JPWO2015137416A1 - 信号処理システム、タッチパネルシステム、及び、電子機器 - Google Patents

信号処理システム、タッチパネルシステム、及び、電子機器 Download PDF

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Abstract

離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号に混入するノイズを低減する。サブシステム(5a)は、第1〜第(N+1)ベクタ駆動を実行する第1〜第(M+1)フレーム駆動を行うフレーム単位駆動を実施し、サブシステム(5b)は、各フレーム駆動の第kベクタ駆動〜第(k+j)ベクタ駆動を実行する複数ベクタ連続駆動を実施する。

Description

本発明は、離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号に、加減算に基づく信号処理を行って前記線形素子の値、もしくは、前記線形素子の入力を推定する信号処理システム、複数本のドライブラインと複数本のセンスラインとの交点にそれぞれ形成された複数個のキャパシタを有するタッチパネルとタッチパネルを制御するタッチパネルコントローラとを備えたタッチパネルシステム、及び、電子機器に関する。
本発明者らは、複数本のドライブラインと複数本のセンスラインとの交点にそれぞれ形成された複数個のキャパシタを有するタッチパネルを制御して、マトリックス状に構成されたキャパシタに蓄積された静電容量を推定または検出するタッチパネルコントローラを提案している(特許文献1)。
このタッチパネルコントローラは、複数のドライブラインを符号系列に基づいて並列駆動してキャパシタに蓄積された電荷に基づく線形和信号をセンスラインに沿って離散時間でサンプリングして読み出し、読み出した線形和信号と符号系列との内積演算によりキャパシタの静電容量を推定または検出する。
日本国特許公報「特許第5231605号(2013年3月29日登録)」
しかしながら、上述のような従来技術は、離散時間でサンプリングした線形和信号にノイズが混入し、キャパシタの静電容量の推定または検出が不正確になり、タッチパネルコントローラを良好に動作させることが困難になるという問題がある。
本発明の目的は、離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号に混入するノイズ周波数、ノイズ量、及び、入出力伝達特性に基づいて、加減算に基づく信号処理を行って線形素子の値もしくは入力を推定する結果に混入するノイズを低減することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る信号処理システムは、離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号に、 加減算に基づく信号処理を行って前記線形素子の値、もしくは、前記線形素子の入力を推定する信号処理システムであって、異なる入出力伝達特性を有する第1及び第2サブシステムと、前記時系列信号に混入するノイズ周波数、ノイズ量、及び、前記入出力伝達特性に基づいて、前記線形素子の値もしくは入力を推定した結果に混入するノイズを低減するように前記第1及び第2サブシステムを切り換えて前記線形素子に繋ぐ切換回路とを備え、前記第1サブシステムは、それぞれが偶数フェイズ駆動と奇数フェイズ駆動とを含む第1〜第(N+1)ベクタ駆動をこの順番で実行する第1〜第(M+1)フレーム駆動を行うフレーム単位駆動を実施し(N、Mは整数)、前記第2サブシステムは、各フレーム駆動の第kベクタ駆動〜第(k+j)ベクタ駆動(k、jは、1≦k≦N、1≦j≦N−1を満足する整数)をこの順番で実行する複数ベクタ連続駆動を実施することを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタッチパネルシステムは、複数本のドライブラインと複数本のセンスラインとの交点にそれぞれ形成された複数個のキャパシタを有するタッチパネルと、前記タッチパネルを制御するタッチパネルコントローラとを備えたタッチパネルシステムであって、前記タッチパネルコントローラは、前記キャパシタを前記ドライブラインに沿って駆動する駆動回路と、前記駆動回路により駆動されたキャパシタに基づく複数個の線形和信号を前記センスラインに沿って読み出して増幅する増幅回路と、前記増幅回路の出力をアナログ・デジタル変換するアナログ・デジタル変換回路と、前記アナログ・デジタル変換された増幅回路の出力に基づいて前記キャパシタに蓄積された電荷の静電容量を推定する復号演算回路と、異なる入出力伝達特性を有する第1及び第2サブシステムと、前記第1及び第2サブシステムを切り換えて前記線形素子に繋ぐ切換回路とを備え、前記第1サブシステムは、それぞれが偶数フェイズ駆動と奇数フェイズ駆動とを含む第1〜第(N+1)ベクタ駆動をこの順番で実行する第1〜第(M+1)フレーム駆動を行うフレーム単位駆動を実施し(N、Mは整数)、前記第2サブシステムは、各フレーム駆動の第kベクタ駆動〜第(k+j)ベクタ駆動(k、jは、1≦k≦N、1≦j≦N−1を満足する整数)をこの順番で実行する複数ベクタ連続駆動を実施することを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器は、本発明に係るタッチパネルシステムと、前記タッチパネルシステムに対応する表示装置とを備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号に混入するノイズ周波数、ノイズ量、及び、入出力伝達特性に基づいて、加減算に基づく信号処理を行って線形素子の値もしくは入力を推定する結果に混入するノイズを低減することができるという効果を奏する。
実施の形態1に係る信号処理システムの構成を示すブロック図である。 上記信号処理システムにより処理される時系列信号のノイズ量及びサンプリング周波数と時系列信号の振幅変化量との間の周波数特性を示すグラフである。 実施の形態1に係るタッチパネルシステムの構成を示す回路図である。 上記タッチパネルシステムの駆動方法を説明するための回路図である。 上記タッチパネルシステムの駆動方法を示す数式を説明するための図である。 上記タッチパネルシステムにノイズが印加される状況を示す回路図である。 上記タッチパネルシステムの並列駆動方法を説明するための回路図である。 上記タッチパネルシステムの並列駆動方法を示す数式を説明するための図である。 上記タッチパネルシステムをM系列符号により並列駆動する方法を示す数式を説明するための図である。 実施の形態1に係る他のタッチパネルシステムの構成を示す回路図である。 (a)(b)(c)(d)は、上記他のタッチパネルシステムによりキャパシタを駆動する実施単位を説明するための図である。 (a)(b)(c)は、上記他のタッチパネルシステムによりキャパシタを反転駆動する方法を説明するための図である。 上記他のタッチパネルシステムにより1stベクタによる駆動の次に2ndベクタによる駆動を実施するときの駆動信号等の波形図である。 (a)は上記他のタッチパネルシステムにより連続して1stベクタによる駆動を実施するときの駆動信号等の波形図であり、(b)は連続して1stベクタのフェイズ0による駆動を実施するときの駆動信号等の波形図である。 (a)は上記他のタッチパネルシステムにより連続して1stベクタによる駆動を実施するときの駆動信号等の波形図であり、(b)は偶数回目における1stベクタによる駆動を反転する場合の駆動信号等の波形図である。 (a)は連続して1stベクタのフェイズ0による駆動を実施するときの駆動信号等の波形図であり、(b)は偶数回目における1stベクタのフェイズ0による駆動を反転する場合の駆動信号等の波形図である。 (a)は上記他のタッチパネルシステムにより連続して1stベクタ〜3rdベクタによる駆動を実施するときの駆動信号等の波形図であり、(b)は偶数回目における1stベクタ〜3rdベクタによる駆動を反転する場合の駆動信号等の波形図である。 (a)(b)は上記他のタッチパネルシステムによる4重サンプリングの周波数特性を示すグラフである。 上記他のタッチパネルシステムによる他の4重サンプリングの周波数特性を示すグラフである。 (a)(b)上記他のタッチパネルシステムによるさらに他の4重サンプリングの周波数特性を示すグラフである。 (a)(b)は上記他のタッチパネルシステムの駆動方法を比較するための図である。 実施の形態2に係るタッチパネルシステムの構成を示す回路図である。 実施の形態3に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔実施形態1〕
(信号処理システム10の構成)
図1は、実施の形態1に係る信号処理システム10の構成を示すブロック図である。信号処理システム10は、線形素子CXを駆動する駆動回路4と、駆動回路4を制御する制御回路14とを備えている。
制御回路14は、互いに異なる入出力伝達特性を有するサブシステム5a・5bと、サブシステム5a・5bのいずれかを駆動回路4に接続する切換回路6とを有している。
線形素子CXは、サブシステム5aまたは5bにより制御される駆動回路4により駆動されて、連続的または離散的に観測できて時々刻々と変化する値を有する時系列信号をアナログインターフェース7a(例えば、増幅回路)に供給する。アナログインターフェース7aは、この時系列信号を増幅してAD変換回路13に出力する。AD変換回路13は、アナログインターフェース7aから供給された時系列信号をAD変換し、離散時間でサンプリングされた時々刻々と変化する複数個の時系列信号を線形素子推定部11に供給する。線形素子推定部11は、AD変換された線形素子CXに基づく複数個の時系列信号に、加減算に基づく信号処理を行って線形素子CXの値、もしくは、線形素子CXの入力を推定する。信号処理システム10には、線形素子推定部11による線形素子CXの推定値もしくは線形素子CXの入力の推定値から、時系列信号に混入するノイズ量を推定するノイズ量推定回路9が設けられている。
切換回路6は、時系列信号に混入するノイズ周波数、ノイズ量、及び、入出力伝達特性に基づいて、加減算に基づく信号処理を行って線形素子CXの値もしくは入力を推定する結果に混入するノイズを低減するようにサブシステム5a・5bを切り換えて駆動回路4に繋ぐ。
制御回路14は、アナログインターフェース回路7aを制御する。例えば、増幅回路への入力状態を切り換える偶数フェイズ駆動と奇数フェイズ駆動に対応する信号を制御回路14は制御する。また制御回路14は、AD変換回路13のサンプリング周波数、多重サンプリング数を制御する。さらに制御回路14は、線形素子推定部11の動作を制御する。
サブシステム5aに基づく線形素子CXからの時系列信号の多重サンプリング数と、サブシステム5bに基づく線形素子CXからの時系列信号の多重サンプリング数とは異なり得る。そして、サブシステム5aに基づく線形素子CXからの時系列信号のサンプリング周波数と、サブシステム5bに基づく線形素子CXからの時系列信号のサンプリング周波数とは異なり得る。
サブシステム5a・5bに基づく複数個の時系列信号の符号の正負は時系列に沿って反転し得る。また、サブシステム5a・5bに基づく複数個の時系列信号の符号の正負は時系列に沿って一定となり得る。
切換回路6は、ノイズ量推定回路9の推定結果に基づいてサブシステム5a・5bを切り換える。
線形素子CXは、例えば、キャパシタであり得る。線形素子CXは、熱電対を備えた温度計であってもよい。この場合は、駆動回路4が無くても、信号処理システム10が成立する。熱電対を用いて観測できる微小電圧(微小電流)を増幅回路により増幅した後、AD変換回路13によりサンプリングし、多重サンプリングのサンプリング数、サンプリング周波数を変えて、ノイズを低減できる構成が実現できる。
(ノイズ量及びサンプリング周波数と振幅変化量との間の周波数特性)
図2は、信号処理システム10により処理される時系列信号のノイズ量及びサンプリング周波数と時系列信号の振幅変化量との間の周波数特性を示すグラフである。横軸は、信号周波数とサンプリング周波数との比である正規化係数を示している。縦軸は、信号の振幅変化量を示している。
特性C1は、2個の信号をサンプリングして単純移動平均を出力する2重サンプリングの周波数特性を示している。特性C2は4個の信号をサンプリングして単純移動平均を出力する4重サンプリングの周波数特性を示しており、特性C3は8個の信号をサンプリングして単純移動平均を出力する8重サンプリングの周波数特性を示している。そして、特性C4は16個の信号をサンプリングして単純移動平均を出力する16重サンプリングの周波数特性を示している。
この周波数特性のグラフから、2重サンプリングでは、特性C1に示すように、正規化係数が0.5のとき振幅変化量が−∞dBになる。従って、サンプリング周波数をノイズ周波数の2倍に設定するとノイズをなくすことができる。また、正規化周波数が0.5に近づくようにサンプリング周波数を変更してもノイズを低減することができる。
4重サンプリングでは、特性C2に示すように、正規化係数が0.5のとき、及び0.25のとき振幅変化量が−∞dBになる。従って、サンプリング周波数をノイズ周波数の2倍または4倍に設定するとノイズをなくすことができる。正規化周波数が0.5または0.25に近づくようにサンプリング周波数を変更してもノイズを低減することができる。
8重サンプリングでは、特性C3に示すように、正規化係数が0.5、0.375、0.25、及び0.125のとき振幅変化量が−∞dBになる。従って、サンプリング周波数をノイズ周波数の2倍、2.67倍、4倍、または8倍に設定するとノイズをなくすことができる。正規化周波数が0.5、0.375、0.25、または0.125に近づくようにサンプリング周波数を変更してもノイズを低減することができる。
16重サンプリングでも、特性C4に示すように、サンプリング周波数を設定、または変更することにより、ノイズを無くし、または低減することができる。
このように、ノイズ周波数に対するサンプリング周波数を設定、または変更することにより、ノイズを無くし、または低減することができる。
例えば、正規化周波数が0.25のとき、2重サンプリングでは振幅変化量は−3dBであるが、4重サンプリング、8重サンプリング、及び16重サンプリングでは振幅変化量は−∞dBである。従って、多重サンプリングの多重度を2重から4重、8重、及び16重のいずれかに変更すると、ノイズを無くすことができる。このように、多重サンプリングの多重度を変更することによっても、ノイズを無くし、または低減することができる。
従って、図1に示す複数のサブシステムのサンプリング周波数を異なるように設定し、または、多重サンプリングの多重度を異なるように設定しておき、ノイズの周波数に基づいて、図2に示す振幅変化量が低減するように多重度、サンプリング周波数が設定されたサブシステムに切換回路6で切り換えることにより、ノイズを無くし、または低減することができる。
(タッチパネルシステム1の構成)
図3は、実施の形態1に係るタッチパネルシステム1の構成を示す回路図である。タッチパネルシステム1は、タッチパネル2とタッチパネルコントローラ3とを備えている。タッチパネル2は、ドライブラインDL1〜DL4とセンスラインSL1〜SL4との交点にそれぞれ形成されたキャパシタC11〜C44を有する。
タッチパネルコントローラ3は、キャパシタC11〜C44をドライブラインDL1〜DL4に沿って駆動する駆動回路4を有している。
タッチパネルコントローラ3には、センスラインSL1〜SL4にそれぞれ接続された増幅回路7が設けられている。各増幅回路7は、駆動回路4により駆動されたキャパシタC11〜C44にそれぞれ蓄積された静電容量に基づく複数個の線形和信号をセンスラインSL1〜SL4に沿って読み出して増幅する。増幅回路7は、増幅器18と、増幅器18に並列に接続された積分容量Cint及びリセットスイッチを有している。
タッチパネルコントローラ3は、増幅回路7の出力をアナログ・デジタル変換するAD変換回路13と、アナログ・デジタル変換された増幅回路7の出力に基づいてキャパシタC11〜C44にそれぞれ蓄積された静電容量を推定する復号演算回路8とを有している。
タッチパネルコントローラ3は、駆動回路4を制御する制御回路14を有している。制御回路14は、異なる入出力伝達特性を有するサブシステム5a・5bと、線形和信号に混入するノイズ周波数、ノイズ量、及び、入出力伝達特性に基づいて、復号演算回路8によりキャパシタC11〜C44の静電容量を推定した結果に混入するノイズを低減するようにサブシステム5a・5bを切り換えて駆動回路4に繋ぐ切換回路6とを有している。
制御回路14は、AD変換回路13のサンプリング周波数、多重サンプリング数を制御する。さらに制御回路14は、復号演算回路8の動作を制御する。
線形和信号の加減算に基づく信号処理による静電容量の推定値から、線形和信号に混入するノイズ量を推定するノイズ量推定回路9が設けられている。切換回路6は、ノイズ量推定回路9の推定結果に基づいてサブシステム5a・5bを切り換える。
(タッチパネルシステム1の動作)
図4はタッチパネルシステム1の駆動方法を説明するための回路図であり、図5はタッチパネルシステム1の駆動方法を示す数式を説明するための図である。
駆動回路4は、図5の式3に示される4行4列の符号系列に基づいてドライブラインDL1〜DL4を駆動する。符号行列の要素が「1」であれば、駆動回路4は電圧Vdriveを印加し、要素が「0」であれば、ゼロボルトを印加する。
増幅回路7は、駆動回路4により駆動されたキャパシタに蓄積された電荷に基づく静電容量のセンスラインに沿った線形和の測定値Y1、Y2、Y3、Y4を受け取って増幅する。
例えば、上記4行4列の符号系列による4回の駆動のうちの最初の駆動では、駆動回路4はドライブラインDL1に電圧Vdriveを印加し、残りのドライブラインDL2〜DL4にゼロボルトを印加する。すると、例えば、図5の式1で示される静電容量C31が蓄積されたキャパシタC31に対応するセンスラインSL3からの測定値Y1が増幅回路7から出力される。
そして、2回目の駆動では、ドライブラインDL2に電圧Vdriveを印加し、残りのドライブラインDL1、DL3、DL4にゼロボルトを印加する。すると、図5の式2で示される静電容量C32が蓄積されたキャパシタC32に対応するセンスラインSL3からの測定値Y2が増幅回路7から出力される。
次に、3回目の駆動では、ドライブラインDL3に電圧Vdriveを印加し、残りのドライブラインにゼロボルトを印加する。その後、4回目の駆動では、ドライブラインDL4に電圧Vdriveを印加し、残りのドライブラインにゼロボルトを印加する。
そうすると、図5の式3及び式4に示すように、測定値Y1、Y2、Y3、Y4そのものが、それぞれ静電容量値C1、C2、C3、C4と関連付けられる。なお、図5の式3〜式4においては、表記の簡単化のため、測定値Y1〜Y4について、係数(−Vdrive/Cint)を省略して記載している。
図6は、タッチパネルシステム1にノイズが印加される状況を示す回路図である。説明の簡潔化のためにセンスラインSL3を例に挙げて説明すると、センスラインSL3に結合された寄生容量Cpを介して、センスラインSL3に沿って読み出される線形和信号にノイズが印加されると、線形和信号が以下のようになる。
(−C×Vdrive/Cint)+(Cp×Vn/Cint)
従って、
Ey=Cp×Vn/Cint
により表されるノイズが線形和信号に混入する。
図7はタッチパネルシステム1の並列駆動方法を説明するための回路図であり、図8はタッチパネルシステム1の並列駆動方法を示す数式を説明するための図である。
駆動回路4は、図8の式5に示される4行4列の直交符号系列に基づいてドライブラインDL1〜DL4を駆動する。直交符号系列の要素は、「1」と「−1」とのいずれかであり。要素が「1」であれば、駆動部54は電圧Vdriveを印加し、要素が「−1」であれば、−Vdriveを印加する。ここで、電圧Vdriveは、電源電圧でもよいが、電源電圧以外の電圧であってもよい。
そして、図8の式6に示すように、測定値Y1、Y2、Y3、Y4と直交符号系列との内積をとることにより、式7に示すように、静電容量C1〜C4を推定することができる。
タッチパネルシステムでは、比較的ノイズが大きいため、上記動作を複数回行い、平均化した線形和信号データを真の値として取り扱うことがある。この複数回行う動作のタイミングを変えることによって、異なる入出力伝達特性を有するサブシステム5a・5b(図3参照)を実現することができる。
図9は、タッチパネルシステム1をM系列符号により並列駆動する方法を示す数式を説明するための図である。M系列符号によりキャパシタを並列駆動することによってもキャパシタの静電容量を推定することができる。式8〜式11に示すように、測定値Y1〜Y7の内積をとることにより、静電容量C1〜C7を推定することができる。「M系列」は、二進擬似乱数列の一種であり、1と−1(または1と0)の2値のみから構成される。M系列の1周期の長さは、2−1である。長さ=2−1=7のM系列の例としては、「1、−1、−1、1、1、1、−1」が挙げられる。
(タッチパネルシステム1aの構成)
図10は、実施の形態1に係る他のタッチパネルシステム1aの構成を示す回路図である。図3で前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
タッチパネルシステム1aは、タッチパネルコントローラ3aを有している。タッチパネルコントローラ3aは、切換回路12を有している。切換回路12は、各増幅回路(センスアンプ)7の入力状態を、2n番目のセンスラインと(2n+1)番目のセンスラインとが入力される偶数フェイズ状態(フェイズ0)と、(2n+1)番目のセンスラインと(2n+2)番目のセンスラインとが入力される奇数フェイズ状態(フェイズ1)との間で切り換える。ここでnはゼロ以上31以下の整数である。
制御回路14は、増幅回路7を制御する。例えば、増幅回路7への入力状態を切り換える偶数フェイズ駆動と奇数フェイズ駆動に対応する切換回路12に与える信号を制御回路14は制御する。また制御回路14は、AD変換回路13のサンプリング周波数、多重サンプリング数を制御する。さらに制御回路14は、復号演算回路8の動作を制御する。
(タッチパネルシステム1aの駆動方法)
図11(a)(b)(c)(d)は、他のタッチパネルシステム1aによりキャパシタを駆動する実施単位を説明するための図である。
図11(a)は、フレーム単位でキャパシタを駆動するフレーム単位駆動を説明するための図である。タッチパネルシステム1aは、(M+1)個のフレーム駆動Flame0〜FlameMをこの順番に繰り返す。各フレーム駆動Flame0〜FlameMは、それぞれ(N+1)個のベクタ駆動Vector0〜VectorNを含む。各ベクタ駆動Vector0〜VectorNは、それぞれ偶数フェイズ駆動Phase0及び奇数フェイズ駆動Phase1を含む。
図11(a)に示す各フレーム駆動Flame0〜FlameMが含むベクタ駆動Vector0の偶数フェイズ駆動Phase0(図11(a)において、斜線で網掛けられて「Phase0」と表記している)は、請求項に記載の「離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号」に相当する。
図11(b)は、同じフェイズで連続してキャパシタを駆動するフェイズ連続駆動を説明するための図である。まず、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase0、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase0、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase0、…、フレーム駆動FlameMのベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase0の順番で、各フレーム駆動Flame0〜FlameMに含まれるベクタ駆動Vector0のフェイズ駆動Phase0のみで連続して駆動する。
そして、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase1、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase1、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase1、…、フレーム駆動FlameMのベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase1の順番で、各フレーム駆動Flame0〜FlameMに含まれるベクタ駆動Vector0のフェイズ駆動Phase1のみで連続して駆動する。
次に、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector1に含まれるフェイズ駆動Phase0、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector1に含まれるフェイズ駆動Phase0、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector1に含まれるフェイズ駆動Phase0、…、フレーム駆動FlameMのベクタ駆動Vector1に含まれるフェイズ駆動Phase0の順番で、各フレーム駆動Flame0〜FlameMに含まれるベクタ駆動Vector1のフェイズ駆動Phase0のみで連続して駆動する。以下、同様にして、ベクタ駆動VectorNまで駆動する。
図11(c)は、同じベクタで連続してキャパシタを駆動する同一ベクタ連続駆動を説明するための図である。まず、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector0、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector0、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector0、…、フレーム駆動FlameMのベクタ駆動Vector0の順番で、各フレーム駆動Flame0〜FlameMに含まれるベクタ駆動Vector0のみで連続して駆動する。
そして、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector1、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector1、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector1、…、フレーム駆動FlameMのベクタ駆動Vector1の順番で、各フレーム駆動Flame0〜FlameMに含まれるベクタ駆動Vector1のみで連続して駆動する。
次に、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector2、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector2、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector2、…、フレーム駆動FlameMのベクタ駆動Vector2の順番で、各フレーム駆動Flame0〜FlameMに含まれるベクタ駆動Vector2のみで連続して駆動する。以下同様にして、ベクタ駆動VectorNまで駆動する。
図11(d)は、複数のベクタで連続してキャパシタを駆動する複数ベクタ連続駆動を説明するための図であり、L+1個の連続するベクタを一つの単位として駆動する。ここで、Lは、1≦L≦(N−1)を満足する整数である。
まず、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector0〜L,フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector0〜L、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector0〜L…、フレーム駆動FlameMのベクタ駆動Vector0〜L…の順番で、各フレーム駆動Flame0〜FlameMに含まれるベクタ駆動Vector0〜Lのみを連続して駆動する。
そして、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動VectorL+1〜2L+1、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動VectorL+1〜2L+1、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動VectorL+1〜2L+1、…、フレーム駆動FlameMのベクタ駆動VectorL+1〜2L+1の順番で、各フレーム駆動Flame0〜FlameMに含まれるベクタ駆動VectorL+1〜2L+1のみを連続して駆動する。
次に、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector2L+2〜3L+2、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector2L+2〜3L+2、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector2L+2〜3L+2、…、フレーム駆動FlameMのベクタ駆動Vector3L+2の順番で、各フレーム駆動Flame0〜FlameMに含まれるベクタ駆動Vector2L+2〜3L+2のみで連続して駆動する。以下同様にして、フレーム駆動FlameMに含まれるベクタ駆動VectorNを駆動するまで続ける。
なお、Flame0〜FlameM−1に含まれるベクタ駆動VectorNが出現する駆動の時に、連番となるベクタの個数がL+1個とならない場合、不足分だけダミーの駆動を行うか、不足分の期間に相当するブランク期間を設ける。
また、L=0とした時は、この複数ベクタ連続駆動は、図11(c)に示す同一ベクタ連続駆動と同じになり、L=Nとした時は、図11(a)に示すフレーム単位駆動と同じになる。
図12(a)(b)(c)は、タッチパネルシステム1aによりキャパシタを反転駆動する方法を説明するための図である。
図12(a)は、図11(b)に示したフェイズ連続駆動において、偶数回目の駆動を反転するフェイズ連続反転駆動の例である(反転する駆動箇所は黒地に白抜きで表記している)。まず、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase0で駆動する。そして、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase0で反転駆動する。
次に、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase0で駆動する。その後、フレーム駆動Flame3のベクタ駆動Vector0に含まれるフェイズ駆動Phase0反転駆動する。
フェイズ連続反転駆動における反転は、1個のフェイズ駆動単位で行われることになる。そして、平均処理のための同一データの取得周期は1個のフェイズ駆動に対応する期間となる。この同一データの極性は偶数回目で反転する。
図12(b)は、図11(c)に示した同一ベクタ連続駆動において、偶数回目の2個のフェイズ駆動を反転する同一ベクタ連続反転駆動を示している(反転する偶数回目の駆動箇所は黒地に白抜きで表記している)。まず、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector0で駆動する。そして、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector0で反転駆動する。次に、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector0で駆動する。その後、フレーム駆動Flame3のベクタ駆動Vector0で反転駆動する。
同一ベクタ連続反転駆動における反転は、2個のフェイズ駆動単位で行われることになる。そして、平均処理のための同一データの取得周期は2個のフェイズ駆動に対応する期間となる。同一ベクタ連続反転駆動では、偶数回目の2個のフェイズ駆動の極性が反転する。
図12(c)は、図11(d)に示した複数ベクタ連続駆動において、偶数回目の複数ベクタの駆動を反転する複数ベクタ連続反転駆動を示している(反転する偶数回目の駆動箇所は黒地に白抜きで表記している)。まず、フレーム駆動Flame0のベクタ駆動Vector0〜Lで駆動する。そして、フレーム駆動Flame1のベクタ駆動Vector0〜Lで反転駆動する。次に、フレーム駆動Flame2のベクタ駆動Vector0〜Lで駆動する。その後、フレーム駆動Flame3のベクタ駆動Vector0〜Lで反転駆動する。
複数ベクタ連続反転駆動における反転は、2×(L+1)個のフェイズ駆動単位で行われることになる。そして、平均処理のための同一データの取得周期は2×(L+1)個のフェイズ駆動に対応する期間となる。複数ベクタ連続反転駆動では、偶数回目の(2×(L+1))個のフェイズ駆動の極性が反転する。
図13は、タッチパネルシステム1aにより1stベクタによる駆動の次に2ndベクタによる駆動を実施するときの駆動信号等の波形図である。図11(a)に示すフレーム単位駆動におけるベクタ駆動Vector0及びベクタ駆動Vector1のフェイズ駆動Phase0に対応する波形図が示されている。信号Phase0がオンのときは、偶数フェイズ駆動Phase0による駆動が行われ、信号Phase0がオフのときは、奇数フェイズ駆動Phase1による駆動が行われる。リセット信号reset_cdsがオンのときは増幅回路7がリセットされる。駆動信号DriveがオンになるとキャパシタC11〜C44が駆動される。クロック信号clk_shがオンのときに線形和信号がセンスラインに沿って読み出される。ベクタ駆動Vector0の偶数フェイズ駆動Phase0に基づく線形和信号は、1フレーム間隔(期間T1)で取得される。
図14(a)はタッチパネルシステム1aにより連続して1stベクタによる駆動を実施するときの駆動信号等の波形図であり、(b)は連続して1stベクタのフェイズ0による駆動を実施するときの駆動信号等の波形図である。
図11(c)に示すようにベクタ駆動Vector0(1stベクタ)を連続して実施する同一ベクタ連続駆動のときは、図14(a)に示すように、ベクタ駆動Vector0による線形和信号は、2フェイズ間隔(期間T2)で取得される。
図11(b)に示すようにベクタ駆動Vector0(1stベクタ)に含まれるフェイズ駆動Phase0を連続して実施するフェイズ連続駆動のときは、図14(b)に示すように、フェイズ駆動Phase0による線形和信号は、1フェイズ間隔(期間T3)で取得される。
図15(a)はタッチパネルシステム1aにより連続して1stベクタによる駆動を実施するときの駆動信号等の波形図であり、(b)は偶数回目における1stベクタによる駆動を反転する場合の駆動信号等の波形図である。
図15(a)に示すように、リセット信号reset_cdsが立ち上がると駆動信号Driveは立下り、リセット信号reset_cdsが時刻t3において立ち下がった後、駆動信号Driveが立ち上がる。
図15(b)に示すように、駆動の反転は、駆動信号Driveをハイからローに立ち下げることにより行われる。このため、リセット信号が立ち上がったときに駆動信号Driveを図15(a)に示すように立ち下げる必要がない。このため、反転駆動前のリセット信号の立ち下げを、図15(a)におけるリセット信号の立ち下げ時刻t3よりもΔTだけ早い時刻t2にすることができ、リセット信号reset_cdsがオンであるリセット時間をΔTだけ短縮することができる。このため、ベクタ駆動Vector0による線形和信号は、図15(a)では2フェイズ間隔(時刻t1から時刻t5までの期間T2)で取得されていたが、図15(b)では(2フェイズ−ΔT)の間隔(時刻t1から時刻t4までの期間T5)で取得することができる。
図16(a)は連続して1stベクタのフェイズ0による駆動を実施するときの駆動信号等の波形図であり、(b)は偶数回目における1stベクタのフェイズ0による駆動を反転する場合の駆動信号等の波形図である。
図16(b)を参照すると、反転駆動前のリセット信号の立ち下げを、図16(a)におけるリセット信号の立ち下げ時刻t8よりもΔTだけ早い時刻t7にすることができ、リセット信号reset_cdsがオンであるリセット時間をΔTだけ短縮することができる。そして、次のリセット信号の立ち下げを、図16(a)におけるリセット信号の立ち下げ時刻t12よりも合計でΔ2Tだけ早い時刻t11にすることができる。
このため、ベクタ駆動Vector0のフェイズ駆動Phase0による線形和信号は、図16(a)の例では1フェイズ間隔(時刻t6から時刻t10までの期間T3)で取得されていたが、図16(b)では(1フェイズ−ΔT)の間隔(時刻t6から時刻t9までの期間T7)で取得することができる。
図17(a)はタッチパネルシステム1aにより連続して1stベクタ〜3rdベクタによる駆動を実施するときの駆動信号等の波形図であり、(b)は偶数回目における1stベクタによる駆動を反転する場合の駆動信号等の波形図である。
図11(d)に示す複数ベクタ連続駆動において、L=2の場合は、Vector0(1stベクタ)〜Vector2(3rdベクタ)を連続して実施し、図17(a)に示すように、ベクタ駆動Vector0による線形和信号は、6フェイズ間隔(期間T4)で取得される。
図18(a)(b)は、タッチパネルシステム1aによる4重サンプリングの周波数特性を示すグラフである。横軸は周波数を示しており、縦軸は信号変化量を示している。それぞれのグラフにおいて、1フェイズの時間は2.5μsecである。
図18(a)は反転駆動を行わない場合の、フェイズ駆動を連続して実施したとき(図11(b)のフェイズ連続駆動)の周波数特性と、ベクタ駆動を連続して実施したとき(図11(c)の同一ベクタ連続駆動)の周波数特性と、3個のベクタ単位での駆動を連続して実施したとき(図11(d)の複数ベクタ連続駆動(L=2))の周波数特性とを示している。
図18(b)は反転駆動を行い、リセット信号の短縮時間ΔT=0.0μsecの場合の、フェイズ駆動を連続して実施したときの周波数特性(図12(a)のフェイズ連続反転駆動)と、ベクタ駆動を連続して実施したとき(図12(b)の同一ベクタ連続反転駆動)の周波数特性と、3個のベクタ単位での駆動を連続して実施したとき(図12(c)の複数ベクタ連続反転駆動 (L=2))の周波数特性とを示している。
図19は反転駆動を行い、リセット信号の短縮時間ΔT=0.5μsecの場合の、フェイズ駆動を連続して実施したときの周波数特性(図12(a)のフェイズ連続反転駆動)とベクタ駆動を連続して実施したとき(図12(b)の同一ベクタ連続反転駆動)の周波数特性とを示している。
図18及び図19に示すこれらのグラフは、信号変化量が0dB程度となる周波数帯域はノイズに弱く、信号変化量が低い周波数帯域ほど、ノイズに強いことを示している。図18及び図19に示す例では、どのような条件でも0dBとなる周波数帯域はないので、ノイズ周波数が一つであれば、サンプリング動作を変更することによってノイズを抑圧することを期待することができる。なお、このサンプリングの条件では、複数ベクタ連続駆動におけるダミー駆動期間、ブランク期間が無い場合には、動作速度(レポートレート)は落ちない。
図20は、タッチパネルシステム1aによる他の4重サンプリングの周波数特性を示すグラフである。それぞれのグラフにおいて、1フェイズの時間は2.5μsecである。
図20(a)は反転駆動を行わない場合の、1個のベクタ単位での駆動を連続して実施したとき(図11(c)の同一ベクタ連続駆動)の周波数特性と、3個のベクタ単位での駆動を連続して実施したとき(図11(d)の複数ベクタ連続駆動(L=2))の周波数特性と、5個のベクタ単位での駆動を連続して実施したとき(図11(d)の複数ベクタ連続駆動(L=4))の周波数特性とを示している。
図20(b)は反転駆動を行った場合の、1個のベクタ単位での駆動を連続して実施したとき(図11(c)の同一ベクタ連続駆動)の周波数特性と、3個のベクタ単位での駆動を連続して実施したとき(図11(d)の複数ベクタ連続駆動(L=2))の周波数特性と、5個のベクタ単位での駆動を連続して実施したとき(図11(d)の複数ベクタ連続駆動(L=4))の周波数特性とを示している。
図20に示す例では、連続するベクタ単位の個数を増やすと、減衰特性が悪い周波数帯域と減衰特性が良い周波数帯域との間隔が狭まるようになっており、除去したいノイズ周波数が低周波領域にある場合は、連続するベクタ単位の個数を変更することによってノイズを抑圧することを期待することができる。なお、このサンプリングの条件では、複数ベクタ単位での駆動におけるダミー駆動期間、ブランク期間が無い場合には、動作速度(レポートレート)は落ちない。
図21(a)(b)はタッチパネルシステム1aの駆動方法を比較するための図である。
図11(a)で説明したフレーム単位駆動の動作モードは((0)フレーム単位での駆動)、平均処理のための線形和信号データの取得時間間隔が1フレームであり、取得する線形和時系列信号の極性が全部同じである。減衰特性が悪い周波数は(1/Flame)×Nである。
図11(b)で説明したフェイズ連続駆動の動作モードは((1)フェイズ連続駆動)、平均処理のための線形和信号データの取得時間間隔が1フェイズであり、取得する線形和時系列信号の極性が全部同じである。減衰特性が悪い周波数は(1/phase)×Nである。
図11(c)で説明した同一ベクタ連続駆動の動作モードは((2)ベクタ連続駆動)、平均処理のための線形和信号データの取得時間間隔が2フェイズであり、取得する線形和時系列信号の極性が全部同じである。減衰特性が悪い周波数は(1/2phase)×Nである。
図11(d)で説明した複数ベクタ連続駆動の動作モードは((3)M ベクタ連続駆動)、平均処理のための線形和信号データの取得時間間隔が2フェイズ×Mであり、取得する線形和時系列信号の極性が全部同じである。減衰特性が悪い周波数は(1/(2×M)phase)×Nである。
図12(a)、図16(b)で説明したフェイズ駆動を連続して偶数回目の駆動を反転するフェイズ連続反転駆動の動作モードは((4)フェイズ連続駆動、偶数回目反転)、平均処理のための線形和信号データの取得時間間隔が(1フェイズ−ΔT)であり、取得する線形和時系列信号の極性は偶数回目で反転する。減衰特性が悪い周波数は(1/(1phase−ΔT))×(N+0.5)である。
図12(b)、図15(b)で説明したベクタ駆動を連続して偶数回目の駆動を反転する同一ベクタ連続反転駆動の動作モードは((5)ベクタ連続駆動、偶数回目反転)、平均処理のための線形和信号データの取得時間間隔が(2フェイズ−ΔT)であり、取得する線形和時系列信号の極性は偶数回目で反転する。減衰特性が悪い周波数は(1/(2phase−ΔT))×(N+0.5)である。
図12(c)、図17(b)で説明したベクタ駆動を連続して偶数回目の駆動を反転する複数ベクタ連続反転駆動の動作モードは((6)M ベクタ連続駆動、偶数回目反転)、平均処理のための線形和信号データの取得時間間隔が(2×M)フェイズであり、取得する線形和時系列信号の極性は偶数回目で反転する。減衰特性が悪い周波数は(1/(2×M)phase)×(N+0.5)である。
(ノイズ量推定回路9の動作)
ノイズ量推定回路9は、複数個の線形素子推定部の出力(加減算に基づく信号処理を行って線形素子CXの値、もしくは、線形素子CXの入力の複数個の推定結果)を用いて判断する。切換回路6は、ノイズ量推定回路9の推定結果に基づいてサブシステム5a・5bを切り換える。本来であれば、複数個の推定値は、同じ値になるはずであり、これが同じ値にならないとき、ノイズ量推定回路9は、推定結果に混入しているノイズ量の影響が増大したと推定する。
(サブシステムの構成)
制御回路14に設けられた複数のサブシステムは、外来ノイズを低減するために、前述した説明に基づいて種々のタイプに構成することができる。
例えば、同じベクタ駆動で同じフェイズ駆動に基づく複数個の線形和信号を加算平均する実施単位をフレーム単位としたサブシステム、加算平均する実施単位をフェイズ単位としたサブシステム、加算平均する実施単位をベクタ単位としたサブシステム、加算平均する実施単位を複数ベクタ単位としたサブシステムを設け、これらのサブシステムを、正規化周波数と振幅変化率との間の周波数特性に基づいて外来ノイズを低減するように選択する構成としてもよい。
この加算平均の実施単位が、フェイズ単位、ベクタ単位、複数ベクタ単位の場合に、駆動信号の符号を反転させる機能を備えたサブシステムを設けてもよい。この場合、駆動反転周期をNフェイズ単位(Nは整数)としたサブシステムを設け、これらのサブシステムを、上記周波数特性に基づいて外来ノイズを低減するように選択する構成としてもよい。
また、駆動信号の駆動反転機能を有する場合、増幅回路をリセットするリセット信号のリセット時間を短縮するサブシステムを設けてもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図22に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図22は、実施の形態2に係るタッチパネルシステムの構成を示す回路図である。実施の形態2に係るタッチパネルシステムは、タッチパネルコントローラ3bを備えている。タッチパネルコントローラ3bには、増幅回路7aが設けられている。増幅回路7aは、差動増幅器18aを有している。差動増幅器18aは、互いに隣接するセンスラインに沿って読み出される線形和信号を受け取って増幅する。
このように、差動増幅器によって増幅回路を構成すると、タッチパネルコントローラのノイズ耐性をさらに強めることができる。
〔実施形態3〕
図23は、実施の形態3に係る携帯電話機90(電子機器)の構成を示すブロック図である。携帯電話機90は、CPU96と、RAM97と、ROM98と、カメラ95と、マイクロフォン94と、スピーカ93と、操作キー91と、表示パネル92b及び表示制御回路92aを含む表示部92と、タッチパネルシステム1とを備えている。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。
CPU96は、携帯電話機90の動作を制御する。CPU96は、たとえばROM98に格納されたプログラムを実行する。操作キー91は、携帯電話機90のユーザによる指示の入力を受ける。RAM97は、CPU96によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー91を介して入力されたデータを揮発的に格納する。ROM98は、データを不揮発的に格納する。
また、ROM98は、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの書込みおよび消去が可能なROMである。なお、図23には示していないが、携帯電話機90が、他の電子機器に有線により接続するためのインターフェイス(IF)を備える構成としてもよい。
カメラ95は、ユーザの操作キー91の操作に応じて、被写体を撮影する。なお、撮影された被写体の画像データは、RAM97や外部メモリ(たとえば、メモリカード)に格納される。マイクロフォン94は、ユーザの音声の入力を受付ける。携帯電話機90は、当該入力された音声(アナログデータ)をデジタル化する。そして、携帯電話機90は、通信相手(たとえば、他の携帯電話機)にデジタル化した音声を送る。スピーカ93は、たとえば、RAM97に記憶された音楽データなどに基づく音を出力する。
タッチパネルシステム1は、タッチパネル2とタッチパネルコントローラ3とを有している。CPU96は、タッチパネルシステム1の動作を制御する。CPU96は、例えばROM98に記憶されたプログラムを実行する。RAM97は、CPU96によるプログラムの実行により生成されたデータを揮発的に格納する。ROM98は、データを不揮発的に格納する。
表示パネル92bは、表示制御回路92aにより、ROM98、RAM97に格納されている画像を表示する。表示パネル92bは、タッチパネル2に重ねられているか、タッチパネル2を内蔵している。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る信号処理システム10は、離散時間でサンプリングされた線形素子CXに基づく複数個の時系列信号に、 加減算に基づく信号処理を行って線形素子CXの値、もしくは、線形素子CXの入力を推定する信号処理システムであって、異なる入出力伝達特性を有するサブシステム5a・5bと、前記時系列信号に混入するノイズ周波数、ノイズ量、及び、前記入出力伝達特性に基づいて、線形素子CXの値もしくは入力を推定した結果に混入するノイズを低減するようにサブシステム5a・5bを切り換えて線形素子CXに繋ぐ切換回路6とを備え、サブシステム5aは、それぞれが偶数フェイズ駆動Phase0と奇数フェイズ駆動Phase1とを含むベクタ駆動Vector0〜VectorNをこの順番で実行するフレーム駆動Flame0〜FlameMを行うフレーム単位駆動を実施し(N、Mは整数)、2サブシステム5bは、各フレーム駆動Flame0〜FlameMのベクタ駆動Vector(k)〜Vector(k+j)(k、jは、1≦k≦N、1≦j≦N−1を満足する整数)をこの順番で実行する複数ベクタ連続駆動を実施する。
上記の構成によれば、複数ベクタ連続駆動とフレーム単位駆動とは、時系列信号のサンプリング周波数、多重サンプリング数が異なるので、時系列信号周波数とサンプリング周波数との比である正規化係数と時系列信号の振幅変化量との間の周波数特性に基づいて、複数ベクタ連続駆動とフレーム単位駆動とのいずれかを選択することにより、離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号に混入するノイズ周波数、ノイズ量、及び、入出力伝達特性に基づいて、加減算に基づく信号処理を行って線形素子の値もしくは入力を推定する結果に混入するノイズを低減することができる。
本発明の態様2に係る信号処理システムは、上記態様1において、サブシステム5a・5bと異なる入出力伝達特性を有するサブシステムをさらに備え、前記サブシステムは、各フレーム駆動の第kベクタ駆動(1≦k≦N+1)を連続する同一ベクタ連続駆動と、各フレーム駆動の第kベクタ駆動(1≦k≦N+1)にそれぞれ含まれる偶数フェイズ駆動を連続して実行した後、前記第kベクタ駆動にそれぞれ含まれる奇数フェイズ駆動を連続して実行するフェイズ連続駆動とのいずれかを実施してもよい。
上記の構成によれば、同一ベクタ連続駆動及びフェイズ連続駆動は、複数ベクタ連続駆動及びフレーム単位駆動に対して、時系列信号のサンプリング周波数、多重サンプリング数が異なるので、時系列信号周波数とサンプリング周波数との比である正規化係数と時系列信号の振幅変化量との間の周波数特性に基づいて、同一ベクタ連続駆動、フェイズ連続駆動、複数ベクタ連続駆動、及び、フレーム単位駆動のいずれかを選択することにより、離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号に混入するノイズ周波数、ノイズ量、及び、入出力伝達特性に基づいて、加減算に基づく信号処理を行って線形素子の値もしくは入力を推定する結果に混入するノイズを低減することができる。
本発明の態様3に係る信号処理システムは、上記態様1において、前記第1及び第2サブシステムと異なる入出力伝達特性を有する第3サブシステムをさらに備え、前記第3サブシステムは、各フレーム駆動の第kベクタ駆動(1≦k≦N+1)にそれぞれ含まれる偶数フェイズ駆動を連続して、前記複数個の時系列信号の符号の正負が時系列に沿って各偶数フェイズ駆動毎に反転するように実行した後、前記第kベクタ駆動にそれぞれ含まれる奇数フェイズ駆動を連続して、前記複数個の時系列信号の符号の正負が時系列に沿って各奇数フェイズ駆動毎に反転するように実行するフェイズ連続反転駆動と、各フレーム駆動の第kベクタ駆動(1≦k≦N+1)を連続して、前記複数個の時系列信号の符号の正負が時系列に沿って各ベクタ駆動毎に反転するように実行する同一ベクタ連続反転駆動と、各フレーム駆動の前記第kベクタ駆動〜第(k+j)ベクタ駆動をこの順番で実行して、前記複数個の時系列信号の符号の正負が時系列に沿って前記第kベクタ駆動〜第(k+j)ベクタ駆動毎に反転するように実行する複数ベクタ連続反転駆動とのいずれかを実施してもよい。
上記の構成によれば、フェイズ連続反転駆動、同一ベクタ連続反転駆動、及び、複数ベクタ連続反転駆動は、複数ベクタ連続駆動及びフレーム単位駆動に対して、時系列信号のサンプリング周波数、多重サンプリング数が異なるので、時系列信号周波数とサンプリング周波数との比である正規化係数と時系列信号の振幅変化量との間の周波数特性に基づいて、フェイズ連続反転駆動、同一ベクタ連続反転駆動、及び、複数ベクタ連続反転駆動のいずれかを選択することにより、離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号に混入するノイズ周波数、ノイズ量、及び、入出力伝達特性に基づいて、加減算に基づく信号処理を行って線形素子の値もしくは入力を推定する結果に混入するノイズを低減することができる。
本発明の態様4に係る信号処理システムは、上記態様1において、切換回路6は、線形素子CXからの時系列信号の多重サンプリング数及びサンプリング周波数を決定及び変更してもよい。
上記の構成によれば、時系列信号周波数とサンプリング周波数との比である正規化係数と時系列信号の振幅変化量との間の周波数特性に基づいて、ノイズを低減することができるサブシステムに切り換えることができる。
本発明の態様5に係る信号処理システムは、上記態様1において、切換回路6は、前記複数個の時系列信号の符号の正負が時系列に沿って反転するか、時系列に沿って一定となるかを選択してもよい。
上記の構成によれば、符号の正負の反転の有無に応じて、時系列信号のサンプリング周波数、多重サンプリング数が異なるので、時系列信号周波数とサンプリング周波数との比である正規化係数と時系列信号の振幅変化量との間の周波数特性に基づいて、駆動態様を選択することにより、ノイズを低減することができる。
本発明の態様6に係る信号処理システムは、上記態様1において、前記時系列信号の加減算に基づく信号処理による線形素子CXの推定値もしくは線形素子CXの入力の推定値から、前記ノイズ量を推定するノイズ量推定回路9をさらに備え、切換回路6は、ノイズ量推定回路9の推定結果に基づいて、サブシステム5a・5bを切り換え、前記複数個の時系列信号の符号の正負が時系列に沿って反転するか、時系列に沿って一定となるかを選択し、及び、線形素子CXからの時系列信号の多重サンプリング数及びサンプリング周波数を決定及び変更してもよい。
上記の構成によれば、時系列信号周波数とサンプリング周波数との比である正規化係数と時系列信号の振幅変化量との間の周波数特性に基づいて、選択し、及び、決定、変更することによりノイズを低減することができる。
本発明の態様7に係る信号処理システムは、上記態様1において、線形素子CXに基づく複数個の時系列信号をアナログ・デジタル変換して、前記離散時間でサンプリングされた複数個の時系列信号を生成するアナログ・デジタル変換回路13をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、デジタル信号処理により、線形素子CXの値、もしくは、線形素子CXの入力を推定することができる。
本発明の態様8に係るタッチパネルシステムは、複数本のドライブラインと複数本のセンスラインとの交点にそれぞれ形成された複数個のキャパシタを有するタッチパネル2とタッチパネル2を制御するタッチパネルコントローラ3aとを備えたタッチパネルシステム1aであって、タッチパネルコントローラ3aは、前記キャパシタを前記ドライブラインに沿って駆動する駆動回路4と、駆動回路4により駆動されたキャパシタに基づく複数個の線形和信号を前記センスラインに沿って読み出して増幅する増幅回路7と、増幅回路7の出力をアナログ・デジタル変換するアナログ・デジタル変換回路13と、アナログ・デジタル変換された増幅回路7の出力に基づいて前記キャパシタに蓄積された電荷の静電容量を推定する復号演算回路8と、異なる入出力伝達特性を有するサブシステム5a・5bと、サブシステム5a・5bを切り換えて線形素子CXに繋ぐ切換回路6とを備え、サブシステム5aは、それぞれが偶数フェイズ駆動Phase0と奇数フェイズ駆動Phase1とを含むベクタ駆動Vector0〜VectorNをこの順番で実行するフレーム駆動Flame0〜FlameMを行うフレーム単位駆動を実施し(N、Mは整数)、前記第2サブシステムは、各フレーム駆動Flame0〜FlameMのベクタ駆動Vector(k)〜Vector(k+j)(k、jは、1≦k≦N、1≦j≦N−1を満足する整数)をこの順番で実行する複数ベクタ連続駆動を実施する。
本発明の態様9に係るタッチパネルシステムは、上記態様8において、増幅回路7aは、隣接するセンスラインに沿って出力される線形和信号を差動増幅する差動増幅器18aを含んでもよい。
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラのノイズ耐性をさらに強めることができる。
本発明の態様10に係る電子機器は、本発明の態様8又は態様9に係るタッチパネルシステムと、前記タッチパネルシステムに対応する表示部92とを備える。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号に、加減算に基づく信号処理を行って前記線形素子の値、もしくは、前記線形素子の入力を推定する信号処理システム、複数本のドライブラインと複数本のセンスラインとの交点にそれぞれ形成された複数個のキャパシタを有するタッチパネルとタッチパネルを制御するタッチパネルコントローラとを備えたタッチパネルシステム、及び、電子機器に利用することができる。
1 タッチパネルシステム
2 タッチパネル
3 タッチパネルコントローラ
4 駆動回路
5a、5b サブシステム(第1サブシステム、第2サブシステム)
6 切換回路
8 復号演算回路
9 ノイズ量推定回路
10 信号処理システム
11 線形素子推定部
12 切換回路
13 AD変換回路
14 制御回路
18、18a 増幅器
CX 線形素子

Claims (5)

  1. 離散時間でサンプリングされた線形素子に基づく複数個の時系列信号に、加減算に基づく信号処理を行って前記線形素子の値、もしくは、前記線形素子の入力を推定する信号処理システムであって、
    異なる入出力伝達特性を有する第1及び第2サブシステムと、
    前記時系列信号に混入するノイズ周波数、ノイズ量、及び、前記入出力伝達特性に基づいて、前記線形素子の値もしくは入力を推定した結果に混入するノイズを低減するように前記第1及び第2サブシステムを切り換えて前記線形素子に繋ぐ切換回路とを備え、
    前記第1サブシステムは、それぞれが偶数フェイズ駆動と奇数フェイズ駆動とを含む第1〜第(N+1)ベクタ駆動をこの順番で実行する第1〜第(M+1)フレーム駆動を行うフレーム単位駆動を実施し(N、Mは整数)、
    前記第2サブシステムは、各フレーム駆動の第kベクタ駆動〜第(k+j)ベクタ駆動(k、jは、1≦k≦N、1≦j≦N−1を満足する整数)をこの順番で実行する複数ベクタ連続駆動を実施することを特徴とする信号処理システム。
  2. 前記第1及び第2サブシステムと異なる入出力伝達特性を有する第3サブシステムをさらに備え、
    前記第3サブシステムは、各フレーム駆動の第kベクタ駆動(1≦k≦N+1)を連続する同一ベクタ連続駆動と、各フレーム駆動の第kベクタ駆動(1≦k≦N+1)にそれぞれ含まれる偶数フェイズ駆動を連続して実行した後、前記第kベクタ駆動にそれぞれ含まれる奇数フェイズ駆動を連続して実行するフェイズ連続駆動とのいずれかを実施する請求項1に記載の信号処理システム。
  3. 前記第1及び第2サブシステムと異なる入出力伝達特性を有する第3サブシステムをさらに備え、
    前記第3サブシステムは、各フレーム駆動の第kベクタ駆動(1≦k≦N+1)にそれぞれ含まれる偶数フェイズ駆動を連続して、前記複数個の時系列信号の符号の正負が時系列に沿って各偶数フェイズ駆動毎に反転するように実行した後、前記第kベクタ駆動にそれぞれ含まれる奇数フェイズ駆動を連続して、前記複数個の時系列信号の符号の正負が時系列に沿って各奇数フェイズ駆動毎に反転するように実行するフェイズ連続反転駆動と、各フレーム駆動の第kベクタ駆動(1≦k≦N+1)を連続して、前記複数個の時系列信号の符号の正負が時系列に沿って各ベクタ駆動毎に反転するように実行する同一ベクタ連続反転駆動と、各フレーム駆動の前記第kベクタ駆動〜第(k+j)ベクタ駆動をこの順番で実行して、前記複数個の時系列信号の符号の正負が時系列に沿って前記第kベクタ駆動〜第(k+j)ベクタ駆動毎に反転するように実行する複数ベクタ連続反転駆動とのいずれかを実施する請求項1に記載の信号処理システム。
  4. 複数本のドライブラインと複数本のセンスラインとの交点にそれぞれ形成された複数個のキャパシタを有するタッチパネルと、
    前記タッチパネルを制御するタッチパネルコントローラとを備えたタッチパネルシステムであって、
    前記タッチパネルコントローラは、前記キャパシタを前記ドライブラインに沿って駆動する駆動回路と、
    前記駆動回路により駆動されたキャパシタに基づく複数個の線形和信号を前記センスラインに沿って読み出して増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の出力をアナログ・デジタル変換するアナログ・デジタル変換回路と、
    前記アナログ・デジタル変換された増幅回路の出力に基づいて前記キャパシタに蓄積された電荷の静電容量を推定する復号演算回路と、
    異なる入出力伝達特性を有する第1及び第2サブシステムと、
    前記第1及び第2サブシステムを切り換えて前記キャパシタに繋ぐ切換回路とを備え、
    前記第1サブシステムは、それぞれが偶数フェイズ駆動と奇数フェイズ駆動とを含む第1〜第(N+1)ベクタ駆動をこの順番で実行する第1〜第(M+1)フレーム駆動を行うフレーム単位駆動を実施し(N、Mは整数)、
    前記第2サブシステムは、各フレーム駆動の第kベクタ駆動〜第(k+j)ベクタ駆動(k、jは、1≦k≦N、1≦j≦N−1を満足する整数)をこの順番で実行する複数ベクタ連続駆動を実施することを特徴とするタッチパネルシステム。
  5. 請求項4に記載のタッチパネルシステムと、
    前記タッチパネルシステムに対応する表示部とを備えたことを特徴とする電子機器。
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