JPWO2016017258A1 - センサ、センサ装置、および電子機器 - Google Patents

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Abstract

近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができるセンサを提供する。脈拍検出機能を備えた近接センサ(14)は、アナログデジタル変換回路(4)からのデジタル出力値(ADCOUT1)がフォトダイオード(2)と検知物体(図中の指)との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整するカウント調整回路(5)と、アナログデジタル変換回路(4)からのデジタル出力値(ADCOUT1)の周期を検出するためのデジタルフィルター(6)と、を備えている。

Description

本発明は、近接センサや近接照度センサなどを含むセンサと、上記センサおよび赤外光を含む光を出射する発光素子を備えたセンサ装置と、近接センサや近接照度センサなどを含む電子機器とに関するものである。
携帯電話やスマートフォンやデジタルカメラなどの携帯機器に備えられた表示部においては、外光(外乱光)の照度に応じてその発光量を調整するため、照度センサが搭載されることが望まれている。
また、これらの携帯機器においては、より低消費電力を実現するため、ユーザの顔が近づいた時に、表示部をオフさせることができるように、近接センサが搭載されることも望まれている。
さらに、これらの携帯機器の小型化への要望から、照度センサと近接センサとが一体化された近接・照度センサが提案されている。
これらの携帯機器に搭載されたセンサを用いて、これらの携帯機器の新たな機能(アプリケーション)として、ユーザの脈拍などの検出を行い、簡単に健康状態を確認できることへの要望が強い。
従来から、特許文献1に記載されているように、人の指先で反射される反射光は血流に応じて変化するため、発光ダイオードで出射された光をフォトダイオードで受光し、その反射光の変化を検出することで、脈伯を検出する方法が用いられていた。なお、この脈拍の検出には、信号の周期を正確に検出することが必要とされる。また、特許文献2には、積分型のアナログデジタル変換回路を用いて、脈拍を検出することについて開示されている。
日本国公開特許公報「特開平7−294564号公報(1995年11月10日公開)」 日本国公表特許公報「特表2007−523727号公報(2007年8月23日公表)」 日本国公開特許公報「特開2008−034522号公報(2008年2月14日公開)」 日本国公開特許公報「特開平10−201743号公報(1998年8月4日公開)」
図15は、携帯電話やスマートフォンなどの携帯機器に搭載されている従来の近接照度センサの一例を示す。
図示されているように、近接照度センサ101は、受光素子として、赤外光領域に分光特性を有する赤外光対応フォトダイオード102と可視光〜赤外光領域に分光特性を有する可視光〜赤外光対応フォトダイオード103とを備えているとともに、各フォトダイオード102・103からのアナログ値である入力電流をデジタル値に変換するためのアナログデジタル変換回路104・105を備えている。
なお、近接照度センサ101における近接センサとしての機能は、後述する近接センサ107と同じであるため説明を省略し、ここでは照度センサとしての機能についてのみ説明する。
赤外光対応フォトダイオード102において単位時間当たりの受光量に応じて生じる電流を入力電流1(Iin1)とし、可視光〜赤外光対応フォトダイオード103において単位時間当たりの受光量に応じて生じる電流を入力電流2(Iin2)とする。
入力電流1(Iin1)をアナログデジタル変換回路104でアナログ−デジタル変換した結果として、アナログデジタル変換回路104から出力されるデジタル値がADCOUT1であり、入力電流2(Iin2)をアナログデジタル変換回路105でアナログ−デジタル変換した結果として、アナログデジタル変換回路105から出力されるデジタル値がADCOUT2である。
そして、上記ADCOUT1をα倍し、ADCOUT2から減算する演算を行うことで、以下のような照度の結果をデジタル値として得ることができる。
ADCOUT2−ADCOUT1×α=Iin2−Iin1×α
図16は、携帯電話やスマートフォンなどの携帯機器に搭載されている従来の近接センサの一例を示す。
LED素子106は、検知物体110の近接の程度を検知するため、近接センサ107で受光する所定波長の光を含む光を出射するとともに、表示パネル109に光を照射するバックライトでもある。
近接センサ107は、受光素子としてのフォトダイオード(未図示)とアナログデジタル変換回路(未図示)とを備えた構成となっている。
レンズ108は、LED素子106および近接センサ107のフォトダイオード上に設けられ、受光効率や発光効率を向上させる。
図17は、図16に図示したLED素子の制御信号と近接センサの出力値および判定値の一例を示す。
図17(a)は、近接センサ107に検知物体110が近接している場合である。LED素子106を発光させた場合、検知物体110が近接しているので、検知物体110からの反射光が多く、近接センサ107のフォトダイオードが受光する受光量も多い。したがって、LED素子106が発光期間中の近接センサ107の出力値データは、Data1となり、LED素子106が非発光期間中の近接センサ107の出力値データは、Data2となる。そして、このData1とこのData2との差分を近接データとし、この近接データが閾値以上であれば、検知物体110が近接センサ107に近接している状態(近接状態)であると判定するようになっている。
一方、図17(b)は、検知物体110が近接センサ107から離れている場合である。LED素子106を発光させでも検知物体110が離れているので、検知物体110からの反射光が少なく、近接センサ107のフォトダイオードが受光する受光量も少ない。したがって、LED素子106が発光期間中の近接センサ107の出力値データは、Data1となり、LED素子106が非発光期間中の近接センサ107の出力値データは、Data2となる。そして、このData1とこのData2との差分を近接データとし、この近接データは閾値未満であるので、検知物体110が近接センサ107から離れている状態(非近接状態)であると判定するようになっている。
上述した近接照度センサ101および近接センサ107においては、検知物体が近接照度センサ101または近接センサ107の近くに有るか無いかの判定を行うので、検知物体が近接照度センサ101または近接センサ107の近くにある場合であり、アナログデジタル変換回路の出力値が飽和していても、検知物体の近接判定には大きな影響がない。
しかしながら、これらの近接照度センサや近接センサを用いて、ユーザの脈拍を測定する場合、ユーザの指を近接照度センサや近接センサに近づけて測定するため、アナログデジタル変換回路の出力値が飽和してしまう。ユーザの脈拍の検出のためには、アナログデジタル変換回路の出力値の周期を検出することが必要である。アナログデジタル変換回路の出力値が飽和してしまうと、アナログデジタル変換回路の出力値の周期を検出することができないので、ユーザの脈拍を検出することが困難となってしまう。
以上のように、ユーザの脈拍の検出は、近接照度センサや近接センサを用いた検知物体の近接判定とは異なるため、近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することは困難であった。そのため、ユーザの脈拍を検出する機能を備えた携帯機器などにおいては、通常、ユーザの脈拍を検出するための脈拍センサを別途設ける必要があったため、携帯機器の小型化や低価格化を妨げる一つの原因となっていた。
本発明の目的は、近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができるセンサと、センサ装置と、電子機器とを提供することである。
本発明のセンサは、上記課題を解決するために、赤外光を受光する第1受光素子と、上記第1受光素子のアナログ出力値をデジタル出力値に変換するアナログデジタル変換回路とを備えたセンサであって、上記デジタル出力値が上記第1受光素子と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整する調整回路と、上記デジタル出力値の周期を検出するためのデジタルフィルターと、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができるセンサを実現することができる。
本発明のセンサ装置は、上記課題を解決するために、上記センサと、赤外光を含む光を出射する発光素子とを備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができるセンサ装置を実現することができる。
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、赤外光を受光する第1受光素子と、上記第1受光素子のアナログ出力値をデジタル出力値に変換するアナログデジタル変換回路とを備えたセンサを含む電子機器であって、上記センサには、上記デジタル出力値が上記第1受光素子と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整する調整回路が備えられており、上記デジタル出力値はデジタルフィルター処理され、その周期が検出されることを特徴としている。
上記構成によれば、近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができる電子機器を実現することができる。
本発明の一態様によれば、近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができるセンサと、センサ装置と、電子機器とを実現できる。
発光素子としての赤外光LEDと、脈拍検出機能を備えた近接照度センサとを備えたセンサ装置の概略構成を示す図である。 脈拍検出機能を備えた近接照度センサに備えられた積分型アナログデジタル変換回路とカウント調整回路との概略構成を示す図である。 図2に図示したアナログデジタル変換回路の駆動信号の一例を示す図である。 脈拍検出機能を備えた近接照度センサを、近接センサモードとして用いた場合と脈拍センサモードとして用いた場合とのアナログ−デジタル変換回路からの出力値を示す図である。 近接照度センサに備えられた赤外光対応フォトダイオードと可視光〜赤外光対応フォトダイオードとの分光特性の一例を示す図である。 近接照度センサに備えられたデジタルフィルターを説明するための図である。 近接照度センサを脈拍センサとして作動した場合において、アナログデジタル変換回路の出力値をデジタルフィルターを用いて処理する前後の脈拍波形を示す図である。 IIR(無限インパルス応答)フィルターで構成されたデジタルフィルターの一例を示す図である。 発光素子としての赤外光LEDと、脈拍検出機能を備えた近接センサとを備えたセンサ装置の概略構成を示す図である。 発光素子としての赤外光LEDと、近接センサと、デジタルフィルター処理をするCPUとを備えた電子機器の概略構成を示す図である。 分光特性変更可能受光素子の概略構成を示す図である。 発光素子としての赤外光LEDと、分光特性変更可能受光素子を2つ有する脈拍検出機能を備えた近接照度センサとを備えたセンサ装置の概略構成を示す図である。 受光部(受光面)が複数に分割された受光素子の概略構成を示す図である。 脈拍検出機能を備えた近接照度センサと、バックライト制御部と、バックライトと、液晶パネルと、を備えた電子機器の概略構成を示す図である。 携帯電話やスマートフォンなどの携帯機器に搭載されている従来の近接照度センサの一例を示す。 携帯電話やスマートフォンなどの携帯機器に搭載されている従来の近接センサの一例を示す。 図16に図示したLED素子の制御信号と近接センサの出力値および判定値の一例を示す。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などはあくまで一実施形態に過ぎず、これらによってこの発明の範囲が限定解釈されるべきではない。
本発明の実施の形態を図1〜図14に基づいて説明すれば以下のとおりである。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
図1は、発光素子としての赤外光LED1と、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ8とを備えたセンサ装置9の概略構成を示す図である。
(発光素子)
本実施の形態においては、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ8の受光波長領域を考慮し、発光素子として赤外光LED1を用いている。ユーザの指の血液中のヘモグロビンには、近赤外光を良く吸収する性質があり、赤外光領域を含む光を出射する発光素子を用いることが好ましい。
(脈拍検出機能を備えた近接照度センサ)
図1に図示されているように、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ8は、受光素子として、赤外光領域に分光特性を有する赤外光対応フォトダイオード2と可視光〜赤外光領域に分光特性を有する可視光〜赤外光対応フォトダイオード3とを備えている。
さらに、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ8は、フォトダイオード2からのアナログ値である入力電流をデジタル値に変換するためのアナログデジタル変換回路4と、アナログデジタル変換回路4からのデジタル出力値(ADCOUT1)がフォトダイオード2と検知物体(図中の指)との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整するカウント調整回路5(調整回路)と、アナログデジタル変換回路4からのデジタル出力値(ADCOUT1)の周期を検出するためのデジタルフィルター6と、フォトダイオード3からのアナログ値である入力電流をデジタル値に変換するためのアナログデジタル変換回路7と、を備えている。
なお、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ8における近接センサとしての機能と照度センサとしての機能とは、図15、図16および図17を用いて上述した説明と同じであるため、その説明を省略し、以下では脈拍検出機能を中心に説明をする。
(積分型アナログデジタル変換回路およびカウント調整回路)
図2は、積分型アナログデジタル変換回路とカウント調整回路との概略構成を示す図である。
図示されているように、積分型アナログデジタル変換回路4(以後、アナログデジタル変換回路4と称する)は、入力電流の電流量をデジタル変換して出力するアナログデジタル変換回路であって、充電回路10と、放電回路11と、比較回路12と、制御回路13とを備えている。
充電回路10は、フォトダイオード2(未図示)からの入力電流(Iin)に応じた電荷を蓄える容量(C1)と、オペアンプ(AMP1)とを備えている。
放電回路11は、スイッチ2(SW2)を介して、一度に予め定められた電荷量を放電する回路である。
比較回路12は、充電回路10の出力電圧(vsig)と電圧がV1である基準電圧(vref)とを比較する比較器(CMP1)と、基準電圧(vref)と充電回路10の出力とを開閉するスイッチ1(SW1)と、を備えている。
制御回路13は、フリップフロップ(FF)とカウンター(count)とを備え、放電回路11の放電回数に応じたデジタル値を出力値(ADCOUT1)として出力する。
そして、カウント調整回路5は、放電回路11と同様の構成からなり、スイッチ3(SW3)を介して、測定期間中に予め定められた電荷量を放電する回路であり、オフセット(offset)する値によって放電回数が決定される。すなわち、スイッチ3(SW3)は、オフセットで設定された電荷に応じた回数分Hi電圧となり、Hi電圧時にスイッチ3(SW3)が閉じられ、放電される。
図3は、図2に図示するアナログデジタル変換回路4の駆動信号の一例を示す図である。
最初に、比較回路12におけるスイッチ1(SW1)は閉じているので、充電回路10の出力電圧(vsig)は基準電圧(vref)に充電されている。そして、データ充電期間(t_conv)の間、スイッチ1(SW1)が開くことで、フォトダイオード2(未図示)からの入力電流(Iin)が充電回路10の容量(C1)に充電され、アナログ−デジタル変換される。
先ず、放電回路11により、一定の電荷(I1×クロック(t_clk))を放電させるプリチャージ動作が行われ、充電回路10の出力電圧(vsig)は下がる。この後、充電回路10はフォトダイオード2からの入力電流(Iin)により充電され、充電回路10の出力電圧(vsig)が基準電圧(vref)を超えると、比較回路12の出力値(comp)がHi電圧になり、制御回路13からは、比較回路12の出力値(comp)がHi電圧となってから1クロック(t_clk)後に、放電回路11のスイッチ2(SW2)を制御する制御信号(charge)が出力される。そして、この制御信号(charge)がHi電圧時に放電回路11のスイッチ2(SW2)が閉じられ、放電回路11からは、一定の電荷(I1×クロック(t_clk))が放電される。それから、制御回路13のカウンター(count)で、制御信号(charge)のHi電圧期間に相当する放電時間を数えることで、フォトダイオード2から入力された電荷量に応じた値をデジタル出力値(ADCOUT1)として出力できる。
フォトダイオード2からの入力電流(Iin)により充電された電荷量とI1×クロック(t_clk)により放電された電荷量とは、等しくなるように動作される。
クロックをt_clk、データ充電時間をt_conv、放電時間をカウントした値をcount、基準電流量をI1とすると、充電電荷量=Iin×t_conv、放電電荷量=I1×t_clk×countとなる。そして、充電電荷量=放電電荷量の関係から、count=(Iin×t_conv)/(I1×t_clk)が成り立つ。ここで、最小分解能は、(I1×t_clk)で決定されることになる。データ充電時間t_convをt_clk×2(nは分解能)の期間の間、充電するように設定すると、count=Iin/I1×2となる。
例えば、分解能n=16ビットの場合は、カウント数(count)は、入力電流Iinに応じた値を、0〜65535の範囲で出力することになる。したがって、このようなアナログ−デジタル変換回路4を備えることにより、広いダイナミックレンジと高い分解能のアナログ−デジタル変換が可能となる。
図1に図示した近接照度センサ8は、積分型のアナログ−デジタル変換回路であるアナログ−デジタル変換回路4を備えているので、広いダイナミックレンジと高い分解能のアナログ−デジタル変換が可能である近接照度センサ8を実現できる。
そして、近接照度センサ8のアナログ−デジタル変換回路4には、脈拍の周期の変動を容易に検出することができるようにカウンタ調整回路5(調整回路)が備えられている。カウント調整回路5は、図2に図示されているように、スイッチ3(SW3)を介して、測定期間中に予め定められた電荷量を放電する回路であり、オフセット(offset)する値によって放電回数が決定できるのでアナログ−デジタル変換回路4からの出力値(ADCOUT1)のカウントを調整することができる。
このように、カウント調整回路5を用いる場合においては、offsetを調整するカウント数とすると、充電電荷量=Iin×t_conv、放電電荷量=I1×t_clk×count+I1×t_clk×offsetとなる。
充電電荷量=放電電荷量の関係から、count=(Iin×t_conv)/(I1×t_clk)−offsetとなる。ここで、データ充電時間t_convをt_clk×2(nは分解能)の期間の間、充電するように設定すると、count=Iin/I1×2−offsetとなり、調整したいカウント数のoffset分だけ、カウントをシフトさせることができる。したがって、カウント調整回路5を用いることにより、アナログ−デジタル変換回路4からの出力値(ADCOUT1)がフォトダイオード2と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整することができる。
図4は、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ8を、近接センサモードとして用いた場合と脈拍センサモードとして用いた場合とにおけるフォトダイオード2と検知物体との間の距離に応じて変化するアナログ−デジタル変換回路4からの出力値(ADCOUT1)を示す図である。
図4(a)は、近接照度センサ8を近接センサモードとして用いた場合であって、近接センサモードでは、検知物体の距離100mm程度に対して検知することを目的としているため、例えば、指を近づけた時の近距離20mm以下では、アナログデジタル変換回路4からの出力値である出力カウントは飽和している。
既に上述したように、近接センサモードにおいては、検知物体がフォトダイオード2の近くに有るか無いかの判定を行うのみなので、アナログデジタル変換回路4の出力値が飽和していても、検知物体の近接判定には大きな影響がない。
しかしながら、ユーザの脈拍を測定する場合、ユーザの指をフォトダイオード2に近づけて測定するため、指を置いた程度の近距離1mm〜2mm程度でアナログデジタル変換回路4の出力値を飽和させずに設定する必要がある。このような近距離1mm〜2mm程度ではアナログデジタル変換回路4の出力値は一般的には飽和してしまうが、近接照度センサ8においては、カウント調整回路5を用いてアナログデジタル変換回路4の出力値がフォトダイオード2と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲(例えば、指を置いた程度の近距離1mm〜1.6mm程度)において飽和しないように調整している。
図4(b)は、近接照度センサ8を脈拍センサモードとして用いた場合であって、脈拍センサモードにおいては、指を置いた程度の近距離1mm〜1.6mm程度ではアナログデジタル変換回路4の出力値は飽和していないので、脈拍測定が可能となる。
ここで、アナログデジタル変換回路4の出力値が飽和している場合にユーザの脈拍検出が困難な理由について説明する。アナログデジタル変換回路4からの飽和している出力値を後述するデジタルフィルター処理した場合、脈拍によるカウントの変動がない状態、すなわち、飽和値に固定された状態になり、デジタルフィルター処理後の出力が、0で変動しなくなってしまうので、ユーザの脈拍検出が困難である。
一方、アナログデジタル変換回路4からの飽和していない出力値をデジタルフィルター処理した場合、脈拍によるカウントの変動がある状態になり、デジタルフィルター処理後の出力値が、脈拍の周期での変動と捉えることが可能となる。
そして、カウント調整回路5を用いてアナログデジタル変換回路4の出力値がフォトダイオード2と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲(例えば、指を置いた程度の近距離1mm〜1.6mm程度)において飽和しないように調整することで、脈拍センサモードとして用いることができる理由について説明する。
スマートフォンなどの携帯機器に近接照度センサ8を実装する場合、一般的には、フォトダイオード2は表示パネルの下部や表示パネルの内部に設けられる。したがって、フォトダイオード2と表示パネルの表面(ユーザの指の接触面)との間にはギャップが生じることとなる。よって、ユーザの指を表示パネルに完全に接触した状態でも、通常約1mm〜1.6mm程度の距離が残る。
このような理由から、近接照度センサ8においては、カウント調整回路5を用いてアナログデジタル変換回路4の出力値がフォトダイオード2と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲(例えば、指を置いた程度の近距離1mm〜1.6mm程度)において飽和しないように調整し、脈拍センサモードとして用いている。
携帯機器の種類などにより、フォトダイオード2と表示パネルの表面(ユーザの指の接触面)との間のギャップは異なることがあるため、カウント調整回路5を用いて、アナログデジタル変換回路4の出力値がフォトダイオード2と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲で飽和しないように最適調整し、脈拍によるカウントの変動がある状態にする必要がある。
(受光素子)
図5は、近接照度センサ8に備えられた赤外光領域に分光特性を有する赤外光対応フォトダイオード2と可視光〜赤外光領域に分光特性を有する可視光〜赤外光対応フォトダイオード3との分光特性の一例を示す図である。
近接照度センサ8が照度センサとして動作時には、可視光〜赤外光の分光特性の出力から、赤外光の分光特性の出力にα倍をして減算することで、視感度に合わせた照度特性を実現できる。
そして、近接照度センサ8が近接センサとして動作時には、赤外光の分光特性の出力を用いることで、可視光を低減し、蛍光灯などのノイズを低減できる。
それから、近接照度センサ8が脈拍センサとして動作時には、赤外光の分光特性の出力を用いることで、人の指先で反射される血流に応じた反射光を検出できる。
(デジタルフィルター)
図6は、近接照度センサ8に備えられたデジタルフィルター4を説明するための図である。
図示されているように、デジタルフィルター4は、FIR(有限インパルス応答)フィルターであり、ローパスフィルターとハイパスフィルターとで構成される。
ローパスフィルターは移動平均処理で構成でき、ハイパスフィルターは、差分処理で構成できる。
アナログデジタル変換回路4の出力値(ADCOUT1)を連続して2n個保持し、Data[2n−1]〜Data[n]の平均値から、Data[n−1]〜Data[0]の平均値を減算することで、ローパスフィルターとハイパスフィルターとの特性が得られる。
なお、nは保持するデータ数であり、デジタルフィルター4の通過域を調整できる。例えば、アナログデジタル変換回路4の出力値(ADCOUT1)が10msec毎に出力された場合、n=24程度とすることで、ユーザの脈拍の周期の検出が容易になる。
図7は、近接照度センサ8を脈拍センサとして作動した場合において、アナログデジタル変換回路4の出力値(ADCOUT1)をデジタルフィルター4を用いて処理する前後の脈拍波形を示す図である。
図7(a)および図7(b)は、ユーザA(人A)の場合におけるデジタルフィルター4処理前後の脈拍波形を示しており、図7(c)および図7(d)は、ユーザB(人B)の場合におけるデジタルフィルター4処理前後の脈拍波形を示しており、図7(e)および図7(f)は、ユーザC(人C)の場合におけるデジタルフィルター4処理前後の脈拍波形を示している。
図示されているように、ユーザ毎に脈拍波形には差が生じているが、デジタルフィルター4を用いることにより、周波数の速い細かいノイズを平滑化するというローパスフィルターの効果と、ユーザによる反射光量の差(DCレベル)を除去するというハイパスフィルターの効果とを得ることができ、デジタルフィルター4処理後の脈拍波形は、ユーザに関係なく、0を中心とした振幅を有する脈拍波形を得ることができる。
したがって、図7(b)、図7(d)および図7(f)に図示されているデジタルフィルター4から出力される脈拍波形の最大値または最小値を検出することで、ユーザの脈拍の周期を容易に検出することができる。
また、図7(b)、図7(d)および図7(f)に図示されているデジタルフィルター4から出力される脈拍波形の0を横切るポイントを検出することで、すなわち、デジタルフィルター4から出力される脈拍波形が0となる周期を検出することで、ユーザの脈拍の周期を容易に検出することができる。
以上では、デジタルフィルター4がFIR(有限インパルス応答)フィルターである場合を例に挙げて説明したが、デジタルフィルター4はIIR(無限インパルス応答)フィルターであってもよい。
図8は、IIR(無限インパルス応答)フィルターで構成されたデジタルフィルターの一例を示す図である。
図示されているようなIIR(無限インパルス応答)フィルターで構成されたデジタルフィルターを用いると、FIR(有限インパルス応答)フィルターで構成されたデジタルフィルターより、少ない演算で性能のよいデジタルフィルター設計することができるというメリットがあるが、フィードバックパスがあることや係数感度が高く不安定になりやすいことや位相応答が非線形であることなどのデメリットもある。
〔実施の形態2〕
次に、図9に基づいて、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1においては、脈拍検出機能を備えた近接照度センサを備えたセンサ装置を例に挙げて説明したが、本実施の形態においては、脈拍検出機能を備えた近接センサを備えたセンサ装置を例に挙げて説明するという点において、上記の実施の形態1とは異なる。その他の構成については実施の形態1において説明したとおりである。説明の便宜上、上記の実施の形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図9は、発光素子としての赤外光LED1と、脈拍検出機能を備えた近接センサ14とを備えたセンサ装置15の概略構成を示す図である。
図示されているように、脈拍検出機能を備えた近接センサ14は、赤外光領域に分光特性を有する赤外光対応フォトダイオード2と、フォトダイオード2からのアナログ値である入力電流(Iin1)をデジタル値に変換するためのアナログデジタル変換回路4と、アナログデジタル変換回路4からのデジタル出力値(ADCOUT1)がフォトダイオード2と検知物体(図中の指)との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整するカウント調整回路5(調整回路)と、アナログデジタル変換回路4からのデジタル出力値(ADCOUT1)の周期を検出するためのデジタルフィルター6と、を備えている。
このような脈拍検出機能を備えた近接センサ14によれば、近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができる。
なお、脈拍検出機能を備えた近接センサ14における脈拍の検出方法は、上述した実施の形態1で既に説明した通りであり、近接センサとしての機能については、図16および図17を用いて既に説明した通りであるため、ここではそれらの説明を省略する。
〔実施の形態3〕
次に、図10に基づいて、本発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1および2においては、アナログデジタル変換回路4からのデジタル出力値(ADCOUT1)をデジタルフィルター処理するデジタルフィルター6が脈拍検出機能を備えた近接照度センサや脈拍検出機能を備えた近接センサに備えられている場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態においては、アナログデジタル変換回路4からのデジタル出力値(ADCOUT1)のデジタルフィルター処理が近接照度センサや近接センサ外でソフトウェア的に処理されるという点において、上記の実施の形態1および2とは異なる。その他の構成については実施の形態1および2において説明したとおりである。説明の便宜上、上記の実施の形態1および2の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図10は、発光素子としての赤外光LED1と、近接センサ16と、CPUとを備えた電子機器18の概略構成を示す図である。
図示されているように、近接センサ16は、赤外光領域に分光特性を有する赤外光対応フォトダイオード2と、フォトダイオード2からのアナログ値である入力電流(Iin1)をデジタル値に変換するためのアナログデジタル変換回路4と、アナログデジタル変換回路4からのデジタル出力値(ADCOUT1)がフォトダイオード2と検知物体(図中の指)との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整するカウント調整回路5(調整回路)と、を備えている。
そして、アナログデジタル変換回路4からのデジタル出力値(ADCOUT1)の周期を検出するためのデジタルフィルター処理は、電子機器18のCPUにおいて、ソフトウェア的に行われる。
なお、電子機器18はデジタルフィルター処理を行うことができるCPUなどの処理部を有すればよく、一例としては、携帯電話やスマートフォンやデジタルカメラなどを挙げることができる。
このような構成の電子機器は、近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができ、デジタルフィルター処理をソフトウェアで処理することにより、近接照度センサや近接センサとしては、アナログデジタル変換回路までの構成とできるため、簡単な構成となり低価格を実現できる。
〔実施の形態4〕
次に、図11および図12に基づいて、本発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態1〜3は、受光素子として、赤外光領域に分光特性を有する赤外光対応フォトダイオードや可視光〜赤外光領域に分光特性を有する可視光〜赤外光対応フォトダイオードを備えている場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態においては、分光特性変更可能受光素子を備えているという点において、上記の実施の形態1〜3とは異なる。その他の構成については実施の形態1〜3において説明したとおりである。説明の便宜上、上記の実施の形態1〜3の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図11は、分光特性変更可能受光素子21の概略構成を示す図である。
図示されているように、分光特性変更可能受光素子21は2つ以上のPN接合を備える受光素子である。そして、分光特性変更可能受光素子21の構造は、積層順でP基板−Nウェル−P拡散で構成され、スイッチ1およびスイッチ2により分光特性を変更することができるようになっている。
すなわち、分光特性変更可能受光素子21は、赤外光領域に分光特性を有するP基板−Nウェルのフォトダイオード19と、可視光領域に分光特性を有するNウェル−P拡散のフォトダイオード20とを備えている。
そして、分光特性変更可能受光素子21におけるスイッチ1がONおよびスイッチ2がOFFの時には、P基板−Nウェルのフォトダイオード19を使用し、Nウェル−P拡散のフォトダイオード20は短絡される。したがって、分光特性変更可能受光素子21は赤外光領域に分光特性を有することとなる。
一方、分光特性変更可能受光素子21におけるスイッチ1がOFFおよびスイッチ2がONの時には、P基板−Nウェルのフォトダイオード19を使用するとともに、Nウェル−P拡散のフォトダイオード20も使用する。したがって、分光特性変更可能受光素子21は可視光〜赤外光領域に分光特性を有することとなる。
図12は、発光素子としての赤外光LED1と、分光特性変更可能受光素子21を2つ有する脈拍検出機能を備えた近接照度センサ22とを備えたセンサ装置23の概略構成を示す図である。
図示されているように、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ22においては、赤外光領域に分光特性を有する赤外光対応フォトダイオードとしては、スイッチ1をONにし、スイッチ2をOFFにした分光特性変更可能受光素子21を用いており、可視光〜赤外光領域に分光特性を有する可視光〜赤外光対応フォトダイオードとしては、スイッチ1をOFFにし、スイッチ2をONにした分光特性変更可能受光素子21を用いている。
上記構成によれば、スイッチの接続状態のみが異なる同じ構造の分光特性変更可能受光素子21を用いることができるので、2つの異なる構造を有する受光素子を形成するより効率よく受光素子を形成することができる。
〔実施の形態5〕
次に、図13に基づいて、本発明の実施の形態5について説明する。上述した実施の形態1〜4は、受光素子の受光部(受光面)が面一状に形成されている場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態においては、受光素子の受光部(受光面)が複数に分割されている点において、上記の実施の形態1〜4とは異なる。その他の構成については実施の形態1〜4において説明したとおりである。説明の便宜上、上記の実施の形態1〜4の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図13は、受光部(受光面)が複数に分割された受光素子24の概略構成を示す図である。
図示されているように、受光素子24はが複数に分割された受光部(受光面)を有する。なお、本実施の形態においては、受光部(受光面)がマトリクス状に16分割されたものを用いているが、分割数および分割形状は特に限定されない。
そして、照度センサとして動作時には、受光部(受光面)全て、すなわち、16分割された受光面PD00〜PD15を全て使用する。これは、照度センサとして動作時には、低照度での感度を上げるためと、指向特性を向上されるために、受光素子の受光エリアを大きく使用するのが好ましいからである。
一方、図16に図示されているように、LED素子106から出射され、表示パネル109で反射された反射光のスポットは、通常、LED素子106と反対側にずれる傾向があることから、近接センサとして動作時には、図13の左側に発光素子が存在するとした場合、16分割された受光面PD00〜PD15中、PD02、PD03、PD06、PD07、PD10、PD11、PD14、PD15を受光エリア(指定エアリア)として選択することが好ましい。これにより、携帯機器などにおける表示パネルからの反射光によるノイズ光量を低減することができる。
脈拍センサとして動作時にも、近接センサとして動作時と同様に、携帯機器などにおける表示パネルからの反射光の影響を受けるため、16分割された受光面PD00〜PD15中、PD02、PD03、PD06、PD07、PD10、PD11、PD14、PD15を受光エリア(指定エアリア)として選択することが好ましい。これにより、ユーザの指先で反射される血流に応じた反射光を安定して得られる。
〔実施の形態6〕
次に、図14に基づいて、本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態においては、脈拍検出機能を備えた近接照度センサや脈拍検出機能を備えた近接センサからの近接判断データまたは照度データに基づいて、例えば、液晶パネルなどの表示パネルに光を照射するバックライトの輝度を制御するという点において、上記の実施の形態1〜5とは異なる。その他の構成については実施の形態1〜5において説明したとおりである。説明の便宜上、上記の実施の形態1〜5の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図14は、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ8と、バックライト制御部25と、バックライト26と、液晶パネル27と、を備えた電子機器28の概略構成を示す図である。
図示されているように、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ8からの近接判断データおよび照度データに基づいて、バックライト制御部25介して、バックライトの輝度を制御する。
例えば、電子機器28が置かれている状況によって、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ8からの照度データは変わるので、この照度データを用いて、バックライトの輝度を制御することにより、液晶パネル27の表示品質を一定以上に維持することができる。
また、電子機器28が携帯電話やスマートフォンやデジタルカメラなどである場合に、ユーザが電子機器28に顔などを近づけた場合には、液晶パネル27に表示を行う必要がない場合があるので、脈拍検出機能を備えた近接照度センサ8からの近接判断データに基づいて、バックライトの輝度を下げる制御をしてもよい。
なお、本実施の形態においては、電子機器を例に挙げて説明しているが、センサ装置の場合においては、バックライトが発光素子に該当し、バックライト制御部は発光素子制御部に該当する。
また、上記発光素子は、液晶表示パネルや表示パネルに対して光を照射するバックライトに含まれていてもよい。
さらには、上記発光素子は、有機EL発光素子であってもよい。
〔まとめ〕
本発明の態様1におけるセンサは、赤外光を受光する第1受光素子と、上記第1受光素子のアナログ出力値をデジタル出力値に変換するアナログデジタル変換回路とを備えたセンサであって、上記デジタル出力値が上記第1受光素子と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整する調整回路と、上記デジタル出力値の周期を検出するためのデジタルフィルターと、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができるセンサを実現することができる。
本発明の態様2におけるセンサは、可視光から赤外光までの領域の光を受光する第2受光素子を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、近接照度センサを用いてユーザの脈拍を検出することができるセンサを実現することができる。
本発明の態様3におけるセンサにおいては、上記第1受光素子および上記第2受光素子は、それぞれ赤外光を受光する受光素子と可視光を受光する受光素子とを備えており、上記第1受光素子は、上記赤外光を受光する受光素子を用いて受光を行い、上記第2受光素子は、上記赤外光を受光する受光素子と上記可視光を受光する受光素子とを用いて受光を行うことが好ましい。
上記構成によれば、上記第1受光素子と上記第2受光素子とを同じ構造で形成できるので、2つの異なる構造を有する受光素子を形成するより効率よく受光素子を形成することができる。
本発明の態様4におけるセンサにおいては、上記デジタルフィルターは、ローパスフィルターとハイパスフィルターとで構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、周波数の速い細かいノイズを平滑化するというローパスフィルターの効果と、ユーザによる反射光量の差(DCレベル)を除去するというハイパスフィルターの効果とを得ることができ、デジタルフィルター処理後の脈拍波形は、ユーザに関係なく、0を中心とした振幅を有する脈拍波形を得ることができる。
本発明の態様5におけるセンサにおいては、上記デジタルフィルターは、脈拍の周期を通過域とすることが好ましい。
本発明の態様6におけるセンサにおいては、上記デジタルフィルターからの出力値の最大値または最小値を用いて、上記デジタル出力値の周期を検出することが好ましい。
本発明の態様7におけるセンサにおいては、上記デジタルフィルターからの出力値が0となる周期を上記デジタル出力値の周期とすることが好ましい。
上記構成によれば、ユーザの脈拍の周期の検出が容易になる。
本発明の態様8におけるセンサにおいては、上記第1受光素子は、分割された複数の受光部を備えており、上記複数の受光部中、所定領域の受光部を用いて受光を行うことが好ましい。
上記構成によれば、携帯機器などにおける表示パネルからの反射光によるノイズ光量を低減することができる。
本発明の態様9におけるセンサにおいては、上記アナログデジタル変換回路は、一定時間に受光した赤外光の光量に応じた上記第1受光素子からの入力電流の電流量をデジタル変換して出力する積分型アナログデジタル変換回路であり、上記積分型アナログデジタル変換回路には、上記電流量に応じた電荷量を蓄える容量を有する充電回路と、一度に予め定められた電荷量を放電する放電回路と、上記充電回路の出力電圧と基準電圧とを比較する比較回路と、上記比較回路からの出力値に基づいた上記放電回路の放電回数をデジタル値として出力する制御回路と、を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、広いダイナミックレンジと高い分解能のアナログ−デジタル変換が可能であり、脈拍の周期の変動を容易に検出することができる。
本発明の態様10におけるセンサにおいては、上記調整回路は、上記デジタル出力値が上記第1受光素子と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように、測定期間中に予め定められた電荷量を放電することが好ましい。
上記構成によれば、上記デジタル出力値におけるオフセットの設定が容易になる。
本発明の態様11におけるセンサ装置においては、上記センサと、赤外光を含む光を出射する発光素子とを備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができるセンサ装置を実現することができる。
本発明の態様12におけるセンサ装置においては、上記センサからの出力値に基づいて、上記発光素子を制御することが好ましい。
上記構成によれば、センサ装置の低消費電力化を実現することができる。
本発明の態様13におけるセンサ装置においては、上記発光素子は、液晶表示パネルに対して光を照射するバックライトに含まれていてもよい。
本発明の態様14におけるセンサ装置においては、上記発光素子は、有機EL発光素子であってもよい。
本発明の態様15における電子機器は、赤外光を受光する第1受光素子と、上記第1受光素子のアナログ出力値をデジタル出力値に変換するアナログデジタル変換回路とを備えたセンサを含む電子機器であって、上記センサには、上記デジタル出力値が上記第1受光素子と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整する調整回路が備えられており、上記デジタル出力値はデジタルフィルター処理され、その周期が検出されることを特徴としている。
上記構成によれば、近接照度センサや近接センサを用いてユーザの脈拍を検出することができる電子機器を実現することができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、近接センサや近接照度センサなどを含むセンサと、上記センサおよび赤外光を含む光を出射する発光素子を備えたセンサ装置と、近接センサや近接照度センサなどを含む電子機器とに好適に用いることができる。
1 赤外光LED(発光素子)
2 赤外光対応フォトダイオード(第1受光素子)
3 可視光〜赤外光対応フォトダイオード(第2受光素子)
4 アナログデジタル変換回路
5 カウント調整回路(調整回路)
6 デジタルフィルター
7 アナログデジタル変換回路
8 近接照度センサ(センサ)
9 センサ装置
10 充電回路
11 放電回路
12 比較回路
13 制御回路
14 近接センサ(センサ)
15 センサ装置
16 近接センサ
17 センサ装置
18 電子機器
19 P基板−Nウェルフォトダイオード
20 Nウェル−P拡散フォトダイオード
21 分光特性変更可能受光素子
22 近接照度センサ(センサ)
23 センサ装置
24 受光面が分割された受光素子
25 バックライト制御部
26 バックライト
27 液晶パネル(表示パネル)
28 電子機器

Claims (5)

  1. 赤外光を受光する第1受光素子と、上記第1受光素子のアナログ出力値をデジタル出力値に変換するアナログデジタル変換回路とを備えたセンサであって、
    上記デジタル出力値が上記第1受光素子と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整する調整回路と、
    上記デジタル出力値の周期を検出するためのデジタルフィルターと、を備えたことを特徴とするセンサ。
  2. 上記デジタルフィルターは、ローパスフィルターとハイパスフィルターとで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
  3. 上記デジタルフィルターからの出力値の最大値または最小値を用いて、上記デジタル出力値の周期を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載のセンサと、赤外光を含む光を出射する発光素子とを備えたことを特徴とするセンサ装置。
  5. 赤外光を受光する第1受光素子と、上記第1受光素子のアナログ出力値をデジタル出力値に変換するアナログデジタル変換回路とを備えたセンサを含む電子機器であって、
    上記センサには、上記デジタル出力値が上記第1受光素子と検知物体との間の距離の少なくとも所定範囲において上記距離の各々の値に応じて変化するように調整する調整回路が備えられており、
    上記デジタル出力値はデジタルフィルター処理され、その周期が検出されることを特徴とする電子機器。
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