JPWO2016039484A1 - 軽合金ホイール及びその製造方法、及びその製造装置 - Google Patents

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Abstract

本願は、上型、下型及び横型を有する金型で軽合金ホイールを象るキャビティを形成し、前記上型及び前記横型で形成するリム部を象るキャビティに開口する湯口から軽合金溶湯を注入した後、前記上型の内部空間に、周方向に渡って設けられた複数の冷却手段のうち、設定した一の冷却手段を最初に作動させ、その後、余の冷却手段を作動させ、前記リム部を象るキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却することにより、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥を低減し、エア漏れが抑制された軽合金ホイールの製造するものである。

Description

本発明は、アルミニウム合金等の軽合金で形成された軽合金ホイール及びその製造方法、及びその製造装置に関する。
自動車(乗用車等)に装着されている車両用の軽合金ホイールとしては、車体を軽量化するために、例えば低圧鋳造などの手法により全体がアルミニウム合金で形成されたアルミホイールが使用されている。
鋳造法により製造される軽合金ホイールには引け巣等の鋳造欠陥が少ないことが要求される。特許文献1は、そのような製造方法の一例を開示する。図14は特許文献1に記載された鋳造方案であり、上型と下型と一対の横型を備えたサイドゲート方式の鋳型装置の上型を上方からみて、その上型の内部構造を模式的に示す図である。図14に示す空冷パイプ324は、リム用キャビティCの堰前部分Sを空冷するものである。一方、ミスト冷却手段325は、リム用キャビティCの部分Aをミスト冷却するものである。この部分Aは、筒状のリム用キャビティCのうち、堰形成空間331にそれぞれつながった堰前部分Sからリム用キャビティCの周方向に90°ずれた部分であり、堰前部分Sからリム用キャビティCの周方向に最も離れた部分となる。
特開2008−155235号公報(段落0044,図1,図3)
上記特許文献1で一例が開示される従来技術の鋳造方案では、リム部の引け巣の抑制は不十分な場合があった。リム部に発生した引け巣はリム部からのエア漏れの原因になりやすいため、従来技術に対しリム部の引け巣が低減され、エア漏れが抑制された軽合金ホイールの製造方法が要請されていた。
従って本発明の目的は、従来技術の製造方法に対し、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥を低減し、エア漏れが抑制された軽合金ホイールを製造することのできる軽合金ホイール及びその製造方法、及びその製造装置を提供することである。
すなわち、第1の発明の軽合金ホイールの製造方法は、略円筒形状のリム部と、前記リム部の一方端部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールの製造方法であって、前記リム部が象られた金型のキャビティに開口する湯口から軽合金溶湯を注入する注湯工程と、前記注湯工程の後に、前記リム部が象られた金型のキャビティの外周部または内周部に、周方向に渡って設けられた複数の冷却手段のうち、設定した一の冷却手段を最初に作動させ、その後、余の冷却手段を作動させ、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する強制冷却工程と、を有することを特徴とする。
第1の発明において、前記強制冷却工程では、前記複数の冷却手段のうち、前記湯口から最も遠い一の冷却手段を最初に作動させ、その後前記湯口に向かって余の冷却手段を順次作動させることができる。
第1の発明において、前記強制冷却工程では、前記一の冷却手段の冷却能に対し、前記余の冷却手段の冷却能を前記湯口に向かい低くして、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却してもよい。
第1の発明において、前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって冷却手段の作動時間を徐々に短くしてもよい。
第1の発明において、前記冷却手段は冷媒の流路を備え、前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって前記冷却手段の冷媒流量を徐々に減少させてもよい。
第1の発明において、前記注湯工程において前記リム部を象る金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を、前記強制冷却工程では、前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって指向性凝固させることが好ましい。
第1の発明において、前記上型は、前記冷却手段が収納される複数の内部空間を有し、少なくとも前記一の冷却手段は、前記余の冷却手段とは異なる内部空間に収納されていることが好ましく、さらに、前記冷却手段は、前記内部空間に一つずつ独立して収納されていることがより好ましい。
第1の発明において、前記リム部を象る金型のキャビティのうち前記湯口から最も遠い位置の凝固した軽合金溶湯のα−Alの2次枝法によるデンドライト2次アームスペーシング(DASII)をA、前記湯口前の凝固した軽合金溶湯のDASIIをBとしたとき、A<Bとなるよう、前記強制冷却工程では、前記リム部を冷却することが好ましい。
第1の発明において、前記リム部を象る金型のキャビティのうち前記湯口から最も遠い位置と前記湯口との中間部における凝固した軽合金溶湯のDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(1)を満足するよう、前記強制冷却工程で前記リム部を強制冷却することが好ましい。
A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (1)
第1の発明において、前記リム部は、ディスク部との交差部を有し、前記複数の冷却手段は、前記交差部が象られた金型のキャビティの外周部または内周部に、周方向に渡って設けられていることが好ましい。
第2の発明の軽合金ホイールは、略円筒形状のリム部と、前記リム部の一方端部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールであって、
前記車輪に対して直角なリム部断面において、極大DASIIを示す位置から周方向に最も遠い位置のDASIIをA、前記極大DASIIをBとし、前記極大DASIIを示す位置と該位置から周方向に最も遠い位置との中間部におけるDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(2)を満足することを特徴とする。
A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (2)
第2の発明において、前記リム部は、前記ディスク部との交差部を有し、前記交差部の平均気孔率を1%以下とすることが好ましい。
第3の発明の軽合金ホイールの製造装置は、略円筒形状のリム部と、前記リム部の一方端部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールを製造するための製造装置であって、前記軽合金ホイールが象られたキャビティを有する金型と、前記軽合金ホイールが象られたキャビティのうち前記リム部が象られたキャビティに開口する湯口と、前記リム部が象られたキャビティの外周部または内周部に、周方向に渡って取り付けられた複数の冷却手段を備え、前記リム部が象られたキャビティに開口する湯口から軽合金溶湯が注入された後、前記複数の冷却手段のうち、前記湯口から最も遠い一の冷却手段を最初に作動させ、その後前記湯口に向かって余の冷却手段を順次作動させる制御手段を備えたことを特徴としている。
上記第3の発明において、前記冷却手段は、冷却パイプを備えた冷却ブロックであり、前記リム部が象られたキャビティの外周部に取り付けられていることが好ましい。
また、前記上型は、前記リム部が象られたキャビティに沿い周方向に渡って形成された内部空間を有し、前記冷却手段は、前記内部空間の中に配置された冷却パイプであることが好ましく、加えて、前記一の冷却手段と余の冷却手段とは、異なった内部空間に配置されていることがより好ましい。
さらに加えて、前記リム部が象られたキャビティに開口する湯口から軽合金溶湯が注入された後、前記複数の冷却手段のうち、前記湯口から最も遠い一の冷却手段を最初に作動させ、その後前記湯口に向かって余の冷却手段を順次作動させるとともに、前記一の冷却手段の冷却能に対して前記湯口に向かうに従って前記余の冷却手段の冷却能が順次小さくなるように前記冷却手段の作動時間又は冷却圧力を制御する制御手段を備えることが望ましい。
本発明によれば、従来技術に対し、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥が低減され、高強度でエア漏れが抑制される軽合金ホイール及びその製造方法、及びその製造装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る軽合金ホイールの製造方法を実施するための金型の縦断面図(図2におけるB−C−D断面図)である。 図1の金型のA−A断面図である。 軽合金ホイールの一例を示す図である。 図3の軽合金ホイールのD−D断面図である。 軽合金ホイールを鋳造する金型のキャビティの一部を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る軽合金ホイールの製造方法に使用される金型の一例の縦断面図(図7のB−B断面図)である。 図6のA−A断面図である。 図6の金型が組み込まれた鋳造装置の概略構成図である。 図6の金型に組み込まれた冷却手段の正面図である。 リム部用キャビティに鋳込まれた溶湯の凝固の進行状態を示す図である。 冷却手段の動作順序を示す図である。 冷却手段の作動条件を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る軽合金ホイールの製造方法に使用される、好ましい金型の一例の断面図である。 従来の軽合金ホイールの製造方法を実施するための鋳型装置の平面図である。
本発明について、その具体的な実施形態に基づき図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下説明する実施形態および実施例に限定されず、また、発明の作用効果を奏する限り、同一性の範囲内において適宜変形して実施することができる。
本発明者らは、上記目的を達成するための鋳造方案を鋭意検討した結果、溶湯をキャビティに注入後、リム部を冷却するために金型に設けた複数の冷却手段をリム部が象られた金型のキャビティに開口する湯口(以下、サイドゲートと言う場合がある)からの距離および/またはリム部の円周方向の容積変化に応じてタイミングをずらして作動させることにより、上記目的を達成できることが知見され、本発明に想到した。
すなわち、図5に示すように軽合金溶湯を充填するリム部キャビティ1のうち窓部2に臨む小容積のリム部キャビティ1aでは成形空間の容積が少ないためにスポーク部キャビティ3に臨む大容積のリム部キャビティ1bよりも軽合金溶湯の冷却速度が速まる。その結果、小容積のリム部キャビティ1aの溶湯よりも円周方向に沿ってサイドゲート5から遠ざかる部分にある大容積のリム部キャビティ1bの溶湯の冷却速度が遅くなり、リムの円周方向に沿った指向性凝固が行われず、引け巣などの鋳造欠陥が発生することがある。この現象を軽減する目的で、小容積のリム部キャビティ1aに駄肉形成空間4を設けてリム部キャビティ1の円周方向の容積変化をより小さくすることが行われることがある。しかし、駄肉は後工程で加工して除去しなければならないため製造コストを増加させる一因になっていた。
上記課題を解決するための本発明に係る軽合金ホイールの製造方法は、略円筒形状のリム部と、前記リム部の一方端部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールの製造方法であって、前記リム部が象られた金型のキャビティに開口する湯口から軽合金溶湯を注入する注湯工程と、前記注湯工程の後に、前記リム部が象られた金型のキャビティの外周部または内周部に、周方向に渡って設けられた複数の冷却手段のうち、設定した一の冷却手段を最初に作動させ、その後、余の冷却手段を作動させ、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する強制冷却工程とを有する。
本発明によれば、上記構成を採用することにより、リム部が象られた金型のキャビティに開口する湯口(サイドゲート)付近を除くリム部において周囲より冷却速度が遅く局所的高温部として取り残され易いリムの一部(以下、ホットスポットと言う場合がある)を前記一の冷却手段で一定程度まで冷却することにより、駄肉を形成することなくリムの円周方向に沿った指向性凝固(以下、周方向指向性凝固という場合がある)を達成することが可能となる。それによりサイドゲートからリム部全体に押し湯効果が働き、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥を従来の製造方法に比べて少なくすることができる。
より具体的には、図1に示すように、上型13及び一対の可動分割型14で形成するリム部を象るキャビティ100bに開口する湯口(以下、サイドゲートと言う場合がある)19から軽合金溶湯を注入する鋳造方案により軽合金ホイールを製造する場合、上記のとおり、サイドゲートから最も離れた位置からリムの円周方向に沿いサイドゲートに向かってリム部溶湯を凝固させる周方向指向性凝固が好ましいことが知られている。そして、基本的にリム部の肉厚が周方向に渡って均一であるならば、金型の冷却制御をしなくてもリム部溶湯はサイドゲートに向かって凝固する傾向となる。しかし、リム部の肉厚をより薄くした軽合金ホイールを製造する場合、リム部の周方向指向性凝固は必ずしも達成されない。一方で、上記した軽合金ホイールの製造方法では、鋳造装置の制御装置の制御により、上型の内部空間に、周方向に渡って設けられた複数の冷却手段のうち、設定した一の冷却手段を最初に作動させて、所定のリム部部位を最初に凝固させ、その後、余の冷却手段を作動させて、他のリム部部位を凝固させることによりリム部の周方向指向性凝固を達成し易くするものである。このような金型の冷却制御をすることにより、駄肉を形成することなくリム部の周方向指向性凝固を達成することが可能となる。それによりサイドゲートからリム部全体に押し湯効果が働き、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥を従来の製造方法に比べて少なくすることができる。
以下、本発明について、その第1および第2実施形態に基づき具体的に説明するが、まず、各実施形態で共通して製造される軽合金ホイールの構成、および共通して使用される製造装置および金型の構成要素について、説明する。
[軽合金ホイールの構成]
図3および図4を参照しつつ、本発明の各実施形態で製造される軽合金ホイールについて、アルミホイールを例として説明する。図3は、図4の軽合金ホイール10の底面図である。図4は、図3のD−D断面図である。なお、図4に示す軽合金ホイール10の中心線Iの方向を軸方向、中心線Iに直交する方向を半径方向、中心線I周りの方向を周方向と言う場合がある。図3および図4に示すように、軽合金ホイール10は、ハブ部9fおよびハブ部9fの外周面から放射状に形成されたスポーク9gを備えたディスク部9eと、ディスク部9eの外周部が内周面に接合された略円環形状のリム本体部9bとリム本体部9bの下方(一方)端に配置された第1のフランジ部の一例としてのアウターフランジ部9cと上方(他方)端に配置された第2のフランジ部の一例としてのインナーフランジ部9dとを備えたリム部9aとで構成されている。リム部9aはアウターフランジ部9c側においてディスク部9eと結合する。ディスク部9eのうちリム部9aとの結合部が交差部26である。本実施形態のスポーク9gの形態は、スポークであるがデザイン部の形態はこれに限定されず、例えばメッシュ状そのた各種の形態とすることができる。つまりスポーク9gとリム部9aとの結合部が交差部となる。交差部26の容積は非交差部27の容積より大きい。この軽合金ホイール10には、アウターフランジ部9cとインナーフランジ部9dとの間に挟まれるようにリム本体部9bにタイヤが取り付けられた後、ディスク部9eが車体の外側に向いた姿勢で車軸に装着され、使用に供される。
[製造装置、金型]
上記構成のホイールを製造する製造装置の一例について、図1、図2および図8を参照しつつ説明する。ここで、図1は、上記スポークタイプのアルミホイールを低圧鋳造するための製造装置に組み込まれる金型100の軸方向に沿う縦断面図(図2のB−C−D断面図)である。図2は、図1の金型100の半径方向のA−A断面図である。図8は、図1および図2に示す金型100が組み込まれた製造装置の概略構成図である。
図1に示すように、金型100は、下型12、上型13および横型である一対の可動分割型14を有している。そして、型締めされ各型が合わせされることにより、図示するように、軽合金ホイール10に必要に応じ適宜な余肉(例えば加工代など)が付加されたホイール素材(以下、このホイール素材を含めホイールと言う。)を象るキャビティ(製品キャビティ)を構成する、ディスク部9eが象られたキャビティ(ディスク部用キャビティ)100a、およびリム部9aが象られたキャビティ(リム部用キャビティ)100bが形成される。そして、この金型100には、ハブ部用キャビティ21aに開口する湯口(以下、センターゲートと言う場合がある。)18およびリム部用キャビティ100bのリム本体部用キャビティ23aに開口する湯口の一例としてのサイドゲート19が形成されており、センターゲート18およびサイドゲート19には、湯道であるストーク18aおよび19a(図8参照)が各々接続されている。なお、本発明に係る製造方法を実施するうえでは、ハブ部用キャビティ21aに開口するセンターゲート18は必須ではなく、必要に応じて設ければよい。
上記金型100が組み込まれた製造装置の構成について説明する。図8に示すように、本実施形態の製造装置80は、密閉容器80a内に配置された保持炉80bを有し、密閉容器80aの上に下型プラテン80cが取り付けられ、密閉容器80aを密閉している。下型12および一対の可動分割型14が取り付けられる下型プラテン80cには、溶湯80hを金型100に補給する上記ストーク18aおよび19aが取り付けてあり、ストーク18aおよび19aの下端は保持炉80b中の溶湯80hに浸漬されている。そして、ストーク18aおよび19aの上端は、下型プラテン80c、下型12および一対の可動分割型14に嵌入された湯口ブッシュ80jおよび湯口部80iを介し金型100のセンターゲート18およびサイドゲート19に連なっている。上型13は、可動プラテン80dに取り付けられている。可動プラテン80dはガイドポスト80gに固着されており、ガイドポスト80gは上型プラテン80fに備えられたガイド80eに沿って上下に動くことが可能である。また、前記ガイドポスト80gは上端を上板80mに固定され、上型プラテン80fに備えられた油圧シリンダ80kがこの上板80mを動かし、それに追従して可動プラテン80dおよび上型13が上下して動く。なお、溶湯80hを一定温度に保持する保持炉80bを内蔵した密閉容器80aには、制御弁を介して不図示の加圧手段が接続されており、当該加圧手段で密閉容器80a内を加圧可能なように構成されている。なお、図8において、符号80Lは、型バラシ時に上型13を微上昇させるための電動ジャッキであり、符号80oは、ガイドピンであり、符号80pは、軽合金ホイール10を上型13から取り出すための脱着アームである。
上記構成の製造装置80によれば、鋳造をスタートすると所定時間後に下型12、上型13および一対の可動分割型14からなる金型100の型締が完了する。型締完了後、予め設定した加圧パターンに従って加圧手段による保持炉内の加圧がスタートする。加圧に伴い保持炉80b内の溶湯80hが押し出され、ストーク18aおよび19aを通じてセンターゲート18およびサイドゲート19から金型100内のキャビティ内に溶湯80hが供給される。そして、溶湯80hがインナーフランジ部用キャビティ25aまで達してキャビティへの溶湯80hの充填が完了した時点から所定時間、加圧手段による印加圧力を増加して凝固による体積収縮分の溶湯80hをキャビティ内に補給する。所定時間経過後、加圧手段による保持炉80b内の加圧を停止し、ストーク18aおよび19a内の溶湯80hを保持炉80bに戻し、ホイールの鋳造が完了する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る軽合金ホイールの製造方法およびその製造装置について図1〜4を参照しつつ説明する。
[金型、製造装置]
第1態様の金型100では、リム部とディスク部との結合(交差)部を象るキャビティ(交差部用キャビティ)の外側である可動分割型14の中に、周方向に渡り複数の冷却手段の一例としての複数のチラー15を配置している。具体的には、本態様のチラー15は、冷却パイプ15aを装着した冷却ブロック15bであり、その周方向の長さはスポーク(デザイン部)9gの各付け根の幅と略同じである。かかるチラー15では、冷却パイプ15aを介して冷却エアーや冷却水等の冷媒を矢示するように循環することで冷却ブロック15bを冷却している。なお、冷却ブロック15bは金型を構成する材料より高い熱伝導率を有し、かつアルミニウム合金溶湯に触れたときに当該溶湯を汚染しない材料で構成することが好ましい。
上記構成のチラー15の配置について図1のA−A矢視図である図2を参照し説明する。図2に示すように、複数のチラー151,152,153は、周方向においてスポーク9gに対応した位置に設けられる。なお、周方向における冷却手段の配置位置や個数は、スポーク9gの数および間隔(角度)により適宜設定すればよい。サイドゲート19を相対して2箇所設ける場合、サイドゲート19から周方向に90°離れた位置にあるチラー151がサイドゲート19から最も遠い位置にある冷却手段であり、これを最初に作動させる一の冷却手段とすることが好ましい。サイドゲート19が複数ある場合における冷却手段とサイドゲートとの周方向の距離は、当該冷却手段と各サイドゲートとの距離のうち最も近い距離を意味するものとする。チラー151に次いで作動させるのがチラー151よりサイドゲート19に近い位置にあり余の冷却手段に相当するチラー152であることが望ましく、チラー152に次いで作動させるのがチラー152よりサイドゲート19に近い位置にあり余の冷却手段に相当するチラー153であることが望ましい。但し、上記のようにサイドゲート19を相対して2箇所設ける場合であっても、サイドゲートから最も遠い位置にある冷却手段の位置は、サイドゲート19から周方向に90°離れた位置に限定されない。例えば、軽合金ホイールの設計によってサイドゲート19から周方向に90°離れた位置にスポーク9gが存在しないことがある。このような軽合金ホイールを鋳造する場合、サイドゲート19から最も遠い冷却手段の位置は、サイドゲート19から周方向に90°離れた位置とは異なる。残りの270°の区間については同様につき説明を省略する。
ここで、上記したように、リム部9aはディスク部9e側においてスポーク9gと結合して交差部26を構成しているが、この交差部26は非交差部27より肉厚でありホットスポットとなりやすい。交差部以外でも設計上の理由からホットスポットとなりやすい偏肉部が形成されることがある。本発明では交差部および偏肉部を「厚肉部分」という。
なお、上記した冷却手段であるチラーは、リム部用キャビティ100bの外周部に配置されているが、内周部に配置してもよく、好ましくはリム部の厚肉部分を冷却できる位置であれば下型12、上型13および可動分割型14の何れに配置してもよい。但し、必ずしも全ての厚肉部分に対応して冷却手段を配置する必要は無く、サイドゲート19に近い厚肉部分に対応する冷却手段を配置しないことも可能である。しかしながら、下型12、上型13および可動分割型14において厚肉部分との対向面積および冷却手段の設置スペースを最も大きく確保しやすいのが可動分割型14であるから、冷却手段は可動分割型14に設けることが好適である。
加えて、リム部用キャビティに充填された溶湯を適正に凝固させるためには、上記したように可動分割型に設けられた冷却手段により、リム部用キャビティの外周部から冷却することに併せて、リム部用キャビティの内周部からも冷却する必要がある場合がある。このリム部用キャビティの内周部からの冷却は、金型を構成する材料や金型の構造を適宜設定することにより調整することが可能であり、具体的には、上記したようなチラーを上型に配置してもよく、または、下記する第2実施形態の冷却手段である冷却パイプを上型内に設けた内部空間に配置してもよい。
上記のような複数の冷却手段(チラー)を有する本実施形態の製造装置は、リム部用キャビティ100bに開口するサイドゲート19から軽合金溶湯が注入された後、複数の冷却手段のうち、サイドゲート19から最も遠い一の冷却手段を最初に作動させ、その後サイドゲート19に向かって余の冷却手段を順次作動させる制御手段を備える。制御手段は、例えばプログラムを実行するCPUで実現される。なお、制御手段は、一部又は全部を再構成可能回路(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路によって構成してもよい。
具体的には、冷却手段の制御は、例えば、冷却ブロック15bに冷却パイプ15aを通じて流通させる冷媒待ち時間、流通時間、冷媒圧力を各冷却手段ごとに制御手段にプログラム設定することにより制御可能である。冷媒待ち時間はキャビティへの溶湯の充填完了時から冷却パイプ15aへ冷媒流通を開始するまでの時間、流通時間は冷媒流通を開始してから停止するまでの時間、冷媒圧力は流通させる冷媒の圧力である。複数の冷却手段をタイミングをずらして作動させるには、各冷却手段ごとに冷媒待ち時間をプログラム設定しておけばよい。最初に作動させる一の冷却手段の冷媒待ち時間を最も短く設定し、余の冷却手段の冷媒待ち時間をより長く設定する。好ましくは、サイドゲートから最も遠い位置にある冷却手段の冷媒待ち時間を最も短く設定し、サイドゲートに近づくにつれて冷却手段の冷媒待ち時間がより長くなるように設定する。このような冷却条件の設定は、例えば、厚肉部分の冷却が不十分と判断される場合、対応する冷却手段に対し、冷媒の待ち時間を短くする、流通時間を長くする、冷媒圧力を高くすることの何れかの変更または二つ以上の変更を行い冷却能を高くすればよい。最初に作動させる一の冷却手段の冷却能に対し、後から作動させる余の冷却手段の冷却能を湯口に向かい低くしてもよい。このとき余の冷却手段の冷却能は湯口に向かい傾斜的に低くすることもできる。
[軽合金ホイールの製造方法]
次に、図1に示す金型100を用いた、軽合金ホイールの製造方法について説明する。先ず、図1での下型12、上型13および一対の可動分割型14を型締めしてキャビティ11を形成する。次いで、保持炉(図示せず)内を加圧し、保持炉内に貯留したアルミニウム合金溶湯(例えば、JIS AC4CH相当)を、ストークを介してセンターゲート18およびサイドゲート19に向け注入し、ディスク部用キャビティ100a、リム部用キャビティ100bに充填する。そしてキャビティ11の上端(末端)であるインナーフランジ部用キャビティ25aまでアルミニウム合金溶湯が充填された後、保持炉内の加圧を所定時間維持する。
注湯工程で溶湯がキャビティ11の上端まで充填されたことを確認後、複数のチラー15のうち、サイドゲートから最も遠い位置にある一の冷却手段であるチラー151を最初に作動させ、その後、余の冷却手段であるチラー152、153をこの順で順次作動させ、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する。冷却手段の「作動」は冷却パイプ15aに冷媒を流通させることである。これにより、交差部26を含むリム本体部用キャビティ23aが冷却され、アルミニウム合金溶湯がサイドゲート19に向かって指向性凝固する。
複数の冷却手段をタイミングをずらして作動させるのみでは周方向指向性凝固の達成が困難な場合、一の冷却手段の冷却能に対し、余の冷却手段の冷却能をサイドゲートに向かい低くして、リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却することが望ましい。これにより、より好適に周方向指向性凝固を達成することができる。
冷却手段の冷却能は作動時間(流通時間)によって調整可能であるから、サイドゲートから最も遠い位置からサイドゲートに向かって冷却手段の作動時間を徐々に短くすることがより望ましい。
冷却手段の冷却能は冷媒流量(冷媒圧力)によっても調整可能であるから、サイドゲートから最も遠い位置からサイドゲートに向かって冷媒の流路を備えた冷却手段の冷媒流量を徐々に減少させることが更に望ましい。
強制冷却工程が完了した後、保持炉内の加圧を止めて溶湯を保持炉に戻し、凝固が完了したホイール素材を金型から取り出す。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態に係る軽合金ホイールの製造方法およびその製造装置について、図6〜図13を参照しつつ詳細に説明する。
[製造装置、金型]
図7に示すように、第2実施形態の製造装置の上型13には、互いに180°離れて2箇所に設けたサイドゲート19から最も離れた位置、具体的には周方向においてサイドゲート19からに90°離れた位置を中心とし、その中心から±45°程度離れた位置までをカバーする第1の内部空間131a(131)および131b(131)が形成されている。加えて、上型13にはサイドゲート19に対向する位置であって、その近傍領域、例えばサイドゲート19を中心としその中心から±45°程度離れた位置までをカバーする第2の内部空間132a(132)および132b(132)が、上記第1の空間131aまたは131bとは重ならないよう、第1の内部空間131aとは分割した状態で形成されている。ここで、第1の内部空間131aおよび131bならびに第2の内部空間132aおよび132bは、各々面対称に一対、リム部用キャビティに沿い周方向に渡り上型13を穿って形成されている。さらに、第1の内部空間131および第2の内部空間132に配置される冷却パイプ13a〜13cも、同一構成のものが内部空間131、132内に面対称で設けられている(つまり、例えば余の冷却手段2である4個の冷却パイプ13b−1〜13b−4の個々の構成は同一である)。したがって、以下の説明では、第1の内部空間131および第2の内部空間132並びに当該内部空間中に配置される冷却パイプ13a〜13cのうち、図7において符号Cで示す全周の1/4の範囲に配置される構成要素のみを説明し、他の構成要素については説明を省略する。
第1の内部空間131aに設けた冷却パイプ13a−1(一の冷却手段),13b−1(余の冷却手段1)は、エア供給手段130から供給された冷却エアを第1の内部空間131a内で噴出する。冷却パイプ13a−1は、第1の内部空間131aの周方向中心、つまり周方向においてサイドゲート19から最も離れた場所に位置する。また、冷却パイプ13b−1は、冷却パイプ13a−1の側方に、つまり周方向において冷却パイプ13a−1よりもサイドゲート19の側に位置する。第1の内部空間131aにおける冷却パイプ13a−1および13b−1の軸方向の位置は、図6に示すように、リム部用キャビティ100bに充填された溶湯を、軸方向において上方側(つまりインナーフランジ部用キャビティ25a側)から冷却するためにインナーフランジ部用キャビティ25aに相当する位置である。冷却パイプ13a−1および13b−1は、上型13の外周部の裏面に向かって冷却エア(図6において矢印で示す)を噴出し、上型13の外周部を冷却する。
ここで、冷却パイプ13a−1および13b−1の正面図である図9に示すように、冷却パイプ13a−1および13b−1には冷却エアを噴出するための噴出穴13xが周方向に沿って所定間隔で形成されており、この噴出穴13xが上型13の外周部の裏面に向くように配置される。なお、上型13のサイドゲート19から90°離れた位置をより強く冷却するために冷却パイプ13a−1の噴出穴13xの間隔を冷却パイプ13b−1より密にしてもよい。
図7に示すように、第2の内部空間132bに設けた冷却パイプ13c−1(余の冷却手段2)は、エア供給手段130から供給された冷却エアを第2の内部空間132b内で噴出する。冷却パイプ13c−1は、周方向においてサイドゲート19に対向するよう配置されている。また、冷却パイプ13c−1には、図6に示すように、軸方向においてインナーフランジ部用キャビティ25aからリム本体部用キャビティ23aに渡り、複数の噴出穴が縦方向に例えば一列に並ぶように配置されており、サイドゲート19に対向する上型13の外周部の裏面に向かって冷却エア(図において矢印で示す)を噴出し、サイドゲート19に対向している上型13の外周部を冷却する。
なお、本実施形態のように、上型13に形成される内部空間を第1の内部空間131aと第2の内部空間132aに分割し、少なくとも、サイドゲート19から最も離れた位置に存在する冷却パイプ(一の冷却手段)13a−1を、冷却パイプ(余の冷却手段2)13c−1が配置された第2の内部空間132bとは異なる内部空間である第1の内部空間131aに配置することは、次のような好ましい技術的意義を有する。すなわち、冷却パイプ13a−1〜13c−1が同一の内部空間に配置される場合、最初に作動する冷却パイプ13a−1から噴出した冷却エアは、サイドゲート19から最も離れた位置にある上型13の外周部のみならず上型13の全体をほぼ同時に冷却してしまう。このように上型13の全体がほぼ同時に冷却されると、所望の周方向指向性凝固の達成は困難になる。しかしながら、本実施形態のように、第1の内部空間131aと第2の内部空間132bとに内部空間を分割し、第1の内部空間131aに冷却パイプ13a−1および13b−1を、第2の内部空間132bに冷却パイプ13c−1を設けることにより、冷却パイプ13a−1および13b−1から噴出した冷却エアは第1の内部空間131aに留まり、第1の内部空間131aが存在する上型13の外周部を優先的に冷却する。これにより、サイドゲート19に対向する上型13の外周部まで同時に冷却することはなく、当該外周部は、第2の内部空間132bに配置された冷却パイプ13c−1から噴出される冷却エアで冷却されることとなる。このように一の冷却手段である冷却パイプ13a−1とサイドゲートに対応する位置に配置した余の冷却手段である冷却パイプ13c−1とを異なる内部空間に配置することで、周方向指向性凝固の達成がより容易になるので好ましい。
リム部用キャビティに充填された溶湯を適正に凝固させるためには、上記したように上型に設けられた冷却手段(冷却パイプ)により、リム部用キャビティの内周部から冷却することに併せて、リム部用キャビティの外周部からも冷却する必要がある場合がある。このリム部用キャビティの外周部からの冷却は、金型を構成する材料や金型の構造を適宜設定することにより調整することが可能であるが、第2実施形態の金型100では、交差部用キャビティの外側である可動分割型14の中に、周方向に渡り複数のチラー15を配置している。具体的には、本態様のチラー15は、冷却パイプ15aを装着した冷却ブロック15bであり、その周方向の長さはスポーク(デザイン部)9gの各付け根の幅と略同じである。かかるチラー15では、冷却パイプ15aを介して冷却エアーや冷却水等の冷媒を矢示するように循環することで冷却ブロック15bを冷却している。なお、冷却ブロック15bは金型を構成する材料より高い熱伝導率を有し、かつアルミニウム合金溶湯に触れたときに当該溶湯を汚染しない材料で構成することが好ましい。
サイドゲート位置から周方向に90°までの区間における上記構成のチラー15の配置について図6のA−A矢視図である図7に示すように、複数のチラー151,152,153は、周方向においてスポーク9gに対応した位置に設けられる。残りの270°の区間については同様につき説明を省略する。
上記冷却パイプ13a−1〜13c−1から噴出させる冷媒(冷却エア)の各種条件、例えば、冷却エアを噴出するまでの待ち時間(以下噴出待ち時間という場合がある。)、冷却エアの噴出時間、冷却エア圧力などの冷却条件は、各冷却パイプ13a−1〜13c−1ごとに個別にプログラムにより設定し、制御することができる。ここで、噴出待ち時間とは、図12において符号T1〜T3で示す、キャビティへの溶湯の充填完了時からエアの噴出を開始するまでの時間、エア噴出時間とは、符号t1〜t3で示す、エア噴出を開始してから停止するまでの時間、エア圧力とは、符号F1〜F3で示す、冷媒圧力の一例としての冷却エアの圧力のことを指す。
上記構成の冷却手段を有する本実施形態の製造装置も、リム部用キャビティ100bに開口するサイドゲート19から軽合金溶湯が注入された後、複数の冷却手段のうち、サイドゲート19から最も遠い一の冷却手段を最初に作動させ、その後サイドゲート19に向かって余の冷却手段を順次作動させるとともに、一の冷却手段の冷却能に対してサイドゲート19に向かうに従って余の冷却手段の冷却能が順次小さくなるように冷却手段の作動時間又は冷却圧力を制御する制御手段を備える。制御手段は、例えばプログラムを実行するCPUで実現される。なお、制御手段は、一部又は全部をFPGA、ASIC等のハードウェア回路によって構成してもよい。
[軽合金ホイールの製造方法]
本発明の第2の実施形態に係る軽合金ホイールの製造方法は、図6および図7に示すように、上型13、下型12及び一対の可動分割型14を有する金型100で形成された前記軽合金ホイールを象るキャビティ11へ、上型13及び一対の可動分割型14で形成された前記リム部を象るキャビティ100bに開口するサイドゲート(湯口)19から軽合金溶湯を注入する注湯工程を含んでいる。更に、この製造方法は、注湯工程の後に、上型13の内部空間131、132に、周方向に渡って設けられた複数の冷却手段である冷却パイプ13a〜13cのうち、設定した一の冷却手段である冷却パイプ13aを最初に作動させ、その後、余の冷却手段である冷却パイプ13b、13cを作動させ、リム部を象るキャビティ(以下、リム部用キャビティと言う場合がある。他のキャビティについて同じ。)100bに注入された軽合金溶湯(以下、溶湯と言う場合がある。)を強制冷却する強制冷却工程を有している。
具体的には、先ず、図6の下型12、上型13および一対の可動分割型14を型締めしてキャビティを形成する。次いで、密閉容器80a(図8参照)内を加圧し、保持炉80b内に貯留した溶湯80hを、ストーク18aおよび19aを介してセンターゲート18およびサイドゲート19から、ディスク部用キャビティ100aおよびリム部用キャビティ100bに注入する。そしてキャビティの上端であるインナーフランジ部用キャビティ25aまでアルミニウム合金溶湯が充填された後、保持炉80b内の加圧を所定時間維持する(注湯工程)。
注湯工程で溶湯がインナーフランジ部用キャビティ25aまで充填された後、冷却パイプ(冷却手段)13a−1〜13c−1を作動させ、冷却パイプ13a−1〜13c−1に冷却エアを流通させ噴出することにより、強制冷却工程を行う。ここで、図11(a−1)に示すように、最初に作動させる一の冷却手段を冷却パイプ13b−1とし(図中、作動している冷却パイプは黒塗りで示されている。図11の他の図について同じ。)、次いで、図11(a−2)および(a−3)に示すように、冷却パイプ13a−1、13c−1の順に作動させてもよい。しかしながら、周方向指向性凝固を効果的に達成するためには、サイドゲート19から最も離れた位置にある冷却パイプ13a−1を一の冷却手段に設定して最初に作動させ(図11(b−1))、その後、余の冷却手段1である冷却パイプ13b−1(図11(b−2)),次いで余の冷却手段2である冷却パイプ13c−1(図11(b−3))と作動させ、前記リム部用キャビティ100bに充填された溶湯を強制冷却することが好ましい。
上記製造方法によって達成される、リム部用キャビティ100bに充填された溶湯の周方向指向性凝固について図10を参照して説明する。なお、図10は、強制冷却工程における溶湯の凝固過程を概念的に示す図であり、図6および図7においてディスク部用キャビティ100aおよびリブ部用キャビティ100b並びにセンターゲート18およびサイドゲート19に充填された溶湯80hのみを示す斜視断面図であり、理解のために上型13や下型12などの鋳造装置の各構成要素の図示は省略している。また、図10において符号R1〜R7で示す2点鎖線は、溶湯80hが凝固する際の固相線の分布を等高線的に示している。具体的には、各線R1〜R7は、リム部用キャビティ100bへの溶湯80hの充填完了後、強制冷却工程においてほぼ同一時期に溶湯80hが固相線に至った点を各々結んだ線となっている。
上記構成の冷却パイプ13a〜13cを有する金型100では、サイドゲート19を通じてリム部用キャビティ100bに充填された溶湯80hは、以下説明するような形態で凝固が進行する。すなわち、リム部用キャビティ100bに充填された溶湯80hの凝固は、最初に作動する冷却パイプ(一の冷却手段)13a−1での冷却によりサイドゲート19から最も離れた位置から開始する。本実施形態の場合には、円周方向においては一対のサイドゲート19の中間部であって、軸方向においては上方に配置されたインナーフランジ部用キャビティ25aの点Qから溶湯80hの凝固は開始する。そして、上方の点Qから凝固が開始した溶湯80hは、冷却パイプ(余の冷却手段1)13b−1および冷却パイプ(余の冷却手段2)13c−1での冷却により矢印P1〜P3で示すように線R1から線R7に向かい、インナーフランジ部用キャビティ25aからサイドゲート19へと下方へ指向しつつ徐々に凝固する。このように本発明の実施形態に係る製造方法では、サイドゲート19から最も離れた位置からサイドゲート19に向けた所望の周方向指向性凝固を達成することができる。
上記のように各冷却パイプ13a−1〜13c−1の作動のタイミングをずらすためには、例えば図12に示すように、各冷却パイプ13a−1〜13c−1における噴出待ち時間T1〜T3が異なるようプログラムを設定しておけばよい。具体的には、最初に作動させる冷却パイプ13a−1の噴出待ち時間T1を最も短く設定し、冷却パイプ13b−1および13c−1の噴出待ち時間T2およびT3が噴出待ち時間T1より長くなるよう設定すればよい。さらに、サイドゲート19から最も離れた位置にある冷却パイプ13a−1の噴出待ち時間T1を最も短く設定し、サイドゲート19に近づくにつれて冷却パイプ13b−1および13c−1の噴出待ち時間T2およびT3がこの順序で長くなるように設定することがより好ましい。
周方向指向性凝固をより効果的に達成するためには、冷却パイプ13a−1の冷却能に対し、冷却パイプ13b−1および13c−1の冷却能をサイドゲート19に向かい低くすることが望ましい。具体的には、図12に示すように、各冷却パイプ13a−1〜13c−1から噴出される冷却エアの噴出時間t1〜t3をこの順序で徐々に(好ましくは傾斜的に)短くする、またはエア圧力F1〜F3をこの順序で徐々に(好ましくは傾斜的に)減少させることで実現することができる。
上記した強制冷却工程が完了した後、保持炉80b内の加圧を止めて溶湯を保持炉80bに戻し、凝固が完了したホイール素材を金型100から取り出し、このホイール素材に加工や塗装など必要に応じ適宜な処理を施すことにより所望のホイールを得ることができる。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る製造方法に使用される、好ましい金型200の一例の断面図である。上記説明した第2の実施形態の金型100に対し、好ましい金型200は、(1)冷却パイプ13a−1、13b−1および23c−1は、分割して形成された3つの内部空間である、第1〜第3の内部空間131a、232bおよび233bに一つずつ独立して収納されている点、(2)サイドゲート19に対向するよう第3の内部空間233b内に配置される冷却パイプ23c−1は、上記説明した冷却パイプ13a−1および13b−1と同形態である点で、金型100と相違している。好ましい例である本実施形態の金型200によれば、より効果的に周方向指向性凝固を達成することができる。
[製品特性]
本発明に係る軽合金ホイールは、略円筒形状のリム部と、前記リム部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールであって、前記車輪に対して直角なリム部断面において、極大DASIIを示す位置から周方向に最も遠い位置のDASIIをA、前記極大DASIIをBとし、前記極大DASIIを示す位置と該位置から周方向に最も遠い位置との中間部におけるDASIIをCとしたとき、A,B,Cが、式(2):A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1を満足することを特徴とする軽合金ホイールである。このように本発明に係る軽合金ホイールは、リム部の各部位におけるDASII値が特定の関係を有するから、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥が従来より少なく、従来の軽合金ホイールに対し高強度でエア漏れが少ない。交差部の気孔率を1%以下とすることにより強度およびエア漏れに関し、更に有利な軽合金ホイールとすることができる。
(実施例1〜5,比較例1)
次に、第1の実施形態に対応する実施例1〜5について比較例1と比較しつつ説明する。図1および図2に示す金型のキャビティに開口するサイドゲート19から軽合金溶湯としてJIS H 5202に規定されるAC4CH相当の鋳造用アルミニウム合金の溶湯を注入する注湯工程と、キャビティに注入された軽合金溶湯を以下のようにして強制冷却する強制冷却工程とを経て軽合金ホイールを製造した。実施例1〜5では図2に示すチラー151,152,153のそれぞれを作動させるタイミングを変えて実施した。実施例1,3,4では、金型100内の全てのキャビティへの軽合金溶湯の注入が完了した時点を基準時とし、先ず、基準時に一の冷却手段であるチラー151を作動させ、その10秒後に余の冷却手段であるチラー152,153を同時に作動させた。実施例2では、基準時にサイドゲートから最も遠い一の冷却手段であるチラー151を作動させ、基準時から5秒後に余の冷却手段であるチラー152を作動させ、基準時から10秒後に別の余の冷却手段であるチラー153を作動させた。実施例3ではチラー151,152,153の流通時間(冷却空気を供給し続ける時間)をそれぞれ140,120,100秒とした。実施例4ではチラー151,152,153に供給する冷却空気の圧力をそれぞれ2,1.5,1(×10Pa)とした。実施例5では、基準時にチラー151およびチラー152を作動させ、基準時から10秒後にチラー153を作動させ、チラー151,152,153に供給する冷却空気の圧力をそれぞれ2,1.5,1(×10Pa)とした。比較例1では、基準時に全てのチラー151,152,153を作動させたことを除いて、実施例1と同様の製造条件で実施した。また、実施例1〜5および比較例1では、上型を冷却する冷却手段として、第2実施形態で説明した冷却パイプを使用した。冷却パイプの作動条件は次に示す通り実施例1〜5および比較例1において同一とした。図7に示すサイドゲート19から最も離れた一の冷却手段(冷却パイプ)13a、サイドゲートに近い余の冷却手段(冷却パイプ)13b,13cを基準時から5秒後にそれぞれ同時に作動させた。各冷却パイプへ供給する冷媒(空気)の流通時間は冷却パイプ13a,13bにおいて100秒、冷却パイプ13cにおいて50秒とした。冷媒圧力は冷却パイプ13a,13bにおいて2×10Pa、冷却パイプ13cにおいて4×10Paとした。
得られた軽合金ホイールはリム部のα−Alの2次枝法によるデンドライト2次アームスペーシング(以下、DASIIと言う場合がある)、交差部の平均気孔率、エア漏れ率を測定した。測定方法を図3,4を参照して説明する。サイドゲート位置Pを基準にして最も遠い位置をP、中間位置をPとし、各位置で軽合金ホイールの回転軸を含む面でリム部を切断し、断面を撮影してDASIIを求めた。断面における撮影箇所は軸方向リム部長さの中央、かつ当該箇所肉厚の中央とし、撮影視野は5mm×5mmとした。交差部の気孔率はDASIIの測定に使った断面における交差部26から測定した。測定箇所は交差部26の任意の5か所とし、撮影視野5mm×5mmの組織断面写真における、最大寸法0.1mm以上の気孔の合計面積の割合(面積率)を気孔率とし、各断面から求めた気孔率の平均値を平均気孔率とした。エア漏れの測定方法は、JASO(公益社団法人自動車技術会)の定める規格C614の8.5に準拠した。エア漏れ率(百分率%)はエア漏れが認められたホイール数を測定したホイール数で除し100を乗じた値である。製造条件および得られた軽合金ホイールのDASII、平均気孔率、エア漏れ率を表1に示す。表1におけるエア漏れ率の評価は、比較例1のエア漏れ率(百分率%)を基準とし基準から各実施例のエア漏れ率を減じた値が、0を超え0.1以下(△)、0.1を超え0.2以下(○)、0.2超え(◎)の3水準相対評価とした。上記説明した測定方法等は、以下説明する実施例6〜13および比較例2、3でも同様である。
Figure 2016039484
実施例1〜5の軽合金ホイールは、DASII値から分かるとおりリム部の周方向の指向性凝固が達成されており、平均気孔率から分かるとおりリム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥が比較例1の従来の製造方法に比べて少ない軽合金ホイールであった。実施例1〜5の軽合金ホイールのエア漏れ率は、何れも比較例1に対して改善することが判った。比較例1の軽合金ホイールは、リム部の周方向の指向性凝固が不完全であり、平均気孔率は実施例1〜5に比べてやや大きくなった。比較例1の軽合金ホイールのエア漏れ率は、生産性の観点から十分に小さい値ではなかった。
リム部用キャビティ100bのうちサイドゲート19から最も離れた位置Pの凝固した溶湯のDASIIをA、サイドゲート前の位置Pの凝固した溶湯のDASIIをBとしたとき、A<Bとなるよう行った、強制冷却工程では、リム部用キャビティ100bに注湯された溶湯を強制冷却することが好ましいことが判った。
さらに、リム部用キャビティ100bのうちサイドゲート19から最も遠い位置とサイドゲート19との中間部における凝固した軽合金溶湯のDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(1)を満足するよう、強制冷却工程でリム部用キャビティ100bに注湯された溶湯を強制冷却することが好ましいことが判った。
A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (1)
加えて、車輪に対して直角なリム部断面において、極大DASIIを示す位置から周方向に最も遠い位置のDASIIをA、極大DASIIをBとし、極大DASIIを示す位置と該位置から周方向に最も遠い位置との中間部におけるDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(2)を満足する軽合金ホイールが好ましいことが判った。
A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (2)
(実施例6〜9,比較例2)
次に、第2の実施形態に対応する実施例6〜9について比較例2と比較しつつ説明する。図6および図7に示す金型のキャビティに開口するサイドゲート19から軽合金溶湯としてJIS H 5202に規定されるAC4CH相当の鋳造用アルミニウム合金の溶湯を注入する注湯工程と、キャビティに注入された軽合金溶湯を以下のようにして強制冷却する強制冷却工程とを経て軽合金ホイールを製造した。実施例6では基準時から5秒後に図7に示すサイドゲート19から最も離れた一の冷却手段(冷却パイプ)13aを最初に作動させ、10秒後にサイドゲート19に近い余の冷却手段(冷却パイプ)13bを作動させ、50秒後にサイドゲート19に対向する別の余の冷却手段(冷却パイプ)13cを作動させた。実施例7,8,9では基準時に冷却パイプ13aを最初に作動させ、5秒後に冷却パイプ13bを作動させ、50秒後に冷却パイプ13cを作動させた。実施例8では冷却パイプ13a,13b,13cの流通時間(冷却エアーを供給し続ける時間)をそれぞれ140,120,100秒とした。実施例9では冷却パイプ13a,13b,13cに供給する冷却エアーの圧力をそれぞれ3,2,4(×10Pa)とした。比較例2では比較例1と同様の製造条件で実施した。実施例6〜9および比較例2では、交差部を冷却する冷却手段として第1実施形態で説明したチラーを使用した。チラーの作動条件は次に示す通り実施例6〜9および比較例2において同一とした。基準時に全てのチラー151,152,153を作動させた。チラー151,152,153へ供給する冷媒(空気)の流通時間は何れも100秒とし、圧力は何れも1×10Paとした。
得られた軽合金ホイールはリム部のDASII、交差部の気孔率、エア漏れを測定した。製造条件および得られた軽合金ホイールのDASII、平均気孔率、エア漏れを表2に示す。
Figure 2016039484
実施例6〜9の軽合金ホイールは、DASII値から分かるとおりリム部の周方向の指向性凝固が達成されており、比較例2の従来の製造方法に比べてリム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥が少ない軽合金ホイールであった。実施例6〜9の軽合金ホイールのエア漏れ率は、何れも比較例2に対して改善することが判った。比較例2の軽合金ホイールは、リム部の周方向の指向性凝固が不完全であり、実施例6〜9の製造方法に比べてリム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥がやや多い軽合金ホイールであった。
リム部用キャビティ100bのうちサイドゲート19から最も離れた位置の凝固した軽合金溶湯のDASIIをA、サイドゲート19前の凝固した軽合金溶湯のDASIIをBとしたとき、A<Bとなるよう、強制冷却工程では、リム部用キャビティ100bに注湯された溶湯を強制冷却することが好ましいことが判った。
さらに、リム部用キャビティ100bのうちサイドゲート19から最も離れた位置とサイドゲート19との中間部における凝固した軽合金溶湯のDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(1)を満足するよう、強制冷却工程では、リム部用キャビティ100bに注湯された溶湯を強制冷却することが好ましいことが判った。
A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (1)
加えて、車輪に対して直角なリム部断面において、極大DASIIを示す位置から周方向に最も遠い位置のDASIIをA、極大DASIIをBとし、極大DASIIを示す位置と該位置から周方向に最も遠い位置との中間部におけるDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(2)を満足する軽合金ホイールが好ましいことが判った。
A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (2)
(実施例10〜13,比較例3)
次に、第2の実施形態における好ましい金型200を使用した実施例10〜13について比較例3と比較しつつ説明する。図13に示す金型200のキャビティに開口するサイドゲート19から溶湯としてJIS H 5202に規定されるAC4CH相当の鋳造用アルミニウム合金の溶湯を注入する注湯工程と、キャビティに注入された溶湯を以下のようにして強制冷却する強制冷却工程とを実施し、ホイールを製造した。実施例10では、いずれの冷却パイプ13a,13b,23cでも、冷却エアの噴出時間を100s、圧力を冷却パイプ13a,13bで2×10Pa、冷却パイプ13cで4×10Paで作動するよう設定し、基準時から5秒後にサイドゲート19から最も離れた冷却パイプ13aを最初に作動させ、20秒後にサイドゲート19に近い冷却パイプ13bを作動させ、50秒後にサイドゲート19に対向する冷却パイプ23cを作動させた。実施例11,12,13では、基準時に冷却パイプ13aを最初に作動させ、10秒後に冷却パイプ13bを作動させ、50秒後に冷却パイプ23cを作動させた点以外は、実施例10と同様の製造条件で実施した。実施例12では、冷却パイプ13a,13bおよび23cの噴出時間をそれぞれ140秒,120秒および100秒とした点以外は、実施例11と同様の製造条件で実施した。実施例13では、冷却パイプ13a,13bおよび23cに供給する冷却エアの圧力をそれぞれ3×10Pa,2×10Paおよび4×10Paとした点以外は、実施例11と同様の製造条件で実施した。比較例3では比較例1と同様の製造条件で実施した。実施例10〜13および比較例3では、交差部を冷却する冷却手段としてチラーを使用した。チラーの作動条件は実施例10〜13および比較例3において同一とし、実施例6〜9および比較例2と同一とした。
得られた軽合金ホイールはリム部のDASII、交差部の気孔率、エア漏れを測定した。製造条件および得られた軽合金ホイールのDASII、平均気孔率、エア漏れ率を表3に示す。
Figure 2016039484
実施例10〜13の軽合金ホイールは、DASII値から分かるとおりリム部9aの周方向の指向性凝固が達成されており、比較例の従来の製造方法に比べてリム部9aに発生する引け巣などの鋳造欠陥が少ない軽合金ホイールであった。実施例10〜13の軽合金ホイールのエア漏れ率は、何れも比較例3に対して改善することが判った。比較例3の軽合金ホイールは、リム部の周方向の指向性凝固が不完全であり、実施例の製造方法に比べてリム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥がやや多い軽合金ホイールであった。
リム部用キャビティ100bのうちサイドゲート19から最も離れた位置Pの凝固した溶湯のDASIIをA、サイドゲート前の位置Pの凝固した溶湯のDASIIをBとしたとき、A<Bとなるよう行った、強制冷却工程では、リム部用キャビティ100bに注湯された溶湯を強制冷却することが好ましいことが判った。
さらに、リム部用キャビティ100bのうちサイドゲート19から最も離れた位置Pとサイドゲート19の位置Pとの中間の位置Pにおける凝固した溶湯のDASIIをCとしたとき、A、BおよびCが下記式(1)を満足するよう、強制冷却工程では、リム部用キャビティに注湯された溶湯を強制冷却することが、更に好ましいことが判った。
A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (1)
加えて、車輪に対して直角なリム部断面において、極大DASIIを示す位置から周方向に最も遠い位置のDASIIをA、極大DASIIをBとし、極大DASIIを示す位置と該位置から周方向に最も遠い位置との中間部におけるDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(2)を満足する軽合金ホイールが好ましいことが判った。
A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (2)
産業上の利用分野
本発明は、乗用車等の自動車に装着されるアルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽合金で形成された車両用の軽合金ホイールに適用可能である。
1 リム部キャビティ
1a 小容積リム部キャビティ
1b 大容積リム部キャビティ
2 窓部
3 スポーク部キャビティ
4 駄肉形成空間
5 サイドゲート
9a リム部
9b リム本体部
9c アウターフランジ部(第1のフランジ部)
9d インナーフランジ部(第2のフランジ部)
9e ディスク部
9f ハブ部
9g デザイン部
10 軽合金ホイール
10a 凝固開始点
11 キャビティ
12 下型
13 上型
13a(13a−1、13a−2) 冷却パイプ(一の冷却手段)
13b(13b−1〜13b−4) 冷却パイプ(余の冷却手段1)
13c、13c´(13c−1,13c−2) 冷却パイプ(余の冷却手段2)
13x 噴出穴
14 可動分割型
15 チラー(冷却手段)
15a 冷却パイプ
15b 冷却ブロック
151 チラー(一の冷却手段)
152,153 チラー(余の冷却手段)
18 センターゲート
18a ストーク
19 サイドゲート
21a ハブ部用キャビティ
22 スポーク用キャビティ
23a リム本体部用キャビティ
23c 冷却パイプ
25a インナーフランジ部用キャビティ
26 交差部
27 非交差部
80 鋳造装置
80L 符号
80a 密閉容器
80b 保持炉
80c 下型プラテン
80d 可動プラテン
80e ガイド
80f 上型プラテン
80g ガイドポスト
80h 溶湯
80i 湯口部
80j 湯口ブッシュ
80k 油圧シリンダ
80m 上板
80o 符号
80p 符号
100(200) 金型
100a ディスク部用キャビティ
100b リム部用キャビティ
130 エア供給手段
131(131a、131b) 第1の内部空間
132(132a、132b,232a〜232d) 第2の内部空間
233(233a〜233d) 第3の内部空間

Claims (18)

  1. 略円筒形状のリム部と、前記リム部の一方端部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールの製造方法であって、
    前記リム部が象られた金型のキャビティに開口する湯口から軽合金溶湯を注入する注湯工程と、
    前記注湯工程の後に、前記リム部が象られた金型のキャビティの外周部または内周部に、周方向に渡って設けられた複数の冷却手段のうち、設定した一の冷却手段を最初に作動させ、その後、余の冷却手段を作動させ、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する強制冷却工程と、を有することを特徴とする軽合金ホイールの製造方法。
  2. 前記強制冷却工程では、前記複数の冷却手段のうち、前記湯口から最も遠い一の冷却手段を最初に作動させ、その後前記湯口に向かって余の冷却手段を順次作動させる請求項1に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  3. 前記強制冷却工程では、前記一の冷却手段の冷却能に対し、前記余の冷却手段の冷却能を前記湯口に向かい低くして、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する請求項1又は2に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  4. 前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって冷却手段の作動時間を徐々に短くする請求項3に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  5. 前記冷却手段は冷媒の流路を備え、前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって前記冷却手段の冷媒流量を徐々に減少させる請求項3に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  6. 前記注湯工程において前記リム部を象る金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を、前記強制冷却工程では、前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって指向性凝固させる請求項1〜5のいずれかに記載の軽合金ホイールの製造方法。
  7. 前記リム部を象る金型のキャビティのうち前記湯口から最も遠い位置の凝固した軽合金溶湯のα−Alの2次枝法によるデンドライト2次アームスペーシング(DASII)をA、前記湯口前の凝固した軽合金溶湯のDASIIをBとしたとき、A<Bとなるよう、前記強制冷却工程では、前記リム部を象る金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を冷却する請求項6に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  8. 前記リム部を象る金型のキャビティのうち前記湯口から最も遠い位置と前記湯口との中間部における凝固した軽合金溶湯のDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(1)を満足するよう、前記強制冷却工程で前記リム部を象る金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する請求項7に記載の軽合金ホイールの製造方法。
    A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (1)
  9. 前記リム部は、ディスク部との交差部を有し、前記複数の冷却手段は、前記交差部が象られた金型のキャビティの外周部または内周部に、周方向に渡って設けられている請求項1〜8のいずれかに記載の軽合金ホイールの製造方法。
  10. 前記上型は、前記冷却手段が収納される複数の内部空間を有し、少なくとも前記一の冷却手段は、前記余の冷却手段とは異なる内部空間に収納されている請求項1〜8のいずれかに記載の軽合金ホイールの製造方法。
  11. 前記冷却手段は、前記内部空間に一つずつ独立して収納されている請求項10に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  12. 略円筒形状のリム部と、前記リム部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールであって、
    前記車輪に対して直角なリム部断面において、極大DASIIを示す位置から周方向に最も遠い位置のDASIIをA、前記極大DASIIをBとし、前記極大DASIIを示す位置と該位置から周方向に最も遠い位置との中間部におけるDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(2)を満足することを特徴とする軽合金ホイール。
    A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (2)
  13. 前記リム部は、前記ディスク部との交差部を有し、前記交差部の平均気孔率は1%以下である請求項12に記載の軽合金ホイール。
  14. 略円筒形状のリム部と、前記リム部の一方端部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールを製造するための製造装置であって、
    前記軽合金ホイールが象られたキャビティを有する金型と、前記軽合金ホイールが象られたキャビティのうち前記リム部が象られたキャビティに開口する湯口と、前記リム部が象られたキャビティの外周部または内周部に、周方向に渡って取り付けて構成された複数の冷却手段を備え、
    前記リム部が象られたキャビティに開口する湯口から軽合金溶湯が注入された後、前記複数の冷却手段のうち、前記湯口から最も遠い一の冷却手段を最初に作動させ、その後前記湯口に向かって余の冷却手段を順次作動させる制御手段を備えたことを特徴とする軽合金ホイールの製造装置。
  15. 前記冷却手段は、冷却パイプを備えた冷却ブロックであり、前記リム部が象られたキャビティの外周部に取り付けられている請求項14に記載の軽合金ホイールの製造装置。
  16. 前記上型は、前記リム部が象られたキャビティに沿い周方向に渡って形成された内部空間を有し、前記冷却手段は、前記内部空間の中に配置された冷却パイプである請求項14に記載の軽合金ホイールの製造装置。
    装置。
  17. 前記一の冷却手段と余の冷却手段とは、異なった内部空間に配置されている請求項16に記載の軽合金ホイールの製造装置。
  18. 請求項14〜17に記載の軽合金ホイールの製造装置であって、
    前記リム部が象られたキャビティに開口する湯口から軽合金溶湯が注入された後、前記複数の冷却手段のうち、前記湯口から最も遠い一の冷却手段を最初に作動させ、その後前記湯口に向かって余の冷却手段を順次作動させるとともに、前記一の冷却手段の冷却能に対して前記湯口に向かうに従って前記余の冷却手段の冷却能が順次小さくなるように前記冷却手段の作動時間又は冷却圧力を制御する制御手段を備えたことを特徴とする軽合金ホイールの製造装置。
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