JP2013135834A - 陳列台 - Google Patents

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Hidehiro Kumazawa
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Abstract

【課題】気液混合処理水により生鮮魚介類を鮮度保持処理する陳列台を提供すること。
【解決手段】生鮮魚介類を陳列する陳列槽内に、処理水と窒素ガスを混合処理した窒素処理水ないしは処理水と酸素ガスを高濃度に混合処理した高濃度酸素処理水を気液混合処理水として収容し、気液混合処理水中に生鮮魚介類を浸漬したまま陳列するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、陳列台、具体的には処理水に窒素ガスを混合した窒素処理水ないしは処理水に酸素ガスを高濃度に混合した高濃度酸素処理水を生成する混合流体生成装置を有して、その混合流体生成装置により生成した気液混合処理水により生鮮魚介類を鮮度保持処理する陳列台に関する。
従来、生鮮魚介類の鮮度を保持しながら陳列する陳列台の一形態として、特許文献1に開示されたものがある。すなわち、特許文献1には、冷却水生成装置と、冷却水生成装置により生成された冷却水を流動させる流水槽と、流水槽中の冷却水に下面を接触させた陳列板と、陳列板の上方に配置して冷却水生成装置により生成された冷却水を陳列板上に散水する散水パイプとを具備する陳列台が開示されている。そして、かかる陳列台では、流水槽中を流動する冷却水により冷却された陳列板上に生鮮魚介類を載置するとともに、陳列板上の生鮮魚介類に散水パイプから冷却水を散水することで、生鮮魚介類の鮮度を良好に保つようにしている。
特開2004−97325
ところが、前記した陳列台では、単に冷却水で生鮮魚介類を冷却しているだけであるため、生鮮魚介類の色調や鮮度を十分に保持させることができないという不具合があった。つまり、1日〜2日の鮮度保持期間を4日〜5日に延ばしたり、発色性を向上させたりすることはできなかった。
そこで、本発明は、生鮮魚介類の色調や鮮度を一定時間良好に保持させることができる気液混合処理水を収容した陳列槽内に浸漬したまま陳列することで、その気液混合処理水により生鮮魚介類を鮮度保持処理する陳列台を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係る陳列台は、生鮮魚介類を陳列する陳列槽内に、処理水と窒素ガスを混合処理した窒素処理水ないしは処理水と酸素ガスを高濃度に混合処理した高濃度酸素処理水を気液混合処理水として収容し、気液混合処理水中に生鮮魚介類を浸漬したまま陳列することを特徴とする。ここで、処理水としては、水道水、海水、又はかん水を適量だけ付加した塩水等を使用することができる。
請求項2記載の発明に係る陳列台は、処理水と窒素ガスを混合処理した窒素処理水ないしは処理水と酸素ガスを高濃度に混合処理した高濃度酸素処理水を気液混合処理水として生成する混合流体生成装置と、混合流体生成装置により生成した気液混合処理水を一時的に貯留して生鮮魚介類を陳列する陳列台本体とを備え、陳列台本体は、気液混合処理水を一時的に貯留する一時的貯留槽と、一時的貯留槽内に連通させて配置して気液混合処理水中に生鮮魚介類を浸漬したまま陳列する陳列槽とを具備することを特徴とする。
請求項3記載の発明に係る陳列台は、請求項1又は2記載の発明に係る陳列台であって、窒素処理水は、超微細な気泡を有する気泡群となした窒素ガスを処理水と混合して混合流体生成装置に設けたタンク内に収容し、タンク内にて処理水中に溶存している酸素を微細な気泡となした窒素ガスに放散させることで、酸素が放散した微細な窒素ガスを処理水中にて浮上させるとともに、処理水から脱出させて生成することを特徴とする。ここで、窒素ガスとしては、例えば、99.99%濃度以上の高純度窒素ガスを使用することができる。
請求項4記載の発明に係る陳列台は、請求項1又は2記載の発明に係る陳列台であって、高濃度酸素処理水は、1気圧下の処理水に純酸素ガスを供給することで、処理水の溶存酸素量を、全圧1気圧のもとで酸素分圧0.21気圧であるとしたときの空気飽和溶存酸素の処理水への溶解度の3倍以上で、1気圧における純酸素ガスの処理水への溶解度以下の範囲内で増大させて生成することを特徴とする。ここで、純酸素ガスとしては、例えば、95%濃度の酸素ガスを使用することができる。
請求項5記載の発明に係る陳列台は、請求項4記載の発明に係る陳列台であって、純酸素ガスは、超微細な気泡を有する気泡群となして処理水と混合していることを特徴とする。
請求項6記載の発明に係る陳列台は、請求項1〜5のいずれか1項記載の発明に係る陳列台であって、気液混合処理水の温度は、1℃〜5℃の範囲に設定していることを特徴とする。
請求項7記載の発明に係る陳列台は、請求項1〜6のいずれか1項記載の発明に係る陳列台であって、混合流体生成装置は、処理水と窒素ガスないしは酸素ガスを導入可能とした中空のユニット支持ケースと、ユニット支持ケースに連通連結した混合ユニットとを具備し、混合ユニットは、中央部に形成した流体の流入口を介してユニット支持ケースに連通連結した板状の第1エレメントに、板状の第2エレメントを対面させて配置して、両エレメントの間に流入口から流入した流体を周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合する拡散・混合流路を形成し、拡散・混合流路の終端部である両エレメントの周縁部に気液混合処理水を外方へ流出させる流出口を形成したことを特徴とする。
請求項8記載の発明に係る陳列台は、請求項7記載の発明に係る陳列台であって、ユニット支持ケースには導出口を形成し、導出口の周囲には支持ボス部を突設して、導出口と流入口を連通させた状態にて支持ボス部に混合ユニットを取り付けたことを特徴とする。
請求項9記載の発明に係る静止型流体混合装置は、請求項8記載の発明に係る陳列台であって、ユニット支持ケースは筒状に形成して、ユニット支持ケースの周壁には軸線方向と周方向に間隔をあけて多数の導出口を形成するとともに、各導出口の周囲に支持ボス部を突設して、各支持ボス部に導出口と流入口を連通させた状態にて前記混合ユニットを取り付けたことを特徴とする。
請求項10記載の発明に係る静止型流体混合装置は、請求項8又は9記載の発明に係る陳列台であって、支持ボス部内にはユニット支持ケースに連設した取付部を配置し、取付部に取付具を介して前記混合ユニットを取り付けたことを特徴とする。
以下に、窒素ガスを通気することによる水の脱酸素作用について説明する。
(1)水への酸素の吸収(溶解)と酸素を溶解した水からの酸素の放散について
20℃(293K)、1気圧(0.1013MPa)において、純水への純酸素と純窒素の溶解度は、それぞれ44.4g/m3(44.4mg/L)と19.4g/m3(19.4mg/L)であり、酸素の方が2.3倍溶解する。大気中の酸素の割合は21%であるので、20℃、1気圧において空気が水に溶解するときは、酸素の溶解度は(44.4×0.21=)9.3mg/Lで、窒素の溶解度は(19.4×0.79=)15.3mg/Lとなり,窒素の方が1.7倍よく溶ける。これは酸素と窒素の分圧の差による。
いま20℃、1気圧において、純水と空気を接触させると酸素は水中に吸収され、水中の酸素濃度(溶存酸素濃度)が9.3mg/L(そのとき水中の窒素の濃度は15.3mg/L)に達すると吸収は止まり、気液は平衡になる。すなわち溶存酸素濃度は9.3mg/Lになるまでは酸素の吸収が続く。一方、溶存酸素濃度が9.3mg/Lの水を純窒素に接触させると水中の酸素は純窒素側(気相側)に移動する。この現象を放散という。気相側の窒素量は膨大であり、放散した酸素量は無視できるほど少なく、気相の酸素分圧は見かけ上0に保たれるとすると、水中の酸素がなくなる(溶存酸素濃度0)まで酸素の放散は続く。純窒素との接
触により窒素は水中に吸収され、水中の窒素濃度は19.4mg/Lまで増大する。
(2)水中への窒素の通気について
気液の接触形態として連続相(液)中の気泡群とする。液は溶存酸素濃度DO0の水、気泡は純窒素気泡の気液接触を考える。純窒素中の酸素分圧は0であるので、液中から気泡中へ酸素が放散する。換言すると、溶存酸素が窒素気泡に取り込まれる(酸素放散)。気泡の容積は有限であるので、酸素の放散につれて気泡中の酸素分圧は上昇する。酸素が放散した気泡(ナノバブルよりも大径の気泡)は液中を上昇し,ついには液から脱出する(気泡消滅)が、液が充分に深いと気泡が液に滞在する間に、気泡中の酸素分圧と液(水)中の酸素濃度の間で平衡(気液平衡)が成立する。そのとき酸素の放散は停止する。しかし,気液平衡が成り立つまで気泡が滞在するほど液深は大きくなく、むしろ現実的な深さの水相では、気液平衡に達するはるか以前に気泡
(ナノバブルよりも大径の気泡)は液から脱出する。
溶存酸素濃度DO0の水に純窒素を通気し、純窒素の気泡群を分散させれば、液中に溶解している酸素は純窒素気泡中に放散するので、低溶存酸素濃度の水が得られる。窒素の通気を続ければ、水中の溶存酸素濃度をさらに減少させることができ、最終的には溶存酸素濃度は0まで低下する。
いま、流体混合処理部に、溶存酸素濃度DO0の水を流量Li[m3/h]、純窒素を流量Ga[m3/h]で連続的に供給し、流体混合処理部内で気泡群を分散させた気液二相流を形成して溶存酸素を窒素気泡群中へ放散させれば、溶存酸素濃度を下げた水(溶存酸素濃度DO)を1パスで連続的に生成できる。溶存酸素濃度の減少率DO/DO0は、流体混合処理部の設計変数を一定とすると水の流量Liおよび窒素の流量Gaの比Ga/Li(気液比)により変わる(熊沢英博,新美富男:食品と開発,Vol.33,No.3,pp.54−55(1998).「食品加工・製造における新規な混合,分散プロセスの開発と新静止型混合器ラモンド・スターラーVIII.ラモンド・スーパーミキサーの気液混合,分散への応用(2)−放散」)。気液比が大きいほど溶存酸素の残留率DO/DO0は小さくなる(減少率1−DO/D
O0は大きくなる)ので、目的に応じて気液比を選択する必要がある。気液比が大きいところではDO/DO0の値は0.05より小さくなる。例えば、DO0=9g/m3であればDOは0.45g/m3まで減少できる。
(3)窒素ナノバブル(ナノバブル化した窒素ガス)について
一般に、ナノバブルは生体に対して細胞レベルで何らかの影響を与える可能性がある。このため,窒素ナノバブルは生鮮食品、例えば、魚介類の表面にとどまらず、体内まで効果が及ぶので、体内の好気性が低下する。したがって、少なくとも体内の好気的バクテリアの増殖が抑制されるものと期待される。窒素ナノバブル含有窒素処理水は、魚介類に対してその表面だけでなく、体内に生息する好気性バクテリアの増殖を著しく抑制して、魚介類の鮮度を保つ(魚介類の鮮度の指標値であるK値を低く保つ)ことが期待できる。ここで、K値とは、ATP関連化合物全体に占めるイノシン(HxR)とヒポキサンチン(Hx)の割合である。魚肉のATPは、死後ATP→ADP→AMP→IMP→HxR→Hxの経路で分解するので、HxRやHxの割合が低い程鮮度が良いとされる。刺身用に適当とされているK値は20%以下である。
次に、高濃度酸素処理水の作用について説明する。
すなわち、高濃度酸素処理水は、1気圧下の処理水に純酸素ガスを供給することで、処理水の溶存酸素量を、全圧1気圧のもとで酸素分圧0.21気圧であるとしたときの空気飽和溶存酸素の処理水への溶解度の3倍以上で、1気圧における純酸素ガスの処理水への溶解度以下の範囲内で増大させて生成するものである。
そして、高濃度酸素(高溶存酸素)処理水中に生鮮魚介類を一定時間(例えば、15分〜60分)浸漬させて処理することで、生鮮魚介類(特に赤身魚肉)の筋肉には、筋肉色素であるミオグロビン(Mb)が酸素(O)と結合して、鮮赤色を呈するオキシミオグロビン(MbO)が生成される。このときミオグロビン(Mb)に(配位)結合している鉄は2価のままである。したがって、前記した高濃度酸素処理水との反応で生鮮魚介類に生成されるオキシミオグロビン(MbO)は安定化機能を有している。
すなわち、高濃度の酸素が溶存する処理水との反応で生鮮魚類の筋肉に生成されるオキシミオグロビン(MbO)は、オキシミオグロビン(MbO)からメトミオグロビン(MetMb)への自動酸化(メト化,褐変,ミオグロビンの結合した鉄が2価から3価に酸化)が抑制されるために、鮮赤色の退化を大幅に抑えることができる。そのため、生鮮魚介類の肉の色調を外観的に新鮮状態に見える鮮赤色に保持させることができる。
この際、高濃度酸素処理水は、1気圧下の処理水に純酸素ガスを供給することで生成しており、高濃度酸素処理水は、処理水の溶存酸素量を、全圧1気圧のもとで空気中の酸素分圧0.21気圧であるとしたときの空気飽和溶存酸素の処理水への溶解度の3倍以上で、1気圧における純酸素ガスの処理水への溶解度以下の範囲内で増大させて生成している。
そのため、高濃度酸素処理水で処理される生鮮魚介類の筋肉に生成されるオキシミオグロビン(MbO)は、長時間(例えば、72時間)にわたって固定されて、生鮮魚介類の肉の色調が鮮赤色に保持される。その結果、オキシミオグロビン(MbO)が酸化されて褐色を呈するメトミオグロビン(MetMb)の生成は遅延される。つまり、外観的に色調が悪く見えるメト化を遅らせるメト化遅延効果が生起される。そして、生鮮魚介類の鮮度指標K値を長時間(例えば、72時間)にわたって20%前後(高鮮度)ないしはそれ以下に保持させることができる。つまり、生鮮魚介類を長時間にわたって高鮮度に維持させることができる。
また、純酸素ガスは、超微細な気泡を有する気泡群となして処理水と混合処理することで、ナノバブル化した酸素ガス(酸素ナノバブル)が、生鮮魚介類の肉表面だけでなく、肉内部まで浸透する高浸透性を有するために、前記したように安定化したオキシミオグロビン(MbO)が肉内部でも容易に生成される。そのため、生鮮魚介類の筋肉の鮮赤色保持に有利である。そして、生鮮魚介類の鮮度を良好に維持する(鮮度指標K値を低く保つ)ことができる。
また、処理水は、塩分濃度を2%〜4%の範囲に設定している。かかる塩分濃度の処理水としては、海水や塩水等を使用することができる。そして、生鮮魚介類の体内の塩分濃度(例えば、魚体の塩分濃度は0.8%)よりも高く設定しているため、浸透圧の関係で気液混合処理水中に生鮮魚介類を浸漬したままでも生鮮魚介類の体内に水分が入り込むことがない。つまり、生鮮魚介類が水膨れして商品価値が低下するのを防止することができる。また、塩分濃度を4%よりも大きく設定すると、浸漬時間によっては生鮮魚介類の体内の水分が吸い出されて商品価値が低下するという不具合がある。
混合流体生成装置は、処理水と窒素ガスないしは酸素ガスがユニット支持ケースを通して混合ユニット内に導入される。そして、混合ユニットは対向させて配置したエレメントの間に拡散・混合流路を形成しており、拡散・混合流路は流入口から流入した流体を周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合し、その結果、混合流体が生成される。また、生成された混合流体は拡散・混合流路の終端部である両エレメントの周縁部に形成した流出口から外方へ流出される。この際、複数の異なる流体は拡散・混合流路を通過した後に流出口から外方へ流出されるため、圧力損失を低減させることができる。そのため、混合流体生成装置に処理水と窒素ガスないしは酸素ガスを加圧して供給する加圧ポンプの電力消費量の低減を図ることができるとともに、気液混合処理水の流出量の増大化(効率化)を図ることができることができる。
連続相としての流体である処理水と、分散相として窒素ガスないしは酸素ガスを気液混合処理水となす場合には、圧送ポンプの吸入口から生成された気液混合処理水を吸入させて、再度、混合ユニットの拡散・混合流路中を流動させる循環流動を所要回数行うことで、分散相としての窒素ガスないしは酸素ガスを微細(マイクロレベルないしはナノレベル)な気泡となすことができる。
しかも、導出口の周囲に突設した支持ボス部に混合ユニットを取り付けているため、圧送ポンプによりユニット支持ケース内に圧送された複数の異なる流体を、導出口→流入口→拡散・混合流路→流出口を通して外方へ流出させることができて、圧力損失の低減化を堅実に図ることができる。この際、拡散・混合流路内で流体が拡散されながら混合されるため、分散相としての液体は微細かつ均一な液滴となる。
さらには、ユニット支持ケースに多数の混合ユニットを取り付けることができるため、各混合ユニットにより同時に混合流体を生成することができる。そのため、混合処理済み流体の流出量の増大化(効率化)を堅実に図ることができることができる。
そして、ユニット支持ケースの取付部に取付具を介して混合ユニットを取り付けているいため、メンテナンス作業時には取付具を介して取付部から混合ユニットを簡単に取り外すことができて、メンテナンス作業性を良好に確保することができる。
本発明は、次のような効果を奏する。すなわち、本発明では、生鮮魚介類を陳列する陳列槽中に流入した気液混合処理水中に生鮮魚介類が浸漬した状態となるため、気液混合処理水により生鮮魚介類の色調や鮮度が一定時間(例えば、4日〜5日)良好に保持される。
気液混合処理水としての窒素処理水は、次のようにして生成することができる。すなわち、処理水に窒素ガスを通気して、窒素ガスを超微細な気泡(ナノバブル)を有する気泡群となすことで、処理水中に溶解している酸素を微細な気泡(ナノバブルよりも大径)となした窒素ガスに放散させ、酸素が放散した微細な窒素ガスを処理水中にて浮上させて、処理水から脱出させる(脱酸素)とともに、超微細な気泡(ナノバブル)となした窒素ガスを処理水中に混入(含有)させた窒素処理水を生成することができる。換言すると、処理水中の溶存酸素量の低減化効率を大幅に向上させる(例えば、800リットルの処理水中の溶存酸素量(DO値)を25分間に1.0(mg/L)未満に激減させる)ことができるとともに、窒素ナノバブルを含有して溶存酸素量が低減された窒素処理水を生成することができる。そして、かかる窒素処理水は窒素ナノバブルを含有しているため、窒素ナノバブルが生鮮食品、例えば、魚介類の表面にとどまらず、体内まで効果を及ぼして、体内の好気性を低下させることができる。
その結果、窒素ナノバブル含有窒素処理水は、生鮮魚介類に対してその表面だけでなく、体内に生息する好気性バクテリアの増殖を著しく抑制して、生鮮魚介類の鮮度を保つ(生鮮魚介類の鮮度の指標値であるK値を低く保つ)ことが期待できる。窒素ナノバブルはその粒径があまりにも小さいために長時間にわたって窒素処理水中に混入(含有)されることになり、経時的に窒素ナノバブル中の窒素が窒素処理水中に溶存されて、窒素処理水中の窒素溶存量を過飽和状態となすことができる。この際、窒素気泡(バブル)に加わる圧力は窒素気泡の大きさに反比例するため、窒素気泡が超微細(ナノ)になるにしたがって窒素気泡内の圧力は大きくなる。そのため、加圧作用によって窒素ナノバブル内部の気体である窒素は、処理水中に効率的に溶解する。
また、気液混合処理水としての高濃度酸素処理水は、その中に生鮮魚介類を一定時間浸漬させて処理することで、生鮮魚介類の発色性を向上させて、その色調や鮮度を一定時間(例えば、72時間)良好に維持させることができる。その結果、生鮮魚介類の美的外観性、つまり、生鮮魚介類の商品価値を一定時間高めることができる。
また、生鮮魚介類の販売終了後は、生鮮魚介類を陳列槽中に陳列したまま、冷却した気液混合処理水を循環させることで、陳列台を冷蔵庫としても機能させることができるため、販売終了後に生鮮魚介類を回収して冷蔵庫等に保存しておく必要性がない。
本発明に係る陳列台の概念的説明図。 本発明に係る陳列台の制御ブロック図。 第1実施形態としての気液混合処理部の正面断面説明図。 第1実施形態としての気液混合処理部が具備する混合ユニットの正面断面分解説明図。 第1実施形態としての気液混合処理部が具備する混合ユニットの分解斜視説明図。 第1・第2拡散エレメントの側面説明図。 第1・第2集合エレメントの側面説明図。 第2実施形態としての気液混合処理部の断面正面説明図。 第2実施形態としての気液混合処理部が具備する混合ユニットの正面断面分解説明図。 第2実施形態としての気液混合処理部が具備する混合ユニットの分解斜視説明図。 第1・第2拡散エレメントの側面説明図。 集合エレメントの側面説明図。 第3実施形態としての気液混合処理部の一部断面正面説明図。 第3実施形態としての気液混合処理部の左側面説明図。 第3実施形態としての気液混合処理部の右側面説明図。 回転側混合撹拌体の左側面説明図。 固定側混合撹拌体の右側面説明図。 両混合撹拌体の基本形態を示す側面説明図。 第3実施形態としての気液混合処理部の混合撹拌流路の説明図。 第4実施形態としての気液混合処理部の一部断面正面説明図。 他方の固定側混合撹拌体の右側面説明図。 第4実施形態の混合撹拌流路の説明図。 第5実施形態としての気液混合処理部の一部断面正面説明図。 第5実施形態の混合撹拌流路の説明図。 第6実施形態としての気液混合処理部を具備する第2実施形態としての混合流体生成装置の概念的説明図。 第6実施形態としての気液混合処理部の断面正面説明図。 図26のI-I線断面図。 第6実施形態としての気液混合処理部が具備する混合ユニットの正面断面分解説明図。 図28のII-II線矢視図。 第1・第2エレメントの側面説明図。 拡散・混合流路の説明図。 第7実施形態としての気液混合処理部を具備する第3実施形態としての混合流体生成装置の概念的説明図。 第7実施形態としての気液混合処理部の断面組立説明図。 第7実施形態としての気液混合処理部の断面正面説明図。 第7実施形態としての気液混合処理部の断面側面説明図。 気液混合処理水の生成試験結果を示す一覧表。 酸素ナノバブルの粒径分布図及び解析結果。 窒素ナノバブルの粒径分布図及び解析結果。 空気ナノバブルの粒径分布図及び解析結果。 真アジの鮮度保持試験の結果を示す一覧表。 ホウボウの鮮度保持試験の結果を示す一覧表。 真鯛の鮮度保持試験の結果を示す一覧表。 天然鯛の鮮度保持試験の結果を示す一覧表。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1に示す1は陳列台であり、陳列台1は、生鮮魚介類Fiを陳列する陳列槽5内に気液混合処理水Wmを収容し、気液混合処理水Wm中に生鮮魚介類Fiを浸漬したまま陳列することができるように構成している。本実施形態における気液混合処理水Wmは、後述する混合流体生成装置2により処理水Wに窒素ガスを混合処理した窒素処理水ないしは混合流体生成装置2により処理水Wに酸素ガスを高濃度に混合処理した高濃度酸素処理水である。
すなわち、陳列台1は、気液混合処理水Wmを生成する混合流体生成装置2と、混合流体生成装置2により生成した気液混合処理水Wmを一時的に貯留して生鮮魚介類を陳列する陳列台本体3とを備えている。陳列台本体3は、気液混合処理水Wmを一時的に貯留する一時的貯留槽4と、一時的貯留槽4内に配置して生鮮魚介類を陳列する複数(本実施形態では3個)の陳列槽5とを具備している。
一時的貯留槽4は、上面が開口して左右方向に横長の扁平箱型に形成して、前後壁4a,4aの上端縁部間に前後方向に伸延する複数(本実施形態では6本)の支持桿6を左右方向に間隔をあけて横架し、左右に隣接する支持桿6,6間に陳列槽5を着脱自在に架設している。陳列槽5は、上面が開口して左右方向に横長の扁平箱型に形成して、底部に多数の連通孔7aを有する網状体7を張設し、連通孔7aを通して一時的貯留槽4内と連通させている。陳列槽5の左右側壁の上端縁部には支持桿6,6に着脱自在に係止するフック状の係止片5a,5aを形成している。陳列槽5の上下幅は、一時的貯留槽4の上下幅の略半分に形成して、陳列槽5の網状体7と一時的貯留槽4の底部4bとの間に流路8を形成している。なお、陳列槽5の上端縁部に外側方へ張り出し状の係止用フランジを形成して、係止用フランジを一時的貯留槽4の上端面部に係止して、一時的貯留槽4内に陳列槽5を架設することもできる。
一時的貯留槽4の右側壁4cの下部に流入パイプ9aの先端部を連通連結する一方、一時的貯留槽4の左側壁4dの上部に流出パイプ9bの基端部を連通連結している。流入パイプ9aの基端部と流出パイプ9bの先端部は、後述する混合流体生成装置2のタンクT内の処理水W中に上面から挿入している。流入パイプ9aの中途部には第2圧送ポンプP2と、その下流側に配置した熱交換器Hを取り付けている。熱交換器Hにより流入パイプ9aを通して流動する気液混合処理水Wmを所定の低温度(例えば、1℃〜5℃)となして、一時的貯留槽4内に供給するとともに、混合流体生成装置2のタンクT内に環流させてタンクT内の気液混合処理水Wmを所定の低温度(例えば、1℃〜5℃)に保持することができるようにしている。9cは一時的貯留槽4の底部4bに設けた排水部である。D2は一時的貯留槽4内の気液混合処理水Wmの溶存酸素量を検出する第2溶存酸素量検出手段、Ta2は一時的貯留槽4内の気液混合処理水Wmの温度を検出する第2温度検出手段である。
このように構成した陳列台1では、混合流体生成装置2により生成されたタンクT内の気液混合処理水Wmが流入パイプ9aを通して一時的貯留槽4内に供給される。一時的貯留槽4内に供給されて一定量をオーバーフローした気液混合処理水Wmは流出パイプ9bを通して混合流体生成装置2のタンクTに戻される。一時的貯留槽4内への気液混合処理水Wmの供給は、第2溶存酸素量検出手段D2と第2温度検出手段Ta2により検出された溶存酸素量と温度に基づいて連続的に又は間欠的に又は適宜必要に応じて行うように後述する制御手段Cにより制御することができる。例えば、気液混合処理水Wmの溶存酸素量(DO値)が1mg/L以下、好ましくは、0.5mg/L前後に保たれるように制御する。気液混合処理水Wmが満たされた一時的貯留槽4内に陳列槽5を配置すると、陳列槽5内にも網状体7の連通孔7aを通して気液混合処理水Wmが流入して満たされる。陳列槽5内の気液混合処理水Wm中には生鮮魚介類Fiを浸漬して整然と陳列する。ここで、処理水Wとしては、水道水、海水、塩水等を使用することができる。塩水はかん水を適量だけ付加して塩分濃度2%〜4%としたものであり、例えば、3%前後の塩分濃度を有する塩水を適用することができる。また、海水も3%前後の塩分濃度となして使用するのが好ましい。塩水も海水もより好ましくは、2.8%の塩分濃度となして使用することができる。そして、生鮮魚介類の体内の塩分濃度(例えば、魚体の塩分濃度は0.8%)よりも高く設定しているため、浸透圧の関係で気液混合処理水中に生鮮魚介類を浸漬したままでも生鮮魚介類の体内に水分が入り込むことがない。つまり、生鮮魚介類が水膨れして商品価値が低下するのを防止することができる。また、塩分濃度を4%よりも大きく設定すると、浸漬時間によっては生鮮魚介類の体内の水分が吸い出されて商品価値が低下するという不具合がある。
なお、陳列台1は、有底の陳列槽5内に、混合流体生成装置2により生成された気液混合処理水Wmを直接的ないしは間接的に供給して、陳列槽5内の気液混合処理水Wm中に生鮮魚介類Fiを浸漬して整然と陳列するように構成することもできる。この際、陳列槽5は冷却手段により冷却することで気液混合処理水Wmを所定の低温度に保持させることができる。そうすることで、陳列台1の構造の簡易化を図ることができる。
従来の陳列台に陳列された生鮮魚介類は常に空気に触れていたので、生鮮魚介類が乾燥・酸化・体温上昇・細菌増殖されるという不具合があったが、本実施形態ではかかる不具合を解消することができる。すなわち、本実施形態では、陳列槽5内の低温化(例えば、1℃〜5℃)した気液混合処理水Wm中に生鮮魚介類Fiを浸漬して整然と陳列することで、生鮮魚介類Fiの乾燥・酸化・体温上昇・細菌増殖を抑制して、鮮度を保持させることができる。
特に、海水とナノバブル化した酸素ガスを混合して生成した高濃度酸素処理水は、例えば、1日〜2日であれば、高鮮度(例えば、K値が20%以下)を保持させることができる。そして、魚類であれば本来の光沢を生起させることができて、鮮度感を向上させることができる。つまり、高濃度酸素処理水は高濃度酸素ナノバブル海水であり、後述するように酸化しにくい水となっている。そのため、酸化しにくい冷海水の中に生鮮魚介類Fiを浸漬して陳列すると、生鮮魚介類Fiの乾燥・酸化・体温上昇・細菌増殖を抑制することができる。したがって、1日〜2日であれば、刺身用の高鮮度を保持させることができる。そして、格下げロスを大幅に削減することができる。また、鮮度劣化を抑制しながら熟成(イノシン酸の増大)を図ることができて、魚類の旨味を増大させることができる。その結果、年間を通して高鮮度で美味しい刺身を提供することができる。
また、海水とナノバブル化した窒素ガスを混合して生成した窒素処理水は低濃度酸素ナノバブル海水であり、後述するように酸化しにくい水となっている。低濃度酸素ナノバブル海水は魚類本来の光沢を生起させる点において高濃度酸素ナノバブル海水にやや劣るものの、高鮮度感を保持させることができる。つまり、窒素処理水は、例えば、3日〜4日の長期間にわたって、刺身用の鮮度を保持させることができる。
以上のことから、短期間の鮮度保持では高濃度酸素処理水である高濃度酸素ナノバブル海水を採用する一方、長期間の鮮度保持では窒素処理水である低濃度酸素ナノバブル海水を採用することができる。
[窒素処理水を生成する混合流体生成装置2の説明]
混合流体生成装置2は、処理水Wを収容したタンクTの底部に循環パイプJの基端部を連結し、循環パイプJの先端部をタンクT内の処理水W中に上面から挿入して循環流路Cyを形成している。
処理水Wは、純窒素ガス(例えば、99.99%濃度以上の高純度窒素ガス)を溶解させて低濃度酸素処理水(高濃度窒素処理水)となす溶媒であり、処理水Wとしては、前記したように水道水、海水、塩水等を使用することができる。
循環パイプJの中途部には第1圧送ポンプP1を取り付け、その第1圧送ポンプP1の吸入口近傍(直上流側)に位置する循環パイプJの中途部には純窒素ガスを供給する窒素ガス供給部Nと純酸素ガスを供給する純酸素ガス供給部Kをそれぞれ連結している。V2は窒素ガス供給部Nから循環パイプJへの純窒素ガスの供給路を開閉する第1開閉弁、V3は純酸素ガス供給部Kから循環パイプJへの純酸素ガスの供給路を開閉する第2開閉弁である。そして、窒素処理水を生成するには場合には、第1開閉弁V2を開弁するとともに第2開閉弁V3を閉弁して窒素ガス供給部Nから循環パイプJに純窒素ガスを供給するようにしている。また、高濃度酸素処理水を生成する場合には、第1開閉弁V2を閉弁するとともに第2開閉弁V3を開弁して純酸素ガス供給部Kから循環パイプJに純酸素ガスを供給するようにしている。
窒素ガス供給部Nから処理水W中に供給される純窒素ガスは、第1圧送ポンプP1の吸入側からエジェクタ効果により第1圧送ポンプP1内に吸入されるようにすることができる。この際、純酸素ガスの吸入量は、循環パイプJ中を流れる処理水Wの循環流量の約3%(STP;0℃、1気圧)に設定することができる。また、第1圧送ポンプP1の吐出口近傍(直下流側)に位置する循環パイプJの中途部に窒素ガス供給部Nを連結して、窒素ガス供給部Nから循環パイプJ中に純窒素ガスを圧送することで、純窒素ガスの供給量を上記した純窒素ガスの吸入量よりも大きい所定量に設定することもできる。
窒素ガス供給部Nの下流側に位置する循環パイプJの中途部には、本実施形態では流体である気体と液体を混合する気液混合処理部Mを設けている。
気液混合処理部Mは、処理水Wと純窒素ガスの気液混相を蛇行流路中に流動させることで、いくつかの水分子からなるクラスターを形成している処理水Wに高せん断力を作用させて、処理水Wのクラスターの大きさがより小さい改質処理水となすとともに、改質処理水と純窒素ガスとの気液混相に高せん断力を作用させて、溶媒である改質処理水に純窒素ガスを溶解させた低濃度酸素処理水(高濃度窒素処理水)となすようにしている。
混合流体生成装置2には、タンクT内に溶媒である処理水Wを随時供給可能とした処理水供給部Sを設けている。循環パイプJの先端部には圧力調整弁V1を取り付けている。また、循環パイプJには気液混合処理部Mの下流側に位置させて三方切替弁Vaを配設しており、三方切替弁Vaの切換操作により高濃度酸素処理水を循環パイプJを通して循環流路Cy内で所定回数(例えば、20回)ないしは所定時間(例えば、25分間)だけ循環させることも、また、回収パイプJaを通して所定低温度の高濃度酸素処理水を回収する回収部Gに送ることも可能となしている。
タンクTには第1溶存酸素量検出手段D1を設けており、第1溶存酸素量検出手段D1によりタンクT内の処理水Wの溶存酸素量(DO値)を検出するようにしている。また、タンクTには第1温度検出手段Ta1を設けており、第1温度検出手段Ta1によりタンクT内の処理水Wの温度を検出するようにしている。
陳列台1には、図2に示す制御手段Cを設けている。制御手段Cは、パーソナルコンピュータ等のように制御機能を有しており、その入力側インターフェースに第1・第2溶存酸素量検出手段D1,D2と第1・第2温度検出手段Ta1,Ta2を接続する一方、その出力側インターフェースに処理水供給部Sと窒素ガス供給部Nと純酸素ガス供給部Kと第1・第2圧送ポンプP1,P2と熱交換器Hと圧力調整弁V1と第1・第2開閉弁V2,V3と三方切替弁Vaを接続している。そして、制御手段Cは、第1・第2溶存酸素量検出手段D1,D2と第1・第2温度検出手段Ta1,Ta2の検出情報をそれぞれ受信して、その検出情報に基づいて処理水供給部Sと窒素ガス供給部Nと純酸素ガス供給部Kと第1・第2圧送ポンプP1,P2と熱交換器Hと圧力調整弁V1と第1・第2開閉弁V2,V3と三方切替弁Vaにそれぞれ制御情報を送信して、これらの作動を適宜制御するようにしている。
このように構成すことで、混合流体生成装置2では、処理水Wに純窒素ガスを供給して、これらを中途部に第1圧送ポンプP1と気液混合処理部Mを設けた循環パイプJとタンクTとで形成される循環流路Cyを通して循環させることができる。この際、気液混合処理部Mは、処理水Wと純窒素ガスの気液混相にせん断力を作用させて、純窒素ガスをナノバルブ(直径がナノレベル(1μm以下)の超微細な気泡)を有する気泡群となして処理水Wと混合させることができる。このような気泡群を含有する処理水Wは、タンクT内に環流させることで、タンクT内にて処理水W中に溶存している酸素を微細な気泡(ナノバブルよりも大径)となした純窒素ガスに放散させることができる。そうすることで、酸素が放散した微細な純窒素ガスを処理水W中にて浮上させて、処理水Wから酸素を脱出(脱酸素)、つまり大気中に放出させことができる。その結果、処理水W中の溶存酸素量を大幅に低減させて、窒素ナノバブルを含有する窒素処理水となすことができる。ここで、処理水Wは、第1溶存酸素量検出手段D1の検出結果に基づいて圧力調整弁V1と三方切替弁Vaが制御手段Cにより開閉量制御されて、所要の時間ないしは所要の回数だけ循環流路中を循環されて、窒素処理水となる。
この際、混合流体生成装置2の第1溶存酸素量検出手段D1が処理水Wの溶存酸素量(DO値)の所定値を検出した場合には、その検出情報を第1溶存酸素量検出手段D1から制御手段Cに送信する。制御手段Cは、窒素処理水が生成されたと判断して、窒素ガス供給部Nからの窒素ガス供給を停止させる制御情報を窒素ガス供給部Nに送信する。そして、制御手段Cは、第2圧送ポンプP2を駆動させて、陳列台本体3に窒素処理水を供給する。また、制御手段Cは、三方切替弁Vaに切換制御情報を送信して、回収パイプJaを通して回収部Gに窒素処理水を送ることもできる。
また、第1・第2溶存酸素量検出手段D1,D2が処理水Wの溶存酸素量(DO値)の所定値を検出しない場合には、制御手段Cは、窒素処理水が生成されていないと判断して、第2圧送ポンプP2への駆動情報や三方切替弁Vaへの切換制御情報を送信しない。つまり、循環流路Cyが保持されて、処理水Wと窒素ガスとが循環されながら気液混合処理部Mにより混合処理される工程が継続される。この際、制御手段Cは、処理水Wの温度を検出する第1・第2温度検出手段Ta1,Ta2の検出結果に基づいて、処理水Wを所定の低温度(例えば、1℃〜5℃)に保持すべく第2圧送ポンプP2と熱交換器Hを制御している。その結果、陳列台本体3を通してタンクT内の窒素処理水は低温度(例えば、1℃〜5℃)に保持される。
かかる本実施形態では、前記したように気液混合処理部Mにより窒素ガスを、ナノバルブを有する気泡群となすことができるが、循環流路Cy中にて処理水Wを所定時間(例えば、25分間)以上ないしは所定回数(例えば、20回)以上循環させることで、窒素ナノバブルを増大させることができる。そこで、循環流路Cy中にて処理水Wを循環させる時間ないしは回数が所定時間ないしは所定回数に達するまでは、処理水W中に溶存している酸素を微細な気泡(ナノバブルよりも大径)となした窒素ガスに放散させ、酸素が放散した微細な窒素ガスを処理水W中にて浮上させて、処理水Wから酸素を脱出(脱酸素)させることに重点を置いて、処理水W中の溶存酸素量の低減化を実現することができる。
その後は、所定時間ないしは所定回数に達するまで循環流路Cy中にて処理水Wを循環させることで、溶存酸素量が低減されて窒素ナノバブルを大量に含有する窒素処理水の生成を実現することができる。かかる窒素ナノバブルはその粒径があまりにも小さいので、魚介類の鮮度保持に寄与させることができるとともに、長時間にわたって窒素処理水中に混入(含有)されることになり、経時的に窒素ナノバブル中の窒素が窒素処理水中に溶存されて、窒素処理水中の窒素溶存量を長時間にわたって過飽和状態を保持することができる。
[窒素処理水生成方法の説明]
次に、本実施形態に係る窒素処理水生成方法について説明する。すなわち、窒素処理水生成方法は、窒素ガス・処理水混合工程と収容工程と酸素脱出工程とを有する。窒素ガス・処理水混合工程は、気液混合処理部Mにより処理水Wと純窒素ガスの気液混相にせん断力を作用させて純窒素ガスを超微細な気泡を有する気泡群となして処理水Wと混合する工程である。収容工程は、窒素ガス・処理水混合工程で得られた気泡群混じりの処理水をタンクT内に収容する工程である。酸素脱出工程は、収容工程でタンクT内に収容した処理水W中に溶存している酸素を微細な気泡となした純窒素ガスに放散させることで、酸素が放散した微細な窒素ガスを処理水W中にて浮上させるとともに、処理水Wから酸素を脱出させる工程である。
かかる窒素処理水生成方法により、窒素処理水を短時間に生成することができる。すなわち、処理水W中の溶存酸素量の低減化効率を大幅に向上させることができる。例えば、800リットルの処理水W中の溶存酸素量(DO値)を25分間に1.0(mg/L)未満、さらには、0.5(mg/L)前後に激減させることができる。つまり、1時間以内に溶存酸素量(DO値)が1.0(mg/L)未満である低濃度酸素の窒素処理水を大量に生成することができる。
[高濃度酸素処理水を生成する混合流体生成装置2の説明]
高濃度酸素処理水を生成する場合には、混合流体生成装置2の第1開閉弁V2を閉弁するとともに第2開閉弁V3を開弁する。この際、処理水Wは、純酸素ガス(例えば、95%濃度の酸素ガス)を溶解させて高濃度酸素処理水となす溶媒である。
純酸素ガス供給部Kから処理水W中に供給される純酸素ガスは、第1圧送ポンプP1の吸入側からエジェクタ効果により第1圧送ポンプP1内に吸入されるようにすることができる。この際、純酸素ガスの吸入量は、循環パイプJ中を流れる処理水Wの循環流量の約3%(STP;0℃、1気圧)に設定することができる。また、第1圧送ポンプP1の吐出口近傍(直下流側)に位置する循環パイプJの中途部に純酸素ガス供給部Kを連結して、純酸素ガス供給部Kから循環パイプJ中に純酸素ガスを圧送することで、純酸素ガスの供給量を上記した純酸素ガスの吸入量よりも大きい所定量に設定することもできる。
純酸素ガス供給部Kの下流側に位置する循環パイプJの中途部に設けた気液混合処理部Mは、処理水Wと純酸素ガスの気液混相を蛇行流路中に流動させることで、いくつかの水分子からなるクラスターを形成している処理水Wに高せん断力を作用させて、処理水Wのクラスターの大きさがより小さい改質処理水となすとともに、改質処理水と純酸素ガスとの気液混相に高せん断力を作用させて、溶媒である改質処理水に純酸素ガスを溶解させた高濃度酸素処理水となすようにしている。ここで、気液混合処理部Mは、低圧力損失にて高ガス流速(流量)を実現することができるものであり、短時間で処理水Wを酸素過飽和状態に達せしめることができるものである。
[高濃度酸素処理水生成法の説明]
次に、本実施形態に係る高濃度酸素処理水生成法について説明する。すなわち、高濃度酸素処理水生成法は、純酸素ガス供給工程と高濃度酸素処理水生成工程とから成る。そして、純酸素ガス供給工程は1気圧下の処理水Wに純酸素ガスを供給する工程であり、本実施形態では、純酸素ガス供給部Kから循環パイプJ中に純酸素ガスを圧送するようにしている。また、高濃度酸素処理水生成工程は、純酸素ガス供給工程において純酸素ガスを供給することで、高濃度酸素処理水を生成する工程である。
高濃度酸素処理水生成工程において、処理水Wの溶存酸素量(DO値)は、全圧1気圧のもとで空気中の酸素分圧0.21気圧であるとしたときに、空気飽和溶存酸素の処理水Wへの溶解度の3倍以上としている。そして、1気圧における純酸素ガスの処理水Wへの溶解度以下としている。つまり、これらの範囲内に処理水Wの溶存酸素量(DO値)が収まるように処理水Wの溶存酸素量を増大させて、高濃度酸素処理水を生成する。換言すると、あらかじめ設定した所定の溶存酸素量(DO値)を有する処理水Wを高濃度酸素処理水として生成する。
具体的には、例えば、全圧1気圧のもとで、処理水Wの温度が5℃における空気中の酸素分圧0.21気圧であるとしたときの空気飽和溶存酸素の処理水Wへの溶解度、つまり、溶存酸素量(DO値)を、DO値=12.9g/mと仮定すると、その3倍の値であるDO値=38.7g/m以上に設定して高濃度酸素処理水を生成する。
また、ガス分圧0.1013MPaにおける純酸素の純水への溶解度(g/m)は、下記の表1に示す通りである。これは、化学便覧(日本化学会 編)に記載されていた溶解度を換算したものである。
Figure 2013135834
1気圧における純酸素ガスの処理水Wへの溶解度は、処理水Wが海水や塩水の場合、塩析効果により溶解度は純水の場合よりも少し下がる。そこで、純水を基準にして海水や塩水への純酸素ガスの溶解度を所定の推算式により推算することができる。また、あらかじめ処理水Wの溶解度を実測しておくこともできる。いずれにしても、処理水Wの溶解度以下の範囲内で溶存酸素量(DO値)を所定値まで増大させて高濃度酸素(高溶存酸素)処理水を生成する。
この際、混合流体生成装置2の第1溶存酸素量検出手段D1が処理水Wの溶存酸素量(DO値)の所定値を検出した場合には、その検出情報を第1溶存酸素量検出手段D1から制御手段Cに送信する。制御手段Cは、高濃度酸素(高溶存酸素)処理水が生成されたと判断して、純酸素ガス供給部Kからの純酸素ガス供給を停止させる制御情報を純酸素ガス供給部Kに送信する。そして、制御手段Cは、第2圧送ポンプP2を駆動させて、陳列台本体3に高濃度酸素処理水を供給する。また、制御手段Cは、三方切替弁Vaに切換制御情報を送信して、回収パイプJaを通して回収部Gに高濃度酸素処理水を送ることもできる。
また、第1・第2溶存酸素量検出手段D1,D2が処理水Wの溶存酸素量(DO値)の所定値を検出しない場合には、制御手段Cは、高濃度酸素(高溶存酸素)処理水が生成されていないと判断して、第2圧送ポンプP2への駆動情報や三方切替弁Vaへの切換制御情報を送信しない。つまり、循環流路Cyが保持されて、処理水Wと純酸素ガスとが循環されながら気液混合処理部Mにより混合処理される工程が継続される。この際、制御手段Cは、処理水Wの温度を検出する第1・第2温度検出手段Ta1,Ta2の検出結果に基づいて、処理水Wを所定の低温度(例えば、1℃〜5℃)に保持すべく第2圧送ポンプP2と熱交換器Hを制御している。その結果、陳列台本体3を通してタンクT内の高濃度酸素処理水は低温度(例えば、1℃〜5℃)に保持される。
かかる高濃度酸素処理水は、前記のように構成した混合流体生成装置2により生成することができるものであり、処理水Wに純酸素ガス供給部Kから純酸素ガスを供給して、これら処理水Wと純酸素ガスを、中途部に第1圧送ポンプP1と気液混合処理部Mを設けた循環パイプJとタンクTとで形成される循環流路Cyを通して循環させることで生成することができる。
この際、気液混合処理部Mは、純酸素ガスを処理水Wに溶解させて高濃度酸素処理水となすものであるが、溶媒である処理水Wに高せん断力を作用させて、処理水Wのクラスターの大きさがより小さい改質処理水となしている。すなわち、処理水Wを構成している水は、通常、単一の分子で存在しているのではなく、いくつかの水分子からなるクラスターを形成しているところ、気液混合処理部Mで水が処理されると、クラスターの大きさがより小さい改質処理水を得ることができる。クラスターの大きさがより小さい改質処理水は、純酸素ガスを溶解させ易い。しかも、気液混合処理部Mは、純酸素ガスを直径がナノレベル(1μm以下)の超微細な気泡(酸素ナノ気泡)となして、溶媒である処理水Wとの接触面積を大となすため、純酸素ガスの改質処理水への溶解(高濃度酸素処理水生成)速度を高速化する。つまり、純酸素ガスの気泡(バブル)に加わる圧力は気泡の大きさに反比例するため、気泡が超微細(ナノ)になるにしたがって気泡内の圧力は大きくなる。そのため、加圧作用によって純酸素ナノバブル内部の気体である酸素は、処理水W中に効率的に溶解する。
かかる改質処理水に純酸素ガスを溶解させてなる高濃度酸素処理水は、生鮮魚介類の肉片中への浸透力が高い。したがって、高濃度酸素処理水の生鮮魚介類の肉中への浸透(拡散)距離が長く(深く)なり、それだけ生鮮魚介類の肉の抗菌性と保存性の付与も大きくなる。しかも、酸素ナノ気泡の数密度を、例えば、経験により菌数の千倍以上に増加させることで抗菌性を確保することができる。この際、酸素ナノ気泡の数密度の増加は、循環パイプJを通して高濃度酸素処理水を循環流路Cy内で一定回数ないしは一定時間循環させることで、短時間で達成することができる。
すなわち、気液混合処理部Mにより作成した高濃度酸素処理水は、溶媒である処理水Wの改質処理を伴っているので、生鮮の肉中への高濃度酸素処理水の浸透性が向上し、後述する一定の漬け込み時間だけ漬け込むことで浸透距離が深くなり、それだけ保存性の付与が増大する。そして、かかる高濃度酸素処理水がミオグロビンと反応すると、つまり、高濃度酸素処理水中の酸素(O)と、生鮮魚介類(特に赤身魚肉)の筋肉の色素であるミオグロビン(Mb)とが結合すると、鮮赤色を呈するオキシミオグロビン(MbO)が生成される。このときミオグロビン(Mb)に(配位)結合している鉄は2価のままである。したがって、前記した高濃度酸素処理水との反応で生鮮魚介類に生成されるオキシミオグロビン(MbO)は数十時間(例えば、72時間)安定化(色調と鮮度保持)し、その間、生鮮魚介類の肉のメト化(褐変)が抑制(遅延化)される。また、生鮮魚介類の外表面の色艶が良くなって、美的外観が向上する。そのため、生鮮魚介類の商品価値を高めることができる。
本実施形態では、前記したように気液混合処理部Mにより処理水Wに純酸素ガスを溶解させて高濃度酸素処理水となすことができるが、循環流路Cy中にて処理水Wを所定時間ないしは所定回数以上循環を繰り返すことにより、改質度合いを高めることができるようにしている。ここで、改質度合いとは、水分子間の水素結合によっていくつかの水分子が互いに結合して形成しているクラスター(会合体で(H2O)nの状態;n≒4.4)を小さくする、つまり、任意の水分子の周辺にある隣接水分子の数をできるだけ小さくするように改質処理する度合いをいう。
その結果、処理水Wのクラスターを堅実に小さくすることができるとともに、純酸素ガスの溶解濃度を増大させることができる。しかも、気液混合処理部Mによれば、純酸素ガスをナノレベルの超微細気泡となすことができて、超微細化した純酸素ガス気泡(酸素ナノ気泡)が処理水に溶解され易くなる。そのため、高濃度酸素処理水生成速度を高速化することができて、短時間に大量の高濃度酸素処理水を生成することができる。したがって、混合流体生成装置2の小型化を実現することができる。また、循環流路Cy中にて処理水Wと純酸素ガスを所定時間ないしは所定回数以上循環を繰り返すことにより、酸素ナノ気泡の数密度を増加させることができるため、酸素ナノ気泡による抗菌性を確保することができる。
次に、第1実施形態〜第5実施形態としての気液混合処理部Mの構成を、図面を参照しながら具体的に説明する。
[第1実施形態としての気液混合処理部Mの説明]
図3に示す静止型流体混合装置である気液混合処理部Mは、一方向(本実施形態では左右方向)に伸延する円筒状に形成したケーシング体11と、ケーシング体11内に同軸的に配列させて収容した複数組(本実施形態では五組)の混合ユニット12と、混合ユニット12に処理対象の流体Rを導入する導入口15を中央部に有してケーシング体11の左側端面に着脱自在に連結した左側端部壁体13と、混合ユニット12により処理された流体Rを導出する導出口16を中央部に有してケーシング体11の右側端面に着脱自在に連結した右側端部壁体14とから構成している。ケーシング体11の外周面左右側部には連結フランジ17,18を形成して、連結フランジ17,18に左・右側端部壁体13,14の周縁部をケーシング体11の軸線方向に重合状態に面接させて、連結ボルト19,19により連結している。
気液混合処理部Mは、図3に示すように、ケーシング体11内に五組の混合ユニット12を同軸的にかつ直列的に配列させて収容して、各混合ユニット12の対向面間にOリング26を介設している。この際、ケーシング体11の内周面と各混合ユニット12の外周面とは、隙間のない密着状態となしている。このように構成して、ケーシング体11内に配設した混合ユニット12内を流体R(図3において矢印で示す)が上流側である左側の導入口15側から下流側である右側の導出口16に蛇行しながら流動するようにしている。
混合ユニット12は、流体Rを拡散・混合する拡散・混合流路27と、流体Rを集合・混合する集合・混合流路28を有しており、拡散・混合流路27の終端部と集合・混合流路28の始端部を連通させて接続している。すなわち、拡散・混合流路27は、図4に示すように、中央部に流体Rの流入口32を形成した円板状の第1拡散エレメント30に、円板状の第2拡散エレメント40を対向させて配置するとともに、両拡散エレメント30,40の間に中央部側の流入口32から流入した流体Rを周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合するように形成している。最左側に配置した第1拡散エレメント30の中央部に形成した流入口32は、左側端部壁体13の中央部に形成した導入口15に整合させて連通している。そして、拡散・混合流路27は、第1・第2拡散エレメント30,40の対向面にそれぞれ同形・同大の多数の凹部35,41を配列して形成して、各拡散エレメント30,40の凹部35,41の開口面を突き合わせ状に面接触させるとともに、相互に連通するように位置を違えて配置している。流体Rの流入口を中心とする同一円周上に配置した各拡散エレメント30,40の凹部35,41の数は、中心部側から周縁部側に向けて漸次増大させて、流動方向である半径方向に分流数(分散数)を増大させている。
また、集合・混合流路28は、図4に示すように、円板状の第1集合エレメント50に、中央部に流体Rの流出口を形成した円板状の第2集合エレメント60を対向させて配置するとともに、両集合エレメント50,60の間に周縁部側から流入した流体Rを中央部側に向けて半径方向に流動させて集合・混合するように形成している。最右側に配置した第2集合エレメント60の中央部に形成した流出口62は、右側端部壁体14の中央部に形成した導出口16に整合させて連通している。そして、集合・混合流路28は、第1・第2集合エレメント50,60の対向面にそれぞれ流体Rの流出口62を中心とする同一円周上に同形・同大の多数の凹部51,65を配列して形成するとともに、半径方向には周縁部側から中央部側に向けて凹部51,65の開口面積を漸次縮小させて形成し、かつ、中央部側の凹部51,65の最小開口面積を前記拡散エレメント30,40の凹部35,41の開口面積以上となした複数の凹部51,65を配列して形成し、両集合エレメント50,60の凹部51,65の開口面を突き合わせ状に面接触させるとともに、相互に連通するように円周方向に位置ずれさせて配置している。流体の流出口62を中心とする同一円周上に配置した各集合エレメント50,60の凹部51,65の数は、半径方向の各列において同一(本実施形態では12個)となしている。
しかも、第1・第2集合エレメント50,60では、中心部側にリング状に配置した凹部51,65の第1列と、それよりも円周側にリング状に配置した凹部51,65の第2列と、さらにそれよりも円周側にリング状に配置した凹部51,65の第3列からなる3列の各列に同数個の凹部51,65を配置して形成している。そして、各列の凹部51,65の半径方向の幅は、略同一幅ないしは同一幅に形成するとともに、各列の凹部51,65の円周方向の幅は、第1列の凹部51,65の円周方向の幅を1とすると、第2列の凹部51,65の円周方向の幅は1.5、第3列の凹部51,65の円周方向の幅は2の割合で形成している。
このように構成して、混合ユニット12では、第1・第2拡散エレメント30,40の凹部35,41の数は、中心部側から周縁部側に向けて漸次増大させているため、流体Rが合流する凹部35,41の数は周縁部側ほど増大するとともに、それに比例して数多く分流(分散)される。そのため、拡散・混合流路27においては流体Rにせん断力が作用して微細化される回数が流体Rの流動方向(周縁部側に向かう半径方向)に沿って漸次増大するようにしている。
また、第1・第2集合エレメント50,60では、周縁部側の大きめの開口面積を有する第3列の凹部51,65からスムーズに流入した流体Rが、漸次縮小された開口面積を有する第2列の凹部51,65さらには第1列の凹部51,65に順次流入して分流(分散)と合流を繰り返しながら中心部側に集合する。そのため、流体Rに作用するほぼ一様のせん断力により流体Rの微細化かつ均一化を図ることができるとともに、集合・混合流路28における圧力損失を削減することができる。しかも、各集合エレメント50,60の凹部51,65の数は、半径方向の各列において同一となしているため、流体Rが合流する凹部51,65の数は各列において同数であり、周縁部から中心部への流れに伴う各列における流体Rの分割(分散)は無駄なく確実に行われる。そのため、集合・混合流路28においては流体Rにほぼ一様にせん断力が作用して微細化される回数が流体Rの流動方向において一定に保たれるが、圧力損失を軽減することができる。
以下に、各混合ユニット12の構成をより具体的に説明する。すなわち、各混合ユニット12は、いずれも同様の構造であり、図5に示すように、対向配置された2枚の板状(略円板形状)の部材、より具体的には円板形状の第1・第2拡散エレメント30,40と、対向配置された2枚の板状(略円板形状)の部材、より具体的には円板形状の第1・第2集合エレメント50,60とを備えている。
各混合ユニット12の上流側半部を形成する2枚の第1・第2拡散エレメント30,40のうち、導入口15側(上流側)に配置される第1拡散エレメント30は、円板状のエレメント本体31の中央部に、流体Rの流入口32が貫通状態で形成されている。そして、エレメント本体31の外周縁部には、全周に亘って肉厚の周壁部33が下流側に突出状に形成されて、エレメント本体31と周壁部33とにより、下流側に向けて円形の開口を有する凹み部34が形成され、凹み部34内に円板状の空間が形成されている。
図6に示すように、エレメント本体31の下流側面には、開口形状が正六角形の凹部35が隙間のない状態で複数形成されている。いわゆるハニカム状に多数の凹部35が形成されている。36は、第1拡散エレメント30に第2拡散エレメント40をネジ留めにより固定する際に用いられるネジ用の挿通孔である。
図4〜図6に示すように、2枚の拡散エレメント30,40のうち、導出口16側(下流側)に配置される第2拡散エレメント40は、第1拡散エレメント30よりも小径である。そして、第2拡散エレメント40の直径は、第1拡散エレメント30の凹み部34の直径よりも小径であり、凹み部34に第2拡散エレメント40が対面状態に嵌入されて配置される。
また、第2拡散エレメント40の、第1拡散エレメント30との対向面、すなわち導入口15側に向けられる上流側面(第1拡散エレメント30と対向する面)には、第1拡散エレメント30のエレメント本体31と同様に、開口形状が正六角形の凹部41が隙間のない状態で複数形成されている。46は、第1拡散エレメント30に第2拡散エレメント40をネジ留めにより固定する際に用いられるネジ用の挿通孔である。
そして、両拡散エレメント30,40は、図4および図5に示すような配置で組み付けられる。具体的に説明すると、第1拡散エレメント30の凹み部34内に、第2拡散エレメント40を対面状態に配置する。このとき、第1拡散エレメント30の下流側面のハニカム状の多数の凹部35の開口面と、第2拡散エレメント40の上流側面のハニカム状の多数の凹部41の開口面とが対面状態に当接するように、第2拡散エレメント40の向きを定める(図5参照)。この状態で、第1拡散エレメント30の挿通孔36と、第2拡散エレメント40の挿通孔46の位置を整合させてネジ72でネジ止めして組み付ける。
図4に示すように、第2拡散エレメント40の直径は、第1拡散エレメント30の凹み部34の直径よりも小径に形成されている。ただし直径の違いは僅かである。
従って、両拡散エレメント30,40を組み付けると、第1拡散エレメント30の周壁部33の内周面38と第2拡散エレメント40の外周端面43との間に、第2拡散エレメント40の外周端面に沿って全周に亘りリング状の間隙が環状流出路73として形成され、環状流出路73の下流側に位置する終端開口部が拡散・混合流路27の終端部であり、下流側に向けてリング状に開口されている。
そして、第1拡散エレメント30の流入口32に供給された流体Rは、拡散・混合流路27(図3参照)を通過した後、この拡散・混合流路27の終端部から放出される。環状流出路73の流出幅t1は、全周にわたって略一定間隔(略均等幅)に形成されており、例えば、第2拡散エレメント40の半径の20分の1前後の幅で形成される(図6参照)。
このように、第2拡散エレメント40の外周に全周に亘る環状流出路73の終端開口部を略均等幅に形成すると、全周に亘って流体Rを略均等に流出させることができるため、終端開口部から流出される流体Rの圧力にばらつきが発生しにくくなり、混合ユニット12の外周部の位置によって流体Rの流出量に偏りが生ずるような不具合が防止される。流出量の偏りが防止されれば、流路抵抗が低下し、また局所的に流体Rの圧力が高圧になる場所が生ずることが防止される。
また、本実施形態では、環状流出路73の大きさ、すなわち間隙の流出幅t1が全周に亘って略均等になっている。これにより、より確実に流路抵抗を低下させることができて、局所的高圧領域の発生、特に環状流出路73近傍における局所的高圧領域の発生を防止できる。
ここで、各拡散エレメント30,40の当接側の面に形成されるハニカム状の多数の凹部35,41の相互関係について説明する。
図4に示すように、両拡散エレメント30,40の凹部35,41は同形・同大に形成して、これらの当接面は、第1拡散エレメント30の凹部35の中心位置に、第2拡散エレメント40の凹部41の角部49が位置する状態で当接している。
このような状態で当接させると、第1拡散エレメント30の凹部35と第2拡散エレメント40の凹部41との間で流体Rを流動させることができる。また、角部49は3つの凹部41の角部が集まっている位置である。
従って、例えば、第1拡散エレメント30の凹部35側から第2拡散エレメント40の凹部41側に流体Rが流れる場合を考えると、流体Rは、2つの流路に分流(分散)されることになる。
つまり、第1拡散エレメント30の凹部35の中央位置に位置された第2拡散エレメント40の角部49は、流体Rを分流する分流部として機能する。逆に、第2拡散エレメント40側から第1拡散エレメント30側に流体Rが流れる場合を考えると、2方から流れてきた流体Rが1つの凹部35に流れ込むことで合流することになる。この場合、第2拡散エレメント40の中央位置に位置された角部49は、合流部として機能する。
また、第2拡散エレメント40の凹部41の中心位置にも、第1拡散エレメント30の凹部35の角部39が位置する。この場合は、第1拡散エレメント30の角部39が上述した分流部や合流部として機能する。
このように、相互に対向状態に対面配置された両拡散エレメント30,40の間には、中央の流入口32から両拡散エレメント30,40(ケーシング体11)の軸線方向に供給された流体Rが、分流と合流(分散と混合)を繰り返しながら両拡散エレメント30,40の放射線方向(軸線方向と直交する半径方向)に蛇行状態にて流動する拡散・混合流路27(図3参照)が形成されている。
この拡散・混合流路27を流体Rが流動する過程で、流体Rに混合処理が施される。そして、拡散・混合流路27を通過した流体Rは、その後、混合ユニット12の背面側外周部に下流側に向けてリング状に開口した環状流出路73の終端開口部から混合ユニット12の下流側半部に流入される。
各混合ユニット12の下流側半部を形成する2枚の第1・第2集合エレメント50,60のうち、導出口16側(下流側)に配置される第2集合エレメント60は、円板状のエレメント本体61の中央部に、流体Rの流出口62が貫通状態で形成されている。そして、エレメント本体61の外周縁部には、全周に亘って肉厚の周壁部63が上流側に突出状に形成されて、エレメント本体61と周壁部63とにより、上流側に向けて円形の開口を有する凹み部64が形成され、凹み部64内に円板状の空間が形成されている。
図7に示すように、エレメント本体61の下流側面には、開口形状が変形六角形、つまり、円周方向側に配置された対向辺を他の四辺よりも極端に短く形成して略四角形状(略ひし形状)に形成した凹部65が隙間のない状態で多数形成されている。66は、第1拡散エレメント30に第2集合エレメント60をネジ留めにより固定する際に用いられるネジ用のネジ孔である。
図4、図5および図7に示すように、2枚の集合エレメント50,60のうち、導入口15側(上流側)に配置される第1集合エレメント50は、第2集合エレメント60よりも小径である。そして、第1集合エレメント50の直径は、第2集合エレメント60の凹み部64の直径よりも小径であり、凹み部64に第1集合エレメント50が対面状態に嵌入されて配置される。
また、第1集合エレメント50の、第2集合エレメント60との対向面、すなわち導出口16側に向けられる下流側面には、第2集合エレメント60のエレメント本体61と同様に、開口形状が変形六角形の凹部51が隙間のない状態で複数形成されている。56は、第1拡散エレメント30に第1集合エレメント50をネジ留めにより固定する際に用いられるネジ用の挿通孔である。
そして、両集合エレメント50,60は、図4および図5に示すような配置で組み付けられる。すなわち、第2集合エレメント60の凹み部64内に、第1集合エレメント50を対面状態に配置する。このとき、第2集合エレメント60の上流側面の多数の凹部65の開口面と、第1集合エレメント50の下流側面52の多数の凹部51の開口面とが対面状態で、流出口62を中心とする円周方向に凹部51,65が相互に半分だけ位置ずれして当接するように、第2集合エレメント60の向きを定める(図5参照)。この状態で、第1集合エレメント50の挿通孔56と、第2集合エレメント60のネジ孔66の位置を整合させてネジ72でネジ止めして組み付ける。
図7に示すように、第1集合エレメント50の直径は、第2集合エレメント60の凹み部64の直径よりも小径に形成されている。ただし直径の違いは僅かである。従って、両集合エレメント50,60を組み付けると、第2集合エレメント60の周壁部63の内周面68と第1集合エレメント50の外周端面との間に、第1集合エレメント50の外周端面に沿って全周に亘りリング状の間隙が環状流入路74として形成され、環状流入路74の上流側に位置する始端開口部が集合・混合流路28の始端部であり、上流側に向けてリング状に開口される。
そして、第2集合エレメント60の環状流入路74に供給された流体Rは、集合・混合流路28(図3参照)を通過した後、この集合・混合流路28の始端部から放出される。環状流入路74の流入幅t2は、全周にわたって略一定間隔(略均等幅)に形成されており、例えば、第2集合エレメント60の半径の20分の1前後の幅で形成される(図5参照)。環状流入路74の流入幅t2は環状流出路73の流出幅t1と同一幅に形成している。
このように、第2集合エレメント60の外周に全周に亘る環状流入路74の始端部を略均等幅に形成すると、全周に亘って流体Rを略均等に流入させることができるため、始端部から流入される流体Rの圧力にばらつきが発生しにくくなり、混合ユニット12の外周部の位置によって流体Rの流入量に偏りが生ずるような不具合が防止される。流入量の偏りが防止されれば、流路抵抗が低下し、また局所的に流体Rの圧力が高圧になる場所が生ずることが防止される。
そして、本実施形態では、環状流入路74の大きさ、すなわち間隙の流入幅t2が全周に亘って略均等になっている。これにより、より確実に流路抵抗を低下させることができて、局所的高圧領域の発生、特に環状流入路74近傍における局所的高圧領域の発生を防止できる。
しかも、相互に円周方向に凹部51,65の半分だけ位置ずれさせて対向状態に対面配置された両集合エレメント50,60の間には、環状流入路74から両集合エレメント50,60の周縁部に流入した流体Rが、分流と合流(分散と混合)を繰り返しながら両集合エレメント50,60の中心部に向かって軸線方向と直交する半径方向に蛇行状態にて流動する集合・混合流路28(図3参照)が形成されており、この集合・混合流路28を流体Rが流動する過程で、流体Rに混合処理が施される。そして、集合・混合流路28を通過した流体Rは、その後、混合ユニット12の背面側中心部に開口した流出口62から混合ユニット12の外部に流出される。
ここで、各集合エレメント50,60の当接側の面に形成される多数の凹部51,65の相互関係について説明する。
図5に示すように、両集合エレメント50,60の凹部51,65は同一列上の凹部51,65については同形・同大に形成し、かつ、周縁部側から中心部側に向けて漸次縮小させて形成し、これらの当接面は、第2集合エレメント60の凹部65の中心位置に、第1集合エレメント50の凹部51の角部59が位置する状態で当接している。
このような状態で当接させると、第1集合エレメント50の凹部51と第2集合エレメント60の凹部65との間で流体Rを流動させることができる。また、角部69は4つの凹部51の角部が集まっている位置である。
従って、例えば、第1集合エレメント50の凹部51側から第2集合エレメント60の凹部65側に流体Rが流れる場合を考えると、流体Rは、3つの流路に分流(分散)されることになる。
つまり、第1集合エレメント50の凹部51の中央位置に位置された第2集合エレメント60の角部69は、流体Rを分流する分流部として機能する。逆に、第2集合エレメント60側から第1集合エレメント50側に流体Rが流れる場合を考えると、3方から流れてきた流体Rが1つの凹部51に流れ込むことで合流することになる。この場合、第2集合エレメント60の中央位置に位置された角部69は、合流部として機能する。
また、第2集合エレメント60の凹部65の中心位置にも、第1集合エレメント50の凹部51の角部59が位置する。この場合は、第1集合エレメント50の角部59が上述した分流部や合流部として機能する。
このように、相互に対向状態に対面配置された両集合エレメント50,60の間には、環状流入路74から流入された流体Rが、分流と合流(分散と混合)を繰り返しながら両集合エレメント50,60の放射線方向(軸線方向と直交する半径方向)に蛇行状態にて流動する拡散・混合流路27(図3参照)が形成されている。
さらには、全周にわたって下流側に向けてリング状に開口する環状流出路73の終端部と、全周にわたって上流側に向けてリング状に開口する環状流入路74の始端部とは、整合状態にて近接・対面して形成されるため、環状流出路73→環状流入路74→集合・混合流路28へと流動する流体Rの圧力損失を大幅に低下させることができて、シール部であるOリング26からの流体漏れを堅実に回避することができる。
[第2実施形態としての気液混合処理部Mの説明]
図8に示す静止型流体混合装置である第2実施形態としての気液混合処理部Mは、一方向(本実施形態では左右方向)に伸延する円筒状に形成したケーシング体111内に、一組ないしは複数組(本実施形態では五組)の混合ユニット112を同心円的に配設している。ケーシング体111の両端部には左・右側壁体113,114を配設して、各側壁体113,114の外側周縁部に左・右接続体115,116の基端部115a,116aを係止するとともに、左・右接続体115,116の先端部115b,116bをケーシング体111の外周面に螺着して、隣接する各混合ユニット112の流出口162と流入口132を連通させた状態にて、両側壁体113,114間にケーシング体111内にて同軸的に配列した混合ユニット112を挟持している。上流側の側壁体113の中央部には導入口117を形成して、導入口117には近接する混合ユニット112の流入口132を整合させて連通させる一方、下流側の右側壁体114の中央部には導出口118を形成して、導出口118には近接する混合ユニット112の流出口162を整合させて連通させている。
左・右側壁体113,114は、ケーシング体111の内径よりもやや大径の円板状に形成し、内側半部にケーシング体111への内嵌部113a,114aを形成する一方、外側半部の周縁部に左・右接続体115,116の基端部115a,116aを係止する段付き凹条の係止用凹部113b,114bを形成している。上流側の側壁体113の中央部に形成した導入口117には上流側連通連結体119を連通連結する一方、下流側の右側壁体114の中央部に形成した導出口118には下流側連通連結体120を連通連結している。
左・右接続体115,116は相互に左右対称に形成している。すなわち、左・右接続体115,116はリング板状に形成した基端部115a,116aと、基端部115a,116aの外周縁部に連設した円筒状の先端部115b,116bとから一体成形して、先端部115b,116bの内周面に雌ネジ部115c,116cを形成している。ケーシング体111の左右側端部には段付き凹部111a,111bを形成するとともに、段付き凹部111a,111bの外周面に雌ネジ部115c,116cを螺着する雄ネジ部111c,111dを形成している。
混合ユニット112は、中央部に処理対象である流体R(図8において矢印で示す)の流入口132を形成した円板状の第1拡散エレメント130に、円板状の第2拡散エレメント140を対面させて配置して、両拡散エレメント130,140の間に拡散・混合流路160を形成する一方、第2拡散エレメント140の背面側に、中央部に流体Rの流出口162を形成した円板状の集合エレメント150を対面させて配置して、集合エレメント150に集合流路170を形成して構成している。
すなわち、混合ユニット112は、中央部側の流入口132から流入した流体Rを周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合する拡散・混合流路160と、周縁部側から流入した流体Rを中央部側の流出口162に向けて半径方向に流動させて集合させる集合流路170とを備えており、ケーシング体111の内周面に沿わせて拡散・混合流路160の終端部と集合流路170の始端部を連通させている。
集合エレメント150は、図9及び図10に示すように、上流側半部152を下流側半部153よりも小径の円板状に形成して、上流側半部152の外周部に拡散・混合流路160と連通する円形リング状の連通用凹部154を形成し、上流側半部152には周縁部から中央部の流出口162に向けて直状かつ同一幅の流路形成用凹部155を形成して、流路形成用凹部155の開口面を第2拡散エレメント140の背面により閉塞することで、連通用凹部154と連通する集合流路170を形成している。流路形成用凹部155は、上流側半部152に側面視で十字状に配置している。つまり、円周方向に90度の間隔をあけて形成している。その結果、本実施形態では、流路形成用凹部155の開口面が第2拡散エレメント140の背面により閉塞されて形成される集合流路170は、周縁部から中央部の流出口162に向けて直状かつ同一幅の流路が十字状に形成されている。ここで、集合エレメント150の半径方向と直交する流路形成用凹部155の流路幅Wrは、流出口162の半径rと下記の関係を有している。
Figure 2013135834
このような関係を保つことにより、集合流路170の流路幅Wrを可及的に広く形成するとともに、隣接する集合流路170を流動する流体Rが相互に干渉することなく流出口162に速やかに流入するようにしている。
179はOリングであり、Oリング179はケーシング体111内において、左側壁体113と混合ユニット112との間、混合ユニット112,112同士の間、混合ユニット112と右側壁体114との間にそれぞれ配設してシール部を形成している。
このように構成して、気液混合処理部Mでは、集合流路170を集合エレメント150の周縁部から中央部の流出口162に向けて直状かつ同一幅に形成しているため、拡散・混合流路160を流動した流体Rを、集合流路170を通して流出口162に向けて直状に速やかに流動させることができる。そのため、集合流路170においては流体Rの流線が大きく乱れことがなくなり、流体Rの圧力にばらつきが発生しにくくなる。その結果、流体圧力が均一化されて流路抵抗が低下する。流路抵抗が低下すると圧力損失が低減されて(圧力損失低減効果が得られて)、供給する流体の圧力を高圧にしなくても処理量を増大させることができる。圧力損失が低減されると、低圧で流体混合処理を行なうことができるようになって、シール部材としてのOリング179を配設したシール部における流体漏れ防止を図るためのOリング179の使用が大幅に低減される。その結果、シール部材の交換などの作業が不要、ないしは大幅に削減されるため、静止型流体混合装置自体のメンテナンス作業の簡易化と迅速化を図ることができて、作業効率を向上させることができる。
拡散・混合流路160と連通する円形リング状の連通用凹部154に集合流路170を連通させて形成しているため、拡散・混合流路160から集合流路170への流体Rの流動が円滑になされる。そして、流路形成用凹部155を上流側半部152に十字状に配置して形成することで、集合流路170を集合エレメント150の円周廻りに均等に配置することができ、連通用凹部154から最寄りの集合流路170を通して流出口162に流体Rを流出させることができる。
ケーシング体111の両端部に形成した段付き凹部111a,111bの外周面には雄ネジ部111c,111dを形成し、左・右接続体115,116の先端部115b,116bの内周面には雌ネジ部115c,116cを形成して、雄ネジ部111c,111dに雌ネジ部115c,116cを螺着した左・右接続体115,116は、工具なしに螺脱して取り外すことにより、ケーシング体111内に配設した混合ユニット112の挟持を簡単に解除することができる。そのため、混合ユニット112をケーシング体111から容易に取り出すことができて、混合ユニット112のメンテナンス作業を楽に行うことができる。また、反対の手順を辿ることで気液混合処理部Mを工具なしに簡単に組み立てることができる。
次に、気液混合処理部Mの構成をより具体的に説明する。気液混合処理部Mは、図8に示すように、ケーシング体111内に五組の混合ユニット112を同軸的にかつ直列的に配列させて収容して、各混合ユニット112の周縁部間にOリング179を介設している。この際、ケーシング体111の内周面と各混合ユニット112の外周面とは、隙間のない密着状態となしている。このように構成して、ケーシング体111内に配設した混合ユニット112内を流体Rが上流側である左側の導入口117側から下流側である右側の導出口118に蛇行しながら流動するようにしている。
拡散・混合流路160は、図9〜図11に示すように、第1・第2拡散エレメント130,140の対向面にそれぞれ同形・同大の多数の凹部135,145を配列して形成して、各拡散エレメント130,140の凹部135,145の開口面を突き合わせ状に面接触させるとともに、相互に連通するように位置を違えて配置している。流体Rの流入口132を中心とする同一円周上に配置した各拡散エレメント130,140の凹部135,145の数は、中心部側から周縁部側に向けて漸次増大させて、流動方向である半径方向に分流数(分散数)を増大させている。
また、集合流路170は、図9,図10及び図12に示すように、円板状の第2拡散エレメント140に、中央部に流体Rの流出口162を形成した円板状の集合エレメント150を対向させて配置するとともに、両エレメント140,150の間に周縁部側から流入した流体Rを中央部側に向けて半径方向に流動させて集合させるように形成している。最右側に配置した集合エレメント150の中央部に形成した流出口162は、右側壁体114の中央部に形成した導出口118に整合させて連通している。
このように構成して、混合ユニット112では、第1・第2拡散エレメント130,140の凹部135,145の数は、中心部側から周縁部側に向けて漸次増大させているため、流体Rが合流する凹部135,145の数は周縁部側ほど増大するとともに、それに比例して数多く分流(分散)される。そのため、拡散・混合流路160においては流体Rにせん断力が作用して微細化される回数が流体Rの流動方向(周縁部側に向かう半径方向)に沿って漸次増大するようにしている。
各混合ユニット112は、いずれも同様の構造であり、図9及び図10に示すように、対向配置された2枚の板状(略円板形状)の部材、より具体的には円板形状の第1・第2拡散エレメント130,140と、対向配置された板状(略円板形状)の部材、より具体的には円板形状の集合エレメント150とを備えている。
各混合ユニット112の上流側半部を形成する2枚の第1・第2拡散エレメント130,140のうち、導入口117側(上流側)に配置される第1拡散エレメント130は、円板状のエレメント本体131の中央部に、流体Rの流入口132が貫通状態で形成されている。
図11に示すように、エレメント本体131の下流側面には、開口形状が正六角形の凹部135が隙間のない状態で複数形成されている。いわゆるハニカム状に多数の凹部135が形成されている。134は第1拡散エレメント130のピン挿入用凹部である。136は第1拡散エレメント130の中央部に配設した第1螺着部、137は第1螺着部136を流入口132中の中央に支持する3片の支持片である。
図9〜図11に示すように、2枚の拡散エレメント130,140のうち、導出口118側(下流側)に配置される第2拡散エレメント140は、第1拡散エレメント130よりも小径である。第2拡散エレメント140のエレメント本体141の第1拡散エレメント130との対向面、すなわち導入口117側に向けられる上流側面(第1拡散エレメント130と対向する面)には、第1拡散エレメント130のエレメント本体131と同様に、開口形状が正六角形の凹部145が隙間のない状態で複数形成されている。
142は第2拡散エレメント140の中央部に形成した第2螺着部であり、第2螺着部142と第1拡散エレメント130の第1螺着部136とを符合させて、連結ボルト143により第1拡散エレメント130と第2拡散エレメント140とを対面状態に重合させて連結している。146は第2拡散エレメント140に形成したピン挿通孔、147はピン挿通孔146に挿通した位置決めピンであり、位置決めピン147の先端部を第1拡散エレメント130のピン挿入用凹部134に挿入して第1拡散エレメント130と第2拡散エレメント140を位置決めして対面させている。
そして、両拡散エレメント130,140は、図9および図10に示すような配置で組み付けられる。具体的に説明すると、第1拡散エレメント130と第2拡散エレメント140を対面状態に配置する。このとき、第1拡散エレメント130の下流側面のハニカム状の多数の凹部135の開口面と、第2拡散エレメント140の上流側面のハニカム状の多数の凹部145の開口面とが対面状態に当接するように、第2拡散エレメント140の向きを定める(図3参照)。この状態で、第1拡散エレメント130のピン挿入用凹部134に、第2拡散エレメント140のピン挿通孔146に挿通した位置決めピン147の先端部を挿入して組み付ける。
従って、両拡散エレメント130,140を組み付けると、両拡散エレメント130,140間に形成される拡散・混合流路160の終端部が外周に向けてリング状に開口されている。そして、第1拡散エレメント130の流入口132に供給された流体Rは、拡散・混合流路160(図1参照)を通過した後、この拡散・混合流路160の終端部から放出される。
ここで、位置決めピン147により位置決めされて、各拡散エレメント130,140の当接側の面に形成されるハニカム状の多数の凹部135,145の相互関係について説明する。すなわち、図11に示すように、両拡散エレメント130,140の凹部135,145は同形・同大に形成して、これらの当接面は、第1拡散エレメント130の凹部135の中心位置に、第2拡散エレメント140の凹部145の角部149が位置する状態で当接している。
このような状態で当接させると、第1拡散エレメント130の凹部135と第2拡散エレメント140の凹部145との間で流体Rを流動させることができる。また、角部149は3つの凹部145の角部が集まっている位置である。
従って、例えば、第1拡散エレメント130の凹部135側から第2拡散エレメント140の凹部145側に流体Rが流れる場合を考えると、流体Rは、2つの流路に分流(分散)されることになる。
つまり、第1拡散エレメント130の凹部135の中央位置に位置された第2拡散エレメント140の角部149は、流体Rを分流する分流部として機能する。逆に、第2拡散エレメント140側から第1拡散エレメント130側に流体Rが流れる場合を考えると、2方から流れてきた流体Rが1つの凹部135に流れ込むことで合流することになる。この場合、第2拡散エレメント140の中央位置に位置された角部149は、合流部として機能する。
また、第2拡散エレメント140の凹部145の中心位置にも、第1拡散エレメント130の凹部35の角部139が位置する。この場合は、第1拡散エレメント130の角部139が上述した分流部や合流部として機能する。
このように、相互に対向状態に対面配置された両拡散エレメント130,140の間には、中央の流入口132から両拡散エレメント130,140(ケーシング体11)の軸線方向に供給された流体Rが、分流と合流(分散と混合)を繰り返しながら両拡散エレメント130,140の放射線方向(軸線方向と直交する半径方向)に蛇行状態にて流動する拡散・混合流路160(図1参照)が形成されている。
この拡散・混合流路160を流体Rが流動する過程で、流体Rに混合処理が施される。そして、拡散・混合流路160を通過した流体Rは、その後、連通用凹部154を通して集合エレメント150の集合流路170に流入される。各混合ユニット112の下流側を形成する集合エレメント150には、円板状の中央部に流体Rの流出口162が貫通状態で形成されている。
図8に示すように、左・右側壁体113,114の内周縁部と、第1拡散エレメント130の上流側(左側)の外周縁部と、第1拡散エレメント130と同径状に形成した集合エレメント150の下流側(右側)の外周縁部には、それぞれテーパー面部113c,114c,138,148を形成して、隣接して対向するテーパー面部とケーシング体11の内周面とによりOリング179を配置するためのOリング配置空間178を形成している。
[第2実施形態としての気液混合処理部の特徴]
静止型流体混合装置である第2実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成を特徴とする。すなわち、気液混合処理部は、中央部側の流入口から流入した流体を周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合する拡散・混合流路と、周縁部側から流入した流体を中央部側の流出口に向けて半径方向に流動させて集合させる集合流路とを有する混合ユニットを、ケーシング体内に同心円的に配設するとともに、ケーシング体の内周面に沿わせて拡散・混合流路の終端部と集合流路の始端部を連通させた静止型流体混合装置であって、混合ユニットは、中央部に流体の流入口を形成した円板状の第1拡散エレメントに、円板状の第2拡散エレメントを対面させて配置して、両拡散エレメントの間に拡散・混合流路を形成する一方、第2拡散エレメントの背面側に、中央部に流体の流出口を形成した円板状の集合エレメントを対面させて配置して、集合エレメントに集合流路を形成して構成し、集合流路は、周縁部から中央部の流出口に向けて直状かつ同一幅に形成したことを特徴とする。
かかる気液混合処理部では、集合流路を集合エレメントの周縁部から中央部の流出口に向けて直状かつ同一幅に形成しているため、拡散・混合流路を流動した流体を、集合流路を通して流出口に向けて直状に速やかに流動させることができる。そのため、集合流路においては流体の流線が大きく乱れことがなくなり、流体の圧力にばらつきが発生しにくくなる。その結果、流体圧力が均一化されて流路抵抗が低下する。流路抵抗が低下すると圧力損失が低減されて(圧力損失低減効果が得られて)、供給する流体の圧力を高圧にしなくても処理量を増大させることができる。圧力損失が低減されると、低圧で流体混合処理を行なうことができるようになって、シール部における流体漏れ防止を図るためのガスケット等のシール部材の使用が大幅に低減される。その結果、シール部材の交換などの作業が不要、ないしは大幅に削減されるため、静止型流体混合装置自体のメンテナンス作業の簡易化と迅速化を図ることができて、作業効率を向上させることができる。
上記した第2実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成にも特徴を有する。すなわち、集合エレメントは、上流側半部を下流側半部よりも小径の円板状に形成して、上流側半部の外周部に拡散・混合流路と連通する円形リング状の連通用凹部を形成し、上流側半部には周縁部から中央部の流出口に向けて直状かつ同一幅の流路形成用凹部を形成して、流路形成用凹部の開口面を第2拡散エレメントの背面により閉塞することで、連通用凹部と連通する集合流路を形成したことを特徴とする。
かかる気液混合処理部では、拡散・混合流路と連通する円形リング状の連通用凹部に集合流路を連通させて形成しているため、拡散・混合流路から集合流路への流体の流動が円滑になされる。
上記した第2実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成にも特徴を有する。すなわち、流路形成用凹部は、上流側半部に十字状に配置して形成したことを特徴とする。
かかる気液混合処理部では、流路形成用凹部を上流側半部に十字状に配置して形成することで、集合流路を集合エレメントの円周廻りに均等に配置することができ、連通用凹部から最寄りの集合流路を通して流出口に流体を流出させることができる。
上記した第2実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成にも特徴を有する。すなわち、円筒状のケーシング体内に一つないしは複数の混合ユニットを同心円的に配設し、ケーシング体の両端部には側壁体を配設して、各側壁体の外側壁に接続体の基端部を係止するとともに、接続体の先端部をケーシング体の外周面に螺着して、隣接する各混合ユニットの流出口と流入口を連通させた状態にて両側壁体間にケーシング体を介して混合ユニットを挟持し、上流側の側壁体の中央部に形成した導入口には、近接する混合ユニットの流入口を連通させる一方、下流側の側壁体の中央部に形成した導出口には、近接する混合ユニットの流出口を連通させたことを特徴とする。
かかる気液混合処理部では、ケーシング体の外周面に螺着した接続体を工具なしに螺脱して取り外すことにより、ケーシング体内に配設した混合ユニットの挟持を簡単に解除することができる。そのため、混合ユニットをケーシング体から容易に取り出すことができて、混合ユニットのメンテナンス作業を楽に行うことができる。また、反対の手順を辿ることで静止型流体混合装置を工具なしに簡単に組み立てることができる。
上記した第2実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成にも特徴を有する。すなわち、流体としての液体と液体、液体と気体、ないしは粉体と液体の混合体を、上流側の側壁体の中央部に形成した導入口から導入させて、混合ユニットの拡散・混合流路と集合流路を通して流動させた後に、下流側の側壁体の中央部に形成した導出口から導出させるようにしたことを特徴とする。
かかる気液混合処理部では、液体と液体、液体と気体、ないしは粉体と液体の混合体を、流体として上流側の側壁体の導入口から導入させて、混合ユニットの拡散・混合流路と集合流路を通して流動させた後に、下流側の側壁体の導出口から導出させることで、超微細化かつ均一化して混合することができる。
[第3実施形態としての気液混合処理部Mの説明]
第3実施形態としての気液混合処理部Mは、図13〜図15に示すように、複数種類の流体を混合撹拌する混合処理部本体210と、混合処理部本体210に駆動力を供給する駆動源としての電動機部であるモータ300と、モータ300からの駆動力を混合処理部本体210に伝動する伝動機構400を備えている。
混合処理部本体210は、混合撹拌ケース220内に混合撹拌機能部230を設けて構成しており、混合撹拌ケース220には混合撹拌すべき複数種類の流体を加圧状態で送入(圧送)する送入路を内部に形成する循環パイプJの一部である送入管240を接続するとともに、混合撹拌された混合体を送出する送出路を内部に形成する循環パイプJの一部である送出管250を接続している。複数種類の流体の組み合わせとしては、例えば、気体と液体、液体と液体、ないしは、固体としての粒体や粉体等と液体があり、これらを送入管240を通して混合撹拌ケース220内に送入して混合撹拌機能部230により混合・撹拌することで混合体となすことができる。
混合撹拌ケース220は、左右方向に軸線を向けた円筒状のケース本体221の左側端面部に、取付ボルト224を介して略四角形板状の左側閉塞壁体222を閉塞状態に取り付ける一方、円筒状のケース本体221の右側端面部に、取付ボルト225を介して略四角形板状の右側閉塞壁体223を閉塞状態に取り付けて、内部に混合撹拌室226を形成している。左側閉塞壁体222の中央部には左側軸受け体227を設ける一方、右側閉塞壁体223の中央部には右側軸受け体228を設けて、両軸受け体227,228間に回転軸229を着脱自在に横架している。左側閉塞壁体222には送入管240の一端を接続して、送入管240を混合撹拌室226と連通させている。右側閉塞壁体223には送出管250の一端を接続して、送出管250を混合撹拌室226と連通させている。214,215はケース本体221の左右側下部に設けた支持脚部、216は左側閉塞壁体222の中央部に形成した左回転軸挿通孔、217は右側閉塞壁体223の中央部に形成した右回転軸挿通孔、218,219は混合撹拌室226内において左・右側軸受け体227,228と回転軸229との間に介設したメカニカルシール部である。
混合撹拌機能部230は、混合撹拌ケース220内に横架した回転軸229に回転側混合撹拌体260を一体的に回転自在に取り付ける一方、混合撹拌ケース220に固定側混合撹拌体270を回転側混合撹拌体260と対面状態に固定して、一つの混合撹拌ユニット280を形成している。
回転側混合撹拌体260は、図16に示すように、ケース本体221の内径よりも小径で一定肉厚の円板状に形成した回転側本体261の一側面において、中央部262と一定幅の外周部263を除いて、半径方向及び円周方向に側面視六角形の流路形成用凹部264を整然と密に形成してハニカム形状となしている。
ここで、図13に示すように、回転側本体261の中央部262には回転軸挿通孔265を形成しており、回転軸挿通孔265の周面には回転軸229の周面に形成したスプライン凸条部229aと係合するスプライン凹条部265a(図16参照)を形成している。そして、回転軸229のスプライン凸条部229aに回転側混合撹拌体260のスプライン凹条部265aを係合させて取り付けることで、回転側混合撹拌体260を回転軸229に対してその軸線方向に摺動自在(着脱自在)かつ軸線廻りに一体的に回転自在となしている。
固定側混合撹拌体270は、図17に示すように、上記したケース本体221の内径と略同形で、回転側混合撹拌体260の回転側本体261と略同一肉厚に形成した固定側本体271の中央部272に導入口276を上下方向に貫通させて開口し、固定側本体271の一側面において、一定幅の外周部273を除いて、半径方向及び円周方向に側面視六角形の流路形成用凹部274を整然と密に形成してハニカム形状となしている。なお、流路形成用凹部264,274の形状は側面視六角形に限られるものではなく、例えば、半円球凹状に形成することもできる。
そして、回転側混合撹拌体260の外周部263と、固定側混合撹拌体270の外周部273との間に、外周縁の全周にわたって開口する導出口266を形成している。
両混合撹拌体260,270に形成した流路形成用凹部264,274同士は、図18に示すように、基本形態として、位置ずれさせた状態で対面させている。すなわち、隣接する三つの流路形成用凹部264の中心部267を、対面する一つの流路形成用凹部274の中心部に位置させると共に、隣接する三つの流路形成用凹部274の中心部277を、対面する一つの流路形成用凹部264の中心部に位置させて、両流路形成用凹部264,274間にて、被撹拌物である複数種類の流体が、一つの流路形成用凹部264(274)から対面する二つの流路形成用凹部274(264)に分流(分散)し、また、二つの流路形成用凹部264(274)から対面する一つの流路形成用凹部274(264)に合流(集合)するように、蛇行しながら放射線方向に流動する混合撹拌流路279(図19参照)を形成している。
かかる基本形態を有する両混合撹拌体260,270において、図19に示すように、回転側混合撹拌体260は固定側混合撹拌体270との間に一定間隙tを保った状態で回転軸229と一体に回転方向X(図16の側面視で反時計廻り)に回転される。
そのため、被撹拌物である複数種類の流体は、遠心力により中心側の導入口276から外周縁側の導出口266に向けて混合撹拌流路279中を上下方向に蛇行しながら分流(分散)と合流(集合)を繰り返すことで放射線方向に流動されて、周縁部に形成した導出口266から流出される。
ここで、蛇行方向に流動される複数種類の流体は、蛇行方向にせん断作用を受けると共に、回転側混合撹拌体260の回転方向Xにもせん断作用を受ける。その結果、流体は、蛇行方向と回転方向Xの合力方向に立体的なせん断作用を受けながら流動されることで混合・撹拌されて混合体となる。流体として液体と気体を混合・撹拌した場合には、液体中における気体の超微細化と均一化が堅実に実現される。
また、回転側混合撹拌体260と固定側混合撹拌体270とが軸芯廻りに相対変位するため、流路形成用凹部264と流路形成用凹部274とが対向して連通する面積が周期的に変化する。つまり、一つの流路形成用凹部264(274)から対面する二つの流路形成用凹部274(264)に分流(分散)し、また、二つの流路形成用凹部264(274)から対面する一つの流路形成用凹部274(264)に合流(集合)する際の連通面積が周期的に変化する。そのため、被撹拌物である複数種類の流体が脈流を繰り返し形成することになる。脈流は、流路断面積が周期的に変化する流れである。そして、脈流が繰り返し形成されると、流体中に、局所的高圧部分や局所的低圧部分が生じる。このような流体中では、局所的に低圧部分(例えば真空部分などの負圧部分)が生じるときに、いわゆる発泡現象が生じて液体中に気体が生じたり、微小な気泡が膨張(破裂)したり、生じた気体(気泡)が崩壊(消滅)したりするといったいわゆるキャビテーションと称される現象が生ずる。このようなキャビテーション現象が生起されるときに生ずる力によって、気体の微細化が行われ、流体混合が促進される。
また、気液混合処理部Mでは、第1の混合撹拌ユニット280の導入口276に第2の混合撹拌ユニット280の導出口266が連通し、第2の混合撹拌ユニット280の導入口276に第3の混合撹拌ユニット280の導出口266が連通し、第3の混合撹拌ユニット280の導入口276に送入管240が連通している。そのため、複数種類の流体を直列的に流体接続された3つの混合撹拌ユニット280にワンパスで流動させることができて、堅実にかつ効率良く混合・撹拌することができる。
次に、混合撹拌ユニット280の構成を具体的に説明する。すなわち、混合撹拌ユニット280は、図13及び図19に示すように、混合撹拌ケース220に複数(本実施形態では右側から左側へ第1混合撹拌ユニット280〜第3混合撹拌ユニット280の3つ)を回転軸229にその軸線方向に一定の間隔を開けて配設して、混合撹拌ユニット280同士を直列的に流体接続している。そして、各混合撹拌ユニット280は、回転軸側スペーサ群281とケース側スペーサ群282とを介して回転側混合撹拌体260と固定側混合撹拌体270を混合撹拌ケース220内に位置決めして配置することで構成している。
すなわち、回転軸側スペーサ群281は、回転軸側第1〜第4スペーサ281a〜281dから成り、各スペーサ281a〜281dは内径がそれぞれ回転軸229の外径よりもやや大径の円筒状に形成して、各スペーサ281a〜281dの筒長により各混合撹拌ユニット280の回転側混合撹拌体260の間隔を設定している。
具体的には、右側のメカニカルシール部219と第1混合撹拌ユニット280の回転側混合撹拌体260との間に回転軸側第1スペーサ281aを配置している。第1混合撹拌ユニット280の回転側混合撹拌体260と第2混合撹拌ユニット280の回転側混合撹拌体260との間に、回転軸側第2スペーサ281bを第1混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270の導入口276に挿通して配置している。第2混合撹拌ユニット280の回転側混合撹拌体260と第3混合撹拌ユニット280の回転側混合撹拌体260との間に、回転軸側第3スペーサ281cを第2混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270の導入口276に挿通して配置している。第3混合撹拌ユニット280の回転側混合撹拌体260と左側のメカニカルシール部218との間に、回転軸側第4スペーサ281dを第3混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270の導入口276に挿通して配置している。
このように構成して、第1〜第3混合撹拌ユニット280の各回転側混合撹拌体260が、回転軸側第1〜第4スペーサ281a〜281dを介して押圧状態に挟持されることで固定されて位置決めされるようにしている。
また、ケース側スペーサ群282は、ケース側第1〜第4スペーサ282a〜282dから成り、各スペーサ282a〜282dはそれぞれ混合撹拌ケース220の内径と外径が略同径の円筒状に形成して、各スペーサ282a〜282dの筒長により各混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270の間隔を設定している。
具体的には、右側閉塞壁体223と第1混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270との間にケース側第1スペーサ282aを配置している。第1混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270と第2混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270との間にケース側第2スペーサ282bを配置している。第2混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270と第3混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270との間にケース側第3スペーサ282cを配置している。第3混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270と左側閉塞壁体222との間にケース側第4スペーサ282dを配置している。
このように構成して、第1〜第3混合撹拌ユニット280の各固定側混合撹拌体270が、ケース側第1〜第4スペーサ282a〜282dを介して押圧状態に挟持されることで固定されて位置決めされるようにしている。
したがって、回転軸側スペーサ群281とケース側スペーサ群282とを介して回転側混合撹拌体260と固定側混合撹拌体270との間に一定間隙tを確保することができる。つまり、回転軸側スペーサ群281及び/又はケース側スペーサ群282の各筒長を変更することで、適宜一定間隙tを簡単に調整することができる。
上記のように構成した3つの混合撹拌ユニット280を組み付ける際には、ケース本体221の右側端面部に取付ボルト225を介して右側閉塞壁体223を取り付けて、右側閉塞壁体223に右側軸受け体228を介して回転軸229の右側端部を軸架する。同状態にて、順次、回転軸側第1スペーサ281a→第1混合撹拌ユニット280の回転側混合撹拌体260→ケース側第1スペーサ282a→第1混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270を配置する。次に、回転軸側第2スペーサ281b→第2混合撹拌ユニット280の回転側混合撹拌体260→ケース側第2スペーサ282b→第2混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270を配置する。次に、回転軸側第3スペーサ281c→第3混合撹拌ユニット280の回転側混合撹拌体260→ケース側第3スペーサ282c→第3混合撹拌ユニット280の固定側混合撹拌体270を配置する。最後に、回転軸側第4スペーサ281d→ケース側第4スペーサ282d→左側のメカニカルシール部218→左側閉塞壁体222を配置して、ケース本体221の左側端面部に取付ボルト224を介して左側閉塞壁体222を取り付けるとともに、左側軸受け体227を介して回転軸229の左側端部を軸架する。
また、上記のように構成した3つの混合撹拌ユニット280を分解する際には、上記手順を反対にたどることができる。
このようにして、第3実施形態としての気液混合処理部Mは、組立・分解作業を簡単にかつ迅速に行うことができるため、メンテナンス作業や一定間隙tの調整等を能率良く行うことができる。
モータ300は、図13〜図15に示すように、混合撹拌ケース220上に載置台301を介して載設している。伝動機構400は、図13及び図15に示すように、モータ300から突出させた駆動軸302と、回転軸229との間に出力プーリ401と入力プーリ402を介して伝動ベルト403を巻回して形成している。
上記のように構成した気液混合処理部Mでは、まず、混合撹拌ケース220の混合撹拌室226内に、送入管240を通して混合・撹拌すべき複数種類の流体を送入する。その後、回転軸229を介して回転側混合撹拌体260を回転させることで発生する遠心力により、固定側混合撹拌体270の中央部に開口させて形成した導入口276から流体を導入する。そして、導入口276から導入された流体は、両混合撹拌体260,270間に中央部から周縁部に向けて放射線方向に蛇行しながら伸延する混合撹拌流路279中を流動しながら混合・撹拌されて混合体となる。続いて、混合体は両混合撹拌体260,270の周縁部間に形成した導出口266から導出される。さらに、混合体は混合撹拌ケース220から送出管250を通して適宜送出される。
複数種類の流体は、混合撹拌流路279中を放射線方向に蛇行しながら流動する際にせん断作用を受けるとともに、回転側混合撹拌体260の回転方向Xにもせん断作用を受ける。その結果、複数種類の流体は、放射線方向のせん断作用と回転方向のせん断作用との合力を受けながら流動して堅実に混合・撹拌される。
[第4実施形態としての気液混合処理部Mの説明]
図20は、第4実施形態としての気液混合処理部Mの断面正面図であり、第4実施形態としての気液混合処理部Mは、第3実施形態としての気液混合処理部Mと基本的な構造が共通するが、混合撹拌ユニット280の構造に差違を有する。
すなわち、第4実施形態としての気液混合処理部Mの混合撹拌ユニット280は、回転軸229に軸線方向に多数の貫通孔298を有する回転側混合撹拌体290を取り付けている。そして、混合撹拌ケース220に回転側混合撹拌体290を間に介在させて一対の固定側混合撹拌体291,292を対面状態に固定している。これら混合撹拌体291,292間には中央部から周縁部に向けて放射線方向に蛇行しながら伸延する混合撹拌流路293(図22参照)を形成している。混合撹拌流路293には一方の固定側混合撹拌体291の中央部に開口させて形成した導入口294を連通するとともに、回転側混合撹拌体290の周縁部間に形成した第1導出口295と、他方の固定側混合撹拌体292の周縁部間に形成した第2導出口296とを連通させている。
回転側混合撹拌体290は、基本的形状を回転側混合撹拌体260と同様に形成するとともに、流路形成用凹部264に代えて貫通孔298を形成している。そして、貫通孔298の側面形状は流路形成用凹部264と同形状となしている。ここで、第1導出口295は、回転側混合撹拌体290の外周端面とケース本体221の内周面との間に形成される。
一方の固定側混合撹拌体291は、固定側混合撹拌体270と同様に形成することができる。他方の固定側混合撹拌体292は、図21及び図22にも示すように、基本的形状を回転側混合撹拌体260と同様に形成するとともに、周縁部に複数(本実施形態では4つ)の固定用突片297を周方向に一定の間隔を開けて突出状に形成している。そして、各固定用突片297の先端縁部はケース本体221の内面に沿わせて円弧状に形成するとともに、ケース本体221の内面に当接させている。ここで、第2導出口296は、隣接する固定用突片297,297とケース本体221とに囲まれて4つ形成されており、各第2導出口296は、第1導出口295と連通するとともに、下流側に隣接する混合撹拌ユニット280の導入口294と連通している。つまり、複数種類の流体を直列的に流体接続された3つの混合撹拌ユニット280にワンパスで流動させることができるようにしている。また、他方の固定側混合撹拌体292は、固定用突片297がケース側スペーサ群282に押圧状に挟持されて固定される。299は他方の固定側混合撹拌体292の中央部に形成した回転軸挿通孔である。
第4実施形態としての気液混合処理部Mでは、図20に示すように、第3実施形態としての気液混合処理部Mのケース側スペーサ群282に、ケース側第5〜第7スペーサ282e〜282gを付加している。ここで、各ケース側第5〜第7スペーサ282e〜282gは、一対の固定側混合撹拌体291,292の間隔を保持している。このように構成して、回転軸側スペーサ群281とケース側スペーサ群282とを介して回転側混合撹拌体260と固定側混合撹拌体270との間に一定間隙tを確保している。そして、回転軸側スペーサ群281及び/又はケース側スペーサ群282の各筒長を変更することで、適宜一定間隙tを簡単に調整可能としている。
また、第4実施形態としての気液混合処理部Mも、第3実施形態としての気液混合処理部Mと同様に混合撹拌ユニット280を組立・分解することができて、メンテナンス作業等を能率良く行うことができる。
上記のように構成した気液混合処理部Mでは、まず、混合撹拌ケースの混合撹拌室226内に、送入管240を通して混合・撹拌すべき複数種類の流体を送入する。その後、回転軸229を介して回転側混合撹拌体290を回転させることで発生する遠心力により、一方の固定側混合撹拌体291の中央部に開口させて形成した導入口294から流体を導入する。そして、導入口294から導入された流体は、対向配置した他方の固定側混合撹拌体292と、その間に介在して回転する回転側混合撹拌体290との間に中央部から周縁部に向けて放射線方向に蛇行しながら伸延する混合撹拌流路293中を流動しながら混合・撹拌されて混合体となる。続いて、混合体は他方の固定側混合撹拌体292と回転側混合撹拌体290の周縁部間に形成した第1導出口295から導出される。さらに、混合体は混合撹拌ケース220から送出管250を通して適宜送出される。
ここで、混合撹拌流路293は、一方の固定側混合撹拌体291と軸線方向に多数の貫通孔298を有する回転側混合撹拌体290との間に形成されるとともに、回転側混合撹拌体290と他方の固定側混合撹拌体292との間に形成されている。つまり、混合撹拌流路293は、放射線方向に並列して一対が伸延するとともに、回転側混合撹拌体290が有する多数の貫通孔298を介して一対の混合撹拌流路293,293が相互に連通している。
そのため、複数種類の流体は、多数の貫通孔298を介して連通している一対の混合撹拌流路293,293中を放射線方向に蛇行しながら流動する際にせん断作用を受けるとともに、回転側混合撹拌体290の回転方向に一対の混合撹拌流路293,293中において二段階にせん断作用を受ける。その結果、複数種類の流体は、放射線方向のせん断作用と回転方向の二段階のせん断作用との合力である立体的なせん断作用を受けながら流動して堅実に混合・撹拌される。
[第5実施形態としての気液混合処理部Mの説明]
図23は、第5実施形態としての気液混合処理部Mの断面正面図であり、第5実施形態としての気液混合処理部Mは、第3実施形態としての気液混合処理部Mと基本的な構造が共通するが、混合撹拌ユニット280の構造に差違を有する。
すなわち、第5実施形態としての気液混合処理部Mの混合撹拌ユニット280は、第3実施形態の混合撹拌ユニット280を線対称(回転軸229と直交する面に面対称)に対面させて配置することで形成している。つまり、第3実施形態の一方の混合撹拌ユニット280に対して、第3実施形態の他方の混合撹拌ユニット280を180度反転させて背中合わせに隣接させて一対として配置することで、第5実施形態としての気液混合処理部Mの混合撹拌ユニット280を形成しており、かかる混合撹拌ユニット280は混合撹拌ケース220内に3つ配置している。
具体的には、図24に示すように、混合撹拌ユニット280は、一定間隙tを開けて第1の固定側混合撹拌体270と回転側混合撹拌体260を対面状態に配置することで、両者間に第1の混合撹拌流路279を形成するとともに、一定間隙tを開けて第2の回転側混合撹拌体260と固定側混合撹拌体270を対面状態に配置することで、両者間に第2の混合撹拌流路279を形成している。
そして、第1の混合撹拌流路279の基端部は第1の固定側混合撹拌体270の中央部に形成した導入口276に連通させるとともに、第1の混合撹拌流路279の先端部は第1の回転側混合撹拌体260の外周部263と固定側混合撹拌体270の外周部273との間に外周縁の全周にわたって形成した導出口266に連通させている。また、第2の混合撹拌流路279の基端部は第2の回転側混合撹拌体260の外周部263と固定側混合撹拌体270の外周部273との間に外周縁の全周にわたって形成した第2導入口268に連通させるとともに、第2の混合撹拌流路279の先端部は第2の固定側混合撹拌体270の中央部に形成した第2導出口278に連通させている。
導出口266と第2導入口268とは折り返し用連通路310を介して連通している。折り返し用連通路310は、第1・第2の固定側混合撹拌体270,270の周縁部面と、その間隔を保持すべく介在させたケース側スペーサ群282の一部であるケース側第5〜第7スペーサ282e〜282gの内のいずれか1つの内周面と、第1・第2の回転側混合撹拌体260,260の周端面とで形成されている。第1・第2の回転側混合撹拌体260,260は回転軸側第1〜第4スペーサ281a〜281dにより固定状態に位置決めされて配置されている。なお、第1・第2の回転側混合撹拌体260,260は一体成形することもできる。
その結果、圧送された流体は、各混合撹拌ユニット280において、導入口276→第1の混合撹拌流路279→導出口266→折り返し用連通路310→第2導入口268→第2の混合撹拌流路279→第2導出口278を流動する。この際、流体は第1・第2の混合撹拌流路279,279において前記した立体的なせん断作用を受けながら堅実に混合・撹拌される。
また、第5実施形態としての気液混合処理部Mも、回転軸側スペーサ群281とケース側スペーサ群282とを介して回転側混合撹拌体260と固定側混合撹拌体270との間に一定間隙tを確保することができる。つまり、回転軸側スペーサ群281及び/又はケース側スペーサ群282の各筒長を変更することで、適宜一定間隙tを簡単に調整することができる。その結果、第3・第4実施形態としての気液混合処理部Mと同様に、混合撹拌ユニット280の一定間隙tの調整作業や組立・分解作業を簡単にかつ迅速に行うことができて、メンテナンス作業等を能率良く行うことができる。
[第3〜第5実施形態としての気液混合処理部の特徴]
上記した第3実施形態〜第5実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成にも特徴とする。すなわち、混合撹拌室を形成する混合撹拌ケースに、混合・撹拌すべき複数種類の流体を送入する送入路を接続するとともに、混合・撹拌された混合体を送出する送出路を接続し、混合撹拌ケース内には回転駆動源に連動連結した回転軸を横架して、回転軸に回転側混合撹拌体を取り付ける一方、混合撹拌ケースに固定側混合撹拌体を回転側混合撹拌体と対面状態に固定して、両混合撹拌体間には中央部から周縁部に向けて放射線方向に蛇行しながら伸延する混合撹拌流路を形成し、混合撹拌流路には固定側混合撹拌体の中央部に開口させて形成した導入口を連通するとともに、両混合撹拌体の周縁部間に形成した導出口を連通させたことを特徴とする。
かかる気液混合処理部では、まず、混合撹拌ケースの混合撹拌室内に、送入路を通して混合・撹拌すべき複数種類の流体を送入する。その後、回転軸を介して回転側混合撹拌体を回転させることで発生する遠心力により、固定側混合撹拌体の中央部に開口させて形成した導入口から流体を導入する。そして、導入口から導入された流体は、両混合撹拌体間に中央部から周縁部に向けて放射線方向に蛇行しながら伸延する混合撹拌流路中を流動しながら混合・撹拌されて混合体となる。続いて、混合体は両混合撹拌体の周縁部間に形成した導出口から導出される。さらに、混合体は混合撹拌ケースから送出路を通して適宜送出される。
複数種類の流体は、混合撹拌流路中を放射線方向に蛇行しながら流動する際にせん断作用を受けるとともに、回転側混合撹拌体の回転方向にのせん断作用を受ける。その結果、複数種類の流体は、放射線方向のせん断作用と回転方向のせん断作用との合力である立体的なせん断作用を受けながら流動して堅実に混合・撹拌される。
上記した第3実施形態〜第5実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成にも特徴とする。すなわち、混合撹拌室を形成する混合撹拌ケースに、混合・撹拌すべき流体を送入する送入路を接続するとともに、混合・撹拌された混合体を送出する送出路を接続し、混合撹拌ケース内には回転駆動源に連動連結した回転軸を横架して、回転軸に軸線方向に多数の貫通孔を有する回転側混合撹拌体を取り付けるとともに、混合撹拌ケースに回転側混合撹拌体を間に介在させて一対の固定側混合撹拌体を対面状態に固定して、これら混合撹拌体間には中央部から周縁部に向けて放射線方向に蛇行しながら伸延する混合撹拌流路を形成し、混合撹拌流路には一方の固定側混合撹拌体の中央部に開口させて形成した導入口を連通するとともに、他方の固定側混合撹拌体と回転側混合撹拌体の周縁部間に形成した導出口を連通させたことを特徴とする。
かかる気液混合処理部では、まず、混合撹拌ケースの混合撹拌室内に、送入路を通して混合・撹拌すべき複数種類の流体を送入する。その後、回転軸を介して回転側混合撹拌体を回転させることで発生する遠心力により、一方の固定側混合撹拌体の中央部に開口させて形成した導入口から流体を導入する。そして、導入口から導入された流体は、対向配置した固定側混合撹拌体と、その間に介在して回転する回転側混合撹拌体との間に中央部から周縁部に向けて放射線方向に蛇行しながら伸延する混合撹拌流路中を流動しながら混合・撹拌されて混合体となる。続いて、混合体は他方の固定側混合撹拌体と回転側混合撹拌体の周縁部間に形成した導出口から導出される。さらに、混合体は混合撹拌ケースから送出路を通して適宜送出される。
ここで、混合撹拌流路は、一方の固定側混合撹拌体と軸線方向に多数の貫通孔を有する回転側混合撹拌体との間に形成されるとともに、回転側混合撹拌体と他方の固定側混合撹拌体との間に形成されている。つまり、混合撹拌流路は、放射線方向に並列して一対が伸延するとともに、回転側混合撹拌体が有する多数の貫通孔を介して一対の混合撹拌流路が相互に連通している。
そのため、複数種類の流体は、多数の貫通孔を介して連通している一対の混合撹拌流路中を放射線方向に蛇行しながら流動する際にせん断作用を受けるとともに、回転側混合撹拌体の回転方向に一対の混合撹拌流路中において二段階にせん断作用を受ける。その結果、複数種類の流体は、放射線方向のせん断作用と回転方向の二段階のせん断作用との合力である立体的なせん断作用を受けながら流動して堅実に混合・撹拌される。
上記した第3実施形態〜第5実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成にも特徴とする。すなわち、対面状態に配設した前記回転側混合撹拌体と前記固定側混合撹拌体を一つの混合撹拌ユニットとして、混合撹拌ケース内に回転軸に沿わせて複数の混合撹拌ユニットを配設して、混合撹拌ユニット同士を直列的に流体接続したことを特徴とする。
かかる気液混合処理部では、複数種類の流体を直列的に流体接続された複数の混合撹拌ユニットにワンパスで流動させることで、堅実にかつ効率良く混合・撹拌することができる。
[第2実施形態としての混合流体生成装置2の説明]
次に、第2実施形態としての混合流体生成装置2について説明する。図25は第2実施形態としての混合流体生成装置2である。かかる混合流体生成装置2は、第6実施形態としての静止型流体混合装置である気液混合処理部Mを具備して構成している。すなわち、混合流体生成装置2は、上面を開口させたタンクT内に液体としての処理水Wを収容し、処理水W中に気液混合処理部Mを配置して、気液混合処理部Mの一側端開口部に連結体450を介して吐出側パイプ492の先端部を連通連結している。吐出側パイプ492は圧送ポンプPの吐出口Ptに基端部を接続している。圧送ポンプPの吸入口Pkには吸入側パイプ493の先端部を連通連結し、吸入側パイプ493の基端部を処理水W中に配置している。
そして、圧送ポンプPの吐出口Ptに近接する吐出側パイプ492の部分には気体供給パイプ494を介して気体供給部495を接続している。気体供給部495は、本実施形態では気体として純窒素ガス(例えば、99.99%濃度以上の高純度窒素ガス)を供給可能な純窒素ガス供給部ないしは純酸素ガス(例えば、95%濃度の酸素ガス)を供給可能な純酸素ガス供給部となしている。そして、気体供給部495から吐出側パイプ492中に純窒素ガスないしは純酸素ガスを圧送することで、純窒素ガスないしは純酸素ガスの供給量を所定量に設定している。496は気体供給パイプ494の中途部に設けた気体供給量調整弁である。なお、気体供給部495は圧送ポンプPの吸入口Pkに近接する吸入側パイプ493の部分に接続して、気体供給部495から処理水W中に供給される純窒素ガスないしは純酸素ガスが、圧送ポンプPの吸入側からエジェクタ効果により圧送ポンプP内に吸入されるようにすることもできる。
気液混合処理部Mは、処理水Wと純窒素ガスないしは純酸素ガスの気液混相を蛇行流路中に流動させることで、いくつかの水分子からなるクラスターを形成している処理水Wに高せん断力を作用させて、処理水Wのクラスターの大きさがより小さい改質処理水となすとともに、改質処理水と純窒素ガスないしは純酸素ガスとの気液混相に高せん断力を作用させて、溶媒である改質処理水に純窒素ガスないしは純酸素ガスを溶解させた窒素処理水ないしは高濃度酸素処理水となすようにしている。ここで、気液混合処理部Mは、低圧力損失にて高ガス流速(流量)を実現することができるものであり、短時間で処理水Wを酸素過飽和状態に達せしめることができるものである。
吸入側パイプ493の中途部には熱交換器Hを配設して、熱交換器Hにより気液混合処理部Mで生成された窒素処理水ないしは高濃度酸素処理水を所定の低温度(例えば、1℃〜5℃)となすようにしている。タンクTには回収パイプ497を介して回収部Gを接続して、回収部Gから所定低温度の窒素処理水ないしは高濃度酸素処理水を回収するようにしている。
このように構成して、混合流体生成装置2では、圧送ポンプPを作動させることにより、吸入側パイプ493を通して処理水Wを吸入するとともに、吐出側パイプ492を通して処理水Wと純窒素ガスないしは純酸素ガスを気液混合処理部Mの支持ケース本体411内に圧送する。支持ケース本体411内に圧送された処理水Wと純窒素ガスないしは純酸素ガスは、各導出口412から支持ボス部413を通して混合ユニット420の中央部に形成した流入口432に流入されて、拡散・混合流路480を通して周縁部側に向けて半径方向に流動されることで、純窒素ガスないしは純酸素ガスが超微細化かつ均一化されて処理水Wと混合された後に、混合ユニット420の周縁部の流出口464から外方へ流出される。つまり、タンクT内に流出される。このようにして、吸入側パイプ493と圧送ポンプPと吐出側パイプ492と気液混合処理部MとタンクTで形成される循環流路を通して処理水Wを一定時間だけ循環させることにより、タンクT内に収容している処理水Wを気液混合処理部Mにより窒素処理水ないしは高濃度酸素処理水となすことができる。
[第6実施形態としての気液混合処理部Mの説明]
図26は第6実施形態としての気液混合処理部Mを示しており、気液混合処理部Mは、図26〜図31に示すように、混合処理対象である複数の異なる流体Rを圧送する圧送ポンプPの吐出口Pt(これらは図25参照)に連通連結可能とした中空のユニット支持ケース410と、ユニット支持ケース410に連通連結した混合ユニット420とを具備している。混合ユニット420は、中央部に形成した流体Rの流入口432を介してユニット支持ケース410に連通連結した板状の第1エレメント430に、板状の第2エレメント440を対面させて配置している。両エレメント430,440の間には、流入口432から流入した流体Rを周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合する拡散・混合流路480を形成し、拡散・混合流路480の終端部である両エレメント430,440の周縁部に混合流体を外方へ流出させる流出口464を形成している。
ユニット支持ケース410は、直状に伸延させて円筒状に形成した支持ケース本体411の周面に複数の導出口412を形成し、導出口412の周囲に短軸長の円筒状に形成した支持ボス部413を突設して、導出口412と流入口432を連通させた状態にて支持ボス部413に混合ユニット420を取り付けている。
導出口412は、円筒状のユニット支持ケース410の周壁に軸線方向と円周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では軸線方向に5個、円周方向に4個)形成しており、各導出口412は4個の導出孔412aを同一円周上に配置して形成している。そして、各導出口412の周囲には支持ボス部413を支持ケース本体411の外周面から外方(支持ケース本体411の半径方向)へ突設している。
支持ボス部413の中心部(軸芯部)に位置する支持ケース本体411の部分には取付部としての雌ネジ部414を設けて、雌ネジ部414に取付具としてのボルト等の雄ネジ部415を螺着可能としている。混合ユニット420の第1エレメント430と第2エレメント440の各中央部には、雄ネジ部415を挿通するための第1挿通孔433と第2挿通孔443を軸線方向に貫通させて形成している。
支持ボス部413の端面413aにはその周縁に沿わせて凹条溝416を形成し、凹条溝416内には弾性素材からなる封止体(ガスケット)としてのOリング417を収容している。そして、支持ボス部413の端面413aにOリング417を介して混合ユニット420の第2エレメント440を面接触させ、第2エレメント440に第1エレメント430を重合状態に対面させて、第1挿通孔433と第2挿通孔443を符合させ、両第1・第2挿通孔433,443に雄ネジ部415を挿通して、雌ネジ部414に雄ネジ部415の先端部を螺着することにより、支持ボス部413に混合ユニット420を組み付けて取り付けている。
支持ケース本体411は、一側端開口部に連結体450を着脱自在に連通連結するとともに、他側端開口部に閉塞体460を着脱自在に連結して、他側端開口部を閉塞している。連結体450と閉塞体460との間には、支持ケース本体411の外周を囲繞して保護する保護体470を介設している。
支持ケース本体411は、一側端部(本実施形態では図26において上端部)の外周面に一側端雄ネジ部418を形成するとともに、他側端部(本実施形態では図26において下端部)の外周面に他側端雄ネジ部419を形成している。
連結体450は円筒状に形成して、一側端部に連結片451を形成するとともに、他側端部の内周面に段付き凹部452を形成して、段付き凹部452の内周面に連結体雌ネジ部453を形成している。連結片451は、圧送ポンプPの吐出口Ptに直接着脱自在に連通連結することも、また、圧送ポンプPの吐出口Ptに基端部を連結した吐出側パイプ492(図25参照)の先端部を着脱自在に連通連結することもできるように形成している。
閉塞体460は、円筒状の周壁461と周壁461の他側端縁部に閉塞状に端壁462を連設したキャップ状に形成し、周壁461の内周面に閉塞体雌ネジ部463を形成している。
そして、一側端雄ネジ部418には連結体450の連結体雌ネジ部453を着脱自在に螺着して連結している。また、他側端雄ネジ部419にはキャップ状に形成した閉塞体460の閉塞体雌ネジ部463を着脱自在に螺着して連結している。
保護体470は、図26及び図27に示すように、円形リング板状の一対の一側壁体471及び他側壁体472と、両側壁体471,472の周縁部間に介設した網体473とから構成している。
両側壁体471,472は線対称に形成して、支持ケース本体411の軸線方向で対向させて配置している。各側壁体471,472は、それぞれ外部側壁片474,475と内部側壁片476,477とを重合させて形成している。外部側壁片474,475は、内径が支持ケース本体411の外径と略同形でかつ一定の半径幅を有する円形リング板状に形成した外部側壁本片474a,475aと、外部側壁本片474a,475aの内周縁部と外周縁部とから相互に対向方向に伸延させて形成した内・外周フランジ片474b,474c,475b,475cとから構成している。内部側壁片476,477は、円形リング状に形成した内部側壁本片476a,477aと、内部側壁本片476a,477aの外周縁部から相互に対向方向に伸延させて形成した外周フランジ片476c,477cとから構成している。
外部側壁本片474aの内周フランジ片474bは、連結体450の他側端面と支持ケース本体411の一側端部に設けた4個の支持ボス部413の外周面との間で挟持している。外部側壁本片475aの内周フランジ片475bは、閉塞体460の一側端面と支持ケース本体411の他側端部に設けた4個の支持ボス部413の外周面との間で挟持している。
網体473は支持ケース本体411の外周にその外周面から一定幅離隔させるとともに、その外周面に沿わせて伸延する円筒状に形成している。そして、網体473の両端縁部は、外部側壁片474,475の外周フランジ片474c,475cの内周面と、内部側壁片476,477の外周フランジ片476c,477cの外周面との間で挟持している。
このように構成した保護体470は、支持ケース本体411から連結体450ないしは閉塞体460を取り外すことにより、支持ケース本体411から取り外すことができる。
第6実施形態に係る気液混合処理部Mは、上記のように構成しているものであり、かかる気液混合処理部Mによれば、下記のような作用効果が生起される。すなわち、混合処理対象である複数の異なる流体を圧送する圧送ポンプPの吐出口Ptにユニット支持ケース410を連通連結して、圧送ポンプPの吐出口Ptから複数の異なる流体Rを吐出させると、複数の異なる流体Rはユニット支持ケース410を通して混合ユニット420内に圧送される。そして、混合ユニット420は対向させて配置した第1・第2エレメント430,440の間に拡散・混合流路480を形成しており、拡散・混合流路480は流入口432から流入した流体Rを周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合し、その結果、混合流体が生成される。また、生成された混合流体は拡散・混合流路の終端部である両エレメント430,440の周縁部に形成した流出口464から外方へ流出される。この際、複数の異なる流体は拡散・混合流路480を通過した後に流出口464から外方へ流出されるため、圧力損失を低減させることができる。そのため、気液混合処理部Mに流体を加圧して供給する圧送ポンプPの電力消費量の低減を図ることができるとともに、混合処理済み流体の流出量の増大化(効率化)を図ることができることができる。
また、連続相としての流体である液体と、分散相として流体である気体を混合流体となす場合には、圧送ポンプPの吸入口Pk(図25参照)から生成された混合流体を吸入させて、再度、混合ユニット420の拡散・混合流路480中を流動させる循環流動を所要回数行うことで、分散相の気体を微細(マイクロレベルないしはナノレベル)な液滴となすことができる。
導出口412の周囲に突設した支持ボス部413に混合ユニット420を取り付けているため、圧送ポンプPによりユニット支持ケース410内に圧送された複数の異なる流体を、導出口412→流入口432→拡散・混合流路480→流出口464を通して外方へ流出させることができて、圧力損失の低減化を堅実に図ることができる。この際、拡散・混合流路480内で流体が拡散されながら混合されるため、分散相としての気体は微細かつ均一な液滴となる。
ユニット支持ケース410に多数の混合ユニット420を取り付けることができるため、各混合ユニット420により同時に混合流体を生成することができる。そのため、混合処理済み流体の流出量の増大化(効率化)を堅実に図ることができることができる。
ユニット支持ケース410の雌ネジ部414に雄ネジ部415を介して混合ユニット420を取り付けているいため、メンテナンス作業時には取付具を介して取付部から混合ユニットを簡単に取り外すことができて、メンテナンス作業性を良好に確保することができる。
支持ボス部413の端面に形成した凹条溝416内にOリング417を収容して、Oリング417を介して支持ボス部413に混合ユニット420を取り付けているため、簡単の構造で支持ボス部413と混合ユニット420との封止性を良好に確保することができる。そのため、圧力損失を低減させることができるとともに、堅実に混合流体を生成することができて、混合流体の生成効率を向上させることができる。
[混合ユニット420の構成の具体的な説明]
次に、混合ユニット420の構成をより具体的に説明する。すなわち、混合ユニット420は、中央部に処理対象である流体R(図31において矢印で示す)の流入口432を形成した円板状の第1エレメント430に、円板状の第2エレメント440を対面させて配置して、両エレメント430,440の間に中央部側の流入口432から流入した流体Rを周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合する拡散・混合流路480を形成して構成している。
拡散・混合流路480は、図31に示すように、第1・第2エレメント430,440の対向面にそれぞれ同形・同大の多数の凹部435,445を配列して形成している。各エレメント430,440の凹部435,445の開口面は突き合わせ状に面接触させるとともに、相互に連通するように位置を違えて配置している。流体Rの流入口432を中心とする同一円周上に配置した各エレメント430,440の凹部435,445の数は、中心部側から周縁部側に向けて漸次増大させて、流動方向である半径方向に分流数(分散数)を増大させている。両エレメント430,440の間に周縁部側に流出口464を形成している。
このように構成して、混合ユニット420では、第1・第2エレメント430,440の凹部435,445の数は、中心部側から周縁部側に向けて漸次増大させているため、流体Rが合流する凹部435,445の数は周縁部側ほど増大するとともに、それに比例して数多く分流(分散)される。そのため、拡散・混合流路480においては流体Rにせん断力が作用して微細化される回数が流体Rの流動方向(周縁部側に向かう半径方向)に沿って漸次増大するようにしている。
各混合ユニット420は、いずれも同様の構造であり、図28及び図30に示すように、対向配置された2枚の板状(略円板形状)の部材、より具体的には円板形状の第1・第2エレメント430,440を備えている。
各混合ユニット420を形成する2枚の第1・第2エレメント430,440のうち、導出口412側に配置される第1エレメント430は、円板状のエレメント本体431の中央部に、流体Rの流入口432が貫通状態で形成されている。
図30に示すように、エレメント本体431の下流側面には、開口形状が正六角形の凹部435が隙間のない状態で複数形成されている。いわゆるハニカム状に多数の凹部435が形成されている。434は第1エレメント430のピン挿入用凹部である。436は第1エレメント430の中央部に配設した第1挿通部であり、第1挿通部436に第1挿通孔433を形成している。437は第1挿通部436を流入口432中の中央に支持する3片の支持片である。
図27〜図29に示すように、第2エレメント440は、第1エレメント430とほぼ同径に形成している。第2エレメント440のエレメント本体441の第1エレメント430との対向面には、第1エレメント430のエレメント本体431と同様に、開口形状が正六角形の凹部445が隙間のない状態で複数形成されている。446は第2エレメント440に形成したピン挿通孔、447はピン挿通孔446に挿通した位置決めピンであり、位置決めピン447の先端部を第1エレメント430のピン挿入用凹部434に挿入して第1エレメント430と第2エレメント440を位置決めして対面させている。
そして、両エレメント430,440は、図31に示すような配置で組み付けられる。具体的に説明すると、第1エレメント430と第2エレメント440を対面状態に配置する。このとき、第1エレメント430の下流側面のハニカム状の多数の凹部435の開口面と、第2エレメント440の上流側面のハニカム状の多数の凹部445の開口面とが対面状態に当接するように、第2エレメント440の向きを定める(図28参照)。この状態で、第1エレメント430のピン挿入用凹部434に、第2エレメント440のピン挿通孔446に挿通した位置決めピン447の先端部を挿入して組み付ける。
従って、両エレメント430,440を組み付けると、両エレメント430,440間に形成される拡散・混合流路480の終端部が外周に向けてリング状に開口されている。そして、第1エレメント430の流入口432に供給された流体Rは、拡散・混合流路480(図31参照)を通過した後、この拡散・混合流路480の終端部から放出される。
ここで、位置決めピン447により位置決めされて、各エレメント430,440の当接側の面に形成されるハニカム状の多数の凹部435,445の相互関係について説明する。すなわち、図29に示すように、両エレメント430,440の凹部435,445は同形・同大に形成して、これらの当接面は、第1エレメント430の凹部435の中心位置に、第2エレメント440の凹部445の角部449が位置する状態で当接している。
このような状態で第1エレメント430と第2エレメント440を当接させると、第1エレメント430の凹部435と第2エレメント440の凹部445との間で流体Rを流動させることができる。また、角部449は3つの凹部445の角部が集まっている位置である。
したがって、例えば、第1エレメント430の凹部435側から第2エレメント440の凹部445側に流体Rが流れる場合を考えると、流体Rは、2つの流路に分流(分散)されることになる。
つまり、第1エレメント430の凹部435の中央位置に位置された第2エレメント440の角部449は、流体Rを分流する分流部として機能する。逆に、第2エレメント440側から第1エレメント430側に流体Rが流れる場合を考えると、2方から流れてきた流体Rが1つの凹部435に流れ込むことで合流することになる。この場合、第2エレメント440の中央位置に位置された角部449は、合流部として機能する。
また、第2エレメント440の凹部445の中心位置にも、第1エレメント430の凹部435の角部439が位置する。この場合は、第1エレメント430の角部439が上述した分流部や合流部として機能する。
このように、相互に対向状態に対面配置された両エレメント430,440の間には、中央の流入口432から両エレメント430,440の軸線方向に供給された流体Rが、分流と合流(分散と混合)を繰り返しながら両エレメント430,440の放射線方向(軸線方向と直交する半径方向)に蛇行状態にて流動する拡散・混合流路480(図31参照)が形成されている。この拡散・混合流路480を流体Rが流動する過程で、流体Rに混合処理が施される。
[流体混合システムの説明]
流体混合システムは、流体Rとしての液体と液体、液体と気体、ないしは粉体と液体の混合体を、他側端開口部が閉塞された支持ケース本体411内にその一側端開口部から圧送するように構成している。そして、混合体は、各導出口412から支持ボス部413を通して混合ユニット420の中央部に形成した流入口432に流入されて、拡散・混合流路480を通して周縁部側に向けて半径方向に流動された後に、混合ユニット420の周縁部の流出口464から外方へ流出されるようにしている。
このように構成して、流体Rとしての液体と液体、液体と気体、ないしは粉体と液体の混合体を、複数の混合ユニット420の拡散・混合流路480を通して流動・通過させるとともに、流出口464から外方へ流出させることにより、超微細化(ナノレベルから数μmレベルまで)かつ均一化して混合することができる。なお、ナノレベルとは、1μm未満のレベルをいう。サブマイクロレベルとは、0.1μm〜1μmのレベルをいう。
[第3実施形態としての混合流体生成装置2の説明]
次に、第3実施形態としての混合流体生成装置2について説明する。図32は第3実施形態としての混合流体生成装置2である。混合流体生成装置2は、後述する第7実施形態としての気液混合処理部Mを具備して構成している。すなわち、混合流体生成装置2は、流体を循環させる循環流路Cyと、循環流路Cyの中途部に設けて処理水Wを収容するタンクTと、タンクTから流出する処理水Wに気体を供給すべく循環流路Cyの中途部に気体供給パイプ594を介して接続した気体供給部595と、気体供給部595から供給された気体と処理水Wの気液混相にせん断力を作用させることで、気体を超微細な気泡を有する気泡群となして処理水Wと混合すべく循環流路Cyの中途部に設けた気液混合処理部Mとを備えている。
循環流路Cyは、処理水Wを収容したタンクTの底部に循環パイプJの基端部を接続し、循環パイプJの先端部をタンクT内の処理水W中に上面から挿入して形成している。タンクTの下流側に位置する循環パイプJの中途部には吸込ポンプPaと吐出ポンプPbとを直列的に隣接させて配設している。そして、上流側に配置した吸込ポンプPaの吐出口と下流側に配置した吐出ポンプPbの吸込口との間に位置する循環パイプJの部分に気体供給パイプ594を介して気体供給部595を接続している。ここで、吸込ポンプPaの吐出圧は吐出ポンプPbの吸込圧以下に設定している。596は気体供給パイプ94の中途部に設けた気体供給量調整弁、597は循環パイプJの先端部に取り付けた圧力調整弁、598はタンクT内に溶媒である処理水Wを随時供給可能とした処理水供給部である。
このように構成して、吸込ポンプPaと吐出ポンプPbを協働させることで、それらの間に配設した気体供給部595から供給される気体が、吸込ポンプPaの吐出口からの吐出圧を受けるとともに、吐出ポンプPbの吸込口からの吸引圧(エジェクタ効果)を受けて、円滑かつ安定して吸入されるようにしている。その結果、処理水Wに混入される気体の量を一定に確保することができる。また、本実施形態では混合流体Rmの生成能力を確保したまま消費電力が小さい吸込ポンプPaと吐出ポンプPbを組み合わせて協働使用することができるので、混合流体生成装置2の製造コストやランニングコストを低減させることができる。なお、上記のように吸込ポンプPaと吐出ポンプPbを協働させて気体を吸入する構造は、前記した第1実施形態と第2実施形態にそれぞれ係る混合流体生成装置2にも適用することができる。
[第7実施形態に係る気液混合処理部Mの説明]
図32〜図35に示すMは、第7実施形態に係る気液混合処理部であり、気液混合処理部Mは、図33〜図35に示すように、第6実施形態に係る気液混合処理部Mと基本的な構造を共通にしている。すなわち、共通する基本的な構造は、混合処理対象である複数の異なる流体Rを圧送する圧送ポンプPb(図32参照)に連通連結可能とした中空のユニット支持ケース510と、ユニット支持ケース510に連通連結した混合ユニット520とを具備しており、混合ユニット520は、流体Rの流入口532を介してユニット支持ケース510に連通連結した板状の第1エレメント530に、板状の第2エレメント540を対面させて配置して、両エレメント530,540の間には、流入口532から流入した流体Rを周縁部側に向けて流動させて拡散・混合する拡散・混合流路580を形成し、拡散・混合流路580の終端部である両エレメント530,540の周縁部に混合流体Rmを外方へ流出させる流出口564を形成している点である。つまり、両エレメント530,540の周縁部の間隙を流出口564となしており、流出口564は両エレメント530,540の長手方向に伸延する両側縁部の間隙と両エレメント530,540の幅方向に伸延する両端縁部の間隙とから形成される。
そして、第1実施形態の気液混合処理部Mと第2実施形態の気液混合処理部Mとが特に異なる点は、第2実施形態の気液混合処理部Mでは、混合ユニット520の第1エレメント530と第2エレメント540はユニット支持ケース510の軸線方向に沿って伸延する板状となして、第1エレメント530にはその伸延方向に間隔をあけて複数個の流体の流入口532を形成し、第1エレメント530はユニット支持ケース510に一体成形して、第1エレメント530に第2エレメント540を対面させて接着して混合ユニット520を形成している点である。
このように構成した第2実施形態の気液混合処理部Mでは、混合ユニット520の第1エレメント530と第2エレメント540をユニット支持ケース510の軸線方向に沿って伸延する板状となして、第1エレメント530にその伸延方向に間隔をあけて複数個の流体Rの流入口532を形成しているため、ユニット支持ケース510を通して各流入口532から流体が流入される。そして、各流入口532から拡散・混合流路580を通して周縁部側、特に、各流入口532から近接する両エレメント530,540の長手方向に伸延する側縁部側に向けて流体が流動されて拡散・混合された後に混合流体Rm(具体的には気液混合処理水Wmともいう)が生成される。また、生成された混合流体Rmは拡散・混合流路580の終端部である両エレメント530,540の周縁部に形成された流出口564から外方へ流出される。この際、一つの混合ユニット520の伸延長さを適宜設定することで、一つの混合ユニット520に所要個数の流入口532を形成することができ、各流入口532から拡散・混合流路580を形成することができるため、各混合ユニット520に形成された多数の拡散・混合流路580により同時に効率良く流体混合処理がなされる。
そして、ユニット支持ケース510に流体Rの流入口532を有する第1エレメント530を一体成形して、第1エレメント530に第2エレメント540を対面させて接着することで混合ユニット520が形成されるようにしているため、構造の簡易化と軽量化を図ることができる。
[第7実施形態に係る気液混合処理部Mの構成の具体的な説明]
以下に、第7実施形態に係る気液混合処理部Mの構成を、図33〜図35を参照しながらより具体的に説明する。すなわち、気液混合処理部Mは、電気絶縁性・難燃性・施工性に優れた硬質塩化ビニル等の合成樹脂製となしており、一側ケース体500と他側ケース体501とを一体的に組み合わせて接着することにより構成している。一側ケース体500は一側端壁形成片502とユニット支持ケース510とを一体成形している。他側ケース体501は他側端壁形成片503と周壁形成片504とを一体的に接着して形成している。
まず、一側ケース体500について説明すると、一側ケース体500の一側端壁形成片502は、円板状の一側端壁505と、一側端壁505の下流側周面に下流側に突出させて形成したリング状の一側連結用周壁506とからキャップ状に形成している。一側端壁505の一側寄り位置には導入口507を形成し、導入口507の周縁部から円筒状の導入側接続片508を上流側に突出させて一体成形している。
一側ケース体500のユニット支持ケース510は、一側端壁505の下流側面中央部から下流側へ直状に伸延させて一体成形した円筒状の支持用周壁511と、支持用周壁511の下流側端面に閉塞状に接着した円板状の支持用端壁535とから形成している。そして、導入口507はユニット支持ケース510内と連通させるとともに、ユニット支持ケース510の支持用周壁511内に配置して、導入口507から導入された流体Rが全てユニット支持ケース510内に導入されるようにしている。
支持用周壁511には、その筒長と同一長手幅を有する長四角板状の第1エレメント530を、周方向に間隔を開けて複数個(本実施形態では8個)一体成形している。そして、第1エレメント530には、その長手方向に間隔を開けて複数個(本実施形態では10個)の流入口532を第1エレメント530の肉厚方向に貫通させて形成している。また、第1エレメント530には、同形板状に形成した第2エレメント540を対面させて配置するとともに、相互に当接する対向面の部分同士を接着して、複数個(本実施形態では10個)の混合ユニット520を形成している。
対面する第1・第2エレメント530,540の対向面には、前記した第1実施形態の気液混合処理部Mに設けた第1・第2エレメント430,440と同様に、それぞれ同形・同大の多数の凹部535,545を長手方向と幅方向にそれぞれ配列して拡散・混合流路580を形成している。各エレメント530,540の凹部535,545の開口面は突き合わせ状に面接触させるとともに、相互に連通するように位置を違えて配置している。流体Rの流入口532を中心とする同一円周上に配置した各エレメント530,540の凹部535,545の数は、中心部側から側縁部側に向けて漸次増大させて、流動方向である側縁部ないしは端縁部の方向(外側方)に分流数(分散数)を増大させている。両エレメント530,540の間には周縁部側に混合流体Rmを外方へ流出させる流出口564を形成している。つまり、流出口564は両エレメント530,540の長手方法に伸延する両側縁流出口と幅方向に伸延する上・下流側流出口とから形成されており、各流入口532から流入した流体Rは拡散・混合流路580を通して混合流体Rmとなって各流入口532に近接する流出口564(両側縁流出口、及び/又は、上・下流側流出口)の部分から流出されるようにしている。
このように構成して、長手状に伸延させて形成した一つの混合ユニット520に複数個(本実施形態では10個)の流入口532を長手方向に間隔を開けて形成しているため、一つの混合ユニット520当たりの拡散・混合流路580の数を効率的に多数形成することができる。その結果、混合流体Rmの生成効率を向上させることができる。
次に、他側ケース体501について説明すると、他側ケース体501の他側端壁形成片503は、円板状の他側端壁513と、他側端壁513の上流側周面に上流側に突出させて形成したリング状の他側連結用周壁514とからキャップ状に形成している。他側端壁513の一側寄り位置には導出口515を形成し、導出口515の周縁部から円筒状の導出側接続片516を下流側に突出させて一体成形している。
他側ケース体501の周壁形成片504は、直状に伸延しかつユニット支持ケース510よりも大径の円筒状に形成して、他側ケース体501の他側連結用周壁114に嵌入して、他側連結用周壁114の内周面に周壁形成片504の下流側外周面部を重合状態に面接触させて接着することで、他側ケース体501を一体的に形成している。周壁形成片504の上流側外周面部は、一側ケース体500の一側連結用周壁506に嵌入して、一側連結用周壁506の内周面に周壁形成片504の上流側外周面部を重合状態に面接触させて接着することで、混合ユニット520を配設・支持しているユニット支持ケース510が被覆状態に囲繞された気液混合処理部Mを一体的に形成している。
このように構成した気液混合処理部Mでは、導入口507を通してユニット支持ケース510内に圧送状態で流入された流体Rは、各混合ユニット520の第1エレメント530に形成した多数個の流入口532から混合ユニット520内に流入される。そして、流体Rは各拡散・混合流路580内を蛇行しながら流動されて混合流体Rmとなり、混合流体Rmは両エレメント530,540の間に周縁部側に形成された流出口564から流出される。流出口564から流出された混合流体Rmは他側ケース体501の内面に沿って下流側に流動されて、他側ケース体501に形成した導出口515から導出されるようにしている。
[第6・第7実施形態としての気液混合処理部の特徴]
静止型流体混合装置である第6・第7実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成を特徴とする。すなわち、気液混合処理部は、混合処理対象である複数の異なる流体を圧送する圧送ポンプの吐出口に連通連結可能とした中空のユニット支持ケースと、ユニット支持ケースに連通連結した混合ユニットとを具備し、混合ユニットは、流体の流入口を介してユニット支持ケースに連通連結した板状の第1エレメントに、板状の第2エレメントを対面させて配置して、両エレメントの間に流入口から流入した流体を両エレメントの周縁部側に向けて流動させて拡散・混合する拡散・混合流路を形成し、拡散・混合流路の終端部である両エレメントの周縁部に混合流体を外方へ流出させる流出口を形成したことを特徴とする。
かかる静止型流体混合装置では、混合処理対象である複数の異なる流体を圧送する圧送ポンプの吐出口にユニット支持ケースを連通連結して、圧送ポンプの吐出口から複数の異なる流体を吐出させると、複数の異なる流体はユニット支持ケースを通して混合ユニット内に圧送される。そして、混合ユニットは、対向させて配置したエレメントの間に拡散・混合流路を形成しており、拡散・混合流路は流入口から流入した流体を周縁部側に向けて流動させて拡散・混合し、その結果、混合流体が生成される。また、生成された混合流体は拡散・混合流路の終端部である両エレメントの周縁部に形成した流出口から外方へ流出される。そのため、堅実に混合流体を生成することができて、混合流体の生成効率を向上させることができる。
この際、複数の異なる流体は拡散・混合流路を通過した後に流出口から外方へ流出されるため、圧力損失を低減させることができる。そのため、静止型流体混合装置に流体を加圧して供給する加圧ポンプの電力消費量の低減を図ることができるとともに、混合処理済み流体の流出量の増大化(効率化)を図ることができることができる。
また、連続相としての流体である液体と、分散相としての流体である液体を混合流体となす場合には、圧送ポンプの吸入口から生成された混合流体を吸入させて、再度、混合ユニットの拡散・混合流路中を流動させる循環流動を所要回数行うことで、分散相としての液体を微細(マイクロレベルないしはナノレベル)な液滴となすことができる。
上記した第6・第7実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成にも特徴を有する。すなわち、前記混合ユニットは、ユニット支持ケースの外周面に複数個を軸線方向と周方向に間隔をあけて連通連結したことを特徴とする。
かかる静止型流体混合装置では、ユニット支持ケースの外周面に複数個の混合ユニットを軸線方向と周方向に間隔をあけて連通連結しているため、複数個の混合ユニットにより同時に複数の流体混合処理が効率良くなされる。この際、混合ユニットの個数は、ユニット支持ケースの外径を適宜設定することにより、その外周面に所望の数だけ適宜配置することができる。
上記した第6・第7実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成にも特徴を有する。すなわち、前記混合ユニットの第1エレメントと第2エレメントはユニット支持ケースの軸線方向に沿って伸延する板状となして、第1エレメントにはその伸延方向に間隔をあけて複数個の流体の流入口を形成したことを特徴とする。
かかる静止型流体混合装置では、混合ユニットの第1エレメントと第2エレメントをユニット支持ケースの軸線方向に沿って伸延する板状となして、第1エレメントにその伸延方向に間隔をあけて複数個の流体の流入口を形成しているいため、ユニット支持ケースを通して各流入口から流体が流入される。そして、各流入口から拡散・混合流路を通して周縁部側に向けて流体が流動されて拡散・混合し、混合流体が生成される。また、生成された混合流体は拡散・混合流路の終端部である両エレメントの周縁部に形成した流出口から外方へ流出される。この際、一つの混合ユニットの伸延長さを適宜設定することで、一つの混合ユニットに所要個数の流入口を形成することができるため、各混合ユニットにより同時に所要個数の流体混合処理が効率良くなされる。
上記した第6・第7実施形態としての気液混合処理部は、以下の構成にも特徴を有する。すなわち、流体の流入口を有する第1エレメントはユニット支持ケースに一体成形し、第1エレメントに第2エレメントを対面させて接着して混合ユニットを形成したことを特徴とする。
かかる静止型流体混合装置では、ユニット支持ケースに流体の流入口を有する第1エレメントを一体成形して、第1エレメントに第2エレメントを対面させて接着することで混合ユニットが形成されるようにしているため、構造の簡易化と軽量化を図ることができる。
上記した第6・第7実施形態としての気液混合処理部によれば、次のような効果が生起される。すなわち、第6・第7実施形態としての気液混合処理部では、圧力損失を低減させることができるため、静止型流体混合装置に流体を加圧して供給する加圧ポンプの電力消費量の低減を図ることができるとともに、混合処理済み流体の流出量の増大化(効率化)を図ることができることができる。
[第1実施例]
第2実施形態としての気液混合処理部Mを具備する混合流体生成装置2による気液混合処理水の生成試験を行った。その結果を図36に示す。第1圧送ポンプP1としては(株)丸山製作所製の1.5kWの渦流タービンポンプを使用した。水量(工業用蒸留水量)は1.0L、各ガス量(酸素ガス、窒素ガス、空気)は0.2L/min、気液混合処理部(RNM)Mの入口圧力は1.2MPa、第1圧送ポンプP1の吐出量は5.5L/min、循環流路Cyを循環させた時間は10分間である。
図36中、NB(Nano Bubble)はナノバブル、Modeはモード径であり、最も出現頻度が高い粒径(ピーク粒径)、D50%はメディアン径であり、全体の50%が表示値以内に含まれる粒径、D0(Dissolved Oxygen)は溶存酸素量、E8(Exponential 8)は10の8乗 = 1億である。
(考察)
生成試験には、ナノバブル以外のparticle(ゴミ等)ができるだけ混在しないよう、工業用蒸留水を使用した(蒸留水未処理状態でのNB密度は1,500万個/ml程度)。計測の結果、各ガスともに10億個/mlを上回る高密度のナノバブル水が生成できていることが判った。
生成直後の計測と生成後15分程度静止させてからマイクロバブルが全て浮上し、気泡が全く目視できない状態での計測とを比較すると、後者の方がナノバブル密度は高くなるが、気泡粒径は若干大きくなるという傾向もつかめた。
また、ガス種によるナノバブル生成状況については、酸素と窒素はほぼ同レベルのデータとなったが、空気を吸気した場合、他のガスよりナノバブル密度が概ね低くなった。
ガス吸気によるDO値の変化については、循環によって水温が60℃以上に上昇するため一概には言えないが、酸素吸気によるDO値上昇が173%、窒素吸気によるDO値下降が90%であった。空気を吸気した場合、DO値が10.7mg/Lから6.1mg/Lに下がっているのは、水温上昇に伴い、酸素の溶解度が低下したためと考えられる。
水温20℃と60℃を比較すると、酸素の溶解度は水温が60℃まで上昇した場合61.3%低下する。空気中の酸素濃度(20.95%)を勘案すると、水温上昇による気化量が溶解量を上回っていると考えられる。
図36に示した各ガス10回ずつの試験区の内、生成15分後のNB密度が平均値に最も近似した試験区の粒径分布図及び解析結果を以下、図37〜図39に示す。図37は酸素ナノバブルの粒径分布図及び解析結であり、モード径が100nm、メディアン径が107nm、NB密度が14億6600個/mlであった。図38は窒素ナノバブルの粒径分布図及び解析結であり、モード径が103nm、メディアン径が107nm、NB密度が14億4000個/mlであった。図39は空気ナノバブルの粒径分布図及び解析結であり、モード径が101nm、メディアン径が114nm、NB密度が12億7800個/mlであった。
ガス種に拘わらず、粒径分布グラフはほぼ同じカーブを示す。上記3試験区ともに、粒径分布グラフの頂点角度が鋭角になっていることから、ナノバブルの粒径の均一度が極めて高いことが窺える。気液混合処理部Mのハニカム構造体によるナノバブル生成能力の高さを示すデータである。
また、窒素を用いたナノバブル密度の3ヶ月に亘る経時推移を測定した試験では、サンプル採取用のシリンジにサンプルを入れたまま、室温での保存環境下で、表2に示すとおりのデータが出ており、ナノバブルが長期間安定して水中に滞在するという論説を実証することができた。
Figure 2013135834
NB密度としては、生成後約1カ月で1.92E8の減少(20.9%)があったものの、その後はほぼ横ばいで、約3カ月後にあっても、78%の密度が維持されている。このことから、ナノバブルを産業に応用する場合、一旦高密度状態で生成したナノバブル水は、保存に特殊な環境を要求することなく、数か月に亘り高密度を維持するため、作り置き・遠隔地への搬送も可能となり、ハンドリング面での制限が少なく極めて利用価値が高いと言える。脱気水の需要は現状でも様々あり、RO膜設備や純水・超純水等が利用されているが、導入コスト・ランニングコスト次第では、既存の方法に取って代わる技術となる。
[第2実施例]
鮮魚の鮮度劣化は、主に「酸化」と「腐敗」によって進行し、その双方に酸素が深く関っている。酸化は元より、腐敗についても、好気性細菌の増殖がその要因となっているため、鮮魚の鮮度を保持するためには、「魚体が酸素に接する機会をいかに減らすか」がキーポイントとなる。通常、食品の酸化防止は、真空パックや脱酸素剤によるが、大量の鮮魚についてはどちらも処理が不可能であるため、水槽に冷海水(塩水)を貯水し、その水の溶存酸素を除けば、水槽の水中で真空パックをしたと同様の結果が得られると考えた。
そこで、鮮魚を用いて脱酸素海水にて鮮度保持試験を行った。すなわち、第1実施例と同様に、第2実施形態としての気液混合処理部Mを具備する混合流体生成装置2により低濃度酸素ナノバブル海水を生成して、鮮魚の鮮度保持試験を行った。その結果を図40〜図42に示す。ここで、K値は鮮魚の鮮度を示す指標として一般的に用いられており、ATP(アデノシン三リン酸)関連化合物に占めるイノシンとヒポキサンチンの割合(単位は%)である。通常、20%以下が生食に適し、60%以上で腐敗初期とされる。K値は吸光度測定法により測定した。細菌は一般細菌数(好気性細菌)の数が10〜10以上で腐敗初期とされる。
実際には1,000検体を超える鮮魚を試験に供したが、傾向として得た結果は、通常の下氷保存や海水注水冷蔵保存と比べ、個体差はあるが生食に適するK値20%以下の期間が2〜3日間伸長でき、長いものは7日間K値20%以下の状態を継続した。官能検査の結果も、鮮度劣化に伴う酸化臭・異臭・腐臭(一般的に生臭さ)が極度に抑えられており、エラの変色・内臓の腐敗速度も抑制された。
次に、窒素ナノバブル水(窒素処理水)の酸化防止の性能を数値的に確認するため、通常鮮魚の処理に使用される紫外線殺菌海水を用い、未処理原水と窒素通気ナノ処理後につき測定した酸化還元電位の比較結果を表3に示し、被験試料のDO推移を表4に示す。
Figure 2013135834
ここで、窒素RNM処理海水は第2実施形態としての気液混合処理部Mを具備する混合流体生成装置2により生成された低濃度酸素ナノバブル海水である。酸化還元電位測定機器としは、PINPOINT ORP MONITOR (American Marine Inc 製)を使用した。
Figure 2013135834
この結果より、4日目点でも窒素ナノ処理海水(低濃度酸素ナノバブル海水)は低酸素状態を保っており、酸化還元電位の低い環境及び酸素の少ない環境では、魚類自身の酸化・自己分解や細菌の繁殖を抑えることができる。これらの事実と今回の測定結果から、窒素ナノ処理海水(低濃度酸素ナノバブル海水)が魚体の酸化を抑制し、好気性細菌の増殖を抑制する機能を有することが分かった。その結果、窒素RNM処理海水は通常の海水と比べ、長期保存用に使用することに適していると考えられる。
次に、鮮魚を用いて高濃度酸素ナノバブル海水にて鮮度保持試験を行った。すなわち、第1実施例と同様に、第2実施形態としての気液混合処理部Mを具備する混合流体生成装置2により高濃度酸素ナノバブル海水を生成して、鮮魚の鮮度保持試験を行った。その結果を図43に示す。魚種は天然鯛であり、高濃度酸素ナノバブル海水中に丸魚を浸漬状態にして冷蔵庫(庫内温度2℃)に保管した。高濃度酸素ナノバブル海水の交換は1日に2回行った。経過当日に3枚卸にして吸光度測定法によりK値の測定を行った。96時間(5日目)が経過した後も、K値が7.5%と低く、5日間のいずれにおいてもK値が10%未満であった。高濃度酸素ナノバブル海水中に天然鯛を浸漬して、少なくとも5日間は鮮度を保持できることが分かった。
また、上記に付随し、高濃度酸素ナノバブル海水の酸化還元電位を計測した結果を表5に示し、被験試料のDO推移を表6に示す。
Figure 2013135834
ここで、酸素RNM処理海水は第2実施形態としての気液混合処理部Mを具備する混合流体生成装置2により生成された高濃度酸素ナノバブル海水である。
Figure 2013135834
この結果より、4日時点で酸素RNM処理海水は高酸素状態にもかかわらず海水とほぼ同じ酸化還元電位となった。この事から、酸素RNM処理海水は、高いDO(溶存酸素量)を保ちながら海水と同等の酸化性しか持たず、特にミオグロビンを多く持つ魚類の鮮度保持水として有効であることが示唆される。それは、高いDO状態のとき、魚類のオキシミオグロビンを保持し、尚且つ更なる酸化を抑制する効果があり、更に鮮魚自体の酸化は酸化還元電位から通常よりも酸化性の低い環境を与えることができるためである。
これまでの試験結果、考察、マーケット・リサーチを踏まえ、水産業への本発明の応用を考えたとき、鮮度保持としては、生産者・市場・出荷業者における出荷調整がある。相場変動制の鮮魚市場では、「大漁=相場安」と「高鮮度=当日販売」が常識であるが、生産・流通の上流はこれを望まない。本発明の利用により、大漁時鮮度を保持したまま翌日・翌々日に出荷できることが可能となれば、相場の安定・収入の安定につながり、相対的な収入増につながることとなる。また、流通の過程にある加工業者は、時化等天候の状況や季節的な市場連休の際には、通常より大量に原料を仕入れるが、その場合、工場の加工能力/日を考慮し、能力を超える部分は原料凍結する。本発明を利用した場合、加工工程のスパンを従来よりも長く設定することができるため、原料を凍結・解凍せずにチルド保存で処理できるため、凍結・解凍の手間が省け、更には凍結工程を経ない(または、凍結回数が減る)ことにより、商品価値が上がることが考えられる。
1 陳列台
2 混合流体生成装置
3 陳列台本体
4 一時的貯留槽
5 陳列槽
J 循環パイプ
M 気液混合処理部
N 窒素ガス供給部
K 純酸素ガス供給部
P1 第1圧送ポンプ
P2 第2圧送ポンプ
Cy 循環流路
S 処理水供給部
T タンク
V1 圧力調整弁
W 処理水

Claims (10)

  1. 生鮮魚介類を陳列する陳列槽内に、処理水と窒素ガスを混合処理した窒素処理水ないしは処理水と酸素ガスを高濃度に混合処理した高濃度酸素処理水を気液混合処理水として収容し、気液混合処理水中に生鮮魚介類を浸漬したまま陳列することを特徴とする陳列台。
  2. 処理水と窒素ガスを混合処理した窒素処理水ないしは処理水と酸素ガスを高濃度に混合処理した高濃度酸素処理水を気液混合処理水として生成する混合流体生成装置と、混合流体生成装置により生成した気液混合処理水を一時的に貯留して生鮮魚介類を陳列する陳列台本体とを備え、
    陳列台本体は、気液混合処理水を一時的に貯留する一時的貯留槽と、一時的貯留槽内に連通させて配置して気液混合処理水中に生鮮魚介類を浸漬したまま陳列する陳列槽とを具備することを特徴とする陳列台。
  3. 窒素処理水は、超微細な気泡を有する気泡群となした窒素ガスを処理水と混合して混合流体生成装置に設けたタンク内に収容し、タンク内にて処理水中に溶存している酸素を微細な気泡となした窒素ガスに放散させることで、酸素が放散した微細な窒素ガスを処理水中にて浮上させるとともに、処理水から脱出させて生成することを特徴とする請求項1又は2記載の陳列台。
  4. 高濃度酸素処理水は、1気圧下の処理水に純酸素ガスを供給することで、処理水の溶存酸素量を、全圧1気圧のもとで酸素分圧0.21気圧であるとしたときの空気飽和溶存酸素の処理水への溶解度の3倍以上で、1気圧における純酸素ガスの処理水への溶解度以下の範囲内で増大させて生成することを特徴とする請求項1又は2記載の陳列台。
  5. 純酸素ガスは、超微細な気泡を有する気泡群となして処理水と混合していることを特徴とする請求項4記載の陳列台。
  6. 処理水は、塩分濃度を2%〜4%の範囲に設定していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の陳列台。
  7. 混合流体生成装置は、処理水と窒素ガスないしは酸素ガスを導入可能とした中空のユニット支持ケースと、ユニット支持ケースに連通連結した混合ユニットとを具備し、
    混合ユニットは、中央部に形成した流体の流入口を介してユニット支持ケースに連通連結した板状の第1エレメントに、板状の第2エレメントを対面させて配置して、両エレメントの間に流入口から流入した流体を周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合する拡散・混合流路を形成し、拡散・混合流路の終端部である両エレメントの周縁部に気液混合処理水を外方へ流出させる流出口を形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の陳列台。
  8. ユニット支持ケースには導出口を形成し、導出口の周囲には支持ボス部を突設して、導出口と流入口を連通させた状態にて支持ボス部に混合ユニットを取り付けたことを特徴とする請求項7記載の陳列台。
  9. ユニット支持ケースは筒状に形成して、ユニット支持ケースの周壁には軸線方向と周方向に間隔をあけて多数の導出口を形成するとともに、各導出口の周囲に支持ボス部を突設して、各支持ボス部に導出口と流入口を連通させた状態にて混合ユニットを取り付けたことを特徴とする請求項8記載の陳列台。
  10. 支持ボス部内にはユニット支持ケースに連設した取付部を配置し、取付部に取付具を介して混合ユニットを取り付けたことを特徴とする請求項8又は9記載の陳列台。
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