JP2013194123A - オフセット印刷ブランケット用洗浄液およびオフセット印刷ブランケットの洗浄方法ならびに表示装置の製造方法および印刷物の製造方法。 - Google Patents
オフセット印刷ブランケット用洗浄液およびオフセット印刷ブランケットの洗浄方法ならびに表示装置の製造方法および印刷物の製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高精細なパターニングで印刷を行うことができるインキ組成物,印刷方法および表示装置の製造方法を提供する
【解決手段】本技術のオフセット印刷ブランケット用洗浄液は、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む。
【選択図】図2
【解決手段】本技術のオフセット印刷ブランケット用洗浄液は、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む。
【選択図】図2
Description
本開示は、例えば有機EL(Electro Luminescence)表示装置の有機層の形成に用いるオフセット印刷ブランケット用洗浄液およびそれを用いたオフセット印刷ブランケットの洗浄方法ならびに表示装置の製造方法および印刷物の製造方法に関する。
情報通信産業の発達の加速に伴い、高性能な表示素子が要求されている。例えば有機EL表示素子は、自発発光型であり視野角の広さ、コントラストおよび応答速度の点において優れている。
有機EL素子を画素として含む有機EL表示装置では、発光層等を構成する有機層は真空蒸着法等の乾式法や溶液を塗布する湿式法によって形成されている。湿式法の一例としては、スピンコーティング、インクジェット、ノズルジェット等の吐出系印刷法、あるいはフレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷等の有版印刷法がある。
有版印刷法の中でも反転オフセット印刷法は、ブランケットと呼ばれる中間転写体にインキ塗膜を形成したのち、凹版を接触させ、ブランケット上に残ったパターンをブランケットから被印刷基板に接触転写することで印刷を行うものである。このような反転オフセット印刷としては、ロール状のブランケットを用いたもの(例えば、特許文献1参照)や、平板状のブランケットを用いたもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
オフセット印刷において使用されるブランケットには、ブランケット上に形成されるインキ塗膜の高い離型性が求められる。具体的には、インク塗膜が形成されたブランケットと被印刷基板との接触時に、被印刷基板の接触領域内のインク塗膜が残存することなく被印刷基板へ転写される必要がある。このような離型性の良いブランケット材料としては、一般的にポリジメチルシロキサンをベース(主成分)としたシリコーンゴムが用いられている。
しかしながら、シリコーンゴム製のブランケットは非常に溶媒を吸収しやすく、膨潤状態を引き起こしやすい。このため、一度ブランケットに溶媒が吸収されると、ブランケットが再度使用可能になるまでの乾燥時間として多大な時間を要するという問題があった。この問題を解決するためにブランケットの加熱処理や真空乾燥処理工程が用いられるが、処理後に離型性が著しく低下し、再利用が困難になるという問題があった。また、オフセット印刷においては、本印刷の前に行うダミー印刷のパターンの除去やブランケット表面の洗浄のためにブランケットを洗浄液に浸す工程があり、印刷後の洗浄時と同様に、数日間放置してブランケットを完全に乾燥させる必要があった。
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、ブランケット洗浄後の乾燥時間を短縮することが可能なオフセット印刷ブランケット用洗浄液およびオフセット印刷ブランケットの洗浄方法ならびに表示装置の製造方法および印刷物の製造方法を提供することにある。
本技術によるオフセット印刷ブランケット用洗浄液は、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含むものである。
本技術によるオフセット印刷ブランケットの洗浄方法は、ブランケットを、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む洗浄液に浸漬させる工程を含むものである。
本技術による表示装置の製造方法は、基板上に表示素子を形成する工程において上記オフセット印刷ブランケットの洗浄液および洗浄方法を用いたものである。
本技術による印刷物の製造方法は、基板上にパターン層を形成する工程において上記オフセット印刷ブランケットの洗浄液および洗浄方法を用いたものである。
本技術のオフセット印刷ブランケット用洗浄液およびオフセット印刷ブランケットの洗浄方法ならびに表示装置の製造方法および印刷物の製造方法では、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であると共に、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を用いることにより、ブランケットへの溶媒吸収が抑制される。
本技術のオフセット印刷ブランケット用洗浄液およびオフセット印刷ブランケットの洗浄方法ならびに表示装置の製造方法および印刷物の製造方法によれば、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を用いるようにしたので、ブランケット洗浄後の乾燥時間を短縮することが可能となる。
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
1−1.オフセット印刷ブランケット用洗浄液
1−2.洗浄方法
1−3.有機EL表示装置の構成および製造方法
2.適用例
3.実施例
1.実施の形態
1−1.オフセット印刷ブランケット用洗浄液
1−2.洗浄方法
1−3.有機EL表示装置の構成および製造方法
2.適用例
3.実施例
<1.実施の形態>
(1−1.オフセット印刷ブランケット用洗浄液)
本開示の一実施の形態に係るオフセット印刷ブランケット用洗浄液は、有版印刷法によって発光層を形成する際の印刷前または印刷後における版の洗浄に用いるものである。有版印刷法、例えば反転オフセット印刷では、前述したように、ブランケット21にインキ塗膜(転写層22a)を形成した後、凹版(反転印刷用版23)を接触させ、ブランケット21上に残ったパターン(パターン層22b)をブランケット21から被印刷基板(基板11)に接触転写することで印刷を行う(いずれも図1,2参照)。本実施の形態では、この有版印刷法に用いる版上の異物や印刷残余物を除去する洗浄液について詳細に説明する。
(1−1.オフセット印刷ブランケット用洗浄液)
本開示の一実施の形態に係るオフセット印刷ブランケット用洗浄液は、有版印刷法によって発光層を形成する際の印刷前または印刷後における版の洗浄に用いるものである。有版印刷法、例えば反転オフセット印刷では、前述したように、ブランケット21にインキ塗膜(転写層22a)を形成した後、凹版(反転印刷用版23)を接触させ、ブランケット21上に残ったパターン(パターン層22b)をブランケット21から被印刷基板(基板11)に接触転写することで印刷を行う(いずれも図1,2参照)。本実施の形態では、この有版印刷法に用いる版上の異物や印刷残余物を除去する洗浄液について詳細に説明する。
図1,2は、反転オフセット印刷の工程の一例を表したものである。反転オフセット印刷は、まず、図1(A)に示したように基体上に軟質材料層(図示せず)を有するブランケット21を用意する。次いで、このブランケット21の軟質材料層上に、図1(B)に示したように、インキ組成物22を塗布する。続いて、スピンコート法により、図1(C)に示したようインキ組成物22からなる転写層22aを形成する。次に、図1(D)に示したように、この転写層22aに反転印刷用版23を押し当てる。
反転印刷用版23には、上述したように、一方の面に目的とするパターン(例えば、赤色発光層14CR、図7参照)に対応するパターンの凹部が設けられている。この反転印刷用版23の凹部と転写層22aとが対向するように反転印刷用版23とブランケット21とを接触させることにより、図2(A)に示したように、ブランケット21側に反転印刷用版23の凹部のパターンと同一パターンのインキ組成物22からなるパターン層22bが形成される。反転印刷用版23側には、凹部と逆パターン(凸部と同一パターン)のインキ組成物22からなる非印刷部22cが形成される。
続いて、図2(B)に示したように、被印刷基板(例えば、基板11、図5参照)を用意し、ブランケット21のパターン層22bと被印刷面とが対向するようにして位置合わせを行う。次に、図2(C)に示したように、ブランケット21に基板11を押し当てたのち、図2(D)に示したように、ブランケット21を基板11から引き離すことで基板11上にパターン層22b(第1パターン)が印刷される。この後、パターン層22bに加熱等の処理を施したのち、基板11上に次のパターン(第2パターン)を印刷する場合には、同一または新たなブランケット21を用い、同様の工程を経て印刷する。
本実施の形態におけるオフセット印刷ブランケット用洗浄液(以下、洗浄液Rとする。)は、例えば、上述したように同一のブランケット21を用いて基板11に第2パターンを印刷する場合のブランケット21の洗浄に用いるものである。また、例えば、ブランケット21に第1パターン用のインキ組成物を塗布する前に行うブランケット21の洗浄に用いるものである。洗浄液Rに用いる溶媒としては、洗浄するブランケット21を構成する材料および洗浄液Rによる被洗浄物(インキ組成物による有機膜)の組成によって適宜選択する。具体的には、ブランケット21の離型性を損なわず、且つブランケット21に吸収されにくく、更に有機膜に対して溶解性を有する溶媒を用いる。
ブランケット21は、前述のように有機膜の離型性の良いポリジメチルシロキサンを主成分としたシリコーンゴムによって形成されている。シリコーンゴム製のブランケット21は表面密度が低く、容易に溶媒が浸透しやすい(膨潤現象)。また、ブランケット21の表面に存在するポリジメチルシロキサンはほぼ極性を持たない。具体的には、双極子モーメントが0〜0.5と低く、極性の低い溶媒であるほど膨潤量が増える。
図3(A)は、シリコーンゴム製のブランケット21を各種双極子モーメントを有する溶媒に1分間浸漬させた場合の重量増加率(%)を表したものである。図3(B)は、シリコーンゴム製のブランケット21を各種双極子モーメントを有する溶媒に10分間浸漬させた後のブランケット21の膨潤率(%)を表したものである。図3(A),(B)から、ポリジメチルシロキサンと同程度の双極子モーメントを有する溶媒では、ブランケット21の1分後の重量増加率および10分後の膨潤率が著しく高いことがわかる。10分後の膨潤率は溶媒の双極子モーメントが高くなるに従って減少し、双極子モーメントが1.5付近で10%程度まで低下する。このことから、ブランケット21の洗浄液Rには、双極子モーメントが1.5以上の溶媒を用いることが好ましいといえる。また、10分後の膨潤率に加えて、1分後の重量増加率を合わせて判断すると、1.7付近でそれぞれ2%、10%以下となりほぼ一定となる。このことから、ブランケット21の洗浄液Rとしてより好ましい溶媒は、双極子モーメントが1.7以上の溶媒であることがわかる。
また、洗浄液Rには、ブランケット21における吸収率の低さの他に、ブランケット21上に残存するインキ組成物による有機膜の溶解性の高さが求められる。
インキ組成物は、目的とする対象物を構成する材料(溶質)と、この材料を溶解する溶媒とから構成されている。インキ組成物を構成する溶質としては、例えば有機EL表示装置1を構成する有機EL素子10の有機層14(図5参照)を形成する場合には有機材料を用いる。具体的には、インキ組成物の有機材料(溶質)としては、例えば分子量が5000以上のポリマーないしオリゴマーを用いることが好ましい。特に、発光層14Cを形成する際には、蛍光あるいは燐光発光を示すためπ共役系を分子内に有する有機発光材料が用いられる。
よって、洗浄液Rとしては、上記有機発光材料に対して優れた溶解性を有する溶媒を用いることが好ましい。溶解性に優れた溶媒としては、溶質との親和性の観点から双極子モーメントが所定の範囲を有する溶媒を用いることが好ましい。また、上述した蛍光あるいは燐光発光を示すためπ共役系を分子内に有する有機発光材料を用いる場合には、同様に溶質との親和性から分子骨格にπ共有結合を有する溶媒、具体的には酸素原子や窒素原子を有する溶媒を用いることが好ましい。
図4は各種溶媒におけるブランケット21上の有機膜の洗浄時間(棒グラフ)と洗浄後のブランケット21の膨潤率(%)(折れ線グラフ)との関係を表したものである。図4から、双極子モーメント0.4〜4.09を有する溶媒では、3分程度の浸漬でブランケット21上の有機膜は溶解され、除去されることがわかる。これに対して、π共役結合を有しないオクタン(双極子モーメント0)および双極子モーメントが高いジメチルスルホキシド(双極子モーメント4.3)やγ―ブチルラクトン(双極子モーメント4.12)ではブランケット21を10分以上浸漬させても有機膜を完全に溶解させることができなく、有機膜に対する溶解性が低いことがわかる。
なお、双極子モーメントが低い(例えば、1.2以下)キシレン,テトラリン,シクロヘキシルベンゼンおよびアニソールでは2分程度で完全に除去されたが、膨潤率が10%以上と高く、ブランケット21が完全に乾燥するまでに1時間以上を要した。一方、双極子モーメントが高い(例えば、1.7以上)1,3−ジメトキシベンゼン(約1.72),アセトフェノン(2.96)およびN−メチルピロリドン(4.09)ではブランケット21上の有機膜は3分程度で完全に除去され、更にブランケット21はほとんど膨潤していない。若干の膨潤率の上昇は表面に残った溶媒によるもので、エアー等で吹き飛ばすことで完全に除去することができる。
以上のことから、本実施の形態におけるオフセット印刷用ブランケットの洗浄液Rは、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であると共に、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を用いることが好ましいといえる。
図5は、シリコーンゴムブランケットに対し耐久性を減少させない代表的な溶媒の一例と、その双極子モーメントとを表したものである。上記範囲内の溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、4−ペンタノン、N−メチル−2−ピロリドンや、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。また、本実施の形態における洗浄液Rは、上記溶媒を単独で用いる他、数種類の溶媒を組み合わせても構わない。その際には、上記双極子モーメントの範囲外の溶媒を用いてもよい。
上記双極子モーメントの範囲外の溶媒としては、ブランケット21に対する洗浄液Rの広がりを良くするために、ブランケット21との接触角の低い溶媒を混合させることが好ましい。接触角の低い溶媒を用いることにより洗浄液Rの塗れ広がりが促進され、使用する洗浄液Rの総量が抑えられる。接触角が低い溶媒としては、例えば、テトラリンやアニソール等の溶媒が挙げられる。但し、ブランケット21に対して接触角の低い溶媒は双極子モーメントが低く、ブランケット21への溶媒吸収が高くなる傾向があるため単独溶媒では使用には適さない。したがって、上述したブランケット21に対して接触角の低い溶媒を混合する場合には、洗浄液Rの溶媒を50%以上含むことが望ましい。
(1−2.洗浄方法)
ブランケット21は、上述したようにブランケット21の表面を清浄に保つためおよび印刷時にブランケット21の表面に残った有機膜を除去するために、印刷工程の前後に上記洗浄液Rによって表面が洗浄される。具体的には、印刷前にブランケット21上に存在する塵芥等の異物を除去する場合には、洗浄液Rを吐出あるいは浸漬させた後、例えば回転式やエアナイフ等で溶媒を除去する。また、第1パターン印刷後、同一ブランケット21を用いて第2パターンを印刷する場合には、洗浄液Rにブランケット21を浸漬させたのち、洗浄液Rを常に供給した状態を保ちながら数分間(例えば5〜10分程度)継続して浸漬させる。ブランケット21の乾燥方法は、上述した方法と同様に回転式あるいはエアナイフ等で溶媒を除去する。本実施の形態では、洗浄液Rとしてブランケット21に吸収されにくい溶媒を用いるため、加熱処理や真空乾燥など複雑な乾燥方法が不要となる。
ブランケット21は、上述したようにブランケット21の表面を清浄に保つためおよび印刷時にブランケット21の表面に残った有機膜を除去するために、印刷工程の前後に上記洗浄液Rによって表面が洗浄される。具体的には、印刷前にブランケット21上に存在する塵芥等の異物を除去する場合には、洗浄液Rを吐出あるいは浸漬させた後、例えば回転式やエアナイフ等で溶媒を除去する。また、第1パターン印刷後、同一ブランケット21を用いて第2パターンを印刷する場合には、洗浄液Rにブランケット21を浸漬させたのち、洗浄液Rを常に供給した状態を保ちながら数分間(例えば5〜10分程度)継続して浸漬させる。ブランケット21の乾燥方法は、上述した方法と同様に回転式あるいはエアナイフ等で溶媒を除去する。本実施の形態では、洗浄液Rとしてブランケット21に吸収されにくい溶媒を用いるため、加熱処理や真空乾燥など複雑な乾燥方法が不要となる。
(1−3.有機EL表示装置の構成および製造方法)
図6は、本開示の一実施の形態に係る表示装置1の製造方法を表す流れ図であり、図7はこの製造方法により得られる表示装置1の断面構成の一例を表したものである。表示装置1は基板11の上にそれぞれ下部電極12,有機層14および上部電極15を順に有する赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10Gおよび青色有機EL素子10Bがマトリクス状に配置されたものである。この表示装置1は、図1,2に示した反転オフセット印刷によって赤色有機EL素子10Rの赤色発光層14CR、緑色有機EL素子10Gの緑色発光層14CGおよび青色有機EL素子10Bの青色発光層14CBを形成したものである。
図6は、本開示の一実施の形態に係る表示装置1の製造方法を表す流れ図であり、図7はこの製造方法により得られる表示装置1の断面構成の一例を表したものである。表示装置1は基板11の上にそれぞれ下部電極12,有機層14および上部電極15を順に有する赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10Gおよび青色有機EL素子10Bがマトリクス状に配置されたものである。この表示装置1は、図1,2に示した反転オフセット印刷によって赤色有機EL素子10Rの赤色発光層14CR、緑色有機EL素子10Gの緑色発光層14CGおよび青色有機EL素子10Bの青色発光層14CBを形成したものである。
(下部電極12を形成する工程)
まず、画素駆動回路(図示せず)が形成された基板11の全面に例えばITO(インジウムとスズの酸化物)よりなる透明導電膜を形成し、この透明導電膜をパターニングすることにより、下部電極12を赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bの各々ごとに形成する(ステップS101)。このとき、下部電極12は画素駆動回路の駆動トランジスタと接続させる。基板11には、例えば石英、ガラス、金属箔、もしくは樹脂製のフィルムやシートなどの公知のものを用いることができるが、石英やガラスを用いることが好ましい。下部電極12には、クロム(Cr),金(Au),白金(Pt),ニッケル(Ni),銅(Cu),タングステン(W)あるいは銀(Ag)等の金属元素の単体または合金、あるいはInZnO(インジウム亜鉛オキシド)、酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)との合金等の透明導電膜を用いてもよい。
まず、画素駆動回路(図示せず)が形成された基板11の全面に例えばITO(インジウムとスズの酸化物)よりなる透明導電膜を形成し、この透明導電膜をパターニングすることにより、下部電極12を赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bの各々ごとに形成する(ステップS101)。このとき、下部電極12は画素駆動回路の駆動トランジスタと接続させる。基板11には、例えば石英、ガラス、金属箔、もしくは樹脂製のフィルムやシートなどの公知のものを用いることができるが、石英やガラスを用いることが好ましい。下部電極12には、クロム(Cr),金(Au),白金(Pt),ニッケル(Ni),銅(Cu),タングステン(W)あるいは銀(Ag)等の金属元素の単体または合金、あるいはInZnO(インジウム亜鉛オキシド)、酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)との合金等の透明導電膜を用いてもよい。
(隔壁13を形成する工程)
次いで、下部電極12上および基板11上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法により、SiO2等の無機絶縁膜を成膜し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、隔壁13を形成する(ステップS102)。隔壁13は、下部電極12と上部電極15との絶縁性を確保すると共に発光領域を所望の形状にするためのものでもあるので、発光領域に対応して開口を設けるようにする。隔壁13を形成した後、基板11の表面(隔壁13および下部電極12が形成された側の面)に酸素プラズマ処理を行い、下部電極12の表面をクリーニングする。
次いで、下部電極12上および基板11上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法により、SiO2等の無機絶縁膜を成膜し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、隔壁13を形成する(ステップS102)。隔壁13は、下部電極12と上部電極15との絶縁性を確保すると共に発光領域を所望の形状にするためのものでもあるので、発光領域に対応して開口を設けるようにする。隔壁13を形成した後、基板11の表面(隔壁13および下部電極12が形成された側の面)に酸素プラズマ処理を行い、下部電極12の表面をクリーニングする。
(正孔注入層14Aおよび正孔輸送層14Bを形成する工程)
酸素プラズマ処理を行った後、下部電極12上および隔壁13上に有機層14のうち赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bに共通する正孔注入層14Aおよび正孔輸送層14Bをこの順に形成する(ステップS103,S104)。
酸素プラズマ処理を行った後、下部電極12上および隔壁13上に有機層14のうち赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bに共通する正孔注入層14Aおよび正孔輸送層14Bをこの順に形成する(ステップS103,S104)。
正孔注入層14Aおよび正孔輸送層14Bには、詳細は後述するが、例えば以下の材料を用いることができる。正孔注入層14Aの材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン、ポリキノキサリンおよびそれらの誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニン等)またはカーボン等を用いることができる。この他、オリゴアニリンあるいはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などのポリジオキシチオフェンを用いてもよい。また、エイチ・シー・スタルク製の商品名Nafion(商標)および商品名Liquion(商標)、日産化学製の商品名エルソース(商標)および綜研化学製の導電性ポリマーベラゾール等を使用することができる。
正孔輸送層14Bの材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレン、ポリアニリン、ポリシラン、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体あるいはポリピロール等の高分子材料を使用することができる。
(赤色発光層14CR,緑色発光層14CGおよび青色発光層14CBを形成する工程)
正孔輸送層14Bを形成した後、赤色有機EL素子10Rの赤色発光層14CR,緑色有機EL素子10Gの緑色発光層14CGおよび青色有機EL素子10Bの青色発光層14CBを反転オフセット印刷により形成する(ステップS105)。
正孔輸送層14Bを形成した後、赤色有機EL素子10Rの赤色発光層14CR,緑色有機EL素子10Gの緑色発光層14CGおよび青色有機EL素子10Bの青色発光層14CBを反転オフセット印刷により形成する(ステップS105)。
具体的には、上記反転オフセット印刷(図1,2)を用いて赤色発光層14CR(緑色発光層14CG,青色発光層14CB)を形成する。まず、上述したように、ブランケット21を上記洗浄液Rを用いて洗浄したのち、例えばエアナイフ等で溶媒を除去する。続いて、図1(A)に示したように基体上に軟質材料層を有するブランケット21を用意する。次いで、このブランケット21の軟質材層上に、図1(B)に示したように、インキ組成物22(例えば、まず赤色発光層14CR用のインキ)を塗布する。続いて、スピンコート法により、図1(C)に示したようインキ組成物22からなる転写層22aを形成する。なお、大気中で赤色発光層14CR,緑色発光層14CGおよび青色発光層14CBの形成を行うと、有機EL素子10R,10G,10Bの発光寿命を短縮してしまう虞があるので、窒素雰囲気下で印刷を行うことが好ましい。
このような赤色発光層14CR用のインキ組成物22からなる転写層22aをブランケット21上に形成した後、図1(D)に示したように、この転写層22aに反転印刷用版23を押し当てる。この工程ではブランケット21と反転印刷用版23とが平行となるように設置し、ブランケット21の背面側に圧力を加えることで均一にムラのない接触が可能となる。
反転印刷用版23には、上述したように、一方の面に目的とするパターン(例えば、赤色発光層14CR)に対応するパターンの凹部が設けられている。この反転印刷用版23の凹部と転写層22aとが対向するように反転印刷用版23とブランケット21とを接触させることにより、図2(A)に示したように、ブランケット21側に反転印刷用版23の凹部のパターンと同一パターン(例えば、赤色発光層14CRに対応するパターン)のインキ組成物22からなるパターン層22bが形成される。反転印刷用版23側には、凹部と逆パターン(凸部と同一パターン)のインキ組成物22からなる非印刷部22cが形成される。
次いで、図2(B)に示したように、正孔輸送層14Bまでが形成された基板11を用意し、ブランケット21のパターン層22bと正孔輸送層14Bとが対向するようにしてアラインメントを行う。ここでは、ブランケット21のパターン層22bは、赤色有機EL素子10Rに対応する位置に合わせる。続いて、図2(C)に示したように、ブランケット21に基板11を押し当てた後、図2(D)に示したように、ブランケット21を基板11から引き離すことで正孔輸送層14B上にパターン層22bが印刷される。この基板11上のパターン層22bを加熱し、溶媒を完全に除去することで、赤色発光層14CRが形成される。この後、上述したように、ブランケット21を上記洗浄液Rを用いて洗浄し、エアナイフ等で溶媒を除去させたのち、同様の工程を経て緑意と発光層14CGおよび青色発光層14CBをそれぞれ形成する。
赤色発光層14CR,緑色発光層14CGおよび青色発光層14CBの形成方法としては、他にもインクジェット法やノズルプリンティング法がある。しかしながらこれらの方法では、インキが乾燥するまでの間、形成予定領域に液体のインキを保持しておかなければならないため、本実施の形態の隔壁13を下部隔壁としてその上に上部隔壁を形成する必要がある。一方、反転オフセット印刷により赤色発光層14CR,緑色発光層14CGおよび青色発光層14CBを形成する場合には、インキを保持するための上部隔壁は不要となり、図5に示したような表示装置1の構造を簡略化することができる。また、上部隔壁によって赤色発光層14CR,緑色発光層14CGおよび青色発光層14CBが汚染されることもない。
インキ組成物22の溶質である有機材料、特に高分子材料は、赤色発光層14CR,緑色発光層14CGおよび青色発光層14CBを構成するものであり、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生する。この高分子材料として、例えばポリフルオレン系高分子誘導体や、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、あるいは上記高分子に有機EL材料をドープしたものが挙げられる。ドープ材料としては、例えばルブレン、ペリレン、9,10ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッドまたはクマリン6等を用いることができる。
また、インキ組成物22は上記高分子材料の他に低分子材料を含んでいてもよい。低分子材料を用いることにより、基板11にパターニングで赤色発光層14CR,緑色発光層14CGおよび青色発光層14CBを高精細に形成することができ、表示装置1の解像度を向上させることが可能となる。
詳細には、ブランケット21に転写層22aが形成された際(図1(C))、または後述のブランケット21から基板11(被印刷基板)へのパターン層22bの転写前(図2(A),(B))に、この低分子材料がインキ組成物22(転写層22a,パターン層22b)のブランケット21上でのフィルム化を抑える。このため、高精細なパターニングが可能となる。上記の高分子材料の立体配座は、濃度やスピンコートの条件により異なってくるが、インキ組成物22に低分子材料が含まれない場合、これらの高分子材料の分子同士が絡み合い易く、ブランケット21上で容易にフィルム化してしまうと推測される。低分子材料は、この高分子材料のフィルム化を抑制するため、基板11に精細なラインアンドスペース(ライン解像度)で赤色発光層14CRおよび緑色発光層14CGを形成することが可能となる。表示装置1において、この低分子材料は上記高分子材料と共に赤色発光層14CR,緑色発光層14CGおよび青色発光層14CBを構成する。
インキ組成物22の低分子材料は、低分子化合物が同じ反応または類似の反応を連鎖的に繰り返すことにより生じた高分子量の重合体または縮合体の分子からなる化合物以外のものであって、分子量が実質的に単一であるものを指す。また、この低分子材料は加熱による分子間の新たな化学結合は生じず、単分子で存在する。
このような低分子材料の重量平均分子量(Mw)は5万以下であることが好ましく、1万5千以下であることがより好ましい。これは、分子量の大きい、例えば5万以上の材料に比べてある程度小さい分子量の材料の方が多様な特性を有するため、溶媒への溶解度やインキの粘度等の条件を調整し易いためである。
また、高分子材料と低分子材料との比率は、高分子材料:低分子材料(重量比)=10:1以上1:2以下であることが好ましく、2:1以上1:2以下であることがより好ましい。高分子材料:低分子材料(重量比)が10:1未満では、低分子材料による効果が現れにくく、1:2を超える場合には、膜形成が困難になる虞があるためである。
このような低分子材料としては、例えば、ベンゼン、スチリルアミン、トリフェニルアミン、ポルフィリン、トリフェニレン、アザトリフェニレン、テトラシアノキノジメタン、トリアゾール、イミダゾール、カルバゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキサゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベンあるいはこれらの誘導体、またはポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物あるいはアニリン系化合物等の複素環式共役系のモノマーあるいはオリゴマーを用いることができる。
上記の具体的な低分子材料として、α−ナフチルフェニルフェニレンジアミン、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリン、金属ナフタロシアニン、ヘキサシアノアザトリフェニレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(F4−TCNQ)、テトラシアノ4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン、N,
N,N’,N’,−テトラキス(p−トリル)p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’,
−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール、4−ジ
−p−トリルアミノスチルベン、ポリ(パラフェニレンビニレン)、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(2,2’−チエニルピロール)などが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
N,N’,N’,−テトラキス(p−トリル)p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’,
−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール、4−ジ
−p−トリルアミノスチルベン、ポリ(パラフェニレンビニレン)、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(2,2’−チエニルピロール)などが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
なお、青色発光層14CBは、図8に示したように共通層として形成してもよい。その場合には、赤色発光層14CRおよび緑色発光層14CGを形成した後、蒸着法により赤色発光層14CR,緑色発光層14CGおよび正孔輸送層14Bの全面に青色発光層14CBを形成する。共通層となる青色発光層14CBの材料としては、例えば、ホスト材料としてのアントラセン化合物に、青色もしくは緑色の蛍光性色素のゲスト材料がドーピングを用いる。これにより、青色もしくは緑色の発光光を発生する。
また、青色発光層14CBを共通層とする際に赤色発光層14CRおよび緑色発光層14CGを構成するインキ組成物22に低分子材料を含有させることで、表示装置2の動作時に赤色発光層14CRおよび緑色発光層14CG上に積層された青色発光層14CBから、各発光層14CR,14CGへの正孔および電子の注入効率を向上させることができる。つまり、赤色有機EL素子10Rおよび緑色有機EL素子10Gの特性が向上する。
赤色発光層14CRおよび緑色発光層14CGが上記低分子材料を含有していない場合には、青色発光層14CBのエネルギー準位と、赤色発光層14CR,緑色発光層14CGのエネルギー準位との差が大きくなる。つまり、青色発光層14CBと赤色発光層14CR,緑色発光層14CGとの間の正孔または電子の注入効率が低くなり、所望の特性が得られない虞がある。これに対し、高分子材料と共に低分子材料により赤色発光層14CRおよび緑色発光層14CGを構成すると、このエネルギー準位の差が小さくなり、上記の正孔および電子の注入効率を向上させることが可能となる。
(電子輸送層14D,電子注入層14Eおよび上部電極15を形成する工程)
青色発光層14CBを形成した後、この青色発光層14CBの全面に蒸着法により電子輸送層14D,電子注入層14Eおよび上部電極15をこの順に形成する(ステップS106,S107,S108)。
青色発光層14CBを形成した後、この青色発光層14CBの全面に蒸着法により電子輸送層14D,電子注入層14Eおよび上部電極15をこの順に形成する(ステップS106,S107,S108)。
電子輸送層14Dは、赤色発光層14CR,緑色発光層14CGおよび青色発光層14CBへの電子輸送効率を高めるものである。電子輸送層14Dの材料としては、例えば、キノリン、ペリレン、フェナントロリン、ビススチリル、ピラジン、トリアゾール、オキサゾール、フラーレン、オキサジアゾール、フルオレノン、またはこれらの誘導体や金属錯体が挙げられる。具体的には、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略称Alq3)、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、C60、アクリジン、スチルベン、1,10−フェナントロリンまたはそれ
らの誘導体や金属錯体等である。
らの誘導体や金属錯体等である。
電子注入層14Eは、電子注入効率を高めるためのものである。電子注入層14Eの材料として、例えば、リチウム(Li)の酸化物である酸化リチウム(Li2O)や、セシ
ウム(Cs)の複合酸化物である炭酸セシウム(Cs2CO3)、またはこれらの混合物を用いることができる。また、電子注入層14Eの材料として、例えばカルシウム(Ca)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属、リチウム、セシウム等のアルカリ金属、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)等の仕事関数の小さい金属またはこれらの金属の酸化物、複合酸化物やフッ化物等を単体で、あるいは混合物や合金として使用してもよい。
ウム(Cs)の複合酸化物である炭酸セシウム(Cs2CO3)、またはこれらの混合物を用いることができる。また、電子注入層14Eの材料として、例えばカルシウム(Ca)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属、リチウム、セシウム等のアルカリ金属、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)等の仕事関数の小さい金属またはこれらの金属の酸化物、複合酸化物やフッ化物等を単体で、あるいは混合物や合金として使用してもよい。
上部電極15は隔壁13および有機層14により下部電極12とは絶縁された状態で基板11上にベタ膜状に形成され、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10Gおよび青色有機EL素子10Bの共通電極として機能する。上部電極15は例えばアルミニウム、マグネシウム、カルシウムまたはナトリウム(Na)等の金属導電膜により形成される。薄膜での導電性が良好であり、かつ、光吸収の小さいマグネシウムと銀との合金(Mg−Ag合金)により上部電極15が形成されていることが好ましい。Mg−Ag合金におけるマグネシウムと銀との比率は特に限定されないが、膜厚比でMg:Ag=20:1〜1:1の範囲であることが好ましい。上部電極15の材料にアルミニウムとリチウムとの合金(Al−Li合金)を用いてもよい。
上部電極15は、アルミキノリン錯体、スチリルアミン誘導体またはフタロシアニン誘導体等の有機発光材料を含有した混合層により形成してもよい。この場合、更に第3層としてMg−Ag合金のような光透過性の層を形成してもよい。
上部電極15を形成した後、例えば蒸着法やCVD法により透水性の低いアモルファス窒化シリコンからなる保護層16を形成する。保護層16を形成した後、最後に、遮光膜およびカラーフィルタ(図示せず)が設けられた封止用基板17を接着層(図示せず)を間にして保護層16の上に張り合わせる。以上により図7に示した表示装置1が完成する。
図9は、本実施の形態の有機EL素子10を備えた表示装置1の平面構成を表したものである。この表示装置1は、有機ELテレビジョン装置などとして用いられるものであり、例えば、基板11の上に、表示領域110として、複数の有機EL素子10(例えば、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10B)がマトリクス状に配置されたものである。表示領域110の周辺には、映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130が設けられている。なお、隣り合う有機EL素子10の組み合わせが一つの画素(ピクセル)を構成している。
表示領域110内には画素駆動回路140が設けられている。図10は、画素駆動回路140の一例を表したものである。画素駆動回路140は、下部電極12の下層に形成されたアクティブ型の駆動回路である。即ち、この画素駆動回路140は、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2と、これらトランジスタTr1,Tr2の間のキャパシタ(保持容量)Csと、第1の電源ライン(Vcc)および第2の電源ライン(GND)の間において駆動トランジスタTr1に直列に接続された有機EL素子10(例えば、11R,11G,11B)とを有する。駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、一般的なTFTにより構成され、その構成は例えば逆スタガ構造(いわゆるボトムゲート型)でもよいしスタガ構造(トップゲート型)でもよく特に限定されない。
画素駆動回路140において、列方向には信号線120Aが複数配置され、行方向には走査線130Aが複数配置されている。各信号線120Aと各走査線130Aとの交差点が、各有機EL素子10のいずれか1つ(サブピクセル)に対応している。各信号線120Aは、信号線駆動回路120に接続され、この信号線駆動回路120から信号線120Aを介して書き込みトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続され、この走査線駆動回路130から走査線130Aを介して書き込みトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。
この表示装置1では、各画素に対して走査線駆動回路130から書き込みトランジスタTr2のゲート電極を介して走査信号が供給されると共に、信号線駆動回路120から画像信号が書き込みトランジスタTr2を介して保持容量Csに保持される。即ち、この保持容量Csに保持された信号に応じて駆動トランジスタTr1がオンオフ制御され、これにより、赤色有機EL素子10R,緑色有機EL素子10G,青色有機EL素子10Bに駆動電流Idが注入され、正孔と電子とが再結合して発光が起こる。この光は、下面発光(ボトムエミッション)の場合には下部電極12および基板11を透過して、上面発光(トップエミッション)の場合には上部電極15,波長変換部および封止用基板17を透過して取り出される。
有版印刷法では、連続する印刷工程において同一のブランケットを用いる場合には、ブランケット上の印刷残余物(残存有機膜)や異物除去工程を行う必要がある。また、有版印刷法では、被印刷基板に印刷するときブランケットの表面と被印刷基板とは直接接するため、ブランケットの表面に塵芥等の異物が存在した場合、例えば表示装置では、異物による短絡等の欠陥が発生する虞があった。また、例えば粘着剤を用いて印刷残余物を除去すると、粘着剤がブランケットに逆転写され、離型性の低下や有機電界発光素子の特性の劣化が発生するという問題があった。
上記問題を解決する方法として、ブランケットを溶媒に浸漬させることによりブランケット上の異物または印刷残余物を洗浄・除去する方法が考えられる。しかしながら、ブランケットを構成するシリコーンゴムは溶媒を吸収しやすいため、連続印刷を行う場合には印刷パターンの安定性を考慮して洗浄後のブランケットを完全に乾燥させる時間がある。但し、上述したように、ブランケットは溶媒の吸収率が高いため、完全に乾燥させるには多大な時間(例えば10時間〜数日)を要する。このため、製造効率が低下するという問題があった。また、印刷パターンごとにブランケットを交換することによって製造効率を向上させることが可能となるが、その場合にはブランケット数の増加、クリーン度の高い環境でのブランケットの保管および工程数の増加等によって製造コストが上昇するという問題があった。
これに対して、本実施の形態のオフセット印刷ブランケット用の洗浄液Rでは、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を用いるようにした。ブランケット21表面にあるポリジメチルシロキサンは極性をほぼ持たない。このため、ポリジメチルシロキサンよりも極性の高い溶媒を用いることで、ブランケット21への溶媒吸収を抑えられ、ブランケット21の膨潤が抑制される。
以上のように、本実施の形態によれば、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒をオフセット印刷ブランケット用の洗浄液Rとして用いるようにした。これにより、印刷前後のブランケット21の洗浄後の乾燥時間を短縮することが可能となる。更に、新たに溶媒乾燥装置等の設備を追加することなく、多段階印刷時に同一ブランケットの連続使用が可能となる。よって、表示品位が高く、低コストな表示装置を提供することができる。
<2.適用例>
(モジュールおよび適用例)
以下、上記実施の形態で説明した表示装置1,2の適用例について説明する。上記実施の形態の表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
(モジュールおよび適用例)
以下、上記実施の形態で説明した表示装置1,2の適用例について説明する。上記実施の形態の表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
(モジュール)
上記実施の形態で説明した表示装置1,2は、例えば、図11に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板11の一辺に、保護層16および封止用基板17から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
上記実施の形態で説明した表示装置1,2は、例えば、図11に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板11の一辺に、保護層16および封止用基板17から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
(適用例1)
図12は、上記実施の形態で説明した表示装置1,2が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
図12は、上記実施の形態で説明した表示装置1,2が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例2)
図13は、上記実施の形態で説明した表示装置1,2が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
図13は、上記実施の形態で説明した表示装置1,2が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例3)
図14は、上記実施の形態で説明した表示装置1,2が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
図14は、上記実施の形態で説明した表示装置1,2が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例4)
図15は、上記実施の形態で説明した表示装置1,2が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
図15は、上記実施の形態で説明した表示装置1,2が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例5)
図16は、上記実施の形態で説明した表示装置1,2が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
図16は、上記実施の形態で説明した表示装置1,2が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、インキ組成物22を用いて赤色発光層14CRまたは緑色発光層14CGを形成する例を示したが、赤色発光層14CRおよび緑色発光層14CG以外の発光層、あるいは正孔注入層14Aや正孔輸送層14B等の他の有機層14をパターニングして形成するようにしてもよい。特に、正孔注入層14Aをパターニングして形成すれば、リーク電流を抑えることができる。
また、上記実施の形態では、機能層の一部としての印刷パターン層が発光層14Cである場合を例示したが、これに限定されず、他の有機層14、例えば正孔注入層14A,正孔輸送層14B,電子輸送層14Dおよび電子供給層14Eのうちの1層または2層以上を、印刷パターン層として、オフセット印刷により形成するようにしてもよい。
更に、上記実施の形態では、有機EL素子10R,10G,10Bの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、他の層を更に備えていてもよい。また、上記実施の形態等では、青色以外の有機EL素子として赤色および緑色の有機EL素子を備えた表示装置について説明したが、本開示はこれに限定されず、印刷法を用いて機能層を形成可能な表示装置全般に適用可能である。例えば、青色有機EL素子と黄色有機EL素子からなる表示装置への適用も可能である。
更にまた、上記実施の形態では、アクティブマトリクス型の表示装置1,2の場合について説明したが、本開示はパッシブマトリクス型の表示装置への適用も可能である。更にまた、アクティブマトリクス駆動のための画素駆動回路の構成は、上記実施の形態で説明したものに限られず、必要に応じて容量素子やトランジスタを追加してもよい。その場合、画素駆動回路の変更に応じて、上述した信号線駆動回路120や走査線駆動回路130のほかに、必要な駆動回路を追加してもよい。
また、上記実施の形態では、表示装置1,2がトップエミッション型あるいはボトムエミッション型である場合について説明したが、上面および下面の両方から光を取り出すタイプの表示装置1,2にも本開示は適用可能である。
更にまた、上記実施の形態では、表示装置の製造工程において有版印刷工程の前後にブランケットの洗浄を行ったが、必ずしも両工程において行う必要はない。例えば、印刷公邸前のブランケット21の洗浄工程を省略してもよいし、連続印刷時に異なるブランケット21を用いる場合には、印刷後の洗浄工程を省略しても構わない。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含むオフセット印刷ブランケット用洗浄液。
(2)前記溶媒は、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、4−ペンタノン、N−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンのうちの少なくとも1種である、前記(1)に記載のオフセット印刷ブランケット用洗浄液。
(3)前記溶媒の含有量が50%以上100%以下である、前記(1)または(2)に記載のオフセット印刷ブランケット用洗浄液。
(4)ブランケットを、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む洗浄液に浸漬させる工程を含む、オフセット印刷ブランケットの洗浄方法。
(5)前記洗浄液を供給しつつ前記ブランケットを前記洗浄液に浸漬させる、前記(4)に記載のオフセット印刷ブランケットの洗浄方法。
(6)前記ブランケットはシリコーンゴムによって形成されている、前記(4)または(5)に記載のオフセット印刷ブランケットの洗浄方法。
(7)基板上に表示素子を形成する工程を含み、前記表示素子を形成する工程は、ブランケットを、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む洗浄液に浸漬させる工程と、有機材料を含むインキ組成物を前記ブランケットに塗布して転写層を形成する工程と、前記転写層に所定のパターンを有する版を押し当てて、前記ブランケット上にパターン層を形成する工程と、前記パターン層を被印刷基板に転写する工程とを含む表示装置の製造方法。
(8)前記転写層を形成する前に、前記ブランケットを前記洗浄液に浸漬させる、前記(7)に記載の表示装置の製造方法。
(9)前記パターン層を被印刷基板に転写したのち、前記ブランケットを前記洗浄液に浸漬させる、前記(7)または(8)に記載の印刷方法。
(10)基板上にパターン層を形成する工程を含み、前記パターン層を形成する工程は、ブランケットを、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む洗浄液に浸漬させる工程と、有機材料を含むインキ組成物を前記ブランケットに塗布して転写層を形成する工程と、前記転写層に所定のパターンを有する版を押し当てて、前記ブランケット上にパターン層を形成する工程と、前記パターン層を被印刷基板に転写する工程とを含む印刷物の製造方法。
(1)双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含むオフセット印刷ブランケット用洗浄液。
(2)前記溶媒は、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、4−ペンタノン、N−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンのうちの少なくとも1種である、前記(1)に記載のオフセット印刷ブランケット用洗浄液。
(3)前記溶媒の含有量が50%以上100%以下である、前記(1)または(2)に記載のオフセット印刷ブランケット用洗浄液。
(4)ブランケットを、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む洗浄液に浸漬させる工程を含む、オフセット印刷ブランケットの洗浄方法。
(5)前記洗浄液を供給しつつ前記ブランケットを前記洗浄液に浸漬させる、前記(4)に記載のオフセット印刷ブランケットの洗浄方法。
(6)前記ブランケットはシリコーンゴムによって形成されている、前記(4)または(5)に記載のオフセット印刷ブランケットの洗浄方法。
(7)基板上に表示素子を形成する工程を含み、前記表示素子を形成する工程は、ブランケットを、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む洗浄液に浸漬させる工程と、有機材料を含むインキ組成物を前記ブランケットに塗布して転写層を形成する工程と、前記転写層に所定のパターンを有する版を押し当てて、前記ブランケット上にパターン層を形成する工程と、前記パターン層を被印刷基板に転写する工程とを含む表示装置の製造方法。
(8)前記転写層を形成する前に、前記ブランケットを前記洗浄液に浸漬させる、前記(7)に記載の表示装置の製造方法。
(9)前記パターン層を被印刷基板に転写したのち、前記ブランケットを前記洗浄液に浸漬させる、前記(7)または(8)に記載の印刷方法。
(10)基板上にパターン層を形成する工程を含み、前記パターン層を形成する工程は、ブランケットを、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む洗浄液に浸漬させる工程と、有機材料を含むインキ組成物を前記ブランケットに塗布して転写層を形成する工程と、前記転写層に所定のパターンを有する版を押し当てて、前記ブランケット上にパターン層を形成する工程と、前記パターン層を被印刷基板に転写する工程とを含む印刷物の製造方法。
1,2…表示装置、10R…赤色有機EL素子、10G…緑色有機EL素子、10B…青色有機EL素子、11…基板、12…下部電極、13…下部隔壁、14…有機膜、14A…正孔注入層、14B…正孔輸送層、14CR…赤色発光層、14CG…緑色発光層、14CB…青色発光層、14D…電子輸送層、14E…電子注入層、15…上部電極、16…保護層、17…封止用基板、21…ブランケット、22…反転印刷用インキ組成物、22a…転写層、22b…パターン層、22c…非印刷部。
Claims (10)
- 双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む
オフセット印刷ブランケット用洗浄液。 - 前記溶媒は、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、4−ペンタノン、N−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンのうちの少なくとも1種である、請求項1に記載のオフセット印刷ブランケット用洗浄液。
- 前記溶媒の含有量が50%以上100%以下である、請求項1に記載のオフセット印刷ブランケット用洗浄液。
- ブランケットを、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む洗浄液に浸漬させる工程を含む
オフセット印刷ブランケットの洗浄方法。 - 前記洗浄液を供給しつつ前記ブランケットを前記洗浄液に浸漬させる、請求項4に記載のオフセット印刷ブランケットの洗浄方法。
- 前記ブランケットはシリコーンゴムによって形成されている、請求項4に記載のオフセット印刷ブランケットの洗浄方法。
- 基板上に表示素子を形成する工程を含み、
前記表示素子を形成する工程は、
ブランケットを、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む洗浄液に浸漬させる工程と、
有機材料を含むインキ組成物を前記ブランケットに塗布して転写層を形成する工程と、
前記転写層に所定のパターンを有する版を押し当てて、前記ブランケット上にパターン層を形成する工程と、
前記パターン層を被印刷基板に転写する工程と
を含む表示装置の製造方法。 - 前記転写層を形成する前に、前記ブランケットを前記洗浄液に浸漬させる、請求項7に記載の表示装置の製造方法。
- 前記パターン層を被印刷基板に転写したのち、前記ブランケットを前記洗浄液に浸漬させる、請求項7に記載の表示装置の製造方法。
- 基板上にパターン層を形成する工程を含み、
前記パターン層を形成する工程は、
ブランケットを、双極子モーメントが1.7以上4.1未満であり、分子骨格にπ共有結合を有する溶媒を含む洗浄液に浸漬させる工程と、
有機材料を含むインキ組成物を前記ブランケットに塗布して転写層を形成する工程と、
前記転写層に所定のパターンを有する版を押し当てて、前記ブランケット上にパターン層を形成する工程と、
前記パターン層を被印刷基板に転写する工程と
を含む印刷物の製造方法。
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