JPWO2015146827A6 - スキルミオンメモリ及びスキルミオンメモリを搭載した装置 - Google Patents
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Abstract
スキルミオン(S)を生成可能な薄層状の磁性体(12)と,磁性体の一面側に対向して設けられ磁性体に磁場を印加可能な磁場発生部(16)と,磁性体の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極(11)と、磁性体の延展方向であって第1非磁性金属電極と対向する位置において磁性体に接続された薄層状の第2非磁性金属電極(13)と,第1非磁性金属電極及び第2非磁性金属電極の間の抵抗を検出する抵抗検出部(15)とを備えることを特徴とするスキルミオンメモリ(100)を提供する。
Description
本発明は、スキルミオンメモリ、スキルミオンメモリ搭載CMOS−LSIデバイス、パーソナルコンピュータ、データ記録媒体、データ記録装置、携帯電話、スマートホン、デジタルカメラ、スティックメモリ、通信装置、画像記録装置、テレビジョン受像機、自走装置、飛行装置及び宇宙空間飛行装置に関する。
記憶容量の大容量化への要求はとどまることを知らない。画像素子の画素数は増大し、その要求する記憶量は1Mビット相当となり、さらに動画は1Gビットを超える情報量となっている。
これに対応して、記憶装置も記憶容量は1Tビットからさらに大容量化しつつある。またカメラやビデオカメラ等の撮像機器用のSDカードも大容量化している。
磁性体の磁気構造を記憶ビットとして利用する磁気素子は、大容量記憶装置としてその地位を確保してきた。磁気素子は、ナノスケールの磁気構造がその情報を電力消費することなく保持することができ、エレクトロニクスデバイスのメモリデバイスとして、その重要度はますます増している。
さらに近年、不揮発性メモリをシリコン基板上に作られたCMOSデバイスに搭載し、計算処理能力の飛躍的向上を目的とした磁気メモリCMOS混載デバイスの研究開発が精力的に行われている。
これは、CMOS回路で構成されたシリコンチップと不揮発性素子チップとの信号のやり取りに伴う、制御回路の省略、制御時間の短縮を目的としたもので、計算処理時間を飛躍的に向上させる技術である。
さらに、この研究開発は、無駄な回路部分への電力を遮断した超省電力デバイスの開発も目的としている。特に近年はCMOS−LSIデバイスの省電力化が重要な課題として浮上しており、待機電力の削減という課題を解決することの重要性は増している。
これらの技術が実現すると、これらの大容量メモリを搭載することで大規模情報が扱え、その応答(書き込み、読み出し、消去)は高速で、高機能かつ操作性に優れたヒューマンインターフェイスをもち、かつ、低消費電力のパーソナルコンピュータ、データ記録媒体、データ記録装置、携帯電話、スマートホン、デジタルカメラ、スティックメモリ、通信装置、画像記録装置、テレビ、自走装置、飛行装置、宇宙空間飛行装置等の実現が期待されている。
こうした状況下で、本願発明者らは、外部磁場のもとでカイラル磁性体にスキルミオン磁気構造をもつ材料を見出した。また、電流によりスキルミオンを駆動できることを見出し、この磁気構造体を用いた磁気素子を提案した(特許文献1)。
スキルミオンは中心部において印加された磁場に対して反平行の磁気モーメントを有し、周辺部においては印加された磁場に対して平行な磁気モーメントを有する、渦巻状の磁気構造を備えている。
スキルミオンは、直径が1〜100nmのナノスケールサイズの磁気構造を有し、膨大なビット情報を極細密化して記憶できる大容量記憶磁気素子として応用することが期待されている。また、スキルミオンは、このビット情報を直接転送し、情報演算や伝達に応用できる可能性をもつ磁気構造体でもある。
こうした特徴から、スキルミオン素子は、要求される記憶容量が増加の一途をたどるデータ記録媒体およびデータ記録装置用磁気メモリの性能限界にブレークスルーを与える次世代型磁気メモリデバイスの根幹を担うものとして期待されている。
特に磁気メモリは宇宙空間での各種の素粒子や放射線への耐性が強い。スキルミオンメモリも同じ特徴を有している。また、こうした大容量磁気メモリはモーターなどの回転機構を必要としない。そのため、大容量磁気メモリは宇宙空間におけるメモリの主役としての位置を占めると期待される。
一方で、最近メモリ媒体として浮上している電子を記憶ビットとして利用するフラッシュメモリはこのような環境には適さない。電子は高エネルギー素粒子や放射線でシリコン酸化膜のエネルギー障壁を簡単に乗り越え、データの消去や誤書き込みを発生させるからである。
また、大規模不揮発性スキルミオンメモリが大規模論理CMOS−LSIデバイスと同一チップ上で一体化されると、低消費電力型CMOSデバイスや高インテリジェント型CMOSデバイスにとって大変魅力的であるため、こうした技術を応用した高密度不揮発性スキルミオンメモリ混載CMOS-LSIデバイスの登場が期待されている。
こうした次世代型のメモリ磁気デバイスの他の候補としては、米国IBMを中心に磁気ドメイン壁を駆動してその磁気モーメント配置を電流で転送し、記憶情報を読み出すマグネチックシフトレジスタ1が提案されている(特許文献2参照)。
図9は、電流による磁気ドメイン磁壁駆動の原理を示す模式図である。互いに磁気モーメントの向きが相反する磁気領域の境界がドメイン磁壁である。矢印の向きの電流により磁気ドメイン磁壁が駆動される。ドメイン磁壁が移動することにより生じる、ドメインを構成する情報を記憶した磁気モーメントの向きによる磁気変化を、下部の磁気センサ2で検知して磁気情報を引き出す。
しかし、こうしたマグネチックシフトレジスタ1は、磁気ドメイン磁壁を動かす際に大きな電流を必要とし、また磁気ドメイン磁壁の転送速度が遅いという欠点を持っている。その結果、メモリの書き込みの遅延や消去に要する時間の長時間化という問題が生じている。
そこで、本願発明者は、磁性体中に発生するスキルミオンを記憶単位として使ったスキルミオン磁気素子を提案した(特許文献1参照)。この提案において本願発明者らは、スキルミオンを電流により駆動できることを示した。
従来、特定の形状をしたパーマロイなどの材料のエッジに磁気バブルを固定するとともに、磁界を回転させることにより、磁気バブルをエッジ上に動かしていた。すなわち、磁気バブルを用いた磁気素子メモリでは、常に回転磁界が必要となっていた。
これに対して、本願発明者らは、磁気バブルではなくスキルミオンを用いるとともに、これを回転磁界ではなく電流で直接駆動できることを示した。
このように、スキルミオンは電流による生成及び移動が可能であることから、磁気情報の生成、移動を制御できる磁気素子としての応用が期待されている。
このような磁気モーメントを情報の記憶単位として用いる磁気メモリでは、情報の読出しを磁気センサにより行うため、磁気モーメントを検知するセンサを必要とする。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特願2012−232324
[特許文献2]米国特許第6834005号
[非特許文献]
非特許文献1 永長 直人、十倉 好紀、"Topological properties and dynamics of magnetic skyrmions"、Nature Nanotechnology、英国、Nature Publishing Group、2013年12月4日、Vol.8、p899−911.
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特願2012−232324
[特許文献2]米国特許第6834005号
[非特許文献]
非特許文献1 永長 直人、十倉 好紀、"Topological properties and dynamics of magnetic skyrmions"、Nature Nanotechnology、英国、Nature Publishing Group、2013年12月4日、Vol.8、p899−911.
しかし、スキルミオンを生成可能な磁性体においてスキルミオンの有無を感知し、スキルミオンメモリの情報を読み出すことのできるセンサは存在しなかった。
そこで、本願発明者はスキルミオンを検知するスキルミオン用磁気センサの詳細を明らかにした上で、スキルミオンセンサによる高速読み込み機能を有するスキルミオンメモリを開発した。
この読み込み機能はメモリを構成する機能として必須のものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いて情報処理をする場合の不揮発性メモリに記憶されたOS用プログラムを読み出し、RAM(Random Access Memory)に格納するために必須の機能である。
読み出し機能はまた、膨大な情報を有するデータベースを扱う場合にも必須の機能である。この場合、読み出し速度は、情報処理速度の高速化に関わる決定的に重要な要素である。
すなわち、本願発明は、低消費電力かつ高速で、大容量の情報の読み出しを行うことのできるスキルミオンメモリ、スキルミオンメモリ搭載CMOS−LSIデバイス、およびスキルミオンメモリを内蔵したパーソナルコンピュータ、データ記録媒体、データ記録装置、携帯電話、スマートホン、デジタルカメラ、スティックメモリ、通信装置、画像記録装置、テレビジョン受像機、自走装置、飛行装置及び宇宙空間飛行装置の提供を目的とする。
本発明の第1の形態においては、スキルミオンを生成可能な薄層状の磁性体と、磁性体の一面側に対向して設けられ磁性体に磁場を印加可能な磁場発生部と、磁性体の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極と、磁性体の延展方向であって第1非磁性金属電極と対向する位置において磁性体に接続された薄層状の第2非磁性金属電極と、第1非磁性金属電極及び第2非磁性金属電極の間の抵抗を検出する抵抗検出部とを備えることを特徴とするスキルミオンメモリを提供する。
本発明の第2の形態においては、スキルミオンを生成可能な薄層状の磁性体と、磁性体の一面側に対向して設けられ磁性体に磁場を印加可能な磁場発生部と、磁性体の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極と、磁性体の表面に接触し第1非磁性金属電極と離間する位置において磁性体に接続された薄層状の第2非磁性金属電極と、第1非磁性金属電極及び第2非磁性金属電極の間の抵抗を検出する抵抗検出部とを備えることを特徴とするスキルミオンメモリを提供する。
本発明の第3の形態においては、スキルミオンを生成可能な薄層状の磁性体と、磁性体の一面側に対向して設けられ磁性体に磁場を印加可能な磁場発生部と、磁性体の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極と、磁性体の表面に形成された絶縁膜と、第1非磁性金属と離間する位置において絶縁膜上に形成された磁性体金属層と、磁性体金属層に接続された薄層状の第2非磁性金属電極と、第1非磁性金属電極及び第2非磁性金属電極の間の抵抗を検出する抵抗検出部とを備えることを特徴とするスキルミオンメモリを提供する。
第1から第3の形態のスキルミオンメモリは、第1非磁性金属電極及び第2非磁性金属電極を導通する電流回路を更に備え、抵抗検出部は、電流回路に接続され電流回路に流れる電流を検出してよい。
本発明の第4の形態においては、スキルミオンを生成可能な薄層状の磁性体と、磁性体の一面側に対向して設けられ磁性体に磁場を印加可能な磁場発生部と、磁性体の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極と、磁性体の延展方向であって第1非磁性金属電極と対向する位置において磁性体に接続された薄層状の第2非磁性金属電極と、磁性体の延展方向であって第1非磁性金属電極と第2非磁性金属電極の対向方向に略垂直な方向において磁性体に接続された薄層状の第3非磁性金属電極と、第1非磁性金属電極及び第2非磁性金属電極を導通する第1電流回路と、第2非磁性金属電極と第3非磁性金属電極間に発生する電圧を測定する手段とを備えることを特徴とするスキルミオンメモリを提供する。
第1から第4の形態のスキルミオンメモリにおいて、磁性体はカイラル磁性体、ダイポール磁性体、フラストレート磁性体、および、磁性材料と非磁性材料との積層構造のいずれかよりなってよい。
本発明の第5の形態においては、第1から第4のいずれかの形態のスキルミオンメモリとCMOS−LSIデバイスが同一チップ内に形成されていることを特徴とするスキルミオンメモリ搭載CMOS−LSIデバイスを提供する。
本発明の第6の形態においては、第1から第4のいずれかの形態のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とするパーソナルコンピュータ、データ記録媒体、データ記録装置、携帯電話、スマートホン、デジタルカメラ、スティックメモリ、通信装置、画像記録装置、テレビジョン受像機、自走装置、飛行装置および宇宙空間飛行装置を提供する。
上述した構成からなる本発明によれば、低消費電力かつ高速で大容量の情報の読み出しを行うことのできるスキルミオンメモリ、スキルミオンメモリ搭載CMOS−LSIデバイス、およびスキルミオンメモリを内蔵したパーソナルコンピュータ、データ記録媒体、データ記録装置、携帯電話、スマートホン、デジタルカメラ、スティックメモリ、通信装置、画像記録装置、テレビジョン受像機、自走装置、飛行装置及び宇宙空間飛行装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
磁気モーメントが螺旋構造をもつカイラル磁性体では、一様磁場下で、スキルミオンをもつ磁気相になる。図1は、磁性体中の磁気モーメントのナノスケール磁気構造体であるスキルミオンの一例を示す模式図である。図1において、矢印は磁気モーメントの向きを示している。
スキルミオンは、あらゆる向きを向く磁気モーメントで構成されている。磁性体中に印加される磁場の向きが図中上向きである場合に、最外周磁気モーメントは、その磁場の向きと同様に上向きで、かつ磁場と平行とされている。
スキルミオンは、その最外周から渦巻状に内側へ向けて回転していく平面形態とされ、これに伴って磁気モーメントの向きは徐々に向きを変えることとなる。
そしてスキルミオンの中心を構成する磁気モーメントは、磁場と反平行となるように、下向きで安定することとなる。
スキルミオンでは、磁気モーメントが中心から最外周に至るまで下向きから上向きに向きが連続的に遷移しつつ規則的に並ぶ結果、複数の磁気モーメントが渦のように規則的に並んだ構造をしている。中心の磁気モーメントと最外周の磁気モーメントの向きは反平行で、中心から外周の間に向きは連続的にねじれ、渦巻き構造を形成する。
ここで、磁性体中に渦巻くナノスケール磁気構造体は、スキルミオン数で特徴づけられる。スキルミオン数は、単位空間あたり何回磁気モーメントが渦巻くかを示す、以下の[数1]及び[数2]で表現される。[数2]において、磁気モーメントとの極角Θ(r)はスキルミオンの中心からの距離rの連続関数であり、rを0から∞まで変化させたとき、πからゼロもしくはゼロからπに変化する。
このようなスキルミオン数Nsk=−1の場合の一例を図2に示した。図2は、位相が異なるスキルミオンのシミュレーション結果の一例を示す図である。図2(E)は座標のとりかた(右手系)を示している。x軸、y軸に対してz軸は紙面の裏から手前の向きに取る。濃淡は磁気モーメントの向きを示している。矢印は磁気モーメントを示している。この図2に示す磁気構造体は、スキルミオンと定義される状態にある。
γは磁気モーメント間の位相を示している。図2では、異なる位相γの4例(A)〜(D)が示されている。
(A)γ=0に対して(B)γ=πのすべての磁気モーメントの向きは丁度180°回転した磁気モーメントの向きを持っている。この時の濃淡と磁気モーメントの向きは(E)での定義に対応している。
(C)γ=−π/2はγ=0のすべての磁気モーメントの向きに対し、−90度(右回りに90度)磁気モーメントの向きをとる。なお、図2(D)の位相λ=π/2のスキルミオンが、図1のスキルミオンに相当する。
すなわち、図2(A)〜(D)に図示した4例の磁気構造は異なるように見えるが、トポロジー的には同一の磁気構造体である。
このような構造を有するスキルミオンは、一度生成すると安定して存在し、外部磁場印加下のカイラル磁性体中で情報伝達を担うキャリアとして働く。
なお、磁性体が螺旋磁性を示すカイラル磁性体ではなく、ダイポール磁性体、フラストレート磁性体、或いは磁性材料と非磁性材料との積層構造からなるものであっても、上述したスキルミオン相をもつことができる。
ダイポール磁性体は、磁気双極子相互作用が重要な磁性体である。
フラストレート磁性体は、磁気不整合状態を好む磁気的相互作用の空間構造を含む磁性体である。
磁性材料と非磁性材料との積層を有する磁性体は、磁性材料の非磁性材料に接する磁気モーメントを非磁性材料のスピン軌道相互作用により変調した磁性体である。
次に、このようなスキルミオン数Nsk=−1のナノスケール磁気構造体であるスキルミオンが存在する場合にこれを読み取るセンサの実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図3は、第1実施形態に係るスキルミオンメモリ100を示す、(A)はスキルミオンSが生成していない状態を示す模式図、(B)はスキルミオンSが生成した状態を示す模式図である。
図3は、第1実施形態に係るスキルミオンメモリ100を示す、(A)はスキルミオンSが生成していない状態を示す模式図、(B)はスキルミオンSが生成した状態を示す模式図である。
本実施形態に係るスキルミオンメモリ100は、スキルミオンSの有無を磁性体12の抵抗を検出することで判定し、これによりスキルミオンメモリ100に記憶された情報の読み出しが行われる。
スキルミオンメモリ100は、磁気素子10、磁気素子10の下面側に設けられた磁場発生部16、磁気素子10に接続される電流回路17及び電流回路17に接続される電流検出部15を備えて構成されている。
磁気素子10は、厚さが500nm以下の薄層状に形成された素子であり、MBE(Molecular Beam Epitaxy)やスパッター等の技術を用いて形成されている。
磁気素子10は、薄層状の磁性体12と、磁性体12の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極11と、磁性体12の延展方向であって第1非磁性金属電極11と対向する位置において磁性体12に接続された薄層状の第2非磁性金属電極13と、を備えて構成されている。
磁性体12は、スキルミオンを生成可能なカイラル磁性体であり、FeGeやMnSi等よりなる。磁性体12は、印加される磁場強度が所定の磁場強度Hsk以下ではカイラル磁性相であり、磁場強度Hskより大きくなるとスキルミオン相になる。磁性体12は、さらに強い磁場強度Hfで強磁性相になる。
第1非磁性金属電極11及び第2非磁性金属電極13は、Cu、W、Ti、TiN、Al、Pt、Au等の導電性の非磁性金属よりなる。
磁場発生部16は、磁性体12の図3における下面側に対向して設けられ、磁性体12に対し矢印Mの向きで磁場を印加する。磁場発生部16は、上述した磁場強度Hfより大きい磁場を磁性体12に印加してよい。つまり、磁場発生部16は、磁性体12を強磁性相にする磁場を印加する。一度発生したスキルミオンは、強磁性相の磁性体12においても安定的に存在する。
電流回路17は、第1非磁性金属電極11及び第2非磁性金属電極13に接続されこれらを導通する。また、電流回路17は、スキルミオンメモリ100を各種機器に実装した際にはこれらの機器に内蔵されている電源である外部電源14と接続され、第1非磁性金属電極11及び第2非磁性金属電極13に電流を供給することができる。
電流検出部15は、電流回路17に接続され電流回路17に流れる電流を検出する。
本実施形態においては、第2非磁性金属電極13は、磁性体12の延展方向に接続されている。しかし、第2非磁性金属電極13の磁性体12への接続の態様はこれに限らず、第2非磁性金属電極13を、磁性体12に積層して接続する態様としてもよい。
上述したスキルミオンメモリ100への情報の記録は、スキルミオンSにより行われる。スキルミオンメモリ100ではスキルミオンSはビット情報として用いられていて、磁気素子10の磁性体12にスキルミオンSが存在する場合を1、存在しない場合を0としてデジタル情報が記録されている。
スキルミオンメモリ100は、こうした磁気素子10を1つ以上備えて構成され、メモリ容量に合わせて磁気素子10の数が調節される。
そして、スキルミオンメモリ100では、情報の読み出しは、磁性体12中のスキルミオンSの有無を検出することで行われる。
本実施形態では、こうした情報の読み出し時のスキルミオンSの有無の検出は、磁性体12を流れる電流Iを検出することで行われる。以下、本実施形態において行われる磁性体12の電流Iの検出によるスキルミオンSの有無の検出について説明する。
電流回路17に接続された外部電源14から第1非磁性金属電極11に電流Iが印加されると、電流Iは第1非磁性金属電極11から磁性体12を経て第2非磁性金属電極13へと流れていく。
また、磁場発生部16が磁気素子10の磁性体12に対して、矢印Mの向きに向けて磁場を印加する。カイラル磁性体は、磁場の印加がない場合の磁気モーメント配置が、磁気モーメントの進行の向きに対して螺旋上に回転する磁性体である。磁場を印加することにより、カイラル磁性体はスキルミオンを安定化する磁性体となる。
磁性体12の縦横のサイズはスキルミオンサイズ(すなわち、スキルミオンの直径)の2倍未満の大きさである。スキルミオンの直径λは、λ=2√2・πJ×a/Dで与えられる。aは磁性体12の格子定数であり、Dはジャロシンスキー・守谷相互作用の大きさで物質固有の物理常数であり、Jは磁性体12の磁気交換相互作用の大きさである。したがって、スキルミオン直径λは物質固有常数となる。スキルミオン直径λは非技術文献1に見るようにたとえばFeGeでは70nm、MnSiでは18nmである。
図3(B)はスキルミオンがある状態、すなわち1の情報が記録されている状態を示している。
磁性体中では、磁性イオンの磁気モーメントと伝導電子の磁気モーメントの間に、その向きが互いに平行な状態で安定化するように相互作用が働く。この相互作用のため、空間的に一様でない磁気構造を持つ磁性体では、伝導電子が磁性イオンの磁気モーメントにより散乱される。
第1非磁性金属電極11と第2非磁性金属電極13の間で電流Iを流すとき、図3(A)と(B)では磁性体12の磁気構造が異なるため、磁性イオンの磁気モーメントにより伝導電子が受ける散乱の影響が異なる。
伝導電子が受ける散乱の影響の違いは、電気抵抗の違いとして現れる。この電気抵抗の変化を電流の変化I'−Iとして検出することにより、上下の非磁性金属電極間のスキルミオンの有無を検出する。電流検出部15は、抵抗検出部として機能する。なお他の例においては、外部電源14が定電流を非磁性金属電極間に印加してよい。この場合、電流検出部15に代えて電圧検出部を有する。この場合、抵抗検出部は電気抵抗の変化を電圧の変化として検出する。図4以降の各例においても、抵抗検出部は、所定の電極間に定電圧を印加した状態で所定の電極間の電圧を測定してよく、所定の電極間に定電圧を印加した状態で所定の電極間の電流を測定してもよい。
電極間のサイズは数十ナノmである。したがって、スキルミオンの検出に要する時間はピコ秒オーダーであり、スキルミオンメモリ100に記憶されている磁気情報の読み出しはピコ秒オーダーで行われ、スキルミオンメモリ100の超高速応答を実現することができる。
実際にスキルミオンメモリ100を作成する場合には、ワード線の浮遊容量等に起因する信号遅延が発生するが、その遅延は普通のCMOS−LSIデバイスの信号遅延と同レベルに留まる。
この磁気メモリの読み出しの超高速化は大きなブレークスルーを起こす。例えば、ハードディスクの磁気情報の読み出しに使用されるTMR素子は説明したように自由磁性層のスピン回転を伴うことから数ナノ秒の時間を必要とする。電子浮遊ゲートに蓄える方式のフラッシュメモリは浮遊ゲートからの電位を感じてその閾値変化を読み取るが百ナノ秒は必要である。DRAMもキャパシターに蓄積された電荷から情報を読み出すが数ナノ秒は必要である。
一方、スキルミオンメモリ100の読み出し時間は、配線間の浮遊容量のみで決まることになり、ハードディスクはもちろん、フラッシュメモリより高速で、DRAMを凌駕する超高速の読み出し性能を可能にする。
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係るスキルミオンメモリ200を示す模式図である。図5は、図4のスキルミオンメモリ200を側面から見た状態を示す断面図である。
図4は、第2実施形態に係るスキルミオンメモリ200を示す模式図である。図5は、図4のスキルミオンメモリ200を側面から見た状態を示す断面図である。
第1実施形態の説明で述べたように、磁性体22にスキルミオンSが形成されると、磁性体22の抵抗が変化するとともに、電流Iも変化する。そのため、本実施形態に係るスキルミオンメモリ200は、磁性体22の電流を、磁性体22に形成されたスキルミオンSの中心部分より取り出し測定することで、スキルミオンSの存在の有無を検出し、情報の読み出しを行うことができる。
本実施形態に係るスキルミオンメモリ200は、磁気素子20、磁気素子20の下面側に設けられた磁場発生部26、磁気素子20に接続される電流回路27、磁気素子20に当接するコンタクトアーム24及び電流回路29を介してコンタクトアーム24に接続される電流検出部25を備えて構成されている。後述するように、コンタクトアーム24及び電流検出部25は、本実施形態における電流検出手段として機能する。
磁場発生部26及び電流回路27は、上述した第1実施形態における磁場発生部16及び電流回路17と同様である。
磁気素子20は、薄層状の磁性体22と、磁性体12の延展方向に接続された薄層状の非磁性金属電極23と、を備えて構成されている。
磁性体22は、スキルミオンを生成可能なカイラル磁性体であり、FeGeやMnSi等よりなる。
非磁性金属電極23は、Cu、W、Ti、TiN、Al、Pt、Au等の導電性の非磁性金属よりなる。
スキルミオンメモリ200の実装時には、電流回路27が外部電源28に接続され、非磁性金属電極23に接続された電流回路27を通じて磁気素子20に電流Iが印加されるようになっている。
コンタクトアーム24は、磁気素子20の磁性体22に生成するスキルミオンSが安定して存在する中心部から偏極した電流Iを取り出すための薄層状の非磁性金属により形成されている。コンタクトアーム24は、Cu、W、Ti、TiN、Al、Pt、Au等で形成されてよい。コンタクトアーム24は、電流回路29を介して電流検出部25に接続されている。
コンタクトアーム24の先端には、磁性体22の方向に突出する円筒状の突出部241が形成されている。突出部241はCu、W、Ti、TiN、Al、Pt、Au等の非磁性金属よりなる。
この突出部241により磁性体22に形成されたスキルミオンSの中心部分から電流Iを取り出し、コンタクトアーム24に導くことが可能となっている。
電流検出部25は、コンタクトアーム24から電流回路29を通じて導かれる電流Iに基づき磁性体22を流れる電流を検出する。
電流回路29はコンタクトアーム24と電流検出部25とを導通する。電流回路29は、Cu、W、Ti、TiN、Al、Pt、Au等の非磁性金属よりなる配線である。なお、コンタクトアーム24と電流回路29を単一の構成とし、コンタクトアーム24がそのまま配線として機能して電流検出部25に接続する態様としてもよい。
本実施形態に係るスキルミオンメモリ200の利点は、スキルミオンSの二次元面での位置を検知できることである。二次元面状に多数ビアホールアレイを配置すれば、二次元平面のどこにスキルミオンが存在しているかを電流の大きさに基づき検知することができる。
また、本実施形態に係るスキルミオンメモリ200を用いれば、スキルミオンSの検出を透過電子顕微鏡などの大掛かりな検査装置を用いずに行うことができる。スキルミオンメモリ200は、微細加工技術により製造することが可能である。現在の微細加工技術を用いれば、15nmレベルの分解能力(スキルミオンSの検出能力)を有するスキルミオンメモリ200を製造することができる。
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態に係るスキルミオンメモリ200'を示す模式図である。
図6は、第3実施形態に係るスキルミオンメモリ200'を示す模式図である。
図6に示すように、本実施形態に係るスキルミオンメモリ200'では、上述した第2実施形態に係るスキルミオンメモリ200とは異なり、磁性体22'とコンタクトアーム24'の突出部241'との間に絶縁膜243'が形成されている。また、突出部241'は、磁性体金属により形成されている。
突出部241'を構成する磁性体は、特定の向きに固定された磁気モーメントを持つ磁気固定層として機能する。この磁気固定層とスキルミオンを形成する磁性体22'との間に絶縁膜243'が形成されている。絶縁膜243'は3nm以下の膜厚を有する、酸化膜、窒化膜等の絶縁体薄膜である。
この絶縁膜243'を有する点と、突出部241'が磁性体金属により形成されている点以外は、本実施形態に係るスキルミオンメモリ200'は、上述した第2実施形態に係るスキルミオンメモリ200と同様の構成をしている。
本実施形態に係るスキルミオンメモリ200'は、スキルミオンSが存在する中心部から偏極した電流Iを取り出す方法である点では第2実施形態と同じであるが、絶縁膜を挟むことにより絶縁膜を通過するトンネル電流を測定する点で異なる。
この絶縁膜を透過する電流Iの透過確率は、それを挟む固定層である突出部241'を構成する磁性体の磁気モーメントの向きと、スキルミオンSができる磁性体22'の磁気モーメントの向きに依存する。
第1実施形態で述べた伝導電子の磁気モーメントと磁性イオンの磁気モーメントの間に相互作用が十分大きいとき、絶縁膜243'を挟む上下の磁性体の磁気モーメントのなす角をΘrとすると、流れる導伝率Gは[数3]で表すことができる。
[数3]
G=∫s|tr|2d2r
G=∫s|tr|2d2r
ここで、tr=t0cos(Θr/2)である。Sは絶縁膜243とスキルミオンSを形成する磁性体22'との接触面積である。
スキルミオンSを形成できる磁性体22'は、強磁性相で磁気モーメントは下から上に向いている。そして、固定層である突出部241'の磁性体の磁気モーメントも下から上に向いている場合(スキルミオンSが存在しない場合)、Θr=0であるからtr=t0となる。
この時のGの値をG0、磁性体22'にスキルミオンSが形成された状態におけるスキルミオンSの磁気モーメントをGskとすると、Gsk<G0である。この結果、伝導率比gは、g=(Go−Gsk)/G0となる。
このことから、G0とGskとの導伝率比g、もしくは差分を測定すれば、スキルミオンメモリ200'にスキルミオンSが形成されているか否かを感度良く検出することができ、スキルミオンメモリ200'に記憶されている情報を読み出すことができる。なお、差分の測定は、トンネル確率が絶縁膜を挟む磁気モーメント間のなす角に依存する性質を利用して行われる。
この実施例3において、磁性体22'は、強磁性体材料や反強磁性体材料との積層構造により形成されてもよい。
この場合の強磁性体材料としては、Fe、Co、Ni、Bの合金、マグネタイト、CrO2、RXMnO3-y(Rは希土類元素、Xはアルカリ土類元素)、NiMnSb、PtMnSb、ZnMnO、TiMnO、CdMnP2、ZnMnP2等が挙げられる。特にCo 70Fe30や(Co70Fe30)80No20等が望ましい。
また、反強磁性材料としては、FeMn、PtMn、PtCrMn、PtPdMn、NiMn、IrMn、NiO等が挙げられる。
また、絶縁材料としては、Al2O3、SiO2、MgO、AlN、AlON、GaO、Bi2O3、SrTiO3、AlLaO3等が挙げられる。
なお、固定層である突出部241'の磁気モーメントの向きは、上述した上から下ではなくてもよい。すなわち、この磁気モーメントの向きは、固定された向きであればよいが、上述した実施形態の説明においては説明を簡単にするために下から上とした。
本実施形態に係るスキルミオンメモリ200'の利点も、上述した第2実施形態に係るスキルミオンメモリ200と同様に、スキルミオンSの二次元面での位置を検知できることである。二次元面状に多数ビアホールアレイを配置すれば、二次元平面のどこにスキルミオンSが存在しているかを電流比により検知することができ、スキルミオンメモリ200'に記憶されている情報を読み出すことができる。
また、本実施形態に係るスキルミオンメモリ200'を用いれば、スキルミオンSの検出を透過電子顕微鏡などの大掛かりな検査装置を用いずに行うことができる。スキルミオンメモリ200'は、微細加工技術により製造することが可能である。現在の微細加工技術を用いれば、15nmレベルの分解能力(スキルミオンSの検出能力)を有するスキルミオンメモリ200を製造することができる。
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態に係るスキルミオンメモリ300を示す模式図である。
図7は、第4実施形態に係るスキルミオンメモリ300を示す模式図である。
本実施形態に係るスキルミオンメモリ300は、スキルミオンSの有無を磁性体32に発生するホール電圧を検出することで判定し、これによりスキルミオンメモリ300に記憶された情報の読み出しが行われる。
本実施形態に係るスキルミオンメモリ300は、磁気素子30、磁気素子30の下面側に設けられた磁場発生部36、磁気素子30に接続される電流回路37及び磁気素子30に電流回路39を介して接続された電圧検出部350を備えて構成されている。
磁場発生部36及び電流回路37は、上述した第1及び第2実施形態に係る磁場発生部16、26及び電流回路17、27と同様であり、スキルミオンメモリ300の各種機器への実装時には、電流回路37は外部電源38に接続可能となっている。
磁気素子30は、薄層状の磁性体32と、磁性体12の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極31と、磁性体32の延展方向であって第1非磁性金属電極31と対向する位置において磁性体32に接続された薄層状の第2非磁性金属電極33と、磁性体32の延展方向であって第1非磁性金属電極31と第2非磁性金属電極33の対向方向に垂直な方向において磁性体32に接続された薄層状の第3非磁性金属電極34と、を備えて構成されている。
磁性体32は、スキルミオンを生成可能なカイラル磁性体であり、FeGeやMnSi等よりなる。
第1非磁性金属電極31、第2非磁性金属電極33及び第3非磁性金属電極34は、何れもCu、W、Ti、TiN、Al、Pt、Au等の導電性の非磁性金属よりなる。
電圧検出部350は、電流回路39を介して第2非磁性金属電極及び第3非磁性金属電極34に接続され、磁性体32に発生するホール電圧の検出を行う。
電流回路39は、Cu、W、Ti、TiN、Al、Pt、Au等の非磁性金属よりなる配線である。
第1非磁性金属電極31と第2非磁性金属電極33との間にスピン偏極した電流Iを流すと、スキルミオンSはこれらの電極間を流れる電流Iの方向と垂直な方向にホール電圧を発生させる。
こうして発生するホール電圧の検出は、第2非磁性金属電極33及び第3非磁性金属電極34に接続された電圧検出部350により行われる。
そして、ホール電圧を検知することで、磁性体32中のスキルミオンSの有無が検知され、スキルミオンメモリ300に記憶されている情報の読み出しが行われる。
この方法は上述した第1実施委形態〜第3実施形態に係るスキルミオンメモリ100、200、200'と比較し、第3非磁性金属電極34を更に設ける必要があることから集積度を損なうリスクがある。
しかし、第1実施委形態〜第3実施形態に係るスキルミオンメモリ100、200、200'はいずれも電流変化を検知しているのに対し、本実施形態に係るスキルミオンメモリ300は電圧を検知することから感度が優れている。
上述した第1〜第4実施形態に係るスキルミオンメモリのうち何れの態様を採用するかは、スキルミオンが生成される磁性体のサイズや、生成するスキルミオンのサイズに基づき選択される。
第1〜第3実施形態に係る説明で示したように、2つの非磁性金属電極間の電流量を測定することによりスキルミオンの有無を検知し、スキルミオンメモリに記憶された情報を読み出すことができることが明らかになった。
また、第4実施形態に係る説明で示したように、対向する非磁性金属電極間に電流を流し、その電流と略垂直に発生するホール電圧を測定することによりスキルミオンの有無を検知し、スキルミオンメモリに記憶された情報を読み出すことができることが明らかになった。
なお、上述したカイラル磁性体を用いた各実施形態における結論は、定性的にはダイポール磁性体、フラストレート磁性体、磁性材料と非磁性材料との積層構造の何れを用いた場合においても変更をきたさない。
このように、本願発明は、スキルミオンの検知方法を示し、高速でスキルミオンの検知が可能になったことは、スキルミオンを用いたスキルミオンメモリ、スキルミオンメモリ搭載CMOS−LSIデバイス、およびスキルミオンメモリを内蔵した、パーソナルコンピュータ、データ記録媒体、データ記録装置、携帯電話、スマートホン、デジタルカメラ、スティックメモリ、通信装置、画像記録装置、テレビジョン受像機、自走装置、飛行装置、宇宙空間飛行装置等を実用化する上で大きなインパクトをもたらすと期待できる。
図8は、スキルミオンメモリ110を搭載した装置400の一例を示す模式図である。装置400は、スキルミオンメモリ110およびプロセッサ140等の処理部を備える。スキルミオンメモリ110は、図3から図7において説明したスキルミオンメモリ100、200、200'、300のいずれかである。処理部は、スキルミオンメモリ110との間でデータをやりとりする。処理部は、スキルミオンメモリ110から読み出したデータを処理してよい。
装置400としては、一例としてスキルミオンメモリ搭載CMOS−LSIデバイスである。この場合、処理部としてCMOS−LSIデバイスを設ける。CMOS−LSデバイスと、スキルミオンメモリ110の磁気素子は、同一チップ内に設けてよい。また装置400は、パーソナルコンピュータ、データ記録媒体、データ記録装置、携帯電話機、スマートフォン、デジタルカメラ、スティックメモリ、通信装置、画像記録装置、テレビジョン受像機、自走装置、飛行装置、または、宇宙空間飛行装置であってよい。
スキルミオンは、直径が1〜100nmとナノスケールのサイズを有する極微細構造であり、膨大なビット情報を極細密化できる大容量記憶磁気素子として応用することができる。
また、スキルミオンはこのビット情報を直接転送し、情報演算や伝達に応用できる磁気構造体であり、現在の情報演算として用いられているSiベースのCMOS微細化デバイスの限界をブレークスルーする次世代型デバイスの根幹を担うデバイスとして期待される。特に本発明によりスキルミオンの配置の検知方法が実現したことは、この実現性に大きく寄与する。
1 マグネチックシフトレジスタ
2 磁気センサ
10、20、20'、30 磁気素子
16、26、26'、36 磁場発生部
11、31 第1非磁性金属電極
12、22、32 磁性体
13、33 第2非磁性金属電極
23、23' 非磁性金属電極
24、24' コンタクトアーム
14、28、38 外部電源
15、25、25' 電流検出部
34 第3非磁性金属電極
100、110、200、200'、300 スキルミオンメモリ
140 プロセッサ
350 電圧検出部
400 装置
S スキルミオン
2 磁気センサ
10、20、20'、30 磁気素子
16、26、26'、36 磁場発生部
11、31 第1非磁性金属電極
12、22、32 磁性体
13、33 第2非磁性金属電極
23、23' 非磁性金属電極
24、24' コンタクトアーム
14、28、38 外部電源
15、25、25' 電流検出部
34 第3非磁性金属電極
100、110、200、200'、300 スキルミオンメモリ
140 プロセッサ
350 電圧検出部
400 装置
S スキルミオン
Claims (20)
- スキルミオンを生成可能な薄層状の磁性体と、
前記磁性体の一面側に対向して設けられ前記磁性体に磁場を印加可能な磁場発生部と、
前記磁性体の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極と、
前記磁性体の延展方向であって前記第1非磁性金属電極と対向する位置において前記磁性体に接続された薄層状の第2非磁性金属電極と、
前記第1非磁性金属電極及び前記第2非磁性金属電極の間の抵抗を検出する抵抗検出部と
を備えることを特徴とするスキルミオンメモリ。 - スキルミオンを生成可能な薄層状の磁性体と、
前記磁性体の一面側に対向して設けられ前記磁性体に磁場を印加可能な磁場発生部と、
前記磁性体の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極と、
前記磁性体の表面に接触し前記第1非磁性金属電極と離間する位置において前記磁性体に接続された薄層状の第2非磁性金属電極と、
前記第1非磁性金属電極及び前記第2非磁性金属電極の間の抵抗を検出する抵抗検出部と
を備えることを特徴とするスキルミオンメモリ。 - スキルミオンを生成可能な薄層状の磁性体と、
前記磁性体の一面側に対向して設けられ前記磁性体に磁場を印加可能な磁場発生部と、
前記磁性体の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極と、
前記磁性体の表面に形成された絶縁膜と、
前記第1非磁性金属と離間する位置において前記絶縁膜上に形成された磁性体金属層と、
前記磁性体金属層に接続された薄層状の第2非磁性金属電極と、
前記第1非磁性金属電極及び前記第2非磁性金属電極の間の抵抗を検出する抵抗検出部と
を備えることを特徴とするスキルミオンメモリ。 - 前記第1非磁性金属電極及び前記第2非磁性金属電極を導通する電流回路を更に備え、
前記抵抗検出部は、前記電流回路に接続され前記電流回路に流れる電流を検出することを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のスキルミオンメモリ。 - スキルミオンを生成可能な薄層状の磁性体と、
前記磁性体の一面側に対向して設けられ前記磁性体に磁場を印加可能な磁場発生部と、
前記磁性体の延展方向に接続された薄層状の第1非磁性金属電極と、
前記磁性体の延展方向であって前記第1非磁性金属電極と対向する位置において前記磁性体に接続された薄層状の第2非磁性金属電極と、
前記第1非磁性金属電極及び前記第2非磁性金属電極を導通する第1電流回路と、
前記磁性体の延展方向であって前記第1非磁性金属電極と前記第2非磁性金属電極の対向方向に略垂直な方向において前記磁性体に接続された薄層状の第3非磁性金属電極と、
前記第2非磁性金属電極と前記第3非磁性金属電極間に発生する電圧を測定する手段と、
を備えることを特徴とするスキルミオンメモリ。 - 前記磁性体はカイラル磁性体、ダイポール磁性体、フラストレート磁性体、および、磁性材料と非磁性材料との積層構造のいずれかよりなることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載のスキルミオンメモリ。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリとCMOS−LSIデバイスが同一チップ内に形成されていることを特徴とするスキルミオンメモリ搭載CMOS−LSIデバイス。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とするパーソナルコンピュータ。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とするデータ記録媒体。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とするデータ記録装置。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とする携帯電話。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とするスマートホン。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とするデジタルカメラ。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とするスティックメモリ。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とする通信装置。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とする画像記録装置。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とするテレビジョン受像機。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とする自走装置。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とする飛行装置。
- 請求項1から6の何れか1項記載のスキルミオンメモリを搭載したことを特徴とする宇宙空間飛行装置。
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---|---|---|---|
JP2014060150 | 2014-03-24 | ||
JP2014060150 | 2014-03-24 | ||
PCT/JP2015/058465 WO2015146827A1 (ja) | 2014-03-24 | 2015-03-20 | スキルミオンメモリ及びスキルミオンメモリを搭載した装置 |
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JP2016510296A Active JP6526628B2 (ja) | 2014-03-24 | 2015-03-20 | スキルミオンメモリ及びスキルミオンメモリを搭載した装置 |
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