JPWO2015190531A1 - 溶融ガラスの製造方法、ガラス物品の製造方法、および溶融ガラス製造装置 - Google Patents

溶融ガラスの製造方法、ガラス物品の製造方法、および溶融ガラス製造装置 Download PDF

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Abstract

ガラス溶融物の対流が過剰になることを抑制しつつ、ガラス溶融物中のH2Oの含有率を増加させることが容易な溶融ガラスの製造方法を提供する。本発明の溶融ガラスの製造方法の一つの態様は、溶解槽においてガラス原料を溶解してガラス溶融物を製造する原料溶融工程と、溶解槽の上流側端部から下流側端部に流れるガラス溶融物中に水分子供給ガスを供給する水分子供給工程と、下流側端部から流出したガラス溶融物を減圧雰囲気下で脱泡する清澄工程と、を有し、水分子供給工程における水分子供給ガスの供給位置は、ガラス溶融物の流れ方向における下流側から上流側へ順に第1位置と第2位置とを含み、第1位置は、上流側端部と下流側端部との双方から離間した位置であり、第2位置は、上流側端部から第1位置までのガラス溶融物の流れ方向の距離の中心よりも上流側端部に近い位置であることを特徴とする。

Description

本発明は、溶融ガラスの製造方法、ガラス物品の製造方法、および溶融ガラス製造装置に関する。
たとえば、特許文献1から3に記載されているように、ガラス溶融物の対流を生じさせること等を目的として、溶解槽中にバブラーを設ける構成が知られている。
国際公開第2009/125750号 特開昭53−102916号公報 米国特許第6871514号明細書 国際公開第2007/111079号
ところで、たとえば、特許文献4に記載されているように、ガラス溶融物中におけるHOの含有率を増加させることで、減圧脱泡を促進できることが知られている。ガラス溶融物中におけるHOの含有率を増加させる方法として、たとえば、特許文献2には、溶解槽中に設けられたバブラーによってガラス溶融物中にHOを導入する方法が記載されている。
しかし、たとえば、バブラーから噴出されるガスの噴出量を大きくし過ぎると、溶解槽中においてガラス溶融物の対流が過剰に生じる場合がある。その結果、バブラーから噴出されたガスの気泡が清澄槽に流入する問題や、溶解槽の底部が過剰に加熱されて溶解槽が劣化する問題等が生じる虞があった。
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、ガラス溶融物の対流が過剰になることを抑制しつつ、ガラス溶融物中のHOの含有率を増加させることが容易な溶融ガラスの製造方法、そのような溶融ガラスの製造方法を用いたガラス物品の製造方法、およびそのような溶融ガラス製造装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の溶融ガラスの製造方法の一つの態様は、溶解槽においてガラス原料を溶解してガラス溶融物を製造する原料溶融工程と、前記溶解槽の上流側端部から下流側端部に流れる前記ガラス溶融物中に水分子供給ガスを供給する水分子供給工程と、前記下流側端部から流出した前記ガラス溶融物を減圧雰囲気下で脱泡する清澄工程と、を有し、前記水分子供給工程における前記水分子供給ガスの供給位置は、前記ガラス溶融物の流れ方向における下流側から上流側へ順に第1位置と第2位置とを含み、前記第1位置は、前記上流側端部と前記下流側端部との双方から離間した位置であり、前記第2位置は、前記上流側端部から前記第1位置までの前記ガラス溶融物の流れ方向の距離の中心よりも前記上流側端部に近い位置であることを特徴とする。
前記第2位置において供給される前記水分子供給ガスの浮上力は、前記第1位置において供給される前記水分子供給ガスの浮上力よりも小さい製造方法としてもよい。
前記第1位置および第2位置において供給される水分子供給ガスは、バブラーによって気泡として噴出され、前記第2位置において供給される前記水分子供給ガスの気泡の泡径は、前記第1位置において供給される前記水分子供給ガスの気泡の泡径よりも小さい製造方法としてもよい。
前記第2位置において供給される前記水分子供給ガスの供給量は、前記第1位置において供給される前記水分子供給ガスの供給量よりも小さい製造方法としてもよい。
前記水分子供給工程において、前記第1位置と前記中心との間には、前記水分子供給ガスを供給しない製造方法としてもよい。
前記水分子供給工程において、前記第1位置から前記下流側端部の間には、前記水分子供給ガスを供給しない製造方法としてもよい。
前記第1位置は、前記ガラス溶融物の流れ方向において、前記ガラス溶融物の温度が最も高い位置の近傍で、かつ、前記ガラス溶融物中における前記溶解槽の底部側である製造方法としてもよい。
前記第2位置は、前記ガラス溶融物中における前記溶解槽の底部側である製造方法としてもよい。
前記第2位置は、前記ガラス溶融物中における素地面側である製造方法としてもよい。
前記水分子供給工程において、前記ガラス溶融物と接する空間に水蒸気を供給する製造方法としてもよい。
前記原料溶融工程において、前記ガラス原料を空気燃焼により溶解する製造方法としてもよい。
前記溶解槽には、前記溶解槽の内部に燃焼炎を噴射するバーナーが接続され、前記バーナーには、前記溶解槽中の熱を蓄熱する蓄熱炉を介して燃焼ガスが供給され、前記原料溶融工程において、前記蓄熱炉に水蒸気を供給する製造方法としてもよい。
前記水分子供給ガスは、水素原子が含まれるガスを含む製造方法としてもよい。
本発明のガラス物品の製造方法の一つの態様は、上記の溶融ガラスの製造方法を用いて溶融ガラスを製造する工程と、前記溶融ガラスを成形してガラス物品とする成形工程と、を有することを特徴とする。
本発明の溶融ガラス製造装置の一つの態様は、ガラス原料を溶解してガラス溶融物を製造するための溶解槽と、前記溶解槽に設けられ、前記溶解槽の上流側端部から下流側端部に流れる前記ガラス溶融物中に水分子供給ガスを供給する供給口を有するバブラーと、前記下流側端部から流出した前記ガラス溶融物を減圧雰囲気下で脱泡する減圧脱泡装置と、を備え、前記バブラーは、前記ガラス溶融物の流れ方向の下流側から上流側へ順に、前記水分子供給ガスを供給する第1噴出口を有する第1バブラーと、前記水分子供給ガスを供給する第2噴出口を有する第2バブラーとを含み、前記第1噴出口は、前記上流側端部と前記下流側端部との双方から離間した第1位置に設けられ、前記第2噴出口は、前記上流側端部から前記第1位置までの前記ガラス溶融物の流れ方向の距離の中心よりも前記上流側端部に近い第2位置に設けられることを特徴とする。
本発明の一つの態様によれば、ガラス溶融物の対流が過剰になることを抑制しつつ、ガラス溶融物中のHOの含有率を増加させることが容易な溶融ガラスの製造方法、そのような溶融ガラスの製造方法を用いたガラス物品の製造方法、およびそのような溶融ガラス製造装置が提供される。
本実施形態の溶融ガラス製造装置を示す概略構成図である。 本実施形態の溶融ガラス製造装置の部分を示す斜視図である。 本実施形態の溶融ガラス製造装置の部分を示す平面図である。 本実施形態のバブラーを示す部分拡大図である。 本実施形態のガラス物品の製造方法の手順を示すフローチャートである。 本実施形態の溶融ガラス製造装置の他の一例を示す概略構成図である。 本実施形態の溶融ガラス製造装置の他の一例を示す概略構成図である。 比較例の溶融ガラス製造装置を示す概略構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る溶融ガラスの製造方法、ガラス物品の製造方法、および溶融ガラス製造装置について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
なお、図面においては、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示し、Z軸方向を鉛直方向とし、X軸方向を図1に示す溶解槽11の長さ方向とし、Y軸方向を溶解槽11の幅方向とする。溶解槽11の長さ方向は、図1における左右方向である。また、溶解槽11の幅方向は、図3における上下方向である。
本明細書において、「上流側」および「下流側」とは、溶融ガラス製造装置内におけるガラス溶融物の流れ方向に対するものである。
また、本明細書において、特に断りがない場合には、「ガラス溶融物の流れ方向」とは、溶融ガラス製造装置10の全体におけるガラス溶融物Gの流れの主となる方向を意味するものであり、溶解槽11中において生じる対流による流れの方向を意味するものではない。すなわち、本実施形態において溶解槽11におけるガラス溶融物Gの流れ方向とは、X軸の正(プラス)方向である。
<溶融ガラス製造装置>
まず、本実施形態の溶融ガラス製造装置10について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の溶融ガラス製造装置10は、溶解槽11と、第1バブラー20a,20b,20c,20dと、第2バブラー21a,21b,21cと、減圧脱泡装置12と、を備える。また、溶融ガラス製造装置10は、図3に示すように、第1加熱装置40と、第2加熱装置41と、を備える。溶融ガラス製造装置10の下流側には、成形装置500が設けられている。
[溶解槽]
溶解槽11は、本実施形態においては、耐火煉瓦で形成されている。溶解槽11の上流側壁部11bには、上流側壁部11bの内側面11dに開口するガラス原料投入口18が設けられている。溶解槽11の内部においては、ガラス原料投入口18から投入されたガラス原料G0が溶解され、ガラス溶融物Gが製造される。製造されたガラス溶融物Gは、溶解槽11内を上流側壁部11bの内側面11dから下流側壁部11cの内側面11eに流れる。
なお、上流側壁部11bの内側面11dは、特許請求の範囲の上流側端部に相当する。下流側壁部11cの内側面11eは、特許請求の範囲の下流側端部に相当する。
ガラス溶融物Gの素地面Gaの天井部11h側、すなわち、鉛直方向上方側には、ガラス溶融物Gの素地面Gaと溶解槽11の内壁面とで囲まれた空間Dが形成されている。溶解槽11の底部11aには、第1バブラー20a〜20dと、第2バブラー21a〜21cとが設置されている。
[第1バブラー]
第1バブラー20a〜20dは、図1および図2に示すように、水分子供給ガスB11を気泡としてガラス溶融物G中に供給するガス供給管からなるバブラーである。第1バブラー20a〜20dは、溶解槽11の底部11aから鉛直方向上方側に突出して、溶解槽11の幅方向に並んで設けられている。
第1バブラー20a,20b,20c,20dの鉛直方向上方側の端部には、それぞれ水分子供給ガスB11を噴出する第1噴出口24a,24b,24c,24dが設けられている。第1噴出口24a〜24dの形状は、特に限定されず、本実施形態においては、たとえば、円形状である。
第1噴出口24a,24b,24c,24dは、図2および図3に示すように、それぞれガラス溶融物G中の第1位置P11,P12,P13,P14に設けられている。第1位置P11〜P14は、溶解槽11の上流側壁部11bの内側面11dと下流側壁部11cの内側面11eとの双方から離間した位置である。本実施形態において第1位置P11〜P14は、ホットスポットの近傍である。
ホットスポットとは、溶解槽11において、流れ方向におけるガラス溶融物Gの温度が最も高い位置である。溶解槽11におけるガラス溶融物Gの流れ方向の温度は、中央付近で最も高くなり、その上流側と下流側とでは低くなるように分布する。そのため、ホットスポットは、溶解槽11内のガラス溶融物Gの流れ方向の中央付近となる。
ホットスポットにおいては、ガラス溶融物Gは、鉛直方向上方側に上昇し、ホットスポットの上流側と下流側とでは、ガラス溶融物Gは、鉛直方向下方側に下降する。これにより、ガラス溶融物G中には対流LFおよびUFが生じる。
なお、本明細書において、ホットスポットの近傍とは、ホットスポットからの距離が、たとえば、溶解槽11の流れ方向の長さの1/5以下程度になる範囲を意味する。
本実施形態において第1位置P11は、図1に示すように、ガラス溶融物G中における溶解槽11の底部11a側である。第1位置P12〜P14についても同様である。
ここで、本明細書において、ガラス溶融物G中における溶解槽11の底部11a側とは、ガラス溶融物Gの鉛直方向深さの中心よりも底部11a側であることを意味する。
なお、本明細書において、第1噴出口24a〜24dの位置とは、第1噴出口24a〜24dのガラス溶融物Gの流れ方向の中心で、かつ、第1噴出口24a〜24dの溶解槽11の幅方向の中心の位置を意味する。すなわち、本実施形態において第1噴出口24a〜24dの位置とは、第1噴出口24a〜24dの中心の位置を意味する。後述する第2噴出口25a〜25cについても同様である。
また、本明細書において、「水分子供給ガス」とは、反応の有無によらず、最終的にガラス溶融物G内に水分子(HO)を供給可能なガスを意味する。すなわち、水分子供給ガスは、水蒸気(HO)を含んだガスであってもよいし、ガラス溶融物G内で反応してHOを生成可能な2種類以上のガスを含んだガスであってもよい。言い換えると、水分子供給ガスは、水素原子が含まれるガスを含む。水分子供給ガスは、水素原子と酸素原子以外の原子を含んでいてもよい。
水蒸気を含んだガスとは、水蒸気に、He、Ne、Ar、N、O、COから1つ以上のガスを混合したガスがあげられる。その場合、水蒸気の分圧は0.5気圧以上が好ましい。一方で、配管内での結露を抑制するために、水蒸気の分圧を0.8気圧以下に設定してもよい。
また、反応により水分子を供給する2種以上のガスを含んだガスとしては、Hや、CH、C、C、C10等の炭化水素のうちから選択される1つ以上のガスと、Oとの混合ガスでもよい。その反応により水分子を供給するガスには、He、Ne、Ar、N、COのうちから1つ以上のガスを混合してもよい。
本実施形態においては、図4に示すように、第1バブラー20aの第1噴出口24aから噴出される水分子供給ガスB11は、たとえば、水素ガス(H)と、酸素ガス(O)と、を含んだガスである。本実施形態において第1バブラー20aの第1噴出口24aは、水素噴出口26と、酸素噴出口27と、を含む。水素噴出口26からは、Hが噴出され、酸素噴出口27からはOが噴出される。これにより、第1バブラー20aの第1噴出口24aからHとOとを含む水分子供給ガスB11が噴出される。噴出された水分子供給ガスB11においては、HとOとが反応して、HOが生成される。他の3つの第1バブラー20b〜20dについても同様である。
第1バブラー20a〜20dの材質は、たとえば、白金(Pt)、白金ロジウム合金などの白金合金、SUS、アルミナやジルコニアなどのセラミックスである。
たとえば、第1バブラー20a〜20dの材質としてSUSを選択した場合には、第1バブラー20a〜20dとして、二重管構造を有し水冷可能なバブラーを用いてもよい。
[第2バブラー]
第2バブラー21a〜21cは、図1および図2に示すように、水分子供給ガスB21を気泡としてガラス溶融物G中に供給するガス供給管からなるバブラーである。第2バブラー21a〜21cは、溶解槽11の底部11aから鉛直方向上方側に突出して、溶解槽11の幅方向に並んで設けられている。
第2バブラー21a,21b,21cの鉛直方向上方側の端部には、それぞれ水分子供給ガスB21を噴出する第2噴出口25a,25b,25cが設けられている。第2噴出口25a〜25cの形状は、特に限定されず、本実施形態においては、たとえば、円形状である。
第2噴出口25a,25b,25cは、図2および図3に示すように、それぞれガラス溶融物G中の第2位置P21,P22,P23に設けられている。第2位置P21〜P23は、上流側壁部11bの内側面11dから第1位置P11〜P14までのガラス溶融物Gの流れ方向の距離の中心よりも内側面11dに近い位置である。
また、図1に示すように、本実施形態においては、第2位置P21は、ガラス溶融物G中における溶解槽11の底部11a側である。第2位置P22,P23についても同様である。
本実施形態において第2バブラー21a〜21cの第2噴出口25a〜25cは、第1バブラー20aの第1噴出口24aと同様に、2つの噴出口を含み、それぞれ、HとOとを噴出する。すなわち、第2バブラー21a〜21cの第2噴出口25a〜25cから噴出される水分子供給ガスB21は、本実施形態においては、HとOとを含むガスである。
本実施形態において、第2バブラー21a〜21cの第2噴出口25a〜25cから噴出される水分子供給ガスB21全体の浮上力は、第1バブラー20a〜20dの第1噴出口24a〜24dから噴出される水分子供給ガスB11全体の浮上力よりも小さい。
ここで、「浮上力」とは、ガラス溶融物G中で噴出された水分子供給ガスの気泡が、鉛直方向上方に浮上することでガラス溶融物に対して働く鉛直方向上向きの体積力である。すなわち、「浮上力」とは、水分子供給ガスの気泡がガラス溶融物Gを鉛直方向上方側に押し上げる力である。水分子供給ガスの浮上力Fは、以下の式(1)〜(3)で定義される。
Figure 2015190531
Figure 2015190531
Figure 2015190531
Cdは、抗力係数である。ρは、ガラス溶融物Gの密度である。dは、水分子供給ガスの気泡の直径、すなわち、泡径である。uは、ガラス溶融物Gの鉛直方向の速度に対する水分子供給ガスの気泡の鉛直方向の相対速度である。Reは、レイノルズ数である。gは、重力加速度である。νは、動粘性係数である。相対速度uは、ガラス溶融物G中においては、浮上力Fと重力とが釣り合う速度が一定となった終端速度Vである。
終端速度Vは、以下のストークスの式(4)によって求めることができる。
Figure 2015190531
ρは、水分子供給ガスの密度である。
上記の式(1)〜(4)より、浮上力Fは、水分子供給ガスの泡径dが大きいほど、大きくなることが分かる。また、浮上力Fは、ガラス溶融物Gの動粘性係数νが小さいほど、大きくなることが分かる。また、上記の式(1)〜(4)によって求められる浮上力Fは、気泡1つあたりのものであるため、噴出される水分子供給ガスの噴出量が大きいほど、水分子供給ガス全体の浮上力は大きくなる。
なお、水分子供給ガスの噴出量は、ガラス溶融物G中に供給される水分子供給ガスの供給量である。
本実施形態においては、第2バブラー21a〜21cから噴出される水分子供給ガスB21全体の浮上力Fが、第1バブラー20a〜20dから噴出される水分子供給ガスB11全体の浮上力Fよりも小さくなる範囲内において、各噴出口から噴出される水分子供給ガスB11、B21のそれぞれの浮上力Fは、特に限定されない。
本実施形態においては、第1バブラー20a〜20dの方が、第2バブラー21a〜21cよりも多く設けられている。そのため、たとえば、各バブラーから噴出される水分子供給ガスの浮上力Fを同じに設定することで、第2バブラー21a〜21cから噴出される水分子供給ガスB21全体の浮上力Fを、第1バブラー20a〜20dから噴出される水分子供給ガスB11全体の浮上力Fよりも小さくできる。
また、第2バブラー21a〜21cから噴出される水分子供給ガスB21のそれぞれの浮上力Fを、第1バブラー20a〜20dから噴出される水分子供給ガスB11のそれぞれの浮上力Fに対して、小さく設定してもよい。
また、たとえば、第1バブラーの数と、第2バブラーの数とを同じ数として、第2バブラーから噴出される水分子供給ガスB21のそれぞれの浮上力Fを、第1バブラーから噴出される水分子供給ガスB11のそれぞれの浮上力Fに対して、小さく設定してもよい。
浮上力Fの大きさを調整する方法は、特に限定されず、たとえば、噴出量を調整してもよいし、泡径dを調整してもよいし、動粘性係数νを調整してもよい。動粘性係数νの調整方法としては、たとえば、後述する第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eのそれぞれを調整し、第1バブラー20a〜20d上のガラス溶融物Gと、第2バブラー21a〜21c上のガラス溶融物Gと、の温度を調整する方法を採用できる。ガラス溶融物Gの温度が大きいほど、ガラス溶融物Gの動粘性係数は小さくなる。
浮上力Fを調整する方法として、噴出量および泡径dを調整する方法を採用した場合には、バブラーのみを調整すればよいため、浮上力Fの調整が簡便である。
水分子供給ガスB11,B21の気泡は、共に、泡径dが小さい方が好ましい。泡径dが小さいほど、水分子供給ガスB11,B21がガラス溶融物G中に吸収されやすく、また、ガラス溶融物Gの対流を阻害することを抑制できる。泡径dを小さくすると、浮上力Fは小さくなるが、その場合には、水分子供給ガスB11,B21の噴出量を大きくすることで、浮上力Fを調整することが好ましい。
なお、各バブラーから噴出される水分子供給ガスの気泡の泡径dとは、各バブラーから噴出される無数の気泡の平均の値であり、また各バブラーから噴出される水分子供給ガスの浮上力Fとは、各バブラーから噴出される水分子供給ガスの気泡による浮上力の平均の値である。
本実施形態においては、図3に示すように、上流側壁部11bの内側面11dから各第1位置P11〜P14までのガラス溶融物Gの流れ方向の距離の中心を通る中心線Cよりも上流側に、ガラス溶融物G中にバブラーの噴出口を設置可能な設置領域AR1が形成されている。設置領域AR1は、平面視、すなわち、図3のXY面視で、中心線Cと上流側壁部11bの内側面11dとの間に形成されている。設置領域AR1は、第2位置P21〜P23を含む。
本実施形態においては、設置領域AR1よりも下流側には、非設置領域AR2と、非設置領域AR3と、が形成されている。
非設置領域AR2は、平面視で、第1位置P11〜P14を通る線分L1と中心線Cとの間に形成されている。非設置領域AR2は、ガラス溶融物G中においてバブラーの噴出口が設けられない領域である。言い換えると、非設置領域AR2においては、ガラス溶融物G中に水分子供給ガスを供給しない。
非設置領域AR3は、平面視で、線分L1と下流側壁部11cの内側面11eとの間に形成されている。非設置領域AR3は、非設置領域AR2と同様に、ガラス溶融物G中においてバブラーの噴出口が設けられない領域である。言い換えると、非設置領域AR3においては、ガラス溶融物G中に水分子供給ガスを供給しない。
なお、本明細書において、非設置領域にバブラーの噴出口が設けられないとは、噴出口の位置、すなわち、本実施形態においては噴出口の中心位置が非設置領域に設けられないことを意味するものであり、噴出口の全体が非設置領域に設けられないことを意味するものではない。言い換えると、噴出口の中心位置が非設置領域に設けられていない範囲内において、噴出口の一部が非設置領域にはみ出すことは許容される。
また、本明細書において、非設置領域においてガラス溶融物G中に水分子供給ガスを供給しないとは、非設置領域に設けられた噴出口から水分子供給ガスを噴出しないことを意味する。したがって、噴出された水分子供給ガスが非設置領域に侵入することや、第1位置P11〜P14や設置領域AR1に設けられたバブラーの噴出口の一部が非設置領域にはみ出した場合に、そのはみ出した部分から水分子供給ガスが噴出されることは、許容される。
[第1加熱装置および第2加熱装置]
第1加熱装置40と第2加熱装置41とは、図3に示すように、溶解槽11を幅方向に挟んで設けられている。第1加熱装置40は、第1蓄熱炉50と、第1バーナー60a,60b,60c,60d,60eと、を備える。第2加熱装置41は、第2蓄熱炉51と、第2バーナー61a,61b,61c,61d,61eと、を備える。
第1蓄熱炉50および第2蓄熱炉51は、溶解槽11の長さ方向に延びて形成された箱状構造である。第1蓄熱炉50および第2蓄熱炉51は、本実施形態においては、煉瓦で形成されている。第1蓄熱炉50および第2蓄熱炉51の内部空間の雰囲気の熱は、形成材料である煉瓦によって蓄熱される。
なお、第1蓄熱炉50と第2蓄熱炉51とは、特許請求の範囲における蓄熱炉に相当する。
第1蓄熱炉50および第2蓄熱炉51の長さ方向の一端には、内部の空間を外部と連通させる開口部52と開口部53とがそれぞれ設けられている。
第1蓄熱炉50の溶解槽11側の壁部には、第1バーナー60a〜60eが長さ方向に並んで接続されている。第2蓄熱炉51の溶解槽11側の壁部には、第2バーナー61a〜61eが長さ方向に並んで接続されている。第1蓄熱炉50の内部および第2蓄熱炉51の内部は、それぞれ、第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eの内部と連通している。
第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eは、空気燃焼バーナーである。第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eは、燃焼炎を噴射することで溶解槽11の内部を熱し、ガラス原料G0を溶解させる。第1バーナー60a〜60eの噴射口は、溶解槽11の空間Dに臨む溶解槽11の側壁面11fに設けられている。第2バーナー61a〜61eの噴射口は、溶解槽11の空間Dに臨む溶解槽11の側壁面11gに設けられている。これにより、第1蓄熱炉50の内部および第2蓄熱炉51の内部は、それぞれ、第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eの内部を介して、空間Dと連通している。
なお、第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eは、特許請求の範囲のバーナーに相当する。
第1バーナー60a〜60eと第2バーナー61a〜61eとは、交互に燃焼炎を噴射し、溶解槽11の内部を加熱する。図3においては、第1バーナー60a〜60eから燃焼炎が噴射されている場合を示している。この場合においては、燃焼ガスとして空気が開口部52から第1蓄熱炉50へと供給される。第1蓄熱炉50に供給された空気は、第1バーナー60a〜60eに供給され、第1バーナー60a〜60eの噴射口から燃焼炎が噴射される。そして、第1バーナー60a〜60eの燃焼炎によって生じた排ガスは、第2バーナー61a〜61eの内部を介して、第2蓄熱炉51へと流入し、開口部53から外部へと排出される。このとき、第2蓄熱炉51内に流入された排ガスによって、第2蓄熱炉51は、熱せられる。言い換えると、第2蓄熱炉51は、溶解槽11中の熱を蓄熱する。
所定時間が経過すると、今度は、燃焼ガスとしての空気が、開口部53から第2蓄熱炉51の内部に流入され、第2バーナー61a〜61eが燃焼炎を噴射する。このとき、第2蓄熱炉51は、第1バーナー60a〜60eによって生じた排ガスによって蓄熱されているため、第2蓄熱炉51に流入された空気は、予熱される。これにより、第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eによって生じる燃焼熱の利用効率を向上できる。
[減圧脱泡装置]
減圧脱泡装置12は、図1に示すように、溶解槽11の下流側に設けられている。減圧脱泡装置12は、いわゆる門型の減圧脱泡装置である。減圧脱泡装置12は、清澄槽14と、上昇管13と、下降管15と、接続路16,17と、図示しない減圧手段と、を備える。
清澄槽14は、たとえば、本実施形態においては耐火煉瓦で形成されている。清澄槽14は、耐火煉瓦で囲まれた内部空間を有する中空構造である。耐火煉瓦としては、焼成煉瓦であっても、不焼成煉瓦であっても、電融鋳造煉瓦であってもよい。
清澄槽14の内部空間には、ガラス溶融物Gの流路が一方向に延びて形成されている。ガラス溶融物Gの流路が延びる方向は、本実施形態においては、X軸方向である。
上昇管13は、清澄槽14の上流側の端部に鉛直方向下方側から接続されている。上昇管13は、鉛直方向に延びて形成されている。上昇管13の内部と清澄槽14の流路とは、連通している。上昇管13の鉛直方向下方側の端部は、接続路16を介して、溶解槽11と接続されている。上昇管13は、溶解槽11から清澄前のガラス溶融物Gを吸い上げて清澄槽14内の流路に供給する。上昇管13の断面形状は、特に限定されず、たとえば、矩形状である。
下降管15は、清澄槽14の下流側の端部に鉛直方向下方側から接続されている。下降管15は、鉛直方向に延びて形成される。下降管15の内部と清澄槽14の流路とは、連通している。下降管15の鉛直方向下方側の端部は、接続路17を介して、成形装置500と接続されている。下降管15は、清澄槽14によって清澄された後のガラス溶融物Gを清澄槽14内の流路から鉛直方向下方側に排出する。下降管15の断面形状は、特に限定されず、たとえば、矩形状である。
図示しない減圧手段は、清澄槽14の流路内を減圧する手段である。減圧手段は、流路内を減圧できる範囲内において、特に限定されない。減圧手段としては、たとえば、清澄槽14を収容する減圧ハウジングを用いることができる。この場合においては、減圧ハウジング内を減圧吸引することで、清澄槽14の流路の内部を大気圧未満の減圧状態とできる。また、他の減圧手段として、減圧ハウジングを設けずに、清澄槽14におけるガラス溶融物Gの上部空間を、減圧ポンプ等を用いて減圧吸引してもよい。
<ガラス物品の製造方法>
次に、本実施形態のガラス物品の製造方法について説明する。
本実施形態のガラス物品の製造方法は、図5に示すように、溶融ガラス製造工程S1と、成形工程S2と、を有する。
なお、本明細書において、溶融ガラス製造工程S1は、すなわち、特許請求の範囲における溶融ガラスの製造方法に相当する。
[溶融ガラスの製造方法]
溶融ガラス製造工程S1は、原料溶融工程S1aと、水分子供給工程S1bと、清澄工程S1cと、を有する。以下の説明においては、上記説明した本実施形態の溶融ガラス製造装置10を用いて、溶融ガラス製造工程S1について説明する。
原料溶融工程S1aは、ガラス原料G0を溶解してガラス溶融物Gを製造する工程である。第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eによって加熱される溶解槽11に、ガラス原料投入口18を介してガラス原料G0を投入する。この工程により、ガラス原料G0が溶解され、ガラス溶融物Gが製造される。
水分子供給工程S1bは、第1バブラー20a〜20dおよび第2バブラー21a〜21cによって、溶解槽11の上流側壁部11bの内側面11dから下流側壁部11cの内側面11eに流れるガラス溶融物G中に水分子供給ガスB11,B21を供給する工程である。水分子供給工程S1bにおける水分子供給ガスの供給位置は、ガラス溶融物Gの流れ方向における下流側から上流側へ順に第1噴出口24a〜24dが設けられた第1位置P11〜P14と第2噴出口25a〜25cが設けられた第2位置P21〜P23とを含む。
上述したように、第1バブラー20a〜20dの第1噴出口24a〜24dから噴出される全体としての水分子供給ガスB11の浮上力よりも、第2バブラー21a〜21cの第2噴出口25a〜25cから噴出される全体としての水分子供給ガスB21の浮上力が小さくなるようにして、水分子供給ガスB11,B21をガラス溶融物G中に噴出させる。
第1バブラー20a〜20dの第1噴出口24a〜24dは、ホットスポットの近傍に設けられているため、第1バブラー20a〜20dから噴出される水分子供給ガスB11によって、溶解槽11内を大きく循環する2ループの対流が生じる。具体的には、図1に示すように、ガラス溶融物Gがホットスポット、すなわち、第1バブラー20a〜20dの位置の近傍から上昇して上流側へと移動する上流側対流UFと、ガラス溶融物Gが第1バブラー20a〜20dの位置の近傍から上昇して下流側へと移動する下流側対流LFと、が生じる。
第1バブラー20a〜20dの第1噴出口24a〜24dから噴出された水分子供給ガスB11の気泡は、上流側対流UFと下流側対流LFとによって溶解槽11内を循環するガラス溶融物G中に吸収される。
一方、第2バブラー21a〜21cの第2噴出口25a〜25cから噴出された水分子供給ガスB21の気泡は、上流側対流UFによって溶解槽11内を循環するガラス溶融物G中に吸収される。
ここで、水分子供給ガスB11,B21の噴出量は、増加させたいガラス溶融物G中のHOの含有率に応じて決定される。たとえば、ガラス溶融物GのHOの含有率を100ppm上昇させたい場合には、水分子供給ガスB11,B21全体の噴出量を、たとえば、1kgのガラス溶融物Gに対して、100Nm以上、5000Nm以下となるように設定すればよい。
ガラス溶融物G中のHOの含有率が高いほど、清澄工程S1cにおいてガラス溶融物G中の気泡を脱泡しやすい。そのため、ガラス溶融物G中のHOの含有率は、十分に高くなるように調整されることが好ましい。具体的には、ガラス溶融物GのHOの含有率は、0.025wt%以上が好ましく、0.035wt%以上がより好ましく、ガラス溶融物G中に溶けるHOが飽和する含有率とすることがさらに好ましい。ガラス溶融物G中に溶けるHOが飽和する含有率は、たとえば、ガラス溶融物Gの温度が1000℃以上、1800℃以下程度の範囲において、0.03wt%以上、0.1wt%以下程度である。
この工程により、ガラス溶融物G中に水分子供給ガスB11,B21が供給され、ガラス溶融物G中のHOの含有率が増加する。ガラス溶融物Gは、接続路16を介して溶解槽11から流出される。流出したガラス溶融物Gは、減圧脱泡装置12に流入される。
次に、清澄工程S1cは、溶解槽11の下流側壁部11cから接続路16を介して流出したガラス溶融物Gを減圧雰囲気下で脱泡する工程である。減圧脱泡装置12に流入されたガラス溶融物Gは、上昇管13を介して、清澄槽14に供給される。清澄槽14の内部を図示しない減圧手段によって減圧状態とし、ガラス溶融物Gに清澄槽14中を通過させる。
ガラス溶融物Gは、減圧状態の清澄槽14中を通過することで、ガラス溶融物G中の気泡が大きく成長する。成長した気泡は、ガラス溶融物Gの素地面Gbに浮上し、破泡する。
この工程により、清澄槽14によってガラス溶融物G中の気泡が除去される。すなわち、清澄槽14によってガラス溶融物Gが清澄される。
以上の原料溶融工程S1aから清澄工程S1cによって、溶融ガラス製造工程S1は、終了し、溶融ガラスが製造される。
なお、本明細書において、「ガラス溶融物」とは、原料溶融工程S1aによってガラス原料G0が溶融されてから、清澄工程S1cによって清澄されるまでの溶けたガラスを意味するものである。
また、本明細書において、「溶融ガラス」とは、成形することでガラス物品を製造できる状態の溶けたガラスを意味するものである。
なお、成形することでガラス物品を製造できる状態とは、ガラス溶融物Gに対して水分子供給工程S1bおよび清澄工程S1cを行った状態のみを意味するものではなく、ガラス溶融物Gに対して前述の工程の一部を省略した状態であってもよく、他の工程を行った状態であってもよい。
次に、成形工程S2は、製造された溶融ガラスを成形装置500によって目的の形状に成形してガラス物品とする工程である。
以上の溶融ガラス製造工程S1と成形工程S2とにより、ガラス物品が製造される。
なお、成形工程S2の後に、成形されたガラス物品を徐冷する徐冷工程や、徐冷されたガラスを必要な長さに切断する切断工程や、切断されたガラスを研磨する研磨工程を設けてもよい。また、ガラス物品は、徐冷工程の途中のガラス溶融物もしくは成形体、または徐冷工程の後および切断工程の後の成形体に、表面処理等の加工をしたものやフィルムを貼ったものを含む。
本実施形態によれば、第2バブラー21a〜21cの第2噴出口25a〜25cが、設置領域AR1に設けられているため、溶解槽11におけるガラス溶融物Gの対流が過剰になることを抑制しつつ、ガラス溶融物G中のHOの含有率を増加させることが容易である。以下、詳細に説明する。
減圧脱泡によってガラス溶融物G内の気泡を脱泡する場合には、ガラス溶融物G中にHOが多く含有されていることが好ましい。これは、ガラス溶融物G中に溶け込んだHOのガス成分は、減圧雰囲気内において成長するガラス溶融物G中の気泡に流入する速度が大きいため、気泡が大きく成長し、清澄槽14における素地面Gbへと浮上しやすくなるためである。
ガラス溶融物G中のHOの含有率を増加させる方法としては、前述したように、たとえば、バブラーによって水分子供給ガスをガラス溶融物G中に供給する方法を選択できる。
しかし、たとえば、図8に示すような、溶解槽311に第1バブラー20a〜20dのみが設けられている溶融ガラス製造装置310においては、清澄工程において十分な脱泡が生じるように大量のHOをガラス溶融物G中に供給しようとすると、水分子供給ガスB11の浮上力が大きくなり過ぎる場合があった。これにより、上流側対流UFaと下流側対流LFaとが、過剰な速度で循環する場合があった。
ガラス溶融物Gの対流が過剰になると、水分子供給ガスB11の気泡がガラス溶融物G中に吸収される前に、減圧脱泡装置12へと流入してしまう場合がある。この場合においては、清澄槽14における素地面Gbに水分子供給ガスB11の気泡が滞留し、泡層370が形成される場合がある。泡層370が形成されると、清澄槽14の流路における圧力損失が大きくなり、流路内をガラス溶融物Gが流れなくなる問題や、清澄槽14の天井や壁面等に接触した泡層370がガラス溶融物G内に滴下してガラス溶融物Gの品質を低下させる問題があった。
また、ガラス溶融物Gの対流が過剰になると、第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eによって加熱された溶解槽11における素地面Ga側のガラス溶融物Gが、溶解槽11の底部11a側に循環する速度が大きくなる。その結果、底部11aの温度が上昇し、溶解槽11が劣化する問題があった。また、ガラス溶融物G全体の温度も高温となりやすいため、ガラス溶融物Gの動粘性係数νが著しく低下して、溶解槽11が煉瓦で形成されている場合には、ガラス溶融物Gが目地から漏れる問題があった。
以上のように、第1バブラー20a〜20dを用いてガラス溶融物G中のHOの含有率を増加させる場合には、ガラス溶融物Gの対流が過剰にならないように、噴出される水分子供給ガスB11の浮上力を調整する必要がある。しかし、その場合においては、ガラス溶融物G中のHOの含有率を十分に増加させることができない場合があり、対流が過剰になることを抑制しつつ、ガラス溶融物G中に含有されるHOの割合を十分に増加させることは困難であった。
これに対して、本実施形態によれば、第2バブラー21a〜21cの第2噴出口25a〜25cが設けられる第2位置P21〜P23が、設置領域AR1に設けられている。すなわち、第2位置P21〜P23が、上流側壁部11bの内側面11dから第1噴出口24a〜24dが設けられた第1位置P11〜P14までのガラス溶融物Gの流れ方向の中心よりも内側面11dに近い位置に設けられている。設置領域AR1は、第1位置P11〜P14と十分に離間した位置に形成されている。そのため、設置領域AR1内において第2噴出口25a〜25cから噴出された水分子供給ガスB21の気泡は、第1バブラー20a〜20dによって生じる上流側対流UFおよび下流側対流LFを増長させにくい。したがって、本実施形態によれば、第1噴出口24a〜24dから噴出される水分子供給ガスB11の噴出量を増加させる代わりに、第2噴出口25a〜25cから水分子供給ガスB21を噴出させることで、ガラス溶融物Gの対流が過剰になることを抑制しつつ、ガラス溶融物G中のHOの含有率を十分に増加させることが容易である。
また、第1噴出口24a〜24dが設けられる第1位置P11〜P14と設置領域AR1との間において水分子供給ガスを供給すると、第1噴出口24a〜24dと第2バブラー21a〜21cの第2噴出口25a〜25cが設けられる第2位置P21〜P23との距離が近いため、第1バブラー20a〜20dによって生じる上流側対流UFおよび下流側対流LFを増長させやすい。
これに対して、本実施形態によれば、第1噴出口24a〜24dの第1位置P11〜P14と設置領域AR1との間には、非設置領域AR2が形成されているため、バブラーの噴出口が設けられない。したがって、ガラス溶融物Gの対流が過剰になることをより抑制できる。
また、溶解槽11における第1噴出口24a〜24dが設けられる第1位置P11〜P14よりも下流側において水分子供給ガスを供給すると、水分子供給ガスの気泡がガラス溶融物G中に吸収される前に、減圧脱泡装置12に流入しやすい。
これに対して、本実施形態によれば、溶解槽11の第1噴出口24a〜24dが設けられる第1位置P11〜P14よりも下流側には、非設置領域AR3が形成されているため、バブラーの噴出口が設けられない。したがって、水分子供給ガスの気泡が、減圧脱泡装置12に流入することを抑制できる。
また、第2噴出口25a〜25cから噴出される水分子供給ガスB21の噴出量を増加させると、水分子供給ガスB21の浮上力が大きくなるため、上流側対流UFを阻害する虞がある。上流側対流UFが阻害されると、加熱された素地面Ga側のガラス溶融物Gが底部11a側に循環しにくくなるため、底部11aの温度が低下する。その結果、ガラス溶融物G全体の温度が低下し、清澄槽14において十分な清澄温度が維持できず、ガラス溶融物G中に含まれる気泡を十分に除去できない虞があった。
これに対して、本実施形態によれば、第2噴出口25a〜25cから噴出される水分子供給ガスB21の浮上力は、第1噴出口24a〜24dから噴出される水分子供給ガスB11の浮上力よりも小さく設定されるため、上流側対流UFを阻害することが抑制される。
また、本実施形態によれば、第1噴出口24a〜24dおよび第2噴出口25a〜25cは、ガラス溶融物G中において溶解槽11の底部11a側に設けられている。そのため、噴出される水分子供給ガスB11,B21の気泡は、ガラス溶融物G中の底部11a側から素地面Ga側に上昇する分、ガラス溶融物G中の滞在時間が長くなるため、ガラス溶融物G中に吸収されやすい。したがって、本実施形態によれば、ガラス溶融物G中のHOの含有率を増加させることが容易である。
また、本実施形態によれば、第1噴出口24a〜24dは、ホットスポットの近傍に設けられているため、溶解槽11内に、2ループの対流、すなわち上流側対流UFと下流側対流LFとを生じさせることができる。このような2ループの対流が生じると、ガラス溶融物Gの溶解槽11内での滞在時間を長くできる。そのため、ガラス溶融物G中に吸収されるHOの量を多くできる。
また、上流側対流UFは、素地面Gaにおいては、上流側に向かう流れを形成するため、ガラス原料G0の溶け残りが下流側に流れてくることを抑制できる。これにより、ガラス原料G0が溶けない状態のまま減圧脱泡装置12に流出することを抑制できる。
また、本実施形態においては、第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eは、空気燃焼バーナーである。空気燃焼によって、ガラス原料G0を溶解する場合には、製造されるガラス溶融物G中のHOの含有率が低下してしまう。一方、本実施形態は、ガラス溶融物G中のHOの含有率を増加させることができるため、ガラス原料G0が空気燃焼によって溶解する場合に、特に効果的である。
また、本実施形態においては、第1蓄熱炉50と第2蓄熱炉51とが設けられている。空気燃焼を行う場合においては、溶解槽11内に排出される熱量が多いため、第1蓄熱炉50と第2蓄熱炉51とを用いて熱の利用効率を向上させることが好ましい。
なお、本実施形態においては、以下の構成および方法を採用することもできる。
本実施形態においては、第2バブラーの第2噴出口が設けられる第2位置は、設置領域AR1内である範囲内において、特に限定されない。また、第2バブラーの本体が設けられる位置は、第2噴出口が設置領域AR1内に設けられる範囲内において、特に限定されない。本実施形態においては、たとえば、図6および図7に示すような構成であってもよい。以下、詳細に説明する。
なお、上記説明と同様の構成については、図面において同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本実施形態においては、たとえば、図6に示す溶融ガラス製造装置110のように、溶解槽111の天井部11hに第2バブラー121が設けられていてもよい。第2バブラー121は、溶解槽111の天井部11hから空間Dを介してガラス溶融物G中まで、鉛直方向下方側に延びて設けられている。第2バブラー121は、たとえば、図2の第2バブラー21a〜21cと同様に、溶解槽11の幅方向に並んで3つ設けられている。
第2バブラー121の鉛直方向下方側の端部には、第2噴出口125が設けられている。第2噴出口125からは、水分子供給ガスB22が噴出される。第2噴出口125は、たとえば、第1バブラー20a〜20dの第1噴出口24a〜24dと同様に、2つの噴出口を含む構成である。第2噴出口125は、第2位置P121に設けられている。第2位置P121は、設置領域AR1内で、かつ、ガラス溶融物G中の素地面Ga側である。
ここで、本明細書において、ガラス溶融物G中の素地面Ga側とは、ガラス溶融物Gの鉛直方向深さの中心よりも素地面Ga側であることを意味する。
この構成によれば、第2バブラー121の第2噴出口125が、ガラス溶融物G中の素地面Ga側に設けられているため、噴出される水分子供給ガスB22がガラス溶融物Gの対流を阻害することをより抑制できる。
また、本実施形態においては、たとえば、図7に示す溶融ガラス製造装置210のように、溶解槽211の上流側壁部11bに第2バブラー221が設けられていてもよい。第2バブラー221は、上流側壁部11bからガラス溶融物G中まで、溶解槽211の長さ方向に延びて設けられている。第2バブラー221は、たとえば、図2の第2バブラー21a〜21cと同様に、溶解槽211の幅方向に並んで3つ設けられている。
第2バブラー221の下流側の端部には、第2噴出口225が設けられている。第2噴出口225からは、水分子供給ガスB23が噴出される。第2噴出口225は、たとえば、第1バブラー20a〜20dの第1噴出口24a〜24dと同様に、2つの噴出口を含む構成である。第2噴出口225は、第2位置P221に設けられている。第2位置P221は、設置領域AR1内で、かつ、ガラス溶融物G中の底部11a側である。
この構成によれば、第2バブラー221に、ガラス原料投入口18と同じ側から、水分子供給ガスB23を供給できるため、たとえば、投入するガラス原料G0の量に応じて、第2バブラー221の第2噴出口225からの水分子供給ガスB23の噴出量を調整することが容易である。
また、本実施形態においては、たとえば、第2噴出口25a〜25cが設置領域AR1内に設けられていれば、第2バブラー21a〜21cの本体が非設置領域AR2,AR3に設けられていてもよい。
また、本実施形態においては、水分子供給工程S1bにおいて、溶解槽11の空間Dに、水蒸気を供給してもよい。言い換えると、溶解槽11におけるガラス溶融物Gと接する空間Dに水蒸気を供給してもよい。これにより、ガラス溶融物G中のHOの含有率を増加できる。
また、本実施形態においては、原料溶融工程S1aにおいて、第1蓄熱炉50および第2蓄熱炉51を介して第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eに燃焼ガスを供給する際に、第1蓄熱炉50および第2蓄熱炉51に水蒸気を供給してもよい。これにより、第1バーナー60a〜60eおよび第2バーナー61a〜61eの燃焼炎とともに、溶解槽11内、すなわち、本実施形態においては空間D内に水蒸気が供給され、ガラス溶融物G中のHOの含有率を増加できる。この場合においては、第1蓄熱炉50および第2蓄熱炉51に、燃焼ガスを供給するとともに水蒸気を供給してもよいし、燃焼ガスを供給する前に第1蓄熱炉50内および第2蓄熱炉51内に水蒸気を供給しておいてもよい。
また、上記説明においては、第1バブラー20aの第1噴出口24aは、水素噴出口26と酸素噴出口27とを含む構成とし、第1バブラー20aの第1噴出口24aからHとOとの両方を噴出できる構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、たとえば、複数設けられるバブラーのうちの1つがHのみを噴出し、他の1つがOのみを噴出し、それぞれから噴出されるガスがガラス溶融物G中で反応するようにバブラーを設置してもよい。第2バブラー21a〜21cについても同様である。
また、本実施形態においては、複数の第1バブラー20a〜20dおよび複数の第2バブラー21a〜21cのそれぞれの噴出口から噴出される水分子供給ガスB11,B21の種類、および浮上力Fは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、上記説明においては、第1バブラーとして、第1バブラー20a〜20dの4つを溶解槽11の幅方向に並べる構成としたが、本実施形態において溶解槽11の幅方向に並べる第1バブラーの数に限定はなく、3つ以下であっても、5つ以上であってもよい。
また、同様に、上記説明においては、第2バブラーとして、第2バブラー21a〜21cの3つを溶解槽11の幅方向に並べる構成としたが、本実施形態において溶解槽11の幅方向に並べる第2バブラーの数に限定はなく、2つ以下であっても、4つ以上であってもよい。
また、上記説明において、第2バブラー21a〜21cの第2噴出口25a〜25cは、ガラス溶融物Gの流れ方向において同じ位置に、溶解槽11の幅方向に1列に並んで設けられる構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、たとえば、第2バブラーは、溶解槽11の幅方向に2列以上に並んで設けられてもよいし、複数の第2バブラーが、ガラス溶融物Gの流れ方向においてそれぞれ異なる位置に配置されてもよい。
また、上記説明において、第1バブラー20a〜20cの第1噴出口24a〜24cは、ガラス溶融物Gの流れ方向において同じ位置に、溶解槽11の幅方向に1列に並んで設けられる構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、たとえば、第1バブラーは、溶解槽11の幅方向に2列以上に並んで設けられてもよいし、複数の第1バブラーが、ガラス溶融物Gの流れ方向においてそれぞれ異なる位置に配置されてもよい。
また、本実施形態においては、溶解槽11および清澄槽14は、煉瓦製に限られず、たとえば、白金または白金合金で形成されていてもよい。
また、本実施形態においては、減圧脱泡装置12は、平置き型の減圧脱泡装置であってもよい。
また、本実施形態においては、ガラス原料G0を溶解する方法は、特に限定されず、上述した空気燃焼の他、酸素燃焼等によって溶解してもよい。
また、本実施形態においては、第1蓄熱炉50および第2蓄熱炉51は、設けられていなくてもよい。
本発明によれば、ガラス溶融物の対流が過剰になることを抑制しつつ、ガラス溶融物中のHOの含有率を増加させることが容易な溶融ガラスの製造方法、そのような溶融ガラスの製造方法を用いたガラス物品の製造方法、およびそのような溶融ガラス製造装置が提供できる。
なお、2014年6月12日に出願された日本特許出願2014−121577号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
10,110,210,310…溶融ガラス製造装置、11,111,211,311…溶解槽、11a…底部、11d…内側面(上流側端部)、11e…内側面(下流側端部)、12…減圧脱泡装置、13…上昇管、14…清澄槽、15…下降管、20a,20b,20c,20d…第1バブラー、21a,21b,21c,121,221…第2バブラー、24a,24b,24c,24d…第1噴出口、25a,25b,25c,125,225…第2噴出口、50…第1蓄熱炉(蓄熱炉)、51…第2蓄熱炉(蓄熱炉)、60a,60b,60c,60d,60e…第1バーナー(バーナー)、61a,61b,61c,61d,61e…第2バーナー(バーナー)、B11,B21,B22,B23…水分子供給ガス、D…空間、G…ガラス溶融物、G0…ガラス原料、Ga,Gb…素地面、P11,P12,P13,P14…第1位置、P21,P22,P23,P121,P221…第2位置、S1…溶融ガラス製造工程(溶融ガラスの製造方法)、S1a…原料溶融工程、S1b…水分子供給工程、S1c…清澄工程、S2…成形工程。

Claims (15)

  1. 溶解槽においてガラス原料を溶解してガラス溶融物を製造する原料溶融工程と、
    前記溶解槽の上流側端部から下流側端部に流れる前記ガラス溶融物中に水分子供給ガスを供給する水分子供給工程と、
    前記下流側端部から流出した前記ガラス溶融物を減圧雰囲気下で脱泡する清澄工程と、
    を有し、
    前記水分子供給工程における前記水分子供給ガスの供給位置は、前記ガラス溶融物の流れ方向における下流側から上流側へ順に第1位置と第2位置とを含み、
    前記第1位置は、前記上流側端部と前記下流側端部との双方から離間した位置であり、
    前記第2位置は、前記上流側端部から前記第1位置までの前記ガラス溶融物の流れ方向の距離の中心よりも前記上流側端部に近い位置であることを特徴とする溶融ガラスの製造方法。
  2. 前記第2位置において供給される前記水分子供給ガスの浮上力は、前記第1位置において供給される前記水分子供給ガスの浮上力よりも小さい請求項1に記載の溶融ガラスの製造方法。
  3. 前記第1位置および第2位置において供給される水分子供給ガスは、バブラーによって気泡として噴出され、前記第2位置において供給される前記水分子供給ガスの気泡の泡径は、前記第1位置において供給される前記水分子供給ガスの気泡の泡径よりも小さい請求項1または2に記載の溶融ガラスの製造方法。
  4. 前記第2位置において供給される前記水分子供給ガスの供給量は、前記第1位置において供給される前記水分子供給ガスの供給量よりも小さい請求項1から3のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  5. 前記水分子供給工程において、前記第1位置と前記中心との間には、前記水分子供給ガスを供給しない請求項1から4のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  6. 前記水分子供給工程において、前記第1位置から前記下流側端部の間には、前記水分子供給ガスを供給しない請求項1から5のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  7. 前記第1位置は、前記ガラス溶融物の流れ方向において、前記ガラス溶融物の温度が最も高い位置の近傍で、かつ、前記ガラス溶融物中における前記溶解槽の底部側である請求項1から6のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  8. 前記第2位置は、前記ガラス溶融物中における前記溶解槽の底部側である請求項1から7のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  9. 前記第2位置は、前記ガラス溶融物中における素地面側である請求項1から7のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  10. 前記水分子供給工程において、前記ガラス溶融物と接する空間に水蒸気を供給する請求項1から9のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  11. 前記原料溶融工程において、前記ガラス原料を空気燃焼により溶解する請求項1から10のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  12. 前記溶解槽には、前記溶解槽の内部に燃焼炎を噴射するバーナーが接続され、
    前記バーナーには、前記溶解槽中の熱を蓄熱する蓄熱炉を介して燃焼ガスが供給され、
    前記原料溶融工程において、前記蓄熱炉に水蒸気を供給する請求項1から11のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  13. 前記水分子供給ガスは、水素原子が含まれるガスを含む請求項1から12のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法を用いて溶融ガラスを製造する工程と、
    前記溶融ガラスを成形してガラス物品とする成形工程と、
    を有することを特徴とするガラス物品の製造方法。
  15. ガラス原料を溶解してガラス溶融物を製造するための溶解槽と、
    前記溶解槽に設けられ、前記溶解槽の上流側端部から下流側端部に流れる前記ガラス溶融物中に水分子供給ガスを供給する供給口を有するバブラーと、
    前記下流側端部から流出した前記ガラス溶融物を減圧雰囲気下で脱泡する減圧脱泡装置と、
    を備え、
    前記バブラーは、前記ガラス溶融物の流れ方向の下流側から上流側へ順に、前記水分子供給ガスを供給する第1噴出口を有する第1バブラーと、前記水分子供給ガスを供給する第2噴出口を有する第2バブラーとを含み、
    前記第1噴出口は、前記上流側端部と前記下流側端部との双方から離間した第1位置に設けられ、
    前記第2噴出口は、前記上流側端部から前記第1位置までの前記ガラス溶融物の流れ方向の距離の中心よりも前記上流側端部に近い第2位置に設けられることを特徴とする溶融ガラス製造装置。
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