JP2015153109A - タッチパネルコントローラ、タッチパネル装置、及び、電子機器 - Google Patents
タッチパネルコントローラ、タッチパネル装置、及び、電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】フレームレートを低下させることなく、より正確な容量推定値を得ることができるタッチパネルコントローラを提供する。
【解決手段】タッチパネルコントローラ(3)は、原符号系列に基づいて3値以上の符号系列を生成する符号生成部(4)を備え、原符号系列は、(M+1)列の原列ベクトルを含み、符号系列は、M列の列ベクトルを含み、符号系列は、原列ベクトルを加減算することにより生成され、k列目の列ベクトル(1≦k≦M)が、k列目の原列ベクトルを含み、j列目の列ベクトル(1≦j≦M、j≠k)が、k列目の原列ベクトルを反転させた符号を含む。
【選択図】図1
【解決手段】タッチパネルコントローラ(3)は、原符号系列に基づいて3値以上の符号系列を生成する符号生成部(4)を備え、原符号系列は、(M+1)列の原列ベクトルを含み、符号系列は、M列の列ベクトルを含み、符号系列は、原列ベクトルを加減算することにより生成され、k列目の列ベクトル(1≦k≦M)が、k列目の原列ベクトルを含み、j列目の列ベクトル(1≦j≦M、j≠k)が、k列目の原列ベクトルを反転させた符号を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、タッチパネルを制御するタッチパネルコントローラ、タッチパネルコントローラを集積した集積回路、タッチパネルコントローラを備えたタッチパネル装置、及び、タッチパネル装置を備えた電子機器に関する。
タッチパネル装置は、ユーザの指、スタイラスペンのペン先などの物体(以下、「指示体」と称する。)が接触または接近(以下、「タッチ入力」と称する。)した、タッチパネル上の位置を検出し、検出した位置の情報を出力するポインティングデバイスである。上記タッチパネル装置は、上記タッチパネルを表示装置の表示画面に設けることにより、キーボード、マウスなどの入力装置に比べて、直感的な操作が可能となる。このため、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末等への搭載が顕著である。
上記タッチパネル装置のうち、投影型静電容量方式のタッチパネル装置が、透過率、耐久性などの観点から近年普及してきている。上記投影型静電容量方式のタッチパネル装置の場合、上記タッチパネルは、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極パターンを、ガラス、プラスチックなどの透明基板上に格子状に形成したものとなる。上記タッチパネルに指示体からタッチ入力があると、その付近の複数の透明電極パターンにおける静電容量が変化する(例えば、小さくなる)。従って、上記透明電極パターンの電流または電圧の変化を検出することにより、上記指示体がタッチ入力した位置を検出することができる。
(従来技術の構成例)
従来の投影型静電容量方式のタッチパネル装置の一例として、複数のドライブラインを並列駆動して静電容量を推定するタッチパネル装置が挙げられ、特許文献1に開示されている。図13は、該タッチパネル装置の概略構成を示す回路図である。
従来の投影型静電容量方式のタッチパネル装置の一例として、複数のドライブラインを並列駆動して静電容量を推定するタッチパネル装置が挙げられ、特許文献1に開示されている。図13は、該タッチパネル装置の概略構成を示す回路図である。
タッチパネル装置51は、タッチパネル52とタッチパネルコントローラ53とを備えている。タッチパネル52は、ドライブラインDL1〜DL4と、センスラインSL1〜SL4とを備える。ドライブラインDL1〜DL4とセンスラインSL1〜SL4とが交差する位置には、静電容量C11〜C44が形成されている。
タッチパネルコントローラ53には、駆動部54が設けられている。駆動部54は、それぞれのドライブラインDL1〜DL4に与えられる符号系列に基づいてドライブラインDL1〜DL4を駆動する。特許文献1では、図14に示すような系列長31のM系列を符号系列MC1として用いる例が示されている。ここでは、ドライブラインDL1〜DL4を駆動する信号として、図14に示す符号系列のうち、Drive1〜4を割り当てるとして説明する。符号系列MC1の要素は、「1」及び「−1」のいずれかである。駆動部54は、符号系列MC1の要素が「1」である場合には電圧Vdriveを印加し、要素が「−1」である場合には−Vdriveを印加する。電圧Vdriveは、例えば電源電圧を用いる。また、参照電圧などの電源電圧以外の電圧であってもよい。
タッチパネル装置51は、センスラインSL1〜SL4にそれぞれ対応する位置に配置された増幅器58を有している。増幅器58は、駆動部54により駆動された静電容量のセンスラインに沿った線形和X1、X2、X3、X4を受け取って増幅する。例えば、センスラインSL3に対応する増幅器58は、駆動部54により駆動された静電容量C31、C32、C33、C34のセンスラインSL3に沿った線形和X3を受け取って増幅する。センスラインSL4に対応する増幅器58は、駆動部54により駆動された静電容量C41、C42、C43、C44のセンスラインSL4に沿った線形和X4を受け取って増幅する。
(従来技術の動作例)
例えば、駆動部54は、1回目の駆動では、図14に示す符号系列MC1の1st vecyorによる駆動において、ドライブラインDL1、 DL3、DL4に電圧Vdriveを印加し、ドライブラインDL2に−Vdriveを印加する。このとき、センスラインSL3が接続される差動増幅器58の出力Yは、下記のように与えられる。
例えば、駆動部54は、1回目の駆動では、図14に示す符号系列MC1の1st vecyorによる駆動において、ドライブラインDL1、 DL3、DL4に電圧Vdriveを印加し、ドライブラインDL2に−Vdriveを印加する。このとき、センスラインSL3が接続される差動増幅器58の出力Yは、下記のように与えられる。
図14に示す符号系列MC1のうち、ドライブラインDL1〜DL4に与えられるi回目の駆動に用いる符号系列MC1の要素をそれぞれDi1、Di2、Di3、Di4とすると、差動増幅器58の出力Yは、
で与えられる。
特許文献1に記載のタッチパネル装置51では、タッチパネル52の静電容量を、増幅器58の出力信号に基づく信号と、符号系列との内積演算を実行することにより推定することができる。例えば、ドライブラインDL1の駆動に用いた符号系列MC1の系列を用いて、静電容量C31を推定する場合、1st vectorから31th vectorを使用して前記の駆動を31回行なって得られた31個の線形和信号Yi(i=1〜31)と符号系列Di1との内積を下記の式(2)に示すように計算する。
M系列は、同じ系列同士の内積は系列長と同じ値をとり、異なる系列同士の内積は−1の値をとることが知られている。したがって、上記式(2)は、下記の式になる。
ここで、すべてのセンスライン、すべてのドライブラインはそれぞれ均一の幅で作られていると仮定して静電容量C31〜C34の容量値がほぼ同じ値になるとすれば、静電容量C31に掛かる係数は、上記式に示すように、他の静電容量C32〜C34に掛かる係数に比べて31倍大きいため、他の静電容量C32〜C34の影響は無視出来るほど小さくなる。従って、上式は、下記式(3)のように簡略化することができ、静電容量C31を推定することができる。
特許文献1に記載の技術は、静電容量を複数回駆動(前記の例では31回)することでより大きな信号を取得して、雑音の影響を軽減し、より正確な容量推定を可能にしている。
ここで、より具体的に、電源電圧VDDを3.3Vとし、Vdriveが(VDD/2)+(VDD/2)=VDD、−Vdriveが(−VDD/2)+(VDD/2)=0である場合を考える。この場合、ドライブラインに与えられる符号系列が”1”であれば、電源電圧VDD=3.3Vがドライブラインに印加され、上記符号系列が “−1”であれば0Vがドライブラインに印加される。すなわち、増幅器58の出力信号は下記式(4)で与えられる。
ここで、積分容量Cint=8pF、C31=C32=C33=C34=2pFとすると、上記下記式(4)は下記式で表される。
ここで、符号系列MC1の値がすべて1である場合、例えば図14に示す7th vectorを用いる場合、[D7、1,D7、2,D7、3,D7、4]=[1,1,1,1]であり、増幅器58からの出力信号が最も大きくなり、
となる。また、符号系列MC1の値がすべて−1である場合、例えば図14に示す25th vectorを用いる場合、[D25、1,D25、2,D25、3,D25、4]=[−1,−1,−1,−1]であり、増幅器58からの出力信号が最も小さくなり、
となる。ここで説明した静電容量C31=C32=C33=C34=2pFよりもタッチパネルの静電容量が大きくなる場合は、増幅器58の出力信号が、電源電圧である3.3Vを超えるか、もしくは、0Vを下回る。このため、積分容量Cintを大きくしなければならない。しかしながら、積分容量Cintを大きくすると式(3)に示されるように、推定される容量信号のレベルが小さくなり、タッチパネル装置に混入する雑音等の影響を受けやすくなるという課題がある。
本発明者は、本願の出願時において未公開である先願の特許出願(特願2013-132048:2013年6月24日出願)において、ドライブラインに与えられる駆動信号が他の1本のドライブラインに与えられる駆動信号を反転した信号となるような信号をドライブラインに与えることを提案している。具体的には、ドライブラインに与えられる駆動信号Dijとして、
となる駆動信号を与える。この例では、式(4)は、
であるため、静電容量差を信号として扱う(この例ではC31−C32、C33−C34)。このため、上記の例のような静電容量差がない場合では、駆動信号にかかわらず、
となる。センスラインSL3とドライブラインDL1との交点付近にタッチ入力があり、静電容量差が生じた場合を考え、C31=1.8pF、C32=C33=C34=2pFとすると、
となり、増幅器58の出力信号はそれほど大きくならない。しかしながら、この場合は、静電容量差しか得られないため、静電容量C31、C32、C33、C34それぞれの容量を得たい場合には、少なくとも一つの静電容量を確定する必要がある。この例では、もう一度静電容量を推定し、C31、C32−C33、C34を得る。具体的には、式(4)が、
となる。ここで、前と同様に、積分容量Cint=8pF、静電容量C31=C32=C33=C34=2pFとすると、
となる。[Di,1、Di,3]=[1、1]の場合、2.475Vとなり、[Di,1、Di,3]=[−1、−1]の場合、0.825Vとなり、最大電圧と最小電圧との差は(2.475−0.875)=1.6Vになる。従来の最大電圧と最小電圧との差は(3.3−0)=3.3Vなので、上記未公開先願の構成による最大電圧と最小電圧との差は従来技術よりも小さな値になる。これらの操作により、
の静電容量値がそれぞれ推定され、
により、それぞれの静電容量値C31、C32、C33、C34を推定できる。
しかしながら、この方法では、上記最大電圧と最小電圧との差は小さくなるが、ドライブラインの駆動を少なくとも2回行う必要があるため、フレームレートの低下を招くという課題がある。
本発明の目的は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、雑音環境下であっても、フレームレートを低下させることなく、より正確な容量推定値を得ることができるタッチパネルコントローラ、集積回路、タッチパネル装置、及び、電子機器を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタッチパネルコントローラは、センスラインとM本のドライブライン(M≧2)との間に形成されたM個の静電容量を有するタッチパネルを制御するタッチパネルコントローラであって、原符号系列に基づいて3値以上の符号系列を生成する符号生成部と、前記符号系列に基づいて前記ドライブラインを並列駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷に基づく線形和信号を前記センスラインに沿って出力させる容量駆動部と、前記線形和信号と前記原符号系列との内積を演算する内積演算部とを備え、前記原符号系列は、M列以上の原列ベクトルを含み、前記符号系列は、M列の列ベクトルを含み、前記符号系列は、前記原列ベクトルを加減算することにより生成され、k列目の列ベクトル(1≦k≦M)が、k列目の原列ベクトルを含み、j列目の列ベクトル(1≦j≦M、j≠k)が、前記k列目の原列ベクトルを反転させた符号を含むことを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る集積回路は、本発明に係るタッチパネルコントローラを集積したことを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタッチパネル装置は、センスラインとM本のドライブライン(M≧2)との間に形成されたM個の静電容量を有するタッチパネルと、前記タッチパネルを制御するタッチパネルコントローラとを備えたタッチパネル装置であって、前記タッチパネルコントローラが、原符号系列に基づいて3値以上の符号系列を生成する符号生成部と、前記符号系列に基づいて前記ドライブラインを並列駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷に基づく線形和信号を前記センスラインに沿って出力させる容量駆動部と、前記線形和信号と前記原符号系列との内積を演算して前記静電容量の値を推定する内積演算部とを備え、前記原符号系列は、M列以上の原列ベクトルを含み、前記符号系列は、M列の列ベクトルを含み、前記符号系列は、前記原列ベクトルを加減算することにより生成され、k列目の列ベクトル(1≦k≦M)が、k列目の原列ベクトルを含み、j列目の列ベクトル(1≦j≦M、j≠k)が、前記k列目の原列ベクトルを反転させた符号を含むことを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器は、本発明に係るタッチパネルコントローラと、前記タッチパネルコントローラにより制御されるタッチパネルとを備えることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、雑音環境下であっても、フレームレートを低下させることなく、より正確な容量推定値を得ることができるタッチパネルコントローラ、集積回路、タッチパネル装置、及び、電子機器を提供することができるという効果を奏する。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態に係るタッチパネル装置について、図1から図5を参照して以下に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本発明の一実施形態に係るタッチパネル装置について、図1から図5を参照して以下に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
(タッチパネル装置1の構成)
図1は、実施の形態1に係るタッチパネル装置1の構成を示す回路図である。タッチパネル装置1は、タッチパネル2とタッチパネルコントローラ3とを備えている。タッチパネル2は、M本のドライブラインDL1〜DLMと、N本のセンスラインSL1〜SLNとを有している。ドライブラインDL1〜DLMとセンスラインSL1〜SLNとが交差する位置には、静電容量値がそれぞれC11〜CMNである静電容量C11〜CMNが形成されている。
図1は、実施の形態1に係るタッチパネル装置1の構成を示す回路図である。タッチパネル装置1は、タッチパネル2とタッチパネルコントローラ3とを備えている。タッチパネル2は、M本のドライブラインDL1〜DLMと、N本のセンスラインSL1〜SLNとを有している。ドライブラインDL1〜DLMとセンスラインSL1〜SLNとが交差する位置には、静電容量値がそれぞれC11〜CMNである静電容量C11〜CMNが形成されている。
タッチパネルコントローラ3は、原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)に基づいて3値の符号系列Di,1〜Di,Mを生成する符号生成部4を有している。
タッチパネルコントローラ3には、容量駆動部5が設けられている。容量駆動部5は、符号生成部4により生成された符号系列Di,1〜Di,Mに基づいてドライブラインDL1〜DLMを並列駆動して、静電容量C11〜CMNに蓄積された電荷に基づく線形和信号をセンスラインSL1〜SLNに沿って出力させる。容量駆動部5には、3値の符号系列Di,1〜Di,Mに基づいて、ドライブラインDL1〜DLMに電圧を印加するM個のスイッチ回路が設けられている。各スイッチ回路は、3値の符号系列Di,1〜Di,Mが「1」の場合は対応するドライブラインに電圧Vd+Vcmを印加し、符号系列が「−1」の場合は対応するドライブラインに電圧−Vd+Vcmを印加する。符号系列が「0」の場合はドライブラインを駆動しない。ここで、Vcmは駆動電圧の基準となる電圧である。
タッチパネルコントローラ3には、演算増幅器7がセンスラインSL1〜SLNのそれぞれに対応して設けられている。各演算増幅器7の入力の一方と出力との間には積分容量Cintが設けられている。各演算増幅器7の入力の他方は、端子Vcmに結合されている。各演算増幅器7は、各センスラインに沿って出力された線形和信号を増幅してA/D変換部8に供給する。各A/D変換部8は、対応する演算増幅器7から供給された線形和信号をA/D変換して内積演算部6に供給する。内積演算部6は、対応するA/D変換部8から供給された線形和信号と、符号生成部4により生成された原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)との内積を演算する。内積演算部6は、前記内積の演算結果に基づいて静電容量の値を推定してもよい。タッチパネルコントローラ3は、タッチパネルコントローラ3を集積した集積回路として構成してもよい。
(符号生成部4の構成)
図2は、符号生成部4の構成を示す回路図である。符号生成部4は、線形帰還シフトレジスタにより生成したM系列に基づいて符号系列生成する。
図2は、符号生成部4の構成を示す回路図である。符号生成部4は、線形帰還シフトレジスタにより生成したM系列に基づいて符号系列生成する。
符号生成部4は、線形帰還シフトレジスタ11と、(M+1)個のシフトレジスタSR1〜SR(M+1)とを備えている。線形帰還シフトレジスタ11は、M系列の符号系列を生成する。シフトレジスタSR1は、線形帰還シフトレジスタ11により生成されたM系列に基づいて、原符号系列の列ベクトルEi,1を生成する。シフトレジスタSR2は、シフトレジスタSR1により生成された列ベクトルEi,1に基づいて、列ベクトルEi,1と相関が低い列ベクトルEi,2を生成する。シフトレジスタSR3は、シフトレジスタSR2により生成された列ベクトルEi,2に基づいて、列ベクトルEi,2と相関が低い列ベクトルEi,3を生成する。…シフトレジスタSRMは、シフトレジスタSR(M−1)により生成された列ベクトルEi,Mに基づいて、列ベクトルEi,Mと相関が低い列ベクトルEi,(M+1)を生成する。
符号生成部4は、M個の加算器AD1〜ADMを有している。加算器AD1は、原符号系列の列ベクトルEi,1から列ベクトルEi,2を減算した結果を増幅器AP1に供給する。増幅器AP1は上記減算結果を0.5倍に増幅した符号系列Di,1を生成する。加算器AD2は、原符号系列の列ベクトルEi,2から列ベクトルEi,3を減算した結果を増幅器AP2に供給する。増幅器AP2は上記減算結果を0.5倍に増幅した符号系列Di,2を生成する。…加算器ADMは、原符号系列の列ベクトルEi,Mから列ベクトルEi,(M+1)を減算した結果を増幅器APMに供給する。増幅器APMは減算結果を0.5倍に増幅した符号系列Di,Nを生成する。
このように、線形帰還シフトレジスタ11により得られるM系列をシフトレジスタSR1〜SR(M+1)によってビットシフトして相関の低い原符号系列の列ベクトルEi,1〜Ei,(M+1)を生成する。そして、得られた列ベクトルを減算して生成した符号系列Di,1〜Di,Mを符号生成部4は容量駆動部5に与える。
(タッチパネル装置1の動作)
図1に示すタッチパネル装置1の動作(シミュレーション例)を示す。説明を簡潔にするために、センスラインは1本とし(センスラインSL1(N=1))、ドライブラインは5本とする(ドライブラインDL1〜DL5(M=5))。ドライブラインDL1〜DL5とセンスラインSL1とが交差する位置に配置される静電容量C11〜C51は、すべて2pFの静電容量を持つとした。また、演算増幅器7の積分容量Cintは8pFとした。タッチ入力がある場合、タッチ入力がある位置の静電容量C11〜C51の静電容量値が0.2pF小さくなるとした。電源電圧VDD=3.3Vとし、駆動電圧の基準となる電圧Vcm=VDD/2=1.65Vとした。容量駆動部5に与える電圧(Vd+Vcm)を(VDD/2)+VCM=3.3Vとし、容量駆動部5に与える電圧(−Vd+Vcm)=(−VDD/2)+VCM=0Vとした。そして、センスラインSL1とドライブラインDL3との交点上にタッチ入力があるとした。符号系列として、5個のシフトレジスタSR1〜SR5及び線形帰還シフトレジスタ11により生成した、符号長31のM系列(原符号系列)(Ei,1〜Ei,31)のうちの6個(Ei,1〜Ei,6)を使用する。ドライブラインDL1〜DL5には、それぞれ、
図1に示すタッチパネル装置1の動作(シミュレーション例)を示す。説明を簡潔にするために、センスラインは1本とし(センスラインSL1(N=1))、ドライブラインは5本とする(ドライブラインDL1〜DL5(M=5))。ドライブラインDL1〜DL5とセンスラインSL1とが交差する位置に配置される静電容量C11〜C51は、すべて2pFの静電容量を持つとした。また、演算増幅器7の積分容量Cintは8pFとした。タッチ入力がある場合、タッチ入力がある位置の静電容量C11〜C51の静電容量値が0.2pF小さくなるとした。電源電圧VDD=3.3Vとし、駆動電圧の基準となる電圧Vcm=VDD/2=1.65Vとした。容量駆動部5に与える電圧(Vd+Vcm)を(VDD/2)+VCM=3.3Vとし、容量駆動部5に与える電圧(−Vd+Vcm)=(−VDD/2)+VCM=0Vとした。そして、センスラインSL1とドライブラインDL3との交点上にタッチ入力があるとした。符号系列として、5個のシフトレジスタSR1〜SR5及び線形帰還シフトレジスタ11により生成した、符号長31のM系列(原符号系列)(Ei,1〜Ei,31)のうちの6個(Ei,1〜Ei,6)を使用する。ドライブラインDL1〜DL5には、それぞれ、
により表される、三値の符号系列Di,j(j=1〜5)に対応する駆動電圧が印加される。
符号系列Di,j(j=1〜5)は、5列の列ベクトルDi,1、Di,2、Di,3、Di,4、Di,5を含む。原符号系列Ei,j(J=1〜6)は、6列の原列ベクトルEi,1、Ei,2、Ei,3、Ei,4、Ei,5、Ei,6を含む。
符号系列Di,j(j=1〜5)の列ベクトルDi,1は、原符号系列Ei,j(J=1〜6)の列ベクトルEi,1から列ベクトルEi,2を減算した符号を2で除算して与えられる。列ベクトルDi,2は、列ベクトルEi,2から列ベクトルEi,3を減算した符号を2で除算して与えられ、列ベクトルDi,3は、列ベクトルEi,3から列ベクトルEi,4を減算した符号を2で除算して与えられる。そして、列ベクトルDi,4は、列ベクトルEi,4から列ベクトルEi,5を減算した符号を2で除算して与えられ、列ベクトルDi,5は、列ベクトルEi,5から列ベクトルEi,6を減算した符号を2で除算して与えられる。
このように、符号系列Di,j(j=1〜5)は、原列ベクトルEi,1、Ei,2、Ei,3、Ei,4、Ei,5、Ei,6を加減算することにより生成される。そして、例えば、2列目の列ベクトルDi,2が、2列目の原列ベクトルEi,2を含み、1列目の列ベクトルDi,1が、2列目の原列ベクトルEi,2を反転させた符号(−Ei,2)を含む。
比較のため、従来のタッチパネル装置の例として、ドライブラインDL1〜DL5に、下記に示すように、原符号系列Ei,1〜Ei,5を与えた場合についてもシミュレーションを行った。
図3は、符号生成部4により生成される原符号系列Ei,1〜Ei,6及び符号系列Di,1〜Di,5の構成を示す図である。本実施の形態に係るタッチパネル装置1では、演算増幅器7の出力信号Yと内積演算部6に与える原符号系列Ei,1〜Ei,5との内積演算に基づいて静電容量を推定する。例えば、下記式(6)に示す演算により静電容量推定値を得ることができる。
このようにして得られた静電容量の推定値は[C1,1、C1,2、C1,3、C1,4、C1,5]=[2.06、2.06、1.86、2.06、2.06]pFであった。また、これに対して従来のタッチパネル装置により得られた静電容量の推定値は[C1,1、C1,2、C1,3、C1,4、C1,5]=[1.75,1.75,1.54,1.75,1.75]pFであった。どちらの場合でも、静電容量C1,3の容量推定値が他の容量推定値よりも、約0.2pF小さく、センスラインSL1とドライブラインDL3との交点上にタッチ入力があることを認識できている。
なお、上記式(6)で示した演算において、静電容量C1,5の容量推定に原符号系列Ei,1〜Ei,5を使用しており、原符号系列Ei,6を使用していない。従って、例えば、下記に示すような符号系列Di,1〜Di,5において、ドライブラインDL5に与える符号系列Di,5として、Di,5=Ei,5のような、原符号系列Ei,6を含まない符号系列Di,5を使用してもよい。
この場合、原符号系列Ei,1〜Ei,5は5列(M列)の原列ベクトルを含み、符号系列Di,1〜Di,5は5列(M列)の列ベクトルを含むことになる。
図4は、実施の形態に係るタッチパネル装置1に設けられた演算増幅器7の出力信号C1と従来のタッチパネル装置の演算増幅器の出力信号C2との波形図である。縦軸は演算増幅器7の出力信号レベル(電圧(V))を示し、横軸は時間を示している。横軸が1ならば、ドライブラインDL1に符号系列D1,1が与えられた時間を示し、横軸が2ならばドライブラインDL1に符号系列D2,1が与えられた時間を示す。
本実施の形態に係るタッチパネル装置1の演算増幅器7からの出力信号C1の最大値及び最小値はそれぞれ2.10V、及び、1.24Vである。そして、従来のタッチパネル装置の演算増幅器からの出力信号C2の最大値及び最小値はそれぞれ3.67V、及び、0.37Vである。
演算増幅器7からの出力信号の最大値と最小値との差は、本実施の形態に係るタッチパネル装置の場合が2.10−1.24=0.86Vであり、従来のタッチパネル装置の場合が3.67−0.37=3.3Vである。従って、本実施の形態によれば、出力信号の最大値と最小値との差は、従来のタッチパネル装置の最大値と最小値との差よりも小さくなる。このため、本実施の形態に係るタッチパネル装置1は、積分容量Cintの値を、前述した例で使用した8pFよりも小さな値にして使用可能である。その場合、前述した式(3)に示されるように、積分容量Cintは内積演算の式の分母に存在しているから、積分容量Cintが小さくなると、推定される容量信号のレベルが大きくなる。この結果、タッチパネルコントローラ3はタッチパネル装置1に混入する雑音等の影響を受けにくくなる。
図5は、タッチパネル装置1に設けられた他の容量駆動部5Aの構成を示す回路図である。容量駆動部5の代わりに容量駆動部5Aを設けてもよい。実施の形態1では、符号系列が「0」の場合はドライブラインを駆動しない例を示したが、本発明はこれに限定されない。図5に示すように、符号系列が「0」の場合にドライブラインを、決まった電圧、例えば、電圧Vcmにより駆動してもよい。後述する実施の形態でも同様である。
容量駆動部5Aには、3値の符号系列Di,1〜Di,Mに基づいて、ドライブラインDL1〜DLMに電圧を印加するM個のスイッチ回路が設けられている。各スイッチ回路は、3値の符号系列Di,1〜Di,Mが「1」の場合は対応するドライブラインに電圧Vd+Vcmを印加する。符号系列が「0」の場合はドライブラインに電圧Vcmを印加する。符号系列が「−1」の場合は対応するドライブラインに電圧−Vd+Vcmを印加する。ここで、Vcmは駆動電圧の基準となる電圧である。
また、実施の形態1では、隣り合うドライブラインに反転した原符号系列を与えたが、必ずしも隣り合うドライブラインに反転した原符号系列を与える必要はない。
例えば、ドライブラインDL1〜DL5に、下記により表される三値の符号系列Di,j(J=1〜5)に対応する駆動電圧を印加してもよい。
即ち、1本目のドライブラインDL1に対応する符号系列Di,1と3本目のドライブラインDL3に対応する符号系列Di,3とに、反転した原符号系列(−Ei,3)及びEi,3をそれぞれ与える。そして、2本目のドライブラインDL2に対応する符号系列Di,2と4本目のドライブラインDL4に対応する符号系列Di,4とに、反転した原符号系列(−Ei,4)及びEi,4をそれぞれ与える。3本目のドライブラインDL3に対応する符号系列Di,3と5本目のドライブラインDL5に対応する符号系列Di,5とには、反転した原符号系列(−Ei,5)及びEi,5をそれぞれ与える。
原符号系列(−Ei,4)及びEi,4は、ドライブラインDL2に対応する符号系列Di,2とドライブラインDL4に対応する符号系列Di,4とに与えられる。原符号系列(−Ei,4)及びEi,4は、ドライブラインDL2と隣り合うドライブラインであるドライブラインDL1及びドライブラインDL3には与えられず、また、ドライブラインDL4と隣り合うドライブラインであるドライブラインDL3及びドライブラインDL5にも与えられない。
この場合、静電容量値は、増幅器の出力信号Yと内積演算部6に与えられる原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)との下記に示す内積演算に基づいて推定される。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図6〜図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について、図6〜図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図6は、実施の形態2に係るタッチパネル装置1Aの構成を示す回路図である。実施形態1では、演算増幅器としてシングルエンド出力の演算増幅器7を用いたが、図6に示すように、演算増幅器7の代わりに差動出力の演算増幅器7Aを用いても良い。タッチパネル装置1Aは、タッチパネルコントローラ3Aとタッチパネル2とを備え、タッチパネルコントローラ3Aには差動出力の演算増幅器7Aが設けられている。演算増幅器7Aは、互いに隣接するセンスラインから出力される線形和信号の差分を増幅してA/D変換部8に供給する。
図7は、タッチパネル装置に設けられた符号生成部4により生成されるウォルシュ符号MC2の一部の構成を示す図である。図8は、ウォルシュ符号MC2の残りの一部の構成を示す図である。図9は、符号生成部4により生成されるアダマール符号MC3の一部の構成を示す図である。図10は、符号生成部4により生成されるGold系列MC4の一部の構成を示す図である。図11は、Gold系列MC4の残りの一部の構成を示す図である。
実施形態1では、原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)はM系列であり、当該M系列を符号系列MC1として用いた。しかしながら本発明はこれに限定されない。M系列の代わりに、図7及び図8に示すウォルシュ符号MC2や、図9に示すアダマール符号MC3、図10及び図11に示すGold系列MC4などの別の符号系列を用いても良い。
実施形態1では、式(6)に示した方法により静電容量値を推定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、下記の式(7)に示す方法により静電容量値を推定してもよい。
また、式(6)と式(7)との平均値を容量推定値とするなど、これらの結果を組み合わせて使用してもよい。
〔実施形態3〕
次に、実施形態1、2に係るタッチパネル装置1、1Aを備える電子機器の一例として、携帯電話機300について、図12を参照して説明する。図12は、実施形態3に係る携帯電話機300の要部構成を示すブロック図である。
次に、実施形態1、2に係るタッチパネル装置1、1Aを備える電子機器の一例として、携帯電話機300について、図12を参照して説明する。図12は、実施形態3に係る携帯電話機300の要部構成を示すブロック図である。
〔携帯電話機の構成〕
実施形態3に係る携帯電話機300は、図12に示すように、タッチパネル装置1、CPU310、ROM311、RAM312、カメラ313、マイクロフォン314、スピーカ315、操作キー316、表示制御回路309、及び、表示パネル318を備えている。また、携帯電話機300の各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。
実施形態3に係る携帯電話機300は、図12に示すように、タッチパネル装置1、CPU310、ROM311、RAM312、カメラ313、マイクロフォン314、スピーカ315、操作キー316、表示制御回路309、及び、表示パネル318を備えている。また、携帯電話機300の各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。
タッチパネル装置1は、タッチパネルコントローラ3、及び、タッチパネル2を備えている。なお、実施形態3に係る携帯電話機300が備えるタッチパネル装置1(タッチパネルコントローラ3、及び、タッチパネル2)は、実施形態1に係るタッチパネル装置1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
CPU310は、携帯電話機300の動作を統括的に制御する。CPU310は、例えば、ROM311に格納されたプログラムを実行することによって、携帯電話機300の動作を制御する。
ROM(Read Only Memory)311は、例えばEPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)など、CPU310によって実行されるプログラムなどの固定データが格納される、読み出し可能かつ書き込み不能なメモリである。
RAM(Random Access Memory)312は、例えばフラッシュメモリなど、CPU310が演算のために参照するデータや、CPU310が演算によって生成したデータなどの可変データが格納される、読み出し可能かつ書き込み可能なメモリである。
操作キー316は、ユーザによる携帯電話機300への指示の入力を受ける。操作キー316を介して入力されたデータは、RAM312に揮発的に格納される。
カメラ313は、操作キー316を介してユーザにより入力される撮影指示に基づき、被写体を撮影する。カメラ313によって撮影された被写体の画像データは、RAM312又は外部メモリ(たとえば、メモリカード)などに格納される。
マイクロフォン314は、ユーザの音声の入力を受付ける。入力されたユーザの音声を示す音声データ(アナログデータ)は、携帯電話機300においてデジタルデータに変換され、他の携帯電話機(通信相手)に送られる。
スピーカ315は、例えばRAM312などに格納されている音楽データが表す音声を出力する。
表示制御回路309は、操作キー316を介して入力されるユーザ指示に基づき、ROM311又はRAM312などに格納されている画像データの表す画像を表示するよう表示パネル318を駆動する。表示パネル318は、タッチパネル2に重ねて設けられていてもよいし、タッチパネル2を内蔵していてもよいし、その構成は特に限定されない。
また、携帯電話機300は、さらに、他の電子機器と有線接続するためのインターフェイス(IF)(不図示)を備えていてもよい。
実施形態3に係る携帯電話機300は、タッチパネル装置1を備えていることによって、静電容量の推定をより正確に行うことができるため、タッチパネルコントローラ3を良好に動作させることが可能となる。したがって、携帯電話機300は、ユーザによるタッチ操作をより正確に認識することができるため、ユーザが所望する処理をより正確に実行することができる。
なお、実施形態1のA/D変換部8の出力をCPU310に与え、実施形態1におけるA/D変換部8以降の処理をCPU310で行っても良い。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るタッチパネルコントローラ3・3Aは、センスラインSL1とM本のドライブラインDL1〜DLM(M≧2)との間に形成されたM個の静電容量C11〜CM1を有するタッチパネル2を制御するタッチパネルコントローラであって、原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)に基づいて3値以上の符号系列Di,1〜Di,Mを生成する符号生成部4と、符号系列Di,1〜Di,Mに基づいてドライブラインDL1〜DLMを並列駆動して、静電容量C11〜CM1に蓄積された電荷に基づく線形和信号をセンスラインSL1に沿って出力させる容量駆動部5・5Aと、線形和信号と原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)との内積を演算する内積演算部6とを備え、原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)は、M列の原列ベクトルEi,1〜Ei,Mを含み、符号系列Di,1〜Di,Mは、M列の列ベクトルDi,1〜Di,Mを含み、符号系列Di,1〜Di,Mは、原列ベクトルEi,1〜Ei,(M+1)を加減算することにより生成され、k列目の列ベクトルDi,k(1≦k≦M)が、k列目の原列ベクトルEi,kを含み、j列目の列ベクトルDi,j(1≦j≦M、j≠k)が、前記k列目の原列ベクトルEi,kを反転させた符号(−Ei,k)を含む。
本発明の態様1に係るタッチパネルコントローラ3・3Aは、センスラインSL1とM本のドライブラインDL1〜DLM(M≧2)との間に形成されたM個の静電容量C11〜CM1を有するタッチパネル2を制御するタッチパネルコントローラであって、原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)に基づいて3値以上の符号系列Di,1〜Di,Mを生成する符号生成部4と、符号系列Di,1〜Di,Mに基づいてドライブラインDL1〜DLMを並列駆動して、静電容量C11〜CM1に蓄積された電荷に基づく線形和信号をセンスラインSL1に沿って出力させる容量駆動部5・5Aと、線形和信号と原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)との内積を演算する内積演算部6とを備え、原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)は、M列の原列ベクトルEi,1〜Ei,Mを含み、符号系列Di,1〜Di,Mは、M列の列ベクトルDi,1〜Di,Mを含み、符号系列Di,1〜Di,Mは、原列ベクトルEi,1〜Ei,(M+1)を加減算することにより生成され、k列目の列ベクトルDi,k(1≦k≦M)が、k列目の原列ベクトルEi,kを含み、j列目の列ベクトルDi,j(1≦j≦M、j≠k)が、前記k列目の原列ベクトルEi,kを反転させた符号(−Ei,k)を含む。
上記の構成によれば、符号系列は、原列ベクトルを加減算することにより生成され、k列目の列ベクトル(1≦k≦M)が、k列目の原列ベクトルを含み、j列目の列ベクトル(1≦j≦M、j≠k)が、前記k列目の原列ベクトルを反転させた符号を含むので、線形和信号の最大出力電圧と最小出力電圧との差が小さな値となる。このため、従来の特許文献1の構成のように、線形和信号の最大出力電圧と最小出力電圧との差が大きな値となるために、積分容量Cintを大きくする必要が無く、容量信号レベルが小さくなって、タッチパネル装置に混入する雑音の影響を受けることがない。また、未公開先願の構成のように、ドライブラインの駆動と内積演算をそれぞれ2回行う必要が無く、1回の駆動及び内積演算により静電容量の推定のための演算結果を得ることができる。
例えば、上記図13のタッチパネル装置51に設けられたタッチパネル52のドライブラインDL1〜DL4にそれぞれ、
となるような符号系列Di,1〜Di,4を与える。この場合、例えば、ドライブラインDL1に与える符号系列Di,1=((Ei,1−Ei,2)/2)には、ドライブラインDL2に与える符号系列Di,2に含まれる原符号系列の原列ベクトルEi,2を反転した符号−Ei,2が含まれている。原列ベクトルEi,jが「1」と「−1」との2値の信号である場合、前記符号系列Di,jは、「1」、「0」、「−1」の三値を取る。符号系列Di,jが「1」、「−1」の場合は、従来の方法と同様に、ドライブラインに電源電圧VDD、0Vを与え、符号系列が「0」の場合は、ドライブラインを駆動しない。
この場合、式(4)は、
従来構成と同様に、Cint=8pF、C31=C32=C33=C34=2pFとすると、
[Ei,1、Ei,5]=[1,−1]の場合、増幅器の出力Y=2.0625Vとなり、[Ei,1、Ei,5]=[−1,1]の場合、Y=1.2375Vとなる。従って、増幅器の出力の最大電圧と最小電圧との差は、特許文献1の増幅器の出力の最大電圧と最小電圧との差=3.3Vよりは小さな値になる。ここで、上記の式(5)と原符号系列Ei,1、Ei,2、Ei,3、Ei,4、Ei,5との内積を計算すると、それぞれ、
が得られる。これらの結果から、従来の方法と同様に、それぞれの静電容量推定値が、
のように得られる。この方法は、1回の駆動及び内積演算でそれぞれの静電容量推定値を得られるため、フレームレートの低下を招かない。
本発明の態様2に係るタッチパネルコントローラ3は、上記態様1において、前記j列目の列ベクトルDi,jが、j列目の原列ベクトルEi,jから前記k列目の原列ベクトルEi,kを減算した符号に基づいて生成されてもよい。
上記の構成によれば、原列ベクトルのより簡単な加減算により符号系列を生成することができる。
本発明の態様3に係るタッチパネルコントローラ3は、上記態様1において、k=j+1であってもよい。
上記の構成によれば、原列ベクトルのより単純な加減算により符号系列を生成することができる。
本発明の態様4に係るタッチパネルコントローラは、前記内積演算部6は、前記内積の演算結果に基づいて前記静電容量の値を推定してもよい。
上記の構成によれば、タッチパネルコントローラの外部に静電容量値を推定する構成を設ける必要が無く、タッチパネルコントローラ自体で静電容量値を推定することができる。
本発明の態様5に係る集積回路は、本発明のタッチパネルコントローラを集積している。
本発明の態様6に係るタッチパネル装置1は、センスラインSL1とM本のドライブラインDL1〜DLM(M≧2)との間に形成されたM個の静電容量C11〜CM1を有するタッチパネル2と、タッチパネル2を制御するタッチパネルコントローラ3とを備えたタッチパネル装置であって、タッチパネルコントローラ3が、原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)に基づいて3値以上の符号系列Di,1〜Di,Mを生成する符号生成部4と、符号系列Di,1〜Di,Mに基づいてドライブラインDL1〜DLMを並列駆動して、静電容量C11〜CM1に蓄積された電荷に基づく線形和信号をセンスラインSL1に沿って出力させる容量駆動部5と、線形和信号と原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)との内積を演算する内積演算部6とを備え、原符号系列Ei,1〜Ei,(M+1)は、M列の原列ベクトルEi,1〜Ei,Mを含み、符号系列Di,1〜Di,Mは、M列の列ベクトルDi,1〜Di,Mを含み、符号系列Di,1〜Di,Mは、原列ベクトルEi,1〜Ei,(M+1)を加減算することにより生成され、k列目の列ベクトルDi,k(1≦k≦M)が、k列目の原列ベクトルEi,kを含み、j列目の列ベクトルDi,j(1≦j≦M、j≠k)が、k列目の原列ベクトルEi,kを反転させた符号(−Ei,k)を含む。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、タッチパネルを制御するタッチパネルコントローラ、タッチパネルコントローラを集積した集積回路、タッチパネルコントローラを備えたタッチパネル装置、及び、タッチパネル装置を備えた電子機器に利用することができる。
1 タッチパネル装置
2 タッチパネル
3 タッチパネルコントローラ
4 符号生成部
5 容量駆動部
6 内積演算部
7 演算増幅器
8 A/D変換部
Ei,1〜Ei,(M+1) 原符号系列
Di,1〜Di,M 符号系列
2 タッチパネル
3 タッチパネルコントローラ
4 符号生成部
5 容量駆動部
6 内積演算部
7 演算増幅器
8 A/D変換部
Ei,1〜Ei,(M+1) 原符号系列
Di,1〜Di,M 符号系列
Claims (5)
- センスラインとM本のドライブライン(M≧2)との間に形成されたM個の静電容量を有するタッチパネルを制御するタッチパネルコントローラであって、
原符号系列に基づいて3値以上の符号系列を生成する符号生成部と、
前記符号系列に基づいて前記ドライブラインを並列駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷に基づく線形和信号を前記センスラインに沿って出力させる容量駆動部と、
前記線形和信号と前記原符号系列との内積を演算する内積演算部とを備え、
前記原符号系列は、M列以上の原列ベクトルを含み、
前記符号系列は、M列の列ベクトルを含み、
前記符号系列は、前記原列ベクトルを加減算することにより生成され、
k列目の列ベクトル(1≦k≦M)が、k列目の原列ベクトルを含み、
j列目の列ベクトル(1≦j≦M、j≠k)が、前記k列目の原列ベクトルを反転させた符号を含むことを特徴とするタッチパネルコントローラ。 - 前記j列目の列ベクトルが、j列目の原列ベクトルから前記k列目の原列ベクトルを減算した符号に基づいて生成される請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
- k=j+1である請求項1に記載のタッチパネルコントローラ。
- センスラインとM本のドライブライン(M≧2)との間に形成されたM個の静電容量を有するタッチパネルと、
前記タッチパネルを制御するタッチパネルコントローラとを備えたタッチパネル装置であって、
前記タッチパネルコントローラが、
原符号系列に基づいて3値以上の符号系列を生成する符号生成部と、
前記符号系列に基づいて前記ドライブラインを並列駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷に基づく線形和信号を前記センスラインに沿って出力させる容量駆動部と、
前記線形和信号と前記原符号系列との内積を演算する内積演算部とを備え、
前記原符号系列は、M列以上の原列ベクトルを含み、
前記符号系列は、M列の列ベクトルを含み、
前記符号系列は、前記原列ベクトルを加減算することにより生成され、
k列目の列ベクトル(1≦k≦M)が、k列目の原列ベクトルを含み、
j列目の列ベクトル(1≦j≦M、j≠k)が、前記k列目の原列ベクトルを反転させた符号を含むことを特徴とするタッチパネル装置。 - 請求項1に記載のタッチパネルコントローラと、
前記タッチパネルコントローラにより制御されるタッチパネルとを備えることを特徴とする電子機器。
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