JPWO2015141365A1 - カテーテル組立体 - Google Patents

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Abstract

カテーテル組立体(10)は、カテーテル(12)と、カテーテル(12)の内腔(12a)に連通する中空部(22)を有するカテーテルハブ(14)と、内腔(12a)及び中空部(22)を挿通可能な内針(16)とを備える。中空部(22)には、プラグ(30)と、止血弁(24)とが設けられる。止血弁(24)は、内針(16)が挿通される内針用スリット(52)と、プラグ(30)が挿通されるプラグ用スリット(53)と、を別に有する。

Description

本発明は、例えば、患者の血管内に挿入及び留置されることにより、患者に対する輸液を可能とするカテーテル組立体に関する。
患者に輸液を行う場合には、外針(カテーテル)と、カテーテル内に貫通配置される内針と、カテーテルの基端側を保持するハブとを備えるカテーテル組立体が用いられる。輸液ラインの構築時には、カテーテル及び内針を一体的に患者の血管内に穿刺し、穿刺後に内針のみを引き抜いてカテーテルとハブを患者側に留置し、ハブと輸液チューブを接続する。
この種のカテーテル組立体は、輸液チューブの接続性を高めるため、血液の漏出を防ぐ止血弁(弁体)と、筒状の挿通部材とをハブ内に備える(例えば、特開2002−263197号公報参照)。すなわち、輸液チューブの接続時に、輸液チューブのコネクタにより挿通部材を押し込んで止血弁のスリットを貫通させ、止血弁よりも先端側中空部と基端側中空部とを連通する。これにより、輸液チューブから供給された輸液剤は、カテーテル組立体を介して患者に流入される。
ところで、輸液においては、異なる種類の輸液剤を輸液する場合等のために、カテーテル組立体に接続される輸液チューブを取り替えることがある。このためカテーテル組立体は、特開2002−263197号公報の図5〜図8に示されるように、輸液チューブの取外後にハブ内に備えたコイルスプリングにより挿通部材を押し戻して止血弁のスリットが再閉塞すると好都合である。止血弁が再閉塞することで、輸液チューブの取替時に血液の漏れが抑制されるからである。
しかしながら、挿通部材は、輸液剤を先端側中空部に確実に流動させるため、内針に比べて太く形成される。そのためカテーテル組立体は、挿通部材を止血弁に一旦貫通させると、止血弁によるスリットの再閉塞が不充分になる可能性がある。そして、このように再閉塞が不充分であると、血液がハブの基端側から漏れて、血液による感染の可能性が高まる、他の輸液チューブの接続が難しくなる、又は血液により見栄えが悪くなる等の不都合が生じる。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成によって、弁体のスリットを一層確実に再閉塞させ、血液の漏出を防いでチューブの取替を簡単化することができるカテーテル組立体を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係るカテーテル組立体は、カテーテルと、前記カテーテルを保持し、前記カテーテルの孔部に連通する中空部を有するハブと、前記孔部及び前記中空部を挿通可能な内針と、前記中空部に変位自在に配置される挿通部材と、前記中空部に設けられる弁体と、を備え、前記弁体は、前記内針が挿通される内針用スリットと、前記挿通部材が挿通される挿通部材用スリットと、を別に有することを特徴とする。
上記によれば、カテーテル組立体の弁体が内針用スリットと挿通部材用スリットの2つのスリットを有することで、弁体のスリットを一層確実に再閉塞させることができる。すなわち、弁体は、挿通部材用スリットを有するので、挿通部材を容易に通して変位させることができ、挿通部材用スリットが破損することを低減することができる。また弁体は、内針の径に応じて内針用スリットを小さく形成しても内針用スリットが無理に押し広げられず、強固な閉塞状態を維持することができる。よって、カテーテル組立体は、血液の漏出を防いでチューブの取替を簡単化することができる。
この場合、前記挿通部材は、前記挿通部材用スリットを閉塞する閉塞部と、前記閉塞部の基端側に連なり該閉塞部に対し形状又は位相が異なることで前記スリットを開放する開放部と、を備え、前記挿通部材用スリットには、前記閉塞部又は前記開放部のいずれか一方が常に挿入されていることが好ましい。
このように、挿通部材用スリットに閉塞部又は開放部のいずれか一方が常に挿入されていることで、閉塞部が挿通部材用スリットに重なる位置で、弁体と閉塞部は互いに協働して中空部を効果的に閉塞する。よって、血液の漏出をより確実に防ぐことができる。また、開放部が挿通部材用スリットに重なった状態では、挿通部材用スリットを開放させて液体を容易に流動させることができる。
上記の構成に加えて、前記開放部の断面形状は、前記閉塞部の断面形状に略相似し、且つ前記閉塞部に対し前記挿通部材の軸心回りに位相が略90°ずれるとよい。
このように、開放部の断面形状の位相が閉塞部と相対的に略90°ずれていることで、開放部を挿通部材用スリットに挿入すると所定方向に延びる挿通部材用スリットを充分に拡げることができる。よって、液体は挿通部材用スリットをより容易に通過することができる。
また、前前記開放部は、前記弁体の前記挿通部材用スリットが設けられた閉塞膜の肉厚よりも軸方向に長い流通穴を有する構成であってもよい。
このように、開放部が閉塞膜の肉厚よりも軸方向に長い流通穴を有することで、流通穴がスリットに重なる位置に配置された状態で、液体は、流通穴を介して弁体より先端側の中空部に流入することができる。
さらに、前記閉塞部と前記開放部は、前記挿通部材用スリットの延在方向と直交する方向の厚みが同一であることが好ましい。
このように、閉塞部と開放部の厚みが同一であることで、挿通部材用スリットと相対的に挿通部材を変位させる際に、挿通部材の摺動抵抗を抑えてスムーズに移動させることができる。
或いは、前記挿通部材用スリットには、前記挿通部材が常に挿入され、前記挿通部材は、前記挿通部材用スリットの延在方向と直交する方向に弾性変形可能な変形部を有してもよい。
このように、挿通部材用スリットに常に挿入される挿通部材の変形部が、挿通部材用スリットの延在方向と直交する方向に弾性変形可能であることで、変形部の変形に伴い挿通部材用スリットを容易に開放することができる。
また、前記変形部は、板状に形成されて軸方向に延在し、前記挿通部材の一端には、前記変形部に湾曲して連なり前記ハブに接続されたコネクタからの押圧力を受けることが可能な受部が形成されていることが好ましい。
このように、挿通部材の一端に受部が形成されていることで、コネクタからの押圧力により板状の変形部を簡単に変形させて、挿通部材用スリットを開放することができる。
またさらに、前記内針用スリットと前記挿通部材用スリットは平行に形成され、且つ前記挿通部材用スリットの切込幅が前記内針用スリットの切込幅よりも長いことが好ましい。
このように、挿通部材用スリットの切込幅が内針用スリットの切込幅よりも長く、また平行に形成されていることで、仮に挿通部材用スリットの開放時等に弁体に亀裂を生じさせたとしても、亀裂が内針用スリットに向かうことを抑制することができる。よって、弁体と挿通部材による閉塞を一層確実なものとすることができる。
本発明のカテーテル組立体によれば、簡単な構成によって、弁体のスリットを一層確実に再閉塞させ、血液の漏出を防いでチューブの取替を簡単化することができる。
本発明の第1実施形態に係るカテーテル組立体の全体構成を示す斜視図である。 図1のカテーテル組立体の一部を示す分解斜視図である。 図3Aは、図1のカテーテル組立体の一部を示す側面断面図であり、図3Bは、図3AのIIIB−IIIB線断面図である。 図2の止血弁、シール部材、プラグの関係性を示す斜視図である。 図5Aは、図2のカテーテル組立体のプラグを示す第1斜視図であり、図5Bは、図2のカテーテル組立体のプラグを示す第2斜視図である。 図1のカテーテル組立体の一部を示す平面断面図である。 図7Aは、図6のカテーテル組立体に対し輸液チューブのコネクタを接続した状態を示す平面断面図であり、図7Bは、図7AのVIIB−VIIB線断面図である。 従来のカテーテル組立体の弁機構を概略的に示す側面断面図である。 図9Aは、図7Aのカテーテル組立体から輸液チューブのコネクタを離脱した状態を示す平面断面図であり、図9Bは、図9AのIXB−IXB線断面図である。 図10Aは、第2実施形態に係るカテーテル組立体の一部を示す側面断面図であり、図10Bは、図10Aのカテーテル組立体の一部を示す平面断面図である。 図11Aは、図10Aのカテーテル組立体のプラグを示す第1斜視図であり、図11Bは、図10Aのカテーテル組立体のプラグを示す第2斜視図である。 図12Aは、図10Aのカテーテル組立体に対し輸液チューブのコネクタを接続した状態を示す平面断面図であり、図12Bは、図12AのXIIB−XIIB線断面図である。 図13Aは、図12Aのカテーテル組立体から輸液チューブのコネクタを離脱した状態を示す平面断面図であり、図13Bは、図13AのXIIIB−XIIIB線断面図である。 図14Aは、第3実施形態に係るカテーテル組立体の一部を示す側面断面図であり、図14Bは、図14AのXIVB−XIVB線断面図である。 図15Aは、図14Aのカテーテル組立体のプラグを示す第1斜視図であり、図15Bは、図14Aのカテーテル組立体のプラグが弾性変形した状態を示す第2斜視図である。 図16Aは、図14Aのカテーテル組立体に対し輸液チューブのコネクタを接続した状態を示す平面断面図であり、図16Bは、図16AのXVIB−XVIB線断面図である。 図17Aは、図16Aのカテーテル組立体から輸液チューブのコネクタを離脱した状態を示す平面断面図であり、図17Bは、図17AのXVIIB−XVIIB線断面図である。
以下、本発明に係るカテーテル組立体について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係るカテーテル組立体10は、図1に示すように、カテーテル12(外針)と、カテーテル12の基端を接続保持するカテーテルハブ14と、カテーテル12内に貫通配置される内針16と、内針16の基端を保持する内針ハブ18とを備える。
医師や看護師等のユーザは、カテーテル組立体10の内針ハブ18を把持操作して、その先端部を患者の血管に穿刺する。カテーテル組立体10の先端部は、穿刺時に、カテーテル12と内針16が2重に重なっており(以下、穿刺可能状態ともいう)、患者の血管内に一体的に挿入される。また、穿刺可能状態では、カテーテルハブ14の基端側と内針ハブ18の先端側が接続され、内針ハブ18がカテーテルハブ14を支持している。
患者への穿刺後、ユーザは、内針ハブ18を基端方向に引き抜く(後退移動する)ことで、カテーテルハブ14から内針ハブ18を離脱させる。これに伴い、内針ハブ18に保持されている内針16も一体的に引き抜かれ、カテーテル12及びカテーテルハブ14から離脱する。すなわち、内針16が患者の血管から抜去される。従って、患者側は、カテーテル12の先端側が血管内に挿入され、カテーテル12の基端側及びカテーテルハブ14が皮膚上に留置される。その後、カテーテルハブ14の基端側に輸液チューブのコネクタ20(図7A参照)を接続することで、輸液チューブから患者への輸液剤(薬液)の投与が実施される。以下、このカテーテル組立体10の構成について具体的に説明していく。
カテーテル12は、可撓性を有し所定長さに形成された管状の部材である。カテーテル12の内部には、軸方向に延在する内腔12aが形成されている。内腔12aは、内針16を挿通可能な内径に設定されている。
カテーテル12の構成材料は、特に限定されるものではないが、樹脂材料、特に軟質樹脂材料が好適であり、例えば、ポリテトラフルオロエテレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエテレン共重合体(ETFE)、ベルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂又はこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、前記オレフィン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合物等が挙げられる。
また、カテーテル12は、全部又は一部の内部を視認できるように透明性を有するとよい。これにより、カテーテル12を血管内に挿入した状態で、血液がカテーテル12の内腔12aを通ってカテーテルハブ14に流入する現象(フラッシュバックとも呼ばれる)を目視で確認することができる。
カテーテル12の基端部は、例えば、かしめ、融着(熱融着、高周波融着等)、接着剤による接着等の適宜の接合方法によって、カテーテルハブ14内の先端部に固定される。第1実施形態に係るカテーテル組立体10は、図示しないかしめピンによりカテーテルハブ14の内面との間でカテーテル12を挟持している。
カテーテル12を保持するカテーテルハブ14は、先端方向に先細りとなる筒状に成形されている。カテーテルハブ14は、カテーテル12と輸液チューブ間に介在することで両部材を簡単且つ確実に接続(連通)させる。カテーテルハブ14の上部には、カテーテル12を血管内に押し込むための操作用突起14aが形成されている。カテーテルハブ14は、カテーテル12が血管に穿刺された状態で患者の皮膚上に露呈され、テープ等により貼り付けられて留置される。
カテーテルハブ14は、カテーテル12よりも硬い材料によって構成されることが好ましい。カテーテルハブ14の構成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。
カテーテルハブ14の内部には、軸方向に貫通形成され、輸液剤を流通可能な中空部22が設けられている。この中空部22は、カテーテルハブ14の基端開口部14bに連通しており、図2に示すように、止血弁24(弁体)、シール部材26、バネ28(弾性部材)、プラグ30(挿通部材)が収容される。これら各部材については後に詳述する。
カテーテル組立体10の内針16は、患者の皮膚を穿刺可能な剛性を有する管状の部材に形成される。内針16の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン又はチタン合金のような金属材料が挙げられる。内針16は、カテーテル12に比べて充分に長く形成され、穿刺可能状態においてカテーテル12の先端開口から鋭利な針先16aが突出するように構成される。内針16は、胴体部がカテーテルハブ14の中空部22を通り、胴体部に連なる基端部が内針ハブ18内の内針保持部材(図示せず)に固定保持されることで姿勢が維持される。
なお、図2中では、カテーテルハブ14の基端側から内針16を挿入するように図示しているが、内針16の組付時には、内針ハブ18の接続前にカテーテル12の先端開口から内針16の基端を挿入していくとよい。これにより針先16aがカテーテルハブ14や止血弁24、シール部材26に突き刺さることを回避して、内針16の組付をスムーズに行うことができる。
図1に戻り、内針16を保持する内針ハブ18は、ユーザが把持して、カテーテル12及び内針16の2重管体を安定的に操作し得る長尺な筐体に形成されている。内針ハブ18の内部には、カテーテルハブ14から内針ハブ18の離脱に伴い内針16を収容する図示しない収容機構が設けられている。
上記のカテーテル組立体10は、穿刺可能状態で、軸方向の先端側からカテーテル12と内針16の2重構造、カテーテルハブ14、内針ハブ18が順に接続され、一体的に取扱い可能となっている。また、カテーテル組立体10の穿刺可能状態では、図3Aに示すように、カテーテルハブ14の中空部22内にバネ28、止血弁24、シール部材26、プラグ30が適宜配置される。
カテーテルハブ14の中空部22は、先端側から基端側に向かってカテーテル接続部32、案内部34、弁配置部36及びコネクタ接続部38を有する。カテーテル接続部32は、カテーテルハブ14の先端部において、カテーテル12の外径に略一致する内壁32aによって構成される。カテーテル12の基端部は、このカテーテル接続部32の内壁32aとかしめピンにより強固に固着される。
案内部34は、先端側がカテーテル接続部32に連なり、基端側から供給される輸液剤をカテーテル12の内腔12aに導くように形成される。案内部34を構成する内壁34aは、その先端側の内径が内腔12aに向かって小径となるテーパ面(漏斗状)に形成されている。
また、案内部34にはバネ28が配置される。バネ28は、螺旋状に形成され、カテーテルハブ14の内壁34a(案内部34のテーパ面)と、後述するプラグ30に挟まれるように配置される。このバネ28は、案内部34のテーパ面に嵌込み可能な径に形成され、軸方向に所定長さ(一端が接触する内壁34aから止血弁24の手前までの長さ)を有する。バネ28は、コネクタ20が中空部22内に挿入されてプラグ30が先端方向に押し込まれることで、軸方向に縮小してプラグ30を基端方向に付勢する。従って、バネ28は、コネクタ20が中空部22内から離脱すると、全長に応じてプラグ30を基端方向に押し戻す。
一方、弁配置部36は、先端側が案内部34に連なり、案内部34の内壁34aよりも若干大径の内壁36aによって構成される。つまり案内部34と弁配置部36の間には段差が形成されている。この弁配置部36には、止血弁24及びシール部材26が配置される。
止血弁24は、有底筒状に形成された弾性部材であり、血液の流通を遮断する機能を有する。この止血弁24は、カテーテルハブ14の中空部22を、先端側中空部22aと基端側中空部22bに分断するように配置される。止血弁24を構成する弾性材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、或いはそれらの混合物等の各種弾性材料が挙げられる。この止血弁24については、後述するプラグ30の構成にも関わるため、後に具体的な構成を説明する。
なお、止血弁24が固定される弁配置部36の内壁36aには、複数の内周溝部40が設けられている。内周溝部40は、先端部が案内部34と弁配置部36の間の段差部分を切り欠くようにして形成され、この先端部から弁配置部36の内壁36aに沿って軸方向に延びている。内周溝部40は、先端側中空部22aに内在する空気を、基端側中空部22bに移動させる。
また、止血弁24の基端側には、シール部材26が装着される。図2に示すように、カテーテル組立体10は、止血弁24とシール部材26を相互に回転不能に嵌め込む構成となっている。具体的には、止血弁24の外周面には、複数(図2中では3つ)の嵌込み用溝24aが形成され、シール部材26には、嵌込み用溝24aに対応する複数の嵌込み用突部26aが形成されている。
シール部材26は、この嵌込み用突部26aと、嵌込み用突部26aの基端側で弁配置部36の内径に一致する基端筒部44と、基端筒部44を軸方向に貫通する貫通孔46とを有する。基端筒部44は、内周溝部40を塞いで弁配置部36の内壁36aに密着するように配置される。これにより、止血弁24とシール部材26は、カテーテルハブ14内に強固に固定される。
シール部材26は、気体を通過させ、且つ液体を通過させない材料によって構成されている。シール部材26を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン製の焼結体等の多孔質体で形成したものを好適に用いることができる。つまり、シール部材26は、内周溝部40を移動してきた空気を基端方向に抜けさせる一方で、内周溝部40を移動してきた血液を遮断する。
図3Aに示すように、カテーテルハブ14のコネクタ接続部38は、先端側が弁配置部36に連なると共に、カテーテルハブ14の基端開口部14bまで延在している。コネクタ接続部38は、輸液チューブのコネクタ20を嵌め込み(挿入接続)可能に構成されている。コネクタ接続部38の基端側の内壁38aは、コネクタ20との接続性を高めるため、先端方向に向かって僅かに小径となるテーパ状に形成されている。
そして、穿刺可能状態では、弁配置部36とコネクタ接続部38内にプラグ30が変位自在に配置される。プラグ30は、止血弁24と共に、カテーテル組立体10における血液の遮断及び輸液剤の供給を可能とする弁機構として機能する。カテーテル組立体10は、この弁機構を適宜構成することにより輸液剤の流動性の向上や輸液チューブの取替の容易化を図っている。以下、第1実施形態に係る止血弁24及びプラグ30の構成について、具体的に説明していく。
図4に示すように、有底筒状に形成される止血弁24は、弁配置部36の内壁36aに密着固定される側周部48と、側周部48の先端側に連なって底部を構成する閉塞膜50とを含む。止血弁24の閉塞膜50は、側周部48よりも厚肉に形成されており弾性変形が容易である。閉塞膜50には、内針16を通すための内針用スリット52と、プラグ30を通すためのプラグ用スリット53とが形成されている。
内針用スリット52は、閉塞膜50の中心部に位置し、止血弁24からの内針16の引き抜きに伴い簡単に閉塞する充分に短い切込幅に形成されている。また、内針用スリット52は、1本の線状で閉塞膜50の厚み方向に貫通形成され、止血弁24の弾性力により自己閉塞する。
プラグ用スリット53も、内針用スリット52と同様に、閉塞膜50の厚み方向に貫通形成されている。このプラグ用スリット53は、閉塞膜50の中心(内針用スリット52)に対しずれる位置で、内針用スリット52の切込方向(左右方向)と平行になるように設けられる。例えば図示例に示すように、プラグ用スリット53は、内針用スリット52の上方向に所定間隔離間し、内針用スリット52よりも長い切込幅に形成されている。
なお、カテーテル組立体10は、後述するように止血弁24に対しプラグ30が常に挿入状態となる。よって、プラグ用スリット53は、プラグ30と協働して閉塞膜50を密閉できれば、その切込形状について特に限定されるものではない。例えば、プラグ用スリット53は、プラグ30が挿入されていない状態で開口していてもよい。
また、内針用スリット52やプラグ用スリット53を構成する止血弁24の内面には、内針16やプラグ30の摺動を良好にする潤滑剤が塗布されていてもよい。さらに、止血弁24は、プラグ30が挿入されてもプラグ用スリット53が破れないように破損防止手段(例えば、スリットの周縁部を柔軟にする等)が設けられていてもよい。
プラグ30は、上述したように、輸液チューブのコネクタ20に押し出されて止血弁24のプラグ用スリット53を貫通することで、輸液チューブから供給される輸液剤を先端側中空部22aに流動させる。このため、プラグ30は、止血弁24を貫通した状態で、カテーテルハブ14の案内部34、弁配置部36、コネクタ接続部38にわたって存在し得る長さに形成されている(図3A参照)。
図5A及び図5Bに示すように、プラグ30は、先端側から基端側に向かって順に、閉塞頭部54(閉塞部)、開放胴部56(開放部)及びフランジ部58を有する。閉塞頭部54と開放胴部56は、フランジ部58の中心を通るプラグ30の軸心に対し径方向外側にずれ、且つ相互の位相が軸心周りに90°ずれる位置に設けられている。
閉塞頭部54は、止血弁24のプラグ用スリット53の挿入状態でプラグ用スリット53を閉塞する、すなわち止血弁24と協働して中空部22を前後に遮断することが可能である。この閉塞頭部54は、断面視(図3B参照)で略半円形状を呈し、側面断面視(図3A参照)で閉塞膜50の膜厚よりも多少長い軸方向長さに形成されている。閉塞頭部54の断面積は、プラグ用スリット53に応じて適宜設定されればよいが、閉塞膜50が破れない程度にプラグ用スリット53を上下に押し広げることが可能な肉厚を有するとよい。
図5A及び図5Bに示すように、閉塞頭部54の先端部には、閉塞頭部54の側周面から外側に突出する抜止め部54aが設けられている。抜止め部54aは、プラグ用スリット53の口縁に引っ掛かることで、プラグ30が基端方向に抜けることを阻止する。また、閉塞頭部54の先端面は、抜止め部54aにより面積が大きくなると共に平坦状に形成されており、バネ28の一端を受ける座として機能する。なお、抜止め部54aの構成は、特に限定されるものではなく、例えば閉塞頭部54の表面にプラグ用スリット53の口縁が入り込み可能な溝部を形成してもよく、閉塞頭部54自体の断面積を充分に大きくすることでも同様の効果が得られる。
開放胴部56は、閉塞頭部54の基端側に連なる連結部64と、連結部64の基端側に連なりフランジ部58まで延びる延在部66とを有する。連結部64は、開放胴部56(延在部66)と軸心回りに位相が90°ずれる閉塞頭部54に向かって滑らかに連続する部位である。具体的に、連結部64の下部側の側辺は、延在部66から先端側に向かって上方向に傾斜し、連結部64の軸心を臨む側の側辺は、延在部66から先端側に向かって幅方向に傾斜することで、閉塞頭部54を支持している。
延在部66は、断面視で、閉塞頭部54と略相似する半円形状に形成され、その軸方向長さが連結部64よりも充分に長く形成されている。延在部66は、プラグ30の軸心と平行に延びて閉塞頭部54を支持し、プラグ30が先端方向に押し込まれた際に、プラグ用スリット53の延在方向に直交する方向(上下方向)にプラグ用スリット53を開口させる。
一方、フランジ部58は、開放胴部56の基端側面から径方向外側に突出する円盤状に形成されている。このフランジ部58は、所定の板厚を有する板部68と、板部68の周縁で基端方向に多少する突出縁部70とを有する。板部68の中心部には、所定の径に形成され輸液剤を流通するための流通孔72が設けられている。開放胴部56は、板部68の先端面で流通孔72に隣接する位置に連結されている。
また、突出縁部70の基端面は、輸液チューブのコネクタ20の先端面を受ける受部となっている。さらに、フランジ部58には、板部68と突出縁部70にわたって一対の孔部74が形成されている。一対の孔部74は略矩形状に形成され、開放胴部56を挟んで対向する位置に設けられている。この孔部74は、輸液剤の流通時に、基端側中空部22bに輸液剤を流入させ、基端側中空部22b内の空気を抜くように作用する。
以上のように構成されるプラグ30は、コネクタ20からの押し込み力を受けて止血弁24のプラグ用スリット53を貫通するように比較的硬質な樹脂材料により形成されることが好ましい。プラグ30の構成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、カテーテルハブ14の構成材料で挙げたものを適用し得る。また、プラグ30の外周面には、止血弁24に対するプラグ30の摺動性を高めるために、潤滑剤が塗布されていてもよい。
さらに、第1実施形態に係るカテーテル組立体10は、シール部材26の貫通孔46によってプラグ30の回転を規制する構成となっている。図4に示すように、貫通孔46は、内針16を通すための中央孔部76と、中央孔部76に連なりプラグ30の閉塞頭部54及び開放胴部56の断面形状に一致するように切り欠かれた周辺孔部78とにより構成される。すなわち、周辺孔部78は、正面視で、2つの半円形状(第1半円部78aと第2半円部78b)が周方向に90°ずれて一部で重なるように形成されている。
カテーテル組立体10の組付け時には、第1半円部78aに閉塞頭部54が相対し、第2半円部78bに開放胴部56が相対するようにプラグ30を周方向に傾けることで、プラグ30をシール部材26に容易に通すことができる。そして、カテーテル組立体10の使用可能状態においては、プラグ30の延在部66が第1半円部78aに配置される。そのため、プラグ30は、コネクタ20の挿入に伴い先端方向に押し込まれて延在部66がプラグ用スリット53からの応力を受けたとしても、図4中の反時計回りに回転することが規制される。
図3A、図3B及び図6に示すように、カテーテル組立体10は、穿刺可能状態を構成するために、以上の部材を適宜組み付けてカテーテルハブ14内に収容する。この場合、止血弁24の嵌込み用溝24aにシール部材26の嵌込み用突部26aを挿入して止血弁24とシール部材26を一体化し、中空部22に先に収容したバネ28の基端側に配置する。さらに、止血弁24の閉塞膜50を貫通するようにプラグ30及び内針16を収容する。
すなわち、プラグ用スリット53にプラグ30を挿入し、閉塞頭部54によりプラグ用スリット53を塞いだ状態とする。この状態では、閉塞頭部54の先端面が伸長状態のバネ28に接触すると共に、延在部66がシール部材26の貫通孔46(第1半円部78a)に収容される。
また、内針用スリット52にも内針16が挿通されるが、閉塞頭部54の挿入状態で閉塞膜50が下方向に押圧されるため、内針用スリット52が隙間なく閉塞される。内針16は、カテーテル12と2重管体を構成すると共に、カテーテルハブ14内を直線状に(開放胴部56と平行に)延びて流通孔72を貫通する。そして、内針ハブ18内の内針保持部材に強固に保持される。
第1実施形態に係るカテーテル組立体10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用効果について説明する。
患者に輸液を行う場合、ユーザ(医師又は看護師等)は、上記の穿刺可能状態のカテーテル組立体10を用意する。ユーザは、このカテーテル組立体10の内針ハブ18を操作して、カテーテル12及び内針16を患者の血管内に穿刺する。穿刺後は、カテーテル12及びカテーテルハブ14から内針16及び内針ハブ18を引き抜く。内針16の外径は充分に小さく、止血弁24の内針用スリット52から内針16が引き抜かれることで内針用スリット52が弾性的に閉塞する。内針16の引き抜きに伴い、患者の血液がカテーテル12の内腔12aを介して先端側中空部22aに流入する。この際、先端側中空部22aに存在していた空気は血液の流入により基端側に押し出され、内周溝部40を通って基端方向に移動し、さらにシール部材26を介してカテーテルハブ14の基端開口部14bから排出される。一方、血液は、止血弁24及びシール部材26により基端方向への漏出が遮断され、先端側中空部22aに貯留される。
次に、内針16及び内針ハブ18の引き抜きにより患者の皮膚上に残ったカテーテルハブ14に対し、図7A及び図7Bに示すように、輸液チューブのコネクタ20を挿入する。コネクタ20の先端部は、カテーテルハブ14のコネクタ接続部38の内壁38aに沿うテーパ状の円筒に形成されており、中空部22にコネクタ20を所定量挿入すると、カテーテルハブ14とコネクタ20が嵌合する。
コネクタ20の挿入時には、コネクタ20の先端面がプラグ30のフランジ部58に接触してプラグ30を先端方向に押し出す。カテーテルハブ14(案内部34)の内壁34aと閉塞頭部54の先端面の間に存在するバネ28は、プラグ30に押されて縮小していく。
また、先端方向に押し出されたプラグ30は、閉塞頭部54の基端側にある連結部64をプラグ用スリット53内に挿入させて、連結部64の辺部の形状に沿ってプラグ用スリット53を上下方向に開口させていく。すなわち、図3B中において、左右方向に延びるプラグ用スリット53に対し、左右方向に長く上下方向に短い断面半円形状を有する閉塞頭部54が押し出される。そして、徐々に左右方向に短く変化すると共に徐々に上下方向に長く変化する連結部64がプラグ用スリット53に挿入される。プラグ30は、シール部材26に形成された貫通孔46の形状により、図7B中の反時計回りの回転が規制されるので、良好に軸方向に移動することができる。
さらに、コネクタ20を押し込んでプラグ30を挿入していくと、図7Bに示すように、閉塞頭部54と90°位相がずれた断面半円形状の延在部66がプラグ用スリット53に挿入される。これにより、左右方向に線状に形成されていたプラグ用スリット53は、左右方向に短く上下方向に長くなるように押し広げられることになり、比較的大きな流路断面積で開放する。その結果、輸液チューブから供給された輸液剤がプラグ用スリット53を容易に通過するようになる。
ここで、従来の弁機構(止血弁80及びプラグ82)について図8を参照して説明する。従来の弁機構は、プラグ82の先端が筒状に形成されている。このため、プラグ82は、止血弁80の貫通状態で、その周囲に液体(血液や輸液剤)が滞留し易い領域(滞留領域84)を形成することになる。プラグ30から流出した輸液剤は、この滞留領域84に殆ど回り込むことなく先端方向に移動していき、滞留領域84に流れた輸液剤や血液は停滞及び残留していた。
これに対し、図7A及び図7Bに示すように、カテーテル組立体10は、止血弁24よりも先端側に突出した部分が断面半円形状に形成されているので、先端側中空部22aにおいて輸液剤を側方に回り込ませる。その結果、案内部34内での滞留領域84の発生を抑制することができる。輸液剤は、案内部34に連続的に供給されることで、カテーテル12の内腔12aに容易に導かれて、患者の血管内に流入する。
また輸液においては、既述したように、患者の状態等に応じて輸液剤の交換等によりカテーテルハブ14からコネクタ20を取り外すことがある。この場合、ユーザは、カテーテルハブ14と相対的にコネクタ20を後退移動して、輸液チューブを引き抜く。カテーテル組立体10は、このコネクタ20の後退移動に伴い、図9A及び図9Bに示すように、プラグ30を自動的に基端方向に押し戻す構成となっている。
すなわち、コネクタ20が後退移動すると、プラグ30の前進により圧縮されていたバネ28が弾性復帰して、プラグ30を基端方向に押し出す。これにより、開放胴部56の延在部66がプラグ用スリット53から抜け、さらに連結部64もプラグ用スリット53から抜けるように作用する。連結部64はテーパ形状になっているため、比較的容易に抜ける。
そして、バネ28が伸長し終わった段階では、プラグ30の閉塞頭部54がプラグ用スリット53内に位置した状態となる。この際、抜止め部54aが閉塞膜50に引っ掛かることで閉塞頭部54の抜けが抑制される。これにより、プラグ用スリット53が閉塞頭部54により隙間なく押し広げられ、止血弁24は確実に閉塞されることになる。例えば、プラグ30の挿入により閉塞膜50に破れが生じても、閉塞膜50は、閉塞頭部54の押し広げにより破れ部分が閉じられる。従って、止血弁24の基端側中空部22bに血液が漏れることを良好に回避することができる。
以上のように、第1実施形態に係るカテーテル組立体10によれば、止血弁24が内針用スリット52とプラグ用スリット53の2つのスリットを有することで、止血弁24の各スリットを一層確実に再閉塞させることができる。すなわち、止血弁24は、プラグ用スリット53を有するので、プラグ30を容易に通して変位させることができ、プラグ用スリット53が破損することを低減する。また、内針16の径に応じて内針用スリット52を小さく形成しても内針用スリット52が無理に押し広げられず、止血弁24は強固な閉塞状態を維持することができる。よって、カテーテル組立体10は、血液の漏出を防いで輸液チューブの取替を簡単化することができる。
この場合、プラグ用スリット53に閉塞頭部54又は開放胴部56のいずれか一方が常に挿入されていることで、閉塞頭部54がプラグ用スリット53に重なる位置で止血弁24と閉塞頭部54が協働して中空部22を効果的に閉塞する。よって、血液の漏出をより確実に防ぐことができる。また、開放胴部56がプラグ用スリット53に重なった状態では、プラグ用スリット53を開放させて液体を容易に流動させることができる。
また、開放胴部56の断面形状の位相が閉塞頭部54と相対的に略90°ずれていることで、開放胴部56をプラグ用スリット53に挿入すると所定方向に延びるプラグ用スリット53を充分に拡げることができる。よって、輸液剤はプラグ用スリット53をより容易に通過することができる。さらに、プラグ用スリット53の切込幅が内針用スリット52の切込幅よりも長く、また平行に形成されていることで、仮にプラグ用スリット53の開放時等に止血弁24に亀裂を生じさせたとしても、亀裂が内針用スリット52に向かうことを抑制することができる。よって、止血弁24とプラグ30による閉塞を一層確実なものとすることができる。
なお、本発明に係るカテーテル組立体10は、上記の第1実施形態に限定されず、種々の実施形態、変形例及び応用例をとり得ることは勿論である。例えば、カテーテル組立体10の穿刺可能状態で、プラグ30はプラグ用スリット53に挿入されておらず、止血弁24の基端側に待機した状態であってもよい。
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、図10A及び図10Bに示すように、カテーテルハブ14の中空部22に配置される各部材の構成が第1実施形態に係るカテーテル組立体10と異なる。なお、以降の説明において、第1実施形態に係るカテーテル組立体10と同じ構成又は同じ機能を奏する構成については、同一の符号を付しその詳細な説明については省略する。また以下では、内針ハブ18を省略して各構成を説明するが、第1実施形態に係る内針ハブ18を適用し得ることは勿論である。
具体的に、カテーテル組立体10Aに組み付けられるプラグ130は、プラグ130を基端方向に押し戻すための弾性部(バネ部132)が一体成形されている。なお、プラグ130が配置される止血弁24は、第1実施形態に係る止血弁24と同一の構成を採ることができ、内針用スリット52及びプラグ用スリット53が閉塞膜50に設けられている。また、シール部材150は、第1実施形態に係るシール部材26と異なり、貫通孔152を断面円形状に形成することが可能であり、プラグ130の回転規制を行わない。すなわち、プラグ130は、基本的に止血弁24のプラグ用スリット53に挿入され続けるため、止血弁24により回転が規制される。勿論、シール部材26は、内針16やプラグ130の断面形状に対応した貫通孔を有していてもよい。
プラグ130は、第1実施形態に係るプラグ30に比べて、充分な厚みをもった状態で、カテーテルハブ14の案内部34、弁配置部36、コネクタ接続部38にわたって収容される軸方向長さを有する。詳細には、先端側から基端側に向かって順に、バネ部132、閉塞頭部134、開放胴部136及びフランジ部138が設けられている。
図11A及び図11Bに示すように、プラグ30のバネ部132は、カテーテルハブ14の軸方向に沿って複数(図示例では5つ)のリング140を連ねることで、所定の弾性力を有するように構成される。このリング140は、厚み方向に孔部140aが貫通形成され、図10Bに示す平面視で、軸方向に短軸、幅方向に長軸を有する楕円形状に形成されている。リング140は、軸方向に押圧力がかかると、長軸方向(幅方向)に応力を逃がして、弾力的に押し潰されるように作用する。個々のリング140が弾性的に押し潰されることで、バネ部132全体として軸方向に充分に短くなる。
一方、閉塞頭部134は、バネ部132の基端側に連なり、このバネ部132よりも幅広な平板状を呈している。閉塞頭部134は、側面断面視(図10A参照)で、閉塞膜50の膜厚よりも多少長い軸方向長さを有する。また、閉塞頭部134の上面には、プラグ130がプラグ用スリット53から抜けることを防止する凸部134a(抜止め部)が突出形成されている。
開放胴部136は、閉塞頭部134の基端側に連なり、閉塞頭部134と同じ幅及び厚みで基端方向に延びる平板状を呈している。開放胴部136の平板面には、厚み方向に貫通する流通穴142が形成されている。この流通穴142は、開放胴部136がプラグ用スリット53に挿入された状態で、先端側中空部22aと基端側中空部22bを連通させる機能を有する。
流通穴142は、平面視で、先端側が幅広な方形状に形成され、軸方向中間部分から基端側に向かって徐々に幅狭となるテーパ状に形成されている。この流通穴142が先端側において幅広であることで、輸液剤の流通量を充分に確保することが可能となる。また、流通穴142が基端側において幅狭であることで、プラグ130の強度を増すことができる。
フランジ部138は、開放胴部136の基端側に連なる円盤状に形成され、さらに上下を切り欠くことにより、輸液剤を開放胴部136の上下に流動させるように構成されている。また、開放胴部136は、フランジ部138の中心部に対し上方向にずれた先端面に連結され、この開放胴部136の下側部分の切欠き144は内針16を通すことが可能な深さに形成されている。これにより内針16は、切欠き144を通してプラグ130と平行に配置される。
図10A及び図10Bに戻り、カテーテル組立体10Aは、穿刺可能状態を構成するために、プラグ130を止血弁24のプラグ用スリット53に挿入し、閉塞頭部134によりプラグ用スリット53を塞いだ状態とする。この状態では、閉塞頭部134よりも先端側のバネ部132が、カテーテルハブ14の案内部34の内壁34aにちょうど当接する。また、内針用スリット52にも内針16が挿通されるが、閉塞頭部134の挿入状態で閉塞膜50が下方向に押圧されるため、内針用スリット52が隙間なく閉塞される。
第2実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、以下その作用効果について説明する。
カテーテル組立体10Aも、第1実施形態に係るカテーテル組立体10と同様の操作がなされる。すなわち、上記の穿刺可能状態で、カテーテル組立体10Aはユーザの操作下にカテーテル12及び内針16が患者に穿刺され、その後内針16が引き抜かれる。内針16の引き抜き時には、止血弁24のプラグ用スリット53にプラグ130が挿入されていることにより、プラグ用スリット53を確実に閉塞すると共に、プラグ130より下側の内針用スリット52を積極的に閉塞させる。このため、中空部22に血液が流入しても、止血弁24は血液の漏出を良好に遮断することができる。
次に、図12Aに示すように輸液チューブのコネクタ20をカテーテルハブ14に挿入する。コネクタ20の挿入時には、コネクタ20の先端面がプラグ130のフランジ部138に接触してプラグ130を先端方向に押し出す。これによりプラグ130のバネ部132が弾性変形して軸方向に縮小し、閉塞頭部134が閉塞膜50よりも先端方向に移動する。
そして、プラグ130は、開放胴部136の流通穴142の先端側が閉塞膜50を越える位置まで、コネクタ20により押し込まれる。この状態では、図12Bに示すように、プラグ用スリット53に流通穴142が重なり、プラグ用スリット53を開放した状態とする。ここで、プラグ130は、第1実施形態に係るプラグ30よりも厚く形成されており、プラグ用スリット53は、開放胴部136の厚みに応じて大きく開放する。コネクタ20から供給された輸液剤は、切欠き144を通って基端側中空部22bに流入し、さらに流通穴142を通してプラグ用スリット53を通ることができる。
また、止血弁24よりも先端側では、平板状の開放胴部136の上下に輸液剤を流出させる。このため、輸液剤をプラグ130の周囲に簡単に回り込ませることができ、先端側中空部22a内での滞留領域84(図8参照)の発生を抑制することができる。先端側中空部22aに流入した輸液剤は、カテーテル12の内腔12aに容易に導かれて、患者の血管内に流入する。
さらに、輸液剤の交換等によりカテーテルハブ14からコネクタ20を後退移動すると、図13A及び図13Bに示すように、バネ部132が弾性復帰するように動作する。つまり、バネ部132がプラグ130を自動的に基端方向に押し出すことにより、開放胴部136は、プラグ用スリット53から抜ける。
そして、バネ28が伸長し終わった段階では、閉塞頭部134がプラグ用スリット53内に位置した状態となる。すなわち、プラグ用スリット53は、閉塞頭部134により隙間なく押し広げられて密閉状態となり、止血弁24とプラグ130は中空部22を強固に閉塞する。例えば、プラグ130の挿入により閉塞膜50に破れが生じても、閉塞頭部134が押し広げたままの閉塞膜50は、破れ部分を閉じることができる。従って、止血弁24の基端側中空部22bに血液が漏れることを良好に回避することができる。
以上のように、第2実施形態に係るカテーテル組立体10Aでも、第1実施形態に係るカテーテル組立体10と同様の効果を得ることができる。特に、カテーテル組立体10Aは、開放胴部136が閉塞膜50の肉厚よりも軸方向に長い流通穴142を有する。そのため、開放胴部136がプラグ用スリット53に挿入され流通穴142がプラグ用スリット53に重なった状態では、基端側中空部22bと先端側中空部22aが流通穴142を介して連通する。よって輸液剤は、流通穴142を介して先端側中空部22aに容易に流入することができる。なお、開放胴部136による輸液剤の流通機構は、上下に貫通する流通穴142に限定されず、例えば開放胴部136の軸方向に長い溝等を採用することもできる。
また、カテーテル組立体10Aは、バネ部132がプラグ130に一体成形されていることで、部品点数を減らすことができ、製造コストや作業工数を削減することができる。要するに、カテーテル組立体10、10Aのプラグ30、130を押し戻す弾性部の構成は特に限定されるものではない。例えば、第1実施形態に係るプラグ30に第2実施形態に係るバネ部132を設けてもよい。また、弾性部を一体成形する部材は、プラグ30、130に限定されず、カテーテルハブ14、止血弁24又はシール部材26、150等でもよい。例えば、カテーテルハブ14に弾性部を設ける場合は、案内部34の内壁34aからプラグ30の先端面に向かって突出する弾性片(図示せず)とすればよい。また、弾性片は、弁配置部36やコネクタ接続部38に設けられ、プラグ30のフランジ部58に弾性的に接触する構成でもよい。また例えば、止血弁24(シール部材26)に弾性部を設ける場合は、止血弁24の基端部からプラグ30のフランジ部58に向けて弾性片を突出させればよい。
さらに、カテーテル組立体10Aは、閉塞頭部134と開放胴部136の厚みが同一であることで、プラグ用スリット53と相対的にプラグ30を変位させる際に、プラグ30の摺動抵抗を抑えてスムーズに移動させることができる。
〔第3実施形態〕
第3実施形態に係るカテーテル組立体10Bは、図14A及び図14Bに示すように、カテーテルハブ14の中空部22に配置される各部材の構成が第1及び第2実施形態に係るカテーテル組立体10、10Aと異なる。具体的には、このカテーテル組立体10Bに組み付けられるプラグ160は板状の弾性部材(板バネ)として構成されている。
また、プラグ160が板バネに構成されていることから、カテーテルハブ14内にバネ28(図2参照)を収容しない構成とすることができる。このため例えば、中空部22内には、第1実施形態に係る止血弁24と、第2実施形態に係るシール部材150が適宜の位置に配置され、これら止血弁24及びシール部材150と貫通するようにプラグ160が収容される。
プラグ160は、第1実施形態に係るプラグ30に比べて容易に弾性変形するように充分に薄い状態で延び、案内部34、弁配置部36、コネクタ接続部38間をわたる軸方向長さを有する。詳細には、先端側から基端側に向かって、先端係止部162、中間変形部164及び基端受部166が設けられている。また、プラグ160の左右方向の幅は、プラグ用スリット53の左右方向(延在方向)の幅に略一致しており、先端係止部162、中間変形部164及び基端受部166は同じ幅に形成されている。
先端係止部162は、案内部34の内壁34aに係止される部分であり、図15A及び図15Bに示すように、下方向に湾曲するように形成されている。先端係止部162の湾曲度合い(曲率半径)は、基端受部166の丸角に比べて大きく形成されている。これにより、カテーテルハブ14内にプラグ160を組み付ける際には、先端係止部162をプラグ用スリット53に容易に挿入して、カテーテルハブ14内での引っ掛かりを抑えてスムーズに先端側まで入れ込むことができる。
また、先端係止部162は、幅方向中間部が切り欠かれることで、下方向に向かって一対の脚部162aが形成されている。一対の脚部162aの先端は、鋭角に形成され、案内部34のテーパ状に形成された内壁34aに引っ掛かり易くなっている。一対の脚部162aの間は、カテーテル12の内腔12aよりも幅広な逆U字状の谷部162bとなっており、内針16及び輸液剤が容易に通過可能に構成されている。
なお、先端係止部162の形状は、特に限定されるものではなく、プラグ160が所定方向に弾性変形するようにプラグ160を係止する構成であればよい。例えば、先端係止部162は、湾曲せずに略直線状に延び、案内部34の内壁34aに係止されてもよい。また例えば、カテーテルハブ14は、先端側中空部22a内に図示しない係止用突起を突出形成(例えば、一体成形)して、先端係止部162が引っ掛かるように構成してもよい。
中間変形部164は、先端係止部162の基端側に連なり、側面視で緩やかに円弧状を描くように形状記憶された部位である。この中間変形部164は、薄い板厚で軸方向に長尺に形成されることにより、比較的容易に弾性変形する。すなわち、中間変形部164は、板バネの面方向と直交する下方向に撓むように変形する。
カテーテル組立体10Bは、プラグ160の中間変形部164の弾性変形に基づき、プラグ用スリット53を下方向に開放する構成となっている。具体的には、中間変形部164の軸方向中間部の頂部164a付近が止血弁24の閉塞膜50に重なるように挿入される。プラグ160が弾性変形していない穿刺可能状態等では、挿入された中間変形部164は、閉塞膜50を閉塞する位置に(プラグ用スリット53の初期形成位置で開放作用を付与しないように)配置されている。一方、プラグ160が先端方向に押し込まれると、中間変形部164が弓なりにしなって、頂部164aが下方向へ変位し閉塞膜50を押し下げる。これにより、プラグ用スリット53が大きく開放される。
基端受部166は、中間変形部164の基端側に連なり、輸液チューブのコネクタ20が接触して押圧力を受ける部位であり、第1及び第2実施形態に係るフランジ部58、138に相当する。この基端受部166は、中間変形部164の基端側に対し略90°折り曲げられる。中間変形部164との連結箇所165は、丸角に形成されているが、その曲率半径は先端係止部162に比べて小さい。
また、基端受部166も、先端係止部162と同様に、幅方向中間部が切り欠かれることで、下方向に向かって一対の脚部166aが形成されている。一対の脚部166aの間は、内針16を通すと共にコネクタ20が接触した状態で、コネクタ20の内腔に連通する幅広な逆U字状の谷部166bとなっている。
以上のプラグ160を構成する材料は、特に限定されるものではないが、金属材料又は樹脂材料を適用するとよい。金属材料としては、例えば、Ni−Ti系合金のような擬弾性合金(超弾性合金を含む)、形状記憶合金、ステンレス鋼、コバルト系合金、金、白金のような貴金属、タングステン系合金、炭素系材料等が挙げられる。或いは、プラグ160は、止血弁24よりも硬く、ゴム性を有する樹脂材料を適用してもよい。
図14A及び図14Bに戻り、カテーテル組立体10Bは、穿刺可能状態を構成するために、プラグ160を止血弁24のプラグ用スリット53に挿入し、中間変形部164の頂部164a付近がプラグ用スリット53に重なる位置に配置する。この状態では、先端係止部162が案内部34の内壁34aにちょうど引っ掛かる。プラグ160と止血弁24は、相互に無理な作用力をかけずに配置されるため、中空部22を良好に閉塞することができる。また、内針用スリット52にも内針16が挿通される。
第3実施形態に係るカテーテル組立体10Bは、基本的には以上のように構成されるものであり、以下その作用効果について説明する。
カテーテル組立体10Bも、第1及び第2実施形態に係るカテーテル組立体10、10Aと同様の操作がなされる。すなわち、上記の穿刺可能状態で、カテーテル組立体10Bは、ユーザの操作下にカテーテル12及び内針16が患者に穿刺され、その後内針16が引き抜かれる。内針16の引き抜き時には、止血弁24のプラグ用スリット53にプラグ160が挿入されていることにより、プラグ用スリット53を確実に閉塞する。このため、中空部22に血液が流入しても、止血弁24は血液の漏出を良好に遮断することができる。
次に、図16Aに示すように輸液チューブのコネクタ20をカテーテルハブ14に挿入する。コネクタ20の挿入時には、コネクタ20の先端面がプラグ160の基端受部166に接触してプラグ160を先端方向に押し出す。これによりプラグ160の中間変形部164が軸方向に押し込まれ、先端係止部162が引っ掛かっていることで、中間変形部164の板面が下方向にしなるように弾性変形する。
そして、コネクタ20がコネクタ接続部38に対し嵌合する位置では、図16Bに示すように、プラグ160の頂部164aが大きく変位した状態となり、中間変形部164の板面に押されたプラグ用スリット53が大きく開放する。よって、コネクタ20から供給された輸液剤は、基端受部166の谷部166bを通って基端側中空部22bに流入し、さらにプラグ用スリット53を通って先端側中空部22aに流入する。
また、止血弁24よりも先端側では、平板状の中間変形部164の周囲を回り込むように輸液剤を流出させる。このため、先端側中空部22a内での滞留領域84(図8参照)の発生を抑制することができる。先端側中空部22aに流入した輸液剤は、カテーテル12の内腔12aに容易に導かれて、患者の血管内に流入する。
さらに、輸液剤の交換等によりカテーテルハブ14からコネクタ20を後退移動すると、図17A及び図17Bに示すように、中間変形部164が弾性的に復元する。つまり、下方向に変位していた頂部164a付近が上方向に自動的に戻り、プラグ用スリット53が再閉塞する。
プラグ用スリット53は、中間変形部164により隙間なく密閉され、止血弁24とプラグ160は中空部22を強固に閉塞する。従って、止血弁24の基端側中空部22bに血液が漏れることを良好に回避することができる。
以上のように、第3実施形態に係るカテーテル組立体10Bでも、第1及び第2実施形態に係るカテーテル組立体10、10Aと同様の効果を得ることができる。特に、プラグ用スリット53に常に挿入されるプラグ160の中間変形部164が、プラグ用スリット53の左右方向と直交する上下方向に弾性変形可能であることで、中間変形部164の変形に伴いプラグ用スリット53を容易に開放することができる。
また、プラグ160の基端に基端受部166が形成されていることで、輸液チューブのコネクタ20からの押圧力により板状の中間変形部164を簡単に変形させて、プラグ用スリット53を開放することができる。なお、プラグ160の両端部の形状は特に限定されず、例えば、第1又は第2実施形態に係るフランジ部58、138を溶接等により溶着してもよい。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。

Claims (8)

  1. カテーテル(12)と、
    前記カテーテル(12)を保持し、前記カテーテル(12)の孔部(12a)に連通する中空部(22)を有するハブ(14)と、
    前記孔部(12a)及び前記中空部(22)を挿通可能な内針(16)と、
    前記中空部(22)に変位自在に配置される挿通部材(30、130、160)と、
    前記中空部(22)に設けられる弁体(24)と、を備え、
    前記弁体(24)は、前記内針(16)が挿通される内針用スリット(52)と、前記挿通部材(30、130、160)が挿通される挿通部材用スリット(53)と、を別に有する
    ことを特徴とするカテーテル組立体(10、10A、10B)。
  2. 請求項1記載のカテーテル組立体(10、10A)において、
    前記挿通部材(30、130)は、前記挿通部材用スリット(53)を閉塞する閉塞部(54、134)と、前記閉塞部(54、134)の基端側に連なり該閉塞部(54、134)に対し形状又は位相が異なることで前記挿通部材用スリット(53)を開放する開放部(56、136)と、を備え、
    前記挿通部材用スリット(53)には、前記閉塞部(54、134)又は前記開放部(56、136)のいずれか一方が常に挿入されている
    ことを特徴とするカテーテル組立体(10、10A)。
  3. 請求項2記載のカテーテル組立体(10)において、
    前記開放部(56)の断面形状は、前記閉塞部(54)の断面形状に略相似し、且つ前記閉塞部(54)に対し前記挿通部材(30)の軸心回りに位相が略90°ずれている
    ことを特徴とするカテーテル組立体(10)。
  4. 請求項2記載のカテーテル組立体(10A)において、
    前記開放部(136)は、前記弁体(24)の前記挿通部材用スリット(53)が設けられた閉塞膜(50)の肉厚よりも軸方向に長い流通穴(142)を有する
    ことを特徴とするカテーテル組立体(10A)。
  5. 請求項4記載のカテーテル組立体(10A)において、
    前記閉塞部(134)と前記開放部(136)は、前記挿通部材用スリット(53)の延在方向と直交する方向の厚みが同一である
    ことを特徴とするカテーテル組立体(10A)。
  6. 請求項1記載のカテーテル組立体(10B)において、
    前記挿通部材用スリット(53)には、前記挿通部材(160)が常に挿入され、
    前記挿通部材(160)は、前記挿通部材用スリット(53)の延在方向と直交する方向に弾性変形可能な変形部(164)を有する
    ことを特徴とするカテーテル組立体(10B)。
  7. 請求項6記載のカテーテル組立体(10B)において、
    前記変形部(164)は、板状に形成されて軸方向に延在し、
    前記挿通部材(160)の一端には、前記変形部(164)に湾曲して連なり前記ハブ(14)に接続されたコネクタ(20)からの押圧力を受けることが可能な受部(166)が形成されている
    ことを特徴とするカテーテル組立体(10B)。
  8. 請求項1記載のカテーテル組立体(10、10A、10B)において、
    前記内針用スリット(52)と前記挿通部材用スリット(53)は平行に形成され、且つ前記挿通部材用スリット(53)の切込幅が前記内針用スリット(52)の切込幅よりも長い
    ことを特徴とするカテーテル組立体(10、10A、10B)。
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