JP6346018B2 - 眼球計測システム、視線検出システム、眼球計測方法、眼球計測プログラム、視線検出方法、および視線検出プログラム - Google Patents

眼球計測システム、視線検出システム、眼球計測方法、眼球計測プログラム、視線検出方法、および視線検出プログラム Download PDF

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Description

本発明の一側面は、眼球計測システム、視線検出システム、眼球計測方法、眼球計測プログラム、視線検出方法、および視線検出プログラムに関する。
従来から、対象者の視線を計測する技術が知られている。この技術は、よそ見運転の検出、運転者の眠気の検出、商品の興味の度合いの調査、コンピュータへのデータ入力などに応用することが可能である。
国際公開第2012/020760号パンフレット
しかしながら、顔画像の撮影中に対象者の頭部が左右に傾くと、三次元空間内で視線を軸として眼球が回転する。本明細書では、この眼球回転を、視線方向が変化するときに生じる眼球回転と区別して、視線周りの眼球回転を呼ぶことにする。視軸周りの眼球回転が起こると視線方向の計算に誤差が生じてしまい、正確な視線が得られなくなる。加えて、ヒトの頭部が回転すると、その回転を補うために、眼球が頭部と反対方向に回転する回旋運動と呼ばれる眼球の運動が生じてしまうので、単に頭部の回転を用いて視線周りの眼球回転を補正するだけでは、相変わらず、正確な視線方向を得ることは困難である。そこで、眼球の視線周りの回転を正確に計測することが望まれている。
本発明の一側面に係る眼球計測システムは、対象者の眼を撮影することで得られた第1瞳孔画像と、該第1瞳孔画像が得られた後に眼を撮影することで得られた第2瞳孔画像とを取得する画像取得部と、瞳孔の輪郭を算出する処理を第1瞳孔画像および第2瞳孔画像のそれぞれに対して実行する輪郭算出部と、第1瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭と、第2瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭との位置関係に基づいて、対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出する角度算出部とを備える。
本発明の一側面に係る眼球計測方法は、プロセッサを備える眼球計測システムにより実行される眼球計測方法であって、対象者の眼を撮影することで得られた第1瞳孔画像と、該第1瞳孔画像が得られた後に眼を撮影することで得られた第2瞳孔画像とを取得する画像取得ステップと、瞳孔の輪郭を算出する処理を第1瞳孔画像および第2瞳孔画像のそれぞれに対して実行する輪郭算出ステップと、第1瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭と、第2瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭との位置関係に基づいて、対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出する角度算出ステップとを含む。
本発明の一側面に係る眼球計測プログラムは、対象者の眼を撮影することで得られた第1瞳孔画像と、該第1瞳孔画像が得られた後に眼を撮影することで得られた第2瞳孔画像とを取得する画像取得部と、瞳孔の輪郭を算出する処理を第1瞳孔画像および第2瞳孔画像のそれぞれに対して実行する輪郭算出部と、第1瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭と、第2瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭との位置関係に基づいて、対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出する角度算出部としてコンピュータを機能させる。
このような側面においては、異なるタイミングで撮影された二つの瞳孔画像のそれぞれについて瞳孔の輪郭が算出される。そして、その輪郭について二つの瞳孔画像の間の位置関係を求めることで、眼球の回転角度が得られる。瞳孔の輪郭の形状には微妙な歪みが存在し、この歪みは瞳孔の視線周りの回転に依らず一定である。したがって、二つの瞳孔画像間でその距離の位置関係を求めることで、眼球の回転を正確に計測することができる。
本発明の一側面によれば、眼球の回転を正確に計測することができる。
実施形態に係る検出システムを示す斜視図である。 カメラのレンズ部分を示す平面図である。 実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。 実施形態に係る検出システムの機能構成を示すブロック図である。 差分画像の生成を示す図である。 画像の瞳孔部分に対する放射状走査を示す図である。 走査範囲を限定した放射状走査を示す図である。 輪郭距離の系列を波形として示すグラフである。 輪郭距離の系列を波形として示すグラフである。 フィルタリング後の輪郭距離の系列を波形として示すグラフである。 二つの系列(波形)の位相のずれと相関係数との関係を示すグラフである。 二つの系列(波形)の角度のずれと相関係数との関係を示すグラフである。 実施形態に係る検出システムの動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る検出システムで設定される座標系の位置関係を示す図である。 視線の検出を説明するための図である。 注視点検出のメカニズムを説明するための図である。 眼球の回転と原点補正ベクトルとの関係を示す図である。 実施形態に係る検出プログラムの構成を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[検出システムの構成]
本実施形態では、本発明に係る眼球計測システムを検出システム1に適用する。図1〜4を用いて、実施形態に係る検出システム1の構成を説明する。検出システム1は、対象者の眼球の回転を計測するコンピュータシステムであり、このシステムにより、本実施形態に係る眼球計測方法が実施される。対象者とは、眼球の回転を計測する対象となる人であり、被験者ともいうことができる。検出システム1および眼球計測方法の利用目的は何ら限定されない。例えば、注視点(対象者が見ている点)を検出する処理において対象者の頭部の動きにより生ずる誤差を補正するためにこの検出システム1および眼球計測方法を用いることができる。
図1に模式的に示すように、検出システム1は、ステレオカメラとして機能する一対のカメラ10と画像処理装置20とを備える。一対のカメラ10は、対象者Aの左側にある左カメラ10と、対象者Aの右側にある右カメラ10とから成る。本実施形態では、検出システム1は、対象者Aが見る対象であるディスプレイ装置30をさらに備える。しかし、検出システム1の利用目的は限定されないので、対象者Aの視線の先にある物はディスプレイ装置30に限定されず、例えば自動車のフロントガラスでもあり得る。したがって、ディスプレイ装置30は検出システム1における必須の要素ではない。それぞれのカメラ10は画像処理装置20と無線または有線により接続され、カメラ10と画像処理装置20との間で各種のデータまたは命令が送受信される。各カメラ10に対しては予めカメラ較正が行われる。
カメラ10は対象者Aの眼球およびその周辺を撮影するために用いられる。一対のカメラ10は水平方向に沿って所定の間隔をおいて配され、かつ、対象者Aが眼鏡をかけているときの顔画像における反射光の写り込みを防止する目的で対象者Aの顔より低い位置に設けられる。水平方向に対するカメラ10の仰角は、眼球の確実な検出と対象者Aの視野範囲の妨げの回避との双方を考慮して、例えば20〜35度の範囲に設定される。
本実施形態では、カメラ10は、インターレーススキャン方式の一つであるNTSC方式のカメラである。NTSC方式では、1秒間に30枚得られる1フレームの画像データは、奇数番目の水平画素ラインで構成される奇数フィールドと、偶数番目の水平画素ラインで構成される偶数フィールドから構成され、奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とが1/60秒の間隔で交互に撮影されることで生成される。したがって、一つのフレームは、一対の奇数フィールドおよび偶数フィールドに相当する。カメラ10は、画像処理装置20からの命令に応じて対象者Aを撮像し、画像データを画像処理装置20に出力する。
カメラ10のレンズ部分を図2に模式的に示す。この図に示すように、カメラ10では、対物レンズ11が円形状の開口部12に収容され、開口部12の外側に光源13が設けられる。光源13は、対象者Aの顔に向けて照明光を照射するための機器であり、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとから成る。発光素子13aは、出力光の中心波長が850nmの半導体発光素子(LED)であり、開口部12の縁に沿って等間隔でリング状に配される。発光素子13bは、出力光の中心波長が940nmの半導体発光素子であり、発光素子13aの外側に等間隔でリング状に配される。したがって、カメラ10の光軸から発光素子13bまでの距離は、該光軸から発光素子13aまでの距離よりも大きい。それぞれの発光素子13a,13bは、カメラ10の光軸に沿って照明光を出射するように設けられる。なお、光源13の配置は図2に示す構成に限定されず、カメラをピンホールモデルとみなすことができれば他の配置であってもよい。
画像処理装置20は、カメラ10の制御と、対象者Aの眼球の計測とを実行するコンピュータである。画像処理装置20は、据置型または携帯型のパーソナルコンピュータ(PC)により構築されてもよいし、ワークステーションにより構築されてもよいし、他の種類のコンピュータにより構築されてもよい。あるいは、画像処理装置20は複数台の任意の種類のコンピュータを組み合わせて構築されてもよい。複数台のコンピュータを用いる場合には、これらのコンピュータはインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続される。
画像処理装置20の一般的なハードウェア構成を図3に示す。画像処理装置20は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するCPU(プロセッサ)101と、ROMおよびRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成される補助記憶部103と、ネットワークカードあるいは無線通信モジュールで構成される通信制御部104と、キーボードやマウスなどの入力装置105と、ディスプレイやプリンタなどの出力装置106とを備える。
後述する画像処理装置20の各機能要素は、CPU101または主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104や入力装置105、出力装置106などを動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納される。
図4に示すように、画像処理装置20は機能的構成要素として画像取得部21および算出部(輪郭算出部および角度算出部)22を備える。画像取得部21は、カメラ10の撮影タイミングとカメラ10の光源13の発光タイミングとを制御することで、カメラ10から画像データを取得する機能要素である。算出部22は、画像データに基づいて瞳孔の輪郭を算出し、その輪郭に基づいて眼球の視線周りの回転角度を算出する機能要素である。ここで、本明細書における「眼球の視線周りの回転角度」とは、視線を回転軸としてみた場合の眼球の回転角度である。この「視線周りの回転」とは、頭部を基準とする相対的な回転ではなく、三次元空間内での回転を意味する。以下では、「眼球の視線周りの回転角度」のことを単に「眼球の回転角度」ともいう。
[眼球計測方法]
次に、図5〜13を用いて、検出システム1の動作について説明するとともに、本実施形態に係る眼球計測方法について説明する。
(瞳孔画像の取得)
眼に入った光は網膜で乱反射し、反射光のうち瞳孔を通り抜けた光は強い指向性をもって光源へ戻る性質がある。カメラの開口部近くにある光源が発光した時にカメラを露光させると、網膜で反射した光の一部がその開口部に入るため、瞳孔が瞳孔周辺よりも明るく写った画像を取得することができる。この画像が明瞳孔画像である。これに対して、カメラの開口部から離れた位置にある光源が発光した時にカメラを露光させると、眼から戻ってきた光はカメラの開口部にほとんど戻らないため、瞳孔が暗く写った画像を取得することができる。この画像が暗瞳孔画像である。また、透過率が高い波長の光を眼に照射すると、網膜での光の反射が多くなるので瞳孔が明るく写り、透過率が低い波長の光を眼に照射すると、網膜での光の反射が少なくなるので瞳孔が暗く写る。
本実施形態では、透過率が高い波長の光(中心波長が850nm)を発する発光素子13aが開口部12に隣接した位置に設けられ、眼の透過率が低い波長の光(中心波長が940nm)を発する発光素子13bが開口部12から離れた位置に設けられる。画像取得部21は、カメラ10の奇数フィールドに合わせて発光素子13aを点灯させて明瞳孔画像を撮影し、カメラ10の偶数フィールドに合わせて発光素子13bを点灯させて暗瞳孔画像を撮影する。画像取得部21は二つのカメラ10の間で作動タイミングをわずかにずらし、個々のカメラ10の露光時間はそのずらし時間以下に設定される。画像取得部21は、各カメラ10の露光時間中に、対応する発光素子13aおよび発光素子13bを交互に発光させることで、一方のカメラ10の光源13からの光が他方のカメラ10の画像に影響を与えないようにする(クロストークが起こらないようにする)。
画像取得部21は、これらの一連の制御により得られる明瞳孔画像および暗瞳孔画像を取得する。得られる画像データは、奇数フィールド又は偶数フィールドのみに有効画素を有しているため、画像取得部21は、隣接する有効画素の画素ラインの輝度平均をそのライン間の画素値に埋め込むことによって、明瞳孔画像または暗瞳孔画像を生成する。画像取得部21は明瞳孔画像および暗瞳孔画像を算出部22に出力する。
(瞳孔中心の検出)
算出部22は、画像取得部21から入力された瞳孔画像に基づいて、対象者Aの片方の眼の瞳孔中心を求める。算出部22はi番目のフィールドの瞳孔画像と(i+1)番目のフィールドの瞳孔画像(すなわち、1枚の明瞳孔画像と1枚の暗瞳孔画像)との差分を取ることで差分画像を生成する。i番目のフィールドの画像が撮影されてから(i+1)番目のフィールドの画像が撮影されるまでの間に対象者Aの頭部が動かなければ、図5に示すように、単純に明瞳孔画像および暗瞳孔画像の差を取ることで、瞳孔部分(図5における符号P)が浮かび上がった差分画像を生成することができる。なお、図5は両眼の瞳孔が写った差分画像を示しているが、上記の通り、算出部22は片方の眼についての差分画像を得ればよい。しかし、i番目のフィールドの画像が撮影されてから(i+1)番目のフィールドの画像が撮影されるまでの間のわずかな時間に対象者Aの頭部が動くと、これら2画像の間で瞳孔の位置にずれが生じ、その結果、良好な差分画像を得ることができない。そこで、算出部22は、差分画像を得る前に明瞳孔画像および暗瞳孔画像に対して角膜反射に基づく位置補正を実行する。
瞳孔検出の方法は、前フィールド(i番目のフィールド)での瞳孔の検出結果(前回の瞳孔検出結果)によって下記の2種類に分かれる。
(1)前フィールド(前回の瞳孔検出)で瞳孔を検出できなかった場合
(2)前フィールド(前回の瞳孔検出)で瞳孔を検出できた場合
前フィールドで瞳孔を検出できなかった場合には、算出部22は画像全体から瞳孔を探索する。具体的には、算出部22は、前フィールドの画像と次フィールド((i+1)番目のフィールド)の画像との差分(明瞳孔画像と暗瞳孔画像との差分)を取ることで差分画像を取得する。そして、算出部22はその差分画像に対して、Pタイル法によって決定された閾値で2値化を行い、さらに孤立点除去およびラベリングを行う。そして、算出部22は、瞳孔らしい面積、縦横のサイズ、面積比、正方形度、および瞳孔特徴量等の形状パラメータに基づいて、ラベル付けされた画素の連結成分の中から瞳孔候補を選択する。そして、算出部22は瞳孔候補の中で面積が最も大きいものを瞳孔として設定する。
前フィールドで瞳孔を検出できた場合には、算出部22は瞳孔追跡により瞳孔を決定して瞳孔の中心座標を算出する。まず、算出部22はカルマンフィルタにより前フィールドでの瞳孔位置から次フィールド((i+1)番目のフィールド)の瞳孔位置を予測する。続いて、算出部22は予測位置を中心とする小ウィンドウ(例えば90ピクセル×90ピクセル)を次フィールドの瞳孔画像に設定する。続いて、算出部22は前フィールドのウィンドウの位置を次フィールドのウィンドウの位置に合わせ(位置補正)、明瞳孔画像と暗瞳孔画像との差分を取る。続いて、算出部22は、その処理で得られた差分画像に対してPタイル法によって決定された閾値で2値化を行った後、孤立点除去およびラベリングを行う。続いて、算出部22は、瞳孔らしい面積、サイズ、面積比、正方形度、および瞳孔特徴量等の形状パラメータに基づいて、ラベルづけされた画素の連結成分の中から瞳孔候補を選択する。そして、算出部22は瞳孔候補の中で面積が最も大きいものを瞳孔として決定する。
続いて、算出部22は角膜反射の位置を考慮して最終的な瞳孔を確定する。具体的には、算出部22は、明瞳孔画像および暗瞳孔画像のそれぞれに対して、瞳孔位置を中心とした小ウィンドウ(例えば16ピクセル×16ピクセル)を設定し、その小ウィンドウの範囲のみを高分解像度化した画像データを作成し、その画像データから角膜反射を検出する。算出部22は、小ウィンドウ内において、Pタイル法による2値化とラベリングとを行い、形状や輝度平均などの情報から角膜反射候補を選択する。そして、算出部22は選択した部分の中心座標に対し分離度フィルタを与え、分離度と輝度を掛けて得られる特徴量を求める。その特徴量が一定値以上であれば、算出部22は小ウィンドウの中心座標を角膜反射座標として検出し、二つの小ウィンドウの間での角膜反射の移動量を位置補正量として計算する。続いて、算出部22は明瞳孔画像および暗瞳孔画像の間で角膜反射点が一致するように、前フィールド(i番目のフィールド)の画像を、次フィールド((i+1)番目のフィールド)の画像に位置補正量だけずらした上で、これら2画像から差分画像を生成する。一方、角膜反射を検出できなかった場合には、算出部22は位置補正を行うことなく2画像の差分を取ることで差分画像を生成する。
続いて、算出部22は、前フレームと輝度が大きく変化しないことを利用して、前フレームで検出された瞳孔の輝度平均を利用して、その平均輝度の半分の値を閾値として差分画像を2値化し、ラベリングを行う。続いて、算出部22は、瞳孔らしい面積、サイズ、面積比、正方形度、および瞳孔特徴量等の形状パラメータに基づいて、ラベルづけされた画素の連結成分の中から瞳孔候補を選択する。そして、算出部22は、予測瞳孔位置の近くにある瞳孔候補が求めるべき瞳孔であると判定する。
(輪郭点の検出)
続いて、算出部22は片眼の瞳孔の輪郭を求める。算出部22は、判定した瞳孔位置を中心とする小ウィンドウ(例えば90ピクセル×90ピクセル)を差分画像に設定し、そのウィンドウ内を2倍に拡大することで高分解能画像(小ウィンドウが90ピクセル×90ピクセルであれば、180ピクセル×180ピクセルの画像)を生成する。続いて、算出部22はその高分解能画像に対して、前フィールドで検出された瞳孔の輝度平均の半分の値を閾値とした2値化処理を行う。
続いて、算出部22は2値化された高分解能画像に対して放射状走査を行うことで瞳孔像の輪郭点を検出する。図6に示すように、本実施形態における放射状走査とは、瞳孔中心Cを通る直線状の走査線SL上に沿って画像を走査する処理を、当該走査線SLを0〜360°の範囲で一定の角度θ毎に変化させながら実行する手法である。本実施形態では、256個の輪郭点を得るために、算出部22は走査線を1.40625°(=360/256)毎に回転させる。ここで、瞳孔中心Cの座標は、瞳孔像に対して楕円フィッティングを実行して得られる楕円の中心座標である。図6の例では、走査方向を示す矢印Aは瞳孔Pの外側から瞳孔中心Cに向かっているが、走査は瞳孔中心Cから瞳孔Pの外側に向かって行われてもよい。
輪郭点の特定方法の二つの例を以下に示す。第1の手法では、算出部22は前回検出された瞳孔の半径Rを取得し、今回検出された瞳孔の中心座標から距離Rだけ離れた基準点の輝度値を求める。走査される画像は2値化画像であるので、求まる値は0(黒)または255(白)のどちらかである。その輝度値が0である場合には、算出部22は、基準点から瞳孔の内側に向かって1ピクセルずつ走査し、輝度値が初めて255になる点(画素)を輪郭点として特定し、当該輪郭点の座標を求める。一方、求めた輝度値が255である場合には、算出部22は、基準点から瞳孔の外側に向かって1ピクセルずつ走査し、最後に輝度値が255である点(画素)を輪郭点として特定し、当該輪郭点の座標を求める。算出部22は1.40625°毎に走査線を変更する度にこの手法により輪郭点の座標を求める。
第2の手法については図7を参照しながら説明する。この第2の手法では、算出部22は11.25°毎に走査線SLを変更しながら第1の手法と同様の処理を行うことで、32個の基準輪郭点BPを取得する。続いて、算出部22は隣接する2個の基準輪郭点BP(基準輪郭点BPのペア)について瞳孔中心Cからの距離の平均値Raveを求め、平均値Raveを含む所定の範囲を走査範囲SRとして設定する。例えば、算出部22は(Rave×0.9)〜(Rave×1.1)の範囲に走査範囲SRを設定してもよい。そして、算出部22は、当該隣接する2個の基準輪郭点BPの間において、1.40625°毎に走査線SLを変更しながら走査範囲SR内で走査を実行することで、当該2個の基準輪郭点BPの間の個々の輪郭点CPの座標を求める。算出部22は、他の基準輪郭点BPのペアに対しても同様に、平均値Raveを求め、走査範囲SRを設定し、1.40625°毎に走査線SLを変更しながら走査範囲SR内で輪郭点CPの座標を求める。したがって、設定される走査範囲SRは基準輪郭点BPのペア毎に異なる。この第2の手法では第1の手法よりも走査範囲が限定されるので、一つの走査線における処理時間が短縮され、ひいては、処理全体の処理時間も短縮することができる。
なお、取得する輪郭点の個数および走査線の回転角度はこれに限定されず、任意に設定してよい。例えば、算出部22は、走査線を1°ずつ回転させることで360個の輪郭点を取得してもよい。
また、算出部22は、高分解能画像に対して2値化処理を行わずに当該画像に対して放射状走査を行うことで瞳孔の輪郭点を検出することも可能である。この場合には、算出部22は、バイリニア補間などの補間処理を用いて、1ピクセル未満の単位で(例えば0.2ピクセル刻みで)輝度値を求め、その輝度値が所定の基準値に達する位置が輪郭点であると判定する。
瞳孔中心の座標と各輪郭点の座標とを求めると、算出部22は瞳孔中心から各輪郭点までの距離(本明細書ではこれを「輪郭距離」という)を計算する。本実施形態ではその距離の単位をピクセル(画素数)で示す。算出部22は、瞳孔の周方向に沿って256個の輪郭点に0〜255の識別番号(輪郭点番号)を付与することで、輪郭点[0]〜[255]の輪郭距離R(0)〜R(255)を管理する。本明細書では、一つの画像(本実施形態では一つの差分画像)から得られる複数の輪郭距離を、「輪郭距離の系列」ともいう。なお、基準となる輪郭点番号0は、瞳孔の回転角度に関係なく、水平方向に対して予め定められた位置(例えば、走査線の角度が0°の時に検出された輪郭点)に付与され、その地点から時計回りまたは反時計回りに進むに従って、輪郭点番号1〜255が順に付与される。図8は、個々の輪郭点の輪郭距離をプロットしたグラフであり、このグラフの横軸、縦軸はそれぞれ輪郭点番号、輪郭距離(単位はピクセル)である。図8に示すように、輪郭距離の系列はグラフ上では波形のように表される。
(眼球の回転角度の算出)
算出部22は、対象者Aの顔の回転角度が0°である状態を示す画像(第1瞳孔画像)から上記の方法で256個の輪郭距離を基準輪郭距離R(0)〜R(255)として算出し、その計算結果を基準輪郭距離の系列Rとして予め記憶している。これを前提として、算出部22は、眼球の回転角度を求めるための瞳孔画像(第2瞳孔画像)が画像取得部21から入力されると、上記の方法で輪郭距離R(0)〜R(255)を算出する。以下ではこの計算結果を輪郭距離の系列Rともいう。算出部22は、輪郭距離の系列Rを基準輪郭距離の系列Rと比較することで、眼球の回転角度を算出する。この処理は、第1瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭と第2瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭との位置関係に基づいて眼球の回転角度を求めることを意味する。
図9に示すように、丸で示される基準輪郭距離の系列Rを示す波形(丸印の集合で示される波形)と、輪郭距離の系列Rを示す波形(×印の集合で示される波形)とが得られたとする。算出部22は、瞳孔の輪郭の歪み以外のノイズを軽減するために、それぞれの波形(輪郭距離の系列)をフーリエ変換によりフィルタリングする。本実施形態では算出部22は高速フーリエ変換(FFT)を用いる。算出部22は、下記式(1)で示される時間関数f(t)のフーリエ変換F(ω)および下記式(2)の逆フーリエ変換において時間関数を輪郭点関数に置き換えることで、輪郭距離の系列をフィルタリングする。なお、フィルタリングの方法は例えば下記の参考文献に記載されている。
(参考文献)南 茂夫著、「科学計算のための波形データ処理」、CQ出版社、1986年
Figure 0006346018

Figure 0006346018
算出部22は、フーリエ変換後に、瞳孔点の歪みを如実に表す周波数帯だけを残して他の周波数帯の値を0とすることで、輪郭距離の系列に対するフィルタリングを行い、その後に逆フーリエ変換を実行することで、フィルタリングされた輪郭距離の系列(波形)を得る。
算出部22が除去する(または残す)周波数成分の例を示す。例えば、対象者がカメラとずれた箇所を見た時には、画像上での瞳孔が楕円になる。このとき、輪郭距離の系列に対して少なくとも2Hzの成分が生じるので、2Hzの成分を0にする(除外する)ことが必要である。さらに、画像上での瞳孔が楕円になる場合には、輪郭距離の系列信号は2Hzの正弦波信号になるわけではなく2Hzの高調波成分を含むので、2Hzの整数倍、すなわち、4Hz、6Hz、8Hz、…を除外してもよい。発明者らの経験から、一例として、5〜9Hzの領域のみを残してこれ以外の周波数を除外するのが望ましいが、残す周波数帯はこの範囲に限定されない。10Hz以上の高周波が存在すると相関のピークの波形がばらついて高い精度を得ることが難しくなるが、このことは、画像の分解能などによって改善し得るので、10Hz以上の高周波を除外することは必須ではない。この他に、1Hzの成分は、何らかの理由で瞳孔中心が正しく求まらないときにも生じるので、除外してもよい。さらに、3Hzの成分を除外してもよいし、4Hz以下の成分をすべて除外してもよい。また、0Hzは直流成分であって輪郭距離の平均に相当する成分であるため、瞳孔輪郭の歪みの情報ではない。この0Hzの成分は計算速度にほとんど影響しないので、取り除くことが可能である。
図10は、図9に示す基準輪郭距離の系列Rおよび輪郭距離の系列Rに対して、5〜9Hzの値のみを用いたフィルタリングを実行することで得られた波形である。グラフの横軸および縦軸はそれぞれ、輪郭点番号および輪郭距離(単位はピクセル)である。グラフ中における丸印は基準輪郭距離の系列Rを示し、×印は輪郭距離の系列Rを示す。このように、フーリエ変換を用いて輪郭距離の系列をフィルタリングすることで、瞳孔の歪みを示す成分のみを取り出すことができるので、基準位置における瞳孔輪郭と回転した瞳孔輪郭とを容易にかつ正確に比較が可能になる。
続いて、算出部22は基準輪郭距離の系列Rと輪郭距離の系列Rとの相関を求める。相関関数を求めるために、算出部22は、基準輪郭距離の系列Rの後に当該系列Rをつなげることで(すなわち、同じ波形をつなげることで)基準輪郭距離に関する波形を2倍にし、その結果、基準輪郭距離R(0)〜R(511)が得られる。基準輪郭距離の系列Rと輪郭距離の系列Rとの相関関数は、下記式(3)に示す演算により定義される。
Figure 0006346018

ここで、uは二つの系列R,Rの間の輪郭点のずれ量を示し、u=0,1,2,…,255である。
算出部22は、この相関関数を正規化して得られる下記式(4)を用いる。
Figure 0006346018

ここで、
Figure 0006346018

はそれぞれ、系列R,Rの相加平均である。S(u)は−1から+1の間の値をとり、−1に近いほど負の相関が高く、0であれば相関がなく、+1に近いほど正の相関が高い。したがって、S(u)が+1に近い最大の値となるときの位相のずれ量uに、輪郭点間の角度1.40625を乗ずることで、瞳孔の回転角度αを得ることができる。算出部22はこの値αを眼球の回転角度として出力する。もし、u=0,1,2,…,255のすべてにおいてS(u)が所定の閾値(例えば0.4)未満である場合には、算出部22は二つの波形に相関はないと判定し、回転角度を検出できなかったことを示す情報を出力する。
先述の輪郭距離の系列のフィルタリングにおいて、直流成分に相当する0Hzの成分を除外していれば、
Figure 0006346018

はすべて零になるため、上記式(4)は、次式(4a)で代用できる。
Figure 0006346018
なお、値S(u)は変数uを変化させながら計算するが、分母については任意のuに対して一度だけ計算すればよい。
ここで、眼球の回転が−90°〜+90°の範囲で起きると仮定する場合には、算出部22はその角度に対応する範囲内(u=0〜63,192〜255)でのみ値S(u)を求めればよい。
図10を見ると二つの波形は似ており、したがって、輪郭点番号で示される位相がずれていることが予想される。この二つの波形に対して相関係数を求めたものを図11のグラフに示す。このグラフの横軸は位相のずれであり、縦軸は正規化された相関係数S(u)である。また、図11の横軸を回転角度のずれに変換して得られるグラフを図12に示す。この図12におけるαが、算出部22により出力される眼球の回転角度である。
上述した眼球計測方法の大まかな流れを図13に示す。まず、画像取得部21が、瞳孔の基準位置を求めるための画像(第1瞳孔画像)をカメラ10から取得する(ステップS11、画像取得ステップ)。その後、画像取得部21は、基準位置からの眼球の回転角度を求めるための画像(第2瞳孔画像)をカメラ10から取得する(ステップS12、画像取得ステップ)。続いて、算出部22が瞳孔の複数の輪郭点を特定して瞳孔中心から該複数の輪郭点のそれぞれまでの距離(輪郭距離)を算出する処理を、第1瞳孔画像および第2瞳孔画像のそれぞれに対して実行する(ステップS13、輪郭算出ステップ)。なお、瞳孔の基準輪郭距離を第1瞳孔画像から求めるための処理は、画像取得部21が第2瞳孔画像を取得する前に実行されてもよい。そして、算出部22が第1瞳孔画像から得られた複数の輪郭距離と第2瞳孔画像から得られた複数の輪郭距離との相関に基づいて、眼球の回転角度を算出する(ステップS14、角度算出ステップ)。以上の処理により、対象者Aの眼球の回転角度が得られる。なお、ステップS11〜S14の処理は少なくとも対象者Aの片眼について実行されればよい。
画像処理装置20は、次の瞳孔画像を取得する度にステップS11〜S14を実行してもよい。ここでいう「次の瞳孔画像」とは、前回取得した瞳孔画像を第2瞳孔画像とした場合の、第3瞳孔画像に相当する。画像処理装置20は基準瞳孔画像(第1瞳孔画像)と次の瞳孔画像(第3瞳孔画像)との間で輪郭距離の相関を求めて、次の回転角度を求めてもよい。このように眼球の回転角度を連続的に求める場合には、算出部22は、次の回転角度を前回の回転角度(第2瞳孔画像に基づいて算出された回転角度)と比較して、次の回転角度が正しいか否かを判定してもよい。具体的には、算出部22は次の回転角度と前回の回転角度との差が所定の閾値以上であるか否かを判定し、差がその閾値以内であれば次の回転角度を算出結果として出力し、差がその閾値を超えていれば次の回転角度を棄却してもよい(すなわち、次の回転角度を算出結果として出力しない)。その閾値は任意に設定してよい。例えば、算出部22はその差が−10°から+10°の範囲である場合に次の回転角度を出力し、その差がその範囲を超える場合には次の回転角度を棄却してもよい。
あるいは、算出部22は、前の瞳孔画像(第2瞳孔画像)と次の瞳孔画像(第3瞳孔画像)との間で輪郭距離の相関を求めて、次の回転角度を求めてもよい。この場合の次の回転角度は、前の回転角度(第2瞳孔画像に基づいて算出された回転角度)とその相関から得られる角度(前の回転角度からの増加量または減少量)との和である。この処理においても算出部22は、基準瞳孔画像(第1瞳孔画像)と次の瞳孔画像(第3瞳孔画像)との間で輪郭距離の相関を求めて次の回転角度を得る場合と同様の処理で、次の回転角度を前回の回転角度(第2瞳孔画像に基づいて算出された回転角度)と比較して、次の回転角度が正しいか否かを判定してもよい。
あるいは、算出部22は、次の瞳孔画像の直前に得られた1枚の瞳孔画像から得られる回転角度に基づく所定の範囲内、もしくは、複数の瞳孔画像に対応する複数の回転角度の平均値(例えば、現フレーム(次の瞳孔画像)の1フレーム前から5フレーム前までに得られた五つの回転角度の平均値)に基づく所定の範囲内に次の回転角度が存在すると仮定して、該所定の範囲内の値uにおいてのみ値S(u)を求め、最大のS(u)に基づいて次の回転角度を求めてもよい。すなわち、算出部22は、次の瞳孔画像の直前に得られた1以上の瞳孔画像に対応する1以上の回転角度の平均値に基づく所定の範囲においてのみ輪郭距離の相関を求め、該相関の最大値に基づいて次の回転角度を算出してもよい。その所定の範囲は、平均値(平均値は、1枚の瞳孔画像から得られる回転角度そのものであり得る)を基準とする−10°から+10°の範囲であってもよい。この処理において、最大のS(u)が基準値以下(例えば0.4以下)である場合には、算出部22は次の回転角度を棄却してもよい(すなわち、次の回転角度を算出結果として出力しない)。
上記のいずれかの処理で次の回転角度を棄却した場合には、算出部22はその棄却をするか否かを判定するために用いた値(前回の回転角度、1枚の瞳孔画像から得られた回転角度、または平均値)をそのまま保持して、さらに次の回転角度を棄却するか否かを判定する際にその値を再び用いてもよい。すなわち、算出部22は、棄却しなかった最近の回転角度または平均値を、さらに次の回転角度に対する処理のために保持し続ける。
眼球の回転角度の出力先は何ら限定されない。例えば、算出部22はその回転角度を画像、図形、またはテキストでモニタに表示してもよいし、メモリやデータベースなどの記憶装置に格納してもよいし、通信ネットワーク経由で他のコンピュータシステムに送信してもよい。あるいは、算出部22が眼球の回転角度に基づいて更なる任意の処理を実行してもよい。以下では図14〜17を用いて、本発明の適用例である、視線検出において眼球の回転角度による補正を行う処理を説明する。したがって、以下の例では、検出システム1は視線検出システムとしても機能し、算出部22は視線算出部としても機能する。
[眼球の回転を考慮した視線検出方法]
(瞳孔の3次元座標の算出)
算出部22はステレオ法(ステレオマッチング)を用いて、瞳孔中心座標から左右の瞳孔の3次元位置を計算する。ステレオ法とは、カメラのレンズの焦点距離、画像中心、画素サイズなどの内部パラメータと、カメラの位置や姿勢等の外部パラメータとを予め計測しておき、複数台のステレオカメラで対象物を撮影したときに、画像中の点の座標を基に、内部パラメータおよび外部パラメータを用いてその点の空間上の位置を決定する方法である。
算出部22がステレオ法を用いて瞳孔の3次元座標を計算する際には、図14に示すような座標系を用いる。同図に示す世界座標系(X,Y,Z)は、2台のカメラ10が共有する原点Oが例えばディスプレイ装置30の画面中央に位置する座標系である。カメラ座標系(X,Y,Z)は、その原点Cがカメラ10の光学中心とされ、Z軸が光学中心から画像面に垂直に引いた光軸と平行とされた座標系である。画像座標系(X,Y)は、撮像素子が置かれる画像面に沿ってXY平面と平行にされ、光軸と画像面の交点(画像中心)を原点Cとする座標系である。点Pが目標点の座標とすると、カメラ10を用いた際の画像座標系への投影点(X,Y)は、画像のゆがみにより理想的な投影点(X,Y)からずれることになる。したがって、ステレオ法を用いた3次元位置計測を精度良く行うためには、目標点Pの世界座標とその画像座標との対応づけを記録したキャリブレーションデータを予め取得する必要がある。例えば、外部パラメータとしての世界座標に対するカメラ座標系の平行移動ベクトルおよび世界座標系に対するカメラ座標系の回転行列や、内部パラメータとしての焦点距離、画像中心座標、スケール係数、レンズひずみ係数、撮像素子間隔等がキャリブレーションデータとして予め取得され、算出部22に記憶される。
算出部22は、2台のカメラ10からの出力データを基に検出した画像座標系における瞳孔中心座標と、世界座標系における瞳孔中心座標との関係式を、キャリブレーションデータを参照しながら取得する。次に、算出部22は、2つの関係式から世界座標系における対象者Aの瞳孔の3次元座標を求める。同様にして、算出部22は、対象者Aの左右の瞳孔の3次元座標を求めることができる。
(視線検出)
続いて、算出部22は左右の瞳孔の3次元座標に基づいて視線を検出する。図15に示すように、瞳孔の3次元位置Pに基づいて、カメラ10の開口部12の中心を原点Oとし、その原点Oと瞳孔中心Pを結ぶ基準線OPを法線とする仮想視点平面X’−Y’を考える。ここで、X’軸は、世界座標系のX−Z平面と仮想視点平面との交線に相当する。
算出部22は、画像面Sにおける角膜反射点Gから瞳孔中心Pまでのベクトルrを算出し、そのベクトルrを、距離OPから求められたカメラの拡大率を用いて実寸に換算したベクトルrに変換する。このとき、各カメラ10をピンホールモデルと考え、角膜反射点Gと瞳孔中心Pとが、仮想視点平面X’−Y’と平行な平面上にあると仮定する。つまり、算出部22は、仮想視点平面と平行であって瞳孔Pの3次元座標を含む平面上において、瞳孔中心Pと角膜反射点Gの相対座標をベクトルrとして算出し、このベクトルrは角膜反射点Gから瞳孔中心Pまでの実距離を表す。
続いて、算出部22は、対象者Aの仮想視点平面上の注視点Tに関して、直線OTの水平軸X’に対する傾きφが、ベクトルrの画像面上の水平軸Xに対する傾きφ’と等しいと仮定する。さらに、算出部22は、対象者Aの視線ベクトル、すなわち、瞳孔中心Pと注視点Tとを結ぶベクトルPTと、基準線OPとの成す角θを、ゲイン値kを含むパラメータを使った下記式(5)により計算する。
θ=f(r)=k×|r| …(5)
このような角度φ,θの計算は、瞳孔中心Pの存在する平面上のベクトルrを仮想視点平面上で拡大したものがそのまま対象者Aの注視点に対応するとみなすことにより行われる。より詳しくは、対象者Aの視線PTの基準線OPに対する角度θは、瞳孔中心と角膜反射の距離|r|との間で線形関係を有すると仮定する。
角度θと距離|r|とは線形近似できるという仮定、および二つの傾きφ,φ’が等しいという仮定を利用することで、(θ,φ)と(|r|,φ’)とを1対1に対応させることができる。このとき、算出部22は、カメラ10の開口部12の中心に設定された原点Oと、仮想視点平面上の注視点Tとを結ぶベクトルOTを次式(6)により得る。なお、ベクトルOPはカメラ10から得られる。
Figure 0006346018
最後に、算出部22は視線ベクトルPTと視対象平面(ディスプレイ装置30)との交点である注視点Qを次式(7)で求める。
Q=nPT+P …(7)
しかし、一般的にヒトの視軸(瞳孔中心および中心窩を通る軸)と光軸(角膜からレンズの中心へと延びる法線)との間にはずれがあり、対象者Aがカメラを注視した際にも角膜反射と瞳孔中心とは一致しない。そこで、そのずれを補正する原点補正ベクトルrを定義し、カメラ画像から実測した角膜反射−瞳孔中心ベクトルをr’とすると、ベクトルrはr=r’−rで表されるので、式(5)は下記式(8)のように書き換えられる。
θ=k×|r’−r| …(8)
計測されたr’に対して原点補正を行うことで、(θ,φ)と(|r|,φ’)とを1対1に対応させることができ、精度の高い注視点検出を行うことができる。
このような角度φ,θの計算は、瞳孔中心Pの存在する平面上のベクトルr(=r’−r)を仮想視点平面上で拡大したものがそのまま対象者Aの注視点に対応するとみなすことにより行われている。より詳しくは、対象者Aの視線PTの基準線OPに対する角度θは、瞳孔中心と角膜反射の距離の修正値|r’−r|との間で線形関係を有すると仮定している。なお、関数fに含まれる原点補正ベクトルrには、対象者Aがカメラを見たとき(θ=0)の実寸の角膜反射−瞳孔中心間のベクトルが零ではないために、この角膜反射−瞳孔中心間のベクトルとして、ベクトルrが設定される。ここで、上記ゲイン値k及び原点補正ベクトルrは、各対象者Aや左右の眼球によって異なるため較正を行う必要がある。そこで、ゲイン値k及び原点補正ベクトルrには、予め設定された初期値に対して後述するパラメータ補正処理によって補正された値が使用される。瞳孔中心と角膜球中心の距離と視軸(基準値)は、注視点検出の一点較正時に求める。
さらに、算出部22は、2台のカメラ10の画像に対応して計算された角度φ,θであるφ,φ,θ,θを参照して、対象者Aのディスプレイ装置30の画面上の注視点を検出する。ここで、注視点検出のメカニズムを説明するために図16に示すような座標系を定義する。2台のステレオカメラ10の位置に対応した原点O’,O’を有する2つの仮想視点平面H,Hと、瞳孔中心Pを中心とした半径を任意とした仮想視点球面Sを定義する。2つの仮想視点平面H,Hは、それぞれ、直線PO’,PO’に対して垂直な平面である。そして、瞳孔中心Pとディスプレイ画面上の注視点Qを通る直線(視線)と仮想視点球面Sとの交点をG、瞳孔中心Pと原点O’を通る直線と仮想視点球面Sとの交点をO、瞳孔中心Pと原点O’を通る直線と仮想視点球面Sとの交点をOとする。なお、視線PQと仮想視点平面Hとの交点をGとすると、直線O’Gと仮想視点平面Hとの水平軸の成す角がφとなる。同様に、視線PQと仮想視点平面Hとの交点をGとすると、直線O’Gと仮想視点平面Hとの水平軸の成す角がφとなる。さらに、仮想視点球面S上において、点Oにおける点Oを通る水平面と球面Sとの交線(曲線)と曲線Oの成す角は、上記角度φと等しくなる。同様に、仮想視点球面S上において、点Oにおける点Oを通る水平面と仮想視点球面Sとの交線(曲線)と曲線Oの成す角は、上記角度φと等しくなる。また、上述したように、点P,O,O’は同じ直線L上に存在し、点P,O,O’は同じ直線L上に存在するので、直線Lと視線の成す角がθとなり、直線Lと視線の成す角がθとなる。
算出部22は、上記のような関係を用いることにより、既知である原点O’,O’の位置座標、及びディスプレイ装置30の位置及び向きのデータを参照しながら、画面上の注視点を算出することができる。すなわち、2台のカメラ10のカメラ画像によって計算された角度φ,φ,θ,θから、仮想視点球面S上の点G,O,Oの相対的位置関係を取得することができる。従って、算出部22は、既知である原点O’,O’の座標と、既に計算された瞳孔中心Pの座標から、一意に視線PGを求めることができ、その視線PGとディスプレイ装置30の画面との交点を計算することにより注視点Qを検出することができる。なお、角度φ,θから求められる視線PGと、角度φ,θから求められる視線PGがずれている場合にはそれらを平均したものを最終的な視線ベクトルとして計算することもできる。
ここで、算出部22が視線の計算に用いる関数fには、パラメータとしてゲイン値k及び原点補正ベクトルrが含まれている。このゲイン値kは、上記式(8)を見ても分かるように、角膜反射−瞳孔中心ベクトルr’を調整後のベクトルr=r’−rの大きさと視線を示す角度θが線形関係にあると仮定して、そのベクトルrから角度θを求める時に使用する倍率である。理想的には、角度θとベクトル|r’|とが線形関係にあれば、ゲイン値kさえ求まれば角度θが計算できるはずである。言い換えれば角度θ=0のとき、つまり対象者Aがカメラを注視したときはベクトル|r’|=0になるはずである。しかしながら、実際には眼球の視軸(視線)と光軸とは一致せず、角度θ=0のときベクトル|r’|≠0となる。さらに、対象者Aが変われば角度θ=0のときのベクトル|r|は異なる。なお、眼球の視軸とは、対象者の眼球の中心窩と対象者の注視点とを結ぶ直線である。
以下、k及びベクトルrの求め方について説明する。式(8)より、ベクトルθ,θは、以下の式(9),(10)でそれぞれ表される。
θ=kr=k×(r´―r) …(9)
θ=kr=k×(r´―r) …(10)
なお、これらの式において原点補正ベクトルrは個々の眼球において一意に決定されるため、カメラに関係なくrとした。また、2台のカメラの間隔は角度で表され、次式(11)で定義できる。
Figure 0006346018
式(9)〜(11)から、次式(12)が得られ、この式(12)から係数k(較正値)が算出される。
Figure 0006346018
2台のカメラの位置は既知であるから、∠OPOは常に既知である。したがって、対象者が特定の位置を注視しなくても、各カメラにおいて実測されるベクトルr’から係数kを算出することができる。
さらに、算出部22は、1点較正法により、原点補正ベクトルrを求める。1点較正法による原点補正ベクトルrの求め方は、具体的には次の通りである。まず、算出部22は、ディスプレイ装置30の表示画面上の任意の位置に1点の視標(規定点)を表示させて、対象者Aに当該視標を注視させる。この状態で、算出部22は、投影仮想視点平面上の注視点を検出する。次に、算出部22は、検出した注視点と視標の座標を投影仮想視点平面上に投影した点との差分を補正量として算出する。そして、算出部22は、この補正量に基づいて原点補正ベクトルrを決定する。これにより、算出部22は、式(8)による高精度な注視点検出を行うことができる。
このように注視点を検出することで、算出部22は対象者Aの視線を検出することができる。
(眼球の回転角度による補正)
ヒトの光軸と視軸とのずれを調整するための原点補正ベクトルrは、対象者が一の姿勢をとった場合において定まるベクトルであり、眼球の回旋運動が生じた場合に対応しない。ここで、眼球の回旋運動とは、対象者の頭部が左右に傾いた際にその傾きを補償する、視軸周りの眼球の回転運動のことである。対象者の注視点が変化することなく眼球がα(°)だけ回転すると、図17に示すように、視軸rは変わることなく光軸r´がα(°)だけ回転し、これに伴って原点補正ベクトルもα(°)だけ回転する。このとき、眼球の視線周りの回転を考慮しないと、眼球が視線周りに回転する前の原点補正ベクトルrがそのまま用いられるので、実際の注視点Gとは異なる位置gに注視点があると誤って判定されてしまう。しかし、本実施形態では算出部22は上述した手法により眼球の視線周りの回転角度αを求めることができる。したがって、図17に示すようにその回転角度αに合わせて原点補正ベクトルrを回転補正することで、対象者の視線周りの回転に応じた原点補正ベクトルrを得て、注視点Gを求めることができる。その結果、注視点および視線を正確に検出することができる。
このように、眼球の視線周りの回転角度を用いて原点補正ベクトルrを補正した上で視線を検出することは、眼球計測システムの一つの応用である。
[検出プログラム]
次に、図18を用いて、画像処理装置20を実現するための検出プログラム(眼球計測プログラム)P1を説明する。
検出プログラムP1は、メインモジュールP10、画像取得モジュールP11、および算出モジュールP12を備える。
メインモジュールP10は、眼球計測機能(および視線検出機能)を統括的に制御する部分である。画像取得モジュールP11および算出モジュールP12を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記の画像取得部21および算出部22の機能と同様である。
検出プログラムP1は、例えば、CD−ROMやDVD−ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。また、検出プログラムP1は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
なお、上記の眼球計測方法により算出された回転角度に基づいて上記原点補正ベクトルを補正することで視線を検出するモジュールを検出プログラムP1に追加することで、視線検出プログラムを作成することができる。
以上説明したように、本発明の一側面に係る眼球計測システムは、対象者の眼を撮影することで得られた第1瞳孔画像と、該第1瞳孔画像が得られた後に眼を撮影することで得られた第2瞳孔画像とを取得する画像取得部と、瞳孔の輪郭を算出する処理を第1瞳孔画像および第2瞳孔画像のそれぞれに対して実行する輪郭算出部と、第1瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭と、第2瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭との位置関係に基づいて、対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出する角度算出部とを備える。
本発明の一側面に係る眼球計測方法は、プロセッサを備える眼球計測システムにより実行される眼球計測方法であって、対象者の眼を撮影することで得られた第1瞳孔画像と、該第1瞳孔画像が得られた後に眼を撮影することで得られた第2瞳孔画像とを取得する画像取得ステップと、瞳孔の輪郭を算出する処理を第1瞳孔画像および第2瞳孔画像のそれぞれに対して実行する輪郭算出ステップと、第1瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭と、第2瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭との位置関係に基づいて、対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出する角度算出ステップとを含む。
本発明の一側面に係る眼球計測プログラムは、対象者の眼を撮影することで得られた第1瞳孔画像と、該第1瞳孔画像が得られた後に眼を撮影することで得られた第2瞳孔画像とを取得する画像取得部と、瞳孔の輪郭を算出する処理を第1瞳孔画像および第2瞳孔画像のそれぞれに対して実行する輪郭算出部と、第1瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭と、第2瞳孔画像から得られた瞳孔の輪郭との位置関係に基づいて、対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出する角度算出部としてコンピュータを機能させる。
このような側面においては、異なるタイミングで撮影された二つの瞳孔画像のそれぞれについて瞳孔の輪郭が算出される。そして、その輪郭について二つの瞳孔画像の間の位置関係を求めることで、眼球の回転角度が得られる。瞳孔の輪郭の形状には円または楕円から外れた微妙な歪みが存在し、この歪みは瞳孔の視線周りの回転に依らず一定である。したがって、二つの瞳孔画像間でその距離の位置関係を求めることで、眼球の回転を正確に計測することができる。なお、瞳孔形状を円または楕円と表現するのは、一般に、視線がカメラの方向を向くと瞳孔が円になり、視線がカメラからずれた方向を向くと瞳孔が楕円になるからである。
また、このような側面によれば、片眼の瞳孔に対する処理を行うだけで、眼球の視線周りの回転角度を得ることができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、瞳孔の輪郭を算出する処理が、瞳孔の輪郭を示す複数の輪郭点を特定して瞳孔中心から該複数の輪郭点のそれぞれまでの距離を複数の輪郭距離として算出する処理であり、角度算出部が、第1瞳孔画像から得られた複数の輪郭距離と、第2瞳孔画像から得られた複数の輪郭距離との相関に基づいて、対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出してもよい。
この場合には、異なるタイミングで撮影された二つの瞳孔画像のそれぞれについて瞳孔の輪郭を示す複数の輪郭点が特定され、瞳孔の中心から各輪郭点までの距離(輪郭距離)が算出される。そして、その輪郭距離について二つの瞳孔画像の間の相関を求めることで、眼球の回転角度が得られる。瞳孔の輪郭には微妙な歪みが存在するので輪郭距離は個々の輪郭点毎に微妙に異なり、その輪郭距離の系列は瞳孔の回転に依らず一定である。したがって、二つの瞳孔画像間でその距離の相関を求めることで、眼球の視線周りの回転を正確に計測することができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、角度算出部が、第1瞳孔画像および第2瞳孔画像のそれぞれに対して、複数の輪郭距離に対してフーリエ変換を実行して一部の成分を除去するフィルタリングを実行することで、該フィルタリングされた複数の輪郭距離を取得し、第1瞳孔画像についてのフィルタリングされた複数の輪郭距離と、第2瞳孔画像についてのフィルタリングされた複数の輪郭距離との相関に基づいて回転角度を算出してもよい。
フィルタリングにより一部の成分を除去することで、輪郭距離の系列(波形)から輪郭の歪み以外のノイズを除くことができる。その結果、画像間の輪郭距離の相関をより正確に求めて、眼球の視線周りの回転角度をより正確に得ることができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、角度算出部が、少なくとも1Hzの成分を除去してもよい。
1Hzの成分は、何らかの理由で瞳孔中心が正しくも止まらないときに生ずる成分である。この成分を除去することで、輪郭距離の相関をより正確に求めることができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、角度算出部が、少なくとも2Hzの成分を除去してもよい。
対象者がカメラとずれた箇所を見た時には、画像上での瞳孔が楕円になり、このときには輪郭距離の系列に対して少なくとも2Hzの成分が生じる。この成分を除去することで輪郭距離の相関をより正確に求めることができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、角度算出部が、少なくとも2Hzの高調波成分を除去してもよい。
画像上での瞳孔が楕円になる場合には、輪郭距離の系列信号は2Hzの正弦波信号になるわけではなく2Hzの高調波成分を含む。その高調波成分を除去することで輪郭距離の相関をより正確に求めることができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、角度算出部が、少なくとも3Hzの成分を除去してもよい。この成分を除去することで輪郭距離の相関をより正確に求めることができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、角度算出部が、少なくとも0Hzの成分を除去してもよい。この成分を除去することで輪郭距離の相関をより正確に求めることができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、角度算出部が、少なくとも4Hz以下の成分を除去してもよい。この成分を除去することで輪郭距離の相関をより正確に求めることができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、少なくとも、10Hz以上の成分を除去してもよい。
10Hz以上の高周波が存在すると相関のピークの波形がばらついて高い精度を得ることが難しくなる。そのような高周波成分を除去することで輪郭距離の相関をより正確に求めることができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、画像取得部が、第2瞳孔画像の次に得られる第3瞳孔画像を取得し、輪郭算出部が、第3瞳孔画像に対して複数の輪郭距離を算出し、角度算出部が、第1瞳孔画像または第2瞳孔画像から得られた複数の輪郭距離と、第3瞳孔画像から得られた複数の輪郭距離との相関に基づいて対象者の眼球の視線周りの次の回転角度を算出してもよい。
他の側面に係る眼球計測システムでは、角度算出部が、次の回転角度と第2瞳孔画像に基づいて算出された回転角度との差が所定の閾値以上である場合には該次の回転角度を棄却してもよい。
このように、前回の回転角度との関係で正しくないと推定される計算結果を棄却することで、眼球の回転の明らかな誤検出を除去することができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、次の回転角度が棄却された場合には、角度算出部が、第2瞳孔画像に基づいて算出された回転角度を、さらに次の回転角度に対する処理のために保持し続けてもよい。
この場合には、棄却しなかった最近の回転角度を用いた判定を継続できる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、画像取得部が、第2瞳孔画像よりも後に第3瞳孔画像を取得し、輪郭算出部が、第3瞳孔画像に対して複数の輪郭距離を算出し、角度算出部が、第3瞳孔画像よりも前に得られた1以上の瞳孔画像に対応する1以上の回転角度の平均値に基づく所定の範囲においてのみ輪郭距離の相関を求め、該相関の最大値に基づいて次の回転角度を算出してもよい。
このように、前に得られた1以上の回転角度の平均値に基づく一定の範囲内に限って相関を求め、その相関に基づいて次の回転角度を求めることで、眼球の回転の明らかな誤検出を除去することができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、角度算出部が、前記相関の最大値が基準値以下ある場合には前記次の角度を棄却してもよい。
このように、前の回転角度との関係で正しくないと推定される計算結果を棄却することで、眼球の回転の明らかな誤検出を除去することができる。
他の側面に係る眼球計測システムでは、次の回転角度が棄却された場合には、角度算出部が平均値をさらに次の回転角度に対する処理のために保持し続けてもよい。
この場合には、棄却しなかった最近の回転角度を用いた判定を継続できる。
本発明の一側面に係る視線検出システムは、上記の眼球計測システムにより算出された回転角度に基づいて、算出された対象者の光軸と視軸とのずれを調整するための原点補正ベクトルを補正することで、視線を検出する。
本発明の一側面に係る視線検出方法は、プロセッサを備えるコンピュータシステムにより実行される視線検出方法であって、上記の眼球計測方法により算出された回転角度に基づいて、算出された対象者の光軸と視軸とのずれを調整するための原点補正ベクトルを補正することで、視線を検出する。
本発明の一側面に係る視線検出プログラムは、コンピュータを上記の視線検出システムとして機能させる。
このような側面によれば、原点補正ベクトルが眼球の視線周りの回転角度に基づいて補正されるので、対象者の眼球が回旋運動しても対象者の視線を正確に検出することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
上記実施形態では、算出部22が明瞳孔画像および暗瞳孔画像から差分画像を生成し、その差分画像から瞳孔の輪郭を求めたが、算出部22は差分画像を生成することなく、画像取得部21から入力された1枚の瞳孔座標(明瞳孔画像または暗瞳孔画像)から瞳孔の輪郭を求めてもよい。具体的には、算出部22は1枚の瞳孔画像に対して2値化およびラベリングを実行し、瞳孔らしい面積、サイズ、面積比、正方形度、および特徴量等の形状パラメータに基づいて、ラベルづけされた画素の連結成分の中から瞳孔候補を選択する。そして、算出部22はその瞳孔候補から選んだ一つの瞳孔像に対して放射状走査を実行することで輪郭点を特定する。
上記実施形態では対象者の片眼について眼球の回転角度を求めたが、本発明に係る眼球計測システムは対象者の左右の眼球の視線周りの回転角度を求めてもよい。
1…検出システム(眼球計測システムまたは視線検出システム)、10…カメラ、20…画像処理装置、21…画像取得部、22…算出部(輪郭算出部および角度算出部)、P1…検出プログラム、P10…メインモジュール、P11…画像取得モジュール、P12…算出モジュール。

Claims (21)

  1. 対象者の顔の回転角度が0°である状態における該対象者の眼を撮影することで得られた第1瞳孔画像と、該第1瞳孔画像が得られた後に前記眼を撮影することで得られた第2瞳孔画像とを取得する画像取得部と、
    瞳孔の輪郭を算出する処理を前記第1瞳孔画像および前記第2瞳孔画像のそれぞれに対して実行する輪郭算出部と、
    前記第1瞳孔画像から得られた前記瞳孔の輪郭と、前記第2瞳孔画像から得られた前記瞳孔の輪郭との位置関係に基づいて、前記対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出する角度算出部であって、該眼球の視線周りの回転角度が、前記対象者の視線を回転軸としてみた場合の前記眼球の回転角度である、該角度算出部
    を備える眼球計測システム。
  2. 前記瞳孔の輪郭を算出する処理が、前記瞳孔の輪郭を示す複数の輪郭点を特定して瞳孔中心から該複数の輪郭点のそれぞれまでの距離を複数の輪郭距離として算出する処理であり、
    前記角度算出部が、前記第1瞳孔画像から得られた前記複数の輪郭距離と、前記第2瞳孔画像から得られた前記複数の輪郭距離との相関に基づいて、前記対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出する、
    請求項1に記載の眼球計測システム。
  3. 前記角度算出部が、前記第1瞳孔画像および前記第2瞳孔画像のそれぞれに対して、前記複数の輪郭距離に対してフーリエ変換を実行して一部の成分を除去するフィルタリングを実行することで、該フィルタリングされた複数の輪郭距離を取得し、前記第1瞳孔画像についての前記フィルタリングされた複数の輪郭距離と、前記第2瞳孔画像についての前記フィルタリングされた複数の輪郭距離との相関に基づいて前記回転角度を算出する、
    請求項2に記載の眼球計測システム。
  4. 前記角度算出部が、少なくとも1Hzの成分を除去する、
    請求項3に記載の眼球計測システム。
  5. 前記角度算出部が、少なくとも2Hzの成分を除去する、
    請求項3または4に記載の眼球計測システム。
  6. 前記角度算出部が、少なくとも2Hzの高調波成分を除去する、
    請求項5に記載の眼球計測システム。
  7. 前記角度算出部が、少なくとも3Hzの成分を除去する、
    請求項3〜6のいずれか一項に記載の眼球計測システム。
  8. 前記角度算出部が、少なくとも0Hzの成分を除去する、
    請求項3〜7のいずれか一項に記載の眼球計測システム。
  9. 前記角度算出部が、少なくとも4Hz以下の成分を除去する、
    請求項3に記載の眼球計測システム。
  10. 前記角度算出部が、少なくとも、10Hz以上の成分を除去する、
    請求項3〜9のいずれか一項に記載の眼球計測システム。
  11. 前記画像取得部が、前記第2瞳孔画像の次に得られる第3瞳孔画像を取得し、
    前記輪郭算出部が、前記第3瞳孔画像に対して前記複数の輪郭距離を算出し、
    前記角度算出部が、前記第1瞳孔画像または第2瞳孔画像から得られた前記複数の輪郭距離と、前記第3瞳孔画像から得られた前記複数の輪郭距離との相関に基づいて前記対象者の眼球の視線周りの次の回転角度を算出する、
    請求項2〜10のいずれか一項に記載の眼球計測システム。
  12. 前記角度算出部が、前記次の回転角度と前記第2瞳孔画像に基づいて算出された前記回転角度との差が所定の閾値以上である場合には該次の回転角度を棄却する、
    請求項11に記載の眼球計測システム。
  13. 前記次の回転角度が棄却された場合には、前記角度算出部が、前記第2瞳孔画像に基づいて算出された前記回転角度を、さらに次の回転角度に対する処理のために保持し続ける、
    請求項12に記載の眼球計測システム。
  14. 前記画像取得部が、前記第2瞳孔画像よりも後に第3瞳孔画像を取得し、
    前記輪郭算出部が、前記第3瞳孔画像に対して前記複数の輪郭距離を算出し、
    前記角度算出部が、前記第3瞳孔画像よりも前に得られた1以上の瞳孔画像に対応する1以上の回転角度の平均値に基づく所定の範囲においてのみ輪郭距離の相関を求め、該相関の最大値に基づいて次の回転角度を算出する、
    請求項2〜13のいずれか一項に記載の眼球計測システム。
  15. 前記角度算出部が、前記相関の最大値が基準値以下ある場合には前記次の角度を棄却する、
    請求項14に記載の眼球計測システム。
  16. 前記次の回転角度が棄却された場合には、前記角度算出部が前記平均値をさらに次の回転角度に対する処理のために保持し続ける、
    請求項15に記載の眼球計測システム。
  17. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼球計測システムにより算出された前記回転角度に基づいて、算出された前記対象者の光軸と視軸とのずれを調整するための原点補正ベクトルを補正することで、視線を検出する、視線検出システム。
  18. プロセッサを備える眼球計測システムにより実行される眼球計測方法であって、
    対象者の顔の回転角度が0°である状態における該対象者の眼を撮影することで得られた第1瞳孔画像と、該第1瞳孔画像が得られた後に前記眼を撮影することで得られた第2瞳孔画像とを取得する画像取得ステップと、
    瞳孔の輪郭を算出する処理を前記第1瞳孔画像および前記第2瞳孔画像のそれぞれに対して実行する輪郭算出ステップと、
    前記第1瞳孔画像から得られた前記瞳孔の輪郭と、前記第2瞳孔画像から得られた前記瞳孔の輪郭との位置関係に基づいて、前記対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出する角度算出ステップであって、該眼球の視線周りの回転角度が、前記対象者の視線を回転軸としてみた場合の前記眼球の回転角度である、該角度算出ステップ
    を含む眼球計測方法。
  19. 対象者の顔の回転角度が0°である状態における対象者の眼を撮影することで得られた第1瞳孔画像と、該第1瞳孔画像が得られた後に前記眼を撮影することで得られた第2瞳孔画像とを取得する画像取得部と、
    瞳孔の輪郭を算出する処理を前記第1瞳孔画像および前記第2瞳孔画像のそれぞれに対して実行する輪郭算出部と、
    前記第1瞳孔画像から得られた前記瞳孔の輪郭と、前記第2瞳孔画像から得られた前記瞳孔の輪郭との位置関係に基づいて、前記対象者の眼球の視線周りの回転角度を算出する角度算出部であって、該眼球の視線周りの回転角度が、前記対象者の視線を回転軸としてみた場合の前記眼球の回転角度である、該角度算出部
    してコンピュータを機能させるための眼球計測プログラム。
  20. プロセッサを備えるコンピュータシステムにより実行される視線検出方法であって、
    請求項18に記載の眼球計測方法により算出された前記回転角度に基づいて、算出された前記対象者の光軸と視軸とのずれを調整するための原点補正ベクトルを補正することで、視線を検出する、視線検出方法。
  21. コンピュータを請求項17に記載の視線検出システムとして機能させるための視線検出プログラム。
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