JPWO2016031174A1 - シミュレーション装置、シミュレーション方法、および、記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第1の実施の形態としてのシミュレーション装置100について説明する。シミュレーション装置100は、物理法則に基づいた連続時間・空間の偏微分方程式を解いて時間発展を追うシミュレーションに適用可能である。そのような偏微分方程式には、例えば、運動を記述する運動方程式、流体を記述するナビエーストークス方程式、熱変化を記述する熱力学方程式、津波を記述する浅水波方程式などがある。また、シミュレーション装置100は、有限要素法を用いたシミュレーションにも適用可能である。なお、本実施の形態では、シミュレーション対象となる系は、時間変化を追う状態ベクトルが、実際の観測データと何らかの関係式で結ばれる系、すなわち、シミュレーション結果と観測データとが比較可能な系であるものとする。
・・・(1)
なお、式中の記号Tは、転置を意味する。この状態ベクトルの次元は、1格子点あたりの状態変数の数と格子点数Lとの積となる。(1)式の場合は、2L次元となる。
・・・(2)
という関係式で記述される。ここで、θは、モデルの計算に必要な各種パラメータベクトルを表す。また、Vtは、時刻tでのシステムノイズを表す。システムノイズVtは、モデル内の不完全性の効果を数値的に表すために、状態ベクトルに作用を及ぼす確率的な駆動項として導入される。また、写像fは、対象とする現象によって線形、または非線形であっても良い。また、(2)式から明らかなように、時刻tでの状態ベクトルXtが時刻t−1の状態ベクトルXt−1で陽に定義されている必要はない。すなわち、本実施の形態のシステムモデル21は、時刻t−1での状態ベクトルXt−1を入力として、時刻tでの状態ベクトルXtを計算できれば良い。
・・・(3)
によって近似することを、アンサンブル近似という。したがって、実際のシステムモデル21は、この各アンサンブルiの時間発展
・・・(4)
をすべてのアンサンブルについて求める。これによって、時刻tでの状態ベクトルXtの確率分布p(Xt)は、N個のアンサンブル
・・・(5)
によって近似される。この(4)式で表されるアンサンブルの計算は、アンサンブルごとに独立している点が特徴である。したがって、システムモデル21は、N回繰り返して計算をしても良いし、N個の並列計算機によって1度に計算を行ってもよく、計算リソースに応じて柔軟に計算方法を変えることが出来る。なお、以降では、状態ベクトルXtの確率分布をp(Xt)と示し、事前分布とも呼ぶ。
・・・(6)
この場合、データ選択処理部30は、(6)式における写像h1〜hmおよび各観測データで考慮すべきノイズ量w1〜wmの情報を、制御信号CTL1〜CTLmとして、観測モデル31−1〜31−mにそれぞれ出力すればよい。これにより、m個の観測モデル31が生成される。
・・・(7)
この行列は、j(jは1以上L以下の整数)行目の{1+2(j−1)}列目の要素のみ1を持つ。
・・・(8)
が出力される、と表すことができる。したがって、全m種の観測モデル31は、状態ベクトルXtに対してそれぞれ(8)式の演算を行い、全m種の変換された状態ベクトルXtを、事後分布生成部40へ出力する。なお(2)式または(4)式、および、(8)式の組は、状態空間モデルと呼ばれる。
・・・(9)
と表される。ここで、分子のp(y|x)は、状態変数xの観測値yへの当てはまり度合の指標である尤度と呼ばれる。尤度p(y|x)は、観測モデル31が(8)式で表されるように写像hとノイズ量wに分離できる場合は、
・・・(10)
によって計算される量を用いることができる。ただし、rは、ノイズ量wの密度関数である。なお、(10)式において、右辺を、yとh(x)を用いた関数LHとして再定義した。さらに、m種類の観測値y={y1,y2,・・・ym}が得られた場合の尤度p(y1:m|x)は、乗法定理を再帰的に使うことで、
・・・(11)
と積の形で表される。ここで、(11)式における1項目のp(y1|y1:0,x)は、観測データがないときのy1の確率であり、すなわち、y1が得られたときのxの尤度p(y1|x)となる。また、第2項のp(y2|y1:1,x)は、y1が得られたときのy2の確率である。ただし、それぞれの観測データは、異なるセンサなどで取得されており、y1とy2の同時分布が存在しない。このため、第2項は、結果的に、y2が得られたときのxの尤度p(y2|x)となる。したがって、この場合の(9)式で表される事後分布は、
・・・(12)
と表される。ここで分母のZは規格化定数とする。この関係を用いると、格子点kにおける状態変数Ukの事後分布は、事前分布をp(Uk)と表すと、観測データyがOBS1〜OBSmとm種得られていることから、
・・・(13)
と表される。分子は、(12)式で表されるとおり、各観測データでの尤度の積と、事前分布p(Uk)との積である。さらに、それぞれの尤度は(10)式で表されるので、(13)式の事後分布は、
・・・(14)
と表される。このように、事後分布生成部40は、格子点kにおける状態変数Ukの事後分布を、m個の観測データOBS1〜OBSmと写像h1〜hmとにより計算されるm種の尤度LHと、事前分布p(Uk)とから算出する。同様にして、事後分布生成部40は、格子点1〜Lの全てについて、(13)式すなわち(14)式により事後分布を計算する。
・・・(15)
すなわち、
・・・(16)
と表され、分子を構成する尤度の数がm−1に減少する。なお、(15)式および(16)式において、“m−1”は、m種のうち少なくとも1種の観測データが得られていないことを表しており、得られていない(欠損している)観測データの数を1つに限定するものではない。
・・・(17)
と表される。これより、事後分布の計算に用いられる観測値の数が多いほど、分散は減少する、すなわち事後分布の確度が向上することがわかる。
・・・(18)
次に、事後分布統合部50について説明する。事後分布統合部50は、第1の事後分布と第2の事後分布とを統合する。詳細には、事後分布統合部50は、第2の事後分布が算出された状態変数・格子点のそれぞれについて、第1の事後分布および第2の事後分布を統合して新たな事後分布を算出する。また、事後分布統合部50は、統合後の新たな事後分布を判定部51に出力する。本実施の形態では、事後分布は、アンサンブルの集合によって近似されているため、事後分布統合部50は、第1の事後分布を近似するアンサンブルおよび第2の事後分布を近似するアンサンブルを、所定の割合で重ねあわせることにより統合すればよい。
・・・(19)
ここで、πは、関数gを決定付けるパラメータセットを表す。また、kは、第1の事後分布が生成された格子点を表す。また、iは、第2の事後分布が生成された他の格子点を表す。なお、i≠jである。以降、(19)式における確率分布p’のダッシュ(’)は、事後分布統合部50での統合後の確率分布であることを示す。事後分布統合部50は、このようにして新たに算出された事後分布p’(Uj|OBS1:m)と、元の第2の事後分布p(Uj|OBS1:m−1)とを、判定部51に出力する。
次に、データ選択処理部30は、システムモデル21で設定された状態変数に関する情報を参照し、第1〜第Mの観測データのうち、利用するm種の観測データを選択する(ステップS103)。
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は、空間上は離散的だが値の精度が高い観測データと、空間上は連続的だが精度が十分でない観測データを利用したシミュレーションに適用できる。以下では、本発明のシミュレーション装置を用いて、土壌水分量のシミュレーションを行う具体例について説明する。なお、本発明の第2の実施の形態において参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同様の構成およびステップには同一の符号を付して、本実施の形態における詳細な説明を省略する。
・・・(20)
と表せる。ここでは、1格子点における状態変数を土壌水分量のみと設定した例を中心に説明する。ただし、状態変数としては、時間変化する動的な変数や、値を推定したい量に加えて、静的な変数を適用可能である。また、状態変数は、シミュレーション対象の現象やシステムモデル、目的などに応じて選べばよい。状態変数は、(2)式に示したように、ある時刻の状態ベクトルが1ステップ前の状態ベクトルおよび土壌モデル221によって生成可能であればよい。また、状態変数が増えると計算量が増加するため、状態変数は、許された計算資源に応じて適切に設定すべきである。
・・・(21)
という線形な関係で表される。ここで観測ノイズw1は、例えば平均0、分散σ1のガウス分布とすることが出来る。このように、データ選択処理部30は、(21)式で表される第1の観測モデル231−1を生成する。
・・・(22)
という非線形な関係で表される。ここでも観測ノイズw2は、例えば平均0、分散σ2のガウス分布とすることが出来る。このように、データ選択処理部30は、(22)式で表される第2の観測モデル231−2を生成する。
・・・(23)
ここで、(23)式では、i=1、3、8である。また、OBS1i、OBS2iは、格子点iで得られた観測データOBS1およびOBS2をそれぞれ表すものとする。(23)式により計算された格子点1、3、8の各第1の事後分布は、第1の事後分布記憶部41aに保存される(ステップS206でY、S207)。また、これらの格子点1、3、8の各第1の事後分布は、統合後事後分布記憶部52にも保存される(ステップS208)。
・・・(24)
ここで、(24)式では、j=2、4、5、6、7、9である。(24)式により計算された格子点2、4、5、6、7、9の各第2の事後分布は、第2の事後分布記憶部41bに保存される(ステップS206でN、S209)。
・・・(25)
と表される。ここで、α1〜α9は(19)式におけるパラメータセットπに相当する重み係数である。以降、(25)式における確率分布p’のダッシュ(’)は、事後分布統合部250での統合後の確率分布であることを示す。このとき、(25)式は、未知の格子点2における値を、周辺格子点の値とのある確率的相互関係、すなわち空間的相関性に基づいて決定する、いわゆるクリギング(Kriging)法と同様とみなすことが出来る。ただし、各格子点における値は確定値ではなく、(23)式および(24)式から求まる事後分布である。すなわち、格子点kの位置rkと距離γ離れた点rk+γとの間の、土壌水分量の事後分布p(SM|OBS)の空間的な相関性を表す共分散関数
・・・(26)
が求まれば、(25)式の重み係数α1〜α9、すなわちパラメータセットπも求まる。なお、(26)式において、SM(x)は、位置xにおける格子点の状態変数SMを表す。また、OBSは、m種の観測データを表す。これは、例えば次式(27)に示すような、単純型クリギング方程式を解くことで求めることができる。なお、本発明において、事後分布統合部が事後分布を統合する際に用いる関数gのパラメータπを求める手法は、この手法に限定されず、他の手法であってもよい。
・・・(27)
次に(26)式の共分散関数を求める動作を説明する。共分散関数C(γ)とバリオグラム関数V(γ)の間には簡単な関係
・・・(28)
が成り立つため、いずれか一方を求めれば良い。以下では、事後分布統合部250において、バリオグラム関数V(γ)を先に求める場合について説明する。バリオグラムも、共分散関数と同様に、格子kの位置rkと距離γ離れた点rk+γとの間の確率的相互作用、すなわち空間的な相関性を表す。図9の左側に、バリオグラム推定結果の一例を示す。この例は、統合によって算出する格子点以外の格子点のバリオグラムを算出した結果に対し、指数型のバリオグラムモデル
・・・(29)
にあてはめて、そのパラメータであるζを推定した。ここで、ζは、バリオグラムを特徴付ける3種のパラメータセットを表しており、一般にナゲットτ2、レンジφ、シルσ2と呼ばれる。ここでは、これらのパラメータのうち、レンジφとナゲットτ2について、ベイズの定理(9)式を用いて推定を行った結果を示している。具体的には、レンジφに一様な事前分布、ナゲットτ2は0に近い値が予想されたため、指数型の事前分布をそれぞれ仮定し、実際に算出されたバリオグラムの結果から、ベイズの定理によって事後分布をそれぞれ求めた。その結果の例を図9の右側に示した。この図から明らかなように、事後分布には最大値が見られ、この最大値は、算出されたバリオグラムを最も良く再現するパラメータの値、最尤値とみなすことができる。図9左側の曲線(推定値)は、このパラメータの下で(29)式に基づいて描いたものである。以上より、バリオグラムV(γ)の関数が算出できたので、(28)式より共分散関係も算出できる。なお、ここではベイズの定理を使ったパラメータ推定方法を示したが、あくまでも例示であって他の方法を用いても良い。また、図9は推定結果の一例であって、図8に記載の格子空間(1〜9)に対応するものではない。
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は、複数の観測データ間で観測格子間隔が異なる場合や、取得時間間隔が異なる場合のシミュレーションに適用できる。以下では、本発明のシミュレーション装置を用いて、作物生育(成長)についてシミュレーションを行う具体例について説明する。なお、本発明の第3の実施の形態において参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同様の構成およびステップには同一の符号を付して、本実施の形態における詳細な説明を省略する。
・・・(30)
と表される。
・・・(31)
と表される。ここで、H1およびH2は、それぞれの観測データと状態変数LAIとを対応づける写像hおよび格子点を対応づける行列を含む写像である。また、w1およびw2は、観測ノイズであり、例えば平均0、分散σのガウス分布などに設定可能である。なお、(30)式および(31)式の観測モデル331−1および331−2は、(8)式で表される観測モデル式の具体例である。
・・・(32)
を計算し、第1の事後分布記憶部41aに保存する(ステップS205、S206でYes、S207)。ここで、LHは(13)式で表される尤度を計算する関数で、分母のZは規格化定数である。
・・・(33)
を計算し、第2の事後分布記憶部41bに保存する(ステップS205、S206でNo、S209)。
・・・(34)
ここで、α0、β0は、(19)式におけるパラメータセットπに相当する重み係数である。また、(34)式において、確率分布p’のダッシュ(’)は、事後分布統合部350での統合後の確率分布であることを示す。
・・・(35)
を適用することができる。ここで、例として、ARモデルfARが線形に記述される場合を考える。また、第1の衛星データOBS1および第2の衛星データOBS2のいずれもが観測されて第1の事後分布が生成されている時刻で、かつ、時刻tより前の時刻をt−iとする(図12ではi=1,3)。このような時刻t−iにおける第1の事後分布からのみ推定する場合の(35)式は、具体的に、
・・・(36)
と表される。
・・・(37)
と表される。ただし、(37)式において、時刻t−iは、第1の事後分布が算出されている時刻、時刻t−jは、第2の事後分布が算出されている時刻をそれぞれ表す。図12の場合、i=1,3、j=2であり、i≠jである。本実施の形態では、(37)式において、統合後事後分布記憶部52に保存されている統合後の事後分布を用いる場合を想定している。このため、図11において、統合後事後分布記憶部52から事後分布統合部350に対して、統合後の事後分布に関する情報を伝達するデータ経路を矢印で示している。
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態では、本発明のシミュレーション装置を用いて、降水量についてシミュレーションを行う具体例について説明する。なお、本発明の第4の実施の形態は、本発明の第2の実施の形態における計算格子空間を3次元に拡張したものである。また、本発明の第4の実施の形態において参照する各図面において、本発明の第2の実施の形態と同様の構成およびステップには同一の符号を付して、本実施の形態における詳細な説明を省略する。
・・・(38)
次に、音波レーダデータOBS2については、1つの観測データ取得格子点の値は、z(鉛直)座標が同じ、すなわち同一平面内の4つの計算格子点の平均値と対応づけることができる。図14では、OBS2は、z座標が同一の計算格子点1〜4の平均値と、5〜8の平均値とそれぞれ対応付け可能な観測点で取得されたデータである。したがって、第2の観測データOBS2と、状態変数RAINk(k=1〜8)との関係を表す観測モデル431−2は、次式(39)で表される。なお、(39)式は、(8)式で表される観測モデルの具体例である。
・・・(39)
以上のように構成されたシミュレーション装置400は、本発明の第2の実施の形態としてのシミュレーション装置200と略同様に動作する。
10 入力部
21 システムモデル
221 土壌モデル
321 作物モデル
421 気象モデル
22 事前分布記憶部
30 データ選択処理部
31、231、331、431 観測モデル
40 事後分布生成部
41a 第1の事後分布記憶部
41b 第2の事後分布記憶部
50、250、350 事後分布統合部
51 判定部
52 統合後事後分布記憶部
60 出力部
1001 CPU
1002 RAM
1003 ROM
1004 記憶装置
1005 入力装置
1006 出力装置
Claims (10)
- シミュレーションにおける状態ベクトルの初期状態およびパラメータと、複数の観測データとを入力として取得する入力手段と、
前記初期状態およびパラメータを基に、前記状態ベクトルの時間発展をシミュレーションするシステムモデルと、
前記システムモデルにおける前記状態ベクトルに関連する情報に基づいて、前記複数の観測データのうち利用する複数の観測データを選択するデータ選択処理手段と、
選択された複数の観測データにそれぞれ対応する複数の観測モデルであって、それぞれ、前記システムモデルから出力される状態ベクトルを、前記観測データおよび前記状態ベクトルの関係性に基づき変換して出力する複数の観測モデルと、
前記複数の観測モデルから出力される状態ベクトルおよび前記データ選択処理手段で選択された観測データに基づいて、前記状態ベクトルの事後分布を生成し、前記データ選択処理手段で選択された全ての観測データに基づく事後分布を第1の事後分布として出力し、1つ以上欠如した観測データに基づく事後分布を第2の事後分布として出力する事後分布生成手段と、
前記第1の事後分布と前記第2の事後分布とを統合する事後分布統合手段と、
前記第2の事後分布および前記統合後の事後分布のいずれを用いるかを決定する判定手段と、
前記判定手段によって決定された事後分布および前記第1の事後分布からなる状態ベクトルを前記システムモデルに入力するとともに、該状態ベクトルの時系列を出力する出力手段と、
を備えたシミュレーション装置。 - 前記データ選択処理手段は、前記システムモデルで設定された状態ベクトルおよび前記各観測データにそれぞれ関する情報を比較することにより、前記各観測データに対応する前記観測モデルを生成することを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
- 前記データ選択処理手段は、前記各観測データに対応する前記観測モデルのノイズ量を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシミュレーション装置。
- 前記事後分布統合手段は、前記第1の事後分布および前記第2の事後分布を統合する処理において、算出済みの各事後分布の相関性に基づいて生成されたモデルを用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシミュレーション装置。
- 前記事後分布統合手段は、前記統合に用いる前記モデルの演算を特徴付けるパラメータを、算出済みの各事後分布の相関性に基づいてベイズ更新することを特徴とする請求項4に記載のシミュレーション装置。
- 前記判定手段は、前記第2の事後分布および前記統合後の事後分布の各分散値に基づいて、いずれを用いるかを決定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシミュレーション装置。
- 前記状態ベクトルは、シミュレーションの対象領域内で離散化された格子点ごとの状態変数からなり、
前記観測モデルは、前記状態変数の格子点と、前記複数の観測データの観測点の解像度とを、前記観測データ毎に関係付けることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシミュレーション装置。 - 前記各状態変数の確率分布が、離散化されて独立に計算されるアンサンブルの集合によってそれぞれ近似され、
前記事後分布統合手段は、前記アンサンブルの集合によって近似される前記各状態変数の確率分布を、所定の割合で重ねあわせることにより統合することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のシミュレーション装置。 - シミュレーションにおける状態ベクトルの初期状態およびパラメータと、複数の観測データとが入力されると、
前記初期状態およびパラメータを基に、システムモデルを用いて前記状態ベクトルの時間発展をシミュレーションし、
前記システムモデルにおける前記状態ベクトルに関連する情報に基づいて、前記複数の観測データのうち利用する複数の観測データを選択し、
選択された複数の観測データにそれぞれ対応する複数の観測モデルを用いて、それぞれ、前記システムモデルから出力される状態ベクトルを、前記観測データおよび前記状態ベクトルの関係性に基づき変換し、
前記複数の観測モデルから出力される状態ベクトルおよび選択された前記観測データに基づいて、前記状態ベクトルの事後分布を生成し、
選択された全ての観測データに基づく第1の事後分布と、1つ以上欠如した観測データに基づく第2の事後分布とを統合し、
前記第2の事後分布および前記統合後の事後分布のいずれを用いるかを決定し、
決定した事後分布および前記第1の事後分布からなる状態ベクトルを前記システムモデルに入力し、
決定した事後分布および前記第1の事後分布からなる状態ベクトルの時系列を出力するシミュレーション方法。 - シミュレーションにおける状態ベクトルの初期状態およびパラメータと、複数の観測データとを入力として取得する入力ステップと、
システムモデルを用いて、前記初期状態およびパラメータを基に、前記状態ベクトルの時間発展をシミュレーションするシステムモデル計算ステップと、
前記システムモデルにおける前記状態ベクトルに関連する情報に基づいて、前記複数の観測データのうち利用する複数の観測データを選択するデータ選択処理ステップと、
選択された複数の観測データにそれぞれ対応する複数の観測モデルを用いて、それぞれ、前記システムモデルから出力される状態ベクトルを、前記観測データおよび前記状態ベクトルの関係性に基づき変換して出力する観測モデル計算ステップと、
前記複数の観測モデルから出力される状態ベクトルおよび前記データ選択処理ステップで選択された観測データに基づいて、前記状態ベクトルの事後分布を生成し、前記データ選択処理ステップで選択された全ての観測データに基づく事後分布を第1の事後分布として出力し、1つ以上欠如した観測データに基づく事後分布を第2の事後分布として出力する事後分布生成ステップと、
前記第1の事後分布と前記第2の事後分布とを統合する事後分布統合ステップと、
前記第2の事後分布および前記統合後の事後分布のいずれを用いるかを決定する判定ステップと、
前記判定ステップで決定された事後分布および前記第1の事後分布からなる状態ベクトルを前記システムモデルに入力するとともに、該状態ベクトルの時系列を出力する出力ステップと、
をコンピュータ装置に実行させるコンピュータ・プログラムを記憶した記憶媒体。
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