JPWO2016031071A1 - 医療用カテーテル - Google Patents
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- A61M25/00—Catheters; Hollow probes
- A61M25/10—Balloon catheters
Abstract
Description
またこの方法では、X線造影剤を使用することから、それによる副作用の発症のおそれを確実に取り除くことができない他、治療を受ける患者だけでなく、治療を行う医療従事者への放射線被爆が問題になっている。
この非特許文献1では、先に血管に挿入したガイドワイヤーによる案内下で、カテーテルチューブを血管に挿入する際に、外表にあるシャドウカテーテルを、血管走行が示されたマーキングに沿わせて移動させていくことにより、シャドウカテーテルに追従して血管内を移動するカテーテルチューブのバルーンを目的部位に到達させ、これにより、「容易かつ正確にバルーン先端を目的部位に誘導する」としている。
しかもここでは、カテーテルチューブとは別個にシャドウカテーテルを設けることを要するので、部材点数の増加による大幅な製造コストの増大が否めない。
またここで、前記弾性波用マーカー部分を、超音波を他の部分とは異なる態様で反射させる超音波用マーカー部分とすることが好ましい。
またこの場合、前記溝部の溝壁面および/または前記突起部の突起側面を、該溝部および/または突起部の延在方向に直交する断面で、カテーテルチューブの外周面に対して傾斜するテーパ面とすることが好ましい。
そしてまたこの場合、前記溝部および/または前記突起部を、カテーテルチューブの延在方向に対して傾斜する方向、または、該延在方向に対して垂直な方向に延びるものとすることが好ましい。
またここでは、複数本の前記溝部および/または複数個の前記突起部を、互いに隣接させて並べて形成した密集領域と、複数本の前記溝部および/または複数個の前記突起部を、互いに間隔をおいて並べて形成した分散領域とを設けることが好ましい。
この場合、少なくとも一箇所の前記弾性波用マーカー部分は、カテーテルチューブの延在方向の一部自体を、他の部分とは弾性率および/または密度の異なる材料からなるものとすることも可能であるが、好ましくは、前記他の部分とは弾性率および/または密度の異なる材料からなり、カテーテルチューブの外周面の周方向の少なくとも一部を被覆するコーティング部分で構成する。
このバルーンは、マイクロバブルを含んで構成されるものであることがより好ましい。
また、上記の医療用カテーテルは、前記カテーテルチューブが生体内の血管に挿入される血管内治療用カテーテルとすることが好ましい。
それにより、X線血管撮影装置およびX線造影剤を使用することなしに、比較的簡易な設備の下で、生体内の管腔臓器に挿入されるカテーテルチューブの所定の箇所を、高い精度で目的部位に到達させることができる。
この発明の一の実施形態に係る医療用カテーテル1は、主として、図1に例示するように、たとえば、ポリエチレン、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる屈曲変形可能な円管状等のカテーテルチューブ2を有し、このカテーテルチューブ2は、施術に際し、たとえば図示しない公知の任意のガイドワイヤーによる案内の下、生体内の血管、肝臓、胆管その他の管状もしくは袋状をなす管腔組織や臓器に挿入されるものである。
このY字コネクタ4の一方側の筒状部4aは、バルーン3を膨張変形させるためのバルーン3への流体の供給に用いられるものであり、他方側の筒状部4bは、カテーテルチューブ2の挿入に先立って管腔組織や臓器に挿入されるガイドワイヤーが通過するものである。
但し、これらのバルーン3およびY字コネクタ4は、この発明に必須の構成ではない。
その結果として、超音波診断装置を用いて、管腔臓器内のカテーテルチューブ2の超音波用マーカー部分5を正確に把握することができるので、この医療用カテーテル1によれば、患者や医療従事者への放射線被爆のおそれがあるとともに高価で大型のX線撮影装置や、副作用の可能性があるX線造影剤の使用を要しない。
なお、図示の実施形態では、レーザー加工で溝部6を形成した結果として、各溝部6の両側に突起部7が形成されているが、図示は省略するが、超音波用マーカー部分は、突起部なしで一本以上の溝部だけからなるもの、または、溝部なしで一個以上の突起部だけからなるものとすることも可能である。従って、図示の実施形態における突起部7は、必ずしも設けることを要しない。
また、各突起部7は、図5に示すように、いずれもカテーテルチューブ2の外周面2aに対して傾斜する突起側面7aと、それらの突起側面7aの相互を繋ぐ突起頂部7bとで構成される外面を有するものとすることができる。
あるいは、図6(b)に示すように、溝部6の内面を湾曲面とするとともに、突起部7の外面を平坦面とすることができる他、これとは逆に、図6(c)に示すように、溝部6の内面を平坦面とするとともに、突起部7の外面を湾曲面とすることもできる。
また、突起部7の突起側面7aは、同様の目的で、突起頂部7bに近付くに従って突起側面7aが相互に接近する向きに傾斜させるとともに、その傾斜角度θ2を、カテーテルチューブ2の延在方向に対し、30°〜90°とすることが好ましい。
また、溝部6の、前記外周面位置での開口部の幅Wgは、溝部6を直交する向きに測って、50μm〜500μmとすることが好ましい。
上述した溝部6の最大深さDg、開口幅Wgや、突起部7の幅Wp、最大突出高さHpが小さすぎる場合は、超音波による溝部6ないし突起部7の視認性が低下して、超音波診断装置を用いて画像表示した際に、十分明確に確認し得なくなるおそれがある。また、溝部6の最大深さDgが大きすぎる場合は、引張強度が低下したり、耐キンク性が低下して座屈しやすくなったりすることがある。そしてまた、突起部7の幅Wpが大きすぎる場合は、柔軟性の低下や、病変部の通過性の低下の可能性があり、また、突起部7の最大突出高さHpが大きすぎる場合は、外径の増加によって病変部の通過性が低下することが懸念される。
しかも、超音波診断装置による生体外からの観察は、溝部6や突起部7が、カテーテルチューブ2の全周にわたって形成されていることを要せず、上記のように、その外周面2aの周方向で互いに反対側の位置のそれぞれに形成されていることで十分有効に行うことが可能である。
なお、溝部6および/または突起部7の周方向長さが短い場合であっても、その溝部6および/または突起部7を加工した面を常に、超音波が照射される側に向けて使用されるようにすることで、かかる溝部6および/または突起部7を、超音波用マーカー部分5として有効に機能させることができる。
このように弾性率および/または密度の異なる材料で超音波用マーカー部分15を構成することにより、生体内の管腔組織や臓器に挿入されたカテーテルチューブ12に対し、生体外から超音波を照射した場合、その弾性率および/または密度の異なる材料からなる超音波用マーカー部分15で、超音波が異なる向きに反射することになるので、超音波用マーカー部分15を設けた部分の、生体内における位置を有効に把握することができる。
なお、ここでいう「他の部分」に相当するカテーテルチューブ12の弾性率は一般に、0.2MPa〜7MPa程度であるのに対し、弾性率の異なる材料からなる部分の弾性率は、他の部分の弾性率に対して、0.01%〜1%の範囲、より好ましくは0.1%〜0.5%の範囲で大きいものとするか、または小さいものとする。
より具体的には、弾性率の異なる材料からなる部分は具体的には、上記の他の部分の弾性率とは異なることを前提として、0.01MPa〜0.1MPaとすることができ、好ましくは、0.03MPa〜0.05MPaとする。
このような材料の例として、「他の部分」に相当するカテーテルチューブ12の材料が一般的に、PTEE、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等であるのに対し、超音波用マーカー部分15を構成する弾性率および/または密度の異なる材料を、他の部分よりも弾性率の小さいゴム材料または、他の部分より弾性率の大きい金属材料等とすることができる。
これはすなわち、弾性率の小さい超音波用マーカー部分15は、超音波診断装置で見ると、白く表示されるカテーテルチューブ12に対して黒い筋として表示されて確認しやすいが、弾性率の大きい超音波用マーカー部分15は、白い筋として表示されるので若干視認性に劣る可能性がある。また、弾性率の大きい超音波用マーカー部分15は、カテーテルチューブ12のそれを設けた箇所を硬くするので、曲げ性や耐キンク性(座屈のしにくさ)が損なわれる可能性がある。
このような超音波用マーカー部分5、15を、図示のようなバルーン3を設けた医療用カテーテル1、11に適用した場合は、一般に管腔組織や臓器内での位置を把握することのできないバルーン3の位置を、超音波用マーカー部分5、15による表示機能をもって正確に確認することができるので非常に有利である。
図9(b)に示すように、バルーン3の近接箇所に超音波用マーカー部分5を設ける場合、距離Ls1と距離Ls2とは互いに等しい長さとすることができる他、互いに異なる長さとすることもできる。図9(b)に示すところでは、バルーン3の近接箇所に、溝部および/または突起部を密集させた超音波用マーカー部分5を設けている。
このようなバルーン3を設けた医療用カテーテル1では、図示は省略するが、バルーン3自体に、上述した溝部および/または突起部を設けることも可能である。
従って、この発明の実施形態に係る医療用カテーテル1、11は、カテーテルチューブ2、12が生体内の血管に挿入される、シャントPTA等を実施するための血管内治療用カテーテルとして用いることが特に有効である。
なお、上述したようにカテーテルチューブ2、12に超音波用マーカー部分5、15を設けることに加えて、または、それに代えて、図示は省略するが、バルーン3自体に、溝部および/または突起部等の超音波用マーカー部分5、15を設けることができる。
はじめに、糖尿病性腎症等に起因してシャントを行った人工透析患者の腕の血管内に、図示しないガイドワイヤーを先行させて通し、その先端をシャントの狭窄部を超えて位置させる。
このとき、血管に挿入されたカテーテルチューブ2の先端部のバルーン3の位置は、通常は人体外から確認することができないが、この医療用カテーテル1、11では、そのバルーン3の配設箇所またはその近接箇所に、超音波用マーカー部分5、15を設けたことにより、超音波診断装置等を用いて人体外から超音波を照射することで、たとえば、人体外で表示させる画像に、超音波用マーカー部分5、15を鮮明に表示することができて、バルーン3の位置を正確に確認することができる。
そのため、ここでは、外部からの視認の下、バルーン3を、高い精度でシャント狭窄部に送り、そこに配置することができる。
かかるマイクロバブルを含む液体を用いた場合、生体内に供給された際に、生体外からの超音波の照射により、マイクロバブルが超音波を反射して、そのマイクロバブルが存在する部分を、超音波診断装置に表示させることができるので、たとえば、シャント狭窄部に位置させたバルーン3を膨張変形させるに際し、所期した通りにバルーン3が膨張変形しているかどうかを確認することが可能になる。それにより、バルーン3からの液体の漏洩等の意図しない事態に対して迅速に対処することができる。
この場合、バルーン3は、表面にマイクロバブルを含有する薬剤をコーティングして製造することができる。
2、12 カテーテルチューブ
2a 外周面
3、13 バルーン
4 Y字コネクタ
4a、4b 筒状部
5、15 超音波用マーカー部分
6 溝部
6a 溝壁面
6b 溝底部分
7 突起部
7a 突起側面
7b 突起頂部
16 コーティング部分
Fd 密集領域
Fs 分散領域
θ1 溝壁面の傾斜角度
θ2 突起側面の傾斜角度
Ah1、Ah2 半周分領域
Ls1、Ls2 超音波用マーカー部分とバルーン配設箇所との距離
Claims (15)
- 生体内の管腔組織や臓器に挿入されて用いられる医療用カテーテルであって、前記医療用カテーテルのうちの少なくとも一箇所に、生体組織を通じて医療用カテーテルに到達する弾性波を、他の部分とは異なる態様で反射させる弾性波用マーカー部分を設けてなる医療用カテーテル。
- 管腔組織や臓器に挿入される管状のカテーテルチューブを有し、該カテーテルチューブの延在方向の少なくとも一箇所に、前記弾性波用マーカー部分を設けてなる請求項1に記載の医療用カテーテル。
- 前記弾性波用マーカー部分を、超音波を他の部分とは異なる態様で反射させる超音波用マーカー部分としてなる請求項1または2に記載の医療用カテーテル。
- 少なくとも一箇所の前記弾性波用マーカー部分を、カテーテルチューブの外周面から窪む一本以上の溝部、および/または、該外周面から突出する一個以上の突起部で構成してなる請求項2または3に記載の医療用カテーテル。
- 前記溝部の内面および/または前記突起部の外面を、平坦面または湾曲面で形成してなる請求項4に記載の医療用カテーテル。
- 前記溝部の溝壁面および/または前記突起部の突起側面を、該溝部および/または突起部の延在方向に直交する断面で、カテーテルチューブの外周面に対して傾斜するテーパ面としてなる請求項4または5に記載の医療用カテーテル。
- 前記溝部および/または前記突起部を、カテーテルチューブの延在方向に対して傾斜する方向、または、該延在方向に対して垂直な方向に延びるものとしてなる請求項4〜6のいずれか一項に記載の医療用カテーテル。
- 前記溝部および/または前記突起部を、カテーテルチューブの外周面の一方側の半周分領域の少なくとも一部、および、前記一方側の半周分領域の裏側に位置する他方側の半周分領域の少なくとも一部のそれぞれに形成してなる請求項7に記載の医療用カテーテル。
- 複数本の前記溝部および/または複数個の前記突起部を、互いに隣接させて並べて形成した密集領域と、複数本の前記溝部および/または複数個の前記突起部を、互いに間隔をおいて並べて形成した分散領域とを設けてなる請求項7または8に記載の医療用カテーテル。
- 少なくとも一箇所の前記弾性波用マーカー部分が、前記他の部分とは弾性率および/または密度の異なる材料を含んで構成されてなる請求項2〜9のいずれか一項に記載の医療用カテーテル。
- 少なくとも一箇所の前記弾性波用マーカー部分が、前記他の部分とは弾性率および/または密度の異なる材料からなり、カテーテルチューブの外周面の周方向の少なくとも一部を被覆するコーティング部分で構成されてなる請求項10に記載の医療用カテーテル。
- 前記カテーテルチューブの長手方向の少なくとも一箇所に、該カテーテルチューブを外周側から取り囲んで配置される膨張変形可能なバルーンを有し、
前記バルーンの配設箇所に、または、該配設箇所からカテーテルチューブの延在方向に沿って一定の距離をおいた近接箇所に、前記弾性波用マーカー部分を配置し、該弾性波用マーカー部分を、生体内の管腔臓器に挿入されるバルーンの位置表示部分としてなる請求項2〜11のいずれか一項に記載の医療用カテーテル。 - 前記バルーンがマイクロバブルを含んで構成されてなる請求項12に記載の医療用カテーテル。
- 生体内の管腔臓器に挿入されて該管腔臓器内でカテーテルチューブを案内するガイドワイヤーをさらに有してなる請求項2〜13のいずれか一項に記載の医療用カテーテル。
- 前記カテーテルチューブが生体内の血管に挿入される血管内治療用カテーテルとしてなる請求項2〜14のいずれか一項に記載の医療用カテーテル。
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