JPWO2015119288A1 - 標的物質捕獲方法、標的物質捕獲用の固相担体及び当該固相担体の製造方法 - Google Patents

標的物質捕獲方法、標的物質捕獲用の固相担体及び当該固相担体の製造方法 Download PDF

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Abstract

タンパク質、ペプチド、核酸、細胞などの生体関連物質の非特異吸着が極めて少なく、かつ、結合したリガンドの活性を高く維持できる固相担体及びこれを用いた標的物質捕獲方法を提供すること。表面の少なくとも一部が糖類で被覆又は形成された基材と、標的物質に特異的に結合するリガンドを結合させるための反応性官能基を有する原子数5〜100のリンカーとを有し、前記糖類と前記リンカーとが化学的に結合している標的物質捕獲用の固相担体を準備する工程と、前記固相担体にリガンドを結合させ、リガンドが結合された固相担体を得る工程と、前記リガンドが結合された固相担体と、リガンドに特異的に結合する標的物質を含み得る試料とを接触させる工程と、を含むことを特徴とする、標的物質捕獲方法。

Description

本発明は、標的物質捕獲方法、標的物質捕獲用の固相担体及び当該固相担体の製造方法に関する。
近年、分子間相互作用を基盤とした手法を用い、ある特定の分子に特異的な相互作用を有する分子を捕獲する試みや、分子間相互作用を詳細に検討する研究が盛んに行われている。これは具体的には、低分子−低分子、低分子−高分子、又は高分子−高分子の組み合わせのうちの片方の分子を固相担体に固定し、両分子間の相互作用を測定する研究、又はそれに基づいて目的とするターゲット(固相担体に固定化した分子に特異的な相互作用を有する分子)を精製する研究に代表される。分子間相互作用を基盤とした各種手法としては、アフィニティー樹脂を用いた方法が有名である。
アフィニティー樹脂を用いたターゲット捕獲においては、アフィニティー樹脂に結合したタンパク質をSDSゲル電気泳動等で解析する際に特異的タンパク質を覆い隠すような非特異的タンパク質が存在し、特異的タンパク質の検出が困難になるなど、特異的な分子間相互作用に基づく選別、精製の障害となる非特異的な分子間相互作用の存在が問題となってきた。
アフィニティー樹脂として、特許文献1〜3に記載のものが開示されている。特許文献1にはスペーサーを介して物質が結合した、表面がグリシジルメタクリレートで覆われたスチレン−グリシジルメタクリレート重合体が開示されている。特許文献2には粒径が0.1〜20μmの磁性粒子と、糖類と、を含み、前記磁性粒子及び前記糖類が化学結合しており、かつ、標的物質を特異的に捕捉するためのプローブが前記糖類に化学結合している、特異捕捉用磁性粒子が開示されている。また、特許文献3には、原料となるモノマーを重合して得られる樹脂であって、該モノマーには親水性スペーサーが組み込まれていることを特徴とする樹脂が開示されている。
特開2000−351814号公報 特開2007−85929号公報 国際公開第2005/037881号
本発明が解決しようとする課題は、タンパク質、ペプチド、核酸、細胞などの生体関連物質の非特異吸着が極めて少なく、かつ、結合したリガンドの活性を高く維持できる固相担体及びこれを用いた標的物質捕獲方法を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決された。
<1>表面の少なくとも一部が糖類で被覆又は形成された基材と、標的物質に特異的に結合するリガンドを結合させるための反応性官能基を有する原子数5〜100のリンカーとを有し、前記糖類と前記リンカーとが化学的に結合している標的物質捕獲用の固相担体を準備する工程と、前記固相担体にリガンドを結合させ、リガンドが結合された固相担体を得る工程と、前記リガンドが結合された固相担体と、リガンドに特異的に結合する標的物質を含み得る試料とを接触させる工程と、を含むことを特徴とする、標的物質捕獲方法。
<2>表面の少なくとも一部が糖類で被覆又は形成された基材と、標的物質に特異的に結合するリガンドを結合させるための反応性官能基を有する原子数5〜100のリンカーとを有し、前記糖類と前記リンカーとが化学的に結合している、標的物質捕獲用の固相担体。
<3>前記<2>の固相担体と、リガンドとを結合させる工程を含むことを特徴とする、標的物質捕獲用のリガンド結合固相担体の製造方法。
<4>前記<3>の製造方法により製造されたことを特徴とする、標的物質捕獲用のリガンド結合固相担体。
本発明により、タンパク質、ペプチド、核酸、細胞などの生体関連物質の非特異吸着が極めて少なく、かつ、結合したリガンドの活性を高く維持できる固相担体を提供することができる。したがって、本発明の標的物質捕獲方法によれば、標的物質を効率的に捕獲することができる。
銀染色法による非特異吸着タンパク質の検出結果を示す図である。 Western−Blotting法によるDHFRの検出結果を示す図である。
〔標的物質捕獲用の固相担体〕
まず、本発明の標的物質捕獲用の固相担体(以下、単に本発明の固相担体ともいう。)について詳細に説明する。なお、本発明において特に断りのない限り数値範囲を表す「a〜b」等の記載は、「a以上、b以下」を意味し、a、bをその数値範囲内に含む。
本発明の固相担体は、表面の少なくとも一部が糖類で被覆又は形成された基材と、標的物質に特異的に結合するリガンドを結合させるための反応性官能基を有する原子数5〜100のリンカーとを有し、前記糖類と前記リンカーとが化学的に結合したものである。
本発明の固相担体は、創薬・プロテオミクス分野及び診断薬分野のリガンド結合用担体として利用できる。例えば、リンカーの反応性官能基にリガンドを結合させた場合、基材にリガンドが固定され、リガンドと標的物質(タンパク質等の生体関連物質)との分子間相互作用を用いた当該相互作用の解析及び/又は測定に利用できるようになり、標的物質を選別・精製することが可能となる。また、本発明の固相担体は、上記創薬・プロテオミクス分野及び診断薬分野の他、例えば、生化学分野、塗料、紙、電子写真、化粧品、医薬品、農薬、食品、触媒など広い分野での応用も期待できる。
<基材>
本発明における基材は、表面の少なくとも一部が糖類で被覆又は形成されているものである。ここで、本発明において糖類は、単糖類、二糖類、三糖以上の多糖類、及びこれらを官能基変換又は修飾した糖類を含む概念である。また、これらのうち1種を単独で含んでいても2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
単糖類としては、三炭糖、四炭糖、五炭糖、六炭糖が挙げられ、好ましくは五炭糖、六炭糖である。また、単糖類はアルドースでもケトースでもよい。単糖類としては、具体的には、キシロース、リボース、デオキシリボース、アラビノース、フルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース等が挙げられる。二糖類としては、トレハロース、ラクトース、コージオース、ニゲロース、マルトース、イソマルトース、ソホロース、ラミナリオース、セロビオース、ゲンチビオース等が挙げられる。上記二糖類以外の多糖類としては、デンプン、アミロース、アミロペクチン、デキストラン、デキストリン、グリコーゲン、シクロデキストリン、セルロース、アガロース、カードラン、アルギン酸、イヌリン、グルコマンナン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸等が挙げられる。
また、糖類は、カルボキシメチルセルロースやカルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルカードランのように、上述した糖類の分子内の官能基(例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基など)の少なくとも一部が変換されたものであってもよく、その変換は必要に応じて多段階施されたものであってもよい。
本発明において、糖類としては、多糖類が好ましい。なお、斯かる多糖類は上記の官能基変換又は修飾がされていてもよい。また、多糖類としては、基材と糖類とを化学結合させて基材の表面を覆う場合における被覆効率の点で、高分子量の多糖類が好ましい。
また、本発明においては、糖類が、カルボキシ基を有する糖類(好ましくはカルボキシ基を有する多糖類)を含むことが好ましく、糖類は、その一部がカルボキシメチル化された糖類(好ましくは一部がカルボキシメチル化された多糖類)でもよい。具体的には、糖類が、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルカードラン、ヒアルロン酸及びカルボキシメチルキチンから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、糖類がカルボキシメチルセルロースを含むことが特に好ましい。
また、上記糖類のカルボキシ基含有量は、単位糖あたりの平均カルボキシ基数で、0.1〜2が好ましく、0.3〜1.3がより好ましく、0.5〜0.9が特に好ましい。
また、糖類の分子量は、基材表面への被覆効率の観点から、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上、更に好ましくは2000以上であり、また、ハンドリング性低下や立体障害に伴う被覆効率の低下を抑える観点から、好ましくは1000000以下、より好ましくは300000以下、特に好ましくは100000以下である。
基材の形状は特に限定されるものではなく、板状、フィルム状、フィルター状、粒子状、繊維状、中空繊維状、モノリス状のいずれでもよいが、粒子状が好ましい。また、磁性体や超常磁性体を含有する磁性粒子がより好ましい。
基材が粒子状である場合において、基材の体積平均粒子径(粒径)としては、0.1〜20μmが好ましく、0.3〜17μmがより好ましく、0.5〜10μmが更に好ましい。粒径を0.1μm以上とすることにより、磁気分離などを用いた分離の効率が高まり、水などの洗浄溶媒と粒子との分離が容易になるため、標的物質以外の物質の除去効率が高くなり、精製効率が良好になる。一方、粒径を20μm以下とすることにより、表面積が十分に確保でき、標的物質の捕捉量が多くなる。
なお、体積平均粒子径は、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製 SALD−200Vなど)により測定できる。
基材としては、糖類で一部又は全部が形成された基材(アガロース粒子やセルロース粒子等)、センサーチップや磁性粒子のような糖類以外の有機系又は有機−無機複合系材料の表面の少なくとも一部が糖類で被覆された基材、金属、シリカ、シリコンのような無機系材料の表面の少なくとも一部が糖類で被覆された基材が挙げられる。なお、糖類の被覆は、物理的な被覆でも化学的な被覆でもよい。
これら基材の中でも、物理的強度や化学的耐久性に優れ、かつ、表面修飾が容易な点から、有機系又は有機−無機複合系材料の表面の少なくとも一部が糖類で被覆された基材が好ましく、磁性粒子表面の少なくとも一部が糖類で被覆された基材がより好ましい。なお、磁性粒子に含まれる磁性体は、強磁性、常磁性、超常磁性のいずれであってもよいが、超常磁性が好ましい。
また、上記磁性粒子の内部組成は均質でも不均質でもよいが、上記粒径範囲にある均質な磁性体粒子は、常磁性である物質が多く、磁力による分離精製を繰り返すと媒質への再分散が困難になる場合がある。このため、磁性粒子は、残留磁化の少ない磁性体微粒子を含む、不均質な内部組成を有することが好ましい。また、磁性体微粒子としては、Fe及びFeの少なくとも一方であることが好ましい。
不均質な内部組成を有する磁性粒子の内部構造としては、以下の(i)〜(iv)の構造が挙げられる。
(i)ポリマー等の非磁性体の連続相中に磁性体微粒子が分散した構造
(ii)磁性体微粒子の2次凝集体をコアとし、ポリマー等の非磁性体層がシェルとして設けられた構造
(iii)ポリマー等の非磁性体で構成される核粒子(非磁性核粒子)をコアとし、磁性体層(磁性体微粒子の2次凝集体)がシェルとして設けられた構造
(iv)ポリマー等の非磁性体で構成される核粒子(非磁性核粒子)と、該核粒子の表面に設けられた磁性体層(磁性体微粒子の2次凝集体)とを有する母粒子をコアとし、該母粒子の最外層に、ポリマー等の非磁性体層がシェルとして設けられた構造
なお、非磁性核粒子のような最外層にない非磁性体として使用できるポリマーも、磁性粒子を構成するポリマーとして列記した後述のポリマーと同様でよい。また、磁性体層は、Fe及びFeの少なくとも一方を含む磁性体微粒子を含むことができる。
本発明においては、上記構造(i)〜(iv)の中でも、構造(iv)が好ましい。
なお、(i)〜(iv)の構造の磁性粒子はいずれも常法に従い製造可能である。
例えば、上記(iii)の構造の磁性粒子は、非磁性核粒子と磁性体微粒子とを混合し、非磁性核粒子の表面に磁性体微粒子を物理的に吸着させることにより製造できる。なお、本発明において、「物理的吸着」とは、化学反応を伴わない吸着を意味する。「物理的吸着」の原理としては、例えば、疎水/疎水吸着、溶融結合又は吸着、融着結合又は吸着、水素結合、ファンデルワールス結合などが挙げられる。疎水/疎水吸着を利用して作製する方法としては、例えば、非磁性核粒子の表面及び磁性体微粒子の表面が疎水性のもの又は疎水化処理されたものを選択し、これらの非磁性核粒子及び磁性体微粒子をドライブレンドするか、又は、非磁性核粒子及び磁性体微粒子の双方を侵すことなく良分散性の溶剤(例えばトルエン、ヘキサン)中で充分分散させた後、混合条件下で溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
また、上記(iii)の構造の磁性粒子は、物理的に強い力を外部から加えて、非磁性核粒子の表面に磁性体微粒子を吸着させる方法により作製することもできる。物理的に強い力を負荷する方法としては、例えば、乳鉢、自動乳鉢、ボールミル、ブレード加圧式粉体圧縮法、メカノフュージョン法のようなメカノケミカル効果を利用するもの、又はジェットミル、ハイブリダイザーなど高速気流中衝撃法を利用するものが挙げられる。効率よくかつ強固に複合化を実施するには、物理的吸着力が強いことが望ましい。その方法としては、撹拌翼付き容器中で撹拌する方法が挙げられる。撹拌翼の周速度は好ましくは15m/秒以上、より好ましくは30m/秒以上、さらに好ましくは40〜150m/秒である。
また、上記(iii)の構造の磁性粒子は、ビニル系モノマーの懸濁重合、又はポリマーバルクの粉砕によって得ることもできる。具体的には、特公昭57−24369号公報記載のシード粒子を用いる二段膨潤重合法、ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス・ポリマーレター・エディション,937頁,第21巻,1963年(J. Polym. Sci., Polymer Letter Ed. 21,937(1963))記載の重合方法、特開昭61−215602号公報、特開昭61−215603号公報、及び特開昭61−215604号公報記載の方法が挙げられる。
また、上記(iv)の構造の磁性粒子は、例えば、上記のようにして得た(iii)の構造の磁性粒子を母粒子とし、この母粒子の表面に重合反応等により非磁性体層を形成させるなどして得ることができる。
本発明で使用する磁性粒子を構成するポリマーとしては、ビニル系ポリマーが好ましい。
ビニル系ポリマーを構成するビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニルモノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの官能基を有する(メタ)アクリレートの他、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、アリル(メタ)アクリレート、イタコン酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアリルフタレートなどを例示することができる。
ビニル系ポリマーはホモポリマーでもコポリマーでもよく、また、上記ビニル系モノマーとブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィンとの共重合体でもよい。
また、本発明の固相担体としては、基材と糖類が化学的に結合されたものが好ましい。特に本発明においては、基材表面の官能基と、糖類に含まれる官能基とを直接結合させること、又は、これら官能基を架橋剤を介して結合させることが好ましく、化学的な安定性の観点から、架橋剤を介して結合させることがより好ましい。
本発明に使用する架橋剤としては、2〜6価の架橋剤が好ましく、2〜4価の架橋剤がより好ましく、2価の架橋剤が特に好ましい。
架橋剤が有する架橋性基としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシ基、アシル基、メルカプト基、アミノ基、アミノアシル基、カルボニル基、ホルミル基、カルボキシ基、アミド基、スルホン酸基、リン酸基、エポキシ基、トシル基、アジド基、ビニル基、アリル基などが挙げられる。
これらの架橋性基と反応する基が、基材表面と糖類に含まれていればよい。
また、架橋剤に含まれる複数の架橋性基間は、炭化水素基、又は、ポリアルキレンオキシ基などの親水性の多価の有機基で結合されたものが好ましい。例えば本発明においては、基材表面がエポキシ基を有する場合には、エチレンジアミン、1,2−ビス(アミノエトキシ)エタン等の、架橋性基としてアミノ基を有する架橋剤を使用することが好ましい。
<リンカー>
本発明の固相担体は、標的物質に特異的に結合するリガンドを結合させるための反応性官能基を有する原子数5〜100のリンカーを有する。ここで、リンカーとは、反応性官能基にリガンドを結合させた場合に、基材とリガンドとをある程度距離をおいて連結する分子鎖を意味する。
本発明における原子数5〜100のリンカーは、リガンドを結合させたときに糖類の環構造とリガンドとの最短距離が原子数5〜100となるように調整されたリンカーのことをいう。この原子数が5未満の場合は、標的物質(タンパク質等)の結合サイトにアクセスしにくくなる。一方、原子数が100を超える場合は、基材にリンカーを導入する際の反応効率が低くなる。
本発明においては、上記原子数は、非特異吸着を少なくする観点や標的物質捕捉性能の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、更に好ましくは20以上、特に好ましくは25以上であり、また、好ましくは80以下、より好ましくは70以下、特に好ましくは60以下である。
ここで、上記のとおり本発明におけるリンカーの「原子数」は、リガンドを結合させたときの原子数を意味し、糖類の環構造に隣接する原子を始点とし、リガンドとの結合に使用される官能基(リガンドとの結合後にリンカー部に残る部分)を終点として数えた原子数をいうものとする。たとえば、カルボキシメチルセルロースをそのまま使用した場合、6位の炭素より始まってカルボキシ基のカルボニル炭素までとなるから、下記式(1)に示すとおりリンカーとしての原子数は4となる。また、後述する実施例のCMC被覆リンカー磁性粒子(A−5)であれば、下記式(2)に示すとおりリンカーとしての原子数は14となる。また、リンカーが環構造を有する場合や、分岐鎖構造を有し始点及び/又は終点が複数存在する場合は、始点から終点までの原子数のうち最小の原子数をいう。
本発明の固相担体において、リンカーは糖類と化学的に結合しているが、このリンカーは、上記反応性官能基の他に、糖類と化学的に結合し得る反応性官能基を少なくとも一端に有し、且つリンカーの一部又は全部を形成する分子(以下、リンカー分子ともいう)を使用して、糖類に結合させたものが好ましい。
ここで、リンカー分子は、少なくとも2つの末端に反応性官能基を有する分子が好ましい。リンカーを介さず基材に直接リガンドを結合した場合、リガンドと標的物質との結合が立体障害などの要因で妨げられ、標的物質が捕捉されにくくなるおそれがあるが、原子数5〜100のリンカーを介してリガンドを基材に結合するとそのようなおそれがなくなる。また、リンカーを介してリガンドを基材に結合させた場合であっても、基材表面とリガンドとが物理的に吸着してしまい、リガンドの活性が低下する場合があるが、本発明の固相担体は基材表面が糖類で被覆又は形成されているため親水性が高く、リガンドと基材との物理吸着を防ぐことができ、非特異吸着を大幅に抑えることができる。
リンカーは、その構造中に親水性構造を含むものが好ましい。固相担体に結合されたリガンドと標的物質とを結合させる操作は、通常水系媒体中で行われることが多いが、リンカーが親水性構造を含む場合は、水系媒体中で分子鎖が伸びたコンフォメーションをとりやすくなり、リンカーの機能を発揮しやすくなる。さらに、試料に含まれる標的物質以外の夾雑物の非特異的な吸着が抑制される。
親水性分子構造としては、ポリアルキレングリコール鎖、核酸構造、ポリペプチド鎖、ポリヒドロキシアルキレン基、ポリビニルアルコール鎖(部分鹸化ポリ酢酸ビニルを含む)、ポリビニルメチルエーテル鎖、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート鎖、ポリビニルピロリドン鎖、アクリルアミド又はアクリルアミド誘導体のポリマー鎖、ポリビニルアセトアミド鎖、ポリビニルホルムアミド鎖、グリコシル基、多糖類などが挙げられる。なお、これらのうち1種を含んでいても2種以上を含んでいてもよい。
これらの中でも、ポリアルキレングリコール鎖、核酸構造、ポリペプチド鎖、ポリヒドロキシアルキレン基、グリコシル基が好ましく、ポリアルキレングリコール鎖、核酸構造、ポリペプチド鎖がより好ましく、親水性が高く、入手や合成も容易である点で、ポリアルキレングリコール鎖が特に好ましい。
ポリアルキレングリコール鎖としては、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールのジブロック共重合体、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのABA型トリブロック共重合体(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシエチレン)が挙げられる。
また、リンカーは、親水性分子構造の他に、フェニレン基等のアリーレン基;ベンゼントリイル基等の3価の芳香族炭化水素基;メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基等の疎水性分子構造を含んでいてもよい。
なお、リンカーの主鎖の構造としては、直鎖構造でもよく、星型、櫛型、樹状などの分岐鎖(枝分かれ)構造であってもよいが、直鎖構造が好ましい。
リンカー分子は、リガンドと結合する反応性官能基Aに加えて、糖類が有する官能基と結合する反応性官能基Bを有することが好ましい。反応性官能基A及び反応性官能基Bは、リンカー分子の主鎖の少なくとも2つの末端に存在することが好ましい。リンカー分子が有する反応性官能基Aと反応性官能基Bは同一であっても、異なっていてもよい。
リンカー分子の主鎖が直鎖状である場合は、それぞれの末端に反応性官能基Aと反応性官能基Bを有することが好ましい。リンカー分子の主鎖が枝分かれ構造を持ち複数の末端を有する場合には、少なくとも2個以上の末端が反応性官能基A及び反応性官能基Bを有していればよく、反応性官能基を持たない末端があってもよい。
リンカー分子の分子量(数平均分子量)は、リガンドと基材とが十分な距離をおいて結合され、標的物質との結合において立体的に障害にならない長さが十分に確保できる分子量であればよいが、好ましくは200〜4000程度であり、より好ましくは1000〜2500である。
<反応性官能基>
リンカーは、標的物質に特異的に結合するリガンドを結合させるための反応性官能基を有する。当該反応性官能基(リンカー分子の反応性官能基A)は、標的物質に特異的に結合するリガンドを結合できるものであればよいが、例えば、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基、エポキシ基、メルカプト基、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、トシル基、アジド基、アルキニル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、シアノ基、ハロメチル基が挙げられ、また、アリルアジドやベンゾフェノン、トリフルオロメチルフェニルジアジリンなどの光反応性基等でもよい。これらの中でも、カルボキシ基、アミノ基が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。
なお、リンカー分子の反応性官能基Bとしても、上記と同様のものが挙げられる。
リガンドを結合させるための反応性官能基の含有量は、パーキングエリアとして、0.1〜100平方Å/反応性官能基程度であることが好ましく、1〜50平方Å/反応性官能基程度がより好ましく、3〜30平方Å/反応性官能基程度であることが更に好ましい。
ここで、パーキングエリアとは、担体表面において1分子の反応性官能基が占める面積を示す指標をいう。一般的に、リガンドの結合量はパーキングエリアの数値に反比例し、パーキングエリアが大きいほどリガンド結合量は少なくなる。
また、リガンドを結合させるための反応性官能基の含有量は、好ましくは1μmol/g以上、より好ましくは5μmol/g以上、更に好ましくは10μmol/g以上であり、また、好ましくは400μmol/g以下、より好ましくは100μmol/g以下、更に好ましくは50μmol/g以下、特に好ましくは30μmol/g以下である。
リガンドを結合させるための反応性官能基の含有量は、実施例に記載の方法に従い測定すればよい。
<活性官能基>
活性官能基の含有量は、標的物質の捕捉性能の観点から、好ましくは1μmol/g以上、より好ましくは5μmol/g以上、更に好ましくは10μmol/g以上、特に好ましくは11μmol/g以上であり、また、好ましくは100μmol/g以下、より好ましくは50μmol/g以下、更に好ましくは30μmol/g以下、特に好ましくは15μmol/g以下である。
ここで、本発明において活性官能基とは、リガンドを結合させるための反応性官能基のうち、リガンドを結合させたときに使用される反応性官能基(すなわち、活性がありリガンドと結合可能な反応性官能基)を意味する。
活性官能基量の測定方法としては、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などのクロマトグラフィー法が挙げられる。具体的には、反応性官能基がカルボキシル基やアミノ基である場合は、リガンドが結合したときに遊離するNHS量を定量するなどすればよい。
また、活性官能基の含有割合は、標的物質の捕捉性能の観点から、リガンドを結合させるための反応性官能基を100%として、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.1%以上、更に好ましくは0.5%以上、更に好ましくは30%以上、更に好ましくは45%以上、特に好ましくは55%以上であり、また、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、特に好ましくは80%以下である。なお、一般的には、活性官能基の割合が多くなると疎水性リガンドの影響により担体表面の環境が疎水化し、非特異的な結合が増える傾向にある。
<固相担体の製造方法>
次に、本発明の固相担体の製造方法について説明する。
本発明の固相担体は、例えば磁性粒子などの基材と糖類とを化学結合させるなどして、表面の少なくとも一部を糖類で被覆又は形成させる工程と、糖類と上記リンカー分子とを化学結合させる工程とによって製造できる。
本発明において、基材と糖類とを化学結合させるための手法としては特に制限がなく、公知の化学反応を用いることができる。例えば、本発明の固相担体を作製する際に使用する基材は、その表面に複数の官能基(第1の官能基)を有していてもよい。ここで第1の官能基とは、基材の粒子形状形成時に導入された官能基でもよいし、又はその官能基を粒子形状形成後に変換することによって得られた官能基でもよい。その際、官能基の変換は必要に応じて複数回行なってもよい。例えば、磁性粒子の粒子形状を形成した際に導入された官能基がエポキシ基である場合、そのエポキシ基に大過剰のアンモニア又は適当なジアミン化合物を作用させて生じるアミノ基を第1の官能基とすることができるし、また例えば、磁性粒子の粒子形状を形成した際に導入された官能基がヒドロキシ基である場合、そのヒドロキシ基をトシル基に変換した後、そのトシル基に大過剰の適当なジアミン化合物を作用させて生じるアミノ基を第1の官能基とすることができる。
本発明の固相担体を作製する際に使用する糖類は、その1分子中に複数個の官能基(第2の官能基)を有していてもよく、その官能基は糖類の官能基が変換されたものであってもよい。
第1の官能基及び/又は第2の官能基として使用可能な官能基としては、例えば、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、トシル基、アジド基、アルキニル基などが挙げられる。この場合、第1の官能基及び第2の官能基の組み合わせは互いに対して反応性を有する組み合わせとする。例えば、第1の官能基がエポキシ基である場合、第2の官能基としてはアミノ基などが挙げられ、また例えば、第1の官能基がアミノ基である場合、第2の官能基としてはカルボキシ基が挙げられる。第1の官能基と第2の官能基とを、直接又は架橋剤を介して反応させることにより、基材と糖類とを化学的に結合させることができる。
なお、上記化学結合は、リガンド結合工程で用いる溶媒と同様の溶媒存在下でおこなってもよい。
また、本発明において、糖類とリンカー分子とを化学結合させるための手法としては特に制限がなく、公知の化学反応を用いることができる。例えば、糖類に含まれる官能基とリンカー分子に含まれる反応性官能基Bとを化学反応させることにより、糖類とリンカー分子とを化学結合させることができる。
本発明の固相担体は、上述した工程によって作製された後、必要に応じて、pH調整を行い、次いで、透析・限外ろ過・遠心分離等の精製処理によって表面を洗浄してから、固相担体として使用することができる。
〔標的物質捕獲方法〕
次に、本発明の標的物質捕獲方法について説明する。
本発明の標的物質捕獲方法は、本発明の固相担体を準備する工程(固相担体準備工程)と、前記固相担体にリガンドを結合させ、リガンドが結合された固相担体を得る工程(リガンド結合工程)と、前記リガンドが結合された固相担体と、リガンドに特異的に結合する標的物質を含み得る試料とを接触させる工程(接触工程)とを含むことを特徴とする。
<リガンド結合工程>
リガンド結合工程は、固相担体にリガンドを結合させ、リガンドが結合された固相担体を得る工程である。
本発明で用いるリガンドは特に限定されないが、例えば、タンパク質(例えば、抗体、抗原、酵素、受容体、ホルモンなど)、ペプチド、核酸(例えば、DNA、RNAなど)、糖鎖化合物、化学物質(例えば、薬物候補物質)が挙げられる。本発明の固相担体は、上記リガンドの中でも、化学物質との結合に適しており、特に、水不溶性の化合物との結合、脂溶性の化合物(特に脂溶性の低分子化合物)との結合に適している。
ここで、水不溶性の化合物とは、室温(20℃)における水への溶解量が、水100mLに対して1g以下の化合物をいい、好ましくは0.1g以下のものをいう。
また、脂溶性の化合物とは、オクタノール/水分配係数のlog値であるLogPの値が−3.0以上である化合物をいい、好ましくは−2.0以上である化合物であり、より好ましくは0以上である化合物をいう。
リガンドの具体例としては、例えば、メトトレキサートやそのアミノ化誘導体(例えば、MTX−NH2(多摩川精機株式会社性))、レチノイン酸等が挙げられる。
リガンドの結合は、常法に従い行えばよく、例えば、カルボジイミド等の縮合試薬を使用するなどして共有結合法で結合すればよい。
例えば、リガンドがタンパク質である場合は、タンパク質中の官能基(例えば、アミノ基、カルボキシ基)と、リンカーの反応性官能基(例えばカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基)とを反応させることにより、リガンドとリンカーとを化学結合させればよい。この場合、リガンドとリンカーがアミド結合又はエステル結合を介して結合される。
また、リガンドが核酸である場合は、核酸中の官能基(例えば、リン酸基)と、リンカーの反応性官能基(例えばヒドロキシ基)とを反応させることにより、リガンドとリンカーとを化学結合させればよい。この場合、リガンドとリンカーとがホスホジエステル結合を介して結合される。
リガンド結合工程は溶媒中で行うのが好ましい。溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ−ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエチレングリコール誘導体;プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコール誘導体;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、乳酸エチル、γ−ブチルラクトンなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;トルエン、キシレン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、モルホリンなどのエーテル類;クロロホルム、1,2−ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類の他、ニトロメタンなどが挙げられ、これらのうち1種を単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、一般的な医薬品やその候補化合物などの生理活性物質を広く溶解するという観点から、アミド類、スルホキシド類が好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリン、ジメチルスルホキシドがより好ましい。本発明の固相担体は、水不溶性の化合物、脂溶性の化合物を上記溶媒中で結合させるのに特に適している。
また、上記溶媒は、水分の含有量が50質量%未満であるのが好ましく、より好ましくは30質量%未満である。
また、リガンド結合工程で得られたリガンド結合固相担体は、リガンドがリンカーに化学結合していることが好ましい。リンカーとリガンドは、例えば、−O−結合、−S−結合、−S(=O)−結合、−S(=O)−結合、−C(=O)−結合、−C(=O)O−結合、−NR−結合(ここで、R及びRは独立して、水素原子、又はメチル基、エチル基等のアルキル基)、−NHC(=O)−結合、−P(=O)−結合などの化学結合を介して結合しているのが好ましい。
<接触工程>
接触工程は、リガンドが結合された固相担体と、リガンドに特異的に結合する標的物質を含み得る試料とを接触させる工程である。斯かる工程により、リガンドに標的物質が捕捉される。
上記試料としては、例えば、全血、血清、血漿、血液成分、各種血球、血餅、血小板等の血液組成成分、尿、精液、母乳、汗、間質液、間質性リンパ液、骨髄液、組織液、唾液、胃液、関節液、胸水、胆汁、腹水、羊水等の体液、菌体液、細胞培養の培地、細胞培養上清、組織細胞の破砕液等の各種液体が例示される。試料は、生体から摂取したものでも、前処理したものでもよい。
本発明において、標的物質とは、本発明の固相担体に結合させたリガンドと特異的に結合する、捕捉の対象となる物質をいい、例えば生体関連物質が挙げられる。本発明において「生体関連物質」とは、生体に関わるすべての物質をいう。生体関連物質としては、例えば、生体に含まれる物質、生体に含まれる物質から誘導された物質、生体内で利用可能な物質が挙げられる。より具体的には、生体関連物質は特に限定されないが、例えば、タンパク質(例えば、酵素、抗体、受容体等)、ペプチド(例えばグルタチオン、RGDペプチド等)、核酸(例えば、DNAやRNA等)、糖質、脂質、及びその他の細胞又は物質(例えば、血小板、赤血球、白血球等の各種血球細胞を含む各種血液由来物質、各種浮遊細胞等)が挙げられる。
上記接触工程において、系中のpHは特に限定されないが、通常pH5〜10の範囲、好ましくはpH6〜8の範囲である。目的のpHを維持するために、通常、緩衝液が用いられる。緩衝液としては、例えば、リン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、HEPES、MES等が挙げあられる。
また、接触工程の反応温度は通常2〜42℃程度であり、反応時間は通常5分間〜一晩程度である、
接触工程の反応系には、必要に応じて、塩類や、アルブミン等のタンパク質、前述した非イオン性界面活性剤以外の界面活性剤等を添加することができるが、後の分析等を考慮すると、タンパク質や核酸を添加しない方が好ましい。
<洗浄工程及び解離工程>
本発明の標的物質の捕獲方法は、接触工程で生じた、固相担体と標的物質との複合体を洗浄する工程(洗浄工程)や、固相担体と標的物質との複合体から標的物質を解離する工程(解離工程)を含むことが好ましい。
上記複合体の洗浄や複合体からの標的物質の解離は常法に従い行えばよい。
(洗浄工程)
例えば、洗浄工程は、通常、固相担体の形状により2種類に分けられる。磁性粒子のように固相担体が粒子状である場合には、例えば洗浄液中に磁性粒子を分散させて洗浄する方法が挙げられ、一方、固相担体がマイクロプレートのような形態である場合には、その表面に洗浄液を接触させて洗浄する方法が挙げられる。洗浄工程によって、未反応の成分や未反応の標識物質等が除去される。
また、固相担体が磁性粒子の場合には、洗浄工程は、磁性粒子を磁力により集めて磁性粒子と液相とを分離する集磁工程、及び該集磁工程で分離された磁性粒子を液相中に再分散させる分散工程とを含むことが好ましい。これによって、未反応の物質や生体試料中の夾雑物を磁性粒子表面から更に効率よく洗浄・分離除去できる。具体的には、反応容器に磁場を作用させ、磁性粒子を反応容器壁に付着させて集めた後、反応上清を除去し、さらに必要に応じて適当な洗浄液を加え、同様に磁場を作用させた後上清を除去する操作を繰り返すことにより行えばよい。
(解離工程)
また、標的物質は、例えば、還元試薬などを用いることで、複合体から解離させることができる。
〔標的物質捕獲用のリガンド結合固相担体の製造方法〕
本発明のリガンド結合固相担体の製造方法は、本発明の固相担体と、リガンドとを結合させる工程を含むことを特徴とするものである。本発明の固相担体とリガンドとの結合は、本発明の標的物質捕獲方法におけるリガンド結合工程と同様にして行えばよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、「%」は特に断りのない限り質量基準である。
<物性評価方法>
(体積平均粒子径)
体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製 SALD−200V)で測定した。
(アミノ基定量)
粒子表面のアミノ基量は、Journal of Biochemical and Biophysical Methods,12,(1986),349−354の記載に従い、SPDP((株)同仁化学研究所製)を用いて定量した。
(表面官能基量)
粒子1g(固形分)を含む水分散体を用いて、特開平10−270233号公報に記載された電導度滴定によって、見かけの表面荷電量を求め、さらに、分散媒(水)のみを用いた同様の測定でバックグラウンドの荷電量を求め、これらの荷電量の差から、粒子の表面官能基(カルボキシ基)量を求めた。
<合成例1(糖類CMC−1の合成)>
カルボキシメチルセルロースナトリウム(MP Biochemicals 低粘度品(50〜200cps,4%水溶液)、エーテル化度0.8)20gを、0.1M水酸化ナトリウム水溶液300mLに溶解し、1時間撹拌した。この液を、イソプロピルアルコール3Lに滴下することにより、再沈殿させた。その後、風乾、真空乾燥することによりカルボキシメチルセルロース(CMC−1)20.5gを得た。
<合成例2(アミノ基担持磁性粒子(A−2)の合成)>
ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド75%溶液(日油株式会社製「パーロイル355−75(S)」)2gを、ドデシル硫酸ナトリウム1%水溶液20gに混合し、超音波分散機にて微細乳化した。これを、ポリスチレン粒子(体積平均粒子径:0.77μm)13g及び水41gの入ったリアクターに入れ、25℃で12時間撹拌した。別の容器にて、スチレン96g及びジビニルベンゼン4gをドデシル硫酸ナトリウム0.1%水溶液400gで乳化させ、この液を上記リアクターに入れ、40℃で2時間撹拌した後、75℃に昇温して8時間重合した。室温まで冷却した後、遠心分離により粒子のみ取り出したものをさらに水洗し、乾燥及び粉砕した。得られた粒子をコア粒子(a−1)とする。このコア粒子(a−1)の体積平均粒子径は1.5μmであった。
次に、油性磁性流体((株)フェローテック製「EXPシリーズ」)にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、疎水化処理された表面を有するフェライト系の磁性体微粒子(M−1)を得た。この磁性体微粒子(M−1)の平均一次粒子径は0.02μmであった。
次いで、コア粒子(a−1)15g及び磁性体微粒子(M−1)15gをミキサーでよく混合し、この混合物をハイブリダイゼーションシステムNHS−0型(奈良機械製作所(株)製)を使用して、羽根(撹拌翼)の周速度100m/秒(16200rpm)で5分間処理し、磁性体微粒子(M−1)からなる磁性体層を表面に有する粒子(1)を得た。粒子(1)の体積平均粒子径は2.0μmであった。
次に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5%水溶液1875gを、3Lセパラブルフラスコに投入し、次いで、上記粒子(1)75gを投入し、ホモジナイザーで分散した後、60℃に加熱した。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5%水溶液562.5gに、MMA(メタクリル酸メチル)99g、TMP(トリメチロールプロパントリメタクレート)13.5g、及びジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(日油株式会社製 パーロイル355)2.25gを加えて超音波分散機にて微細乳化したプレエマルジョンを、60℃にコントロールした上記3Lセパラブルフラスコに2時間かけて滴下した。滴下終了後もフラスコ内の温度を60℃に保持し、そのまま1時間反応させた。
次に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5%水溶液281.25gに、MMA32.06g、GMA(グリシジルメタクリレート)19.69g、TMP4.5g、及びジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(日油株式会社製 パーロイル355)1.13gを加えて超音波分散機にて微細乳化したプレエマルジョンを、60℃にコントロールした上記3Lセパラブルフラスコに1時間20分かけて滴下した。その後75℃に昇温した後さらに2時間20分重合を続けて、反応を完了させた。得られたポリマー被覆磁性粒子の水分散液を磁気精製及び重力沈降精製し、固形分濃度1%の磁性粒子(A−1)の水分散液を得た。この磁性粒子(A−1)の体積平均粒子径は2.9μmであった。
得られた磁性粒子(A−1)の水分散液13.5gを秤量し、磁気スタンド(MagicalTrapper,東洋紡(株)製)にて磁気分離し、上清を除去した。上清除去後にジメチルスルホキシド30mLに分散させた。その後、磁気分離してジメチルスルホキシドにより洗浄する操作を3回繰り返した後に、ジメチルスルホキシド27mLに分散させた。そこに、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン(DAD)23gを加えた後、窒素雰囲気下で50℃にて24時間加熱撹拌した。その後、磁気分離により上清を除去し、ジメチルスルホキシドにて5回、蒸留水を用いて5回洗浄を行うことにより、アミノ基担持磁性粒子(A−2)13.5gを水分散液として得た。SPDPを用いて磁性粒子(A−2)表面のアミノ基量の測定を行ったところ、183μmol/gであった。
<実施例1−1(リンカー長27原子CMC被覆リンカー磁性粒子(A−7)の合成)>
合成例1で得たCMC−1を10g溶解させた2.5%水溶液に、N,N−ジメチル(4,6−ジアザオクタ−4,5−ジエン−1−イル)アミン=モノヒドロクロリド3.2gとN−ヒドロキシスクシンイミド2gを加え、室温で15分転倒混和した。続いて、合成例2で得たアミノ基担持磁性粒子(A−2)を3g加え、室温で20時間転倒混和させた。その後、磁気分離により上清を除去し、純水に分散させ磁気分離して洗浄する操作を5回繰り返した後、再び純水に分散させ固形分の重さを測定し、CMC被覆磁性粒子(A−3)3.0gを水分散液として得た。
次に、純水中に分散した3.0gのCMC被覆磁性粒子(A−3)を、磁気分離と洗浄を5回繰り返すことにより、1,3−ジオキソラン15mLに分散させた。これを氷浴にて0℃に冷却した後、無水酢酸7.5mLをゆっくりと加えて室温で3時間転倒混和させた。その後、磁気分離により上清を除去し、1,3−ジオキソランにて3回洗浄、純水にて5回洗浄を行った。この粒子に水酸化ナトリウム0.1M水溶液を20mL添加し、室温で30分転倒混和分散させた。反応終了後、磁気分離により上清を除去、純水にて5回洗浄を行った後に、再び純水15mLに分散させ固形分の重さを測定し、CMC被覆磁性粒子(A−4)3.0gを水分散液として得た。
得られたCMC被覆磁性粒子(A−4)の分散媒を、磁気分離と洗浄を5回繰り返すことにより、脱水グレードのジメチルホルムアミド(脱水DMF)30mLに置換した。これを氷浴にて0℃に冷却した後に、(ジメチルアミノ)モルホリノ[[(1−シアノ−2−オキソ−2−エトキシエチリデン)アミノ]オキシ]メチルカチオン・ヘキサフルオロホスファート(COMU)1670mgとN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)1345μLを加え、室温で15分転倒混和させた。その後、DADを1150μL加えて、室温で18時間転倒混和させ反応を行った。反応終了後、磁気分離して上清を除去し、DMFにて3回洗浄、純水にて5回洗浄を行った後、再び純水15mLに分散させ固形分の重さを測定し、CMC被覆リンカー磁性粒子(A−5)3.0gを水分散液として得た。
次に、CMC被覆リンカー磁性粒子(A−5)の分散媒を、磁気分離と洗浄を5回繰り返すことにより、脱水DMF15mLに置換した。これに、あらかじめ氷上にて調製して室温で15分間転倒混和させておいた、COMU1570mg、DIEA1260μL及びα−カルボキシメチル−ω−カルボキシメトキシ−ポリオキシエチレン(Sigma−Aldrich社製、平均分子量:250)1410μLのDMF溶液15mLを、静かに加えて18時間、室温にて転倒混和させ反応を行った。反応終了後、磁気分離して上清を除去し、DMFにて3回洗浄、純水にて5回洗浄を行った後、再び純水15mLに分散させ固形分の重さを測定し、CMC被覆リンカー磁性粒子(A−6)3.0gを水分散液として得た。
次に、CMC被覆リンカー磁性粒子(A−6)の分散媒を、磁気分離と洗浄を5回繰り返すことにより、1,3−ジオキソラン15mLに置換した。これを氷浴にて0℃に冷却した後、無水酢酸7.5mLをゆっくりと加えて室温で3時間転倒混和させた。その後、磁気分離により上清を除去し、1,3−ジオキソランにて3回洗浄、純水にて5回洗浄を行った。この粒子に水酸化ナトリウム0.1M水溶液を20mL添加し、室温で30分転倒混和分散させた。反応終了後、磁気分離により上清を除去、純水にて5回洗浄を行った後に、再び純水15mLに分散させ固形分の重さを測定し、リンカー長が27原子のCMC被覆リンカー磁性粒子(A−7)3.0gを水分散液として得た。粒子(A−7)の表面官能基量は、20μmol/gであった。
<実施例1−2>
実施例1−1で得られた粒子(A−7)について、リガンドの結合と、活性カルボン酸量の測定を行った。また、粒子(A−7)にリガンドを結合したもの(粒子(A−8))を使用して、細胞破砕液中から標的タンパク質を捕捉する実験を行い、特異捕捉能の評価を行った。具体的手順を以下に示す。
(リガンド結合反応)
実施例1−1で得られたCMC被覆リンカー磁性粒子(A−7)の水分散液を固形分換算で3mg秤量し、磁気スタンドにて磁気分離し、上清を除去した。脱水DMFにて3回洗浄後、DMF540μLに懸濁し、氷上にて静置した。そこに、0.1mol/Lの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)DMF溶液30μLと、0.1mol/LのN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)DMF溶液30μLを加えて、1時間転倒混和したのち、脱水DMF600μLにて3回洗浄し、脱水DMF580μLに懸濁した。そこに、0.01mol/Lのメトトレキサートアミノ化誘導体(MTX−NH2:多摩川精機株式会社製)DMF溶液20μLを加えて、4℃で1時間転倒混和させ、反応を行った。反応終了後、磁気分離して上清を回収した(なお、ここで回収した上清は、活性カルボン酸量の測定に使用した)。その後、DMFにて3回、純水にて5回の洗浄を行った後、再び純水600μLに分散させることにより、CMC被覆リンカー磁性粒子にリガンドを結合させた粒子(A−8)を水分散液として得た。
粒子(A−8)のリンカーの構造を以下に示す。
(活性カルボン酸量測定)
リガンド結合工程にて回収した反応上清をサンプルとし、これに含まれる遊離したNHS量を、HPLCにより定量することで、粒子(A−7)の活性カルボン酸量(リガンド結合量)を評価した。0.5−100μMの範囲で検量線を作成し、その後サンプルの吸光度(波長:260nm)を測定することにより、活性カルボン酸量の評価を行った。その結果、活性カルボン酸量は、12.0μmol/gであった。
HPLC条件を以下に示す。
装置:LC−2000シリーズ、JASCO製
カラム:Inertsil ODS3(ジーエルサイエンス社製、150mm×3.0mm)
移動相:酢酸アンモニウム10mM緩衝液(pH5.7)(移動相A)及びアセトニトリル(移動相B)で、0〜20分:A94%、B6%→A60%、B40%(リニアグラジエント)のグラジエント条件とした。
(タンパク質結合反応)
まず、以下の組成のバッファー(pH7.9)を準備した(以下、バッファー(A)と称す)。
バッファー(A)の組成:HEPES:20mM、グリセロール10%(v/v)、KCl:0.1M、EDTA:0.2mM、ジチオトレイトール(DTT):1mM
次に、リガンド結合粒子(A−8)3mgを、バッファー(A)400μLで3回洗浄したのち、バッファー(A)300μLに分散させ、氷上に静置した。そこに、予め調製しておいたRAW264.7細胞破砕液のバッファー(A)分散液300μL(1.5×10Cells)を加え、4℃で4時間インキュベートした。なお、上記細胞破砕液には、標的タンパク質であるデヒドロ葉酸還元酵素(DHFR:22kDa)が含まれている。反応終了後、磁気スタンドにて集磁及び上清除去、バッファー(A)による洗浄を5回繰り返し、標的タンパク質結合粒子(A−9)を得た。
(タンパク質の剥離)
標的タンパク質結合粒子(A−9)3mgを含むチューブに、LDSサンプルバッファー(Lifetechnologies社製 NuPAGE LDS Sample Buffer (4×))10μL及び還元試薬(Lifetechnologies社製 NuPAGE Sample Reducing Agent (10×))30μLを加え、チューブヒーターにて95℃で5分間加熱することによりリガンド結合粒子に結合した標的タンパク質の剥離を行い、SDS−PAGE用のサンプルとした。
(粒子に結合したタンパク質の評価)
7.5〜15%のSDS−PAGE用グラジエントゲルに、6μL/レーンとなるように、上記サンプルをアプライし、SDS−PAGEを行った。
その後、分離されたタンパク質を銀染色法及びWestern−Blotting法にて検出した。
銀染色法は、2D−銀染色試薬−2(コスモバイオ社製)を使用し、添付のプロトコールにしたがって行った。結果を図1に示す。
Western−Blotting法は、次の手順で行った。(1)分離ゲルをメンブレン(BIO−RAD社製 Trans−Blot Turbo Transfer Pack Midi format, 0.2μm PVDF)に転写し、ブロッキング剤(ナカライテスク株式会社製 BlockingOne)中で、25℃で1時間振盪した。(2)さらに、メンブレンを洗浄液(Tween20を0.05%含むTBS)で洗浄後、1μg/mLの一次抗体を添加し、25℃で1時間振盪した。(3)メンブレンを洗浄液で洗浄し、標識抗体として0.5μg/mLのHRP標識抗マウスIgG抗体(Rockland社製 Mouse TrueBlot ULTRA)を添加し、25℃で1時間振盪した。(4)さらに、メンブレンを洗浄液で洗浄後、発光基質(Thermo scientific社製 SuperSignal West Dura Chemiluminescent Substrate)を反応させ、化学発光検出装置でバンドを検出した。結果を図2に示す。
上記銀染色法により非特異吸着タンパク質の検出を、Western−Blotting法によりDHFRの検出を、それぞれ行った。また、検出結果については、以下の基準にしたがい評価した。結果を表1に示す。
〔標的タンパク質捕捉量の評価基準〕
◎:Western−Blotting法において、一際濃いバンドとして検出されたもの。
○:Western−Blotting法において、濃いバンドとして検出されたもの。
△:Western−Blotting法において、薄いバンドとして検出されたもの。
×:Western−Blotting法において、僅かに確認できる程度のバンドとして検出されたもの。
〔非特異吸着タンパク質量の評価基準〕
○:銀染色法において、非特異吸着タンパク質がほとんど確認されなかったもの。
×:銀染色法において、非特異吸着タンパク質が大量に確認されたもの。
<実施例2−1(リンカー長51原子CMC被覆リンカー磁性粒子(A−10)の合成)>
粒子(A−6)を調製する際に用いたα−カルボキシメチル−ω−カルボキシメトキシ−ポリオキシエチレン(Sigma−Aldrich社製、平均分子量:250)を、α−カルボキシメチル−ω−カルボキシメトキシ−ポリオキシエチレン(Sigma−Aldrich社製、平均分子量:600)に変更した以外は、実施例1−1と同様の手順にて、リンカー長が51原子のCMC被覆リンカー磁性粒子(A−10)3.0gを水分散液として得た。粒子(A−10)の表面官能基量は、19μmol/gであった。
<実施例2−2>
粒子(A−7)を粒子(A−10)に変更する以外は、実施例1−2と同様の手順で、(1)リガンド結合反応、(2)活性カルボン酸量の測定、(3)タンパク質結合反応、(4)タンパク質の剥離、(5)粒子に結合したタンパク質の評価を行った。結果を表1、図1、2に示す。
また、粒子(A−10)にリガンドを結合させた粒子におけるリンカーの構造は、以下に示すとおりである。
<実施例3−1(リンカー長18原子CMC被覆リンカー磁性粒子(A−11)の合成)>
実施例1−1と同様にして得たCMC被覆リンカー磁性粒子(A−5)を、1,3−ジオキソランで洗浄し、磁気を用いて粒子を分離した。この作業を2回繰り返した後、1,3−ジオキソラン15mLに分散させた。そこに、トリエチルアミン0.2gと無水コハク酸0.5gを加え、室温で4時間撹拌した。反応終了後、磁気分離して上清を除去し、1,3−ジオキソランにて3回、純水にて5回洗浄を行った後、再び純水15mLに分散させ固形分の重さを測定し、リンカー長が18原子のCMC被覆リンカー磁性粒子(A−11)3.0gを水分散液として得た。粒子(A−11)の表面官能基量は、19μmol/gであった。
<実施例3−2>
粒子(A−7)を粒子(A−11)に変更する以外は、実施例1−2と同様の手順で、(1)リガンド結合反応、(2)活性カルボン酸量の測定、(3)タンパク質結合反応、(4)タンパク質の剥離、(5)粒子に結合したタンパク質の評価を行った。結果を表1、図1、2に示す。
また、粒子(A−11)にリガンドを結合させた粒子におけるリンカーの構造は、以下に示すとおりである。
<実施例4−1(分岐リンカーを有するリンカー長41原子CMC被覆リンカー磁性粒子(A−12)の合成)>
まず、国際公開第2004/025297号の記載を参考にして、下記式で表される化合物(分岐型リンカー化合物)の合成を行った。
次に、CMC被覆磁性粒子(A−4)を3.0g含む水分散液を、実施例1−1と同様にして得て、分散媒を、磁気分離と洗浄を5回繰り返すことにより脱水DMF30mLに置換した。これを氷浴にて0℃に冷却した後に、COMU1670mgとDIEA1345μLを加え室温で15分転倒混和させた。その後、合成した分岐型リンカー化合物を3170μL加えて、室温にて18時間転倒混和させ反応を行った。反応終了後、磁気分離して上清を除去し、DMFにて3回洗浄、純水にて5回洗浄を行った。その後、5%含水トリフルオロ酢酸15mLを加え室温で30分間攪拌することにより、カルボキシル基の保護に用いたt−Boc基の脱保護を行った。反応終了後、磁気分離して上清を除去し、純水にて5回洗浄を行った。再び15mL純水に分散させ固形分の重さを測定し、CMC被覆分岐型リンカー磁性粒子(A−12)3.0gを水分散液として得た。粒子(A−12)の表面官能基量は35μmol/gであった。
<実施例4−2>
粒子(A−7)を粒子(A−12)に変更する以外は、実施例1−2と同様の手順で、(1)リガンド結合反応、(2)活性カルボン酸量の測定、(3)タンパク質結合反応、(4)タンパク質の剥離、(5)粒子に結合したタンパク質の評価を行った。結果を表1、図1、2に示す。
また、粒子(A−12)にリガンドを結合させた粒子におけるリンカーの構造は、以下に示すとおりである。
<比較例1−1>
実施例1−1で合成したCMC被覆磁性粒子(A−4)を、比較例1−1の粒子として用いた。CMC被覆磁性粒子(A−4)は、リンカー長が4原子のCMC被覆リンカー磁性粒子である。粒子(A−4)の表面官能基量は26μmol/gであった。
<比較例1−2>
粒子(A−7)を粒子(A−4)に変更する以外は、実施例1−2と同様の手順で、(1)リガンド結合反応、(2)活性カルボン酸量の測定、(3)タンパク質結合反応、(4)タンパク質の剥離、(5)粒子に結合したタンパク質の評価を行った。結果を表1、図1、2に示す。
また、粒子(A−4)にリガンドを結合させた粒子におけるリンカーの構造は、以下に示すとおりである。
<比較例2−1(リンカー長10の有機ポリマー被覆磁性粒子(B−3)の合成)>
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5%水溶液4250gを、7Lセパラブルフラスコに投入し、次いで、合成例2で得た磁性体層を表面に有する粒子(1)170gを投入し、ホモジナイザーで分散した後、60℃に加熱した。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5%水溶液1275gに、MMA(メタクリル酸メチル)229.5g、TMP(トリメチロールプロパントリメタクレート)25.5g、及びジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(日油株式会社製 パーロイル355)5.1gを加えて超音波分散機にて微細乳化したプレエマルジョンを、60℃にコントロールした上記7Lセパラブルフラスコに2時間かけて滴下した。滴下終了後もフラスコ内の温度を60℃に保持し、そのまま1時間反応させた。
次に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5%水溶液637.5gに、GMA(グリシジルメタクリレート)111.56g、TMP15.94g、及びジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(日油株式会社製 パーロイル355)2.55gを加えて超音波分散機にて微細乳化したプレエマルジョンを、60℃にコントロールした上記7Lセパラブルフラスコに1時間20分かけて滴下した。その後、75℃に昇温し、さらに2時間20分重合を続けて反応を完了させた。得られたポリマー被覆磁性粒子の水分散液を、磁気精製及び重力沈降精製し、固形分濃度1%の磁性粒子(B−1)の水分散液を得た。この磁性粒子(B−1)の体積平均粒子径は2.9μmであった。
得られた磁性粒子(B−1)200gと水1800mLを3Lセパラブルフラスコに入れ、1mol/L硫酸水溶液を222mL加えた後に、60℃で6時間撹拌した。次いで、磁気を用いて上記セパラブルフラスコ中の粒子を分離した後、蒸留水を用いて繰り返し洗浄した。以上により、2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する磁性粒子(B−2)を得た。この磁性粒子(B−2)の体積平均粒子径は2.9μmであった。
磁性粒子(B−2)200gを1,3−ジオキソラン500mLで洗浄し、磁気を用いて粒子を分離した。この作業を2回繰り返した後、1,3−ジオキソラン1070mLに分散させた。そこに、1,3−ジオキソラン1026gに溶解させたトリエチルアミン29gと無水コハク酸200gを加え、室温で4時間撹拌した。反応終了後、磁気を用いて粒子を分離し、1,3−ジオキソランで2回、アセトンで3回、さらに蒸留水で4回洗浄して、カルボキシ基を有するリンカー長10の有機ポリマー被覆磁性粒子(B−3)を得た。粒子(B−3)の体積平均粒子径は2.9μmであり、表面官能基量は21μmol/gであった。
<比較例2−2>
粒子(A−7)を粒子(B−3)に変更する以外は、実施例1−2と同様の手順で、(1)リガンド結合反応、(2)活性カルボン酸量の測定、(3)タンパク質結合反応、(4)タンパク質の剥離、(5)粒子に結合したタンパク質の評価を行った。結果を表1、図1、2に示す。
また、粒子(B−3)にリガンドを結合させた粒子におけるリンカーの構造は、以下に示すとおりである。
<比較例3−1>
市販の標的タンパク質捕捉用有機ポリマー被覆磁性粒子(FG−beads COOHビーズ(多摩川精機株式会社製))を、比較例3−1の粒子として用いた。この粒子を粒子(B−4)とする。粒子(B−4)は、体積平均粒子径が200〜250nmであり、カルボキシル基の含有量は200〜250μmol/gである(共にカタログ値)。
<比較例3−2>
粒子(A−7)を粒子(B−4)に変更する以外は、実施例1−2と同様の手順で、(1)リガンド結合反応、(2)活性カルボン酸量の測定、(3)タンパク質結合反応、(4)タンパク質の剥離、(5)粒子に結合したタンパク質の評価を行った。結果を表1、図1、2に示す。
また、粒子(B−4)にリガンドを結合させた粒子におけるリンカーの構造は、以下に示すとおりである。
実施例1−1、2−1で作製した粒子を用いた場合、細胞破砕液由来の非特異吸着タンパク質はほとんど確認されず(非特異吸着タンパク質量の評価:「○」)、標的タンパク質であるDHFRが非常に効率よく捕捉されていることが確認された(標的タンパク質の捕捉量の評価:「◎」)。また、実施例3−1、4−1で作製した粒子を用いた場合についても、非特異吸着タンパク質はほとんど確認されず(非特異吸着タンパク質量の評価:「○」)、また、DHFRが効率的に捕捉されることが分かった(標的タンパク質の捕捉量の評価:「△〜○」)。
一方、比較例1−1の粒子を用いた場合では、活性カルボン酸量の値が小さく、標的タンパク質の捕捉がほとんど確認されなかった。また、比較例2−1で作製した有機ポリマー被覆粒子を用いた場合では、非特異吸着タンパク質が多く、しかも、標的タンパク質の捕捉量が少なかった。比較例3−1の粒子は、200−250nmと実施例の粒子と比べて粒径が1/10程度と小さいため高い活性カルボン酸値を示したが(カルボン酸の密度としては同程度)、非特異吸着タンパク質が多く確認された。

Claims (16)

  1. 表面の少なくとも一部が糖類で被覆又は形成された基材と、標的物質に特異的に結合するリガンドを結合させるための反応性官能基を有する原子数5〜100のリンカーとを有し、前記糖類と前記リンカーとが化学的に結合している標的物質捕獲用の固相担体を準備する工程と、
    前記固相担体にリガンドを結合させ、リガンドが結合された固相担体を得る工程と、
    前記リガンドが結合された固相担体と、リガンドに特異的に結合する標的物質を含み得る試料とを接触させる工程と、を含むことを特徴とする、
    標的物質捕獲方法。
  2. 前記基材が、磁性粒子表面の少なくとも一部が糖類で被覆された基材である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記リンカーが、その構造中にポリアルキレングリコール鎖、核酸構造、及びポリペプチド鎖から選ばれる少なくとも1種の構造を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記反応性官能基が、カルボキシ基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記糖類が、多糖類である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記糖類が、カルボキシ基を有する糖類を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記糖類が、カルボキシメチルセルロースを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記糖類が、前記基材と化学的に結合されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記リガンドが、脂溶性の化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記脂溶性の化合物が、オクタノール/水分配係数のlog値であるLogPの値が0以上の化合物である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記固相担体と前記リガンドとの結合を、水分の含有量が50質量%未満の溶媒中で行う、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 表面の少なくとも一部が糖類で被覆又は形成された基材と、
    標的物質に特異的に結合するリガンドを結合させるための反応性官能基を有する原子数5〜100のリンカーとを有し、
    前記糖類と前記リンカーとが化学的に結合している、
    標的物質捕獲用の固相担体。
  13. 前記反応性官能基の含有量が、1〜400μmol/gである、請求項12に記載の固相担体。
  14. 前記反応性官能基の含有量が、パーキングエリアとして、0.1〜100平方Å/反応性官能基である、請求項12又は13に記載の固相担体。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の固相担体と、リガンドとを結合させる工程を含むことを特徴とする、標的物質捕獲用のリガンド結合固相担体の製造方法。
  16. 請求項15に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする、
    標的物質捕獲用のリガンド結合固相担体。
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