JPWO2016047428A1 - 環状ヘミアセタール化合物の製造方法 - Google Patents

環状ヘミアセタール化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】穏和な条件で、簡便かつ高収率で、しかも立体選択性に優れ、大量製造が可能な環状ヘミアセタール化合物の製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】一般式(I)で表される化合物を酸性条件下で反応させる一般式(II)で表される化合物の製造方法。Lはハロゲン原子又は−OSO2Ra、RNは−Rb、−ORb又は−N(Rb)(Rc)を表す。Raはハロゲン原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基、Rb及びRcは、水素原子、脂肪族基、アシル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。R1は水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基、Xは単結合又は−C(RXA)(RXB)−、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXA及びRXBは、水素原子又は置換基を表す。R2AとR2B、R3AとR3B、RXAとRXBが、互いに共同して、=O、又は=C(Rd)(Re)で表されるメチリデン基を形成してもよく、又、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXA及びRXBの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。Rd及びReは、水素原子又は置換基を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、環状ヘミアセタール化合物の製造方法に関する。
糖は生体を構成する必須成分(遺伝子や細胞構成成分)であり、またエネルギーになる。自然界における存在量が少ない希少糖の研究が進むにつれ、希少糖のうちのいくつかに食後血糖値上昇抑制作用・脂肪蓄積抑制作用・動脈硬化予防作用・血圧上昇抑制作用・抗酸化作用などの作用があることが報告されている。また、希少糖は、メタボリックシンドローム対策に期待される新たな機能性素材としても注目されている。さらに、植物に対しても、幾つかの希少糖がイネなどの病害虫防御関連遺伝子の発現を誘導すること、また生育調節作用を持つことがわかってきた。
また、L−ヌクレオシド類似体は優れた抗ウイルス剤として有用であり、L−リボースから容易に合成することが可能である。しかし、L−リボースは高価である。そのため、代わりとなるL−ヌクレオシド類似体の合成方法や、L−リボースおよび誘導体の立体選択的な合成の研究が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
このため、希少糖を含めた各種糖の誘導体の需要が、従来にも増して高まっている。
一方、有機合成により、糖を合成する研究(非特許文献2、3参照)も知られている。
Tetrahedron,2011,67,p.4031−4035 J.Chem.Soc.,C,1967,p.1186〜1187 J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1986,p.11,885〜11,887
非特許文献2に記載の方法は、アセタールを酸性条件下で加水分解して、トシレートが脱離し、5員環が形成される反応である。しかし、この方法は収率が低い。一方、非特許文献3に記載の方法は、アセタールを酸性条件下で加水分解し、6員環に環化する反応である。しかし、この方法は環化させる化合物構造が限定されている。また、塩基性条件下で特殊な2,2,2−トリフルオロエタノールを求核剤として用いており、反応条件としても限定されている。
また、医薬、農薬などにおける生理活性物質は、化合物の立体構造により、生体などに及ぼす作用が大きく異なる。このため、一方の立体異性体のみを選択的に合成する必要がある。また、一方の異性体から他方の立体異性体(例えばD体−L体変換)を温和な反応条件で、かつ短工程で変換させることが求められる。
従って、本発明は、穏和な条件で、簡便、かつ高収率で、環状ヘミアセタール化合物を合成できる製造方法を提供することを課題とする。
さらには、糖などのように立体異性体を考慮しなければならない場合であっても適用でき、立体選択性に優れ、大量製造が可能な環状ヘミアセタール化合物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、一方の立体異性体から他方の立体異性体に変換すべく、D−リボフラノース(D−Ribofuranose)からL−リキソフラノース(L−Lyxofuranose)への変換方法を種々検討した。この結果、糖の直鎖構造におけるアルデヒドのカルボニル基をオキシム化したオキシム体から直接環化反応させる方法を見出し、さらに検討することで、本発明に至った。
本発明によれば、以下の手段が提供される:
<1>下記一般式(I)で表される化合物を酸性条件下で反応させる、下記一般式(II)で表される化合物の製造方法。
Figure 2016047428
一般式(I)および(II)において、Lはハロゲン原子または−OSORaを表す。Rは−Rb、−ORbまたは−N(Rb)(Rc)を表す。ここで、Raはハロゲン原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表し、RbおよびRcは各々独立に、水素原子、脂肪族基、アシル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Rは水素原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Xは単結合または−C(RXA)(RXB)−を表す。R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBは各々独立に、水素原子または置換基を表す。R2AとR2B、R3AとR3B、RXAとRXBが、互いに共同して、=O、または=C(Rd)(Re)で表されるメチリデン基を形成してもよく、また、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。RdおよびReは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
<2>一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(IA)で表される化合物であり、一般式(II)で表される化合物が、下記一般式(IIA)で表される化合物である、<1>に記載の製造方法。
Figure 2016047428
一般式(IA)および(IIA)において、L、R、R、R2A〜R4AおよびR2B〜R4Bは、一般式(I)および(II)におけるL、R、R、R2A〜R4AおよびR2B〜R4Bと同義である。
<3>Lが、ハロゲン原子または−OSORaであって、Rが−Rb、−ORbまたは−N(Rb)(Rc)であり、ここで、Raが、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはヘテロ環基であって、RbおよびRcが各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アリール基またはヘテロ環基であり、
が、水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、Xが、単結合または−C(RXA)(RXB)−であって、R2A、R2B、R3A、R3B、RXAおよびRXBが、各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基またはアジド基であり、R4AおよびR4Bが各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはヘテロ環基であり、
ここで、R2AとR2B、R3AとR3B、RXAとRXBが、互いに共同して、=O、または=C(Rd)(Re)で表されるメチリデン基を形成してもよく、また、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよいが、この場合、RdおよびReが、各々独立に、水素原子またはアルキル基である、
<1>に記載の製造方法。
<4>Rが、−ORbである<1>〜<3>のいずれか1つに記載の製造方法。
<5>Rが、水素原子である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の製造方法。
<6>Lが、−OSORaである<1>〜<5>のいずれか1つに記載の製造方法。
<7>R4AおよびR4Bの一方が水素原子で、他方が置換基であるか、R4AおよびR4Bが異なる置換基である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の製造方法。
<8>R2A、R3A、R2BおよびR3Bの少なくとも1つが、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の製造方法。
<9>Lが、−OSORaであり、Rが、−ORbであり、Rが水素原子であり、R2A、R3A、R2BおよびR3Bが、各々独立に水素原子、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基であり、R4AおよびR4Bのいずれか一方が水素原子で他方がアルキル基である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の製造方法。
<10>下記一般式(IIIA)で表される化合物から一般式(IA)で表される化合物を製造した後、反応を行う、<2>に記載の製造方法。
Figure 2016047428
一般式(IIIA)において、Rは、一般式(I)におけるRと同義である。R2Ax〜R4AxおよびR2Bx〜R4Bxは各々独立に、水素原子または置換基を表す。R2AxとR2Bx、R3AxとR3Bxが、互いに共同して、=O、または=C(Rdx)(Rex)で表されるメチリデン基を形成してもよく、また、R2Ax〜R4AxおよびR2Bx〜R4Bxの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。RdxおよびRexは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
<11>反応を、水存在下で行う<1>〜<10>のいずれか1つに記載の製造方法。
<12>反応を、アルデヒド化合物存在下で行う<1>〜<11>のいずれか1つに記載の製造方法。
<13>反応を、グリオキシル酸存在下で行う<1>〜<12>のいずれか1つに記載の製造方法。
本明細書において、各置換基は、特段の断りがない限り、さらに置換基で置換されていてもよい。また、複数の同じ符号の基が存在する場合、これらの複数の基は、特段の断りがない限り、互いに同一であっても異なっていても構わないことを意味する。
本発明により、穏和な条件で、簡便、かつ高収率で、環状ヘミアセタール化合物を合成できる製造方法を提供できる。
しかも、糖などのように立体異性体を考慮しなければならない場合であっても適用でき、立体選択性に優れ、大量製造が可能な環状ヘミアセタール化合物の製造方法を提供することができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、下記の記載からより明らかになるであろう。
<<環状ヘミアセタール化合物の製造方法>>
本発明の製造方法は、下記一般式(I)で表される化合物を酸性条件下で反応させ、下記一般式(II)で表される化合物を合成する製造方法である。
Figure 2016047428
一般式(I)および(II)において、Lはハロゲン原子または−OSORaを表す。Rは−Rb、−ORbまたは−N(Rb)(Rc)を表す。ここで、Raはハロゲン原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表し、RbおよびRcは各々独立に、水素原子、脂肪族基、アシル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Rは水素原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Xは単結合または−C(RXA)(RXB)−を表す。R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBは各々独立に、水素原子または置換基を表す。R2AとR2B、R3AとR3B、RXAとRXBが、互いに共同して、=O、または=C(Rd)(Re)で表されるメチリデン基を形成してもよく、また、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。RdおよびReは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
この反応は、下記に示すように、酸性条件下で、一般式(I)における>C=N−Rが加水分解されて>C=Oとなり、この加水分解中間体を経由して環化することにより進行する。
Figure 2016047428
上記のように、反応に関与する部分は、R4A、R4BおよびLが結合する炭素原子と、>C=N−Rの炭素原子である。R4A、R4BおよびLが結合する炭素原子は、カルボニルの酸素原子による求核攻撃を受け、絶対立体配座の反転(ワルデン反転;Walden inversion)が起こる。また、一般式(II)において、RとOHが結合した炭素原子は、環化に際して、α−もしくはβ−アノマーが存在し得る。しかしながら、R2A、R2B、X部分、R3A、R3Bは反応に関与しないため、絶対立体配座は保持される。
なお、上記の加水分解中間体は、上記の反応系(反応液)中に、一時的に生じる中間体である。
本発明においては、R2A、R2B、X部分、R3AおよびR3Bの絶対立体配座は保持され、R4A、R4BおよびLが結合する炭素原子の絶対立体配座のみが反転する。このため、例えば、D−リボフラノース誘導体からL−リキソフラノース誘導体を合成する、D体−L体変換が可能となる。
Figure 2016047428
ここで、Bzはベンゾイル基を表す。
以下に、本発明の製造方法で使用する一般式(I)で表される化合物、本発明の製造方法で製造される一般式(II)で表される化合物、反応条件および一般式(I)で表される化合物の合成方法の順に説明する。
<一般式(I)で表される化合物>
Figure 2016047428
Lは、ハロゲン原子または−OSORaを表す。このうち、本発明では、−OSORaが好ましい。
ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましく、臭素原子またはヨウ素原子がより好ましく、ヨウ素原子がさらに好ましい。
−OSORaにおけるRaは、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
Raにおけるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましく、フッ素原子または塩素原子がより好ましい。
脂肪族基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基が好ましい。このうち、アルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルが挙げられる。アルケニル基の炭素数は2〜6が好ましく、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニルが挙げられる。アルキニル基の炭素数は2〜6が好ましく、例えば、エチニル、2−プロピニル挙げられる。シクロアルキル基の炭素数は、3〜8が好ましく、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。シクロアルケニル基の炭素数は5〜10が好ましく、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニルが挙げられる。
アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましく、例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。
ヘテロ環基は、SOの硫黄原子に結合する原子が炭素原子のものが好ましく、ヘテロ環基のヘテロ環を構成するヘテロ原子が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子で、5または6員環のものが好ましく、ベンゼン環などの環が縮環していても構わない。またヘテロ環基のヘテロ環は、飽和環でも不飽和環もしくは芳香環のいずれでも構わない。ヘテロ環基の炭素数は0〜20が好ましい。このようなヘテロ環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、テトラヒドロフラン環、ピロール環、ピペラジン環、モルホリン環が挙げられる。
Raにおける各基はさらに置換基で置換されていてもよく、このような置換基としては、上記で挙げた脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基に加えて、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基(−NH以外にアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ウレイド基、ウレタン基、アルキルもしくはアリールのスルホニル基、アルキルもしくはアリールのスルフィニル基、アルキルもしくはアリールのスルホニルオキシ基、アルキルもしくはアリールのスルフィニルオキシ基、シリル基、シリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アジド基、ヒドラジノ基が挙げられる。
これらの置換基の炭素数は25以下が好ましく、12以下がより好ましい。なかでも、脂肪族部分を有する基の脂肪族部分の炭素数は1〜6が好ましく、アリール部分を有する基のアリール部分の炭素数は6〜20が好ましく、ヘテロ環部分を有する基のヘテロ環部分の炭素数は0〜20が好ましい。例えば、アシル基で、アルキルカルボニル基の場合、「アルキル」の炭素数は1〜6が好ましいことになり、カルボニル基の炭素数1を合計すると、「アルキルカルボニル基」の好ましい炭素数は2〜7となる。
Raにおける各基にさらに置換してもよい置換基は、これらのうち、電子求引性の基が好ましく、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ウレイド基、ウレタン基、アルキルもしくはアリールのスルホニル基、アルキルもしくはアリールのスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシ基が挙げられる。
Raは、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはヘテロ環基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基(ヘテロアリール基)がより好ましく、アルキル基またはアリール基がさらに好ましく、特にアリール基が好ましい。なかでも、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールのスルホニル基、アルキルもしくはアリールのスルフィニル基、またはシアノ基が置換したアリール基が好ましい。アリール基に置換するこれらの置換基の数は、1〜5が好ましい。なかでもハロゲン原子が置換する場合、ハロゲン原子の数は2〜5が好ましく、3〜5がより好ましい。
Raで特に好ましいものは、ハロゲン原子が1〜9個置換したアルキル基、ハロゲン原子が1〜5個置換したフェニル基であり、なかでもハロゲン原子が2〜5個置換したフェニル基が好ましく、ハロゲン原子が3〜5個置換したフェニル基が最も好ましい。
は−Rb、−ORbまたは−N(Rb)(Rc)を表す。ここで、RbおよびRcは各々独立に、水素原子、脂肪族基、アシル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。RbおよびRcにおける脂肪族基、アリール基およびヘテロ環基は、Raにおける脂肪族基、アリール基およびヘテロ環基で挙げたものが挙げられ、好ましい。
アシル基は、脂肪族のアシル基でも芳香族のアシル基でも構わない。なお、アルキルカルボニル基またはアリールカルボニル基が好ましい。ここで、「脂肪族のアシル基」とは、RbおよびRcにおける「脂肪族基」を有するアシル基を意味し、脂肪族基−C(=O)−である。
アシル基の炭素数は、2〜20が好ましく、このうち、アリールカルボニル基を含む芳香族のアシル基の炭素数は6〜20が好ましく、脂肪族のアシル基は2〜10が好ましい。脂肪族基−C(=O)−の「脂肪族基」、芳香族のアシル基の「芳香族」基部分の「アリール」基は、Raにおける脂肪族基およびアリール基で挙げた好ましい範囲および具体的な例示の基が好ましく適用される。
RbおよびRcは、水素原子、脂肪族基(なかでもアルキル基、アルケニル基)、アシル基、アリール基またはヘテロ環基が好ましい。
ここで、>C=N−Rは>C=Oであるカルボニル基の保護基であり、酸性条件下で、脱保護され、>C=N−Rが、>C=Oになる。Rは、一般式(I)で表される化合物の安定性、すなわち、>C=N−Rの安定性に影響する。この安定性の点では、Rは−ORbまたは−N(Rb)(Rc)が好ましい。一方、>C=N−Rを>C=Oに脱保護する反応のしやすさの点では、Rは−Rbまたは−ORbが好ましい。このため、安定性と脱保護のしやすさをともに満足する点で、−ORbがなかでも好ましい。
RbおよびRcは、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基が好ましく、脂肪族基またはアリール基がより好ましく、脂肪族基がさらに好ましく、アルキル基が特に好ましい。RbおよびRcにおける脂肪族基は、炭素数1〜6が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基がさらに好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。
は、水素原子、脂肪族基(好ましくは、アルキル基、アルケニル基)、アリール基またはヘテロ環基を表す。脂肪族基、アリール基およびヘテロ環基は、Raにおける脂肪族基、アリール基およびヘテロ環基で挙げたものが挙げられ、好ましい。
は、水素原子、脂肪族基(好ましくは、アルキル基、アルケニル基)またはアリール基が好ましく、水素原子または脂肪族基がより好ましく、反応性の観点から、水素原子が最も好ましい。
Xは単結合または−C(RXA)(RXB)−を表す。本発明では、Xは単結合が好ましい。
2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBは、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、脂肪族基(好ましくはアルキル基、アルケニル基)、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基またはアジド基が好ましく、脂肪族基(好ましくはアルキル基、アルケニル基)、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、シアノ基またはアジド基が好ましい。
ここで、アミノ基は、−NH以外にアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む。
2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBのうち、R2A、R3A、R2B、R3B、RXAおよびRXBは、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、脂肪族基(好ましくはアルキル基、アルケニル基)、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基またはアジド基が好ましく、R4AおよびR4Bは、水素原子、脂肪族基(好ましくはアルキル基、アルケニル基)、アリール基またはヘテロ環基が好ましい。
各基のうち、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基は、Raにおけるハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、炭素数の範囲も含めて好ましい。
また、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基のアルキル部の炭素数、アリール部の炭素数は、Raにおけるアルキル基、アリール基の好ましい範囲の炭素数が好ましい。アシルアミノ基、アシルオキシ基の「アシル」部の炭素数は、RbおよびRcにおけるアシル基の好ましい範囲が好ましい。
ここで、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ヘプタノイル基、アクリル基、メタクリル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基が挙げられる。
シリルオキシ基の炭素数は3〜20が好ましく、3〜10がより好ましい。シリルオキシ基としては、トリアルキルシリルオキシ基、ジアルキルベンジルシリルオキシ基、ジアルキルアリールシリルオキシ基、アルキルジアリールシリルオキシ基、トリアリールシリルオキシ基、トリアルコキシシリルオキシ基、ジアルコキシアルキルシリルオキシ基もしくはアリールシリルオキシ基、アルコキシジアルキルシリルオキシ基もしくはジアリールシリルオキシ基が挙げられる。
アミノ基の炭素数は0〜20が好ましい。アミノ基は、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジブチルアミノ、オクチルアミノ、フェニルアミノ、ナフチルアミノが挙げられる。
脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基はさらに置換基で置換されていてもよく、このような置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、アシル基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ウレイド基、ウレタン基、アルキルもしくはアリールのスルホニル基、アルキルもしくはアリールのスルフィニル基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシ基が挙げられる。
これらの、さらに置換してもよい置換基の炭素数は25以下が好ましく、12以下がより好ましい。なかでも、脂肪族部分を有する基の脂肪族部分の炭素数は1〜6が好ましく、アリール部分を有する基のアリール部分の炭素数は6〜20が好ましく、ヘテロ環部分を有する基のヘテロ環部分の炭素数は0〜20が好ましい。
2A、R2B、R3A、R3B、RXAおよびRXBの各基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子が好ましい。
2A〜R4AおよびRXAのRシリーズの基とR2B〜R4BおよびRXBのRシリーズの基において、Rシリーズの基とRシリーズの基のいずれか一方が置換基の場合、残りのシリーズの基は水素原子が好ましい。
ただし、R2AとR2Bにおいては、両方が置換基のものも好ましく、このような置換基としては、一方が、アルキル基およびアリール基から選択される置換基であって、他方が、R2AとR2Bが結合する炭素原子と酸素原子を介して結合する置換基(例えば、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、さらには、R2AとR2Bが結合する炭素原子と隣接する炭素原子上の置換基と連結してメチレンジオキシ環もしくはエチレンジオキシ環を形成する基)が好ましい。
本発明では、Xが−C(RXA)(RXB)−の場合、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBの少なくとも1つは、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基が好ましい。また、Xが単結合の場合、R2A〜R4AおよびR2B〜R4Bの少なくとも1つは、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基が好ましい。
2A、R2B、R3AおよびR3Bの少なくとも1つは、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基がより好ましい。R2A、R2B、R3AおよびR3Bが、各々独立に、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基であることがさらに好ましい。
本発明では、これらの好ましい基を少なくとも2つ有するものが、さらに好ましい。
ここで、アルコキシ基は、上記のように、無置換のアルコキシ基だけでなく、アリール基が置換したメトキシ基、すなわち−O−CH−Arが好ましく、ベンジルオキシ基が特に好ましい。なお、Arはアリール基を表し、置換基を有してもよいフェニル基が好ましく、置換基としては、上記で説明した、各基をさらに置換してもよい置換基が挙げられる。
なお、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBのなかでも、R4AとR4Bは、反応で離脱するLが結合する炭素原子に結合していることから、環化反応に影響を与える。
このため、R4AとR4Bは、Lが結合する炭素原子に生じる炭素カチオンの安定性を高める基が好ましく、例えば、アリール基やアリル基のように、この炭素上のカチオンと共役できる基が好ましい。
また、Lが結合する炭素原子に、カルボニルから生じた(立ち上がった)−Oイオンが攻撃するため、R4AおよびR4Bは立体的に小さな基が好ましく、R4AとR4Bのいずれか一方は水素原子であることがより好ましい。
4AとR4Bのいずれか一方が、上記の理由で水素原子である場合、残りの一方は、水素原子またはアルキル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。このうち、アルキル基は、無置換のアルキル基に加えて、置換基を有するアルキル基も好ましい。アルキル基は、なかでも、メチル基、−CH−O−Ryが好ましい。ここで、Ryは、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルもしくはアリールのスルホニル基、カルバモイル基またはスルファモイル基が好ましい。Ryにおけるアリール基、ヘテロ環基およびアルキルもしくはアリールのスルホニル基は、Raにおけるアリール基、ヘテロ環基およびアルキルもしくはアリールのスルホニル基が好ましく挙げられ、Ryにおけるアシル基は、RbおよびRcにおけるアシル基が好ましく挙げられる。なお、脂肪族基は、上記の−O−CH−Arにおける、−CH−Arが好ましい。
ここで、R4AおよびR4Bの一方が水素原子で、他方が置換基であるか、R4AおよびR4Bが異なる置換基である場合、R4AおよびR4Bが結合する炭素原子が不斉炭素原子となり、環化反応で絶対立体配座が反転し、D体−L体変換が可能となり、好ましい。
2AとR2B、R3AとR3B、RXAとRXBが、互いに共同して、=O、または=C(Rd)(Re)で表されるメチリデン基を形成してもよく、また、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。ここで、RdおよびReは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
RdおよびReにおける置換基は、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBにおける各基をさらに置換してもよい置換基が挙げられる。RdおよびReは水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBの少なくとも2つが、互いに結合して形成する環としては、ベンゼン環、シクロアルカン(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン)、ヘテロ環(好ましくはRaで挙げたヘテロ環)が挙げられる。なかでも、隣接する炭素原子上の基が、互いに結合して、−O−C(Rα1)(Rβ1)−C(Rα2)(Rβ2)−O−、−O−C(Rα1)(Rβ1)−O−または−CH−O−C(Rα1)(Rβ1)−O−で環を形成するものが好ましい。ここで、Rα1、Rα2、Rβ1およびRβ2は各々独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。特に、R4AまたはR4BとR3AまたはR3Bが互いに結合する場合、*−CH−O−C(Rα1)(Rβ1)−O−**で環を形成することが好ましく、これ以外のR2A〜R3A、R2B〜R3B、RXAおよびRXBのうち、互いに隣接する炭素原子上の基が互いに結合する場合、−O−C(Rα1)(Rβ1)−C(Rα2)(Rβ2)−O−、−O−C(Rα1)(Rβ1)−O−で環を形成することが好ましく、−O−C(Rα1)(Rβ1)−O−で環を形成することがより好ましい。なお、*はR4AまたはR4Bが結合する炭素原子に結合する結合手であり、**はR3AまたはR3Bが結合する炭素原子に結合する結合手である。
<一般式(II)で表される化合物>
Figure 2016047428
一般式(II)において、R、X、R2A〜R4AおよびR2B〜R4Bは一般式(I)におけるR、X、R2A〜R4AおよびR2B〜R4Bと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(IA)で表される化合物が好ましい。この場合、反応の結果、得られる化合物は、下記一般式(IIA)で表される化合物である。
Figure 2016047428
一般式(IA)および(IIA)において、L、R、R、R2A〜R4AおよびR2B〜R4Bは、一般式(I)および(II)におけるL、R、R、R2A〜R4AおよびR2B〜R4Bと同義であり、好ましい範囲も同じである。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を立体異性体で示す。なお、本発明はこれによって限定されるものではなく、以下の具体例において、立体構造の異なる異性体をも挙げられる。また、代表して記載する一部の立体構造以外にも、当然、同じ置換基を有する異なる立体構造の化合物も例示するものであり、明細書紙面の都合上省略しただけである。
Figure 2016047428
Figure 2016047428
Figure 2016047428
Figure 2016047428
Figure 2016047428
Figure 2016047428
Figure 2016047428
Figure 2016047428
以下に、一般式(II)で表される化合物の具体例を立体異性体で示す。
本発明では、上記一般式(I)で表される化合物から得られる一般式(II)で表される化合物が、例示化合物として挙げられるのは当然であるため、省略する。
Figure 2016047428
Figure 2016047428
Figure 2016047428
<反応条件>
一般式(II)で表される化合物は、一般式(I)で表される化合物を、酸性条件下で反応させることにより、製造できる。
この反応に使用される溶媒(反応溶媒)としては、例えば、脂肪族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホキシド化合物、芳香族炭化水素化合物、尿素化合物および水が挙げられる。これらの溶媒は混合して使用してもよい。
これらの反応溶媒は、具体的には、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、塩化メチレン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、水が挙げられる。
反応溶媒は、水溶性溶媒が好ましく、ニトリル化合物、ケトン化合物またはアルコール化合物が好ましく、ニトリル化合物またはケトン化合物がより好ましく、具体的には、アセトニトリルまたはアセトンが好ましく、なかでもアセトニトリルが好ましい。
本発明では、>C=N−Rを>C=Oに脱保護することから、水の存在下で反応を行うことが好ましい。
反応溶媒に含まれる水は、有機溶媒100mLに対して、1〜70mLが好ましく、1〜50mLがより好ましく、1〜20mLがさらに好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されるものではなく、一般式(I)で表される化合物に対して、1〜50倍量(volume/weight、以下、v/wと省略して記載する。)であればよく、1〜15倍量(v/w)が好ましい。
本発明の反応は、酸性条件下で行うものであり、使用する酸は、有機もしくは無機のいずれでも構わない。無機の酸としては、塩酸、硫酸、リン酸が挙げられ、有機の酸としては、グリオキシル酸を含む脂肪族もしくは芳香族カルボン酸、脂肪族もしくは芳香族スルホン酸が挙げられる。脂肪族もしくは芳香族カルボン酸、脂肪族もしくは芳香族スルホン酸は、具体的には、グリオキシル酸、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸が挙げられ、グリオキシル酸が好ましい。
酸の使用量は、一般式(I)で表される化合物に対して、0.1倍モル以上が好ましく、1倍モル以上がより好ましく、1.5倍モル以上が特に好ましい。上限としては、100倍モル以下が好ましく、60倍モル以下がより好ましく、40倍モル以下が特に好ましい。
本発明では、脱保護で生じるNH−Rを捕獲し、反応の平衡を脱保護側にずらし、反応を促進させるため、カルボニル化合物を添加することが好ましい。カルボニル化合物としては、アセトンおよび2−ブタノンなどのケトン化合物ならびにホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキサールおよびグリオキシル酸などのアルデヒド化合物が挙げられ、アルデヒド化合物が好ましく、グリオキシル酸がより好ましい。
本発明では、酸と、NH−Rを捕獲して反応の平衡を脱保護側にずらすカルボニル化合物とを兼ね備えた化合物を用いてもよい。このような化合物は、スルホ基またはカルボキシ基とカルボニル基を分子内に有する化合物であり、グリオキシル酸は、この両方の機能を備えている。グリオキシル酸以外には、ピルビン酸、2−オキソブタン酸、2−オキソグルタミン酸、アセトンジカルボン酸、アセト酢酸、オキサル酢酸、ケトピン酸、2−ホルミルプロピオン酸などが挙げられる。
カルボニル化合物の使用量は、一般式(I)で表される化合物に対して、0.5倍モル以上が好ましく、1倍モル以上がより好ましく、1.5倍モル以上が特に好ましい。上限としては、100倍モル以下が好ましく、60倍モル以下がより好ましく、40倍モル以下が特に好ましい。
反応温度は、0℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。上限としては、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、80℃以下がさらに好ましい。反応時間は、5分間以上が好ましい。上限としては、50時間以内が好ましく、24時間以内がより好ましく、6時間以内がさらに好ましい。
<<一般式(I)で表される化合物の製造方法>>
一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(III)で表される化合物を用いて、合成することが好ましい。
Figure 2016047428
一般式(III)において、Rは、一般式(I)におけるRと同義である。Xxは単結合または−C(RXAx)(RXBx)−を表す。R2Ax〜R4Ax、R2Bx〜R4Bx、RXAxおよびRXBxは各々独立に、水素原子または置換基を表す。R2AxとR2Bx、R3AxとR3Bx、RXAxとRXBxが、互いに共同して、=O、または=C(Rdx)(Rex)で表されるメチリデン基を形成してもよく、また、R2Ax〜R4Ax、R2Bx〜R4Bx、RXAxおよびRXBxの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。RdxおよびRexは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
ここで、Xx、R2Ax〜R4Ax、R2Bx〜R4Bx、RXAx、RXBx、RdxおよびRexは、一般式(I)におけるX、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXA、RXB、RdおよびReと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(III)で表される化合物は、下記一般式(IIIA)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016047428
一般式(IIIA)において、Rは、一般式(I)におけるRと同義である。R2Ax〜R4AxおよびR2Bx〜R4Bxは各々独立に、水素原子または置換基を表す。R2AxとR2Bx、R3AxとR3Bxが、互いに共同して、=O、または=C(Rdx)(Rex)で表されるメチリデン基を形成してもよく、また、R2Ax〜R4AxおよびR2Bx〜R4Bxの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。RdxおよびRexは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
ここで、R2Ax〜R4Ax、R2Bx〜R4Bx、RXAx、RXBx、RdxおよびRexは、一般式(III)におけるR2Ax〜R4Ax、R2Bx〜R4Bx、RXAx、RXBx、RdxおよびRexと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(III)で表される化合物から、一般式(I)で表される化合物を合成する合成ルートは、下記の合成ルートが好ましい。
Figure 2016047428
ここで、NH−Rで表される化合物におけるRおよびY−SO−Raで表される化合物におけるRaは、一般式(I)におけるRおよびRaと同義であり、好ましい範囲も同じである。Yは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。)を表す。なお、一般式(III’)、(I−1)および(I−2)におけるR、Xx、R2Ax〜R4AxおよびR2Bx〜R4Bxは、一般式(III)におけるR、Xx、R2Ax〜R4AxおよびR2Bx〜R4Bxと同義であり、好ましい範囲も同じである。一般式(III’)、(I−1)、(I−2)におけるRは一般式(I)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。一般式(I−1)におけるRaは一般式(I)におけるRaと同義であり、好ましい範囲も同じである。
上記のように、まず、一般式(III)で表される化合物とNH−Rで表される化合物を反応させ、一般式(III’)で表される化合物を得る。その後、R4AxおよびR4Bxが結合する炭素原子上の水酸基(−OH)を、(a)Y−SO−Raで表される化合物と反応させて−O−SO−Raとすることで、一般式(I−1)で表される化合物を合成するか、または、(b)塩化チオニルのようなハロゲン化剤でハロゲン原子に変換することで、一般式(I−2)で表される化合物を合成する。
また、一般式(IIIA)で表される化合物から、一般式(IA)で表される化合物を合成する合成ルートは、下記の合成ルートとして表される。
Figure 2016047428
ここで、一般式(IIIA’)におけるR、R2Ax〜R4AxおよびR2Bx〜R4Bxは、一般式(III)におけるR、R2Ax〜R4AxおよびR2Bx〜R4Bxと同義であり、好ましい範囲も同じである。一般式(IIIA’)におけるRは一般式(I)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
<一般式(III’)で表される化合物の製造>
一般式(III’)で表される化合物は、一般式(III)で表される化合物と、NH−Rで表される化合物を反応させることで合成することが好ましい。
一般式(III)で表される化合物としては、例えば、常用されるピラノース化合物またはフラノースを用いることができる。
NH−Rで表される化合物は、Rが−Rbの場合、NH−Rbで表される第1級アミン化合物である。第1級アミン化合物は、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、ビニルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、トルイジン、1−ナフチルアミン、2−アミノピリミジン、2−アミノトリアジンが好ましく、メチルアミンまたはエチルアミンがなかでも好ましい。
NH−Rで表される化合物は、Rが−ORbの場合、NH−ORbで表されるヒドロキシルアミン化合物である。NH−ORbで表される化合物は、具体的には、ヒドロキシルアミン、O−メチルヒドロキシルアミン、O−エチルヒドロキシルアミン、O−フェニルヒドロキシルアミン、O−トリチルヒドロキシルアミン、またはO−ベンジルヒドロキシルアミンが好ましく、O−メチルヒドロキシルアミンまたはO−ベンジルヒドロキシルアミンがより好ましく、O−メチルヒドロキシルアミンがなかでも好ましい。
NH−Rで表される化合物は、Rが−N(Rb)(Rc)の場合、NH−N(Rb)(Rc)で表されるヒドラジン化合物である。ヒドラジン化合物は、具体的には、ヒドラジン、N−メチルヒドラジン、N,N−ジメチルヒドラジン、フェニルヒドラジンが好ましく、N−メチルヒドラジンまたはN,N−ジメチルヒドラジンがより好ましい。
NH−Rで表される化合物は、塩であっても構わない。このような塩としては、例えば塩酸塩などが挙げられる。
一般式(III’)で表される化合物は、アルデヒドやケトンのアセタールもしくはケタールとの反応より、高収率で合成することが可能であり、また得られた一般式(III’)で表される化合物が安定である。
このため、続く、一般式(I)で表される化合物を得るための反応条件でも、>C=N−R部分が安定である。また、一般式(I)で表される化合物を、酸性条件下で反応させ、脱保護で得られるアルデヒドもしくはケトン体の中間体を経由して、一般式(II)で表される化合物を合成する反応がも、温和な条件で進行する。
反応溶媒は、例えば、脂肪族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホキシド化合物、芳香族炭化水素化合物、ヘテロ芳香族化合物および水が挙げられる。これらの溶媒は混合して使用してもよい。溶媒の使用量は、特に限定されないが、一般式(III)で表される化合物に対して、1〜50倍量(v/w)であればよく、1〜15倍量(v/w)が好ましい。
NH−Rで表される化合物の使用量は、一般式(III)で表される化合物に対して、1倍モル以上が好ましく、2倍モル以上がより好ましく、3倍モル以上が特に好ましい。上限としては、10倍モル以下が好ましく、5倍モル以下がより好ましく、3倍モル以下が特に好ましい。NH−Rで表される化合物の塩を用いる場合、塩基を添加することが好ましい。塩基としては、有機もしくは無機の塩基が挙げられ、第三級アミン(例えばトリエチルアミン)、窒素原子を環構成原子として有する塩基性のヘテロ環化合物または炭酸水素ナトリウムが好ましい。塩基の使用量は、NH−Rで表される化合物に対して、1倍モル以上が好ましく、1.5倍モル以上がより好ましく、2倍モル以上がさらに好ましく、3倍モル以上が特に好ましい。上限としては、10倍モル以下が好ましく、5倍モル以下がより好ましく、3倍モル以下が特に好ましい。
反応温度は、−10℃以上が好ましく、−5℃以上がより好ましく、0℃以上が特に好ましい。上限としては、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、60℃以下が特に好ましい。反応時間は、5分間以上が好ましい。上限としては、50時間以内が好ましく、24時間以内がより好ましく、6時間以内が特に好ましい。
<一般式(I)で表される化合物の製造>
一般式(I)で表される化合物は、一般式(III’)で表される化合物の水酸基をLに変換することで合成することが好ましい。ここで、Lは、ハロゲン原子または−OSORaである。
(a)スルホニル化反応(一般式(I−1)で表される化合物の製造方法)
一般式(III’)で表される化合物の水酸基を−OSO−Raに変換する場合、Y−SO−Ra、あるいは、O(SO−Ra)で、一般式(III’)で表される化合物中の水酸基をスルホニル化することが好ましい。ここで、Yはハロゲン原子である。
反応溶媒は、例えば、脂肪族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホキシド化合物、芳香族炭化水素化合物、ヘテロ芳香族化合物および水が挙げられる。これらの溶媒は混合して使用してもよい。溶媒の使用量は、特に限定されないが、一般式(III’)で表される化合物に対して、1〜50倍量(v/w)であればよく、1〜15倍量(v/w)が好ましい。
Y−SO−Raで表されるスルホニル化剤の使用量は、一般式(III’)で表される化合物に対して、0.8倍モル以上が好ましく、1倍モル以上がより好ましく、1.2倍モル以上が特に好ましい。上限としては、10倍モル以下が好ましく、4倍モル以下がより好ましく、2倍モル以下が特に好ましい。
反応が進行するに伴い、HYの酸が発生することから、これを中和するために、塩基を使用することが好ましい。
塩基としては、有機もしくは無機の塩基が挙げられ、例えば、Y−SO−Raと反応しない第三級アミン、窒素原子を環構成原子として有する塩基性のヘテロ環化合物が挙げられ、トリエチルアミン、ピリジンおよびN−メチルイミダゾールが好ましい。塩基の使用量は、一般式(III’)で表される化合物に対して、0.8〜10倍モルであればよく、0.8〜4.0倍モルが好ましく、1.0〜3.0倍モルがより好ましい。
(b)ハロゲン化反応(一般式(I−2)で表される化合物の製造方法)
一般式(III’)で表される化合物の水酸基をハロゲン原子に変換する場合、ハロゲン化剤で、一般式(III’)で表される化合物中の水酸基をハロゲン化することが好ましい。
反応溶媒は、例えば、脂肪族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホキシド化合物、芳香族炭化水素化合物、尿素化合物および水が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。溶媒の使用量は、特に限定されないが、一般式(III’)で表される化合物に対して、1〜50倍量(v/w)であればよく、1〜15倍量(v/w)が好ましい。
ハロゲン化剤としては、一般的に使用される塩素化剤および臭素化剤などが挙げられる。
塩素化剤としては、塩化ホスホリル、三塩化リン、五塩化リン、Vilsmeier試薬(N,N−ジメチルホルムアミド−五塩化リン、N,N−ジメチルホルムアミド−オキシ塩化リン等)、Rydon試薬(PhPCl、トリフェニルホスフィン−四塩化炭素)、塩化チオニルおよび塩化スルフリルなどが挙げられ、塩化スルフリル、三塩化リンまたは塩化チオニルが好ましい。
臭素化剤としては、三臭化リン、N,N−ジメチルホルムアミド−三臭化リン、トリフェニルホスフィン−四臭化炭素およびトリフェニルホスフィンジブロミドなどが挙げられる。
ハロゲン化剤の使用量は、一般式(III’)で表される化合物に対して、0.8倍モル以上が好ましく、1倍モル以上がより好ましく、1.2倍モル以上が特に好ましい。上限としては、10倍モル以下が好ましく、5倍モル以下がより好ましく、2倍モル以下が特に好ましい。
反応が進行するに伴い、HYの酸が発生することから、これを中和するために、塩基を使用することが好ましい。
塩基としては、有機もしくは無機の塩基が挙げられ、例えば、第三級アミン、窒素原子を環構成原子として有する塩基性のヘテロ環化合物が挙げられ、トリエチルアミン、ピリジンおよびN−メチルイミダゾールが好ましい。塩基の使用量は、一般式(III’)で表される化合物に対して、0.8倍モル以上が好ましく、1倍モル以上が特に好ましい。上限としては、50倍モル以下が好ましく、20倍モル以下がより好ましく、10倍モル以下が特に好ましい。
この反応では、塩を添加することが好ましい。塩としては、塩化リチウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カルシウム、およびピリジン塩酸塩などが挙げられる。このハロゲン化反応においては、通常、エピマー混合物が得られる。一般式(I−2)で表される化合物の純度を向上させるために、塩化スルフリルおよび塩化リチウムを併用することが好ましい。
塩の使用量は、一般式(III’)で表される化合物に対して、0.5倍モル以上が好ましく、0.8倍モル以上がより好ましく、1倍モル以上が特に好ましい。上限としては、20倍モル以下が好ましく、5倍モル以下がより好ましく、3倍モル以下が特に好ましい。
反応温度は、−50℃以上が好ましく、−40℃以上がより好ましく、−30℃以上が特に好ましい。上限としては、80℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましく、40℃以下が特に好ましい。反応時間は、5分間以上が好ましい。上限としては、50時間以内が好ましく、24時間以内がより好ましく、6時間以内が特に好ましい。
<<一般式(II)で表される化合物の用途>>
一般式(II)で表される化合物は、抗ウイルス剤として有用なL−ヌクレオシド〔例えば、いずれもTetrahedron,2011,67,p.4031−4035に記載の、B型肝炎ウイルスに有用な2’−フルオロ−5−メチル−β−L−アラビノフラノシルリジンやL−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−5−フルオロシチジン、耐C型肝炎ウイルス活性を示す1−(β−L−リボフラノシル)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドやそのバリンエステル前駆薬〕の製造などに有用な化合物である。
また、自然界における存在量が少ない希少糖の製造に適用することにより、これらの希少糖による食後血糖値上昇抑制作用・脂肪蓄積抑制作用・動脈硬化予防作用・血圧上昇抑制作用・抗酸化作用の研究開発、メタボリックシンドローム対策に期待される新たな機能性素材としての研究に対して、安価で大量に供給することが可能となる。また、植物に対しても、イネなどの病害虫防御関連遺伝子の発現の誘導、生育調節作用の研究に対して、安価で大量に供給することが可能となる。
以下に、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明がこれによって限定して解釈されるものではない。
なお、合成した化合物は、以下の測定機器を使用して精製または測定を行った。
(使用測定機器)
カラムクロマトグラフィー
測定機器:山善株式会社製の分取クロマト装置 W−Prep 2XY(商品名)
クロマト担体:シリカゲル
H−NMRスペクトル
測定機器:Bruker社のAVANCE 300(商品名)
全δ値をppmで示した。
実施例1
下記反応条件で、例示化合物(I−3)から、例示化合物(II−1)を合成した。
Figure 2016047428
例示化合物(I−3)1.00g、アセトニトリル10mL、50%グリオキシル酸水溶液1.51mL(10モル等量)の混合物を70℃で14時間加熱撹拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル20mLを加えて、分液した。有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液を順に用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=73/27〜52/48)で精製し、アモルファスの例示化合物(II−1)0.32g(収率51%)を得た。H−NMRを測定した結果、アノマー比は3:1であった。
H−NMR(CDCl) δ値:8.10−7.87(6H,m),7.64−7.29(9H,m),6.14−6.08(1H,m),5.78−5.71(1H,m),5.64(0.75H,dd,J=1.8,5.4Hz),5.46(0.25H,t,J=5.1Hz),5.00(0.75H,dd,J=5.7,12.3Hz),4.82−4.60(2.25H,m),3.30(0.25H,d,J=11.1Hz),3.14(0.75H,d,J=2.7Hz)
使用した例示化合物(I−3)は、以下の合成ルートで合成した。
Figure 2016047428
Figure 2016047428
1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−D−リボフラノース5.0gの酢酸1.3mL懸濁液に、室温で30%臭化水素/酢酸2.9mLを滴下し、室温で3時間攪拌した。反応混合物にトルエン20mLおよび水20mLを加え、5分間撹拌した後、水槽を除去した。得られた有機層を10%炭酸水素ナトリウム水溶液20mLで洗浄後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物にアセトニトリル10mLおよび10%炭酸水素ナトリウム水溶液10mLを加え、室温で1時間攪拌後、一晩放置した。反応混合物にトルエン20mLおよび水10mLを加え、5分間攪拌した後、水層を除去し、溶媒を減圧留去し、2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−D−リボフラノースを含む無色油状物を得た。
無色油状物は、そのまま次の反応に使用した。
Figure 2016047428
上記で得られた無色油状物に、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩1.3gおよびメタノール5.0mLを加え、氷冷下でトリエチルアミン1.8mLを滴下し、室温で3時間攪拌した。反応混合物にトルエン10mLおよび10%塩化ナトリウム水溶液10mLを加え、水層を除去した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜2/1)で精製し、無色油状物の(2R,3R,4S)−2−ヒドロキシ−5−(メトキシイミノ)ペンタン−1,3,4−トリイル=トリベンゾアート2.7gを得た。
H−NMRを測定した結果、シン/アンチ比は4:1であった。
H−NMR(CDCl) δ値:8.05−8.01(4H,m),7.99−7.94(2H,m),7.62−7.35(9.8H,m),6.92(0.2H,d,J=5.9Hz),6.57(0.2H,dd,J=5.9,2.6Hz),6.16(0.8H,dd,J=6.6,3.3Hz),5.87(0.2H,dd,J=8.9,3.0Hz),5.81(0.8H,dd,J=7.9,3.3Hz),4.68−4.62(1H,m),4.46−4.31(2H,m),4.03(0.6H,s),3.92(2.4H,s),3.24(0.2H,brs),3.06(0.8H,brs)
Figure 2016047428
(2R,3R,4S)−2−ヒドロキシ−5−(メトキシイミノ)ペンタン−1,3,4−トリイル=トリベンゾアート2.7g、アセトニトリル5mL、N−メチルイミダゾール0.5mLおよび2,4,5−トリクロロベンゼンスルホニルクロリド1.7gの混合物を室温で8時間撹拌し、室温で3日間静置した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分取して、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜3/1)で精製し、無色油状物の(2R,3R,4S)−5−(メトキシイミノ)−2−(((2,4,5−トリクロロベンゼン)スルホニル)オキシ)ペンタン−1,3,4−トリイル=トリベンゾアート3.0gを得た。
H−NMR(CDCl) δ値:8.08−7.96(5H,m),7.91−7.88(2H,m),7.64−7.33(10.75H,m),6.91(0.25H,d,J=5.9Hz),6.55(0.25H,t,J=5.3Hz),6.06−5.95(1.75H,m),5.55−5.49(0.75H,m),5.48−5.42(0.25H,m),4.91−4.84(1H,m),4.69−4.62(1H,m),3.97(0.75H,s),3.85(2.25H,s)
実施例2
下記反応条件で、例示化合物(I−2)から、例示化合物(II−1)を合成した。
Figure 2016047428
例示化合物(I−2)0.26g、アセトニトリル2.6mL、50%グリオキシル酸水溶液0.41mL(10モル等量)の混合物を70℃で24時間加熱撹拌した。その後、反応溶液に酢酸エチルを加えて、分液した。有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液を順に用いて洗浄し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=73/27〜52/48)で精製し、アモルファスの例示化合物(II−1)0.087g(収率51%)を得た。
なお、例示化合物(I−2)は、例示化合物(I−3)の合成において、(2R,3R,4S)−2−ヒドロキシ−5−(メトキシイミノ)ペンタン−1,3,4−トリイル=トリベンゾアートに対して、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロリドを用いた以外は、例示化合物(I−3)と同様にして合成した。
例示化合物(I−2)
H−NMR(CDCl) δ値:8.10−7.90(7H,m),7.64−7.38(10H,m),7.27−7.20(2H,m),6.90(0.25H,d,J=5.7Hz),6.55(0.25H,dd,J=4.8,5.7Hz),6.07−5.90(1.75H,m),5.56−5.50(0.75H,m),5.49−5.43(0.25H,m),4.90−4.84(1.00H,m),4.68−4.54(1.00H,m),3.96(0.75H,s),3.85(2.25H,s)
実施例3
下記反応条件で、例示化合物(I−1)から、例示化合物(II−1)を合成した。
Figure 2016047428
例示化合物(I−1)0.45g、アセトニトリル4.5mL、50%グリオキシル酸水溶液0.75mL(10モル当量)の混合物を70℃で5時間加熱撹拌した後、100℃で19時間加熱撹拌した。その後、反応溶液に酢酸エチルを加えて、分液した。有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液を順に用いて洗浄し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=73/27〜52/48)で精製し、アモルファスの例示化合物(II−1)0.136g(収率43%)を得た。
なお、例示化合物(I−1)は、例示化合物(I−3)の合成において、(2R,3R,4S)−2−ヒドロキシ−5−(メトキシイミノ)ペンタン−1,3,4−トリイル=トリベンゾアートに対して、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに4−クロロベンゼンスルホニルクロリドを用いた以外は、例示化合物(I−3)と同様にして合成した。
例示化合物(I−1)
H−NMR(CDCl) δ値:8.10−7.89(6H,m),7.83−7.76(2H,m),7.65−7.55(3H,m),7.50−7.40(7H,m),7.34−7.28(2H,m),6.85(0.25H,d,J=5.7Hz),6.51(0.25H,dd,J=4.8,5.7Hz),6.04−5.92(1.75H,m),5.47−5.40(0.75H,m),5.40−5.34(0.25H,m),4.92−4.83(1.00H,m),4.60−4.48(1.00H,m),3.94(0.75H,s),3.85(2.25H,s)
実施例4
下記反応により、例示化合物(I−21)から、例示化合物(II−3)を合成した。
Figure 2016047428
例示化合物(I−21)0.72g、アセトニトリル7.2mL、50%グリオキシル酸水溶液1.15mL(10モル等量)の混合物を70℃で5時間加熱撹拌した。その後、反応溶液に酢酸エチルを加えて、分液した。有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液を順に用いて洗浄し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=69/31〜48/52)で精製し、油状の例示化合物(II−3)0.260g(収率59%)を得た。H−NMRを測定した結果、アノマー比は1:1であった。
H−NMR(CDCl) δ値:7.38−7.28(15H,m),5.51(0.5H,d,J=2.4Hz),5.26(0.5H,dd,J=4.2,12.0Hz),4.87−4.44(6H,m),4.29−4.21(1H,m),4.16−4.08(1H,m),3.93−3.89(1H,m),3.85−3.67(2H,m)
使用した例示化合物(I−21)は、以下の合成ルートで合成した。
Figure 2016047428
なお、例示化合物(I−21)は、例示化合物(I−3)の合成において、1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−D−リボフラノースの代わりに1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベンジル−D−リボフラノースを用いた以外は、例示化合物(I−3)と同様にして合成した。H−NMRを測定した結果、異性体比は4:1であった。
化合物(I−21’)
H−NMR(CDCl) δ値:7.44(0.8H,d,J=8.1Hz),7.37−7.15(15H,m),6.89(0.2H,d,J=6.6Hz),5.02(0.2H,dd,J=2.4,6.6Hz),4.79−4.42(6H,m),4.33(0.8H,dd,J=3.3,8.1Hz),3.88(2.4H,s),3.87(0.6H,s),3.89−3.76(2H,m),3.66−3.54(2H,m),2.68(0.2H,d,J=5.7Hz),2.58(0.8H,d,J=4.8Hz)
例示化合物(I−21)
H−NMR(CDCl) δ値:8.08(0.8H,s),8.06(0.2H,s),7.35−7.22(14H,m),7.16(0.8H,d,J=7.5Hz),7.10−7.06(2H,m),6.69(0.2H,d,J=6.6Hz),5.04−4.96(1H,m),4.81(0.2H,dd,J=5.4,6.6Hz),4.74−4.58(3H,m),4.41−4.32(1H,m),4.20(2H,s),4.06−3.94(1.8H,m),3.89(2.4H,s),3.87(0.6H,s),3.74−3.66(1.2H,m),3.52(0.8H,dd,J=3.0,11.4Hz)
実施例5
下記反応条件で、例示化合物(I−3)から、例示化合物(II−1)を合成した。
Figure 2016047428
例示化合物(I−3)1.00g、アセトン10mL、35%ホルムアルデヒド水溶液1.08mL(10モル当量)、1mol/L塩酸0.14mLの混合物を70℃で15時間加熱撹拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル20mLを加えて、分液した。有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液を順に用いて洗浄し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=73/27〜52/48)で精製し、アモルファスの例示化合物(II−1)0.38g(収率60%)を得た。H−NMRを測定した結果、アノマー比は2:1であった。
比較例1
J.Chem.Soc.,C.1967,p.1186〜1187に記載の合成方法を以下に示す。
アセトン60mLにアセタール化合物(VIII)1.5gを加えた溶液と5Nのスルホン酸(10mL)を混合し、還流下で6時間加熱撹拌した。得られた生成物をクロロホルムで分離し、シリカゲル50gを使用したクロマトグラフィーで分離した。ベンゼン−エーテル(19:1)の溶離液から、アセタール化合物(VIII)とアルデヒド化合物(IX)の混合物が得られ、ベンゼン−エーテル(85:15)の溶離液から、スラリー状の2,3,5−トリ−O−ベンジル−L−リキソフラノース(XI)201mgを得た。また、アセタール化合物(VIII)とアルデヒド化合物(IX)の混合物をクロマトグラフィーで、精製を繰り返し、アセタール化合物(VIII)とアルデヒド化合物(IX)の混合物895mgを得た。
アセタール化合物(VIII)からの収率を計算すると20%であった。
Figure 2016047428
なお、Bnはベンジル基(−CH−C)であり、Tsはトシル基(−SO−p−CH)である。
実施例1〜5および比較例1から明らかなように、本発明の製造方法は、穏和な条件で、簡便かつ高収率で、しかも立体選択性に優れ、大量製造が可能な製造方法であることがわかる。
特に、大量製造を行う場合、10%以上の収率向上は、大幅なコスト削減になる。
このように、本発明の製造方法を、自然界における存在量が少ない希少糖の製造に適用することで、各種の効果が見いだされつつある希少糖を安価に、大量供給することが可能となり、研究開発の促進に有用であることがわかる。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2014年9月24日に日本国で特許出願された特願2014−194394に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。

Claims (13)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物を酸性条件下で反応させる、下記一般式(II)で表される化合物の製造方法。
    Figure 2016047428
    一般式(I)および(II)において、Lはハロゲン原子または−OSORaを表す。Rは−Rb、−ORbまたは−N(Rb)(Rc)を表す。ここで、Raはハロゲン原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表し、RbおよびRcは各々独立に、水素原子、脂肪族基、アシル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Rは水素原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Xは単結合または−C(RXA)(RXB)−を表す。R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBは各々独立に、水素原子または置換基を表す。R2AとR2B、R3AとR3B、RXAとRXBが、互いに共同して、=O、または=C(Rd)(Re)で表されるメチリデン基を形成してもよく、また、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。RdおよびReは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
  2. 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(IA)で表される化合物であり、前記一般式(II)で表される化合物が、下記一般式(IIA)で表される化合物である、請求項1に記載の製造方法。
    Figure 2016047428
    一般式(IA)および(IIA)において、L、R、R、R2A〜R4AおよびR2B〜R4Bは、前記一般式(I)および(II)におけるL、R、R、R2A〜R4AおよびR2B〜R4Bと同義である。
  3. 前記Lが、ハロゲン原子または−OSORaであって、前記Rが−Rb、−ORbまたは−N(Rb)(Rc)であり、ここで、Raが、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはヘテロ環基であって、RbおよびRcが各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アリール基またはヘテロ環基であり、
    前記Rが、水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、前記Xが、単結合または−C(RXA)(RXB)−であって、前記R2A、R3A、R2B、R3B、RXAおよびRXBが、各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基またはアジド基であり、前記R4AおよびR4Bが各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはヘテロ環基であり、
    ここで、R2AとR2B、R3AとR3B、RXAとRXBが、互いに共同して、=O、または=C(Rd)(Re)で表されるメチリデン基を形成してもよく、また、R2A〜R4A、R2B〜R4B、RXAおよびRXBの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよいが、この場合、RdおよびReが、各々独立に、水素原子またはアルキル基である、
    請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記Rが、前記−ORbである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記Rが、水素原子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記Lが、前記−OSORaである請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記R4AおよびR4Bの一方が水素原子で、他方が置換基であるか、R4AおよびR4Bが異なる置換基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記R2A、R3A、R2BおよびR3Bの少なくとも1つが、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記Lが前記−OSORaであり、前記Rが前記−ORbであり、前記Rが水素原子であり、前記R2A、R3A、R2BおよびR3Bが、各々独立に水素原子、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基であり、前記R4AおよびR4Bのいずれか一方が水素原子で他方がアルキル基である請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 下記一般式(IIIA)で表される化合物から前記一般式(IA)で表される化合物を製造した後、前記反応を行う、請求項2に記載の製造方法。
    Figure 2016047428
    一般式(IIIA)において、Rは、前記一般式(I)におけるRと同義である。R2Ax〜R4AxおよびR2Bx〜R4Bxは各々独立に、水素原子または置換基を表す。R2AxとR2Bx、R3AxとR3Bxが、互いに共同して、=O、または=C(Rdx)(Rex)で表されるメチリデン基を形成してもよく、また、R2Ax〜R4AxおよびR2Bx〜R4Bxの少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。RdxおよびRexは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
  11. 前記反応を、水存在下で行う請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記反応を、アルデヒド化合物存在下で行う請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記反応を、グリオキシル酸存在下で行う請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
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