JPWO2015133400A1 - 無線通信システム及び無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

他の無線通信装置の発見を短時間で行うことが可能な無線通信システムを得ることを目的とし、アクティブスキャン端末とパッシブスキャン端末とを含む複数の無線通信装置を備え、前記アクティブスキャン端末は、1の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信後、他の無線通信装置からの応答フレームの待ち受けをすることなく連続して他の周波数チャネルからもプローブ要求フレームを送信し、その後、待ち受けチャネルである応答チャネルからプローブ要求フレームを送信して前記パッシブスキャン端末からの応答の待ち受けを行い、前記プローブ要求フレームには、応答までのオフセット時間の情報と応答チャネルの情報を重畳し、前記プローブ要求フレームの受信後、前記パッシブスキャン端末は、応答までのオフセット時間を経過した後、前記応答チャネルの情報で指定された周波数チャネルから応答フレームを送信する。

Description

本発明は、無線通信システム及び無線通信装置に関する。
近年、車載機器に無線LAN(Local Area Network)を利用した無線通信装置が搭載され、他方ではスマートフォン及びタブレットが広く普及して多くの歩行者が無線通信装置を所持している。このため、車載機器の無線通信装置と歩行者の無線通信装置との間の無線通信(歩車間通信または路車間通信)を利用して危険予知を行うことが検討されている。無線通信装置間の無線通信では、利用可能な周波数チャネルをプローブ、すなわち探索することで通信相手の端末を発見し、通信可能であれば通信を開始する。
従来、無線LANにおけるIEEE(the Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.11a/b/g/n/acのインフラストラクチャモードにおける通信相手を発見する手段には、アクティブスキャニング(Active Scanning)とパッシブスキャニング(Passive Scanning)が存在する。
アクティブスキャニングでは、無線通信装置は、「ScanType」がアクティブスキャン(Active Scan)である「MLME−SCAN.request」プリミティブを受け取り次第、アクティブスキャニングを開始する。
なお、「MLME−SCAN.request」プリミティブとは、無線通信装置が通信相手を探索する際にSME(Station Management Entity)が生成し、MLME(MAC subLayer Management Entity)に通知されるプリミティブ、すなわち命令をいう。
アクティブスキャニングでは、無線通信装置は、ある周波数チャネルで一定時間であるプローブ遅延(Probe Delay)時間が経過し、または、アクセスポイントから送信されるビーコン(Beacon)フレームを受信するまで待機する。ビーコンフレームを受信せずに一定時間であるプローブ遅延時間が経過した場合には、無線通信装置は、通信相手を発見するためのプローブ要求(Probe Request)フレームのブロードキャストを開始する。プローブ要求の送信開始後、無線通信装置は、プローブタイマー(Probe Timer)をスタートし、スタート後の一定期間である「MinChannelTime」内に、「PHY−CCA.indication(Busy)」が物理層からMAC(Medium Access Control)層に渡されたか否かを判断する。
なお、「PHY−CCA.indication(Busy)」は、物理層からMAC層へ、周波数チャネルが他の無線通信装置により使用されている状態にあることを通知するプリミティブ、すなわち命令である。
「MinChannelTime」内に「PHY−CCA.indication(Busy)」が物理層からMAC層に通知されなかった場合には、無線通信装置は、次の周波数チャネルにおけるスキャンを開始する。
一方、「MinChannelTime」内に「PHY−CCA.indication(Busy)」が物理層から通知された場合には、プローブタイマーのスタートから「MaxChannelTime」経過後、受信したすべてのプローブ応答(Probe Response)の処理を行い、その後、次の周波数チャネルでスキャンを開始する。
なお、「MinChannelTime」はスキャンの際に各周波数チャネルにて費やされる最小時間であり、「MaxChannelTime」はスキャンの際に各周波数チャネルにて費やされる最大時間であり、「MaxChannelTime」は「MinChannelTime」以上の値と定義される。上記の動作を「ChannelList」で指定された各周波数チャネルで行う。
ここで、通信相手を探索する無線通信装置を端末STA1とし、通信相手の無線通信装置を端末AP1とする。通信相手を探索する端末STA1は、スキャンする周波数チャネルの決定後、プローブ要求フレームのブロードキャストを開始する。
プローブ要求フレームを受信した端末AP1は、プローブ応答フレームをDIFS(DCF(Distributed Coordination Function) InterFrame Space)時間経過後に端末STA1へ送信する。プローブ応答フレームを受信した端末STA1は、SIFS(Short InterFrame Space)時間経過後に、ACK(acknowledgment)フレームを送信する。端末STA1は、プローブ要求の送信開始から「MaxChannelTime」経過後に、受信したすべてのプローブ応答の処理を開始する。そして、「ScanType」を設定することで、アクティブスキャニングまたはパッシブスキャニングを開始する。また、プローブ遅延時間により、プローブ要求を送信するまでの時間を設定する。また、「MinChannelTime」及び「MaxChannelTime」により、「MinChannelTime」の値と「MaxChannelTime」の値も固定値に設定される。
スキャンする周波数チャネルについては、「ChannelList」によって、端末の利用可能な物理周波数リストが設定される。無線通信装置の物理層は、プローブ応答フレームを受信すると、「PHY−CCA.indication(Busy)」をMAC層に通知する。「PHY−CCA.indication(Busy)」があるということは、他の無線通信装置からプローブ応答フレームを受信したということであり、その周波数チャネルを現在使用している他の無線通信装置があり、その無線通信装置と通信できる可能性があるということである。「PHY−CCA.indication(Busy)」がないということは、他の無線通信装置がないということである。
上記では、「PHY−CCA.indication(Busy)」があれば、その周波数チャネルに通信相手の候補があるとし、「PHY−CCA.indication(Busy)」がなければ、その周波数チャネルに通信相手の候補がないとする。
パッシブスキャニングでは、無線通信装置は、「ScanType」がパッシブスキャンである「MLME−SCAN.request」プリミティブを受け取り次第、パッシブスキャニングを開始する。パッシブスキャニングを開始した無線通信装置は、「ChannelList」で指定された各周波数チャネルからビーコンフレームの待ち受けを行い、「MaxChannelTime」経過後に次のチャネルで待ち受けを行う。
一例として、特許文献1には、アクセスポイントを介さない無線通信装置間の直接通信において、相互の端末は周波数チャネルのスキャンの順序をランダムに設定するとともに、周波数チャネルをスキャンする際のスキャニング開始時刻をランダムに決定し、「MaxChannelTime」、「MinChannelTime」が各々「ChannelTime」の最大値、「MinChannelTime」の最大値を超えない範囲でランダムに決定され、シーケンシャルスキャンを行うことで、相互の端末を早期検出する技術が開示されている。
特開2012−209893号公報
IEEE Computer Society、802.11(TM)−2012 −IEEE Standard for Information technology−−Telecommunications and information exchange between systems Local and metropolitan area networks−−Specific requirements Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications
しかしながら、上記従来の技術によれば、自動車のような高速で移動している車両に搭載されている無線通信装置と車両外の無線通信装置とが通信するような、早期に各周波数チャネルの無線通信装置をすべて検出すべき状況では、各周波数チャネルを高速且つシーケンシャルにスキャンする必要がある。そのため、無線通信装置の発見に長い時間を要する、という問題があった。
一例である非特許文献1におけるアクティブスキャニングでは、端末が利用可能な周波数チャネルをシーケンシャルにスキャンする。利用可能な各周波数チャネルをスキャンする最小時間は「MinChannelTime」である。例えば、2.4GHz帯の11個のチャネル、すなわちCh1からCh11までを利用する際には、1回のスキャンに要する最小時間は、「MinChannelTime×11+チャネル変更時間×11+プローブ要求送信処理時間」である。1回のスキャンに要する最大時間は、「MaxChannelTime×11+チャネル変更時間×11+プローブ要求送信処理時間+プローブ応答受信処理時間」である。
一例である特許文献1における端末の検出方法では、利用可能な各周波数チャネルをスキャンする場合に、例えば、2.4GHz帯の11個のチャネル、すなわちCh1からCh11までを利用する際には、要する最小時間は、「MinChannelTime×11+チャネル変更時間×11+プローブ要求送信処理時間」である。なお、「MinChannelTime」は、MinChannelTime最大値以下のランダム値である。そして、要する最大時間は、「MaxChannelTime×11+チャネル変更時間×11+プローブ要求送信処理時間+プローブ応答受信処理時間」である。なお、「MaxChannelTime」は、MaxChannelTime最大値以下のランダム値である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、他の無線通信装置の発見を従来よりも短時間で行うことが可能な無線通信装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、アクティブスキャン端末とパッシブスキャン端末とを含む複数の無線通信装置を備え、前記アクティブスキャン端末は、1の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信後、他の無線通信装置からの応答フレームの待ち受けをすることなく連続して他の全ての周波数チャネルからもプローブ要求フレームを送信し、その後、待ち受けチャネルである応答チャネルからプローブ要求フレームを送信して前記パッシブスキャン端末からの応答の待ち受けを行い、前記プローブ要求フレームには、応答までのオフセット時間情報と応答チャネル情報を重畳し、前記プローブ要求フレームの受信後に、前記パッシブスキャン端末は、応答までのオフセット時間を経過した後、前記応答チャネル情報で指定された周波数チャネルから応答フレームを送信することを特徴とする。
本発明によれば、他の無線通信装置の発見を従来よりも短時間で行うことが可能な無線通信装置を得ることができる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる無線通信装置を含む無線通信システムの構成の一例を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかる無線通信装置を含む無線通信システムの構成の一例である適用例を示す図である。 図3は、実施の形態1における無線通信装置の構成の一例を示す図である。 図4は、実施の形態1におけるアクティブスキャニングを説明する図である。 図5は、比較例の方式におけるアクティブスキャニングを説明する図である。 図6は、実施の形態1のアクティブスキャニングにおける周波数チャネルの変更例を示す図である。 図7は、実施の形態1における「VendorSpecificInfo」のフレームフォーマットの例を示す図である。 図8は、実施の形態1におけるパッシブスキャニングを説明する図である。 図9は、比較例の方式におけるパッシブスキャニングを説明する図である。 図10は、実施の形態1におけるアクティブスキャニングを説明するシーケンス図である。 図11は、比較例の方式におけるアクティブスキャニングを説明するシーケンス図である。 図12は、実施の形態2における無線通信装置の構成の一例を示す図である。 図13は、実施の形態3における無線通信装置の構成の一例を示す図である。 図14は、実施の形態3における「VendorSpecificInfo」のフレームフォーマットの例を示す図である。 図15は、実施の形態1を実現するハードウェア構成の一例を示す図である。
以下に、本発明にかかる無線通信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる無線通信装置を含む無線通信システムの実施の形態1の構成の一例を示す図である。無線通信装置1は、自動車に設置された車載機器であり、無線LAN基地局であり、APと称するアクセスポイントまたはWi−Fi基地局として動作し、無線通信装置2A,2Bと無線リンク4にて通信を行う。無線通信装置2A,2Bは、無線LAN端末局であるSTA端末局として動作する。なお、図1では、無線通信装置1を無線LAN基地局とし、無線通信装置2A,2Bを無線LAN端末局としたが、本発明はこれに限定されるものではない。また、無線リンク4は、2.4GHz帯、5GHz帯または60GHz帯の無線LAN装置が使用する周波数帯域を用いた無線リンクであればよく、これらのいずれか1つの周波数帯域のチャネルを使用してもよいし、これらから選択した複数の周波数帯域のチャネルを使用してもよい。
図2は、本発明にかかる無線通信装置を含む無線通信システムの実施の形態1の構成の一例である適用例を示す図である。図2に示す無線通信システムでは、無線通信装置1が自動車5に固定され、無線通信装置2A,2Bが自動車5内に持ち込まれており、無線通信装置1,2A,2Bが車外の無線通信装置3A,3B,3Cと通信を行う。自動車5に固定される無線通信装置1には、自動車のヘッドユニット(Head Unit)、カーナビゲーション機器、カーオーディオ機器及びリアシートモニターを例示することができる。無線通信装置2A,2Bには、タブレット、スマートフォン、携帯ゲーム機器、音楽プレイヤ及びパソコンを例示することができる。同様に、無線通信装置3A,3B,3Cには、タブレットであるスレートPC、スマートフォン、携帯ゲーム機器、公衆無線LAN基地局であるホットスポットの基地局または中継局及び無線LAN対応のディジタルサイネージを例示することができる。なお、本発明は、例示したこれらの構成及び動作方式に限定されるものではない。
図3は、本実施の形態における無線通信装置1の構成の一例を示す図である。図3には、送信部6、受信部7、MAC層制御部8及びパラメータ制御部9が示されている。なお、無線通信装置2A,2B及び無線通信装置3A,3B,3Cも同様の構成である。
送信部6は、無線通信を行う通信回路であり、IEEE802.11に準拠した送信機能を有する。送信部6は、MAC層制御部8から通知された無線LANフレームの送信を行い、CSMA/CAによるキャリアセンスの判断を行う。
受信部7は、無線通信を行う通信回路であり、IEEE802.11に準拠した受信機能を有する。受信部7は、無線LANフレームの受信を行い、宛先がユニキャストである無線LANフレームに対するACKフレームの送信判断を行う。
MAC層制御部8は、スキャンを行う際の周波数チャネルの制御を行い、プローブタイマーによるフレーム送信の制御を行い、パラメータ制御部9から通知された情報に基づいて無線LANフレームを送信する。
パラメータ制御部9は、「MLME−SCAN.request」プリミティブにおける各パラメータを決定し、スキャンを行う際にMAC層制御部8に通知を行う。
図15は、実施の形態1にかかる無線通信装置1,2A,2B,3A,3B,3Cを実現するハードウェア構成の一例を示す図である。MAC制御部8及びパラメータ制御部9は、プロセッサ21がメモリ22に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。受信部7は受信器24に相当し、送信部6は送信器23に相当する。プロセッサ21、メモリ22、送信器23及び受信器24は、システムバス25により接続されている。また、プロセッサ21を複数有し、メモリ22を複数有し、これらが連携して図3のブロック図に示す機能を実行してもよい。なお、無線通信装置1,2A,2B,3A,3B,3Cは、ソフトウェアまたはハードウェアのいずれでも実装可能である。
無線通信装置1、無線通信装置2A,2B及び無線通信装置3A,3B,3Cは、アクティブスキャン端末と、パッシブスキャン端末とに分類される。アクティブスキャン端末は、アクティブスキャニングを行う。パッシブスキャン端末は、アクティブスキャニングを行わず、アクティブスキャン端末から送信されるプローブ要求フレームを受信し、プローブ応答フレームにて応答を行う。図2においては、無線通信装置1及び無線通信装置2A,2Bがアクティブスキャン端末であり、無線通信装置3A,3B,3Cがパッシブスキャン端末である。
図4は、本実施の形態におけるアクティブスキャニングを説明する図である。図4では、アクティブスキャン端末は、まずスキャニングを開始し(S101)、「MinChannelTime」≒0として初期化し(S102)、Ch1が応答チャネル(Response Channel)であるか否かを判定し、応答チャネルでない場合にはプローブ要求を送信し、応答チャネルである場合にはプローブ要求を送信しない。このように、Ch1からCh11までのうち、応答チャネルにおいてはプローブ要求を送信せず、応答チャネルでないチャネルにおいてはプローブ要求を送信する(S103からS106)。すなわち、1の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信後、応答フレームの待ち受けをすることなく連続して他の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信する。その後、待ち受けチャネルである応答チャネルに移行し(S107)、「MinChannelTime」=待受け時間とし(S108)、プローブ要求を送信し(S109)、プローブタイマーをスタートし(S110)、「MinChannelTime」中に「PHY−CCA.indication(Busy)」が通知されたか否かを判定し(S111)、通知された場合、すなわちS111においてYesに分岐した場合には「MaxChannelTime」後にプローブ応答を処理し(S112)、通知されていない場合、すなわちS111においてNoに分岐した場合にはS112を経ることなくスキャニングを終了する(S113)。
図5は、比較例の方式におけるアクティブスキャニングを説明する図である。図5では、アクティブスキャン端末は、まずスキャニングを開始し(S201)、プローブ遅延時間が経過するまで、または、「PHYRxStart.indication」プリミティブが通知されるまで待機し(S202)、プローブ要求を送信し(S203)、プローブタイマーをスタートし(S204)、「MinChannelTime」中に「PHY−CCA.indication(Busy)」が通知されたか否かを判定する(S205)。通知された場合、すなわちS205においてYesに分岐した場合には「MaxChannelTime」後にプローブ応答を処理し(S206)、通知されていない場合、すなわちS205においてNoに分岐した場合にはS206を経ることなくスキャニングを終了して次の周波数チャネルに移行し(S207)、これを順次繰り返していく方式が示されている。
なお、本実施の形態では、スキャニングの開始前に、「MinChannelTime」、「MaxChannelTime」、応答オフセット時間の情報である「ResponseOffSetTime」、応答チャネルの情報である「Response Channel」、「FastScanType」が決定される。「ScanType」はアクティブスキャンとし、「FastScanType」は「True」とし、プローブ遅延時間は0とする。「MinChannelTime」は、比較例の方式により「MinChannelTime+ResponseOffSetTime」とし、「MaxChannelTime」は、比較例の方式により「MaxChannelTime+ResponseOffSetTime」とする。「ChannelList」には、スキャンを行う周波数リストをスキャンの順番に登録する。そして、これらのパラメータを「MLME−SCAN.request」プリミティブにより、SMEからMLMEへ通知する。
まず、無線通信装置のMAC層制御部8が「MLME−SCAN.request」プリミティブを受け取り次第、無線通信装置はスキャニングを開始する。無線通信装置のMAC層制御部8は、「ChannelList」に指定された周波数チャネルを送信チャネルとして順番に選択する。そして、決定された周波数チャネルでプローブ要求フレームのブロードキャストを開始する。無線通信装置のMAC層制御部8は、プローブ要求フレームを送信後、すぐに使用するチャネルを次の周波数チャネルに変更する。または、「MinChannelTime」≒0としてプローブタイマーをスタートする。
無線通信装置のMAC層制御部8は、「ChannelList」に指定された各周波数チャネルでステップS105のプローブ要求フレームの送信を行う場合に、図6に示すように、応答チャネルで指定された周波数チャネルにおけるプローブ要求フレームの送信を後回しにする。図6は、本実施の形態のアクティブスキャニングにおける周波数チャネルの変更例を示す図である。図6では2.4GHz帯周波数チャネルCh1からCh11までが「ChannelList」に登録されており、応答チャネルはCh6である。すなわち、MAC層制御部8は、Ch1からCh11までが応答チャネルであるか否かを判定し、応答チャネルである場合にはプローブ要求を送信せず、応答チャネルでない場合にはプローブ要求を送信する。
無線通信装置のMAC層制御部8は、「ChannelList」で指定された各周波数チャネルにおけるプローブ要求フレームの送信完了後、応答チャネルで指定された周波数チャネルでプローブ要求フレームの送信を行う。応答チャネルで指定された周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信する際には、MAC層制御部8は、「MinChannelTime」を「MLME−SCAN.request」プリミティブにより通知された「MinChannelTime」の値に設定した後、送信を行う。
無線通信装置のMAC層制御部8は、プローブタイマーのスタート後、「MinChannelTime」内に「PHY−CCA.indication(Busy)」が物理層からMAC層に通知されたか否かを判定する。
「MinChannelTime」内に、「PHY−CCA.indication(Busy)」が通知されなかった場合には、無線通信装置のMAC層制御部8は、応答チャネルでのプローブ応答フレームの待ち受けを終了し、S101へ戻る。「PHY−CCA.indication(Busy)」が通知されなかったということは、他の無線通信装置からプローブ応答フレームを受信していないということであり、「ChannelList」に指定された各周波数チャネルを現在使用している他の無線通信装置がないということである。
他方で、「MinChannelTime」内に、「PHY−CCA.indication(Busy)」が通知された場合には、無線通信装置のMAC層制御部8は、受信したプローブ応答フレームの処理を、プローブタイマーのスタートから「MaxChannelTime」後に開始する。「PHY−CCA.indication(Busy)」が通知されたということは、他の無線通信装置からプローブ応答フレームを受信したということであり、「ChannelList」に指定した各周波数チャネルのいずれかを現在使用している他の無線通信装置があり、その無線通信装置と通信できる可能性があるということである。
応答オフセット時間は、パラメータ制御部9により決定される。応答オフセット時間の値は、「ChannelList」に登録されている周波数チャネルの数に基づいて決定される。具体的には、「ChannelListに登録されている周波数チャネル数×(周波数チャネルの変更回数+プローブ要求の送信処理時間)の値」より大きくする。このように、応答の待ち受け時間は、プローブ要求フレームを送信する周波数チャネル数に基づいて設定されてもよいし、または、応答フレームの受信数に基づいて設定されてもよい。
「ChannelList」に登録する周波数チャネルは、パラメータ制御部9により決定される。「ChannelList」に登録可能な周波数チャネルは、無線通信装置が用いる無線LANの規格においてサポートされる周波数チャネルであり、また無線通信装置を使用する国において使用が許可されている周波数チャネルから選択される。無線通信装置のMAC層制御部8は、通知された「ChannelList」に登録されている周波数チャネルの順番にシーケンシャルスキャンを行う。「ChannelList」の登録順序は、例えば2.4GHz帯の周波数チャネルCh1からCh11まで使用可能な場合には、Ch1からCh11までを順番に指定してもよいし、ランダムに指定してもよい。アクティブスキャン端末である無線通信装置が送信するプローブ要求フレームには、「VendorSpecificInfo」が含まれる。
図7は、本実施の形態における「VendorSpecificInfo」のフレームフォーマットの例を示す。図7に示す「VendorSpecificInfo」のフレームは、1バイトの「Element ID」と、1バイトの「Length」と、3バイトの「OUI」と、1バイトの「OUIType」と、2バイトの「Response Offset Time」と、1バイトの「Response Channel」とにより構成される。「OUI」は固定値「0x002692」に設定され、「OUI Type」は固定値「0xFF」に設定されるものとする。なお、「OUI」及び「OUI Type」については、この値に限定されるものではなく、比較例のフィールドとの識別が可能であり、且つ本発明を適用しない無線LAN装置に対して影響を及ぼさないものであり、同様の効果を奏するものであればよい。一例として、既存のプローブ要求フレームのReservedフィールドを使用して同様の内容を通知することも可能である。
図8は、本実施の形態におけるパッシブスキャニングを説明する図である。パッシブスキャン端末は、スキャニングを開始し(S301)、Ch1において「PHY−CCA.indication(Busy)」が通知されたか否かを判定し(S303)、通知された場合、すなわちS303においてYesに分岐した場合にはプローブ要求を処理し(S304)、オフセット時間待機し(S305)、応答チャネルにチャネルを変更し(S306)、プローブ応答を送信する(S307)。通知されていない場合、すなわちS303においてNoに分岐した場合には次のチャネルに移行する。これをCh1からCh11まで行って(S302からS308)、スキャニングを終了する(S309)。
図9は、比較例の方式におけるパッシブスキャニングを説明する図である。パッシブスキャン端末は、スキャニングを開始し(S401)、プローブタイマーをスタートし(S402)、「MinChannelTime」中に「PHY−CCA.indication(Busy)」が通知されたか否かを判定し(S403)、通知された場合には「MaxChannelTime」経過後にビーコンフレームを処理し(S404)、通知されていない場合にはスキャニングを終了して次の周波数チャネルに移行し(S405)、これを順次繰り返していく方式が示されている。
なお、本実施の形態では、パッシブスキャン端末である無線通信装置は、パッシブスキャニングを開始する際に、「ScanType」がパッシブスキャンであり、「FastScanType」が「True」である「MLME−SCAN.request」プリミティブをSMEからMLMEに通知する。
パッシブスキャン端末である無線通信装置のMAC層制御部8は、プローブ要求フレームを待ち受ける周波数チャネルを比較例の方式と同様に「MaxChannelTime」経過ごとに変更してもよいし、待ち受ける周波数チャネルを固定してもよい。
パッシブスキャン端末である無線通信装置のMAC層制御部8は、「MLME−SCAN.request」プリミティブを受け取り次第、いずれかの周波数チャネルで、アクティブスキャン端末である無線通信装置が送信するプローブ要求フレームを待ち受ける。プローブ要求フレームを受信した無線通信装置のMAC層制御部8は、プローブ要求フレームの端末製造者固有の情報である「VendorSpecificInfo」から、図7に示す情報を取り出し、応答オフセット時間エレメントで指定された応答オフセット時間+DIFS時間経過後に、応答チャネルエレメントで指定された待ち受けチャネルである応答チャネルから、プローブ要求フレーム送信元の無線通信装置にプローブ応答フレームを送信する。
パッシブスキャン端末である無線通信装置のMAC層制御部8は、プローブ応答フレームを送信後、元の周波数チャネルに戻ってもよく、プローブ応答フレームを送信した周波数チャネルを維持してもよい。したがって、無線通信装置が、他の無線通信装置と通信を行っているのであれば、通信チャネルに戻ることも可能である。
図10は、本実施の形態におけるアクティブスキャニングを説明するシーケンス図である。図11は、比較例の方式におけるアクティブスキャニングを説明するシーケンス図である。図11では、通信相手の無線通信装置である端末AP1はプローブ要求からDIFS時間経過後にプローブ応答を送信し、通信相手を探索する無線通信装置である端末STA1はプローブ応答からSIFS時間経過後にACKを送信するが、図10では、パッシブスキャン端末1,2は、各々プローブ要求からオフセット時間+DIFS時間経過後にプローブ応答を送信し、アクティブスキャン端末はプローブ応答からSIFS時間経過後にACKを送信する。
次に、MLMEに通知されるプリミティブ、すなわち命令である「MLME−SCAN.request」について説明する。「MLME−SCAN.request」は、無線通信装置のSMEで生成される。図3に示す構成においては、MAC層制御部8がMLMEに相当し、パラメータ制御部9がSMEに相当するので、「MLME−SCAN.request」は、パラメータ制御部9により生成され、MAC層制御部8に通知される。
「MLME−SCAN.request」は、「BSSType」と、「BSSID」と、「SSID」と、「ScanType」と、「ProbeDelay」と、「ChannelList」と、「MinChannelTime」と、「MaxChannelTime」と、「RequestInformation」と、「SSID List」と、「ChannelUsage」と、「AccessNetworkType」と、「HESSID」と、「MeshID」と、応答オフセット時間である「ResponseOffSetTime」と、応答チャネルである「ResponseChannel」と、「FastScanType」と、「VendorSpecificInfo」とを含む。本発明においては、「MLME−SCAN.request」に、「ResponseOffSetTime」と、「ResponseChannel」と、「FastScanType」とを追加する。
応答オフセット時間は、無線通信装置がプローブ要求フレームを送信する際に、「VendorSpecificInfo」に設定する値である。プローブ要求フレームを受信した無線通信装置は、応答オフセット時間が経過した後に、送信元の無線通信装置にプローブ応答フレームを送信する。
応答チャネルである「ResponseChannel」は、アクティブスキャン端末である無線通信装置がプローブ要求フレームを送信する際に、「VendorSpecificInfo」に設定する値である。また、アクティブスキャン端末である無線通信装置は、「ChannelList」のうち、応答チャネルで指定された周波数チャネルを除いた周波数チャネルのすべてにプローブ要求フレーム送信後、最後に応答チャネルで指定された周波数チャネルでプローブ要求フレームの送信を行った後、プローブ応答フレームの待ち受けを行う。プローブ要求フレームを受信したパッシブスキャン端末である無線通信装置のMAC層制御部8は、送信元のアクティブスキャン端末である無線通信装置に、プローブ応答フレームを送信する際に、応答チャネル情報で指定されたチャネルからプローブ応答フレームを送信する。
「FastScanType」は、本発明の方式を適用するか否かを通知するフラグである。「FastScanType」が「True」の場合には「ScanType」がアクティブスキャンであればアクティブスキャン端末とし、「FastScanType」が「False」の場合にはパッシブスキャン端末とし、パッシブスキャンまたは比較例の方式のアクティブスキャンを用いる。
なお、ここで説明した「MLME−SCAN.request」は一例であり、本発明はこれに限定されない。
本実施の形態により、比較例の方式に比べ、無線通信装置の高速な相互検出を実現することが可能となる。なお、本実施の形態にて説明した方式では、無線通信装置の相互検出にプローブ要求とプローブ応答を用いたが、同様の効果を奏するものであれば、これらに限定されるものではない。例えば、無線通信装置が送信するデータフレーム(Data Frame)及びアクションフレーム(Action Frame)に同様の値を挿入し、一定時間後に無線通信装置から応答を取得することで、通信中においても相互検出が可能となる。
また、本実施の形態において、アクティブスキャン端末である無線通信装置が送信するプローブ要求フレームに応答する端末は、プローブ要求フレームを受信できる端末であればよく、パッシブスキャン端末として動作していなくてもよい。例えば、アクティブスキャン端末である無線通信装置または比較例の方式で動作している端末が、他のアクティブスキャン端末である無線通信装置が送信するプローブ要求フレームを受信した場合に、プローブ応答フレームで応答してもよい。
以上説明した本実施の形態の無線通信システムは、アクティブスキャン端末とパッシブスキャン端末とを含む複数の無線通信装置を備え、前記アクティブスキャン端末は、1の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信後、他の無線通信装置からの応答フレームの待ち受けをすることなく連続して他の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信することで応答チャネル以外の全周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信し、最後に待ち受けチャネルである応答チャネルからプローブ要求フレームを送信して前記パッシブスキャン端末からの応答の待ち受けを行い、前記プローブ要求フレームには、応答までのオフセット時間の情報と応答チャネルの情報を重畳し、前記プローブ要求フレームの受信後に、前記パッシブスキャン端末は、応答までのオフセット時間を経過した後、前記応答チャネルの情報で指定された周波数チャネルから応答フレームを送信する。
以上説明した本実施の形態の無線通信装置は、アクティブスキャン端末とパッシブスキャン端末とを含む複数の無線通信装置が通信する無線通信システムのアクティブスキャン端末である無線通信装置であって、1の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信後、他の無線通信装置からの応答フレームの待ち受けをすることなく連続して他の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信することで応答チャネル以外の全周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信し、最後に待ち受けチャネルである応答チャネルからプローブ要求フレームを送信して前記パッシブスキャン端末からの応答の待ち受けを行い、前記プローブ要求フレームには、応答までのオフセット時間の情報と応答チャネルの情報を重畳する。
そして、パッシブスキャン端末である無線通信装置は、アクティブスキャン端末である無線通信装置からの前記プローブ要求フレームの受信後に、応答までの前記オフセット時間を経過した後、前記応答チャネルの情報で指定された周波数チャネルから応答フレームを送信する。
例えば、非特許文献1におけるアクティブスキャニングでは、端末が利用可能な周波数チャネルをシーケンシャルにスキャンする。利用可能な各周波数チャネルをスキャンする最小時間は「MinChannelTime」である。例えば、2.4GHz帯のCh1からCh11を利用する際には、1回のスキャンに要する最小時間は、「MinChannelTime×11+チャネル変更時間×11+プローブ要求送信処理時間」である。1回のスキャンに要する最大時間は、「MaxChannelTime×11+チャネル変更時間×11+プローブ要求送信処理時間+プローブ応答受信処理時間」である。
本実施の形態によれば、例えば、2.4GHz帯のCh1からCh11を利用する際には、1回のスキャンに要する最小時間は、「MinChannelTime+オフセット時間+チャネル変更時間×11+プローブ要求送信処理時間」である。そして、1回のスキャンに要する最大時間は「MaxChannelTime+オフセット時間+チャネル変更時間×11+プローブ要求送信処理時間+プローブ応答受信処理時間」であり、他の無線通信装置の発見を比較例よりも高速に行うことが可能な無線通信装置を得ることができる、という効果を奏する。
実施の形態2.
図12は、本実施の形態における無線通信装置であり、無線通信装置1の変形例である無線通信装置1aの構成の一例を示す図である。図12において、図3と共通する構成要素には同一の符号を付している。図12に示す構成は、図3に示す構成に、スキャン制御部10が追加された構成である。なお、本実施の形態の無線通信装置2A,2B及び無線通信装置3A,3B,3Cの変形例も同様の構成である。
スキャン制御部10は、アクティブスキャン端末である無線通信装置において、キャリアセンスの通知回数をMAC層制御部8から定期的に受け取り、比較的空いている周波数チャネルを求め、パラメータ制御部9に通知する。パラメータ制御部9は、「MLME−SCAN.request」プリミティブでMAC層制御部8に通知する応答チャネルをスキャン制御部10から通知された周波数チャネルに設定する。単位時間当たりのキャリアセンスの通知回数は、応答チャネルの設定に用いてもよく、パッシブスキャン端末の移動距離に応じて応答チャネルが再設定されてもよい。なお、パッシブスキャン端末は、一度応答したアクティブスキャン端末に対しては無応答となる時間があってもよい。
スキャン制御部10は、パッシブスキャン端末である無線通信装置において、受信したプローブ要求フレームの送信元MACアドレスを記憶する。MAC層制御部8は、プローブ要求フレームを受信した際に、スキャン制御部10に問い合わせを行い、一定間隔以内に同一送信元MACアドレスからプローブ要求フレームを受信していれば、プローブ応答フレームを送信しないように、MAC層制御部8に通知を行うことが可能である。
スキャン制御部10は、アクティブスキャン端末である無線通信装置において、プローブ要求フレームの応答であるプローブ応答フレームの受信状況を監視して「MaxChannelTime」の値を制御する。スキャン制御部10は、例えば、応答が多い場合には「MaxChannelTime」の値を小さくし、比較的応答が少ない場合には「MaxChannelTime」の値を大きくするように、パラメータ制御部9に通知する。ここで、応答の多少には設定しきい値を利用すればよく、パッシブスキャン端末からの単位時間あたりの応答がしきい値未満である場合にはスキャン制御部10はプローブ要求フレームの送信間隔を長くし、パッシブスキャン端末からの単位時間あたりの応答がしきい値以上である場合にはスキャン制御部10はプローブ要求フレームの送信間隔を短くし、パッシブスキャン端末の移動速度に応じてプローブ要求フレームの送信間隔を変化させる。
スキャン制御部10は、無線通信装置の移動状況により、シーケンシャルスキャンの間隔である「MaxChannelTime」の値を制御する。例えば、アクティブスキャン端末である無線通信装置が高速に移動している場合には「MaxChannelTime」の値を小さくし、移動していない場合には「MaxChannelTime」の値を大きくするように、パラメータ制御部9に通知する。このように、無線通信装置の移動中のシーケンシャルスキャンは、無線通信装置の停止中のシーケンシャルスキャンよりも短い間隔で行い、シーケンシャルスキャンの間隔は、無線通信装置の移動速度によって制御することが好ましい。
スキャン制御部10は、スキャンする周波数チャネルの数に基づき、「MaxChannelTime」の値を制御する。例えば、周波数チャネルの数が相対的に多い場合には「MaxChannelTime」の値を大きくし、周波数チャネルの数が相対的に少ない場合には「MaxChannelTime」の値を小さくするように、パラメータ制御部9に通知する。
スキャン制御部10は、アクティブスキャン端末である無線通信装置において、「MaxChannelTime」の値を制御する。スキャン制御部10は、例えば、単位時間当たりのプローブ応答フレームの送信端末数を監視し、送信端末数が多い場合には「MaxChannelTime」の値を大きくし、送信端末数が少ない場合には「MaxChannelTime」の値を小さくするように、パラメータ制御部9に通知する。
スキャン制御部10は、アクティブスキャン端末である無線通信装置において、「ChannelList」に登録されている各周波数チャネルからキャリアセンスの通知が多いようであれば、「ChannelList」の周波数チャネルの登録順を変更し、変更した「ChannelList」をパラメータ制御部9に通知することが可能である。また、常にキャリアセンスが通知される周波数チャネルでは無線LANの使用が不可であると判断し、一定時間「ChannelList」から除き、変更した「ChannelList」をパラメータ制御部9に通知することが可能である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、無線通信装置は、応答チャネルの値、受信したプローブ要求の応答の要否及び「MaxChannelTime」の値を制御し、「ChannelList」を変更することが可能であるが、スキャン制御部10の動作はこれらに限定されるものではない。また、上記条件を組み合わせて使用してもよいし、切り替えて使用してもよい。なお、スキャン制御部10は、図15のプロセッサ21がメモリ22に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
実施の形態3.
図13は、本実施の形態における無線通信装置であり、無線通信装置1の変形例である無線通信装置1bの構成の一例を示す図である。図13において、図3と共通する構成要素には同一の符号を付している。図13に示す構成は、図3に示す構成にアプリケーション通信制御部11が追加された構成である。なお、本実施の形態の無線通信装置2A,2B及び無線通信装置3A,3B,3Cの変形例も同様の構成である。
アプリケーション通信制御部11は、アクティブスキャン端末及びパッシブスキャン端末において、無線LANフレームに無線通信装置間で共有したいアプリケーション情報をパラメータ制御部9に通知する。パラメータ制御部9は、「MLME−SCAN.request」プリミティブの「VendorSpecificInfo」に、通知されたアプリケーション情報を含ませる。
本実施の形態におけるアクティブスキャン端末である無線通信装置が送信するプローブ要求フレームには、端末製造者固有の情報である「VendorSpecificInfo」が含まれる。図14は、本実施の形態における「VendorSpecificInfo」のフレームフォーマットの例を示す。図14に示す「VendorSpecificInfo」のフレームは、1バイトの「Element ID」エレメントと、1バイトの「Length」エレメントと、3バイトの「OUI」エレメントと、1バイトの「OUIType」エレメントと、2バイトの「Response Offset Time」エレメントと、1バイトの「Response Channel」エレメントと、1バイトの「information num」エレメントと、1バイトの「information type」エレメントと、「information」エレメントとにより構成される。図14のフレームフォーマットでは、図7のフレームフォーマットに対して「information num」エレメント、「information type」エレメント及び「information」エレメントが追加されている。「information num」エレメントは、「information type」と「information」エレメントとの組合せの数を示す。「information type」エレメントは、「information」エレメントに設定される情報の種別を示す。「information」エレメントには、無線通信装置間で共有すべきアプリケーション情報が含まれる。「information type」エレメントと「information」エレメントの組合せは複数個含ませることができる。
本実施の形態におけるパッシブスキャン端末が送信するプローブ応答フレームには、「VendorSpecificInfo」がアクティブスキャン端末と同様に含まれていてもよい。
無線通信装置のMAC層制御部8は、受信した無線LANフレームに含まれる「VendorSpecificInfo」からアプリケーション情報を取り出し、アプリケーション通信制御部11に通知する。アプリケーション通信制御部11は、MAC層制御部8からの通知により、アプリケーション情報元におけるアプリケーション情報を更新し、パラメータ制御部9に通知してもよい。
アクティブスキャン端末である無線通信装置のアプリケーション通信制御部11は、「VendorSpecificInfo」に対して、特定のMACアドレス識別または個人識別情報を「information」エレメントに設定する。パッシブスキャン端末である無線通信装置のアプリケーション通信制御部11には、受信したプローブ応答フレームから取り出した「VendorSpecificInfo」が通知され、アプリケーション通信制御部11にて、MACアドレス識別または個人識別情報に合致する端末のみプローブ応答フレームにて応答を行うようにしてもよい。このように、特定のMACアドレス識別、プローブ要求フレーム及び応答フレームに、特定のMACアドレス識別情報及び個人識別情報を重畳させることで、特定のユーザー間でのみ情報を共有することが可能である。なお、特定の無線通信装置間でのみ通信を行う場合には、「VendorSpecificInfo」に含ませる、特定のMACアドレス識別または個人識別情報を用いずに、プローブ応答フレームの予め共有したSSIDエレメントの値を用いて識別して同様の通信を行うことも可能である。
パッシブスキャン端末である無線通信装置は、プローブ応答フレームを送信する際に、「VendorSpecificInfo」の「information」エレメントに、当該無線通信装置がプローブ要求フレームの待ち受けをする周波数チャネルを含ませてもよい。パッシブスキャン端末から待ち受けをしている周波数チャネルの情報が含まれたプローブ要求フレームを受信したアクティブスキャン端末は、指定された周波数チャネルにのみプローブ要求フレームを送信すればよい。
アクティブスキャン端末である無線通信装置において、パッシブスキャン端末からの待ち受けをしている周波数チャネルの情報が含まれたプローブ要求フレームを受信したアクティブスキャン端末は、待ち受けをしているパッシブスキャン端末が一番多い周波数チャネルを応答チャネルの値に設定するように、パラメータ制御部9に通知することが可能である。
アクティブスキャン端末である無線通信装置は、プローブ要求をユニキャスト送信またはマルチキャスト送信し、特定の無線通信装置宛てに無線LANフレームを送信してもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、無線通信装置は、プローブ要求フレーム及びプローブ応答フレームに端末製造者固有の情報である「VendorSpecificInfo」を含ませ、且つ「VendorSpecificInfo」の中にはアプリケーション情報を含ませることが可能であり、特定の無線通信端末間でのみ無線LANフレームの送受信を行うことが可能であるが、アプリケーション通信制御部11の動作は上記に限定されるものではない。また、上記条件を組み合わせて使用してもよいし、切り替えて使用する事も可能である。
本実施の形態を適用する例として、アクティブスキャン端末が車両に搭載され、パッシブスキャン端末がユーザーに所持され、アクティブスキャン端末のプローブ要求フレーム及びパッシブスキャン端末の応答フレームに共有情報を重畳する構成が挙げられる。
なお、本実施の形態ではプローブ要求とプローブ応答を用いて説明したが、これらに限定されるものではなく、データフレーム、アクションフレーム、専用のフレーム、既存のプローブ要求フレームのReservedフィールドを使用してもよい。なお、アプリケーション通信制御部11は、図15のプロセッサ21がメモリ22に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
実施の形態4.
実施の形態1から3では、無線通信装置がパッシブスキャンまたはアクティブスキャンのいずれを行うか固定されていたが、本発明はこれに限定されず、無線通信装置は、パッシブスキャンとアクティブスキャンを定期的に切り替えてもよい。図2においては、無線通信装置1及び無線通信装置2A,2Bはアクティブスキャン端末であり、無線通信装置3A,3B,3Cはパッシブスキャン端末であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、無線通信装置3Aがアクティブスキャン端末になると、無線通信装置3B,3Cとの通信が可能になり、情報を交換することができる。さらに、無線通信装置1及び無線通信装置2A,2Bがパッシブスキャン端末になると、別の自動車内の無線通信装置と通信を行うことが可能になり、情報を交換することができる。
なお、パッシブスキャンとアクティブスキャンの変更は、無線通信装置を使用するユーザーが手動で変更するタイミングで行ってもよいし、時間に基づいて決定されたタイミングで行ってもよいし、受信する無線LANフレームに基づいて決定されたタイミングで行ってもよい。
なお、実施の形態1から3は、矛盾しない限りにおいて、組み合わせられてもよいし、切り替え可能に構成されていてもよい。
なお、実施の形態1から3では、無線通信装置間の通信を無線LANにより行う形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、無線LAN以外の無線通信を用いてもよい。一例として、Bluetooth(登録商標)またはZigBee(登録商標)のように互いに複数の周波数チャネルリストの中から相互端末検出を行う無線通信に適用してもよい。
なお、本発明を適用する例には、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置と、を備え、該第1の無線通信装置が定期的に送信するプローブ要求フレームに、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で共有する情報を重畳することで、第1の無線通信装置を第2の無線通信装置に通知する無線通信システムであって、ユーザーが所有する前記第1の無線通信装置が前記プローブ要求フレームを定期的に送信することで、車両に搭載された第2の無線通信装置に前記第1の無線通信装置の位置を通知し、前記第2の無線通信装置は前記プローブ要求フレームを受信し、前記車両の移動速度、移動方向及び前記ユーザーと前記車両との距離から、前記ユーザーの存在を前記車両の運転者に報知することを特徴とする無線通信システムが挙げられる。
以上のように、本発明にかかる無線通信装置は、他の無線通信装置を高速に発見することを要する無線通信装置に有用である。
1,1a,1b,2A,2B,3A,3B,3C 無線通信装置、4 無線リンク(無線LAN)、5 自動車、6 送信部、7 受信部、8 MAC層制御部、9 パラメータ制御部、10 スキャン制御部、11 アプリケーション通信制御部、21 プロセッサ、22 メモリ、23 送信器、24 受信器、25 システムバス。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、アクティブスキャン端末とパッシブスキャン端末とを含む複数の無線通信装置を備え、前記アクティブスキャン端末は、1の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信後、他の無線通信装置からの応答フレームの待ち受けをすることなく他の周波数チャネルからもプローブ要求フレームを送信し、待ち受けチャネルである応答チャネルからプローブ要求フレームを送信して前記パッシブスキャン端末からの応答の待ち受けを行い、前記プローブ要求フレームには、応答までのオフセット時間情報と応答チャネル情報を重畳し、前記プローブ要求フレームの受信後に、前記パッシブスキャン端末は、応答までのオフセット時間を経過した後、前記応答チャネル情報で指定された周波数チャネルからプローブ応答フレームを送信することを特徴とする。
図15は、実施の形態1にかかる無線通信装置1,2A,2B,3A,3B,3Cを実現するハードウェア構成の一例を示す図である。MAC層制御部8及びパラメータ制御部9は、プロセッサ21がメモリ22に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。受信部7は受信器24に相当し、送信部6は送信器23に相当する。プロセッサ21、メモリ22、送信器23及び受信器24は、システムバス25により接続されている。また、プロセッサ21を複数有し、メモリ22を複数有し、これらが連携して図3のブロック図に示す機能を実行してもよい。なお、無線通信装置1,2A,2B,3A,3B,3Cは、ソフトウェアまたはハードウェアのいずれでも実装可能である。

Claims (12)

  1. アクティブスキャン端末とパッシブスキャン端末とを含む複数の無線通信装置を備え、
    前記アクティブスキャン端末は、1の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信後、他の無線通信装置からの応答フレームの待ち受けをすることなく連続して他の周波数チャネルからもプローブ要求フレームを送信し、
    その後、最後に待ち受けチャネルである応答チャネルからプローブ要求フレームを送信して前記パッシブスキャン端末からの応答の待ち受けを行い、
    前記プローブ要求フレームには、応答までのオフセット時間の情報と応答チャネルの情報を重畳し、
    前記プローブ要求フレームの受信後に、前記パッシブスキャン端末は、応答までのオフセット時間を経過した後、前記応答チャネル情報で指定された周波数チャネルからプローブ応答フレームを送信することを特徴とする無線通信システム。
  2. 定期的に、前記パッシブスキャン端末をアクティブスキャン端末に切り替え、前記アクティブスキャン端末をパッシブスキャン端末に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. アクティブスキャン端末とパッシブスキャン端末とを含む複数の無線通信装置が通信する無線通信システムのアクティブスキャン端末である無線通信装置であって、
    1の周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信後、他の無線通信装置からの応答フレームの待ち受けをすることなく連続して他の全ての周波数チャネルからプローブ要求フレームを送信し、
    その後、最後に待ち受けチャネルである応答チャネルからプローブ要求フレームを送信して前記パッシブスキャン端末からの応答の待ち受けを行い、
    前記プローブ要求フレームには、応答までのオフセット時間の情報と応答チャネルの情報を重畳することを特徴とする無線通信装置。
  4. 請求項3に記載のアクティブスキャン端末である前記無線通信装置からの前記プローブ要求フレームの受信後に、応答までの前記オフセット時間を経過した後、前記応答チャネルの情報で指定された周波数チャネルから応答フレームを送信することを特徴とするパッシブスキャン端末である無線通信装置。
  5. 前記応答の待ち受け時間は、前記プローブ要求フレームを送信する周波数チャネル数または前記応答フレームの受信数に基づいて設定されることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  6. 前記応答チャネルは、単位時間当たりのキャリアセンス通知回数に基づいて設定され、
    前記パッシブスキャン端末の移動距離に応じて再設定されることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  7. 前記パッシブスキャン端末からの単位時間あたりの応答がしきい値未満である場合にはプローブ要求フレームの送信間隔を長くし、
    前記パッシブスキャン端末からの単位時間あたりの応答がしきい値以上である場合には前記プローブ要求フレームの送信間隔を短くし、
    前記パッシブスキャン端末の移動速度に応じて前記プローブ要求フレームの送信間隔を変化させることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  8. 前記アクティブスキャン端末が車両に搭載され、前記パッシブスキャン端末がユーザーに所持され、
    前記アクティブスキャン端末のプローブ要求フレーム及び前記パッシブスキャン端末の応答フレームに共有情報を重畳することを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  9. 応答したアクティブスキャン端末に対しては無応答となる時間があることを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  10. 移動中のシーケンシャルスキャンは、停止中のシーケンシャルスキャンよりも短い間隔で行い、
    前記シーケンシャルスキャンの間隔は、前記無線通信装置の移動速度に基づいて制御することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  11. 特定のMACアドレス識別、プローブ要求フレーム及び応答フレームに、特定のMACアドレス識別情報及び個人識別情報を重畳させることで、特定のユーザー間でのみ情報を共有することを特徴とする請求項3または4に記載の無線通信装置。
  12. 第1の無線通信装置と第2の無線通信装置と、を備え、該第1の無線通信装置が定期的に送信するプローブ要求フレームに、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で共有する情報を重畳することで、第1の無線通信装置を第2の無線通信装置に通知する無線通信システムであって、
    ユーザーが所有する前記第1の無線通信装置が前記プローブ要求フレームを定期的に送信することで、車両に搭載された第2の無線通信装置に前記第1の無線通信装置の位置を通知し、
    前記第2の無線通信装置は前記プローブ要求フレームを受信し、
    前記車両の移動速度、移動方向及び前記ユーザーと前記車両との距離から、前記ユーザーの存在を前記車両の運転者に報知することを特徴とする無線通信システム。
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