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基である<2>に記載のポリウレタン樹脂組成物。
<4> ケテンイミン化合物が、下記一般式(2)で表されるケテンイミン化合物である<1>に記載のポリウレタン樹脂組成物。
一般式(2)中、Rは単結合又はm価の連結基を表し、mは2〜4の整数を表す。Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシル基又は置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。
<5> 一般式(2)において、Rが置換基を有してもよいアルキル基から水素原子を除いたm価の基又は置換基を有してもよいアリール基から水素原子を除いたm価の基であり、Rが置換基を有してもよいアリール基であり、Rが置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基である<4>に記載のポリウレタン樹脂組成物。
<6> ケテンイミン化合物が、下記一般式(3)で表されるケテンイミン化合物である<1>に記載のポリウレタン樹脂組成物。
一般式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシル基又は置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基を表す。Rは単結合又はn価の連結基を表し、nは2〜4の整数を表す。
<7> 一般式(3)において、Rが置換基を有してもよいアリール基であり、Rが置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基であり、Rが置換基を有してもよいアリール基から水素原子を除いたn価の基である<6>に記載のポリウレタン樹脂組成物。
<8> 熱可塑性ポリウレタン100質量部に対して、ケテンイミン化合物を0.05質量部〜3質量部含有する<1>〜<7>のいずれか1つに記載のポリウレタン樹脂組成物。
<9> 熱可塑性ポリウレタン100質量部に対して、ケテンイミン化合物を0.1質量部〜2質量部含有する<8>に記載のポリウレタン樹脂組成物。
<10> ケテンイミン化合物の融点が200℃以下である<1>〜<9>のいずれか1つに記載のポリウレタン樹脂組成物。
<11> 熱可塑性ポリウレタンが、ポリエステル系ポリウレタンである<1>〜<10>のいずれか1つに記載のポリウレタン樹脂組成物。
<12> <1>〜<11>のいずれか1つに記載のポリウレタン樹脂組成物を用いて成形されたポリウレタン樹脂成形体。
本発明によれば、汎用のポリウレタンを用いても、耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性に優れたポリウレタン樹脂成形体を製造することができるポリウレタン樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、汎用のポリウレタンを用いても、耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性に優れたポリウレタン樹脂成形体が提供される。
以下、本発明に係るポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂成形体の一形態について具体的に説明する。なお、以下の説明において数値範囲を表す「〜」は下限値及び上限値として記載されている数値を含む範囲を意味する。
<ポリウレタン樹脂組成物>
本開示のポリウレタン樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタン(以下、単に「ポリウレタン」と記す場合がある。)と、ケテンイミン化合物(以下、「ケテンイミン」と記す場合がある。)とを含有する。本開示のポリウレタン樹脂組成物は、汎用のポリウレタンを用いても、耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性に優れたポリウレタン樹脂成形体を製造することができる。その理由は、以下のように推察される。
本開示のポリウレタン樹脂組成物から成形体を製造する際、ケテンイミンとポリウレタンとが結合し、ポリウレタンを架橋又は鎖延長することで分子量が増大する。これにより、耐熱性、耐摩耗性及び耐加水分解性が向上する。
なお、ポリウレタンは、主に、ポリエステル系ポリオールを原料とするポリエステル系ポリウレタンと、ポリエーテル系ポリオールを原料とするポリエーテル系ポリウレタンに大別される。ポリエステル系ポリウレタンは、原料のポリエステルポリオールに微量のカルボン酸が含まれており、また、溶融成形時にポリエステル部が熱分解してカルボキシ基を生じるが、ケテンイミン化合物がカルボキシ基を封止するため、耐加水分解性がさらに向上すると考えられる。一方、ポリエーテル系ポリウレタンは、カルボキシ基由来の構造を含まないが、溶融成形時に熱分解して生成したアルコール部分同士をケテンイミン化合物が連結し、ポリウレタンの分子量を増大するため耐加水分解性が向上すると考えられる。
また、ケテンイミンが複数のケテンイミン基を有する場合、後述する一般式(2)で表されるように複数のケテンイミン基がNで連結した構造を有するもの(N連結ケテンイミン)と、後述する一般式(3)で表されるように複数のケテンイミン基がCで連結した構造を有するもの(C連結ケテンイミン)が存在する。そして、N連結ケテンイミンはカルボン酸同士を連結し、分子量をより増大させることで耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性がより向上し、C連結ケテンイミンはカルボン酸と反応して生成するケテンがアルコール同士を連結し、分子量をより増大させることで耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性がより向上すると考えられる。
(熱可塑性ポリウレタン)
本開示で用いる熱可塑性ポリウレタンは、分子構造中にウレタン基(−NHCOO−)を有するゴム状弾性体であり、ウレタンゴム又はウレタン樹脂とも呼ばれる。
熱可塑性ポリウレタンは、一般的に、長鎖グリコール(ポリオール)とポリイソシアネートと短鎖グリコール(鎖延長剤)との重付加反応によって構成される。
本開示で用いるポリウレタンのタイプは特に限定されず、ポリエステル系ポリウレタンでもよいし、ポリエーテル系ポリウレタンでもよい。
特にポリエステル系ポリウレタンは、原料のポリエステルポリオールに微量のカルボン酸が含まれており、また、成形中又は湿熱中にポリエステル部が熱分解し、カルボン酸が生成する。カルボン酸は加水分解の触媒として作用するため、ポリエステル系ポリウレタンは加水分解性し易いが、ケテンイミンがカルボン酸を成形中及び湿熱中に封止すると考えられる。そのため、本開示のポリウレタン樹脂組成物は、ポリウレタンとしてポリエステル系ポリウレタンを含む場合に耐加水分解性を顕著に向上させることができる。
本開示では、市販の熱可塑性ポリウレタンを好適に用いることができる。市販の熱可塑性ポリウレタンとしては、例えば、ミラクトラン(登録商標)E580(ポリエステル系ポリウレタン、日本ポリウレタン社製)、ミラクトラン(登録商標)E180(ポリエステル系ポリウレタン、日本ポリウレタン社製)、ミラクトラン(登録商標)E380(ポリエーテル系ポリウレタン、日本ポリウレタン社製)等が挙げられる。
また、本開示で用いる熱可塑性ポリウレタンは合成して得てもよい。本開示で用いる熱可塑性ポリウレタンの製造方法は特に限定されず、公知の方法が好適に適用される。例えば、ポリオール成分、鎖延長剤成分及びポリイソシアネート成分を同時に混合攪拌する方法(ワンショット法)、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とから形成されたプレポリマーに鎖延長剤を添加し、混合攪拌する方法(プレポリマー法)等が例示される。
末端活性水素を有する長鎖グリコールであるポリオール成分としては、特に限定無く、公知のポリオール成分が例示される。すなわち分子量が、好ましくは500〜6000、より好ましくは1000〜3000である、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系、アクリル系、シリコーン系、1,4−ポリブタジエン系、1,2−ポリブタジエン系、フェノーリック系、ひまし油系等の各種ポリオール、難燃性ポリオール等が例示される。
ポリエステル系ポリオールとしては、一般にカプロラクトン系、アジペート系、コポリエステル系のもの等が好んで用いられ、具体的には例えば、ポリカプロラクトン、ポリカーボネートポリオール、あるいは、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール等のポリオールとの縮合反応生成物等が例示される。
ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール系ポリオール、ポリエチレングリコール系グリコール又はそれらのエチレンオキサイド変性物、アミン変性物、あるいはポリオキシテトラメチレングリコール等が例示される。これらは単独で使用することもできるが、所望により複数種を組合せて使用することもできる。
これらのポリオール成分は、ポリオール成分と、鎖延長剤と、ポリイソシアネート成分との合計を基準にして、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜70質量%の割合で用いられる。ポリオール成分が30質量%以上用いられると成形性の低下が抑制され、一方、90質量%以下の割合で用いられると耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性の低下が抑制される。
本開示で使用することができるイソシアネート成分としては、特に限定無く、公知のポリイソシアネート類が例示できる。
具体的には例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族系ジイソシアネート又はキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネートが例示できる。これらは単独で使用してもよいし、複数種を組合せて使用してもよい。
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分と、鎖延長剤との合計量を基準にして、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは15〜40質量%の割合で用いられる。上記合計量に対するイソシアネート成分の配合量を70質量%以下とすることで成形性の低下が抑制され、一方5質量%以上とすることで、耐熱性、耐加水分解安定性、耐圧縮永久歪特性の低下が抑制される。
鎖延長剤としては、特に限定無く、公知の鎖延長剤が例示される。具体的には例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ブタンジオール、p−フェニレンジ(β−ヒドロキシエチル)エーテル、p−キシリレングリコール、グリセリンモノアリルエーテル、ジメチロールジヒドロピラン等のグリコール、エチレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジエチルトルイレンジアミン等のジアミン又は水等の少なくとも一種が用いられる。
ポリウレタンの製造に触媒を用いることもできる。ポリウレタンの製造に用いる触媒としては、特に限定無く、公知の触媒系を好適に使用することができる。具体的には例えば、錫系、鉛系、鉄系、チタン系等の有機金属化合物やアミン系化合物が例示される。さらに具体的には、例えば、オクチル酸スズ(II)、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマーカプチド、オクテン酸鉛などが例示され、アミン系触媒としては、例えばトリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、ジフェニルアミン、ジナフチルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N−メチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル等の非特許文献、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治編(日刊工業新聞社)昭和62年9月25日)に記載された化合物等が例示される。
これらの触媒は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分及び鎖延長剤よりなるポリウレタン原料の合計量100質量部当り、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜3質量部の割合で用いられる。触媒の添加量が0.5質量部以上であれば、耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性の改善効果が見られ、一方10質量部以下であれば、発泡したりあるいは強度、伸び等の機械的特性が低下することが抑制される。
以上の各成分を用いてのポリウレタン化反応は、例えば、ワンショット法又はプレポリマー法で行われる。ワンショット法では各成分と同時に、またプレポリマー法ではプレポリマー生成段階で、それぞれウレタン化触媒が添加され、プレポリマー法ではその後鎖延長剤を添加して反応させる。
各成分が混合攪拌されてポリウレタン化反応が進行し、反応生成物は加熱熟成、粉砕、造粒されることで、本開示で用いる熱可塑性ポリウレタンのペレットが得られる。
(ケテンイミン化合物)
本開示で用いるケテンイミン化合物は、ケテンイミン基を少なくとも1つ有する化合物であり、例えば、J.Am.Chem.Soc.,1953,75(3),pp657−660記載の方法などを参考にして合成することができる。
本開示で用いるケテンイミン化合物として、例えば下記一般式(1)で表されるケテンイミン化合物が挙げられる。
一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシル基又は置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。
一般式(1)で表されるケテンイミン化合物であれば合成が容易であり、入手し易い。
及びRで表されるアルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましい。なお、R及びRが表すアルキル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。R及びRが表すアルキル基は直鎖であっても分枝であっても環状であってもよい。
及びRが表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、シクロヘキシル基、などを挙げることができる。中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、又はシクロヘキシル基がより好ましい。
及びRで表されるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましい。なお、R及びRが表すアリール基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。R及びRが表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができ、フェニル基が特に好ましい。
及びRで表されるアルコキシ基は、炭素数1〜20のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアルコキシ基であることが特に好ましい。なお、R及びRが表すアルコキシ基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。R及びRが表すアルコキシ基は直鎖であっても分枝であっても環状であってもよい。R及びRが表すアルコキシ基の好ましい例としては、R及びRが表すアルキル基の末端に−O−が連結した基を挙げることができる。
及びRで表されるアルコキシカルボニル基は、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基であることが好ましく、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基であることが特に好ましい。なお、R及びRが表すアルコキシカルボニル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。R及びRが表すアルコキシカルボニル基のアルコキシ部としては、上述したアルコキシ基の例を挙げることができる。
及びRで表されるアミノカルボニル基は、炭素数1〜20のアルキルアミノカルボニル基、又は、炭素数6〜20のアリールアミノカルボニル基であることが好ましい。なお、R及びRが表すアルキルアミノカルボニル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。
アルキルアミノカルボニル基のアルキルアミノ部の好ましい例としては、R及びRが表すアルキル基の末端に−NH−が連結した基を挙げることができる。
炭素数6〜20のアリールアミノカルボニル基のアリールアミノ部の好ましい例としては、R及びRが表すアリール基の末端に−NH−が連結した基を挙げることができる。
及びRで表されるアリールオキシ基は、炭素数6〜20のアリールオキシ基であることが好ましく、炭素数6〜12のアリールオキシ基であることがより好ましい。なお、R及びRが表すアリールオキシ基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。R及びRが表すアリールオキシ基のアリール部としては、上述したアリール基の例を挙げることができる。
及びRで表されるアシル基は、炭素数2〜20のアシル基であることが好ましく、炭素数2〜12のアシル基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアシル基であることが特に好ましい。なお、R及びRが表すアシル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。
及びRで表されるアリールオキシカルボニル基は、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基であることが好ましく、炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基であることがより好ましい。なお、R及びRが表すアリールオキシカルボニル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。R及びRが表すアリールオキシカルボニル基のアリール部としては、上述したアリール基の例を挙げることができる。
上述したR及びRで表される各基は、置換基を有していてもよい。置換基は、ケテンイミン基とカルボキシ基との反応を妨げない限り、特に制限されることはない。また、置換基は、ケテンイミン基を含んでいてもよく、複数のケテンイミン基を含んでいてもよい。
さらに、一般式(1)で表されるケテンイミン化合物においてR、R又はRが連結となって連結基以外の構造部分が繰り返し単位として含まれていてもよい。例えば、本開示で用いるケテンイミン化合物は、一般式(1)のRとRがそれぞれ2価の連結基となった繰り返し単位が鎖状又は環状に連結したものや、一般式(1)のRとRがそれぞれ2価の連結基となった繰り返し単位が鎖状又は環状に連結したものであってもよい。
は置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。
で表されるアルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましい。なお、Rで表されるアルキル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。Rが表すアルキル基は直鎖であっても分枝であっても環状であってもよい。Rが表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、シクロヘキシル基、などを挙げることができる。中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、又はシクロヘキシル基がより好ましい。
で表されるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましい。Rで表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができ、フェニル基が特に好ましい。
、R、Rで表される各基は、置換基を有していてもよい。置換基は、ケテンイミン基とカルボキシ基との反応を妨げない限り、特に制限されることはない。R、R、Rで表される各基の置換基として具体的には、アルキル基(メチル基等)、アリール基(フェニル基等)、アルコキシ基(メトキシ基等)などが挙げられる。
入手容易性の観点から、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基であることが好ましい。
本開示で用いられるケテンイミン化合物として、下記一般式(2)で表されるケテンイミン化合物も挙げられる。

一般式(2)中、Rは単結合又はm価の連結基を表し、mは2〜4の整数を表す。Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシル基又は置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。
一般式(2)中、Rは、一般式(1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2)中、Rは、一般式(1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2)中、Rは、単結合又はm価の連結基を表し、mは2〜4の整数を表す。Rはケテンイミン基の他に置換基を有していてもよく、置換基は、ケテンイミン基とカルボキシ基との反応を妨げない限り、特に制限されることはない。Rで表される連結基のケテンイミン基以外の置換基としては、例えば、アルキル基(メチル基等)、アリール基(フェニル基等)、アルコキシ基(メトキシ基等)などが挙げられる。
また、RとR、又は、RとR若しくはRは、互いに連結するものであってもよい。
入手容易性の観点から、Rが置換基を有してもよいアルキル基から水素原子を除いたm価の基又は置換基を有してもよいアリール基から水素原子を除いたm価の基であり、Rが置換基を有してもよいアリール基であり、Rが置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基であることが好ましい。
で表される二価の連結基の具体例としては、例えば、−NR−(Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される基、−SO−、−CO−、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルケニレン基、アルキニレン基、置換若しくは無置換のフェニレン基、置換若しくは無置換のビフェニレン基、置換若しくは無置換のナフチレン基、−O−、−S−及び−SO−並びにこれらを2つ以上組み合わせた基が挙げられる。
で表される三価の連結基の具体例としては、例えば、二価の連結基の例として挙げた連結基のうち置換基を有するものから1つの水素原子を取り除いた基が挙げられる。
で表される四価の連結基の具体例としては、例えば、二価の連結基の例として挙げた連結基のうち置換基を有するものから2つの水素原子を取り除いた基が挙げられる。
一般式(2)で表されるケテンイミン化合物は、ケテンイミン基を一分子中に2個以上有する化合物であり、耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性をより向上させる効果(以下、「耐熱性等の向上効果」と記す。)を発揮することができる。また、ケテンイミン基を一分子中に2個以上有する化合物とすることにより、ケテンイミン基当たりの分子量を低くすることができ、効率良くケテンイミン化合物とポリウレタンのカルボキシ基とを反応させることができる。
一般式(2)中、mを2〜4とすることにより、ケテンイミン基は一分子中に2〜4個含まれることとなり、ケテンイミン化合物はより優れた耐熱性等の向上効果を発揮することができる。
また、一般式(2)中、mは2または3であることがより好ましく、増粘の抑制及び合成のしやすさの観点から、mが2であることがさらに好ましい。
本開示で用いられるケテンイミン化合物として、下記一般式(3)で表されるケテンイミン化合物も挙げられる。
一般式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシル基又は置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基を表す。Rは単結合又はn価の連結基を表し、nは2〜4の整数を表す。
一般式(3)中、Rは、一般式(1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(3)中、Rは、一般式(1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
なお、R又はRで表される各基の置換基としては、例えば、アルキル基(メチル基等)、アリール基(フェニル基等)、アルコキシ基(メトキシ基等)などが挙げられる。
一般式(3)中、Rは、単結合又はn価の連結基を表し、nは2〜4の整数を表す。Rはケテンイミン基の他に置換基を有していてもよく、置換基は、ケテンイミン基とカルボキシ基との反応を妨げない限り、特に制限されることはない。
がn価の連結基を表す場合、一般式(2)においてRで表されるm価の連結基と同義であり、好ましい範囲も同義である。
また、RとR、又は、RとR若しくはRは、互いに連結するものであってもよい。
入手容易性の観点から、一般式(3)において、Rが置換基を有してもよいアリール基であり、Rが置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基であり、Rが置換基を有してもよいアリール基から水素原子を除いたn価の基であることが好ましい。
本開示のポリウレタン樹脂組成物に含まれるケテンイミン化合物は、本開示のポリウレタン樹脂組成物を用いて成形する際に溶融してポリウレタンと反応することで耐加水分解性等の向上効果を発揮する。ポリウレタンの成形温度は通常は220℃未満であるため、本開示で用いるケテンイミン化合物の融点は200℃以下であることが好ましく、190℃以下であることがより好ましい。
また、本開示で用いるケテンイミン化合物の分子量は特に限定されないが、ポリウレタンの分子量を増大させて耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性を向上させる観点から、300以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましく、450以上であることがさらに好ましい。
また、一分子中のケテンイミン基の数に対するケテンイミン化合物のモル分子量(モル分子量/ケテンイミン基の数)は、1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、400以下であることがさらに好ましい。本開示では、ケテンイミン基の数に対するケテンイミン化合物のモル分子量を上記範囲内とすることにより、ポリウレタンの末端カルボキシ基の封止を低添加量のケテンイミン化合物にて行うことができ、ポリウレタン樹脂成形体の耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性を一層向上させることができる。
本開示で用いるケテンイミン化合物の具体例として以下に例示化合物を示すが、本開示で用いるケテンイミン化合物はこれらに限定されない。
本開示で用いるケテンイミン化合物は、耐熱性等の向上効果を高め、且つ、増粘を抑制する観点から、一般式(2)又は一般式(3)で表されるケテンイミン化合物のように2官能以上4官能以下であることが好ましく、2官能又は3官能であることがより好ましく、2官能であることがさらに好ましい(増粘の抑制及び合成のしやすさの観点)。2官能以上のケテンイミン化合物を用いることにより、耐熱性等の向上効果をより高めることができる。ここで、官能数は、化合物に含まれているケテンイミン基の数を表し、3官能のケテンイミン化合物は、ケテンイミン基を3つ含む化合物を意味する。
また、本開示で用いるケテンイミン化合物は、例えば一般式(1)におけるR又はRと、Rが互いに連結して環状構造を形成するケテンイミン化合物でもよい。例えば、例示化合物(37)のようにケテンイミン基を環骨格として環状構造を有する場合、一般式(1)において、R又はRと、Rが連結して環状構造を形成し、Rは、環骨格のアルキレン基又はアリーレン基からなり、R又はRはケテンイミン基を含む連結基を有する。
また、本開示で用いるケテンイミン化合物はポリマーであってもよい。例えば、例示化合物(38)は繰り返し数nの繰り返し単位を示し、nは3以上の整数を表す。なお、例示化合物(38)に示されるポリマーの左末端は水素原子であり、右末端はフェニル基である。
本開示のポリウレタン樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタンと、ケテンイミン化合物とを含む。ポリウレタンの含有量等に応じてケテンイミン化合物の添加量を適宜調節することによってポリウレタン樹脂成形体の耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性を好適な範囲内に制御することができる。
なお、副次的反応として多量に投入したケテンイミン化合物は、未反応のケテンイミン化合物として残留するだけでなく、水分やポリエステルの末端基やその他遊離酸と反応することもある。
本開示のポリウレタン樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタン100質量部に対して、ケテンイミン化合物を0.05〜3質量部含むことが好ましく、0.1〜2質量部含むことがより好ましい。熱可塑性ポリウレタン100質量部に対して、ケテンイミン化合物の添加量を好ましくは0.05質量部以上とすることで、ポリウレタン樹脂成形体の耐加水分解性をより向上させることができ、3質量部以下とすることで、ポリウレタン樹脂成形体の耐熱性及び耐加水分解性をより向上させることができる。
なお、本開示のポリウレタン樹脂組成物は、ケテンイミン化合物を1種単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよいが、複数種のケテンイミン化合物を併用する場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
本開示のポリウレタン樹脂組成物は、本発明の効果が得られる範囲内であれば、各種添加剤、例えば、相溶化剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料などを含んでもよい。
また、本開示のポリウレタン樹脂組成物は、本発明の効果が得られる範囲内であれば、上述したケテンイミン化合物以外の封止剤を含むことを拒むものではない。例えば、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、及びオキサゾリン化合物から選ばれる封止剤を併用することもできる。
<ポリウレタン樹脂成形体>
本開示のポリウレタン樹脂組成物の用途は特に限定されず、例えばシーリング材や断熱材などのウレタンフォーム、靴製品、バンパーやヘッドレストなどの自動車部品用途等のポリウレタン樹脂成形体の製造に好適に用いることができる。
本開示のポリウレタン樹脂組成物を用いてポリウレタン樹脂成形体を製造する方法は特に限定されず、用途に応じて公知の成形方法を適用すればよい。例えば、本開示のポリウレタン樹脂組成物を原料とし、射出成形機、押出機、注型機等を用いてシート状等の所望形状の成形品に成形し、好ましくは80〜150℃で5〜24時間程度二次架橋(アニール)する。これにより、耐熱性、耐摩耗性、及び耐加水分解性に優れたポリウレタン樹脂成形体が得られる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、特に断りの無い限り、「部」は質量基準である。
実施例では、まず、ケテンイミン化合物として下記の例示化合物を合成した。
[合成例1]
(例示化合物(40)の合成)
三つ口フラスコに、p−フェニレンジアミン50.0g(462mmol)、トリエチルアミン94.0g(925mmol)、NMP(N−メチルピロリドン)800mLを仕込み、室温下でジフェニル酢酸クロリド213.0g(924mmol)を添加し、6時間攪拌した後、純水1.0Lを加えてろ過することで固体を得た。得られた固体を1N(1mol/L)塩酸水溶液1.0L、1N(1mol/L)水酸化ナトリウム水溶液1.0L、メタノール1.0Lで順次洗浄し、220.0g(収率95.9%)の中間生成物(40−A)を得た。構造はH−NMR(プロトン核磁気共鳴)で確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(40−A)100.0g(201.5mmol)、トリフェニルホスフィン137.4g(523.9mmol)、トリエチルアミン82g(806.0mmol)、四塩化炭素62g(403.0mmol)、クロロホルム500gを仕込み、6時間攪拌し、冷却後、溶媒を減圧下で留去した。得られた固体をメタノールで洗浄し、85g(収率91.6%)の例示化合物(40)を得た。構造はH−NMRで確認した。
[合成例2]
(例示化合物(1)の合成)
三つ口フラスコに、メタンスルホン酸クロリド27.0g(235.8mmol)、THF(テトラヒドロフラン)200mLを仕込み、氷浴下で冷却しながら、ジフェニル酢酸50.0g(235.8mmol)、ジイソプロピルエチルアミン30.5g(235.8mmol)、THF90mLの溶液を滴下し、2時間攪拌した。アニリン21.9g(235.8mmol)、ジイソプロピルエチルアミン30.5g(235.8mmol)、THF60mLの溶液を滴下した後、ジメチルアミノピリジン2.9g(23.8mmol)を加え、1時間攪拌した。酢酸エチル400mLを加え、純水200mL、1N塩酸水溶液200mL、1N水酸化ナトリウム水溶液200mLで分液し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。得られた固体を酢酸エチルにて再結晶し、43.0g(収率63.5%)の中間生成物(1−A)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(1−A)20.0g(69.7mmol)、トリフェニルホスフィン23.8g(90.6mmol)、トリエチルアミン14.1g(139.3mmol)、四塩化炭素10.7g(69.7mmol)、クロロホルム180gを仕込み、4時間還流し、冷却後、溶媒を減圧下で留去した。得られた固体をメタノールで洗浄し、13.5g(収率71.7%)の例示化合物(1)を得た。構造はH−NMRで確認した。
[合成例3]
(例示化合物(13)の合成)
三つ口フラスコに、p−メトキシトルエン244g(2.0mol)、グリオキシル酸一水和物174g(1.9mol)、酢酸300mLを仕込み、氷浴下で15℃を超えないように、メタンスルホン酸300mLを滴下し、2時間攪拌した後、p−クレゾール260g(2.4mol)を加え、60℃で2時間攪拌した。室温に冷却し、30℃を超えないようにエタノール1.0Lを滴下した後、30分間攪拌した。析出した固体をろ過し、370.2g(収率72.6%)の中間生成物(13−A)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(13−A)350g(1.31mol)、m−トルイジン209.9g(1.96mol)、トルエン700mLを仕込み、70℃で12時間攪拌した。室温に冷却し、エタノール800mLを加え、析出した固体をろ過し、414g(収率84.2%)の中間生成物(13−B)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(13−B)410g(1.092mol)、1,4−ジブロモブタン112.3g(0.52mol)、炭酸カリウム452.7g(3.276mol)、アセトン2.0Lを仕込み、60℃で18時間攪拌した後、3N(3mol/L)塩酸水溶液1.7Lを加えて1時間攪拌し、析出した固体をろ過し、384.0g(収率92.0%)の中間生成物(13−C)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(13−C)400.0g(499.0mmol)、トリフェニルホスフィン392.7g(1497mmol)、トリエチルアミン202.0g(1995.9mmol)、四塩化炭素153.7g(998.0mmol)、クロロホルム2.0kgを仕込み、4時間還流し、冷却後、メタノール7.9Lを加えて1時間攪拌し、析出した固体をろ過した。得られた固体を酢酸エチルで再結晶し、260g(収率67.9%)の例示化合物(13)を得た。構造はH−NMRで確認した。
[合成例4]
(例示化合物(12)の合成)
三つ口フラスコに、マンデル酸152.2g(1.0mol)、p−クレゾール129.8g(1.2mol)を仕込み、220℃で、生成する水を除去しながら4時間攪拌し、冷却した後、エタノール500mLを加え、析出した固体をろ過し、90g(収率40.0%)の中間生成物(12−A)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(12−A)80.0g(357.0mmol)、o−トルイジン48.2g(450.0mmol)、トルエン130mLを仕込み、70℃で8時間攪拌し、冷却した後、エタノール150mLを加え、析出した固体をろ過し、56.0g(収率56.4%)の中間生成物(12−B)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(12−B)40.0g(120.8mmol)、1,4−ジブロモブタン12.4g(57.5mmol)、炭酸カリウム50.1g(362.3mmol)、アセトン180mLを仕込み、60℃で18時間攪拌し、室温に冷却して純水300mLを加え、析出した固体をろ過した。得られた固体をメタノール250mLで洗浄し、34.5g(収率83.0%)の中間生成物(12−C)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(12−C)14.0g(19.5mmol)、トリフェニルホスフィン15.4g(58.6mmol)、トリエチルアミン11.9g(117.3mmol)、四塩化炭素9.0g(58.6mmol)、クロロホルム70gを仕込み、4時間還流し、冷却し、メタノール200mLを加え、析出した固体をろ過した。得られた固体をメタノールで洗浄し、9.4g(収率70.9%)の例示化合物(12)を得た。構造はH−NMRで確認した。
[合成例5]
(例示化合物(26)の合成)
三つ口フラスコに、2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル酪酸29.1g(150.0mmol)、無水酢酸375mLを仕込み、3時間還流した後、過剰の無水酢酸を減圧留去した。得られた固体を酢酸エチルに溶解させ、1N塩酸水溶液で洗浄した。溶媒を減圧留去し、31.0g(収率87.5%)の中間生成物(26−A)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(26−A)17.1g(72.4mmol)、塩化チオニル21.5g(181.0mmol)、トルエン50mLを仕込み、70℃で2時間攪拌した後、溶媒を減圧下で留去した。続けて、トルエン50mLを加えて生成物を溶解させた後、氷浴下でアニリン14.8g(159.0mmol)、トリエチルアミン16.1g(159.0mmol)を同時に滴下し、2時間攪拌した。溶媒を減圧下で留去した後、生成物を酢酸エチルに溶解させ、1N塩酸水溶液で洗浄し、溶媒を減圧下で留去することで16.2g(収率88.0%)の中間生成物(26−B)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(26−B)16.2g(52.0mmol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)15.0g、メタノール50mLを仕込み、室温下で2時間攪拌し後、酢酸エチルを加え、1N塩酸水溶液で洗浄した。溶媒を減圧下で留去した後、酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒にて晶析させることで12.2g(収率87.0%)の中間生成物(26−C)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(26−C)10.7g(40.0mmol)、炭酸カリウム16.6g(120.0mmol)、1,4−ジブロモブタン4.3g(20.0mmol)、DMF(N、N−ジメチルホルムアミド)70mLを仕込み、110℃で20時間攪拌した。室温に冷却して酢酸エチルを加え、1N塩酸水溶液、1N(1mol/L)炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。溶媒を減圧下で留去した後、2−プロパノール/ヘキサン混合溶媒にて晶析させることで8.3g(収率70.0%)の中間生成物(26−D)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(26−D)6.0g(10.1mmol)、トリフェニルホスフィン6.9g(26.3mmol)、トリエチルアミン4.1g(40.5mmol)、四塩化炭素3.1g(20.2mmol)、クロロホルム100gを仕込み、4時間還流した後、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィにて精製することで、2.5g(収率45%)の例示化合物(26)を得た。構造はH−NMRで確認した。
[合成例6]
(例示化合物(41)の合成)
三つ口フラスコに、m−フェニレンジアミン50.0g(462mmol)、トリエチルアミン94.0g(925mmol)、THF800mLを仕込み、室温下でジフェニル酢酸クロリド213.0g(924mmol)を添加し、6時間攪拌した後、純水1.0Lを加えてろ過することで固体を得た。得られた固体を1N塩酸水溶液1.0L、1N水酸化ナトリウム水溶液1.0L、メタノール1.0Lで順次洗浄し、220.0g(収率95.9%)の中間生成物(41−A)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(41−A)150.0g(302.0mmol)、トリフェニルホスフィン238.0g(907.0mmol)、トリエチルアミン184.0g(1814.0mmol)、四塩化炭素140.0g(907.0mmol)、クロロホルム750gを仕込み、6時間攪拌し、冷却後、溶媒を減圧下で留去した。得られた固体をメタノールで洗浄し、81.0g(収率58.3%)の例示化合物(41)を得た。構造はH−NMRで確認した。
[合成例7]
(例示化合物(42)の合成)
三つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジアミン53.7g(462mmol)、トリエチルアミン94.0g(925mmol)、NMP800mLを仕込み、室温下でジフェニル酢酸クロリド213.0g(924mmol)を添加し、6時間攪拌した後、純水1.0Lを加えてろ過することで固体を得た。得られた固体を1N塩酸水溶液1.0L、1N水酸化ナトリウム水溶液1.0L、メタノール1.0Lで順次洗浄し、221.3g(収率95.0%)の中間生成物(42−A)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(42−A)101.6g(201.5mmol)、トリフェニルホスフィン137.4g(523.9mmol)、トリエチルアミン82g(806.0mmol)、四塩化炭素62g(403.0mmol)、クロロホルム500gを仕込み、6時間攪拌し、冷却後、溶媒を減圧下で留去した。得られた固体をメタノールで洗浄し、80.0g(収率84.8%)の例示化合物(42)を得た。構造はH−NMRで確認した。
[合成例8]
(例示化合物(43)の合成)
三つ口フラスコに、2−フェニル酪酸151.7g(924mmol)、塩化チオニル500mLを仕込み、2時間還流した後、過剰の塩化チオニルを減圧下で留去し、THF300mLを加え酸クロライド溶液とした。三つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジアミン53.7g(462mmol)、トリエチルアミン94.0g(925mmol)、NMP800mLを仕込み、室温下で上記酸クロライド溶液を滴下し、6時間攪拌した後、純水1.0Lを加えてろ過することで固体を得た。得られた固体を1N塩酸水溶液1.0L、1N水酸化ナトリウム水溶液1.0L、メタノール1.0Lで順次洗浄し、170.9g(収率92.0%)の中間生成物(43−A)を得た。構造はH−NMRで確認した。
三つ口フラスコに、中間生成物(43−A)81.0g(201.5mmol)、トリフェニルホスフィン137.4g(523.9mmol)、トリエチルアミン82g(806.0mmol)、四塩化炭素62g(403.0mmol)、クロロホルム500gを仕込み、6時間攪拌し、冷却後、溶媒を減圧下で留去した。得られた固体をメタノールで洗浄し、52.8g(収率72.0%)の例示化合物(43)を得た。構造はH−NMRで確認した。
[実施例1]
ミラクトラン(登録商標)E580(ポリオール成分としてカプロラクトン系ポリオールを原料として合成したポリエステル系ポリウレタン、日本ポリウレタン社製)100質量部に対し、例示化合物(40)を1質量部添加して一緒に乾式混合し、射出成形機により、ノズル部温度190℃、シリンダ前部温度180℃、シリンダ中部温度170℃、シリンダ後部温度150℃、の成形条件下で成形し、シート状成形品(150×150×2mm)を得、これを85℃にて16時間オーブンで加熱して試験片を作製した。
−ポリウレタン樹脂成形体の性能評価−
(耐湿熱性:耐加水分解性)
得られた試験片について、温度90℃、相対湿度95%の雰囲気で、500時間、湿熱老化試験を行った。そして、保存前の試験片が示す破断伸度L及び保存後の試験片が示す破断伸度Lを、次の通りにして測定した。
まず、保存前の試験片及び上記条件下で保存後の試験片を各々別途用意し、テンシロン(ORIENTEC製、RTC−1210A)を用い、引っ張り試験を行った。なお、延伸される試験片の長さは100mm、引っ張り速度は20mm/分とした。この引っ張り試験で得られる保存前の試験片が示す破断伸度L及び同条件の引っ張り試験で得られる保存後の試験片が示す破断伸度Lを測定した。そして、下記式により破断伸度保持率(%)を算出した。
破断伸度保持率(%)=L1/L0×100
前述のようにして求めた破断伸度保持率(%)を、下記基準により評価した。破断伸度保持率が高いほど耐加水分解性が高いと言える。得られた結果を下記表1に記載した。
A: 90%以上
B: 70%以上90%未満
C: 70%未満
(耐熱性)
得られた試験片を、120℃、240時間、高温槽で処理した後、破断強度(MPa)の保持率(%)を求めた。
A: 95%以上
B: 90%以上95%未満
C: 80%以上90%未満
(耐摩耗性)
JIS K7218の記載に準拠し、鈴木式磨耗試験機により、出光興産社製ダフニーハイドロウリックフルイド#46油中、荷重588.4N(60kgf)、周速667mm/秒、時間10分で実施し、以下の基準に従い、磨耗深さを評価した。
A: 20μm未満
B: 20μm以上50μm未満
C: 50μm以上
[比較例1]
ケテンイミン化合物を添加しないこと以外は、実施例1と同様に試験片を作製し、評価した。
[実施例2〜8、比較例2、3]
例示化合物(40)に代えて表1に記載の化合物を添加した以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、評価した。
なお、比較例2で使用した環状カルボジイミド(1)及び比較例3で使用した環状カルボジイミド(2)は、特開2011−256337号公報を参考に合成した。
[実施例9]
ミラクトラン(登録商標)E580(日本ポリウレタン社製)をミラクトラン(登録商標)E180(ポリオール成分としてアジペート系ポリオールを原料として合成したポリエステル系ポリウレタン、日本ポリウレタン社製)に変更した以外は実施例1と同様に試験片を作製し、評価した。
[実施例10]
ミラクトラン(登録商標)E580(日本ポリウレタン社製)をミラクトラン(登録商標)E380(ポリオール成分としてポリエーテル系ポリオールを原料として合成したポリエーテル系ポリウレタン、日本ポリウレタン社製)に変更した以外は実施例1と同様に試験片を作製し、評価した。
[実施例11〜15]
例示化合物(40)の添加量をそれぞれ表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製し、評価した。
実施例及び比較例で用いた樹脂、ケテンイミン化合物及び比較化合物と評価結果を下記表1に示す。なお、表1において樹脂の記号は以下を意味する。
・PU−A: 日本ポリウレタン社製ミラクトランE580(ポリオール成分としてカプロラクトン系ポリオールを原料として合成したポリエステル系ポリウレタン)
・PU−B: 日本ポリウレタン社製ミラクトランE180(ポリオール成分としてアジペート系ポリオールを原料として合成したポリエステル系ポリウレタン)
・PU−C: 日本ポリウレタン社製ミラクトランE380(ポリオール成分としてエーテル系ポリオールを原料として合成したポリエーテル系ポリウレタン)
上記表1より、ケテンイミン化合物を添加した各実施例のポリウレタン樹脂組成物は、耐湿熱性、耐熱性、及び耐摩耗性の全てに優れていた。
2014年9月30日に出願された日本国特許出願2014−201421の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (12)

  1. 熱可塑性ポリウレタンと、ケテンイミン化合物とを含有するポリウレタン樹脂組成物。
  2. 前記ケテンイミン化合物が、下記一般式(1)で表されるケテンイミン化合物である請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成物。

    一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシル基又は置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。
  3. 前記一般式(1)において、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基である請求項2に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  4. 前記ケテンイミン化合物が、下記一般式(2)で表されるケテンイミン化合物である請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成物。

    一般式(2)中、Rは単結合又はm価の連結基を表し、mは2〜4の整数を表す。Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシル基又は置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。
  5. 前記一般式(2)において、Rが置換基を有してもよいアルキル基から水素原子を除いたm価の基又は置換基を有してもよいアリール基から水素原子を除いたm価の基であり、Rが置換基を有してもよいアリール基であり、Rが置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基である請求項4に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  6. 前記ケテンイミン化合物が、下記一般式(3)で表されるケテンイミン化合物である請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成物。

    一般式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシル基又は置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基を表す。Rは単結合又はn価の連結基を表し、nは2〜4の整数を表す。
  7. 前記一般式(3)において、Rが置換基を有してもよいアリール基であり、Rが置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基であり、Rが置換基を有してもよいアリール基から水素原子を除いたn価の基である請求項6に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  8. 前記熱可塑性ポリウレタン100質量部に対して、前記ケテンイミン化合物を0.05質量部〜3質量部含有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  9. 前記熱可塑性ポリウレタン100質量部に対して、前記ケテンイミン化合物を0.1質量部〜2質量部含有する請求項8に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  10. 前記ケテンイミン化合物の融点が200℃以下である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  11. 前記熱可塑性ポリウレタンが、ポリエステル系ポリウレタンである請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂組成物を用いて成形されたポリウレタン樹脂成形体。
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