JPWO2015146260A1 - 均一膜厚かつ矩形断面を有するパターン膜形成方法、形成装置 - Google Patents

均一膜厚かつ矩形断面を有するパターン膜形成方法、形成装置 Download PDF

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Abstract

パターンサイズに依存せずほぼ一定の膜厚を有し、かつパターンの断面形状が矩形であり、しかも、反転転写印刷法よりも高いインク使用効率が得られるパターン膜形成方法、形成装置を提供する。(ア)溶媒吸収性シリコーンゴムからなり、平滑な表面を有するブランケットにインクを塗布してインク膜を形成する工程、(イ)ブランケットの平滑な表面に形成されたインク膜に凸版を押し当てることで凸版の凸部にインク膜を転写させる工程、(ウ)凸版の凸部表面に転写したインク膜を被転写物に押し当てることでインク膜を被転写物表面に転写する工程、を含むパターン膜形成方法。

Description

本発明は、印刷によるパターン膜の作製方法に関し、特に、パターン幅の寸法によらずパターン膜厚がほぼ一定であり、その表面が平滑かつ断面形状が矩形状であるパターン膜の形成方法および形成装置に関する。
機能性材料をインク化して用い、印刷技術によって電子デバイスを製造する試みは、メタル配線形成のみならず受動素子およびアクティブ電子素子の新しい形成法として期待されている。印刷エレクトロニクス技術と呼ばれる本技術分野は、常圧かつ比較的低温のプロセスであるため、低エネルギーでかつ簡便にデバイス製造が可能であるとされており、注目が集まっている。
機能性インクとして代表的なものは、導電性金属からなる微粒子分散インク、有機半導体インク、酸化物半導体ゾルゲルインク、絶縁性高分子インク等が挙げられ、これらのパターン膜を複数層重ね合わせることでデバイスを形成する。ボトムゲート・ボトムコンタクト型薄膜トランジスタを例に挙げれば、(ア)導電性インクのパターニングによるゲート電極形成、(イ)塗布またはパターニングによるゲート絶縁膜形成、(ウ)導電性インクのパターニングによるソースおよびドレイン電極形成、(エ)有機半導体層のパターニングの順に印刷を行うことで形成することができる。
このように、全印刷層に後続層パターン膜を重ね合わせる必要があるため、インク層パターン膜の表面や断面形状が重要になる。また導電性パターン膜を用いる場合、断面形状によって高周波特性が影響されることが知られており、導電性膜の断面は矩形状であることが望ましい。
また、下層の上に後続層を重ね合わせる場合においては、後続層に含まれるインク溶媒が、下層と接することで、下層を構成する成分を溶解または変成させる等によって侵し、望ましい特性が得られなくなることがある。
上記機能性インクからなるパターン膜形成法として、これまで商業印刷で用いられてきた印刷技術の適用が試みられてきた。これまでに知られている代表的印刷手法には、スクリーン印刷、スクリーンオフセット印刷、インクジェット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、フレキソオフセット印刷、反転転写印刷(または反転オフセット印刷)、マイクロコンタクト印刷が挙げられる。これらの印刷技術は、流動性が高い状態のインクを被転写体(被印刷体)に転写することにより印刷を完了させる方法と、インク膜の弾性および粘性を高め、半乾燥状態になった後に転写を実施して印刷を完了する方法に大別することができる。
前者の流動性のあるインクを転写する方式には、スクリーン印刷、インクジェット印刷、凸版印刷、グラビア印刷が含まれる。一方、後者の半乾燥状態にあるインク膜を転写する方式には、グラビアオフセット印刷、フレキソオフセット印刷、反転転写印刷法、マイクロコンタクト印刷法が挙げられる。前者のうちスクリーン印刷とグラビア印刷は、パターンサイズによらずほぼ一定の膜厚パターンを得ることができるが、スクリーン印刷はメッシュ痕やスパイク等の望ましくない表面形状が印象され、またグラビア印刷では流動性のあるインクを印刷するために、かまぼこ状またはお椀型の断面形状を有するパターンが形成される。インクジェット印刷は吐出量によって膜厚を調整することができるが、同時にパターンサイズも変化してしまい、また、表面張力の作用によって、パターンの断面形状はかまぼこ状またはお椀型になる。凸版印刷は通常アニロックスロールを用いて流動性のあるインクを凸版にインキングするため、やはり、パターンサイズによって膜厚が変化してしまい、また、断面形状はかまぼこ状またはお椀型になる。このように、いずれの方式も、パターンサイズによらず一定膜厚でかつ矩形断面形状のパターンを得ることができない。
後者はいずれもブランケットを用いることによりインクの粘弾性を調整している。後者のうち、グラビアオフセット印刷とフレキソオフセット印刷は、まず凹版または凸版にインクを塗布し、必要なパターン部のみをブランケットに転写する。しかしながら、ブランケットに転写される時点のインクは流動性を有するため、表面張力によって、印刷されるインク膜パターンはかまぼこ状またはお椀状になる。さらにフレキソオフセット印刷では、形成されるパターンの膜厚がパターンサイズによって不均一になってしまう。マイクロコンタクト印刷法は、凸版自体が溶媒吸収性をもつシリコーン樹脂からなることが特徴であり、したがって転写膜は半乾燥状態になった後に転写されるものであるが、マイクロコンタクト印刷版へのインキングは、流動性のあるインクが塗布されるため、結果形成されるインク膜表面は曲面になり、またパターンサイズによって膜厚が変化してしまう。
一方、反転転写印刷法は、まずブランケットにインクを塗布し、半乾燥状態になった後に凸版とブランケットを当接させることで不要部分を除去し、その後ブランケットに残ったパターンを印刷する方法である(特許文献1参照)。このように、反転転写印刷法ではインク膜が均一膜厚でかつ半乾燥状態になってから不要部分を除去する方式であるため、パターンサイズによらず均一な膜厚で矩形断面パターンが得られる唯一の方法である。
凸版印刷においても、インク膜が塗布されたステンレス鋼製等の無終端ベルトに凸版を押し当てることによって半乾燥状態でインキングする方法も提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−56405号公報 特開2011−173266号公報 特開2011−37915号公報
反転転写印刷法では、上述のとおり、パターンサイズによらず均一な膜厚で矩形断面パターンが得られるものの、ブランケットおよび抜き版と呼ばれる凸版の両方を洗浄する必要がある。
また印刷時にはブランケットと被印刷体が直接接するため、印圧によってブランケットが変形し、転写されるパターンも変形し、所望のパターン寸法が得られない場合がある。さらに、抜き版によってブランケットからインク膜の不要部分を除去する工程において、抜き版へのインク膜の移行が不完全であった場合、不要部分が被印刷体に転写されることになり不良の原因となる。特に導電性インクを用いる場合、このような不良転写部分はマイグレーションの原因となりうる。
さらに、反転転写印刷法では、不要部分を抜き版に移行させる方式であるため、パターン領域の面積にかかわらず、一回の印刷につき、ブランケット全面に一様な塗布をするために必要なインク量を消費する。特に、ブランケットの表面積に対して必要なパターン領域の面積が小さい場合、インクの使用効率が悪くなってしまう。
一方、凸版印刷において、インク膜が塗布されたステンレス鋼製等の表面に彫刻を有する無終端ベルトに凸版を押し当てることによって半乾燥状態でインキングする方法では、通常のアニロックスロールと同様の表面に彫刻を有する無終端ベルトを利用してインクを保持してインキングする機構であることから、印刷パターン表面の凹凸が生じることが回避できない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、反転転写印刷と同等の矩形断面形状が得られること、反転転写印刷法よりも高いインク使用効率が得られること、パターン不要部分への意図しないインク転写が避けられること、および、パターンサイズによらずほぼ一定の膜厚を有するパターン膜形成ができること、を同時に達成することが可能な、パターン膜形成技術を提供することを目的とする。
凸版印刷は、均一で平滑なインク膜形成が困難であるとの理由から、印刷エレクトロニクス技術において注目されてこなかったが、本発明者は、インク使用効率を高くすることが可能で、かつ、パターン不要部分への意図しないインク転写がほとんど生起しない凸版印刷に着目し、均一で平滑なインク膜形成について、試験・研究を行ってきた。そのような試験・研究過程において、本発明者は、凸版印刷において、凸版凸部へのインキングに通常用いられる表面彫刻を有するアニックスロールや表面に彫刻を有する無終端ベルトを使用せずに、溶媒吸収性シリコーンゴムからなり、平滑な表面を有するブランケットを凸版の凸部へのインキングに使用することによって、パターンサイズによらず膜厚がほぼ一定で断面矩形状を有するパターン膜形成ができることを知見した。本発明は、このような本発明者独自の着目や知見に基づくものであり、本出願では、次のような発明が提供される。
<1>(ア)溶媒吸収性シリコーンゴムからなり、平滑な表面を有するブランケットにインクを塗布してインク膜を形成する工程、
(イ)ブランケットの平滑な表面に形成されたインク膜に凸版を押し当てることで凸版の凸部にインク膜を転写させる工程、
(ウ)凸版の凸部表面に転写したインク膜を被転写物に押し当てることでインク膜を被転写物表面に転写する工程、
を含むパターン膜形成方法。
<2>前記インクの溶媒が速乾性溶媒と遅乾性溶媒からなり、前記(ア)の工程において、ブランケットに塗布されたインク膜に含まれる速乾性溶媒の全部または大部分を、蒸発およびブランケットへの吸収によって消失させて、半乾燥状態の均一膜厚のインク膜を形成することを特徴とする、<1>に記載のパターン膜形成方法。
<3>前記(イ)、(ウ)工程の間に、インク膜を有する凸版を速乾性溶媒の蒸気雰囲気中に存在させる工程を含むことを特徴とする、<1>または<2>に記載のパターン膜形成方法。
<4>前記インクが導電性パターン膜形成用のものであることを特徴とする、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のパターン膜形成方法。
<5>溶媒吸収性シリコーンゴムからなり、少なくとも一部に平滑な表面を有するブランケットと、ブランケットの前記平滑な表面にインク膜を形成するインク膜形成手段と、所定パターンの凸部を有する凸版とを具備するパターン膜形成装置であって、該凸版の凸部表面は、半乾燥後のインク膜に押し当てられることにより該インク膜が転写されるとともに、該凸部表面に転写されたインク膜が被転写物に押し当てられることにより、被転写物表面に該インク膜が転写されるよう構成されたパターン膜形成装置。
また、本発明は、次のような態様を含むことができる。
<6>前記ブランケットの平滑な表面は、表面粗さRaが50nm以下であることを特徴とする、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のパターン膜形成方法。
<7>前記シリコーンゴムは、ポリジメチルシロキサンからなり、硬さが0.5〜50MPaであることを特徴とする<1>〜<4>、<6>のいずれか1項に記載のパターン膜形成方法。
<8>前記速乾性溶媒がエタノール、メタノール、1−プロパノール、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンから選択される1種または2種以上であり、前記遅乾性溶媒が水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、酸化プロピレンから選択される1種または2種以上であることを特徴とする、<1>〜<4>、<6>、<7>のいずれか1項に記載のパターン膜形成方法。
<9>速乾性溶媒の蒸気雰囲気であるチャンバーであって、転写されたインク膜を有する凸版を存在させるチャンバーを具備することを特徴とする、<5>に記載のパターン膜形成装置。
<10>前記ブランケットの平滑な表面は、表面粗さRaが50nm以下であることを特徴とする、<5>又は<9>に記載のパターン膜形成装置。
<11>前記シリコーンゴムは、ポリジメチルシロキサンからなり、硬さが0.5〜50MPaであることを特徴とする、<5>、<9>、<10>のいずれか1項に記載のパターン膜形成装置。
<12>前記インク膜形成手段が、スリット式コータ(キャップコータ、ギャップコータ、カーテンコータ等を含む)、スプレー式コータ、インクジェットコータから選択されるいずれかであることを特徴とする、<5>、<9>〜<11>のいずれか1項に記載のパターン膜形成装置。
本発明のパターン膜形成方法や形成装置によれば、不要な部分へのインク膜の転写が回避できるため歩留まりが高くできる。ブランケットからのインキングを複数回できることからインクの使用効率が高く、インク膜形成コストやインク膜具有デバイスの製造コストを削減することができる。ブランケットよりも硬い凸版によって印刷を行うため、パターンの変形を抑えることができる。たとえば、レジストインクのパターニングに用いることで寸法精度の高いレジストマスクが可能になる。パターンサイズによらずパターン膜の断面を後述の断面矩形度sが0.90以上の矩形状にすることができるので、たとえば導電性インクのパターンニングに用いることにより高周波特性を向上させることができる。
本発明の方法によれば、凸版と接触した部分以外のインク膜はブランケットに残るため、ブランケットに残ったインク膜のみに接するように凸版を押し当ててインキングすることにより、一回の塗布膜から複数回のインキングが可能になる。このため、パターン形状に合わせ、適宜インクの使用効率をあげることができる。
本発明では、ブランケット上の必要部分のみを凸版の凸部に転写するので、反転転写印刷法のように、ブランケット上の不要部分を凸版との当接で除去する際の工程不良に基づくパターン不要部分への意図しないインク転写は起こり得ない。
また、本発明では、半乾燥状態となり、流動性が抑えられたインク膜が凸版の凸部にインキングされて印刷されるので、印刷されるインク膜に含まれる溶媒による下層への悪影響を極力抑えることができる。
本発明の実施例によるパターン膜形成方法の各工程を示す概念図。(a)は、ブランケット(2)表面にインク膜(3)を形成する工程、(b)は、ブランケット(2)表面のインク膜(3)を凸版(4)の凸部表面に転写する工程、(c)は、凸版(4)凸部表面のインク膜(3)を被転写物(5)表面に転写する工程を示し、(d)は、インク膜(3)が転写された被転写物(5)と該転写後の凸版(4)を示す。 本発明の実施例1、比較例1によって形成されたパターン膜の膜厚プロファイルを示す図面。左図は本発明の実施例1、右図は比較例1を示す。(20)、(30)は、幅0.5mmのパターンの膜厚プロファイル、(21)、(31)は、幅1.0mmパターンの膜厚プロファイルを示す。 本発明の実施例2によって形成されたパターン膜の膜厚プロファイル(パターン幅は、それぞれ、1、2、4、8μm)を示す図面。 本発明の実施例3によって形成されたパターン膜の膜厚プロファイル(パターン幅は、それぞれ、1、2、4、8μm)を示す図面。 比較例2によって形成されたパターン膜の膜厚プロファイル(パターン幅は、それぞれ、1、2、4、8μm)を示す図面。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は凸版、ブランケット、インク、被転写物(以下、「被印刷体」とも言う。)を用いて実施されるものである。
凸版としては、樹脂製また金属製などを問わず、公知のものが挙げられるが、ブランケットからの受理および被印刷体への転写性に優れたものが好まれる。
凸版材質としては、ブランケットよりも弾性率が高く、ブランケットからインク膜を受理するときに、変形しにくいことが高解像度、高精度のパターンを形成する上で望ましい。さらに凸版の材質として要求されることとして、ブランケットから転写されるインク膜に含まれる残留溶媒によって膨潤しないことも高解像度、高精度のパターンを形成する上で望ましい。ブランケットと凸版とが当接する工程において、ブランケットまたは凸版自体の変形によって凸版の凹部がブランケットと接しない程度に凹凸部の段差が必要である。
被印刷体は、表面自由エネルギーが比較的高い材料であって、表面平滑性が高ければよく、ガラス、シリコンなどのケイ素化合物、固体金属、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミドなどが挙げられる。これらの被印刷体は、ポリテトラフルオロエチレンのような低表面自由エネルギー物質よりも好ましく用いることができる。
インクには反転転写印刷用組成物が好適に用いられる(たとえば特許文献3参照)。すなわち表面エネルギー調整剤として界面活性剤を含み、速乾性溶媒および、遅乾性溶媒を含み、さらにインク膜の機能性を発現する固形分を含むものである。前記インク膜の機能性を発現する固形分としては、特に制限がないが、導電性金属からなる微粒子、有機半導体、酸化物半導体及び絶縁性高分子等を用いることができる。前記インクは、導電性パターン膜形成用のものであることがより好ましい。
シリコーンゴムブランケット上における溶媒の損失速度vは、溶媒の蒸気圧および周囲環境によって規定される蒸発速度veおよびブランケットへの吸収速度vuの和で表される。
インクに使用する溶媒の蒸発速度veは、所定の周囲環境下において、たとえば、表面積Aaのシャーレに密度ρの当該溶媒を投入し、一定時間Δtにおける重量変化Δmから算出することができる。すなわち、
ve=(Δm/ρ)/(Aa・Δt)
より計算される。一方、溶媒の吸収速度vuは、表面積Abが既知のシリコーンゴム片を、密度ρの溶媒中に一定時間Δt浸漬させ、前記シリコーンゴム片の浸漬前後の重量変化Δmを測定し、浸漬時間Δt、表面積Ab、溶媒密度ρより
vu=(Δm/ρ)/(Ab・Δt)
から算出できる。ブランケットの溶媒吸収能の指標として、ブランケットへの吸収速度vuを用いることができる。
ブランケットへの塗布完了から凸版への転写までにかかる時間をt、インクを塗布した直後の膜厚、すなわちウエット膜厚をhとしたとき、ブランケットの単位面積当りの速乾性溶媒の損失速度vはh/t以上であり、遅乾性溶媒のそれはh/t未満であり、所望のhおよびtに対して、適宜溶媒を選定すればよい。たとえば、ウエット膜厚hが1μmであって、ブランケットへの塗布からブランケットと凸版が当接しインク膜の転写を行う工程までに要する時間tを1分とした場合、速乾性溶媒および遅乾性溶媒の損失速度vは、それぞれ1μm/min以上とそれ未満である。遅乾性溶媒の損失速度は0.1μm/min未満であることが好ましい。この例における速乾性有機溶媒としては、たとえばエタノール、メタノール、1−プロパノール、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、遅乾性溶媒には水やジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、酸化プロピレンなどが挙げられる。なお、たとえばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールノルマルプロピルエーテル、プロピレングリコールノルマルブチルエーテル、3メトキシ−3メチル−ブチルアセテート等の溶媒は高沸点でありveは小さいものの、ブランケットへの吸収速度vuが高いため、ここでいう遅乾性溶媒には分類されない点に注意が必要である。また、速乾性溶媒の全部または大部分(当初速乾性溶媒量の90重量%以上、好ましくは95重量%以上)が失われ、インク膜の成分が主として遅乾性溶媒とインク含有固形分のみからなる状態を半乾燥状態という。
さらに、ブランケット上でインクが撥かれないことが必要であり、通常はインクに界面活性剤を加えることで、これを回避できる。ただし、ブランケット上における溶媒の損失速度が撥水核成長速度よりも大きい場合は、界面活性剤を加えない場合においても、望ましい均一インク膜を形成することができる。
また、本発明におけるブランケットは、表面彫刻を有しないものであり、その表面粗さRa〔JISB0601−2001に準拠〕は、通常、Ra=50nm以下、好ましくはRa=10nm以下であり、Ra=10nm程度以下の場合、より良好な転写が可能である。また形成されるインク膜表面の平滑性をよくする上で、ブランケットの表面粗さは小さいほど望ましい(たとえば、Ra=5nm程度)。
なお、特許文献2に記載があるような、ベルトにステンレスを用い、乾燥機を利用してインク膜の粘度を上昇させる方法において、断面形状が矩形であるパターンの形成が可能であるかについて明確な主張がなく、また適用可能なインクの組成についての説明がないが、一般的に本発明による方法には以下のような利点がある。ステンレスの表面自由エネルギーはその表面汚染度によって大きく変化するものの、一般的には50mJ/m2と比較的高いため、インク膜を十分乾燥させた後ステンレスベルトからの凸版へのインク膜へ移行させることは困難である場合が多く、パターン不良の原因となる。乾燥の程度を抑え、粘度を大きく上昇させない場合は凸部への移行が可能であるが、その場合は、形成されるインク膜の断面形状はお椀型になる傾向がある。また、風、熱、真空排気による乾燥を用いる場合、インク膜の表面から乾燥が進行するため、凸版とインク膜の接着が十分に為されない場合が多く想定され、したがってパターン不良の原因になる可能性がある。一方、本発明による方法では、風、熱、真空排気等の特別な乾燥装置が不要であって、かつシリコーンゴムによる溶媒吸収能を利用することでインクの半乾燥状態を実現させるため、下記するように半乾燥状態の緻密な制御が可能であり、さらに適切な溶媒を選定することにより凸版へのインク膜の転写可能な時間的マージンを広範囲に設定することができる。また本発明による方法では表面に彫刻のないオフセット材料を用いるため、下記するように良好な表面平坦性を有するインク膜の印刷が実現できる。さらに本発明者は、有機溶媒を吸収したシリコーンゴム表面は、溶媒吸収前の表面と比較してその粘着性または剥離力が低下することを知見しており、この意味からも特許文献2に記載があるような印刷技術とは原理的に異なる転写メカニズムを利用するものである。したがって、材料を選択するにあたり、ブランケットに対し凸版の表面自由エネルギーが必ずしも高い必要はなく、表面自由エネルギーおよび溶媒吸収による上記効果の結果、凸版とインク膜界面間の粘着性が、ブランケットとインク膜界面間の粘着性よりも大きければよい。なお、凸版とインク膜界面間の粘着性と、ブランケットとインク膜界面間の粘着性との調節は、凸版および/またはブランケットに対する表面処理(例えば、VUV(真空紫外線)処理)によっても行うことができる。
本発明による方法におけるインク膜厚は、半乾燥状態におけるインク粘弾性率によって影響をうけるものの、概ね1μm以下であることが要求される。これは凸版によってインク膜の必要部分を受理する工程において、インク膜の破断を起こす必要があるためである。半乾燥状態にあるインク膜の破断点における歪みが大きければ大きいほど(すなわち、造膜性が高いほど)、凸部のみにインクを受理することが難しくなるためであり、このような場合は、インク膜厚を薄くする、または凸版の押圧を大きくする必要がある。破断が起こる時点における歪みは30%以下が望ましい。また、インク膜の貯蔵弾性率に比して損失弾性率が大きい場合(たとえば損失正接tanδが0.5以上)は、パターンの形状保持が難しくなる場合があるため、膜厚を薄くする必要がある。
ブランケット材料には溶媒吸収性シリコーンゴムが用いられ、主にポリジメチルシロキサンの架橋物が用いられる。ここで、ポリジメチルシロキサンの架橋物のメチル基は変性されていてもよい。シリコーンゴムの硬さは0.5MPaから50MPa程度が望ましい。
ブランケットの表面は、均一な厚みのインク膜が形成されるように、シート状ブランケットの場合には平坦に、ロール状ブランケットの場合には円筒状周面に形成され、しかも、表面粗さRaが50nm以下(好ましくは10nm以下)の平滑面に形成される。
印刷は、次のような工程で行われる。まず、スリット式コータ(キャップコータ、ギャップコータ、カーテンコータ等を含む)、スプレー式コータ、インクジェットコータ等の公知の塗布手段を用いてブランケット上にインクを塗布する。そして、好ましくは、ブランケットに塗布されたインク膜に含まれる速乾性溶媒の全部または大部分を、蒸発およびブランケットへの吸収によって消失させて、半乾燥状態になるまで待機する。待機時間はh/tによって規定され、適切な溶媒を選定することにより乾燥時間は数十秒以下から数分以上まで調整可能であるが、印刷の特性によって任意に変更してよい。
次に、ブランケットの平滑な表面に形成されたインク膜に凸版を押し当てることで凸版の凸部にインク膜を転写させる。好ましくは、ブランケット上で半乾燥状態となったインク膜に凸版を押し当てて、凸部にインクを受理する。このときの凸版とブランケットは密に当接すればよく、特段、長時間にわたって当接させる必要はない。また、本手法は表面自由エネルギーの差異および粘着性を利用した転写法であるため、特段に高い印圧は必要ないが、ブランケットと凸部を確実に密に当接させるために、数kPa以上の印圧を加えるのが望ましい。さらに凸部のみにインク膜を受理するために凸部の端部分でインク膜を破断させる必要があるため、上述したように、インク膜の造膜性が高い場合はより高い印圧を加える必要がある。ブランケットと凸版を構成する材料であっても、上に記載のとおり、適切な材料とインク溶媒を選択することにより、該ブランケットとインク膜間の剥離力は、該凸版とインク膜の剥離力よりも低くすることができる。
次に、インク膜を受理した凸版を被印刷体に押し当てることで、インク膜を被印刷体表面に転写することによってパターニングを完了する。このとき転写性が悪い場合は、被印刷体の親水化処理をすることによって、転写性を向上させることができる。
インク膜を受理した凸版を、被印刷体に押し当てることによってパターニングを行う前に、該凸版に対してインクに含まれる速乾性溶媒あるいは遅乾性溶媒(例えば、インク中の含有量が多い方の溶媒)、またはその化学的組成が近い溶媒の蒸気雰囲気下に存在させるか、または、該蒸気の気流を当てることにより該インク膜と該凸版間の付着力を低下させることができる。例えば、ブランケットの平滑な表面に形成されたインク膜に凸版を押し当てることで凸版の凸部にインク膜を転写させる工程と、凸版の凸部表面に転写したインク膜を被転写物に押し当てることでインク膜を被転写物表面に転写する工程との間に、インク膜を有する凸版を速乾性溶媒の蒸気雰囲気中に存在させる工程(蒸気アニールプロセス)を含めることができる。アニール時間は該溶媒の蒸気分圧(例えば0.2気圧以上、好ましくは0.5気圧〜1.0気圧、より好ましくは0.7〜1.0気圧)および温度(例えば室温以上、100℃以下、好ましくは室温以上70℃以下、より好ましくは室温以上50℃以下)によって適宜変更すればよく、一般的には1秒〜60秒の範囲であることが好ましい。該凸版から被印刷体への転写性が悪い場合は、この中間プロセスを適宜挿入することができる。なお、この蒸気アニールプロセスは、上述したようなインクの半乾燥状態の制御に基づく原理を利用したものである。
ブランケットおよび凸版はシート状であってもロール状であってもよく、したがって本パターニング法は枚様式であっても、ロール・ツー・シート方式であっても、ロール・ツー・ロール方式であってもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限定されない。
(材料)
導電性インクとして主溶媒であるエタノールに銀ナノ粒子が分散した顔料インク(DIC会社製ナノ銀インク)を用いた。ブランケット材料としてシリコーンゴム(信越化学性KE106を常温硬化させたもの)を用いた。凸版として日本電子精機製の樹脂凸版(JemFlex DGX170)を用いた。凸版は0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1mm幅のラインパターンを有している。本実施例にて使用したシリコーンゴムに対するエタノールの吸収速度vuは0.9μm/min程度であった。またエタノールの蒸発速度veは約10μm/minであった。
(印刷)
印刷は下記の手順により、PEテスター−100G(MHIソリューションテクノロジーズ株式会社製)を用いて行った。まず、ガラス製スリットコータを用いて、溶媒吸収性シリコーンゴムブランケット(2)の平滑な表面(表面粗さRa=5nm程度)にナノ銀インク(3)を一様塗布した〔図1(a)〕。その後、一定時間待機し溶媒の消失を待った後に、凸版(4)と当該インク膜を当接させることで凸版にインク膜を転写した〔図1(b)〕。つぎに、当該凸版をガラス板に当接させることでインク膜を被印刷体のガラス(5)に転写し〔図1(c)〕、印刷を完了した〔図1(d)〕。最後にオーブン中で加熱焼成することでガラス表面上のインク膜(3)を硬化させた。
比較例1
比較例1として、シリコーンゴムブランケットの替わりに、表面彫刻を有しない平滑なステンレス鋼製ブランケットを用い、ブランケット上へのナノ銀インク一様塗布後、一定時間待機する替わりに、常温ドライヤで3秒乾燥した以外は、上記実施例1と同様にしてガラス表面上のインク膜を硬化させた。
<実施例1、比較例1の評価>
触針式段差計(小坂製作所製Surfcorder ET4000L)を用いて、加熱焼成を行った当該インク膜パターンの膜厚を測定した。ラインパターン幅0.5mmと1.0mmの断面形状について、本発明の実施例1を図2の左図に、比較例1を図2の右図に示す。図2の左図より、本発明によって、膜厚がパターンサイズによらずほぼ一定であり、かつ断面形状が矩形であるインク膜のパターニングが可能となることが示された。一方、ステンレス鋼をブランケットとして用いた場合は、パターンサイズにより膜厚が大きく変化したし、良好な矩形断面形状を得ることもできなかった。
パターンの幅をw、パターンの最大膜厚をhmax、断面積をaとしたとき、a/(hmax×w)を断面矩形度sと定義する〔なお、パターンの平均膜厚をhavとすると、s=hav/hmax、である〕。断面矩形度sは完全に四角形のときに最大値1をとり、sの値が下がるほど断面の矩形性が低下し、たとえば、断面が半円形状である場合、sはπ/4≒0.785である。
本発明の実施例1について、各ラインパターン幅wに対して形成されたパターンの最大膜厚hmaxと断面矩形度sを表1に示す。表1より、本発明では、断面矩形度s>0.9のパターン形成が可能であることがわかる。すなわち、ラインパターン幅によらずほぼ一定膜厚(全てのパターン幅の断面矩形度平均値に対する各パターン幅の断面矩形度の差が15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは6%以下)が得られることがわかった。なお、本実施例1においてパターンの最大膜厚はパターン幅に対して最大70nm変化したものの、これは本実施例1で用いたコータによって塗布される塗布膜厚精度以内に入っており、本発明による方法によって悪化したものではない。製造時に要求される精度に応じて適切なコータ方式を用いることで適宜改善できる。
Figure 2015146260
(実施例2及び3の材料)
導電性インクとして主溶媒であるエタノールに銀ナノ粒子が分散した顔料インク(DIC会社製ナノ銀インク)を用いた。ブランケット材料と凸版材料として3種類の信越化学製KE106の調整品であるシリコーンゴムA、BおよびC、ならびに、VUV(真空紫外線)処理したシリコーンゴムBを用いた。Owens-Wendt法によって推定された表面自由エネルギーは、それぞれ16.4、12.7、8.6、49.9mJ/m2であった。また本実施例にて使用したシリコーンゴムに対するエタノールの吸収速度vuはすべて0.9μm/min程度であった。またエタノールの蒸発速度veは約10μm/minであった。凸版は1、2、4、8μm幅のラインパターンを有しているものを用いた。シリコーンゴム表面の親水化処理にはVUV処理装置(オーク製作所VUS−3150)を用い、酸素濃度0.1%以下の条件下で20秒間照射を行った。なお、ここで推定された表面自由エネルギーは水、ジヨードメタン、エチレングリコールをプローブ液体として用いて算出された値であり、表面付着性の相対評価のための指標として示したものであって、その絶対値の妥当性についてはここでは考慮しない。
(印刷)
実施例2では、上記材料のうち、シリコーンゴムBをブランケット材料として用い、VUV処理したシリコーンゴムBを凸版材料として用いた場合の、凸版へのインク膜の受理の可否、および凸版に受理されたインク膜のガラス基板への受理の可否を検討した。
まず、ガラス製スリットコータを用いて、溶媒吸収性シリコーンゴムブランケットの平滑な表面(表面粗さRa=5nm程度)にナノ銀インクを一様塗布した。その後、一定時間待機し溶媒の消失を待った後に、凸版と当該インク膜を当接させることで凸版にインク膜を受理した。つぎに、当該凸版をガラス板に当接させることでインク膜を被印刷体のガラスに転写し、印刷を完了した。インクパターンが転写されたガラス基板をオーブン中で加熱焼成することでインク膜を硬化させた。
なお、実施例2において述べなかった材料及び印刷の条件については、実施例1と同様にしてガラス表面上のインク膜を形成させた。
比較例2
比較例2として、シリコーンゴムブランケットを用いずに、シリコーンゴムBからなる凸版にナノ銀インクをバーコータで一様に塗布した後、上記実施例2と同様にしてガラス表面上のインク膜を形成させた。
シリコーンゴムBおよびCをブランケット材料として用い、シリコーンゴムAを凸版材料として用いた以外は実施例2と同様にして、凸版へのインク膜の受理の可否、および凸版に受理されたインク膜のガラス基板への受理の可否を検討した。
実施例2及び3の結果を表2に示す。表2より、実施例2及び3のすべての組み合わせにおいて、1、2、4、8μm幅のラインパターンの印刷ができた。
Figure 2015146260
<実施例2,3、比較例2の評価>
触針式段差計(小坂製作所製Surfcorder ET4000L)を用いて、加熱焼成を行った当該インク膜パターンの膜厚を測定した。ここではシリコーンゴムBからなるブランケットと、シリコーンゴムBに20秒間VUV処理を行った凸版の組み合わせ(実施例2)と、シリコーンゴムCを用いたブランケットと、シリコーンゴムAを用いた凸版の組み合わせ(実施例3)の2通りの実験について、それぞれのパターンの断面プロファイルを図3、図4に示す。どちらの条件においても、本発明によって、膜厚がパターンサイズによらずほぼ一定であり、かつ断面形状が矩形であるインク膜のパターニングが可能となることが示された。すなわち、ブランケットと凸版が同一材料であってもVUV処理を行うことにより本発明に係るパターン膜形成が良好に行えること(実施例2)、および、ブランケットと凸版として組成の異なる(表面エネルギーの異なる)材料を用いても本発明に係るパターン膜形成が良好に行えること(実施例3)がわかった。
一方、比較例2として、シリコーンゴムBからなる凸版に直接バーコータにてインキングした後ガラスに転写したときの、パターンの断面プロファイルを図5に示す。図5より、パターンサイズにより膜厚が大きく変化し、良好な矩形断面形状を得ることもできなかった。とくにパターン幅が小さくなるにつれて膜厚が低下し、良好な導通性能が担保されないことがわかった。
実施例3のうち、シリコーンゴムBからなるブランケットから、シリコーンゴムAからなる凸版に転写したインク膜について、該シリコーンゴムAと該転写インク膜の界面における剥離力を剥離速度100mm/min、剥離角度45度で測定したところ、6.9N/mであった。これに対し、上記の方法でインク膜を転写した該凸版を、大気に対し50℃でエタノール蒸気を飽和させたチャンバー内に20秒静止した後、上記と同様な方法で剥離力を測定したところ、3.2N/mであった。また、本プロセスを用いることにより、凸版から被印刷体への転写性が向上することが確認された。
本発明のパターン膜形成方法やパターン膜形成装置によれば、パターン幅に拘わらずほぼ均一な膜厚で、かつ、断面形状が矩形状(断面矩形度が0.90以上)のパターン膜が得られるので、電極膜、配線膜、絶縁膜等の各種のパターン膜の形成に用いることができるし、また、このような各種の膜を順次積層して形成することにより、各種デバイスの製造にも用いることができる。
紫外線照射等の親水化処理を用いることで、ブランケットと凸版の材料のどちらにも同じシリコーンゴムを用いることができ、材料調達・管理が容易になる。
1 ロール胴
2 ブランケット
3 インク(インク膜)
4 凸版
5 被印刷体(被転写体)
20 幅0.5mmパターンの膜厚プロファイル(本発明の実施例1)
21 幅1.0mmパターンの膜厚プロファイル(本発明の実施例1)
30 幅0.5mmパターンの膜厚プロファイル(比較例1)
31 幅1.0mmパターンの膜厚プロファイル(比較例1)
41 幅1μmパターンの膜厚プロファイル(本発明の実施例2)
42 幅2μmパターンの膜厚プロファイル(本発明の実施例2)
43 幅4μmパターンの膜厚プロファイル(本発明の実施例2)
44 幅8μmパターンの膜厚プロファイル(本発明の実施例2)
51 幅1μmパターンの膜厚プロファイル(本発明の実施例3)
52 幅2μmパターンの膜厚プロファイル(本発明の実施例3)
53 幅4μmパターンの膜厚プロファイル(本発明の実施例3)
54 幅8μmパターンの膜厚プロファイル(本発明の実施例3)
61 幅1μmパターンの膜厚プロファイル(比較例2)
62 幅2μmパターンの膜厚プロファイル(比較例2)
63 幅4μmパターンの膜厚プロファイル(比較例2)
64 幅8μmパターンの膜厚プロファイル(比較例2)

Claims (5)

  1. (ア)溶媒吸収性シリコーンゴムからなり、平滑な表面を有するブランケットにインクを塗布してインク膜を形成する工程、
    (イ)ブランケットの平滑な表面に形成されたインク膜に凸版を押し当てることで凸版の凸部にインク膜を転写させる工程、
    (ウ)凸版の凸部表面に転写したインク膜を被転写物に押し当てることでインク膜を被転写物表面に転写する工程、
    を含むパターン膜形成方法。
  2. 前記インクの溶媒が速乾性溶媒と遅乾性溶媒からなり、前記(ア)の工程において、ブランケットに塗布されたインク膜に含まれる速乾性溶媒の全部または大部分を、蒸発およびブランケットへの吸収によって消失させて、半乾燥状態の均一膜厚のインク膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載のパターン膜形成方法。
  3. 前記(イ)、(ウ)工程の間に、インク膜を有する凸版を速乾性溶媒の蒸気雰囲気中に存在させる工程を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のパターン膜形成方法。
  4. 前記インクが導電性パターン膜形成用のものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン膜形成方法。
  5. 溶媒吸収性シリコーンゴムからなり、少なくとも一部に平滑な表面を有するブランケットと、ブランケットの前記平滑な表面にインク膜を形成するインク膜形成手段と、所定パターンの凸部を有する凸版とを具備するパターン膜形成装置であって、該凸版の凸部表面は、半乾燥後のインク膜に押し当てられることにより該インク膜が転写されるとともに、該凸部表面に転写されたインク膜が被転写物に押し当てられることにより、被転写物表面に該インク膜が転写されるよう構成されたパターン膜形成装置。
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