JP6176881B2 - 混合処理体、混合処理法、流体混合器、流体混合処理装置、及び、魚介類養殖システム - Google Patents

混合処理体、混合処理法、流体混合器、流体混合処理装置、及び、魚介類養殖システム Download PDF

Info

Publication number
JP6176881B2
JP6176881B2 JP2016234962A JP2016234962A JP6176881B2 JP 6176881 B2 JP6176881 B2 JP 6176881B2 JP 2016234962 A JP2016234962 A JP 2016234962A JP 2016234962 A JP2016234962 A JP 2016234962A JP 6176881 B2 JP6176881 B2 JP 6176881B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
mixing
water
mixed
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016234962A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017047423A (ja
Inventor
賢一 最上
賢一 最上
俊明 中田
俊明 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MG Grow Up Corp
Malufuku Suisan Co Ltd
Original Assignee
MG Grow Up Corp
Malufuku Suisan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MG Grow Up Corp, Malufuku Suisan Co Ltd filed Critical MG Grow Up Corp
Publication of JP2017047423A publication Critical patent/JP2017047423A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6176881B2 publication Critical patent/JP6176881B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

本発明は、複数の異なる流体を混合処理する混合処理体及び混合処理法、この混合処理体を具備する流体混合器、流体混合器を装備する流体混合処理装置、並びに、流体混合処理装置を備えた魚介類養殖システムに関する。ここでの複数の異なる流体としては、例えば、液体と液体、液体と気体、粉体と液体、の各組み合わせがあり、液体としては、水、浴湯、海水、燃料油等があり、また、気体としては、酸素、二酸化炭素、窒素、空気等がある。魚介類とは、魚類や貝類等の水生動物である。
従来、流体混合器の一形態として、特許文献1に開示されたものがある。すなわち、特許文献1には、中央部に流体の流入口を形成した円板状の第1拡散エレメントに、円板状の第2拡散エレメントを対向させて配置するとともに、両拡散エレメントの間に中央部側の流入口から流入した流体を周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合する拡散・混合流路を形成した拡散・混合ユニットと、中央部に流体の流出口を形成した円板状の第1集合エレメントに、円板状の第2集合エレメントを対向させて配置すると共に、両集合エレメントの間に周縁部側から流入した流体を中央部側に向けて半径方向に流動させて集合・混合する集合・混合流路を形成した集合・混合ユニットを具備し、拡散・混合流路の終端部と集合・混合流路の始端部を接続した流体混合器が開示されている。
そして、第1・第2拡散エレメントの対向面と第1・第2集合エレメントの対向面には適切な同一の深さと大きさの六角形の凹部群をハニカム構造に形成するとともに、対向する凹部同士を相互に連通するように位置を違えて配置して、拡散・混合流路と集合・混合流路において、流体が蛇行しながら合流と分流(分散)を繰り返しながら半径方向に流動するようにしている。
特開平9−52034号公報
ところが、特許文献1に開示された流体混合器は、中央部側の流入口から流入した流体を周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合する拡散・混合流路と、周縁部側から流入した流体を中央部側に向けて半径方向に流動させて集合・混合する流路構造を同様に形成しているために、混合分散機能の高い拡散・混合流路と比べて,集合・混合側流路は分散数がはるかに少ないにもかかわらず拡散・混合流路と同程度の圧力損失が生じていた。そのため、流体混合器に流体を加圧して供給する加圧ポンプの電力消費量の低減さらには処理済み流体の流出量の増大化(効率化)が望まれていた。
そこで、本発明は、圧力損失を低減させるとともに、分散相の微細化効率を向上させることが可能な混合処理体及び混合処理法を提供すること、またそれに加えて、加圧ポンプの電力消費量の低減化を図るとともに、混合処理済み流体の流出量の増大化(効率化)を図ることが可能な流体混合器、流体混合処理装置、及び、魚介類養殖システムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係る混合処理体は、板状層を三層に積層して、混合処理対象である複数の異なる流体が流動することで混合処理される多数の混合処理流路を形成した混合処理体であって、各混合処理流路は、一層目の板状層に形成されて、流体が流入する流入始端部と、二層目の板状層に形成されて、流入始端部に連通されるとともに、流入始端部の周囲外方に配置された中途部と、三層目の板状層に形成されて、中途部に連通されるとともに、流入始端部と相互に位置を違えて配置されて流体が流出する流出終端部と、を具備して、流入した流体が流入始端部から中途部を通して流出終端部まで蛇行状に流動するように形成されている。
請求項2記載の発明に係る混合処理体は、請求項1記載の発明に係る混合処理体であって、請求項1記載の各混合処理流路は、流入始端部内に流体が流入する方向と、中途部内に流体が流入する方向と、を同一方向とし、かつ、これらの流体が流入する方向と、流入始端部から中途部に流体が流動する方向と、を直交する方向となして、流入した流体が流入始端部から中途部を通して流出終端部まで直角に折れ曲がり状に蛇行しながら流動するように形成されている。
請求項3記載の発明に係る混合処理法は、
混合処理対象である複数の異なる流体が流動する流体流路内に、請求項1又は2記載の混合処理体を配置して、
混合処理体が具備する各混合処理流路の流入始端部から流体が流入するとともに、各混合処理流路内で流体が流動することで、流体が混合処理されるようにし、
混合処理された後の流体は、各混合処理流路の流出終端部から流出するとともに、流体流路内で合流するようにする。
請求項4記載の発明に係る流体混合器は、混合処理対象である複数の異なる流体が流動する流体流路を形成する混合ケースと、混合ケース内に形成された流体流路内に配設する請求項1又は2記載の混合処理体と、を具備する
請求項5記載の発明に係る流体混合器は、請求項4記載の発明に係る流体混合器であって、
混合ケース内には、複数の混合処理体を流体流路に沿わせるとともに間隔をあけて直列的に配置している。
請求項6記載の発明に係る流体混合処理装置は、請求項4又は5記載の流体混合器と、流体混合器内に、流体としての液体と、流体としての液体又は気体を導入させる手段と、を備えて、液体と液体、又は、液体と気体が混合処理されるように構成している。

請求項7記載の発明に係る流体混合処理装置は、請求項6記載の発明に係る流体混合処理装置であって、
液体としての水と、液体としての燃料油とが混合処理されて、エマルション燃料油が生成されるように構成している。
請求項8記載の発明に係る流体混合処理装置は、請求項6記載の発明に係る流体混合処理装置であって、
液体としての水と、気体としての窒素ガスとが混合処理されて、水中に窒素ガスが溶解された窒素水が生成されるように構成している。
請求項9記載の発明に係る流体混合処理装置は、請求項6記載の発明に係る流体混合処理装置であって、
液体としての湯ないしは水と、気体としての炭酸ガスとが混合処理されて、湯中ないしは水中に炭酸ガスが溶解された炭酸泉が生成されるように構成している。
請求項10記載の発明に係る流体混合処理装置は、請求項6記載の発明に係る流体混合処理装置であって、
液体としての水と、気体としての酸素ガスとが混合処理されて、水に酸素ガスが溶存された酸素水が生成されるように構成している。
請求項11記載の発明に係る魚介類養殖システムは、
請求項10記載の流体混合処理装置と、魚介類を養殖する養殖槽と、を具備し、
流体混合処理装置により生成された酸素水は養殖水として、養殖槽に供給されるようにしている。
本発明によれば、次のような効果が生起される。すなわち、本発明では、圧力損失を低減させるとともに、分散相の微細化効率を向上させることが可能な混合処理体及び混合処理法を提供することができる。またそれに加えて、加圧ポンプの電力消費量の低減化を図るとともに、混合処理済み流体の流出量の増大化(効率化)を図ることが可能な流体混合器、流体混合処理装置、及び、魚介類養殖システムを提供することができる。
本実施形態に係る混合処理体を具備する流体混合器の斜視説明図。 図1のI-I線断面説明図。 図1のII-II線断面説明図。 本実施形態に係る高濃度炭酸泉生成装置の概念説明図。 制御ブロック図 本実施形態に係る魚介類養殖システムの概念説明図。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、本実施形態に係る混合処理体の構成及び混合処理法について説明し、続いて、混合処理体を具備する流体混合器の構成について説明し、その次に、流体混合器を装備する流体混合処理装置の一形態である気液混合処理装置の構成について説明し、最後に、気液混合処理装置を備えた魚介類養殖システムの構成について説明する。
[混合処理体の構成についての説明]
図1〜図3に示す20は、本実施形態に係る混合処理体である。ここで、図2の部分拡大断面図は、図3の部分拡大説明図のIII-III線断面図である。混合処理体20は、図1〜図3に示すように、外形状が四角形板状の同一形状に形成した三層の板状層30,40,50を積層して形成している。
各板状層30,40,50には、肉厚方向に貫通する多数の貫通孔31,41,51を整列させて形成している。隣接する板状層30,40又は40,50同士の貫通孔31,41又は41,51は、それらの一部が重合状態に連通して第1・第2連通孔70,80を形成するように相互に位置を違えて配列され、かつ、一層目と三層目の板状層30,50の貫通孔31,51も相互に位置を違えて配列されている。
二層目と三層目の板状層40,50同士の貫通孔41,51によって形成される第2連通孔80は、一層目の板状層30の貫通孔31が投影された面積の外方(貫通孔31の開口面積の外方)に離隔状態に配置されている。つまり、一層目の板状層30の前面(上流側面)に対して直交する方向から貫通孔31を上流側から下流側に投影した際に、投影された貫通孔31の開口面積の外方に第2連通孔80が配置されるようにしている。そうすることで、貫通孔31から流入した流体Fが、その貫通孔31の周囲に拡散されて、均一な混合処理がなされるようにしている。
そして、後述する混合処理流路Rが蛇行状にかつ拡散状に延伸されるようにしている。そうすることで、流体Fの分散相のナノレベル(1μm未満の分散相の粒径を含むレベル、望ましくは、分散相のモード径が1μm未満、より望ましくは、分散相のモード径が100nmの近傍)での微細化が確保されるようにしている。
各板状層30,40,50の貫通孔31,41,51は、相互に板状層30,40,50の延在方向に離隔状態に配置された第1・第2連通孔70,80を介して相互に連通するとともに、上流側から下流側(一層目から三層目)に向けて蛇行状にかつ拡散状に延伸する混合処理流路Rを形成している。ここでの板状層30,40,50の延在方向とは、板状層30,40,50の肉厚方向と直交する方向であり、板状層30,40,50の面に沿った方向である。
より具体的に説明すると、混合処理体20を形成する三層の板状層30,40,50は、それぞれと外形状が同一の四角形板状で、かつ、同一肉厚に形成している。これらの板状層30,40,50は、一層目の板状層30の後面部33と二層目の板状層40の前面部42とを積層状態に面接触させて接着し、二層目の板状層40の後面部43と三層目の板状層50の前面部52とを積層状態に面接触させて接着して、混合処理体20を一体的に形成している。32は、一層目の板状層30の前面部、53は、三層目の板状層50の後面部である。そして、混合処理体20は、混合処理対象である複数の異なる流体Fの流動方向に対して直交状態に配置して、混合処理流路Rを通して流体Fを貫通状に流動させることで、混合処理するようにしている。なお、混合処理体20は、三層の板状層30,40,50を一体に成形することもできる。
各板状層30,40,50に整列させて設けた多数の貫通孔31,41,51は、同形・同大の正六角形に形成して、六個の角部を有している。
一層目の板状層30に設けた六個の角部を有する各貫通孔31は、時計廻りに一個おきの三個の角部に、二層目の板状層40の三個の貫通孔41がそれぞれ有する一個の角部を、相互に一部重合状態に連通させて三個の第1連通孔70を形成している。また、反対に、二層目の板状層40に設けた六個の角部を有する各貫通孔41は、時計廻りに一個おきの三個の角部に、一層目の板状層30の三個の貫通孔31がそれぞれ有する一個の角部を、相互に一部重合状態に連通させて三個の第1連通孔70を形成している。本実施例では、三個分の第1連通孔70の開口面積を、貫通孔31の開口面積の約8分の1の大きさに形成している。
二層目の板状層40に設けた貫通孔41の角部の内、貫通孔31の角部と連通していない残余の三個の貫通孔41の角部は、三層目の板状層50の三個の貫通孔51がそれぞれ有する一個の角部を、相互に一部重合状態に連通させて三個の第2連通孔80を形成している。反対に、三層目の板状層50に設けた六個の角部を有する貫通孔51は、時計廻りに一個おきの三個の角部に、二層目の板状層40の三個の貫通孔41がそれぞれ有する一個の角部を、相互に一部重合状態に連通させて三個の第2連通孔80を形成している。本実施例では、三個分の第2連通孔80の開口面積を、貫通孔31の開口面積の約8分の1の大きさに形成して、第2連通孔80の開口面積と第1連通孔70の開口面積とを同一となしている。
混合処理流路Rは、一層目の貫通孔31内に形成される前面開口凹部S1と、第1連通孔70と、二層目の貫通孔41内に形成される空間部S2と、第2連通孔80と、三層目の貫通孔51内に形成される後面開口凹部S3と、から形成している。前面開口凹部S1は、一層目の貫通孔31の後面が第1連通孔70を除いて二層目の板状層40の前面部42により閉塞されて形成されている。空間部S2は、二層目の貫通孔41の前・後面が第1・第2連通孔70,80を除いて一層目の板状層30の後面部33及び三層目の板状層50の前面部52により閉塞されて形成されている。後面開口凹部S3は、三層目の貫通孔51の前面が第2連通孔80を除いて二層目の板状層40の後面部43により閉塞されて形成されている。
そして、混合処理流路Rは、上流側から下流側(一層目から三層目)に向けて各連通孔70,80を介して前面開口凹部S1と空間部S2と後面開口凹部S3を連通させるとともに、蛇行状にかつ拡散状に延伸するように形成されている。
上記のように形成した混合処理流路Rを有する混合処理体20は、混合処理対象である複数の異なる流体Fが流動する流体流路60内において、流体Fが流動する方向に対面させて配置することで、各混合処理流路Rの各前面開口凹部S1内には流体Fが流入される。
各前面開口凹部S1内に流入した流体Fは、各前面開口凹部S1の一部を形成する二層目の板状層40の前面部42に沿って流動して、各第1連通孔70内に流入する。この際、流体Fが、各前面開口凹部S1内に流入する方向と、各第1連通孔70内に流入する方向とは同一方向であるが、板状層40の前面部42に沿って流動する方向は、これらの流入する方向と直交する方向である。
各第1連通孔70を通して分流された流体Fは、各空間部S2内に流入するとともに、他の第1連通孔70を通して流入した流体Fと合流する。各空間部S2内に流入した流体Fは、各空間部S2の一部を形成する三層目の板状層50の前面部52に沿って流動して、各第2連通孔80内に流入する。この際、流体Fが、各第1連通孔70内に流入する方向と、各第2連通孔80内に流入する方向とは同一方向であるが、板状層50の前面部52に沿って流動する方向は、これらの流入する方向と直交する方向である。
各第2連通孔80を通して分流された流体Fは、各後面開口凹部S3内に流入するとともに、他の第2連通孔80を通して流入した流体Fと合流する。このようにして混合処理流路Rにより混合処理された流体Fは、各後面開口凹部S3内から流体流路60内に流出する。
混合処理流路Rは、上記のように、各前面開口凹部S1内に流入する方向と、各第1連通孔70内に流入する方向と、各第2連通孔80内に流入する方向とは同一方向であるが、板状層40の前面部42に沿って流動する方向と、板状層50の前面部52に沿って流動する方向は、これらの流入する方向と直交する方向であり、直角に折れ曲がり状に蛇行するようにしている。そして、各第1・第2連通孔70,80の開口面積は、各貫通孔31,41の開口面積に比して、極端に小さく形成している。そのため、混合処理流路R内を蛇行しながら流動する流体Fには、流体間速度差により生起されるせん断力が付与されて、流体Fの分散相は、堅実にナノレベルに微細化される。
なお、貫通孔31,41,51の形状は、本実施形態のような正六角形に限られるものではなく、例えば、菱形に形成することもできる。この場合、二個の第1連通孔70と、二個の第2連通孔80を形成する。
上記のように構成した混合処理体20は、混合処理対象である複数の異なる流体Fが流動する流体流路60内に、その軸線方向と交差(好ましくは、直交)する方向に軸線を向けて配置する。一つの貫通孔31に流体Fが流入すると、その貫通孔31の三個の角部からそれぞれ第1連通孔70を通して三個の貫通孔41に流体Fが分流する。分流した流体Fは、各貫通孔41内において、貫通孔31に流体Fが流入した方向とは直交する方向に流動して合流する。そして、合流した流体Fは、貫通孔41の三個の角部からそれぞれ直交する方向である第2連通孔80を通して三個の貫通孔51に再分流する。このように、全ての貫通孔31から流入した流体Fは、同様に、貫通孔31,41,51において、直交する方向に分流と合流と再分流を連続的に繰り返す。
したがって、貫通孔51から流出した流体Fの分散相は、分流と合流を繰り返しながら蛇行状にかつ拡散状に流動されることで、複数回にわたって流体間速度差で生じるせん断力を受けながら微細化される。そのため、マイクロメートルオーダーないしはナノメートルオーダーへの微細化生成が堅実にかつ効率良く行われる。この際、混合処理流路Rは、上流側から下流側(一層目から三層目)に向けて蛇行状にかつ拡散状に延伸して形成されているため、流体Fを混合処理しながら広範囲に拡散させることができる。その結果、流体Fの分散相は、ナノレベルに微細化されるとともに、流体Fの分散相は、連続相に均一化される。
[混合処理法についての説明]
本実施形態に係る混合処理法は、混合処理対象である複数の異なる流体Fが流動する流体流路60内において、流体Fを多数の混合処理流路R内に分流させるとともに、分流した流体Fを混合処理流路R内で流動させることで混合処理がなされるようにする。この際、各混合処理流路Rは、流体Fが流入する流入始端部と、流入始端部の投影面積の外方に離隔状態に配置された中途部と、流入始端部と相互に位置を違えて配列されて流体Fが流出する流出終端部とを具備して、流入始端部から流出終端部に向けて蛇行状にかつ拡散状に延伸するように形成されている。そして、各混合処理流路R内では、流体Fが混合処理されて、各混合処理流路Rの流出終端部から流出した流体Fが、流体流路60内で合流されるようにする。
具体的に説明すると、混合処理法は、流体Fが流動する流体流路60内に混合処理体20を配置することで、混合処理体20に形成した多数の混合処理流路Rの流入始端部(前面開口凹部S1)から流体Fが流入して、流体Fが多数に分流される。この際、各混合処理流路Rは、流体Fが流入する流入始端部である前面開口凹部S1を形成する貫通孔31の投影面積の外方に、流体Fが流出する流出終端部である後面開口凹部S3と連通する中途部である第2連通孔80が配置されて、上流側の前面開口凹部S1から下流側の後面開口凹部S3に向けて蛇行状にかつ拡散状に延伸するように形成されている。そのため、各混合処理流路R内で蛇行状に流動する流体Fの分散相は、流体間速度差により生起されるせん断力を受けてナノレベルに微細化されるとともに、前面開口凹部S1を形成する貫通孔31の周囲外方に大部分が拡散されて、連続相と均一化される。このように、本実施形態の混合処理法では、分流して流入した流体Fが各混合処理流路R内で混合処理された後に、各混合処理流路Rの後面開口凹部S3から流出して流体流路60内で合流される。
上記のように構成した混合処理体20は、流体流路60内に上流側から下流側に順次間隔をあけて直列的に複数個配置して、混合処理体20による混合処理を複数回にわたって連続的に繰り返すこともできる。そうすることで、流体Fの分散相の微細化及び分散相と連続相との均一化を向上させることができる。
本実施形態に係る混合処理方法によれば、例えば、連続相としての水と、分散相としての燃料油とを混合処理して、エマルション燃料油を生成することも、また、連続相としての水と、分散相としての酸素ガスとを混合処理して、酸素ガスが過飽和状態に溶存する高濃度酸素水Wo(図6参照)を生成することも、また、連続相としての水と、分散相としての窒素ガスとを混合処理して、水中に窒素ガスを溶解させた窒素水、換言すると、DO値(溶存酸素量)を、例えば、1mg/L以下となした低濃度酸素水となすことも、また、連続相としての湯ないしは水と、分散相としての炭酸ガスを混合処理して、高濃度炭酸泉を生成することもできる。ここで、高濃度炭酸泉とは、1リットル当たりの湯ないしは水に、1000ppm以上の炭酸ガス(遊離二酸化炭素)を溶解させたものである。
[流体混合器の構成についての説明]
図1〜図3に示すMは、本実施形態に係る流体混合器である。流体混合器Mは、その内部に前記した混合処理体20を具備しており、流体混合器Mの内部において、混合処理対象である複数の異なる流体Fを圧送状態にて流動させることで、混合処理体20により流体Fを微細化かつ均一化して混合するものである。
流体混合器Mは、図1〜図3に示すように、複数の異なる流体Fを加圧状態にて導入する導入口11を設けた混合ケース10に、導入口11から導入された流体Fを混合処理する混合処理体20を配設して、混合処理体20により混合された混合流体Fmが、混合ケース10に設けた導出口12を通して導出されるように構成している。
混合処理体20は、混合ケース10内において導入口11と導出口12を連通する流体流路60と直交状態に配置している。各板状層30,40,50には、それぞれ多数の貫通孔31,41,51を貫通状態に形成するとともに、縦横に整列させて形成している。隣接して積層する板状層30,40(40,50)同士の貫通孔31,41(41,51)は、相互に連通するとともに位置を違えて配列している。
このように構成した混合処理体20では、上流側である一層目の板状層30の各貫通孔31から流入した複数の異なる流体Fが、その板状層30に隣接して相互に連通するとともに位置を違えて配列した二層目の板状層40の各貫通孔41に蛇行しながら流入し、さらには、その板状層40に隣接して相互に連通するとともに位置を違えて配列した三層目の板状層50の各貫通孔51に蛇行しながら流入することで混合処理される。
混合処理体20は、三層の板状層30,40,50を一つのユニット層として、複数(本実施形態では、三個)のユニット層を混合ケース10内において流体流路60に沿わせるとともに間隔をあけて直列的に配置している。
また、混合処理体20は、三層の板状層30,40,50を一つのユニット層として、複数のユニット層を混合ケース10内において流体流路60に沿わせて積層して形成することもできる。すなわち、本実施形態では、三層の板状層30,40,50を一つのユニット層として混合処理体20を形成しているが、例えば、二つのユニット層を流体流路60に沿わせて積層させて単一の混合処理体20を形成し、この混合処理体20を混合ケース10内に間隔をあけて複数個配置することもできる。
より具体的に説明すると、混合ケース10は、四角形筒状に形成したケース本体13と、ケース本体13の前端面を閉塞する四角形板状の前端壁14と、ケース本体13の後端面を閉塞する四角形板状の後端壁15と、から形成している。前端壁14の中央部には、円形の導入口11を設けて、導入口11に後述する循環パイプJpの中途部の上流側端部を連通連結し、循環パイプJpを通して導入口11から流体Fを加圧状態にて導入するようにしている。後端壁15の中央部には、導入口11と同径で円形の導出口12を設けて、導出口12に循環パイプJpの中途部の下流側端部を連通連結し、混合処理体20により混合された混合流体Fmを導出口12から循環パイプJpを通して導出するようにしている。
混合処理体20を形成する三層の板状層30,40,50は、それぞれケース本体13の内周面形状と同形状の四角形板状で、かつ、同一肉厚に形成しており、これらの板状層30,40,50は、積層状態に一体的に接着して混合処理体20を形成している。そして、ケース本体13内に混合処理体20を流体流路60と直交状態に配置して収容している。
なお、混合ケース10の形状は、本実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、ケース本体13を円筒状に形成し、前・後端壁14,15をケース本体13の外径と同一の外径である円板状に形成し、板状層30,40,50をケース本体13の内径と同一の外径である円板状に形成することもできる。
混合処理体20間には、中継溜り空間Shを形成するとともに、導入口11と最上流側に配置した混合処理体20との間に導入口側溜り空間Suを形成している。一方、最下流側に配置した混合処理体20と導出口12との間には、導出口側溜り空間Sdを形成している。各溜り空間Su,Sh,Sh,Sdの間には、混合処理体20を連通させて配置している。
本実施形態では、混合ケース10内に複数(本実施形態では3個)の混合処理体20を上流側から下流側に向けて一定の間隔をあけて直列的に配設している。各混合処理体20の一層目の板状層30の貫通孔31は、導入口11側に向けて開口配置する一方、各混合処理体20の三層目の板状層50の貫通孔51は、導出口12側に向けて開口配置している。二層目の板状層40の貫通孔41は、貫通孔31と貫通孔51との間に連通状態で配置している。そして、混合ケース10の内周面と混合処理体20の外周面とは、密閉状態となして、流体Fは、貫通孔31,41,51を通して流体流路60を流動するようにしている。
このように構成した流体混合器Mでは、混合ケース10内に、三層の板状層30,40,50を一つのユニット層とする三個の混合処理体20が、流体流路60に沿って間隔をあけて直列的に配置されている。すなわち、混合ケース10内の導入口11と導出口12との間において、導入口側溜り空間Suと中継溜り空間Shとの間、中継溜り空間Shと中継溜り空間Shとの間、及び、中継溜り空間Shと導出口側溜り空間Sdとの間にそれぞれ混合処理体20を連通させて配置しているため、混合ケース10内を流動する流体Fは、流動抵抗のない各溜り空間Su,Sh,Sh,Sdと、流動抵抗となる各混合処理体20を交互に直列的に通過することで、堅実に脈流となって均一化される。そして、流動抵抗のない各溜り空間Su,Sh,Sdにおいては、流体Fが整流化されるため、均一化が促進される。
更に付言すると、流動抵抗が殆どない各溜り空間Su,Sh,Sh,Sd内を流動する流体Fの流速は、比較的大きいものの、混合機能を有する各混合処理体20中を流動する流体Fは、流動抵抗を受けてその流速が比較的低減される。そのため、混合ケース10内を流動する流体Fの流速は、大→小→大→小→大と変化(激変)されて、流体Fの流れが堅実な脈流となる。その結果、各混合処理体20中を流動際はもとより、混合ケース10内において脈流となって流動する際にもせん断効果が生起されて、相乗的なせん断効果が得られる。
各混合処理体20の上流側と下流側には、それぞれ各溜り空間Su,Sh,Sh,Sdを配置して、各混合処理体20の第1の板状層30の貫通孔31は、導入口11側に向けて開口配置する一方、各混合処理体20の第3の板状層50の貫通孔51は、導出口12側に向けて開口配置しているため、混合ケース10内における圧力損失を低減させることができる。そのため、流体混合器Mに流体を加圧して供給する後述の循環ポンプPaの電力消費量の低減を図ることができるとともに、混合処理済み流体である混合流体Fmの流出量(導出量)の増大化(効率化)を図ることができる。
本実施形態では、循環ポンプPaにより導入口11を通して混合ケース10に流体Fを加圧状態にて導入し、混合ケース10内に配設した混合処理体20により流体Fを混合して、混合された混合流体Fmを導出口12から混合ケース10外に導出することができる。
[気液混合処理装置の一形態としての高濃度炭酸泉生成装置の構成についての説明]
図4に示すAは、気液混合処理装置の一形態としての高濃度炭酸泉生成装置(以下、「生成装置」ともいう。)であり、生成装置Aは、流体混合器Mを備えており、流体混合器Mにより浴槽B内に満たした湯ないしは水(以下、「浴槽湯等」ともいう。)Wと炭酸ガスを混合することで、高濃度炭酸泉を生成可能としている。
生成装置Aは、図4に示すように、浴槽湯等W中に、循環流路形成配管としての循環パイプJpの両側端部を出し入れ自在に浸漬することで、循環パイプJpと浴槽Bとにより循環流路Cyを形成可能としている。循環パイプJpの中途部には、循環ポンプPaを配設している。浴槽湯等Wは、循環ポンプPaにより循環流路Cyを通して循環可能としている。循環パイプJpは、一側端部(上流側部)に吸入部1を設けるとともに、他側端部(下流側部)に吐出部2を設けて、これらの吸入部1と吐出部2を浴槽湯等W中に出し入れ自在としている。
生成装置Aは、1リットル当たりの湯ないしは水に、1000ppm以上の炭酸ガス(遊離二酸化炭素)を溶解させる装置である。ここで、1リットル当たりの湯ないしは水に、250ppm以上の炭酸ガス(遊離二酸化炭素)を溶解させたものを「炭酸泉」といい、1000ppm以上の炭酸ガス(遊離二酸化炭素)を溶解させたものを「高濃度炭酸泉」という。
すなわち、高濃度炭酸泉を生成する場合には、既存の浴槽B内に満たされた浴槽湯等W中に、吸入部1と吐出部2を浸漬させた状態に配置可能としている。また、高濃度炭酸泉を生成しない場合には、浴槽湯等W中から吸入部1と吐出部2を取り出した状態(収納状態)に配置可能としている。入浴者は、高濃度炭酸泉を生成中に浴槽B内に入浴することも、また、高濃度炭酸泉を生成後に浴槽B内に入浴することもでき、生成後の場合には、吸入部1と吐出部2を収納状態にしておくことで、ゆったり入浴することもできる。
循環パイプJpの中途部には、炭酸ガス供給パイプK1を介して炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給部K2を、循環ポンプPaの下流側に位置させて接続している。炭酸ガス供給部K2としては、炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生機や炭酸ガスボンベを採用することができる。炭酸ガス供給パイプK1の中途部には、炭酸ガスの供給量を調整するための炭酸ガス供給量調整弁V1を設けている。そして、炭酸ガス供給部K2において発生させた炭酸ガスは、炭酸ガス供給量調整弁V1により調整した量だけ炭酸ガス供給パイプK1を介して循環パイプJp内に供給可能としている。
炭酸ガス供給量調整弁V1の下流側に位置する炭酸ガス供給パイプK1の中途部には、三方弁V6を設け、三方弁V6には、圧縮空気供給パイプK3を介してコンプレッサCpを接続している。コンプレッサCpは、外気を取り込むとともに、圧縮状態となすことで、圧縮空気供給パイプK3と三方弁V6を介して循環パイプJp内に圧縮空気を供給可能としている。つまり、循環パイプJpには、三方弁V6を介して圧縮空気ないしは炭酸ガスを選択的に供給可能としている。
このように構成することで、循環ポンプPaの吐出口から吐出される浴槽湯等Wが循環パイプJp中に圧送される際に、循環パイプJpに炭酸ガス供給パイプK1、炭酸ガス供給量調整弁V1及び三方弁V6を介して接続した炭酸ガス供給部K2から炭酸ガスを循環パイプJp中に加圧状態で供給することができる。その結果、炭酸ガス供給量調整弁V1を介して浴槽湯等Wに混入される炭酸ガスの量を一定に確保することができる。この際、炭酸ガスの供給量は、適宜、炭酸ガス供給量調整弁V1を介して調整することができる。
そして、炭酸ガスを供給する前に、一定時間(例えば、1分間)、三方弁V6を介して圧縮空気を循環パイプJp中に加圧状態で供給することで、流体混合器Mにより空気を微細化して、浴槽湯等Wを白濁化、つまり、視覚化することができる。その直後に、三方弁V6を介して炭酸ガスを循環パイプJp中に加圧状態で供給することで、流体混合器Mにより炭酸ガスが微細化かつ不可視化されて、高濃度炭酸泉が生成される。つまり、視覚化された空気の気泡に、微細化かつ不可視化された炭酸ガスを追加することで、可視化された高濃度炭酸泉を生成することができる。
したがって、入浴者は、視覚的にも高濃度炭酸泉を堪能することができる。また、本実施形態では、高濃度炭酸泉の生成能力を確保したまま、消費電力が小さい循環ポンプPaを使用することができるので、生成装置Aの製造コストやランニングコストを低減させることができる。
循環パイプJpの中途部には、1μm未満を含む粒径まで炭酸ガスを微細化するとともに、浴槽湯等Wと均一に混合して気液混合流体となす流体混合器Mを、炭酸ガス供給部K2の下流側に位置させて配設している。Spは、浴槽B内に浴槽湯等Wを吐出する蛇口等の吐出口部、3は、浴槽Bの底部に接続した排水配管である。
流体混合器Mの流体導入側ないしは流体導出側には、圧力調整弁V2を設けて、流体混合器Mに導入される流体(浴槽湯等Wと炭酸ガス)の圧力と、流体混合器から導出される流体(浴槽湯等Wと炭酸ガスとの混合流体)の圧力との差を圧力調整弁V2により調整可能としている。本実施形態では、流体混合器Mの流体導出側に圧力調整弁V2を設けている。そして、流体混合器M中を流動することで微細化される炭酸ガス気泡の粒径分布を、圧力調整弁V2により適宜調整することができて、高濃度炭酸泉の濃度を高濃度域で調整することができる。
生成装置Aには、図5に示すように、コントローラCを設けており、コントローラCは、内部バスにより相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備えたコンピュータ装置である。CPUは、タイマを内蔵しており、ROMに格納された制御プログラムをRAMに読み込み、この制御プログラムにしたがって、圧力調整弁V2の開度等の演算を実行する。
コントローラCには、図5に示すように、操作部Opからの操作情報が入力インターフェースを介して入力される一方、操作情報を取得したコントローラCは、操作情報に基づいて制御プログラムにしたがった制御情報を生成し、生成した制御情報を、出力インターフェースを介して炭酸ガス供給量調整弁V1と圧力調整弁V2と各三方弁V3〜V6と循環ポンプPaのそれぞれに出力する。
すなわち、圧力調整弁V2は、コントローラCの出力側に電気的に接続し、コントローラCの入力側に操作部Opを電気的に接続して、操作部Opを操作することによりコントローラCを介して圧力調整弁V2の開度が所定の各時間帯で調整制御されるように構成している。コントローラCの出力側には、炭酸ガス供給量調整弁V1も電気的に接続して、操作部Opを操作することによりコントローラCを介して炭酸ガス供給量調整弁V1の開度が調整制御されるように構成している。
そして、上記した各調整弁V1,V2の開度や各時間帯の選択やその時間幅の設定等は、予め、入浴者の選択肢として制御プログラムしておき、制御プログラムが操作部Opを介して選択されると、コントローラCが選択された制御プログラムを実行するようにしている。また、各三方弁V3〜V6は、操作部Opの操作に適応してコントローラCにより切替制御されるようにしており、三方弁V6の切替により循環パイプJpへの圧縮空気ないしは炭酸ガスの選択的な供給を可能としている。圧縮空気が供給される時間(量)は、制御プログラムにしたがってコントローラCにより三方弁V6が開閉制御されることで設定される。
なお、コントローラCには、出力インターフェースを介して循環ポンプPaを駆動する電動モータと、コンプレッサCpを駆動する電動モータとを電気的に接続することで、循環ポンプPaの吐出圧(流体混合器Mの導入側の圧力)やコンプレッサCpの駆動をコントローラCにより制御することもできる。この場合、循環ポンプPaの吐出圧は、操作部Opにより設定することも、また、制御プログラムにしたがって調整されるようにすることもできる。
圧力調整弁V2の開度を調整する制御プログラムは、例えば、第1時間帯と第2時間帯と第3時間帯が順次連続して形成されるように作成することも、また、第1時間帯→第2時間帯→第3時間帯→第1時間帯→第2時間帯→第3時間帯のように繰り返し連続して形成されるように作成することも、また、第1時間帯と第2時間帯と第3時間帯が形成される順序を反対に作成することも、また、第1時間帯と第2時間帯と第3時間帯が形成される順序を不規則にするように作成することも、また、第1〜第3時間帯の内の少なくとも一つの時間帯を選択可能に作成することもできる。つまり、入浴者の好みに応じて、操作部Opを操作することで、各時間帯の選択やその時間幅の任意の設定等を行うことができる。
このように構成した生成装置Aでは、第1時間帯と第2時間帯と第3時間帯とを有しているため、高濃度炭酸泉の短時間生成と、入浴者の肌の表面へのマイクロメートルオーダーの炭酸ガス気泡群の付着体験と、を所定の短時間内に実現することができる。例えば、入浴直前に第1時間帯を設定することで高濃度炭酸泉を短時間に生成し、入浴時に第2時間帯及び/又は第3時間帯を設定することで入浴者の肌の表面へのマイクロメートルオーダーの炭酸ガス気泡群の付着体験を実現することもできる。そして、操作部Opを介してコントローラCにより圧力調整弁V2が所定の各時間帯で調整制御されるとともに、各時間帯の設定時間幅も調整自在とすることで、入浴者の好みの選択肢を増大させることができて、入浴者は、高濃度炭酸泉の効能とバブル入浴の楽しさを満喫することができる。
前記した循環パイプJpには、逆洗流路Bwを連通連結している。すなわち、逆洗流路Bwは、流体混合器Mの直上流側に位置する循環パイプJpの部分に、上流側三方弁V3を介して逆洗用迂回パイプUの一側端部を連通連結する一方、流体混合器Mの直下流側に位置する循環パイプJpの部分に、下流側三方弁V4を介して逆洗用迂回パイプUの一側端部を連通連結して形成している。逆洗用迂回パイプUの中途部には、中途部三方弁V5を設けて、中途部三方弁V5を介して排水収容部Hを連結している。
このように構成した逆洗流路Bwは、上・下流側三方弁V3,V4を介して循環パイプJpと逆洗用迂回パイプUを連通させることで形成される。そして、洗浄水を循環ポンプPaにより逆洗流路Bw内で所要回数だけ循環させることで、流体混合器Mの下流側から上流側に洗浄水を逆流させて流体混合器M内を洗浄(逆洗)処理することができる。逆洗処理後は、逆洗用迂回パイプUの中途部に設けた中途部三方弁V5を介して排水収容部Hに洗浄排水を排出することができる。その後は、各三方弁V3,V4,V5を復元操作することで循環流路Cyを復元するとともに、浴槽B内に浴槽湯等Wを収容することで、高濃度炭酸泉の生成処理を再開することができる。
本実施形態では、上・下流側三方弁V3,V4を操作して逆洗流路Bwを形成することで、流体混合器Mの下流側から上流側に洗浄水を逆流させて流体混合器M内を洗浄(逆洗)処理することができる。逆洗処理後は、中途部三方弁V5を介して排水収容部Hに洗浄排水を排出することができる。その後は、各三方弁V3,V4,V5を復元操作することで簡単に流体混合処理を再開することができる。このように、適宜、逆洗処理をすることで、流体混合器Mの流体混合機能を良好に確保することができる。
本実施形態の循環ポンプPaは、陸上用ポンプを採用しているが、この陸上用ポンプに代えて水中ポンプを採用することもできる。水中ポンプを採用した生成装置Aは、炭酸ガス供給部K2を除いて、浴槽B内の浴槽湯等W中に浸漬させた状態に配置することができる。
循環ポンプPaとして水中ポンプを採用した場合には、浴槽B内の浴槽湯等W中に生成装置Aを浸漬させた状態に配置することで、浴槽B内の浴槽湯等Wを高濃度炭酸泉となすことができる。この場合、浴槽湯等W中に生成装置Aを配置するだけであるため、循環パイプJpの短縮化を図ることができる。
[他実施形態としての気液混合処理装置の構成についての説明]
図6に示すEqは、本実施形態に係る気液混合処理装置である。気液混合処理装置Eqは、異なる種類の流体を混合処理する流体混合処理装置の一形態であり、図6に示すように、流体Fとしての液体と、流体Fとしての気体を、循環流路Jを通して加圧ポンプである循環ポンプPaにより循環させながら気・液混合処理するように構成している。
循環流路Jには、液体を収容する液体収容タンクTと、循環ポンプPaと、流体混合器Mと、を直列的に順次配設するとともに、循環ポンプPaと流体混合器Mとの間に位置する循環流路Jの部分には、気体供給パイプGpを介して、気体を供給する気体供給部Gfを接続して、気体供給部Gfの下流側に配設した流体混合器M内で、気体と液体を混合処理するようにしている。気体供給パイプGpの中途部には、気体の供給量を調整するための気体供給量調整弁V7を設けている。
より具体的に説明すると、循環流路Jは、循環ポンプPaの吸引口に基端部を接続した吸引パイプ91と、循環ポンプPaの吐出口に基端部を接続して、中途部に流体混合器Mを配設した吐出パイプ92と、液体収容タンクTと、から形成している。吸引パイプ91の先端部(自由端部)には、吸引フィルタ93を取り付けて、液体収容タンクT内の液中に吸引フィルタ93を配置している。一方、吐出パイプ92の先端部(自由端部)には、吐出フィルタ94を取り付けて、液体収容タンクT内に配置している。吸引パイプ91と吐出パイプ92は、前記した循環パイプJpを形成している。なお、流体混合器Mは、導出パイプ56を取り外した状態で、液体収容タンクT内に収容された液体中に浸漬させて配置することもできる。そうすることで、配管スペース等を削減することができる。
そして、循環ポンプPaにより、液体収容タンクT内に収容された液体を、吸引パイプ91を通して吸引するとともに、吐出パイプ92を通して液体収容タンクT内に吐出することで、液体収容タンクT内に収容された液体を、循環流路Jを通して循環させることができる。この際、吐出パイプ92の中途部に接続した気体供給部Gfの下流側には、流体混合器Mを配設しており、流体混合器Mには、気体供給部Gfから供給された気体と液体収容タンクT内から吸引された液体が導入(供給)される。流体混合器M内では、気体と液体が均一に混合処理されるとともに、分散相としての気体が微細化されて、液体収容タンクT内に導出される。このように、気体と液体は、循環流路Jを通して一定回数、ないしは、一定時間だけ循環させることで、気体をナノレベルに微細化するとともに、気体と液体とをより一層均一に混合処理することができる。
本実施形態に係る気液混合処理装置Eqは、流体混合器Mに、液体としての養殖水と気体としての酸素ガスを導入して、高濃度酸素水Woを生成するように構成している。そして、導入する液体と気体の組み合わせを変更することで、前記した低濃度酸素水や高濃度炭酸泉等を生成するように構成することもできる。また、他の流体Fの組み合わせ、すなわち、液体と液体、粉体と液体を導入して、これらを混合処理する流体混合処理装置を構成することで、前記したエマルション燃料油等を生成することもできる。
[魚介類養殖システムの構成についての説明]
図6に示すSyは、本実施形態に係る魚介類養殖システムであり、魚介類養殖システムSyは、前記した気液混合処理装置Eqと、魚介類を養殖(以下、「飼育」とも言う。)する養殖槽と、を備えている。そして、魚介類養殖システムSyは、気液混合処理装置Eqにより、分散相としての酸素ガスを、1μm未満を含む粒径まで微細化するとともに、連続相としての養殖水と均一に混合処理して、養殖水に酸素ガスが過飽和状態に溶存された高濃度酸素水Woを生成し、生成した高濃度酸素水Woは、養殖槽に供給されるようにしている。
ここで、養殖水とは、魚介類を養殖するための水や海水や塩水等である。酸素の溶解度は、水温が高くなると小さくなる(溶けにくい)という相関性を有しており、水中の飽和溶存酸素量と水温の相関性は既知のものである。したがって、溶存酸素飽和度(%)は、所定の水温における高濃度酸素水Woの溶存酸素(DO:Dissolved Oxygen)の濃度(溶存酸素量)を測定し、その溶存酸素量を飽和溶存酸素量で除して、その除した値に100を乗じることで算出することができる。溶存酸素飽和度(%)が100%を超えたときは、過飽和という。本実施形態の魚介類養殖システムSyでは、気液混合処理装置Eqにより生成される高濃度酸素水Wo、つまり、酸素ガスが過飽和状態に溶存された高濃度酸素水Woの溶存酸素量(DO値)の好適な範囲として、例えば、DO値を9mg/L〜20mg/Lの範囲に調整することができる。
本実施形態の魚介類養殖システムSyについて、具体的に説明すると、魚介類養殖システムSyは、気液混合処理装置Eqの液体収容タンクT内に養殖水を収容し、この養殖水中に養殖水を補給する給水流路Wsの先端部と、高濃度酸素水Woを供給する供給流路Wfの基端部を浸漬して、給水流路Wsの上流側部と供給流路Wfの下流側部とを、接続流路Cfを介して接続している。
給水流路Wsは、給水パイプ95内に形成されている。給水パイプ95の基端部は、給水源としての給水部Whに接続する一方、給水パイプ95の先端部には、給水フィルタ96を取り付けて、給水フィルタ96を液体収容タンクT内に配置している。給水パイプ95の中途部には、給水用ポンプPbを配設して、給水用ポンプPbにより給水部Whから養殖水を液体収容タンクT内に給水可能としている。そして、液体収容タンクT内の養殖水は、気液混合処理装置Eqにより酸素ガスと混合処理されて、酸素ガスが過飽和状態に溶存された高濃度酸素水Wo、つまり、所望のDO値を有する高濃度酸素水Woになるようにしている。
供給流路Wfは、供給パイプ97内に形成されている。供給パイプ97の基端部には、供給フィルタ98を取り付けて、供給フィルタ98を液体収容タンクT内の高濃度酸素水Wo中に浸漬する一方、供給パイプ97の先端部は、供給水を排出する排水部Wdに接続している。供給パイプ97の中途部には、生物濾過装置Bfと、養殖槽Ftと、沈殿槽Dpと、物理濾過装置Pfと、を上流側から下流側に直列的に連通させて配設している。生物濾過装置Bfの上流側に位置する供給パイプ97の部分には、供給用ポンプPcを配設して、供給用ポンプPcにより液体収容タンクT内に収容された高濃度酸素水Woを養殖槽Ftに供給可能としている。
接続流路Cfは、接続パイプ99内に形成されている。接続パイプ99の一側端部は、物理濾過装置の下流側に位置する供給パイプ97の部分に第1三方弁V8を介して接続する一方、接続パイプ99の他側端部は、給水用ポンプPbの上流側に位置する給水パイプ95の部分に第2三方弁V9を介して接続している。そして、第1三方弁V8を介して供給パイプ97と接続パイプ99を遮断する(非連通状態にする)ことで、沈殿槽Dpから排出された排水を排水部Wdに導出させる非循環式となすことができる。
また、第1三方弁V8を介して供給パイプ97と接続パイプ99を連通させるとともに、第2三方弁V9を介して接続パイプ99と給水パイプ95を連通させることで、供給パイプ97内の供給水を、接続パイプ99→給水パイプ95→液体収容タンクT内に所望の量だけ還流可能な循環式となすことができる。つまり、液体収容タンクTの換水量を適宜調節することができる。非循環式となすか、循環式となすかは、養殖する魚介類の種類に適応させて選択する。
魚介類養殖システムSyが装備している気液混合処理装置Eqは、前記したように、酸素ガスをナノレベル(外径が1μm未満)の気泡となして養殖水に混合させることで、養殖水に酸素ガスが過飽和状態に溶存された高濃度酸素水Woを生成する。
具体的に説明すると、気液混合処理装置Eqは、分散相としての酸素ガスの90%以上を、ナノレベルの気泡(外径が1μm未満、好ましくは、100nm以下の気泡;以下「ナノ気泡」とも言う。)に微細化するとともに、養殖水に均一化させて混合可能としている。気液混合処理装置Eqにより生成される高濃度酸素水Woには、過飽和状態に酸素ガスを溶存させるようにしている。すなわち、高濃度酸素水Woの溶存酸素飽和度が100%以上の過飽和状態(例えば、140%)となるようにしている。気液混合処理装置Eqから供給される際の高濃度酸素水Woの溶存酸素飽和度は、適宜調整することが可能であり、この調整は、気液混合処理装置Eqへの酸素ガスの導入量を、養殖槽Ft内で養殖する魚介類の種類や大きさや個体数等に適応させて行う。また、養殖する魚介類の環境条件である高濃度酸素水Woの水温等も適宜検出して、所定の水温等に確保する。
生物濾過装置Bfは、特に、魚介類養殖システムSyが循環式を採用した場合に必要とされるものである。すなわち、生物濾過装置Bfは、還流された高濃度酸素水Wo中に含まれる毒性の高い魚介類の排泄物のアンモニアを、好気性バクテリアである硝化細菌の働きにより、亜硝酸を経由して毒性の低い硝酸に酸化させる生物濾過処理を行うようにしている。硝化細菌の培地としては浸漬型濾材を用いている。生物濾過処理を行う生物濾過装置Bfの容器の大きさおよび必要濾材量は、養殖槽Ftで養殖される魚介類の大きさと個体数により変化するため、アンモニアなどの窒素排泄量と濾材のアンモニア酸化速度に基づいて適宜設計する。また、生物濾過装置Bfで生物濾過処理された後に養殖槽Ftに供給(還流)される高濃度酸素水Woにも過飽和状態(例えば、120%)に酸素ガスが溶存されているようにしている。養殖槽Ftに還流される高濃度酸素水Woの溶存酸素飽和度の調整は、予め気液混合処理装置Eqから生物濾過装置Bfに導入される際の高濃度酸素水Woの溶存酸素飽和度を、養殖槽Ft内で飼育する魚介類の種類や大きさや個体数等に応じて適宜調整することにより行うことができる。
養殖槽Ftは、魚介類を養殖するための水槽であり、プラスチックシート等の防水性のシートを上面開口の箱形に張設して形成している。養殖槽Ftには、供給流路Wfの上流側から高濃度酸素水Woが供給されて、一定量の高濃度酸素水Woが養殖槽Ft内に貯溜されるようにしている。そして、供給流路Wfの上流側から常時所定量の高濃度酸素水Woが養殖槽Ftに供給されるとともに、常時所定量の高濃度酸素水Woが養殖槽Ftからオーバーフローされて供給流路Wfの下流側に放出されるようにしている。つまり、養殖槽Ftでは、所定量の高濃度酸素水Woが常時入れ替えられている。D1は第1排水路であり、第1排水路D1を通して、養殖槽Ftの底部を掃除した際の魚介類の糞や残餌や排水等を系外の所定箇所へ排出可能としている。
沈澱槽Dpは、養殖槽Ftから流出される高濃度酸素水Woを導入して、高濃度酸素水Woよりも比重の大きい魚類の糞と残餌を沈降させて捕集し、残餌等が捕集・分離された処理水としての高濃度酸素水Woを供給流路Wfの下流側に流出させるようにしている。
物理濾過装置Pfは、沈澱槽Dpから流出された処理水としての高濃度酸素水Woを濾過処理するものである。物理濾過装置Pfは、プラスチック製の網または多孔体若しくは金網、ガラスフィルタ等のスクリーン状のもので構成されている。D2は第2排水路であり、第2排水路D2を通して、物理濾過処理物を系外の所定箇所へ排出可能としている。
上記のように構成した魚介類養殖システムSyでは、図5に示すコントローラCの出力側に、各ポンプPa,Pb,Pcや各弁V7,V8,V9を電気的に接続している。そして、コントローラCにより各ポンプPa,Pb,Pcや各弁V7,V8,V9を適宜制御可能として、養殖槽Ft内の魚介類に、その種類に適応した溶存酸素過飽和状態の高濃度酸素水Woを供給することで、魚介類の生育効率の高い養殖を実現可能としている。この際、魚介類の生育効率を向上させる大きな要因である酸素ガスは、高濃度酸素水Woに過飽和状態で溶存されている。しかも、酸素ガスは、1μm未満を含む粒径に微細化されている。
具体的には、本実施形態の気液混合処理装置Eqにより生成した高濃度酸素水Woの酸素ガス粒径を、Malvern社製(マルバーン社製)のナノ粒子解析装置「NanoSight(ナノサイト):製品名」により測定したところ、モード径(最頻値)が98.7nm、平均径が132.4nmに微細化されていた。測定した高濃度酸素水WoのDO値は、13mg/Lであった。
高濃度酸素水Woは、上記のようにナノレベルに微細化された酸素ナノバブルと、過飽和状態に酸素ガスが溶存された高濃度溶存酸素との相乗効果を有している。すなわち、酸素ナノバブルは、魚介類に対して高浸透性を有し、マイナスに帯電しているという特性を持つため、プラスに帯電した知覚神経部位に容易に付着する。その結果、知覚神経の刺激を通して血流促進、成長促進、適応力向上等の生理活性効果を発現する。一方、高濃度溶存酸素も、次のように同様の効果を及ぼすものと推考することができる。すなわち、生きている魚介類は、呼吸を通して好気的解糖系によってアデノシン三リン酸(ATP)を生産する。高濃度溶存酸素中で生息する魚介類は、多量のATPを生成することになる。ATPは、いわばエネルギー貯蔵物質であり、その加水分解によってエネルギーを放出する。したがって、高濃度でATPを含有する魚介類ほど細胞は高活力であり、成長力、適応力、病原菌に対する免疫力は大きい。
魚介類養殖システムSyでは、高濃度酸素水Woで満たされた養殖槽Ft内において、成長過程中での初期ステージから所望の成長ステージまで効率良く生育する養殖が可能である。
[魚介類養殖法についての説明]
本実施形態に係る魚介類養殖法は、養殖水と酸素ガスとからなる流体Fが流動する流体流路60内において、流体Fを多数の混合処理流路Rに分流させるとともに、分流した流体Fを混合処理流路R内で流動させることで、1μm未満を含む粒径まで酸素ガスを微細化するとともに、養殖水と均一に混合処理して、養殖水に酸素ガスが過飽和状態に溶存された高濃度酸素水Woとなし、高濃度酸素水Wo中にて魚介類を養殖することで、魚介類の成長を促進させるものである。
具体的に説明すると、魚介類養殖法は、魚介類養殖システムSyに備えた気液混合処理装置Eqに、流体混合器Mを装備させることで、酸素ガスをナノレベルに微細化するとともに、養殖水に過飽和状態に溶存させて高濃度酸素水Woを生成し、高濃度酸素水Woを魚介類養殖システムSyに備えた養殖槽Ftに供給して、養殖槽Ft内で魚介類を養殖するものである。
本実施形態に係る魚介類養殖法では、酸素ガスをナノレベルに微細化して過飽和状態に養殖水に溶存させた高濃度酸素水Woにより魚介類を養殖するようにしているため、短期間に魚介類を成長させることができる。特に、漁獲した天然の魚介類の体重を、2〜3ヶ月の短期間の間に2.5倍以上に堅実に増大成長させることが可能な育成(蓄養)を実現することができる。
[実施例1]
実施例1として、前記のように構成した生成装置Aにより高濃度炭酸泉を生成する実験を行った。循環ポンプPaとしてはエレポン化工機(株)製の「マグネットポンプ」(商品名)を使用した。浴槽湯300リットル内に生成装置Aの吸入部1と吐出部2を浸漬させて、循環ポンプPaを駆動させた。この時の浴湯の温度は41℃であった。循環ポンプPaの駆動開始から20分経過後の浴湯の炭酸濃度を計測すると、1028ppmの高濃度炭酸泉になっていた。そして、循環ポンプPaの駆動を停止させて、45分経過後に浴湯の炭酸濃度を計測すると、炭酸濃度は1012ppmの高濃度炭酸泉の状態に保持されていた。また、浴湯の温度を40℃〜42℃に保持したまま、循環ポンプPaを2時間にわたって継続して駆動させた。この場合にも、炭酸濃度は1000ppm以上の高濃度炭酸泉の状態に維持されていた。
以上のことから、生成装置Aによれば、通常の浴槽湯(例えば、容積300リットルの浴槽、浴槽湯の温度41℃)を25分未満で堅実に高濃度炭酸泉となすことができるとともに、生成装置Aの駆動停止後も高濃度炭酸泉の状態が45分間以上保持されることが分かった。
[実施例2]
実施例2として、前記のように構成した魚介類養殖システムSyによりヒラメを育成(畜養)する実験を行った。前記した気液混合処理装置Eqにより生成した高濃度酸素水Wo(酸素ガス粒径のモード径(最頻値)が98.7nm、平均径が132.4nm、DO(溶存酸素)値が13mg/L)を、魚介類養殖システムSyの養殖槽Ftに供給した。そして、養殖槽Ft内で、漁獲した天然のヒラメ90匹を、30匹ずつ三つに小分けして育成(蓄養)する試験を行った。
その結果、60日の短期間の間に、残存した84匹のヒラメの平均体重は2.72倍、平均全長は1.42倍に増大成長していた。このことから、本実施形態の魚介類養殖システムSyは、短期間での魚介類の育成にも有効であることが分かった。
A 高濃度炭酸泉生成装置
M 流体混合器
Cy 循環流路
Jp 循環パイプ
K1 炭酸ガス供給パイプ
K2 炭酸ガス供給部
F 流体
Fm 混合流体
Sy 魚介類養殖システム
W 湯ないしは水(浴槽湯等)
Wo 高濃度酸素水
10 混合ケース
11 導入口
12 導出口
20 混合処理体
30 一層目の板状層
40 二層目の板状層
50 三層目の板状層

Claims (11)

  1. 板状層を三層に積層して、混合処理対象である複数の異なる流体が流動することで混合処理される多数の混合処理流路を形成した混合処理体であって、
    各混合処理流路は、
    一層目の板状層に形成されて、流体が流入する流入始端部と、
    二層目の板状層に形成されて、流入始端部に連通されるとともに、流入始端部の周囲外方に配置された中途部と、
    三層目の板状層に形成されて、中途部に連通されるとともに、流入始端部と相互に位置を違えて配置されて流体が流出する流出終端部と、
    を具備して、流入した流体が流入始端部から中途部を通して流出終端部まで蛇行状に流動するように形成されている混合処理体。
  2. 請求項1記載の各混合処理流路は、流入始端部内に流体が流入する方向と、中途部内に流体が流入する方向と、を同一方向とし、かつ、これらの流体が流入する方向と、流入始端部から中途部に流体が流動する方向と、を直交する方向となして、流入した流体が流入始端部から中途部を通して流出終端部まで直角に折れ曲がり状に蛇行しながら流動するように形成されている混合処理体。
  3. 混合処理対象である複数の異なる流体が流動する流体流路内に、請求項1又は2記載の混合処理体を配置して、
    混合処理体が具備する各混合処理流路の流入始端部から流体が流入するとともに、各混合処理流路内で流体が流動することで、流体が混合処理されるようにし、
    混合処理された後の流体は、各混合処理流路の流出終端部から流出するとともに、流体流路内で合流するようにする混合処理法。
  4. 混合処理対象である複数の異なる流体が流動する流体流路を形成する混合ケースと、
    混合ケース内に形成された流体流路内に配設する請求項1又は2記載の混合処理体と、
    を具備する流体混合器。
  5. 請求項4記載の混合ケース内には、複数の混合処理体を流体流路に沿わせるとともに間隔をあけて直列的に配置している流体混合器。
  6. 請求項4又は5記載の流体混合器と、
    流体混合器内に、流体としての液体と、流体としての液体又は気体を導入させる手段と、
    を備えて、液体と液体、又は、液体と気体が混合処理されるように構成している流体混合処理装置。
  7. 液体としての水と、液体としての燃料油とが混合処理されて、エマルション燃料油が生成されるように構成している請求項6記載の流体混合処理装置。
  8. 液体としての水と、気体としての窒素ガスとが混合処理されて、水中に窒素ガスが溶解された窒素水が生成されるように構成している請求項6記載の流体混合処理装置。
  9. 液体としての湯ないしは水と、気体としての炭酸ガスとが混合処理されて、湯中ないしは水中に炭酸ガスが溶解された炭酸泉が生成されるように構成している請求項6記載の流体混合処理装置。
  10. 液体としての水と、気体としての酸素ガスとが混合処理されて、水に酸素ガスが溶存された酸素水が生成されるように構成している請求項6記載の流体混合処理装置。
  11. 請求項10記載の流体混合処理装置と、魚介類を養殖する養殖槽と、を具備し、
    流体混合処理装置により生成された酸素水は養殖水として、養殖槽に供給されるようにしている魚介類養殖システム。
JP2016234962A 2015-07-27 2016-12-02 混合処理体、混合処理法、流体混合器、流体混合処理装置、及び、魚介類養殖システム Active JP6176881B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015147427 2015-07-27
JP2015147427 2015-07-27

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016145261A Division JP6126729B2 (ja) 2015-07-27 2016-07-25 混合処理体、混合処理法、流体混合器、気液混合処理装置、及び、魚介類養殖システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017047423A JP2017047423A (ja) 2017-03-09
JP6176881B2 true JP6176881B2 (ja) 2017-08-09

Family

ID=57944749

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016145261A Active JP6126729B2 (ja) 2015-07-27 2016-07-25 混合処理体、混合処理法、流体混合器、気液混合処理装置、及び、魚介類養殖システム
JP2016234962A Active JP6176881B2 (ja) 2015-07-27 2016-12-02 混合処理体、混合処理法、流体混合器、流体混合処理装置、及び、魚介類養殖システム

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016145261A Active JP6126729B2 (ja) 2015-07-27 2016-07-25 混合処理体、混合処理法、流体混合器、気液混合処理装置、及び、魚介類養殖システム

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP6126729B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019103971A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 Kyb株式会社 気泡含有液体製造装置、気泡含有液体製造方法及び気泡含有液体製造システム
JP6488452B1 (ja) * 2018-01-12 2019-03-27 トスレック株式会社 貝類の浄化方法および貝類の浄化システム
WO2019138590A1 (ja) * 2018-01-12 2019-07-18 トスレック株式会社 貝類の浄化方法および貝類の浄化システム
GB201817692D0 (en) 2018-10-30 2018-12-19 Ge Healthcare Mixing device
KR102341220B1 (ko) * 2021-04-02 2021-12-20 김의진 용존산소공급을 통한 정체수역 수질정화 시스템

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013135834A (ja) * 2011-10-24 2013-07-11 Mg Grow Up:Kk 陳列台
JP6046465B2 (ja) * 2012-11-22 2016-12-14 株式会社Mgグローアップ 静止型流体混合装置
JP2014124541A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Mg Grow Up:Kk 静止型流体混合装置
JP2014210214A (ja) * 2013-04-16 2014-11-13 株式会社Mgグローアップ 窒素ナノバブル水および窒素ナノバブルを用いた水の処理方法
JP6234723B2 (ja) * 2013-07-08 2017-11-22 株式会社Mgグローアップ 流体混合装置
JP2016064400A (ja) * 2014-04-04 2016-04-28 アイセル株式会社 流体を混合又は攪拌する技術

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017024002A (ja) 2017-02-02
JP6126729B2 (ja) 2017-05-10
JP2017047423A (ja) 2017-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6176881B2 (ja) 混合処理体、混合処理法、流体混合器、流体混合処理装置、及び、魚介類養殖システム
JP6353147B2 (ja) 閉鎖循環濾過養殖システム
US20220312747A1 (en) Recirculating aquaculture system using biofloc fermenter and aquaponics
TWI568349B (zh) Bivalve mound and other benthic organisms breeding device
JP6916873B2 (ja) 水からの硝酸塩の除去
KR102379024B1 (ko) 나노버블수 생성장치
JP4870174B2 (ja) 水処理装置および水処理方法
CN104115781A (zh) 水族箱循环水净化装置
CN103070127A (zh) 一种组合式模块化循环水养殖系统
JP6092454B1 (ja) 閉鎖循環式養殖システム
JP2007159507A (ja) 貝類養殖槽および貝類養殖方法
CN108935268A (zh) 海鲜暂养水循环净化系统及其海鲜暂养机
WO2018211513A1 (en) Method and system for maintaining water quality
JP6383119B2 (ja) 混合処理体、混合処理法、流体混合器、流体混合処理装置、魚介類養殖システム、及び、魚介類養殖法
JP2009172469A (ja) 水処理方法および水処理装置
KR20100022879A (ko) 양식장의 수질 및/또는 지질을 개선하는 방법과 시스템
JP6339722B2 (ja) 高濃度炭酸泉生成装置
CN207259340U (zh) 水产精养污水循环处理装置
KR101507710B1 (ko) 마이크로 버블을 이용한 해수처리 시스템 및 이를 이용한 해수처리 방법
KR100514440B1 (ko) 음이온산소 및 자화기능수의 제조장치
KR20160147096A (ko) 초미세기포(나노버블) 생성 장치를 포함하는 양식장
CN203985601U (zh) 水族箱循环水净化装置
JP2021193946A (ja) 養殖装置および養殖方法
Ranjan et al. Recirculating Aquaculture System engineering: Design, components and construction
KR20220151395A (ko) 복수 개의 임펠러 및 디퓨저를 포함하는 마이크로 버블 생성장치

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161222

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170407

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170407

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6176881

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250