JPWO2015111592A1 - 閉鎖循環濾過養殖システム - Google Patents

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Abstract

生物濾過装置における硝化に必要な酸素ガスを十分に供給することができる閉鎖循環濾過養殖システムを提供すること。循環ポンプを具備して飼育水を循環させる循環流路に、魚介類を飼育する飼育水槽と、飼育水槽から排出される飼育水を生物濾過処理する生物濾過装置を配設した閉鎖循環濾過養殖システムであって、飼育水槽の下流側でかつ生物濾過装置の上流側に位置する循環流路の部分に、酸素ガスをナノレベルの気泡となして飼育水に混合させることで気液混合水を生成する気液混合水生成装置を配設し、気液混合水生成装置で生成されて生物濾過装置に供給される気液混合水には、過飽和状態に酸素ガスを溶存させて、生物濾過装置で生物濾過処理された後に飼育水槽に供給される気液混合水にも過飽和状態に酸素ガスが溶存されている。

Description

本発明は、閉鎖循環濾過養殖システム、詳しくは、酸素ガスをナノレベル(外径が1μm以下)の気泡となして飼育水に混合させることで気液混合水を生成する気液混合水生成装置を備えた閉鎖循環濾過養殖システムに関する。
従来、閉鎖循環濾過養殖システムの一形態として、特許文献1に開示されたものがある。すなわち、特許文献1には、魚介類飼育水槽と、飼育水中の魚介類の糞と残餌等を捕集する沈澱槽と、沈澱槽により捕集されない飼育水中の浮遊懸濁物を捕集するフィルター装置と、 飼育水中のアンモニアを硝酸に酸化するバイオフィルター(生物濾過槽)と、この酸化作用により飼育水中に蓄積する硝酸を窒素ガスにして空気中に放出する脱窒槽と、飼育水の殺菌のための紫外線照射装置と、飼育水中に所要量の酸素ガスを溶かし込む酸素溶入器と、酸素溶入器からの飼育水を飼育水槽に供給するための循環経路を分岐して、分岐した循環経路の一つに設けられた飼育水温調節用のヒートポンプと、を順次接続して設けて構成した魚介類養殖装置が開示されている。
特開2000−312542号公報
ところが、特許文献1に開示された魚介類養殖装置は、生物濾過槽における硝化に必要な酸素ガスを十分に供給することができないという不具合がある。
そこで、本発明は、生物濾過装置における硝化に必要な酸素ガスを十分に供給することができる閉鎖循環濾過養殖システムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、循環ポンプを具備して飼育水を循環させる循環流路に、魚介類を飼育する飼育水槽と、飼育水槽から排出される飼育水を生物濾過処理する生物濾過装置を配設した閉鎖循環濾過養殖システムであって、
飼育水槽の下流側でかつ生物濾過装置の上流側に位置する循環流路の部分に、酸素ガスをナノレベルの気泡となして飼育水に混合させることで気液混合水を生成する気液混合水生成装置を配設し、
気液混合水生成装置で生成されて生物濾過装置に供給される気液混合水には、過飽和状態に酸素ガスを溶存させて、生物濾過装置で生物濾過処理された後に飼育水槽に供給される気液混合水にも過飽和状態に酸素ガスが溶存されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明では、過飽和状態に酸素ガスを溶存させた気液混合水が気液混合水生成装置により生成されて、その気液混合水が生物濾過装置に供給されるようにしているため、生物濾過装置における硝化に必要な酸素ガスを十分に供給することができる。この際、酸素ガスは、ナノレベルの気泡となしているため、生物濾過装置内において殆ど浮上することなく長時間滞留するとともに、気泡内から気液混合水中に溶解・拡散される。そのため、生物濾過処理された飼育水を別途に酸素溶解装置により処理して、飼育水の溶存酸素量(DO値)を高める必要がない。つまり、酸素溶解装置が不要となる。そのため、その分のコスト低減が図れる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、気液混合水生成装置の直上流側に位置する循環流路の部分に、物理濾過装置を配設していることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、物理濾過装置により濾過処理された飼育水に、気液混合水生成装置によりナノレベルの気泡となした酸素ガスを混合させるようにしているため、循環流路中の飼育水に蓄積する炭酸ガスの指標となるpHの低下が生じない。そのため、炭酸ガスを除去するための脱気装置を設ける必要性がない。ここで、炭酸ガスを除去する理由は、飼育魚が呼吸によって炭酸ガスを排出し、その濃度が上昇すると飼育水のpHの低下や、飼育魚の成長の鈍化などが生じるからである。したがって、脱気装置を設ける必要性がない分のコスト低減が図れる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明であって、飼育水槽と、硝化細菌の培地として浸漬型濾材を用いた生物濾過装置に、それぞれ空気を圧送する送気装置を接続していることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、送気装置により飼育水槽内に空気を圧送することにより、飼育水槽内で飼育水を循環させることができる。その結果、魚介類の飼育環境を良好となすことができる。また、送気装置により生物濾過装置に空気を圧送することにより、硝化細菌を活性化させることができる。その結果、硝化効果を高めることができる。
本発明によれば、生物濾過装置における硝化に必要な酸素ガスを十分に供給することができる閉鎖循環濾過養殖システムを提供することができる。
閉鎖循環濾過養殖システムの構成概略図。 第1実施形態に係る気液混合水生成装置の構成概略図。 気液混合水生成装置が具備する気液混合装置の正面側斜視説明図。 気液混合装置の断面右側面説明図。 図4のI-I線断面説明図。 図4のII-II線断面説明図。 第1実施形態としての気液混合手段の断面側面説明図。 第1実施形態としての気液混合手段の断面平面説明図(a)、部分拡大説明図(b)、及び(b)のIII-III線断面説明図(c)。 気液供給路形成ケースの平面図(a)、側面図(b)、及び底面図(c)。 混合気液導出路形成ケースの断面側面図(a)と底面図(b)。 第1エレメントの正面説明図(a)、(a)のIV-IV線断面図(b)、及び背面図(c)。 第2エレメントの正面説明図(a)、(a)のV-V線断面図(b)、及び背面図(c)。 混合ユニットの正面説明図。 第2実施形態に係る気液混合水生成装置の概念説明図。 第2実施形態としての流体混合手段の斜視説明図。 図15のVI-VI線断面説明図。 図15のVII-VII線断面説明図。 混合ユニットの拡大平面説明図(a)と断面拡大側面説明図(b)。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。すなわち、図1に示すSyは、本実施形態に係る閉鎖循環濾過養殖システムである。ここでの閉鎖循環濾過養殖システムSy(以下、「養殖システムSy」と略称する。)は、蒸発と管理作業による飼育水の損失分だけを補給するものから、一日当たりの飼育水と同量の注水(換水)を行うものまでを含む広い概念であるが、本実施形態の養殖システムSyでは、蒸発と管理作業による飼育水の損失分だけを補給するだけで養殖を行うようにしている。
[養殖システムの構成の説明]
養殖システムSyは、図1に示すように、循環流路Cに、飼育水槽Faと、沈澱槽Dpと、物理濾過装置Pfと、気液混合水生成装置(以下、「生成装置」と略称する。)Aと、生物濾過装置Bfと、調温装置Taと、循環ポンプPcと、をこの順で配設して構成している。
循環流路Cは、閉鎖する環状の流路を形成して、循環ポンプPcにより飼育水と酸素ガスと混合した後述する気液混合水Rmを循環させるようにしている。
飼育水槽Faは、魚介類を飼育ないしは養殖するために、プラスチックシート等の防水性のシートを上面開口の箱形に張設して形成した水槽であり、循環流路Cの上流側から流入するようにした飼育水ないしは気液混合水Rmを貯溜するとともに、その一部を循環流路Cの下流側に流出させるようにしている。D1は第1排水路であり、第1排水路D1を通して、飼育水槽Faの底部を掃除した際の魚介類の糞や残餌や排水等を系外の所定箇所へ排出可能としている。
沈澱槽Dpは、飼育水槽Faから流出される飼育水ないしは気液混合水Rmを導入して、飼育水ないしは気液混合水Rmよりも比重の大きい魚類の糞と残餌を沈降させて捕集し、残餌等が捕集・分離された処理水を循環流路Cの下流側に流出させるようにしている。
物理濾過装置Pfは、沈澱槽Dpから流出された処理水を濾過処理するものである。物理濾過装置Pfは、プラスチック製の網または多孔体若しくは金網、ガラスフィルター等のスクリーン状のもので構成され、その目詰まりを防ぐために逆洗水により逆洗浄可能としている。逆洗水は処理水を循環再利用するようにしている。スクリーンの洗浄は、処理水の流れ速度以上の速さで洗浄水を常時間欠的に圧力噴射して行う。物理濾過装置Pf内のスクリーンは交換可能としている。D2は第2排水路であり、第2排水路D2を通して、物理濾過処理物を系外の所定箇所へ排出可能としている。
生成装置Aは、物理濾過装置Pfから流出された濾過処理水と、酸素ガスボンベや酸素供給装置等の酸素供給源Ox(図2参照)から導入した酸素ガス(純酸素ないしは大部分が酸素からなるガス)と、を混合して気液混合水Rmを生成するものである。そして、生成装置Aは、酸素ガスの90%以上をナノレベルの気泡(外径が1μm以下、好ましくは、100nm以下の気泡;以下「ナノ気泡」とも言う。)に微細化するとともに、飼育水(具体的には、物理濾過処理水)に均一化させて混合可能としている。生成装置Aにより生成される気液混合水Rmには、過飽和状態に酸素ガスを溶存させるようにしている。すなわち、気液混合水Rmの溶存酸素飽和度が100%以上の過飽和状態(例えば、140%)となるようにしている。ここでの溶存酸素飽和度は、溶存酸素量を飽和溶存酸素量で除して、その除した値に100を乗じた値(%)である。生成装置Aから流出させる際の気液混合水Rmの溶存酸素飽和度は、生成装置Aへの酸素ガスの導入量を、飼育水槽Fa内で飼育する魚介類の種類や大きさや個体数等に応じて適宜調整することにより調整することができる。生成装置Aの具体的な構成は後述する。
生物濾過装置Bfは、生成装置Aから流出されるナノ気泡含有の気液混合水Rmを導入して、気液混合水Rm中に含まれる毒性の高い魚介類の排泄物のアンモニアを、好気性バクテリアである硝化細菌の働きにより、亜硝酸を経由して毒性の低い硝酸に酸化させる生物濾過処理を行うようにしている。硝化細菌の培地としては浸漬型濾材を用いている。生物濾過処理を行う生物濾過装置Bfの容器の大きさおよび必要濾材量は、飼育水槽Faで飼育される魚介類の大きさと個体数により変化するため、アンモニアなどの窒素排泄量と濾材のアンモニア酸化速度に基づいて適宜設計する。また、生物濾過装置Bfで生物濾過処理された後に飼育水槽Faに供給(還流)される気液混合水Rmにも過飽和状態(例えば、120%)に酸素ガスが溶存されているようにしている。飼育水槽Faに還流される気液混合水Rmの溶存酸素飽和度の調整は、予め生成装置Aから生物濾過装置Bfに導入される際の気液混合水Rmの溶存酸素飽和度を、飼育水槽Fa内で飼育する魚介類の種類や大きさや個体数等に応じて適宜調整することにより行うことができる。
調温装置Taは、生物濾過装置Bfから流出される気液混合水Rmを加温ないしは冷却することで、飼育水槽Faに貯溜される気液混合水Rmの水温を一定の範囲(例えば、15〜25℃、好ましくは、16℃)に維持するようにしている。調温装置Taは、系外である井戸等の取水源Wsに接続して、取水源Wsから導入した調温水により熱交換することで気液混合水Rmの水温を適宜調節可能としている。Eは取水設備であり、取水設備Eは、地下水を取水する取水ポンプや取水を濾過する取水濾過器や取水を殺菌する殺菌装置等を備えている。
飼育水槽Faと生物濾過装置Bfには、それぞれ送気パイプPaを介して空気を圧送するブロワーポンプ等の送気装置Asを接続している。
このように構成した養殖システムSyでは、過飽和状態に酸素ガスを溶存させた気液混合水Rmが生成装置Aにより生成されて、その気液混合水Rmが生物濾過装置Bfに供給されるようにしているため、生物濾過装置Bfにおける硝化に必要な酸素ガスを十分に供給することができる。この際、酸素ガスは、ナノ気泡となっているため、生物濾過装置Bf内において殆ど浮上することなく長時間滞留するとともに、気泡内から気液混合水Rm中に酸素が溶解・拡散される。そのため、生物濾過処理された飼育水を別途に酸素溶解装置により処理して、飼育水の溶存酸素量(DO値)を高める必要がない。つまり、酸素溶解装置が不要となる。そのため、その分のコスト低減が図れる。
物理濾過装置Pfにより物理濾過された濾過処理水に、生成装置Aによりナノ気泡となした酸素ガスを混合させるようにしているため、循環流路C中の飼育水に蓄積する炭酸ガスの指標となるpHの低下が生じない。そのため、炭酸ガスを除去するための脱気装置を設ける必要性がない。ここで、炭酸ガスを除去する理由は、飼育魚が呼吸によって炭酸ガスを排出し、その濃度が上昇すると飼育水のpHの低下や、飼育魚の成長の鈍化などが生じるからである。したがって、本実施形態では、脱気装置を設ける必要性がない分のコスト低減が図れる。
送気装置Asにより飼育水槽Fa内に空気を圧送することにより、飼育水槽Fa内で飼育水ないしは気液混合水Rmを循環させることができる。その結果、魚介類の飼育環境を良好となすことができる。また、送気装置Asにより生物濾過装置Bfに空気を圧送することにより、硝化細菌を活性化させることができる。その結果、硝化効果を高めることができる。
[生成装置の構成の具体的な説明]
以下に、第1〜3実施形態に係る生成装置Aの構成を、図面を参照しながら具体的に説明する。
<第1実施形態に係る生成装置の説明>
第1実施形態としての生成装置Aは、図2に示すように、上面開口箱型のタンクT内に物理濾過装置Pfから導入した飼育水Wを収容し、飼育水W中に気液混合装置Mを浸漬して構成している。気液混合装置Mは、酸素供給源Oxに接続して、酸素供給源Oxから取り入れた酸素ガスと飼育水Wを混合して気液混合水Rmを生成可能としている。なお、飼育水Wは、生成装置Aにより生成された気液混合水Rmとなって循環流路C中を循環されて、タンクT内には気液混合水Rmが貯溜される。
(気液混合装置の概略的説明)
気液混合装置Mは、図3〜図6に示すように、収容ケース10内に、飼育水W中に浸漬して使用する水中ポンプPと、酸素供給源Oxから供給された酸素ガスをナノレベルの微細気泡となして液体中に散気する微細気泡生成手段20と、微細気泡をさらに微細化するとともに液体と均一に混合する第1実施形態としての気液混合手段30と、を収容して構成している。気液混合手段30は、タンクT内の飼育水Wを、迅速かつ簡単に酸素ガスを成分とするナノバブルを含むナノバブル含有水となすことができる。
(収容ケースの説明)
収容ケース10は、図3〜図6に示すように、上面開口の四角形扁平箱型に形成した底部ケース形成体11に、下面開口の四角形箱型に形成した被覆ケース形成体12を連結して形成している。被覆ケース形成体12の周壁を形成する前・後端壁12a,12bと左・右側壁12c,12dには、それぞれ液体が流入する液体流入孔13を多数形成している。被覆ケース形成体12の天井部12eには、筒状のケーブル挿通部14とパイプ接続部15を、それぞれ上下方向に貫通状に設けている。ケーブル挿通部14は、送電用ケーブル6を挿通するためのケーブル挿通孔を有している。また、パイプ接続部15は、外部気体供給パイプ7と内部気体供給パイプ22を連通連結するためのパイプ連通路を有している。14aはケーブル挿通部固定片、15aはパイプ接続部固定片である。
水中ポンプPは、図示しないモータを収容したモータ収容部1の下方に、図示しないインペラを収容したインペラ収容部2を連設し、インペラ収容部2の下端に脚部3を垂設して構成している。インペラ収容部2は、扁平容器状に形成して、底部に流体(本実施形態では気泡混じりの液体)を吸入する吸入口部4を下方へ向けて円形開口状に形成する一方、モータ収容部1よりも前方へ膨出状に形成した膨出部2aの上面部に流体を吐出する吐出口部5を上方へ向けて円形開口状に形成している。収容ケース10内の水中ポンプPのモータには、収容ケース10外からケーブル挿通部14に挿通した送電用ケーブル6を接続している。水中ポンプPの脚部3は、固定ブラケット8を介して底部ケース形成体11に立設状に固定している。9は角部保護体、12fは把手であり、把手12fを把持することで気液混合装置Mの搬入・搬出等の移動作業が楽に行える。Esは、送電用ケーブル6を通して水中ポンプPに電気を供給する電源である。そして、水中ポンプPは、モータによりインペラを回転させることで、吸入口部4から流体を吸入するとともに、吐出口部5から流体を吐出可能としている。
(微細気泡生成手段の説明)
微細気泡生成手段20は、図4〜図6に示すように、散気部21と、散気部21に連通連結した内部気体供給パイプ22と、を具備している。散気部21は、セラミックス等により多孔質状となした散気体21aを筒状に形成して、散気体21aの両端部に支持片21b,21bを設けている。一方の支持片21bの中央部には筒状の接続部21cを突設しており、接続部21cの内側端部は散気体21aの内部空間と連通させるとともに、接続部21cの外側端部に内部気体供給パイプ22の一端を外嵌して連通連結している。
本実施形態では、底部ケース形成体11上に、水中ポンプPの脚部3の左右側方に位置させて、左右一対の散気部21、21を配設している。両散気部21、21の接続部21c,21cは、前方へ向けて突出させている。内部気体供給パイプ22は、被覆ケース形成体12の天井部12eに設けたパイプ接続部15の下端部に基端部を接続しており、先端部には、二叉状に分岐させた二叉分岐部22a,22aを形成して、接続部21c,21cに各二叉分岐部22a,22aを外嵌して連通連結している。パイプ接続部15の上端部には、外部気体供給パイプ7の先端部を接続し、外部気体供給パイプ7の基端部は酸素供給源Oxに接続している。そして、酸素供給源Oxから酸素が、外部気体供給パイプ7→パイプ接続部15→内部気体供給パイプ22→二叉分岐部22a,22a→接続部21c,21c→散気体21a,21aに供給され、多孔質性の散気体21a,21aの表面を通して飼育水W中に散気させるようにしている。この際、各散気体21a,21aから散気される酸素ガスは、マイクロレベルに微細化されるようにしている。なお、散気部21としては、例えば、(有)ニューマリンズ製の「エアーストン」(商品名)を使用することができる。
(第1実施形態としての気液混合手段の説明)
第1実施形態としての気液混合手段30は、図4〜図6に示すように、水中ポンプPの吐出口部5に起立状に連通連結している。気液混合手段30は、図8に示すように、吐出口部5と連通する気液供給路31と、気液供給路31に連通して酸素ガスと飼育水Wを蛇行させながら流動させるとともに、飼育水W中に酸素ガスを微細化して分散・混合する分散・混合流路32と、を具備している。分散・混合流路32は、気液供給路31の軸線方向と周方向に間隔をあけて多数連通して、各分散・混合流路32の終端部から気泡混じりの飼育水W(気液混合水Rm)を流出させるようにしている。
すなわち、気液供給路31は、気液供給路形成ケース33内に形成されるようにしており、気液供給路形成ケース33は、図5〜図7に示すように、正八角形筒状に形成した周壁34と、周壁34の上端面に張設して形成した上端面部35と、周壁34の下端面に張設して形成した下端面部36と、から形成している。下端面部36は、周壁34よりも外方へ張り出した円板状に形成している。下端面部36の後部には、周壁34内に位置させて導入口37を形成するとともに、導入口37の周縁部に位置する下端面部36の下面には、導入口37よりも大径で円筒状の導入案内体38を垂設して、導入案内体38内と導入口37を上下方向に連通させている。導入案内体38は、吐出口部5に嵌入させて、インペラ収容部2に気液供給路形成ケース33を連通連結することができる。この際、インペラ収容部2の吐出口部5には、導入案内体38及び導入口37を介して気液供給路形成ケース33内の気液供給路31が連通している。
気液供給路形成ケース33には、図7及び図8に示すように、多数個の混合ユニット40を取り付けている。すなわち、気液供給路形成ケース33の周壁34は、前記したように正八角形筒状に形成しており、周壁34の八つの各平面には上下方向に間隔をあけて複数(本実施形態では4個)の流路連通孔39を円形開口状に形成している。周壁34の八つの各平面には、各流路連通孔39を閉蓋するように混合ユニット40を取り付けている。
混合ユニット40は、図11〜図13に示すように、略同形の円板状に形成した第1エレメント41と第2エレメント42を対向状に配置して、両エレメント41,42の対面同士間に分散・混合流路32を形成している。
分散・混合流路32は、両エレメント41,42の始端縁部である中央部間を、第1エレメント41の中央部に形成した流入口43を介して前記流路連通孔39と連通させる一方、両エレメント41,42の終端縁部である外周縁部間を半径方向に開口する流出口44となしている。両エレメント41,42の各対向面には、同一の深さと大きさを有する多数の凹部45,46の群を流入口43側から流出口44側に向けて整然と隙間無く形成している。そして、対向する凹部45,46同士は、相互に連通するように位置を違えて配置して、対向する各凹部45,46間には、気泡混じりの液体が蛇行しながら合流と分流を繰り返しながら流入口43側から流出口44側に向けて流動するように形成している。
気液供給路形成ケース33の下端面部36上には、図7及び図10に示すように、周壁34と上端面部35を被覆する混合気液導出路形成ケース50を載置・連結して、気液供給路形成ケース33の外表面と混合気液導出路形成ケース50の内表面との間に混合気液導出路51を形成している。混合気液導出路形成ケース50は、円筒状の周壁形成片52と、周壁形成片52の上端縁部に連設した天井形成片53と、周壁形成片52の前上部に開口した円形状の導出口54の周縁部から前方へ向けて突設した円筒状の導出案内体55と、を具備している。導出案内体55は、図3〜図6に示すように、収容ケース10の前端壁12aの上部に開口した円形状の開口部12gから前方へ突出させている。周壁形成片52の下端内周縁部には、その周縁に沿わせて内方へ膨出する膨出部56を形成し、膨出部56に上下方向に軸線を向けた多数の雌ねじ穴56aを周方向に間隔をあけて形成している。36aは、下端面部36の外周部に雌ねじ穴56aに整合させて形成した多数のビス孔であり、雌ねじ穴56aにビス孔36aに通したビス57を螺着することで、下端面部36に混合気液導出路形成ケース50を連結している。
気液混合装置Mは、上記のように構成しているものであり、かかる気液混合装置Mによれば、下記のような作用効果が生起される。すなわち、タンクT内の飼育水W中に収容ケース10を浸漬することで、飼育水W中に水中ポンプPを浸漬して、酸素供給源Oxから内部気体供給パイプ22を通して散気体21a,21aに気体を供給し、散気体21a,21aを通してマイクロレベルに微細化された酸素ガスを飼育水W中に散気させる。そして、水中ポンプPを駆動させて、その吸入口部4から気泡混じりの水(初期気泡混合水)Rを吸入するとともに、水中ポンプPの吐出口部5から導入口37を通して気液供給路形成ケース33内に圧送する。気液供給路形成ケース33内に圧送された初期気泡混合水Rは、流路連通孔39→流入口43→混合ユニット40の分散・混合流路32内に流入し、蛇行しながら合流と分流を繰り返しながら流出口44側に向けて流動する。この際、マイクロレベルに微細化された気泡は、ナノレベルに微細化されるとともに飼育水Wと均一に混合される。また、水中ポンプP内に吸入する前に予め酸素を微細化してマクロレベルの微細な気泡となすことで、水中ポンプPのエア噛みを防止するとともに、水中ポンプPから吐出した後にマクロレベルの微細な気泡を混合ユニット40によりさらに微細化することができるため、堅実に大部分の気泡をナノレベルにすることができる。
そして、飼育水W中に気泡を微細化して分散・混合する分散・混合流路32は、気液供給路31の軸線方向と周方向に間隔をあけて多数連通して、各分散・混合流路32の終端部から気泡混じりの液体(図7及び図8に示す終期気泡混合水である気液混合水Rm)を流出させるようにしているため、混合ユニット40における圧力損失を低減させることができるとともに、ナノ気泡を含有する気液混合水Rmの流出量の増大化(効率化)を図ることができる。また、圧力損失を低減させることができる分散・混合流路32をコンパクトに形成することができるとともに、コンパクトに形成された分散・混合流路32を多数形成することができるため、ナノ気泡を含有する気液混合水Rmの流出量の増大化(効率化)を図ることができる。
混合ユニット40の流出口44から流出された気液混合水Rmは、混合気液導出路51→導出口54→導出案内体55から混合処理対象である液体中に吐出される。
(混合ユニットの構成の具体的な説明)
次に、混合ユニット40の構成をより具体的に説明する。すなわち、混合ユニット40は、図8,図11〜図13に示すように、中央部に初期気泡混合水Rの流入口43を形成した円板状の第1エレメント41に、円板状の第2エレメント42を対面させて配置して、両エレメント41,42の対面間に、中央部側の流入口43から流入した初期気泡混合水Rを周縁部側に向けて半径方向に流動させて分散・混合する分散・混合流路32を形成して構成している。第1エレメント41の中央部、つまり、流入口43の中心部に支持片60を介してビス孔部61を設ける一方、第2エレメント42の中央部にビス孔62を形成して、符合させたビス孔部61とビス孔62中にビス63を螺着することで、両エレメント41,42を対面状態に連結して混合ユニット40を形成している。両エレメント41,42の上下部にはそれぞれ符合する第1・第2取付孔64,64,65,65を中心軸と平行させて貫通状に形成するとともに、気液供給路形成ケース33の周壁34に、第1・第2取付孔64,64,65,65と符合する第3取付孔66,66を形成して、これら第1〜第3取付孔64〜66中に取付ボルト67を螺着することで、周壁34に混合ユニット40を取り付けている。
分散・混合流路32は、図11〜図13に示すように、第1・第2エレメント41,42の対向面に、それぞれ開口形状が正六角形(ハニカム状)である同形・同大の多数の凹部45,46を隙間のない状態で整然と配列して形成している。各エレメント41,42の凹部45,46の開口面は、突き合わせ状に面接触させるとともに、相互に連通するように位置を違えて配置している。初期気泡混合水Rの流入口43を中心とする同一円周上に配置した各エレメント41,42の凹部45,46の数は、中心部側から周縁部側に向けて漸次増大させて、流動方向である半径方向に分流数(分散数)を増大させている。両エレメント41,42の間の周縁部側に流出口44を形成している。
両エレメント41,42の当接面は、図13に示すように、第1エレメント41の凹部45の中心位置に、第2エレメント42の3つの凹部46が集まっている角部48が位置する状態で当接している。
このような状態で第1エレメント41と第2エレメント42を当接させると、第1エレメント41の凹部45と第2エレメント42の凹部46との間で初期気泡混合水Rを流動させることができる。
したがって、例えば、第1エレメント41の凹部45側から第2エレメント42の凹部46側に初期気泡混合水Rが流れる場合を考えると、初期気泡混合水Rは、2つの流路に分流(分散)されることになる。
つまり、第1エレメント41の凹部45の中央位置に配置された第2エレメント42の角部48は、初期気泡混合水Rを分流する分流部として機能する。逆に、第2エレメント42側から第1エレメント41側に初期気泡混合水Rが流れる場合を考えると、2方から流れてきた初期気泡混合水Rが1つの凹部45に流れ込むことで合流することになる。この場合、第2エレメント42の角部48は、合流部として機能する。
また、第2エレメント42の凹部46の中心位置にも、第1エレメント41の3つの凹部45が集まっている角部47が位置する。この場合は、第1エレメント41の角部47が上述した分流部や合流部として機能する。
このように、相互に対向状態に対面配置された両エレメント41,42の間には、中央の流入口43から両エレメント41,42の軸線方向に供給された初期気泡混合水Rが、分流と合流(分散と混合)を繰り返しながら両エレメント41,42の放射線方向(軸線方向と直交する半径方向)に蛇行状態にて流動する分散・混合流路32(図6参照)が形成されている。この分散・混合流路32において初期気泡混合水Rが流動する過程で、初期気泡混合水Rに分散・混合処理が施されて終期気泡混合液体である気液混合水Rmが生成される。
このように構成した混合ユニット40では、第1・第2エレメント41,42の凹部45,46の数は、中心部側から周縁部側に向けて漸次増大しているため、初期気泡混合水Rが合流する凹部45,46の数は周縁部側ほど増大するとともに、それに比例して数多く分流(分散)される。そのため、分散・混合流路32においては、初期気泡混合水Rにせん断力が作用して微細化される回数が、初期気泡混合水Rの流動方向(周縁部側に向かう半径方向)に沿って漸次増大する。その結果、マイクロレベルの気泡を含有する初期気泡混合水Rが、分散・混合流路32を通して堅実にナノ気泡を含有する終期気泡混合液体である気液混合水Rmとなって大量に流出される。
<第2実施形態に係る生成装置の説明>
(第2実施形態に係る生成装置の全体的な説明)
第2実施形態に係る生成装置Aは、図14に示すように、第2実施形態としての気液混合手段30を具備している。すなわち、生成装置Aは、飼育水Wを収容した上面開口箱型のタンクTの底部に循環パイプJの基端部を接続し、循環パイプJの先端部をタンクT内の飼育水W中に挿入することで、タンクT内と循環パイプJ中で流体を循環させる生成循環流路Cyを形成している。循環パイプJの中途部には酸素供給パイプK1を介して酸素供給源Oxを連通連結するとともに、酸素供給源Oxの下流側に位置させて気液混合手段30を連通連結している。気液混合手段30は、酸素供給源Oxから供給された酸素ガスと飼育水Wの気液混相にせん断力を作用させることで、酸素ガスを超微細な気泡を有する気泡群となして飼育水Wと混合するように構成している。
タンクTの下流側に位置する循環パイプJの中途部には、吸込ポンプP1と吐出ポンプP2とを直列的に隣接させて配設している。そして、上流側に配置した吸込ポンプP1の吐出口と下流側に配置した吐出ポンプP2の吸込口との間に位置する循環パイプJの部分には、酸素供給パイプK1を介して酸素供給源Oxを接続している。ここで、吸込ポンプP1の吐出圧は、吐出ポンプP2の吸込圧以下に設定している。V1は、酸素供給パイプK1の中途部に設けた気体供給量調整弁、V2は、循環パイプJの先端部に取り付けた圧力調整弁、Wkは、タンクT内に溶媒である飼育水Wを随時供給可能とした飼育水供給部である。
上記した生成循環流路Cyには、逆洗流路Bwを連通連結している。すなわち、気液混合手段30の直上流側に位置する循環パイプJの部分に、上流側三方弁V3を介して逆洗用迂回パイプUの一側端部を連通連結する一方、気液混合手段30の直下流側に位置する循環パイプJの部分に、下流側三方弁V4を介して逆洗用迂回パイプUの一側端部を連通連結している。逆洗用迂回パイプUの中途部には、中途部三方弁V5を設けて、中途部三方弁V5を介して排水収容部Hを連結している。逆洗流路Bwは、上・下流側三方弁V3,V4を介して循環パイプJと逆洗用迂回パイプUを連通させることで形成される。そして、タンクT内に収容した洗浄水を吸込ポンプP1及び/又は吐出ポンプP2により逆洗流路Bw内で所要回数だけ循環させることで、気液混合手段30の下流側から上流側に洗浄水を逆流させて気液混合手段30内を洗浄(逆洗)処理することができる。逆洗処理後は、逆洗用迂回パイプUの中途部に設けた中途部三方弁V5を介して排水収容部Hに洗浄排水を排出することができる。その後は、各三方弁V3,V4,V5を復元操作することで、生成循環流路Cyを復元するとともに、タンクT内に飼育水Wを収容することで、流体混合処理を再開することができる。
このように構成した生成装置Aでは、吸込ポンプP1と吐出ポンプP2を協働させることで、それらの間に配設した酸素供給源Oxから供給される酸素ガスが、吸込ポンプP1の吐出口からの吐出圧を受けるとともに、吐出ポンプP2の吸込口からの吸引圧(エジェクタ効果)を受けて、円滑かつ安定して吸入される。その結果、飼育水Wに混入される酸素ガスの量を一定に確保することができる。また、本実施形態では飼育水Wと酸素ガスとの混合流体の生成能力を確保したまま消費電力が小さい吸込ポンプP1と吐出ポンプP2を組み合わせて協働使用することができるので、生成装置Aの製造コストやランニングコストを低減させることができる。
また、上・下流側三方弁V3,V4を操作して逆洗流路Bwを形成することで、気液混合手段30の下流側から上流側に洗浄水を逆流させて、気液混合手段30内を洗浄(逆洗)処理することができる。逆洗処理後は、中途部三方弁V5を介して排水収容部Hに洗浄排水を排出することができる。その後は、各三方弁V3,V4,V5を復元操作することで、簡単に流体混合処理を再開することができる。このように、適宜逆洗処理をすることで、気液混合手段30の流体混合機能を良好に確保することができる。
(第2実施形態としての気液混合手段の説明)
第2実施形態としての気液混合手段30について、図15〜図18を参照しながら説明する。気液混合手段30は、図15〜図18に示すように、気泡混じりの水(初期気泡混合水)Rを加圧状態にて導入する導入口111を設けた混合ケース110内に、導入口111から導入された初期気泡混合水Rを混合する複数の混合ユニット120を配設し、混合ケース110には混合ユニット120により混合された気液混合水Rm(終期気泡混合水)を導出する導出口112を設けて構成している。
混合ケース110内には、導入口111側から導出口112側に向けて複数の混合ユニット120を相互に間隔をあけて直列的に配設して、混合ユニット120間に中継溜り空間Shを形成するとともに、導入口111と最上流側に配置した混合ユニット120との間に導入口側溜り空間Suを形成する一方、最下流側に配置した混合ユニット120と導出口112との間に導出口側溜り空間Sdを形成して、各溜り空間Su,Sh,Sdの間に混合ユニット120を連通させて配置している。
混合ユニット120は、板状の第1エレメント130と第2エレメント140の面同士を対向状に配置して、両エレメント130,140の始端縁部間を流入口150となす一方、両エレメント130,140の終端縁部間を流出口151となし、両エレメント130,140の各対向面131,141には、同一の深さと大きさを有する複数の凹部群132,142を流入口150側から流出口151側に向けて間隔をあけて区分して形成するとともに、対向する凹部134,144同士は、相互に連通するように位置を違えて配置して、各凹部群132,142の対向する凹部134,144間には、初期気泡混合水Rが蛇行しながら合流と分流を繰り返しながら流入口150側から流出口151側に向けて流動するように構成している。
そして、本実施形態の気液混合手段30は、複数(本実施形態では10個)の混合ユニット120を積層状に重合配置して混合ユニット積層体160を形成して、混合ケース110内の導入口111と導出口112との間において、導入口側溜り空間Suと中継溜り空間Shとの間、中継溜り空間Shと中継溜り空間Shとの間、及び、中継溜り空間Shと導出口側溜り空間Sdとの間に、それぞれ混合ユニット積層体160を配設している。つまり、本実施形態では、混合ケース110内に複数(本実施形態では4個)の混合ユニット積層体160を上流側から下流側に向けて一定の間隔をあけて直列的に配設している。各混合ユニット120の流入口150は、導入口111側に向けて開口配置する一方、各混合ユニット120の流出口151は、導出口112側に向けて開口配置している。
このように構成した気液混合手段30では、以下のような作用効果が生起される。すなわち、混合ケース110内の導入口111と導出口112との間において、導入口側溜り空間Suと中継溜り空間Shとの間、中継溜り空間Shと中継溜り空間Shとの間、及び、中継溜り空間Shと導出口側溜り空間Sdとの間に、それぞれ混合ユニット120を連通させて配置しているため、混合ケース110内を流動する初期気泡混合水Rは、流動抵抗のない各溜り空間Su,Sh,Sdと、流動抵抗となる各混合ユニット120を交互に直列的に通過することで堅実に脈流となる。
すなわち、流動抵抗が殆どない各溜り空間Su,Sh,Sd内を流動する初期気泡混合水Rの流速は、比較的大きいものの、混合機能を有する各混合ユニット120中を流動する初期気泡混合水Rは、流動抵抗を受けてその流速が比較的低減される。そのため、混合ケース110内を流動する初期気泡混合水Rの流速は、大→小→大→小→大と変化(激変)されて、初期気泡混合水Rの流れが堅実な脈流となる。その結果、各混合ユニット120中を流動する際はもとより、混合ケース110内において脈流となって流動する際にもせん断効果が生起されて、相乗的なせん断効果が得られる。
また、各混合ユニット120の上流側と下流側には、それぞれ各溜り空間Su,Sh,Sdを配置して、各混合ユニット120の流入口150は、導入口111側に向けて開口配置する一方、各混合ユニット120の流出口151は、導出口112側に向けて開口配置しているため、混合ケース110内における圧力損失を低減させることができる。そのため、気液混合手段30に流体を加圧して供給する吸込ポンプP1と吐出ポンプP2の電力消費量の低減を図ることができるとともに、混合処理済み流体である気液混合水Rmの流出量(導出量)の増大化(効率化)を図ることができる。
また、本実施形態では、吸込ポンプP1と吐出ポンプP2により導入口111を通して混合ケース110に初期気泡混合水Rを加圧状態にて導入し、混合ケース110内に配設した混合ユニット120により初期気泡混合水Rを混合して、気液混合水Rmを導出口112から混合ケース110外に導出することができる。
そして、混合ユニット120では、面同士を対向状に配置した板状の第1エレメント130と第2エレメント140の始端縁部間である流入口150から初期気泡混合水Rを流入させて、両エレメント130,140の終端縁部間である流出口151から流出させるまでの間に、流入した初期気泡混合水Rを各凹部群132,142の対向する凹部134,144間にて合流と分流を繰り返しながら蛇行させて流動させることにより、堅実に気液混合水Rmを生成することができる。
この際、連続相と分散相からなる初期気泡混合水Rが流入口側(上流側)の凹部群132,142間を蛇行しながら流動する際に受けるせん断力により分散相としての流体(本実施形態では気体)が微細化された気液混合水Rmが生成される。
このように、各凹部群132,142の対向する凹部134,144間に初期気泡混合水Rが蛇行しながら合流と分流を繰り返しながら流入口150から流出口151に至る連続的な流路において、分散相としての流体が異なるせん断力を受けながら複数回にわたって微細化されるため、マイクロレベルないしはナノレベルへの微細化生成も堅実にかつ効率良く行うことができる。
本実施形態の気液混合手段30では、混合ケース110内に、混合ユニット120を積層状に重合配置して形成した複数の混合ユニット積層体160を配設しているため、これらの混合ユニット積層体160により多量の気液混合水Rmを生成することができる。したがって、気液混合水Rmの生成効率を高めることができる。その結果、気液混合手段30には、初期気泡混合水Rを一度通過(1パス)させるだけでも混合精度(例えば、微細化性と均一化性)の高い気液混合水Rmの生成することができ、所定回数通過させることで短時間に所望の気液混合水Rmを得ることができる。
(第2実施形態としての気液混合手段の具体的な説明)
次に、第2実施形態としての気液混合手段30の構成をより具体的に説明する。すなわち、混合ケース110は、一方向(本実施形態では左右方向)に伸延する四角形箱型に形成しており、左右方向に伸延する四角形板状の天井部113及び底部114と、天井部113及び底部114の前後左右側縁部間に介設した四角形板状の前・後・左・右側壁部115,116,117,118と、により形成している。右側壁部118の中央部には、円形の導入口111を設けて、導入口111に循環パイプJの中途部の上流側端部を連通連結し、循環パイプJを通して導入口111から初期気泡混合水Rを加圧状態にて導入するようにしている。左側壁部117の中央部には、導入口111よりも小径で円形の導出口112を設けて、導出口112に循環パイプJの中途部の下流側端部を連通連結し、混合ユニット120により混合された気液混合水Rmを導出口112から循環パイプJを通して導出するようにしている。
混合ユニット120の凹部群132は、開口形状が(底面視)正六角形で有底筒状の凹部134を幅方向(本実施形態では前後方向)にわたって隙間のない状態で伸延方向(本実施形態では左右方向)に複数列(本実施形態では4列)隣接させて垂設し、凹部134を下方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部134が形成されている。
また、混合ユニット120の凹部群142は、第2エレメント140の対向面141の流入口150側に底面視正六角形で有底筒状の凹部144を幅方向(本実施形態では前後方向)にわたって隙間のない状態で伸延方向(本実施形態では左右方向)に複数列(本実施形態では4列)隣接させて突設し、凹部144を上方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部144が形成されている。
凹部群132を形成する凹部134と凹部群142を形成する凹部144同士は、対向させて配置するとともに相互に連通するように位置を違えて配置している。つまり、凹部134(144)の中心位置に、凹部144(134)の角部146(136)が位置する状態で当接している。したがって、例えば、第1エレメント130の凹部134側から第2エレメント140の凹部144側に初期気泡混合水Rが流れる場合を考えると、初期気泡混合水Rは、2つの流路に分流(分散)されることになる。すなわち、第1エレメント130の凹部134の中央位置に位置された第2エレメント140の角部146は、初期気泡混合水Rを分流する分流部として機能する。逆に、第2エレメント140側から第1エレメント130側に初期気泡混合水Rが流れる場合を考えると、2方から流れてきた初期気泡混合水Rが1つの凹部134に流れ込むことで合流することになる。この場合、第2エレメント140の凹部144の中央位置に位置された第1エレメント130の角部136は、合流部として機能する。
混合ユニット120は、アクリル樹脂等の合成樹脂により各パーツ(構成部材)を形成して、これらを接着剤により一体的に接着することで一体的に構成することも、また、ステンレス鋼等の合金により各パーツを形成して、これらをビス止めにより一体的に組み付けることで一体的に構成するもできる。
本実施形態では、初期気泡混合水Rの流動幅である混合ユニット120の左右幅W2(導入口から導出口へ向けて流動する初期気泡混合水Rの流動方向の幅)よりも、初期気泡混合水Rの流入・流出幅である混合ユニット120の前後幅W5(初期気泡混合水Rの流動方向と略直交する方向の幅であって、前・後壁部115,116の間隔と同一幅)を広幅となした帯状に形成している。導入口側溜り空間Suの左右幅W1は、混合ユニット120の左右幅W2と略同一幅となし、中継溜り空間Shの左右幅W3は、混合ユニット120の左右幅W2の略二分の一幅となし、導出口側溜り空間Sdの左右幅W4は、混合ユニット120の左右幅W2と略同一幅となしている。各溜り空間Su,Sh,Sdの前後幅と上下幅は、混合ケース110の内面の前後幅と上下幅と同一である。そして、導入口側溜り空間Suの下流側面と最上流側に配置した第1の混合ユニット積層体160の各流入口150とが面接触して連通し、第1の混合ユニット積層体160の各流出口151と、最上流側に形成した第1の中継溜り空間Shの上流側面と、が面接触して連通し、第1の中継溜り空間Shの下流側面と、第2の混合ユニット積層体160の各流入口150と、が面接触して連通し、第2の混合ユニット積層体160の各流出口151と、第2の中継溜り空間Shの上流側面と、が面接触して連通し、第2の中継溜り空間Shの下流側面と、第3の混合ユニット積層体160の各流入口150と、が面接触して連通し、第3の混合ユニット積層体160の各流出口151と、第3の中継溜り空間Shの上流側面と、が面接触して連通し、第3の中継溜り空間Shの下流側面と、第4の混合ユニット積層体160の各流入口150と、が面接触して連通し、第4の混合ユニット積層体160の各流出口151と、導出口側溜り空間Sdの上流側面と、が面接触して連通している。また、上記した左右幅W2〜W4は、好ましくは、左右幅W1≧左右幅W2×2、左右幅W3=左右幅W2/2、左右幅W4≧左右幅W2×(2ないしは3)に設定することで、導出口側溜り空間Sdの体積を中継溜り空間Shの体積の2倍以上に形成し、かつ、導入口側溜り空間Suの体積を中継溜り空間Shの体積の2倍〜3倍以上に形成できる。
このようにして、導入口111から導入されて導入口側溜り空間Suに充満した初期気泡混合水Rは、第1の混合ユニット積層体160の各流入口150から各混合ユニット120内に並列状態に流入して、各混合ユニット120内で蛇行しながら合流と分流(分散)を繰り返しながら流動することで、せん断力を受けて分散相である気体が微細化されるとともに均一に混合された気液混合水Rmとなる。
続いて、気液混合水Rmは、第1の混合ユニット積層体160の各混合ユニット120の各流出口151から流出されて、第1の中継溜り空間Shに充満される。第1の中継溜り空間Shに充満された気液混合水Rmは、第2の混合ユニット積層体160の各流入口150から各混合ユニット120内に並列状態に流入して、各混合ユニット120内で第1の混合ユニット積層体160と同様に混合処理される。その結果、分散相である気体が、さらに微細化されるとともに、均一に混合された気液混合水Rmとなる。
続いて、気液混合水Rmは、第2の混合ユニット積層体160の各混合ユニット120の各流出口151から流出されて、第2の中継溜り空間Shに充満される。第2の中継溜り空間Shに充満された気液混合水Rmは、第3の混合ユニット積層体160の各流入口150から各混合ユニット120内に並列状態に流入して、各混合ユニット120内で第2の混合ユニット積層体160と同様に混合処理される。その結果、分散相である気体が、さらに微細化されるとともに、均一に混合された気液混合水Rmとなる。
続いて、気液混合水Rmは、第3の混合ユニット積層体160の各混合ユニット120の各流出口151から流出されて、第3の中継溜り空間Shに充満される。第3の中継溜り空間Shに充満された気液混合水Rmは、第4の混合ユニット積層体160の各流入口150から各混合ユニット120内に並列状態に流入して、各混合ユニット120内で第3の混合ユニット積層体160と同様に混合処理される。その結果、分散相である気体が、さらに微細化されるとともに、均一に混合された気液混合水Rmとなる。
続いて、気液混合水Rmは、第4の混合ユニット積層体160の各混合ユニット120の各流出口151から流出されて、導出口側溜り空間Sdに充満される。導出口側溜り空間Sdに充満された気液混合水Rmは、導出口112から導出される。
各混合ユニット120においては、初期気泡混合水Rの流動幅である各混合ユニット120の左右幅よりも初期気泡混合水Rの流入・流出幅である各混合ユニット120の前後幅W5を広幅に形成しているため、大量の初期気泡混合水Rが短時間に各混合ユニット120を流動して通過する。
このように、混合ケース110内では、初期気泡混合水Rないしは気液混合水Rmが、導入口111→導入口側溜り空間Su→第1の混合ユニット積層体160→第1の中継溜り空間Sh→第2の混合ユニット積層体160→第2の中継溜り空間Sh→第3の混合ユニット積層体160→第3の中継溜り空間Sh→第4の混合ユニット積層体160→導出口側溜り空間Sd→導出口112へと流動する。
この際、混合ケース110内では、比較的流路抵抗が小さい各溜り空間Su,Sh,Sdと、比較的流路抵抗が大きい第1〜第4混合ユニット積層体160と、が交互に配置されているため、混合ケース110内を流動する初期気泡混合水Rないしは気液混合水Rmは、その流速が間欠的に激変する脈流になる。そのため、初期気泡混合水Rは、各混合ユニット120中を流動する際にせん断力を受けることはもとより、混合ケース110内においても脈流となって流動される際にせん断力を受ける。その結果、初期気泡混合水Rに作用させるせん断効果を増大させて、分散相をナノ気泡に微細化することができるとともに、大量に気液混合水Rmを生成することができる。
また、本実施形態では、混合ケース110内に所要枚数(本実施形態では、10枚)の混合ユニット120を積層状に重合させて配設することで混合ユニット積層体160をコンパクトに形成することができるとともに、複数(本実施形態では、4個)の混合ユニット積層体160を上流側から下流側に間隔をあけて配設することで、各混合ユニット120による流体混合処理を同時に平行して効率良く行うことができる。したがって、混合ケース110内にコンパクトに配設された適当な個数の混合ユニット120により、適量の気液混合水Rmが、効率良く生成されるとともに、混合ケース110から導出される。
前記のように構成した気液混合手段30は、水中ポンプの吐出部に導入口111を接続して、水中ポンプの吸入部から吸入した異なる複数の流体を、吐出部から気液混合手段30内に吐出して、気液混合手段30内にて流動させることで、流体混合処理を行うこともできる。
本実施形態では、混合ケース110内に4個の混合ユニット積層体160を配設しているが、混合ユニット積層体160の配設個数は、これに限られるものではなく、気液混合水Rmの生成量等に応じて、所望個数である単数個ないしは複数個の混合ユニット積層体160を配設することができる。
<第3実施形態に係る生成装置の説明>
第3実施形態に係る生成装置Aは、第1実施形態としての気液混合手段30に代えて、第2実施形態としての気液混合手段30を取り付けることで構成することができる。すなわち、気液混合装置Mにおいて、導入案内体38に導入口111を接続するとともに、収容ケース10の開口部12gに導出口112を接続することにより、第2実施形態としての気液混合手段30を採用して構成することができる。
このように構成した第3実施形態に係る生成装置Aでは、第1・第2実施形態に係る生成装置Aと同様の効果を得ることができる。
次に、前記した第1実施形態としての生成装置Aを具備する養殖システムSyの実施例について説明する。本実施例では、物理濾過装置Pfにより物理処理された飼育水としての海水をタンクT内に導入して、タンクT内に海水を満たすとともに、タンクT内の海水中に2台の気液混合装置Mを浸漬した。そして、気液混合装置Mに酸素供給源Oxである酸素ガスボンベから1L/分の純酸素を供給して、気液混合手段30により海水と酸素ガスを混合することで、微細化かつ均一化して気液混合水Rmを生成した。その後、気液混合水Rmは、生物濾過装置Bfに導出した。この際の海水の温度は、約16℃であり、生物濾過装置BfのDO値は、約20mg/L(溶存酸素飽和度は約200%)になるように気液混合装置Mへの純酸素の供給量を調整して設定した。そして、養殖システムSyの運転は、5日ごとに飼育水槽Faの飼育水の減少分を補給しながら1ヶ月間行った。その時の結果は、以下の通りである。
すなわち、生物濾過装置Bfで生物濾過処理されるとともに、調温装置Taにより約16℃に温度調節された気液混合水Rmが、循環ポンプPcにより飼育水槽Faに送水されるときのDO値は、約10mg/L(溶存酸素飽和度が100%以上の過飽和状態)であった。そして、飼育水槽Fa内おける気液混合水RmのDO値は、飼育水槽Fa内の飼育魚の量によって異なるものの、概ね7〜8mg/L(溶存酸素飽和度が100%以上の過飽和状態)に維持されていた。養殖システムSyおける気液混合水RmのpHは、7.5〜8に維持され、pHの低下は起きなかった。循環ポンプPcの位置では、pHが7.8、気液混合水Rm中に含まれるアンモニア態窒素が0.3mg/L、亜硝酸態窒素が0.1mg/L、硝酸態窒素が30mg/Lであった。沈澱槽Dp内では、pHが7.8、気液混合水Rm中に含まれるアンモニア態窒素は0.3mg/L、亜硝酸態窒素は0.2mg/L、硝酸態窒素は30mg/Lであった(検査方法;パックテスト)。循環流路C、飼育水槽Fa、沈澱槽Dp、物理濾過装置Pf、生成装置A、及び生物濾過装置Bfにおける一般細菌数は、30〜70個体/mLであった(検査方法;JIS K 0101 63.2(1998))。
気液混合水Rm中の一般細菌数が30〜70個体/mLということは、気液混合水Rmが清浄な海域の水準(例えば、一般細菌数が2〜96(CFU/mL))と同じ水準であると言える。一般細菌数をこの範囲に抑えることができたのは、気液混合水Rm中の酸素ガスの気泡をナノレベル化していたことに起因すると考えられる。そして、気液混合水Rmは、紫外線殺菌装置等により滅菌処理する必要がないものと判断される。その結果、養殖システムSyに紫外線殺菌装置等の滅菌処理装置を設ける必要性がないので、その分の養殖システムの低コスト化が図れる。
飼育水槽Faと配管設備内の汚れが少なく、汚れが付いても清掃が極めて簡単にできた。そのため、酸素ガスの気泡がナノレベル化された気液混合水Rmを循環させることで、長期間にわたって飼育水槽Faを使用し続けることができることが分かった。
飼育水槽Fa内に生じる残餌や斃死魚の腐敗が遅くなった。このことから、酸素ガスの気泡がナノレベル化された気液混合水Rmは、水質悪化を防ぐ効果があることが分かった。
Sy 養殖システム
A 気液混合水生成装置
C 循環流路
Fa 飼育水槽
Dp 沈澱槽
Pf 物理濾過装置
Bf 生物濾過装置
Ta 調温装置
Pc 循環ポンプ
Ox 酸素供給源
【0002】
[0005]
そこで、本発明は、生物濾過装置における硝化に必要な酸素ガスを十分に供給することができる閉鎖循環濾過養殖システムを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0006]
請求項1記載の発明は、循環ポンプを具備して飼育水を循環させる循環流路に、魚介類を飼育する飼育水槽と、飼育水槽から排出される飼育水を濾過処理する物理濾過装置と、物理濾過装置から流出された濾過処理水を生物濾過処理する生物濾過装置と、を配設した閉鎖循環濾過養殖システムであって、
物理濾過装置と生物濾過装置との間に位置する循環流路の部分に、気液混合水生成装置を配設し、
気液混合水生成装置は、物理濾過装置から流出された全ての濾過処理水に、酸素ガスをナノレベルの気泡となして混合させることで気液混合水を生成するとともに、気液混合水に酸素ガスを過飽和状態に溶存させて、
生物濾過装置には、酸素ガスを過飽和状態に溶存させた気液混合水を供給し、生物濾過装置で生物濾過処理された後に飼育水槽に供給される気液混合水にも酸素ガスが過飽和状態に溶存されているようにしたことを特徴とする。
[0007]
請求項1記載の発明では、過飽和状態に酸素ガスを溶存させた気液混合水が気液混合水生成装置により生成されて、その気液混合水が生物濾過装置に供給されるようにしているため、生物濾過装置における硝化に必要な酸素ガスを十分に供給することができる。この際、酸素ガスは、ナノレベルの気泡となしているため、生物濾過装置内において殆ど浮上することなく長時間滞留するとともに、気泡内から気液混合水中に溶解・拡散される。そのため、生物濾過処理された飼育水を別途に酸素溶解装置により処理して、飼育水の溶存酸素量(DO値)を高める必要がない。つまり、酸素溶解装置が不要となる。そのため、その分のコスト低減が図れる。
そして、物理濾過装置により濾過処理された飼育水に、気液混合水生成装置によりナノレベルの気泡となした酸素ガスを混合させるようにしているため、循環流路中の飼育水に蓄積する炭酸ガスの指標となるpHの低下が生じない。
【0003】
そのため、炭酸ガスを除去するための脱気装置を設ける必要性がない。ここで、炭酸ガスを除去する理由は、飼育魚が呼吸によって炭酸ガスを排出し、その濃度が上昇すると飼育水のpHの低下や、飼育魚の成長の鈍化などが生じるからである。したがって、脱気装置を設ける必要性がない分のコスト低減が図れる。
[0008]
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、気液混合水生成装置は、気液混合手段を有し、
気液混合手段は、濾過処理水と酸素ガスとを加圧状態にて導入口を通して導入し、気液混合水となした後に、導出口を通して導出する混合ケースを具備し、
混合ケース内には、導入口側から導出口側に向けて複数の混合ユニットを相互に間隔をあけて直列的に配設して、混合ユニット間に中継溜り空間を形成するとともに、導入口と最上流側に配置した混合ユニットとの間に導入口側溜り空間を形成する一方、最下流側に配置した混合ユニットと導出口との間に導出口側溜り空間を形成して、各溜り空間の間に混合ユニットを連通させて配置し、
各混合ユニットは、板状の第1エレメントと第2エレメントの面同士を対向状に配置して、両エレメントの始端縁部間を流入口となす一方、両エレメントの終端縁部間を流出口となして、両エレメントの対向面間では、濾過処理水と酸素ガスとが蛇行しながら流入口側から流出口側に向けて流動されることで、酸素ガスの気泡が微細化されるように構成したことを特徴とする。
[0009]
請求項2記載の発明では、混合ケース内の導入口と導出口との間において、導入口側溜り空間と中継溜り空間との間、中継溜り空間と中継溜り空間との間、及び、中継溜り空間と導出口側溜り空間との間に、それぞれ混合ユニットを連通させて配置しているため、混合ケース内を流動する初期気泡混合水は、流動抵抗のない各溜り空間と、流動抵抗となる各混合ユニットを交互に直列的に通過することで堅実に脈流となる。
すなわち、流動抵抗が殆どない各溜り空間内を流動する初期気泡混合水の流速は、比較的大きいものの、混合機能を有する各混合ユニット中を流動する初期気泡混合水は、流動抵抗を受けてその流速が比較的低減される。そのため、混合ケース内を流動する初期気泡混合水の流速は、大→小→大→小→大と変化(激変)されて、初期気泡混合水の流れが堅実な脈流となる。その結果、各混合ユニット中を流動する際はもとより、混合ケース内において脈流となって流動する際にもせん断効果が生起されて、相乗的なせん断効果が得られる。
[0010]
請求項3記載の発明は、複数の混合ユニットを積層状に重合配置して混合ユニット積層体を形成し、混合ユニット積層体を請求項2記載の混合ユニットに替えて気液混合手段を構成したことを特徴とする。
[0011]
請求項3記載の発明では、混合ケース内に、混合ユニットを積層状に重合配置して形成した複数の混合ユニット積層体を配設しているため、これらの混合ユニット積層体により多量の気液混合水を生成することができる。したがって、気液混合水の生成効率を高めることができる。その結果、気液混合手段には、初期気泡混合水を一度通過(1パス)させるだけでも混合精度(例えば、微細化性と均一化性)の高い気液混合水の生成することができ、所定回数通過させることで短時間に所望の気液混合水を得ることができる。
発明の効果
[0012]
本発明によれば、生物濾過装置における硝化に必要な酸素ガスを十分に供給することができる閉鎖循環濾過養殖システムを提供することができる。
図面の簡単な説明
[0013]
[図1]閉鎖循環濾過養殖システムの構成概略図。
[図2]第1実施形態に係る気液混合水生成装置の構成概略図。
[図3]気液混合水生成装置が具備する気液混合装置の正面側斜視説明図。
[図4]気液混合装置の断面右側面説明図。
[図5]図4のI−I線断面説明図。
[図6]図4のII−II線断面説明図。
[図7]第1実施形態としての気液混合手段の断面側面説明図。
[図8]第1実施形態としての気液混合手段の断面平面説明図(a)、部分拡大説明図(b)、及び(b)のIII−III線断面説明図(c)。
[図9]気液供給路形成ケースの平面図(a)、側面図(b)、及び底面図(c

Claims (3)

  1. 循環ポンプを具備して飼育水を循環させる循環流路に、魚介類を飼育する飼育水槽と、飼育水槽から排出される飼育水を生物濾過処理する生物濾過装置を配設した閉鎖循環濾過養殖システムであって、
    飼育水槽の下流側でかつ生物濾過装置の上流側に位置する循環流路の部分に、酸素ガスをナノレベルの気泡となして飼育水に混合させることで気液混合水を生成する気液混合水生成装置を配設し、
    気液混合水生成装置で生成されて生物濾過装置に供給される気液混合水には、過飽和状態に酸素ガスを溶存させて、生物濾過装置で生物濾過処理された後に飼育水槽に供給される気液混合水にも過飽和状態に酸素ガスが溶存されていることを特徴とする閉鎖循環濾過養殖システム。
  2. 気液混合水生成装置の直上流側に位置する循環流路の部分に、物理濾過装置を配設していることを特徴とする請求項1記載の閉鎖循環濾過養殖システム。
  3. 飼育水槽と、硝化細菌の培地として浸漬型濾材を用いた生物濾過装置に、それぞれ空気を圧送する送気装置を接続していることを特徴とする請求項1又は2記載の閉鎖循環濾過養殖システム。
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