JPWO2016027475A1 - 硬化性組成物およびその硬化体 - Google Patents

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Abstract

【課題】一液性で硬化特性に優れた硬化性組成物、および該組成物の硬化体を得る。【解決手段】本発明は、(A)架橋性シリル基含有樹脂と、(B)チタニウムキレートとグアニジン化合物との組み合せ(B1)または有機錫化合物(B2)を含む硬化触媒と、(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンと、を含む硬化性組成物、および該組成物を硬化した硬化体に関する。【選択図】なし

Description

クロスリファレンス
本出願は、2014年8月22日に日本国において出願された特願2014−169073の出願に基づき優先権を主張し、当該出願に記載された内容は、本明細書に援用する。また、本願において引用した特許、特許出願及び文献に記載された内容は、本明細書に援用する。
本発明は、硬化性組成物および該組成物を硬化させた硬化体に関する。
従来から、ポリオルガノシロキサン組成物は、硬化した際に優れた耐候性および耐久性を発揮するので、接着剤やシーリング材に用いられている。近年では、ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物は、より高い強度を要求される傾向にある。この要求に応えるべく、例えば、ポリオルガノシロキサン組成物中に無機あるいは有機化合物から成る充填材を混合させたものが知られている(特許文献1を参照)。
上記硬化性組成物には、触媒として、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機錫化合物が広く用いられている。近年、環境面および健康面の両面で負荷の小さな化合物への転換が強く要望されるようになり、アミン化合物やカルボン酸化合物(特許文献2を参照)、比較的安全性の高いビスマス化合物(特許文献3を参照)あるいはチタニウムアルコキシド系触媒、シラノール縮合触媒としてのグアニジン化合物(特許文献4を参照)等を使用することが提案されている。しかし、これらの触媒は、現用の有機錫化合物系の触媒を代替するには至っていない。
本出願人は、先に、有機錫化合物系の触媒に代替可能な新規触媒を探索してきた結果、チタニウムアルコキシドを必須成分とする触媒に着目し、これを2座配位のキレート化剤で安定化させ、そこに特定比率のグアニジン化合物を配合することにより、反応性シラノール基含有または反応性シリル基含有ポリマー等の反応性ケイ素を有する有機重合体から製造される樹脂およびポリウレタン樹脂などの硬化用触媒が得られることを見出した(特許文献5を参照)。
特開平09−118827号公報 特開平08−41358号公報 特開平05−39428号公報 国際公開WO2007/094272号公報 国際公開WO2013/153773号公報
しかし、最近では、一液性であって、上記従来技術よりもさらに高い硬化特性を持ち、かつ塗布から貼付までの時間(可使時間)を長くして作業性を高くできる硬化性組成物が要求されている。本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、一液性で硬化特性に優れ、かつ作業性を高くできる硬化性組成物および該組成物を硬化させた硬化体を得ることを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一形態は、(A)架橋性シリル基含有樹脂と、(B)チタニウムキレートとグアニジン化合物との組み合せ(B1)または有機錫化合物(B2)を含む硬化触媒と、(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンと、を含む硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、さらに、(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンがメトキシシランまたはエトキシシランをオルガノポリシロキサンの主鎖の片末端若しくは両末端あるいは側鎖の片側若しくは両側に有する硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、さらに、(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンを、前記オルガノポリシロキサンをメトキシシラン若しくはエトキシシランにて修飾したポリジメチルシロキサンまたはメトキシシラン若しくはエトキシシランにて修飾したポリジフェニルジメチルシロキサンとする硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、また、(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、数平均分子量(Mn)が150以上のメトキシシランまたは数平均分子量(Mn)が750以上のエトキシシランを含む硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、また、メトキシシランを、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランあるいはメトキシ基を有するシランカップリング剤とする硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、また、(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、数平均分子量(Mn)が1,300以上のエトキシシランを含む硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、また、(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンを形成する以上の余剰の金属アルコキシドを含み、金属アルコキシドの量から算出される理論上の金属アルコキシド修飾ポリシロキサンを100%としたときの実際の(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンの割合が90〜99.9%の硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、さらに、上述の割合が93〜99.9%の硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、また、(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンが、重量平均分子量(Mw)が400以下の低分子成分をGPC測定上検出されないものとした硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、また、グアニジン化合物を、チタニウムキレート1モルに対して、0.1〜5モル添加して成る硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、さらに、グアニジン化合物を、チタニウムキレート1モルに対して、2〜5モル添加して成る硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、また、(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンが、オルガノポリシロキサン1モルに対して1モルを超える金属アルコキシド若しくはその加水分解縮合物を添加して成る硬化性組成物である。
本発明の別の形態は、また、(B)硬化触媒をチタニウムキレートとグアニジン化合物との組み合せ(B1)とし、グアニジン化合物を1,1,3,3−テトラメチルグアニジンおよび1−(o−トリル)ビグアニドの内の少なくともいずれか1つとする硬化性組成物である。
本発明の一形態は、上述のいずれかの硬化性組成物を硬化した硬化体である。
本発明によれば、一液性で硬化特性に優れ、かつ作業性を高くできる硬化性組成物および該組成物を硬化させた硬化体を得ることができる。
図1は、想定されるアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの末端修飾パターンの模式図を示す。 図2は、実施例1と比較例3の接着強度(1日後および7日後)を比較して示す。 図3は、実施例1と比較例3の機械的特性(弾性率、引張破壊強度、伸び率)を比較して示す。 図4は、実施例1、実施例2および比較例1の接着強度(1日後および7日後)を比較して示す。 図5は、実施例1、実施例2および比較例1の機械的特性(弾性率、引張破壊強度、伸び率)を比較して示す。 図6は、実施例7と比較例6の接着強度(1日後および7日後)を比較して示す。 図7は、実施例7と比較例6の機械的特性(弾性率、引張破壊強度、伸び率)を比較して示す。 図8は、変性処理前のGPC曲線(8A)およびESピーク強度の波形分離前後の曲線(8B)を示す。 図9は、変性処理前、変性率91%、変性率93%および変性率97%のアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサン(ES45−PDPDMS)のGPCの変化を示すチャート(9A)および変性率97%まで変性処理を行った後に低分子成分の低減処理を行ったものと行っていないものの各GPCを比較して示すチャート(9B)をそれぞれ示す。
次に、本発明の硬化性組成物および硬化体の実施の形態について説明する。
I.硬化性組成物
この実施の形態に係る硬化性組成物は、
(A)架橋性シリル基含有樹脂と、
(B)チタニウムキレートとグアニジン化合物との組み合せ(B1)または有機錫化合物(B2)を含む硬化触媒と、
(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンと、
を含む。
本願において、「含む」あるいは「含んでなる」状態は、単なる混合状態の他、一部が反応している状態も含むように広義に解釈される。以下、上記(A)架橋性シリル基含有樹脂、上記(B)硬化触媒、上記(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンに加え、(D)その他添加物について詳述する。
(A)架橋性シリル基含有樹脂
架橋性シリル基含有樹脂とは、ケイ素原子と結合した加水分解性官能基を有するケイ素含有基あるいは縮合反応を起こし得るシラノール基を有する樹脂である。ここで、加水分解性基は、特に限定されないが、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、さらにはメトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。架橋性シリル基含有樹脂は、代表的な例では、下記の一般式(1)、(2)および(3)(それぞれ、「化1」、「化2」および「化3」)の内の少なくともいずれか1つの架橋性シリル基を主鎖若しくは側鎖の片末端あるいは両末端に有するポリマーである。
下記の一般式(1)〜(3)の官能基中のR、RおよびRは、互いに同一であっても異なっていても良い水素、あるいは炭素数1以上のアルキル基、アリール基、アラルキル基、トリオルガノシロキシ基、アルケニル基若しくはシクロアルキル基である。上記一般式中のR、RおよびRの具体例としては、水素、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トリメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、メチレン基、エチレン基、シクロプロピル基を挙げられる。これら例示の基の内、メチル基が特に好ましい。また、XおよびYは、互いに同一であっても異なっていても良く、水素、炭化水素基など、アルコキシ基以外の基である。架橋性シリル基の具体例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基を挙げられる。これらの内、高い活性を持つトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基がより好ましく、トリメトキシシリル基が特に好ましい。
架橋性シリル基含有樹脂としては、シリル基含有ポリエーテル、シリル基含有ポリエステル、シリル基含有有機ポリシロキサン系重合体、シリル基含有ビニル系重合体、シリル基含有ポリエステル変性ビニル系重合体、シリル基含有ジアリルフタレート系重合体、シリル基含有ジアリールフタレート系重合体、シリル基含有ポリイソブチレン、シリル基含有エチレン・α−オレフィン系共重合体、およびこれらの混合物等が挙げられる。例えば、架橋性シリル基含有樹脂がシリル基含有ポリエーテルである場合には、主鎖のポリエーテルとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブテンオキシド、テトラヒドロフランなどを原料として、カチオン重合、アニオン重合の方法を用いて製造されるものを好適に例示できる。例えば、架橋性シリル基含有樹脂がシリル基含有ポリエステルである場合には、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸などのカルボン酸、その無水物、そのエステルまたはハロゲン化物と、化学量論的に過剰のエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのポリオールとを反応させることにより調製されるポリエステルポリオール類、またはラクトン類の開環重合により得られるラクトンポリオール類などのポリエステルを主鎖として有するものを好適に例示できる。例えば、架橋性シリル基含有樹脂がシリル基含有有機ポリシロキサン系重合体である場合には、シロキサン結合(Si−O−Si結合)でつながる主鎖を持つものを好適に例示できる。
架橋性シリル基含有樹脂の市場入手容易な例としては、カネカ株式会社製の「カネカサイリルEST280」(架橋性シリル基含有ポリエーテル系重合体であって、変性シリコーン樹脂に属する)および「カネカMSポリマー S303」 (シリル末端変性ポリエーテル)、信越シリコーン株式会社製の、「X−21−5841」(シリル基変性ポリジメチルシロキサン)、東亜合成株式会社製の「ARUFON」(アルコキシシリル基含有アクリル系ポリマー)を挙げることができる。
(B)硬化触媒
(B1)チタニウムキレートとグアニジン化合物との組み合せ
(1)チタニウムキレート
チタニウムジエトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジエトキドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムイソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)、チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)、チタニウムジブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジブトキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジブトキシビス(トリエタノールアミナト)、チタニウムオキソビス(アセチルアセトネート)、チタニウムヒドロキシビス(ラクタト)、チタニウムヒドロキシビス(ラクタト)のアンモニウム塩、チタニウムベロキソクエン酸アンモニウム塩等を例示できる。
チタニウムキレートは、市場にて入手できる他、例えば、チタニウムアルコキシドと2座配位有機キレート化剤とを用いて作製可能である。
(チタニウムアルコキシド)
チタニウムアルコキシドとしては、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラアリルオキシド、チタニウムテトラn−プロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラn−ブトキシド、チタニウムテトライソブトキシド、チタニウムテトラsec−ブトキシド、チタニウムテトラt−ブトキシド、チタニウムテトラn−ペンチルオキシド、チタニウムテトラシクロペンチルオキシド、チタニウムテトラヘキシルオキシド、チタニウムテトラシクロヘキシルオキシド、チタニウムテトラベンジルオキシド、チタニウムテトラオクチルオキシド、チタニウムテトラキス(2−エチルヘキシルオキシド)、チタニウムテトラデシルオキシド、チタニウムテトラドデシルオキシド、チタニウムテトラステアリルオキシド、チタニウムテトラブトキシドダイマー、チタニウムテトラキス(8−ヒドロキシオクチルオキシド)、チタニウムジイソプロポキシドビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)、チタニウムビス(2−エチルヘキシルオキシ)ビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)、チタニウムテトラキス(2−クロロエトキシド)、チタニウムテトラキス(2−ブロモエトキシド)、チタニウムテトラキス(2−メトキシエトキシド)、チタニウムテトラキス(2−エトキシエトキシド)、チタニウムブトキシドトリメトキシド、チタニウムジブトキシドジメトキシド、チタニウムブトキシドトリエトキシド、チタニウムジブトキシドジエトキシド、チタニウムブトキシドトリイソプロポキシド、チタニウムジブトキシドジイソプロポキシド、チタニウムテトラフェノキシド、チタニウムテトラキス(o−クロロフェノキシド)、チタニウムテトラキス(m−ニトロフェノキシド)、チタニウムテトラキス(p−メチルフェノキシド)、チタニウムテトラキス(トリメチルシリルオキシド)等を好適に例示できる。これらのチタニウムアルコキシドは、単独で用いてもよいし、複数用いても構わない。これらの中でも、炭素数1〜12のアルコキシド基を含むチタニウムアルコキシドがより好ましく、炭素数1〜6のアルコキシド基を含むチタニウムアルコキシドがさらに好ましい。また、これらのオリゴマーも使用することができる。チタニウムアルコキシドのより好ましい例は、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラプロポキシド、またはチタニウムテトラブトキシドである。取り扱い容易さ、入手容易さおよび硬化性の観点からは、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラn―ブトキシド、チタニウムテトラt−ブトキシドが好ましい。
(2座配位有機キレート化剤)
チタニウムアルコキシドを安定化するための2座配位有機キレート化剤としては、一般式: R(CO)−CH−X(R;アルキル基、アルコキシ基、アリール基、X;カルボニル基、シアノ基等の電子吸引性基)で表される活性メチレン化合物を好適に用いることができる。活性メチレン化合物として、例えば、アセチルアセトン、マロン酸ジエステル、アセト酢酸エステル、シアノ酢酸エステル、メルドラム酸などを例示できる。マロン酸ジエステルとして、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジ2−エチルヘキシル、マロン酸エチルn−ブチル、マロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルt−ブチル、マロン酸メチルt−ブチル、メチルマロン酸ジエチル、マロン酸ジベンジル、マロン酸ジフェニル、マロン酸ベンジルメチル、マロン酸エチルフェニル、マロン酸t−ブチルフェニル、イソプロピリデンマロネート等を例示できる。また、アセト酢酸エステルとしては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸t−ブチル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸フェニル等を例示できる。シアノ酢酸エステルとしては、例えば、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸n−プロピル、シアノ酢酸i−プロピル、シアノ酢酸n−ブチル、シアノ酢酸i−ブチル、シアノ酢酸t−ブチル,シアノ酢酸ベンジル、ジフェニルシアノ酢酸メチル、ジフェニルシアノ酢酸エチル、2−メチルフェニルシアノ酢酸メチル、2−メチルフェニルシアノ酢酸エチル等が例示できる。これらの活性メチレン化合物のうち、特に好ましいのは、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンである。
(2)グアニジン化合物
グアニジン化合物は、一般式: RN=C(NR (5個のRの内の任意の1個は有機基であり、残り4個のRは、それぞれ独立に、水素原子、飽和炭化水素基、−C(=NR)−NR (3個のRはそれぞれ独立に水素原子または有機基)、または、=C(−NR (4個のRはそれぞれ独立に水素原子または有機基)で、表される。
グアニジン化合物としては、たとえば、1,1,2−トリメチルグアニジン、1,2,3−トリメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1,1,2,2,3−ペンタメチルグアニジン、2−エチル−1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1−ベンジルグアニジン、1,3−ジベンジルグアニジン、1−ベンジル−2,3−ジメチルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、1−(3−メチルフェニル)グアニジン、1−(4−メチルフェニル)グアニジン、1−(2−クロロフェニル)グアニジン、1−(4−クロロフェニル)グアニジン、1−(2,3−キシリル)グアニジン、1−(2,6−キシリル)グアニジン、1−(1−ナフチル)グアニジン、2−フェニル−1,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−フェニル−1−メチルグアニジン、1−(4−クロロフェニル)−3−(1−メチルエチル)グアニジン、1−(4−メチルフェニル)−3−オクチルグアニジン、1−(4−メトキシフェニル)グアニジン、1,1’−[4−(ドデシルオキシ)−m−フェニレン]ビスグアニジン、1−(4−ニトロフェニル)グアニジン、4−グアニジノ安息香酸、2−(フェニルイミノ)イミダゾリジン、2−(5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イルアミノ)−2−イミダゾリン、N−(2−イミダゾリン−2−イル)−2,3−キシリジン、N−(2−イミダゾリン−2−イル)−1−ナフタレンアミン、1,1’−[メチレンビス(p−フェニレン)]ビスグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセン、7−n−プロピル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセン、7−イソプロピル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセン、7−n−ブチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセン、7−n−シクロヘキシル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセン、2,3,5,6−テトラヒドロ−3−フェニル−1H−イミダゾ[1,2−a]イミダゾールなどのグアニジン化合物; 1−メチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−(2−エチルヘキシル)ビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド、1−(3−メチルフェニル)ビグアニド、1−(4−メチルフェニル)ビグアニド、1−(2−クロロフェニル)ビグアニド、1−(4−クロロフェニル)ビグアニド、1−(2,3−キシリル)ビグアニド、1−(2,6−キシリル)ビグアニド、1−(1−ナフチル)ビグアニド、1,3−ジフェニルビグアニド、1,5−ジフェニルビグアニド、1−フェニル−1−メチルビグアニド、1−(4−クロロフェニル)−5−(1−メチルエチル)ビグアニド、1−(4−メチルフェニル)−5−オクチルビグアニド、1−(4−メトキシフェニル)ビグアニド、1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−(1−メチルエチル)ビグアニド、1,1’−ヘキサメチレンビス[5−(4−クロロフェニル)ビグアニド]、2−グアニジノ−1H−ベンゾイミダゾール、1−(4−ニトロフェニル)ビグアニド、1−ベンジルビグアニド、1−(2−フェニルエチル)ビグアニド、3−(2−フェニルエチル)ビグアニド、N,N−ジアミジノアニリン、1,5−エチレンビグアニド、1−モルホリノビグアニド、3−モルホリノビグアニド、1−(4−クロロベンジルオキシ)ビグアニド、1−n−ブチル−N2−エチルビグアニド、1,1’−エチレンビスビグアニド、1−[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ビグアニド、1−[3−(ジブチルアミノ)プロピル]ビグアニド、N’,N’’−ジヘキシル−3,12−ジイミノ−2,4,11,13−テトラアザテトラデカンジアミジン、4−[3−(アミジノ)グアニジノ]ベンゼンスルホン酸、1,2−ジイソプロピル−3−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]グアニジン、5−[3−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)プロポキシ]−1−イソプロピルビグアニドなどのビグアニド化合物; などを例示できる。これらのグアニジン化合物のうち、特に好ましいのは、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンおよび1−(o−トリル)ビグアニドである。グアニジン化合物の好適な添加量は、チタニウムキレートに対して、0.1〜5のモル比、さらに好適には0.2〜5のモル比、最も好適には2〜5モル比である。
(B2)有機錫化合物
硬化触媒に利用可能な有機錫化合物としては、例えば、モノブチル錫トリクロライド、モノブチル錫オキサイド、モノオクチル錫トリクロライド、テトラ−n−オクチル錫、テトラ−n−ブチル錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジバーサテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキシラウレート、ジブチル錫ステアレート、ジブチル錫ジオレート、ジブチル錫・ケイ素エチル反応物、ジブチル錫塩とシリケートの化合物、ジオクチル錫塩とシリケートの化合物、ジブチル錫ビス(アセチルアセトネート)、ジブチル錫ビス(エチルマレート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレート)、ジブチル錫ビス(ステアリルマレート)、ジブチル錫ビス(オレイルマレート)、ジブチル錫マレート、ジブチル錫ビス(o−フェニルフェノキサイド)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルメルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(イソノニル−3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジブチル錫ビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫オキサイド、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジドデシルメルカプト、ジオクチル錫バーサテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ビス(エチルマレート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレート)、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジエトキサイド、ジブチル錫ジブトキサイド、ジオクチル錫ジメトキサイド、ジオクチル錫ジエトキサイド、ジオクチル錫ジブトキサイド、オクチル酸錫、ステアリン酸錫等を挙げることができる。
硬化触媒(B)の添加量は、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは3〜7質量部である。硬化触媒(B)が複数種から構成される場合には、架橋性シリル基含有樹脂(A)に予め一部の種類の硬化触媒(B)を混合しておき、そこに、残りの種類の硬化触媒(B)を混合することができる。一方、複数種の硬化触媒(B)を予め混合しておき、そこに、架橋性シリル基含有樹脂(A)を混合しても良い。
(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサン
金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、金属アルコキシド若しくはその加水分解縮合物にてポリシロキサンの主鎖の片末端若しくは両末端、あるいはポリシロキサンの側鎖を修飾したポリマーである。金属アルコキシドにて主鎖の片末端若しくは両末端を修飾したポリシロキサン(「金属アルコキシド末端修飾ポリシロキサン」と称する)は、一般式(4)(「化4」)、(5)(「化5」)、(6)(「化6」)、(7)(「化7」)、(8)(「化8」)または(9)(「化9」)で示す構造を有する。一般式(4)〜(6)の構造を持つ金属アルコキシド末端修飾ポリシロキサンは、シロキサン結合でつながる主鎖の片末端を金属アルコキシド若しくはその加水分解縮合物にて修飾して成るシリコーンポリマーである。一方、一般式(7)〜(9)の構造を持つ金属アルコキシド末端修飾ポリシロキサンは、シロキサン結合でつながる主鎖の両末端を金属アルコキシド若しくはその加水分解縮合物にて修飾して成るシリコーンポリマーである。金属アルコキシドの金属(M)としては、シリコン、チタニウム、アルミニウム、バリウム、ビスマス、ホウ素、カルシウム、鉄、ガリウム、ハフニウム、インジウム、カリウム、ランタン、リチウム、マグネシウム、ナトリウム、ニオビウム、鉛、ポロニウム、リン、錫、ストロンチウム、タンタル、バナジウム、タングステン、イットリウム、ジルコニウムなどを例示でき、特に、シリコン、チタニウム、ジルコニウム、アルミニウム等をより好適に例示できる。金属アルコキシドは、より好ましくは、アルコキシシランであり、その中でも最も好ましくは、メトキシシランあるいはエトキシシランである。一般式(4)〜(9)において、R、R、R、R10およびR11は、互いに同一であっても異なっていても良い炭素数1以上のアルキル基、アリール基、アラルキル基、トリオルガノシロキシ基、アルケニル基若しくはシクロアルキル基である。R、R、R、R10およびR11の具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トリメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、メチレン基、エチレン基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基を挙げられる。XおよびYは、互いに同一であっても異なっていても良く、水素、炭化水素基など、アルコキシ基以外の基である。また、一般式(4)〜(9)において、nは、2以上の整数である。mは、1以上の整数である。RおよびRを持つ主鎖は、RSiOがn個連結したもの以外に、R7a8aSiOがp個、R7b8bSiOが(n−p)個連結したものでも良い。ここで、pは1以上の整数であって、nより小さい。また、シロキサン結合単位を1または2種類持つものに限定されず、3種類以上持つものでも良い。R7aおよびR8aは、RおよびRと同様、互いに同一であっても異なっていても良い炭素数1以上のアルキル基、アリール基、アラルキル基、トリオルガノシロキシ基、アルケニル基若しくはシクロアルキル基である。R7bおよびR8bも同様である。ただし、R7aとR8aの組み合わせは、R7bとR8bの組み合わせと同一ではない。また、一般式(4)〜(9)において、アルコキシドで修飾した官能基をポリシロキサンの主鎖の片末端若しくは両末端ではなく、ポリシロキサンの側鎖(R、R)の一部若しくは全部に導入しても良い。
金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、一般式(10)(「化10」)に示すオルガノポリシロキサンの主鎖の片末端若しくは両末端、あるいは側鎖の少なくとも一方側を、一般式(11)(「化11」)、(12)(「化12」)または(13)(「化13」)に示す金属アルコキシド若しくはその加水分解縮合物にて修飾したものである。ここで、R、R、R、R10およびR11; XおよびY; nおよびmは、一般式(4)〜(9)におけるそれらと同様である。
オルガノポリシロキサンとしては、例えば、ポリジアルキルシロキサン、ポリジアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン等を好適に挙げられ、より具体的には、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルジメチルシロキサン等を挙げられる。これらの内の1種類を用いても良く、あるいは2種類以上を併用しても良い。オルガノポリシロキサンの数平均分子量(Mn)は、100〜100,000の範囲、さらには1,000〜50,000の範囲のものが好ましい。
オルガノポリシロキサンの主鎖の少なくとも片末端あるいは側鎖の少なくとも一方であって少なくとも一部を修飾する金属アルコキシドとしては、特に制限は無いが、アルコキシシランが特に好ましい。アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類; メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類; ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン類を例示できる。これらのアルコキシシランの内の1種類を用いても良く、あるいは2種類以上を併用しても良い。アルコキシシランとしては、特に、テトラメトキシシランおよびトリメトキシメチルシランが好ましい。オルガノポリシロキサンとして、特に、ポリジメチルシロキサンおよびポリジフェニルジメチルシロキサンが好ましい。上記好ましいアルコキシシランと上記好ましいオルガノポリシロキサンとを組み合わせると、好適に、末端をメトキシシランにて修飾したポリジメチルシロキサンまたはポリジフェニルジメチルシロキサンを生成できる。アルコキシシランの分子量は、90〜1,000の範囲、さらには100〜300の範囲のものが好ましい。
アルコキシシランの加水分解縮合物としては、ポリメチルシリケート、ポリエチルシリケート、ポリプロポキシシリケート、ポリブトキシシリケート、ポリブトキシシリケートを好適に例示できる。これらのアルコキシシランの加水分解縮合物の内の1種類を用いても良く、あるいは2種類以上を併用しても良い。アルコキシシランの加水分解縮合物としては、特に、ポリエチルシリケートが好ましい。オルガノポリシロキサンとしては、先に述べたように、ポリジメチルシロキサンおよびポリジフェニルジメチルシロキサンが好ましい。上記好ましいアルコキシシランの加水分解縮合物と上記好ましいオルガノポリシロキサンとを組み合わせると、好適に、末端をエトキシシランにて修飾したポリジメチルシロキサンまたはポリジフェニルジメチルシロキサンを生成できる。アルコキシシランの加水分解縮合物の数平均分子量(Mn)は、300〜30,000の範囲、さらには500〜5,000の範囲のものが好ましい。
金属アルコキシド修飾ポリシロキサンにおいて、オルガノポリシロキサンの主鎖の少なくとも片末端あるいは側鎖の少なくとも一方であって少なくとも一部を修飾する金属アルコキシドの重合物は、好ましくは、数平均分子量(Mn)が150以上のメトキシシランまたは数平均分子量(Mn)が500以上、より好ましくは750以上のエトキシシランである。エトキシシランの数平均分子量(Mn)は、1,000以上、さらには1,300以上が好ましい。なお、オルガノポリシロキサンを修飾するメトキシシランは、先に述べたテトラメトキシシランあるいはメチルトリメトキシシラン以外に、ジメチルジメトキシシランあるいはメトキシ基を有するシランカップリング剤でも良い。
金属アルコキシドとして、アルコキシランを例に説明したが、例えば、金属にチタニウムを用いたテトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトラ−n−プロポキシチタニウム、テトラ−i−プロポキシチタニウム、テトラ−n−ブトキシチタニウムなどのテトラアルコキシチタニウム類; メチルトリメトキシチタニウム、メチルトリエトキシチタニウム、エチルトリメトキシチタニウム、エチルトリエトキシチタニウム、n−プロピルトリメトキシチタニウム、n−プロピルトリエトキシチタニウム、i−プロピルトリメトキシチタニウム、i−プロピルトリエトキシチタニウム、n−ブチルトリメトキシチタニウム、n−ブチルトリエトキシチタニウム、n−ペンチルトリメトキシチタニウム、n−ヘキシルトリメトキシチタニウム、n−ヘプチルトリメトキシチタニウム、n−オクチルトリメトキシチタニウム、ビニルトリメトキシチタニウム、ビニルトリエトキシチタニウム、シクロヘキシルトリメトキシチタニウム、シクロヘキシルトリエトキシチタニウム、フェニルトリメトキシチタニウム、フェニルトリエトキシチタニウム、3−クロロプロピルトリメトキシチタニウム、3−クロロプロピルトリエトキシチタニウム、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシチタニウム、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシチタニウム、3−アミノプロピルトリメトキシチタニウム、3−アミノプロピルトリエトキシチタニウム、2−ヒドロキシエチルトリメトキシチタニウム、2−ヒドロキシエチルトリエトキシチタニウム、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシチタニウム、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシチタニウム、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシチタニウム、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシチタニウム、3−メルカプトプロピルトリメトキシチタニウム、3−メルカプトプロピルトリエトキシチタニウム、3−イソシアナートプロピルトリメトキシチタニウム、3−イソシアナートプロピルトリエトキシチタニウム、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシチタニウム、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシチタニウム、3−ウレイドプロピルトリメトキシチタニウム、3−ウレイドプロピルトリエトキシチタニウムなどのトリアルコキシチタニウム類; ジメチルジメトキシチタニウム、ジメチルジエトキシチタニウム、ジエチルジメトキシチタニウム、ジエチルジエトキシチタニウム、ジ−n−プロピルジメトキシチタニウム、ジ−n−プロピルジエトキシチタニウム、ジ−i−プロピルジメトキシチタニウム、ジ−i−プロピルジエトキシチタニウム、ジ−n−ブチルジメトキシチタニウム、ジ−n−ブチルジエトキシチタニウム、ジ−n−ペンチルジメトキシチタニウム、ジ−n−ペンチルジエトキシチタニウム、ジ−n−ヘキシルジメトキシチタニウム、ジ−n−ヘキシルジエトキシチタニウム、ジ−n−ヘプチルジメトキシチタニウム、ジ−n−ヘプチルジエトキシチタニウム、ジ−n−オクチルジメトキシチタニウム、ジ−n−オクチルジエトキシチタニウム、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシチタニウム、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシチタニウム、ジフェニルジメトキシチタニウム、ジフェニルジエトキシチタニウムなどのジアルコキシチタニウム類を例示できる。シリコンやチタニウム以外の金属のアルコキシドについても同様のものを例示できる。
金属アルコキシド修飾ポリシロキサン(C)の添加量は、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜40質量部、好ましくは1〜20質量部、さらに好ましくは3〜10質量部である。また、金属アルコキシド修飾ポリシロキサン(C)が、オルガノポリシロキサン1モルに対して1モルを超える金属アルコキシドを添加して成るのが好ましい。オルガノポリシロキサンの少なくとも一部に、その主鎖の両末端あるいは側鎖の両側が金属アルコキシド若しくはその加水分解縮合物によって修飾されたものを含み得るようになり、接着強度の向上に寄与するからである。
金属アルコキシド修飾ポリシロキサン以外に、その金属アルコキシド修飾ポリシロキサンを形成する以上の余剰の金属アルコキシドが存在していても良い。ただし、その余剰の金属アルコキシドは少量であるのが好ましい。硬化組成物中の金属アルコキシドの量から算出される理論上の金属アルコキシド修飾ポリシロキサンを100%としたときの実際の金属アルコキシド修飾ポリシロキサンの割合(変性率という)が90〜100%の範囲、さらには93〜100%の範囲であるのが好ましい。微量の金属アルコキシドが残存する場合には、変性率は90〜99.9%の範囲、さらに好ましくは93〜99.9%の範囲であるのが好ましい。ここで、「変性率」は、以下の方法によって算出する。オルガノポリシロキサンの主鎖の少なくとも片末端あるいは側鎖の少なくとも一方であって少なくとも一部を修飾する変性処理前の金属アルコキシド(例えば、エトキシシラン)の量に対して、変性オルガノポリシロキサン(例えば、変性PDMS)合成処理後の金属アルコキシドの量をゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により推定する。この結果、減少分の金属アルコキシドは、オルガノポリシロキサンに全て導入されたとみなし、金属アルコキシドの消費量から金属アルコキシド変性オルガノポリシロキサンの変性率を求める。より詳細な方法については、実施例の項で述べる。変性率の増減は、変性処理を行う際の加熱温度の増減、あるいは温度一定の下で加熱時間の増減によって調整可能である。
金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、好ましくは、重量平均分子量(Mw)が400以下の低分子成分をGPC測定上検出されないものである。GPCにて測定しても検出が認められないことは、当該低分子成分が全く存在しないことを意味しない。よって、GPC検出限界下の微量の上記低分子成分が存在していても良い。かかる低分子成分の低減は、例えば、変性処理後に、不活性ガス(例えば、乾燥窒素ガス)のフロー中にて、90〜120℃、より好ましくは95〜110℃にて加熱して行う。なお、Mwが400以下の低分子成分が検出されないものが好ましいが、Mw≦300あるいはMw≦200の低分子成分が検出されないものであっても良い。
(D)その他添加物
(1)光安定化剤
この実施の形態に係る硬化性組成物には、光安定化剤を添加しても良い。光安定化剤は、樹脂の耐候性の向上あるいは熱的安定性を付与するのに有効である。光安定化剤および次に説明する紫外線吸収剤は、チタニウムキレートの硬化触媒としての機能を低下させる可能性があるため、グアニジン化合物を添加して、触媒機能の低下を有効に防止できる。さらに、金属アルコキシド修飾ポリシロキサンを添加すると、硬化体と基材との接着強度をより向上させることができる。光安定化剤としては、特に制約なく用いることができ、特にヒンダードアミン系のものを好適に用いることができる。ヒンダードアミン系光安定化剤としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ブチルマロネート、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物などを例示できる。
光安定化剤の添加量は、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜7質量部、好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは1〜3質量部である。
(2)紫外線吸収剤
この実施の形態に係る硬化性組成物には、紫外線吸収剤を添加しても良い。紫外線吸収剤は、紫外線を吸収する機能をもち、樹脂の耐候性の向上あるいは熱的安定性を付与するのに有効である。紫外線吸収剤としては、特に制約なく用いることができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、トリアジン系のものを好適に用いることができる。これらの内、特に、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤を好適に用いることができる。
ベンゾトリアゾール系としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−アミルルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2ーメチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}を例示できる。サリチル酸系としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートを例示できる。ベンゾフェノン系としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾフェノン)メタンを例示できる。シアノアクリレート系としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートを例示できる。トリアジン系としては、2−{4’,6’−ビス(2”,4”−ジメチルフェニル)−1’,3’,5’−トリアジン−2’−イル}−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4’,6’−ジフェニル−1’,3’,5’−トリアジン−2’−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールを例示できる。
紫外線吸収剤の添加量は、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して、0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部、さらに好ましくは0.5〜2質量部である。
(3)カップリング剤
この実施の形態に係る硬化性組成物には、カップリング剤を添加しても良い。カップリング剤は、硬化性組成物と無機基材(接着あるいはシーリングする対象)との密着性を向上するのに有効である。カップリング剤は、硬化触媒に有機錫化合物を用いる場合に有効である。カップリング剤としては、アミノプロピルメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)アミノプロビルトリメトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤; グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシジルブチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤; メルカトプロピルトリメトキシシラン、メルカトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン系カップリング剤; メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等のシラン系カップリング剤; ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジメチルアミノトリメチルシラン、トリシラザン、シクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメテルシクロトリシラザン等のオルガノシラザン化合物を例示できる。カップリング剤の添加量は、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して、0.05〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜2質量部である。
(4)充填剤
この実施の形態に係る硬化性組成物には、充填剤を添加しても良い。充填剤は、硬化性組成物の硬化体の高加工性あるいは強度補強を目的に添加することができる。充填剤としては、シリカ、酸化チタニウム、アルミナ、ジルコニア等の無機酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸バリウムなどがあり、粒子状、板状あるいは繊維状のものを例示することができる。特に、粒子径が小さく、かつ硬化性組成物との相性の良いシリカあるいは炭酸カルシウムが好ましい。充填剤の添加量は、充填剤も含めた硬化性組成物の全質量に対して2〜99質量%である。
(5)可塑剤
この実施の形態に係る硬化性樹脂組成物には、可塑剤を添加しても良い。可塑剤とは材料に柔軟性を与え、配合物の混合分散を助けるものである。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニルなどのフタル酸エステル系、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニルなどのアジピン酸エステル系、トリメリット酸エステルやピロメリット酸エステルクエン酸エステルなどがある。可塑剤の添加量は、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して、1〜100質量部、好ましくは2〜50質量部である。
(6)遊離の金属アルコキシドおよび/または遊離のオルガノポリシロキサン
金属アルコキシド修飾ポリシロキサンを形成するに必要な金属アルコキシドあるいはオルガノポリシロキサンを超える量の金属アルコキシドあるいはオルガノポリシロキサンが含まれていても良い。ただし、その場合、上述の変性率を、90〜99.9%の範囲、好ましくは93〜99.9%の範囲とすることができる。
II.硬化性組成物の製造方法
次に、この実施の形態に係る硬化性組成物の製造方法について説明する。
この実施の形態に係る硬化性組成物は、窒素等の不活性ガス雰囲気下にて、架橋性シリル基含有樹脂(A)、硬化触媒(B)、金属アルコキシド修飾ポリシロキサン(C)、必要に応じてその他添加物(D)と、を混合して得ることができる。酸素や水分は、硬化性組成物の硬化に寄与するので、混合工程において、できる限り排除するのが好ましい。ただし、酸素や水分の完璧な排除は必須の要件ではない。基本的に、上記構成物の混合順に大きな制約は無いが、硬化触媒を混合する前に、架橋性シリル基含有樹脂と、金属アルコキシド修飾ポリシロキサンと、必要に応じてその他添加物とが均一に混合している方が好ましい。このような趣旨から、硬化触媒を最後に混合するのがより好ましい。ただし、硬化触媒が複数種から構成されている場合において、硬化触媒の構成物同士を接触させると、硬化触媒の品質低下を招く恐れがある場合には、硬化触媒の一部の構成物を架橋性シリル基含有樹脂に混合しておき、そこに、硬化触媒の別の構成物を混合するのが好ましい。例えば、グアニジン化合物に属する1−(o−トリル)ビグアニドは、チタニウムキレートと混合すると不安定になりやすい。このため、1−(o−トリル)ビグアニドを架橋性シリル基含有樹脂と混合しておき、続いて種々の材料を混合し、最後に、チタニウムキレートを混合するのが好ましい。硬化触媒の品質上の問題が無い限り、架橋性シリル基含有樹脂に、金属アルコキシド修飾ポリシロキサン、その他添加物、硬化触媒の順に混合して、硬化性組成物を作製するのが好ましい。硬化触媒が複数の構成物から成る場合には、架橋性シリル基含有樹脂との混合に先立ち、予め調製しておくのが好ましい。例えば、硬化触媒が、チタニウムキレートとグアニジン化合物との組み合わせ(B1)の場合には、チタニウムアルコキシド(チタニウムイソプロポキシド等)と2座配位キレート化剤(アセト酢酸エチル等)とを混合してチタニウムキレートを生成し、そこにグアニジン化合物(1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等)を混合する。チタニウムキレートの生成の際に発熱するので、チタニウムアルコキシドと2座配位キレート化剤とを冷却しながら混合するのが好ましい。なお、チタニウムアルコキシドの凝固点以下に冷却すると、チタニウムアルコキシドが凝固してしまい、混合不可の状態になるため、当該凝固点より高い温度を保ちながら冷却するのが好ましい。
以上より、この実施の形態に係る硬化性組成物は、次のような工程を経て作製できる。
(製造方法1)
硬化性組成物の製造方法1は、架橋性シリル基含有樹脂(A)と金属アルコキシド修飾ポリシロキサン(C)とを混合する第1混合工程と、
上記第1混合工程で得られる混合物に、硬化触媒(B: チタニウムキレートとグアニジン化合物との組み合せ(B1)または有機錫化合物(B2)を含む)を混合する第2混合工程と、を含む。
(製造方法2)
硬化性組成物の製造方法2は、架橋性シリル基含有樹脂(A)とグアニジン化合物とを混合する第3混合工程と、
上記第3混合工程で得られる混合物に、金属アルコキシド修飾ポリシロキサン(C)を混合する第4混合工程と、
上記第4混合工程で得られる混合物に、チタニウムキレートを混合する第5混合工程と、を含む。
(製造方法3)
硬化性組成物の製造方法3は、架橋性シリル基含有樹脂(A)と金属アルコキシド修飾ポリシロキサン(C)を混合する第6混合工程と、
上記第6混合工程で得られる混合物に、グアニジン化合物を混合する第7混合工程と、
上記第7混合工程で得られる混合物に、チタニウムキレートを混合する第8混合工程と、を含む。
(製造方法4)
光安定化剤、紫外線吸収剤、充填剤またはカップリング剤等のその他添加物(D)を混合する工程は、硬化触媒(B)を混合する工程、あるいはチタニウムキレートを混合する工程よりも前に行うと良い。
III.硬化体
この実施の形態に係る硬化体は、上述のいずれかの硬化性組成物を硬化して得られる。硬化性組成物は、該組成物を大気中、室温にて所定箇所に存在せしめ、所定時間放置することにより硬化する。より具体的な硬化方法は、特に限定されないが、例えば、15〜45℃、好ましくは20〜30℃の温度(室温:23℃がより好ましい)、30〜70%RH、好ましくは40〜60%RHの湿度の環境下で静置する方法である。「所定時間」は、短時間である方が好ましいが、24時間以上、さらには168時間でほぼ確実な硬化に至る。
IV. 接着強度
本発明において、接着強度とは初期(1日後程度)またはそれ以降(7日後程度)の接着強度をいう。製品や使用形態によって、初期に接着強度の発現が望ましい場合、一方で比較的遅い段階で接着強度の発現が望ましい場合等、異なるからである。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<1.硬化性組成物の作製に用いた材料>
A.架橋性シリル基含有樹脂
架橋性シリル基含有樹脂(硬化性組成物の主剤)として、シリル末端ポリエーテル(株式会社カネカ製、品番:カネカサイリルEST280、以後「EST280」と略する)を使用した。
B.硬化触媒
(1)チタニウムキレート
チタニウムキレート作製用のチタニウムアルコキシドとして、チタニウムテトライソプロポキシド(関東化学株式会社製、以後、「TTiP」と略する)を用いた。
チタニウムキレート作製用のキレート化剤として、アセト酢酸エチル(関東化学株式会社製、以後、「EAcAc」と略する)を用いた。
C.グアニジン化合物
グアニジン化合物として、1−(o−トリル)ビグアニド(大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーBG、以後、「BG」と略する)および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(東京化成工業株式会社製、以後、「TMG」と略する)の2種類のグアニジン化合物を用いた。
D.有機錫化合物
有機錫化合物として、ジラウリン酸ジブチル錫(東京化成工業株式会社製、以後、「DBTDL」と略する)を用いた。
E.金属アルコキシド修飾ポリシロキサン
表1に、金属アルコキシド修飾ポリシロキサンの一例であるアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの作製に供した材料を示す。
オルガノポリシロキサンとして、2種類のポリジメチルシロキサン(モメンティヴ社製、品番:YF3800およびYF3057、以後、両者を総称する意味で「PDMS」と略する)と、1種類のポリジフェニルジメチルシロキサン(モメンティヴ社製、品番:YF3804、以後、「PDPDMS」と略する)を用いた。
オルガノポリシロキサンの末端修飾用のアルコキシシランとして、1種類のテトラメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 品番:KBM―04、以後、「TMOS」と略する)と、2種類のエチルシリケート(多摩化学工業株式会社製、品番: ES40およびES45、以後、両者を総称する意味で「ES」と略する)を用いた。
F.光安定化剤および紫外線吸収剤
光安定化剤および紫外線吸収剤として、それぞれ、ヒンダードアミン(城北化学工業株式会社製、品番:JF−90)およびベンゾトリアゾール(株式会社アデカ社製、品番:LA−36)を用いた。
G.カップリング剤
カップリング剤として、アミノシラン(東京化成工業株式会社製、3―アミノプロピルトリメトキシシラン)を用いた。
<2.硬化触媒の調製>
(調製例1)・・・チタニウムキレート
チタニウムキレートを作製するため、密閉された窒素雰囲気下、TTiP:EAcAc=1:2のモル比にてTTiPとEAcAcとをスクリュー管瓶内に入れ、マグネチックスターラーを用いて30分間撹拌した。
(調製例2)・・・チタニウムキレート−TMG系
チタニウムキレートとTMGとが等モルになるように、チタニウムキレート入りのスクリュー管瓶内にTMGを入れ、マグネチックスターラーを用いて30分間撹拌した。
<3.アルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの調製>
表2に、調製したアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを示す。図1に、想定されるアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの末端修飾パターンを模式的に示す。
(調製例a)・・・ES45−3800(1:1)
密閉された窒素雰囲気下、25℃にて、ES:PDMS=1:1のモル比にて、ES(品番:ES45)とPDMS(品番:YF3800)をスクリュー管瓶に入れマグネチックスターラーを用いて30分間撹拌したのち、あらかじめチタニウムテトラエトキシド(メルク社製、以後、「TTE」と略する)とDL−リンゴ酸ジエチルエステル(東京化成工業株式会社製、以後、「MA」と略する)とを同モルで混合しておいた溶液を前記ESとPDMSの混合液1モルに対して0.0165モルを加えて、マグネチックスターラーを用いて密封したまま130℃で8時間加熱撹拌した。反応は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)およびゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を用いて確認した。TTEとMAの上記混合液は、TTEとMAとを同モルでスクリュー管瓶の中に入れ、25℃で30分間攪拌して作製した(WO2010/143357の実施例1を参照)。TTEとMAの混合液は、アルコキシランのオルガノポリシロキサンへの修飾反応を促進する効果がある。調製例aのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの想定される形態は、図1のパターン(1)である。
(調製例b)・・・ES45−3800(2:1)
ES45とYF3800との比を、ES:PDMS=2:1に変更した以外、調製例aと同一条件で調製を行った。調製例bのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの想定される形態は、図1のパターン(2)である。
(調製例c)・・・TMOS−3804(2:1)
密閉された窒素雰囲気下、25℃にて、TMOS:PDPDMS=2:1のモル比にて、TMOSとPDPDMS(品番:YF3804)をスクリュー管瓶に入れマグネチックスターラーを用いて30分間撹拌したのち、調製例aにおいて用いたTTEとMAとの混合液を前記TMOSとPDPDMSの混合液1モルに対して0.0165モルを加えて、マグネチックスターラーを用いて密封したまま室温で24時間撹拌した。調製例cのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの想定される形態は、図1のパターン(3)である。
(調製例d)・・・ES40―3057(1:1)
ES:PDMS=1:1のモル比にて、ES(品番:ES40)とPDMS(品番:YF3057)を用いた以外、調製例aと同一条件で調製を行った。調製例dのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの想定される形態は、図1のパターン(1)である。
(調製例e)・・・ES45重合品−3800(1:1)
ES45の加熱重合を進めて、Mnを750から1300にまで高めたもの(「ES45重合品」という)を用意して、そのES45重合品をPDMSと混合した以外、調製例aと同一の方法で調製を行った。調製例eのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの想定される形態は、図1のパターン(4)である。
(調製例f)・・・ES45重合品−3800(2:1)
ES45重合品を、ES重合品:PDMS=2:1のモル比にてPDMSと混合した以外、調製例eと同一の方法で調製を行った。調製例fのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの想定される形態は、図1のパターン(5)である。
(調製例g)・・・ES45−3804(2:1)
ES45を、ES45:PDPDMS=2:1のモル比になるように、PDPDMS(品番:YF3804)に混合し、調製例aにおいて用いたTTEとMAとの混合液を前記ESとPDPDMSの混合液1モルに対して0.033モルを加えた以外、調製例bと同一の方法で調製を行った。調製例gのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの想定される形態は、図1のパターン(6)である。
<4.各種硬化性組成物の作製−Part1−>
(実施例1)
シリル末端ポリエーテル(EST280)14.25gと調製例aのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサン0.75gを軟膏容器(UG軟膏壺 馬野化学容器株式会社製)に入れ、自転/公転ミキサー(あわとり練太郎 株式会社シンキー製)を用いて1分間撹拌した。次に、光安定化剤としてのヒンダードアミン(JF−90)0.3gおよび紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール(LA―36)0.15gを投入し、さらに1分間撹拌した。次に、BGを0.1575g加えて3分間撹拌した後、チタニウムキレート0.45gを加えて3分間の撹拌と1分間の脱泡処理を行い、液状の硬化性組成物を得た(チタニウムキレートとBGは等モル)。
(実施例2)
BGを0.4725gに増加した以外、実施例1と同一条件で硬化性組成物を作製した(チタニウムキレートに対してBGは3倍モル)。
(実施例3)
調製例aに代えて調製例bのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを用いた以外、実施例1と同一条件で硬化性組成物を作製した(チタニウムキレートとBGは等モル)。
(実施例4)
シリル末端ポリエーテル(EST280)14.25gと調製例cのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサン0.75gを軟膏容器に入れ、自転/公転ミキサーを用いて1分間撹拌した。次に、光安定化剤としてのヒンダードアミン(JF−90)0.3gおよび紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール(LA―36)0.15gを投入し、さらに1分間撹拌した。次に、チタニウムキレート―TMG系硬化触媒0.5475gを加え、3分間の撹拌と1分間の脱泡処理を行い、液状の硬化性組成物を得た(チタニウムキレートとTMGは等モル)。
(実施例5)
調製例aに代えて調製例cのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを用いた以外、実施例1と同一条件で硬化性組成物を作製した(チタニウムキレートとBGは等モル)。
(実施例6)
シリル末端ポリエーテル(EST280)を12gに減らし、調製例aに代えて調製例dのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサン3gを入れた以外、実施例1と同一条件で硬化性組成物を作製した(チタニウムキレートとBGは等モル)。
(実施例7)
シリル末端ポリエーテル(EST280)14.25gと調製例aのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサン0.75gを軟膏容器に入れ、自転/公転ミキサーを用いて1分間撹拌した。実施例1の硬化触媒に代えてDBTDL(Sn1と称する)0.15gとアミノシラン0.15gを加えた以外、実施例1と同一条件で硬化性組成物を作製した。
(比較例1)
BGを混合していない点を除き、実施例1と同一条件で硬化性組成物を作製した。
(比較例2)
シリル末端ポリエーテル(EST280)を15gとし、BGを混合せず、調製例aのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを入れない点を除き、実施例1と同一条件で硬化性組成物を作製した。
(比較例3)
シリル末端ポリエーテル(EST280)を15gとし、調製例aのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを入れない点を除き、実施例1と同一条件で硬化性組成物を作製した。
(比較例4)
シリル末端ポリエーテル(EST280)を15gとし、調製例cのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを入れない点を除き、実施例4と同一条件で硬化性組成物を作製した。
(比較例5)
BGを入れなかった以外、実施例6と同一条件で硬化性組成物を作製した。
(比較例6)
シリル末端ポリエーテル(EST280)を15gとし、調製例aのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを入れなかった以外、実施例7と同一条件で硬化性組成物を作製した。
<5.評価方法>
(1)皮張り時間
皮張り時間は、指触乾燥時間を意味する。各種硬化性組成物を室温(23℃)湿度50%の雰囲気下に開放して硬化を開始させ、表面にステンレス製のスパチュラを接触させて液状の硬化性組成物が付着しなくなるまでの時間を皮張り時間とする。
(2)強度
基材として、エタノールとアセトンにて脱脂した長さ50mm、幅20mm、厚さ2mm)アルミニウム板(A2017S)を用いた。一枚の板に、硬化性組成物を接着面積が20mm×20mm=400mm2、厚み200μm以上となるようにドクターブレードを用いて片面に塗布し、23℃,50%RH下で5分放置した。その後、200μm厚のスペーサーを介して硬化性組成物の塗布されていないアルミ板を貼り合わせ、ピンチ2個を用いて圧締し23℃,50%RH下で1日〜7日間養生したものを試験片とした。接着強度の測定方法は、JIS K6850 剛性被着材の引張りせん断接着強さ試験方法に準拠し、引張り試験機(株式会社島津製作所製精密万能試験機オートグラフAGS−J)を用いて各アルミニウム板の端部を反対方向に引張り、接着面が剥がれるときの応力を接着面積(20mm×20mm)で除することにより、接着強度(MPa)を算出した。試験速度5mm/minで測定した。
(3)機械的特性
JIS K 6251に従って、弾性率(Elastic Modulus)、引張破壊強度(Tensile Strength at Break)および伸び率(Elongation)を計測した。各種硬化性組成物を厚さ約1mmで硬化後、ダンベル状7号形の形状に打ち抜き、引張り試験機(株式会社島津製作所製精密万能試験機オートグラフAGS−J)を用いて各試験片の両端を、試験片が破断するまで速度100mm/minで引っ張ることで求めた。
<6.評価結果>
表3および表4に、各種硬化組成物の作製条件およびそれを硬化させて得られた各種硬化体の評価結果を示す。図2は、実施例1と比較例3の接着強度(1日後および7日後)を比較して示す。図3は、実施例1と比較例3の機械的特性(弾性率、引張破壊強度、伸び率)を比較して示す。図4は、実施例1、実施例2および比較例1の接着強度(1日後および7日後)を比較して示す。図5は、実施例1、実施例2および比較例1の機械的特性(弾性率、引張破壊強度、伸び率)を比較して示す。図6は、実施例7と比較例6の接着強度(1日後および7日後)を比較して示す。図7は、実施例7と比較例6の機械的特性(弾性率、引張破壊強度、伸び率)を比較して示す。図2、図4および図6において、1日後の接着強度(1d)は左側の棒グラフを、7日後の接着強度(1w)は右側の棒グラフを、それぞれ示す。
チタンキレート触媒のみを添加する場合(比較例2)には、接着強度は不十分となる。
アルコキシシラン末端修飾ポリシロキサン(表中、変性ポリマー)を添加した場合(比較例1、比較例5)においても、接着強度の増強効果は見られなかった。また、グアニジン化合物のみを添加した場合(比較例3、比較例4)、接着強度の増強効果は不十分であった。一方、チタニウムキレートのみを添加した場合(比較例2)と比較して、実施例1から実施例6に示すように、チタニウムキレートに、グアニジン化合物および各種変性ポリマーの両方が添加される場合には接着強度の増強効果が確認された。特に、実施例1から4、および実施例6においては、1日後および7日後の接着強度のいずれもが高くなり、接着強度の増強効果は大きかった。一方、実施例5では比較例3と比較すると、7日後の接着強度の向上に寄与するのみであることから、グアニジン化合物の種類によって、両末端修飾ポリシロキサンの寄与するところが異なることがわかった。図2および図3に示すように、変性ポリマーの有無に差を有する実施例1と比較例3の接着強度と機械的特性とを比較すると、変性ポリマーの添加により、弾性率および引張破壊強度の向上が見られ、このことが接着強度の向上にも影響していると考えられる。さらに、錫系触媒を用いた実施例7と比較例6との比較から、変性ポリマーの存在が1日後および7日後の接着強度の向上に寄与していることがわかった。また、実施例のいずれも皮張り時間が30分を超えており、塗布行程から貼付け行程までの可使時間が長くとれることから、作業性の向上も期待できる。
また、実施例1と実施例2との比較から、グアニジン化合物を質量比にて3倍に増加させた方が、接着強度が高くなることがわかった。実施例1と実施例3との比較から、末端修飾用のアルコキシシランをモル比にて2倍として両末端修飾ポリシロキサンを構成する方が、接着強度、特に1日後の接着強度の向上に寄与することがわかった。それは、両末端修飾ポリシロキサンの種類をTMOS−PDPDMSに変えた実施例4、および、末端修飾ポリシロキサンの種類をES40−PDPDMSに変えた実施例6でも同様であった。
図4および図5に示すように、実施例1、実施例2および比較例1の接着強度と機械的特性とを比較すると、接着強度の向上と、弾性率あるいは引張破壊強度との相関が必ずしも認められないことから、硬化体そのものの強度以外に、硬化体とアルミニウム板との界面の接着が接着強度の向上に関与していると考えられる。
図6および図7に示すように、実施例7および比較例6の接着強度と機械的特性とを比較すると、接着強度の向上と、弾性率あるいは引張破壊強度との相関が認められた。このことから、錫系触媒を用いた場合には、硬化体そのものの強度が接着強度の向上に関与していると考えられる。
<7.各種硬化性組成物の作製−Part2−>
末端アルコキシシランの分子量の影響
(実施例8)
調製例aのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンに代えて、調製例eのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを用いた以外を、実施例1と同条件にて液状の硬化性組成物を得た。
(実施例9)
調製例aのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンに代えて、調製例fのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを用いた以外を、実施例1と同条件にて液状の硬化性組成物を得た。
<8.評価方法>
評価は、先の<5.評価方法>と同方法にて行った。
<9.評価結果>
表5に、実施例8,9の各種硬化組成物の作製条件およびそれを硬化させて得られた各種硬化体の評価結果を示す。比較のため、先の実施例3も表5中に示す。
表5から明らかなように、ポリシロキサンの片末端若しくは両末端を修飾するアルコキシシランの重合度が高い(ここでは、Mnが高いことと同義)と、接着強度が高くなることがわかった。
<10.各種硬化性組成物の作製−Part3−>
変性処理の影響
(実施例10)
調製例gのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを130℃で4時間加熱して、変性率93%のアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを用意した。当該変性率93%のアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサン1.5gと、シリル末端ポリエーテル(EST280)13.5gとを軟膏容器(UG軟膏壺 馬野化学容器株式会社製)に入れ、自転/公転ミキサー(あわとり練太郎 株式会社シンキー製)を用いて1分間撹拌した。次に、光安定化剤としてのヒンダードアミン(JF−90)0.3gおよび紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール(LA―36)0.15gを投入し、さらに1分間撹拌した。次に、BGを0.1575g加えて3分間撹拌した後、チタニウムキレート0.45gを加えて3分間の撹拌と1分間の脱泡処理を行い、液状の硬化性組成物を得た(チタニウムキレートとBGは等モル)。
変性率(%)は、次の要領で算出した。例として、ES−3804のアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを用いて説明する。まず、変性処理前のES量に対して、変性PDPDMS合成処理後のES量をGPCにより推定する。
図8は、変性処理前のGPC曲線(8A)およびESピーク強度の波形分離前後の曲線(8B)を示す。
変性処理前後のES量の減少分は、PDPDMSに全て導入されたものと仮定して、ES消費量からES変性PDPDMSの変性率を求める。具体的には、下記の両式から変性率(%)を求めた。
・変性率(%)=100−ES残存率(%)
・ES残存率(%)=100×変性後ES量(図8(8B)のピーク2の面積)/初期ES量(図8(8A)のES曲線の面積)
(実施例11)
調製例gのアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを130℃で6時間加熱して、変性率97%のアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンを用意し、当該変性率97%のアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサン1.5gと、シリル末端ポリエーテル(EST280)13.5gとを混合した以外を、実施例10と同条件で液状の硬化性組成物を得た。変性率は、実施例10と同様の方法で算出した。
(実施例12)
変性率97%のアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンから低分子成分を低減させる処理を行った後、その1.5gをシリル末端ポリエーテル(EST280)13.5gと混合した以外を、実施例11と同条件で液状の硬化性組成物を得た。低分子成分を低減する処理は、乾燥窒素ガスのフローを行いながら100℃にて40分間加熱する方法にて行った。かかる低分子成分の低減処理によって、硬化性組成物は、重量平均分子量(Mw)が400以下の低分子成分がGPCによって確認できないものとなった。変性率は、実施例10と同様の方法で算出した。
(比較例7)
ES45:PDPDMS=2:1(モル比)となる量のES45とPDPDMSを用意し、ES45+PDPDMSを総量にて1.5gとり、これをシリル末端ポリエーテル(EST280)13.5gと混合した以外を、実施例10と同条件で液状の硬化性組成物を得た。比較例7では、変性率はゼロとみなした。
<11.評価方法>
評価は、先の<5.評価方法>と同方法にて行った。
<12.評価結果>
表6に、実施例10〜12および比較例7の各種硬化組成物の作製条件およびそれを硬化させて得られた各種硬化体の評価結果を示す。図9は、変性処理前、変性率91%、変性率93%および変性率97%のアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサン(ES45−PDPDMS)のGPCの変化を示すチャート(9A)および変性率97%まで変性処理を行った後に低分子成分の低減処理を行ったものと行っていないものの各GPCを比較して示すチャート(9B)をそれぞれ示す。
図9に示すように、変性率の上昇に伴いESのピークが減少し、PDPDMSのピークが高分子側にシフトしていくことがわかった。また、変性処理後に低分子成分の低減処理を行うと、重量平均分子量(Mw)が400以下の低分子成分のピークが認められないこともわかった。
表6に示すように、樹脂に混合するアルコキシシラン末端修飾ポリシロキサンの変性率を予め93%あるいは97%と上げておくことにより、変性せずに樹脂に混合した場合と比べて接着強度が高くなることがわかった。また、重量平均分子量(Mw)が400以下の低分子成分をGPC測定上検出できないレベルまで低分子低減ステップを行うことによって、当該ステップを経ない場合と比べて、接着強度がより高まることがわかった。
本発明は、例えば、接着剤、シール材等に利用可能である。

Claims (14)

  1. (A)架橋性シリル基含有樹脂と、
    (B)チタニウムキレートとグアニジン化合物との組み合せ(B1)または有機錫化合物(B2)を含む硬化触媒と、
    (C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンと、
    を含む硬化性組成物。
  2. 前記(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、メトキシシランまたはエトキシシランをオルガノポリシロキサンの主鎖の片末端若しくは両末端あるいは側鎖の片側若しくは両側に有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、前記オルガノポリシロキサンをメトキシシラン若しくはエトキシシランにて修飾したポリジメチルシロキサンまたはメトキシシラン若しくはエトキシシランにて修飾したポリジフェニルジメチルシロキサンであることを特徴とする請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、数平均分子量(Mn)が150以上のメトキシシランまたは数平均分子量(Mn)が750以上のエトキシシランを含む請求項2または請求項3に記載の硬化性組成物。
  5. 前記メトキシシランは、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランあるいはメトキシ基を有するシランカップリング剤である請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、数平均分子量(Mn)が1,300以上のエトキシシランを含む請求項4に記載の硬化性組成物。
  7. 前記(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンを形成する以上の余剰の金属アルコキシドを含み、金属アルコキシドの量から算出される理論上の金属アルコキシド修飾ポリシロキサンを100%としたときの実際の前記(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンの割合が90〜99.9%である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記割合が93〜99.9%である請求項7に記載の硬化性組成物。
  9. 前記(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、重量平均分子量(Mw)が400以下の低分子成分をGPC測定上検出されないものである請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. 前記グアニジン化合物を、前記チタニウムキレート1モルに対して、0.1〜5モル添加して成ることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. 前記グアニジン化合物を、前記チタニウムキレート1モルに対して、2〜5モル添加して成ることを特徴とする請求項10に記載の硬化性組成物。
  12. 前記(C)金属アルコキシド修飾ポリシロキサンは、オルガノポリシロキサン1モルに対して1モルを超える金属アルコキシド若しくはその加水分解縮合物を添加して成ることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  13. 前記(B)硬化触媒はチタニウムキレートとグアニジン化合物との組み合せ(B1)であって、グアニジン化合物は1,1,3,3−テトラメチルグアニジンおよび1−(o−トリル)ビグアニドの内の少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化した硬化体。
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