JP6997319B2 - 多相自己容量法によるホバー・センシング - Google Patents

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Description

関連出願
本願は、米国特許非仮出願第16/016194号、2018年6月22日出願の国際出願であり、この米国特許非仮出願は米国特許仮出願第62/598347号、2017年12月13日出願により優先権を主張し、これらの特許出願の全部は、その全文を参照することによって本明細書に含める。
技術分野
本発明は静電容量センシングの分野に関するものであり、具体的には容量性のタッチ・センシング(検出)面におけるホバー(指等の近接)入力に関するものである。
背景
ノート型コンピュータ、パーソナル・データ・アシスタンス(PDA:personal data assistance:個人用携帯情報端末)、キオスク端末、及びモバイル・ハンドセット(携帯電話)のようなコンピュータ装置はユーザ・インタフェース装置を有し、ヒューマン・インタフェース装置(HID:human interface device)としても知られている。ユーザ・インタフェース装置の1つの種類はタッチセンサ・パッド(一般にタッチパネルとも称される)であり、パーソナル・コンピュータ(PC:personal computer)のマウスの機能をエミュレート(模擬)するために用いることができる。タッチセンサ・パッドは、規定された2つの軸を用いることによってマウスのX/Y方向の移動を再現し、これらの軸はセンサ電極の集合体を含み、これらのセンサ電極は、指またはスタイラス(タッチペン)のような1つ以上の物体の位置を検出する。タッチセンサ・パッドは、ポインタを測位する、あるいはディスプレイ上のアイテムを選択する、といった機能を実行するためのユーザ・インタフェースを提供する。他の種類のユーザ・インタフェース装置はタッチスクリーンである。タッチスクリーンは、タッチ画面、タッチ・ウィンドウ、タッチパネル、またはタッチスクリーン・パネルとしても知られ、透明なディスプレイ・オーバーレイ(上覆い)であり、ディスプレイを入力装置として用いることを可能にして、ディスプレイの内容と相互作用するための主要入力装置としてのキーボード及び/またはマウスをなくす。他のユーザ・インタフェースは、ボタン、スライダー、等を含み、これらを用いてタッチ、タップ、ドラッグ、及び他のジェスチャーを検出することができる。
静電容量センシングシステムは、これら及び他の種類のユーザ・インタフェース装置を実現するためにますます利用され、電極上に発生し静電容量の変化を反映する電気信号をセンシング(感知)することによって機能する。こうした静電容量の変化は、タッチ事象(イベント)、あるいは電極付近の指のような導電性物体の存在を示すことができる。従って、センシング電極の静電容量の変化は、容量センシング素子から測定される静電容量を、ホスト装置によって解釈されるデジタル値に変換する電気回路によって測定することができる。しかし、既存の静電容量測定回路の精度は、駆動電圧、電流源出力、スイッチング周波数、及び測定回路内の他の信号に影響を与えるノイズ及び変動によって劣化し得る。こうした測定の不正確さは、静電容量系のユーザ・インタフェース装置における不正確な測位またはタッチ検出を生じさせ得る。
本発明を、一例として、限定目的ではなく、添付した図面の各図に示す。
一実施形態による静電容量センシングシステムのブロック図である。 一実施形態による静電容量センシングシステムの処理装置内の構成要素を示すブロック図である。 一実施形態による多相センシングシステムの段の回路図である。 図4A及び4Bは、一実施形態によるホバー・センシングプロセスにおける励起信号パターンの列を示す図である。 図5A及び5Bは、一実施形態による、センサアレイの異なる位置におけるホバー入力、及びこれらのホバー入力に対応する測定信号を示す図である。 図6A~6Cは、一実施形態による、正弦関数による測定信号列の最小二乗近似を示す図である。 一実施形態による正弦関数の変位を示す図である。 一実施形態による、ルックアップ・テーブルを参照するために正弦関数の1周期の四半周期への分割を示す図である。 図9A及び9Bは、一実施形態による、最大測定値の周辺の信号の部分集合の、放物線による近似を示す図である。 図10A及び10Bは、一実施形態による、異なる測定信号列の、二次曲線の逆関数による近似を示す図である。 一実施形態による、異なる測定信号列の、二次曲線の逆関数による近似を示す図である。 一実施形態による、測定信号列から計算した差分に基づくホバー入力位置の計算を示す図である。 図13A~13Cは、一実施形態による励起信号パターンの列を示す図であり、パターン毎に1つのセンサ電極を測定する。 図14A~14Cは、一実施形態による、行及び列のセンサ電極の両方に供給する励起信号パターンの列を示す図である。 一実施形態による、異なる励起パターンを用いて行及び列のセンサ電極の両方の励起により生じる測定信号列を示す図である。 一実施形態による、ホバー入力の存在及び位置を検出するプロセスを示す図である。 一実施形態による、ホバー入力の存在及び位置を検出するプロセスを示す図である。
詳細な説明
以下の記述は、特許請求する主題のいくつかの実施形態の良好な理解をもたらすために、具体的なシステム、構成要素、方法、等のような多数の具体的詳細を説明する。しかし、少なくとも一部の実施形態はこれらの具体的詳細なしで実施することができることは、当業者にとって明らかである。他の例では、特許請求する主題を無用に曖昧にすることを避けるために、周知の構成要素または方法は詳細に説明せず、あるいは単純なブロック図形式で提示する。従って、説明する具体的詳細は好適例に過ぎない。特定の実現は好適な詳細と異なることができ、それでも特許請求する主題の精神及び範囲内であるものと考えることができる。
タッチスクリーンまたはタッチパッドのような容量性のセンシング面により入力を受け付けることができるコンピュータ装置については、ホバー入力は、センシング面の付近であるがセンシング面に接触しない(ユーザの指またはスタイラスのような)物体によって生じる。例えば、ホバー入力は、ユーザの指がタッチ・センシング面の上方に保持される際に検出することができる。コンピュータ装置は、センシング面上の指に最寄りの位置を入力位置として特定する。ホバー・センシングが可能なコンピュータ装置は、ユーザが手袋をはめている際、ユーザの指が濡れているか汚れている際、装置が保護ケースの内部にある際、等のように、ユーザが装置に物理的に触れることができないか触れたくない際に、ユーザからの入力を検出することができる。センシング面上の特定位置におけるホバー入力は、同じ位置におけるタッチ入力と区別することができ;従って、ホバー・センシングを用いて、コンピュータ装置におけるタッチ入力によって開始されない追加的な種類の動作(例えば、文書をプレビューすること、サブメニューを開くこと、等)を実行することができる。
一実施形態では、ホバー・センシングを実行するコンピュータ装置が、センシング面から少なくとも35ミリメートルの範囲内にある指を検出することができる。一例として、指と酸化スズインジウム(ITO:indium tin oxide)センサ電極との間の代表的な静電容量は、この距離では指及び電極の特性及び相対位置に応じて、およそ15~30フェムトファラッド(fF)にすることができる。その結果、低ノイズかつ高分解能の電荷-デジタル変換回路を用いてホバー・センシングが効果的に実行され、これらの電荷-デジタル変換回路は、比較的大きな寄生容量の存在下での微小な静電容量変化を区別することができる。大きな寄生容量の温度ドリフトは、内部及び外部のノイズ源(例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)のノイズ)と組み合わさって、ホバー入力の検出を大幅に複雑にし、偽入力、真のホバー入力を検出し損なうこと、位置のジッター、及び他の動作上の不具合を生じさせ得る。それに加えて、一部の産業(例えば、自動車または航空機用途)において課せられる放射制限は、ホバー・センシング動作を実行するためのセンシング面のサイズ、及びセンサ電極に供給する駆動信号の大きさに制約を与える。
一実施形態では、コンピュータ装置が、ゼロサム(総和が0になる)パターンの励起信号の列(シーケンス)をセンシング面内のセンサ電極のアレイに供給することによって、センシング面におけるホバー入力を検出する。コンピュータ装置は、相補的な送信(TX:transmission)励起信号(即ち、正の位相及び負の位相の励起信号)をセンサ電極に供給し、正の位相の信号と負の位相の信号とは等しい個数の電極に供給し、これにより、センサ電極から十分な距離の所では、励起信号によって誘起される放射が相殺される。
一部の実施形態では、初期のTX信号パターンが、連続したセンサ電極の部分集合に供給される正の位相の励起信号を含むのに対し、負の位相の励起信号はセンサ電極の相補的な部分集合に供給される。信号列内で後続するTX信号パターンの供給により、初期の信号パターンはセンサ電極の全部にわたって循環する様式で順送りされる。TX励起信号パターンの列の供給は、受信(RX:receive)信号の列をセンサ電極に発生させ、受信信号の列はセンサ電極付近のホバー入力によって影響される。
最小二乗近似を実行して、測定したRX信号の列を近似する所定の関数を決定する。一実施形態では、センサ電極付近のホバー入力は、正弦(サイン)関数に類似したRX信号の列を生じさせ;従って、最小二乗近似は、このRX信号の列を近似する正弦関数のパラメータを決定する。センサ電極に対するホバー入力の位置は、測定したRX信号列を近似する正弦関数の変位パラメータを計算することによって特定される。
測定したRX信号列とこのRX信号列を近似する正弦関数との相関の度合いを記述する相関係数を計算する。センサ電極付近の指または他の導電性物体によって生じる実際のホバー入力は、測定されるRX信号列を生じさせ、このRX信号列は正弦関数に類似するのに対し、温度変化または他の意図しない入力によって生じる信号は正弦関数に類似しない。従って、相関係数を相関の閾値と比較して、この閾値を超えると(即ち、測定したRX信号列とそれを近似する正弦関数との高い類似度を示す際に)ホバー入力が検出される。
上記のホバー入力を検出する方法は、ホバー入力により生じる測定可能な静電容量信号の大幅な増加を生じさせる。信号対ノイズ比も向上する。従って、ホバー入力はセンシング面からのより大きな距離で、かつ(例えば、隣接するLCDパネルからの)ノイズに対するより大きな耐性をもって検出可能になる。それに加えて、(例えば、温度ドリフトによる)センシング面の寄生容量の変化に起因する測定の不正確さは大幅に低減される、というのは、これらの変化はTX励起信号のゼロサムパターンによって補償されるからである。TX励起信号のゼロサムパターンによってより低い電磁放射も実現される。
図1に、一実施形態による静電容量センシングシステムのブロック図を示す。センシングシステム100は、ホスト装置101、処理装置102、及びセンサアレイ103を含む。一実施形態では、センサアレイ103は、酸化インジウムスズ(ITO)のような透明導電材料で構成され、ディスプレイ104を覆う。ホスト装置101はディスプレイ104を制御し、センサアレイ103により測定した自己容量及び相互容量に基づいて検出した物体に応答してディスプレイ104を更新し、これによりディスプレイ104とセンサアレイ103とが一緒になってタッチスクリーンとして機能する。一実施形態では、処理装置102の機能をホスト装置101と共に単一の集積回路内に統合する。
図2に、一実施形態による、ホバー入力のセンシングを実行する、静電容量センシングシステム100内の構成要素の機能ブロック図を示す。処理装置102は、容量センサアレイ103内の電極の自己容量及び相互容量を表す信号(例えば、電圧及び/または電流)を測定することができる。センサアレイ103は、1つ以上のTXセンサ電極の集合、及び1つ以上のRXセンサ電極の集合を含む。TXセンサ電極の各々はTX線211のうちの1本を通して処理装置102に接続されているのに対し、RXセンサ電極の各々はRX線212のうちの1本を通して処理装置102に接続されている。相互容量センシングについては、TX線211を用いて励起信号をTXセンサ電極に供給し、その間にRX線212を用いてRXセンサ電極からの誘導信号を受信する。他の動作モード(例えば、多相の自己容量センシング)では、TX線211及びRX線212のいずれか、あるいは両方を、静電容量値を測定する際にセンサ電極へ信号を送信し、及び/またはセンサ電極から信号を受信するように構成することもできる。処理装置102は、測定した静電容量値に対する処理を実行して、意図的なタッチと意図しないタッチ(例えば、センサ面上の液体)とを区別して、意図的なタッチの位置を特定する。処理装置102は、センサアレイ103から発生するRX信号列に基づいてホバー入力も検出する。ホスト装置101は、ホバー入力に関連するサブルーチンを実行することによって、検出したホバー入力に応答する。一実施形態では、実行するサブルーチンを、ホバー入力の位置に基づいて追加的に決定する。一実施形態では、ホスト装置101が、同じ位置におけるホスト入力用と意図的なタッチ用とで異なるサブルーチンを実行する。
処理装置102は、意図的なタッチの位置及びホバー入力の位置をホスト装置101に報告する。ホスト装置101は、報告された入力位置に基づく1つ以上の機能を実行する。一実施形態では、処理装置102が、自己容量及び/または相互容量の変化を表す測定信号をホスト装置101に報告し、測定値のさらなる処理はホスト装置101において実行する。処理装置102は、原測定値をホスト101に報告することができ、あるいは、原測定値をホスト101に報告する前に原測定値に対する予備的処理(例えば、ベースライン補正またはフィルタ処理)を実行することができる。
処理装置102は、励起信号をセンサアレイ103に供給し、センサアレイから生じる信号(例えば、電流または電荷)を測定し、これらの測定値に基づいて自己容量及び相互容量の尺度(即ち、自己容量及び相互容量を表す値)を計算するための多数の構成要素を含む。マルチプレクサ(多重化器)213はスイッチング回路を含み、このスイッチング回路は、異なるセンサ電極を励起信号または測定チャネルに選択的に接続する。一実施形態では、マルチプレクサ213は多数のマルチプレクサを用いて実現される。例えば、TX線211とRX線212とで、あるいは列電極用と行電極用とで別個のマルチプレクサを用いることができる。一実施形態では、入力端子の数、駆動及び受信の構成、及びマルチプレクサのサイズに応じて、軸毎に複数のマルチプレクサを用いることができる。TX発生器215はマルチプレクサ213を制御して、TX信号を励起信号として発生し、このTX信号は、TX線211を通してセンサアレイ103内のTXセンサ電極に選択的に供給される。Vtx発生器214は電圧Vtxを発生し、電圧Vtxは、TX励起信号を発生する際に選択的にセンサ電極に供給することができる。一実施形態では、Vtx発生器214がインバータを含み、これにより正の位相(+1)の信号及び負の位相(-1)の信号を発生することができる。マルチプレクサ213は、接地電圧をセンサ電極に選択的に印加することもできる。センサアレイ103に供給される具体的な励起信号の時系列はシーケンサ(順序制御装置)回路223によって発生する。
マルチプレクサ213は、センサアレイ103内の電極を電荷-符号(コード)変換器216に選択的に接続することもでき、これにより、電極の励起によって発生する電荷の量を測定することができる。一実施形態では、電荷-符号変換器216が、設定期間にわたって電流を積分し、結果的な測定電荷をデジタル符号に変換して、このデジタル符号はさらなる処理に用いることができる。電荷-符号変換器216は、RX信号をセンサアレイ103から受信するための少なくとも1つのRXチャネル224を含む。ベースライン補償回路217は、ベースライン補償信号を静電容量-符号変換器216に供給し、ベースライン補償信号はセンサアレイのベースライン・レベルの影響を低減する。その代わりに、ベースライン補償回路217は、この補償信号をセンサアレイ103の下のシールド(遮蔽)電極に供給することができる。補償レベルはパネル全体用に設定することができ、あるいは、パネルのセンス電極の寄生容量変動に応じた異なる励起信号パターン用の異なるレベルに設定することができる。
チャネルエンジン218は、各電極から測定した電荷を表すデジタル符号を受信する。一部のセンシング方法(例えば、非ゼロサムのTX励起パターンによる多相自己容量センシング)については、チャネルエンジン218が原デジタル符号値をデコンボリュータ(デコンボリューション(逆畳み込み)器)モジュール219に供給する。デコンボリュータ219は、これらの符号値に対してデコンボリューション演算を実行して、相互容量マップ220及び自己容量ベクトル221を生成する。相互容量マップ220は、センサアレイ内の行電極の数及び列電極の数に相当する次元を有する、符号値の行列(マトリクス)として表現され、これにより、行電極のうちの1本と列電極のうちの1本との交点毎の相互容量が行列内の要素(即ち、相互容量の尺度)によって表される。自己容量ベクトルは、TX電極(例えば、行電極)毎の要素を含み、 当該TX電極の自己容量を表す(即ち、自己容量の尺度)。
相互容量220及び自己容量221は、後処理及び通信ブロック222へ送信される。後処理ブロック222は、追加的な計算を実行して、何らかの意図したタッチを検出し、静電容量220~221に基づいてこうしたタッチの位置を特定する。このタッチ位置はブロック222からホスト装置101へ送信される。
一実施形態では、処理装置102がホバー・センシングを実行する際に、発生するRX信号の列はチャネルエンジン218によって受信されて、デコンボリュータ219をバイパスして自己容量ベクトル221内に記憶され、デコンボリュータ219は動作の他のモードで使用される。後処理ブロック222は、最小二乗近似に基づいて、RX信号列を近似する正弦関数のパラメータを決定する。一実施形態では、ルックアップ・テーブル(早見表)を用いて正弦関数用の値を計算する。後処理ブロック222は、RX信号列とそれを近似する正弦関数との相関の度合いを示す相関の尺度(例えば、相関係数)を計算し、次に、この相関係数に基づいて、センサアレイ103に近接した物体(例えば、ユーザの指)の存在を検出する。具体的には、相関係数が所定の相関の閾値を超える(即ち、RX信号列がそれを近似する正弦関数に十分に類似する)場合に、物体の存在を検出する。
図3に、一実施形態による、多相自己容量センシングを実行する静電容量センシング回路300の動作中の2つの段階を示す。静電容量センシング回路300は、センサアレイ103内の第1RX電極及び第NRX電極を表す2つの電極RX-1及びRX-Nの自己容量を測定する。静電容量Cs1及びCsNは、それぞれ電極RX-1及びRX-Nの自己容量を表す。
プリチャージ段階中には、センシング電極RX-1及びRX-Nは、スイッチSW3-1及びSW3-Nを開放することによってセンシング・チャネル301から絶縁される。従って、センシング電極RX-1とRX-Nとは互いに絶縁され、異なる電圧にプリチャージすることができる。センサアレイ103全体では、一部の電極をVtxにプリチャージしつつ、他の電極を接地にプリチャージすることができる。図示するように、SW2-1を閉じつつSW-1を開き、これにより電極RX-1は接地に接続され、電極RX-NはVtxに接続される。従って、自己容量Cs1及びCsNは、それぞれ接地及びVtxにプリチャージされる。
センシング段階中には、スイッチSW2-1及びSW2-Nを開放して、センサ電極RX-1及びRX-Nをそれぞれのプリチャージ電圧から切り離す。センサ電極RX-1及びRX-Nは、スイッチSW3-1及びSW3-Nを閉じることによってセンシング・チャネル301に接続される。電極RX-1及びRX-Nの各々において電圧Vrefが維持される。電荷Q1が電極RX-1の自己容量Cs1内へ流入する、というのは、RX-1はVrefよりも低い電圧にプリチャージされているからである。電荷QNが自己容量CsNから流出する、というのは、RX-NはVrefよりも高い電圧にプリチャージされているからである。センサアレイ103内の全部のRX電極(RX-1, RX-2,...RX-N)についてこのプロセスを実行すると、センシング・チャネル301は次式1による電荷Qinを受ける:
Qin=Q1+Q2+...+QN; (式1)
式1では、値(Q1, Q2,...QN)は、プリチャージ段階後に、それぞれ自己容量(Cs1, Cs2,...CsN)に蓄積されている電荷を表す。式1は次式2に示すように書き換えることができる:
Figure 0006997319000001
式2では、(S1~Sn)は、1,-1、及び0の要素によって表される、測定サイクルにおける励起の時系列を表す。1の値は正方向の励起を示し、-1の値は負方向の励起を示し、0の値はセンサ電極に電圧が印加されないことを示す。従って、Utxは、プリチャージ段階からセンシング段階までに電極に印加される電圧の変化を表す。式2に示すように、Utxは全部の電極について同一であり;代案の実施形態では、Utxを電極間で異ならせることができる。
N個の異なる励起の時系列で順次にセンサを励起する場合、この励起手順は、値S11~SNNを有する励起行列として表すことができ、次式3に示すようになる:
Figure 0006997319000002
励起行列Sでは、同じ行内の要素(例えば、S11, S21,...SN1)が異なる電極に同時に印加されるのに対し、同じ列内の要素(例えば、S11, S12,...S1N)は異なる時刻に同じ電極に印加される。励起行列Sが逆行列の形式S-1を有する場合、検出される自己容量は、測定した電荷値Qinのデコンボリューションを次式4において次のように実行することによって決定することができ、ここにDはデコンボリューション行列である:
Figure 0006997319000003
反対の位相信号どうしの組合せによるセンサ電極の励起は、行または列内の全部のセンサ電極を同相で励起することに比べて、センサの放射を低減する。この放射は、順次に励起される要素(例えば、S11~SNN)の総和に依存する。例えば、要素の総和が1に等しい場合、ある距離で観測可能な放射は単一電極の励起によって発生する放射と同様である。それに加えて、複数のセンサ電極についての電荷測定値がデコンボリューション計算に含まれ、このことは、センサ内に注入されるノイズに対してセンシング結果をより低感度にするデコンボリューション後に、平均化の効果を生じさせる。一実施形態では、本明細書中に説明するホバー入力を検出する方法を、(例えば、アクティブ(能動型)積分器、電流搬送器、等に基づく異なるセンシング・チャネルを使用する)複数の電荷-符号センシング回路と共に用いることができ、これらの電荷-符号センシング回路は多相の自己または相互容量のセンシング方法をサポートする。
図4Aに、一実施形態による、ホバー・センシング中にセンサアレイ内のセンサ電極に供給されるTX信号パターンの列を示す。図4Aに示すように、センサ電極の各々をその番号410によって参照する。一実施形態では、電極1~24がセンサアレイ103内の行電極(またはその代わりに列電極)であり、電極番号410はアレイ103内の電極の空間的順序に対応する。TX発生器215は、TX信号パターン420の各々を順次にセンサアレイ103内のセンサ電極に供給する。
各信号パターン420(1)~420(24)を供給する際に、パターン内の個別の励起信号がTX発生器215によってそれぞれのセンサ電極1~24に同時に供給され、ここで「+1」及び「-1」は、励起信号のそれぞれ正及び負の位相を示す。例えば、TX発生器215は、正の位相の励起信号を電極1~12に供給し、その間に負の位相の励起信号を電極13~24に供給することによって、パターン420(1)をセンサ電極1~24に供給する。一実施形態では、正の位相の信号と負の位相の信号とが相補的な信号であり、負の位相の励起信号は正の位相の励起信号の反転である。
信号パターン420の各々はゼロサムの励起信号パターンであり;即ち、パターン内の励起信号の総和が0に近付くほど理想的である。例えば、励起信号パターン420(1)は、(電極1~12に供給される)12個の正の位相の励起信号及び(電極13~24に供給される)12個の負の位相の励起信号を含む。従って、正の位相の励起信号の各々を、対応する相補的な負の位相の励起信号と合計した、パターン内の全部の信号の合計は、公称的には0になる。実際には、パターン内の励起信号の合計は、製造上の許容誤差(公差)、環境条件、等に起因して0から偏位する。
一実施形態では、パターン内の励起信号の総和の大きさは、パターン内のいずれの励起信号の大きさよりも小さい。従って、ゼロサムの励起信号パターンの全体は、励起信号のうちの1つを単独で当該励起信号に対応するセンサ電極に供給するよりも小さい電磁放射を発生する。一実施形態では、センサアレイが偶数個のセンサ電極を含み、正及び負の位相の励起信号の各々が半数のセンサ電極に供給され、これにより、同数の電極が正の位相の励起信号及び負の位相の励起信号によって同様に励起され、こうして平衡のとれた励起スキームを実現する。
励起信号パターン420毎に、TX発生器215が正の位相の励起信号の全部を連続したセンサ電極の部分集合に供給し、これらのセンサ電極はセンサ電極の集合における循環する列内で連続している。電極の循環する列は番号1から番号24まで順に進み、番号24の後に番号1に戻り、それを繰り返す。従って、信号パターン420(24)では、正の位相の励起信号が供給される電極24及び電極1~11は上記循環する列内で連続している。負の位相の励起信号の全部も連続した電極の部分集合に供給され、これらの連続した電極は上記循環する列内で連続する。
一実施形態では、電極どうしを導電性経路により(例えば、スイッチ回路により)物理的にまとめて接続し、接続した電極に励起信号を供給することによって、センサ電極の部分集合に同じ励起信号を供給する。代案の実施形態では、センス電極の各々を同じ励起信号で別個に駆動する。一実施形態では、センサ電極の集合内の大部分の電極(即ち、少なくとも半数の電極)が部分集合に含まれ、各部分集合は少なくとも3つ以上の連続したセンサ電極を含み、これらのセンサ電極には、信号パターン毎に同じ励起信号(例えば、正の位相の励起信号または負の位相の励起信号)を供給する。
循環する様式の順送りを用いて、信号列400内で連続する信号パターンを発生する。信号列400内では、12個の正の位相の励起信号及び12個の負の位相の励起信号がセンサ電極の全部にわたって循環する様式で順送りされて、24個の異なる励起信号パターン420を形成する。信号列400内の信号パターン420毎に、シーケンサ回路223が、上記のパターンを循環する様式で1の増分だけ(上記番号を)順送りすることによって、信号列内で後続する次の励起信号パターンを発生し;即ち、後続する次のパターン内の各センサ電極は、循環する列内で先行する(即ち、より小さい番号の)センサ電極に供給された励起信号を受ける。例えば、パターン420(2)では、負の位相の励起信号が電極1に供給される、というのは、負の位相の励起信号が、前の励起信号パターン420(1)において前回に(循環する列内で電極1に先行する)電極24に供給されているからである。パターン420(2)では、正の位相の励起信号が電極13に供給される、というのは、正の位相の励起信号が先行するパターン420(1)において電極12に供給されているからである。
図4Bに、一実施形態による、循環する様式で順送りされるTX信号パターンの代案の信号列430を示し、信号列430はホバー・センシング中にセンサアレイ内のセンサ電極に供給することができる。TX発生器215は、TX信号パターン440の各々を順次に、センサアレイ103内のセンサ電極に供給する。信号パターン440では、正の(または負の)位相の励起信号が供給されるセンサ電極が2つのグループに分割される。パターン440(1)では、正の位相の励起信号が電極1~6及び13~18に供給され、その間に負の位相の励起信号が電極7~12及び19~24に供給される。
他の非ゼロサムのTX励起パターンの列を多相静電容量センシングにおいて用いる際には、デコンボリューションを用いて、静電容量の測定値を原データから決定することができる。しかし、パターン420及び430のようなゼロサム信号パターンについてのコンボリューション(畳み込み)行列は特異(非正則)行列である。従って、デコンボリューションの代わりに、所定の関数(例えば、正弦関数)を測定したRX信号の列に整合させるための最小二乗近似計算を実行して、センサ電極に対するホバー入力の存在及び位置を特定する。
一実施形態では、多相センシング・プロセスにより、正または負の位相の励起信号をセンサ電極に供給するプリチャージ段階後に、電荷-符号変換器216内のRX自己容量センシング・チャネル224が、センシング段階中にRX信号をセンサ電極毎に測定する。一実施形態では、RX信号を励起信号パターン毎に測定する。測定したRX信号はRX信号の列を構成し、このRX信号の列と正弦関数のような所定の関数との相関をとって、ホバー入力が存在するか否かを判定する。
図5A及び5Bに、一実施形態による、センサアレイ103上の異なる位置の付近のホバー入力により生じるRX信号列を示す。図5Aに示すように、センサアレイ103は47個のセンサ電極を有する。従って、循環する様式で順送りされる励起信号パターンの列は47通りの異なるパターンを含み、これらのパターンはセンサ電極に順次に供給される。図5Bでは、縦軸はRXセンシング・チャネル224によって検出したRX信号の信号レベルを表し、横軸はRX信号を励起した励起信号パターンのパターン番号を表す。
図5Bに、センサアレイ103の異なる位置におけるそれぞれのホバー入力501、502、及び503により生じたRX信号列511、512、及び513を示す。ホバー入力501はセンサアレイ103のエッジに位置するのに対し、ホバー入力502及び503はセンサアレイ103の中心に次第に近付く。測定したRX信号列511~513の各々は正弦関数に類似し、従って、正弦関数を用いてRX信号列511~513の各々を最小二乗近似によって近似する。
正弦関数は一般に式5中のパラメータa、b、c、及びdに関して表現される:
y=a+b・sin(c・i+d) (式5)
式5では、yは正弦関数の大きさであり、RX信号の大きさに相当し、iはセンサ電極番号である。パラメータdは正弦関数の位相シフトを反映し、センサアレイ103におけるホバー位置に直接関係する。図6A、6B、及び6Cは、一実施形態による、異なるパラメータを有する正弦関数による、それぞれRX信号列513、512、及び511の近似を示す。図6Aでは、RX信号列513が(連続線として示す)正弦関数601によって近似される。図6Bでは、RX信号列512が正弦関数602によって近似される。図6Cでは、RX信号列511が正弦関数603によって近似される。近似する正弦関数601~603の各々は、異なるパラメータa、b、c、及びdの組を用いて定義され、RX信号列を高い相関係数で近似する。
従って、パラメータa、b、c、及びdを計算して、測定したRX信号列を最も良く近似する正弦関数を決定する。パラメータc及びdを計算する1つの方法は、次式6を最小二乗法により最小にすることに基づく:
Figure 0006997319000004
しかし、三角法の理論を用いれば、cは式7のようにより容易に決定することができる:
Figure 0006997319000005
式7では、Nはセンサ電極の個数を表し、2×πは正弦関数の周期を表す。一実施形態では、パラメータdは、正弦関数を図7に示すようにx軸に沿ってシフトする量を定義する。図7では、正弦関数701が0に等しいdの値を有する。正弦関数702は0でない値のdを有し;従って、正弦関数702の形状は元の正弦関数701に対して量dだけシフトされている。パラメータdは式8により計算される:
Figure 0006997319000006
式8では、idxMaxは、最大の大きさの信号が測定されるセンサ電極の番号を表し、Nはセンサ電極の個数を表す。パラメータdは、ホバー入力の変位(即ち、アレイ103内のセンサ電極に対する物体の位置)を表す。
式7及び8に基づいて、正弦関数の引数argiは式9のように計算される:
Figure 0006997319000007
次式10は式5及び式9から得られる:
Figure 0006997319000008
パラメータa及びbは、式11中のQを最小にすることによって計算される:
Figure 0006997319000009
式11では、Siは、ホバー入力によって番号iを有するセンサ電極から生じた応答信号の測定値である。偏微分は次式12のようになる:
Figure 0006997319000010
式12は式13に示すように表すことができる:
Figure 0006997319000011
式13は、次式14に示すように変数sumSin、sumS、sumSinSin、及びsumSsinを表現することによって簡略化することができる:
Figure 0006997319000012
従って、式13は式15に示すように表現することができる:
Figure 0006997319000013
式15の第1式をパラメータaについて解くと、式16のようになる:
Figure 0006997319000014
式16を式15の第2式に代入すると、次式17のようになる:
Figure 0006997319000015
式17をパラメータbについて解くと、式18のようになる:
Figure 0006997319000016
一実施形態では、上記の式を用いて、測定したRX信号列を近似する正弦関数のパラメータa、b、c、及びdを計算することができる。特に、RX信号列とそれを近似する正弦関数との相関係数は、パラメータaを計算せずに計算することができる。
上記正弦関数は後処理ブロック222で計算する。異なる方法を用いて、計算リソースの限られた装置において上記正弦関数を計算することができる。例えば、上記正弦関数は、座標回転デジタル・コンピュータ(CORDIC:Coordinate Rotation Digital Computer)計算を用いて計算することができ、その代わりに、次式19で表される正弦関数についてのテイラー級数を用いて計算することができ、ここでargは正弦関数への入力引数である。
Figure 0006997319000017
一実施形態では、上記正弦関数をルックアップ・テーブル(LUT:lookup table)225内で一覧表にし、LUT225は、正弦関数の結果を、あり得る入力引数の範囲毎に記憶する。従って、後処理ブロック222における相関係数の計算は、LUT225内での検索を実行することを含む。テーブル・ルックアップ(表検索)を実行することは反復計算ではなく、従って、限られた計算時間及びリソースで実行することができる。さらに、一覧表化は大量のメモリを消費する必要がない。正弦関数については、LUT225に記憶されている、第1の四半周期についてのデータを用いて、1周期の残り部分を構成することができる。一実施形態では、LUT 225がメモリの65バイトを占めるに過ぎない。
図8に、一実施形態による、正弦関数の1周期を4つの四半周期に分割してLUT225のサイズを低減することを示す。図8では、正弦関数y=sin(2πx/256)が256に等しい周期を有する。第1の四半周期1001内に入る入力引数xは、LUT225から直接検索して、引数xに対する正弦関数の結果を決定する。第2の四半周期1002内の入力引数xについては、xを128から減算して、LUT225内で結果を検索する。第3の四半周期1003内の入力引数xについては、128をxから減算して、LUT225内で結果を検索してネゲート(各ビットの1と0を反転)する。第4の四半周期内の入力引数xについては、xを256から減算して、LUT225内で結果を検索してネゲートする。
入力引数xも0~256の範囲に限定される、というのは、上記正弦関数の周期がT=256であるからである。一実施形態では、xが256よりも大きい場合に、モジュロ演算(例えば、xmod256)を実行して検索の許容範囲内の入力引数を計算する。
電極番号iに対する入力引数argiは、上記の式9中でi及びidxMaxに関して表現される。式20は、式9における、係数256/2πを乗じることによる、周期2πを有する正弦関数から周期T=256を有する正弦関数への変換を示す。
Figure 0006997319000018
一旦、式20に示す周期の補正を実行すると、結果的な入力引数argiをLUT225内で検索することができる。
後処理ブロック222は、測定したRX信号の列とそれを近似する正弦関数との相関係数を計算する際に、パラメータa、b、c、及びdによって定義される正弦関数の計算を実行する。相関係数を計算するために、測定したRX信号列及びそれを近似する正弦関数のそれぞれの平均値avSigOriginal及びavSigApprを、それぞれ次式21及び22に示すように計算する。
Figure 0006997319000019
Figure 0006997319000020
式23は上記正弦関数の周期全体について真である。
Figure 0006997319000021
従って、式22を簡略化して、avSigApprがaに等しいことを示すことができる。
二乗の相関係数は式24に示すように計算される。
Figure 0006997319000022
式24は、dataAppr及びdataOriginalを次式25のように表すことによって、より単純に表される:
Figure 0006997319000023
式25に示すように、相関係数はパラメータaを計算せずに計算することができる。式24を式25と組み合わせると、式26に示すような相関係数を計算するための式になる。
Figure 0006997319000024
近似する正弦曲線は、式26により計算した相関係数値corrCoeffが最大になるまで、最大の信号(即ち、idxMax)の座標を、この最大の信号を有するセンサの番号から左右に移動させることによって調整する。
一実施形態では、後処理ブロック222が、最大の相関係数を所定の相関の閾値と比較することに基づいて、センサ電極付近の物体の存在によりホバー入力を検出する。相関係数が相関の閾値を超えた場合、測定したRX信号列はそれを近似する正弦関数に十分に近く、後処理ブロック222はホバー入力を検出する。相関の閾値は0~255の範囲内で調整可能なパラメータである。一実施形態では、相関の閾値が75であり、このため、相関係数が75以上である場合にホバー入力が検出される。
一実施形態では、ゼロサムを有さないTX励起信号パターンを、デコンボリューションの代わりに最小二乗近似を用いて同様に分析することができる。一実施形態では、放物線を用いて、測定したRX信号の列を近似する。この方法によれば、測定したRX信号のうち最大のRX信号値の周辺の部分集合に基づいて、近似する放物線関数の頂点を計算する。図9に、一実施形態による、最大信号901がSiの値を有するRX信号列900の一部分を示す。最大値901の周辺の、測定したRX信号は、信号Si-3~Si+3を含む。以下の式27を参照すれば、近似する放物線関数は二次曲線によって定義され、ここにSappri-jは、最大信号が測定された電極iからj個の電極分だけ離れたセンサ電極に対応する放物線関数値を表す。
Sappri-j=a+b・j+c・j2 (式27)
放物線の極値は、次式28に示すように、放物線関数の導関数を0に設定することによって計算される。
Figure 0006997319000025
式29は、最小二乗近似により最小化される関数を示す。
Figure 0006997319000026
式29の偏微分は式30のようになる。
Figure 0006997319000027
式28を式30と組み合わせると、次式31のようになる。
Figure 0006997319000028
図9Bに、結果的な近似曲線911のグラフを、測定したRX信号910と共に示す。縦軸はRX信号910及び近似曲線911の大きさを表すのに対し、グラフの横軸は対応するセンサ電極の番号を表す。図示するように、最高の測定値の周辺の7つの電極を使用する;しかし、ホバー入力を検出するためのより大きなノイズ耐性は、より多数のセンサ電極の測定を検出プロセスに含めることによって達成される。
一実施形態では、逆二次曲線を、測定したRX信号の列を近似するための所定の関数として用いる。逆二次曲線を用いた近似は、より多数の利用可能なRX測定値を利用し、これによりホバー検出結果におけるノイズ耐性を増加させる、というのは、ノイズによって生じる誤差がより多数のセンサ電極にわたって平均化されるからである。逆二次曲線は次式32で定義される。
Figure 0006997319000029
式32では、Sappriは関数結果の大きさであり、iは関数結果を計算したセンサ電極の番号である。パラメータa、b、及びcは、測定したRX信号の列を最良に近似する曲線のバージョンに対応する。RX信号列とそれを近似する逆二次曲線との相関係数は式38により計算され、式38は式33~38において次のように導出される。逆二次曲線については、頂点x0が-b/2cに等しい。従って、式32は、式33に示すように頂点x0に関して表現することができる。
Figure 0006997319000030
式33では、Sappriは、センサ電極番号iに対応する近似関数の大きさである。頂点x0における信号の大きさは、式34中の変数Spに設定される。
Figure 0006997319000031
式34では、Spはピーク値の大きさであり、pはピークの大きさが位置する電極に対応する番号である。最小二乗近似プロセスにより最小化される関数は次式35で表される。
Figure 0006997319000032
式35の偏微分は次式36のようになる。
Figure 0006997319000033
式36は、変数A及びBを次式37に示すように表すことによって簡略化される。
Figure 0006997319000034
式38はA及びBを式36に代入して生じる。
Figure 0006997319000035
次式39によりRX信号を正規化し、正規化したRX信号と、逆二次曲線によるRX信号の近似値との二乗相関係数を計算する。
Figure 0006997319000036
ホバー入力は、相関係数corrCoeffが相関の閾値よりも大きい場合に検出される。相関の閾値は0~255の範囲内の調整可能なパラメータである。一実施形態では、相関の閾値が125の値を有する。
図10Aに、一実施形態による、センサ電極18におけるホバー入力により生じるRX信号の列1001を近似する逆二次曲線1003を示す。センサ電極0~44から測定した原RX信号列を正規化して、正規化したRX信号の列1002を発生する。正規化した信号列1002を曲線1003によって近似する。曲線1003の頂点は、センサ電極18におけるホバー入力の位置に対応する。図10Aでは、相関係数が246であり;従って、相関係数が175の相関の閾値よりも大きいのでホバー入力の存在が検出される。
図10Bは、同様に、一実施形態による、センサ電極12におけるホバー入力により生じるRX信号の列1011を近似する逆二次曲線1013を示す。センサ電極0~44から測定したRX信号列1011を正規化して、正規化したRX信号の列1012を発生する。正規化した信号列1012を曲線1013によって近似する。曲線1013の頂点は、センサ電極12におけるホバー入力の位置に対応する。図10Bでは、相関係数が234であり;従って、相関係数が相関の閾値175よりも大きいのでホバー入力の存在が検出される。
図11に、ホバー入力ではなくセンサアレイを加熱することにより生じるRX信号の列1101を近似する逆二次曲線1103を示す。センサ電極0~44から測定したRX信号列1101を正規化して、正規化したRX信号の列1102を発生する。正規化した信号列1102を曲線1103によって近似する。曲線1103の頂点は、センサ電極14における信号の大きさが最高の位置に対応する。図11では、相関係数が60であり;従って、相関係数が相関の閾値175未満であるのでホバー入力は検出されない。
一実施形態では、RX信号列中の極大の信号の周辺の9つの信号の部分集合を三次曲線によって近似して、ホバー入力の位置を特定する。この方法によれば、RX信号列の差分Diffi-1、Diffi、Diffi+1、及びDiffi+2の値(それぞれ、センサ電極i-1、i、i+1、及びi+2に対応する)が、それらに対応するセンサ電極の番号との直線的な関係を有する。図12に、一実施形態による、この直線的な関係を、差分値Diffi-1、Diffi、Diffi+1、及びDiffi+2をセンサ電極番号に対してグラフ化することによって示す。図12の上部は、信号の大きさSi-4~Si+4をセンサ電極に対して示す。この直線のx切片(x軸との交点)がホバー位置を示す。
x切片は式40により計算され、ここにNはセンサ電極の個数であり、ResXはX(横)軸の全長に沿ったセンサアレイの画素単位の分解能である。
Figure 0006997319000037
近似する三次曲線の係数は式41により決定される。
i-j=a-b・j-c・j2 (式41)
従って、最小二乗近似において最小化される関数は式42で示される。
Figure 0006997319000038
式42の偏微分は式43のようになる。
Figure 0006997319000039
従って、式40は式44に示すように表現することができる。
Figure 0006997319000040
上記の式により計算した値は、検出したホバー入力の座標を、センサ電極番号を単位として提供する。
一実施形態では、隣接する発生源からのノイズ(例えば、LCDのコモンモードノイズ)に対するノイズ耐性が、RX信号を測定中のセンサ電極の個数を低減することによって向上する。このことは、LCDパネルからセンシング・チャネル内へ注入される電荷が、当該チャネルによって同時にセンシングされている電極の個数に比例することにより、あるいは換言すれば、等価なRXセンサ電極とLCDパネルとの結合容量に比例することにより発生する。図13A~13Cに、一実施形態による励起信号パターンの列を示し、この列ではTX励起信号を非循環的な方法でセンサ電極に供給して、RX信号をパターン毎に、単一のセンサ電極から単一のRXセンシング・チャネルを通して測定する。
図13Aを参照すれば、列1300内の(信号パターン1320(1)~1320(10)を含む)励起信号パターン1320の各々が、正の位相の励起信号を、RX信号を測定するセンサ電極(太い枠線で示す)及びその周辺のセンサ電極に供給する。例えば、パターン1320(5)では、正の位相の励起信号を電極3~7に供給する。列1300内の信号パターンの各々はゼロサムパターンであり、従って、相補的な負の位相の励起信号を、信号パターン1320(5)において残りの電極1~2及び8~10に供給する。より少数のセンサ電極を測定することに起因する、測定されるRX信号の大きさの減少は、関連する(例えば、LCDディスプレイからの)外部ノイズの減少によって補償される。
図13Bに、パターン1330(1)~1330(10)を含む信号パターン1330の列1301を示す。励起信号パターン1330毎に、RX信号を測定するセンサ電極を含む一部のセンサ電極には(「0」で示すように)励起信号を供給しない。各パターンでは、正の位相の励起信号を、センシングされている電極の周辺のセンサ電極に供給する。パターン1330の各々もゼロサム信号パターンである。
図13Cに信号パターン列1302を示し、この信号パターン列では、励起信号パターン1340毎に、RX信号を測定するセンサ電極を含むより多数のセンサ電極に励起信号を供給しない。パターン1340の各々もゼロサムパターンである。
図14A~14Cに、一実施形態による、ホバー入力の検出中に測定可能なRX信号を増加させる方法を示す。図14Aは、前述したようにセンサアレイ103におけるホバー入力1401を検出するための励起パターン1402の列を示し、ここでは、列センサ電極を、循環する様式で順送りされるゼロサムパターンである列電極励起パターン1403の列によって励起する。各列電極パターン1403において、行センサ電極には励起信号を供給しない。従って、行励起パターン1404は各センサパターン1402において全部が0である。
縦軸に沿ったホバー入力1401の位置が既知である場合(例えば、行センサ電極は以前にセンシングされている場合)、ホバー入力1401に最寄りの行センサ電極の部分集合に正の位相の励起信号を供給しつつ、残りの行センサ電極には負の位相の励起信号を供給することによって、測定可能なRX信号を増加させることができる。図14Bに、一実施形態によるこうした方法を示す。6つのセンサパターンの列1412をセンサアレイ103に供給する。列励起信号パターン1403毎に、以前に特定したホバー入力1401の位置に基づいて、行励起信号パターン1414のうちの1つを行センサ電極に供給する。行励起信号パターン1414の各々はゼロサムパターンであり、正の位相の励起信号を、ホバー入力1401に最寄りの4つの行センサ電極に供給し、その間に相補的な負の位相の励起信号を残りの4つの行センサ電極に供給する。
この測定手順は、測定されるRX信号のベースラインは増加させるが、RX信号のダイナミックレンジは増加させない。一実施形態では、センサパターン1412毎に測定されるRX信号の大きさをおよそ175fFだけ増加させ、その間にこれらのRX信号のダイナミックレンジ(即ち、最低のRX信号と最高のRX信号との差)は同じ(およそ150fFの)ままにする。TX励起信号の位相極性を切り換える(即ち、正の位相の励起信号を負の位相の励起信号に切り換える)と、同様な効果が逆の方向に発生する(即ち、ベースラインが減少する)。
図14Cに、行センサ電極に供給される信号パターンの列1424内で正の位相の信号と負の位相の信号とを交互させる実施形態を示す。位相極性は、列1412内で連続するパターン間で交互する。代案の実施形態では、2パターン毎、3パターン毎、等に位相極性を交互させる。行センサ電極に供給される信号パターンにおける位相極性を交互させることは、ベースラインを増加させずに、測定されるRX信号列のダイナミックレンジを増加させる。一実施形態では、ダイナミックレンジをおよそ500fFまで増加させる。
図15に、一実施形態による、RX信号列のグラフを異なる測定方法について示す。RX信号列1501は、励起信号を行センサ電極に供給しない際に、ホバー入力1401の測定により生じる。RX信号列1502及び1503は、正の位相の励起信号及び負の位相の励起信号のそれぞれを、ホバー入力1401に最寄りの行センサ電極に供給する場合である。RX信号列1504は、正の位相と負の位相とが交互する励起信号をホバー入力1401に最寄りの行センサ電極に供給する際に発生し、この交互は2パターン毎に発生する。この種の駆動方法は「相関ダブル・サンプリング(相関のある二回サンプリング)」と称することができ、受信チャネル内のドリフトを低減する。
図16は、一実施形態による、容量センサアレイ103におけるホバー入力を検出するためのプロセス1600を示す流れ図である。プロセス1600は処理装置102内の構成要素によって実行される。
ブロック1601では、シーケンサ223が、センサアレイ103に供給されるTX信号パターンの列内の初期のTX信号パターンを決定する。ブロック1603では、TX発生器215が、センサ電極の集合内(例えば、センサアレイ103内の列センサ電極のうち)のセンサ電極毎に、TX信号パターンに応じて正の位相の励起信号または負の位相の励起信号のいずれかを供給することによって、初期のTX信号パターンを供給する。負の位相の励起信号は正の位相の励起信号と相補的であり、正の位相の励起信号及び負の位相の励起信号を、センサ電極の循環的な列内で連続するセンサ電極に供給する。
ゼロサムの励起パターンを用いる一実施形態では、正の位相の励起信号を上記集合内の半数の電極に供給し、負の位相の励起信号を残りの半数の電極に供給する。従って、センサ電極に供給する励起信号の総和の大きさは、個別のセンサ電極に供給されるいずれの励起信号よりも小さく、0に近付くほど理想的である。総和が0でない励起パターンを用いる代案の実施形態では、センサ電極の励起が、1つの励起信号が供給される単一のセンサ電極と少なくとも同じ大きさの放射を発生する。ブロック1605では、初期のTX信号パターンの供給により誘導される結果的なRX信号を、電荷-符号変換器216内のRXチャネル224によって測定する。
ブロック1607では、パターン列内のTX信号パターンのうち、まだセンサ電極に供給されていないTX信号パターンが存在する場合、プロセス1600はブロック1601に戻る。ブロック1601では、シーケンサ回路223が、初期のTX信号パターンが循環する様式の順送りに基づいて、TX信号パターンの列内の次のTX信号パターンを決定する。一実施形態では、正及び負の位相の励起信号の現在のパターンを、循環する様式でセンサ電極1つ分だけシフトさせて、パターン列内の次のTX信号パターンを発生する。従って、TX信号パターン毎に、各センサ電極に供給される励起信号は、先行するTX励起信号パターンの供給中に、センサ電極の集合が形成する循環する様式の列内の先行する(即ち、より小さい番号の)センサ電極に供給した励起信号に相当し、先行するTX励起信号パターンは、パターン列内のパターンのうち現在の信号パターンの直前に供給したパターンである。代案の実施形態では、現在のパターンを2つ以上の電極分だけシフトさせる。
ブロック1601~1607をループ形式で反復して、パターン列内のTX信号パターンの各々をセンサ電極の集合に順に供給し、TX信号パターン毎にRX信号の応答を測定する。測定したRX信号の列をベクトル211としてメモリに供給する。ブロック1607では、全部のTX信号パターンを供給した場合、後処理ブロック222は、ブロック1609~1613に提示するように、測定したRX信号の列と、正弦関数のような所定の関数によるこのRX信号列の最小二乗近似との相関係数を計算する。
ブロック1609では、近似する正弦関数の一部のパラメータを計算し;例えば、式7及び8を用いてパラメータc及びdを計算する。パラメータdは、センサ電極に対するホバリング(ホバー状態の)物体の位置を示す変位を表し、測定したRX信号の列内で最大の大きさの信号に基づいて計算する。
ブロック1611では、後処理ブロック222が、RX信号の列を近似するための最小二乗計算を用いて正弦関数の残りのパラメータを決定する。一実施形態では、LUT225が、あり得る多数の入引数毎に正弦関数の結果を記憶している。残りのパラメータ(例えば、式18によるパラメータb)を計算する際に、後処理ブロック222はLUT225にアクセスする。
ブロック1613では、後処理ブロック222が、測定したRX信号列と、上記で計算したパラメータを有する正弦関数による当該RX信号列の近似との相関係数を計算する。一実施形態では、式26により計算した相関係数が最大になるまで、近似する正弦曲線(サインカーブ)をセンサ電極番号に対してシフトさせることによって調整する。
ブロック1615では、後処理ブロック222がこの相関係数を所定の相関の閾値と比較する。ブロック1617では、相関係数が相関の閾値を越えない場合に、ホバー入力は検出されず、後処理ブロック222はブロック1621でホバー入力が存在しないことを報告する。ブロック1621から、プロセス1600はブロック1601に戻って検出プロセスを再開する。ブロック1617では、相関係数が相関の閾値を超える場合に、プロセス1600はブロック1619に進む。ブロック1619では、有効なホバー入力の存在を検出する。ブロック1619より、検出したホバー入力の存在及び(変位パラメータdによって示される)その位置をホスト装置101へ送信し、ホスト装置101は何らかの動作(例えば、ディスプレイ104上のカーソルを更新すること、メニュー項目を強調または選択すること、等)を実行する。プロセス1600はブロック1601に戻って、パターン列内の初期のTX励起信号パターンから再び始まる次回の測定サイクル用にTX励起信号パターンをセンサ電極に供給することを再開する。こうして、プロセス1600はブロック1601~1619を連続的に反復して、ホバー入力の存在及びその位置を長時間にわたって検出する。
図17は、一実施形態による、測定したRX信号の列に基づいてホバー入力を検出するプロセス1700を示す流れ図である。プロセス1700では、正弦関数の代わりに放物線関数または逆二次関数を最小二乗近似用に用いる。プロセス1700は、後処理ブロック222を含む処理装置102内の構成要素によって実行する。プロセス1600内のブロック1607からのプロセス1700は、ブロック1701から開始される。この時点で、TX励起パターンの列内のTX励起信号パターン毎にRX信号が測定されている。
ブロック1701では、後処理ブロック222が近似関数(即ち、放物線または逆二次曲線)の頂点を決定する。近似関数の頂点は、測定したRX信号のうち最大の大きさを有するRX信号に等しく設定する。ブロック1701より、プロセス1601はブロック1703へ進む。
ブロック1703では、後処理ブロック222が、測定したRX信号列を正規化し、正規化したRX信号列の一部分(例えば、最大の大きさのRX信号に最寄りの7つのRX信号)を、放物線を用いて近似し、この放物線の頂点はブロック1701で与えたように設定されている。その代わりに、正規化した列内で得られるRX信号の全部を、逆二次関数を用いて近似し、この逆二次関数の頂点はブロック1701で与えたように設定されている。
ブロック1705では、(大域的なピーク値までスケールダウン(規模縮小)された)正規化したRX信号列と、シミュレーションによるホバー・プロファイル近似関数との相関の度合いを示す相関係数を計算し、この近似関数は、放物線関数により計算した頂点にピークを有する。ブロック1707では、この相関係数を所定の相関の閾値と比較する。ブロック1709では、相関係数が閾値を超えない場合にホバー入力を検出しない。ホバー入力がないことはブロック1717で報告する。プロセス1700はブロック1601に戻って、TX励起パターンの列をセンサ電極に供給することを再開する。
ブロック1709で相関係数が所定の相関の閾値を超える場合、後処理ブロック222はブロック1711に提示するように有効なホバー入力を検出する。一実施形態では、センサ電極に対するホバー入力の位置を、ブロック1713~1715により特定する。ブロック1713では、最大の大きさのRX信号に最寄りのRX信号の部分集合について、一組の差分を計算する。ブロック1715では、これらの差分について計算した最良に整合する直線のx軸切片から計算する。ブロック1715から、ホバー入力の存在及びその位置をホスト装置101に伝達し、ホスト装置101はホバー入力の存在及び/またはその位置に基づく何らかの動作を実行する。プロセス1700はブロック1601に戻って、次回の測定サイクル用にTX信号パターンをセンサ電極に供給することを再開する。
以上の実施形態では、種々の変更を加えることができ;例えば、ハイ(高)の電圧でアサートされるように記述した信号を代わりにロー(低)の電圧でアサートすることができ、あるいは、特定の構成要素を同様な機能を有する他の構成要素に置き換えることができる。本明細書中に説明するように、「電気接続」または「電気結合」される導電性電極は、比較的低抵抗の経路が導電性電極間に存在するように結合することができる。「ほぼ」等しいとして記述した量、寸法、または他の値は、公称的には等しくすることができるが(製造上の許容誤差、環境条件、量子化または丸め誤差、及び/または他の要因により)厳密に等しい必要はなく、あるいは、意図した効果または利点を実現するのに十分なほど「等しい」に近くすることができる。
本明細書中に説明する実施形態は種々の動作を含む。これらの動作は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せによって実行することができる。本明細書中に用いる「結合される」とは、直接、あるいは介在する1つ以上の構成要素を通して間接的に結合されることを意味し得る。本明細書中に記載する種々のバス上で供給される信号のいずれも、他の信号と時分割多重化して1つ以上の共通のバス上で供給することができる。それに加えて、回路構成部品または回路ブロック間の相互接続は、バスまたは単一の信号線として示すことがある。これらのバスの各々は、代わりに、1本以上の単一の信号線とすることができ、これらの単一の信号線の各々は代わりにバスにすることができる。
特定の実施形態はコンピュータプログラム製品として実現することができ、このコンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体上に記憶されている命令を含むことができる。これらの命令を用いて、汎用または専用プロセッサをプログラムして、説明した動作を実行することができる。コンピュータ可読媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)が読み取り可能な形式(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶または伝送するためのあらゆるメカニズムを含む。こうしたコンピュータ可読な記憶媒体は、磁気記憶媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスケット(登録商標))、光記憶媒体(例えば、CD-ROM:compact disc-read only memory:コンパクトディスク読出し専用メモリ);光磁気記憶媒体;読み出し専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory);消去可能なプログラマブルメモリ(例えば、EPROM:erasable programmable ROM:消去可能プログラマブルROM、及びEEPROM:electrically erasable PROM:電気的消去可能PROM);フラッシュメモリ、または電子的命令を記憶するのに適した他の種類の媒体を含むことができるが、それらに限定されない。
それに加えて、一部の実施形態は分散コンピューティング環境内で実施することができ、分散コンピューティング環境では、上記のコンピュータ可読媒体を、2つ以上のコンピュータシステム上に格納し、及び/または2つ以上のコンピュータシステムによって実行する。それに加えて、コンピュータシステム間で転送される情報は、これらのコンピュータシステムを接続する伝送媒体上でプル(取り寄せ)することもプッシュ(送り付け)することもできる。
本明細書中の方法の動作は特定の順序で図示し説明しているが、各方法の動作の順序は変更することができ、これにより、特定の動作を逆の順序で実行することができ、あるいは、特定の動作を、少なくとも部分的に、他の動作と同時に実行することができる。他の実施形態では、命令、あるいは区別される動作の副次的動作を、間欠的な様式、及び/または交互する様式にすることができる。
以上の明細書では、特許請求する主題を、その好適な具体的実施形態を参照しながら説明してきた。しかし、添付する特許請求の範囲に記載する本発明のより広い精神及び範囲から逸脱することなしに、種々の修正及び変更を加えることができることは明白である。従って、明細書及び図面は、限定的な意味でなく例示的な意味で考えるべきものである。

Claims (19)

  1. 送信(TX)信号発生器と、
    前記TX信号発生器に結合されたシーケンサ回路と、
    前記TX信号発生器に結合された処理ブロックとを具えた静電容量センシング装置であって、
    前記TX信号発生器は、TX信号パターンの列内の該TX信号パターンの各々をセンサ電極の集合に供給することによって、受信(RX)信号の列を発生するように構成され、
    前記TX信号パターンの列内の前記TX信号パターン毎に、前記TX信号発生器は、各々が前記センサ電極の集合内の3つ以上の連続したセンサ電極を含む複数の部分集合のそれぞれに対して、第1励起信号及び第2励起信号の一方を供給するように構成され、前記複数の部分集合は、前記センサ電極の集合内の前記センサ電極の少なくとも半数を含み、
    前記シーケンサ回路は、前記TX信号パターンの列内の前記TX信号パター毎に、循環する様式で順送りされる前記TX信号パターンに基づいて、前記TX信号パターンの列内で後続する次のTX信号パターンを決定するように構成され、
    前記処理ブロックは、前記RX信号の列と所定の関数との相関の尺度に基づいて、前記センサ電極の集合に近接した物体の存在を検出するように構成され
    前記所定の関数が正弦関数であり、
    前記処理ブロックが、前記RX信号の列の最小二乗近似に基づいて前記正弦関数のパラメータを計算することによって、前記相関の尺度を計算するようにさらに構成されている静電容量センシング装置。
  2. 前記TX信号パターンの列内の前記TX信号パターン毎に、かつ前記センサ電極の集合内の前記センサ電極毎に、当該センサ電極に供給される励起信号が、前記TX信号パターンの列内で先行する前記TX信号パターンの供給中に、前記センサ電極の集合内で循環する様式の前記センサ電極の列内で先行する前記センサ電極に供給された励起信号に相当する、請求項1に記載の静電容量センシング装置。
  3. 前記第2励起信号が前記第1励起信号と相補的であり、
    前記センサ電極の集合内の前記センサ電極に供給される前記励起信号の総和の大きさが、前記センサ電極の集合内のいずれの前記センサ電極に供給される前記励起信号の大きさよりも小さく、前記励起信号が前記第1励起信号及び前記第2励起信号を含む、請求項1に記載の静電容量センシング装置。
  4. 前記TX信号発生器が、前記TX信号パターンの列内の前記TX信号パターン毎に、前記センサ電極の集合内で循環する様式で順送りされる連続した前記センサ電極に前記第1励起信号を供給するようにさらに構成され、前記連続したセンサ電極が、前記センサ電極の集合内の前記センサ電極の少なくとも半数を含む、請求項1に記載の静電容量センシング装置。
  5. 前記RX信号の列内の前記RX信号の各々が、前記センサ電極の集合から測定された自己容量を表す、請求項1に記載の静電容量センシング装置。
  6. 前記処理ブロックが、前記RX信号の列の最小二乗近似に基づいて変位を計算するようにさらに構成され、
    前記変位は、前記センサ電極の集合に対する前記物体の位置を示す、請求項1に記載の静電容量センシング装置。
  7. 前記相関の尺度が相関係数を含み、
    前記処理ブロックが、
    前記相関係数を所定の閾値と比較し、
    前記相関係数が前記所定の閾値を超える際に、前記物体の存在を検出する
    ようにさらに構成されている、請求項1に記載の静電容量センシング装置。
  8. 前記処理ブロックに結合されたRXセンシング・チャネルをさらに具え、該RXセンシング・チャネルは、前記センサ電極の集合内の前記センサ電極毎に、前記第1励起信号及び前記第2励起信号の一方を当該センサ電極に供給した後に、前記RX信号の列内の前記RX信号を測定するように構成されている、請求項1に記載の静電容量センシング装置。
  9. 送信(TX)信号パターンの列内の該TX信号パターンの各々をセンサ電極の集合に供給することによって、受信(RX)信号の列を発生するステップであって、前記TX信号パターンの各々を前記センサ電極の集合に供給することが、各々が前記センサ電極の集合内の3つ以上の連続したセンサ電極を含む複数の部分集合のそれぞれに対して、第1励起信号及び第2励起信号の一方を供給し、前記複数の部分集合は、前記センサ電極の集合内の前記センサ電極の少なくとも半数を含むステップと、
    前記TX信号パターンの列内の前記TX信号パターン毎に、循環する様式で順送りされる前記TX信号パターンに基づいて、前記TX信号パターンの列内で後続する次のTX信号パターンを決定するステップと、
    前記RX信号の列と所定の関数との相関の尺度に基づいて、前記センサ電極の集合に近接した物体の存在を検出するステップと、
    前記RX信号の列の最小二乗近似に基づいて、前記所定の関数のパラメータを計算することによって、前記相関の尺度を計算するステップとをみ、前記所定の関数が正弦関数である方法。
  10. 前記TX信号パターンの各々を前記センサ電極の集合に供給するステップが、前記センサ電極の集合内の前記センサ電極毎に、当該センサ電極に励起信号を供給することをさらに含み、該励起信号は、前記TX信号パターンの列内で先行する前記TX信号パターンの供給中に、前記センサ電極の集合内で循環する様式の前記センサ電極の列内で先行する前記センサ電極に供給した励起信号に相当し、前記先行するTX信号パターンは、前記TX信号パターンを供給する直前に前記TXセンサ電極の集合に供給したTX信号パターンである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第2励起信号が前記第1励起信号と相補的であり、前記センサ電極の集合内の前記センサ電極に供給される前記励起信号の総和の大きさが、前記センサ電極の集合内のいずれの前記センサ電極に供給される前記励起信号の大きさよりも小さく、前記励起信号が前記第1励起信号及び前記第2励起信号を含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記TX信号パターンの列内の前記TX信号パターン毎に、前記センサ電極の集合内で循環する様式で順送りされる連続した前記センサ電極に前記第1励起信号を供給するステップをさらに含み、前記連続したセンサ電極が、前記センサ電極の集合内の前記センサ電極の少なくとも半数を含む、請求項9に記載の方法。
  13. 前記RX信号の列内の前記RX信号の各々が、前記センサ電極の集合から測定された自己容量を表す、請求項9に記載の方法。
  14. 前記RX信号の列の最小二乗近似に基づいて変位を計算するステップをさらに含み、前記変位は、前記センサ電極の集合に対する前記物体の位置を示す、請求項9に記載の方法。
  15. 前記相関の尺度を所定の閾値と比較するステップと、
    前記相関の尺度が前記所定の閾値を超える際に、前記物体の存在を検出するステップとをさらに含み、
    前記相関の尺度が相関係数を含む、請求項9に記載の方法。
  16. ホスト装置と、
    センサ電極の集合を具えた容量センサアレイと、
    送信(TX)信号発生器と、
    前記TX信号発生器に結合されたシーケンサ回路と、
    前記ホスト装置及び前記TX信号発生器に結合された処理ブロックとを具えた静電容量センシングシステムであって、
    前記TX信号発生器は、TX信号パターンの列内の該TX信号パターンの各々をセンサ電極の集合に供給することによって、受信(RX)信号の列を発生するように構成され、前記TX信号パターンの列内の前記TX信号パターン毎に、前記TX信号発生器は、各々が前記センサ電極の集合内の3つ以上の連続したセンサ電極を含む複数の部分集合のそれぞれに対して、第1励起信号及び第2励起信号の一方を供給するように構成され、前記複数の部分集合は、前記センサ電極の集合内の前記センサ電極の少なくとも半数を含み、
    前記シーケンサ回路は、前記TX信号パターンの列内の前記TX信号パターン毎に、循環する様式で順送りされる前記TX信号パターンに基づいて、前記TX信号パターンの列内で後続する次のTX信号パターンを決定するように構成され、
    前記処理ブロックは、前記RX信号の列と所定の関数との相関の尺度に基づいて、前記センサ電極の集合に近接した物体の存在を検出するように構成され、
    前記第2励起信号が前記第1励起信号と相補的であり、
    前記センサ電極の集合内の前記センサ電極に供給される前記励起信号の総和の大きさが、前記センサ電極の集合内のいずれの前記センサ電極に供給される前記励起信号の大きさよりも小さく、前記励起信号が前記第1励起信号及び前記第2励起信号を含み、
    前記処理ブロックが、
    前記RX信号の列の最小二乗近似に基づいて前記正弦関数のパラメータを計算することによって、前記相関の尺度を計算し、
    前記相関の尺度が前記所定の閾値を超える際に、前記物体の存在を検出する
    ようにさらに構成されている静電容量センシングシステム。
  17. 前記RX信号の列内の前記RX信号の各々が、前記センサ電極の集合から測定された自己容量を表す、請求項16に記載の静電容量センシングシステム。
  18. 前記ホスト装置に結合されたディスプレイをさらに具え、前記容量センサアレイが前記ディスプレイ上を覆い、前記ホスト装置が、前記検出した物体の存在に応答して前記ディスプレイ上の表示を更新するように構成されている、請求項16に記載の静電容量センシングシステム。
  19. 前記処理ブロックが、前記RX信号の列に基づいて、前記物体によるホバー入力を検出するようにさらに構成され、
    前記ホスト装置が、前記ホバー入力に応答して第1サブルーチンを実行するように構成されている、請求項16に記載の静電容量センシングシステム。
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