JPWO2015136579A1 - 有機el表示パネルおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

有機EL表示パネルは、第1隔壁と、第2隔壁と、機能層を備える。第1隔壁はそれぞれ長尺状で互いに間隔を空けて配される。第2隔壁は、一対の第1隔壁間に複数存在し、第1隔壁に沿う方向に互いに間隔を空けて配され、それぞれ一対の第1隔壁間を連結する。機能層は、第1隔壁と第2隔壁とで規定される複数の凹部内にそれぞれ配され、有機EL素子の少なくとも一部を構成する。各第2隔壁は、第2隔壁を挟んで隣り合う凹部を相互に連通する溝部を上面に有し、溝部の第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、隣り合う凹部の第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅よりも狭く、2μm以上6μm以下の寸法を有する。

Description

本発明は、有機EL素子を備えた有機EL表示パネルおよびその製造方法に関する。
近年、有機EL(Electro Luminescence)素子の研究開発が進んでいる。有機EL素子は、陽極と陰極とからなる一対の電極と、電極間に挟まれた発光層とを有する。また、陽極と発光層との間には、必要に応じてホール注入層、ホール輸送層またはホール注入兼輸送層が配される。陰極と発光層との間には、必要に応じて電子注入層、電子輸送層または電子注入兼輸送層が配される。発光層、ホール注入層、ホール輸送層、ホール注入兼輸送層、電子注入層、電子輸送層、および電子注入兼輸送層は、各々発光、電荷の注入と輸送といった固有の機能を果たすので、これらの層を総称して「機能層」と称する。
有機EL表示パネルにおいては、このような有機EL素子が、赤色、緑色および青色の各サブピクセルに相当する。隣り合う赤色、緑色および青色のサブピクセルでピクセルが構成される。
有機EL表示パネルを製造する方法として、基板上の各サブピクセルが形成される領域に、機能層を構成するための機能性材料を含む溶液を塗布し、塗布された溶液を乾燥させるウェット方式が提案されている。ウェット方式では、溶液を目的の位置に留めておくための隔壁(バンクとも称される)が形成され、隔壁で規定された凹部に溶液を塗布するのが一般的である。
特許文献1は、いわゆるピクセルバンク構造の隔壁を開示している(例えば、特許文献1の図12参照)。ピクセルバンク構造は、長尺状で平行に配された複数の第1隔壁と、隣り合う第1隔壁間に配された複数の第2隔壁を備える。隣り合う2つの第1隔壁と隣り合う2つの第2隔壁とで凹部が規定される。ピクセルバンク構造では、各凹部が、サブピクセルが形成される領域に相当する。
WO2009/084209 A1
ウェット方式の場合、溶液の塗布量が凹部毎にばらつくことがある。溶液の塗布量が凹部毎にばらつくと、溶液の乾燥により得られる機能層の膜厚がサブピクセル毎にばらつくことになる。これは、各サブピクセルの発光特性のばらつきの原因となる。
本発明の一態様は、機能層の膜厚のサブピクセル毎のばらつきを抑制可能な技術を提案する。
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルは、それぞれ長尺状で互いに間隔を空けて配された一対の第1隔壁と、前記一対の第1隔壁間に複数存在し、前記第1隔壁に沿う方向に互いに間隔を空けて配され、それぞれ前記一対の第1隔壁間を連結する第2隔壁と、前記一対の第1隔壁と前記複数の第2隔壁とで規定される複数の凹部内にそれぞれ配され、有機EL素子の少なくとも一部を構成する機能層と、を備える。前記各第2隔壁は、前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部を相互に連通する溝部を上面に有し、前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記隣り合う凹部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅よりも狭く、2μm以上6μm以下の寸法を有する。
上記構成により、機能層の膜厚の凹部毎のばらつきを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る有機EL表示パネルの部分断面図 隔壁構造を説明するための斜視図 (a)は隔壁構造の平面図、(b)は隔壁構造の縦断面図、(c)は隔壁構造の横断面図、(d)は隔壁構造の拡大平面図 (a)および(b)は、溝部の幅の測定方法を説明するための図 (a)は溶液が塗布された場合の隔壁構造の平面図、(b)は溶液が塗布された場合の隔壁構造の縦断面図 (a)から(c)は、乾燥過程の溶液の様子を示す図 実験で得られた有機EL表示パネルの写真のトレース図であり、(a)は溝部の幅が10μmのサンプルのトレース図、(b)は溝部の幅が4μmのサンプルのトレース図 機能層の膜厚の均一性を検証する実験の結果を示す図 異常なサブピクセルが存在する場合の周囲への波及性を検証する実験の結果を説明するための図 (a)から(e)は、本発明の実施形態に係る有機EL表示パネルの製造過程を示す部分断面図 (a)から(c)は、本発明の実施形態に係る有機EL表示パネルの製造過程を示す部分断面図 溝部の形状の変形例を示す拡大平面図であり、(a)は第1の変形例、(b)は第2の変形例 表示装置の外観図 表示装置の機能ブロック図
<1> 本発明の一態様の概要
有機EL表示パネルは、それぞれ長尺状で互いに間隔を空けて配された一対の第1隔壁と、前記一対の第1隔壁間に複数存在し、前記第1隔壁に沿う方向に互いに間隔を空けて配され、それぞれ前記一対の第1隔壁間を連結する第2隔壁と、前記一対の第1隔壁と前記複数の第2隔壁とで規定される複数の凹部内にそれぞれ配され、有機EL素子の少なくとも一部を構成する機能層と、を備える。前記各第2隔壁は、前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部を相互に連通する溝部を上面に有し、前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記隣り合う凹部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅よりも狭く、2μm以上6μm以下の寸法を有する。
また、前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記隣り合う凹部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅の4分の1以下であることとしてもよい。
また、前記各第1隔壁は、前記各第2隔壁の前記上面と平坦に連なる上面を有し、前記各溝部の深さが、前記各第1隔壁の高さの30%以上の寸法を有することとしてもよい。
また、前記各第2隔壁は、電気絶縁性の材料からなり。前記各溝部の深さが、前記各第1隔壁の高さから300nmを差し引いて得られる数値以下の寸法を有することとしてもよい。
また、前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部内にそれぞれ配された機能層は、前記第2隔壁により分離されていることとしてもよい。
また、前記機能層が、有機材料からなることとしてもよい。
また、前記各溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向の位置に応じて異なり、前記溝部の幅が最小となる位置における前記溝部の幅が、前記寸法を有することとしてもよい。
また、前記各溝部が、前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部にそれぞれ繋がる両側の端部と、前記両側の端部の間に位置する中央部とを含み、前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記溝部の前記両側の端部から前記中央部に向かうにつれて漸減することとしてもよい。
有機EL表示パネルの製造方法は、それぞれ長尺状で互いに間隔を空けて配された一対の第1隔壁と、前記一対の第1隔壁間に複数存在し、前記第1隔壁に沿う方向に互いに間隔を空けて配され、それぞれ前記一対の第1隔壁間を連結する第2隔壁とを形成する工程と、前記一対の第1隔壁と前記複数の第2隔壁とで規定される複数の凹部内にそれぞれ、有機EL素子の少なくとも一部を構成する機能層を形成する工程と、を含む。前記各第2隔壁は、前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部を相互に連通する溝部を上面に有し、前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記隣り合う凹部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅よりも狭く、2μm以上6μm以下の寸法を有し、前記機能層は、前記機能層を構成する機能性材料を含む溶液を、前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部内と前記溝部内に塗布し、塗布された溶液を乾燥させることにより形成される。
<2> 有機EL表示パネルの構造
図1は、本発明の実施形態に係る有機EL表示パネルの部分断面図である。同図には、1つのサブピクセルが現われている。有機EL表示パネル10は、基板1、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、有機発光層5、電子輸送層6、陰極7、封止層8および隔壁構造9を備える。陽極2と陰極7との間に電圧が印加されると、陽極2から正孔注入層3および正孔輸送層4を介して有機発光層5に正孔が供給され、陰極7から電子輸送層6を介して有機発光層5に電子が供給される。有機発光層5は、正孔と電子の再結合に伴い発光する。陽極2から陰極7までの積層構造が有機EL素子に該当する。封止層8は、有機EL素子に大気中の水分や酸素が浸入するのを抑制する。本実施形態では、正孔注入層3、正孔輸送層4および有機発光層5がウェット方式で形成されるものとする。正孔注入層3、正孔輸送層4および有機発光層5は、隔壁構造9によりサブピクセル毎に分離される。電子輸送層6および陰極7は、隔壁構造9を越えて隣り合うサブピクセル間で連なっている。各層の具体的な材料については後述する。
隔壁構造9は、図2の斜視図に示すように、概ね格子状の形状を有する。同図では、隔壁構造9の形状の理解のために、正孔注入層3およびそれよりも上部の層は省略されている。隔壁構造9は、第1隔壁11a、11b、11c、11d(以下、個々を区別しない場合は、「第1隔壁11」と称する)と、第2隔壁21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h(以下、個々を区別しない場合は、「第2隔壁21」と称する)を含む。
各第1隔壁11は、長尺状であり、基板1上に互いに間隔Wcを空けて平行に配されている。本実施形態では、基板1の上面に平行な面内において第1隔壁11に沿う方向を「第1方向」と称し、同じ面内において第1方向に直交する方向を「第2方向」と称する。各第2隔壁21は、基板1上における隣り合う一対の第1隔壁11間に、互いに間隔Wbを空けて配されている。隣り合う一対の第1隔壁11は、各第2隔壁21により連結されている。第1隔壁11と第2隔壁21とで凹部31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31j、31k、31l(以下、個々を区別しない場合は、「凹部31」と称する)が規定される。例えば、凹部31fは、第1隔壁11b、11cと第2隔壁21b、21fとで規定される。各凹部31が、サブピクセルが形成される領域となる。即ち、正孔注入層3、正孔輸送層4、有機発光層5、電子輸送層6および陰極7は、各凹部31内に配される。
各第1隔壁11の高さは互いに同じであり、各第2隔壁21の高さも互いに同じである。本実施形態では、第1隔壁11の高さと第2隔壁21の高さも同じである。従って、第1隔壁11の上面12は、第2隔壁21の上面23と平坦に連なる。各第2隔壁21は、第1方向に隣り合う2つの凹部31を相互に連通する溝部22を上面23に有する。例えば、第2隔壁21bの溝部22は、第2隔壁21bを挟んで隣り合う凹部31b、31fを相互に連通する。また、第2隔壁21fの溝部22は、第2隔壁21fを挟んで隣り合う凹部31f、31jを相互に連通する。隣り合う一対の第1隔壁11間に存在する複数の凹部31は、各第2隔壁21に設けられた溝部22により連通している。
図3(a)は、隔壁構造の平面図であり、図3(b)は、隔壁構造の縦断面図であり、図3(c)は、隔壁構造の横断面図であり、図3(d)は、第2隔壁の拡大平面図である。図3(a)に示す通り、溝部22は第1方向に沿って延びている。溝部22の第2方向の幅Wdは、凹部31の第2方向の幅Wcよりも狭い。凹部31の幅Wcは、例えば、30μm以上40μm以下である。溝部22の幅Wdは、例えば、2μm以上6μm以下である。溝部22の幅Wdが、凹部31の幅Wcの4分の1以下であることとしてもよい。
なお、第2隔壁21は、現実には、図4(a)の横断面図に示す通り、第2隔壁21の上面23と溝部22の内面とを接続する箇所25がラウンド形状となる場合や、図4(b)の横断面図に示す通り、第2隔壁21の上面23と溝部22の内面とを接続する箇所26が凸形状となる場合がある。また、図4(a)、(b)に示す通り、溝部22の幅が溝部22の深さ方向の位置に応じて変化する場合がある。そこで、本明細書では、溝部22の幅Wdは、第2隔壁21の上面23からHaだけ低い位置で測定するものとする。Haは、第2隔壁21の高さHの5%に相当する。第2隔壁21の高さHは、凹部31の底面から第2隔壁21の上面23までの高さとする。凹部31の底面は、本実施形態では陽極2の上面に相当する。第2隔壁21の上面23の高さは、第2隔壁21の上面23が平坦な位置で測定する。第1隔壁11および第2隔壁21の高さHは、例えば、1μm以上2μm以下である。
以下に示す通り、第2隔壁21の幅Wdを2μm以上6μm以下とすることで、凹部31にウェット方式で形成される機能層(本実施形態では、正孔注入層3、正孔輸送層4および有機発光層5)の膜厚のばらつきを抑制することができる。
図5、図6は、機能層を形成する工程を説明するための図である。
図5に示す通り、溶液41が各凹部31に塗布される。溶液41は、機能層を構成するための機能性材料と溶媒とを含む。各第1隔壁11の上面は撥液性を有する。これにより、溶液41が第1隔壁11を越えて隣の凹部(不図示)に溢れ出すことを防止することができる。一方、各第2隔壁21の溝部22の内面は、各第1隔壁11よりも低い撥液性を有する。これにより、図5に示す通り、各凹部31内に塗布された溶液が溝部22を通じて互いに繋がる。従って、各凹部31内に塗布された溶液の塗布量にばらつきが生じても、溶液が互いに繋がることで、各凹部31内の収容量が平均化される。また、各第2隔壁21の上面23は、各第1隔壁11の上面と同程度の撥液性を有する。そのため、溶液41の第2隔壁21を乗り越えている部分41bは、溶液41の凹部に収容されている部分41aに比べて幅狭となる。
溶液の乾燥は、図6(a)、(b)、(c)の順に進行する。図6(a)の状況では、溶液41の凹部31b内に収容された部分と凹部31f内に収容された部分とが第2隔壁21bを越えて繋がっている。一般に、溶液41の蒸発速度は、溶液41の幅のべき乗に反比例することが知られている。即ち、溶液41の幅が狭いほど溶液41の蒸発速度が大きい。上述の通り、溶液41の幅は溶液41の第1方向に沿う位置に応じて異なる。そのため、溶液41の蒸発速度が溶液41の第1方向に沿う位置に応じて異なることになる。特に、溶液41の乾燥が進行し、溶液41が各凹部31および溝部22に収まる程度になれば、溶液41の幅は、各凹部31および溝部22の幅に一致する。そのため、溶液41の各凹部31内に収容された部分の蒸発速度は、各凹部31の幅Wcで決定付けられる。また、溶液41の溝部22内に収容された部分の蒸発速度は、溝部22の幅Wdで決定付けられる。従って、溶液41の蒸発速度は、溝部22内のほうが各凹部31内よりも大きい。つまり溝部22内の溶液41が急速に目減りする。
図6(b)は、溝部22内の溶液41が急速に目減りして、溝部22内の溶液41が存在しなくなった状況を示す。溶液41は、凹部31b内に収容される部分と凹部31f内に収容される部分とに分離される。
図6(c)は、溶液41の乾燥がさらに進行し、機能層(この例では、正孔注入層3)が形成される状況を示す。凹部31b内の機能層と凹部31f内の機能層は、第2隔壁21bにより分離されている。
溝部22の幅Wdが広ければ、溝部22内の溶液41の目減りが緩やかになり、溶液41の乾燥過程の終盤まで溝部22内に溶液41が存在することになる。この場合、溝部22内に機能層が薄く形成されてしまうことがある。これに対して、溝部22の幅Wdが狭ければ、溝部22内の溶液41の目減りが急速になり、溶液41の乾燥過程で安定的に図6(b)の状況を作り出すことができる。
発明者は、溝部22の幅Wdが異なる複数の有機EL表示パネルを作製し、形成された機能層の様子を観察した。溝部22の幅Wdは、10μm、6μm、4μm、3μm、2μmとした。凹部31の幅Wcは、共通に35μmとした。図7は、有機EL表示パネルの写真のトレース図であり、(a)は溝部の幅Wdが10μmのサンプル、(b)は溝部の幅Wdが4μmのサンプルを示す。
これによると、溝部22の幅Wdが10μmのサンプルでは、機能層が分離している箇所(実線の丸印)と、機能層が分離せずに連なる箇所(破線の丸印)が混在する。この場合、機能層が連なる箇所では溝部22の内部に機能層が存在するので、その分だけ、その付近の凹部31内の機能層の膜厚が薄くなる。一方、機能層が分離する箇所では溝部22の内部に機能層が存在しないので、その分だけ、その付近の凹部31内の機能層の膜厚が厚くなる。このように、機能層が溝部22内で分離する箇所と連なる箇所が混在すると、各サブピクセルの機能層の膜厚にばらつきが生じる。
これに対し、溝部22の幅Wdが4μmのサンプルでは、全ての箇所で機能層が分離している(実線の丸印)。従って、各サブピクセルの機能層の膜厚のばらつきを抑制することができる。この実験では、溝部22の幅Wdが10μmのサンプルでは機能層が分離する箇所と機能層が連なる箇所とが混在していた。溝部22の幅Wdが6μm、4μm、3μm、2μmのサンプルでは全ての箇所で機能層が分離していた。以上より、第2隔壁21の第2方向の幅Wdを2μm以上6μm以下とすることで、各サブピクセルの機能層の膜厚のばらつきを抑制することができる。また、凹部31の幅Wcが35μmで、溝部22の幅Wdが10μmの場合(溝部22の幅Wdが凹部31の幅Wcの4分の1よりも大きい場合)、上述の通り、機能層が分離する箇所と連なる箇所が混在する。従って、溝部22の幅Wdを凹部31の幅Wcの4分の1以下とすることで、各サブピクセルの機能層の膜厚のばらつきを抑制することができる。
なお、本実験ではウェット方式の一例であるインクジェット方式を適用して機能層を形成している。インクジェット方式を適用する場合、溶液の粘度は5mPa・s以上50mPa・sであることが望ましい。溶液の表面張力は、20mN/m以上70mN/mであることが望ましい。また、機能性材料の濃度は、例えば、溶液全体に対して0.01wt%以上10.0wt%以下としてもよい。本実験では、機能層の材料としてF8−F6(F8(ポリジオクチルフルオレン)とF6(ポリジヘキシルフルオレン)との共重合体)を利用した。溶液の粘度および表面張力は、例えば、ティー・エイ・インスツルメント社製のレオメータAR−G2を用いて測定することができる。溶液の測定条件は、例えば、20℃である。
図3(b)(c)に戻り、溝部22の深さDに関して、さらに検討する。隔壁構造9の撥液性は、隔壁構造9の表面付近に発現していればよく、隔壁構造9の深部まで発現している必要性はない。そのため、隔壁構造9の表面だけに撥液処理を行なう場合がある。この場合、隔壁構造9は、表面付近から深部に向けて次第に撥液性が低くなるプロファイルを有する。一方、溝部22の内面は、溶液を収容する必要があるので撥液性が低いことが望まれる。そのため、隔壁構造9が上記プロファイルを有する場合、溝部22の深さDは深いほど望ましい。発明者の得た知見によると、第1隔壁11の撥液性は、第1隔壁11の上面から第1隔壁11の高さHの30%以上掘れば十分に低下することが判明している。従って、溝部22の深さDは、第1隔壁11の高さHの30%以上の寸法を有することが望ましい。
発明者は、別の実験により、第2隔壁(溝部を有さない)の高さを変化させた場合に、クロストークが生じるか否かを確認した。クロストークとは、あるサブピクセルに流れる電流がその隣のサブピクセルの電界の影響を受けて目標の電流値からずれてしまうことをいう。これによると、第2隔壁の高さが300nm未満でクロストークが生じ、300nm以上でクロストークが生じないことが判明した。本実施形態では、第2隔壁21の上面23は、第1隔壁11の上面12と平坦に連なるので、第2隔壁21の上面23の高さ自体は、300nm以上となる。しかし、第2隔壁21の溝部22の底面は、溝部22の深さDによっては300nm未満の高さに位置する場合があり、この場合、隣り合うサブピクセル間でクロストークが生じるおそれがある。そこで、第2隔壁21の溝部22の底面は、300nm以上の高さに位置することが望ましい。即ち、溝部22の深さDが、第1隔壁11の高さHから300nmを差し引いて得られる数値以下の寸法であることが望ましい。これにより、隣り合うサブピクセル間でクロストークが生じるのを抑制することができる。
また、図3(d)に示す通り、溝部22の第1方向に沿う中心軸Aと各凹部31の輪郭線32との交点の位置を、溝部22の端部27a、27bと定義する。また、溝部22の端部27a、27bの間の中心の位置を中央部28と定義する。同図に示す通り、溝部22の幅は、第1方向に沿う位置に応じて異なる。本明細書では、溝部22の幅Wdの寸法は、溝部22の幅が最小となる位置での幅の寸法を測定するものとする。
また、同図に示す通り、溝部22の幅は、端部27a、27bから中央部28に向かうにつれて漸減する。そして溝部22の中央部28で溝部22の幅が最小となる。上述の通り、溶液の蒸発速度は溶液の幅のべき乗に反比例する。そのため、溝部22の中央部28で溶液の蒸発速度が最大となる。溝部22の中央部28の一箇所で溶液の蒸発速度が最大となるので、溶液の乾燥過程において溶液の分離の起点となる位置が溝部22の中央部28の一箇所に決まる。溶液の分離の起点となり得る位置が複数存在する場合、溝部22毎に溶液の分離する位置が異なることがあり得る。この場合、各凹部31内の溶液の収容量が不均一となる。これに対して、本実施形態では、各溝部22で溶液の分離の起点となる位置が同じなので、各凹部31内の溶液の収容量を均一化することができる。
発明者は、さらに、第2隔壁21に溝部22が存在することで、各サブピクセルの機能層の膜厚を均一化できることを検証する実験を実施した。図8に実験結果を示す。図8(a)は、第2隔壁21の溝部22の幅Wdがゼロ、即ち、溝部22が存在しない場合である。これは、いわゆるピクセルバンク構造に該当する。ピクセルバンク構造は、第1隔壁と第2隔壁が同じ高さであり、第2隔壁に溝部がない構造をいう。ピクセルバンク構造では、各凹部に塗布された溶液は個々に独立しており、互いに連なることはない。図8(b)は、溝部22の幅Wdが凹部の幅Wcと同じ場合である。これは、いわゆるラインバンク構造に該当する。ラインバンク構造は、第2隔壁が第1隔壁よりも低く、第2隔壁に溝部がない構造をいう。ラインバンク構造では、各凹部に塗布された溶液は第2隔壁を越えて互いに連なる。図8(c)は、溝部22の幅Wdが10μmの場合である。図8(d)は溝部22の幅Wdが4μmの場合である。各グラフの横軸は、サブピクセル(凹部)の番号である。本実験では、−5番から5番までの各凹部にインクジェット方式で溶液を塗布し、0番の凹部だけ他の凹部よりも塗布量を減らした。そして、溶液を乾燥させて機能層を形成し、各凹部内の機能層の膜厚を測定した。これによると、図8(a)では、0番の凹部の機能層が他の凹部の機能層よりも薄くなることが分かる。これは、ピクセルバンク構造では各凹部の溶液が繋がらないので各凹部内の溶液の収容量の均一化が図れないからである。これに対し、図8(b)(c)(d)では、各凹部の機能層の膜厚が均一化されることが分かる。また、溝部22の幅Wdが4μmの場合でも、ラインバンク構造と同程度の均一化の効果が得られることが分かる。
発明者は、さらに、異常なサブピクセルが存在する場合の周囲への波及性を検証する実験を実施した。図9に実験結果を模式的に示す。図9(a)はラインバンク構造の場合である。図9(b)は本実施形態の隔壁構造であり、溝部22の幅Wdが4μmの場合である。本実験では、各サブピクセルに、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の有機発光層を形成し、異物が存在するサブピクセル周辺の混色領域の広がりを観察した。これによると、ラインバンク構造では、異物が存在するサブピクセルで混色が生じ、さらに、その付近の複数のサブピクセルでも混色が生じた。一方、第2隔壁21に溝部22が存在する場合、異物が存在するサブピクセルでは混色が生じたが、その隣のサブピクセルでは混色が生じなかった。従って、本実施形態の隔壁構造では、異常なサブピクセルが存在する場合でも、周囲のサブピクセルに異常が波及するのを抑制可能であることが分かる。
<3> 各層の具体的な材料
(基板)
アクティブマトリクス型の有機EL表示パネルの場合、基板1は、いわゆるTFT(Thin Film Transistor)基板を利用することができる。TFT基板は、基材と、その上に形成されたTFT層と、TFT層上に形成された電気絶縁層とを含む。TFT層は、TFTと、TFTに接続された配線を含む。
基材の材料としては、例えば、ガラスやプラスチックを利用することができる。ガラスは、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英等を含む。プラスチックは、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド、シリコーン系樹脂等を含む。
電気絶縁層の材料としては、例えば、樹脂材料や無機材料を利用することができる。樹脂材料としては、例えば、感光性材料を利用することができる。このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。無機材料としては、例えば、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)、SiO(酸化シリコン)、AlO(酸化アルミニウム)が挙げられる。電気絶縁層は、樹脂材料のみから形成されても良いし、樹脂材料と無機材料の両方から形成されても良い。
(陽極)
トップエミッション型の有機EL表示パネルの場合、陽極2の材料としては、光反射性を有する導電材料を利用することができる。ボトムエミッション型の有機EL表示パネルの場合、陽極2の材料としては、光透過性を有する導電材料を利用することができる。光反射性を有する導電材料としては、例えば、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、AG(銀)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCR(モリブデンとクロムの合金)、NiCR(ニッケルとクロムの合金)、Mo(モリブデン)、MoW(モリブデンとタングステンの合金)が挙げられる。光透過性の導電材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)が挙げられる。陽極2は、光反射性を有する導電材料の層と光透過性の導電材料の層が積層された多層構造であってもよい。
(隔壁構造)
隔壁構造9の材料としては、例えば、電気絶縁性の樹脂材料を利用することができる。樹脂材料としては、例えば、感光性材料を利用することができる。このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。
(正孔注入層)
正孔注入層3の材料としては、公知の無機材料および有機材料を利用することができる。無機材料としては、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの金属の酸化物が挙げられる。有機材料としては、例えば、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料、あるいは、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物などの低分子有機化合物やポリフルオレンやその誘導体、あるいはポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物が挙げられる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層4の材料としては、公知の有機材料を利用することができる。公知の有機材料としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体が挙げられる。
(有機発光層)
有機発光層5の材料としては、公知の有機材料を利用することができる。公知の有機材料としては、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質が挙げられる。
(電子輸送層)
電子輸送層6の材料としては、公知の有機材料または無機材料を利用することができる。有機材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体、シロール誘導体、ジメシチルボロン誘導体、トリアリールボロン誘導体が挙げられる。無機材料としては、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のフッ化物が挙げられる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)が挙げられる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物およびアルカリ金属またはアルカリ土類金属のフッ化物等としては、例えば、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、酸化リチウム(LiO)、酸化バリウム(BaO)、炭酸セシウム(Cs2CO3)が挙げられる。なお、電子注入性を更に向上させる点から、上記有機材料にアルカリ金属またはアルカリ土類金属、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のフッ化物をドーピングしてもよい。上記材料を用いた多層構造としてもよい。
(陰極)
トップエミッション型の有機EL表示パネルの場合、陰極7の材料としては、光透過性を有する導電材料を利用することができる。ボトムエミッション型の有機EL表示パネルの場合、陰極7の材料としては、光反射性を有する導電材料を利用することができる。光反射性を有する導電材料および光透過性を有する導電材料としては、陽極2の材料として挙げた材料を利用することができる。
(封止層)
封止層8は、無機材料や樹脂材料からなる。無機材料としては、例えば、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)、SiO(酸化シリコン)、AlO(酸化アルミニウム)が挙げられる。樹脂材料としては、例えば、樹脂接着剤が挙げられる。封止層8は、無機材料からなる層と樹脂材料からなる層とが積層された多層構造であってもよい。
(溶媒)
機能層(例えば、正孔注入層3、正孔輸送層4、有機発光層5、電子輸送層6)をウェット方式で形成する場合、機能層を構成する機能性材料と溶媒とを含む溶液を準備することになる。溶媒としては、例えば、n−ドデシルベンゼン、n−デシルベンゼン、イソプロピルビフエニル、3−エチルビフエニルノニルベンゼン、3−メチルビフエニル、2−イソプロピルナフタレン、1,2−ジメチルナフタレン、1,4−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタレン、1,3−ジフエニルプロパン、ジフエニルメタン、オクチルベンゼン、1,3−ジメチルナフタレン、1−エチルナフタレン、2−エチルナフタレン、2,2’−ジメチルビフエニル、3,3’−ジメチルビフエニル、2−メチルビフエニル、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、ヘキシルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、テトラリン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、5−tert−ブチル−m−キシレン、アミルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、5−イソプロピルm−キシレン、3,5−ジメチルアニソール、4−エチル−m−キシレン、n−ブチルベンゼン、メトキシトルエン、sec−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、アニソール、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、ジシクロへキシルケトン、シクロペンチルフエニルケトン、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸イソアミル、安息香酸n−ブチル、2−シクロヘキシルシクロヘキサノン、2−n−へプチルシクロペンタノン、フエノキシトルエン、ジフエニルエーテル、1−エトキシナフタレン、2−メトキシビフエニル、安息香酸イソブチル、安息香酸プロビル、イソ吉草酸シクロヘキシル、安息香酸エチル、シクロプロピルフエニルケトン、2−へキシルシクロペンタノン、2−ピロリドン、2−シクロペンチルシクロペンタノン、1−メチル2−ピロリドン、6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2,5−ジメトキシトルエン、1−メトキシ−2,3,5−トリメチルベンゼン、プチルフエニルエーテル、3,4−ジメチルアニソール、安息香酸メチル、4−エチルシクロヘキサノン等の炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒等が用いられる。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどの一価アルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒等を用いてもよい。
<4> 有機EL表示パネルの製造方法
図10、図11は、本発明の実施形態に係る有機EL表示パネルの製造過程を示す部分断面図である。
まず、基板1上に陽極2を形成する(図10(a))。陽極2は、例えば、スパッタ法または真空蒸着法を用いて陽極2の材料を基板1上に堆積し、堆積により形成された膜をエッチング法によりサブピクセル毎に分割することにより形成できる。
次に、陽極2が形成された基板1上に、隔壁構造9の材料からなる膜を形成し(図10(b))、この膜の不要部分を除去することにより隔壁構造9を形成する(図10(c))。例えば、隔壁構造9の材料が感光性を有する材料であれば、フォトリソグラフィを適用して不要部分を除去することができる。また、フォトリソグラフィにハーフトーンマスクを利用することで、各凹部31と溝部22を共通の工程で形成することができる。
次に、各凹部31に正孔注入層3の材料を含む溶液41を塗布し(図10(d))、塗布された溶液を乾燥させて正孔注入層3を形成する(図10(e))。溶液41の塗布および乾燥は、既に図5および図6を用いて説明した通りである。
同様の手順で、各凹部31に正孔輸送層4および有機発光層5を形成する(図10(a))。
次に、電子輸送層6および陰極7を形成する(図10(b))。電子輸送層6は、例えば、スパッタ法または真空蒸着法を用いて電子輸送層6の材料を基板1上に堆積することにより形成できる。陰極7も同様である。
次に、封止層8を形成する(図10(c))。封止層8は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、塗布法などを適用して形成できる。
<5> 溝部の形状の変形例
実施形態では、溝部22の形状が中央部28を中心として対称であるが、これに限られない。例えば、図12(a)の第1の変形例に示すように、非対称であってもよい。同図の溝部22Aの幅は、端部27aから端部27bに向かうにつれて漸減している。溝部22Aの端部27bで溝部22Aの幅が最小となる。この場合でも、溝部22Aの幅Wdが2μm以上6μm以下であれば、溶液を安定的に分離することができる。
実施形態では、溝部22の幅が第1方向に沿って変化するが、これに限られない。例えば、図12(b)の第2の変形例に示すように、溝部22Bの幅が第1方向に沿って一定でも構わない。この場合でも、溝部22Bの幅Wdが2μm以上6μm以下であれば、溶液を安定的に分離することができる。
実施形態では、第1隔壁11の上面12と第2隔壁21の上面23が平坦に連なるが、これに限られない。例えば、第1隔壁11の上面12と第2隔壁21の上面23との高さが異なることで両者の間に段差が存在しても構わない。
<6> 表示装置
有機EL表示パネルは、例えば、図13に示すような表示装置1000に利用可能である。図14に示すように、表示装置1000は、有機EL表示パネル100及び駆動制御回路1017を備える。有機EL表示パネル100は、実施形態に示した有機EL表示パネルである。駆動制御回路1017は、駆動回路1018、1019、1020、1021及び制御回路1022を備える。制御回路1022は、外部から映像信号を受け、映像信号に基づいて有機EL表示パネル100内の各TFT駆動回路に適した電圧信号に変換する。駆動回路1018、1019、1020、1021は、制御回路1022から受けた電圧信号を有機EL表示パネル100内の各TFT駆動回路に送信する。
上記実施形態では、正孔注入層3、正孔輸送層4および有機発光層5をウェット方式で形成することとしているが、これに限られない。各機能層のうち少なくとも1層がウェット方式で形成されればよい。
上記実施形態では、有機EL素子が、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、有機発光層5、電子輸送層6、陰極7の積層構造であるが、これに限られない。陽極2と有機発光層5の間に存在する層(正孔注入層3、正孔輸送層4)は必要に応じて設けられる。同様に有機発光層5と陰極7との間に存在する層(電子輸送層6)は必要に応じて設けられる。
上記実施形態では、基板1上に陽極2が形成される構造であるが、これに限られない。逆に、基板1上に陰極7が形成され、陰極7上に電子輸送層6、有機発光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2が順番に積層された、いわゆるインバーテッド構造でも構わない。
本発明は、表示装置等に利用可能である。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 有機発光層
6 電子輸送層
7 陰極
8 封止層
9 隔壁構造
10 有機EL表示パネル
11、11a〜11d 第1隔壁
12 第1隔壁の上面
21、21a〜21h 第2隔壁
22 溝部
23 第2隔壁の上面
27a、27b 溝部の端部
28 溝部の中央部
31、31a〜31l 凹部
32 凹部の輪郭線
41 溶液

Claims (10)

  1. それぞれ長尺状で互いに間隔を空けて配された一対の第1隔壁と、
    前記一対の第1隔壁間に複数存在し、前記第1隔壁に沿う方向に互いに間隔を空けて配され、それぞれ前記一対の第1隔壁間を連結する第2隔壁と、
    前記一対の第1隔壁と前記複数の第2隔壁とで規定される複数の凹部内にそれぞれ配され、有機EL素子の少なくとも一部を構成する機能層と、を備え、
    前記各第2隔壁は、前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部を相互に連通する溝部を上面に有し、前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記隣り合う凹部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅よりも狭く、2μm以上6μm以下の寸法を有する、
    有機EL表示パネル。
  2. 前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記隣り合う凹部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅の4分の1以下である、
    請求項1に記載の有機EL表示パネル。
  3. 前記各第1隔壁は、前記各第2隔壁の前記上面と平坦に連なる上面を有し、
    前記各溝部の深さが、前記各第1隔壁の高さの30%以上の寸法を有する、
    請求項2に記載の有機EL表示パネル。
  4. 前記各第2隔壁は、電気絶縁性の材料からなり。
    前記各溝部の深さが、前記各第1隔壁の高さから300nmを差し引いて得られる数値以下の寸法を有する、
    請求項3に記載の有機EL表示パネル。
  5. 前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部内にそれぞれ配された機能層は、前記第2隔壁により分離されている、
    請求項1に記載の有機EL表示パネル。
  6. 前記機能層が、有機材料からなる、
    請求項1に記載の有機EL表示パネル。
  7. 前記各溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向の位置に応じて異なり、前記溝部の幅が最小となる位置における前記溝部の幅が、前記寸法を有する、
    請求項1に記載の有機EL表示パネル。
  8. 前記各溝部が、前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部にそれぞれ繋がる両側の端部と、前記両側の端部の間に位置する中央部とを含み、前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記溝部の前記両側の端部から前記中央部に向かうにつれて漸減する、
    請求項7に記載の有機EL表示パネル。
  9. それぞれ長尺状で互いに間隔を空けて配された一対の第1隔壁と、前記一対の第1隔壁間に複数存在し、前記第1隔壁に沿う方向に互いに間隔を空けて配され、それぞれ前記一対の第1隔壁間を連結する第2隔壁とを形成する工程と、
    前記一対の第1隔壁と前記複数の第2隔壁とで規定される複数の凹部内にそれぞれ、有機EL素子の少なくとも一部を構成する機能層を形成する工程と、を含み、
    前記各第2隔壁は、前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部を相互に連通する溝部を上面に有し、前記溝部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅が、前記隣り合う凹部の前記第1隔壁に沿う方向に直交する方向の幅よりも狭く、2μm以上6μm以下の寸法を有し、
    前記機能層は、前記機能層を構成する機能性材料を含む溶液を、前記第2隔壁を挟んで隣り合う凹部内と前記溝部内に塗布し、塗布された溶液を乾燥させることにより形成される、
    有機EL表示パネルの製造方法。
  10. 前記各凹部内の前記溶液は、前記溝部を通じて互いに繋がるように塗布されており、
    前記塗布された溶液を乾燥させることにより、前記機能層は、前記凹部毎に分離されて形成される、請求項9に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
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