JPWO2015133352A1 - 磁気共鳴イメージングシステム、静磁場均一度調整システム、磁場均一度調整方法および、磁場均一度調整プログラム - Google Patents

磁気共鳴イメージングシステム、静磁場均一度調整システム、磁場均一度調整方法および、磁場均一度調整プログラム Download PDF

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Abstract

磁場調整に要する期間ならびに費用を低減することのできるMRI装置を提供する。そのために、静磁場発生装置の超電導コイルに定格電流値の電流が流れ、定格静磁場B_rが発生している状態で、撮像空間の静磁場分布の不均一度を計測し、計測した静磁場分布に基づいて、撮像空間の近傍に配置された補正磁場発生部が発生すべき補正磁場の分布を演算により求め、超電導コイルの電流値を、定格電流値よりも小さい所定(0より大きい)の低電流値まで低減し、低電流値の電流が前記超電導コイルに流れ、低静磁場B_lowが発生している状態で、補正磁場発生部の補正磁場を演算により求めた補正磁場に設定するように操作者に報知し、これを繰り返し行い、静磁場不均一度を低減する。

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング(以下、MRIと称する)の静磁場発生装置、および、その静磁場調整方法に関する。
MRI装置は、均一な静磁場が形成された撮像空間に被検体を配置し、被検体の核スピンの核磁気共鳴(以下、NMRと称する)信号を計測し、被検体中の核スピン密度分布や緩和時間分布等を再構成し、断層画像として画像表示するものである。
MRIの磁場発生源としては、撮像空間に静磁場を発生する静磁場発生装置と、NMR信号に位置情報を与えるための傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生装置が用いられる。撮像空間に静磁場発生装置が形成する静磁場の均一性が乱れると、これに重畳される傾斜磁場の直線性が劣化し、位置情報にズレが生じるため、画像上の歪みや欠損等を生じ、画像の正確さ、鮮明さを損なうことになり、診断上の大きな障害となる。
撮像空間の静磁場には、極めて高度な均一性が要求される。また、NMR信号の強度は、静磁場強度に概ね比例するため、高画質なMRI画像を得るには、静磁場強度が高い静磁場発生装置が望まれる。このように、MRIシステムの撮像空間における静磁場は、高度な均一性と高磁場が要求される。
静磁場発生装置は、高均一な撮像空間を有し、長時間安定かつ高磁場が要求されるため、超電導磁石を使用するのが一般的となっている。さらに、超電導磁石としては、高磁場を発生するのに、高効率である円筒形状の磁石が普及している。円筒型の超電導磁石の内部には、液体ヘリウムまたはその他の低温寒剤を封入した低温容器の内部に、複数の超電導コイルが配置されている。さらに、低温容器の外側には、外部からの熱侵入を断熱するための輻射シールドと真空槽が配置される。さらに、低温容器および/または輻射シールドには、低温を維持するための冷凍機が接続される。
超電導磁石を静磁場発生装置として用いるMRI装置において、撮像空間(以下、視野(FOV)とも言う)の体積および形状は、磁場均一性のピーク・トゥ・ピーク値により規定され、概ね球形である。中心磁場強度が1.5テスラを有するMRI装置においては、視野は、直径:45〜50cm前後の球形であって、静磁場の均一性のピーク・トゥ・ピーク値は、数10ppm(約20〜40ppm)程度が達成されている。
超電導磁石は、所望の空間に必要な均一磁場を発生するように設計されているが、実際には、部品(主にコイル巻き枠)の製造時の寸法誤差、および組立時の位置誤差(主に各コイルの相対位置の誤差)より、直径:45〜50cm前後の撮像空間で、数100〜数1000ppm程度の静磁場均一性しか達成できない。
これら寸法や位置の誤差に起因する静磁場不均一を最小とするためには、数100マイクロ〜数ミリ・メートルの精度で、部品製造および組立を行う必要があるが、超電導磁石は、内直径が約1メートル(約900mm)、外直径が約2メートル、軸長が約1.5メートルの円筒構造であり、サイズが大きいため数100マイクロ〜数ミリ・メートルの精度の寸法誤差を達成するのは非常に難しい。そのため、従来より静磁場の不均一性を補正するパッシブシムと称される磁場調整手段が超電導磁石に配置されている。この磁場調整手段は、微小な磁性体からなるシム鉄片(以下、磁性体シム)を用いて静磁場を微細に調整する。
高磁場を発生する超電導磁石は、磁石の外部に漏洩する磁場(以下、漏洩磁場と称す)の広がりが大きい。例えば、中心磁場がおよそ1.5〜3.0テスラを有する超電導磁石では、その漏洩磁場(例えば、5ガウスライン)の広がりは、磁場中心から軸方向においておよそ4〜5メートル、径方向において、およそ2〜3メートルであり、撮像室外にも漏洩するほどの広がりを有する。
この漏洩磁場により、超電導磁石の設置場所周辺の鉄などの強磁性体製の建築建材や、漏洩磁場を抑制するために配置されている電磁軟鉄などの磁気シールド材が磁化されて磁場を形成するため、撮像空間における静磁場の均一性を劣化させる。このような超電導磁石の外部からの磁場(環境磁場)による静磁場の不均一性(不整磁場)についても、磁場調整手段が補正することが望まれている。
一般的な、シミングの手順は、例えば特許文献1の図2に開示されているように、まず、超電導磁石の磁場の空間分布を磁場計測プローブにより計測する。次に、計測した磁場分布を、ルジャンドル多項式などの多項式の和に級数展開し、静磁場の不均一性を算出する。この結果に基づき、シム位置を計算により求める。計算されたシム位置にシムを配置する。その後、再び磁場の空間分布を測定し、要求された均一性が達成されるまで、上記操作を繰り返す。
特開2001-87245号公報
特許文献1に記載のシミング方法で配置したシムの発生する補正磁場は、磁性体シム材の磁化の誤差、数千枚の磁性体シムの一部を間違った位置に取り付けるヒューマン・エラーによる誤差、ならびに、磁場計測プローブの位置ずれによる計測磁場分布の誤差、等に起因して誤差が生じる。そのため、上述した磁場の空間分布の計測工程と、シム位置決定工程と、シム位置への磁性体シム配置工程とを複数回繰り返さなければ、所望の静磁場均一度を達成することが難しく、MRI装置の立ち上げ時に数日を要する原因となっている。これら静磁場の誤差要因について以下さらに説明する。
第一の誤差要因は、静磁場調整に使用する磁性体シム材の磁化の誤差である。磁性体シム材の磁化の誤差は、寸法公差および磁化特性公差による。磁性体シム材には、一般には電磁鋼板などの0.05〜0.5mm程度の薄い鋼板を使用するが、厚みの公差や磁化のばらつきにより、理想的な磁化に対し、数〜数10%程度の誤差が生じる場合がある。超電導磁石の製作時の部品製作および組立寸法の誤差により、超電導磁石単体の静磁場不均一性は、数100〜数1000ppmとなるのが一般的である。
この不均一性を打ち消す補正磁場を数100〜1000ppm生成する磁性体シム材からは、数10〜100ppmの誤差成分が発生することになる。同様に、数10ppm程度の補正磁場に対して、磁性体シムは、数ppmの誤差成分を発生する。上記の磁性材シムの誤差は、静磁場調整プロセスを複数回繰り返し、所望の均一な静磁場に漸近するうちに無視することができる。
第二の誤差要因としては、静磁場調整プロセスにおけるヒューマン・エラーである。一般に、静磁場調整プロセスは、コンピュータを用いた最適化計算により算出された、磁性体シムの配置位置および量に基づき、磁性体シムを作業者が配置する。一般に、上述の超電導磁石単体の静磁場不均一性を打ち消す補正磁場、即ち数100ppmの補正磁場量を生成するには、数〜数10kgの磁性体シムを使用する。
例えば、磁性体シム材が、1枚あたり数g程度とすると、数1000枚の磁性体シムを使用することになる。数1000枚の磁性体シムを配置する場合、数〜数10枚程度を間違えた位置に取り付ける可能性がある。第一の誤差要因と同様に、静磁場調整プロセスを繰り返し、所望の均一な静磁場に漸近させ、磁性体シムの配置ミスのヒューマン・エラーによる誤差を除去している。
また、第三の誤差要因として、静磁場計測機器の取付位置の誤差がある。Z項(またはX、Y項)と称される静磁場中心位置に関して一次比例する不整磁場成分に関して、例えば、半径25cm上で、500ppm発生している場合に、Z軸(またはX、Y軸)方向に数ミリずれた状態で静磁場計測機器が配置されていた場合、数ppmの誤差磁場を生じる(500/250×数ミリ)。この誤差を生じたまま、補正磁場を分布の演算の入力データとして使用すると、適確な磁性体シムの配置量・位置の最適解が得られないため、静磁場調整プロセスを繰り返し回数が多くなる。
誤差を除去するために静磁場調整プロセスの繰り返しに要する時間を短縮するためには、1回の静磁場調整プロセスに要する時間を短縮する必要がある。
また、静磁場調整プロセスを困難にしている別の要因として、磁石周辺に位置する強磁性体が発生する磁場(環境磁場)がある。超電導磁石周辺には、磁気シールドや、建物を構成する建築材料等の強磁性体が存在する。これら強磁性体が、超電導磁石の漏洩磁場によって磁化され、環境磁場を発生する。この環境磁場により、撮像空間内の磁場分布は乱される。環境磁場による不整磁場は、超電導磁石自体の誤差磁場に重畳され、静磁場の不均一性はより強まるため、静磁場調整プロセスの繰り返し回数は多くなる。
静磁場調整プロセスにおいて、磁場の空間分布の計測工程は、超電導磁石が超電導状態で行う必要があるのに対し、シム配置工程は、強力な磁場中では磁性体シムが超電導磁石に吸着されて作業ができないため、超電導磁石を消磁してから行う。近年の1.5〜3.0Tの超電導磁石は、定格の静磁場強度B0まで励磁するのに1時間以上を要し、消磁にも1時間以上を要するため、上記一連の工程には最低でも2時間以上必要であり、磁場計測に要する時間やシム配置に要する時間を考慮するとさらに数時間が必要である。
そのため、所望の静磁場均一性が達成されるまで、上記工程を複数回繰り返すと、数日(2日〜3日)を要し、顧客への引渡しに要する期間の長期化を招いている。
また、超電導磁石の消磁をする際には、超電導磁石内部の超電導コイルに接続された永久電流スイッチを開とするために、永久電流スイッチのヒータに電流を流し、永久電流スイッチを加熱する。ヒータの発熱に伴い、超電導コイルを冷却する寒剤、即ち液体ヘリウムが蒸発し、磁石外部へ放出される。一般的には、ヒータに電流を流している間、単位時間当たり数10リットル以上の液体ヘリウムが消費されるため、消磁の度に高価な液体ヘリウムが大量消費され、コストがかかる。
本発明の目的は、磁場調整に要する期間ならびに費用を低減することのできるMRI装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、以下のようなMRI装置が提供される。すなわち、このMRI装置は、超電導コイルを含み、被検体が配置される撮像空間に静磁場を発生する静磁場発生装置と、撮像空間の静磁場分布の不均一性を低減するための補正磁場を発生する補正磁場発生部と、撮像空間の静磁場分布を計測する計測部と、超電導コイルに定格電流値の電流、および、定格電流値よりも小さい所定(0より大きい)の低電流値の電流のいずれかを選択的に供給する励磁電源と、計測部の計測した前記撮像空間の磁場分布に基づいて、補正磁場発生部の発生すべき前記補正磁場の分布を演算により求める演算制御部とを有する。
演算制御部は、定格電流値の電流を励磁電源から超電導コイルに供給させ、超電導コイルに定格電流値の電流が流れている状態で計測部が計測した静磁場分布に基づいて、補正磁場発生部が発生すべき前記補正磁場の分布を第1の演算により求める。その後、励磁電源によって超電導コイルの電流値を低電流値まで低減させ、低電流値の電流が超電導コイルに流れている状態で、補正磁場発生部の補正磁場を、第1の演算により求めた補正磁場の分布に設定するように操作者に報知する。上記動作を繰り返し行うことにより、静磁場不均一を低減する。
本発明によれば、磁場調整に要する期間ならびに費用を低減することができる。
実施形態1のMRI装置の全体構成を示すブロック図。 実施形態1の静磁場発生装置の斜視図。 実施形態1の演算制御部の動作を示すフローチャート。 (a)実施形態1の撮像空間の磁場の変化を示すグラフ、(b)実施形態1の静磁場不均一度の変化を示すグラフ。 (a)比較例の撮像空間の磁場の変化を示すグラフ、(b)比較例の静磁場不均一度の変化を示すグラフ。 実施形態1の超電導コイルの電流の大きさとシムトレイに働く電磁吸引力との関係を示すグラフ。 実施形態1の演算制御部3の構成を示すブロック図。 実施形態1の計測部7の計測素子7-1の配置を示す説明図。 実施形態2の演算制御部の動作を示すフローチャート。 (a)実施形態2の撮像空間の磁場の変化を示すグラフ、(b)実施形態2の静磁場不均一度の変化を示すグラフ。 実施形態2の演算制御部3の構成を示すブロック図。 磁性体シムの磁化特性(B-H特性)を示すグラフ。 撮像空間の中心の静磁場強度と、磁性体シムが発生する磁場との関係を示すグラフ。 超電導コイル4aへの供給電流値と、超電導コイル4aの発生する不整磁場およびシム鉄の発生する補正磁場との関係を示すグラフ。 実施形態2の演算制御部の動作の別の例を示すフローチャート。 実施形態2において計測された静磁場分布の低次項の分布を示すグラフ。 図16の低次項の静磁場分布を補正した状態の静磁場分布を示すグラフ。 図16の静磁場分布の設計級数以外を完全に補正した状態の静磁場分布を示すグラフ。 実施形態2の計測部7の計測素子7-1,7-2の配置を示す説明図。 実施形態2の演算制御部の動作のさらに別の例を示すフローチャート。 実施形態3の静磁場発生装置4と外部磁場発生部8の斜視図。 実施形態3の静磁場発生装置4の漏洩磁場の向きと、外部磁場発生部8のコイルの電流の向きを示す説明図。 実施形態3の演算制御部3と外部磁場発生部9の構成を示すブロック図。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<実施形態1>
本発明のMRI装置は、図1および図2に示すように静磁場発生装置4を備えている。
静磁場発生装置4は、超電導コイル4aを含み、被検体201が配置される撮像空間6に静磁場を発生する。
また、MRI装置は、撮像空間6の静磁場分布の不均一性を低減するための補正磁場を発生する補正磁場発生部1と、撮像空間6の静磁場分布を計測する計測部7と、励磁電源2と、演算制御部3とを備えている。励磁電源2は、超電導コイル4aに定格電流値I_rの電流、および、定格電流値I_rよりも小さい所定(0より大きい)の低電流値I_low(0より大きい)の電流のいずれかを選択的に供給する。演算制御部3は、計測部7の計測した撮像空間6の磁場分布に基づいて、補正磁場発生部1の発生すべき補正磁場の分布を演算により求める。
演算制御部3は、図3のフローチャートに示したように、定格電流値I_rの電流を励磁電源2から超電導コイル4aに供給させ(ステップ17)、定格静磁場B_rを撮像空間6に発生させる。超電導コイル4aに定格電流値I_rの電流が流れている状態で、計測部7が計測した定格静磁場B_rの分布を取り込む(ステップ18)。取り込んだ定格静磁場B_rの分布に基づいて、補正磁場発生部1が発生すべき補正磁場の分布を第1の演算により求める(ステップ19)。例えば、計測した定格静磁場B_rの分布を、球面調和関数などを使用して級数展開し、その結果に基づいて補正磁場の分布を求める。その後、励磁電源2によって超電導コイル4aの電流値を低電流値I_lowまで低減させる(ステップ20)。
これにより、静磁場強度を定格静磁場B_rよりも小さい低静磁場B_lowまで低減させる。低電流値I_lowの電流が超電導コイル4aに流れている状態で、補正磁場発生部1の補正磁場を、第1の演算により求めた補正磁場の分布に設定するように操作者に報知する(ステップ21)。この報知を受けて、操作者は、補正磁場発生部1の補正磁場の分布を、超電導コイル4に低電流値I_lowが流れている状態のまま設定する。具体的には、例えば磁性体シムを操作者が取り付けることにより補正磁場の設定を行う。なお、補正磁場の設定は、磁性体シムの取り付けに限らず、シムコイルに電流を流すことにより行うことも可能である。
演算制御部3は、上記ステップ17〜21の動作を繰り返し行って、その度に設定すべき補正磁場の分布を操作者に報知し、操作者が補正磁場発生部1の補正磁場の分布を調整する。これにより、静磁場不均一度を規定値以下まで低減させる(ステップ22)。
上記ステップ17〜21を繰り返し行っている間の撮像空間6の中心磁場の一例を図4(a)に示す。図4(a)のように、撮像空間6の中心磁場は、定格静磁場B_rと低静磁場B_lowとの間で繰り返し変化する。定格静磁場B_rで磁場が計測され、低静磁場B_lowで、操作者によって補正磁場が調整される。これにより、図4(b)に一例を示すように定格静磁場B_rと低静磁場B_lowの変化を繰り返すたびに、静磁場不均一度は低減し、規定値以下に到達する。
比較例として、定格静磁場B_rまで励磁して静磁場分布を計測し、完全に消磁して補正磁場を設定する場合の静磁場変化および静磁場不均一度の変化を、図5(a)、(b)にそれぞれ示す。
なお、図5(a)の静磁場の掃引速度(励磁・消磁速度)は、図4(a)と同一にしている。比較例の図5(a)を、本発明の図4(a)と比較すると、本発明は、補正磁場の設定の際に、完全に消磁せず、低静磁場B_lowまでしか静磁場を低減しないため、比較例よりも短時間で同じ回数だけ補正磁場の設定を繰り返すことができることがわかる。したがって、図4(b)および図5(b)のように、本発明は比較例よりも短時間に規定値以下の静磁場不均一度を達成することができる。また、静磁場調整のために一定の時間が与えられている場合には、従来よりも本発明の方が多くの回数、補正磁場の設定の繰り返すことができるため、静磁場不均一度をより低減することができる。
なお、低電流値I_lowは、これによって低静磁場B_lowが発生している状態で、操作者によって補正磁場発生部1の補正磁場の調整が可能な値に予め定められている。例えば、補正磁場発生部1が、磁性体シムと、磁性体シムを支持する1以上のシムトレイ13とを含む構成である場合、低静磁場B_lowが発生している状態のまま、操作者が磁性体シムが取り付けられたシムトレイ13の少なくとも一つを撮像空間6の所定位置に着脱できるように、磁性体シムに加わる電磁力の値を計算または実験により求め、低静磁場B_lowを設定する。
これをさらに詳しく説明する。シムトレイ13は、非磁性材料によって形成され、図2に示すように、静磁場発生装置4よりも撮像空間6に近い位置に着脱可能に配置される。
シムトレイ13の形状は、どのような形状でもよいが、図2の例では、所定の幅の板状のシムトレイ13を、円筒形状の静磁場発生装置4の内壁に沿うように、長軸方向を円筒の軸方向に平行に、所定の間隔で複数並べて配置した構造である。補正磁場発生部1は、シムトレイ13を上記配置に支持するシムトレイホルダ14を含む。シムトレイホルダ14は、シムトレイ13を静磁場発生装置4の端面から1枚ずつ、長軸方向に平行に引き出して取り出し可能にする構造を備えている。
操作者は、シムトレイ13を1枚ずつシムトレイホルダ14から引き出して、所定の大きさの磁性体シムを所定の位置に固定した後、再びシムトレイホルダ14に挿入することにより、撮像空間6の近傍の所定位置に所定の大きさの磁性体シムを配置することができる。これにより、補正磁場を設定することができる。演算制御部3は、補正磁場の分布として、シムトレイ13上の磁性体シムの配置を求める。
上述の低電流値I_lowは、低静磁場B_lowが発生している状態で磁性体シムが取り付けられたシムトレイ13の一つに加わる電磁吸引力が、所定のW(0より大きく例えば5)kg以下になるように設定されていることが望ましい。電磁吸引力がWkg以下である場合、操作者によって低静磁場B_low中でシムトレイ13を着脱する作業が可能になる。
なお、シムトレイ13およびシムトレイホルダ14は、Wkg以下の電磁吸引力が加わった状態でシムトレイ13をシムトレイホルダ14に着脱しても、両者にそれぞれ働く応力によって変形しない構造であることが望ましい。
図6に示すように、超電導コイル4aに供給する電流値とシムトレイ13に生じる電磁吸引力は比例するため、低電流値I_lowは、電磁吸引力がWkg以下になるように設定する。
例えば、1.5テスラの定格静磁場B_rを発生する静磁場発生装置4の場合、シムトレイに働く電磁吸引力は、10kg程度である。よって、低静磁場B_lowを1.5テスラの1/2程度に設定したならば、電磁吸引力は5kgとなり、磁性体シムが取り付けられたシムトレイを操作者の力で着脱可能になる。よって、低電流値I_lowを、定格電流値I_rの1/2以下に設定することにより、電磁吸引力を10Kg以下にすることができる。
これにより、上述の図4(a)、(b)に示したように、完全に消磁せず、低静磁場B_low中で磁性体シムが固定されたシムトレイ13をシムトレイホルダ14に挿入し、補正磁場を調整することができるため、図5(a),(b)のように完全に消磁する場合よりも短時間で静磁場の調整を行うことができる。
(MRI装置の全体構成)
ここで、本実施形態のMRI装置の全体構成の図1に基づいて説明する。MRI装置は、図1に示すように、静磁場発生装置4と、励磁電源2と、計測部7と、演算制御部3と、傾斜磁場発生系203と、送信系205と、受信系206と、信号処理系207と、シーケンサ204と、中央処理装置(CPU)208と、記憶装置219と、入力装置221と、表示装置220とを備えて構成される。
静磁場発生装置4は、超電導コイル4aを含む。発生する静磁場の向きは、垂直方向であっても、水平方向であってもよいが、ここでは一例として図2に示すように水平方向に静磁場の軸方向5が向けられた円筒形状の静磁場発生装置4を用いる。均一な静磁場が印加された撮像空間6は、図2のように円筒の内部空間に形成される。
傾斜磁場発生系203は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイル209と、傾斜磁場コイル209を駆動する傾斜磁場電源210とを含む。傾斜磁場電源10は、シーケンサ204からの指令信号に従って傾斜磁場コイル209に電流を供給し、X,Y,Z軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,Gzを撮像空間6に印加する。
送信系205は、高周波発振器211と変調器212と高周波増幅器213と送信側の高周波コイル(送信コイル)214aとを備えている。この構成により、送信系205は、被検体201にRF(高周波磁場)パルスを照射し、被検体201の生体組織を構成する原子の原子核スピンにNMR現象を生じさせる。具体的には、高周波発振器211は、RFパルスを出力し、変調器212は、シーケンサ204からの指令によるタイミングでRFパルスを振幅変調する。この振幅変調されたRFパルスは、高周波増幅器13で増幅された後に、被検体201に近接して配置された高周波コイル14aに供給され、高周波コイル14aからRFパルスが被検体201に照射される。
受信系206は、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと信号増幅器15と直交位相検波器16とA/D変換器17とを備えている。この構成により、受信系206は、被検体201の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出する。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体201の応答のNMR信号は、被検体201に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅された後、シーケンサ204からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割される。
それぞれの信号は、A/D変換器17でディジタル量に変換されてCPU208に送られる。
入力装置221は、MRI装置の各種制御情報や、CPU208が行う信号処理の制御情報をユーザーが入力するものであり、トラックボール、マウス23、キーボード等を含む。入力装置221は、表示装置220に近接して配置され、操作者が表示装置219を見ながら入力装置221を通してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
シーケンサ204は、CPU208の制御で動作し、被検体201の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系205、傾斜磁場発生系203、および受信系206に送り、これらを制御する。これにより、RFパルス及び傾斜磁場パルスの印加と、被検体が発生するエコー信号の計測とを所定のパルスシーケンスに基づいて繰り返し実行させ、撮影を行う。パルスシーケンスの種類およびパラメータは、CPU208がシーケンサ204に受け渡す。傾斜磁場は、撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)が印加され、被検体201に対するスライス面が設定される。そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
撮影時に、受信系206からのデータがCPU208に入力されると、CPU208は、所定の信号処理、画像再構成等の処理を実行し、被検体201の断層画像等を生成する。生成した断層画像等は、CPU208の制御により、表示装置220に表示されると共に、記憶装置219に記録される。
励磁電源2、計測部7および演算制御部3は、静磁場発生装置4の超電導コイル4aの励磁時および静磁場調整時に用いられる。図7に示すように、励磁電源2は、上述した低電流値I_lowと定格電流値I_rの2種類の励磁電流を供給できるように構成されている。計測部7は、定格静磁場B_rを計測可能な計測素子7-1を、図8のように撮像空間6の形状に対応した所定のパターン(例えば20プレーン)で並べて配置した構成である。図8の計測素子7-1を静磁場軸方向5を中心に回転させることにより、定格静磁場B_rの分布を計測することができる。
演算制御部3は、図7に示すように、CPU3-1と、記憶部3-2とを含む。記憶部3-2には、図3のフローの動作を実現するための磁場均一度調整プログラム3-20が予め格納されている。CPU3-1は、磁場均一度調整プログラム3-20を読み込んで実行することにより、励磁電源2を制御して、電流値を制御し、計測部7の磁場計測素子7-1の出力信号を取り込む。
磁場均一度調整プログラム3-20には、図3のステップ18の磁場計測を実現するためのプログラム3-21、ステップ19の補正磁場の分布の演算(級数展開)を実現するためのプログラム3-22、および、補正磁場の分布としてシム磁性体の配置を計算するプログラム3-23が含まれており、CPU3-1は、図3の各ステップの動作の実行時に、これらのプログラムをそれぞれ読み込んで実行する。図3の各ステップの動作は、すでに説明した通りである。求めた計算したシム磁性体の配置は、表示装置220に表示させ、操作者にシム磁性体を表示した配置で取り付けるように促す。
<実施形態2>
本発明の実施形態2の磁気共鳴イメージングシステムは、演算制御部3の動作が実施形態1とは異なる。演算制御部3は、定格静磁場B_rの状態のみならず、定格静磁場B_rに到達する前の低静磁場B_lowの状態においても静磁場分布を測定し、補正磁場の分布を求める。
具体的には、図9のフローおよび図10(a)の静磁場強度の変化を示すグラフのように、演算制御部3は、まず、励磁電源2から超電導コイル4aに低電流値I_lowを供給し、低静磁場B_lowまで励磁する(ステップ22)。この状態で、計測部7によって撮像空間の静磁場分布を計測させ、演算制御部3は、計測部7の出力を取り込む(ステップ23)。演算制御部3は、計測した静磁場の分布に基づいて、補正磁場発生部1が発生すべき補正磁場の分布を第2の演算により求める(ステップ24)。
例えば、計測した低静磁場B_lowの分布を球面調和関数などを使用して級数展開し、その結果に基づいて補正磁場の分布を求める。そして、低電流値I_lowの電流が超電導コイル4aに流れ、低静磁場B_lowが発生している状態で、補正磁場発生部1の補正磁場の分布を第2の演算により求めた補正磁場の分布に設定するように操作者に報知する(ステップ25)。例えば、表示装置220に補正磁場の分布を表示する。この報知を受けて、操作者は補正磁場発生部1に補正磁場を設定する。具体的には例えば、シムトレイ13を引き出して、シム磁性体を取り付け、再び装着する。これにより、静磁場の不均一が補正される。
その後、実施形態1と同様のステップ17〜21を実行する。すなわち、定格電流値I_r定格静磁場B_rまで励磁し(ステップ17)、静磁場分布を計測し(ステップ18)、補正磁場分布を第1の演算により求める(ステップ19)。その後、低静磁場B_lowまで磁場を低下させ(ステップ20)、補正磁場発生部1の補正磁場の分布を第1の演算により求めた補正磁場の分布に設定するように操作者に報知する(ステップ21)。これらステップ17から21をステップ18で計測した静磁場不均一度が、規定値以下になるまで繰り返す(ステップ22)。
このように、第2の実施形態では、図9のステップ22〜25において、低静磁場B_lowに到達した時点で補正磁場を設定することができるため、図10(b)のように定格静磁場B_rに到達する前に静磁場不均一度を低減することができる。よって、実施形態1の図4(a),(b)と比較すると、実施形態2によれば、実施形態1よりもさらに短時間で静磁場不均一度を規定値以下にすることができる。演算制御部3以外の構成は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
なお、図9のステップ24において、演算制御部3は、計測した低静磁場B_lowに基づいて、定格静磁場B_rの不均一度を計算により求めることが望ましい。そのため、図11に示すように、演算制御部3には、記憶部3-2に、低静磁場B_lowに基づいて求めた静磁場不均一度を定格静磁場B_rにおける静磁場不均一度に換算する不整磁場換算プログラム3-24が予め格納されていることが望ましい。また、計算により求めた定格静磁場B_rの分布の不均一度を補正する補正磁場の分布を求める際には、磁性体シムが発生する磁場が、低静磁場B_lowと定格静磁場B_rとで異なることを考慮して、磁性体シムの量および位置を決定することが望ましい。これらについて、以下説明する。
静磁場発生装置4の磁力発生源が全て超電導コイル4aであり、静磁場不均一(以下、不整磁場と称する)の発生要因は、超電導コイル4aの部品製作・組立精度に起因するとして説明する。
超電導コイル4aが発生する不整磁場成分の磁場強度は、電流に比例する。即ち、中心磁場に対する相対表示値(単位:ppm)は一定となる。
一方、不整磁場補正に使用する磁性体シムは一般に、電磁鋼板(珪素鋼板)を用いるが、その磁化特性(BH特性)は、例えば図12に示す通りである。磁束密度は、磁界強度:1×104[A/m]付近から飽和傾向となる。1×104[A/m]は、空気中の磁束密度に換算すると、1.26×10-2[Tesla]である。低静磁場B_lowは、磁性体シムが飽和する磁界強度1.26×10-2[Tesla]よりも十分大きくなるように設定しておく。
具体例として、撮像空間6の定格静磁場B_rの強度が3.0[Tesla]の場合、低静磁場B_lowは、1.5[Tesla]または0.75[Tesla]に設定する。これら低静磁場B_lowは、磁性体シムが飽和する1.26×10-2[Tesla]よりも2桁大きいため、磁性体シムが撮像空間6の中心付近に発生する磁場は、定格静磁場B_r(=3.0[Tesla])であっても、B_low(例えば、1.5又は0.75[Tesla])であっても、概ね同じ値になる。
図13には、同一の配置位置および配置量の磁性体シムが、中心磁場強度0.75T、1.5T、3.0Tの撮像空間6に対して、撮像空間6の中心に発生する補正磁場量のを計算機シミュレーションにより算出した結果を示す。図13における各磁場成分(A(1,0)、・・・(B(2,1))は、中心磁場が0.75T、1.5T、3.0Tに対し、球面調和関数にて級数展開した展開係数項の値を磁場強度(Tesla)に換算した数値である。
なお、磁場成分の表記のAは、回転対称であることを、Bは、非対称であることをそれぞれ示し、括弧内の左側の数値は次数を、右側の数値は回転方向を表す。図13からも明らかなように、磁性体シムが発生する補正場強度は、撮像空間0.75T、1.5T、3.0Tで概ね同一の値となる。なお、図13の磁性体シムが発生する磁場強度のグラフは、撮像空間0.75T、1.5T、3.0Tと中心磁場強度が変化するにつれ多少傾斜しているが、この傾斜は、B=M+μ0*Hにて示される、磁界Hとμ00:真空の透磁率(=4π×10-7))の項を表している。この傾斜分は、理論上、補正磁場によって補償可能であるが、本説明ではほぼ一定値と近似して説明する。
図14に、超電導コイル4aが発生する不整磁場量、および、磁性体シムが発生する補正磁場量と、超電導コイル4aに供給する電流値との関係の一例を示す。超電導コイル4aの位置や組立の誤差に起因して超電導コイル4aが発生する不整磁場量は、超電導コイル4a電流に比例する。これに対し、磁性体シムが発生する補正磁場量は、磁性体シムの磁化が概ね飽和する電流値Isまでは、超電導コイル4aに供給する電流値が大きくなるにつれ急速に大きくなるが、電流値Isを超えると大きく変化せず、定格電流値I_rにおける磁性体シムの補正磁場量に漸近する。図12を用いて説明したように、低静磁場B_lowの値は、磁性体シムの飽和する磁場よりも十分大きくなるように設定されているので、低静磁場B_lowを発生させる低電流値I_lowは、飽和のための電流値Isよりも十分大きい。
よって、磁性体シムの発生する補正磁場は、低静磁場B_lowを発生させる低電流値I_lowであっても、定格静磁場B_rを発生させる定格電流値I_rであってもほぼ変わらないことが図14からもわかる。
したがって、図9のステップ24において、演算制御部3は、超電導コイル4aの不整磁場と、磁性体シムの発生する磁場量とが、低静磁場B_lowと定格静磁場B_rとで上述のように変化する関係を利用し、計測した低静磁場B_lowに基づいて定格静磁場B_rの分布の不均一度を計算により求め、磁性体シムの量および配置を決定することができる。具体的には、ステップ24においては、演算制御部3は、ステップ23で計測した計測結果を球面調和関数にて級数展開し、低静磁場B_lowにおける不整磁場量を算出する。ここでは、簡略化のため、静磁場発生装置周辺に位置する強磁性体が発生する磁場(環境磁場)はゼロと仮定する。
図14に示したように、超電導コイル4aの位置や組立の誤差に起因して超電導コイル4aが発生する不整磁場量は、超電導コイル4aの電流に比例するため、低静磁場B_lowにおける不整磁場量に、B_r/B_lowを乗じることにより、定格静磁場B_rにおける不正磁場量を算出することができる。
一方、磁性体シムの発生する磁場の大きさは、低静磁場B_lowであっても定格静磁場B_rであってもほぼ変わらないため、上記計算により求めた定格静磁場B_rにおける不正磁場量を補正するための磁性体シムの量および配置を公知の演算によって算出すればよい。
求めた磁性体シムの量および配置は、図9のステップ25において、操作者に報知され、低静磁場B_lowが発生している状態でシムトレイ13を引き出して、磁性体シムをセットする。ステップ25によって磁性体シムが配置されたことを、例えば操作者による入力装置221の操作により確認したならば、演算制御部3は、ステップ17に進み、定格静磁場B_rまで励磁し、ステップ18において静磁場分布を計測する。
なお、磁性体シムの磁化の誤差や、磁性体シムの配置ミス(ヒューマンエラー)や、計測誤差等の誤差要因を最小限とするために、図15に示すように、ステップ25によって操作者により磁性体シムが配置された後、ステップ17に進む前に、低静磁場B_lowが発生しているままの状態で、演算処理部3は再度撮像空間6の静磁場分布を計測してもよい(ステップ23-2)。
これにより、磁性体シム配置後の静磁場分布が計測できる。計測した静磁場分布から、上述のステップ24と同様に、定格静磁場B_rにおける不整磁場を算出し、算出した不整磁場から磁性体シムの量および配置を再度計算により求める(ステップ24-2)。求めた磁性体シムの量および配置をステップ25と同様に操作者に報知する(ステップ25-2)。これにより、ステップ17に進んで時間をかけて定格静磁場B_rまで励磁する前に、低静磁場B_lowのまま、取り付けた磁性体シムの磁化の誤差や、磁性体シムの配置ミス(ヒューマンエラー)や、計測誤差等の誤差を修正することができるため、定格静磁場B_rまで励磁した後の静磁場不均一度をより小さくすることができ、効率よく静磁場均一度の調整を行うことができる。これにより、静磁場不均一度が規定値以下になるまでに必要なステップ17〜21の繰り返し回数を低減することができる。
なお、静磁場発生装置4が、超電導コイル4aのみではなく、通称で磁性体リングと呼ばれる補助的に静磁場を補償する強磁性体や静磁場補償手段を含んでいてもよい。その場合には、静磁場発生装置4の不整磁場は、図14の超電導コイル4aの不整磁場に、磁性体リングの不整磁場を加算する必要があり、不整磁場強度が、静磁場強度に比例しない。
このような場合、磁性体リングを備えた静磁場発生装置4が発生する不整磁場を、定格静磁場B_rと低静磁場B_lowについて計算機シミュレーションや実験等により予め求め、低静磁場B_lowの不整磁場と定格静磁場B_rの不整磁場との関係(例えば係数や数式)を算出しておく。図9や図15のステップ24やステップ24-2では、計測した静磁場分布から求めた低静磁場B_lowにおける不整磁場と、上述の関係とに基づいて、定格静磁場B_rにおける不整磁場を算出する。
また、同様に、磁石周辺に建築材料等の強磁性体が位置し、静磁場発生装置4の漏洩磁場によって磁化され、環境磁場を発生している場合、不整磁場強度が静磁場強度に比例しない。このような場合も、磁性体リングの場合と同様に、予め計算機シミュレーションや実験等により、低静磁場B_lowの不整磁場と定格静磁場B_rの不整磁場との関係(例えば係数や数式)を算出しておき、図9や図15のステップ24やステップ24-2において、計測した静磁場分布から求めた低静磁場B_lowにおける不整磁場と、上述の関係とに基づいて、定格静磁場B_rにおける不整磁場を算出することが望ましい。
また、上述してきた実施形態2では、低静磁場B_lowにおいて、静磁場分布の計測と補正磁場の設定(磁性体シムの配置)とを行っているが、低静磁場B_lowの強度は、定性的には、
1)定格静磁場B_rの強度により近い(高い磁場強度)方が、精度よく定格静磁場B_rにおける不整磁場量を算出できる、
一方で、
2)定格静磁場B_rより十分低い方が、磁性体シム材に働く電磁吸引力が小さく、磁性体シムの取り付け作業の効率は向上する、
という特徴がある。
そこで、上記1)、2)を考慮して、図9のステップ22において、低静磁場B_lowとして、定格静磁場B_rの強度の2/3の磁場強度を設定し、静磁場分布を計測し、磁場補正量を求め(ステップ23,24)、ステップ25の前に、低静磁場B_lowとして、ステップ22の低静磁場B_lowよりも小さい、定格静磁場B_rの1/3の磁場強度を設定し、操作者に磁性体シムの取り付けを報知して促す(ステップ25)構成にすることも可能である。
なお、ステップ24では、球面調和関数などの級数展開により不整磁場成分を求めているが、静磁場発生装置4の発生する不整磁場は、不静磁場成分のうち、低次項の方が高次項よりも値が大きい傾向にある。そのため、全体的な静磁場均一度、例えば、45〜50cm球のピーク・トゥ・ピーク値を低下させるためには、低次項の不整磁場成分を低減するのが効果的である。そこで、図9のステップ24において、不整磁場成分を求めるために球面調和関数などの級数展開を行い、低次項(例えば1〜4次項)のみ選択して、低次項を低減するように磁性体シム材の配置量・位置の計算を実施してもよい。このときの、静磁場均一空間の磁場分布の変遷を図16〜図18に示す。
図16は、ステップ24で演算により求めた不整磁場成分のZ1〜Z4の項を示しており、Z1〜Z3はそれぞれ約100ppm、Z4は約20ppmである。図17は、磁性体シムによりZ1〜Z4を9割程度補正した場合の磁場分布を示している。図18は、静磁場調整が完了し、仕様値に到達した後の静磁場均一空間の磁場分布を示す。この場合の静磁場均一度は、50cm球面上で、15ppm(ピークtoピーク値)を示す。また、図18においては、前述の静磁場発生装置4の主磁場を発生する超電導コイル4a(または磁性体リング)のターン数が5〜6個の場合を示している。
このとき、超電導コイル4aは、製作誤差などに起因する不正磁場成分がない設計上の理想的な状態において、概ねZ10項以上の不正磁場成分が残留する。高次成分(例えばZ10項以上)の不正磁場成分は、主磁場発生源(例えば、上記超電導コイル4a)からの距離のN乗(Z10項の場合、10乗)に反比例して減衰する特徴があり、撮像空間領域(例えば、50cm球面内)では、不正磁場成分は無視できる量となる。
同様に、不整磁場の低次項が高次項に比べ値が大きく、低次項の不整磁場の低減が不整磁場の低減に効果的であることを考慮し、図9のステップ23の低静磁場B_lowの静磁場分布の計測に用いる計測部7として、ステップ18において定格静磁場B_rの静磁場分布の計測に用いる計測部7よりも計測素子数(プレーン数)の少ないものを使用してもよい。例えば、図19に示すように、定格静磁場B_r用の20〜24プレーン(図19は20プレーンの場合)の計測素子7-1と低静磁場B_low用の15プレーンの計測素子7-2の双方を備えた計測部7を用い、演算制御部3は、計測素子7-1および計測素子7-2のいずれかの検出結果を選択的に取り込むように構成することができる。
上述してきた実施形態2では、低静磁場B_lowにおいて静磁場の計測を行うのは、1回目の低静磁場B_lowのときのみであり(図9のステップ22〜25)、定格静磁場B_rと低静磁場B_lowを繰り返のステップ17〜21においては、定格静磁場B_rにおいてのみ静磁場の計測を行う構成であった。しかしながら、本発明は、この構成に限定されるものではなく、図20のように、ステップ17〜21の後に、図9、図15のステップ23、24、25と同様のステップ23-3、23-4,23-5を行ってもよい。これにより、ステップ21の報知によって操作者に配置された磁性体シムの誤差の有無を確認し、修正することができるため、静磁場不均一度が規定値以下になるまでに必要なステップ17〜21の繰り返し回数を低減することができる。なお、図20のステップ23-2、23-2,23-2は省略することもちろん可能である。
<実施形態3>
実施形態3では、磁石周辺に位置する強磁性体が発生する磁場を、低静磁場B_lowにおいて精度よく計測するために、図21に斜視図を示すように、外部磁場発生部8を静磁場発生装置4の外側に配置する。外部磁場発生部8は、低電流値I_lowの電流が超電導コイル4aに流れている低静磁場B_lowの状態における静磁場発生装置4の周囲への漏洩磁場の大きさを、定格電流値I_rの電流が超電導コイル4aに流れている定格静磁場B_rの状態の漏洩磁場と同等にするために、静磁場発生装置4の周囲に対して磁場を発生する。
これにより、定格静磁場B_rより小さい低静磁場B_lowで静磁場分布を計測する図9等のステップ23において、静磁場発生装置4からの漏洩磁場が小さくなり、その結果、磁石周辺の強磁性体の磁化が定格静磁場B_rの時よりも弱まり、不整磁場も弱まるという問題が生じない。よって、ステップ24において低静磁場B_lowで計測した不整磁場から、定格静磁場B_rにおける不整磁場をより精度よく求めることができる。
外部磁場発生部8は、複数ターンのコイルを含む構成とする。複数ターンのコイルには、電流を供給する外部磁場発生部用電源9が接続されている。外部磁場発生部用電源は、演算制御部3によって制御される。
図21では、一例として、円筒型静磁場発生装置4と床面部との間に外部磁場発生部8の配置した例を示している。図22は、外部磁場発生部8のコイルの電流の向きを示している。図23は、実施形態3のMRI装置の一部のブロック図である。
図22に示すように、円筒形静磁場発生装置4の漏洩磁場は、静磁場の軸方向5に平行に静磁場発生装置4の内部空間の端面側から放出され、反対側の端面に戻る1次成分10と、超電導磁石の近傍における3次成分12の強度が大きい。外部磁場発生部8のコイルの形状や向き、および供給する電流の向き11は、予め計算機シミュレーションや実測しておいた定格静磁場B_rにおける漏洩磁場(10、12)と同等の磁場分布を、低静磁場B_lowにおいても発生するように設計される。また、外部磁場発生部8に外部磁場発生部用電源9から供給する電流値は、演算制御部3によって制御される。
演算制御部3は、図9等のステップ22、22-2,22-3において、低静磁場B_lowを設定するために励磁電源2に低電流値I_lowの供給を指示したならば、同時に外部磁場発生部用電源9に外部磁場発生部8のコイルに予め定めた電流を供給するように指示する。これにより、低静磁場B_lowの状態における静磁場発生装置4の周囲への漏洩磁場の大きさを、定格電流値I_rの電流が超電導コイル4aに流れている定格静磁場B_rの状態の漏洩磁場と同等にすることができる。
実施形態3のMRI装置の他の構成は、実施形態1および2と同様であるので説明を省略する。
実施形態3によれば、図9等のステップ24等において低静磁場B_lowで計測した不整磁場から、定格静磁場B_rにおける不整磁場をより精度よく求めることができるため、磁性体シムによって静磁場調整の精度が向上し、規定値以下に静磁場不均一度が到達するまでのステップ17〜ステップ21の繰り返し回数を低減することができる。よって、短時間に静磁場調整を行うことができる。
上述してきた実施形態1〜3によれば、磁場調整の全プロセスが短縮され、クエンチや液体ヘリウムの浪費を伴う消磁および励磁の回数を最小限とし、かつ、粗調整工程に要する工数を短縮し、微調整工程を充実させることができる。よって、磁場調整に要する期間ならびに費用を低減することのできるMRIシステムを提供する。
また、静磁場調整プロセスの高効率化が可能となり、高均一な静磁場空間を達成し、高画質なMRI装置を提供することができる。さらに、最終据付場所における磁場調整が簡便になるため、顧客への引き渡し時間が短縮できるというメリットもある。
1 補正磁場発生部、2 励磁電源、3 演算制御部、4 静磁場発生装置、4a 超電導コイル、6 撮像空間、7 計測部、7-1 計測素子、8 外部磁場発生部、9 外部磁場発生部用電源、10 漏洩磁場(一次成分)、12 漏洩磁場(三次成分)、13 シムトレイ、14 シムトレイホルダ

Claims (17)

  1. 超電導コイルを含み、被検体が配置される撮像空間に静磁場を発生する静磁場発生装置と、
    前記撮像空間の静磁場分布の不均一性を低減するための補正磁場を発生する補正磁場発生部と、
    前記撮像空間の静磁場分布を計測する計測部と、
    前記超電導コイルに定格電流値の電流、および、前記定格電流値よりも小さい所定(0より大きい)の低電流値の電流のいずれかを選択的に供給する励磁電源と、
    前記計測部の計測した前記撮像空間の磁場分布に基づいて、前記補正磁場発生部の発生すべき前記補正磁場の分布を演算により求める演算制御部とを有し、
    前記演算制御部は、
    前記定格電流値の電流を前記励磁電源から前記超電導コイルに供給させ、前記超電導コイルに前記定格電流値の電流が流れている状態で前記計測部が計測した静磁場分布に基づいて、前記補正磁場発生部が発生すべき前記補正磁場の分布を第1の演算により求めた後、前記励磁電源によって前記超電導コイルの電流値を前記低電流値まで低減させ、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で、前記補正磁場発生部の前記補正磁場を、前記第1の演算により求めた補正磁場の分布に設定するように操作者に報知する、
    動作を繰り返すことを特徴とする磁気共鳴イメージングシステム。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージングシステムにおいて、
    前記演算制御部は、前記超電導コイルの電流が前記定格電流値の到達する前に、前記低電流値の電流に到達したならば、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で前記計測部が計測した前記静磁場分布に基づいて、前記補正磁場発生部が発生すべき補正磁場の分布を第2の演算により求め、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で、前記補正磁場発生部の前記補正磁場を、前記第2の演算により求めた補正磁場の分布に設定するように操作者に報知する、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージングシステム。
  3. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージングシステムにおいて、
    前記演算制御部は、前記報知後、前記補正磁場発生部に対して前記補正磁場の分布が操作者により設定されたならば、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で前記計測部が計測した前記静磁場分布に基づいて、前記補正磁場発生部が発生すべき補正磁場の分布を第2の演算により求め、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で、前記補正磁場発生部の前記補正磁場を、前記第2の演算により求めた補正磁場の分布に設定するように操作者に報知する、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージングシステム。
  4. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージングシステムにおいて、
    前記演算制御部は、前記補正磁場の分布を前記第2の演算により求める際に、計測した前記静磁場分布の不均一度から、前記定格電流値が前記超電導コイルに流れている状態の前記静磁場分布の不均一度を計算により求め、求めた静磁場分布の不均一度に基づいて前記補正磁場の分布を求めることを特徴とする磁気共鳴イメージングシステム。
  5. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージングシステムにおいて、前記補正磁場発生部は、磁性体シムと、前記磁性体シムを支持する1以上のシムトレイとを含み、前記シムトレイは、前記静磁場発生部よりも前記撮像空間に近い位置に着脱可能に配置され、
    前記演算制御部は、前記補正磁場の分布として、前記シムトレイ上の前記磁性体シムの配置を求めることを特徴とする磁気共鳴イメージングシステム。
  6. 請求項5に記載の磁気共鳴イメージングシステムにおいて、前記低電流値は、前記低電流値が流れる超電導コイルによって発生される静磁場中で、前記操作者が前記磁性体シムが取り付けられた前記シムトレイの1つの着脱可能な値に設定されていることを特徴とする磁気共鳴イメージングシステム。
  7. 請求項5に記載の磁気共鳴イメージングシステムにおいて、前記低電流値は、当該低電流値が流れる超電導コイルによって発生される静磁場により、前記磁性体シムが取り付けられた前記シムトレイの一つに加わる電磁吸引力が、0Kgより大きく5Kg以下になる値に設定されていることを特徴とする磁気共鳴イメージングシステム。
  8. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージングシステムにおいて、前記計測部は、前記超電導コイルに前記定格電流値が流れている状態で静磁場分布を計測する定格静磁場用計測素子と、前記低電流値が流れている状態で静磁場分布を計測する計測素子とを有することを特徴とする磁気共鳴イメージングシステム。
  9. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージングシステムにおいて、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態の前記静磁場発生装置の周囲への漏洩磁場の大きさを、前記定格電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態の漏洩磁場と同等にするために、前記静磁場発生装置の周囲に対して磁場を発生する外部磁場発生部をさらに有することを磁気共鳴イメージングシステム。
  10. 超電導コイルを含み、被検体が配置される撮像空間に静磁場を発生する静磁場発生装置の前記撮像空間の静磁場分布を計測する計測部と、
    前記超電導コイルに定格電流値の電流、および、前記定格電流値よりも小さい所定(0より大きい)の低電流値の電流のいずれかを選択的に供給する励磁電源と、
    前記撮像空間の静磁場分布の不均一性を低減するために、前記撮像空間の近傍に配置された補正磁場発生部の発生すべき補正磁場の分布を、前記計測部の計測した前記撮像空間の磁場分布に基づいて演算により求める演算制御部とを有し、
    前記演算制御部は、
    前記定格電流値の電流を前記励磁電源から前記超電導コイルに供給させ、前記超電導コイルに前記定格電流値の電流が流れている状態で前記計測部が計測した静磁場分布に基づいて、前記補正磁場発生部が発生すべき前記補正磁場の分布を第1の演算により求めた後、前記励磁電源によって前記超電導コイルの電流値を前記低電流値まで低減させ、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で、前記補正磁場発生部の前記補正磁場を、前記第1の演算により求めた補正磁場の分布に設定するように操作者に報知する、
    動作を繰り返すことを特徴とする静磁場均一度調整システム。
  11. 請求項10に記載の静磁場均一度調整システムにおいて、
    前記演算制御部は、前記超電導コイルの電流が前記定格電流値の到達する前に、前記低電流値の電流に到達したならば、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で前記計測部が計測した前記静磁場分布に基づいて、前記補正磁場発生部が発生すべき補正磁場の分布を第2の演算により求め、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で、前記補正磁場発生部の前記補正磁場を、前記第2の演算により求めた補正磁場の分布に設定するように操作者に報知する、
    ことを特徴とする静磁場均一度調整システム。
  12. 請求項10に記載の静磁場均一度調整システムにおいて、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態の前記静磁場発生装置の周囲への漏洩磁場の大きさを、前記定格電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態の漏洩磁場と同等にするために、前記静磁場発生装置の周囲に対して磁場を発生する外部磁場発生部をさらに有することを特徴とする静磁場均一度調整システム。
  13. 静磁場発生装置の超電導コイルに定格電流値の電流が流れている状態で、撮像空間の静磁場分布の不均一度を計測する第1ステップと、
    前記第1ステップで計測した静磁場分布に基づいて、撮像空間の近傍に配置された補正磁場発生部が発生すべき補正磁場の分布を演算により求める第2ステップと、
    前記超電導コイルの電流値を、前記定格電流値よりも小さい所定(0より大きい)の低電流値まで低減し、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で、前記補正磁場発生部の補正磁場を前記演算により求めた前記補正磁場に設定するように操作者に報知する第3ステップとを、繰り返し行うことを特徴とする静磁場発生装置の磁場均一度調整方法。
  14. 請求項13に記載の静磁場発生装置の磁場均一度調整方法において、前記第1のステップの前に、前記超電導コイルの電流値が前記低電流値に達したならば、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で静磁場分布を計測する第1-1のステップと、 前記第1-1のステップの計測結果に基づいて、前記補正磁場発生部が発生すべき前記補正磁場の分布を演算により求める第1-2のステップと、
    前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で、前記補正磁場発生部の補正磁場を前記第1-2のステップで求めた前記補正磁場に設定するように操作者に報知する第1-3のステップとを行うことを特徴とする静磁場発生装置の磁場均一度調整方法。
  15. 請求項13に記載の静磁場発生装置の磁場均一度調整方法において、前記繰り返しのために前記第3のステップの後に再び第1のステップを行う前に、
    前記報知により操作者が前記補正磁場発生部に前記補正磁場を設定したならば、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で静磁場分布の不均一度を計測する第4のステップと、
    前記第4のステップの計測結果に基づいて、前記補正磁場発生部が発生すべき前記補正磁場の分布を演算により求める第5のステップと、
    前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で、前記補正磁場発生部の補正磁場を前記第5のステップで求めた前記補正磁場に設定するように操作者に報知する第6のステップとを行うことを特徴とする静磁場発生装置の磁場均一度調整方法。
  16. 静磁場発生装置の超電導コイルに定格電流値の電流が流れている状態で、撮像空間の静磁場分布を計測したデータを取り込む第1ステップと、
    前記第1ステップで取り込んだ静磁場分布に基づいて、撮像空間の近傍に配置された補正磁場発生部が発生すべき補正磁場の分布を演算により求める第2ステップと、
    前記超電導コイルの電流値を、前記定格電流値よりも小さい所定(0より大きい)の低電流値まで低減させるように指示した後、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で、前記補正磁場発生部の補正磁場を前記演算により求めた前記補正磁場に設定するように操作者に報知する第3ステップとを、繰り返し、コンピュータに実行させることを特徴とする静磁場発生装置の磁場均一度調整プログラム。
  17. 請求項16に記載の静磁場発生装置の磁場均一度調整プログラムにおいて、前記第1のステップの前に、前記超電導コイルの電流値が前記低電流値に達したならば、前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で静磁場分布を計測する第1-1のステップと、
    前記第1-1のステップの計測結果に基づいて、前記補正磁場発生部が発生すべき前記補正磁場の分布を演算により求める第1-2のステップと、
    前記低電流値の電流が前記超電導コイルに流れている状態で、前記補正磁場発生部の補正磁場を前記第1-2のステップで求めた前記補正磁場に設定するように操作者に報知する第1-3のステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする静磁場発生装置の磁場均一度調整プログラム。
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