JP2014210214A - 窒素ナノバブル水および窒素ナノバブルを用いた水の処理方法 - Google Patents

窒素ナノバブル水および窒素ナノバブルを用いた水の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価かつ安全に製造可能であり、殺菌および酸化防止機能等が長期間持続可能な窒素ナノバブル水および窒素ナノバブルを用いた水の処理方法を提供する。【解決手段】直径10nm以上1μm以下の窒素ナノバブルを1mLあたり1億個以上含む窒素ナノバブル水、直径10nm以上1μm以下の窒素ナノバブルを1mLあたり1億個以上含ませるように、被処理水中に窒素ガスを分散および混合する工程を有する窒素ナノバブルを用いた水の処理方法。【選択図】図6

Description

本発明は、窒素ナノバブル水および窒素ナノバブルを用いた水の処理方法に関し、より具体的には、殺菌および酸化防止機能等が長期間持続可能な窒素ナノバブル水および窒素ナノバブルを用いた水の処理方法に関する。
近年、水中に分散させた微細気泡について、種々の機能や有用性が見出されており、様々な分野で注目を集めている。微細気泡の呼称については、厳密な定義が存在せず、生成方法や応用分野等において異なる呼称が使用されることがあるが、特に直径が50μm以下の微細気泡にはマイクロバブル、更に、直径が1μm以下のナノメートルオーダーの微細気泡にはナノバブルの呼称が使用されることが多く、両者を総称してマイクロ・ナノバブル等の呼称が使用されることが多いようである。
水中の気泡を微細化することに伴う気泡表面積やガス分圧の増大に起因する有用性の増大に加え、気泡の微細化により、上昇速度の低下や表面電位効果による水中での安定性の大幅な向上、自己圧壊作用によるラジカルの生成等、マクロスケールの物理現象とは異なる興味深い挙動が見られる。
それ以外にも、マイクロバブルやナノバブルには、種々の生理的機能が報告されている。例えば、海水マイクロバブルをホタテに供給した場合に、急激な血流促進が実現されたとの報告がある(非特許文献1)。また、水槽内に酸素ナノバブルを入れると、海水魚と淡水魚とを同時に半年以上の期間に渡って生存させることができたとの報告がある(特許文献1)。また、特許文献2には、大腸菌またはウィルスを含む液体中でマイクロバブルを発生させることにより、大腸菌またはウィルスを死滅又は増殖抑制することを特徴とする大腸菌またはウィルスを死滅又は増殖抑制する方法が開示されている。また、オゾンナノバブルを含む水は、長期間にわたり殺菌効果を有することが確認されており、養殖魚介類の殺菌消毒等に用いられている。
特開2005−246294号公報 特開2011−115326号公報
大成 博文他、マイクロ・ナノバブルの発生機構と生理活性、日本混相流学会年会後援会講演論文集、221−222、2003
しかしながら、殺菌等の分野にオゾンナノバブル水を利用しようとする場合、オゾンの派生に要するコストが問題となる。また、特許文献2記載の大腸菌またはウィルスを死滅又は増殖抑制する方法において、使用されるガスとして、水素ガス、メタンガス、一酸化炭素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、青酸ガスまたは硫化水素ガスから選択されるいずれか1つが挙げられているが、これらは高価であったり、強い毒性を有するものであったりするために、製造コストや安全性の面で問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、安価かつ安全に製造可能であり、殺菌および酸化防止機能等が長期間持続可能な窒素ナノバブル水および窒素ナノバブルを用いた水の処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記の[1]〜[4]に記載の窒素ナノバブル水および下記の[5]〜[8]に記載の窒素ナノバブルを用いた水の処理方法を提供する。
[1] 直径10nm以上1μm以下の窒素ナノバブルを1mLあたり1億個以上含む窒素ナノバブル水。
[2] 前記窒素ナノバブルの個数が1mLあたり1億個以上20億個以下である上記[1]記載の窒素ナノバブル水。
[3] 前記窒素ナノバブルの直径分布が、直径の平均値:100〜200nm、直径のモード値:80〜170nm、かつ標準偏差:30〜90nmである上記[1]または[2]記載の窒素ナノバブル水。
[4] 前記水が、精製水、淡水、海水、温泉水および調理用水のいずれかである上記[1]から[3]のいずれか1項記載の窒素ナノバブル水。
[5] 直径10nm以上1μm以下の窒素ナノバブルを1mLあたり1億個以上含ませるように、被処理水中に窒素ガスを分散および混合する工程を有する窒素ナノバブルを用いた水の処理方法。
[6] 前記被処理水中への窒素ガスの分散および混合を、予め製造した請求項1から4のいずれか1項記載の窒素ナノバブル水と前記被処理水とを混合することにより行う上記[5]記載の窒素ナノバブルを用いた水の処理方法。
[7] 互いに対向する前面に前方開放の小室を多数配列した2枚の円板を同心的に重ね合わせ、一方の円板の小室と、他方の円板の小室とは互いの小室が対向する他の小室に連通する様に位置を違えて配列させ、両円板の外径は収容凹部より小径に形成すると共に、円板のいずれか一方の中央には流通孔を形成した混合エレメントと、前記混合エレメントを内部の空間に収容すると共に、前記流通孔に液密に連通する第1の流通口および前記ケーシングを介して前記混合エレメントの外周側と連通する第2の流通口が設けられたケーシングとを有する静止型流体混合装置に、前記流通口から前記被処理液および窒素ガスを加圧導入し、前記混合エレメント中を流通させることにより、前記被処理水中への窒素ガスの分散および混合を行う上記[5]記載の窒素ナノバブルを用いた水の処理方法。
[8] 回転駆動源に直結した回転軸と、前記回転軸に取り付けられ、互いに対向する前面に前方開放の小室を多数配列した2枚の円板を同心的に重ね合わせ、一方の円板の小室と、他方の円板の小室とは互いの小室が対向する他の小室に連通する様に位置を違えて配列させ、円板のいずれか一方の中央には流通孔を形成した混合エレメントと、前記混合エレメントを内部の空間に回転自在に収容すると共に、前記流通孔に液密に連通する第1の流通口および前記ケーシングを介して前記混合エレメントの外周側と連通する第2の流通口が設けられたケーシングとを有する回転型流体混合装置に、前記流通口から前記被処理液および窒素ガスを加圧導入し、前記混合エレメント中を流通させ、外周側から遠心力によって吐出することにより、前記被処理水中への窒素ガスの分散および混合を行う上記[5]記載の窒素ナノバブルを用いた水の処理方法。
本発明の窒素ナノバブル水および窒素ナノバブルを用いた水の処理方法では、安価に入手可能であり、無害な窒素ガスを原料ガスとして使用するため、安価かつ安全に実施可能である。また、直径10nm以上1μm以下の窒素ナノバブルを1mLあたり1億個以上含ませることにより、高い殺菌および酸化防止効果を有しており、かつそれが長期間持続するという効果も有している。本発明の窒素ナノバブルを用いた水の処理方法は、タンカー等の船舶用のバラスト水、温泉、プール等の殺菌処理から調理用水の処理まで、広範な分野の水の殺菌、保存性向上のための安価かつ安全な処理方法として有用である。
本発明の一実施の形態に係る窒素ナノバブルを用いた水の処理方法の実施に使用される静止型流体混合装置の混合エレメントを構成する流通孔を形成した円板の正面図である。 同上静止型流体混合装置の混合エレメントを構成する他の円板の正面図である。 同上静止型流体混合装置の混合エレメントを構成する流通孔を形成した円板の斜視図である。 同上静止型流体混合装置の混合エレメントを構成する他の円板の斜視図である。 2枚の円板を同心的に重合させた場合における各小室の連通配列状態を示す図である。 実施例1で製造した窒素ナノバルブ水中のナノバブルの直径分布の測定結果を示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係る窒素ナノバブルを用いた水の処理方法は、直径10nm以上1μm以下の窒素ナノバブルを1mLあたり1億個以上含ませるように、被処理水中に窒素ガスを分散および混合する工程を有する。
被処理水の種類、起源および用途については特に限定されず、河川、貯水池、ダム、井戸等より採取される淡水、水道水、精製水、温泉水および鉱泉水、深層海洋水等を含む海水等のいずれであってもよい。これらは一例であり、被処理水の種類はもちろんこれらに限定されない。
窒素ガスについては、ボンベに充填した状態で市販されているものから、用途等に応じて所望の容積、一次圧および純度のものを適宜選択して使用すればよい。なお、空気は、約80%の窒素を含んでおり、窒素ガス源として代用することも可能であるが、残りの約20%の大部分は酸素である。そのため、酸化防止能や溶存酸素量を低く抑えたい場合には、純窒素を使用することが望ましい。
被処理水単位体積あたりの窒素ガスの圧力および流量は、単位体積あたりの窒素ナノバブルの数、直径等に応じて適宜調節される。また、窒素ナノバブルの直径を調節する手段としては、静置型流体混合装置への被処理水の供給圧や同装置中での被処理水および窒素ガスの循環時間等も挙げられる。
被処理水への窒素の微細気流の分散のための窒素ガスの混合および分散については、ナノバブル水の製造に用いられる任意の公知の方法を特に制限なく用いることができる。用いられる方法の具体例としては、被処理水およびガスの二相流を回転刃で撹拌し、発生する渦を崩壊させることにより微細気泡を発生させる方法、高圧下で気体を過飽和溶解後圧力開放することにより高濃度の微細気泡を発生させる方法、シラスポーラスガラス(SPG)等の多孔質セラミクスを通して被処理水を曝気する方法等が挙げられるが、特許第3706872号、第3706873号記載の静止型流体混合装置を用いる方法が特に好ましい。これらの特許公報記載の静止型流体混合装置は、混合エレメントと、混合エレメントを内部の空間に収容すると共に、流通孔に液密に連通する第1の流通口およびケーシングを介して混合エレメントの外周側と連通する第2の流通口が設けられたケーシング(図示しない)とを有している。第1の流通口から混合エレメントの流通孔を介して、あるいは第2の流通口を介して混合エレメントの外周側から被処理液および窒素ガスを混合エレメントの内部に加圧導入し、混合エレメント中を流通させることにより、被処理水中への窒素ガスの分散および混合を行い、直径10nm以上1μm以下の窒素ナノバブルを1mLあたり1億個以上含む窒素ナノバブル水を製造する。
混合エレメントは、図1〜5に示す様に、互いに対向する円板本体の前面に、この前面に対して側壁14を直角と成した前方開放の平面視の形状が多角状(図では一例として正六角形状のハニカム構造のものを示しているが、形状は任意である。)である有底筒状の小室15、15a…を多数整列させて配列した2枚の円板16、17を一組とし、これを同心的に重ね合わせたものである。
また、円板16、17を同心的に重ね合わせた状態で、図5に示す様に一方の円板16の小室15、15a…と、他方の円板17の小室15、15a…とは、互いの小室15、15a…が対向する他の小室15、15a…に連通する様に位置を違えて配列させている。
また、円板16、17の外径は図示しないケーシングの内径より小径とし、その内部に収容される大きさと成すと共に、円板16、17のいずれか一方(本実施の形態では円板16)の中央には流通孔18を形成している。
また、円板16、17を重ね合わせて混合エレメント4と成した場合の厚みは、ケーシングの内部に配設した状態で流通孔18が形成されていない他方の円板17の後面と、収容凹部7の底部6との間に適宜なる隙間を設け、また流体の連通流路を塞がない様に、好ましくは混合エレメントと成した円板16、17の小室15、15a…が形成されていない個所に、ネジ棒等の固定手段が挿通される挿通孔19、19a…を形成し、また図中44は、係合突部44、45は、係合突部44が嵌まり込む係合凹部である。
まず、第1の流通口を入口と成した場合については、第1の流通口から流体を加圧流入させると、この流体の流れは、混合エレメントの円板16の流通孔18からその内部に達し、円板17により直進進路が妨げられて方向を変え、互いに連通する小室15、15a…を経て中央部から外側に向かって放射状に直角衝突、分散、合流、蛇行、渦流等の状態が組み合わさって複雑に流動し、出口として選択したケーシングの第2の流通口から最終的に排出される。
次に、上記とは逆に、ケーシングの第2の流通口を入口と成した場合については、第2の流通口から流体を加圧流入させると、混合エレメントの外周側から多数の各小室15、15a…に入り、上述の様な直角衝突、分散、合流、蛇行、渦流等の複雑な流れで中央部に集合され、円板16の流通孔18を介して出口として選択した第1の流通口8から最終的に排出される。
この様に、流体の流れについて、中央から外方へ放射状に流れる状態と、外方から中央へ集中して流れる状態を選択できるものであり、混合度の判断基準の一種である分散総数を比較すると、第1の流通口を入口と成した場合の分散総数N1と、第2の流通口を入口と成した場合の分散総数N2との関係は、分散総数N1≫>分散総数N2となる。
なお、上記分散総数とは、円板16と円板17において、互いに連通する小室15、15a…によって混合エレメントを通過する間に生じるべき流体が分散される数のことであり、小室15、15a…の列数(室数)を増減することにより、適宜増減可能である。
また、流体は上記の様に、各小室15、15a…の底面および側壁14への直角衝突、各小室15、15a…から他の複数の小室15、15a…への分散、複数の小室15、15a…から他の一つの小室15、15a…への合流、蛇行、さらに複数の小室15、15a…から各小室15、15a…への流入による渦流による流体力学的な剪断、各小室15、15a…から他の小室15、15a…への連通路であるオリフィスを通過する際の流体力学的な剪断、衝撃的破壊による粉砕、側壁14の上端面を通過する際の剪断、機械的なキャビテーション等によって流体の分散混合が行われる。
また、混合すべき流体の性状や、混合度に対応するために、所望する個数の混合エレメントを直列に接続し、必要な分散総数を得ることができる。一度に大量の被処理水を処理する場合には、静止型流体混合装置(または混合エレメント)を並列に配置してもよい。
あるいは、回転駆動源に接続された回転軸に混合エレメントを取り付け、図示しないケーシング内部に回転自在に設置した回転型混合装置としてもよい。この場合、混合エレメントを回転させながら第1の流通口から流体を加圧流入させると、この流体の流れは、混合エレメントの円板16の流通孔18からその内部に達し、円板17により直進進路が妨げられて方向を変え、互いに連通する小室15、15a…を経て、遠心力により中央部から外側に向かって放射状に直角衝突、分散、合流、蛇行、渦流等の状態が組み合わさって複雑に流動し、出口として選択したケーシングの第2の流通口から最終的に排出される。
窒素ナノバブル水に含まれる窒素ナノバブルの個数、直径およびその分布(平均値、モード(D50)、D10、D90、メジアン、標準偏差)については、動的光散乱法、ブラウン運動量を用いる方法(Stokes-Einstein式に基づく解析)等の任意の公知の方法を用いて測定できる。得られる窒素ナノバブル水に含まれる窒素ナノバブルの数、平均直径およびその分布については、下記のとおりである。
個数:1億個以上、好ましくは1億個以上20億個以下
直径(上限および下限):1nm以上1μm以下、好ましくは10nm以上500μm以下
平均直径:好ましくは100nm以上200nm以下
モード:好ましくは80nm以上170nm以下
標準偏差:好ましくは30nm以上90nm以下
上記の様に、被処理水と窒素ガスとを直接静止型流体混合装置に加圧導入して窒素ナノバブル水を製造してもよいが、上記の様にして(例えば、上述の静止型流体混合装置を用いて)予め窒素ナノバブルを混合および分散させた窒素ナノバブル水と被処理水とを混合することによって窒素ナノバブル水を製造してもよい。この場合、予め製造しておく窒素ナノバブル水は、被処理水と混合したときに所望の単位体積あたりのナノバブル数、ナノバブルの直径および直径分布が達成できるよう、それらの値を調整しておく必要がある。
本実施形態に係る窒素ナノバブルを用いた水の処理方法は、殺菌や溶存酸素量の低減により、水の保存性を向上させることが必要とされる任意の用途に適用できる。用途の具体例としては、飲料水、調理用水、工業用水、温泉、浴槽および公衆浴場用水、プール用水、船舶用バラスト水の殺菌、溶存酸素量の低減等が挙げられる。これらは一例であり、被処理水の種類および用途はもちろんこれらに限定されない。特に、船舶用バラスト水については、ある海域で採取した海水をバラスト水として使用後、他の海域で廃棄することについて、生態系保護の観点からこれを禁止する条約の制定が検討されているし、腐敗等によって水質が悪化したバラスト水を投棄することが環境保全の面からも問題視されつつある。大量の海水を効果的に殺菌し、かつ長期にわたり殺菌効果が持続する処理方法が従来殆ど存在しないことから、本実施の形態に係る窒素ナノバブルを用いた水の処理方法は、船舶用バラスト水の処理に特に有用であることが期待される。
本発明の一実施の形態に係る窒素ナノバブルを用いた水の処理方法を用いて製造される窒素ナノバブル水は、高い殺菌効果を有すると共に、それに含まれる窒素ナノバブルの数、直径分布は、製造後長期間(数ヶ月程度)にわたり製造当初のそれらから殆ど変化を示さない。そのため、溶存酸素量の提言や殺菌効果が長期にわたり持続する。殺菌効果のメカニズムについてはよく分かっていないが、溶存酸素量の低減による好気性菌の生育阻害や、マイクロバブル圧壊時のラジカル生成やエネルギー放出による菌体の破壊等が考えられる要因である。また、驚くべきことに、煮沸後も殺菌効果は持続し、例えば、炊飯に窒素ナノバルブ水を使用した場合、長期間にわたり、米飯上での細菌の繁殖やそれに起因する腐敗を抑制できる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
実施例1:窒素ナノバブル水の製造
株式会社ナノクス製のナノバブル水製造装置nanoQuick_RNM017A-S を使用して、蒸留水1Lと窒素ガス(0.2L/分)を10分間(20パス)循環させ、窒素ナノバブル水を製造した。
窒素ナノバブル水に含まれる窒素ナノバブルの数、直径および直径分布について、英国Nanosight 社製 NANOSIGHT を用いて測定を行った。製造後32日、63日後および92日後に同様の測定を行った。製造直後に行った測定結果のグラフを図6に示すと共に、下記の表1に示す。
Figure 2014210214
図6および表1の結果から、窒素ナノバブルは非常に均一な直径を有し、分布幅が小さいことがわかる。また表1の結果から明らかなように、製造後3ヶ月経過後も、ナノバブル数は当初の80%であると共に、融合による直径の増大も殆ど進んでいないことがわかる。
実施例2:窒素ナノバブル水の殺菌活性の検討(1)
(1)ペーパーディスク法
カビ混合菌を25℃で予備培養後、10CFU/mLとなるよう生理食塩水で希釈した。これを寒天培地に接種後、直径9mmのろ紙に実施例1で製造した窒素ナノバブル水0.1mLを含浸させ、寒天培地の中心に置き、25℃で培養後、培地上に形成された阻止円の大きさを測定した。対照として、窒素ナノバブル水の代わりに生理食塩水を用いた場合について、同様の条件下で阻止円の形成の有無を検討した。
(2)生存菌数測定法
カビ混合菌を25℃で予備培養後、10CFU/mLとなるよう窒素ナノバブル水で希釈した。その後25℃で12時間および24時間培養後、寒天培地に接種してカビ混合菌の生存菌数を確認した。対照として、窒素ナノバブル水の代わりに生理食塩水を用いた場合について、同様の条件下で生存菌数を検討した。
ペーパーディスク法では、窒素ナノバブル水使用群については直径1.3〜1.5cmの阻止円が形成されたのに対し、対象群では阻止円の形成は確認されなかった。この結果から、窒素ナノバブル水は、真菌類に対する抗菌活性を有することが確認された。
生存菌数測定法の結果は、下記の表2に示すとおりである。
Figure 2014210214
表2の結果からも、窒素ナノバブル水は、真菌類に対する抗菌活性(生存菌数を減少させる効果)を有することが確認された。
実施例3:窒素ナノバブル水の殺菌活性の検討(2)
排水溝から採取した一般細菌の混合菌について、実施例2の生存菌数測定法と同様の条件下で、窒素ナノバブル水希釈群および対象群(生理食塩水を使用)に加え、窒素ナノバブル水と同様の方法で製造した酸素ナノバブル水、空気ナノバブル水、オゾンナノバブル水で予備培養後の混合菌を希釈したもののついて、24時間後の生存菌数を測定した。結果を下記の表3に示す。
Figure 2014210214
表3の結果より、窒素ナノバブル水は、一般細菌類についても抗菌活性を示すこと、他のナノバブル水も、程度の差こそあれ同様に抗菌活性を示すこと、窒素ナノバブル水はオゾンナノバブル水に匹敵する抗菌活性を有することが確認された。
実施例4:炊飯試験
平成23年度産ヒノヒカリ(無洗米)および窒素ナノバブル水、酸素ナノバブル水または水道水を用いて炊飯ジャー(日立IHジャー炊飯器RZ-CG10J)で炊飯し、樹脂容器に移し、フタを一部開放して放熱後、A群はそのままフタをし、B群は流し台の排水溝より採取した一般細菌群を噴霧した後にフタをし、室温で保管した。1日経過するごとにフタを開け、菌類の発生および腐敗臭の有無について検査した。
結果は下記の表4に示すとおりである。なお、表4において「−」は、菌類の発生および腐敗臭のいずれも観測されなかったことを示す。
Figure 2014210214
窒素ナノバブル水で炊飯した米飯および米飯に細菌を接種したものを5日間放置した後でも、菌類の発生も、細菌の繁殖による腐敗臭の発生も観測されなかったという興味深い結果が得られた。この事実は、炊飯に伴う水の煮沸後も窒素ナノバブル水の抗菌効果が完全には失われないことおよび窒素ナノバブル水が食品の鮮度保持に有用であることを示している。
本発明は、飲料水、調理用水、工業用水、温泉、浴槽および公衆浴場用水、プール用水、船舶用バラスト水等に用いられる、河川、貯水池、ダム、井戸等より採取される淡水、水道水、精製水、温泉水および鉱泉水、深層海洋水等を含む海水等の殺菌、溶存酸素量の低減等に利用できる。

Claims (8)

  1. 直径10nm以上1μm以下の窒素ナノバブルを1mLあたり1億個以上含む窒素ナノバブル水。
  2. 前記窒素ナノバブルの個数が1mLあたり1億個以上20億個以下である請求項1記載の窒素ナノバブル水。
  3. 前記窒素ナノバブルの直径分布が、
    直径の平均値:100〜200nm、
    直径のモード値:80〜170nm、かつ
    標準偏差:30〜90nmである請求項1または2記載の窒素ナノバブル水。
  4. 前記水が、精製水、淡水、海水、温泉水および調理用水のいずれかである請求項1から3のいずれか1項記載の窒素ナノバブル水。
  5. 直径10nm以上1μm以下の窒素ナノバブルを1mLあたり1億個以上含ませるように、被処理水中に窒素ガスを分散および混合する工程を有する窒素ナノバブルを用いた水の処理方法。
  6. 前記被処理水中への窒素ガスの分散および混合を、予め製造した請求項1から4のいずれか1項記載の窒素ナノバブル水と前記被処理水とを混合することにより行う請求項5記載の窒素ナノバブルを用いた水の処理方法。
  7. 互いに対向する前面に前方開放の小室を多数配列した2枚の円板を同心的に重ね合わせ、一方の円板の小室と、他方の円板の小室とは互いの小室が対向する他の小室に連通する様に位置を違えて配列させ、円板のいずれか一方の中央には流通孔を形成した混合エレメントと、前記混合エレメントを内部の空間に収容すると共に、前記流通孔に液密に連通する第1の流通口および前記ケーシングを介して前記混合エレメントの外周側と連通する第2の流通口が設けられたケーシングとを有する静止型流体混合装置に、前記流通口から前記被処理液および窒素ガスを加圧導入し、前記混合エレメント中を流通させることにより、前記被処理水中への窒素ガスの分散および混合を行う請求項5記載の窒素ナノバブルを用いた水の処理方法。
  8. 回転駆動源に直結した回転軸と、前記回転軸に取り付けられ、互いに対向する前面に前方開放の小室を多数配列した2枚の円板を同心的に重ね合わせ、一方の円板の小室と、他方の円板の小室とは互いの小室が対向する他の小室に連通する様に位置を違えて配列させ、円板のいずれか一方の中央には流通孔を形成した混合エレメントと、前記混合エレメントを内部の空間に回転自在に収容すると共に、前記流通孔に液密に連通する第1の流通口および前記ケーシングを介して前記混合エレメントの外周側と連通する第2の流通口が設けられたケーシングとを有する回転型流体混合装置に、前記流通口から前記被処理液および窒素ガスを加圧導入し、前記混合エレメント中を流通させ、外周側から遠心力によって吐出することにより、前記被処理水中への窒素ガスの分散および混合を行う請求項5記載の窒素ナノバブルを用いた水の処理方法。
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