JP2017104874A - 軽合金ホイールの製造方法 - Google Patents

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武嗣 播本
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Abstract

【課題】リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥を低減し、エア漏れが抑制された軽合金ホイールを製造できる軽合金ホイールの製造方法の提供。【解決手段】リム部が象られたキャビティ1006を周方向にn個の区間に区分するように配置し、キャビティに開口するn個の湯口19,20、キャビティの外周部又は内周部に周方向に亘って設けた複数の冷却手段151〜155を備え、湯口で区分したキャビティのn個の区間の内、一部の区間には、冷却手段が複数配置された金型100を使用して軽合金ホイールを鋳造する方法。注湯工程の後に、湯口により区分されたキャビティのn個の区間の内、冷却手段が複数配置された区間では、当該区間に含まれる複数の冷却手段の内、一の冷却手段151を最初に作動させ、その後、余の冷却手段を作動させ、軽合金溶湯を強制冷却する工程と、を有する軽合金ホイールの製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、アルミニウム合金等の軽合金で形成された軽合金ホイールの製造方法に関する。
自動車(乗用車等)に装着されている車両用の軽合金ホイールとしては、車体を軽量化するために、例えば低圧鋳造などの手法により全体がアルミニウム合金で形成されたアルミホイールが使用されている。
鋳造法により製造される軽合金ホイールには引け巣等の鋳造欠陥が少ないことが要求される。特許文献1は、そのような製造方法の一例を開示する。図7は特許文献1に記載された鋳造方案であり、上型と下型と一対の横型を備えたサイドゲート方式の鋳型装置の上型を上方からみて、その上型の内部構造を模式的に示す図である。図7に示す空冷パイプ324は、リム用キャビティCの堰前部分Sを空冷するものである。一方、ミスト冷却手段325は、リム用キャビティCの部分Aをミスト冷却するものである。この部分Aは、筒状のリム用キャビティCのうち、堰形成空間331にそれぞれつながった堰前部分Sからリム用キャビティCの周方向に90°ずれた部分であり、堰前部分Sからリム用キャビティCの周方向に最も離れた部分となる。
特開2008−155235号公報(段落0044,図1,図3)
上記特許文献1で一例が開示される従来技術の鋳造方案では、リム部の引け巣の抑制は不十分な場合があった。リム部に発生した引け巣はリム部からのエア漏れの原因になりやすいため、従来技術に対しリム部の引け巣が低減され、エア漏れが抑制された軽合金ホイールの製造方法が要請されていた。
従って本発明の目的は、従来技術の製造方法に対し、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥を低減し、エア漏れが抑制された軽合金ホイールを製造することのできる軽合金ホイールの製造方法を提供することである。
すなわち、本発明の軽合金ホイールの製造方法は、略円筒形状のリム部と、前記リム部の一方端部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールを鋳造する方法であって、平面視において、前記リム部が象られたキャビティを周方向にn個(nは2以上の自然数)の区間に区分するように配置された、前記リム部が象られたキャビティに開口するn個の湯口、および、前記リム部が象られたキャビティの外周部または内周部に周方向に渡って設けられた複数の冷却手段を備え、前記湯口で区分された前記キャビティのn個の区間の内、一部の区間には、前記冷却手段が複数配置された金型を使用して軽合金ホイールを鋳造する方法であり、前記湯口から軽合金溶湯を注入する注湯工程と、前記注湯工程の後に、前記湯口により区分された前記キャビティのn個の区間の内、前記冷却手段が複数配置された区間では、当該区間に含まれる複数の冷却手段のうち、一の冷却手段を最初に作動させ、その後、余の冷却手段を作動させ、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する強制冷却工程と、を有することを特徴とする。
なお、前記強制冷却工程において、前記湯口により区分された前記キャビティn個の区間の内、前記冷却手段が複数配置された区間では、当該区間に含まれる湯口から最も遠い冷却手段を前記一の冷却手段とし、該冷却手段を最初に作動させ、その後、前記湯口に向かって余の冷却手段を作動させることができる。
さらに、前記強制冷却工程では、前記一の冷却手段の冷却能に対し、前記余の冷却手段の冷却能を前記湯口に向かい低くして、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却してもよい。
また、前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって冷却手段の作動時間を徐々に短くしてもよい。
また、前記冷却手段は冷媒の流路を備え、前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって前記冷却手段の冷媒流量を徐々に減少させてもよい。
さらに、前記注湯工程において前記リム部を象る金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を、前記強制冷却工程では、前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって指向性凝固させることが好ましい。
加えて、前記金型は、上型と下型とを有し、前記上型は、前記冷却手段が収納される複数の内部空間を有し、前記一の冷却手段は、前記余の冷却手段とは異なる内部空間に収納されていることが好ましく、さらに、前記冷却手段は、前記内部空間に一つずつ独立して収納されていることがより好ましい。
さらに加えて、前記リム部を象る金型のキャビティのうち前記湯口から最も遠い位置の凝固した軽合金溶湯のα−Alの2次枝法によるデンドライト2次アームスペーシング(DASII)をA、前記湯口前の凝固した軽合金溶湯のDASIIをBとしたとき、A<Bとなるよう、前記強制冷却工程では、前記リム部を冷却することが好ましい。
加えて、前記リム部を象る金型のキャビティのうち前記湯口から最も遠い位置と前記湯口との中間部における凝固した軽合金溶湯のDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(1)を満足するよう、前記強制冷却工程で前記リム部を強制冷却することが好ましい。
A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (1)
さらに加えて、前記リム部は、ディスク部との交差部を有し、前記複数の冷却手段は、前記交差部が象られた金型のキャビティの外周部または内周部に、周方向に渡って設けられていることが好ましい。
本発明によれば、従来技術に対し、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥が低減され、高強度でエア漏れが抑制される軽合金ホイールの製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る軽合金ホイールの製造方法を実施するための金型の縦断面図(図2におけるB−C−D断面図)である。 図1の金型のA−A断面図である。 軽合金ホイールの一例を示す図である。 図3の軽合金ホイールのD−D断面図である。 軽合金ホイールを鋳造する金型のキャビティの一部を示す図である。 図1の金型が組み込まれた鋳造装置の概略構成図である。 従来の軽合金ホイールの製造方法を実施するための鋳型装置の平面図である。
本発明について、その具体的な実施形態に基づき図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下説明する実施形態および実施例に限定されず、また、発明の作用効果を奏する限り、同一性の範囲内において適宜変形して実施することができる。
本発明者らは、上記目的を達成するための鋳造方案を鋭意検討した結果、溶湯をキャビティに注入後、リム部を冷却するために金型に設けた複数の冷却手段をリム部が象られた金型のキャビティに開口する湯口(以下、サイドゲートと言う場合がある)からの距離および/またはリム部の円周方向の容積変化に応じてタイミングをずらして作動させることにより、上記目的を達成できることが知見され、本発明に想到した。
すなわち、図5に示すように軽合金溶湯を充填するリム部キャビティ1のうち窓部2に臨む小容積のリム部キャビティ1aでは成形空間の容積が少ないためにスポーク部キャビティ3に臨む大容積のリム部キャビティ1bよりも軽合金溶湯の冷却速度が速まる。その結果、小容積のリム部キャビティ1aの溶湯よりも円周方向に沿ってサイドゲート5から遠ざかる部分にある大容積のリム部キャビティ1bの溶湯の冷却速度が遅くなり、リムの円周方向に沿った指向性凝固が行われず、引け巣などの鋳造欠陥が発生することがある。この現象を軽減する目的で、小容積のリム部キャビティ1aに駄肉形成空間4を設けてリム部キャビティ1の円周方向の容積変化をより小さくすることが行われることがある。しかし、駄肉は後工程で加工して除去しなければならないため製造コストを増加させる一因になっていた。
上記課題を解決するための本発明に係る軽合金ホイールの製造方法は、略円筒形状のリム部と、前記リム部の一方端部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールを鋳造する方法であって、平面視において、前記リム部が象られたキャビティを周方向にn個(nは2以上の自然数)の区間に区分するように配置された、前記リム部が象られたキャビティに開口するn個の湯口、および、前記リム部が象られたキャビティの外周部または内周部に周方向に渡って設けられた複数の冷却手段を備え、前記湯口で区分された前記キャビティのn個の区間の内、一部の区間には、前記冷却手段が複数配置された金型を使用して軽合金ホイールを鋳造する方法であり、前記湯口から軽合金溶湯を注入する注湯工程と、前記注湯工程の後に、前記湯口により区分された前記キャビティのn個の区間の内、前記冷却手段が複数配置された区間では、当該区間に含まれる複数の冷却手段のうち、一の冷却手段を最初に作動させ、その後、余の冷却手段を作動させ、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する強制冷却工程とを有する。
本発明によれば、上記構成を採用することにより、リム部が象られた金型のキャビティに開口する湯口(サイドゲート)付近を除くリム部において周囲より冷却速度が遅く局所的高温部として取り残され易いリムの一部(以下、ホットスポットと言う場合がある)を前記一の冷却手段で一定程度まで冷却することにより、駄肉を形成することなくリムの円周方向に沿った指向性凝固(以下、周方向指向性凝固という場合がある)を達成することが可能となる。それによりサイドゲートからリム部全体に押し湯効果が働き、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥を従来の製造方法に比べて少なくすることができる。
より具体的には、図1に示すように、上型13及び一対の可動分割型14で形成するリム部を象るキャビティ100bに開口する湯口(以下、サイドゲートと言う場合がある)19から軽合金溶湯を注入する鋳造方案により軽合金ホイールを製造する場合、上記のとおり、サイドゲートから最も離れた位置からリムの円周方向に沿いサイドゲートに向かってリム部溶湯を凝固させる周方向指向性凝固が好ましいことが知られている。そして、基本的にリム部の肉厚が周方向に渡って均一であるならば、金型の冷却制御をしなくてもリム部溶湯はサイドゲートに向かって凝固する傾向となる。しかし、リム部の肉厚をより薄くした軽合金ホイールを製造する場合、リム部の周方向指向性凝固は必ずしも達成されない。一方で、上記した軽合金ホイールの製造方法では、湯口により区分されたキャビティのn個の区間の内、上型の内部空間に周方向に渡って設けられた冷却手段が複数配置された区間では、当該区間に含まれる複数の冷却手段のうち、設定した一の冷却手段を鋳造装置の制御装置の制御により最初に作動させて、所定のリム部部位を最初に凝固させ、その後、余の冷却手段を作動させて、他のリム部部位を凝固させることによりリム部の周方向指向性凝固を達成し易くするものである。このような金型の冷却制御をすることにより、駄肉を形成することなくリム部の周方向指向性凝固を達成することが可能となる。それによりサイドゲートからリム部全体に押し湯効果が働き、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥を従来の製造方法に比べて少なくすることができる。
以下、本発明について、その実施形態に基づき具体的に説明するが、まず、当該実施形態で製造される軽合金ホイールの構成、および使用される製造装置および金型の構成要素について、説明する。
[軽合金ホイールの構成]
図3および図4を参照しつつ、本発明の各実施形態で製造される軽合金ホイールについて、アルミホイールを例として説明する。図3は、図4の軽合金ホイール10の底面図である。図4は、図3のD−D断面図である。なお、図4に示す軽合金ホイール10の中心線Iの方向を軸方向、中心線Iに直交する方向を半径方向、中心線I周りの方向を周方向と言う場合がある。図3および図4に示すように、軽合金ホイール10は、ハブ部9fおよびハブ部9fの外周面から放射状に形成されたスポーク9gを備えたディスク部9eと、ディスク部9eの外周部が内周面に接合された略円環形状のリム本体部9bとリム本体部9bの下方(一方)端に配置された第1のフランジ部の一例としてのアウターフランジ部9cと上方(他方)端に配置された第2のフランジ部の一例としてのインナーフランジ部9dとを備えたリム部9aとで構成されている。リム部9aはアウターフランジ部9c側においてディスク部9eと結合する。ディスク部9eのうちリム部9aとの結合部が交差部26である。本実施形態のスポーク9gの形態は、スポークであるがデザイン部の形態はこれに限定されず、例えばメッシュ状そのた各種の形態とすることができる。つまりスポーク9gとリム部9aとの結合部が交差部となる。交差部26の容積は非交差部27の容積より大きい。この軽合金ホイール10には、アウターフランジ部9cとインナーフランジ部9dとの間に挟まれるようにリム本体部9bにタイヤが取り付けられた後、ディスク部9eが車体の外側に向いた姿勢で車軸に装着され、使用に供される。
[製造装置、金型]
上記構成のホイールを製造する製造装置の一例について、図1、図2および図6を参照しつつ説明する。ここで、図1は、上記スポークタイプのアルミホイールを低圧鋳造するための製造装置に組み込まれる金型100の軸方向に沿う縦断面図(図2のB−C−D断面図)である。図2は、図1の金型100の半径方向のA−A断面図である。図6は、図1および図2に示す金型100が組み込まれた製造装置の概略構成図である。
図1に示すように、金型100は、下型12、上型13および横型である一対の可動分割型14を有している。そして、型締めされ各型が合わせされることにより、図示するように、軽合金ホイール10に必要に応じ適宜な余肉(例えば加工代など)が付加されたホイール素材(以下、このホイール素材を含めホイールと言う。)を象るキャビティ(製品キャビティ)を構成する、ディスク部9eが象られたキャビティ(ディスク部用キャビティ)100a、およびリム部9aが象られたキャビティ(リム部用キャビティ)100bが形成される。そして、この金型100には、ハブ部用キャビティ21aに開口する湯口(以下、センターゲートと言う場合がある。)18およびリム部用キャビティ100bのリム本体部用キャビティ23aに開口する湯口の一例としてのサイドゲート19が形成されており、センターゲート18およびサイドゲート19には、湯道であるストーク18aおよび19a(図6参照)が各々接続されている。なお、本発明に係る製造方法を実施するうえでは、ハブ部用キャビティ21aに開口するセンターゲート18は必須ではなく、必要に応じて設ければよい。
上記金型100が組み込まれた製造装置の構成について説明する。図6に示すように、本実施形態の製造装置80は、密閉容器80a内に配置された保持炉80bを有し、密閉容器80aの上に下型プラテン80cが取り付けられ、密閉容器80aを密閉している。下型12および一対の可動分割型14が取り付けられる下型プラテン80cには、溶湯80hを金型100に補給する上記ストーク18aおよび19aが取り付けてあり、ストーク18aおよび19aの下端は保持炉80b中の溶湯80hに浸漬されている。そして、ストーク18aおよび19aの上端は、下型プラテン80c、下型12および一対の可動分割型14に嵌入された湯口ブッシュ80jおよび湯口部80iを介し金型100のセンターゲート18およびサイドゲート19に連なっている。上型13は、可動プラテン80dに取り付けられている。可動プラテン80dはガイドポスト80gに固着されており、ガイドポスト80gは上型プラテン80fに備えられたガイド80eに沿って上下に動くことが可能である。また、前記ガイドポスト80gは上端を上板80mに固定され、上型プラテン80fに備えられた油圧シリンダ80kがこの上板80mを動かし、それに追従して可動プラテン80dおよび上型13が上下して動く。なお、溶湯80hを一定温度に保持する保持炉80bを内蔵した密閉容器80aには、制御弁を介して不図示の加圧手段が接続されており、当該加圧手段で密閉容器80a内を加圧可能なように構成されている。なお、図6において、符号80Lは、型バラシ時に上型13を微上昇させるための電動ジャッキであり、符号80oは、ガイドピンであり、符号80pは、軽合金ホイール10を上型13から取り出すための脱着アームである。
上記構成の製造装置80によれば、鋳造をスタートすると所定時間後に下型12、上型13および一対の可動分割型14からなる金型100の型締が完了する。型締完了後、予め設定した加圧パターンに従って加圧手段による保持炉内の加圧がスタートする。加圧に伴い保持炉80b内の溶湯80hが押し出され、ストーク18aおよび19aを通じてセンターゲート18およびサイドゲート19から金型100内のキャビティ内に溶湯80hが供給される。そして、溶湯80hがインナーフランジ部用キャビティ25aまで達してキャビティへの溶湯80hの充填が完了した時点から所定時間、加圧手段による印加圧力を増加して凝固による体積収縮分の溶湯80hをキャビティ内に補給する。所定時間経過後、加圧手段による保持炉80b内の加圧を停止し、ストーク18aおよび19a内の溶湯80hを保持炉80bに戻し、ホイールの鋳造が完了する。
本発明の実施形態に係る軽合金ホイールの製造方法およびその製造装置について図1〜4を参照しつつ説明する。
[金型、製造装置]
本態様の金型100では、リム部とディスク部との結合(交差)部を象るキャビティ(交差部用キャビティ)の外側である可動分割型14の中に、周方向に渡り複数の冷却手段の一例としての複数のチラー15を配置している。具体的には、本態様のチラー15は、冷却パイプ15aを装着した冷却ブロック15bであり、その周方向の長さはスポーク(デザイン部)9gの各付け根の幅と略同じである。かかるチラー15では、冷却パイプ15aを介して冷却エアーや冷却水等の冷媒を矢示するように循環することで冷却ブロック15bを冷却している。なお、冷却ブロック15bは金型を構成する材料より高い熱伝導率を有し、かつアルミニウム合金溶湯に触れたときに当該溶湯を汚染しない材料で構成することが好ましい。
上記構成のチラー15の配置について図1のA−A矢視図である図2を参照し説明する。図2に示すように、金型100は、周方向において180°間隔で、リム部が象られたキャビティ100bに開口する2個の湯口19,20および、リム部が象られたキャビティ100bの外周部に周方向に渡って設けられた複数のチラー(冷却手段)151,152,153,154,155を備える。2個の湯口19,20は、平面視においてリム部が象られたキャビティ100bを周方向に2の区画である第1の区間101と第2の区間102とに区分するように配置されている。そして、第1の区間101には、湯口19,20の中間にチラー151が配置され、湯口19から時計回りに30°の位置にチラー152が配置され、湯口20から反時計回りに30°の位置にチラー155が配置されている。第2の区間102には、湯口19から反時計回りに60°の位置にチラー153が配置され、湯口20から時計回りに60°の位置にチラー154が配置されている。つまり、本実施形態おける、第1の区間101のチラーの配置と第2の区間102のチラーの配置は、湯口19および20を通る金型の中心線Gに対し非対称である。
複数のチラー151,152,153,154,155は、具体的には、周方向においてスポーク9gに対応した位置に設けることが好ましい。なお、周方向における冷却手段の配置位置や個数は、スポーク9gの数および間隔(角度)により適宜設定すればよい。サイドゲートが複数ある場合における冷却手段とサイドゲートとの周方向の距離は、当該冷却手段と各サイドゲートとの距離のうち最も近い距離を意味するものと定義する。つまり、ある冷却手段から時計方向にみて最初のサイドゲートとの距離および反時計方向にみて最初のサイドゲートとの距離を比較し、より近い方のサイドゲートを当該冷却手段に関連するサイドゲートとし、そのサイドゲートとの距離を当該冷却手段とサイドゲートとの距離とする。
上記定義について、まず、図2に示す金型の第1の区間101に配置された複数の冷却手段であるチラー151、152および155を参照して具体的に説明する。チラー151から反時計方向に見て最初のサイドゲート19との周方向の距離はL151-19であり、時計方向に見て最初のサイドゲート20との周方向の距離はL151-20である。この距離L151-19と距離L151-20とは等しく、チラー151はサイドゲート19,20の何れからも等しい距離にある。すなわち、チラー151は、サイドゲート19および20いずれにも関連する冷却手段であり、その距離はL151-19およびL151-20である。
次に、チラー152から反時計方向に見て最初のサイドゲート19との周方向の距離はL152-19であり、時計方向に見て最初のサイドゲート20との周方向の距離はL152-20である。距離L152-19は、距離L152-20より短いから、チラー152は、サイドゲート19に関連する冷却手段であり、その距離はL152-19である。同様に考えると、チラー155は、サイドゲート20に関連する冷却手段であり、その距離はL155-20である。そして、サイドゲート19に関連するチラー(冷却手段)151および152の各々の距離L151-19とL152-19を比較すると、距離L151−19が最も長く、サイドゲート19から最も離れた冷却手段は、チラー151となる。同様に考えると、サイドゲート20から最も離れた冷却手段も、チラー151となる。したがって、サイドゲート19および20から最も遠い冷却手段は、共通してチラー151となる。つまり、第1の区間101においては、サイドゲート19および20双方に対して、チラー151を最初に作動させる一の冷却手段とすることが好ましい。
次に、第2の区間102に配置された複数の冷却手段であるチラー153および154について説明する。チラー153から時計方向に見て最初のサイドゲート19との周方向の距離はL153-19であり、反時計方向に見て最初のサイドゲート20との周方向の距離はL153-20である。距離L153-19は、距離L153-20より短いから、チラー153は、サイドゲート19に関連する冷却手段であり、その距離はL153-19である。同様に考えると、チラー154は、サイドゲート20に関連する冷却手段であり、その距離はL154-20である。本実施形態の第2の区画102におけるサイドゲート19および20に関連するチラー(冷却手段)は各々1個であるが、上記定義に従えば、第2の区間102におけるサイドゲート19から最も遠い冷却手段はチラー153であり,サイドゲート20から最も遠い冷却手段はチラー154となる。つまり、第2の区間102では、サイドゲート19に対してはチラー153を、サイドゲート20に対してはチラー154を最初に作動させる一の冷却手段とすることが好ましい。
第1の区間101においてチラー151に次いで作動させるのがチラー151よりサイドゲート19,20に近い位置にあり余の冷却手段に相当するチラー152,155であることが望ましい。チラー151からサイドゲート19に向かって反時計方向に順次チラーを作動させることが望ましい。チラー151からサイドゲート20に向かって時計方向に順次チラーを作動させることが望ましい。この際、チラー152,155は同時に作動させてもよいが、同時でなくてもよい。例えば、チラー152に対向するリム部用キャビティ100bの肉厚が、チラー155に対向するリム部用キャビティ100bの肉厚より大きい場合、チラー152をチラー155より先に作動させてもよい。
図2ではサイドゲートを2個に設ける金型について説明したが、3個以上であってもよい。
ここで、上記したように、リム部9aはディスク部9e側においてスポーク9gと結合して交差部26を構成しているが、この交差部26は非交差部27より肉厚でありホットスポットとなりやすい。交差部以外でも設計上の理由からホットスポットとなりやすい偏肉部が形成されることがある。本発明では交差部および偏肉部を「厚肉部分」という。
なお、上記した冷却手段であるチラーは、リム部用キャビティ100bの外周部に配置されているが、内周部に配置してもよく、好ましくはリム部の厚肉部分を冷却できる位置であれば下型12、上型13および可動分割型14の何れに配置してもよい。但し、必ずしも全ての厚肉部分に対応して冷却手段を配置する必要は無く、サイドゲート19に近い厚肉部分に対応する冷却手段を配置しないことも可能である。しかしながら、下型12、上型13および可動分割型14において厚肉部分との対向面積および冷却手段の設置スペースを最も大きく確保しやすいのが可動分割型14であるから、冷却手段は可動分割型14に設けることが好適である。
加えて、リム部用キャビティに充填された溶湯を適正に凝固させるためには、上記したように可動分割型に設けられた冷却手段により、リム部用キャビティの外周部から冷却することに併せて、リム部用キャビティの内周部からも冷却する必要がある場合がある。このリム部用キャビティの内周部からの冷却は、金型を構成する材料や金型の構造を適宜設定することにより調整することが可能であり、具体的には、上記したようなチラーを上型に配置してもよく、または、下記する第2実施形態の冷却手段である冷却パイプを上型内に設けた内部空間に配置してもよい。
上記のような複数の冷却手段(チラー)を有する本実施形態の製造装置は、リム部用キャビティ100bに開口するサイドゲート19から軽合金溶湯が注入された後、複数の冷却手段のうち、サイドゲート19から最も遠い一の冷却手段を最初に作動させ、その後サイドゲート19に向かって余の冷却手段を順次作動させる制御手段を備える。制御手段は、例えばプログラムを実行するCPUで実現される。なお、制御手段は、一部又は全部を再構成可能回路(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路によって構成してもよい。
具体的には、冷却手段の制御は、例えば、冷却ブロック15bに冷却パイプ15aを通じて流通させる冷媒待ち時間、流通時間、冷媒圧力を各冷却手段ごとに制御手段にプログラム設定することにより制御可能である。冷媒待ち時間はキャビティへの溶湯の充填完了時から冷却パイプ15aへ冷媒流通を開始するまでの時間、流通時間は冷媒流通を開始してから停止するまでの時間、冷媒圧力は流通させる冷媒の圧力である。複数の冷却手段をタイミングをずらして作動させるには、各冷却手段ごとに冷媒待ち時間をプログラム設定しておけばよい。最初に作動させる一の冷却手段の冷媒待ち時間を最も短く設定し、余の冷却手段の冷媒待ち時間をより長く設定する。好ましくは、サイドゲートから最も遠い位置にある冷却手段の冷媒待ち時間を最も短く設定し、サイドゲートに近づくにつれて冷却手段の冷媒待ち時間がより長くなるように設定する。このような冷却条件の設定は、例えば、厚肉部分の冷却が不十分と判断される場合、対応する冷却手段に対し、冷媒の待ち時間を短くする、流通時間を長くする、冷媒圧力を高くすることの何れかの変更または二つ以上の変更を行い冷却能を高くすればよい。最初に作動させる一の冷却手段の冷却能に対し、後から作動させる余の冷却手段の冷却能を湯口に向かい低くしてもよい。このとき余の冷却手段の冷却能は湯口に向かい傾斜的に低くすることもできる。
[軽合金ホイールの製造方法]
次に、図1に示す金型100を用いた、軽合金ホイールの製造方法について説明する。先ず、図1での下型12、上型13および一対の可動分割型14を型締めしてキャビティ11を形成する。次いで、保持炉(図示せず)内を加圧し、保持炉内に貯留したアルミニウム合金溶湯(例えば、JIS AC4CH相当)を、ストークを介してセンターゲート18およびサイドゲート19に向け注入し、ディスク部用キャビティ100a、リム部用キャビティ100bに充填する。そしてキャビティ11の上端(末端)であるインナーフランジ部用キャビティ25aまでアルミニウム合金溶湯が充填された後、保持炉内の加圧を所定時間維持する。
注湯工程で溶湯がキャビティ11の上端まで充填されたことを確認後、第1の区間101では以下のように冷却制御が行われる。すなわち、サイドゲート19および20に関連するチラーのうち、共通して最も遠い位置にある一の冷却手段であるチラー151を最初に作動させ、その後、サイドゲート19に対しては、当該サイドゲート19向かって余の冷却手段であるチラー152を作動させ、サイドゲート20に対しては、当該サイドゲート20向かって余の冷却手段であるチラー155を作動させ、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する。チラー152,155を作動させる順序は、チラー152,155とサイドゲート19,20との距離や対向するリム部用キャビティ100bの肉厚等に応じて決めることができる。したがって、第1の区間101における冷却手段の作動順序は、チラー151→152→155、またはチラー151→155→152、もしくはチラー151、その後、同時にチラー152,155の何れかとすることができる。冷却手段の「作動」は冷却パイプ15aに冷媒を流通させることである。これにより、交差部26を含むリム本体部用キャビティ23aが冷却され、アルミニウム合金溶湯が第1の区間101の周方向中央部付近CC1からリム部用キャビティ100bのサイドゲート19,20対向部分Gに向かって指向性凝固する。
また、注湯工程で溶湯がキャビティ11の上端まで充填されたことを確認後、第2の区間102では以下のように冷却制御が行われる。すなわち、サイドゲート19に関連するチラーのうち最も遠い位置にある一の冷却手段であるチラー153,サイドゲート20に関連するチラーのうち最も遠い位置にある一の冷却手段であるチラー154を最初に作動させ、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する。これにより、アルミニウム合金溶湯が第2の区間102の周方向中央部付近CC2からリム部用キャビティ100bのサイドゲート19,20対向部分Gに向かって指向性凝固する。
複数の冷却手段をタイミングをずらして作動させるのみでは周方向指向性凝固の達成が困難な場合、一の冷却手段の冷却能に対し、余の冷却手段の冷却能をサイドゲートに向かい低くして、リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却することが望ましい。これにより、より好適に周方向指向性凝固を達成することができる。
冷却手段の冷却能は作動時間(流通時間)によって調整可能であるから、サイドゲートから最も遠い位置からサイドゲートに向かって冷却手段の作動時間を徐々に短くすることがより望ましい。
冷却手段の冷却能は冷媒流量(冷媒圧力)によっても調整可能であるから、サイドゲートから最も遠い位置からサイドゲートに向かって冷媒の流路を備えた冷却手段の冷媒流量を徐々に減少させることが更に望ましい。
強制冷却工程が完了した後、保持炉内の加圧を止めて溶湯を保持炉に戻し、凝固が完了したホイール素材を金型から取り出す。
[製品特性]
本発明によって得られる軽合金ホイールは、略円筒形状のリム部と、前記リム部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールであって、前記車輪に対して直角なリム部断面において、極大DASIIを示す位置から周方向に最も遠い位置のDASIIをA、前記極大DASIIをBとし、前記極大DASIIを示す位置と該位置から周方向に最も遠い位置との中間部におけるDASIIをCとしたとき、A,B,Cが、式(2):A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1を満足することを特徴とする軽合金ホイールである。このように本発明によって得られる軽合金ホイールは、リム部の各部位におけるDASII値が特定の関係を有するから、リム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥が従来より少なく、従来の軽合金ホイールに対し高強度でエア漏れが少ない。交差部の気孔率を1%以下とすることにより強度およびエア漏れに関し、更に有利な軽合金ホイールとすることができる。
(実施例1〜5,比較例1)
次に、本発明の実施形態に対応する実施例1〜5について比較例1と比較しつつ説明する。図1および図2に示す金型のキャビティに開口するサイドゲート19,20から軽合金溶湯としてJIS H 5202に規定されるAC4CH相当の鋳造用アルミニウム合金の溶湯を注入する注湯工程と、キャビティに注入された軽合金溶湯を以下のようにして強制冷却する強制冷却工程とを経て軽合金ホイールを製造した。実施例1〜5では図2に示す第1の区間101のチラー151,152,155,第2の区間102のチラー153,154のそれぞれを作動させるタイミングを、表1に示すようにステップa→cまたはステップa→b→cの順で変えて実施した。ここで、実施例では関連するサイドゲートまでの距離が同一であるチラー152(距離L152-19)とチラー155(距離L155-20)、チラー153(距離L153-19)とチラー154(距離L154-20)は、それぞれ同時に作動させた。
実施例1では、金型100内の全てのキャビティへの軽合金溶湯の注入が完了した時点を基準時(すなわち「0」)とし、第1の区間においては基準時に一の冷却手段であるチラー151を作動させ(ステップa)、その10秒後に余の冷却手段であるチラー152,155(ステップc)を同時に作動させた。第2の区間においては基準時に一の冷却手段であるチラー153,154(ステップa)を作動させた。実施例2では、第1の区間においては基準時に一の冷却手段であるチラー151を作動させ(ステップa)、その10秒後に余の冷却手段であるチラー152,155(ステップc)を同時に作動させた。第2の区間においては基準時から10秒後に一の冷却手段であるチラー153,154を同時に作動させた(ステップc)。実施例3では、第1の区間においては基準時に一の冷却手段であるチラー151を作動させ(ステップa)、その10秒後に余の冷却手段であるチラー152,155を同時に作動させた(ステップc)。第2の区間においては基準時から5秒後に一の冷却手段であるチラー153,154を同時に作動させた(ステップb)。実施例4では、チラー151/153,154/152,155の流通時間(冷却空気を供給し続ける時間)をそれぞれ140秒(ステップa)、120秒(ステップb)、100秒(ステップc)としたことを除いて実施例3と同様の製造条件で実施した。実施例5では、チラー151/153,154/152,155に供給する冷却空気の圧力をそれぞれ2(×10Pa)(ステップa)、1.5(ステップb)、1(ステップc)としたことを除いて実施例3と同様の製造条件で実施した。比較例1では、基準時に全てのチラー151,152,153,154,155を作動させたことを除いて、実施例1と同様の製造条件で実施した。
得られた軽合金ホイールはリム部のα−Alの2次枝法によるデンドライト2次アームスペーシング(以下、DASIIと言う場合がある)、交差部の平均気孔率、エア漏れ率を測定した。測定方法を図3,4を参照して説明する。第1の区間101と第2の区間102のそれぞれにおいてサイドゲート位置Pを基準にして最も遠い位置をP、位置Pと位置Pの中間位置をPとし、各位置で軽合金ホイールの回転軸を含む面でリム部を切断し、断面を撮影してP2カ所、P2カ所、P1カ所、計5カ所のDASII(μm)を測定した。断面における撮影箇所は軸方向リム部長さの中央、かつ当該箇所肉厚の中央とし、撮影視野は5mm×5mmとした。交差部の気孔率は、全ての交差部の位置で軽合金ホイールの回転軸を含む面で交差部を切断し、得られた断面における交差部26から測定した。測定箇所は各交差部26の任意の5か所とし、撮影視野5mm×5mmの組織断面写真における、最大寸法0.1mm以上の気孔の合計面積の割合(面積率)を気孔率とし、各断面から求めた気孔率の平均値を平均気孔率とした。エア漏れの測定方法は、JASO(公益社団法人自動車技術会)の定める規格C614の8.5に準拠した。エア漏れ率(百分率%)はエア漏れが認められたホイール数を測定したホイール数で除し100を乗じた値である。製造条件および得られた軽合金ホイールのDASII、平均気孔率、エア漏れ率を表1に示す。表1におけるエア漏れ率の評価は、比較例1のエア漏れ率(百分率%)を基準とし基準から各実施例のエア漏れ率を減じた値が、0を超え0.1以下(△)、0.1を超え0.2以下(○)、0.2超え(◎)の3水準相対評価とした。
Figure 2017104874
実施例1〜5の軽合金ホイールは、DASII値から分かるとおり、リム部の周方向の指向性凝固が達成されており、平均気孔率から分かるとおりリム部に発生する引け巣などの鋳造欠陥が比較例1の従来の製造方法に比べて少ない軽合金ホイールであった。実施例1〜5の軽合金ホイールのエア漏れ率は、何れも比較例1に対して改善することが判った。比較例1の軽合金ホイールは、リム部の周方向の指向性凝固が不完全であり、平均気孔率は実施例1〜5に比べてやや大きくなった。比較例1の軽合金ホイールのエア漏れ率は、生産性の観点から十分に小さい値ではなかった。
リム部用キャビティ100bのうちサイドゲート20から最も離れた位置Pの凝固した溶湯のDASIIをA、サイドゲート前の位置Pの凝固した溶湯のDASIIをBとしたとき、A<Bとなるよう行った、強制冷却工程では、リム部用キャビティ100bに注湯された溶湯を強制冷却することが好ましいことが判った。
さらに、リム部用キャビティ100bのうちサイドゲート20から最も遠い位置とサイドゲート20との中間部における凝固した軽合金溶湯のDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(1)を満足するよう、強制冷却工程でリム部用キャビティ100bに注湯された溶湯を強制冷却することが好ましいことが判った。
A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (1)
本発明は、乗用車等の自動車に装着されるアルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽合金で形成された車両用の軽合金ホイールに適用可能である。
1 リム部キャビティ
1a 小容積リム部キャビティ
1b 大容積リム部キャビティ
2 窓部
3 スポーク部キャビティ
4 駄肉形成空間
5 サイドゲート
9a リム部
9b リム本体部
9c アウターフランジ部(第1のフランジ部)
9d インナーフランジ部(第2のフランジ部)
9e ディスク部
9f ハブ部
9g デザイン部(スポーク)
10 軽合金ホイール
11 キャビティ
12 下型
13 上型
15 チラー(冷却手段)
15a 冷却パイプ
15b 冷却ブロック
151 チラー(一の冷却手段)
152,153 チラー(余の冷却手段)
18 センターゲート
18a ストーク
19 サイドゲート
21a ハブ部用キャビティ
22 スポーク用キャビティ
23a リム本体部用キャビティ
23c 冷却パイプ
25a インナーフランジ部用キャビティ
26 交差部
27 非交差部
80 鋳造装置
80L 符号
80a 密閉容器
80b 保持炉
80c 下型プラテン
80d 可動プラテン
80e ガイド
80f 上型プラテン
80g ガイドポスト
80h 溶湯
80i 湯口部
80j 湯口ブッシュ
80k 油圧シリンダ
80m 上板
80o 符号
80p 符号
100 金型
100a ディスク部用キャビティ
100b リム部用キャビティ
101 第1の区間
102 第2の区間

Claims (9)

  1. 略円筒形状のリム部と、前記リム部の一方端部に内設された、車軸に装着されるディスク部とを有する軽合金ホイールを鋳造する方法であって、
    平面視において、前記リム部が象られたキャビティを周方向にn個(nは2以上の自然数)の区間に区分するように配置された、前記リム部が象られたキャビティに開口するn個の湯口、および、前記リム部が象られたキャビティの外周部または内周部に周方向に渡って設けられた複数の冷却手段を備え、前記湯口で区分された前記キャビティのn個の区間の内、一部の区間には、前記冷却手段が複数配置された金型を使用して軽合金ホイールを鋳造する方法であり、
    前記湯口から軽合金溶湯を注入する注湯工程と、
    前記注湯工程の後に、前記湯口により区分された前記キャビティのn個の区間の内、前記冷却手段が複数配置された区間では、当該区間に含まれる複数の冷却手段のうち、一の冷却手段を最初に作動させ、その後、余の冷却手段を作動させ、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する強制冷却工程と、
    を有することを特徴とする軽合金ホイールの製造方法。
  2. 前記強制冷却工程において、前記湯口により区分された前記キャビティn個の区間の内、前記冷却手段が複数配置された区間では、当該区間に含まれる湯口から最も遠い冷却手段を前記一の冷却手段とし、該冷却手段を最初に作動させ、その後、前記湯口に向かって余の冷却手段を作動させる請求項1に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  3. 前記強制冷却工程では、前記一の冷却手段の冷却能に対し、前記余の冷却手段の冷却能を前記湯口に向かい低くして、前記リム部が象られた金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する請求項2に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  4. 前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって冷却手段の作動時間を徐々に短くする請求項3に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  5. 前記冷却手段は冷媒の流路を備え、前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって前記冷却手段の冷媒流量を徐々に減少させる請求項3に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  6. 前記注湯工程において前記リム部を象る金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を、前記強制冷却工程では、前記湯口から最も遠い位置から前記湯口に向かって指向性凝固させる請求項2〜5のいずれかに記載の軽合金ホイールの製造方法。
  7. 前記リム部を象る金型のキャビティのうち前記湯口から最も遠い位置の凝固した軽合金溶湯のα−Alの2次枝法によるデンドライト2次アームスペーシング(DASII)をA、前記湯口前の凝固した軽合金溶湯のDASIIをBとしたとき、A<Bとなるよう、前記強制冷却工程では、前記リム部を象る金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を冷却する請求項6に記載の軽合金ホイールの製造方法。
  8. 前記リム部を象る金型のキャビティのうち前記湯口から最も遠い位置と前記湯口との中間部における凝固した軽合金溶湯のDASIIをCとしたとき、A,B,Cが下記式(1)を満足するよう、前記強制冷却工程で前記リム部を象る金型のキャビティに注入された軽合金溶湯を強制冷却する請求項7に記載の軽合金ホイールの製造方法。
    A+(B−A)×0.1<C<B−(B−A)×0.1 (1)
  9. 前記リム部は、ディスク部との交差部を有し、前記複数の冷却手段は、前記交差部が象られた金型のキャビティの外周部または内周部に、周方向に渡って設けられている請求項1〜8のいずれかに記載の軽合金ホイールの製造方法。

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