JP6887845B2 - 核磁気共鳴装置 - Google Patents

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Description

本発明は、核磁気共鳴装置に関し、特に、静磁場の変動を観察するための信号の送受信を制御する技術に関する。
磁気共鳴測定装置として、核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)測定装置、及び、電子スピン共鳴(ESR:Electron Spin Resonance)測定装置が知られている。NMR測定装置に類する装置として、磁気共鳴画像(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置も知られている。以下、NMR測定装置について説明する。
NMR測定装置は、静磁場中におかれた試料に高周波信号を照射し、その後、試料から出る微小な高周波信号(NMR信号)を検出し、NMR信号に含まれる分子構造情報を抽出することで分子構造を解析する装置である。
NMR測定においては、一般的に、静磁場が均一であるほど、得られるスペクトルの分解能と感度が向上する。そこで、通常のNMR測定装置では、補助コイルとして、試料の近傍にシムコイルが設けられ、そのシムコイルに流れるシム電流の量を制御することで、静磁場の均一化を図っている。
静磁場を均一に保つために、通常、シムコイルに流れるシム電流を、静磁場の変動に合わせて僅かずつ変化させ、観測されるNMR信号の分解能を追尾する方法が採用される。この方法はロックと呼ばれている。この目的のためのNMR信号には、通常、試料中の重水素溶媒に由来する重水素核(H核)のNMR信号(ロック受信信号)が用いられる。
静磁場の均一度が高いと、装置分解能が高まることでロック受信信号の線幅が細くなり、その結果、信号の高さが高くなる。すなわち、ロック受信信号の高さと装置分解能には相関関係があり、ロック受信信号の高さが高いほど装置分解能も高いことになる。
上記のロックを行うために、NMR測定装置にはロック送受信回路が設けられる。ロック送受信回路は、静磁場の変動を観察するための重水素核(ロック核)を励起するためのロック送信信号をNMRプローブに送信し、重水素核のNMR信号(ロック受信信号)を受信する回路である。重水素核のNMR信号(ロック受信信号)をモニタし、そのNMR信号の強度が最も高くなるように、シムコイルに流れるシム電流の量が制御される(特許文献1参照)。
特開2010−25896号公報
ところで、従来のロック送受信回路は、一定の時間間隔で、ロック送信信号の送信とロック受信信号の受信とを繰り返しているに過ぎず、様々な用途に対応して送受信を行っているわけではない。
本発明の目的は、ロック送受信回路を備えた核磁気共鳴装置において、ロック送受信回路による送受信を用途に応じて制御できるようにすることにある。
本発明は、核磁気共鳴測定用の静磁場の変動を観察するためのロック核を励起するためのロック送信信号をNMRプローブに送信し、ロック核のNMR信号をNMRプローブから受信するロック送受信回路と、前記ロック送受信回路に接続され、振幅変調、周波数変調及び位相変調の中の少なくとも1つを組み合わせたパルスシーケンスに基づいて前記ロック送信信号の生成を制御するロック用シーケンサーと、を有することを特徴とする核磁気共鳴装置である。
上記の構成によれば、ロック用シーケンサーを用いて、振幅変調、周波数変調及び位相変調の中の少なくとも1つを実行することで、用途に応じたロック送信信号を生成して送信することが可能となる。これにより、核磁気共鳴装置の自由度が高くなる。
前記ロック送信信号はパルス状の信号であり、前記ロック用シーケンサーは、前記ロック送信信号に対する振幅変調の適用を制御することで、前記ロック送信信号の立ち上がり部分と立ち下がり部分を鈍らせてもよい。
上記の構成によれば、ロック送信信号の立ち上がり部分と立ち下がり部分における振幅を緩やかに変化させることができるので、ロック送信パルスのスペクトルの帯域を狭くして、ロックに起因する不要信号を小さくすることが可能となる。
前記ロック用シーケンサーは、前記ロック送信信号の送信タイミングを可変制御してもよい。例えば、用途に応じて、その送信タイミングを変えてもよい。
前記ロック送受信回路は、前記ロック送信信号を送受信切替回路を介して前記NMRプローブに送信するロック送信回路と、ロック核のNMR信号を前記送受信切替回路を介して前記NMRプローブから受信するロック受信回路と、を含み、前記送受信切替回路は、送信時、前記ロック送信回路と前記NMRプローブとを接続し、受信時、前記ロック受信回路と前記NMRプローブとを接続し、送信時と受信時とでその接続先を切り替えるスイッチであり、前記ロック用シーケンサーは、ロック送信信号毎に、送信のタイミングを変えてもよい。
上記の構成によれば、スイッチの切り替えに起因するノイズが拡散されるので、不要信号の周波数成分を分散させて、ロックに起因するノイズを小さくすることが可能となる。
前記ロック用シーケンサーは、ロック核のNMR信号の受信期間後に待機期間を設定し、その待機期間後に、ロック送信信号が送信されるように前記ロック送信回路を制御し、ロック送信信号が送信される度に、前記待機期間を変更してもよい。
上記の構成によれば、ロック送信信号の送信毎に待機期間が変更されるので、スイッチの切り替えに起因するノイズを拡散させることが可能となる。
前記ロック用シーケンサーは、ロック送信信号が送信される度に、前記待機期間の長さをランダムに変更してもよい。
前記ロック用シーケンサーのシステムクロックに対して周波数拡散が適用されることで、前記ロック用シーケンサーは、ロック送信信号の送信タイミングをロック送信信号毎に変更してもよい。
前記ロック用シーケンサーは、広帯域パルスを含む送信信号の送信を更に制御してもよい。
前記ロック用シーケンサーは、デカップリング用の送信信号の送信を更に制御してもよい。
本発明によれば、ロック送受信回路を備えた核磁気共鳴装置において、ロック送受信回路による送受信を用途に応じて制御することが可能となる。
本発明の実施形態に係るNMR測定装置を示す図である。 送信タイミングと受信タイミングを説明するための図である。 振幅変調が適用されていないロック送信パルスをオシロスコープで観測した結果の一例を示す図である。 振幅変調が適用されたロック送信パルスをオシロスコープで観測した結果の一例を示す図である。 バンドパスフィルターを通したロック送信パルスをオシロスコープで観測した結果の一例を示す図である。 振幅変調が適用されていないロック送信パルスをスペクトルアナライザーで観測した結果の一例を示す図である。 振幅変調が適用されたロック送信パルスをスペクトルアナライザーで観測した結果の一例を示す図である。 バンドパスフィルターが適用されたロック送信パルスをスペクトルアナライザーで観測した結果の一例を示す図である。 ロック送信パルスとスペクトルの一例を示す図である。 矩形波とsinc関数との関係を説明するための図である。 各種の窓関数の特性を説明するための図である。 ロック用のシーケンスの一例を示す図である。 WURSTデカップリングプロファイルの一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るNMR測定装置について説明する。図1には、本実施形態に係るNMR測定装置の一例が示されている。NMR測定装置10は、試料中の観測核によって生じたNMR信号を測定する装置である。
NMR測定装置10は、大別して、図示しない静磁場発生装置と、NMRプローブ12と、ホストコンピューター14と、NMR分光計16と、を含む。
NMRプローブ12は、図示しない送受信コイルを備えた挿入部12Aと、その根元部分に相当する筐体部12Bと、によって構成される。NMR測定では、NMR測定用の高周波信号(RF送信信号)が生成され、そのRF送信信号がNMRプローブ12内の送受信コイルに供給される。図1に示す例では、NMRプローブ12は、3つのポートを備えており、3つのRF送信信号がNMRプローブ12に供給される。もちろん、1つ又はそれ以上の個数のポートを備えたNMRプローブを利用することも可能である。挿入部12Aは、円筒形を有し、図示しない静磁場発生装置に形成された円筒状の空洞部内に挿入される。送受信コイルにRF送信信号が供給されると、そこで電磁波が生じ、観測核において共鳴吸収現象が生じる。その後、送受信コイルに誘起されるNMR信号(RF受信信号)がNMRプローブ12からNMR分光計16に送られ、そのNMR信号のスペクトルが解析される。
NMRプローブ12は、3つのポートとして、主に水素核(H核)やフッ素核(19F核)を測定するための観測チャンネル18(HFチャンネル)と、リン核(31P核)の周波数以下の共鳴周波数を有する核(例えば、13C核、15N核、29Si核、31P核)を測定するための観測チャンネル20(LFチャンネル)と、ロック核としての重水素核(H核)を測定するための観測チャンネル22(LOCKチャンネル)と、を備えている。
ホストコンピューター14は、パルスシーケンスプログラムを生成する機能を有する。パルスシーケンスプログラムは、所望のNMR測定を実現するためのパルスシーケンスを記述したものであり、それはユーザーによって又は自動的に生成される。パルスシーケンスプログラムはホストコンピューター14からNMR分光計16の分光計制御コンピューター24へ送られる。ホストコンピューター14は、一般的なパーソナルコンピューターで構成され得る。
分光計制御コンピューター24は、以下に説明する送受信ユニット26の動作を制御し、また送受信ユニット26から得られる受信データを解析する機能を有する。分光計制御コンピューター24は、パルスシーケンスプログラムを命令列に変換する命令列生成部28を備えている。命令列生成部28は、例えばコンパイラーとして構成される。命令列生成部28は、送受信ユニット26を制御するための命令列を生成しており、命令列が送受信ユニット26に送られる。なお、送受信ユニット26がパルスシーケンスプログラムを解釈して命令列を生成してもよい。また、分光計制御コンピューター24において、圧縮構造等によって構成される中間命令列を生成してそれを転送し、送受信ユニット26において中間命令列を展開することで非圧縮の命令列を再構成してもよい。特に、転送時の転送レート(データ量)が問題となる場合、上述のように圧縮された中間命令列を転用するのが望ましい。
また、分光計制御コンピューター24は、受信信号解析部30を備えている。受信信号解析部30は、NMR信号(RF受信信号)をスペクトル解析するFFT演算機能を備えている。分光計制御コンピューター24は、スペクトル解析機能の他、NMR測定において必要となる制御機能、解析機能及び管理機能を備えている。
分光計制御コンピューター24は、通信バス32を経由して、送受信ユニット26に接続されている。図1に示す例では、分光計制御コンピューター24は、ホストコンピューター14に対してネットワークを介して接続されている。分光計制御コンピューター24は、例えば、専用又は汎用のコンピューターによって構成される。
なお、ホストコンピューター14と分光計制御コンピューター24が一体化されていてもよい。また、複数の分光計制御コンピューター24が構成されてもよい。更に、分光計制御コンピューター24の機能の一部又は全部をホストコンピューター14に搭載してもよい。
以下、送受信ユニット26について説明する。送受信ユニット26は、NMR測定で必要となるRF送信信号を生成し、またNMR測定結果であるNMR信号(RF受信信号)を処理する機能を備えている。送受信ユニット26又はそれと分光計制御コンピューター24とを合わせた部分(NMR分光計16)をNMR測定装置と称することも可能である。
命令用メモリー34には、分光計制御コンピューター24から送られてきた命令列が格納される。例えば、命令列が一旦、中間命令列に変換されている場合、図示しない演算処理部によって、その中間命令列から最終的な命令列が生成(再構成)される。もちろん、他の回路によって命令列が生成されてもよい。命令用メモリー34上には、命令列を後述のシーケンサー単位で格納する複数の記憶領域(例えばFIFO)が設けられている。各シーケンサーの内部にそのような記憶領域が設けられてもよい。
本実施形態においては、命令用メモリー34に加えて、制御レジスター用メモリー36が設けられている。制御レジスター用メモリー36上にはレジスター領域が設定され、そのレジスター領域には設定値が書き込まれる。
また、送受信ユニット26は、HF送受信ユニット38と、LF送受信ユニット40と、LOCK送受信ユニット42と、を含む。
HF送受信ユニット38は、NMRプローブ12の観測チャンネル18(HFチャンネル)に接続され、主に水素核(H核)やフッ素核(19F核)を測定するためのRF送信信号を観測チャンネル18に送信し、NMR信号(RF受信信号)を受信するユニットである。
LF送受信ユニット40は、NMRプローブ12の観測チャンネル20(LFチャンネル)に接続され、リン核(31P核)の周波数以下の共鳴周波数を有する核(例えば、13C核、15N核、29Si核、31P核)を測定するためのRF送信信号を観測チャンネル20に送信し、NMR信号(RF受信信号)を受信するユニットである。
LOCK送受信ユニット42は、NMRプローブ12の観測チャンネル22(LOCKチャンネル)に接続され、ロック核としての重水素核(H核)を測定するためのRF送信信号(ロック送信信号)を観測チャンネル22に送信し、ロック受信信号としてのNMR信号(RF受信信号)を受信するユニットである。
HF送受信ユニット38内の送信シーケンサー44は、送信信号生成部46が有する送信信号生成器等の動作を制御する機能を有する。具体的には、送信シーケンサー44は、自己のために用意された命令列を先頭から順次実行する。
送信信号生成部46は、送信信号生成器としての信号発生器、DA変換器(DAC)、信号処理回路、周波数変換回路等を備えている。
送信信号生成部46内の信号発生器の動作は、基本的に送信シーケンサー44によって制御される。具体的には、信号発生器の動作を規定するパラメータセットが送信シーケンサー44から信号発生器へ与えられる。信号発生器は、NCO(Numerical Controlled Oscillator)を含む。NCOは、位相アキュムレーター、サイン波ルックアップテーブル等を含む。NCOを利用して、周波数変調、位相変調、及び、振幅変調を行える。すなわち、それぞれ独立して変調処理等が施されたRF送信信号(原信号)が信号発生器において生成される。当然ながら、NCOにおいて生成される信号の周波数を自在に定めることが可能である。
送信信号生成部46によって、NMR測定用のRF送信信号(主に水素核(H核)やフッ素核(19F核)を測定するためのRF送信信号)が生成される。RF送信信号はアナログ信号であり、HF送信回路48に送られる。HF送信回路48では、RF送信信号の強度が適切な強度に調整される。調整されたRF送信信号が、HF送受信切替回路49内のT/Rスイッチ50を介してNMRプローブ12の観測チャンネル18(HFチャンネル)に送られ、NMRプローブ12内の送受信コイルに供給される。RF送信信号は、場合によっては、HF送信回路48において、ローカル信号とミキシングすることによって、周波数変換することもある。
HF送受信ユニット38内の受信シーケンサー52は、基本的に送信シーケンサー44と同一の構成を備えており、自己のために用意された命令列を先頭から順番に実行する。これによって、受信信号処理部54が有する各回路の動作が制御される。
送受信コイルにRF送信信号が供給されると、そこで電磁波が生じ、観測核において共鳴吸収現象が生じる。その後、送受信コイルに誘起されるNMR信号(RF受信信号)が、NMRプローブ12の観測チャンネル18(HFチャンネル)からHF送受信切替回路49内のT/Rスイッチ50を経由して受信信号処理部54へ送られる。
T/Rスイッチ50は、送信時にRF送信信号をNMRプローブ12の観測チャンネル18(HFチャンネル)へ送り、受信時にNMRプローブ12の観測チャンネル18(HFチャンネル)からのRF受信信号を受信信号処理部54へ送るルーティング機能を備えている。T/Rスイッチ50からのRF受信信号はプリアンプ56で増幅され、増幅されたRF受信信号の強度が、HF受信回路58にて適切な強度に調整され、調整されたRF受信信号が受信信号処理部54に送られる。なお、T/Rスイッチ50は、明示的に接続先を切り替えないこともある。
HF送受信ユニット38内の受信信号処理部54は、入力されたRF受信信号に対して周波数変換、AD変換、直交検波、等の処理を行う回路である。処理後のRF受信信号(複素信号)が受信データとして受信メモリー60に一旦格納される。受信メモリー60から読み出された受信データが分光計制御コンピューター24へ送られ、そこで受信データの解析が実行される。但し、送受信ユニット26内において受信データの解析を行うようにしてもよい。
LF送受信ユニット40内の送信シーケンサー62は、送信信号生成部64が有する送信信号生成器等の動作を制御する機能を有する。具体的には、送信シーケンサー62は、自己のために用意された命令列を先頭から順次実行する。
送信信号生成部64は、送信信号生成器としての信号発生器、DA変換器(DAC)、信号処理回路、周波数変換回路等を備えている。
送信信号生成部64内の信号発生器の動作は、基本的に送信シーケンサー62によって制御される。具体的には、信号発生器の動作を規定するパラメータセットが送信シーケンサー62から信号発生器へ与えられる。信号発生器は、NCO(Numerical Controlled Oscillator)を含む。NCOは、位相アキュムレーター、サイン波ルックアップテーブル等を含む。NCOを利用して、周波数変調、位相変調、及び、振幅変調を行える。すなわち、それぞれ独立して変調処理等が施されたRF送信信号(原信号)が信号発生器において生成される。当然ながら、NCOにおいて生成される信号の周波数を自在に定めることが可能である。
送信信号生成部64によって、NMR測定用のRF送信信号(リン核(31P核)の周波数以下の共鳴周波数を有する核(例えば、13C核、15N核、29Si核、31P核)を測定するためのRF送信信号)が生成される。RF送信信号はアナログ信号であり、LF送信回路66に送られる。LF送信回路66では、RF送信信号の強度が適切な強度に調整される。調整されたRF送信信号が、LF送受信切替回路67内のT/Rスイッチ68を介してNMRプローブ12の観測チャンネル20(LFチャンネル)に送られ、NMRプローブ12内の送受信コイルに供給される。RF送信信号は、場合によっては、LF送信回路66において、ローカル信号とミキシングすることによって、周波数変換することもある。
LF送受信ユニット40内の受信シーケンサー70は、基本的に送信シーケンサー62と同一の構成を備えており、自己のために用意された命令列を先頭から順番に実行する。これによって、受信信号処理部72が有する各回路の動作が制御される。
送受信コイルにRF送信信号が供給されると、そこで電磁波が生じ、観測核において共鳴吸収現象が生じる。その後、送受信コイルに誘起されるNMR信号(RF受信信号)が、NMRプローブ12の観測チャンネル20(LFチャンネル)からLF送受信切替回路67内のT/Rスイッチ68を経由して受信信号処理部72へ送られる。
T/Rスイッチ68は、送信時にRF送信信号をNMRプローブ12の観測チャンネル20(LFチャンネル)へ送り、受信時にNMRプローブ12の観測チャンネル20(LFチャンネル)からのRF受信信号を受信信号処理部72へ送るルーティング機能を備えている。T/Rスイッチ68からのRF受信信号はプリアンプ74で増幅され、増幅されたRF受信信号の強度が、LF受信回路76にて適切な強度に調整され、調整されたRF受信信号が受信信号処理部72に送られる。なお、T/Rスイッチ68は、明示的に接続先を切り替えないこともある。
LF送受信ユニット40内の受信信号処理部72は、入力されたRF受信信号に対して周波数変換、AD変換、直交検波、等の処理を行う回路である。処理後のRF受信信号(複素信号)が受信データとして受信メモリー78に一旦格納される。受信メモリー78から読み出された受信データが分光計制御コンピューター24へ送られ、そこで受信データの解析が実行される。但し、送受信ユニット26内において受信データの解析を行うようにしてもよい。
LOCK送受信ユニット42内のLOCK送信シーケンサー80は、送信信号生成部82が有する送信信号生成器等の動作を制御する機能を有する。具体的には、LOCK送信シーケンサー80は、自己のために用意された命令列を先頭から順次実行する。
送信信号生成部82は、送信信号生成器としての信号発生器、DA変換器(DAC)、信号処理回路、周波数変換回路等を備えている。
送信信号生成部82内の信号発生器の動作は、基本的にLOCK送信シーケンサー80によって制御される。具体的には、信号発生器の動作を規定するパラメータセットがLOCK送信シーケンサー80から信号発生器へ与えられる。信号発生器は、NCO(Numerical Controlled Oscillator)を含む。NCOは、位相アキュムレーター、サイン波ルックアップテーブル等を含む。NCOを利用して、周波数変調、位相変調、及び、振幅変調を行える。すなわち、それぞれ独立して変調処理等が施されたRF送信信号(原信号)が信号発生器において生成される。当然ながら、NCOにおいて生成される信号の周波数を自在に定めることが可能である。
送信信号生成部82によって、NMR測定用のRF送信信号(重水素核(H核)を測定するためのRF送信信号)が生成される。RF送信信号はアナログ信号であり、LOCK送信回路84に送られる。LOCK送信回路84では、RF送信信号の強度が適切な強度に調整される。調整されたRF送信信号が、LOCK送受信切替回路85内のT/Rスイッチ86を介してNMRプローブ12の観測チャンネル22(LOCKチャンネル)に送られ、NMRプローブ12内の送受信コイルに供給される。RF送信信号は、場合によっては、LOCK送信回路84において、ローカル信号とミキシングすることによって、周波数変換することもある。
LOCK送受信ユニット42内のLOCK受信シーケンサー88は、基本的にLOCK送信シーケンサー80と同一の構成を備えており、自己のために用意された命令列を先頭から順番に実行する。これによって、受信信号処理部90が有する各回路の動作が制御される。
送受信コイルにRF送信信号が供給されると、そこで電磁波が生じ、観測核において共鳴吸収現象が生じる。その後、送受信コイルに誘起されるNMR信号(RF受信信号)が、NMRプローブ12の観測チャンネル22(LOCKチャンネル)からLOCK送受信切替回路85内のT/Rスイッチ86を経由して受信信号処理部90へ送られる。
T/Rスイッチ86は、送信時にRF送信信号をNMRプローブ12の観測チャンネル22(LOCKチャンネル)へ送り、受信時にNMRプローブ12の観測チャンネル22(LOCKチャンネル)からのRF受信信号を受信信号処理部90へ送るルーティング機能を備えている。T/Rスイッチ86からのRF受信信号はプリアンプ92で増幅され、増幅されたRF受信信号の強度が、LOCK受信回路94にて適切な強度に調整され、調整されたRF受信信号が受信信号処理部90に送られる。なお、T/Rスイッチ86は、明示的に接続先を切り替えないこともある。
LOCK送受信ユニット42内の受信信号処理部90は、入力されたRF受信信号に対して周波数変換、AD変換、直交検波、等の処理を行う回路である。処理後のRF受信信号(複素信号)が受信データとして受信メモリー96に一旦格納される。受信メモリー96から読み出された受信データが分光計制御コンピューター24へ送られ、そこで受信データの解析が実行される。但し、送受信ユニット26内において受信データの解析を行うようにしてもよい。
また、NMRプローブ12の挿入部12A内には、試料の近傍に図示しないシムコイルが設けられており、ロック受信信号の強度が最も高くなるようにシムコイルに流れるシム電流の量が制御される。
ここで、図2を参照して、通常のNMR測定時におけるRF送信信号の送信タイミングとNMR信号(RF受信信号)の受信タイミングについて説明する。シーケンス98は、観測対象の試料のNMR信号を測定するためのシーケンスであり、HFチャンネル又はLFチャンネルでの送受信タイミングを示している。RF送信信号がNMRプローブ12に送信された後(RF照射後)、予め定められた受信期間、NMR信号(RF受信信号)が受信される(NMR信号検波)。
シーケンス100は、従来のロック用のシーケンスであり、LOCKチャンネルでの送受信タイミングを示している。ロック送信信号がNMRプローブ12に送信された後(RF照射後)、予め定められた受信期間、ロック受信信号が受信される(NMR信号検波)。NMR測定中、ロック用のRF照射とNMR信号検波とが交互に繰り返し実行される。ロック送信信号の送信開始時点から次のロック送信信号の送信開始時点までの期間(つまり、RF照射から次のRF照射までの期間)を1サイクルと定義すると、従来のロック用シーケンスでは、各サイクルの長さは一定となっている。
以下、従来のロック用シーケンスを実行した場合に生じると想定される問題について説明する。通常、ロック送信信号をNMRプローブ12に送るためのロック用RFラインには、ロック核としての重水素核(H核)の周波数以外の周波数を有する信号を遮断するためのバンドパスフィルター(Band Pass Filter)が設けられており、他の観測用のRF送信信号をNMRプローブ12に送るためのRFラインに、ロック送信信号が漏れないように対策がとられている。しかし、重水素核の周波数に近い周波数を有する観測核(例えば29Si核)のNMR信号を取得すると、重水素核の周波数成分がNMRプローブ12を介してHFチャンネルやLFチャンネルに漏れて、ノイズとして観測されてしまう場合がある。また、上記のT/Rスイッチ86の切り替わり時に出力されるRFノイズ成分が、観測帯域に不要信号として観測されてしまう場合がある。
上記の理由によって、重水素核の周波数により近い観測核(例えば17O核)のNMR信号を測定する場合、漏れ込みノイズが大きくなり、ロック機能を利用することができない。また、観測核の帯域に漏れ込む不要な周波数成分をより減衰させるために、高次のアナログフィルターを利用することが考えられるが、フィルターの挿入損失によってロック受信信号のS/Nが悪化し、また、コストが増大する。
H核以外の核(例えば19F核やH核等)を用いたロックについても、H核を用いた場合と同様の問題が生じる。
また、ロックにおいては、通常、ロック送信信号の送信とロック受信信号の受信とを繰り返し行いながら、ロック受信信号の強度が最大となるように、シムコイルに流れるシム電流をスイープさせることで磁場をスイープさせている。この場合において、静磁場がシム電流のスイープ範囲を超える程度にずれていた場合、シム電流の調整によって静磁場を均一に保てないという問題が生じる。これに対処するために、スイープ時間を変えずにシム電流のスイープ範囲を広げた場合、測定されるロック受信信号の強度が低くなり、その結果、ロック受信信号強度の最大位置を誤検出する可能性がある。また、シム電流のスイープ範囲を広げたことに伴い、スイープ時間を長くすると、ロックに要する時間が増大するという問題が生じる。
本実施形態では、LOCK送信シーケンサー80によって、振幅変調、周波数変調及び位相変調の中の少なくとも1つを組み合わせたパルスシーケンスに基づいてロック送信信号の生成が制御される。これにより、上記の問題が解決される。以下には、そのための各実施例について詳しく説明する。
(実施例1)
実施例1では、LOCK送信シーケンサー80は、ロック送信信号に対して振幅変調(AM変調)が適用されるように、送信信号生成部82によるロック送信信号の生成を制御する。送信信号生成部82は、LOCK送信シーケンサー80の制御の下、ロック送信信号としてのロック送信パルスに対して振幅変調を適用することで、例えば、ロック送信パルスの立ち上がりと立ち下がりを鈍らせる。つまり、パルスの立ち上がり部分と立ち下がり部分の振幅が緩やかに変化するロック送信パルスが生成される。
以下、図3から図5を参照して、実施例1について詳しく説明する。図3には、振幅変調が適用されていないロック送信パルスをオシロスコープで観測した結果の一例が示されている。図4には、振幅変調が適用されたロック送信パルスをオシロスコープで観測した一例が示されている。図5には、バンドパスフィルターを通したロック送信パルスをオシロスコープで観測した結果の一例が示されている。
ロック送信信号は矩形波状の高周波信号であり、図3には、ロック送信パルス102として示されている。ロック送信パルス102は、振幅変調が適用されていない信号である。ロック送信パルス102の立ち上がり部分104では、振幅が0%から100%に急峻に変化(増加)しており、ロック送信パルス102の立ち下がり部分106では、振幅が100%から0%に急峻に変化(減少)している。
図4に示されているロック送信パルス108は、図3に示されているロック送信パルス102に対して振幅変調を適用することで生成された信号である。LOCK送信シーケンサー80は、振幅変調命令を送信信号生成部82に実行させることで、ロック送信パルス102の立ち上がり部分の振幅を、例えば400ns程度の時間をかけて0%から100%に変化(増加)させ、ロック送信パルス102の立ち下がり部分の振幅を、400ns程度の時間をかけて100%から0%に変化(減少)させる。つまり、LOCK送信シーケンサー80は、立ち上がり部分の振幅を、ロック送信パルス102の立ち上がり部分104の振幅よりも緩やかに0%から100%に変化させ、立ち下がり部分の振幅を、ロック送信パルス102の立ち下がり部分106の振幅よりも緩やかに100%から0%に変化させる。図4に示されているロック送信パルス108は、このようにして生成された信号である。ロック送信パルス108の立ち上がり部分110では、振幅が、例えば400ns程度の時間をかけて0%から100%に変化しており、ロック送信パルス108の立ち下がり部分112では、振幅が、例えば400ns程度の時間をかけて100%から0%に変化している。このように、立ち上がり部分と立ち下がり部分とで、ロック送信パルスの変化を鈍らせることで、ロック送信パルスのスペクトル帯域を絞ることが可能となる。これにより、HFチャンネルやLFチャンネルで観測されてしまうロック信号に起因する不要信号を小さくすることが可能となる。なお、上記の数値は一例に過ぎず、他の数値が用いられてもよい。
図5に示されているロック送信パルス114は、図3に示されているロック送信パルス102を、RF周波数を通過帯域としたバンドパスフィルターに通すことで生成された信号である。ロック送信パルス114の立ち上がり部分116では、振幅が、ロック送信パルス102の立ち上がり部分104よりも緩やかに0%から100%に変化しており、ロック送信パルス114の立ち下がり部分118では、振幅が、ロック送信パルス102の立ち下がり部分106よりも緩やかに100%から0%に変化している。
上記のように、ロック送信パルス102に振幅変調を適用することで、バンドパスフィルターを用いなくても、ロック送信パルス102にバンドパスフィルターを適用した場合と同様にサイドローブの減衰が大きいスペクトルが得られる。バンドパスフィルターを用いたことによる損失の発生を防止し、また、コストの増大を防止することができる。
以下、振幅変調による効果について詳しく説明する。
図6には、振幅変調が適用されていないロック送信パルスをスペクトルアナライザーで観測した結果の一例が示されている。ロック送信パルスは、矩形状のパルスであるため、H核の周波数を中心に広い帯域を持った特性(sinc関数)を有している。バンドパスフィルターを用いても除去しきれなかった29Si核の周波数成分がノイズとして観測された。
図7には、振幅変調が適用されたロック送信パルスをスペクトルアナライザーで観測した結果の一例が示されている。振幅変調によってロック送信パルスの立ち上がり部分と立ち下がり部分を鈍らせることで、バンドパスフィルターを用いることなく、ロック送信パルスのスペクトル帯域を絞ることができた(スペクトル帯域が狭くなっている)。
図8には、バンドパスフィルターが適用されたロック送信パルスをスペクトルアナライザーで観測した結果の一例が示されている。図6に示す結果よりも、ロック送信パルスのスペクトル帯域が狭くなっている。
以下、振幅変調を適用して立ち上がり部分と立ち下がり部分を緩やかにすることでスペクトル帯域が狭くなる理由について説明する。
図9に示すように、ロック送信パルス120は、矩形波122と高周波の連続波信号124とを掛け合わせることで得られた信号である。ロック送信パルス120のスペクトル(周波数ドメイン)126は、高周波の周波数を中心にsinc関数の絶対値を有する帯域が広がったスペクトルである。
図10に示すように、矩形波とsinc関数は対称性があり、時間領域でsinc関数状の波形は、周波数ドメインでは方形の帯域を持った帯域が広がらないスペクトルとなる。
また、ロック送信パルスは、フーリエ変換前の処理として利用される窓関数における方形窓と同等と考えることができる。図11に示すように、方形窓では、スペクトルはサイドローブの減衰が小さいスペクトルになるが、ハニング窓、ハミング窓、ブラックマン窓といった時間軸波形の立ち上がりと立ち下がりが滑らかになった波形では、方形波と比べてサイドローブの減衰が大きくなる。
以上のことからすると、矩形波状のロック送信パルスの立ち上がり部分と立ち下がり部分を滑らかにすることで、広帯域に広がっていた帯域を制限することができる。
(実施例2)
実施例2では、LOCK送信シーケンサー80は、ロック送信信号の送信タイミングを可変制御する。具体的には、LOCK送信シーケンサー80は、ロック送信信号毎に、送信のタイミングを変える。より詳しく説明すると、LOCK送信シーケンサー80は、ロック受信信号の受信期間後に待機期間を設定し、その待機期間後に次のロック送信信号が送信されるようにロック送信信号の送信を制御し、ロック送信信号が送信される度に、その待機期間を変更する。
以下、図12を参照して、実施例2について詳しく説明する。図12には、従来のロック用のシーケンス128と実施例2のロック用のシーケンス130が示されている。
まず、従来のシーケンス128について説明する。従来のシーケンス128は、図2に示されているロック用のシーケンス100と同じシーケンスである。図12中のTXは、ロック送信信号の送信期間を示しており、RXはロック受信信号の受信期間を示している。従来のシーケンス128においては、ロック送信信号が送信された後、受信期間RXの間、ロック受信信号が受信され、その受信期間RXの後、次のロック送信信号が送信される。このように、NMR測定中、送信(TX)と受信(RX)とが交互に繰り返し実行される。1つのTXとRXとを合わせた期間を1サイクルと定義すると、つまり、ロック送信信号の送信開始時点から次のロック送信信号の送信開始時点までの期間を1サイクルと定義すると、従来のロック用のシーケンス128では、各サイクルの長さは一定となっている。一例として、そのサイクル(期間)の長さは160μsである。各サイクルの長さが一定の場合、上述したように、T/Rスイッチ86の切り替わり時に出力されるRFノイズ成分が、不要信号として観測されることがある。
次に、実施例2のシーケンス130について説明する。シーケンス130では、ロック送信信号の送信前に待機時間が設定されている。例えば、待機時間の初期値として10nsが設定され、1サイクル毎に待機時間がインクリメントされる。その値が予め定められた値(例えば1000ns)になった場合、待機時間が10nsに戻され、再びインクリメントされる。図12に示す例では、待機時間として、10ns、20ns、30ns、40ns、・・・が設定されている。このように、各サイクルで待機時間を変えることで、1サイクル毎にロック送信信号の送信タイミングがずれるので、T/Rスイッチ86におけるノイズの発生タイミングがサイクル毎に変わる。そのため、そのノイズが拡散されるので、不要信号の周波数成分を分散させて、NMR信号観測用チャンネルで観測されてしまうノイズを小さくすることが可能となる。
なお、上記の数値は一例に過ぎず、他の値が用いられてもよい。
(実施例3)
実施例2のシーケンス130では、1サイクル毎に待機時間がインクリメントされているが、実施例3では、LOCK送信シーケンサー80は、その待機時間をランダムに変更してもよい。例えば、LOCK送信シーケンサー80は、待機時間の最小値(例えば10ns)と最大値(例えば1000ns)を定義し、その最小値と最大値との間の範囲内で1サイクル毎に乱数を発生させ、その乱数を待機時間として設定してもよい。これにより、1サイクル毎に待機時間の長さがランダムに変更される。このように待機時間を変更した場合も、1サイクル毎にロック送信信号の送信タイミングがずれるので、T/Rスイッチ86にて発生するノイズが拡散され、不要信号の周波数成分を分散させて、NMR信号観測用チャンネルで観測されてしまうノイズを小さくすることが可能となる。
(実施例4)
実施例4では、LOCK送信シーケンサー80のシステムクロックに対して周波数拡散(スペクトラム拡散)が適用され、これにより、LOCK送信シーケンサー80は、ロック送信信号の送信タイミングをロック送信信号毎に変える。そのシステムクロックに対する周波数拡散の適用は、例えば分光計制御コンピューター24によって行われてもよいし、ホストコンピューター14によって行われてもよい。周波数拡散の方式として、例えば、直接拡散(DS)方式(Direct Sequence System)、周波数ホッピング(FH)方式(Frequency Hopping System)、又は、ハイブリッド(DS/FH)方式(Hybrid System)のいずれかが用いられる。
実施例4によれば、実施例2,3と同様に、1サイクル毎にロック送信信号の送信タイミングがずれるので、T/Rスイッチ86にて発生するノイズが拡散され、不要信号の周波数成分を分散させて、NMR信号観測用チャンネルで観測されてしまうノイズを小さくすることが可能となる。
(実施例5)
実施例5では、LOCK送受信ユニット42及び観測チャンネル22(LOCKチャンネル)をロックの用途ではなく、NMR信号観測用として用いられ、LOCK送信シーケンサー80は、NMR信号観測用のシーケンスを実行する。LOCK送信シーケンサー80は、例えば、振幅変調と位相変調とを組み合わせて生成されたWURST(Wideband Uniform Rate and Smooth Truncation)シーケンスと呼ばれる広帯域パルスを送信信号として観測チャンネル22(LOCKチャンネル)に送信する。
WURSTシーケンスは、一般的に広帯域のデカップリングの用途に使用され、矩形状の送信パルスに振幅変調と位相変調を適用するシーケンスである。図13には、WURSTデカップリングプロファイルの一例が示されている。
上記のように広帯域にわたってRF送信信号を送信できる仕組みを利用することで、シムの調整量を演算することができる。具体的には、WURSTシーケンスに従ってRF送信信号を送信し、観測されたNMR信号の位置(周波数のずれ)から静磁場のずれ量(シムの調整量)を換算し、その調整量によって磁場を補正することができる。
実施例5によれば、静磁場が大きくずれていてもシムの調整量を決めることができる。また、磁場のスイープを行う必要がないため、従来の方式よりも、短時間でロックを行うことが可能となる。
(実施例6)
実施例6では、LOCK送受信ユニット42及び観測チャンネル22(LOCKチャンネル)をロックの用途ではなく、NMR信号観測用やデカップリング用として用いられ、LOCK送信シーケンサー80は、NMR信号観測用のシーケンスやデカップリング用のシーケンスを実行する。
例えば、HFチャンネル、LFチャンネル及びLOCKチャンネルを用いた3核種測定用のパルスシーケンスを実行することで、HFチャンネルにて、水素核(H核)又はフッ素核(19F核)が観測され、LFチャンネルにて、リン核(31P核)の周波数以下の共鳴周波数を有する核(例えば、13C核、15N核、29Si核、及び、31P核の中のいずれかの核)が観測され、LOCKチャンネルにて、重水素核(H)が観測される。
以上のように、本実施形態によれば、LOCK送信シーケンサー80とLOCK受信シーケンサー88がLOCK送受信ユニット42に搭載されているので、LOCKチャンネルにおいても、NMR信号観測用のシーケンサーと同様のパルスシーケンスを実行することが可能となり、LOCKチャンネルの自由度が高くなる。そして、上記の実施例1から実施例6を実行することで、様々な課題を解決することが可能となる。
例えば実施例1を実行することで、NMR信号観測用チャンネルで観測されてしまうロック信号起因の不要信号を小さくすることが可能となる。また、実施例2,3又は4を実行することで、T/Rスイッチ86に起因するノイズが拡散されるので、不要信号の周波数成分を分散させて、NMR信号観測用チャンネルで観測されてしまうノイズを小さくすることが可能となる。また、従来においては、漏れ込みノイズが大きくて利用できなかったロック核(重水素核)により近い核を測定する場合も、ロックを利用することが可能となる。また、実施例5,6のように、LOCKチャンネルをロック以外の用途に用いることが可能となり、LOCKチャンネルの自由度が高くなる。
10 NMR測定装置、12 NMRプローブ、14 ホストコンピューター、16 NMR分光計、26 送受信ユニット、38 HF送受信ユニット、40 LF送受信ユニット、42 LOCK送受信ユニット、80 LOCK送信シーケンサー、88 LOCK受信シーケンサー。

Claims (2)

  1. 核磁気共鳴測定用の静磁場の変動を観察するためのロック核を励起するためのロック送信信号をNMRプローブに送信し、ロック核のNMR信号をNMRプローブから受信するロック送受信回路と、
    前記ロック送受信回路に接続され、振幅変調、周波数変調及び位相変調の中の少なくとも1つを組み合わせたパルスシーケンスに基づいて前記ロック送信信号の生成を制御するロック用シーケンサーと、
    を有し、
    前記ロック用シーケンサーは、前記ロック送信信号の送信タイミングを可変制御し、
    前記ロック送受信回路は、
    前記ロック送信信号を送受信切替回路を介して前記NMRプローブに送信するロック送信回路と、
    ロック核のNMR信号を前記送受信切替回路を介して前記NMRプローブから受信するロック受信回路と、
    を含み、
    前記送受信切替回路は、送信時、前記ロック送信回路と前記NMRプローブとを接続し、受信時、前記ロック受信回路と前記NMRプローブとを接続し、送信時と受信時とでその接続先を切り替えるスイッチであり、
    前記ロック用シーケンサーは、ロック送信信号毎に、送信のタイミングを変え、
    前記ロック用シーケンサーは、ロック核のNMR信号の受信期間後に待機期間を設定し、その待機期間後に、ロック送信信号が送信されるように前記ロック送信回路を制御し、ロック送信信号が送信される度に、前記待機期間の長さをランダムに変更する、
    ことを特徴とする核磁気共鳴装置。
  2. 核磁気共鳴測定用の静磁場の変動を観察するためのロック核を励起するためのロック送信信号をNMRプローブに送信し、ロック核のNMR信号をNMRプローブから受信するロック送受信回路と、
    前記ロック送受信回路に接続され、振幅変調、周波数変調及び位相変調の中の少なくとも1つを組み合わせたパルスシーケンスに基づいて前記ロック送信信号の生成を制御するロック用シーケンサーと、
    を有し、
    前記ロック用シーケンサーは、前記ロック送信信号の送信タイミングを可変制御し、
    前記ロック用シーケンサーのシステムクロックに対して周波数拡散が適用されることで、前記ロック用シーケンサーは、ロック送信信号の送信タイミングをロック送信信号毎に変更する、
    ことを特徴とする核磁気共鳴装置。
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