JPWO2015181883A1 - コモンモードフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 コモンモードノイズの反射を抑制するとともに、2GHz以下のコモンモードノイズを充分除去する。【解決手段】 一方の差動信号線路に挿入接続される信号用コイル1Aが多層の誘電体層中にスパイラル状に形成される。他方の差動信号線路に挿入接続される信号用コイル1Bがその誘電体層中に信号用コイル1Aと誘電体層を介し対面するよう形成される。誘電体層中には、信号用コイル1Aと同一方向に巻き線されが制御用コイル3が、第1および第2の信号用コイル1A、1Bと誘電体層を介して挟まれるよう形成される。制御用コイル3の外周端又は内周端の少なくとも何れかには内蔵抵抗9が接続される。制御用コイル3および内蔵抵抗9で帰還ループ回路が形成される。【選択図】 図1

Description

本発明はコモンモードフィルタに係り、特に、コモンモードノイズの反射を抑制するとともにコモンモード除去特性の調整も可能な新規のコモンモードフィルタに関する。
従来、超高速差動信号の伝送線路においてコモンモードノイズを除去する電子部品としては、コモンモード・チョークコイルが広く使われている。
従来のコモンモード・チョークコイルは、磁性体の磁気損失の影響から、GHz帯の超高速差動信号を通すことは難しいと言われているものの、差動信号通過帯域10GHz以上を実現するコモンモード・チョークコイルも製品化されている。
ところが、コモンモード・チョークコイルのコモンモードノイズ除去原理は、磁気結合を利用してコモンモード信号に対する高い直列インピーダンスを形成し、コモンモードノイズを入力側へ反射させて先の回路へは伝搬させないというものである。
周波数が低くて伝送回路パターンがアンテナとはなり難い装置では、ノイズが放射し難いので、伝導性ノイズだけを除去すれば良いから、このような手法を用いてノイズを反射させても問題は少なかった。
しかし、GHz帯の超高速差動信号を伝送する装置においては、伝送回路パターンがアンテナとなり易いため、自身の回路パターンから発生する放射性ノイズによって自身の回路が誤動作し易い。
そのため、GHz帯の超高速差動信号伝送においては、コモンモード・チョークコイルでノイズを反射させることは好ましくない。
このような問題に対応するために、特許文献1(特許第5341201号公報)および特許文献2(特開2009−10729号公報)のようなノイズ反射抑制を目的としたコモンモードフィルタが開示されている。
特許文献1に示すコモンモードフィルタは、差動遅延線の差動信号バランス点とグラウンド端子との間に抵抗を挿入することで、差動信号からはその抵抗が見えない一方、コモンモード信号はグラウンドに帰還するのでその抵抗を通過し吸収減衰させられる構成である。
他方、特許文献2に示すコモンモードフィルタは、分布定数型で構成することでノイズを吸収減衰させるという発想である。
いずれの構成も、グラウンド端子を有し、コモンモードノイズを装置の電源グラウンドに逃がすことを特徴としている。
特許第5341201号公報(WO2011/052374号公報) 特開2009−10729号公報
しかしながら、特許文献1に示すコモンモードフィルタでは、低い周波数のコモンモード信号が差動遅延線を通過してしまう心配がある。
例えば、10Gビット/秒伝送向けに、クロック周波数5GHzで充分なノイズ除去を得られるようコモンモードフィルタを設計した場合、2GHz以下でコモンモードノイズの除去能力が急激に劣化する特性となり、周辺に2GHz以下の周波数で動作する回路があって、そこから飛来して来るノイズを除去したい場合に使い難い。
他方、特許文献2に示すコモンモードフィルタは、5GHzで充分なノイズ除去を得られるよう設計した場合でも、2GHz以下のコモンモードノイズを充分除去可能であるものの、特許文献1に示す程のノイズ吸収力はない。
特許文献2に基づくコモンモードフィルタを10Gビット/秒伝送向けに電磁界シミュレータ上でモデリングし解析して図示すると、図19のようになる。図19中、符号Scc11はコモンモード信号の反射特性、符号Scc21はコモンモード信号の通過特性である。
図19からは、符号Scc21が最小となる5GHz付近では減衰量がほぼ0dBであり、全反射していることが分かる。すなわち、特許文献2の構成をもってしても、コモンモードノイズの反射は期待する程には抑制できないことが分かる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、コモンモードノイズの反射を抑制するとともに、2GHz以下のコモンモードノイズを充分除去可能なコモンモードフィルタを提供するものである。
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係るコモンモードフィルタは、多層の誘電体層中にスパイラル状に形成され、一方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第1の信号用コイルと、その誘電体層中にその第1の信号用コイルに厚さ方向で重なるように誘電体層を介し対面してスパイラル状に形成され、他方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第2の信号用コイルと、その誘電体層中においてそれら第1および第2の信号用コイルとの間に誘電体層を介して挟まれるようスパイラル状に形成され、その第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、それら第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する第1の制御用コイルと、その誘電体層中に形成され、その第1の制御用コイルの外周端又は内周端の少なくともいずれかに接続された第1の内蔵抵抗と、を具備し、それら第1の制御用コイルおよび第1の内蔵抵抗を介して第1の帰還ループ回路が形成された構成である。
本発明の請求項2に係るコモンモードフィルタは、上記第1の制御用コイルおよび第1の内蔵抵抗を介して誘電体層中にてその第1の帰還ループ回路が形成されてなる構成である。
本発明の請求項3に係るコモンモードフィルタは、上記第1の制御用コイルの外周端が、その第1の帰還ループ回路を形成するために外部帰還回路に接続されている第1の外部端子に直接又は第1の内蔵抵抗を介して接続され、その第1の制御用コイルの内周端が、その外部帰還回路に接続されている第2の外部端子に直接又は別の第1の内蔵抵抗を介して接続され、それら第1の外部端子および第2の外部端子を介してその第1の帰還ループ回路が形成されて構成されている。
本発明の請求項4に係るコモンモードフィルタは、多層の誘電体層中にスパイラル状に形成され、一方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第1の信号用コイルと、その誘電体層中に第1の信号用コイルに厚さ方向で重なるように誘電体層を介し対面してスパイラル状に形成され、他方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第2の信号用コイルと、その誘電体層中において第2の信号用コイルとは反対側にて前記第1の信号用コイルとの間に誘電体層を介して対面しスパイラル状に形成され、その第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、それら第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する第2の制御用コイルと、その誘電体層中において第1の信号用コイルとは反対側にて第2の信号用コイルとの間に誘電体層を介して対面しスパイラル状に形成され、その第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、それら第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する第3の制御用コイルと、その誘電体層中に形成され、その第2の制御用コイルの外周端又は内周端の少なくともいずれかに接続された第2の内蔵抵抗と、その誘電体層中に形成され、その第3の制御用コイルの外周端又は内周端の少なくともいずれかに接続された第3の内蔵抵抗と、を具備し、それら第2の制御用コイルおよび第2の内蔵抵抗を介して第2の帰還ループ回路を形成し、それら第3の制御用コイルおよび第3の内蔵抵抗を介して第3の帰還ループ回路が形成される構成である。
本発明の請求項5に係るコモンモードフィルタは、それら第2の制御用コイルおよび第2の内蔵抵抗を介し誘電体層中にて第2の帰還ループ回路が形成され、それら第3の制御用コイルおよび第3の内蔵抵抗を介して誘電体層中にて第3の帰還ループ回路が形成されてなる構成である。
本発明の請求項6に係るコモンモードフィルタは、上記第2の制御用コイルの外周端が、その第2の帰還ループ回路を形成するために外部帰還回路に接続される第2の外部端子に直接又は第2の内蔵抵抗を介して接続され、その第2の制御用コイルの内周端が、その外部帰還回路に接続される第3の外部端子に直接又は別の第2の内蔵抵抗を介して接続され、それら第2および第3の外部端子を介して第2の帰還ループ回路が形成され、上記第3の制御用コイルの外周端が、その第3の帰還ループ回路を形成するために外部帰還回路に接続される第4の外部端子に直接又は第3の内蔵抵抗を介して接続され、その第3の制御用コイルの内周端が、その外部帰還回路に接続される第5の外部端子に直接又は別の第3の内蔵抵抗を介して接続され、それら第4および第5の外部端子を介して第3の帰還ループ回路が形成されてなる構成である。
本発明の請求項7に係るコモンモードフィルタは、多層の誘電体層中にスパイラル状に形成され、一方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第1の信号用コイルと、その誘電体層中に前記第1の信号用コイルに厚さ方向で重なるように誘電体層を介し対面してスパイラル状に形成され、他方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第2の信号用コイルと、その誘電体層中においてその第2の信号用コイルとは反対側にて第1の信号用コイルとの間に誘電体層を介して対面しスパイラル状に形成され、その第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、それら第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する第4の制御用コイルと、その誘電体層中において第1の信号用コイルとは反対側にて第2の信号用コイルとの間に誘電体層を介して対面して形成され、その第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、それら第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する第5の制御用コイルと、その誘電体層中に形成され、それら第4および第5の制御用コイルの外周端又は内周端の少なくともいずれかに接続された第4の内蔵抵抗と、を具備し、上記第4および第5の制御用コイルが並列接続されているとともに第4の内蔵抵抗を介して第4の帰還ループ回路が形成される構成である。
本発明の請求項8に係るコモンモードフィルタは、上記第4の制御用コイル、第5の制御用コイルおよび第4の内蔵抵抗を介し誘電体層中にて第4の帰還ループ回路が形成されてなる構成である。
本発明の請求項9に係るコモンモードフィルタは、多層の誘電体層中にスパイラル状に形成され、一方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第1の信号用コイルと、その誘電体層中に前記第1の信号用コイルに厚さ方向で重なるように誘電体層を介し対面してスパイラル状に形成され、他方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第2の信号用コイルと、その誘電体層中において第1又は第2の信号用コイルを挟むように誘電体層を介し対面してスパイラル状に形成され、そのの信号用コイルと同一方向に巻き線され、それら第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する複数の第6の制御用コイルと、その誘電体層中に形成され、複数の第6の制御用コイルに接続された第5の内蔵抵抗と、を具備し、複数の第6の制御用コイルが並列接続されているとともに第5の内蔵抵抗を介して第5の帰還ループ回路が形成される構成である。
本発明の請求項10に係るコモンモードフィルタは、複数の第6の制御用コイルおよび第5の内蔵抵抗を介し誘電体層中にて第5の帰還ループ回路が形成されてなる構成である。
本発明の請求項1に係るコモンモードフィルタでは、差動信号線路に直列的に挿入接続される第1および第2の信号用コイルを、厚さ方向で重なるように多層の誘電体層中にスパイラル状に形成し、その誘電体層中においてそれら第1および第2の信号用コイルとの間に誘電体層を介して挟まれるように第1の制御用コイルをスパイラル状に形成し、その誘電体層中に、その第1の制御用コイルの外周端又は内周端の少なくともいずれかに接続された第1の内蔵抵抗を配置し、それら第1の制御用コイルおよび第1の内蔵抵抗を介して第1の帰還ループ回路を形成したから、第1、第2の信号用コイルおよび第1の制御用コイルからなる構成において、第1の制御用コイルによって第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御するとともに、コモンモードノイズの反射を抑制し、2GHz以下のコモンモードノイズを充分除去が可能である。
本発明の請求項2に係るコモンモードフィルタでは、上記第1の制御用コイルおよび第1の内蔵抵抗からその第1の帰還ループ回路が誘電体層中にて形成されてなるから、外部接続構成が簡素化される。
本発明の請求項3に係るコモンモードフィルタは、上記第1の制御用コイルの外周端および内周端が、その第1の帰還ループ回路を形成するために外部帰還回路に接続されている第1、第2の外部端子に直接又は第1の内蔵抵抗を介して接続され、それら第1および第2の外部端子を介してその第1の帰還ループ回路が形成される構成であるから、外部の第1の帰還ループ回路を介し、広範囲にわたって、第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御し、コモンモードノイズの反射抑制し、2GHz以下のコモンモードノイズ除去することが可能である。
本発明の請求項4に係るコモンモードフィルタでは、差動信号線路に直列的に挿入接続される第1および第2の信号用コイルを、厚さ方向で重なるように多層の誘電体層中にスパイラル状に形成し、その誘電体層中において第1の信号用コイルとの間に誘電体層を介して第2の制御用コイルをスパイラル状に形成するとともに、第2の信号用コイルとの間に誘電体層を介して第3の制御用コイルをスパイラル状に形成し、それら第2、第3の制御用コイルおよび第2、第3の内蔵抵抗を介して第2、第3の帰還ループ回路を形成したから、第1、第2の信号用コイルおよび第2、第3の制御用コイルからなる構成において、第1、第2の信号用コイル間の磁気結合を良好に保った状態で、第2、第3の制御用コイルによって第1、第2の信号用コイル間の磁気結合を制御するとともに、コモンモードノイズの反射を抑制し、2GHz以下のコモンモードノイズの除去が可能である。
本発明の請求項5に係るコモンモードフィルタでは、それら第2、第3の制御用コイルおよび第2、第3の内蔵抵抗を介して誘電体層中にて第2、第3の帰還ループ回路が形成されてなるから、外部接続構成が簡素化される。
本発明の請求項6に係るコモンモードフィルタでは、上記第2、第3の制御用コイルの外周端および内周端が、その第2、第3の帰還ループ回路を形成するために外部帰還回路に接続されている第2、第3の外部端子に直接又は第2、第3の内蔵抵抗を介して接続され、それら第2、第3の外部端子を介してその第2、第3の帰還ループ回路が形成されるから、外部の第2、第3の帰還ループ回路を介し、広範囲にわたって、第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御、コモンモードノイズの反射抑制、2GHz以下のコモンモードノイズ除去が可能である。
本発明の請求項7に係るコモンモードフィルタでは、差動信号線路に直列的に挿入接続される第1および第2の信号用コイルを、厚さ方向で重なるように多層の誘電体層中にスパイラル状に形成し、その誘電体層中において第1の信号用コイルとの間に誘電体層を介して第4の制御用コイルをスパイラル状に形成するとともに、第2の信号用コイルとの間に誘電体層を介して第5の制御用コイルをスパイラル状に形成し、それら第4、第5の制御用コイルを並列接続し、第4の内蔵抵抗を介して第4の帰還ループ回路を形成したから、第1、第2の信号用コイル間の磁気結合を良好に保った状態で、第4、第5の制御用コイルによって第1、第2の信号用コイル間の磁気結合を制御するとともに、コモンモードノイズの反射を抑制し、2GHz以下のコモンモードノイズを充分除去が可能である。
本発明の請求項8に係るコモンモードフィルタでは、第1、第2の信号用コイルおよび第4、第5の制御用コイルからなる構成において、第4の帰還ループ回路を誘電体層中にて構成可能となり、外部接続構成が簡素化される。
本発明に係るコモンモードフィルタの基本構成を示す分解斜視図である。 図1のコモンモードフィルタの外観図である。 図1のコモンモードフィルタの等価回路図である。 図1のコモンモードフィルタの周波数特性である。 図1のコモンモードフィルタの周波数特性である。 本発明に係るコモンモードフィルタの別の実施例を示す分解斜視図である。 図6のコモンモードフィルタの外観図である。 図6のコモンモードフィルタの周波数特性である。 図6のコモンモードフィルタの周波数特性である。 本発明に係るコモンモードフィルタの別の実施の形態を示す分解斜視図である。 図10のコモンモードフィルタの等価回路図である。 図10のコモンモードフィルタの周波数特性である。 本発明に係るコモンモードフィルタの別の実施の形態を示す分解斜視図である。 図13のコモンモードフィルタの等価回路図である。 本発明に係るコモンモードフィルタの別の実施の形態を示す分解斜視図である。 図15のコモンモードフィルタの外観図である。 図15のコモンモードフィルタの等価回路図である。 図15のコモンモードフィルタの周波数特性である。 従来のコモンモードフィルタの周波数特性図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るコモンモードフィルタFの基本構成を示す分解斜視図である。
誘電体層11Aには信号用コイル(第1の信号用コイル)1Aが、誘電体層11Cには信号用コイル(第2の信号用コイル)1Bが、誘電体層11Bには制御用コイル(第1の制御用コイル)3が各々形成されている。
それら誘電体層11A〜11Cは、方形の薄板状にしてほぼ同形状の公知の積層セラミック又は多層樹脂基板からなり、誘電体層11Bを誘電体層11A、11Cで挟むようにして積層されている。
それら信号用コイル1A、1Bおよび制御用コイル3は、公知の導体材料から薄膜のフォトリソグラフィ、厚膜印刷又はエッチング等によって誘電体層11A〜11Cの各々の片面にスパイラル状に形成され、誘電体層11A〜11Cの積層厚み方向に制御用コイル3が信号用コイル1Aおよび信号用コイル1Bとの間に挟まれている。
しかも、制御用コイル3は、信号用コイル1Aと信号用コイル1Bとの積層厚み方向のちょうど中間に配置されている。
信号用コイル1A、1Bは、同一の巻き線方向、同一の線幅および同一の線路間スペースでスパイラス状に形成され、厚み方向から見た場合、両端部分を除く線路部分が印刷ずれや積層ずれの誤差範囲内で重なるように配置される。すわなち、信号用コイル1A、1Bは、両端部分を除く線路部分がほぼ重なるように配線されている。
信号用コイル1Aの外周端は、誘電体層11Aの同一面に形成された入力側引出し線15Aを介して誘電体層11Aの端面まで導出され、図2に示す入力端子5Aに接続されている。
信号用コイル1Aの内周端は、誘電体層11B、11Cに形成されたビア21Aを介し、誘電体層11Bとは反対側にて誘電体層11Cに積層配置された誘電体層11Dまで導出され、誘電体層11Dの誘電体層11C側面に形成された出力側引出し線17Aを介して誘電体層11Dの端面まで導出され、図2に示す出力端子7Aに接続されている。誘電体層11Dは誘電体層11Cとほぼ同様である。
信号用コイル1Bの外周端は、誘電体層11Cの同一面に入力側引出し線15Aと重ならない位置に形成された入力側引出し線15Bを介して誘電体層11Bの端面まで導出され、図2の入力端子5Bに接続されている。
信号用コイル1Bの内周端は、誘電体層11Cに形成されたビア21Bを介し誘電体層11Dまで導出され、誘電体層11Dの誘電体層11C側面にて出力側引出し線17Aとは異なる位置に形成された出力側引出し線17Bを介して誘電体層11Dの端面まで導出され、図2の出力端子7Bに接続されている。
制御用コイル3は、信号用コイル1A、1Bと同一巻き線方向でスパイラル状に形成されているが、必ずしも信号用コイル1A、1Bと同一の線幅、同一の線路間スペース(線間ピッチ)とは限らない。
制御用コイル3の外周端は、誘電体層11Cに形成されたビア21Cを介して誘電体層11Dまで導出され、誘電体層11Dの誘電体層11C側面にて出力側引出し線17A、17Bとは異なる位置に形成された一方の抵抗接続パッド19Bに接続されている。
制御用コイル3の内周端は、誘電体層11Cに形成されたビア21Dを介して誘電体層11Dまで導出され、誘電体層11Dの誘電体層11C側面にて出力側引出し線17A、17B、抵抗接続パッド19Bとは異なる位置に形成された他方の抵抗接続パッド19Aに接続されている。
抵抗接続パッド19A、19Bとの間には、制御用コイル3に誘起された電力を終端する内蔵抵抗(第1の内蔵抵抗)9が形成されている。
内蔵抵抗9は、抵抗ペーストの印刷又は抵抗内蔵樹脂基板等によって形成されている。抵抗ペーストの場合はセラミックと同時に焼成され、その際、抵抗値が大きく変動するので、その変動を見込んで印刷寸法又は抵抗ペーストの抵抗率が設定される。
誘電体層11A〜11Dは積層されるとともに、更に、誘電体層11Bとは反対側にて誘電体層11Aに誘電体層11Eおよびカバー層Aを積層し、誘電体層11Cとは反対側にて誘電体層11Dにカバー層13Bを積層し、例えば焼成加工して一体化されている。誘電体層11Eは誘電体層11Aとほぼ同様である。
カバー層13A、13Bが磁性体の場合、誘電体層11A〜11Eが積層プレス・焼成され最初の固体となり、その固体上にカバー層13A、13Bが接着され一体化される。
カバー層13A、13Bが誘電体の場合、誘電体層11A〜11Eの上下にカバー層13A、13Bを配置して積層プレス・焼成し、一体化される。
それらいずれかの方法で一体化されたコモンモードフィルタFは、一方の外周側面には、入力側引出し線15A、15Bが接続された外部端子電極としての入力端子5A、5Bが形成され、対向する他方の外周側面には、外部端子電極としての出力側引出し線17A、17Bが接続された出力端子7A、7Bが形成され、図2に示すチップ部品としてのコモンモードフィルタF(完成品)が構成されている。
図3は図1のコモンモードフィルタの等価回路である。誘電体層11Aで形成される容量と誘電体層11Bで形成される容量とは等しくなる必要があり、そのために制御用コイル3は信号用コイル1Aと1Bとの中間の層位置に形成され、しかも誘電体層11Aと誘電体層11Bは同じ材質、同じ層厚であることが望ましい。
そのような構成では、制御用コイル3には信号用コイル1Aと1Bとの平均電位が印加され、信号用コイル1Aと1Bに差動信号が入力された場合、正極性と負極性との電位が相殺されてその平均電位が「ゼロ」であるため、差動信号からは制御用コイル3は見えない。
一方、コモンモードに対しては、信号用コイル1Aと1Bとが両方同時に正極性又は負極性となり、その中間の電位が「ゼロ」にならないため、その分の電磁場が制御用コイル3に印加され、これに誘導起電力が発生する。
制御用コイル3は、内蔵抵抗9を介して第1の帰還ループ回路を形成しており、発生した誘導起電力によって電流が第1の帰還ループ回路に流れ、内蔵抵抗9によって電力消費され、結果的にコモンモードノイズが吸収除去される。
制御用コイル3に誘起された電流が第1の帰還ループ回路を流れて抵抗で電力消費されないと、コモンモードノイズは吸収除去されないので、特許文献2のような制御用コイル3の一端だけが回路グラウンドに接続された構成となり、コモンモードノイズが充分には吸収されない。
このように構成された本発明のコモンモードフィルタFにおいて、10Gビット/秒向けに設計されたコモンモードフィルタFの電磁界シミュレーションによる周波数特性例を図4に示す。
図4は、周波数特性はコモンモード信号反射特性Scc11およびコモンモード信号通過特性Scc21についてのみ示す。差動信号通過特性Sdd21は省略するが、−3dB通過帯域は20GHz以上が得られている。
図4において、符号Scc11、符号Scc21の後に「−1〜−3」の枝番が付与されているが、これらは各コイルの線路幅および線路間スペースに対応するものであり、それらの仕様は以下のとおりである。
信号用コイル1A、1Bでは、全ての枝番に対して線路幅を10μm、線路間スペースを20μmとし、制御用コイル3については次の設定とする。
枝番 −1:線路幅10μm、線路間スペース10μm
枝番 −2:線路幅10μm、線路間スペース20μm
枝番 −3:線路幅10μm、線路間スペース30μm
なお、制御用コイル3は、信号用コイル1A、1Bの厚さ方向の中間位置に配置するのはもちろんであるが、更に、誘電体11A〜11Cが同じ材質であることも必要であり、カバー層13A、13Bおよび誘電体11D、11Eも誘電体11A〜11Cと同じ材質の誘電体としている。
上述した構成において、カバー層13A、13Bを磁性体にすると、若干ではあるが、コモンモードノイズ除去量の改善が見られるが、同時に磁気損失による差動信号通過特性の劣化も発生し、差動信号通過特性の犠牲に見合う程にはコモンモードノイズ除去量が改善される訳ではないため、少なくとも10Gビット/秒向けには、カバー層13A、13Bを磁性体にする利点はないと考えられる。以降の構成でも、カバー層13A、13Bは全て誘電体としている。
図4において、枝番−1の構成では、制御用コイル3の導体密度が濃く、信号用コイル1A、1B間の磁場の通り道を塞ぐため、信号用コイル1A、1B間の充分な磁気結合が得られず、4GHz以下で符号Scc21が若干大きめ、すなわちコモンモードノイズ除去量が若干悪くなっている。しかしながら、5G〜10GHzでのコモンモードノイズ除去量は最も良くなっている。
枝番−2の構成では、制御用コイル3と信号用コイル1Aおよび1Bとで、厚さ方向に透視して線路が重なり、線路間スペース部を空けて磁場の通り道が確保され、枝番−1の構成よりも信号用コイル1Aおよび1Bとの磁気結合が大きくなっている。そのため、枝番−2の構成では、枝番−1の構成に比べ、4GHz以下のScc21が改善されている。
枝番−3の構成では、制御用コイル3のスペースが最も大きく、信号用コイル1Aおよび1Bとの磁気結合が最も大きく得られるので、コモンモードノイズ除去のピーク周波数が低めにずれるとともに、コモンモード反射量Scc11が最も大きくなっている。すなわち、枝番−3の構成は、従来のコモンモード・チョークコイルと同様に反射型のノイズ除去原理に近い。
上述した構成において、コモンモードノイズ反射量の違いをより明確にするために、入力電力を「100」とした場合の反射電力および内部での吸収電力の比率を求め、その結果を図5に示す。
図5から、枝番−1の構成は5GHz以下のコモンモード吸収量が最も大きく、逆に枝番−3の構成は5GHz以下のコモンモード吸収量が最も小さく、枝番−2の構成はそれらの中間であることが分かる。
このように、制御用コイル3は、第1および第2の信号用コイル1A、1B間の磁気結合を制御するものであり、制御用コイル3を配置することにより、除去したコモンモードノイズを制御用コイル3に誘起させるとともに内蔵抵抗9で吸収させ、更に、制御用コイル3の構造を変えることで、コモンモードノイズの除去特性や吸収特性を変えることが可能となる。
本発明において、制御用コイル3のピッチを変える以外の構造変化としては、外形サイズを小さくする、又は線路幅を信号用コイルとは異なるものにする等が考えられる(以下同じ。)。
以降の説明では、制御用コイルは、線路幅および線路間スペースを、信号用コイルと同じとし、それらコイルの線路が厚さ方向に透視して重なる配置とする。
このように上述したコモンモードフィルタFは、多層の誘電体層11A〜11E中にスパイラル状に形成され、一方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている信号用コイル1Aと、その誘電体層11A〜11E中に信号用コイル1Aに厚さ方向で重なるように誘電体層11A〜11Eを介し対面してスパイラル状に形成され、他方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている信号用コイル1Bと、その誘電体層11A〜11E中において第1および第2の信号用コイル1A、1Bとの間に誘電体層11A〜11Eを介して挟まれるようスパイラル状に形成され、その信号用コイル1Aと同一方向に巻き線され、信号用コイル1A、1B間の磁気結合を制御する制御用コイル3と、誘電体層11A〜11E中に形成され制御用コイル3の外周端および内周端に接続された内蔵抵抗9と、を具備し、それら制御用コイル3および内蔵抵抗9を介して誘電体層11A〜11E中にて第1の帰還ループ回路が形成されている。
そのため、信号用コイル1A、1Bおよび制御用コイル3からなる構成において、制御用コイル3を配置することにより、除去したコモンモードノイズを制御用コイル3に誘起させて内蔵抵抗9で吸収させ、更に、制御用コイル3の形状を変えることで、コモンモードノイズの除去特性や吸収特性を変えることが可能となる。
そのため、制御用コイル3によって信号用コイル1A、1B間の磁気結合を制御するとともに、コモンモードノイズの反射を抑制し、2GHz以下のコモンモードノイズを充分除去することが可能である。
しかも、制御用コイル3および内蔵抵抗9を介して誘電体層11A〜11E中にてその第1の帰還ループ回路が形成されてなるから、第1の帰還ループ回路を誘電体層11A〜11E中にて構成可能となり、外部接続構成が簡素化される。
図6は、本発明に係るコモンモードフィルタFの別の実施の形態を示す分解斜視図である。
図1の構成では、制御用コイル3の両端末どうしが内蔵抵抗9を介して接続され、制御用コイル3および内蔵抵抗9が第1の帰還ループ回路を形成していた。これに対し、図6の構成では、制御用コイル3の各端末が、別々の内蔵抵抗9A、9Bを介して、外部端子に接続するための制御用引出し線15C、17Cに接続されている。図6の構成においては、便宜上、内蔵抵抗9A、9Bを第1の内蔵抵抗とする。
制御用コイル3の外周端は、誘電体層11A、11E間に配置された同様な誘電体層11F上に形成した抵抗接続パッド19Dにビア21Cを経由して接続され、外周端位置もビア21Cが信号用コイル1Aに接近しない位置に移動している。
制御用コイル3の内周端は、ビア21Dを経由して誘電体層11D上の抵抗接続パッド19Aに接続されている点は図1の構成と同じであるが、抵抗接続パッド19Bは図1とは異なり、制御用引出し線15Cに接続されている。他の構成は図1とほぼ同様である。
この構成では、誘電体層11Fを新たに設け、これに抵抗接続パッド19C、19D、内蔵抵抗9Bおよび制御用引出し線17Cを配置しているが、これらが誘電体層11A〜11Dの空いているスペースに配置できるのであれば、新たに誘電体層11Fを設ける必要はない。
上述したカバー層13A、13Bおよび誘電体層11A〜11Fは一体化されるとともに積層・焼成され、図7に示すようなコモンモードフィルタFが構成されている。
このコモンモードフィルタFにおいて、一方の外周側面には入力端子5A、5Bに加え、制御用引出し線15Cが接続された第1の外部端子としての制御端子5Cが形成され、対向する他方の外周側面には出力端子7A、7Bに加え、制御用引出し線17Cが接続された第2の外部端子としての制御端子7Cが形成され、チップ部品としてのコモンモードフィルタF(完成品)が構成されている。
この図6に示すコモンモードフィルタFは、外部において制御端子5C、7C間を短絡したり回路グラウンド(図示せず。)に接地したりすることで、制御用コイル3から内蔵抵抗9A、9Bを介する第1の帰還ループ回路をコモンモードフィルタFの外部で接続する構成である。
図6のコモンモードフィルタFにおいても、各信号用コイル1A、1Bおよび制御用コイル3の線路幅を10μmに、線路間スペースを20μmに設定し、10Gビット/秒向けとした場合の周波数特性を図8に示す。図8における枝番は下記の意味である。
枝番 −Short:制御端子5Cと7Cとの間を短絡
枝番 −GND :制御端子5C、7Cともに回路グラウンドへ接地
枝番 −Open :制御端子5C、7Cともに開放(未接続)
図8において、枝番−Shortは、制御用コイル3が、内蔵抵抗9A、9Bを直接介して第1の帰還ループ回路を形成するから、図1と同じ構成となり、その特性である図4の枝番−2と一致するはずであるが、結果は大きく異なる。
その理由は、図7の外形のコモンモードフィルタFを基板に実装した際に、制御端子5C、7Cは基板実装パッドにはんだ付けされ、基板実装パッド(図示せず。)と回路グラウンド間に形成されるパッド容量が、制御端子5C、7Cに接続されていることによる。その等価回路を図8のグラフの中に記載している。
これによりGHz帯のコモンモードノイズは、パッド容量を伝わって回路グラウンドに帰還する。
すなわち、図6の構成は特許文献1の構成に近い動作原理であると言える。ただし、特許文献1の構成によっては除去困難な2GHz以下のコモンモードノイズも除去可能となっており、特許文献1の構成から進歩したものとも言える。
なお、図8における枝番−Shortでは、パッド容量は0.25pFとしているが、パッドどうしが電気的に接続されているので、パッド容量も並列接続されて合計0.5pFとして機能する。
図8の枝番−GNDは、制御端子5C、7Cが回路グラウンドに電気的に直接接続されている構成であり、第1の帰還ループ回路の経路として回路グラウンドを用いると同時にコモンモードノイズの回路グラウンドへの帰還経路も形成するものである。枝番−Shortより特許文献1の動作原理に近いものであるが、枝番−Short同様2GHz以下のコモンモードノイズも除去可能であり、特許文献1の構成から進歩したものと言える。
枝番−Openは、制御端子5C、7Cともに何も接続せず、開放状態で使う構成であるが、やはり搭載基板側のパッド容量0.25pFおよび1pFが接続され、これらのパッド容量を介して第1の帰還ループ回路が形成されるとともにパッド容量を伝わってコモンモードノイズが回路グラウンドに帰還する構成である。
パッド容量0.25pFの場合は、2.5G〜5GHzで他の枝番より若干コモンモードノイズの除去量が少ないが、図1の構成よりは除去量は多くなっており、パッド容量1pFの場合は、枝番−GNDとほぼ同じ特性で、この程度のパッド容量があると、GHz帯のコモンモード信号にとっては直接回路グラウンドに接続するのとほぼ同等であることが示されている。
ところで、図8の各符号Scc11を見ると、図4の符号Scc11よりも減衰が大きくなっており、反射量がより抑制されていることが分かる。
そこで、図5と同様に、入力電力を「100」とした場合の反射電力および内部での吸収電力の比率を図9に示す。図5と比較して、全ての枝番で吸収の比率が上がり、その分反射の比率が下がっており、コモンモードノイズを抵抗を介して回路グラウンドへ逃がすことの有効性が示されている。
なお、図示はしないが、図7の制御端子5C、7Cと回路グラウンドとの間に抵抗、インダクタンス又は抵抗とインダクタンスの直列接続回路や並列接続回路等を接続することも可能である。ただし、これによって大幅な特性改善となる訳ではなく、外付け部品が増える割に利点は少ない。
このように、図6に示すコモンモードフィルタFは、制御用コイル3の外周端が、第1の帰還ループ回路を形成するために外部帰還回路に接続される制御端子5Cに直接又は内蔵抵抗9Bを介して接続され、制御用コイル3の内周端が、外部帰還回路に接続される制御端子7Cに直接又は別の内蔵抵抗9Aを介して接続され、外部端子どうしを、例えば短絡回路や容量接続を介して第1の帰還ループ回路が形成されてなる。
このような構成のコモンモードフィルタFでも、外部の第1の帰還ループ回路を介し、広範囲にわたって、第1および第2の信号用コイル1A、1B間の磁気結合を制御可能で、コモンモードノイズの反射抑制、2GHz以下のコモンモードノイズ除去が可能である。
図10は、本発明に係るコモンモードフィルタFの別の実施の形態を示す分解斜視図である。
図1の構成では、信号用コイル1A、1Bとの間に制御用コイル3が入るため、磁場の通り道が塞がれ、信号用コイル1A、1Bとの間の磁気結合が弱まるという問題があった。
その問題を回避するために、図10の構成は、信号用コイル1Aと1Bとの間には制御用コイル3を配置せず、信号用コイル1Aの上側に誘電体層11Gを介して制御用コイル(第2の制御用コイル)3Aを配置し、信号用コイル1Bの下側に誘電体層11Hを介して制御用コイル(第3の制御用コイル)3Bを配置したものである。
すなわち、誘電体層11Aと11Eの間に図1の誘電体層11Bと同様な誘電体層11Gを配置するとともに図1の制御用コイル3と同様な制御用コイル3Aを形成して制御用コイル3が省略され、誘電体層11Bと11Dの間に同様な誘電体層11Hを配置するとともに、図1の制御用コイル3と同様な制御用コイル3Bが形成されている。
さらに、制御用コイル3Aの両端が、誘電体層11Fのビア21E、21Fを介して誘電体層11Fに形成された抵抗接続パッド19C、19Dに接続されているとともに、抵抗接続パッド19C、19D間に内部抵抗9と同様な内蔵抵抗(第2の内蔵抵抗)9Bが形成されている。
制御用コイル3Bの両端が、誘電体層11Hのビア21C、21Dを介して誘電体層11Dに形成された抵抗接続パッド19A、19Bに接続され、抵抗接続パッド19A、19B間に内部抵抗9と同様な内蔵抵抗(第3の内蔵抵抗)9Aが形成されている。他の構成は図1とほぼ同様である。
図11は図10に示すコモンモードフィルタFの等価回路である。
図10の構成では、制御用コイル3Aおよび内蔵抵抗9B、制御用コイル3Bおよび内蔵抵抗9Aによって別々の第2、第3の帰還ループ回路を構成している。
ここでの注意点としては、誘電体層11Bを挟んで信号用コイル1Bおよび制御用コイル3B間で形成される容量と、誘電体層11Gを挟んで信号用コイル1Aおよび制御用コイル3A間で形成される容量とは同じ定数である必要がある。そのためには、誘電体層11Bと誘電体層11Gとは同じ厚さ、同じ材質であることが望ましく、制御用コイル3Aと3Bとが略同じ形状であることが必要である。
このような構成のコモンモードフィルタFにおいて、10Gビット/秒向けに設計した場合の電磁界シミュレーションによる周波数特性例を図12に示す。
上述したとおり、誘電体層11Bで形成される容量と、誘電体層11Gで形成される容量が同じ定数となるよう、信号用コイル1Aおよび制御用コイル3Aとの厚さ方向間隔は、信号用コイル1Bおよび制御用コイル3Bとの厚さ方向間隔と同じにしており、各コイル1A、1B、3A、3B全て線路幅が10μm、線路間スペースが20μmである。
従って、図1の構成に対する優位性を確認するためには、図3に示す枝番−2と図14との比較を行えば良い。
その結果、図10の構成の方が5GHzで約5dB程、コモンモードノイズ除去量が大きくなることがわかる。ただし、5dB改善するために層数を2層増やしていることになり、費用対効果を考えると、図1の構成は図12の構成に対して決して劣る訳ではないと言える。
このような図10に示すコモンモードフィルタFは、信号用コイル1A、bBおよび制御用コイル3A、3Bからなる構成において、信号用コイル1A、1B間の磁気結合を良好に保った状態で、制御用コイル3A、3Bによって信号用コイル1A、1B間の磁気結合を制御するとともに、コモンモードノイズの反射を抑制し、2GHz以下のコモンモードノイズを充分除去が可能である。
しかも、制御用コイル3A、3Bおよび内蔵抵抗9A、9Bを介して第2、第3の帰還ループ回路を形成するから、第2、第3の帰還ループ回路が誘電体層中にて構成可能となり、外部接続構成が簡素化される。
さらに、図10のコモンモードフィルタFにおいても、上述した構成と同様に、制御用コイル3A、3Bの外周端および内周端が、第2、第3の帰還ループ回路を形成するために外部帰還回路に接続される上述した制御端子(便宜上、第3、第4の外部端子とする。)5C、7Cに直接又は第2、内蔵抵抗9A、9Bを介して接続され、それら制御端子5C、7Cを介して第2、第3の帰還ループ回路が形成されれば、外部の第2、第3の帰還ループ回路を介し、広範囲にわたって、第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御、コモンモードノイズの反射抑制、2GHz以下のコモンモードノイズ除去が可能である。
図13は、本発明のコモンモードフィルタFの別の実施の形成を示す分解斜視図である。
図13の構成では、図10の構成に比べると、制御用コイル(第4、第5の制御用コイル)3Aと3Bの内周端どうしと外周端どうしをビア21C、21Dで並列接続し、制御用コイル3A、3Bの第4の帰還ループ回路も誘電体層11D上の内蔵抵抗(第4の内蔵抵抗)9を経由したものであり、誘電体層11Fとその上の電極パターンが不要となる。しかも、第4の帰還ループ回路が誘電体層11A〜11E中に形成されている。
この構成も、図12とほぼ同じ特性が得られる。ただし、上述したとおり、制御用コイル3A、3Bの外周端から誘電体層11Dへ接続するビア21C、21Dが、信号用コイル1A、1Bに接近してショートを起こさないよう、パターン設計に工夫が要求される。
図14は、図13に示すコモンモードフィルタFの等価回路図である。
上述した各構成で得られる効果も同様に得られることに変わりはない。
さらに、図示はしないが、制御用コイル3Aと3Bの内周端どうしをビア接続する一方、外周端どうしはビア接続せず、制御用コイル3Aの外周端と制御用コイル3Bの外周端との間を電気的に内蔵抵抗9を接続することで帰還ループ回路を構成する構成も考えられる。
この構成では、制御用コイル3Aから内蔵抵抗9に流入する電流と制御用コイル3Bから内蔵抵抗9に流入する電流との向きが逆のため、内蔵抵抗9の中で互いの電流が打ち消され、内蔵抵抗9での電力消費が発生せず、除去したノイズの反射低減は減少する。
図15は、本発明に係るコモンモードフィルタFの別の実施の形態を示す分解斜視図である。
図15に示すコモンモードフィルタFでは、誘電体層11Aに信号用コイル1Aが、誘電体層11Cに信号用コイル1Bが構成されているが、各誘電体層11A、11Cにおいて、1個の誘電体層内に点対称で配置され同一の2個のコイルの外周端どうしを接続して信号用コイル1A、1Bが形成されている。
信号用コイル1A、1Bにおいて、入力側となる内周端がビア21A、21Bに接続され、出力側となる内周端がビア21G、21Hに接続されている。
信号用コイル1Aと1Bとの中間位置の誘電体層11B上には、信号用コイル1A、1Bと同一形状の制御用コイル(第6の制御用コイル)3A、3Dが、これらも誘電体層11B内で点対称となるよう配置されている。ただし、制御用コイル3A、3Dの外周端どうしは接続されず、それぞれ独立してビア21C、21Eに接続されている。同様に内周端もビア21D、21Fに接続されている。
信号用コイル1Aの誘電体層11Aを介して上側に配置された誘電体層11Eには、制御用コイル3A、3Dと同一形状の制御用コイル3B、3Eが形成され、信号用コイル1Bの誘電体層11Cを介して下側に配置された誘電体層11Fには、制御用コイル3A、3Dと同一形状の制御用コイル3C、3Fが形成され、それらの外周端はビア21C、21Eに接続され、内周端はビア21D、21Fに接続されている。なお、図15の構成では、それら制御用コイル3A〜3Fを、便宜上、第6の制御用コイルとする。他の構成は、上述した図1,図6、図10、図13とほぼ同様である。
信号用コイル1A、1Bに接続されたビア21A、21Bは、最下層の誘電体11D上に配置された入力側信号引出し線15A、15Bに接続し、信号用コイル1A、1Bに接続されたビア21G、21Hは、誘電体11D上に配置された出力側信号引出し線17A、17Bに接続され、制御用コイル3A〜3Fに接続されたビア21C、21D、21E、21Fは、誘電体11D上に配置された制御用引出し線17C、15C、15D、17Dに接続されている。
制御用引出し線17C、15C、15D、17Dは抵抗接続パッドも兼ね、制御用引出し線15Cと17Cとの間には内蔵抵抗9Aが、制御用引出し線15Dと17Dとの間には内蔵抵抗9Bが接続されている。なお、図15の構成では、便宜上、それら内蔵抵抗9A、9Bを第5の内蔵抵抗とする。
これらの誘電体層11A〜11Fに加え、最上層に誘電体11Gを被せ、これらを積層・焼成し一体化されている。一体化後は側面に露出した各信号引出し線および制御用引出し線の断面を覆うように端子電極を形成し、図16に示すチップ形状のコモンモードフィルタFが構成されている。
図16において、制御端子5C、7Cは図15中の出力側引出し線15C、17Cに接続され、制御端子5D、7Dは図15中の出力側引出し線15D、17Dに接続されている。
制御端子5C、7Cに外部帰還回路(図示せず。)を接続し、制御端子5D、7Dに別の外部帰還回路(図示せず。)を接続し、第5の帰還ループ回路が別々に形成される。第5の帰還ループ回路を誘電体層11A〜11F中に形成することも可能である。
図17は図15の構成のコモンモードフィルタFの等価回路である。
図17から分かるように、制御用コイル3A〜3Fは、信号用コイル1A、1Bとの間の層に配置されるコイルに加え、信号用コイル1A、1Bの上下の層にも配置されるため、その分各誘電体層で形成される容量が増加する。これにより信号用コイル1A、1Bとで形成される差動信号すなわちノーマルモード信号に対する特性インピーダンスは低くなる。
一般的に、差動信号向けコモンモードフィルタの差動モード特性インピーダンスは90〜100Ωであるが、図15のコモンモードフィルタFはノーマルモード特性インピーダンスを50Ωとすることを目的としている。
その理由は、50Ωの同軸ケーブル(図示せず。)で微弱な信号を伝播させる際に、同軸ケーブルのシールド線には、大地を共通グラウンドとするコモンモード電流が流れ、ノイズとなることが問題視されるケースがあり、そのコモンモードを除去することを目的としているからである。その適用例の一つが磁気共鳴映像装置(MRI)である。
MRIでは、微弱な共鳴信号を検出するため、コモンモードノイズが問題となるが、磁性体を用いたコモンモードフィルタは磁場を乱すので使用できず、同軸ケーブルを巻いたバランや、格子型LC回路によってコモンモード電流を抑制している。
図15のコモンモードフィルタFは、そのようなバランに代わる磁性体不使用のコモンモードフィルタを提供するものであり、同図から分かるとおり、全層とも非磁性の誘電体層で構成されている。
このような構成で、全てのコイル1A、1B、3A〜3Eについて線路幅を50μm、線路間スペースを100μmとした場合の電磁界シミュレーションによる特性を図18に示す。ここで図16の入力端子5A、5B、出力端子7A、7Bには50Ωの同軸ケーブルが接続される。ここでも各枝番は制御端子3A〜3Fに対する接続状態を示している。
枝番−Open :全制御端子開放(未接続)
枝番−18pF :制御端子5C−7C間、5D−7D間ともに18pFの容量を接続
枝番−70pF :制御端子5C−7C間、5D−7D間ともに70pFの容量を接続
枝番−20pF/70pF :制御端子5C−7C間に20pF、5D−7D間に70pFの容量を接続
全制御端子開放時はブロードなコモンモード除去特性であるが、枝番−18pFの構成ではコモンモード除去ピークが128MHz付近となり、枝番−70pFの構成ではコモンモード除去ピークが64MHz付近となる。そして枝番−20pF/70pFでは64MHzと128MHzの両方のコモンモード除去ピークが得られている。
MRIにおいては、人体へ印加する局所強磁場の強さによって、人体から発生する共鳴周波数が決まり、標準的な磁場強度1.5テスラのMRIでは共鳴周波数64MHz、最新の磁場強度3.0テスラのMRIでは共鳴周波数128MHzである。
そして、本発明のコモンモードフィルタFは、これらの共鳴周波数でコモンモード除去ピークが最大となるような、MRI向けに最適な構成となっていることが分かる。
以上の説明では、各制御用コイルは、信号用コイル1A、1Bとの間の層にも、信号用コイル1A、1Bの上下の層にも配置したが、ノーマルモードインピーダンスを所望の値に設定できるのであれば、図1のように信号用コイル1A、1Bとの間の層だけに制御用コイルを配置することでも良く、図5のように信号用コイル1A、1Bの上下の誘電体層だけに制御用コイルを配置することでも良い。
また、図15では一つの誘電体層内に同一形状のコイルを点対称に2個配置したが、必ずしも点対称とする必要はない。
そもそも2個の構成にする必要もない。図15の実施例では、枝番−20pF/70pFのような2つの周波数でコモンモードノイズ除去ピークを形成する例を示すために2個の構成例を示した。
また、この2個のコイルは必ずしも同一誘電体内に配置される必要はなく、例えば図1や図6の構成を複数段、厚さ方向に重ねることも可能である。
さらに、上述した図1、図6、図10、図13および図15の構成も含めて、制御用コイルの導体にニクロムやタンタル等の抵抗率の高い金属を用いると、内蔵抵抗の値をその分減らすことも可能で、極端な例では、内蔵抵抗を「ゼロΩ」すなわち内蔵抵抗を省略して導体で接続する構成も可能である。
1A、1B 信号用コイル(第1、第2の信号用コイル)
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F 制御用コイル(第1〜第6の制御用コイル)
5A、5B 入力端子
5C、5D、7C、7D 制御端子(第1〜第4の外部端子)
7A、7B 出力端子
9、9A、9B 内蔵抵抗(第1〜第5の内蔵抵抗)
11A、11B、11C、11D、11E、11F、11G、11H 誘電体層
13A、13B カバー層
15A、15B 入力側引出し線
17A、17B 出力側引出し線
15C,15D、17C、17D 制御用引出し線
19A、19B、19C、19D 抵抗接続パッド
21A、21B、21C、21D、21E、21F、21G、21H ビア
F コモンモードフィルタ

Claims (10)

  1. 多層の誘電体層中にスパイラル状に形成され、一方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第1の信号用コイルと、
    前記誘電体層中に前記第1の信号用コイルに厚さ方向で重なるように前記誘電体層を介し対面してスパイラル状に形成され、他方の極性の前記差動信号線路に直列的に挿入接続されている第2の信号用コイルと、
    前記誘電体層中において前記第1および第2の信号用コイルとの間に前記誘電体層を介して挟まれるようスパイラル状に形成され、前記第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、前記第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する第1の制御用コイルと、
    前記誘電体層中に形成され、前記第1の制御用コイルの外周端又は内周端の少なくともいずれかに接続された第1の内蔵抵抗と、
    を具備し、
    前記第1の制御用コイルおよび前記第1の内蔵抵抗を介して第1の帰還ループ回路が形成されることを特徴とするコモンモードフィルタ。
  2. 前記第1の制御用コイルおよび前記第1の内蔵抵抗を介して前記誘電体層中にて前記第1の帰還ループ回路が形成されてなる請求項1記載のコモンモードフィルタ。
  3. 前記第1の制御用コイルの外周端は、前記第1の帰還ループ回路を形成するために外部帰還回路に接続されている第1の外部端子に直接又は前記第1の内蔵抵抗を介して接続され、前記第1の制御用コイルの内周端は、前記外部帰還回路に接続されている第2の外部端子に直接又は別の前記第1の内蔵抵抗を介して接続され、前記第1の外部端子および前記第2の外部端子を介して前記第1の帰還ループ回路が形成されてなる請求項1記載のコモンモードフィルタ。
  4. 多層の誘電体層中にスパイラル状に形成され、一方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第1の信号用コイルと、
    前記誘電体層中に前記第1の信号用コイルに厚さ方向で重なるように前記誘電体層を介し対面してスパイラル状に形成され、他方の極性の前記差動信号線路に直列的に挿入接続されている第2の信号用コイルと、
    前記誘電体層中において前記第2の信号用コイルとは反対側にて前記第1の信号用コイルとの間に前記誘電体層を介して対面しスパイラル状に形成され、前記第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、前記第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する第2の制御用コイルと、
    前記誘電体層中において前記第1の信号用コイルとは反対側にて前記第2の信号用コイルとの間に前記誘電体層を介して対面しスパイラル状に形成され、前記第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、前記第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する第3の制御用コイルと、
    前記誘電体層中に形成され、前記第2の制御用コイルの外周端又は内周端の少なくともいずれかに接続された第2の内蔵抵抗と、
    前記誘電体層中に形成され、前記第3の制御用コイルの外周端又は内周端の少なくともいずれかに接続された第3の内蔵抵抗と、
    を具備し、
    前記第2の制御用コイルおよび前記第2の内蔵抵抗を介して第2の帰還ループ回路を形成し、前記第3の制御用コイルおよび前記第3の内蔵抵抗を介して第3の帰還ループ回路が形成されることを特徴とするコモンモードフィルタ。
  5. 前記第2の制御用コイルおよび前記第2の内蔵抵抗を介し前記誘電体層中にて前記第2の帰還ループ回路が形成され、前記第3の制御用コイルおよび前記第3の内蔵抵抗を介して前記誘電体層中にて前記第3の帰還ループ回路が形成されてなる請求項4記載のコモンモードフィルタ。
  6. 前記第2の制御用コイルの外周端は、前記第2の帰還ループ回路を形成するために外部帰還回路に接続される第2の外部端子に直接又は前記第2の内蔵抵抗を介して接続され、前記第2の制御用コイルの内周端は、前記外部帰還回路に接続される第3の外部端子に直接又は別の前記第2の内蔵抵抗を介して接続され、前記第2および第3の外部端子を介して前記第2の帰還ループ回路が形成され、
    前記第3の制御用コイルの外周端は、前記第3の帰還ループ回路を形成するために外部帰還回路に接続される第4の外部端子に直接又は前記第3の内蔵抵抗を介して接続され、前記第3の制御用コイルの内周端は、前記外部帰還回路に接続される第5の外部端子に直接又は別の前記第3の内蔵抵抗を介して接続され、前記第4および第5の外部端子を介して前記第3の帰還ループ回路が形成されてなる請求項4記載のコモンモードフィルタ。
  7. 多層の誘電体層中にスパイラル状に形成され、一方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第1の信号用コイルと、
    前記誘電体層中に前記第1の信号用コイルに厚さ方向で重なるように前記誘電体層を介し対面してスパイラル状に形成され、他方の極性の前記差動信号線路に直列的に挿入接続されている第2の信号用コイルと、
    前記誘電体層中において前記第2の信号用コイルとは反対側にて前記第1の信号用コイルとの間に前記誘電体層を介して対面しスパイラル状に形成され、前記第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、前記第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する第4の制御用コイルと、
    前記誘電体層中において前記第1の信号用コイルとは反対側にて前記第2の信号用コイルとの間に前記誘電体層を介して対面して形成され、前記第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、前記第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する第5の制御用コイルと、
    前記誘電体層中に形成され、前記第4および第5の制御用コイルの外周端又は内周端の少なくともいずれかに接続された第4の内蔵抵抗と、
    を具備し、
    前記第4および第5の制御用コイルが並列接続されているとともに前記第4の内蔵抵抗を介して第4の帰還ループ回路が形成されることを特徴とするコモンモードフィルタ。
  8. 前記第4の制御用コイル、前記第5の制御用コイルおよび前記第4の内蔵抵抗を介し前記誘電体層中にて前記第4の帰還ループ回路が形成されてなる請求項7記載のコモンモードフィルタ。
  9. 多層の誘電体層中にスパイラル状に形成され、一方の極性の差動信号線路に直列的に挿入接続されている第1の信号用コイルと、
    前記誘電体層中に前記第1の信号用コイルに厚さ方向で重なるように前記誘電体層を介し対面してスパイラル状に形成され、他方の極性の前記差動信号線路に直列的に挿入接続されている第2の信号用コイルと、
    前記誘電体層中において前記第1又は第2の信号用コイルを挟むように前記誘電体層を介し対面してスパイラル状に形成され、前記第1の信号用コイルと同一方向に巻き線され、前記第1および第2の信号用コイル間の磁気結合を制御する複数の第6の制御用コイルと、
    前記誘電体層中に形成され、複数の前記第6の制御用コイルに接続された第5の内蔵抵抗と、
    を具備し、
    複数の前記第6の制御用コイルが並列接続されているとともに前記第5の内蔵抵抗を介して第5の帰還ループ回路が形成されることを特徴とするコモンモードフィルタ。
  10. 複数の前記第6の制御用コイルおよび前記第5の内蔵抵抗を介し前記誘電体層中にて前記第5の帰還ループ回路が形成されてなる請求項9記載のコモンモードフィルタ。
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