WO2020175462A1

WO2020175462A1 - インナーチューブ、カテーテルおよびインナーチューブの製造方法

Info

Publication number: WO2020175462A1
Application number: PCT/JP2020/007419
Authority: WO
Inventors: 岡野　光夫; 智洋浅川; 昭宏倉部; 秀樹大江
Original assignee: 一般社団法人細胞シート再生医療推進機構; 株式会社細川洋行
Priority date: 2019-02-26
Filing date: 2020-02-25
Publication date: 2020-09-03
Also published as: JPWO2020175462A1; TW202039024A

Abstract

医療用カテーテルに用いられるインナーチューブであって、インナーチューブの外周面には、外周面の他の部分と比べ超音波の正反射量を相対的に減少させたマーカー部が設けられ、マーカー部は、外周面の一方側の半周面に設けられた第１マーカー部と、外周面の他方側の半周面に設けられた第２マーカー部とからなり、マーカー部は、インナーチューブの中心軸周りに延在する弧状の溝を複数有し、第１マーカー部に含まれる溝と、第２マーカー部に含まれる溝とが不連続である部分を含むインナーチューブ。

Description

明細書

発明の名称：

インナ ^_チュ ^_ブ、カテ ^_テルおよびインナ ^_チュ ^_ブの製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、インナーチューブ、カテーテルおよびインナーチューブの製造方法に関するものである。

本願は、 201 9年 2月 26日に出願された日本国特願 201 9— 033 301号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002] 人工透析患者から大量の血液を体内から透析器に取り出し、効率的に血液透析を行うためのバスキュラーアクセスとして、動脈と静脈を直接つなぎ、大量の血液が通るようにした透析用の専用の血管（シャント）が知られている。血液透析時には、シャントから大量の血液を取り出し、取り出した血液から老廃物、余分な水分や電解質を除去することで、短時間のうちに大量の血液を透析可能となる。

[0003] シャント及びシャント近傍の血管においては、新生内膜増殖や血栓により、狭窄が発生することがある。このように狭窄した部分に対しては、再度拡張しシャント内の血液の流れを確保または再開させるため、 PTA （経皮的血管形成術、 P e r c u t a n e o u s T r a n s l u m i n a l A n g i 〇 p I a s t y）が行われる。 P T Aでは、先端にバルーンの付いた力テーテルをシャント内またはシャント近傍の血管の狭窄した部分に揷入し、狭窄した部分でバルーンを膨らませることにより狭窄部を拡張する。

[0004] 近年、血管造影剤を用いた X線透視下でバルーンの位置を確認して行う P

T Aに代わって、超音波ガイド P T Aと呼ばれる方法が採用されることもある。超音波ガイド PT Aでは、カテーテル先端のバルーンの位置を超音波で確認しながらシャントの狭窄した部分にバルーンを挿入した後に、バルーンを拡張させることによって狭窄した部分を拡張する。超音波ガイド PTAで \¥0 2020/175462 2 卩（：171? 2020 /007419

は、患者は血管造影剤の副作用から解放されるという利点がある。また、患者および術者は放射線被ばくから解放されるという利点がある。さらに、超音波ガイド丁は、比較的安価な超音波診断装置のみを用いて施術可能であり、高額な X線診断装置や X線を遮蔽する専用の手術室の設置や、重くて蒸れやすい X線防護服を着用する必要がないといった利点もある。

[0005] 超音波ガイド丁八に用いられるカテーテルとして、他の部分とは超音波の反射状態を異ならせたマーカー部を有する構成のカテーテルが知られている（例えば、特許文献 1参照）。

先行技術文献

特許文献

[0006] 特許文献 1 :国際公開第 2 0 1 6 / 0 3 1 0 7 1号発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007] 上記特許文献に記載のカテーテルでは、マーカー部をレーザー加工や切削加工で形成しているため、マーカー部が、他のマーカー部を設けていない部分と比べ相対的に薄くなり、機械的強度が低下しやすい。一方で、マーカー部の機械的強度を担保すべく肉厚を厚くするなどの方法でカテーテルの外径を大きくすると、カテーテルの可撓性を損なってしまう。また、カテーテルの外径を大きくすると、シャントの狭窄部に揷入できなくなり治療できなくなってしまう。

[0008] 本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、超音波照射によって体内での位置検出を可能とし、破損しにくいインナーチューブを提供することを目的とする。

また、このようなインナーチューブを備えたカテーテルを提供することを併せて目的とする。

また、このようなインナーチューブを容易に製造可能とするインナーチュ —ブの製造方法を提供することを併せて目的とする。 \¥0 2020/175462 3 卩（：171? 2020 /007419

課題を解決するための手段

[0009] 上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、医療用カテーテルに用いられるインナーチューブであって、前記インナーチューブの外周面には、前記外周面の他の部分と比べ超音波の正反射量を相対的に減少させたマーカー部が設けられ、前記マーカー部は、前記外周面の一方側の半周面に設けられた第 1マーカー部と、前記外周面の他方側の半周面に設けられた第 2マーカ —部とからなり、前記マーカー部は、前記インナーチューブの中心軸周りに延在する弧状の溝を複数有し、前記第 1マーカー部に含まれる前記溝と、前記第 2マーカー部に含まれる前記溝とが不連続である部分を含むインナーチューブを提供する。

[0010] 本発明の一態様においては、前記インナーチューブの内周面には、前記溝に沿って中心軸と直交する方向からの視野において前記溝と重なる凸条部が設けられ、前記第 1マーカー部の前記溝と重なる前記凸条部と、前記第 2マ一力一部の前記溝と重なる前記凸条部とは不連続である構成としてもよい。

[001 1 ] 本発明の一態様においては、前記第 1マーカー部の内周面側の前記凸条部と、前記第 2マーカー部の内周面側の前記凸条部とが、前記インナーチューブの中心軸に直交する方向からの視野において重ならない構成としてもよい

[0012] 本発明の一態様においては、前記マーカー部は、複数の前記溝が近接した第 1領域と、前記第 1領域よりも複数の前記溝の間隔が広い第 2領域とを有する構成としてもよい。

[0013] 本発明の一態様においては、前記溝は、前記外周面の周方向に延在している構成としてもよい。

[0014] 本発明の一態様においては、前記第 1マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するパターンと、前記第 2マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するバターンとが、互いに一致している構成としてもよい。

[0015] 本発明の一態様においては、前記第 1マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するパターンと、前記第 2マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成 \¥0 2020/175462 4 卩（：171? 2020 /007419

するパターンとが、互いに異なっている構成としてもよい。

[0016] また、本発明の一態様は、上記のインナーチューブと、前記インナーチュ —ブが揷通されたァウターチューブと、前記ァウターチューブの端部に設けられたバルーンと、を有し、前記インナーチューブは、前記バルーンと重なる部分に前記マーカー部を有するカテーテルを提供する。

[0017] 本発明の一態様においては、前記インナーチューブに揷通されたガイドワイヤーを有する構成としてもよい。

[0018] また、本発明の一態様は、前記第 1マーカー部に相補的に対応した第 1金型と、前記第 2マーカー部に相補的に対応した第 2金型と、を用い、樹脂製のチューブの外周面に熱プレスにて前記第 1マーカー部および前記第 2マー力一部に対応する複数の溝を形成する工程を有するインナーチューブの製造方法を提供する。

[0019] 本発明の一態様においては、前記溝を形成する工程に先立って、前記チュ —ブに金属製の中芯を揷通する工程を有する製造方法としてもよい。

[0020] 別の側面として、本発明は以下の態様を包含する。

[0021 ] [ 1 ] 医療用カテーテルに用いられるインナーチューブであって、前記インナーチューブの外周面には、前記外周面の他の部分と比べ超音波の正反射量を相対的に減少させたマーカー部が設けられ、前記マーカー部は、前記外周面の一方側の半周面に設けられた第 1マーカー部と、前記外周面の他方側の半周面に設けられた第 2マーカー部とからなり、前記マーカー部は、前記インナーチューブの中心軸周りに延在する弧状の溝を複数有し、前記第 1マー力一部に含まれる前記溝と、前記第 2マーカー部に含まれる前記溝とが不連続である部分を含むインナーチューブ。

[0022] [ 2 ] 前記インナーチューブの内周面には、前記溝に沿って中心軸と直交する方向からの視野において前記溝と重なる凸条部が設けられ、前記第 1マー力一部の前記溝と重なる前記凸条部と、前記第 2マーカー部の前記溝と重なる前記凸条部とは不連続である [ 1 ] に記載のインナーチューブ。

[0023] [ 3 ] 前記第 1マーカー部の内周面側の前記凸条部と、前記第 2マーカー部 \¥0 2020/175462 5 卩（：171? 2020 /007419

の内周面側の前記凸条部とが、前記インナーチューブの中心軸に直交する方向からの視野において重ならない［2］に記載のインナーチューブ。

［0024］［4］前記マーカー部は、複数の前記溝が近接した第 1領域と、前記第 1領域よりも複数の前記溝の間隔が広い第 2領域とを有する［1］から［3］のいずれか 1項に記載のインナーチューブ。

［0025］［5］前記溝は、前記外周面の周方向に延在している［1］から［4］のいずれか 1項に記載のインナーチューブ。

［0026］［6］前記第 1マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するパターンと、前記第 2マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するパターンとが、互いに一致している［1］から［5］のいずれか 1項に記載のインナーチューブ

［0027］［7］前記第 1マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するパターンと、前記第 2マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するパターンとが、互いに異なっている［1］から［5］のいずれか 1項に記載のインナーチューブ

［0028］［8］［1］から［7］のいずれか 1項に記載のインナーチューブと、前記インナーチューブが挿通されたァウターチューブと、前記ァウターチューブの端部に設けられたバルーンと、を有し、前記インナーチューブは、前記バルーンと重なる部分に前記マーカー部を有するカテーテル。

［0029］［9］［1］から［7］のいずれか 1項に記載のインナーチューブと、前記インナーチューブが挿通されたァウターチューブと、前記ァウターチューブの端部に設けられたバルーンと、を有し、前記バルーンは、円筒部と、前記円筒部の両側に設けられた一対の円錐部とを有し、前記インナーチューブは、前記一対の円錐部と重なる位置に前記マーカー部を有するカテーテル。［0030］［1 0］［1］から［7］のいずれか 1項に記載のインナーチューブと、前記インナーチューブが揷通されたァウターチューブと、前記ァウターチューブの端部に設けられたバルーンと、を有し、前記バルーンは、円筒部と、前記円筒部の両側に設けられた一対の円錐部とを有し、前記インナーチューブ \¥0 2020/175462 6 卩（：171? 2020 /007419

は、前記インナーチューブの先端側の前記円錐部と重なる位置に前記マーカ —部を有し、前記アウターチューブの外周面には、前記アウターチューブの外周面の他の部分と比べ超音波の正反射量を相対的に減少させたアウターチューブマーカー部が設けられ、前記アウターチューブマーカー部は、前記バルーンと隣り合う位置に設けられているカテーテル。

［0031］［1 1］前記インナーチューブは、前記バルーンと重ならない位置に前記マ —力一部を有する［9］または［1 0］に記載のカテーテル。

［0032］［1 2］前記インナーチューブは、前記円筒部と重ならない位置に前記マー力一部を有する［9］から［1 1］のいずれか 1項に記載のカテーテル。［0033］［1 3］前記インナーチューブに揷通されたガイドワイヤーを有する［8］から［1 2］のいずれか 1項に記載のカテーテル。

［0034］［1 4］［1］から［7］のいずれか 1項に記載のインナーチューブの製造方法であって、前記第 1マーカー部に相補的に対応した凹凸を有する第 1金型と、前記第 2マーカー部に相補的に対応した凹凸を有する第 2金型と、を用い、樹脂製のチューブの外周面に熱プレスにて前記第 1マーカー部および前記第 2マーカー部に対応する複数の溝を形成する工程を有するインナーチューブの製造方法。

［0035］［1 5］前記溝を形成する工程に先立って、前記チューブに金属製の中芯を挿通する工程を有する［1 4］に記載のインナーチューブの製造方法。発明の効果

［0036］本発明によれば、超音波照射によって体内での位置検出を可能とし、破損しにくいインナーチューブを提供することができる。また、このようなインナーチューブを備えたカテーテル、およびインナーチューブを容易に製造可能とするインナーチューブの製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

［0037］［図 1］第 1実施形態のカテーテル 1 八を示す模式図である。

［図 2］カテーテルチューブ 2の概略断面図である。

［図 3］バルーン 3の周辺構造を示す概略断面図である。 \¥0 2020/175462 7 卩（：171? 2020 /007419

［図 4］インナーチューブ 2 2の平面図。

［図 5］インナーチューブ 2 2の側面図である。

［図 6］インナーチューブ 2 2の断面図である。

［図 7］インナーチューブ 2 2の断面図である。

［図 8］インナーチューブ 2 3の断面図である。

［図 9］インナーチューブの製造方法を示す模式図である。

［図 10］インナーチューブの変形例を示す模式図である。

［図 1 1］インナーチューブの変形例を示す模式図である。

［図 12］第 2実施形態のカテーテル 1 巳が有するカテーテルチューブ 5の概略断面図である。

［図 13］バルーン 3の周辺構造を示す概略断面図である。

［図 14］第 3実施形態のカテーテル 1 ＜3のバルーン 3の周辺構造を示す概略断面図である。

［図 15］図 1 4における符号乂で示す部分の概略拡大図である。

発明を実施するための形態

［0038］［第 1実施形態］

以下、図 1〜図 1 1 を参照しながら、本発明の第 1実施形態に係るインナ —チューブ、カテーテル、インナーチューブの製造方法について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。

［0039］＜インナーチューブ、カテーテル＞

図 1は、本実施形態のカテーテル 1 八を示す模式図である。カテーテル 1 八は、カテーテルチューブ 2、バルーン 3、コネクタ 4を有する。カテーテル 1 八は、丁八治療に用いられる医療用カテーテルである。

［0040］図 2はカテーテルチューブ 2の概略断面図である。図 2に示すように、力テーテルチューブ 2は、アウターチューブ 2 1 と、アウターチューブ 2 1 に揷通されたインナーチューブ 2 2とを有する。アウターチューブ 2 1およびインナーチューブ 2 2は、二重管構造を形成している。 \¥0 2020/175462 8 卩（：171? 2020 /007419

[0041 ] カテーテル 1 八は、インナーチューブ 2 2の内部に揷通されるガイドワイ

カテーテル 1 八の使用時にカテーテルチューブ 2を誘導する。

[0042] アウターチューブ 2 1およびインナーチューブ 2 2は、可撓性を有する樹脂材料を形成材料とする円筒状の部材である。アウターチューブ 2 1およびインナーチューブ 2 2の形成材料としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフイン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を挙げることができる。中でも、アウターチューブ 2 1およびインナーチュ —ブ 2 2の形成材料としては、安全でありかつ高強度であることからポリアミドが好ましい。また、ポリアミドとしては、ポリアミド 1 1、ポリアミド 1 2、ポリアミド 6、ポリアミド 6 6を用いることができ、中でも安全性と強度と材料コストとのバランスが良いことからポリアミド 1 1が好ましい。なお、本実施形態において「安全」な材料とは、生物学的安全性を有し、体内に揷入しても人体に対して毒性を示さない材料を意味する。

[0043] アウターチューブ 2 1およびインナーチューブ 2 2の内周面は、ガイドワイヤー〇と摺動することから、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの低摩擦性材料で被覆されていることが好ましい。

[0044] アウターチューブ 2 1の外周面は、ポリビニルピロリドン、 2—ヒドロキシエチルメタクリレートなどの親水性樹脂で被覆されていてもよい。

[0045] インナーチューブ 2 2の詳細構成については、後に記載する。

[0046] 図 3は、バルーン 3の周辺構造を示す概略断面図である。

バルーン 3は、カテーテルチューブ 2を構成するアウターチューブ 2 1の端部に設けられている。インナーチューブ 2 2は、先端がチップ 2 9に接続され、バルーン 3の内部に揷通されて貫通している。バルーン 3は、アウタ —チューブ 2 1およびインナーチューブ 2 2に、液密に取り付けられている

[0047] カテーテルチューブ 2の先端は、チップ 2 9に接続している。チップ 2 9 は、カテーテルチューブ 2の先端側にガイドワイヤー

が揷通可能な孔 2 \¥0 2020/175462 9 卩（：171? 2020 /007419

9 3を有する。チップ 2 9は、先端側がテーパを有する保護部材であり、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの柔軟性材料や低摩擦性材料で形成されている。チップ 2 9は、カテーテルチューブ 2を血管内に挿入した際に、血管内壁を傷つけないよう柔軟性を有し、血管内壁との間で滑りやすい。

[0048] バルーン 3は、通常の丁八治療に用いられるバルーンを使用することができる。バルーン 3は、樹脂材料を形成材料としている。バルーン 3の形成材料としては、上述のアウターチューブ 2 1およびインナーチューブ 2 2の形成材料と同様の熱可塑性樹脂の他、シリコーンゴムやラテックスゴムを用いることができる。

[0049] バルーン 3は、内部空間 3 Xに生理食塩水を主成分とする拡張液を供給することで、拡張変形させることができる。図 1 , 3では、バルーン 3を拡張変形した状態で図示している。

[0050] 拡張変形したバルーン 3は、円筒部 3 3と、円筒部 3 3の両側に設けられた円錐部 3匕とを有する。図では、円筒部 3 3の長さを符号 !_ 1で示している。長さ 1_ 1は、丁治療における狭窄部の拡張可能幅である。また、円筒部 3 3の直径は、丁治療において拡張可能な径に対応する。

[0051 ] 図 1 に示すように、コネクタ 4は、カテーテルチューブ 2の他端側に設けられている。コネクタ 4は、アウターチューブ 2 1 に連通する第 1ポート 4 と、インナーチューブ 2 2に連通する第 2ポート 4 とを有している。バルーン 3を拡張変形させる際には、まず、ガイドワイヤー

を患者の体内の血管内に挿入し、目的の位置に到達させる。次に、ガイドワイヤー

沿って、カテーテルチューブ 2を目的の位置にまで誘導する。カテーテルチューブ 2のバルーン 3が目的位置に到達した後に、第 1ポート 4 3から拡張液を供給する。これにより、目的の位置においてバルーン 3を拡張変形させることができる。

[0052] （インナーチューブ）

以下、インナーチューブ 2 2についてさらに詳細に説明する。インナーチューブ 2 2は、例えば外径が 1 .

壁の厚みが 0 \¥0 2020/175462 10 卩（：171? 2020 /007419

1 01 01である。

［0053］図 3に示すように、インナーチューブ 2 2の外周面であってバルーン 3と重なる部分には、他の部分と比べ超音波の正反射量を相対的に減少させたマ —力一部1\/1が設けられている。マーカー部1\/1には、複数の溝 2 2 1が設けられている。

［0054］溝 2 2 1の深さは、例えば 5 0 ~ 3 0 0 である。また、溝 2 2 1 の幅は、例えば 5 0 〇1〜3 0 0 である。溝 2 2 1の縁は凸状に盛り上がっていてもよい。溝 2 2 1の縁が凸状に盛り上がっている場合、溝の深さは、溝の最深部から、凸状に盛り上がっている部分の頂部までの高さの差を指す。インナーチューブ 2 2が必要とする強度を確保することができ、製造上のデメリットが無い場合には、溝 2 2 1は深い方が好ましい。

［0055］マーカー部 IV!では、溝 2 2 1が超音波を乱反射することにより、溝 2 2 1 が設けられていない部分と比べて超音波の正反射量が相対的に減少する。その結果、超音波ガイド丁八においては、カテーテルに向けて照射した超音波が反射した後、反射した超音波を受信するプローブに達する超音波の量が減少する。そのため、超音波を用いたエコー画像では、溝 2 2 1 に対応する箇所が暗く表示され、縞模様としてマーカー部1\/1が検出される。

［0056］複数の溝 2 2 1の間の距離（ピッチ）は、〇.

であることが好ましい。ピッチが〇.

以上であると、エコー画像において生体組織との識別が容易となる。ピッチが 2 0

以下であると、丁八治療に

—般に用いるバル _ンの長さと比べて溝の間隔が適切となり、バルーンと重なる位置に溝 2 2 1 を配置しやすくなる。

［0057］溝 2 2 1のピッチは、エコー画像で視認しやすいことから、 2

が好ましい。

［0058］マーカー部1\/1は、複数の溝 2 2 1が近接した第

第 1領域八［¾ 1 よりも複数の溝 2 2 1の間隔が広い第 2領域八 2とを有する。図に示すマーカー部1\/1は、

とを有しており、第 1領域八［¾ 1、第 2領域八 2、

の順に配列し \¥0 2020/175462 1 1 卩（：171? 2020 /007419

ている。

バルーン 3の円錐部 3匕に重なって設けられている。

[0059]

とでは、エコー画像における見え方が異なる。そのため、エコー画像では、 2つの第 1領域八 1が認識される位置が、バルーン 3の円錐部 3匕の目印となり、第 2領域八 2が認識される位置がバルーン 3の円筒部 3 3の目印となる。

[0060] 図 4 , 5はマーカー部 IV!周辺のインナーチューブ 2 2の概略図である。図 4 , 5はいずれも、インナーチューブ 2 2の中心軸 !_と直交する視野における概略図である。図 4は、インナーチューブ 2 2の平面図であり、図 5は、図 4に対してインナーチューブ 2 2の周方向に 9 0 ° 傾けた視野における側面図である。

[0061 ] 図 4 , 5に示すように、インナーチューブ 2 2の外周面には、複数の溝 2

2 1が設けられている。溝 2 2 1は、円筒状のインナーチューブ 2 2の外周面に周方向に延在して設けられている。

[0062]

では、複数の溝 2 2 1が一定間隔（間隔 1）で配列している。第 2領域八[¾ 2では、複数の溝 2 2 1が一定間隔（間隔 2。ただし 2＞ 1）で配列している。

[0063] 図 5に示すように、溝 2 2 1はインナーチューブ 2 2の外周面の全周に連続しておらず、中心軸！-周りに延在する円弧状を呈する。詳しくは、溝 2 2 1は、図 5の視野において中心軸！-と直交するよう、インナーチューブ 2 2 の外周面の周方向に形成されている。そのため、複数の溝 2 2 1は、インナ —チューブ 2 2の中心軸 !_に直交する方向からの視野において互いに重ならない。

[0064] また、図 5に示すように、マーカー部1\/1は、インナーチューブ 2 2の外周面の一方側の半周面（符号八で示す）に設けられた第 1マーカー部 IV! 1 と、外周面の他方側の半周面（符号巳で示す）に設けられた第 2マーカー部 IV! 2 とからなる。

[0065] 第 1 マーカー部 IV! 1 に含まれる溝 2 2 1 3と、第 2マーカー部 IV! 2に含ま \¥0 2020/175462 12 卩（：171? 2020 /007419

れる溝 2 2 1 匕とは、不連続である部分を含む。図 5においては、第 1マー力一部 IV! 1 に含まれる溝 2 2 1 3と、第 2マーカー部 IV! 2に含まれる溝 2 2 1 匕とは、全て不連続となっている。なお、複数の溝 2 2 1 3と溝 2 2 1 匕との一部が連続していてもよい。

[0066] ここで、「不連続」とは、溝 2 2 1 ₃の端部乂 1 と、溝 2 2 1 匕の端部 X

2とが結合しないことを意味する。溝 2 2 1 ₃と溝 2 2 1 匕とが連続していると、結果として溝はインナーチューブ 2 2の外周面の全周に亙って形成されることとなる。

[0067] インナーチューブ 2 2において溝が形成されている部分は、溝が無い部分と比べて相対的に低強度となる。本実施形態のインナーチューブ 2 2は、溝 2 2 1が外周面の全周に亙って形成されておらず「不連続」である。このようなインナーチューブ 2 2は、溝が外周面の全周に亙って形成されているチューブと比べて高強度となり、相対的に破損しにくい。

[0068] インナーチューブ 2 2においては、第 1マーカー部 IV! 1 に含まれる複数の溝 2 2 1 3が形成するパターンと、第 2マーカー部 !\/! 2に含まれる複数の溝 2 2 1 匕が形成するパターンとは、互いに一致している。

[0069] 図 6は、インナーチューブ 2 2の断面図であり、図 5の線分 V 丨一V 丨における矢視断面図である。

[0070] 図 6に示すように、インナーチューブ 2 2の内周面には、溝 2 2 1 に沿って中心軸！-と直交する方向からの視野において溝 2 2 1 と重なる凸条部 2 2 2が設けられている。第 1 マーカー部 IV! 1の溝 2 2 1 3と、第 2マーカー部 IV! 2の溝 2 2 1 匕とが不連続である場合には、溝 2 2 1 3と重なる凸条部 2 2 2と、溝 2 2 1 匕と重なる凸条部 2 2 2とも不連続となる。

[0071 ] 溝 2 2 1の端部には、突起部 2 2 3が設けられていてもよい。

[0072] 凸条部 2 2 2および突起部 2 2 3は、後述する本実施形態の製造方法を実施した結果として形成される。

[0073] 図 7は、インナーチューブ 2 2の断面図であり、図 6の線分 V 丨 I - V I

I における矢視の概略断面図である。 \¥0 2020/175462 13 卩（：171? 2020 /007419

[0074] 上述したように、複数の溝 2 2 1は、インナーチューブ 2 2の中心軸 !_に直交する方向からの視野において、互いに重ならないように形成されている。そのため、溝 2 2 1 に重なってインナーチューブ 2 2の内周面に形成されている凸条部 2 2 2についても、第 1マーカー部 IV! 1側の凸条部 2 2 2 3と、第 2マーカー部 IV! 2側の凸条部 2 2 2匕とが、中心軸！-に直交する方向からの視野において重ならない。

[0075] このように、凸条部 2 2 2がインナーチューブ 2 2の内周面側で、中心軸

!-に直交する方向からの視野において重ならない構成となっていると、凸条部 2 2 2が形成されている箇所におけるインナーチューブ 2 2の内径 1が過度に狭くならない。

[0076] 図 8は、インナーチューブの変形例の断面図であり、図 7に対応する図である。

図 8に示すインナーチューブ 2 3のように、凸条部 2 3 2が中心軸 !_に直交する方向からの視野において重なって形成されていると、凸条部 2 3 2が形成されている箇所におけるインナーチューブ 2 3の内径 3は、図 7の内径\^/ 1 よりもさらに狭くなる。インナーチューブ 2 3を用いてカテーテル 1 八を作製した後に、インナーチューブ 2 3内にガイドワイヤーを揷通させるためには、

がガイドワイヤーを揷通可能とする大きさとなっている必要がある。

[0077] そのため、図 7に示す構成のインナーチューブ 2 2では、インナーチューブ 2 3と比べて細くすることができ、汎用性が高いインナーチューブとなる

[0078] ＜インナーチューブの製造方法＞

図 9は、インナーチューブの製造方法を示す模式図である。本実施形態のインナーチューブの製造方法では、まず、インナーチューブの原料であるチューブ 2 2八に金属製の中芯 3 0を揷通する。

[0079] チューブ 2 2八は、上述したインナーチューブ 2 2の形成材料と同じ材料で形成された円筒状の部材である。チューブ 2 2八は、熱プレス加工によっ \¥0 2020/175462 14 卩（：171? 2020 /007419

て外周面に溝を形成することにより、上述したインナーチューブ 2 2となる

[0080] 中芯 3 0は、金属製のワイヤーである。中芯 3 0の材料としては、真鍮や銅を用いることができ、銅が好ましい。銅は熱伝導率が高いため、熱プレスの際にチューブ 2 2八を加熱しやすい。また、銅は、一般に金型に用いられる金属よりも柔らかいため、プレス加工時に金型を痛めにくい。

[0081 ] 中芯 3 0の直径は、チューブ 2 2八の内径よりも小さく、かつカテーテル

1 八において用いるガイドワイヤー

の直径よりも大きい。

[0082] 次いで、図 9に示すように、中芯 3 0を揷通したチューブ 2 2八を熱プレスする。その際、第 1マーカー部 IV! 1 に相補的に対応した凹凸部 IV! 0 1 2を有する第 1金型 IV! 0 1 と、第 2マーカー部に相補的に対応した凹凸部 IV! 0 2 2を有する第

を用いる。

[0083] 詳しくは、第 1金型 IV! 0 1および第 2金型 IV! 0 2には、それぞれ半円筒状の溝 IV! 0 1 1 , IV! 0 2 1 を有する。第 1金型 IV! 0 1が有する半円筒状の溝 IV! 口 1

が有する半円筒状の溝

とを併せると、 2 つの金型が一体となつた集合体を貫通する円筒状の貫通孔を形成する。形成される貫通孔は、チューブ 2 2八の外径と同等の直径を有する。

[0084] 第 1金型 IV! 0 1が有する上述の凹凸部 IV! 0 1 2は、第 1金型 IV! 0 1が有する半円筒状の溝 1 1の中心軸、すなわち上述の貫通孔の中心軸周りに延在す

第 2金型 IV! 0 2が有する半円筒状の溝

2 1の中心軸、すなわち上述の貫通孔の中心軸周りに延在する。

[0085] なお、図 9では、凹凸部

IV! 0 2 2は、複数の凹凸がそれぞれ等間隔で配置していることとして示しているが、凹凸部

の構成は、形成する第 1マーカー部 IV! 1および第 2マーカー部 IV! 2に応じて形成するものとする。

[0086] このような第

よび第

を用い、チューブ 2 2八を熱プレスする際には、例えば、チューブ 2 2八を溝1\/1 0 1 1 に沿わせて第 \¥0 2020/175462 15 卩（：171? 2020 /007419

1金型 IV! 0 1 に配置し、上方からチューブ 2 2八が溝1\/1 0 2 1 に沿うように第

2を下ろしてプレスする。これにより、チューブ 2 2八の外周面には、凹凸部

および凹凸部 IV! 0 2 2の形状が転写され、第 1マー力一部 IV! 1および第 2マーカー部 IV! 2に対応する複数の溝を形成することができる。

[0087] なお、第 1金型 IV! 0 1および第 2金型 IV! 0 2の材料は、金型の材料として通常知られた金属であれば種々の材料を用いることができる。中でも、金型形状を加工しやすく、高い熱伝導性を示すことから、第 1

および第 2金型 IV! 0 2の材料としては、真鍮やアルミ合金が好ましい。

[0088] また、熱プレスでは、チューブ 2 2八の外周面からの応力に応じて、チュ —ブ 2 2八の内周面側が突出し、チューブ 2 2八の内周面に上述した凸条部 2 2 2が形成される。熱プレス時の加工条件は、チューブ 2 2八に凹凸が形成できるように熱変形させることが可能であれば、種々の条件を採用することができる。例えば、加工条件として、金型温度 1 3 0 ^°〇、面圧〇. 0 4 1\/1 3、プレス時間 3 0秒という条件を選択することができる。

[0089] さらに、第 1金型 IV! 0 1 と第 2金型 IV! 0 2との界面に対応する位置に、突起部 2 2 3が形成されることがある。突起部 2 2 3は、超音波を乱反射させる機能を有している。そのため、突起部 2 2 3では、超音波を乱反射することにより、超音波の正反射量が相対的に減少する。その結果、超音波を用いたエコー画像では、突起部 2 2 3に対応する箇所が暗く表示され、マーカー部 IV!が明瞭となる効果が見込める。

[0090] インナーチューブ 2 2においては、第 1マーカー部1\/1 1 に含まれる複数の溝 2 2 1 3が形成するパターンと、第 2マーカー部 !\/! 2に含まれる複数の溝 2 2 1 匕が形成するパターンとは、互いに一致している。そのため、第 1金が有する溝と、第 2金型 IV! 0 2が有する溝とは一致している。

[0091 ] 例えば、チューブ 2 2八の外周面にレーザー加工や切削加工を施して溝を形成し、マーカー部を形成する場合には、第 1マーカー部 IV! 1 に含まれる溝と、第 2マーカー部に含まれる溝とが不連続である部分を形成する場合に、 \¥0 2020/175462 16 卩（：171? 2020 /007419

その都度レーザー照射や切削を中止する必要がある。そのため、レーザー加エや切削加工を用いてチューブ 2 2 に加工を施す場合、作業が煩雑となりやすい。

[0092] また、チューブ 2 2八の外周面にレーザー加工や切削加工にて溝を形成すると、溝が形成された部分の壁厚が薄くなり、機械的強度が低下しやすい。レーザー加工や切削加工にて溝を形成した箇所の強度を担保するためにチュ —ブの肉厚を厚くすると、可撓性が損なわれ、チューブ径も大きくなってしまぅ。

[0093] これに対し、本実施形態のインナーチューブの製造方法では、熱プレスによりマーカー部を形成する。そのため、第 1金型 IV! 0 1および第 2金型 IV! 0 2の設計、第 1金型 IV! 0 1および第 2金型 IV! 0 2の相対位置を調整することで、容易に第 1マーカー部 IV! 1 に含まれる溝と、第 2マーカー部に含まれる溝とが不連続である部分を、高い再現性で容易に形成することができる。

[0094] また、熱プレスでは、チューブ 2 2八の外周面からの応力に応じて内周面側が突出し、チューブ 2 2八の内周面に凸条部が形成される。そのため、熱プレスで製造したインナーチューブでは、レーザー加工や切削で製造したインナーチューブでと比べて壁厚が薄くなりにくい。

[0095] 本実施形態のインナーチューブの製造方法では、チューブ 2 2八に中芯 3 〇を揷通した上で熱プレスを行うこととしている。中芯 3 0は、熱プレスの際、チューブ 2 2八を内周側から支持するため、プレス加工が容易となる。

[0096] また、中芯 3 0の直径は、カテーテル 1 八において用いるガイドワイヤー〇\/\/の直径よりも大きい。そのため、得られるインナーチューブ 2 2にガイドワイヤー

を確実に揷通可能とすることができ、ガイドワイヤーを揷通できない不良品の発生を抑制することができる。

以上のようにして、目的とするインナーチューブを製造することができる

[0097] 以上のような構成のインナーチューブによれば、カテーテルに用いた際、超音波照射によって体内での位置検出を可能であり、かつ破損しにくいもの \¥0 2020/175462 17 卩（：171? 2020 /007419

となる。

また、以上のような構成のカテーテルによれば、超音波照射によって体内での位置検出を可能であり、かつ破損しにくいものとなる。

また、以上のような構成のインナーチューブの製造方法によれば、上述のインナーチューブを容易に製造可能となる。

[0098] なお、インナーチューブの外周面に形成されるマーカー部のパターンは、上記構成に限らない。

[0099] 例えば、本実施形態においては、図 5に示すように、溝 2 2 1は、図 4の視野において中心軸！-と直交するよう、インナーチューブ 2 2の外周面の周方向に形成されているがこれに限らない。

[0100] 図 1 0は、インナーチューブの変形例を示す模式図であり、図 4に対応する図である。図 1 0に示すインナーチューブ 2 4のように、外周面に形成される溝 2 4 1は、図 1 0の視野において中心軸！-と斜めに交差するように設けられていてもよい。この場合、溝 2 4 1は、インナーチューブ 2 4の外周面に弧状に形成されることとなる。

[0101 ] また、本実施形態においては、図 5に示すように、第 1マーカー部 1\/1 1 に含まれる複数の溝 2 2 1 3が形成するパターンと、第 2マーカー部 1\/1 2に含まれる複数の溝 2 2 1 匕が形成するパターンとは、互いに一致しているが、互いに異なっていてもよい。

[0102] 図 1 1は、インナーチューブの変形例を示す模式図であり、図 5に対応する図である。

図 1 1 に示すインナーチューブ 2 5のように、第 1マーカー部 IV! 1 に形成される複数の溝 2 5 1の間隔に対し、第 2マーカー部 IV! 2に形成される複数の溝 2 5 2の間隔を異ならせることで、パターンを異ならせてもよい。その場合、符号 3 , 4で示すように、第 1マーカー部 IV! 1の複数の溝 2 5 1の間隔に対し、第 2マーカー部 IV! 2の複数の溝 2 5 2の間隔を広くしてもよい。また、符号 5 , 6で示すように、第 1マーカー部 IV! 1の複数の溝 2 5 1の間隔に対し、第 2マーカー部 IV! 2の複数の溝 2 5 2の間隔を狭くしても \¥0 2020/175462 18 卩（：171? 2020 /007419

よい。

［0103］また、第 1 マーカー部 IV! 1 に形成される溝 2 5 1 に対し、第 2マーカー部 IV! 2に形成される溝 2 5 3の大きさを異ならせることで、バターンを異ならせてもよい。

［0104］さらに、第 1マーカー部 IV! 1の溝を、図 5に示すように中心軸！-と直交する視野において中心軸！-と直交することとし、第 2マーカー部 IV! 2の溝を、図 1 0に示すように同視野において中心軸！-と斜めに交差することとしてもよい。

［0105］このように、第 1 マーカー部 IV! 1 と第 2マーカー部 1\/1 2とのバターンを異ならせることにより、マーカー部 IV!の姿勢に応じてエコー画像での表示のされ方が変化する。そのため、エコー画面においてノイズとの区別が容易となり、操作性が向上する。

［0106］また、本実施形態においては、マーカー部1\/1が、第 1領域八［¾ 1 と第 2領域八 2とを有することとしたが、これに限らず、溝 2 2 1の間隔が第 1領域八［¾ 1および第 2領域八 2と異なる第 3領域をさらに有するなど、多領域を有する構成としてもよい。

［0107］また、本実施形態においては、マーカー部1\/1が溝を有することとしたが、マーカー部が有する構造は溝だけに限らない。超音波を乱反射させる構成として、マーカー部は複数の突起や、粗面化された領域を有していてもよい。このような突起や粗面化された領域も、熱プレス加工で容易に形成することができる。

［0108］［第 2実施形態］

図 1 2 , 1 3は、本発明の第 2実施形態に係るインナーチユーブ及びカテ —テルの説明図である。本実施形態のインナーチユーブ及びカテーテルは、第 1実施形態のインナーチユーブ、カテーテルと一部共通している。したがつて、本実施形態において第 1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。

［0109］図 1 2は、本実施形態のカテーテル 1 巳が有するカテーテルチユーブ 5の \¥0 2020/175462 19 卩（：171? 2020 /007419

概略断面図であり、図 2に対応する図である。図 2に示すように、カテーテルチューブ 5は、アウターチューブ 5 1 と、アウターチューブ 5 1 に揷通されたインナーチューブ 5 2とを有する。アウターチューブ 5 1およびインナ —チューブ 5 2は、二重管構造を形成している。

[01 10] アウターチューブ 5 1の形成材料には、上述のアウターチューブ 2 1の形成材料と同じ材料を用いることができる。

[01 1 1 ] アウターチューブ 5 1の内部には、アウターチューブ 5 1の長手方向に沿って隔壁 5 1 9が設けられている。アウターチューブ 5 1の内部空間は、隔壁 5 1 9によって、ガイドワイヤー

が揷通される空間 5 1 3と、不図示のバルーンを拡張させる拡張液が流動する空間 5 1 13とに区画されている。空間 5 1 8と空間 5 1

とは、いずれもアウターチューブ 5 1の長手方向に沿って形成されている。

[01 12] インナーチューブ 5 2のコネクタ側の端部 5 2 ₃の外周面は、アウターチューブ 5 1のバルーン側の端部の内壁 5 1 Xに溶着し固定されている。

[01 13] アウターチューブ 5 1およびインナーチューブ 5 2の内周面は、ガイドワイヤー〇と摺動することから、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの低摩擦性材料で被覆されていることが好ましい。

[01 14] アウターチューブ 5 1の外周面は、ポリビニルピロリドン、 2—ヒドロキシエチルメタクリレートなどの親水性樹脂で被覆されていてもよい。

[01 15] 図 1 3は、バルーン 3の周辺構造を示す概略断面図であり、図 3に対応する図である。

[01 16] インナーチューブ 5 2の外周面であってバルーン 3の円錐部 3匕と重なる部分には、マーカー部1\/1が設けられている。マーカー部1\/1には、複数の溝 2 2 1が設けられている。また、図 1 3に示すインナーチューブ 5 2のマーカ —部 IV!は、インナーチューブ 5 2の外周面であってバルーン 3の円筒部 3 8 と重なる部分には、設けられていない。

[01 17] 拡張前のバルーン 3は、インナーチューブ 5 2の周囲に巻き付けられている。ここで、バルーン 3の円筒部 3 3は、円錐部 3匕よりも直径〇が大きく \¥0 2020/175462 20 卩（：171? 2020 /007419

、周方向で比べたときに円筒部 3 3を構成する樹脂量は、円錐部 3 を構成する樹脂量よりも多い。そのため、インナーチューブ 5 2に巻き付けられたバルーン 3は、円筒部 3 3の方が円錐部 3匕よりも厚く巻き付けられることになる。

[01 18] そのため、超音波ガイド丁八において、円筒部 3 3に重なる位置に照射された超音波は、インナーチューブ 5 2に巻き付けられた円筒部 3 ₃を構成する樹脂により減衰しやすい。その結果、超音波を用いたエコー画像では、円筒部 3 3に重なる位置にマーカー部1\/1が設けられていたとしても、マーカ -部 IV!を検出しにくい。

[01 19] 対して、円錐部 3匕に重なる位置に照射された超音波も、インナーチューブ 5 2に巻き付けられた円錐部 3匕を構成する樹脂により減衰するが、円筒部 3 ₃に照射された超音波よりも減衰し難い。その結果、超音波を用いたエコー画像では、円錐部 3匕に重なる位置に設けられたマーカー部1\/1は、円筒部 3 3に重なる位置にマーカー部を設ける場合よりも検出しやすい。

[0120] これにより、図 1 3に示すように、円錐部 3匕にマーカー部 IV!を設けることで、拡張前のバルーン 3をインナーチューブ 5 2に巻き付けていたとしても、エコー画像で好適にマーカ ^_部1\/1を検出し、バルーン 3の位置を検出しやすくなる。

[0121 ] 以上のような構成のインナーチューブによっても、カテーテルに用いた際、超音波照射によって体内での位置検出を可能であり、かつ破損しにくいものとなる。

また、以上のようなインナーチューブを有するカテーテルによれば、超音波照射によって体内での位置検出を可能であり、かつ破損しにくいものとなる。

[0122] [第 3実施形態]

図 1 4 , 1 5は、本発明の第 3実施形態に係るインナーチューブ及びカテ —テルの説明図である。本実施形態のインナーチューブ及びカテーテルは、第 1 , 2実施形態のインナーチューブ、カテーテルと一部共通している。し \¥0 2020/175462 21 卩（：171? 2020 /007419

たがって、本実施形態において既出の構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。

[0123] 図 1 4は、カテーテル 1 〇のバルーン 3の周辺構造を示す概略断面図であり、図 3 , 1 3に対応する図である。

[0124] カテーテル 1 〇の先端側では、チップ 2 9とバルーン 3との間でインナーチューブ 5 6が露出している。図 1 4では、インナーチューブ 5 6においてバルーンと重ならない部分（露出部分）は、符号《で示している。

[0125] 露出部分《には、マーカー部1\/1が設けられている。図 1 4に示すマーカー部1\/1は、円錐部 3匕から露出部分《まで設けられている。

[0126] 図 1 5は、図 1 4における符号乂で示す部分の概略拡大図である。

アウターチューブ 5 5は、第 2実施形態で示したアウターチューブ 5 1の外周面に、アウターチューブ 5 5の他の外周面と比べ超音波の正反射量を相対的に減少させたアウターチューブマーカー部〇 IV!が設けられている。アウ夕ーチューブマーカー部〇 IV!には、複数の溝 5 5 1が設けられている。

アウターチューブマーカー部〇1\/1は、バルーン 3と隣り合う位置に設けられている。「隣り合う」とは、バルーン 3の端部からアウターチューブマー力一部〇 IV!のバルーン 3側の溝 5 5 1 までの離間距離が

以下であることを意味する。

[0127] 溝 5 5 1は、第 1実施形態のインナーチューブ 2 2が有するマーカー部 IV! と同様の方法で形成することができる。

[0128] 溝 5 5 1の深さは、例えば 5 0 ~ 3 0 0 である。また、溝 5 5 1 の幅は、例えば 5 0 〇1〜3 0 0 である。溝 5 5 1の縁は凸状に盛り上がっていてもよい。溝 5 5 1の縁が凸状に盛り上がっている場合、溝の深さは、溝の最深部から、凸状に盛り上がっている部分の頂部までの高さの差を指す。アウターチューブ 5 5が必要とする強度を確保することができ、製造上のデメリットが無い場合には、溝 5 5 1は深い方が好ましい。

[0129] アウターチューブマーカー部〇!\/1では、溝 5 5 1が超音波を乱反射することにより、溝 5 5 1が設けられていない部分と比べて超音波の正反射量が相 \¥0 2020/175462 22 卩（：171? 2020 /007419

対的に減少する。その結果、超音波ガイド丁八においては、カテーテルに向けて照射した超音波が反射した後、反射した超音波を受信するプローブに達する超音波の量が減少する。そのため、超音波を用いたエコー画像では、溝 5 5 1 に対応する箇所が暗く表示され、縞模様としてアウターチューブマ —力一部〇 IV!が検出される。

[0130] さらに、アウターチューブマーカー部〇1\/1は、バルーン 3と重なっていないため、照射される超音波が/《ルーン 3で減衰しアウターチューブマーカー部〇 IV!に達し難いという不具合を抑制できる。

[0131 ] これにより、図 1 4 , 1 5に示すようにマーカー部 IV!及びアウターチューブマーカー部〇 IV!を設けることで、拡張前のバルーン 3をインナーチューブ 5 6に巻き付けていたとしても、エコー画像で好適にマーカー部 IV!を及びアウターチューブマーカー部〇 IV!検出し、バルーン 3の位置を検出しやすくなる。

[0132] 以上のような構成のインナーチューブによっても、カテーテルに用いた際、超音波照射によって体内での位置検出を可能であり、かつ破損しにくいものとなる。

[0133] なお、本実施形態においては、バルーン 3に対してカテーテル 1 〇の先端側のマーカー（マーカー部 IV!）、及びコネクタ 4側のマーカー（アウターチューブマーカー部〇1\/〇の両方が、バルーン1\/1と重ならない位置に設けられているが、これに限らない。

[0134] 例えば、カテーテル 1 〇の先端側については、第 1実施形態又は第 2実施形態と同様の構成とし、バルーン 3と重なる位置にマーカー部 IV!を設け、コネクタ 4側については、第 3実施形態で示したアウターチューブマーカー部〇 IV!を設けてもよい。

[0135] また、カテーテル 1 〇の先端側については、第 3実施形態で示した露出部 \¥02020/175462 23 卩（：17 2020 /007419

分にマーカー部 IV!を設け、コネクタ 4側については、第 1実施形態又は第 2実施形態で示したようにインナーチューブにマーカー部 IV!を設けてもよい

[0136] 以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。

符号の説明

[0137] 1 カテーテル、 3 バルーン、 2 1 アウターチューブ、 22, 23,

24, 25 インナ _チュ _ブ、 22八チュ _ブ、 3〇中芯、 22 1 ,

22 1 3, 22 1 13, 24 1 , 25 1 , 252, 253 溝、 222, 22

2金型、 1〜 6 間隔、 X I，乂2 端部

Claims

\¥0 2020/175462 24 卩（：17 2020 /007419 請求の範囲

[請求項 1 ] 医療用カテ ^_テルに用いられるインナ ^_チュ ^_ブであって、

前記インナーチューブの外周面には、前記外周面の他の部分と比べ超音波の正反射量を相対的に減少させたマーカー部が設けられ、前記マーカー部は、前記外周面の一方側の半周面に設けられた第 1 マーカー部と、前記外周面の他方側の半周面に設けられた第 2マーカ一部とからなり、

前記マーカー部は、前記インナーチューブの中心軸周りに延在する弧状の溝を複数有し、前記第 1マーカー部に含まれる前記溝と、前記第 2マーカー部に含まれる前記溝とが不連続である部分を含むインナ —チューブ。

[請求項 2] 前記インナーチューブの内周面には、前記溝に沿って中心軸と直交する方向からの視野において前記溝と重なる凸条部が設けられ、前記第 1マーカー部の前記溝と重なる前記凸条部と、前記第 2マー力一部の前記溝と重なる前記凸条部とは不連続である請求項 1 に記載のインナーチューブ。

[請求項 3] 前記第 1マーカー部の内周面側の前記凸条部と、前記第 2マーカー部の内周面側の前記凸条部とが、前記インナーチューブの中心軸に直交する方向からの視野において重ならない請求項 2に記載のインナーチューブ。

[請求項 4] 前記マーカー部は、複数の前記溝が近接した第 1領域と、前記第 1 領域よりも複数の前記溝の間隔が広い第 2領域とを有する請求項 1から 3のいずれか 1項に記載のインナーチューブ。

[請求項 5] 前記溝は、前記外周面の周方向に延在している請求項 1から 4のいずれか 1項に記載のインナーチューブ。

[請求項 6] 前記第 1マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するパターンと

、前記第 2マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するパターンとが、互いに一致している請求項 1から 5のいずれか 1項に記載のイン \¥0 2020/175462 25 卩（：171? 2020 /007419

ナ_チューフ。

[請求項 7] 前記第 1マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するパターンと

、前記第 2マーカー部に含まれる複数の前記溝が形成するパターンとが、互いに異なっている請求項 1から 5のいずれか 1項に記載のインナ_チューブ。

[請求項 8] 請求項 1から 7のいずれか 1項に記載のインナーチューブと、前記インナーチューブが揷通されたアウターチューブと、前記アウターチューブの端部に設けられたバルーンと、を有し、前記インナーチューブは、前記バルーンと重なる部分に前記マーカ一部を有するカテーテル。

[請求項 9] 請求項 1から 7のいずれか 1項に記載のインナーチューブと、前記インナーチューブが揷通されたアウターチューブと、前記アウターチューブの端部に設けられたバルーンと、を有し、前記バルーンは、円筒部と、前記円筒部の両側に設けられた一対の円錐部とを有し、

前記インナーチューブは、前記一対の円錐部と重なる位置に前記マ _力 _部を有するカテーテル。

[請求項 10] 請求項 1から 7のいずれか 1項に記載のインナーチューブと、前記インナーチューブが揷通されたアウターチューブと、前記アウターチューブの端部に設けられたバルーンと、を有し、前記バルーンは、円筒部と、前記円筒部の両側に設けられた一対の円錐部とを有し、

前記インナーチューブは、前記インナーチューブの先端側の前記円錐部と重なる位置に前記マーカー部を有し、

前記アウターチューブの外周面には、前記アウターチューブの外周面の他の部分と比べ超音波の正反射量を相対的に減少させたアウターチューブマーカー部が設けられ、

前記アウターチューブマーカー部は、前記バルーンと隣り合う位置 \¥0 2020/175462 26 卩（：171? 2020 /007419

に設けられているカテーテル。

[請求項 1 1 ] 前記インナーチューブは、前記バルーンと重ならない位置に前記マ —力一部を有する請求項 9または 1 0に記載のカテーテル。

[請求項 12] 前記インナーチューブは、前記円筒部と重ならない位置に前記マー力一部を有する請求項 9から 1 1のいずれか 1項に記載のカテーテル

[請求項 13] 前記インナーチューブに揷通されたガイドワイヤーを有する請求項

8から 1 2のいずれか 1項に記載のカテーテル。

[請求項 14] 請求項 1から 7のいずれか 1項に記載のインナーチューブの製造方法であって、

前記第 1マーカー部に相補的に対応した凹凸を有する第 1金型と、前記第 2マーカー部に相補的に対応した凹凸を有する第 2金型と、を用い、樹脂製のチューブの外周面に熱プレスにて前記第 1マーカー部および前記第 2マーカー部に対応する複数の溝を形成する工程を有するインナーチューブの製造方法。

[請求項 15] 前記溝を形成する工程に先立って、前記チューブに金属製の中芯を揷通する工程を有する請求項 1 4に記載のインナーチューブの製造方法。