JPWO2015122174A1 - メタクリル系樹脂および成形品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、曲げ加工あるいは深絞り加工等を実施して湾曲部を形成したときに、得られる湾曲部の寸法精度を高めることが可能なメタクリル系樹脂を提供する。本発明のメタクリル系樹脂は、架橋アルキルメタクリレート系重合体を含むメタクリル系樹脂であって、ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率が、210℃で1.6MPa以上であり、170℃で3.0MPa以下であり、140℃で6.0MPa以下であり、かつ、動的粘弾性特性におけるtanδのピーク値が1.5以上であるメタクリル系樹脂である。

Description

本発明は、メタクリル系樹脂およびこれを用いた成形品に関するものである。
メタクリル系樹脂は、メチルメタクリレート等のアルキルメタクリレートを含む少なくとも1種の単量体を用いて重合されたアルキルメタクリレート系重合体を含む樹脂である。
メタクリル系樹脂は、透明性、着色性、成形性、および耐候性などに優れており、それらの特性を活かして、看板、装飾材、照明カバー、自動車部品、およびグレージング材等として、種々の分野で広く用いられている。
さらに、近年ではメタクリル系樹脂の用途拡大に伴って、浴槽、浴室、および洗面所等のサニタリー分野、並びにシステムキッチンの天板等の厨房分野等でも使用されるようになっている。
サニタリー分野および厨房分野等に用いられる成形品は、平面から構成されることの多い看板などとは異なり、湾曲部が多い。そのため、これらの用途に用いられるメタクリル系樹脂に対しては、曲げ加工あるいは深絞り加工等が容易に行えるより高度な成形加工性が要求される。
メタクリル系樹脂はもともと熱可塑性樹脂であるため、加熱により曲げ加工は可能であるが、流動しやすく、深絞り加工等が難しい樹脂である。
架橋アルキルメタクリレート系重合体を用いることで、成形加工性が改善され、深絞り加工等が可能となる。
特許文献1、2には、アルキルメタクリレートを含む少なくとも1種の単量体を重合開始剤の存在下で重合させて予備重合シラップを得、得られたシラップにさらにアルキルメタクリレートを含む少なくとも1種の単量体と重合開始剤と架橋剤等を添加して鋳型中で重合するメタクリル系樹脂の製造方法が開示されている。
本発明の関連技術としては、特許文献3がある。
特許文献3には、
無機充填剤を含有する架橋アルキルメタクリレート系重合体成形品であって、
(i)動的粘弾性特性における損失弾性率(E”)のα分散ピーク温度が100℃以上である;
(ii) 動的粘弾性特性におけるtanδのピーク値が0.8以上である;
および、
(iii)ゴム状平坦領域160℃における貯蔵弾性率が30MPa以下である;
という特性(i)〜(iii)を備えていることを特徴とする、架橋アルキルメタクリレート系重合体成形品が開示されている(請求項1)。
特開平10-237260号公報 特開平10-237132号公報 特開平9-302100号公報
従来の製造方法により得られる架橋アルキルメタクリレート系重合体を含むメタクリル系樹脂を用いて曲げ加工あるいは深絞り加工等を実施して湾曲部を形成した場合、湾曲部に厚みムラが生じる場合がある。より高い寸法精度で曲げ加工あるいは深絞り加工等を実施できることが好ましい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、曲げ加工あるいは深絞り加工等を実施して湾曲部を形成したときに、得られる湾曲部の寸法精度を高めることが可能なメタクリル系樹脂を提供することを目的とするものである。
なお、本発明のメタクリル系樹脂は、曲げ加工あるいは深絞り加工等を実施して湾曲部を形成する場合に好適に用いられるが、任意の用途に使用できる。
本発明のメタクリル系樹脂は、
架橋アルキルメタクリレート系重合体を含むメタクリル系樹脂であって、
ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率が、210℃で1.6MPa以上であり、170℃で3.0MPa以下であり、140℃で6.0MPa以下であり、
かつ、
動的粘弾性特性におけるtanδのピーク値が1.5以上である、
メタクリル系樹脂である。
[ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率の測定法]
本発明において、メタクリル系樹脂のゴム状平坦領域における貯蔵弾性率は、動的熱機械特性分析法(DMTA法)により測定される。すなわち、曲げ、剪断、または引っ張りなどのモード(本発明においては引っ張りモード)において試料に正弦曲線応力を加え、温度の関数として試料の貯蔵弾性率を測定し、そのゴム状平坦領域の140℃、170℃、200℃、および210℃における貯蔵弾性率を求める。ここで、貯蔵弾性率は弾性応答であり、完全に回復可能なエネルギーに相当する。
具体的な測定例については、後記[実施例]の項を参照されたい。
[tanδのピーク値およびピーク温度の測定法]
本発明において、メタクリル系樹脂のtanδのピーク値およびピーク温度は、動的熱機械特性分析法(DMTA法)により測定される。すなわち、曲げ、剪断、または引っ張りなどのモード(本発明においては引っ張りモード)において試料に正弦曲線応力を加え、温度の関数として試料の損失角の正接、すなわちtanδを測定し、そのピーク値およびピーク温度を求める。ここで、tanδは無次元数であり、サイクルあたりの貯蔵弾性率に対する損失弾性率の割合に等しいものである。
具体的な測定例については、後記[実施例]の項を参照されたい。
本発明の成形品は、上記の本発明のメタクリル系樹脂からなる成形品である。
本発明の成形品には、樹脂板等の一次成形品、および一次成形品を用いて成形加工された二次成形品が含まれる。
本発明によれば、曲げ加工あるいは深絞り加工等を実施して湾曲部を形成したときに、得られる湾曲部の寸法精度を高めることが可能なメタクリル系樹脂を提供することができる。
実施例1、比較例1、および比較例2において得られた、温度と貯蔵弾性率との関係を示すグラフ(DMTA曲線)である。 実施例1および比較例2において得られた、温度とtanδとの関係を示すグラフである。
本発明は、メタクリル系樹脂に関する。
メタクリル系樹脂は、アルキルメタクリレートを含む少なくとも1種の単量体を重合して得られた少なくとも1種のアルキルメタクリレート系重合体を含む樹脂である。
本発明のメタクリル系樹脂は、少なくとも1種の架橋アルキルメタクリレート系重合体を含む。
本発明のメタクリル系樹脂は好ましくは、少なくとも1種の架橋アルキルメタクリレート系重合体と、少なくとも1種の非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体とを含む。
本発明のメタクリル系樹脂は、以下の物性を有する。
すなわち、ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率が、210℃で1.6MPa以上であり、170℃で3.0MPa以下であり、140℃で6.0MPa以下である。
また、動的粘弾性特性におけるtanδのピーク値が1.5以上である。
「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように、従来の製造方法により得られる架橋アルキルメタクリレート系重合体を含むメタクリル系樹脂を用いて曲げ加工あるいは深絞り加工等を実施して湾曲部を形成した場合、湾曲部に厚みムラが生じる場合がある。
上記厚みムラは成形加工時の樹脂の温度ムラによる貯蔵弾性率のムラの影響が大きいと考えられる。
動的熱機械特性分析法(DMTA法)により、温度と貯蔵弾性率との関係を示すDMTA曲線が得られる(図1を参照)。
DMTA曲線においては、ガラス転移点Tgを超えると貯蔵弾性率が大きく低下するが、その後、温度を上げても貯蔵弾性率が大きく変化しないゴム状平坦領域が現れる。ゴム状平坦領域では、重合体の分子鎖は動くが、完全には溶融しない領域である。その後、さらに温度を上げて流動領域に入ると、また貯蔵弾性率が大きく低下する。
メタクリル系樹脂では、上記ゴム状平坦領域の温度内で成形加工が行われる。メタクリル系樹脂では例えば、ゴム状平坦領域の温度内の比較的高い温度に加熱し、この加熱温度とゴム状平坦領域の下限温度との間の温度内で成形加工が行われる。
加工成形時に樹脂の温度ムラがあったとしても、ゴム状平坦領域の温度範囲が広ければ、貯蔵弾性率のムラが少なく、延伸部における厚みムラの小さい、寸法精度の高い湾曲部を形成することができる。
140℃はゴム状平坦領域の低温側の基準温度であり、210℃はゴム状平坦領域の高温側の基準温度であり、170℃はゴム状平坦領域の中間領域の基準温度である。これら3つの基準温度における貯蔵弾性率の差が小さいことが好ましい。
本発明のメタクリル系樹脂では、ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率が、210℃で1.6MPa以上であり、170℃で3.0MPa以下であり、140℃で6.0MPa以下である。
140℃における貯蔵弾性率が6.0MPa超では、ゴム状平坦領域の低温側の貯蔵弾性率が好ましい範囲より高く、成形加工時に温度ムラがあった場合に、低温部分の厚みが所望の厚みからずれてしまう恐れがある。
上記3つの基準温度における貯蔵弾性率の差がより小さく、厚みムラがより小さく、寸法精度のより高い湾曲部を形成することができることから、140℃における貯蔵弾性率は4.3MPa以下であることが好ましい。
210℃における貯蔵弾性率が1.6MPa未満では、ゴム状平坦領域の高温側の貯蔵弾性率が好ましい範囲より低く、成形加工時に温度ムラがあった場合に、高温部分の厚みが所望の厚みからずれてしまう恐れがある。
上記3つの基準温度における貯蔵弾性率の差がより小さく、厚みムラがより小さく、寸法精度のより高い湾曲部を形成することができることから、210℃における貯蔵弾性率は1.65MPa以上であることが好ましい。
メタクリル系樹脂の成形加工性が良好であることから、170℃における貯蔵弾性率は、3.0MPa以下であることが好ましく、2.5MPa以下であることがより好ましい。
メタクリル系樹脂の製造に用いる原料の種類と配合量等を適宜選択することにより、ゴム状平坦領域の上記各温度における貯蔵弾性率を好ましい範囲に調整することができる。
例えば、用いる単量体と架橋剤の種類と量等を適宜選択することによって、ゴム状平坦領域の上記各温度における貯蔵弾性率を調整することができる。
より具体的には、直鎖状アルキルメタクリレート系重合体の質量平均分子量(MW)と配合量、および、架橋剤の種類と配合量により、ゴム状平坦領域の上記各温度における貯蔵弾性率を調整することができる。
本発明において、メタクリル系樹脂の成形加工性が良好となることから、動的粘弾性特性におけるtanδのピーク値が1.5以上である。より好ましくは1.55以上である。動的粘弾性特性におけるtanδのピーク値が1.5未満だと、得られるメタクリル系樹脂の粘性項の比が低くすぎて、曲げ加工等の加熱成形加工に適さない。
メタクリル系樹脂の成形加工性が良好となることから、動的粘弾性特性におけるtanδのピーク値は1.8以下であることが好ましい。動的粘弾性特性におけるtanδのピーク値が1.8超では、曲げ加工等の成形加工で延伸部における厚みムラに起因する外観不良が発生する恐れがある。
メタクリル系樹脂の成形加工性が良好となることから、動的粘弾性特性におけるtanδのピーク温度は100℃以上が好ましく、120℃以上であることがより好ましく、130℃以下であることが好ましい。
メタクリル系樹脂のtanδのピーク値は、樹脂中における直鎖状重合体部分の割合が多くなるにつれて、また樹脂中における架橋密度が減少するにつれて高くなる傾向がある。樹脂中における直鎖状アルキルメタクリレート系重合体と架橋剤の量等を調整することによって、メタクリル系樹脂のtanδのピーク値およびピーク温度を好ましい範囲内に調整することができる。
より具体的には、直鎖状アルキルメタクリレート系重合体の質量平均分子量(MW)と配合量、および、架橋剤の種類と配合量により、tanδのピーク値およびピーク値を好ましい範囲内に調整することができる。
本発明のメタクリル系樹脂の製造方法は特に制限されない。
少なくとも1種の非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)とアルキルメタクリレートを含む少なくとも1種の単量体(M1)とを含む予備重合シラップまたは溶解シラップ(S)に、アルキルメタクリレートを含む少なくとも1種の単量体(M2)を添加し、重合および架橋を行う方法が好ましい。
この方法では、予備重合シラップまたは溶解シラップ(S)、アルキルメタクリレートを含む少なくとも1種の単量体(M2)、少なくとも1種の重合開始剤(A)、少なくとも1種の架橋剤(B)、および必要に応じて少なくとも1種の任意の添加剤を配合して、液状の原料混合物を調製し、この液状の原料混合物を鋳型に流し込み、重合反応を行って、樹脂板等の一次成形品のメタクリル系樹脂を製造することができる。
予備重合シラップは、アルキルメタクリレートを含む少なくとも1種の単量体(M1)を重合開始剤の存在下で予備重合して得られ、非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)と未反応の単量体(M1)とを含む。
溶解シラップは、アルキルメタクリレートを含む少なくとも1種の単量体を用いて重合された非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)を、アルキルメタクリレートを含む少なくとも1種の単量体(M1)に溶解したものである。
非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)は、少なくとも1種のアルキルメタクリレートの単独重合体または共重合体でもよいし、少なくとも1種のアルキルメタクリレートと他の少なくとも1種の共重合性不飽和単量体との共重合体でもよい。
非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)の原料として用いられるアルキルメタクリレートとしては、メタクリル酸の炭素数1〜20のアルキルエステルが好ましく、メタクリル酸の炭素数1〜12のアルキルエステルがより好ましい。
アルキルメタクリレートとしては、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、およびシクロヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)の原料として、少なくともメチルメタクリレート(MMA)を用いることが好ましい。
非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)の原料として、アルキルメタクリレートと併用し得る他の共重合性不飽和単量体としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、およびシクロヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、および2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸;
(メタ)アクリル酸金属塩;
塩化ビニル、酢酸ビニル、およびビニルトルエン等のビニル系単量体;
アクリロニトニル;
アクリルアミド;
スチレンおよびα−メチルスチレン等のスチレン系単量体;
および、
無水マレイン酸等が挙げられる。
予備重合シラップにおける重合率は特に制限されず、5〜40%が好ましく、5〜30%がより好ましい。
重合率が5%未満では、tanδのピーク値が低下して、目的とする高い寸法精度での曲げ加工あるいは深絞り加工等が困難となる恐れがある。
ここで、「重合率」とは、仕込みの単量体の量(質量)に対する、重合反応に使用された単量体の量(質量)の割合である。
予備重合シラップまたは溶解シラップ(S)中における非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)の濃度は特に制限されず、5〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。
予備重合シラップまたは溶解シラップ(S)中における非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)の質量平均分子量(MW)は特に制限されず、10万〜150万が好ましく、70万〜120万がより好ましい。
質量平均分子量(MW)が10万未満では、耐薬品性等の耐久性が低下する恐れがある。
予備重合シラップまたは溶解シラップ(S)の代わりに、部分架橋アルキルメタクリレート系ゲル状重合体を用いることもできる。
部分架橋アルキルメタクリレート系ゲル状重合体については、「背景技術」の項に挙げた特許文献3を参照されたい。
単量体(M2)としては、少なくとも1種のアルキルメタクリレートを用いることができる。単量体(M2)として、少なくとも1種のアルキルメタクリレートと他の共重合性不飽和単量体とを併用できる。
単量体(M2)として用いられるアルキルメタクリレートとしては、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、およびシクロヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
単量体(M2)として、少なくともメチルメタクリレート(MMA)を用いることが好ましい。
単量体(M2)として、アルキルメタクリレートと併用し得る他の共重合性不飽和単量体としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、およびシクロヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、および2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸;
(メタ)アクリル酸金属塩;
塩化ビニル、酢酸ビニル、およびビニルトルエン等のビニル系単量体;
アクリロニトニル;
アクリルアミド;
スチレンおよびα−メチルスチレン等のスチレン系単量体;
および、
無水マレイン酸等が挙げられる。
重合開始剤(A)としては特に制限されない。
例えば、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アセチルシクロヘキシルスホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシカーボネート、ジ−(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ−(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネート、およびジ−(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
架橋剤(B)としては特に制限されず、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体が好ましく用いられる。
例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート(1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート)、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシペンテノキシ)フェニル〕プロパン、
1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、
および下記一般式(X)で表されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 2015122174
上記式(X)中、nは4以上の整数であり、4〜14が好ましい。
ジ(メタ)アクリレート系の架橋剤の場合、ジ(メタ)アクリレート間の炭素数が多い程、得られる樹脂は柔らかめになり、ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率の値が低くなる傾向がある。
架橋剤の種類と量等を適宜選択することで、DMTA曲線におけるゴム状平坦領域の温度範囲を調整することができる。
上記の架橋剤の中で、ゴム状平坦領域の温度範囲が広く、140℃、170℃、および210℃における貯蔵弾性率の差の小さいメタクリル系樹脂が得られやすいことから、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、および上記式(X)で表されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が好ましい。
必要に応じて、添加剤として連鎖移動剤(C)および/または紫外線吸収剤(D)を用いることができる。これらは1種または2種以上用いることができる。
連鎖移動剤(C)としては特に制限されず、例えば、
αメチル-スチレンダイマー等のスチレンダイマー類;
n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、およびヒオフェノール等のメルカプタン類;
チオグリコール酸、チオグリコール酸エチル、およびチオグリコール酸ブチル等のチオグリコール酸またはそのエステル類;
β−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸メチル、およびβ−メルカプトプロピオン酸オクチル等のβ−メルカプトプロピオン酸およびそのエステル類等が挙げられる。
連鎖移動剤(C)としては、αメチル-スチレンダイマー等のスチレンダイマー類が好ましい。
連鎖移動剤(C)として、αメチル-スチレンダイマー等のスチレンダイマー類を使用する場合、その使用量が多い程、得られる樹脂は柔らかめになり、ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率の値が低くなる傾向がある。
紫外線吸収剤(D)としては特に制限されず、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
必要に応じて、1種または2種以上の他の添加剤を用いることができる。
他の添加剤としては特に制限なく、種類の異なる他の樹脂、酸化防止剤、顔料および染料等の着色剤、分散剤、充填剤、樹脂粒状物および天然石粒状等の模様材、可塑剤、および離型剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
原料の配合比は特に制限されない。
重合開始剤(A)および紫外線吸収剤(D)以外の原料の合計量を100質量部とする。
予備重合シラップまたは溶解シラップ(S)の量は、30〜98質量部が好ましく、50〜95質量部がより好ましい。
単量体(M2)の量(複数種の場合は合計量)は、2〜70質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
架橋剤(B)の量(複数種の場合は合計量)は、0.01〜1.5質量部が好ましく、0.3〜0.8質量部がより好ましい。架橋剤(B)の量が1.5質量部超では、tanδのピーク値が低下して、目的とする高い寸法精度での曲げ加工あるいは深絞り加工等が困難となる恐れがある。
連鎖移動剤(C)の量(複数種の場合は合計量)は、重合開始剤(A)、連鎖移動剤(C)、および紫外線吸収剤(D)以外の原料の合計量1kg当たり0〜2.0gが好ましく、0〜0.5gがより好ましい。連鎖移動剤(C)の量が2.0g超では一次成形で得られるメタクリル系樹脂板の耐薬品性等の耐久性が低下する恐れがある。
重合開始剤(A)の量(複数種の場合は合計量)は、重合開始剤(A)、連鎖移動剤(C)、および紫外線吸収剤(D)以外の原料の合計量1kg当たり0.05〜3.0gが好ましく、この範囲内で原料の配合比に応じて最適な範囲内に調整することがより好ましい。
紫外線吸収剤(D)の量(複数種の場合は合計量)は、重合開始剤(A)、連鎖移動剤(C)、および紫外線吸収剤(D)以外の原料の合計量1kg当たり0〜2.0gが好ましく、0〜1.0gがより好ましい。紫外線吸収剤(D)の量が2.0g超では、メタクリル系樹脂板が着色する恐れがある。
メタクリル系樹脂中の架橋アルキルメタクリレート系重合体の濃度は、60〜95質量%が好ましく、75〜95質量%がより好ましい。
メタクリル系樹脂中の非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)の濃度は、5〜40質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。
また、非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)の質量平均分子量(MW)は10万〜150万が好ましく、70万〜120万がより好ましい。質量平均分子量(MW)が10万未満では、耐薬品性等の耐久性が低下する恐れがある。
なお、架橋アルキルメタクリレート系重合体の濃度の測定法については次の通りである。メタクリル系樹脂から試料を採取し、2〜3mmの粒状に砕き、砕いた試料を0.1mgの精度を持つ天秤にて計量する。その後、砕いた試料を円筒ろ紙に入れてソックスレー抽出器でクロロホルムを溶媒に溶質分を抽出し、抽出残渣含む円筒ろ紙を48時間真空乾燥し、不溶分の質量を天秤にて計量する。これにより、架橋アルキルメタクリレート系重合体の濃度を算出できる。
また、同様の手法で、非架橋の直鎖状アルキルメタクリレート系重合体(P)を抽出し、それにより、その濃度および質量平均分子量(MW)を測定することができる。
「成形品」
本発明の成形品は、上記の本発明のメタクリル系樹脂からなる。
本発明の成形品には、樹脂板等の一次成形品、および一次成形品を用いて成形加工された二次成形品が含まれる。
本発明のメタクリル系樹脂からなる一次成形品を用い、曲げ加工あるいは深絞り加工等を実施して、湾曲部を有する二次成形品を得ることができる。
本発明のメタクリル系樹脂を用いることにより、湾曲部の厚みムラが小さく、寸法精度の高い二次成形品が得られる。この二次成形品は、浴槽、浴室、および洗面所等のサニタリー分野、並びにシステムキッチンの天板等の厨房分野等に好ましく利用できる。
一次成形品および二次成形品は公知方法によって製造できる。
一次成形に用いられる鋳型としては、特に限定されない。
例えば、強化ガラス、クロムメッキ板、またはステンレス板等の一対の板状体と軟質塩化ビニル製ガスケットで構成される鋳型、
同一方向へ同一速度で走行する一対のエンドレスベルトの相対する面とその両側辺部において両エンドレスベルトと同一速度で走行するガスケットとで構成される鋳型等が挙げられる。
一次成形品として樹脂板を製造する場合、目的とする用途によるが、一般的に厚さは1〜10mmの範囲であることが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、曲げ加工あるいは深絞り加工等を実施して湾曲部を形成したときに、得られる湾曲部の寸法精度を高めることが可能なメタクリル系樹脂、およびこれを用いた成形品を提供することができる。
なお、本発明のメタクリル系樹脂は、曲げ加工あるいは深絞り加工等を実施して湾曲部を形成する場合に好適に用いられるが、任意の用途に使用できる。
本発明に係る実施例および比較例について説明する。
実施例および比較例における測定法は以下の通りである。
(1)質量平均分子量(MW)の測定:
試料5gをクロロホルム200mlで抽出処理し、濾過して採取した濾液にメタノールを添加して沈殿物を生成させた。この沈殿物を真空乾燥した後、その0.12gをテトラヒドロフラン20mlに溶解して、測定サンプルを得た。分子量測定装置として、島津製作所製「LC−9A」を用い、カラムとして島津製作所製「GPC−802」、「HSG−30」および「HSG−50」および昭和電工株式会社製「Shedex A−806」を用いて、GPCによる分子量の測定を行った。
(2)動的粘弾性特性の評価:
JIS K7244−1及びJIS 7244−4に準拠して行った。
まず、樹脂板(縦1250mm、横2500mm、厚さ3mm)を切断して、縦20mm、横1.5mm、厚さ2mmのサンプルを得た。
動的粘弾性測定装置(UBM社製「Rheogel−E4000」)を用いて、測定を実施した。
試料に昇温下で周波数と振幅が設定された正弦波振動を加えて、その時に発生する応力レスポンスを検出し、動的応力波形、および動的変位波形の位相差を求めた。線形粘弾性理論に基づく演算式により、測定領域の温度に対して、貯蔵弾性率、損失弾性率、およびtanδ等の各データをプロットして、DMTA曲線等を得た。なお、主な測定条件は下記の通り設定した。これより、ゴム状平坦領域の140℃、170℃、200℃、および210℃における貯蔵弾性率を求めた。また、tanδのピーク値とピーク温度を求めた。
<測定条件>
測定周波数:1Hz
荷重:1kg
測定モード:温度依存性
測定温度:30〜250℃
昇温条件:3℃/分
「予備重合シラップの製造」
メチルメタクリレート(MMA)に重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを添加し、撹拌しながら加熱し、直鎖状メチルメタクリレート(MMA)重合体の質量平均分子量(MW)が約80万となるまで重合を行った。その後冷却し、MMAにより追加希釈して、粘度10ポイズの予備重合シラップを製造した。
なお、粘度はB型粘度計(NDJ−5S 回転粘度計、回転数:12rpm、回転子:L型2番)にて測定し、質量平均分子量(MW)は上記(1)に記載した方法で測定した。
単量体(M2)として、以下の3種の単量体を用意した。
メチルメタクリレート(MMA)、
エチルヘキシルアクリレート、
ブチルアクリレート。
重合開始剤(A)として、以下の2種の材料を用意した。
2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)。
架橋剤(B)として、以下の4種の材料を用意した。
1,3−ブタンジオールジメタクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、
上記一般式(X)で表され、n=4であるポリエチレングリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート。
連鎖移動剤(C)として、以下の1種の材料を用意した。
αメチル-スチレンダイマー。
紫外線吸収剤(D)として、以下の1種の材料を用意した。
2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール。
顔料として、以下の1種の材料を用意した。
白色顔料(酸化チタンペースト)。
上記の予備重合シラップ、単量体(M2)、重合開始剤(A)、架橋剤(B)、連鎖移動剤(C)、紫外線吸収剤(D)、および顔料を用いて、表1に示す組成で液状の原料混合物を調製した。
表1において、重合開始剤(A)および紫外線吸収剤(D)以外の原料の配合量の単位は「質量部」であり、重合開始剤(A)および紫外線吸収剤(D)以外の原料の合計量が100質量部である。
重合開始剤(A)および紫外線吸収剤(D)の配合量は、重合開始剤(A)および紫外線吸収剤(D)以外の原料の合計量1kg当たりの添加量[g]で示してある。
得られた原料混合物を脱泡処理した後、一対の強化ガラスと軟質塩化ビニル製ガスケットで構成された鋳型に流し込み、60℃で2時間加熱して一次硬化させた。更に120℃で2時間加熱して二次硬化させ、約60℃に冷却後、鋳型から取り出して縦1250mm、横2500mm、厚さ3mmのメタクリル系樹脂板(一次成形品)を得た。
各例において得られた樹脂板について、上記(2)に記載した動的粘弾性特性の評価を実施した。
代表例として、実施例1、比較例1、および比較例2について、動的粘弾性特性の評価で得られた温度と貯蔵弾性率との関係を示すグラフ(DMTA曲線)を図1に示す。
代表例として、実施例1および比較例2について、動的粘弾性特性の評価で得られた温度とtanδとの関係を示すグラフを図2に示す。なお、比較例1については、tanδのピーク値が実施例1とほぼ同等であったので、温度とtanδとの関係を示すグラフの図示を省略してある。
各例において得られた樹脂板について、動的粘弾性特性の評価の評価結果を表2に示す。
各例において得られたメタクリル系樹脂板(縦1250mm、横2500mm、厚さ3mm)を真空成形機のヒータで180℃に加熱した後、上面に開口部を有する枡状の型(外寸で、縦775mm、横1350mm、高さ530mm)の上に載せ、樹脂板の全周をクランプで把持した。この状態で型を押し上げた後、真空ポンプを用いて型と樹脂板との間の空間内の空気を抜くことで、樹脂板を枡状の型の内形状に沿わせ、上面に開口部を有する箱型に二次成形した。これを送風機を用いて約70℃まで冷却し、冷えて固まった二次成形品を型から取り外した。
以上のようにして、外寸で、縦775mm、横1350mm、高さ530mmの箱型の二次成形品を得た。
得られた二次成形品の外観を肉眼で確認し、下記基準に基づいて、曲げ加工部およびそこに繋がる延伸部における厚みムラに起因する外観状態、および型再現性(型に忠実な成形品が得られるか)を評価した。評価結果を表2に示す。
判定基準
A(良好):型再現性が良好であり、厚みムラに起因する外観不良がない。
B(可):型再現性が良好であるが、僅かながら厚みムラに起因する外観不良がある。
C(不良):型再現性が悪く、厚みムラに起因する外観不良がある。
実施例2(上記評価結果A)、実施例5(上記評価結果B)および比較例1(上記評価結果C)の二次成形品について、以下のようにして、厚みムラを評価した。
得られた二次成形品の四隅部のうち1箇所を選択し、その曲げ加工部および延伸部を切断して、断片を得た。得られた断片のうち外観不良が見られた領域(外観が良好な二次成形品についてはそれに対応する領域)内において二次成形品の深さ方向に10箇所を任意に選択し、マイクロメーターを用いて各箇所の厚みを測定した。互いに隣接する2点の測定箇所の厚みの差の絶対値として計9つの値を算出し、それらの平均値を求めた。厚み差の平均値の測定結果は以下の通りであった。
実施例2:0.018mm、
実施例5:0.020mm、
比較例1:0.022mm。
上記結果により、外観不良がない/または僅かな実施例2、5では、外観不良がある比較例1に比べ、厚みムラが小さいことが分かった。
実施例1〜7では、ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率が、210℃で1.6MPa以上であり、170℃で3.0MPa以下であり、140℃で6.0MPa以下であり、かつ、tanδのピーク値が1.5以上であるメタクリル系樹脂板を製造することができた。これら実施例1〜7では、曲げ加工部および延伸部の厚みムラに起因する外観不良がなく/または僅かであり、型再現性の高い二次成形品を得ることができた。
実施例1〜4、6、7では、上記特性を有し、さらに、動的粘弾性特性におけるtanδのピーク温度が130℃以下であるメタクリル系樹脂板を製造することができた。これら実施例1〜4、6では、曲げ加工部および延伸部の厚みムラに起因する外観不良がなく、型再現性の高い二次成形品を得ることができた。
比較例1で得られたメタクリル系樹脂板は、ゴム状平坦領域における210℃の貯蔵弾性率が実施例1〜7よりも低いものであった。比較例2で得られたメタクリル系樹脂板は、140℃における貯蔵弾性率が実施例1〜7よりも高いものであった。これら比較例1、2では、曲げ加工部および延伸部に厚みムラに起因する外観不良があり、型再現性がなく、外観の美観性に乏しい二次成形品が得られた。
































Figure 2015122174





Figure 2015122174




この出願は、2014年2月14日に出願された日本出願特願2014-026435号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明のメタクリル系樹脂は、浴槽、浴室、および洗面所等のサニタリー分野、並びにシステムキッチンの天板等の厨房分野等に用いられる成形品に好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. 架橋アルキルメタクリレート系重合体を含むメタクリル系樹脂であって、
    ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率が、210℃で1.6MPa以上であり、170℃で3.0MPa以下であり、140℃で6.0MPa以下であり、
    かつ、
    動的粘弾性特性におけるtanδのピーク値が1.5以上である、
    メタクリル系樹脂。
  2. 動的粘弾性特性におけるtanδのピーク温度が130℃以下である、請求項1に記載のメタクリル系樹脂。
  3. ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率が140℃で4.3MPa以下である、請求項1または2に記載のメタクリル系樹脂。
  4. 顔料を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタクリル系樹脂。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項にメタクリル系樹脂からなる成形品。
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