JPWO2016047391A1 - 有機半導体素子及びその製造方法、化合物、有機半導体膜形成用組成物、並びに、有機半導体膜 - Google Patents

有機半導体素子及びその製造方法、化合物、有機半導体膜形成用組成物、並びに、有機半導体膜 Download PDF

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Abstract

高移動度であり、熱安定性優れ、移動度のバラツキが抑制された有機半導体素子及びその製造方法を提供すること、有機半導体として好適な新規な化合物を提供すること、並びに、高移動度であり、熱安定性に優れ、移動度のバラツキが抑制された有機半導体膜、及び、上記有機半導体膜を好適に形成することができる有機半導体膜形成用組成物を提供することを目的とする。本発明の有機半導体素子は、下記式1で表される有機半導体を含有する有機半導体層を有することを特徴とする、有機半導体素子。Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NRのいずれかを表し、環Aはそれぞれ独立に、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、mは1〜5の整数を表し、mが1の時はRの少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、mが4又は5の時は3つ以上のRが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。

Description

本発明は、有機半導体素子及びその製造方法、化合物、有機半導体膜形成用組成物、並びに、有機半導体膜に関する。
軽量化、低コスト化、柔軟化が可能であることから、液晶ディスプレイや有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)ディスプレイに用いられるFET(Field effect transistor、電界効果トランジスタ)、RFID(Radio Frequency Identifier、RFタグ)等に、有機半導体膜(有機半導体層)を有する有機トランジスタが利用されている。
従来の有機半導体としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
特開2010−177643号公報
本発明が解決しようとする課題は、高移動度であり、熱安定性に優れ、移動度のバラツキが抑制された有機半導体素子及びその製造方法を提供することである。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、有機半導体として好適な新規な化合物を提供することである。
更に、本発明が解決しようとする他の課題は、高移動度であり、熱安定性に優れ、移動度のバラツキが抑制された有機半導体膜、及び、上記有機半導体膜を好適に形成することができる有機半導体膜形成用組成物を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<6>、<10>、<19>、又は、<20>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<5>、<7>〜<9>、<11>〜<18>、及び、<21>〜<25>とともに以下に記載する。
<1> 下記式1で表される有機半導体を含有する有機半導体層を有することを特徴とする、有機半導体素子、
Figure 2016047391
式1中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NRのいずれかを表し、Rはそれぞれ独立に置換基を表し、環Aはそれぞれ独立に、5員又は6員の単環の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、mは1〜5の整数を表し、mが2〜5の場合は複数の環Aはそれぞれ同一でも異なってもよく、nは0以上の整数を表し、mが1の場合はRの少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、mが4又は5の場合は3つ以上のRが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
<2> 式1中、環Aがそれぞれ独立に、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、又はピロール環を表し、かつ、式1中のRを取り去った部分構造の対称性が、C2、C2v、又は、C2hである、<1>に記載の有機半導体素子、
<3> 式1で表される有機半導体が、下記式2で表される有機半導体である、<1>又は<2>に記載の有機半導体素子、
Figure 2016047391
式2中、Tは下記T−1〜T−35よりなる群から選択されるいずれかの構造を表し、R’はそれぞれ独立に置換基を表し、nは0〜6の整数を表し、TがT−1又はT−2である場合、R’の少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、TがT−20〜T−35のいずれかである場合、3つ以上のR’が芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
Figure 2016047391
Figure 2016047391
T−1〜T−35中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NR’のいずれかを表す。
<4> R’が下記式3で表される、<3>に記載の有機半導体素子、
Figure 2016047391
式3中、Lはそれぞれ独立に、下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基、又は、2以上の下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表し、Zはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、又は、トリアルキルシリル基を表し、ただし、Zがトリアルキルシリル基を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−3で表される連結基である場合に限り、水素原子を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−1、L−2、L−3、L−10、L−11、又は、L−12で表される連結基である場合に限る。
Figure 2016047391
式L−1〜式L−12中、*及び波線部分は他の構造との結合位置を表し、式L−1、式L−2及び式L−10〜式L−12におけるRL1はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
<5> Xがそれぞれ独立に、O又はSを表す、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の有機半導体素子、
<6> 上記式2で表されることを特徴とする化合物、
<7> R’が上記式3で表される、<6>に記載の化合物、
<8> Xがそれぞれ独立に、O又はSを表す、<6>又は<7>に記載の化合物、
<9> 有機半導体である、<6>〜<8>のいずれか1つに記載の化合物、
<10> 上記式1で表される有機半導体と、溶媒とを含有することを特徴とする、有機半導体膜形成用組成物、
<11> 式1中、環Aがそれぞれ独立に、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、又は、ピロール環を表し、かつ、式1中のRを取り去った部分構造の対称性が、C2、C2v、又は、C2hである、<10>に記載の有機半導体膜形成用組成物、
<12> 式1で表される有機半導体が、上記式2で表される有機半導体である、<10>又は<11>に記載の有機半導体膜形成用組成物、
<13> R’が上記式3で表される、<12>に記載の有機半導体膜形成用組成物、
<14> Xがそれぞれ独立に、O又はSを表す、<10>〜<13>のいずれか1つに記載の有機半導体膜形成用組成物、
<15> 上記式1で表される有機半導体の濃度が、組成物全体に対して0.5〜15質量%である、<10>〜<14>のいずれか1つに記載の有機半導体膜形成用組成物、
<16> 溶媒の沸点が100℃以上である、<10>〜<15>のいずれか1つに記載の有機半導体膜形成用組成物、
<17> ポリマーバインダーを更に含有する、<10>〜<16>のいずれか1つに記載の有機半導体膜形成用組成物、
<18> 組成物の粘度が5mPa・s〜50mPa・sである、<10>〜<17>のいずれか1つに記載の有機半導体膜形成用組成物、
<19> <10>〜<18>のいずれか1つに記載の有機半導体膜形成用組成物を基板上に塗布する塗布工程を含む、有機半導体素子の製造方法、
<20> 上記式1で表される有機半導体を含有することを特徴とする、有機半導体膜、
<21> 上記式1中、環Aがそれぞれ独立に、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、又は、ピロール環を表し、かつ、式1中のRを取り去った部分構造の対称性が、C2、C2v、又は、C2hである、<20>に記載の有機半導体膜、
<22> 上記式1で表される有機半導体が、上記式2で表される有機半導体である、<20>又は<21>に記載の有機半導体膜、
<23> R’が上記式3で表される、<22>に記載の有機半導体膜、
<24> Xがそれぞれ独立に、O又はSを表す、<20>〜<23>のいずれか1つに記載の有機半導体膜、
<25> 溶液塗布法により製膜された、<20>〜<24>のいずれか1つに記載の有機半導体膜。
本発明によれば、高移動度であり、熱安定性に優れ、移動度のバラツキが抑制された有機半導体素子及びその製造方法を提供することができた。
また、本発明によれば、有機半導体として好適な新規な化合物を提供することができた。
更に、本発明によれば、高移動度であり、熱安定性に優れ、移動度のバラツキが抑制された有機半導体膜、及び、上記有機半導体膜を好適に形成することができる有機半導体膜形成用組成物を提供することができた。
本発明の有機半導体素子の一態様の断面模式図である。 本発明の有機半導体素子の別の一態様の断面模式図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものとともに置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本発明において、「移動度」との記載は、キャリア移動度を意味し、電子移動度及びホール移動度のいずれか、又は、双方を意味する。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい。
(有機半導体素子、及び、化合物)
本発明の有機半導体素子は、上記式1で表される有機半導体(以下、「特定有機半導体化合物」又は「特定化合物」ともいう。)を含有する有機半導体層を有することを特徴とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記特定有機半導体化合物を含有することにより、得られる有機半導体素子や有機半導体膜が高移動度であり、熱安定性に優れ、移動度のバラツキが抑制されることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
詳細な効果の発現機構については不明であるが、上記特定有機半導体化合物は、分子間でHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)の重なりが大きくなりやすく、高移動度であり、熱安定性に優れ、また、移動度のバラツキが抑制されると推定される。
<特定有機半導体化合物>
本発明において、特定有機半導体化合物は、下記式1で表される。
Figure 2016047391
式1中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NRのいずれかを表し、Rはそれぞれ独立に置換基を表し、環Aはそれぞれ独立に、5員又は6員の単環の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、mは1〜5の整数を表し、mが2〜5の場合は複数の環Aはそれぞれ同一でも異なってもよく、nは0以上の整数を表し、mが1の場合はRの少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、mが4又は5の場合は3つ以上のRが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
本発明の特定有機半導体化合物は、新規な化合物である。
また、本発明の特定有機半導体化合物は、有機半導体素子、有機半導体膜、及び、有機半導体膜形成用組成物に好適に用いることができる。
本発明の特定有機半導体化合物は、環Aの両端に存在する複素芳香環の複素原子が、環Aに対して外向きに配置している。このような特定の構造を有することにより、有機半導体層や膜として高移動度であり、熱安定性に優れ、移動度のバラツキが抑制されたものが得られると推定している。
式1中、環Aはそれぞれ独立に、5員又は6員の単環の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表す。芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環が例示される。芳香族複素環の複素原子としては特に限定されないが、S、O、N、Seが例示され、芳香族複素環としては、チオフェン環、フラン環、ピラン環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、セレノフェン環、イミダゾール環等が挙げられる。
これらの中でも、環Aはそれぞれ独立に、ベンゼン環、チオフェン環、セレノフェン環、又は、ピロール環であることが好ましく、ベンゼン環、チオフェン環又はフラン環であることがより好ましく、ベンゼン環又はチオフェン環であることが更に好ましい。
なお、環Aが複数存在する場合、すなわち、mが2以上である場合、複数存在する環Aは同一でも異なっていてもよく、特に限定されない。
特定有機半導体化合物は、3環以上7環以下の縮環を含む芳香族炭化水素基又は芳香族ヘテロ環基(3環以上の縮環を含む縮合多環芳香族基)を含む化合物である。なお、特定有機半導体化合物から置換基Rを除いた構造を、「縮合多環芳香族基」ともいうこととする。
式1中、mは1〜5の整数を表す。mは、1〜4であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。すなわち、特定有機半導体化合物から、置換基Rを除いた縮合多環芳香族基中の環数は、有機半導体としての移動度の観点から、3〜7であり、3〜6が好ましく、4〜6がより好ましい。
特定有機半導体化合物からRを取り去った部分構造、すなわち、特定有機半導体から置換基であるRを除いた縮合多環芳香族基の対称性が、C2、C2v、又は、C2hであることが好ましい。対称性がC2、C2v、又は、C2hであると、規則正しい結晶構造をとりやすく、高移動度を発現しやすいためである。
なお、縮環構造の対称性については、『分子の対称と群論』(中崎昌雄著、東京化学同人)の記載が参酌される。
式1中、Rはそれぞれ独立に置換基を表す。nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
Rとしては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む。)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基(芳香族炭化水素基)、複素環基(ヘテロ環基といってもよい。芳香族複素環基、及び、脂肪族複素環基を含む。)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む。)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基(モノ−、ジ−、トリアルキルシリル基を含む。)、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。また、Rが更に置換基により置換されていてもよい。置換基としては、Rで例示した基が例示される。
これらの中でも、Rとしては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アリール基、複素環基が好ましく、アルキル基、アリール基(芳香族炭化水素基)、又は、芳香族複素環基がより好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、フッ素原子が好ましい。
アルキル基としては、炭素数2〜18のアルキル基が好ましく、炭素数3〜15のアルキル基がより好ましく、炭素数4〜12のアルキル基が更に好ましい。上記アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、これらを組み合わせた構造でもよいが、直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数2〜18のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数3〜15のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数4〜12のアルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基のアルキル基部分は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、これらを組み合わせた構造でもよいが、直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。
アルキニル基としては、炭素数2〜18のアルキニル基が好ましく、炭素数3〜15のアルキニル基がより好ましく、炭素数4〜12のアルキニル基が更に好ましい。
アシル基(R−C(=O)−)としては、炭素数2〜18のアシル基が好ましく、炭素数3〜15のアシル基がより好ましく、炭素数4〜12のアシル基がより好ましい。
アシルオキシ基(R−(=O)−O−)としては、炭素数2〜18のアシルオキシ基が好ましく、炭素数3〜15のアシルオキシ基がより好ましく、炭素数4〜12のアシルオキシ基が更に好ましい。
アリール基(芳香族炭化水素基)としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等から水素を1つ除いた基が例示される。
また、芳香族複素環基としては、チオフェン環、フラン環、ピラン環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、セレノフェン環、イミダゾール環等から水素原子を1つ除いた基が挙げられ、チオフェン環、セレノフェン環、又は、ピロール環から水素原子を1つ除いた基であることが好ましく、チオフェン環又はフラン環から水素原子を1つ除いた基であることがより好ましく、チオフェン環から水素原子を1つ除いた基であることが更に好ましい。
mが1の場合、Rの少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。mが1の時、Rの少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表さないと、π共役系が小さいため十分な移動度が得られない。
mが1の時、Rの少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であり、移動度の観点から、少なくとも2つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であることが好ましい。
mが1の場合、Rが表す芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等から水素原子を1つ除いた基が例示される。これらの中でも、ベンゼン環又はナフタレン環から水素原子を1つ除いた基が好ましく、ベンゼン環から水素原子を1つ除いた基が特に好ましい。
また、Rが表す芳香族複素環基としては、チオフェン環、フラン環、ピラン環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、セレノフェン環、イミダゾール環等から水素原子を1つ除いた基が挙げられ、チオフェン環、セレノフェン環、又は、ピロール環から水素原子を1つ除いた基であることが好ましく、チオフェン環又はフラン環から水素原子を1つ除いた基であることがより好ましく、チオフェン環から水素原子を1つ除いた基であることが更に好ましい。
Rが表す芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、ベンゼン環又はチオフェン環から水素原子を1つ除いた基であることが特に好ましい。
なお、Rの少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表すとは、環Aを含む縮合多環芳香族基に、直接芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が結合していることを意味する。
また、mが4又は5の場合は3つ以上のRが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。mが4又は5の場合に、3つ以上のRが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であると、π共役系が大きくなり過ぎることにより、溶解度が非常に低く、また昇華温度は非常に高くなる。そのため、塗布製膜時には膜質不良で性能が悪化しやすくなり、蒸着製膜時には熱分解物を生じるため性能が悪化しやすくなる。
mが4又は5である場合、0〜2つのRが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であり、0又は1つのRが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であることが好ましく、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表すRを有しないことがより好ましい。
nは、0以上の整数を表し、縮合多環芳香族基に対するRの置換数を意味する。なお、mが1の場合、nは1以上の整数を表し、mが2〜5の場合、nは0以上の整数を表す。nは、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。nの上限は特に限定されないが、移動度及び製膜性の観点から、8以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4以下であることが更に好ましい。
特定有機半導体化合物中には、環Aを含む縮合多環芳香族基(縮合多環芳香族構造)が含まれるが、この基が主成分として含まれることが好ましい。ここで主成分とは、縮合多環芳香族基の分子量の含有量が、特定有機半導体化合物の全分子量に対して、30%以上であることを意味し、40%以上であることが好ましい。上限は特に制限されないが、溶解性の点から、95%以下であることが好ましい。
特定有機半導体化合物は、下記式2で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2016047391
式2中、Tは下記T−1〜T−35よりなる群から選択されるいずれかの構造を表し、R’はそれぞれ独立に置換基を表し、nは0〜6の整数を表し、TがT−1又はT−2である場合、R’の少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、TがT−20〜T−35のいずれかである場合、3つ以上のR’が芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
Figure 2016047391
Figure 2016047391
T−1〜T−35中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NR’のいずれかを表す。
式2中、Tは、T−1、T−2、T−3、T−4、T−9、T−11、T−22、T−23、T−24、T−25であることが好ましく、T−3、T−4、T−9、T−11、T−22であることがより好ましく、T−9、T−11が更に好ましい。
式2中、R’は式1中のRと同義である。
また、式2中、Xの好ましい範囲は、式1中のXの好ましい範囲と同様である。
式2中、R’は下記式3で表されることが好ましい。
Figure 2016047391
式3中、Lはそれぞれ独立に、下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基、又は、2以上の下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表し、Zはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、又は、トリアルキルシリル基を表し、ただし、Zがトリアルキルシリル基を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−3で表される連結基である場合に限り、水素原子を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−1、L−2、L−3、L−10、L−11、又は、L−12で表される連結基である場合に限る。
Figure 2016047391
式L−1〜式L−12中、*及び波線部分は他の構造との結合位置を表し、式L−1、式L−2及び式L−10〜式L−12におけるRL1はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
式L−1〜式L−12中、波線部分がT−1〜T−35よりなる群から選択されるいずれかの構造との結合位置を表し、*は、Zとの結合位置、又は、他のL−1〜L−12よりなる群から選択される2価の連結基との結合位置を表すことが好ましい。
なお、Lが、上記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基が結合した連結基を表す場合、式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基の結合数は、2〜4であることが好ましく、2又は3であることがより好ましい。
L−1、L−2、L−10、L−11及びL−12中、複数存在するRL1は同一でも異なっていてもよい。また、L−1及びL−2中、RL1は、それぞれ隣接するZと結合して環構造を形成してもよく、上記環構造として、縮合環を形成していてもよい。
L1としては、水素原子、又は、上記式1におけるRとして例示した各種の置換基が例示される。
上記式L−10で表される2価の連結基は、下記式L−10A、式L−10B、又は、式L−10Cで表される2価の連結基であり、式L−10A又は式L−10Bで表される2価の連結基であることが好ましく、式L−10Bで表される2価の連結基であることがより好ましい。
Figure 2016047391
上記式L−12で表される2価の連結基は、下記式L−12A、L−12B又はL−12Cで表される2価の連結基であり、式L−12A又はL−12Bで表される2価の連結基であることが好ましく、式L−12Bで表される2価の連結基であることがより好ましい。
Figure 2016047391
上記Lは式L−1〜L−6、L−10、L−11及びL−12のいずれかで表される2価の連結基、又は、これらの2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることが好ましく、式L−1〜L−5、L−10、L−11及びL−12のいずれかで表される2価の連結基、又は、これらの2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることがより好ましく、化学的安定性、高い移動度が得られる観点から式L−1、L−3、L−10、L−11及びL−12のいずれかで表される2価の連結基、又は、これらの2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることが更に好ましく、式L−1、L−3、L−10、及び、L−12のいずれかで表される2価の連結基、又は、これらの2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることが特に好ましく、式L−1若しくは又はL−3で表される2価の連結基、又は、これらの2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることが最も好ましい。
Zがアルキル基である場合、炭素数1以上のアルキル基であれば特に限定されないが、化学的安定性、キャリア輸送性の観点から、炭素数は2〜18であることが好ましく、3〜12であることがより好ましく、4〜10であることが更に好ましく、4〜8であることが特に好ましく、4〜6であることが最も好ましい。
特定有機半導体化合物は、上記−L−Zにアルキル基が含まれる場合、Zが表すアルキル基が上記範囲の下限値以上であるとキャリア移動度が高くなる。また、LがZに隣接する式L−1を含む場合は、式L−1で表されるアルキレン基及びZで表されるアルキル基が結合して形成されるアルキル基の炭素数が上記範囲の下限値以上であるとキャリア移動度が高くなる。
Zが表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、直鎖アルキル基であることがキャリア移動度を高める観点から好ましく、炭素数1〜12の直鎖アルキル基であることがより好ましく、炭素数3〜12の直鎖アルキル基であることが更に好ましく、炭素数4〜10の直鎖アルキル基であることが特に好ましく、炭素数4〜8の直鎖アルキル基であることが更に特に好ましく、炭素数4〜6の直鎖アルキル基であることが最も好ましい。Zが置換基を有するアルキル基である場合の置換基としては、ハロゲン原子などを挙げることができ、フッ素原子が好ましい。なお、Zがフッ素原子を有するアルキル基である場合はアルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されてパーフルオロアルキル基を形成してもよい。
上記Zがオキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基を表す場合、Zが表すオキシエチレン単位とは本明細書中、−(OCH2CH2xOYで表される基のことをいう(オキシエチレン単位の繰り返し数xは2以上の整数を表し、末端のYは水素原子又は置換基を表す。)。なお、オリゴオキシエチレン基の末端のYが水素原子である場合はヒドロキシ基となる。オキシエチレン単位の繰り返し数xは2〜4であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。オリゴオキシエチレン基の末端のヒドロキシ基は封止されていること、すなわちYが置換基を表すことが好ましい。この場合、ヒドロキシ基は、炭素数が1〜3のアルキル基で封止されること、すなわちYが炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、Yがメチル基やエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
上記Zが、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基の場合、シロキサン単位の繰り返し数は2〜4であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。また、Si原子には、水素原子やアルキル基が結合することが好ましい。Si原子にアルキル基が結合する場合、アルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基が結合することが好ましい。Si原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基又は水素原子が結合してもよい。また、オリゴシロキサン基を構成するシロキサン単位はすべて同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一であることが好ましい。
Zに隣接するLが上記式L−3で表される2価の連結基である場合に限り、Zが置換又は無置換のトリアルキルシリル基をとり得る。Zが置換又は無置換のトリアルキルシリル基の場合、Si原子に結合するアルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基やイソプロピル基が結合することが好ましい。
Si原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基が結合してもよい。Zが置換基を有するトリアルキルシリル基である場合の置換基としては、特に制限はない。
本発明において、式1における環Aを含む縮合多環芳香族基(有機半導体母核)、又は、式2におけるTの具体例としては、下記に示す縮合多環芳香族基(t−1〜t−35)が好ましく例示されるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
Figure 2016047391
Figure 2016047391
これらの中でも、t−1、t−2、t−3、t−4、t−9、t−11、t−22、t−23、t−24、t−25が好ましく、t−3、t−4、t−9、t−11、t−22がより好ましく、t−9、t−11が更に好ましい。
特定有機半導体化合物の分子量は、特に制限されないが、分子量が1,500以下であることが好ましく、1,000以下であることがより好ましく、800以下であることが更に好ましく、700以下であることが特に好ましい。分子量を上記上限値以下とすることにより、溶媒への溶解性を高めることができる。一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は400以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましく、500以上であることが更に好ましい。
後述する有機半導体層、後述する有機半導体膜又は有機半導体膜形成用組成物中には、1種のみの特定有機半導体化合物が含まれていても、2種以上の特定有機半導体化合物が含まれていてもよいが、配向性の観点から、1種のみであることが好ましい。
特定有機半導体化合物の合成方法は、特に制限されず、公知の方法を参照して合成できる。合成方法としては、置換基としてハロゲン原子を有する有機半導体母核を合成し、Stilleカップリング反応、鈴木−宮浦カップリング反応、根岸カップリング反応、熊田カップリング反応等の各種カップリング反応を行う方法が挙げられる。
以下に特定有機半導体化合物の好ましい具体例を示すが、これらに限定されないことはいうまでもない。
Figure 2016047391
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Figure 2016047391
Figure 2016047391
本発明の有機半導体素子の有機半導体層又は後述する本発明の有機半導体膜における、特定有機半導体化合物の含有量は、30〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%であることがより好ましく、70〜100質量%であることが更に好ましい。また、後述するバインダーポリマーを含有しない場合は、上記含有量が、90〜100質量%であることが好ましく、95〜100質量%であることがより好ましい。
<バインダーポリマー>
本発明の有機半導体素子の有機半導体層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
また、本発明の有機半導体素子は、上記有機半導体層とバインダーポリマーを含む層を有する有機半導体素子であってもよい。
バインダーポリマーの種類は特に制限されず、公知のバインダーポリマーを用いることができる。
バインダーポリマーとしては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
中でも、バインダーポリマーとしては、ベンゼン環を有する高分子化合物(ベンゼン環基を有する単量体単位を有する高分子)が好ましい。ベンゼン環基を有する単量体単位の含有量は特に制限されないが、全単量体単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、100モル%が挙げられる。
上記バインダーポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリビニルシンナメート、ポリ(4−ビニルフェニル)、ポリ(4−メチルスチレン)などが挙げられる。
パインダーポリマーの重量平均分子量は、特に制限されないが、1,000〜200万が好ましく、3,000〜100万がより好ましく、5,000〜60万が更に好ましい。
また、後述する溶媒を用いる場合、パインダーポリマーは、使用する溶媒への溶解度が、特定化合物よりも高いことが好ましい。上記態様であると、得られる有機半導体の移動度及び熱安定性により優れる。
本発明の有機半導体素子の有機半導体層におけるバインダーポリマーの含有量は、特定化合物の含有量100質量部に対し、1〜200質量部であることが好ましく、10〜150質量部であることがより好ましく、20〜120質量部であることが更に好ましい。上記範囲であると、得られる有機半導体の移動度及び熱安定性により優れる。
<その他の成分>
本発明の有機半導体素子における有機半導体層には、特定有機半導体化合物及びバインダーポリマー以外に他の成分が含まれていてもよい。
その他の成分としては、公知の添加剤等を用いることができる。
上記有機半導体層における特定化合物及びバインダーポリマー以外の成分の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、膜形成性に優れ、得られる有機半導体の移動度及び熱安定性により優れる。
本発明の有機半導体素子における有機半導体層の形成方法は特に制限されず、後述する本発明の有機半導体膜形成用組成物を、ソース電極、ドレイン電極、及び、ゲート絶縁膜上に付与して、必要に応じて乾燥処理を施すことにより、所望の有機半導体層を形成することができる。
本発明の有機半導体素子は、後述する本発明の有機半導体膜形成用組成物を用いて製造されたものであることが好ましい。
本発明の有機半導体膜形成用組成物を用いて有機半導体膜や有機半導体素子を製造する方法は、特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、組成物を所定の基材上に付与して、必要に応じて乾燥処理を施して、有機半導体膜を製造する方法が挙げられる。
基材上に組成物を付与する方法は特に制限されず、公知の方法を採用でき、例えば、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法などが挙げられ、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法が好ましい。
なお、フレキソ印刷法としては、フレキソ印刷版として感光性樹脂版を用いる態様が好適に挙げられる。態様によって、組成物を基板上に印刷して、パターンを容易に形成することができる。
中でも、本発明の有機半導体素子の製造方法は、本発明の有機半導体膜形成用組成物を基板上に塗布する塗布工程、を含むことが好ましく、本発明の有機半導体膜形成用組成物が溶媒を含み、本発明の有機半導体膜形成用組成物を基板上に塗布する塗布工程、及び、塗布された組成物から溶媒を除去する除去工程を含むことがより好ましい。
後述する本発明の有機半導体膜形成用組成物は、溶媒を含むことが好ましく、有機溶媒を含むことがより好ましい。
溶媒としては、公知の溶媒を用いることができる。
具体的には、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリン、1−メチルナフタレンなどの炭化水素系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−イミダゾリジノン等のイミド系溶媒、ジメチルスルフォキサイドなどのスルホキシド系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒が挙げられる。
溶媒は、1種単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒及び/又はエーテル系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジクロロベンゼン又はアニソールがより好ましい。
溶媒の沸点が100℃以上であることが、製膜性の観点から好ましい。溶媒の沸点は、100〜300℃であることがより好ましく、125〜250℃であることが更に好ましく、150〜225℃であることが特に好ましい。
なお、最も含有量の多い溶媒の沸点が100℃以上であることが好ましく、全ての溶媒の沸点が100℃以上であることがより好ましい。
溶媒を含有する場合、本発明の有機半導体膜形成用組成物における特定化合物の含有量は、0.05〜50質量%であることが好ましく、0.1〜25質量%であることがより好ましく、0.25〜15質量%であることが更に好ましく、0.4〜10質量%であることが特に好ましく、また、バインダーポリマーの含有量は、0.01〜50質量%であることが好ましく、0.05〜25質量%であることがより好ましく、0.1〜10質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、塗布性に優れ、容易に有機半導体膜を形成することができる。
上記除去工程における乾燥処理は、必要に応じて実施される処理であり、使用される特定化合物及び溶媒の種類により適宜最適な条件が選択される。中でも、得られる有機半導体の移動度及び熱安定性により優れ、また、生産性に優れる点で、加熱温度としては30℃〜100℃が好ましく、40℃〜80℃がより好ましく、加熱時間としては10〜300分が好ましく、30〜180分がより好ましい。
形成される有機半導体層の厚さは、特に制限されないが、得られる有機半導体の移動度及び熱安定性の観点から、10〜500nmが好ましく、30〜200nmがより好ましい。
有機半導体素子としては、特に制限はないが、2〜5端子の有機半導体素子であることが好ましく、2又は3端子の有機半導体素子であることがより好ましい。
また、有機半導体素子としては、光電変換素子でないことが好ましい。
更に、本発明の有機半導体素子は、非発光性有機半導体素子であることが好ましい。
2端子素子としては、整流用ダイオード、定電圧ダイオード、PINダイオード、ショットキーバリアダイオード、サージ保護用ダイオード、ダイアック、バリスタ、トンネルダイオード等が挙げられる。
3端子素子としては、バイポーラトランジスタ、ダーリントントランジスタ、電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、ユニジャンクショントランジスタ、静電誘導トランジスタ、ゲートターンサイリスタ、トライアック、静電誘導サイリスタ等が挙げられる。
これらの中でも、整流用ダイオード、及び、トランジスタ類が好ましく挙げられ、電界効果トランジスタがより好ましく挙げられる。
電界効果トランジスタとしては、有機薄膜トランジスタが好ましく挙げられる。
本発明の有機薄膜トランジスタの一態様について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の有機半導体素子(有機薄膜トランジスタ(有機TFT))の一態様の断面模式図である。
図1において、有機薄膜トランジスタ100は、基板10と、基板10上に配置されたゲート電極20と、ゲート電極20を覆うゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30のゲート電極20側とは反対側の表面に接するソース電極40及びドレイン電極42と、ソース電極40とドレイン電極42との間のゲート絶縁膜30の表面を覆う有機半導体膜50と、各部材を覆う封止層60とを備える。有機薄膜トランジスタ100は、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
なお、図1においては、有機半導体膜50が、上述した組成物より形成される膜に該当する。
以下、基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜及び封止層並びにそれぞれの形成方法について詳述する。
<基板>
基板は、後述するゲート電極、ソース電極、ドレイン電極などを支持する役割を果たす。
基板の種類は特に制限されず、例えば、プラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板などが挙げられる。中でも、各デバイスへの適用性及びコストの観点から、ガラス基板又はプラスチック基板であることが好ましい。
プラスチック基板の材料としては、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)など)又は熱可塑性樹脂(例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォンなど)が挙げられる。
セラミック基板の材料としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイドなどが挙げられる。
ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダガラス、カリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、アルミケイ酸ガラス、鉛ガラスなどが挙げられる。
<ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極>
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の材料としては、例えば、金(Au)、銀、アルミニウム(Al)、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、タンタル、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属;InO2、SnO2、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性の酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン等の導電性高分子;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素等の半導体;フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料などが挙げられる。中でも、金属であることが好ましく、銀又はアルミニウムであることがより好ましい。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の厚みは特に制限されないが、20〜200nmであることが好ましい。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を形成する方法は特に制限されないが、例えば、基板上に、電極材料を真空蒸着又はスパッタする方法、電極形成用組成物を塗布又は印刷する方法などが挙げられる。また、電極をパターニングする場合、パターニングする方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法;インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法;マスク蒸着法などが挙げられる。
<ゲート絶縁膜>
ゲート絶縁膜の材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリベンゾオキサゾール、ポリシルセスキオキサン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のポリマー;二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物;窒化珪素等の窒化物などが挙げられる。これらの材料のうち、有機半導体膜との相性から、ポリマーであることが好ましい。
ゲート絶縁膜の材料としてポリマーを用いる場合、架橋剤(例えば、メラミン)を併用することが好ましい。架橋剤を併用することで、ポリマーが架橋されて、形成されるゲート絶縁膜の耐久性が向上する。
ゲート絶縁膜の膜厚は特に制限されないが、100〜1,000nmであることが好ましい。
ゲート絶縁膜を形成する方法は特に制限されないが、例えば、ゲート電極が形成された基板上に、ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法、ゲート絶縁膜材料を蒸着又はスパッタする方法などが挙げられる。ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法)を使用することができる。
ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布してゲート絶縁膜を形成する場合、溶媒除去、架橋などを目的として、塗布後に加熱(ベーク)してもよい。
<バインダーポリマー層>
本発明の有機半導体素子は、上記有機半導体層と絶縁膜との間に上記バインダーポリマー層を有することが好ましく、上記有機半導体層とゲート絶縁膜との間に上記バインダーポリマー層を有することがより好ましい。上記バインダーポリマー層の膜厚は特に制限されないが、20〜500nmであることが好ましい。上記バインダーポリマー層は、上記ポリマーを含む層であればよいが、上記バインダーポリマーからなる層であることが好ましい。
バインダーポリマー層を形成する方法は特に制限されないが、公知の方法(バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法、インクジェット法)を使用することができる。
バインダーポリマー層形成用組成物を塗布してバインダーポリマー層を形成する場合、溶媒除去、架橋などを目的として、塗布後に加熱(ベーク)してもよい。
<封止層>
本発明の有機半導体素子は、耐久性の観点から、最外層に封止層を備えることが好ましい。封止層には公知の封止剤を用いることができる。
封止層の厚さは特に制限されないが、0.2〜10μmであることが好ましい。
封止層を形成する方法は特に制限されないが、例えば、ゲート電極とゲート絶縁膜とソース電極とドレイン電極と有機半導体膜とが形成された基板上に、封止層形成用組成物を塗布する方法などが挙げられる。封止層形成用組成物を塗布する方法の具体例は、ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法と同じである。封止層形成用組成物を塗布して有機半導体膜を形成する場合、溶媒除去、架橋などを目的として、塗布後に加熱(ベーク)してもよい。
また、図2は、本発明の有機半導体素子(有機薄膜トランジスタ)の別の一態様の断面模式図である。
図2において、有機薄膜トランジスタ200は、基板10と、基板10上に配置されたゲート電極20と、ゲート電極20を覆うゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30上に配置された有機半導体膜50と、有機半導体膜50上に配置されたソース電極40及びドレイン電極42と、各部材を覆う封止層60を備える。ここで、ソース電極40及びドレイン電極42は、上述した本発明の組成物を用いて形成されたものである。有機薄膜トランジスタ200は、トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜及び封止層については、上述のとおりである。
上記では図1及び図2において、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ、及び、ボトムゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタの態様について詳述したが、本発明の有機半導体素子は、トップゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ、及び、トップゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタにも好適に使用できる。
なお、上述した有機薄膜トランジスタは、電子ペーパー、ディスプレイデバイスなどに好適に使用できる。
(有機半導体膜形成用組成物)
本発明の有機半導体膜形成用組成物は、特定有機半導体化合物、及び、溶媒を含有することを特徴とする。
また、本発明の有機半導体膜形成用組成物は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
本発明の有機半導体膜形成用組成物における特定化合物、バインダーポリマー及び溶媒は、上述した特定化合物、バインダーポリマー及び溶媒と同義であり、好ましい態様も同様である。
本発明の有機半導体膜形成用組成物は、特定化合物及びバインダーポリマー以外に他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、公知の添加剤等を用いることができる。
本発明の有機半導体膜形成用組成物における特定化合物及びバインダーポリマー以外の成分の含有量は、全固形分に対し、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、膜形成性に優れ、得られる有機半導体の移動度及び熱安定性により優れる。なお、固形分とは、溶媒等の揮発性成分を除いた成分の量である。
本発明の有機半導体膜形成用組成物の粘度は、特に制限されないが、塗布性がより優れる点で、3〜100mPa・sが好ましく、5〜50mPa・sがより好ましく、9〜40mPa・sが更に好ましい。なお、本発明における粘度は、25℃での粘度である。
粘度の測定方法としては、JIS Z8803に準拠した測定方法であることが好ましい。
本発明の有機半導体膜形成用組成物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、溶媒中に所定量の特定化合物を添加して、適宜撹拌処理を施すことにより、所望の組成物を得ることができる。また、バインダーポリマーを用いる場合は、特定化合物及びバインダーポリマーを同時又は逐次に添加して好適に組成物を作製することができる。
(有機半導体膜)
本発明の有機半導体膜は、特定有機半導体を含有することを特徴とする。
また、本発明の有機半導体膜は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
本発明の有機半導体膜における特定化合物、特定化合物を重合することにより得られたポリマー及びオリゴマー、並びに、バインダーポリマーは、本発明の有機半導体素子において上述した特定化合物、特定化合物を重合することにより得られたポリマー及びオリゴマー、並びに、バインダーポリマーと同義であり、好ましい態様も同様である。
本発明の有機半導体膜形成用組成物は、特定化合物、特定化合物を重合することにより得られたポリマー及びオリゴマー、並びに、バインダーポリマー以外に他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、公知の添加剤等を用いることができる。
本発明の有機半導体膜における特定化合物、特定化合物を重合することにより得られたポリマー及びオリゴマー、並びに、バインダーポリマー以外の成分の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、膜形成性に優れ、得られる有機半導体の移動度及び熱安定性により優れる。なお、固形分とは、溶媒等の揮発性成分を除いた成分の量である。
本発明の有機半導体膜の膜厚は、特に制限されないが、得られる有機半導体の移動度及び熱安定性の観点から、10〜500nmが好ましく、30〜200nmがより好ましい。
本発明の有機半導体膜は、有機半導体素子に好適に使用することができ、有機トランジスタ(有機薄膜トランジスタ)に特に好適に使用することができる。
本発明の有機半導体膜は、本発明の有機半導体膜形成用組成物を用いて好適に作製することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
(有機半導体化合物)
有機半導体層に用いた有機半導体化合物である、化合物1〜15、及び、比較化合物1〜6の構造を以下に示す。
Figure 2016047391
Figure 2016047391
化合物1は以下に示す合成スキームで合成した。具体的には、J.Org.Chem.1984,49,1027.記載の方法に従って合成中間体1を合成し、特開2009−200028号公報に記載の方法に従って合成中間体2を合成し、両者のStilleカップリング反応により化合物1を得た。
Figure 2016047391
化合物2は以下に示す合成スキームで合成した。具体的には、Chem.Commun.2013,49,5354.に記載の方法に従って合成中間体3を合成し、J.Mater.Chem.S,2014,2,3972.に記載の方法で合成中間体4を合成し、両者のStilleカップリング反応により化合物2を得た。
Figure 2016047391
化合物3〜化合物15に関しても、上記の方法に準じて合成した。
比較化合物1は特開平7−228865号公報に記載の例示化合物(II−5)である。比較化合物2は特開平5−158260号公報に記載の例示化合物(II−2)である。比較化合物3及び比較化合物4は特開2010−177643号公報に記載の例示化合物71及び例示化合物120である。比較化合物5は特開2010−205984号公報に記載の例示化合物3である。比較化合物6はJ.Am.Chem.Soc.,1998,120,664.に記載の化合物7aである。
いずれも、高速液体クロマトグラフィー(東ソー(株)製、TSKgel ODS−100Z)により純度(254nmの吸収強度面積比)が99.8%以上であることを確認した。
<使用した出発原料>
化合物1の合成に使用した1,2,3,4−テトラメチルベンゼンは、アルファ・エイサー社より購入した。
化合物2の合成に使用した3,4−ジブロモチオフェンは、和光純薬工業(株)より購入した。
なお、上述した以外の上記スキームで使用した化合物は、以下の通りである。
Br2:臭素(和光純薬工業(株)製)
Na2S:硫化ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
NaIO4:過ヨウ素酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
Al23:酸化アルミニウム(和光純薬工業(株)製)
NBS:N−ブロモスクシンイミド(和光純薬工業(株)製)
Pd(PPh34:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業(株)製)
n−BuLi:n−ブチルリチウム(東京化成工業(株)製)
(PhSO22S:ビス(フェニルスルホニル)スルフィド(Tetrahedron Lett.,2002,43,1553.に記載の方法で調製した。)
Me3SnSnMe3:ヘキサメチルジスタナン(東京化成工業(株)製)
LDA:リチウムジイソプロピルアミド(東京化成工業(株)製)
TMSCl:クロロトリメチルシラン(東京化成工業(株)製)
ICl:一塩化ヨウ素(和光純薬工業(株)製)
<バインダーポリマー>
バインダーとして用いたポリマーを以下に示す。
PαMS:ポリ−α−メチルスチレン、重量平均分子量437,000、シグマアルドリッチ社製
PTAA:ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン]、数平均分子量7,000〜10,000、シグマアルドリッチ社製
PCPDTBT:ポリ[2,6−(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−4Hシクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)−アルト−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)]、重量平均分子量7,000〜20,000、シグマアルドリッチ社製
<有機半導体膜形成用塗布液の調製>
表1に記載の有機半導体化合物(0.5質量%)/バインダーポリマー(表1に記載の濃度)/アニソール(沸点154℃)を硝子バイヤルに秤量し、ミックスローター(アズワン(株)製)で10分間撹拌混合した後、0.5μmメンブレンフィルターでろ過することで、有機半導体膜形成用塗布液(有機半導体膜形成用組成物)を得た。表1中、バインダーポリマーの欄に「−」と記載されているものはバインダーポリマーを添加していないことを示す。
なお、バインダーポリマーの濃度は、塗布液中の質量%である。
<TFT素子作製>
ガラス基板(イーグルXG:コーニング社製)上に、ゲート電極となるAlを蒸着した(厚み:50nm)。その上にゲート絶縁膜形成用組成物(ポリビニルフェノール/メラミン=1質量部/1質量部(w/w)のPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液(固形分濃度:2質量%))をスピンコートし、150℃で60分間ベークを行うことで膜厚400nmのゲート絶縁膜を形成した。その上に銀インク(H−1、三菱マテリアル(株)製)をインクジェット装置DMP−2831(富士フイルムダイマティクス社製)を用いてソース電極及びドレイン電極状(チャネル長40μm、チャネル幅200μm)に描画した。その後オーブンにて180℃、30分間ベークを行い、焼結して、ソース電極及びドレイン電極を形成することでTFT特性評価用素子基板を得た。
TFT特性評価用素子基板の上に各有機半導体膜形成用塗布液をスピンコート(500rpm10秒間の後1,000rpm30秒間)した後、ホットプレート上で50℃10分間乾燥することで有機半導体層を形成し、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFT素子を得た。
<特性評価>
半導体特性評価装置B2900A(アジレント・テクノロジー(株)製)を用い、大気下で以下の性能評価を行った。
(a)キャリア移動度、及び、(b)移動度バラツキ
各有機TFT素子のソース電極−ドレイン電極間に、−60Vの電圧を印加し、ゲート電圧を+10V〜−60Vの範囲で変化させ、ドレイン電流Idを表わす下記式を用いてキャリア移動度μを算出した。
d=(w/2L)μCi(Vg−Vth2
式中、Lはゲート長、Wはゲート幅、Ciは絶縁層の単位面積当たりの容量、Vgはゲート電圧、Vthは閾値電圧を表す。
表1中に示すキャリア移動度の値は、10素子の平均値である。キャリア移動度μは高いほど好ましく、実用上は1×10-2cm2/Vs以上であることが好ましく、1×10-1cm2/Vs以上であることがより好ましい。なお、移動度が1×10-5cm2/Vsを下回るものに関しては特性が低すぎるため、特性評価は行わず、表1の該当する欄には「−」を記載した。
また、10素子のキャリア移動度に対して以下の式で計算した変異係数を、以下の5段階で評価し、移動度バラツキの指標として用いた。この値は小さいほど素子間の移動度バラツキが小さいことを示す。実用上、A又はBであることが好ましく、Aであることがより好ましい。
変異係数=標準偏差÷平均値×100
A:15%未満
B:15%以上30%未満
C:30%以上50%未満
D:50%以上
(c)耐熱性
作製した各有機薄膜トランジスタ素子を、窒素グローブボックス中にて150℃1時間加熱した後に、(a)と同様の方法でキャリア移動度を測定し、下記式で計算される加熱後のキャリア移動度維持率を以下の4段階で評価し、耐熱性の指標とした。この値が大きいほど耐熱性が高く、実用上、Aであることが好ましい。
加熱後のキャリア移動度維持率(%)=移動度(加熱後)/移動度(加熱前)
A:80%以上
B:60%以上80%未満
C:40%以上60%未満
D:40%未満
Figure 2016047391
10:基板、20:ゲート電極、30:ゲート絶縁膜、40:ソース電極、42:ドレイン電極、50:有機半導体膜、60:封止層、100、200:有機薄膜トランジスタ

Claims (25)

  1. 下記式1で表される有機半導体を含有する有機半導体層を有することを特徴とする、
    有機半導体素子。
    Figure 2016047391
    式1中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NRのいずれかを表し、Rはそれぞれ独立に置換基を表し、環Aはそれぞれ独立に、5員又は6員の単環の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、mは1〜5の整数を表し、mが2〜5の場合は複数の環Aはそれぞれ同一でも異なってもよく、nは0以上の整数を表し、mが1の場合はRの少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、mが4又は5の場合は3つ以上のRが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
  2. 式1中、環Aがそれぞれ独立に、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、又は、ピロール環を表し、かつ、式1中のRを取り去った部分構造の対称性が、C2、C2v、又は、C2hである、請求項1に記載の有機半導体素子。
  3. 式1で表される有機半導体が、下記式2で表される有機半導体である、請求項1又は2に記載の有機半導体素子。
    Figure 2016047391
    式2中、Tは下記T−1〜T−35よりなる群から選択されるいずれかの構造を表し、R’はそれぞれ独立に置換基を表し、nは0〜6の整数を表し、TがT−1又はT−2である場合、R’の少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、TがT−20〜T−35のいずれかである場合、3つ以上のR’が芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
    Figure 2016047391
    Figure 2016047391
    T−1〜T−35中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NR’のいずれかを表す。
  4. R’が下記式3で表される、請求項3に記載の有機半導体素子。
    Figure 2016047391
    式3中、Lはそれぞれ独立に、下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基、又は、2以上の下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表し、Zはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、又は、トリアルキルシリル基を表し、ただし、Zがトリアルキルシリル基を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−3で表される連結基である場合に限り、水素原子を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−1、L−2、L−3、L−10、L−11、又は、L−12で表される連結基である場合に限る。
    Figure 2016047391
    式L−1〜式L−12中、*及び波線部分は他の構造との結合位置を表し、式L−1、式L−2及び式L−10〜式L−12におけるRL1はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
  5. Xがそれぞれ独立に、O又はSを表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
  6. 下記式2で表されることを特徴とする化合物。
    Figure 2016047391
    式2中、Tは下記T−1〜T−35よりなる群から選択されるいずれかの構造を表し、R’はそれぞれ独立に置換基を表し、nは0〜6の整数を表し、TがT−1又はT−2である場合、R’の少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、TがT−20〜T−35のいずれかである場合、3つ以上のR’が芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
    Figure 2016047391
    Figure 2016047391
    T−1〜T−35中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NR’のいずれかを表す。
  7. R’が下記式3で表される、請求項6に記載の化合物。
    Figure 2016047391
    式3中、Lはそれぞれ独立に、下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基、又は、2以上の下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表し、Zはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、又は、トリアルキルシリル基を表し、ただし、Zがトリアルキルシリル基を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−3で表される連結基である場合に限り、水素原子を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−1、L−2、L−3、L−10、L−11、又は、L−12で表される連結基である場合に限る。
    Figure 2016047391
    式L−1〜式L−12中、*及び波線部分は他の構造との結合位置を表し、式L−1、式L−2及び式L−10〜式L−12におけるRL1はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
  8. Xがそれぞれ独立に、O又はSを表す、請求項6又は7に記載の化合物。
  9. 有機半導体である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. 式1で表される有機半導体と、溶媒とを含有することを特徴とする、有機半導体膜形成用組成物。
    Figure 2016047391
    式1中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NRのいずれかを表し、Rはそれぞれ独立に置換基を表し、環Aはそれぞれ独立に、5員又は6員の単環の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、mは1〜5の整数を表し、mが2〜5の場合は複数の環Aはそれぞれ同一でも異なってもよく、nは0以上の整数を表し、mが1の場合はRの少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、mが4又は5の場合は3つ以上のRが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
  11. 式1中、環Aがそれぞれ独立に、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、又は、ピロール環を表し、かつ、式1中のRを取り去った部分構造の対称性が、C2、C2v、又は、C2hである、請求項10に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  12. 式1で表される有機半導体が、下記式2で表される有機半導体である、請求項10又は11に記載の有機半導体膜形成用組成物。
    Figure 2016047391
    式2中、Tは下記T−1〜T−35よりなる群から選択されるいずれかの構造を表し、R’はそれぞれ独立に置換基を表し、nは0〜6の整数を表し、TがT−1又はT−2である場合、R’の少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、TがT−20〜T−35のいずれかである場合、3つ以上のR’が芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
    Figure 2016047391
    Figure 2016047391
    T−1〜T−35中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NR’のいずれかを表す。
  13. R’が下記式3で表される、請求項12に記載の有機半導体膜形成用組成物。
    Figure 2016047391
    式3中、Lはそれぞれ独立に、下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基、又は、2以上の下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表し、Zはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、又は、トリアルキルシリル基を表し、ただし、Zがトリアルキルシリル基を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−3で表される連結基である場合に限り、水素原子を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−1、L−2、L−3、L−10、L−11、又は、L−12で表される連結基である場合に限る。
    Figure 2016047391
    式L−1〜式L−12中、*及び波線部分は他の構造との結合位置を表し、式L−1、式L−2及び式L−10〜式L−12におけるRL1はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
  14. Xがそれぞれ独立に、O又はSを表す、請求項10〜13のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  15. 式1で表される有機半導体の濃度が、組成物全体に対して0.1〜15質量%である、請求項10〜14のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  16. 溶媒の沸点が100℃以上である、請求項10〜15のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  17. ポリマーバインダーを更に含有する、請求項10〜16のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  18. 組成物の粘度が5mPa・s〜50mPa・sである、請求項10〜17のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  19. 請求項10〜18のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物を基板上に塗布する塗布工程を含む、有機半導体素子の製造方法。
  20. 下記式1で表される有機半導体を含有することを特徴とする、有機半導体膜。
    Figure 2016047391
    式1中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NRのいずれかを表し、Rはそれぞれ独立に置換基を表し、環Aはそれぞれ独立に、5員又は6員の単環の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、mは1〜5の整数を表し、mが2〜5の場合は複数の環Aはそれぞれ同一でも異なってもよく、nは0以上の整数を表し、mが1の場合はRの少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、mが4又は5の場合は3つ以上のRが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
  21. 式1中、環Aがそれぞれ独立に、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、又は、ピロール環を表し、かつ、式1中のRを取り去った部分構造の対称性が、C2、C2v、又は、C2hである、請求項20に記載の有機半導体膜。
  22. 式1で表される有機半導体が、下記式2で表される有機半導体である、請求項20又は21に記載の有機半導体膜。
    Figure 2016047391
    式2中、Tは下記T−1〜T−35よりなる群から選択されるいずれかの構造を表し、R’はそれぞれ独立に置換基を表し、nは0〜6の整数を表し、TがT−1又はT−2である場合、R’の少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、TがT−20〜T−35のいずれかである場合、3つ以上のR’が芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基になることはない。
    Figure 2016047391
    Figure 2016047391
    T−1〜T−35中、Xはそれぞれ独立に、O、S、Se、NR’のいずれかを表す。
  23. R’が下記式3で表される、請求項22に記載の有機半導体膜。
    Figure 2016047391
    式3中、Lはそれぞれ独立に、下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基、又は、2以上の下記式L−1〜式L−12のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表し、Zはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、又は、トリアルキルシリル基を表し、ただし、Zがトリアルキルシリル基を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−3で表される連結基である場合に限り、水素原子を表すのは、Zに隣接するLが下記式L−1、L−2、L−3、L−10、L−11、又は、L−12で表される連結基である場合に限る。
    Figure 2016047391
    式L−1〜式L−12中、*及び波線部分は他の構造との結合位置を表し、式L−1、式L−2及び式L−10〜式L−12におけるRL1はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
  24. Xがそれぞれ独立に、O又はSを表す、請求項20〜23のいずれか1項に記載の有機半導体膜。
  25. 溶液塗布法により製膜された、請求項20〜24のいずれか1項に記載の有機半導体膜。
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