JPWO2015190204A1 - 瞳孔検出システム、視線検出システム、瞳孔検出方法、および瞳孔検出プログラム - Google Patents

瞳孔検出システム、視線検出システム、瞳孔検出方法、および瞳孔検出プログラム Download PDF

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Abstract

一実施形態に係る瞳孔検出システムは、第1カメラにより撮影された対象者の第1瞳孔画像と、第2カメラにより撮影された該対象者の第2瞳孔画像とに基づいて、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルをステレオ法により複数個算出するベクトル算出部と、基準線との成す角度が所定の閾値以下であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択し、選択した候補ベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定する判定部とを備える。角膜球中心は、第1カメラと第1瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸と、第2カメラと第2瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸との交点である。

Description

本発明の一側面は、瞳孔検出システム、視線検出システム、瞳孔検出方法、および瞳孔検出プログラムに関する。
従来から、対象者の瞳孔を検出する技術が知られている。この技術は、よそ見運転の検出、運転者の眠気の検出、商品の興味の度合いの調査、コンピュータへのデータ入力などに応用することが可能である。
このような瞳孔検出技術に関し、下記特許文献1には、明瞳孔画像と暗瞳孔画像との差分により瞳孔を検出するための方法が記載されている。この方法では、明瞳孔および暗瞳孔を撮影した2つの画像における角膜反射位置のずれ量を検出し、一方の画像を角膜反射位置のずれ量に対応する分だけ移動する位置補正を行うことで、両画像の瞳孔部を実質的に一致させる。その上で、両画像の差分が取られる。
特許第4452836号明細書
しかしながら、明瞳孔画像および暗瞳孔画像には様々なノイズが載りやすい。ノイズの一例として光源から発する光の眼鏡反射がある。眼鏡反射の中には、角膜反射と区別が付きにくいくらいに小さなものがある。また、眼鏡反射の位置はヒトの頭部の動きにより大きく移動するので、眼鏡反射と角膜反射とを画像の特徴だけから区別するのは困難である。また、涙が多い人の場合には下まぶたと白目との境界が光ったり目頭の突起部が光ったりすることがあり、これらは角膜反射と酷似する。このようなノイズを角膜反射として誤検出してしまうと、角膜反射に基づく位置補正が正しく機能しなくなり、その結果、瞳孔を正確に検出することができない。そこで、瞳孔画像にノイズが含まれる場合でも瞳孔を正しく検出することが望まれている。
本発明の一側面に係る瞳孔検出システムは、第1カメラにより撮影された対象者の第1瞳孔画像と、第2カメラにより撮影された該対象者の第2瞳孔画像とに基づいて、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルをステレオ法により複数個算出するベクトル算出部であって、角膜球中心が、第1カメラと第1瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸と、第2カメラと第2瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸との交点である、該ベクトル算出部と、複数の候補ベクトルの中から、瞳孔中心と、第1カメラおよび第2カメラの少なくとも一方の位置とに基づいて設定される基準線との成す角度が所定の閾値以下であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択し、選択した候補ベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定する判定部とを備える。
本発明の一側面に係る瞳孔検出方法は、プロセッサを備える瞳孔検出システムにより実行される瞳孔検出方法であって、第1カメラにより撮影された対象者の第1瞳孔画像と、第2カメラにより撮影された該対象者の第2瞳孔画像とに基づいて、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルをステレオ法により複数個算出するベクトル算出ステップであって、角膜球中心が、第1カメラと第1瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸と、第2カメラと第2瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸との交点である、該ベクトル算出ステップと、複数の候補ベクトルの中から、瞳孔中心と第1カメラおよび第2カメラの少なくとも一方の位置とに基づいて設定される基準線との成す角度が所定の閾値以下であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択し、選択した候補ベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定する判定ステップとを含む。
本発明の一側面に係る瞳孔検出プログラムは、第1カメラにより撮影された対象者の第1瞳孔画像と、第2カメラにより撮影された該対象者の第2瞳孔画像とに基づいて、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルをステレオ法により複数個算出するベクトル算出部であって、角膜球中心が、第1カメラと第1瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸と、第2カメラと第2瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸との交点である、該ベクトル算出部と、複数の候補ベクトルの中から、瞳孔中心と第1カメラおよび第2カメラの少なくとも一方の位置とに基づいて設定される基準線との成す角度が所定の閾値以下であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択し、選択した候補ベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定する判定部としてコンピュータを機能させる。
このような側面においては、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルが複数個算出され、その中から、向きが正しいと推定される候補ベクトルが選択され、選択されたベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定される。このように、複数の候補ベクトルのそれぞれについて方向を検査することで、瞳孔画像にノイズが含まれる場合でも瞳孔を正しく検出することができる。
本発明の一側面によれば、瞳孔画像にノイズが含まれる場合でも瞳孔を正しく検出することができる。
実施形態に係る瞳孔検出システムを示す斜視図である。 カメラのレンズ部分を示す平面図である。 実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。 実施形態に係る瞳孔検出システムの機能構成を示すブロック図である。 実施形態に係る瞳孔検出システムの動作を示すフローチャートである。 差分画像の生成を示す図である。 角膜反射に基づく位置補正を説明するための図である。 角膜反射のノイズを示す図である。 実施形態に係る瞳孔検出システムで設定される座標系の位置関係を示す図である。 候補ベクトル(角膜球中心−瞳孔ベクトル)の一例を示す図である。 候補ベクトル(角膜球中心−瞳孔ベクトル)の別の例を示す図である。 ベクトル条件を説明するための図である。 視線の検出を説明するための図である。 注視点検出のメカニズムを説明するための図である。 視線のずれを説明するための図である。 実施形態に係る瞳孔検出プログラムの構成を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[瞳孔検出システムの構成]
まず、図1〜4を用いて、実施形態に係る瞳孔検出システム1の構成を説明する。瞳孔検出システム1は、対象者の瞳孔の位置を検出するコンピュータシステムであり、このシステムにより、本実施形態に係る瞳孔検出方法が実施される。対象者とは、瞳孔位置を検出する対象となる人であり、被験者ともいうことができる。瞳孔検出システム1および瞳孔検出方法の利用目的は何ら限定されず、例えば、よそ見運転の検出、運転者の眠気の検出、商品の興味の度合いの調査、コンピュータへのデータ入力などに瞳孔検出システム1を利用することができる。
図1に模式的に示すように、瞳孔検出システム1は、ステレオカメラとして機能する一対のカメラ(第1カメラおよび第2カメラ)10と画像処理装置20とを備える。以下では、必要に応じて、一対のカメラ10を、対象者Aの左側にある左カメラ10と、対象者Aの右側にある右カメラ10とに区別する。本実施形態では、瞳孔検出システム1は、対象者Aが見る対象であるディスプレイ装置30をさらに備えるが、瞳孔検出システム1の利用目的は上記のように限定されないので、対象者Aの視線の先にある物はディスプレイ装置30に限定されず、例えば自動車のフロントガラスでもあり得る。したがって、ディスプレイ装置30は瞳孔検出システム1における必須の要素ではない。それぞれのカメラ10は画像処理装置20と無線または有線により接続され、カメラ10と画像処理装置20との間で各種のデータまたは命令が送受信される。各カメラ10に対しては予めカメラ較正が行われる。
カメラ10は対象者Aの瞳孔およびその周辺を撮影するために用いられる。一対のカメラ10は水平方向に沿って所定の間隔をおいて配され、かつ、対象者Aが眼鏡をかけているときの顔画像における反射光の写り込みを防止する目的で対象者Aの顔より低い位置に設けられる。水平方向に対するカメラ10の仰角は、瞳孔の確実な検出と対象者Aの視野範囲の妨げの回避との双方を考慮して、例えば20〜35度の範囲に設定される。個々のカメラ10に対しては予めカメラ較正が行われる。
本実施形態では、カメラ10は、インターレーススキャン方式の一つであるNTSC方式のカメラである。NTSC方式では、1秒間に30枚得られる1フレームの画像データは、奇数番目の水平画素ラインで構成される奇数フィールドと、偶数番目の水平画素ラインで構成される偶数フィールドから構成され、奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とが1/60秒の間隔で交互に撮影されることで生成される。したがって、一つのフレームは、一対の奇数フィールドおよび偶数フィールドに相当する。カメラ10は、画像処理装置20からの命令に応じて対象者Aを撮像し、画像データを画像処理装置20に出力する。
カメラ10のレンズ部分を図2に模式的に示す。この図に示すように、カメラ10では、対物レンズ11が円形状の開口部12に収容され、開口部12の外側に光源13が設けられる。光源13は、対象者Aの顔に向けて照明光を照射するための機器であり、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとから成る。発光素子13aは、出力光の中心波長が850nmの半導体発光素子(LED)であり、開口部12の縁に沿って等間隔でリング状に配される。発光素子13bは、出力光の中心波長が940nmの半導体発光素子であり、発光素子13aの外側に等間隔でリング状に配される。したがって、カメラ10の光軸から発光素子13bまでの距離は、該光軸から発光素子13aまでの距離よりも大きい。それぞれの発光素子13a,13bは、カメラ10の光軸に沿って照明光を出射するように設けられる。なお、光源13の配置は図2に示す構成に限定されず、カメラをピンホールモデルとみなすことができれば他の配置であってもよい。
画像処理装置20は、カメラ10の制御と、対象者Aの瞳孔の検出とを実行するコンピュータである。画像処理装置20は、据置型または携帯型のパーソナルコンピュータ(PC)により構築されてもよいし、ワークステーションにより構築されてもよいし、他の種類のコンピュータにより構築されてもよい。あるいは、画像処理装置20は複数台の任意の種類のコンピュータを組み合わせて構築されてもよい。複数台のコンピュータを用いる場合には、これらのコンピュータはインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続される。
画像処理装置20の一般的なハードウェア構成を図3に示す。画像処理装置20は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するCPU(プロセッサ)101と、ROMおよびRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成される補助記憶部103と、ネットワークカードあるいは無線通信モジュールで構成される通信制御部104と、キーボードやマウスなどの入力装置105と、ディスプレイやプリンタなどの出力装置106とを備える。
後述する画像処理装置20の各機能要素は、CPU101または主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104や入力装置105、出力装置106などを動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納される。
図4に示すように、画像処理装置20は機能的構成要素として画像取得部21、第1判定部(ベクトル算出部および判定部)22、および第2判定部(判定部)23を備える。画像取得部21は、カメラ10の撮影タイミングとカメラ10の光源13の発光タイミングとを制御することで、カメラ10から画像データを取得する機能要素である。第1判定部22は、画像データから得られる候補ベクトルに基づいて瞳孔位置を判定する機能要素である。第2判定部23は、第1判定部22で正しいと判定された瞳孔位置に基づいて視線を算出し、その視線に基づいて瞳孔位置をさらに判定する機能要素である。視線とは、対象者の瞳孔中心と該対象者の注視点(対象者が見ている点)とを結ぶ線である。なお、「視線」という用語は、起点、終点、および方向の意味(概念)を含む。画像処理装置20は、2段階の判定を通して正しい瞳孔位置を判定(推定)する。瞳孔位置の判定結果の出力先は何ら限定されない。例えば、画像処理装置20は判定結果を画像、図形、またはテキストでモニタに表示してもよいし、メモリやデータベースなどの記憶装置に格納してもよいし、通信ネットワーク経由で他のコンピュータシステムに送信してもよい。
本明細書における「候補ベクトル」とは、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶベクトル(例えば、角膜球中心から瞳孔中心に至るベクトル)であり、したがって、「角膜球中心−瞳孔ベクトル」ともいうことができる。ただし、この候補ベクトルの端点である角膜球中心および瞳孔中心は計算により得られる座標であるので、対象者Aの実際の角膜球中心および瞳孔中心の位置とは異なり得る。
[瞳孔検出方法]
次に、図5〜15を用いて、瞳孔検出システム1の動作について説明するとともに、本実施形態に係る瞳孔検出方法について説明する。
(処理の概要)
瞳孔検出方法の概要を図5に示す。まず、画像取得部21がそれぞれのカメラ10から明瞳孔画像および暗瞳孔画像を取得する(ステップS11)。続いて、第1判定部22が明瞳孔画像および暗瞳孔画像に基づいて複数の候補ベクトルを算出する(ステップS12、ベクトル算出ステップ)。第1判定部22は、複数の候補ベクトルの中から、下記2項目から成る条件(本実施形態ではこれが「ベクトル条件」である)を満たす候補ベクトルを選択することで、1以上の瞳孔候補(正しいと推定される瞳孔位置)を特定する(ステップS13、判定ステップ)。
・ベクトル条件(1)…候補ベクトルと基準線との角度が所定の閾値以下である。
・ベクトル条件(2)…候補ベクトルの長さが所定の範囲内である。
第1判定部22は、両方の瞳孔について、ベクトル条件を満たす瞳孔位置を特定する(ステップS14参照)。
続いて、第2判定部23が1以上の左瞳孔候補(左瞳孔候補群)と1以上の右瞳孔候補(右瞳孔候補群)とに基づいて更なる判定を行う。具体的には、第2判定部23は、左瞳孔候補群から選択した一つの左瞳孔候補に基づいて左視線を算出すると共に、右瞳孔候補群から選択した一つの右瞳孔候補に基づく右視線を算出する(ステップS15)。そして、第2判定部23は下記条件(本明細書ではこれを「視線条件」という)を満たす左視線および右視線を選択する(ステップS16)。
・視線条件…対象者の高さ方向における左視線と右視線とのずれが所定の閾値以下である。
第2判定部23は、左瞳孔候補と右瞳孔位置とのすべての組合せについてステップS15,S16の処理を実行し(ステップS17参照)、最終的な判定結果を出力する(ステップS18)。
i番目のフィールドの画像が撮影されてから(i+1)番目のフィールドの画像が撮影されるまでの間に対象者Aの頭部が動かなければ、図6に示すように、単純に明瞳孔画像および暗瞳孔画像の差を取ることで、瞳孔部分(図6における符号P)が浮かび上がった差分画像を生成することができる。しかし、i番目のフィールドの画像が撮影されてから(i+1)番目のフィールドの画像が撮影されるまでの間のわずかな時間に対象者Aの頭部が動くと、これら2画像の間で瞳孔の位置にずれが生じ、その結果、良好な差分画像を得ることができない。そこで、差分画像を得る前に、明瞳孔画像および暗瞳孔画像に対して角膜反射に基づく位置補正が行われる。
角膜反射に基づく位置補正では、i番目のフィールド(画像)と(i+1)番目のフィールド(画像)のそれぞれから検出した角膜反射点Rの位置が一致するようにi番目のフィールド(画像)をずらしてから(図7の矢印を参照)、2画像の差分が取られる。図7の下段に示すこの差分画像から瞳孔Pを検出することができる。
しかし、明瞳孔画像および暗瞳孔画像には、光の眼鏡反射などの様々なノイズが載りやすい。例えば図8に示すように、真の角膜反射点Rと区別が付きにくいくらいに小さなノイズRfが瞳孔画像に写り得る。そのノイズRfの一つを正しい角膜反射点として位置補正が為されると、正しい瞳孔位置を求めることができない。瞳孔検出システム1の目的は、このようなノイズが瞳孔画像に写った場合でも正しい瞳孔位置を特定することである。
(瞳孔画像の取得)
眼に入った光は網膜で乱反射し、反射光のうち瞳孔を通り抜けた光は強い指向性をもって光源へ戻る性質がある。カメラの開口部近くにある光源が発光した時にカメラを露光させると、網膜で反射した光の一部がその開口部に入るため、瞳孔が瞳孔周辺よりも明るく写った画像を取得することができる。この画像が明瞳孔画像である。これに対して、カメラの開口部から離れた位置にある光源が発光した時にカメラを露光させると、眼から戻ってきた光はカメラの開口部にほとんど戻らないため、瞳孔が暗く写った画像を取得することができる。この画像が暗瞳孔画像である。また、透過率が高い波長の光を眼に照射すると、網膜での光の反射が多くなるので瞳孔が明るく写り、透過率が低い波長の光を眼に照射すると、網膜での光の反射が少なくなるので瞳孔が暗く写る。
本実施形態では、透過率が高い波長の光(中心波長が850nm)を発する発光素子13aが開口部12に隣接した位置に設けられ、眼の透過率が低い波長の光(中心波長が940nm)を発する発光素子13bを開口部12から離れた位置に設けられる。画像取得部21は、カメラ10の奇数フィールドに合わせて発光素子13aを点灯させて明瞳孔画像を撮影し、カメラ10の偶数フィールドに合わせて発光素子13aを点灯させて暗瞳孔画像を撮影する。画像取得部21は二つのカメラ10の間で作動タイミングをわずかにずらし、個々のカメラ10の露光時間はそのずらし時間以下に設定される。画像取得部21は、各カメラ10の露光時間中に、対応する発光素子13aおよび発光素子13bを交互に発光させることで、一方のカメラ10の光源13からの光が他方のカメラ10の画像に影響を与えないようにする(クロストークが起こらないようにする)。
画像取得部21は、これらの一連の制御により得られる明瞳孔画像および暗瞳孔画像を取得する。一方のカメラ10から得られる明瞳孔画像または暗瞳孔画像は第1瞳孔画像に相当し、他方のカメラ10から得られる明瞳孔画像または暗瞳孔画像は第2瞳孔画像に相当する。得られる画像データは、奇数フィールド又は偶数フィールドのみに有効画素を有しているため、画像取得部21は、隣接する有効画素の画素ラインの輝度平均をそのライン間の画素値に埋め込むことによって、明瞳孔画像または暗瞳孔画像を生成する。画像取得部21は明瞳孔画像および暗瞳孔画像を第1判定部22に出力する。
(角膜反射に基づく位置補正)
第1判定部22は、画像取得部21から入力された明瞳孔画像および暗瞳孔画像のそれぞれから角膜反射点の1以上の候補(角膜反射候補点)を検出する。具体的には、第1判定部22は1枚の画像に対してPタイル法による2値化とラベリングとを行い、形状や輝度平均などの情報に基づいてその画像から1以上の角膜反射候補点を選択する。このような処理により、第1判定部22は明瞳孔画像および暗瞳孔画像のそれぞれから、1以上の(例えば複数の)角膜反射候補点を得る。一つの瞳孔画像から取得する角膜反射候補点の最大数(例えば2、3、5など)が予め設定されていてもよい。例えば、第1判定部22は図8に示す画像から、符号RおよびRfで示される三つの角膜反射候補点を検出する。
続いて、第1判定部22は明瞳孔画像および暗瞳孔画像から角膜反射候補点を一つずつ選択し、選択した二つの角膜反射候補点に基づいて2画像間での角膜反射の移動量を位置補正量として計算する。続いて、第1判定部22はそれら二つの角膜反射候補点が一致するように、前フィールド(i番目のフィールド)の画像を、次フィールド((i+1)番目のフィールド)の画像に位置補正量だけずらした上で、これら2画像から差分画像を生成する。そして、第1判定部22は一致させた角膜反射候補点の位置を取得する。
(瞳孔位置および角膜反射位置の算出)
続いて、第1判定部22は差分画像から瞳孔位置の候補を特定する。具体的には、第1判定部22は、前フレームと輝度が大きく変化しないことを利用して、前フレームで検出された瞳孔の輝度平均を利用して、その平均輝度の半分の値を閾値として差分画像を2値化し、ラベリングを行う。続いて、第1判定部22は、瞳孔らしい面積、サイズ、面積比、正方形度、および瞳孔特徴量等の形状パラメータに基づいて、ラベルづけされた画素の連結成分の中から瞳孔候補を選択し、各瞳孔候補の中心座標を算出する。したがって、一致させた角膜反射候補点の座標に対して1以上の瞳孔候補の座標が得られる場合がある。
一方、一致させた角膜反射候補点の座標に対して瞳孔候補の座標が一つも得られない場合もあり得る。それは、対応させた一方もしくは両方の角膜反射候補点が偽の角膜反射点であった場合に特に起こり得る。この場合には、第1判定部22は、一致させた角膜反射候補点を除外してもよい。後述するステレオ法(ステレオマッチング)を実行する前に、偽の角膜反射と推定される角膜反射候補点を除外することで、後続の計算時間を短縮することができる。
続いて、第1判定部22は各瞳孔候補の3次元座標を求める。具体的には、第1判定部22はステレオ法を用いて、算出した瞳孔中心座標から左右の瞳孔の3次元位置を計算する。ステレオ法とは、カメラのレンズの焦点距離、画像中心、画素サイズなどの内部パラメータと、カメラの位置や姿勢等の外部パラメータとを予め計測しておき、複数台のステレオカメラで対象物を撮影したときに、画像中の点の座標を基に、内部パラメータおよび外部パラメータを用いてその点の空間上の位置を決定する方法である。
第1判定部22がステレオ法を用いて瞳孔の3次元座標を計算する際には、図9に示すような座標系を用いる。同図に示す世界座標系(X,Y,Z)は、2台のカメラ10が共有する原点Oが例えばディスプレイ装置30の画面中央に位置する座標系である。カメラ座標系(X,Y,Z)は、その原点Cがカメラ10の光学中心とされ、Z軸が光学中心から画像面に垂直に引いた光軸と平行とされた座標系である。画像座標系(X,Y)は、撮像素子が置かれる画像面に沿ってXY平面と平行にされ、光軸と画像面の交点(画像中心)を原点Cとする座標系である。点Pが目標点の座標とすると、カメラ10を用いた際の画像座標系への投影点(X,Y)は、画像のゆがみにより理想的な投影点(X,Y)からずれることになる。したがって、ステレオ法を用いた3次元位置計測を精度良く行うためには、目標点Pの世界座標とその画像座標との対応づけを記録したキャリブレーションデータを予め取得する必要がある。例えば、外部パラメータとしての世界座標に対するカメラ座標系の平行移動ベクトルおよび世界座標系に対するカメラ座標系の回転行列や、内部パラメータとしての焦点距離、画像中心座標、スケール係数、レンズひずみ係数、撮像素子間隔等がキャリブレーションデータとして予め取得され、第1判定部22に記憶される。
第1判定部22は、2台のカメラ10からの出力データを基に検出した画像座標系における瞳孔中心座標と、世界座標系における瞳孔中心座標との関係式を、キャリブレーションデータを参照しながら取得する。次に、第1判定部22は、2つの関係式から世界座標系における対象者Aの瞳孔の3次元座標を求める。同様にして、第1判定部22は、対象者Aの左右の瞳孔の3次元座標を求めることができる。
また、第1判定部22は瞳孔候補の3次元座標の算出と同様の手法を用いて、左カメラ10に対応する(左カメラ10の画像から得られる)角膜反射点(角膜反射候補点)と右カメラ10に対応する(右カメラ10の画像から得られる)角膜反射点(角膜反射候補点)との中心座標を算出する。偽の角膜反射と推定される角膜反射候補点を予め除外する処理を行った場合には、第1判定部22は、除外されることなく残った角膜反射点(角膜反射候補点)についてのみ中心座標を算出すればよい。
(候補ベクトルの算出)
続いて、第1判定部22は候補ベクトルを求める。図10,11を参照しながらこの計算について説明する。第1判定部22は、左カメラ10のレンズ中心(レンズ中心以外の点でもよい)と左カメラ10に対応する角膜反射点(角膜反射候補点)Rとを通る直線(軸)Lと、右カメラ10のレンズ中心(レンズ中心以外の点でもよい)と右カメラ10に対応する角膜反射点(角膜反射候補点)Rとを通る直線(軸)Lとの交点Cの3次元座標を角膜球中心の3次元座標として設定する。そして、第1判定部22は、角膜球中心Cおよび瞳孔中心Pの3次元座標に基づいて候補ベクトルVを求める。
第1判定部22は、明瞳孔画像および暗瞳孔画像から選択した一組の角膜反射候補点から1以上の瞳孔候補を検出し得るので、第1判定部22は当該一組の角膜反射候補点から1以上の候補ベクトルを得る。一方、第1判定部22は、除外した角膜反射候補点に対応する候補ベクトルは生成しない。すなわち、第1判定部22は、除外されなかった角膜反射候補点に対応する候補ベクトルのみを算出すればよいので、その分だけ計算時間を短縮することができる。第1判定部22は、明瞳孔画像の角膜反射候補点と暗瞳孔画像の角膜反射候補点とのすべての組合せについて上記の処理を実行することで、複数の候補ベクトルを求める。例えば、左カメラ10に関して、明瞳孔画像から2個の角膜反射候補点を検出し、暗瞳孔画像から3個の角膜反射候補点を検出したとする。この場合に、明瞳孔画像と暗瞳孔画像との双方に真の角膜反射点が含まれているとすると、第1判定部22は左カメラ10に関して、6個(=2×3)の差分画像に基づいて最多で6個、最少で1個の候補ベクトルを算出し得る。また、右カメラ10に関して、明瞳孔画像および暗瞳孔画像のそれぞれから2個ずつ角膜反射候補点を検出したとする。この場合には、明瞳孔画像と暗瞳孔画像との双方に真の角膜反射点が含まれているとすると、第1判定部22は右カメラ10に関して、4個(=2×2)の差分画像に基づいて最多で4個、最少で1個の候補ベクトルを算出し得る。この場合には結局、ステレオマッチングにより最多で24(=6×4)通り、最少で1(=1×1)通りの候補ベクトルが得られる。
(候補ベクトルの判定)
得られる候補ベクトルの中には、図10に示すように正しいと思われる候補ベクトルVもあれば、図11に示すように、外乱光源DLによる角膜反射を基に算出される候補ベクトル(正しいとはいえない候補ベクトル)Vもある。第1判定部22は各候補ベクトルがベクトル条件を満たすか否かを判定し、ベクトル条件を満たす候補ベクトルのみを選択する。上述した通り、ベクトル条件は、候補ベクトルと基準線との角度が所定の閾値以下であり、かつ、候補ベクトルの長さが所定の範囲内である、という条件である。
図12の例では、ベクトル条件で用いる基準線は、2台のカメラ10のレンズ中心間の中点(重心)Omと瞳孔中心Pとを結ぶ線OmPである。ベクトル条件で用いる閾値αは、30度、40度、または50度でもよいし、他の値でもよい。第1判定部22は、候補ベクトルVと基準線OmPとの成す角度が閾値α以下であればその候補ベクトルVを選択し、当該角度が閾値αを超える場合には、その候補ベクトルVを除外する。なお、図12では説明のために候補ベクトルVをカメラ10の方向に延ばして示している。
なお、基準線はどちらか一方のカメラ10のレンズ中心と瞳孔中心Pとを結ぶ線であってもよい。いずれにしても、基準線は、瞳孔中心と少なくとも1台のカメラ10の位置とに基づいて設定される。
また、第1判定部22は候補ベクトルVの長さ、すなわち瞳孔中心と角膜球中心との距離が所定の範囲にあるか否かを判定する。例えば、範囲の下限値および上限値はそれぞれd−1.5(mm)、d+1.5(mm)である。ここで、値dは、眼鏡反射や偽の角膜反射が生じない環境下で1以上のユーザについて計測した、角膜球中心と瞳孔中心との距離である。なお、範囲の下限値はd−1.0(mm)またはd−2.0(mm)でもよく、範囲の上限値はd+1.0(mm)またはd+2.0(mm)でもよい。第1判定部22は、候補ベクトルVの長さがその範囲内であればその候補ベクトルVを選択し、当該長さがその範囲内でない場合には、その候補ベクトルVを除外する。
第1判定部22は、ベクトル条件を満たす候補ベクトルVに対応する瞳孔中心の3次元座標を瞳孔候補として特定する。第1判定部22は左右の瞳孔のそれぞれについて瞳孔候補(以下では、左瞳孔候補および右瞳孔候補ともいう)を特定し、その瞳孔候補のデータを第2判定部23に出力する。ベクトル条件を満たす候補ベクトルに対応する瞳孔中心を特定するということは、その瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定することを意味する。
(視線の検出)
第2判定部23は左右の瞳孔の3次元座標に基づいて視線を検出する。図13に示すように、瞳孔の3次元位置Pに基づいて、カメラ10の開口部12の中心を原点Oとし、その原点Oと瞳孔中心Pを結ぶ基準線OPを法線とする仮想視点平面X’−Y’を考える。ここで、X’軸は、世界座標系のX−Z平面と仮想視点平面との交線に相当する。
第2判定部23は、画像面Sにおける角膜反射点Gから瞳孔中心Pまでのベクトルrを算出し、そのベクトルrを、距離OPから求められたカメラの拡大率を用いて実寸に換算したベクトルrに変換する。このとき、各カメラ10をピンホールモデルと考え、角膜反射点Gと瞳孔中心Pとが、仮想視点平面X’−Y’と平行な平面上にあると仮定する。つまり、第2判定部23は、仮想視点平面と平行であって瞳孔Pの3次元座標を含む平面上において、瞳孔中心Pと角膜反射点Gの相対座標をベクトルrとして算出し、このベクトルrは角膜反射点Gから瞳孔中心Pまでの実距離を表す。
続いて、第2判定部23は、対象者Aの仮想視点平面上の注視点Tに関して、直線OTの水平軸X’に対する傾きφが、ベクトルrの画像面上の水平軸Xに対する傾きφ’と等しいと仮定する。さらに、第2判定部23は、対象者Aの視線ベクトル、すなわち、瞳孔中心Pと注視点Tとを結ぶベクトルPTと、基準線OPとの成す角θを、ゲイン値kを含むパラメータを使った下記式(1)により計算する。
θ=f(r)=k×|r| …(1)
このような角度φ,θの計算は、瞳孔中心Pの存在する平面上のベクトルrを仮想視点平面上で拡大したものがそのまま対象者Aの注視点に対応するとみなすことにより行われる。より詳しくは、対象者Aの視線PTの基準線OPに対する角度θは、瞳孔中心と角膜反射の距離|r|との間で線形関係を有すると仮定する。
角度θと距離|r|とは線形近似できるという仮定、および二つの傾きφ,φ’が等しいという仮定を利用することで、(θ,φ)と(|r|,φ’)とを1対1に対応させることができる。このとき、第2判定部23は、カメラ10の開口部12の中心に設定された原点Oと、仮想視点平面上の注視点Tとを結ぶベクトルOTを次式(2)により得る。なお、ベクトルOPはカメラ10から得られる。
Figure 2015190204
最後に、第2判定部23は視線ベクトルPTと視対象平面(ディスプレイ装置30)との交点である注視点Qを次式(3)で求める。
Q=nPT+P …(3)
しかし、一般的にヒトの視軸(瞳孔中心および中心窩を通る軸)と光軸(角膜からレンズの中心へと延びる法線)との間にはずれがあり、対象者Aがカメラを注視した際にも角膜反射と瞳孔中心とは一致しない。そこで、これを補正する原点補正ベクトルrを定義し、カメラ画像から実測した角膜反射−瞳孔中心ベクトルをr’とすると、ベクトルrはr=r’−rで表されるので、式(1)は下記式(4)のように書き換えられる。
θ=k×|r’−r| …(4)
計測されたr’に対して原点補正を行うことで、(θ,φ)と(|r|,φ’)とを1対1に対応させることができ、精度の高い注視点検出を行うことができる。
このような角度φ,θの計算は、瞳孔中心Pの存在する平面上のベクトルr(=r’−r)を仮想視点平面上で拡大したものがそのまま対象者Aの注視点に対応するとみなすことにより行われている。より詳しくは、対象者Aの視線PTの基準線OPに対する角度θは、瞳孔中心と角膜反射の距離の修正値|r’−r|との間で線形関係を有すると仮定している。なお、関数fに含まれる原点補正ベクトルrには、対象者Aがカメラを見たとき(θ=0)の実寸の角膜反射−瞳孔中心間のベクトルが零ではないために、この角膜反射−瞳孔中心間のベクトルとして、ベクトルrが設定される。ここで、上記ゲイン値k及び原点補正ベクトルrは、各対象者Aや左右の眼球によって異なるため較正を行う必要がある。そこで、ゲイン値k及び原点補正ベクトルrには、予め設定された初期値に対して後述するパラメータ補正処理によって補正された値が使用される。瞳孔中心と角膜球中心の距離と視軸(基準値)は、注視点検出の一点較正時に求める。
さらに、第2判定部23は、2台のカメラ10の画像に対応して計算された角度φ,θであるφ,φ,θ,θを参照して、対象者Aのディスプレイ装置30の画面上の注視点を検出する。ここで、注視点検出のメカニズムを説明するために図14に示すような座標系を定義する。2台のステレオカメラ10の位置に対応した原点O’,O’を有する2つの仮想視点平面H,Hと、瞳孔中心Pを中心とした半径を任意とした仮想視点球面Sを定義する。2つの仮想視点平面H,Hは、それぞれ、直線PO’,PO’に対して垂直な平面である。そして、瞳孔中心Pとディスプレイ画面上の注視点Qを通る直線(視線)と仮想視点球面Sとの交点をG、瞳孔中心Pと原点O’を通る直線と仮想視点球面Sとの交点をO、瞳孔中心Pと原点O’を通る直線と仮想視点球面Sとの交点をOとする。なお、視線PQと仮想視点平面Hとの交点をGとすると、直線O’Gと仮想視点平面Hとの水平軸の成す角がφとなる。同様に、視線PQと仮想視点平面Hとの交点をGとすると、直線O’Gと仮想視点平面Hとの水平軸の成す角がφとなる。さらに、仮想視点球面S上において、点Oにおける点Oを通る水平面と球面Sとの交線(曲線)と、曲線Oとの成す角は、上記角度φと等しくなる。同様に、仮想視点球面S上において、点Oにおける点Oを通る水平面と仮想視点球面Sとの交線(曲線)と、曲線Oとの成す角は、上記角度φと等しくなる。また、上述したように、点P,O,O’は同じ直線L上に存在し、点P,O,O’は同じ直線L上に存在するので、直線Lと視線の成す角がθとなり、直線Lと視線の成す角がθとなる。
第2判定部23は、上記のような関係を用いることにより、予め既知である原点O’,O’の位置座標、及びディスプレイ装置30の位置及び向きのデータを参照しながら、画面上の注視点を算出することができる。すなわち、2台のカメラ10のカメラ画像によって計算された角度φ,φ,θ,θから、仮想視点球面S上の点G,O,Oの相対的位置関係を取得することができる。従って、第2判定部23は、既知である原点O’,O’の座標と、既に計算された瞳孔中心Pの座標から、一意に視線PGを求めることができ、その視線PGとディスプレイ装置30の画面との交点を計算することにより注視点Qを検出することができる。なお、角度φ,θから求められる視線PGと、角度φ,θから求められる視線PGがずれている場合にはそれらを平均したものを最終的な視線ベクトルとして計算することもできる。
ここで、第2判定部23が視線の計算に用いる関数fには、パラメータとしてゲイン値k及び原点補正ベクトルrが含まれている。このゲイン値kは、上記式(4)を見ても分かるように、角膜反射−瞳孔中心ベクトルr’を調整後のベクトルr=r’−rの大きさと視線を示す角度θが線形関係にあると仮定して、そのベクトルrから角度θを求める時に使用する倍率である。理想的には、角度θとベクトル|r’|とが線形関係にあれば、ゲイン値kさえ求まれば角度θが計算できるはずである。言い換えれば角度θ=0のとき、つまり対象者Aがカメラを注視したときはベクトル|r’|=0になるはずである。しかしながら、実際には眼球の視軸(視線)と光軸とは一致せず、角度θ=0のときベクトル|r’|≠0となる。さらに、対象者Aが変われば角度θ=0のときのベクトル|r|は異なる。なお、眼球の視軸とは、対象者の眼球の中心窩と対象者の注視点とを結ぶ直線である。
以下、k及びベクトルrの求め方について説明する。式(4)より、ベクトルθ,θは、以下の式(5),(6)でそれぞれ表される。
θ=kr=k×(r´―r) …(5)
θ=kr=k×(r´―r) …(6)
なお、これらの式において原点補正ベクトルrは個々の眼球において一意に決定されるため、カメラに関係なくrとした。また、2台のカメラの間隔は角度で表され、次式(7)で定義できる。
Figure 2015190204
式(5)〜(7)から、次式(8)が得られ、この式(8)から係数k(較正値)が算出される。
Figure 2015190204
2台のカメラの位置は既知であるから、∠OPOは常に既知である。したがって、対象者が特定の位置を注視しなくても、各カメラにおいて実測されるベクトルr’から係数kを算出することができる。
さらに、第2判定部23は、1点較正法により、原点補正ベクトルrを求める。1点較正法による原点補正ベクトルrの求め方は、具体的には次の通りである。まず、第2判定部23は、ディスプレイ装置30の表示画面上の任意の位置に1点の視標(規定点)を表示させて、対象者Aに当該視標を注視させる。この状態で、第2判定部23は、投影仮想視点平面上の注視点を検出する。次に、第2判定部23は、検出した注視点と視標の座標を投影仮想視点平面上に投影した点との差分を補正量として算出する。そして、第2判定部23は、この補正量に基づいて原点補正ベクトルrを決定する。これにより、第2判定部23は、式(4)による高精度な注視点検出を行うことができる。
このように注視点を検出することで、第2判定部23は対象者Aの視線を検出することができる。第2判定部23は、このように対象者Aの視線を検出した時点で、その検出結果を出力してもよい。この場合には、第2判定部23は視線検出部としても機能し、瞳孔検出システム1は視線検出システムとしても機能する。
ヒトが両眼で一点を見ている時、両眼の視線は一点で重なるのが理想である。このとき、左右の視線の交点と右眼の瞳孔中心(右瞳孔中心)と左眼の瞳孔中心(左瞳孔中心)の3点により平面が構成される。この性質を利用して、第2判定部23は、左右の視線が正しく検出されているか、さらに、その前提である瞳孔中心座標が正しかったかを判定してもよい。しかし、実際にはヒトの2本の視線がわずかにずれていることもあり得るし、装置の誤差も起こりえるので、一般的には、図15に示すように2本の視線は、対象者Aの高さ方向に沿ってずれる。右瞳孔中心および左瞳孔中心をそれぞれP,Pとし、右眼および左眼から延びる視線の単位方向ベクトルをそれぞれiRG,iLGとする。また、右瞳孔中心から左瞳孔中心へ延びる単位方向ベクトルをiRLとし、左瞳孔中心から右瞳孔中心へ延びる単位方向ベクトルをiLRとする。さらに、2本の視線が互いに最も接近するときの各視線上の点をそれぞれG,Gとする。このとき、3点P,P,Gを通る平面の法線単位ベクトルiは、外積を示す下記式(9)で表される。
=iRG×iRL …(9)
また、3点P,P,Gが通る平面の法線単位ベクトルiは同様に下記式(10)で求まる。
=iLG×iLR …(10)
両眼の視線が交わる場合には二つの法線単位ベクトルi,iは一致するので、下記式(11)により得られる角度δは零になる。
Figure 2015190204
この理論を利用して、第2判定部23は、二つの法線単位ベクトルi,iの成す角度δが所定の範囲にある場合に(閾値をδとして、|δ|≦δである場合に)左右の視線が正しいと判定し、さらに、その視線に対応する左右の瞳孔位置の組合せを選択する。一方、その角度δが閾値δを超える場合には、第2判定部23は左右の視線が正しくないと判定し、その視線に対応する左右の瞳孔位置の組合せを除外する。|δ|≦δであるということは、対象者の高さ方向における左視線と右視線とのずれが所定の閾値以下であることを意味する。
第2判定部23は、左瞳孔候補と右瞳孔候補のすべての組合せについて上記の処理を実行することで、正しいと推定される左右の瞳孔位置の組合せを選択する。この処理は、正しいと判定された左視線および右視線に対応する左瞳孔中心および右瞳孔中心に、左瞳孔および右瞳孔がそれぞれ位置すると判定することを意味する。なお、第2判定部は、瞳孔位置について判定結果を出力することなく、正しいと判定した左視線および右視線のみを最終の判定結果として出力してもよい。この場合も、第2判定部23は視線検出部としても機能し、瞳孔検出システム1は視線検出システムとしても機能する。
あるいは、第2判定部23は、ディスプレイ装置30上の注視点を検出した場合に、左右の注視点の間の距離に基づいて視線(および瞳孔位置)が正しいか否かを判定してもよい。具体的には、第2判定部23は、角度δを計算する前に求まった左右の視線と画面平面との交点を注視点として求め、個々の右眼の注視点と個々の左眼の注視点との間の距離を総当たりで求める。そして、第2判定部23は、双方の距離が所定の閾値以下であれば左右の視線が正しいと判定する。
[瞳孔検出プログラム]
次に、図16を用いて、画像処理装置20を実現するための瞳孔検出プログラムP1を説明する。
瞳孔検出プログラムP1は、メインモジュールP10、画像取得モジュールP11、第1判定モジュールP12、および第2判定モジュールP13を備える。
メインモジュールP10は、瞳孔検出機能を統括的に制御する部分である。画像取得モジュールP11、第1判定モジュールP12、および第2判定モジュールP13を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記の画像取得部21、第1判定部22、および第2判定部23の機能と同様である。
瞳孔検出プログラムP1は、例えば、CD−ROMやDVD−ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。また、瞳孔検出プログラムP1は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
以上説明したように、本発明の一側面に係る瞳孔検出システムは、第1カメラにより撮影された対象者の第1瞳孔画像と、第2カメラにより撮影された該対象者の第2瞳孔画像とに基づいて、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルをステレオ法により複数個算出するベクトル算出部であって、角膜球中心が、第1カメラと第1瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸と、第2カメラと第2瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸との交点である、該ベクトル算出部と、複数の候補ベクトルの中から、瞳孔中心と、第1カメラおよび第2カメラの少なくとも一方の位置とに基づいて設定される基準線との成す角度が所定の閾値以下であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択し、選択した候補ベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定する判定部とを備える。
本発明の一側面に係る瞳孔検出方法は、プロセッサを備える瞳孔検出システムにより実行される瞳孔検出方法であって、第1カメラにより撮影された対象者の第1瞳孔画像と、第2カメラにより撮影された該対象者の第2瞳孔画像とに基づいて、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルをステレオ法により複数個算出するベクトル算出ステップであって、角膜球中心が、第1カメラと第1瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸と、第2カメラと第2瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸との交点である、該ベクトル算出ステップと、複数の候補ベクトルの中から、瞳孔中心と第1カメラおよび第2カメラの少なくとも一方の位置とに基づいて設定される基準線との成す角度が所定の閾値以下であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択し、選択した候補ベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定する判定ステップとを含む。
本発明の一側面に係る瞳孔検出プログラムは、第1カメラにより撮影された対象者の第1瞳孔画像と、第2カメラにより撮影された該対象者の第2瞳孔画像とに基づいて、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルをステレオ法により複数個算出するベクトル算出部であって、角膜球中心が、第1カメラと第1瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸と、第2カメラと第2瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸との交点である、該ベクトル算出部と、複数の候補ベクトルの中から、瞳孔中心と第1カメラおよび第2カメラの少なくとも一方の位置とに基づいて設定される基準線との成す角度が所定の閾値以下であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択し、選択した候補ベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定する判定部としてコンピュータを機能させる。
このような側面においては、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルが複数個算出され、その中から、向きが正しいと推定される候補ベクトルが選択され、選択されたベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定される。このように、複数の候補ベクトルのそれぞれについて方向を検査することで、瞳孔画像にノイズが含まれる場合でも瞳孔を正しく検出することができる。
このような効果についてさらに説明する。第1瞳孔画像および第2瞳孔画像の少なくとも一方で複数の角膜反射点が検出された場合、すなわち瞳孔画像内にノイズが生じた場合には、まずは双方の画像における角膜反射点を総当たりで組み合わせて複数の候補ベクトルを求め、各候補ベクトルの方向および長さを検査することで、ベクトル条件を満たす候補ベクトルのみを選択する。この選択は、ベクトル条件を満たさない候補ベクトルを除外することを意味するから、結果として瞳孔位置の誤検出が少なくなる。すなわち、瞳孔を正しく検出することができる。
また、上記側面においては、カメラに取り付けられた光源による角膜反射と、カメラから離れた位置に取り付けられた光源による角膜反射とを区別することができる。
他の側面に係る瞳孔検出システムでは、判定部が、基準線との成す角度が所定の閾値以下であり、かつ長さが所定の範囲内であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択してもよい。
このように、複数の候補ベクトルのそれぞれについて向きおよび長さの双方を検査することで、瞳孔画像にノイズが含まれる場合でも瞳孔をより正しく検出することができる。
他の側面に係る瞳孔検出システムでは、ベクトル算出部が、角膜反射候補点を用いて瞳孔中心を算出する処理を、候補ベクトルを算出する前に実行し、角膜反射候補点を用いて瞳孔中心を算出できなかった場合には、該角膜反射候補点を除外し、除外されなかった角膜反射候補点に対応する候補ベクトルのみを算出してもよい。
この場合には、候補ベクトルを求める前に、瞳孔中心を算出できなかった角膜反射候補点(すなわち、正しくないと推定される角膜反射候補点)が除外されるので、明らかに誤りであると予想される候補ベクトルが算出されない。この処理により候補ベクトルの個数を抑えることができるので、その分だけ瞳孔検出に要する時間を短縮することができる。
他の側面に係る瞳孔検出システムでは、ベクトル算出部が、対象者の左瞳孔および右瞳孔のそれぞれについて複数の候補ベクトルを算出し、判定部が、左瞳孔および右瞳孔のそれぞれについて、ベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択することで、左瞳孔中心および右瞳孔中心を判定し、左瞳孔中心および右瞳孔中心に基づいて左視線および右視線をそれぞれ算出し、左瞳孔中心、右瞳孔中心、および左視線により規定される平面の法線と、左瞳孔中心、右瞳孔中心、および右視線により規定される平面の法線との角度が所定の閾値以下であるという視線条件を満たす場合に、左視線および右視線が正しい視線であると判定してもよい。
上記二つの法線が成す角度は、対象者の高さ方向における左右の視線のずれに相当する。このずれについても検査することで、瞳孔画像にノイズが含まれる場合でも視線を正しく検出することができる。
他の側面に係る瞳孔検出システムでは、判定部が、正しいと判定された左視線および右視線に対応する左瞳孔中心および右瞳孔中心に、左瞳孔および右瞳孔がそれぞれ位置すると判定してもよい。
この場合には、視線の正しさも考慮した上で瞳孔を正しく検出することができる。
本発明の一側面に係る視線検出システムは、上記瞳孔検出システムにより判定された瞳孔中心に基づいて対象者の視線を検出する視線検出部を備える。
このような側面においては、方向が正しいと推定される候補ベクトルに対応する瞳孔中心に基づいて対象者の視線が検出されるので、瞳孔画像にノイズが含まれる場合でも視線を正しく特定することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
左右の瞳孔位置の候補が得られた際に、第1判定部22は瞳孔中心間の距離(瞳孔間距離)が所定の範囲内にある左右の瞳孔位置のみを選択してもよい。この処理は、上記ベクトル条件の判定を行う前または後に実行可能である。
具体的には、第1判定部22は抽出された左瞳孔中心の候補から一つを選択すると共に、右瞳孔中心の候補から一つを選択し、選択された2個の瞳孔中心間の距離(瞳孔間距離)を算出する。瞳孔間距離lは下記式(12)で表される。ここで、PおよびPは左右の瞳孔中心の3次元座標である。
l=|P−P| …(12)
そして、第1判定部22は、瞳孔間距離が所定範囲内にあるという距離条件を満たす瞳孔中心のペアを選択し、その距離条件を満たさないペアを除外する。第1判定部22は、左瞳孔中心と右瞳孔中心とのすべての組合せについてこの処理を行う。
一般に、人間の瞳孔間距離は約65mmである。したがって、個人差や輻輳による瞳孔間距離の変化等を考慮すると、距離条件のために設定する範囲は、65mmを含む範囲であってもよい。例えば、範囲の下限は50mm、55mm、または60mmでもよく、範囲の上限は70mm、75mm、または80mmでもよい。
すなわち、他の側面に係る瞳孔検出システムでは、ベクトル算出部が、対象者の左瞳孔および右瞳孔のそれぞれについて複数の候補ベクトルを算出し、判定部が、左瞳孔および右瞳孔のそれぞれについて左瞳孔中心および右瞳孔中心を判定し、ベクトル条件を満たす候補ベクトルに対応し、かつ、左瞳孔中心および右瞳孔中心に基づく瞳孔間距離が所定の範囲内にあるという距離条件を満たす左瞳孔中心および右瞳孔中心に左瞳孔および右瞳孔がそれぞれ位置すると判定してもよい。
このように、瞳孔間距離についても検査することで、瞳孔画像にノイズが含まれる場合でも瞳孔を正しく検出することができる。
なお、距離条件を用いる判定は、瞳孔間距離ではなく角膜中心間の距離(角膜間距離)に基づいて行われてもよい。
第1判定部22は、瞳孔中心から得られる視軸に対して上記ベクトル条件を用いた判定を行ってもよい。
瞳孔検出システムは3台以上のカメラを備えてもよい。例えば、3個のカメラを仮想視点平面上で正三角形の各頂点の位置に配置したり、4個のカメラを仮想視点平面上で正方形の4頂点の位置に配置したりしてもよい。このような場合には、瞳孔または角膜反射を捉えることができた2個のカメラで撮影された画像を用いて上記実施形態により瞳孔位置および視線を求めることができるので、より確実に瞳孔および視線を求めることができる。
上記実施形態では瞳孔検出システム1が第2判定部23を備えたが、この第2判定部23を省略してもよい。すなわち、瞳孔検出システム1は上記ベクトル条件を満たす瞳孔位置を最終的な判定結果として出力してもよい。
上記実施形態ではベクトル条件を「候補ベクトルと基準線との角度が所定の閾値以下であり、かつ候補ベクトルの長さが所定の範囲内である」と規定したが、候補ベクトルの長さを考慮しなくてもよい。すなわち、ベクトル条件が、「候補ベクトルと基準線との角度が所定の閾値以下である」と規定されてもよい。これは、上記実施形態におけるベクトル条件(1)のみを用いることを意味する。
上記実施形態では、第1判定部22が明瞳孔画像および暗瞳孔画像から差分画像を生成し、その差分画像から瞳孔座標を求めたが、第1判定部22は差分画像を生成することなく、画像取得部31から入力された1枚の瞳孔座標(明瞳孔画像または暗瞳孔画像)から瞳孔位置および角膜反射位置を求めてもよい。具体的には、第1判定部22は1枚の瞳孔画像に対して2値化およびラベリングを実行し、瞳孔(または角膜反射点)らしい面積、サイズ、面積比、正方形度、および特徴量等の形状パラメータに基づいて、ラベルづけされた画素の連結成分の中から瞳孔候補(または角膜反射候補点)を選択する。そして、第1判定部22は各瞳孔候補(または各角膜反射候補点)の位置を取得する。
1…瞳孔検出システム、10…カメラ(第1カメラまたは第2カメラ)、20…画像処理装置、21…画像取得部、22…第1判定部、23…第2判定部、P1…瞳孔検出プログラム、P10…メインモジュール、P11…画像取得モジュール、P12…第1判定モジュール、P13…第2判定モジュール。

Claims (10)

  1. 第1カメラにより撮影された対象者の第1瞳孔画像と、第2カメラにより撮影された該対象者の第2瞳孔画像とに基づいて、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルをステレオ法により複数個算出するベクトル算出部であって、前記角膜球中心が、前記第1カメラと前記第1瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸と、前記第2カメラと前記第2瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸との交点である、該ベクトル算出部と、
    前記複数の候補ベクトルの中から、瞳孔中心と、前記第1カメラおよび前記第2カメラの少なくとも一方の位置とに基づいて設定される基準線との成す角度が所定の閾値以下であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択し、選択した候補ベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定する判定部と
    を備える瞳孔検出システム。
  2. 前記判定部が、前記基準線との成す角度が前記所定の閾値以下であり、かつ長さが所定の範囲内であるという前記ベクトル条件を満たす前記候補ベクトルを選択する、
    請求項1に記載の瞳孔検出システム。
  3. 前記ベクトル算出部が、
    角膜反射候補点を用いて前記瞳孔中心を算出する処理を、前記候補ベクトルを算出する前に実行し、
    前記角膜反射候補点を用いて前記瞳孔中心を算出できなかった場合には、該角膜反射候補点を除外し、
    除外されなかった前記角膜反射候補点に対応する前記候補ベクトルのみを算出する、
    請求項1または2に記載の瞳孔検出システム。
  4. 前記ベクトル算出部が、前記対象者の左瞳孔および右瞳孔のそれぞれについて複数の候補ベクトルを算出し、
    前記判定部が、
    前記左瞳孔および前記右瞳孔のそれぞれについて左瞳孔中心および右瞳孔中心を判定し、
    前記ベクトル条件を満たす前記候補ベクトルに対応し、かつ、前記左瞳孔中心および前記右瞳孔中心に基づく瞳孔間距離が所定の範囲内にあるという距離条件を満たす前記左瞳孔中心および前記右瞳孔中心に前記左瞳孔および前記右瞳孔がそれぞれ位置すると判定する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の瞳孔検出システム。
  5. 前記ベクトル算出部が、前記対象者の左瞳孔および右瞳孔のそれぞれについて複数の候補ベクトルを算出し、
    前記判定部が、
    前記左瞳孔および前記右瞳孔のそれぞれについて、前記ベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択することで、左瞳孔中心および右瞳孔中心を判定し、
    前記左瞳孔中心および前記右瞳孔中心に基づいて左視線および右視線をそれぞれ算出し、
    前記左瞳孔中心、前記右瞳孔中心、および前記左視線により規定される平面の法線と、前記左瞳孔中心、前記右瞳孔中心、および前記右視線により規定される平面の法線との成す角度が所定の閾値以下であるという視線条件を満たす場合に、前記左視線および前記右視線が正しい視線であると判定する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の瞳孔検出システム。
  6. 前記判定部が、正しいと判定された前記左視線および前記右視線に対応する前記左瞳孔中心および前記右瞳孔中心に、前記左瞳孔および前記右瞳孔がそれぞれ位置すると判定する、
    請求項5に記載の瞳孔検出システム。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の瞳孔検出システムにより判定された前記瞳孔中心に基づいて前記対象者の視線を検出する視線検出部を備える視線検出システム。
  8. 請求項4または6に記載の瞳孔検出システムにより判定された前記左瞳孔中心および前記右瞳孔中心に基づいて前記対象者の左視線および右視線を検出する視線検出部を備える視線検出システム。
  9. プロセッサを備える瞳孔検出システムにより実行される瞳孔検出方法であって、
    第1カメラにより撮影された対象者の第1瞳孔画像と、第2カメラにより撮影された該対象者の第2瞳孔画像とに基づいて、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルをステレオ法により複数個算出するベクトル算出ステップであって、前記角膜球中心が、前記第1カメラと前記第1瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸と、前記第2カメラと前記第2瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸との交点である、該ベクトル算出ステップと、
    前記複数の候補ベクトルの中から、瞳孔中心と前記第1カメラおよび前記第2カメラの少なくとも一方の位置とに基づいて設定される基準線との成す角度が所定の閾値以下であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択し、選択した候補ベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定する判定ステップと
    を含む瞳孔検出方法。
  10. 第1カメラにより撮影された対象者の第1瞳孔画像と、第2カメラにより撮影された該対象者の第2瞳孔画像とに基づいて、角膜球中心と瞳孔中心とを結ぶ候補ベクトルをステレオ法により複数個算出するベクトル算出部であって、前記角膜球中心が、前記第1カメラと前記第1瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸と、前記第2カメラと前記第2瞳孔画像から得られる角膜反射点とを通る軸との交点である、該ベクトル算出部と、
    前記複数の候補ベクトルの中から、瞳孔中心と前記第1カメラおよび前記第2カメラの少なくとも一方の位置とに基づいて設定される基準線との成す角度が所定の閾値以下であるというベクトル条件を満たす候補ベクトルを選択し、選択した候補ベクトルに対応する瞳孔中心に瞳孔が位置すると判定する判定部と
    してコンピュータを機能させるための瞳孔検出プログラム。
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