JPWO2016017781A1 - 有機el発光装置 - Google Patents

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Abstract

光を生じうる発光層と、前記光を散乱しうる光散乱構造と、平均粒子径0.1μm〜2μmの第一光散乱粒子及びバインダを含む第一光散乱層と、条列状の凹凸構造と、をこの順に備え、前記第一光散乱層における光散乱の平均自由行程L1、及び、前記第一光散乱層の厚みD1が、D1/L1<15である、有機EL発光装置。

Description

本発明は、有機EL発光装置に関する。ここで、有機ELとは、有機エレクトロルミネッセンスの略称である。
複数層の電極間に発光層を設け、電気的に光を得る有機EL発光装置は、液晶セルに代わる表示装置としての利用が検討されている。また、有機EL発光装置は、その高発光効率、低電圧駆動、軽量、低コスト等の特性を生かした、平面型照明、液晶表示装置用バックライト等の面光源装置としての利用も検討されている。
有機EL発光装置を面光源装置の光源として利用する場合、有用な態様の光を高効率で素子から取り出すことが課題となる。例えば、有機EL発光装置の発光層自体は発光効率が高いものの、装置を構成する層間の屈折率差などの条件によっては、光がかかる層を透過して出光するまでの間の光の損失が大きくなる。したがって、そのような光の損失を可能な限り低減することが求められる。
光取出効率を高めるための方法として、例えば、有機EL発光装置の出光面に多数の凹部又は凸部を設けることが知られている。例えば、特許文献1には、有機EL発光装置の出光面に、角錐形状の凹部を形成することが提案されている。これにより、光取出効率の向上が期待される。
国際公開第2012/002260号
しかしながら、角錐形状の凹部又は凸部を出光面に形成すると、製造コストの上昇を招くことがあった。そこで、製造コストの上昇を抑制しながら有機EL発光装置の光取出効率を高められる技術が求められていた。
製造コストの上昇を抑制しながら光取出効率を高めるための技術としては、有機EL発光装置の出光面に、条列状の凹凸構造を形成することが考えられる。条列状の凹凸構造は、角錐形状の凹部及び凸部よりも少ない工程により容易に製造できる。そのため、一般に、条列状の凹凸構造は、角錐形状の凹部及び凸部よりも低コストで製造できる。しかし、条列状の凹凸構造を出光面に備える有機EL発光装置は、角錐形状の凹部又は凸部を出光面に形成した有機EL発光装置と同程度にまで光取出効率を高めることが難しかった。
本発明は前記の課題に鑑みて創案されたもので、条列状の凹凸構造を備え、且つ、光取出効率に優れる有機EL発光装置を提供することを目的とする。
本発明者は前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、発光層、光散乱構造及び条列状の凹凸構造をこの順に備えた有機EL発光装置の光散乱構造及び凹凸構造の間に、光散乱粒子及びバインダを含む光散乱層を所定の要件を満たすように設けることによって、光取出効率を高められることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕 光を生じうる発光層と、前記光を散乱しうる光散乱構造と、平均粒子径0.1μm〜2μmの第一光散乱粒子及び第一バインダを含む第一光散乱層と、条列状の凹凸構造と、をこの順に備え、
前記第一光散乱層における光散乱の平均自由行程L1、及び、前記第一光散乱層の厚みD1が、D1/L1<15である、有機EL発光装置。
〔2〕 前記第一光散乱粒子の平均粒子径が、0.4μm〜1μmであり、
D1/L1<6である、〔1〕記載の有機EL発光装置。
〔3〕 前記光散乱構造が、第二光散乱粒子を含む第二光散乱層であり、
前記第二光散乱層における光散乱の平均自由行程L2、及び、前記第二光散乱層の厚みD2が、(D1/L1+D2/L2)<6である、〔1〕又は〔2〕記載の有機EL発光装置。
〔4〕 前記第二光散乱層における、前記第二光散乱粒子の割合が、0.5重量%以上40重量%以下である、〔3〕記載の有機EL発光装置。
〔5〕 前記第二光散乱粒子の平均粒子径が、0.2μm以上2μm以下である、〔3〕又は〔4〕記載の有機EL発光装置。
〔6〕 前記凹凸構造が、プリズムを含む、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
〔7〕 前記プリズムの頂角が、80°以下である、〔6〕記載の有機EL発光装置。
〔8〕 前記第一バインダの屈折率が、1.5以上である、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
〔9〕 前記第一バインダが、高屈折ナノ粒子を含む、〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
〔10〕 前記高屈折率ナノ粒子は、前記第一バインダの全量に対する割合として、20重量%以上80重量%以下である、〔9〕記載の有機EL発光装置。
〔11〕 前記第一光散乱層が、粘着性を有する、〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
本発明によれば、条列状の凹凸構造を備え、且つ、光取出効率に優れる有機EL発光装置を提供できる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る有機EL発光装置を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係る有機EL発光装置の凹凸構造層の断面を模式的に示す断面図である。 図3は、ある例に係る光散乱層の平均自由行程と当該光散乱層に含まれる光散乱粒子の粒子径との関係を示すグラフである。 図4は、本発明の第二実施形態に係る有機EL発光装置を模式的に示す斜視図である。 図5は、ある例に係る凹凸構造層の出光面を模式的に示す平面図である。 図6は、本発明の実施例3に係るシミュレーションで得られたD1/L1と全光束との関係を示すグラフである。 図7は、本発明の実施例4に係るシミュレーションで得られたD1/L1及びD2/L2と全光束との関係を示す図である。 図8は、本発明の実施例5に係るシミュレーションで得られたプリズムの頂角と全光束との関係を示すグラフである。 図9は、参考例1で得られた光散乱粒子の濃度とD/Lとの関係を示すグラフである。
以下、実施形態及び例示物等を示して本発明について詳細に説明するが、本発明は以下に説明する実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
[1.第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る有機EL発光装置100を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の第一実施形態に係る有機EL発光装置100は、当該有機EL発光装置100の内部で生じた光を出光面100Uを通じて出光するための装置である。この有機EL発光装置100は、出光面100Uに近い方から、出光面構造層110、第一光散乱層120、支持基板としての基板層130、光散乱構造としての第二光散乱層140、発光素子層150及び封止層160を、この順に備える。また、出光面構造層110は、条列状の凹凸構造170を有する凹凸構造層111、及び、基材フィルム層112を備える。ここで「条列状の凹凸構造」とは、ある長さだけ連続して延在するように並んで設けられた複数の凹部又は凸部の集合のことを表す。さらに、発光素子層150は、第一電極層としての透明電極層151、第二電極層としての反射電極層153、並びに、透明電極層151及び反射電極層153の間に設けられた発光層152を備える。
有機EL発光装置100は、当該有機EL発光層装置100の厚み方向において、封止層160、反射電極層153、発光層152、透明電極層151、第二光散乱層140、基板層130、第一光散乱層120、基材フィルム層112及び凹凸構造層111を、この順に備えている。したがって、発光層152で生じた光は、透明電極層151を透過した後、又は、反射電極層153で反射されてから発光層152及び透明電極層151を透過した後で、第二光散乱層140、基板層130、第一光散乱層120、基材フィルム層112及び凹凸構造層111を透過して、出光面100Uを通って出光する。
〔1.1.出光面構造層110〕
出光面構造層110は、凹凸構造層111及び基材フィルム層112を備える。また、この出光面構造層110の発光素子層150とは反対側の面は、凹凸構造層111の基材フィルム層112とは反対側の面であり、有機EL発光装置100の最表面に露出している。よって、凹凸構造層111の基材フィルム層112とは反対側の面は、有機EL発光装置100としての出光面100U、即ち、有機EL発光装置100から装置外部に光が出光する際の出光面100Uである。
凹凸構造層111は、出光面100Uに条列状の凹凸構造170を有する。そのため、出光面100Uは、微視的に見ると平坦な面ではない。しかし、凹凸構造170に含まれる凹部及び凸部は小さいので、出光面100Uを巨視的に見ると、この出光面100Uは有機EL発光装置100の主面に平行な平坦面でありうる。そこで、以下の説明において、出光面100Uに対して平行又は垂直であるとは、別に断らない限り、凹部又は凸部を無視して巨視的に見た出光面100Uに対して平行又は垂直であることをいう。また、本実施形態において、有機EL発光装置100は、別に断らない限り、出光面100Uが水平方向に対して平行で且つ上向きになるよう載置した状態で説明する。さらに、構成要素が「平行」又は「垂直」であるとは、本発明の効果を損ねない範囲、例えば±5°の範囲内で誤差を含んでいてもよい。
出光面100Uに形成された条列状の凹凸構造170は、出光面100Uに対して平行な方向に延在する複数の凹部又は凸部を含む。通常、これらの凹部又は凸部は、いずれも同じ一方向に延在している。また、これらの凹部又は凸部は、本発明の効果を著しく損なわない限り、隙間に開けて形成されていてもよいが、通常は、隙間無く並んで形成されている。さらに、凹部又は凸部の形状は任意であり、例えば、凹部又は凸部が延在する方向に垂直な平面で当該凹部又は凸部を切った断面の形状が、多角形状、円又は楕円の一部の形状であってもよい。具体例を挙げると、前記の断面の形状が三角形状である場合、凹部又は凸部はプリズムとなる。また、前記の断面の形状が円又は楕円の一部の形状である場合、凹部又は凸部はレンチキュラーレンズとなる。
本実施形態では、凹凸構造170が、一方向に延在する複数の凸部としてのプリズム171の集合からなる例を示して説明する。各プリズム171は、プリズム171が延在する方向に垂直な平面で当該プリズム171を切った断面の形状が、二等辺三角形である。また、これらのプリズム171は、出光面100Uの全面に、互いに平行に隙間無く並んでいる。
図2は、本発明の第一実施形態に係る有機EL発光装置100の凹凸構造層111の断面を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、凹凸構造170に含まれるプリズム171の頂角θ171は、好ましくは10°以上、より好ましくは20°以上、特に好ましくは30°以上であり、好ましくは80°以下、より好ましくは70°以下、特に好ましくは65°以下である。プリズム171の頂角θ171を前記範囲の下限値以上にすることによりプリズム171の破損を抑制でき、また、上限値以下にすることにより有機EL発光装置100の光取出効率を高めることができる。
プリズム171の寸法は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、任意に設定しうる。例えば、プリズム171のピッチP171は、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、通常500μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。また、プリズム171の高さ(又は深さ)H171は、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、通常500μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。プリズム171の寸法をこのような範囲にすることにより、有機EL発光装置100の光取出効率を高めることができる。
凹凸構造層111の材料の例としては、通常、透明な材料を用いる。ここで材料が「透明」であるとは、当該材料が光学部材に用いるのに適した程度の光線透過率を有することを意味し、例えば、当該材料の1mm厚換算での全光線透過率が、通常80%以上、好ましくは90%以上であることを意味する。また、全光線透過率は、JIS K7361−1997に準拠して測定しうる。
透明な材料の具体例としては、各種の樹脂が挙げられる。かかる樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂;熱硬化性樹脂;並びに、紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性樹脂等のエネルギー線硬化性樹脂;を挙げることができる。なかでも熱可塑性樹脂は、熱による変形が容易であるため、好ましい。また、紫外線硬化性樹脂は、硬化性が高く効率が良いので、凹凸構造層111の効率的な形成が可能であるため、好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、シクロオレフィン樹脂が挙げられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エン/チオール樹脂、イソシアネート樹脂が挙げられる。さらに、これらの樹脂は、複数個の重合性官能基を有する重合体を含むものが好ましい。また、これらは、1種類を単独でもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、凹凸構造層111の材料は、凹凸構造170を形成しやすく且つ凹凸構造170の耐擦傷性を得やすいという観点から、硬化時の硬度が高い材料が好ましい。具体的には、7μmの膜厚の層を凹凸構造が無い状態で形成した際の鉛筆硬度が、HB以上の材料が好ましく、H以上の材料がさらに好ましく、2H以上の材料がより好ましい。
凹凸構造層111の厚みT111は、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、10μm以上としてもよい。また、凹凸構造層111の厚みT111は、好ましくは500μm以下、より好ましくは100μm以下であり、50μm以下としてもよい。凹凸構造層111の厚みT111を前記範囲の上限値以下にすることにより、硬化収縮による凹凸構造層111のカール等の変形を防ぎ、良好な形状の凹凸構造層111を実現できる。
図1に示す基材フィルム層112は、任意の層であり、通常、透明な材料のフィルムからなる。基材フィルム層112は、凹凸構造層111と同様の材料によって形成してもよい。しかし、基材フィルム層112を、凹凸構造層111とは異なる材料により形成することにより、多様な特性を有する出光面構造層110を得ることができる。例えば、凹凸構造層111を硬度が高い材料で形成し、且つ、基材フィルム層112を柔軟性を有する材料で形成することが好ましい。このように材料を組み合わせることによって、凹凸構造層111の形成する際の基材フィルム層112の取り扱い性を向上させることができる。また、凹凸構造層111を形成した後での出光面構造層110の取り扱い性を高めることができる。さらに、出光面構造層110の耐久性を高めることができる。そのため、高性能の有機EL発光装置100を容易に製造することができる。
基材フィルム層112の材料の例としては、脂環式オレフィンポリマー、ポリエステルなどが挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
基材フィルム層112の屈折率は、第一光散乱層120のバインダの屈折率に近いことが好ましい。以下、第一光散乱層120のバインダのことを、適宜「第一バインダ」ということがある。基材フィルム層112の屈折率と第一バインダの屈折率との具体的な差は、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下である。これにより、有機EL発光装置100の光取出効率を高めることができる。ここで、屈折率は、エリプソメーター(例えば、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン株式会社製「M−2000」)により測定しうる。
基材フィルム層112の厚みは、20μm〜300μmであることが好ましい。
前記のような出光面構造層110の製造方法に制限は無い。例えば、基材フィルム層112の面112U上に、上述した凹凸構造層111の材料を用いたフォトポリマー法(2P法)により凹凸構造層111を形成して、出光面構造層110を製造しうる。
〔1.2.第一光散乱層120〕
(1.2.1.第一光散乱層120が満たす要件)
図1に示すように、第一光散乱層120は、凹凸構造層111と第二光散乱層140との間に設けられる層であり、第一光散乱粒子及び第一バインダを含む。また、第一光散乱層120は、下記の要件(A)及び要件(B)を満たす。
要件(A):第一光散乱粒子の平均粒子径が、0.1μm〜2μmである。
要件(B):第一光散乱層120における光散乱の平均自由行程L1、及び、第一光散乱層120の厚みD1が、D1/L1<15を満たす。
有機EL発光装置100は、前記の要件(A)及び要件(B)を満たす第一光散乱層120を、光散乱構造としての第二光散乱層140と組み合わせて備えることにより、凹凸構造層111に形成された凹凸構造170として条列状の凹凸構造を採用しながら、高い光取出効率を実現することができる。
以下、これらの要件について詳細に説明する。
まず、要件(A)を説明する。
第一光散乱粒子の平均粒子径は、通常0.1μm以上、好ましくは0.4μm以上、より好ましくは0.5μm以上であり、通常2μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.9μm以下である。本明細書において、平均粒子径とは、別に断らない限り、体積平均粒子径のことを指す。体積平均粒子径は、レーザー回折法で測定された粒子径分布において小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径である。第一光散乱粒子の平均粒子径を前記範囲の下限値以上にすることにより、散乱させるべき光の波長よりも第一光散乱粒子の粒子径を安定して大きくできるので、第一光散乱粒子によって可視光を安定して散乱させることができる。また、上限値以下にすることにより、粒子径を小さくできるので第一光散乱粒子に当たった光をより広範な範囲に反射させることができるため、第一光散乱粒子によって可視光を効率的に散乱させることができる。
次に、要件(B)を説明する。
第一光散乱層120は、D1/L1が、通常15未満、好ましくは6未満、より好ましくは4.5未満である。D1/L1をこのような範囲にすることによって、有機EL発光装置100の光取出効率を効果的に高めることができる。ここで、「D1」は、第一光散乱層120の厚みを表す。また、「L1」は、第一光散乱層120における光散乱の平均自由行程を表す。D1/L1の下限は、特に制限はないが、通常0より大きく、好ましくは0.5より大きく、より好ましくは1.0より大きい。これにより、上限のときと同様に光取り出し効率を高めることができる。
一般に、バインダ及び当該バインダ中に分散する光散乱粒子を含む光散乱層における光散乱の平均自由行程Lは、「平均自由行程L=1/(光散乱粒子の数密度×散乱断面積)」で算出される。
光散乱粒子の数密度は、単位体積当たりの光散乱粒子の数である。光散乱粒子の数密度の計算には、通常、光散乱粒子の1個当たりの体積の値を用いる。光散乱粒子の1個当たりの体積の値を求める場合、光散乱粒子の粒子径を用いる場合がある。一般に、光散乱粒子の粒子径には分布があるため、光散乱粒子の数密度の計算に用いる粒子径としては、光散乱粒子の体積平均粒子径を代表値として用いうる。また、光散乱粒子の1個当たりの体積の値の計算の簡単化のため、光散乱粒子の形状は、球と仮定して計算しうる。
散乱断面積は、ミー散乱理論(MIE THEORY)により求めうる。ミー散乱理論は、一様な屈折率を有する媒体(マトリックス)中に、該媒体と異なる屈折率を有する球形粒子が存在するケースについて、マックスウェルの電磁方程式の解を求めたものである。球形粒子が光散乱粒子に相当し、媒体がバインダに相当する。この理論によると、前記の散乱断面積は「散乱断面積=散乱効率K(α)×球形粒子の実断面積πr」で算出される。
ここで、散乱光の角度に依存した強度分布I(α,θ)は、下記(1)式で表わされる。また、散乱効率K(α)は、下記(2)式で表わされる。さらに、αは、下記(3)式で表わされ、媒体中での光の波長λで規格化された球形粒子の半径rに相当する量である。角度θは散乱角であり、入射光の進行方向と同一方向をθ=180°にとる。また、(1)式中のi及びiは、(4)式で表わされる。そして、(2)式〜(4)式中の下添字ν付のa及びbは、(5)式で表わされる。上添字1及び下添字νを付したP(cosθ)は、Legendreの多項式からなる。下添字ν付のa及びbは、1次及び2次のRecatti−Bessel関数Ψ及びζ(但し、は、下添字νを意味する)とその導関数とからなる。mは、マトリックスを基準にした球形粒子の相対屈折率であり、m=nscatter/nmatrixである。nscatterは、球状粒子の屈折率を表す。また、nmatrixは、媒体の屈折率を表す。
Figure 2016017781
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例えば、屈折率1.56のバインダと、光散乱粒子として屈折率1.43のシリコーン粒子略10.6重量%(8体積%)とを含む光散乱層の平均自由行程Lを、真空中での波長550nmの光に対して前記の方法で計算すると、図3のようになる。図3に示す例では、光散乱層における光散乱粒子の体積濃度を一定として、光散乱粒子の粒子径を200nm、600nm、1000nm、1500nm及び2000nmに変化させた時の平均自由行程Lを示している。また、光散乱粒子の数密度[個/mm]の計算に当たっては、バインダの比重を1g/cm、光散乱粒子の比重を1.32g/cmとした。さらに、光散乱粒子の形状は、球で仮定した。このように光散乱粒子の形状を球と仮定することは、実際の光散乱粒子の形状が球に近い場合に適用可能である。さらに、実際の光散乱粒子の形状が球に近い形状でない場合でも、平均自由行程Lと光散乱粒子の粒子径の傾向は大きさの問題であるため、同様の傾向を示すと考えられる。
(1.2.2.第一光散乱粒子)
前記の要件(A)及び(B)を満たす範囲において、第一光散乱粒子としては任意の光散乱粒子を用いうる。光散乱粒子は、光を散乱させうる粒子である。第一光散乱粒子により、第一光散乱層120を通る際に光を散乱させて、有機EL発光装置100の光取出効率を高めることができる。
第一光散乱粒子としては、無機材料を用いてもよく、有機材料を用いてもよい。
第一光散乱粒子の無機材料としては、例えば、金属及び金属化合物が挙げられる。また、金属化合物としては、例えば、金属の酸化物及び窒化物を挙げることができる。その具体例としては、銀、アルミニウム等の金属;酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化ジルコニウム、窒化珪素、錫添加酸化インジウム、酸化チタンなどの金属化合物を挙げることができる。
また、第一光散乱粒子の有機材料としては、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、及びポリスチレン樹脂等の樹脂が挙げられる。
これらの第一光散乱粒子の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
中でも、第一光散乱粒子としては、有機材料からなる粒子が好ましい。通常、第一光散乱層120は、第一光散乱層120を製造するのに適した塗工液を用いて製造する。この塗工液において第一光散乱粒子は沈降しやすく、中でも比重の重い無機粒子を含む場合には特に沈降を生じやすい。これに対し、有機材料からなる第一光散乱粒子はその沈降を生じにくい。そのため、有機材料からなる第一光散乱粒子を用いることにより、第一光散乱粒子を偏り無く均一に含む第一光散乱層120を実現できる。このように第一光散乱粒子を均一に含む第一光散乱層120は、粘着性等の特性を安定して発現できるので、好ましい。
有機材料からなる好適な第一光散乱粒子の例を商品名で挙げると、シリコーン樹脂からなる粒子としては、例えば、商品名「XC−99」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、体積平均粒子径0.7μm)を挙げることができる。また、アクリル樹脂からなる粒子としては、例えば、商品名「MPシリーズ」(綜研化学社製、体積平均粒子径0.8μm)を挙げることができる。さらに、ポリスチレン樹脂からなる粒子としては、例えば、商品名「SXシリーズ」(綜研化学社製、体積平均粒子径3.5μm)を挙げることができる。
また、第一光散乱粒子は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第一光散乱粒子の屈折率は、通常1.2以上、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上であり、通常1.55以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.45以下である。第一光散乱粒子の屈折率を前記範囲の下限値以上にすることにより、粒子径や膜厚がバラついた際の散乱性の変動を抑えることができる。また、上限値以下にすることにより、十分に光を散乱させることができる。
第一光散乱層120における第一光散乱粒子の割合は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは3重量%以上であり、また、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。第一光散乱粒子の割合を前記範囲に収めることにより、有機EL発光装置100の光取出効率を効果的に高めることができる。さらに、通常は、所望の光散乱効果を得て、出光面100Uでの極角方向に応じた色ムラの抑制ができる。
(1.2.3.第一バインダ)
前記の要件(A)及び(B)を満たす範囲において、第一バインダとして任意の材料を用いうる。第一バインダは、第一光散乱粒子を第一光散乱層120に保持する機能を有する。また、第一光散乱層120において、第一光散乱粒子は、第一バインダ中に分散している。通常、第一バインダは透明であり、この透明な第一バインダ中を透過する光が第一バインダと第一光散乱粒子との界面で反射されることで光の散乱が行われうる。
第一バインダとしては、粘着性を有するものを用いることが好ましい。これにより、第一光散乱層120に粘着性を備えさせることができる。第一光散乱層120が粘着性を有することにより、第一光散乱層120を介して出光面構造層110と基板層130とを容易に貼り合わせることができるので、有機EL発光装置100の製造を容易に行うことができる。
このように粘着性を有する第一バインダとしては、通常、樹脂を用いる。このような樹脂としては、例えば、粘着性を有する粘着性材料としてポリマーを含む粘着剤が挙げられる。ここで「粘着剤」とは、狭義の粘着剤のみならず、ホットメルト型の粘着剤をも包含する。ここで、狭義の粘着剤とは、23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa未満であり、常温で粘着性を示す粘着剤をいう。また、ホットメルト型の粘着剤とは、23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa〜500MPaであり、常温で粘着性を示さない粘着剤をいう。中でも、粘着剤としては、常温で粘着性を示す狭義の粘着剤を用いることが好ましい。このような狭義の粘着剤は、圧力を加えることにより粘着が可能な感圧式の粘着剤であり、加熱による劣化等の影響を発光層152に及ぼすことなく手軽に貼り合わせができる。
粘着剤の例としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、及びセルロース系粘着剤などが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。中でも、透明性、耐候性、及び耐熱性等の特性に優れるアクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤は、一般に、粘着性材料としてアクリルポリマーを含む。アクリルポリマーとは、アクリルモノマーを重合して形成される構造を有する構造単位を含むポリマーである。このようなアクリルポリマーとしては、例えば、アクリルモノマーを重合してなるポリマー;又はアクリルモノマー及びこれと共重合しうるモノマーとの混合物(モノマー混合物)を重合してなるポリマーが挙げられる。
アクリルモノマーの例としては、アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレート、メタクリレート、及び、これらの組み合わせを包含する。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の平均炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは3以上であり、好ましくは12以下、より好ましくは8以下である。アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びイソオクチル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
アクリルモノマーと共重合しうるモノマーとしては、官能基を有するモノマー、窒素原子含有モノマー、及び改質モノマーを好ましく挙げることができる。
官能基を有するモノマーの例としては、カルボキシル基を有するモノマー、水酸基を有するモノマー、及びエポキシ基を有するモノマーが挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、及びイタコン酸が挙げられる。水酸基を有するモノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、及びN−メチロール(メタ)アクリルアミドが挙げられる。エポキシ基を有するモノマーとの例としては、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。アクリルモノマーと官能基を有するモノマーとを組み合わせて用いる場合、両者の割合は、アクリルモノマー及び官能基を有するモノマーの合計を100重量%として、アクリルモノマーが60重量%〜99.8重量%で、官能基を有するモノマーが40重量%〜0.2重量%であることが好ましい。
窒素原子含有モノマーの例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アセトニトリル、ビニルピロリドン、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド、及びN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。アクリルモノマーと窒素原子含有モノマーとを組み合わせて用いる場合、両者の割合は、アクリルモノマー及び窒素原子含有モノマーの合計を100重量%として、アクリルモノマーが60重量%〜99.8重量%で、窒素原子含有モノマーが40重量%〜0.2重量%であることが好ましい。
改質モノマーの例としては、酢酸ビニル及びスチレンを挙げることができる。アクリルモノマーと改質モノマーとを組み合わせて用いる場合、両者の割合は、アクリルモノマー及び改質モノマーの合計を100重量%として、アクリルモノマーが60重量%〜99.8重量%で、改質モノマーが40重量%〜0.2重量%であることが好ましい。
これらの、アクリルモノマーと共重合しうるモノマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
粘着性材料としてのポリマーの量は、第一バインダの全量に対する割合として、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。
第一バインダは、高屈折ナノ粒子を含んでいてもよい。高屈折ナノ粒子を用いることにより、第一バインダの屈折率を容易に調整することができる。例えば、屈折率が低い粘着剤に高屈折ナノ粒子を含ませることにより、当該粘着剤の屈折率を高めることができる。このような高屈折ナノ粒子としては、通常、平均粒子径が小さく、且つ、高屈折ナノ粒子を含まない粘着剤よりも高い屈折率を有する粒子を用いる。具体的には、体積平均粒子径が100nm未満で、且つ、1.6以上の屈折率を有する粒子を用いうる。
高屈折ナノ粒子の例としては、無機材料からなる粒子、及び、屈折率が1.6以上の有機材料からなる粒子を挙げることができる。無機材料の例としては、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛などの酸化物;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどのチタン酸塩;CdS、CdSe、ZnSe、CdTe、ZnS、HgS、HgSe、PdS、SbSe等の硫化物、セレン化物及びテルル化物などが挙げられる。また、屈折率が1.6以上の有機材料の例としては、ポリスチレン樹脂などを挙げることができる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、これらの高屈折ナノ粒子の表面は、分散性を上げるための各種官能基、シランカップリング剤などにより表面修飾されていてもよい。
なかでも、高屈折ナノ粒子としては、反応性修飾金属酸化物粒子が好ましい。反応性修飾金属酸化物粒子とは、金属酸化物と、その表面を修飾する、反応性官能基を有する有機物とを含む粒子をいう。より具体的には、反応性修飾金属酸化物粒子は、金属酸化物の粒子と、当該粒子の表面を修飾する、反応性官能基を有する有機物とを含む被覆粒子である。
反応性官能基を有する有機物における反応性官能基は、金属酸化物の粒子と水素結合等の相互作用を有した状態にあってもよいし、そのような状態になく別物質と相互作用できる状態にあってもよい。
反応性官能基の例としては、水酸基、リン酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシ基、イソシアネート基、酸ハライド、酸無水物、グリシジル基、クロロシラン基、及びアルコキシシラン基が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、反応性官能基を有する有機物としては特に、イソシアネート基を有する有機物が、金属酸化物と周囲の物質との安定性を向上させうるために好ましい。イソシアネート基を有する有機物の例としては、アクリロキシメチルイソシアネート、メタクリロキシメチルイソシアネート、アクリロキシエチルイソシアネート、メタクリロキシエチルイソシアネート、アクリロキシプロピルイソシアネート、メタクリロキシプロピルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアネートが挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
反応性修飾金属酸化物粒子に含まれる金属酸化物の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アンチモン酸亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、及び酸化錫を挙げることができる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
反応性修飾金属酸化物粒子において、反応性官能基を有する有機物の割合は、金属酸化物100重量部に対して1重量部〜40重量部としうる。
反応性修飾金属酸化物粒子は、例えば、金属酸化物の粒子、反応性官能基を有する有機物、有機溶媒及び必要に応じて任意の添加剤を、混合し、さらに得られた混合物に必要に応じて超音波処理等の処理を施すことにより、有機溶媒中に粒子が分散した懸濁液として得ることができる。
有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類、ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。有機溶剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
任意の添加剤の例としては、金属キレート剤を挙げることができる。また、添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
反応性修飾金属酸化物粒子を、有機溶媒中に粒子が分散した懸濁液として得る場合、当該懸濁液をそのまま第一バインダの製造に供することが、製造の簡便性等の観点から好ましい。この場合、前記の懸濁液は、溶媒の量などの条件を調整することにより、反応性修飾金属酸化物粒子を1重量%〜50重量%で含むように調整されていることが好ましい。
混合の際には、ビーズミル等の混合機を用いることが好ましい。かかる混合により、二次粒子又はそれ以上の高次粒子を一次粒子レベルに粉砕し、一次粒子の状態で表面を処理することができる。これにより、均一な表面処理を行うことができる。
さらに、混合物には、必要に応じて超音波処理を施すことが好ましい。超音波処理は、例えば、超音波洗浄機、超音波ホモジナイザー、超音波分散機等の装置を用いて行いうる。かかる処理により、良好な懸濁液を得ることができる。
反応性修飾金属酸化物粒子としては、市販の粒子を用いてもよい。金属酸化物としてZrOを含む反応性修飾金属酸化物粒子のスラリーの例としては、商品名「ZR−010」(株式会社ソーラー製、溶媒:メチルエチルケトン、粒子含有割合30%、表面を修飾する反応性官能基を有する有機物:重合性官能基を有するイソシアネート、体積平均粒子径15nm)を挙げることができる。金属酸化物としてTiOを含む反応性修飾金属酸化物粒子のスラリーの例としては、商品名「NOD−742GTF」(ナガセケムテックス株式会社製、溶媒:ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、粒子含有割合30%、体積平均粒子径48nm)を挙げることができる。
また、高屈折ナノ粒子は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
高屈折ナノ粒子の体積平均粒子径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、特に好ましくは15nm以上であり、また、好ましくは100nm未満、より好ましくは50nm以下である。高屈折ナノ粒子の体積平均粒子径を前記範囲の上限値以下にすることにより、第一光散乱層の着色を小さくして、光透過率を向上させることができる。また、このような大きさの高屈折ナノ粒子は、その粒子の分散が容易である。ここで、高屈折ナノ粒子が凝集して二次粒子又はそれ以上の高次粒子を構成する場合、前記体積平均粒子径の範囲は、一次粒子径の範囲としうる。
第一バインダにおいて、高屈折ナノ粒子の割合は、第一バインダの全量に対する割合として、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上であり、また、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。高屈折ナノ粒子の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、第一バインダの屈折率を上げることができる。また、上限値以下にすることにより、第一バインダの硬度の上昇を抑制でき、且つ、粘着力の低下を抑制することができる。高屈折ナノ粒子として前記のような微小な粒子を使用すると、粒子表面積の総計が大きくなり、第一バインダに含まれるポリマー分子鎖またはモノマー分子と相互作用することで、粘着力へ影響する可能性がある。よって、高屈折ナノ粒子の量は、前述のような範囲に収めることが好ましい。
第一バインダは、可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤を用いることにより、第一バインダの粘度を下げ、第一光散乱層120の粘着性を高くすることができる。特に、第一バインダが高屈折ナノ粒子を含む場合、第一バインダの粘度が高くなって第一光散乱層120の粘着性が低下する傾向があるので、可塑剤を用いることが好ましい。
可塑剤としては、例えば、ポリブテン、ビニルエーテル化合物、ポリエーテル化合物(ポリアルキレンオキシドおよび官能化ポリアルキレンオキシドを含む)、エステル化合物、ポリオール化合物(例えば、グリセリン)、石油樹脂、水添石油樹脂、及びスチレン系化合物(例えばα−メチルスチレン)などが挙げられる。中でも、粘着性材料との混和性が良好で且つ屈折率が比較的高いことから、エステル化合物が好ましく、特に安息香酸系、フタル酸系などのような、芳香族環を含むエステル化合物が好ましい。
可塑剤として用いうる安息香酸エステルとしては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ベンジルベンゾエート、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエートが挙げられる。中でも特に好ましいものとしては、例えば、ジプロピレングリコールジベンゾエート及びベンジルベンゾエート等の安息香酸系のエステル化合物;ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、及びエチルフタリルエチルグリコレート等のフタル酸系のエステル化合物;が挙げられる。さらに、市販の可塑剤の例としては、商品名「BENZOFLEX 9−88SG」(イーストマン社製)を挙げることができる。また、可塑剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第一バインダにおいて、可塑剤の割合は、ポリマー100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、より好ましくは5重量部以上であり、また、好ましくは35重量部以下、より好ましくは30重量部以下である。
第一バインダの屈折率は、通常1.5以上、好ましくは1.52以上、より好ましくは1.55以上であり、通常1.7以下、好ましくは1.65以下、より好ましくは1.6以下である。第一バインダの屈折率を前記範囲の下限値以上にすることにより、少ない量の第一光散乱粒子によって、D1/L1の値を好適な範囲に容易に調整できる。そのため、第一光散乱粒子の量が過剰となることを防止できるので、第一光散乱層120の表面を平滑にしたり第一光散乱層120の粘着性を大きくしたりすることが容易である。また、上限値以下にすることにより、粘着性の経時変化を抑えたり、層を柔らかくしたりできる。
第一光散乱層120は、第一光散乱粒子及び第一バインダのみにより形成されていることが好ましい。したがって、第一光散乱層120における第一バインダの量は、第一光散乱粒子の割合と第一バインダの割合との合計が100重量%となるように設定することが好ましい。
(1.2.4.第一光散乱層120の厚み)
第一光散乱層120の厚みD1は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは25μm以下である。第一光散乱層120の厚みを前記範囲の下限値以上にすることにより、光を十分に散乱することができる。また、上限値以下にすることにより、平らな第一散乱層の面状を形成することができる。
(1.2.5.第一光散乱層120の作製方法)
第一光散乱層120は、例えば、第一光散乱層120を形成するのに適した塗工液を所望の支持面に塗布し、必要に応じて乾燥処理等の硬化のための処理を行うことによって、作製できる。この際、塗工液としては、第一光散乱粒子及び第一バインダを含む液状の組成物を用いうる。
また、塗工液は、必要に応じて任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、シランカップリング剤及び硬化剤等の添加剤;並びに、溶媒などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、及び3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。また、市販のシランカップリング剤の例としては、商品名「KBM−803」(信越化学工業株式会社製)を挙げることができる。シランカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の量は、第一バインダ中のポリマー100重量部に対して、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上であり、また、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。
硬化剤としては、例えば、イソシアネート化合物を挙げることができる。硬化剤の具体例としては、ジイソシアン酸イソホロンを含むイソシアネートの付加重合体(例えば、三菱化学社製「NY−260A」)を挙げることができる。硬化剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
硬化剤の量は、第一バインダ中のポリマー100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上であり、また、好ましくは5重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。
溶媒の例としては、反応性修飾金属酸化物粒子の製造に用いる有機溶媒の例として挙げたものと同様の例が挙げられる。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、塗工液に含まれる各成分を製造する際、それらの成分は、溶媒に溶解又は分散した溶液又は懸濁液として得られることがありえる。さらに、塗工液に含まれる各成分として市販のものを購入した場合も、それらの成分は、溶液又は懸濁液として得られることがありえる。このような場合、前記の溶液又は懸濁液に含まれる溶媒を、塗工液の溶媒の一部又は全部として用いてもよい。
溶媒の量は、塗工液の固形分全量100重量部に対して、好ましくは50重量部以上、より好ましくは100重量部以上であり、また、好ましくは300重量部以下、より好ましくは250重量部以下である。ここで塗工液の固形分とは、塗工液の乾燥を経て残留する成分のことをいう。
例えば、前記の塗工液を基材フィルム層112の面112Dに塗布し、必要に応じて硬化のための処理を行って、第一光散乱層120を作製してもよい。こうして得られる第一光散乱層120は、塗工液に含まれていた成分を含みうるが、成分の一部が反応により変化していてもよく、また、成分の一部が揮発して消失していてもよい。例えば、乾燥の工程により、シランカップリング剤、硬化剤等の反応性の成分が反応して他の物質となっていてもよく、また溶媒が揮発して消失していてもよい。
〔1.3.基板層130〕
基板層130としては、通常、透明のシートを用いる。この基板層の材料の例としては、ガラス、又は透明樹脂を用いうる。基板層130に用いうる透明樹脂の例としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、および電子線硬化性樹脂を挙げることができ、この中でも加工が容易である点で熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の例としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、およびシクロオレフィン樹脂の樹脂を挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
基板層130の屈折率は、第一光散乱層120の第一バインダの屈折率に近いことが好ましい。基板層130の屈折率と第一バインダの屈折率との具体的な差は、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下である。これにより、有機EL発光装置100の光取出効率を高めることができる。
基板層130の厚みは、例えば樹脂からなる基板層130であれば20μm〜300μmが好ましい。また、基板層130がガラスからなる場合、その厚みは、10μm〜1100μmが好ましい。基板層130は、可撓性を有していてもよく、有していなくてもよい。したがって、例えば基板層として700μm厚の可撓性の無いガラスを採用してもよい。
〔1.4.第二光散乱層140〕
第二光散乱層140は、光を散乱しうる光散乱構造として機能しうる層であり、第二光散乱粒子を含む。また、通常、第二光散乱層140は、第二光散乱粒子を第二光散乱層140に保持するために、第二バインダを含む。このような第二光散乱層140では、第二光散乱粒子は、第二バインダ中に分散している。通常、第二バインダは透明であり、この透明な第二バインダ中を透過する光が第二バインダと第二光散乱粒子との界面で反射されることで光の散乱が行われうる。
第二光散乱層140が第二光散乱粒子を含む場合、当該第二光散乱層140は、(D1/L1+D2/L2)<6を満たすことが好ましい。ここで、「D2」は、第二光散乱層140の厚みを表す。また、「L2」は、第二光散乱層140における光散乱の平均自由行程を表す。より詳細には、(D1/L1+D2/L2)の値は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上、特に好ましくは1.4以上であり、好ましくは6以下、より好ましくは4.5以下である。これにより、有機EL発光装置100の光取出効率を、更に高めることができる。
第二光散乱粒子は、第一光散乱粒子として説明した粒子の範囲から選択される粒子を、任意に用いうる。また、第二光散乱粒子は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第二光散乱粒子の屈折率は、通常1.2以上、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上であり、通常1.6以下、好ましくは1.55以下、より好ましくは1.5以下である。第二光散乱粒子の屈折率を前記範囲の下限値以上にすることにより、粒子径や膜厚がバラついた際の散乱性の変動を抑えることができる。また、上限値以下にすることにより、十分に光を散乱することができる。
第二光散乱粒子の平均粒子径は、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.3μm以上、特に好ましくは0.4μm以上であり、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.9μm以下である。第二光散乱粒子の平均粒子径を前記範囲の下限値以上にすることにより、第二光散乱粒子によって可視光を安定して散乱させることができる。また、上限値以下にすることにより、第二光散乱粒子によって可視光を効率的に散乱させることができる。さらに、通常は、発光素子層150に含まれる各層には平坦性が要求されることから、その意味においても、発光素子層150の近傍に配置される第二光散乱層140に含まれる第二光散乱粒子の平均粒子径は、前記のように小さいことが好ましい。
第二光散乱層140における第二光散乱粒子の割合は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、また、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。第二光散乱粒子の割合を前記範囲に収めることにより、所望の光散乱効果を得て、出光面100Uでの極角方向に応じた色ムラの抑制ができる。
第二バインダとしては、通常、樹脂を用いる。樹脂として粘着性を有する粘着剤を用いる場合には、例えば、第一バインダとして説明した粘着剤の範囲から選択される樹脂を、任意に用いうる。
また、第二バインダが粘着性を有さない場合、第二バインダとして使用しうる樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、並びに紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性樹脂等のエネルギー線硬化性樹脂を用いうる。なかでも、熱硬化性樹脂及びエネルギー線硬化性樹脂が、高い硬度及び製造効率の観点から好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、シクロオレフィン樹脂が挙げられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エン/チオール樹脂、イソシアネート樹脂が挙げられる。これらの樹脂としては、複数個の重合性官能基を有するものが好ましい。また、これらは、1種類を単独でもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第二バインダの屈折率は、通常1.52以上、好ましくは1.55以上、より好ましくは1.65以上であり、通常1.9以下、好ましくは1.85以下、より好ましくは1.8以下である。第二バインダの屈折率を前記範囲の下限値以上にすることにより、第二光散乱粒子の量が少ない場合でも、D2/L2の値を好適な範囲に容易に調整できる。そのため、第二光散乱粒子の量が過剰となることを防止できるので、第二光散乱層140の表面を容易に平滑にできる。また、上限値以下にすることにより、発光素子層150と第二バインダとの屈折率差を小さくして反射を抑えたり、高屈折ナノ粒子を配合する際の粒子分散を容易にすることができる。
第二光散乱層140は、第二光散乱粒子及び第二バインダのみにより形成されていることが好ましい。したがって、第二光散乱層140における第二バインダの量は、第二光散乱粒子の割合と第二バインダの割合との合計が100重量%となるように設定することが好ましい。
第二光散乱層140の厚みD2は、通常1μm以上、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下である。第二光散乱層140の厚みを前記範囲の下限値以上にすることにより、十分に光を散乱させることができる。また、上限値以下にすることにより、成膜時の面状をムラなく均一にすることができる。
第二光散乱層140は、例えば、第二光散乱層を形成するのに適した塗工液を所望の支持面に塗布し、必要に応じて乾燥処理等の硬化のための処理を行うことによって、作製できる。
塗工液としては、第二光散乱粒子及び第二バインダを含む液状の組成物を用いうる。さらに、この塗工液は、必要に応じて、溶媒を含みうる。溶媒の例としては、反応性修飾金属酸化物粒子の製造に用いる有機溶媒の例として挙げたものと同様の例が挙げられる。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。この溶媒の塗工液における割合は、10重量%〜80重量%としうる。
例えば、前記の塗工液を基板層130の面130Dに塗布し、必要に応じて硬化のための処理を行って、第二光散乱層140を作製してもよい。こうして得られる第二光散乱層140は、塗工液に含まれていた成分を含みうるが、成分の一部が反応により変化していてもよく、また、成分の一部が揮発して消失していてもよい。
〔1.5.発光素子層150〕
発光素子層150は、通常、2層以上の電極層と、これらの電極層の間に設けられ、電極層から電圧を印加されることにより光を生じうる発光層とを備える。このような発光素子層は、電極層、発光層等の層を、スパッタリング等の既知の方法で基材上に順次形成することにより形成しうる。本実施形態では、透明電極層151、発光層152及び反射電極層153をこの順に備えた発光素子層150を例に挙げて説明する。
発光層152の発光材料としては、特に限定されず既知のものを適宜選択してもよい。発光層152中の発光材料は1種類に限らず、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、発光層152は、1層のみからなる単層構造の層としうる。さらに、発光層152は、光源としての用途に適合すべく、複数の層を組み合わせて備える複層構造の層にしてもよい。これにより、発光層152を、白色又はそれに近い色の光を生じるものとしうる。
電極層の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。さらに、電極層は、それぞれ1層のみを備える単層構造の層であってもよく、2層以上の層を備える複層構造の層であってもよい。
発光素子層150は、透明電極層151と反射電極層153との間に、発光層152に加えて、例えばホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層及び電子注入層等の任意の層(図示せず。)をさらに備えていてもよい。また、発光素子層150はさらに、透明電極層151及び反射電極層153に通電するための配線、発光層152の封止のための周辺構造等の任意の構成要素を備えていてもよい。
発光素子層150に含まれうる層を構成する材料としては、特に限定されないが、具体例として下記のものを挙げることができる。
透明電極層の材料としては、ITO(酸化インジウムスズ)が挙げられる。
反射電極層の材料としては、アルミニウム、銀等が挙げられる。
正孔注入層の材料としては、スターバースト系芳香族ジアミン化合物等が挙げられる。
正孔輸送層の材料としては、トリフェニルジアミン誘導体等が挙げられる。
黄色発光層のホスト材料としては、トリフェニルジアミン誘導体等が挙げられ、黄色発光層のドーパント材料としては、テトラセン誘導体等が挙げられる。
緑色発光層の材料としては、ピラゾリン誘導体等が挙げられる。
青色発光層のホスト材料としては、アントラセン誘導体等が挙げられ、青色発光層のドーパント材料としては、ペリレン誘導体等が挙げられる。
赤色発光層の材料としては、ユーロピウム錯体等が挙げられる。
電子輸送層の材料としては、アルミニウムキノリン錯体(Alq)等が挙げられる。
また、発光層152は、複数の層を組み合わせることにより、積層型又はタンデム型と呼ばれる、補色関係にある色の光を発生する発光層としてもよい。補色関係の組み合わせは、例えば、黄/青、又は緑/青/赤等としてもよい。
〔1.6.封止層160〕
封止層160は、水を遮断するための層である。また、封止層160は、水だけでなく酸素を遮断する機能も有することが好ましい。これにより、発光素子層150内の有機材料が水蒸気及び酸素により劣化することを防ぐことができる。封止層160は、例えば、樹脂等の有機材料で形成してもよく、金属及び金属化合物等の無機材料で形成してもよい。このような封止層160は、例えば、適切な材料で形成された封止フィルム等を発光素子層150の表面に貼り合わせることで形成しうる。
〔1.7.有機EL発光装置100の主な利点〕
上述した構成を有する有機EL発光装置100では、透明電極層151及び反射電極層153から電圧を印加されることにより、発光層152が光を生じる。このようにして生じた光は、透明電極層151を透過した後、又は、反射電極層153で反射されてから発光層152及び透明電極層151を透過した後で、第二光散乱層140、基板層130、第一光散乱層120、基材フィルム層112及び凹凸構造層111を透過して、出光面100Uを通って出光する。この際、前記の光は、第一光散乱層120に含まれる第一光散乱粒子の表面での反射により、第一光散乱層120を透過するときに散乱される。また、前記の光は、第二光散乱層140に含まれる第二光散乱粒子の表面での反射によって、第二光散乱層150を透過するときに散乱される。さらに、出光面100Uにプリズム171が設けられているため、前記の光は、出光面100Uに対して前記出光面100Uを透過しうる入射角で入射し易い。
そして、これらの事項に加えて、本実施形態に係る有機EL発光装置100は、上述した要件(A)及び(B)を満たしている。これにより、発光層152で生じた光は、出光面100Uを通って外部に出光し易いので、本実施形態に係る有機EL発光装置100は、高い光取出効率を得ることができる。
前記の光取出効率は、本実施形態に係る有機EL発光装置100と、対照の発光装置とを対比して求められる光取出効率Qの値を元に評価しうる。ここで、光取出効率Qは、式「Q=(本実施形態に係る有機EL発光装置100から出る全光束)/(対照の発光装置から出る全光束)」で得られる。対照の発光装置は、一部の層の有無のみにおいて本実施形態に係る有機EL発光装置100と異なっているものを用いうる。例えば、出光面構造層110から第二光散乱層140までの層を備えない他は有機EL発光装置100と同様の構造を有する発光装置を、対照の発光装置として用いてもよいが、光取出効率に大きく影響しない他の構成においても異なっているものであってもよい。
さらに、通常は、有機EL発光装置100によれば、色ムラを小さくできる。ここで色ムラとは、出光面100Uを観察した場合に、観察する方向によって観察される光の色が異なる現象をいう。
[2.第二実施形態]
上述した第一実施形態では、光散乱構造として、第二光散乱粒子及び第二バインダを含む第二光散乱層を例示して説明した。しかし、光散乱構造はこのような光散乱層に限定されるものでは無く、発光層が生じた光を散乱しうる任意の構造を採用しうる。以下、第二光散乱粒子及び第二バインダを含む第二光散乱層以外の光散乱構造を備えた有機EL発光装置の例を、図面を示して説明する。
図4は、本発明の第二実施形態に係る有機EL発光装置200を模式的に示す斜視図である。図4に示す有機EL発光装置200では、第一実施形態に係る有機EL発光装置100と同様の部位は、第一実施形態の説明において用いたのと同様の符号を付して示す。
図4に示すように、本発明の第二実施形態に係る有機EL発光装置200は、第二光散乱層140の代わりに光散乱構造層240を備えること以外は、第一実施形態に係る有機EL発光装置100と同様の構造を有する。
光散乱構造層240は、異なる屈折率を有する第一透光層241及び第二透光層242を備える。これらの第一透光層241及び第二透光層242は境界面243で接している。また、第一透光層241及び第二透光層242は厚みが不均一に形成されている。そのため、前記の境界面243は平坦ではない凹凸面となっていて、互いに平行でない複数の面部243A、243B及び243Cを含む。
前記の境界面243を光が透過するとき、通常、その光は、境界面243への入射角に応じて屈折する。ここで、境界面243は、前記のように互いに平行でない複数の面部243A〜243Cを含む。したがって、境界面243を光が透過する光は、面部243A〜243C毎に屈折するので、境界面243を透過した後の光は複数の異なる方向へ進む。そのため、光散乱構造層240により、光を散乱させることができる。
このような光散乱構造240を第二光散乱層140の代わりに備える有機EL発光装置200は、第一実施形態に係る有機EL発光装置100と同様にして使用でき、第一実施形態に係る有機EL発光装置100と同様の利点を得ることができる。
[3.変更例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものでは無く、更に変更して実施しうる。
例えば、凹凸構造に含まれるプリズム等の凹部及び凸部は、一方向に直線状に延在するものに限られない。図5は、ある例に係る凹凸構造層311の出光面300Uを模式的に示す平面図である。例えば、図5に示すように、複数の異なる方向に屈曲するように延在するプリズム371の集合によって、条列状の凹凸構造370を設けてもよい。
また、例えば、条列状の凹凸構造に含まれる凹部の深さ及び凸部の高さは、上述した実施形態のように一定でなく、異なっていてもよい。
さらに、上述した実施形態では各プリズム171が当該プリズム171の延在方向において出光面100Uの全体に連続して設けられた例を示して説明したが、プリズム171等の凹部及び凸部は、必ずしも当該凹部及び凸部の延在方向において出光面100Uの全体に連続して設けられていなくてもよい。例えば、図1に示した第一実施形態に係る有機EL発光装置100の凹凸構造層111に、各プリズム171を当該プリズム171の延在方向(図1の奥行方向)において複数個に区切る隙間を設けてもよい。
さらに、例えば、上述した実施形態に係る反射電極層153を、透明電極層及び反射層を組み合わせた複層部材に置き換えても、上述した実施形態に係る有機EL発光装置と同様の効果を有する装置を得ることができる。
また、例えば、上述した実施形態に係る反射電極層153を、透明電極層に置き換えてもよい。これにより、両面から光を出光しうる有機EL発光装置を得ることができる。
さらに、有機EL発光装置は、例えば、基材フィルム層112、基板層130、封止層160を備えていなくてもよい。また、有機EL発光装置は、上述した層に加えて更に任意の層を備えていてもよい。
[4.有機EL発光装置の用途]
本発明の有機EL発光装置は、例えば、照明器具及びバックライト装置等の用途に用いうる。照明器具は、本発明の有機EL発光装置を光源として有し、さらに、光源を保持する部材、電力を供給する回路等の任意の構成要素を含みうる。バックライト装置は、本発明の有機EL発光装置を光源として有し、さらに、筐体、電力を供給する回路、出光する光をさらに均一にするための拡散板、拡散シート、プリズムシート等の任意の構成要素を含みうる。バックライト装置の用途は、液晶表示装置等、画素を制御して画像を表示させる表示装置、並びに、看板等の固定された画像を表示させる表示装置のバックライトとして用いうる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものでは無く、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の実施例及び比較例において、材料の量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、実施例及び比較例中の操作は、別に断らない限り常温常圧の環境下で行った。
さらに、以下の実施例及び比較例において、光散乱層における光散乱の平均自由行程の計算は、真空中での波長550nmの光に対して、ミー散乱理論を用いた前述の方法によって行った。
[I.実測に基づく実施例及び比較例]
[実施例1]
(1−1.紫外線硬化性の樹脂組成物Aの調製)
プラスチック容器に、高屈折ナノ粒子としての反応性修飾ジルコニア酸化物を含むスラリー(ソーラー社製「ZR−010」、溶媒:メチルエチルケトン、粒子含有割合30%、粒子比重約4、反応性修飾ジルコニア酸化物の粒子の体積平均粒子径15nm、屈折率約1.9)44重量部、溶媒としてのメチルエチルケトン33重量部、第二光散乱粒子としてのシリコーン粒子(体積平均粒子径0.5μm、比重1.32、屈折率1.43)1.3重量部、及び分散用のジルコニアボール(ニッカトー社製「YTZ−0.5」)500重量部を入れた。
この容器をボールミル架台に載せ、毎秒2回転の速度で1時間、ボールミル分散を行った。ボールミル分散後、容器の内容物をふるいにかけてジルコニアボールを取り除き、混合物1を得た。
この混合物1に、紫外線硬化性樹脂(大同化成工業社製「P5790PS3A」、比重:1.1)8.7重量部を加えて15分攪拌し、紫外線硬化性の樹脂組成物Aを得た。
(1−2.第二光散乱層のバインダ(第二バインダ)の屈折率の測定)
シリコーン粒子を加えなかったこと以外は前記工程(1−1)と同様に操作して、シリコーン粒子を含まない紫外線硬化性の樹脂組成物A’を得た。
この硬化樹脂組成物A’を、ガラス板の片面に、乾燥後の厚みが10μmとなるようにバーコータによって塗布し、紫外線を500mJ照射して硬化させた。この硬化した樹脂組成物A’の層の屈折率を、エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製「M−2000」)にて測定したところ、屈折率1.63であった。
(1−3.有機EL素子の製造)
厚み0.7mm、屈折率1.52のガラス基板の一方の面に、前記の紫外線硬化性の樹脂組成物Aをスピンコートにより塗布し、仕上がり膜厚が3μmになるように調整した。次に、ガラス基板を80℃のホットプレート上において樹脂組成物Aの層を5分間乾燥した後、この層に紫外線を500mJ照射して硬化させて、ガラス基板上に第二光散乱層を形成した。
得られた第二光散乱層上に、さらに、厚み100nmの透明電極層、厚み10nmのホール輸送層、厚み20nmの黄色発光層、厚み15nmの青色発光層、厚み15nmの電子輸送層、厚み1nmの電子注入層、および厚み100nmの反射電極層を、この順に形成した。ホール輸送層から電子輸送層までは、全て有機材料により形成した。黄色発光層および青色発光層は、それぞれ異なる発光スペクトルを有していた。
透明電極層から反射電極層までの各層を形成した材料は、それぞれ下記の通りであった。
・透明電極層;錫添加酸化インジウム(ITO)
・ホール輸送層;4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)
・黄色発光層;ルブレン1.5重量%添加 α−NPD
・青色発光層;イリジウム錯体10重量%添加4,4’−ジカルバゾリル−1,1’−ビフェニル(CBP)
・電子輸送層;フェナンスロリン誘導体(BCP)
・電子注入層;フッ化リチウム(LiF)
・反射電極層;Al
透明電極層の形成は、ITOターゲットとした反応性スパッタリング法にて行った。
また、ホール注入層から反射電極層までの形成は、透明電極層を既に形成したガラス基板を真空蒸着装置内に設置し、上記のホール輸送層から反射電極層までの材料を抵抗加熱式により順次蒸着させることにより行なった。蒸着は、系内圧5×10−3Pa、蒸発速度0.1nm/s〜0.2nm/sで行った。
その後、電極層に通電のための配線を取り付け、さらにホール輸送層から反射電極層までを封止基板により封止した。これにより、(ガラス基板)/(第二光散乱層)/(透明電極層)/(ホール輸送層)/(黄色発光層)/(青色発光層)/(電子輸送層)/(電子注入層)/(反射電極層)/(封止基板)の層構成を有する、発光素子を作製した。
(1−4.粘着剤組成物Bの調製)
プラスチック容器に、高屈折ナノ粒子としての反応性修飾ジルコニア酸化物を含むスラリー(ソーラー社製「ZR−010」、溶媒:メチルエチルケトン、粒子含有割合30%、粒子比重約4、反応性修飾ジルコニア酸化物の粒子の体積平均粒子径15nm、屈折率約1.9)85重量部、第一光散乱粒子としてのシリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「XC−99」、体積平均粒子径0.7μm、比重1.32、屈折率1.43)5重量部、及び分散用のジルコニアボール(ニッカトー社製「YTZ−0.5」)500重量部を入れた。
この容器をボールミル架台に載せ、毎秒2回転の速度で30分間、ボールミル分散を行った。ボールミル分散後、容器の内容物をふるいにかけてジルコニアボールを取り除き、混合物2を得た。
この混合物2に、アクリル系粘着剤(サイデン化学社製「X−311033S」、固形分35%、比重1.1)100重量部、及び可塑剤(イーストマン社製「BENZOFLEX 9−88SG」、ジエチレングリコールジベンゾアート、比重約1.0)5重量部を加え15分攪拌した。続いて、シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM−803」、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1重量部、及び硬化剤(三菱化学社製「NY−260A」)0.6重量部を加えて15分攪拌し、第一光散乱層を形成するための粘着剤組成物Bを得た。
(1−5.第一光散乱層のバインダ(第一バインダ)の屈折率の測定)
シリコーン粒子を加えなかったこと以外は前記工程(1−4)と同様に操作して、シリコーン粒子を含まない粘着剤組成物B’を得た。
この粘着剤組成物B’を、ガラス板の片面に、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、80℃で5分乾燥させて、試験用粘着層を形成した。この試験用粘着層の屈折率を、エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製「M−2000」)にて測定したところ、屈折率は1.56であった。
(1−6.散乱粘着シートの作製)
上記で得られた粘着剤組成物Bを、厚み100μmの基材フィルム層(日本ゼオン社製「ゼオノアフィルムZF14−100」、屈折率1.52)の片面に、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布し、80℃で5分乾燥させた。これにより、基材フィルム層上に粘着性を有する第一光散乱層(光散乱粘着層)を形成して、基材フィルム層及び第一光散乱層を備える散乱粘着シートを得た。
(1−7.凹凸構造層の形成)
前記散乱粘着シートの第一光散乱層とは反対側の面に、UV硬化性樹脂(大同化成工業社製「P5790PS3C」)を厚さ10μmで塗布した。塗布されたUV硬化性樹脂の膜上に、金型を配置した。この金型の表面には、ピッチ10μm、頂角60°の二等辺三角形の断面を有するプリズムが一様に並んだ形状を有する条列状の凹凸構造が形成されていた。この金型をUV硬化性樹脂の膜に当て、第一光散乱層を通して500mJの紫外線をUV硬化性樹脂の膜に照射した。これによりUV硬化性樹脂の膜が固まって、基材フィルム層の第一光散乱層とは反対側に凹凸構造層が形成された。
(1−8.有機EL発光装置の製造)
凹凸構造層を設けられた散乱粘着シートを、前記工程(1−3)で得た発光素子のガラス基板側の面に貼り付けた。これにより、(凹凸構造層)/(基材フィルム層)/(粘着剤組成物Bからなる第一光散乱層)/(ガラス基板)/(第二光散乱層)/(透明電極層)/(ホール輸送層)/(黄色発光層)/(青色発光層)/(電子輸送層)/(電子注入層)/(反射電極層)/(封止基板)の層構成を有する、有機EL発光装置を得た。
[実施例2]
(2−1.粘着剤組成物Cの調製)
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌機を備えた反応容器を用意した。この反応容器に、溶媒としての酢酸エチル233部;並びに、ブチルアクリレート30部、フェノキシエチルアクリレート70部、アクリル酸0.5部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.3部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を入れた。窒素置換を行った後、反応容器内を55℃に昇温し、15時間重合反応を行なって、重量平均分子量81万のアクリル系共重合体の溶液を得た。このアクリル系共重合体の屈折率は、1.53であった。
この溶液に、上記アクリル系共重合体の固形分100部に対して;タッキファイヤー(粘着付与剤)としてα−メチルスチレンとスチレンの共重合体(イーストマンケミカル社製「クリスタレックス3085」、軟化点82℃〜88℃、重量平均分子量1200、屈折率1.61)60部、および、スチレンオリゴマー(イーストマンケミカル社製「ピコラスチックA5」、軟化点が室温以下、重量平均分子量430、屈折率1.60)7部;架橋剤としてトリメチロールプロパンのイソホロンジイソシアネート付加物0.6部;第一光散乱粒子としてシリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「XC−99」、体積平均粒子径0.7μm、比重1.32)20重量部;を添加して、粘着剤組成物Cを得た。
(2−2.第一光散乱層のバインダの屈折率の測定)
シリコーン粒子を加えなかったこと以外は前記工程(2−1)と同様に操作して、シリコーン粒子を含まない粘着剤組成物C’を得た。
この粘着剤組成物C’を、ガラス板の片面に、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、80℃で5分乾燥させて、試験用粘着層を形成した。この試験用粘着層の屈折率を、エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製「M−2000」)にて測定したところ、屈折率は1.56であった。
(2−3.有機EL発光装置の製造)
前記工程(1−6)において粘着剤組成物Bの代わりに粘着剤組成物Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、(凹凸構造層)/(基材フィルム層)/(粘着剤組成物Cからなる第一光散乱層)/(ガラス基板)/(第二光散乱層)/(透明電極層)/(ホール輸送層)/(黄色発光層)/(青色発光層)/(電子輸送層)/(電子注入層)/(反射電極層)/(封止基板)の層構成を有する、有機EL発光装置を得た。
[比較例1]
散乱粘着シートに凹凸構造層を形成する工程(即ち、実施例1の工程(1−7))を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、(基材フィルム層)/(粘着剤組成物Bからなる第一光散乱層)/(ガラス基板)/(第二光散乱層)/(透明電極層)/(ホール輸送層)/(黄色発光層)/(青色発光層)/(電子輸送層)/(電子注入層)/(反射電極層)/(封止基板)の層構成を有する、有機EL発光装置を得た。
[比較例2]
散乱粘着シートに凹凸構造層を形成する工程を行わなかったこと以外は実施例2と同様にして、(基材フィルム層)/(粘着剤組成物Cからなる第一光散乱層)/(ガラス基板)/(第二光散乱層)/(透明電極層)/(ホール輸送層)/(黄色発光層)/(青色発光層)/(電子輸送層)/(電子注入層)/(反射電極層)/(封止基板)の層構成を有する、有機EL発光装置を得た。
[評価]
〔光散乱層の光散乱の平均自由行程の計算〕
上述した実施例及び比較例について、第一光散乱層の厚み35μm、バインダの屈折率1.56、第一光散乱粒子の平均粒子径0.7μm、第一光散乱層の固形分に対する第一光散乱粒子の濃度6.9重量%として、ミー散乱理論に基づいて第一光散乱層の光散乱の平均自由行程L1を計算したところ、L1=14μmであった。
また、上述した実施例及び比較例について、第二光散乱層の厚み3μm、バインダの屈折率1.63、第二光散乱粒子の平均粒子径0.5μm、第二光散乱層の固形分における第二光散乱粒子の濃度5.6重量%として、第二光散乱層の光散乱の平均自由行程L2を計算したところ、L2=9μmであった。
したがって、上述した実施例及び比較例において、第一光散乱層ではD1/L1=2.5、第二光散乱層ではD2/L2=0.33であった。
〔全光束の測定〕
上述した実施例及び比較例で製造した有機EL発光装置の全光束を、高速配光測定システム(RADIENT社製「IMAGING SPHERE」)にて測定した。測定された全光束の値を、実施例1の工程(1−3)で得た発光素子の全光束の値で割って、光取出効率を求めた。結果を下記の表1に示す。
Figure 2016017781
表1から、実施例1及び2において高い光取出効率が得られていることが分かる。このことから、本発明により、条列状の凹凸構造を備え、且つ、光取出効率に優れる有機EL発光装置を実現できることが確認された。
また、実施例2のように屈折率の高い重合体をバインダとして用いた第一光散乱層においては、ジルコニア酸化物等の高価な高屈折ナノ粒子が不要である。また、高屈折ナノ粒子の分散のためのボールミル処理等の煩雑な操作も不要である。そのため、バインダとしては、屈折率の高い重合体を含むものを用いることが好ましい。
[II.シミュレーションによる実施例]
[実施例3:D1/L1の範囲]
有機EL発光装置のモデルについて、プログラム(ORA社製「Light Tools」)を用いた光学シミュレーションにより、全光束を計算した。
モデル化した有機EL発光装置は、(凹凸構造層)/(基材フィルム層)/(第一光散乱層)/(ガラス基板)/(第二光散乱層)/(透明電極層)/(発光層)/(反射電極層)の層構成を備えるものとして設定した。
凹凸構造層は、二等辺三角形の断面を有するプリズムが一様に並んだ凹凸構造を有すると設定した。この凹凸構造層において、プリズムのピッチ20μm、プリズムの頂角60°、屈折率1.52と設定した。
基材フィルム層は、屈折率1.52、厚み100μmと設定した。
第一光散乱層は、第一光散乱粒子の屈折率1.43、バインダの屈折率1.56と設定した。
ガラス基材は、屈折率1.52、厚み600μmと設定した。
第二光散乱層は、第二光散乱粒子の平均粒子径0.5μm、第二光散乱粒子の屈折率1.43、第二光散乱粒子の体積濃度1%、バインダの屈折率1.75、厚み5μm、とした。D2/L2=0.15である。
透明電極層は、屈折率1.8、厚み0.15μmと設定した。
発光層は、屈折率1.8、厚み0.2μmと設定した。
反射電極層は、反射率85%と設定した。
そうして透明電極層と第二光散乱層の界面に、ランバーシアン配光の仮想発光面を設定した。
前記のようにモデル化した有機EL発光装置において、第一光散乱層の厚み、及び、第一光散乱層における第一光散乱粒子の濃度を変えることによって、D1/L1の値を変化させたときの、全光束を計算した。この全光束の計算は、第一光散乱粒子の平均粒子径Φを0.4μm、0.7μm、1.0μm及び2.0μmとした場合のそれぞれにおいて行った。計算された全光束の結果を、相対値で、図6に示す。
図6から、第一光散乱粒子の平均粒子径が0.4μm〜2μmの範囲においては、D1/L1<15の範囲において高い光取出効率が得られることが分かる。また、特に第一光散乱粒子の平均粒子径が0.4μm〜1μmの範囲では、D1/L1<6において光取出効率を極大化させられることが分かる。
[実施例4:(D1/L1+D2/L2)の範囲]
有機EL発光装置のモデルについて、プログラム(ORA社製「Light Tools」)を用いた光学シミュレーションにより、全光束を計算した。
モデル化した有機EL発光装置は、(凹凸構造層)/(基材フィルム層)/(第一光散乱層)/(ガラス基板)/(第二光散乱層)/(透明電極層)/(発光層)/(反射電極層)の層構成を備えるものとして設定した。
凹凸構造層は、二等辺三角形の断面を有するプリズムが一様に並んだ凹凸構造を有すると設定した。この凹凸構造層において、プリズムのピッチ20μm、プリズムの頂角60°、屈折率1.52と設定した。
基材フィルム層は、屈折率1.52、厚み100μmと設定した。
第一光散乱層は、第一光散乱粒子の平均粒子径0.7μm、第一光散乱粒子の屈折率1.43、バインダの屈折率1.56と設定した。
ガラス基材は、屈折率1.52、厚み600μmと設定した。
第二光散乱層は、第二光散乱粒子の平均粒子径0.5μm、第二光散乱粒子の屈折率1.43、バインダの屈折率1.75と設定した。
透明電極層は、屈折率1.8、厚み0.15μmと設定した。
発光層は、屈折率1.8、厚み0.2μmと設定した。
反射電極層は、反射率85%と設定した。
そうして透明電極層と第二光散乱層の界面に、ランバーシアン配光の仮想発光面を設定した。
前記のようにモデル化した有機EL発光装置において、全光束を計算した。この計算では、第一光散乱層の厚み、第一光散乱層における第一光散乱粒子の濃度、第二光散乱層の厚み、及び、第二光散乱層における第二光散乱粒子の濃度を変えることによって、D1/L1及びD2/L2を表2に示すように変化させたときの全光束を計算した。計算された全光束の結果を、相対値で、表2及び図7に示す。
Figure 2016017781
表2から分かるように、D1/L1及びD2/L2の値が両方とも大きい場合は、全光束は小さくなりはじめる。したがって、(D1/L1+D2/L2)<6が適切である。
[実施例5:プリズムの頂角]
有機EL発光装置のモデルについて、プログラム(ORA社製「Light Tools」)を用いた光学シミュレーションにより、全光束を計算した。
モデル化した有機EL発光装置は、(凹凸構造層)/(基材フィルム層)/(第一光散乱層)/(ガラス基板)/(第二光散乱層)/(透明電極層)/(発光層)/(反射電極層)の層構成を備えるものとして設定した。
凹凸構造層は、二等辺三角形の断面を有するプリズムが一様に並んだ凹凸構造を有すると設定した。この凹凸構造層において、プリズムのピッチ20μm、屈折率1.52と設定した。
基材フィルム層は、屈折率1.52、厚み100μmと設定した。
第一光散乱層は、第一光散乱粒子の平均粒子径0.7μm、第一光散乱粒子の屈折率1.43、第一光散乱粒子の体積濃度を8%、バインダの屈折率1.56、厚み20μmとした。、D1/L1=1.5である。
ガラス基材は、屈折率1.52、厚み600μmと設定した。
第二光散乱層は、第二光散乱粒子の平均粒子径0.5μm、第二光散乱粒子の屈折率1.43、バインダの屈折率1.75と設定した。
透明電極層は、屈折率1.8、厚み0.15μmと設定した。
発光層は、屈折率1.8、厚み0.2μmと設定した。
反射電極層は、反射率85%と設定した。
そうして透明電極層と第二光散乱層の界面に、ランバーシアン配光の仮想発光面を設定した。
前記のようにモデル化した有機EL発光装置において、凹凸構造層のプリズムの頂角を変化させたときの、全光束を計算した。この全光束の計算は、第二光散乱層の厚み、及び、第二光散乱層における第二光散乱粒子の濃度を変えることによって、D2/L2を0.4、0.8、1.5及び3とした場合のそれぞれにおいて行った。計算された全光束の結果を、相対値で、図8に示す。
図8から、D2/L2の値が0.4〜0.8程度と小さいときは、凹凸構造層のプリズムの頂角が60°〜70°近辺で全光束は極大となることが分かる。また、D2/L2の値が大きいときは、プリズムの頂角が鋭角で全光束が大きくなることが分かる。したがって、凹凸構造層のプリズムの頂角をおよそ80°以下にすることで、光取出効率を特に大きくすることができる。
[参考例1]
光散乱粒子及びバインダを含む層の厚みDと光散乱の平均自由行程Lとの比D/Lを、屈折率が1.48又は1.56のバインダを用いた場合それぞれについて、図9に示す。この際、層の厚み20μm、光散乱粒子の平均粒子径0.7μm、光散乱粒子の屈折率1.43とした。またバインダの比重を1、光散乱粒子の比重1.32とした。
図9から、屈折率の高いバインダを使う方が、少ない量の光散乱粒子によって大きなD/Lの値を得ることができることが分かる。よって、屈折率の高いバインダを用いると、所望のD/Lを得ることが容易になり、結果として光取出効率を向上させることが容易になることが分かる。
100 有機EL発光装置
100U 出光面
110 出光面構造層
111 凹凸構造層
112 基材フィルム層
112D 基材フィルム層の面
120 第一光散乱層
130 基板層
130D 基板層の面
140 第二光散乱層
150 発光素子層
151 透明電極層
152 発光層
153 反射電極層
160 封止層
170 凹凸構造
171 プリズム
200 有機EL発光装置
241 第一透光層
242 第二透光層
243 境界面
243A〜243C 面部
300U 出光面
311 凹凸構造層
370 凹凸構造
371 プリズム

Claims (11)

  1. 光を生じうる発光層と、前記光を散乱しうる光散乱構造と、平均粒子径0.1μm〜2μmの第一光散乱粒子及び第一バインダを含む第一光散乱層と、条列状の凹凸構造と、をこの順に備え、
    前記第一光散乱層における光散乱の平均自由行程L1、及び、前記第一光散乱層の厚みD1が、D1/L1<15である、有機EL発光装置。
  2. 前記第一光散乱粒子の平均粒子径が、0.4μm〜1μmであり、
    D1/L1<6である、請求項1記載の有機EL発光装置。
  3. 前記光散乱構造が、第二光散乱粒子を含む第二光散乱層であり、
    前記第二光散乱層における光散乱の平均自由行程L2、及び、前記第二光散乱層の厚みD2が、(D1/L1+D2/L2)<6である、請求項1又は2記載の有機EL発光装置。
  4. 前記第二光散乱層における、前記第二光散乱粒子の割合が、0.5重量%以上40重量%以下である、請求項3記載の有機EL発光装置。
  5. 前記第二光散乱粒子の平均粒子径が、0.2μm以上2μm以下である、請求項3又は4記載の有機EL発光装置。
  6. 前記凹凸構造が、プリズムを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  7. 前記プリズムの頂角が、80°以下である、請求項6記載の有機EL発光装置。
  8. 前記第一バインダの屈折率が、1.5以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  9. 前記第一バインダが、高屈折ナノ粒子を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  10. 前記高屈折率ナノ粒子は、前記第一バインダの全量に対する割合として、20重量%以上80重量%以下である、請求項9記載の有機EL発光装置。
  11. 前記第一光散乱層が、粘着性を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
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