JPWO2016047444A1 - 細胞分離材および細胞分離方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、血液中には赤血球が約5×109(cells/mL)、白血球が約5×106(cells/mL)、血小板が約3×108(cells/mL)あり、癌患者の白血球数の数十万から数千万に一個の割合でしか存在しないような腫瘍細胞を検出することは極めて難しいのが現状であり、腫瘍細胞を診断に利用することには限界がある。そこで、腫瘍細胞の定量分析を行う前に、夾雑している細胞を除去して、腫瘍細胞を濃縮することにより検出感度や測定精度を向上させる方法が現在開発され用いられている。
また、本発明の他の目的は、前記細胞分離材を用いて、希少細胞を選択的に高い回収率で回収できる細胞分離方法を提供することにある。
〔1〕平均繊維径1.0μm以上、50μm以下の繊維から構成され、且つ通気度が10cc/cm2/sec以上、400cc/cm2/sec以下および圧縮エネルギーWCが3.5J/m2以下である細胞分離材。
〔2〕前記細胞分離材の密度が6.5×104g/m3以上、1.5×105g/m3以下である前記〔1〕に記載の細胞分離材。
〔3〕前記細胞分離材の通気度(cc/cm2/sec)と前記細胞分離材の厚み(mm)との積である通気度係数Mが36以上、300以下である前記〔1〕または〔2〕に記載の細胞分離材。
〔4〕前記細胞分離材の厚みが0.1mm以上、3.5mm以下である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の細胞分離材。
〔5〕前記細胞分離材の圧縮エネルギーWCが0.05J/m2以上、1.2J/m2以下である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の細胞分離材。
〔6〕前記細胞分離材が不織布である前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の細胞分離材。
〔7〕前記不織布がスパンレース不織布、スパンボンド不織布またはメルトブローン不織布である前記〔6〕に記載の細胞分離材。
〔8〕前記細胞分離材を構成する繊維が、ポリエステル、レーヨン、ポリオレフィン、ビニロン、ポリスチレン、アクリル、ナイロンおよびポリウレタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の合成高分子からなる前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の細胞分離材。
〔9〕前記細胞分離材を構成する繊維が、ポリエステルおよびポリオレフィン;レーヨンおよびポリオレフィン;ポリエステルおよびレーヨン;またはポリエステル、レーヨンおよびビニロンの合成高分子の組み合わせからなる前記〔8〕に記載の細胞分離材。
〔10〕前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の細胞分離材が、入口と出口を供えた容器に複数枚積層して充填されていることを特徴とする細胞分離フィルター。
〔11〕前記細胞分離材が、圧縮された状態で充填されている前記〔10〕に記載の細胞分離フィルター。
〔12〕前記細胞分離材の充填率(充填前の細胞分離材全体の厚み/充填後の細胞分離材全体の厚み)が1以上、10以下である前記〔10〕または〔11〕に記載の細胞分離フィルター。
〔13〕前記細胞分離材の充填密度(充填されている細胞分離材全体の重量/充填されている細胞分離材全体の体積)が1.0×105g/m3以上、1.0×106g/m3以下である前記〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載の細胞分離フィルター。
〔14〕充填されている前記細胞分離材全体の平均孔径が1μm以上、70μm以下である前記〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の細胞分離フィルター。
〔15〕液体が流れる方向に対する、充填されている前記細胞分離材全体の厚みが1mm以上、30mm以下である前記〔10〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の細胞分離フィルター。
〔16〕希少細胞を含む液体を通液させることにより、希少細胞を捕捉し、且つ赤血球、白血球および血小板を除去するための前記〔10〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の細胞分離フィルター。
〔17〕前記〔10〕〜〔16〕のいずれかに記載の細胞分離フィルターに希少細胞を含む液体を通液させて、前記細胞分離材に希少細胞を豊富に含む分画を捕捉させる工程を含む細胞分離方法。
〔18〕前記液体が血液、骨髄、臍帯血、月経血、腹膜液、胸膜液、リンパ液、尿、唾液または組織抽出物である前記〔17〕に記載の細胞分離方法。
〔19〕前記液体が血液、臍帯血または月経血であり、下記(a)〜(c)工程を含有する前記〔17〕または〔18〕に記載の細胞分離方法。
(a)希少細胞を含む液体を前記細胞分離フィルターの入口から通液させる工程
(b)前記(a)工程後に洗浄溶液を前記細胞分離フィルターの入口から通液させる洗浄工程
(c)前記(b)工程後に回収溶液を前記細胞分離フィルターの出口から通液させて、前記細胞分離フィルターの入口から希少細胞豊富分画を回収する希少細胞回収工程
〔20〕前記(a)工程および(b)工程において前記細胞分離フィルターの出口から通過させた細胞分画(通過細胞分画)を、前記細胞分離フィルターの入口から複数回通液し、さらに前記(c)工程を実施することにより、通過細胞分画中に混入した希少細胞を含む分画を再回収する工程を有する前記〔19〕に記載の細胞分離方法。
〔21〕前記(c)工程において回収した希少細胞が培養可能である前記〔19〕または〔20〕に記載の細胞分離方法。
〔22〕前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の細胞分離材、もしくは前記〔10〕〜〔16〕のいずれかに記載の細胞分離フィルター、もしくは前記〔17〕〜〔21〕のいずれかに記載の細胞分離方法によって回収した希少細胞豊富分画であって、赤血球および血小板が60%以上除去されており、かつ白血球が50%以上除去されており、かつ希少細胞が培養可能である希少細胞豊富分画。
本発明の細胞分離材は、平均繊維径1.0μm以上、50μm以下の繊維から構成され、且つ通気度が10cc/cm2/sec以上、400cc/cm2/sec以下および圧縮エネルギーWCが3.5J/m2以下であることを特徴とする。
繊維径とは繊維軸に対して直角方向の繊維の幅である。平均繊維径の測定は、例えば、細胞分離材を走査型電子顕微鏡にて写真撮影し、写真に記載されたスケールから求めた繊維径の計算値を平均することにより求めることができる。つまり、本発明における平均繊維径とは、上記のように測定した繊維径の平均値を意味しており、測定した繊維50個以上、望ましくは100個以上の繊維径の平均値である。但し、繊維が多数に重なりあった場合や、他繊維が邪魔をしてその幅が測定できない場合、著しく直径の異なる繊維が混在している場合などは、そのデータは除いて繊維径を算出する。
中でも、細胞分離効率の観点から、ポリエステル、レーヨン、ポリオレフィン、ビニロン、ポリスチレン、アクリル、ナイロンおよびポリウレタンが好ましい。また、これらの材料は一種類単独とは限らず、必要に応じて材料を複合・混合・融合して用いてもよい。2種以上の材料を組み合わせる場合、その組み合わせは特に限定されないが、ポリエステルおよびポリオレフィン;レーヨンおよびポリオレフィン;ポリエステルおよびレーヨン;またはポリエステル、レーヨンおよびビニロンからなる合成高分子の組み合わせ等が好ましく挙げられる。さらに必要ならば、蛋白質、ペプチド、アミノ酸、糖類など、特定の細胞に親和性を有する分子を材料に固定してもよい。
中でも、希少細胞を捕捉しやすい観点から、スパンレース法、スパンボンド法またはメルトブローン法で製造された不織布であるスパンレース不織布、スパンポンド不織布またはメルトブローン不織布が好ましい。
また、前記不織布は、カレンダー加工やプラズマ処理等による加工を施していてもよい。
繊維が複雑に絡み合って血球分離効率が良いことから、前記不織布の繊維としては、複合単糸を複数に分割した、いわゆる分割繊維も適している。
前記通気度は種々の方法で測定可能であるが、例えば、JIS L1096−2010に記載されたフラジール形法に則り、または準拠し、容易に測定することが可能である。
中でも、本発明では、細胞分離フィルターへの充填がしやすい圧縮特性を有し、かつ目的の希少細胞の分離能に優れるという観点から、前記圧縮エネルギーWCは、0.05J/m2以上、1.2J/m2以下に調整されている細胞分離材が好ましい。
圧縮エネルギーWCとは、細胞分離材の圧縮特性を表すパラメーターである。細胞分離材に荷重をかけると、細胞分離材は荷重方向に圧縮されて変形するが、その圧縮されやすさは、細胞分離材が受けた荷重による変形量、すなわち荷重×変位=エネルギーとして表すことができることから、圧縮エネルギーWCは細胞分離材の圧縮されやすさを表すパラメーターといえる。圧縮エネルギーWCの数値が大きいほど細胞分離材は圧縮されやすく、前記数値が小さいほど細胞分離材は圧縮されにくい。
なお、前記圧縮エネルギーWCは、例えば、カトーテック社製KES圧縮試験機(KES−G5)を用いて、圧縮速度20μm/sec、圧縮最大荷重50gf/cm2の条件で試料3点を測定し、その平均値として算出することができる。
なお、前記密度を算出する際の細胞分離材の厚みは、非圧縮状態における厚みをいう。前記非圧縮状態での厚みの測定方法としては、例えば、KES圧縮試験機(カトーテック、KES−G5)を使用して細胞分離材に圧力を加え、取得した圧縮曲線における低荷重での厚みを非圧縮状態での厚みとすることができる。
また、前記目付については、例えば、1m四方の細胞分離材の重量を天秤で測定することにより算出できる。
前記通気度係数Mは、細胞分離材の通気度(cc/cm2/sec)と厚み(mm)の積で定義される値である。通気度は細胞分離材の孔径の大きさに依存するパラメーターであるが、同じ通気度であっても細胞分離材の厚みが小さいほど本質的な通気度はより小さく、同じ厚み相当に換算すると通気度は小さくなる。そこで通気度と厚みを掛け合わせることにより、細胞分離材の本質的な孔径を表すパラメーターとなる。
本発明の細胞分離フィルターは、前記細胞分離材が、入口と出口を供えた容器に複数枚積層して充填されていることを特徴とする。
これらの構造材料のうち、滅菌耐性を有する構造材料が好ましく、具体的にはポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルペンテン等が挙げられる。
前記ノズル付き押え部材3のノズル口6は、前記細胞分離フィルター1へ液体を導入するための入口または出口になる。
また、前記蓋5は容器本体2にネジ止めできるようにしておいてもよい。
さらに前記蓋5またはノズル付き押え部材3と容器本体2とが接触する部分には、場所は特定されないが、シール材7を配置することで、前記細胞分離フィルター1内部に導入された液体が漏出することを防ぐようにしてもよい。
なお、前記充填した細胞分離材4全体の厚みTは、例えば、前記容器が透明な容器であれば、外部からノギスを用いて目視で測定することができる。また、不透明な容器であっても、容器の各部の構造のうち、細胞分離材4を充填する部分の長さを測定することで算出することができる。
なお、前記容器に充填する前の細胞分離材全体の厚みは、前記非圧縮状態における細胞分離材1枚の厚みの総和から算出し、充填後の細胞分離材全体の厚みは、前記ノギスを用いた方法により測定することができる。
なお、前記充填されている細胞分離材全体の体積は、例えば、前記充填した細胞分離材全体の厚みと細胞分離材の面積との積で算出すればよい。
なお、前記平均孔径は、例えば、パームポロメータ(Porus Materials社製)等を用いて測定することができる。
ここで、希少細胞を捕捉するとは、細胞分離材と接触した液体または細胞分離フィルターに通液した液体に含まれる希少細胞のうち、30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、とりわけ好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上、もっとも好ましくは90%以上が細胞分離材または細胞分離フィルターに捕捉されることを意味する。
本発明は、前記細胞分離フィルターに希少細胞を含む液体を通液させて、前記細胞分離材に希少細胞を豊富に含む分画(希少細胞豊富分画)を捕捉させる工程を含む細胞分離方法に関する。
また、希少細胞を生体外で培養した培養液や、生理食塩水などの液体に懸濁させた懸濁液であってもよい。
使用できる洗浄溶液としては、希少細胞を損傷したりしなければ特に限定はないが、生理食塩水、リンゲル液、細胞培養に用いる培地、リン酸緩衝液等の一般的な緩衝液が好ましい。
(a)希少細胞を含む液体を前記細胞分離フィルターの入口から通液させる工程
(b)前記(a)工程後に洗浄溶液を前記細胞分離フィルターの入口から通液させる洗浄工程
(c)前記(b)工程後に回収溶液を前記細胞分離フィルターの出口から通液させて、前記細胞分離フィルターの入口から希少細胞豊富分画を回収する希少細胞回収工程
洗浄溶液を通液する際には、自然落下で送液しても、ポンプにより送液してもよい。ポンプにより送液する場合の流速は、希少細胞を含む液体を送液する場合と同程度であり、0.1〜100mL/minの速度が挙げられるが、これに限定されるものではない。洗浄溶液の量は、使用する容器の容量によって異なるが、洗浄溶液の量が少なすぎるとフィルターに残存する白血球や血小板の量が多くなり、洗浄溶液の量が多すぎると希少細胞がフィルターから通過する可能性が高くなるとともに、工程に多大な時間を要することから、フィルター容量の0.5倍から100倍程度の液量で洗浄することが好ましい。
前記細胞分離フィルター1の入口8には、三方活栓10aを介して、希少細胞を含有する液体を収容しているバッグ11および洗浄溶液を収容しているバッグ12(図中、右側)と、細胞分離フィルター1から回収した液体を収容するバッグ(回収バッグ)20及び回収バッグ等に回収された液体を回収する手段21(図中、下側)とがチューブで接続されている。
前記三方活栓10aの下側には、三方活栓10cを介して、回収バッグ20及び回収バッグ等に回収された液体を回収する手段21がチューブで接続されている。
また、前記細胞分離フィルター1の出口9には、三方活栓10dを介して、細胞分離フィルター1を通過した液体を収容するバッグ(廃液バッグ)23及び回収溶液を収容しているバッグ24が接続されている。
以上のようにして、前記細胞分離フィルター1内の細胞分離材に希少細胞を捕捉させることができる。
また、前記懸濁液の液量が多い場合には、例えば、回収バッグ20を前記細胞分離システム13から取り外して遠心分離処理することで希少細胞を沈降させてから、再度前記細胞分離システム13に取り付け、回収バッグ20内の上清の液体を前記回収バッグ等に回収された液体を回収する手段21から排出してもよい。
希少細胞を凍結保存する際は、凍結によるダメージから希少細胞を保護する目的で、前記回収液に凍結保護剤が添加される。添加される凍結保護剤の種類は特に制限されないが、ジメチルスルホキシド、デキストラン、アルブミン、ヒドロキシエチルスターチ等が使用できる。前記凍結保護剤は単独で使用してもよいが数種を組み合わせて使用してもよい。
図1、2に示すように、内径26mmの円筒形の容器本体(2)に、直径26mmの丸型にカットした不織布(4)を充填し、前記容器本体(2)の上下の開口部にノズル付き押え部材(3)を差し込み、その上からキャップ(5)でネジ止めして細胞分離フィルター(1)を作製した。
なお、各実施例および比較例において使用した不織布については、樹脂の種類、不織布の製法、平均繊維径、圧縮エネルギーWC、通気度、厚み、密度、通気度係数Mを表1に示す。また、細胞分離フィルターに充填した細胞分離材全体の厚み、充填密度、充填率、平均孔径を表1に示す。
(1)希少細胞を懸濁した液体を、前記細胞分離フィルターの入口から通液させた。表2に、通液した希少細胞の種類と細胞数、細胞を懸濁させた溶液の種類と液量、細胞懸濁液の通液速度を示す。
(2)前記工程後に、洗浄溶液を前記細胞分離フィルターの入口から通液させた。表2に、洗浄溶液の種類と液量、洗浄溶液の通液速度を示す。
(3)前記工程後に、回収溶液を前記細胞分離フィルターの出口から通液させて、前記細胞分離フィルターの入口から希少細胞豊富分画を回収した。表2に、回収溶液の種類と液量を示す。
(4)前記工程で得られた希少細胞豊富分画中の希少細胞数を、細胞自動計測装置(GEヘルスケア、CYTORECON)により計測した。
(1)ヒト末梢血を前記細胞分離フィルターの入口から通液させた。表2に、通液したヒト末梢血の液量と通液速度を示す。
(2)前記工程後に、洗浄溶液を前記細胞分離フィルターの入口から通液させた。表2に、洗浄溶液の種類と液量、洗浄溶液の通液速度を示す。
(3)前記工程後に、回収溶液を前記細胞分離フィルターの出口から通液させて、フィルター内に残存していた夾雑細胞を前記細胞分離フィルターの入口から回収し、夾雑細胞分画とした。表2に、回収溶液の種類と液量を示す。
(4)フィルターに通液する前の末梢血中の血球系細胞数、および前記工程で得られた夾雑細胞分画中の血球系細胞数を、血球計数装置(シスメックス、K−4500)により計測した。ここで、血球系細胞とは、赤血球、白血球、血小板を表す。
また、実施例23、24、25の結果から、圧縮エネルギーが1.2J/m2以下、密度が6.5×104g/m3以上、通気度係数Mが300以下の不織布を用いて、充填密度を1.0×105g/m3以上に調整した実施例23では、他の実施例24、25に比べて、希少細胞の回収率が有意に向上することがわかる。
2 容器本体
3 ノズル付き押え部材
4 細胞分離材
5 蓋
6 ノズル口
7 シール材
8 入口
9 出口
10 三方活栓
11 希少細胞を含有する液体を収容しているバッグ
12 洗浄溶液を収容しているバッグ
13 細胞分離システム
20 細胞分離フィルター1から回収した液体を収容するバッグ(回収バッグ)
21 回収バッグ等に回収された液体を回収する手段(シリンジ等)
23 細胞分離フィルター1を通過した液体を収容するバッグ(廃液バッグ)
24 回収溶液を収容しているバッグ
T 細胞分離フィルター1に充填されている細胞分離材4全体の厚み
D 細胞分離フィルター1に導入された液体が流れる方向
Claims (22)
- 平均繊維径1.0μm以上、50μm以下の繊維から構成され、且つ通気度が10cc/cm2/sec以上、400cc/cm2/sec以下および圧縮エネルギーWCが3.5J/m2以下である細胞分離材。
- 前記細胞分離材の密度が6.5×104g/m3以上、1.5×105g/m3以下である請求項1に記載の細胞分離材。
- 前記細胞分離材の通気度(cc/cm2/sec)と前記細胞分離材の厚み(mm)との積である通気度係数Mが36以上、300以下である請求項1または2に記載の細胞分離材。
- 前記細胞分離材の厚みが0.1mm以上、3.5mm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞分離材。
- 前記細胞分離材の圧縮エネルギーWCが0.05J/m2以上、1.2J/m2以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞分離材。
- 前記細胞分離材が不織布である請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞分離材。
- 前記不織布がスパンレース不織布、スパンボンド不織布またはメルトブローン不織布である請求項6に記載の細胞分離材。
- 前記細胞分離材を構成する繊維が、ポリエステル、レーヨン、ポリオレフィン、ビニロン、ポリスチレン、アクリル、ナイロンおよびポリウレタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の合成高分子からなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の細胞分離材。
- 前記細胞分離材を構成する繊維が、ポリエステルおよびポリオレフィン;レーヨンおよびポリオレフィン;ポリエステルおよびレーヨン;またはポリエステル、レーヨンおよびビニロンの合成高分子の組み合わせからなる請求項8に記載の細胞分離材。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の細胞分離材が、入口と出口を供えた容器に複数枚積層して充填されていることを特徴とする細胞分離フィルター。
- 前記細胞分離材が、圧縮された状態で充填されている請求項10に記載の細胞分離フィルター。
- 前記細胞分離材の充填率(充填前の細胞分離材全体の厚み/充填後の細胞分離材全体の厚み)が1以上、10以下である請求項10または11に記載の細胞分離フィルター。
- 前記細胞分離材の充填密度(充填されている細胞分離材全体の重量/充填されている細胞分離材全体の体積)が1.0×105g/m3以上、1.0×106g/m3以下である請求項10〜12のいずれか1項に記載の細胞分離フィルター。
- 充填されている前記細胞分離材全体の平均孔径が1μm以上、70μm以下である請求項10〜13のいずれか1項に記載の細胞分離フィルター 。
- 液体が流れる方向に対する、充填されている前記細胞分離材全体の厚みが1mm以上、30mm以下である請求項10〜14のいずれか1項に記載の細胞分離フィルター。
- 希少細胞を含む液体を通液させることにより、希少細胞を捕捉し、且つ赤血球、白血球および血小板を除去するための請求項10〜15のいずれか1項に記載の細胞分離フィルター。
- 請求項10〜16のいずれか1項に記載の細胞分離フィルターに希少細胞を含む液体を通液させて、前記細胞分離材に希少細胞を豊富に含む分画を捕捉させる工程を含む細胞分離方法。
- 前記液体が血液、骨髄、臍帯血、月経血、腹膜液、胸膜液、リンパ液、尿、唾液または組織抽出物である請求項17に記載の細胞分離方法。
- 前記液体が血液、臍帯血または月経血であり、下記(a)〜(c)工程を含有する請求項17または18に記載の細胞分離方法。
(a)希少細胞を含む液体を前記細胞分離フィルターの入口から通液させる工程
(b)前記(a)工程後に洗浄溶液を前記細胞分離フィルターの入口から通液させる洗浄工程
(c)前記(b)工程後に回収溶液を前記細胞分離フィルターの出口から通液させて、前記細胞分離フィルターの入口から希少細胞豊富分画を回収する希少細胞回収工程 - 前記(a)工程および(b)工程において前記細胞分離フィルターの出口から通過させた細胞分画(通過細胞分画)を、前記細胞分離フィルターの入口から複数回通液し、さらに前記(c)工程を実施することにより、通過細胞分画中に混入した希少細胞を含む分画を再回収する工程を有する請求項19に記載の細胞分離方法。
- 前記(c)工程において回収した希少細胞が培養可能である請求項19または20に記載の細胞分離方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の細胞分離材、もしくは請求項10〜16のいずれか1項に記載の細胞分離フィルター、もしくは請求項17〜21のいずれか1項に記載の細胞分離方法によって回収した希少細胞豊富分画であって、赤血球および血小板が60%以上除去されており、かつ白血球が50%以上除去されており、かつ希少細胞が培養可能である希少細胞豊富分画。
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