JPWO2015107596A1 - モータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
本発明のモータ駆動装置(1)は、過電流検出部(17)と、過電流調整部(17a)とを備えることにより、モータが過負荷の状態となったときに、駆動装置に過熱状態が発生することを防止する。過電流調整部(17a)は、レギュレータ電源(55)と、入力電圧発生器(14)と、電圧電流変換部(15)と、オフセット電圧発生器(12)と、を有する。入力電圧発生器(14)は、第2の接続点(51)を介して、感温器(13)と直列に接続される。電圧電流変換部(15)は、感温器(13)が検出した結果に応じて、所定の電流を出力する。過電流検出部(17)には、電流検出抵抗器(4)に発生した電圧に対して、オフセット電圧発生器(12)で調整された電圧が伝達される。
Description
本発明は、モータの駆動装置に関するものであり、特に、モータが過負荷の状態となったときに、駆動装置に過熱状態が発生することを防止する。
従来、モータは、インバータ部を介して、モータが含む駆動巻線に、駆動電流が供給される。モータが駆動されている際、モータが過負荷の状態になることがある。モータが過負荷の状態になると、インバータ部の温度が過度に上昇する。インバータ部の温度が過度に上昇することを防止する手段として、つぎのものがある。すなわち、インバータ部には、温度を検出する感温素子が取り付けられる。モータが過負荷の状態になったとき、感温素子は、インバータ部の温度が上昇していることを検出する。感温素子が、インバータ部の温度が上昇していることを検出すると、駆動巻線に供給される電力は減らされる、あるいは、駆動巻線に供給される電力は停止される。
モータが高温になっているとき、駆動巻線に供給される電力を減らす技術として、例えば、特許文献1に開示されたものがある。以下、図面を用いて、特許文献1の概要を示す。
図11Aは、従来のモータ駆動装置の構成図である。図11Bは、図11Aで示したモータ駆動装置を構成する要部の拡大図である。図12Aは、従来のモータ駆動装置の抵抗変化比の特性図である。図12Bは、従来のモータ駆動装置の電流制限値の特性図である。
図11Aに示す構成図には、直流電源40と、インバータ回路28と、電流検出抵抗器41と、過電流検出回路35などが示される。インバータ回路28は、スイッチング素子Q11〜スイッチング素子Q16を含む。直流電源40が含む+端子38と直流電源40が含む−端子39との間には、インバータ回路28と、電流検出抵抗器41とが、直列に接続される。
図11Bには、過電流検出回路35の内部構成が示される。過電流検出回路35は、正特性を有する感温抵抗器42と、抵抗器43(R101)とを有する。感温抵抗器42が含む一方の端子は、電流検出抵抗器41と接続される。感温抵抗器42が含む他方の端子は、コンパレータ36の入力端子と接続されるとともに、抵抗器43(R101)を介して、定電圧源44(E)にプルアップされる。
図12Aには、感温抵抗器42の抵抗値に関する温度変化比が示される。正特性を有する感温抵抗器42について、温度変化比は、雰囲気温度25℃を基準とする。
図12Bには、過電流検出回路35について、電流制限値の温度変化が示される。
モータ45が過負荷の状態となり、駆動巻線46、47、48に大きな電流が供給され続けると、モータ45の温度とモータ駆動装置の温度は上昇する。しかし、過電流検出回路35で制限できる電流の制限値は、正特性を有する感温抵抗器42の特性により、モータ45等の温度が上昇することに反して、急激に低下する。よって、駆動巻線46、47、48に供給される電流が減るため、モータ45等の温度上昇が抑制される。
本発明が対象とするモータ駆動装置は、インバータ部と、電流検出抵抗器と、過電流検出部と、過電流調整部と、を備える。
インバータ部と電流検出抵抗器とは、直流電源が含む正極側出力部と直流電源が含む負極側出力部との間で、第1の接続点を介して、直列に接続される。インバータ部は、複数のスイッチング素子を含む。電流検出抵抗器は、インバータ部を通る電流が流される。直流電源から取り出された電力は、インバータ部を介して、モータに供給される。モータは、複数の駆動巻線を含む。
電流検出抵抗器に発生する電圧が、所定の電圧値に達した際、過電流検出部は、複数のスイッチング素子をオフ状態にする。
感温器は、インバータ部の温度を検出する。過電流調整部は、感温器が検出した結果に基いて、過電流検出部に伝達される、電流検出抵抗器に発生した電圧を調整する。
過電流検出部は、第1の入力端子と、第2の入力端子と、第1の出力端子と、を含む、比較器を有する。
第1の入力端子は、電流検出抵抗器に発生する電圧が入力される。第2の入力端子は、予め設定された所定の基準電圧が入力される。比較器は、電流検出抵抗器に発生する電圧と基準電圧とを比較する。第1の出力端子は、比較器にて比較された結果を出力する。
過電流調整部は、レギュレータ電源と、入力電圧発生器と、電圧電流変換部と、オフセット電圧発生器と、を有する。
レギュレータ電源は、正極側端子と、負極側端子と、を含む。正極側端子と負極側端子との間において、入力電圧発生器は、第2の接続点を介して、感温器と直列に接続される。
電圧電流変換部は、電源接続端子と、第3の入力端子と、第2の出力端子と、を含む。電源接続端子は、正極側端子に接続される。第3の入力端子は、第2の接続点に接続される。第3の入力端子から入力される、感温器が検出した結果に応じて、第2の出力端子は、所定の電流を出力する。
オフセット電圧発生器は、第1の端子と、第2の端子と、を含む。第1の端子は、第1の入力端子および第2の出力端子に接続される。第2の端子は、第1の接続点を介して、電流検出抵抗器と接続される。
第1の入力端子に入力される電圧は、電流検出抵抗器に発生した電圧に対して、オフセット電圧発生器で調整された電圧が伝達される。
本発明の実施の形態であるモータ駆動装置は、後述する構成により、インバータ部に流される電流を制限する、電流の制限値を、変更できる。
つまり、従来のモータ駆動装置には、つぎの改善すべき点があった。すなわち、電流の制限値を低下させる温度は、正特性を有する感温抵抗器が自ら備える温度特性に大きく依存する。つまり、正特性を有する感温抵抗器を使用する者は、正特性を有する感温抵抗器を製造する者が準備した範囲でのみ、温度設定ができる。製造者が準備した、感温抵抗器の温度特性は、図12Aで示された、抵抗温度特性代表カーブA、B、Cで示される。換言すれば、使用者は、電流の制限値を低下させる温度を、任意の温度に変更することは困難であった。
しかも、感温抵抗器は、感温抵抗器の温度特性が、図12Aで示された、抵抗温度特性代表カーブA、B、Cに対して、許容される誤差が±50%という大きな値を含むものもある。このように、大きな許容される誤差を含む感温抵抗器を用いる場合、希望する温度を検出するため、感温抵抗器に対して設定される設計上の温度は、見極めが困難であった。
そこで、本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置は、入力電圧発生器を成す抵抗器が含む抵抗値を変更することにより、任意に、電流の制限値を低下させる温度を設定できる。
具体的には、例えば、入力電圧発生器とオフセット電圧発生器とは、それぞれ抵抗器で実現できる。感温器は、例えば、サーミスタのような、負特性を有する感温抵抗器で実現できる。電圧電流変換部は、例えば、トランジスタで実現できる。
特に、本実施の形態におけるモータ駆動装置は、負特性を有する感温抵抗器を用いることで、温度設定の精度が向上する。負特性を有する感温抵抗器は、高い精度を有する部品が容易に入手され易い。
また、本実施の形態におけるモータ駆動装置は、オフセット電圧発生器を成す抵抗器が含む抵抗値が変更されると、検出される電流の制限値が、所望の値に設定できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置の構成図である。図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置の特性図である。
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置の構成図である。図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置の特性図である。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、インバータ部3と、電流検出抵抗器4と、過電流検出部17と、過電流調整部17aと、を備える。
インバータ部3と電流検出抵抗器4とは、直流電源2が含む正極側出力部2aと直流電源2が含む負極側出力部2bとの間で、第1の接続点50を介して、直列に接続される。インバータ部3は、複数のスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6を含む。電流検出抵抗器4は、インバータ部3を通る電流I0が流される。直流電源2から取り出された電力は、インバータ部3を介して、モータ60に供給される。モータ60は、複数の駆動巻線9、10、11を含む。
電流検出抵抗器4に発生する電圧が、所定の電圧値に達した際、過電流検出部17は、複数のスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6をオフ状態にする。
感温器13は、インバータ部3の温度を検出する。過電流調整部17aは、感温器13が検出した結果に基いて、過電流検出部17に伝達される、電流検出抵抗器4に発生した電圧を調整する。
過電流検出部17は、第1の入力端子16aと、第2の入力端子16bと、第1の出力端子16cと、を含む、比較器16を有する。
第1の入力端子16aは、電流検出抵抗器4に発生する電圧が入力される。第2の入力端子16bは、予め設定された所定の基準電圧が入力される。比較器16は、電流検出抵抗器4に発生する電圧と基準電圧とを比較する。第1の出力端子16cは、比較器16にて比較された結果を出力する。
過電流調整部17aは、レギュレータ電源55と、入力電圧発生器14と、電圧電流変換部15と、オフセット電圧発生器12と、を有する。
レギュレータ電源55は、正極側端子55aと、負極側端子55bと、を含む。正極側端子55aと負極側端子55bとの間において、入力電圧発生器14は、第2の接続点51を介して、感温器13と直列に接続される。
電圧電流変換部15は、電源接続端子15aと、第3の入力端子15bと、第2の出力端子15cと、を含む。電源接続端子15aは、正極側端子55aに接続される。第3の入力端子15bは、第2の接続点51に接続される。第3の入力端子15bから入力される、感温器13が検出した結果に応じて、第2の出力端子15cは、所定の電流を出力する。
オフセット電圧発生器12は、第1の端子12aと、第2の端子12bと、を含む。第1の端子12aは、第1の入力端子16aおよび第2の出力端子15cに接続される。第2の端子12bは、第1の接続点50を介して、電流検出抵抗器4と接続される。
第1の入力端子16aに入力される電圧は、電流検出抵抗器4に発生した電圧に対して、オフセット電圧発生器12で調整された電圧が伝達される。
本構成は、例えば、つぎの具体的な要素を用いて、モータ駆動装置1を具現化できる。すなわち、入力電圧発生器14とオフセット電圧発生器12は、それぞれ抵抗器で構成できる。感温器13は、サーミスタのように、負特性を有する感温抵抗器で構成できる。電圧電流変換部15は、トランジスタで構成できる。
本実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、入力電圧発生器14の抵抗値を変更すれば、任意に、電流制限値を低下させる温度を設定できる。また、本実施の形態1におけるモータ駆動装置1に用いられる、負特性を有する感温抵抗器は、高い精度を有する部品が容易に入手できる。よって、本実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、高い精度で、判定する温度を設定できる。さらに、オフセット電圧発生器12の抵抗値を変更すれば、電流制限値が目標とする値を、任意に設定できる。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。
図1に示すように、モータ駆動装置1は、直流電源2と、インバータ部3と、電流検出抵抗器4と、ゲートドライブ回路6と、制御LOGIC回路7と、三角波発生器8と、駆動巻線9、10、11を含むモータ60と、過電流検出部17と、過電流調整部17aと、を備える。過電流検出部17は、比較器16を有する。過電流調整部17aは、オフセット電圧発生器12と、感温器13と、入力電圧発生器14と、電圧電流変換部15と、を有する。
つぎに、各構成要素が互いに接続される状態を説明する。
直流電源2が含む正極側出力部2aと直流電源2が含む負極側出力部2bとの間に、インバータ部3と電流検出抵抗器4とが、直列に接続される。インバータ部3の出力端子3a、3b、3cには、モータ60に含まれる駆動巻線9、10、11が接続される。駆動巻線9、10、11は、3相星型結線を形成する。
インバータ部3には、つぎの手順で、三角波発生器8から出力された搬送周期信号に基く、PWM信号が入力される。
すなわち、搬送周期信号は、三角波発生器8から制御LOGIC回路7に、出力される。制御LOGIC回路7は、入力された搬送周期信号に基いて、PWM信号を生成する。生成されたPWM信号は、制御LOGIC回路7からゲートドライブ回路6を介して、インバータ部3に伝達される。
過電流検出部17は、比較器16を有する。比較器16は、第1の入力端子16aと、第2の入力端子16bと、第1の出力端子16cと、を含む。第1の入力端子16aには、オフセット電圧発生器12を介して、電流検出抵抗器4が接続される。第2の入力端子16bには、基準電圧源18が含む正極側端子が接続される。第2の入力端子16bには、Vrefで示される電圧が印加される。
レギュレータ電源55が含む正極側端子55aとレギュレータ電源55が含む負極側端子55bとの間には、入力電圧発生器14と感温器13とが、直列に接続される。負極側端子55bは、グラウンドともいう。
電圧電流変換部15は、電源接続端子15aと、第3の入力端子15bと、第2の出力端子15cと、を含む。電源接続端子15aは、レギュレータ電源55が含む正極側端子55aと接続される。第3の入力端子15bは、入力電圧発生器14と感温器13とが接続される、第2の接続点51と接続される。第2の出力端子15cは、オフセット電圧発生器12が含む第1の端子12a、および、比較器16が含む第1の入力端子16aに接続される。
感温器13は、インバータ部3の近傍に配置されたり、インバータ部3に直接、取り付けられたりする。感温器13には、インバータ部3の温度が、直接または間接に、よく伝達される。
以上のように構成されたモータ駆動装置1について、図2に示す、特性図を用いて、モータ駆動装置1の動作、作用を説明する。
なお、以下の説明において、本実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、負特性を有する感温器13が用いられる。
図2の(a)は、時間tの経過により変化する感温器13の抵抗値RTと、感温器13の抵抗値RTが変化することに伴う、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINと、を示す特性図である。
時刻t=0において、モータ駆動装置1は、運転を開始する。その後、時間tが経過すると、インバータ部3には、モータ60を駆動する電流が流されるため、インバータ部3の温度は上昇する。よって、インバータ部3の温度を検出する感温器13の温度も上昇する。なお、感温器13は、負特性を有するため、感温器13の抵抗値RTは低下する。
さらに、時間tの経過とともに、感温器13の抵抗値RTは低下する。一方、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは上昇する。
やがて、時刻t=t1において、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは、Vthに達する。
図2の(b)は、オフセット電圧発生器12に発生するオフセット電圧ΔVOFFSETを示す特性図である。
オフセット電圧ΔVOFFSETは、電圧電流変換部15が含む第2の出力端子15cから電流が供給されることで、第2の出力端子15cに発生する電圧である。
電圧電流変換部15が含む第3の入力端子15bに入力される電圧が、所定のスレッシュホールド電圧値Vthに達したとき、第2の出力端子15cから電流が供給される。
さらに、詳細に説明する。
図2の(a)に示すように、時刻t<t1において、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは、Vthより低い。よって、図2の(b)に示すように、第2の出力端子15cから電流が供給されないため、オフセット電圧は、ΔVOFFSET=0となる。
図2の(a)に示すように、時刻t=t1において、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは、Vthとなる。よって、図2の(b)に示すように、第2の出力端子15cからオフセット電圧発生器12に、電流が供給されるため、オフセット電圧ΔVOFFSET(1)が発生する。
図2の(c)は、電流検出抵抗器4を用いて判定する、電流I0の制限レベルを電圧に換算して表した電流制限レベルVCLの上限値を示す特性図である。
電流検出抵抗器4で発生する電圧は、インバータ部3を介して、電流検出抵抗器4に流れる電流I0に起因する。インバータ部3がON/OFFすることに応じて、電流I0が流れたり、電流I0が停止したりする。電流制限レベルVCLは、電流I0の制限レベルを電圧に換算したものであり、電流検出抵抗器4で発生する電圧の上限値を示す。
さらに、詳細に説明する。
図2の(b)に示すように、時刻t<t1において、オフセット電圧は、ΔVOFFSET=0である。このとき、図2の(c)に示すように、電流制限レベルは、VCL(0)=Vrefという大きな値となる。
図2の(b)に示すように、時刻t=t1において、第2の出力端子15cからオフセット電圧発生器12に電流が供給されるため、オフセット電圧は、ΔVOFFSET=ΔVOFFSET(1)となる。このとき、図2の(c)に示すように、電流制限レベルVCLは、VCL(1)=Vref−ΔVOFFSET(1)で導き出される。
図2の(d)は、インバータ部3の温度TCを示す特性図である。インバータ部3には、駆動巻線9、10、11に供給される電流が流される。本実施の形態1では、モータ60が過負荷の状態を示す。このとき、駆動巻線9、10、11に供給される電流I0は、モータ駆動装置1で許容される、電流制限値の上限値になっている。
さらに、詳細に説明する。
図2の(c)に示すように、時刻t<t1において、インバータ部3に流される電流I0は、電流制限レベルが、VCL(0)=Vrefで規制される。換言すれば、電流検出抵抗器4に発生する電圧がVCL(0)=Vrefで規制される値に達するまで、モータ駆動装置1は、電流I0として、大きな電流を流すことができる。このとき、図2の(d)に示すように、インバータ部3の温度TCは、通電時間の経過に合せて上昇する。
その後、図2の(c)に示すように、時刻t=t1において、上述したように、インバータ部3に流すことができる電流を制限する、電流制限レベルはVCL(1)=Vref−ΔVOFFSET(1)となる。つまり、実際に、電流検出抵抗器4に流すことができる電流I0の上限は、少なくなる。よって、図2の(d)に示すように、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇は抑制される。その結果、インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、過負荷の状態にある駆動巻線9、10、11に対して、インバータ部3を介して、電流I0が流される。インバータ部3に電流I0が流されると、インバータ部3の温度は上昇する。感温器13は、直接または間接に、インバータ部3の温度が上昇していることを検出する。感温器13は、負特性を有するため、感温器13で検出される温度が上昇すると、感温器13の抵抗値は低下する。感温器13の抵抗値が低下すれば、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは上昇する。入力電圧発生器14の電圧値ΔVINが上昇を続けた結果、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは、予め定めたスレッシュホールド電圧Vthに達する。
電圧電流変換部15には、第3の入力端子15bを介して、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINが伝達される。入力電圧発生器14の電圧値がΔVIN=Vthに達すると、電圧電流変換部15は、オフセット電圧発生器12に対して電流を供給する。やがて、オフセット電圧発生器12には、オフセット電圧がΔVOFFSET=ΔVOFFSET(1)となる電圧が発生する。
オフセット電圧発生器12において、オフセット電圧がΔVOFFSET=ΔVOFFSET(1)になると、電流制限レベルはVCL(0)=Vrefから、VCL(1)=Vref−ΔVOFFSET(1)となる。
この結果、電流検出抵抗器4で規制される電流値は低くなる。換言すれば、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇が抑制される。インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。よって、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、インバータ部3が過熱して、破壊に至ることを防止できる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の構成図である。図4Aは、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置に用いられる負特性を有する感温抵抗器20(TH)が備える代表特性図である。図4Bは、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の特性図である。
図3は、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の構成図である。図4Aは、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置に用いられる負特性を有する感温抵抗器20(TH)が備える代表特性図である。図4Bは、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の特性図である。
本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置101は、上述した実施の形態1におけるモータ駆動装置1に対して、特に、つぎの過電流調整部117aを有する点が異なる。
すなわち、モータ駆動装置101が備える過電流調整部117aは、オフセット電圧発生器である第1の抵抗器19と、入力電圧発生器である第2の抵抗器21と、電圧電流変換部であるトランジスタ22と、感温器である感温抵抗器20と、を有する。
トランジスタ22は、正極側端子55aと接続するエミッタ端子22aと、第1の入力端子16aと接続するコレクタ端子22cと、第2の接続点51と接続するベース端子22bと、を含む。なお、エミッタ端子22aは、上述した実施の形態1において、電源接続端子15aに相当する。同様に、コレクタ端子22cは、上述した実施の形態1において、第2の出力端子15cに相当する。ベース端子22bは、上述した実施の形態1において、第3の入力端子15bに相当する。
感温抵抗器20は、負特性を有する。
本構成により、第2の抵抗器21の抵抗値を変更すれば、任意に、電流制限値を低下させる温度を設定できる。また、本実施の形態2におけるモータ駆動装置101に用いられる、負特性を有する感温抵抗器は、高い精度を有する部品が容易に入手できる。よって、本実施の形態2におけるモータ駆動装置101は、高い精度で、判定する温度を設定できる。さらに、第1の抵抗器19の抵抗値を変更すれば、電流制限値が目標とする値を、任意に設定できる。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1に示した構成と同一のものについては、同じ符号を付して、説明を援用する。
図3に示すように、モータ駆動装置101は、直流電源2と、インバータ部3と、電流検出抵抗器4と、ゲートドライブ回路6と、制御LOGIC回路7と、三角波発生器8と、駆動巻線9、10、11を含むモータ60と、過電流検出部17と、過電流調整部117aと、を備える。過電流検出部17は、比較器16を有する。過電流調整部117aは、第1の抵抗器19(R1)と、負特性を有する感温抵抗器20(TH)と、第2の抵抗器21(R2)と、トランジスタ22(Q7)と、を有する。
つぎに、各構成要素が互いに接続される状態を説明する。
直流電源2が含む正極側出力部2aと直流電源2が含む負極側出力部2bとの間に、インバータ部3と電流検出抵抗器4とが、直列に接続される。インバータ部3の出力端子3a、3b、3cには、モータ60に含まれる駆動巻線9、10、11が接続される。駆動巻線9、10、11は、3相星型結線を形成する。
インバータ部3には、つぎの手順で、三角波発生器8から出力された搬送周期信号に基く、PWM信号が入力される。
すなわち、搬送周期信号は、三角波発生器8から制御LOGIC回路7に出力される。制御LOGIC回路7は、入力された搬送周期信号に基いて、PWM信号を生成する。生成されたPWM信号は、制御LOGIC回路7からゲートドライブ回路6を介して、インバータ部3に伝達される。
過電流検出部17は、比較器16を有する。比較器16は、第1の入力端子16aと、第2の入力端子16bと、第1の出力端子16cと、を含む。第1の入力端子16aには、第1の抵抗器19(R1)を介して、電流検出抵抗器4が接続される。第2の入力端子16bには、基準電圧源18が含む正極側端子が接続される。第2の入力端子16bには、Vrefで示される電圧が印加される。
レギュレータ電源55(VREG)が含む正極側端子55aとレギュレータ電源55(VREG)が含む負極側端子55bとの間には、第2の抵抗器21(R2)と、負特性を有する感温抵抗器20(TH)とが、直列に接続される。負極側端子55bは、グラウンドともいう。
トランジスタ22(Q7)は、エミッタ端子22aと、ベース端子22bと、コレクタ端子22cと、を含む。エミッタ端子22aは、レギュレータ電源55(VREG)が含む正極側端子55aと接続される。ベース端子22bは、第2の抵抗器21(R2)と感温抵抗器20(TH)とが接続される、第2の接続点51と接続される。コレクタ端子22cは、第1の抵抗器19(R1)と、比較器16が含む第1の入力端子16aに接続される。
感温抵抗器20(TH)は、インバータ部3の近傍に配置されたり、インバータ部3に直接、取り付けられたりする。感温抵抗器20(TH)には、インバータ部3の温度が、直接または間接に、よく伝導される。
以上のように構成されたモータ駆動装置101について、図4A、図4Bに示す、特性図を用いて、モータ駆動装置101の動作、作用を説明する。
図4Aは、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置に用いられる負特性を有する感温抵抗器20(TH)が備える代表特性図である。感温抵抗器20(TH)は、雰囲気温度25℃において、抵抗値が100kΩである。感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、雰囲気温度に反比例して抵抗値が減少する。例えば、感温抵抗器20(TH)は、雰囲気温度100℃において、抵抗値が約5.5kΩである。本実施の形態2におけるモータ駆動装置101には、図4Aで示す特性を有する感温抵抗器20(TH)が用いられた。
図4Bの(a)は、時間tの経過により変化する感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTと、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTが変化することに伴う、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2と、を示す特性図である。第2の抵抗器21(R2)は、トランジスタ22(Q7)が含む、ベース−エミッタ間に位置する。
時刻t=0において、モータ駆動装置101は、運転を開始する。その後、時間tが経過すると、インバータ部3には、モータ60を駆動する電流が流されるため、インバータ部3の温度は上昇する。よって、インバータ部3の温度を検出する感温抵抗器20(TH)の温度も上昇する。なお、感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。
さらに、時間tの経過とともに、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。一方、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。
やがて、時刻t=t1において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、トランジスタ22(Q7)が導通を開始する、スレッシュホールド電圧Vth(=VF)に達する。
図4Bの(b)は、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧ΔVR1を示す特性図である。
電圧ΔVR1は、コレクタ端子22cから電流Icが供給されることで、コレクタ端子22cに発生する電圧である。トランジスタ22(Q7)が含む、ベース−エミッタ間に位置する第2の抵抗器21(R2)に発生する電圧ΔVR2が、所定のスレッシュホールド電圧値Vth(=VF)に達したとき、コレクタ端子22cから電流Icが供給される。
さらに、詳細に説明する。
図4Bの(a)に示すように、時刻t<t1において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、Vthより低い。よって、図4Bの(b)に示すように、コレクタ端子22cから電流Icは供給されないため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0となる。
図4Bの(a)に示すように、時刻t=t1において、トランジスタ22(Q7)が含むベース−エミッタ間に位置する第2の抵抗器21(R2)に発生する電圧ΔVR2は、Vthとなる。よって、図4Bの(b)に示すように、コレクタ端子22cから第1の抵抗器19(R1)に、電流Icが供給されるため、電圧ΔVR1(1)が発生する。なお、Vthの電圧は、バイポーラトランジスタではVth=VF=約0.6Vである。
図4Bの(c)は、電流検出抵抗器4を用いて判定する、電流I0の制限レベルを電圧に換算して表した電流制限レベルVCLの上限値を示す特性図である。
電流検出抵抗器4で発生する電圧は、インバータ部3を介して、電流検出抵抗器4に流れる電流I0に起因する。インバータ部3がON/OFFすることに応じて、電流I0が流れたり、電流I0が停止したりする。電流制限レベルVCLは、電流I0の制限レベルを電圧に換算したものであり、電流検出抵抗器4で発生する電圧の上限値を示す。
さらに、詳細に説明する。
図4Bの(b)に示すように、時刻t<t1において、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0である。このとき、図4Bの(c)に示すように、電流制限レベルは、VCL(0)=Vrefという大きな値となる。
図4Bの(b)に示すように、時刻t=t1において、上述したように、コレクタ端子22cから第1の抵抗器19(R1)に電流が供給されるため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=ΔVR1(1)となる。このとき、図4Bの(c)に示すように、電流制限レベルVCLは、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)で導き出される。
図4Bの(d)は、インバータ部3の温度TCを示す特性図である。インバータ部3には、駆動巻線9、10、11に供給される電流が流される。本実施の形態2では、モータ60が過負荷の状態を示す。このとき、駆動巻線9、10、11に供給される電流I0は、モータ駆動装置101で許容される、電流制限値の上限値となっている。
さらに、詳細に説明する。
図4Bの(c)に示すように、時刻t<t1において、インバータ部3に流される電流I0は、電流制限レベルが、VCL(0)=Vrefで規制される。換言すれば、電流検出抵抗器4(R0)に発生する電圧がVCL(0)=Vrefで規制される値に達するまで、モータ駆動装置1は、電流I0として、大きな電流を流すことができる。このとき、図4Bの(d)に示すように、インバータ部3の温度TCは、通電時間の経過に合せて上昇する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置101は、過負荷の状態にある駆動巻線9、10、11に対して、インバータ部3を介して、電流I0が流される。インバータ部3に電流I0が流されると、インバータ部3の温度が上昇する。感温抵抗器20(TH)は、直接または間接に、インバータ部3の温度が上昇していることを検出する。感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)で検出される温度が上昇すると、感温抵抗器20(TH)の抵抗値は低下する。感温抵抗器20(TH)の抵抗値が低下すれば、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が上昇を続けた結果、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、予め定めたスレッシュホールド電圧Vthに達する。
トランジスタ22(Q7)には、ベース端子22bを介して、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が伝達される。第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=Vthに達すると、トランジスタ22(Q7)は、第1の抵抗器19(R1)に対して電流Icを供給する。やがて、第1の抵抗器19(R1)には、ΔVR1=ΔVR1(1)となる電圧が発生する。
第1の抵抗器19(R1)において、発生する電圧がΔVR1=ΔVR1(1)になると、電流制限レベルはVCL(0)=Vrefから、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)となる。
この結果、電流検出抵抗器4で規制される電流値は低くなる。換言すれば、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇が抑制される。インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。よって、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置101は、インバータ部3が過熱して、破壊に至ることを防止できる。
温度TC(1)は、第2の抵抗器21(R2)の抵抗値を変更する、あるいは、感温抵抗器20(TH)を温度特性が異なるものに変更することで、任意に変更できる。
また、電流I0を制限する電流制限値は、第1の抵抗器19(R1)の抵抗値を変更することで、電流を制限する量を変更できる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置の構成図である。図6Aは、本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置の特性図である。図6Bは、本発明の実施の形態3と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。
図5は、本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置の構成図である。図6Aは、本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置の特性図である。図6Bは、本発明の実施の形態3と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。
本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、上述した実施の形態2におけるモータ駆動装置101に対して、特に、つぎの点で異なる。
すなわち、過電流調整部117bは、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと、第2の接続点51との間に、ダイオード23(D10)をさらに有する。
ダイオード23(D10)のアノード23aは、ベース端子22bと接続される。ダイオード23(D10)のカソード23bは、第2の接続点51と接続される。
本構成とすれば、本実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、トランジスタ22を導通するために要する入力電圧が2倍になる。よって、本実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と比べて、入力電圧に対するコレクタ電流の変化を、より緩やかにすることができる。その結果、モータ駆動装置102の温度上昇カーブは、緩やかになる。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1、2に示した構成と同一のものについては、同じ符号を付して、説明を援用する。
図5に示すように、本実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと、第2の接続点51との間に、ダイオード23(D10)を挿入する点以外は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同じ構成である。
ダイオード23(D10)が追加されたモータ駆動装置102は、ダイオード23(D10)を有さないモータ駆動装置101と比べて、トランジスタ22(Q7)を導通するために、2倍の電圧を必要とする。
具体的には、第2の接続点51を基準とした場合、モータ駆動装置101は、トランジスタ22(Q7)を導通するために、ベース−エミッタ間に電圧VFを必要とする。一方、モータ駆動装置102は、トランジスタ22(Q7)を導通するために、ベース−エミッタ間に電圧VF×2を必要とする。
以上のように構成されたモータ駆動装置102について、図6Aに示す、特性図を用いて、モータ駆動装置102の動作、作用を説明する。
図6Aの(a)は、時間tの経過により変化する感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTと、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTが変化することに伴う、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2と、を示す特性図である。
時刻t=0において、モータ駆動装置102は、運転を開始する。その後、時間tが経過すると、インバータ部3には、モータ60を駆動する電流が流されるため、インバータ部3の温度は上昇する。よって、インバータ部3の温度を検出する感温抵抗器20(TH)の温度も上昇する。なお、感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。
さらに、時間tの経過とともに、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。一方、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。
その後、時刻t=t1において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、電圧VFに達する。実施の形態2において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VFとなったとき、モータ駆動装置101は、トランジスタ22(Q7)が導通に至った。
しかしながら、本実施の形態3において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VFとなっても、モータ駆動装置102は、トランジスタ22(Q7)が導通に至らない。その理由は、上述したように、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと第2の接続点51との間に、ダイオード23(D10)が存在するためである。つまり、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、トランジスタ22(Q7)が導通するために必要とされる、スレッシュホールド電圧Vth=VF×2を満たしていない。
やがて、時刻t=t2において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、トランジスタ22(Q7)が導通を開始する、スレッシュホールド電圧Vth(=VF×2)に達する。
図6Aの(b)は、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧ΔVR1を示す特性図である。
電圧ΔVR1は、コレクタ端子22cから電流Icが供給されることで、コレクタ端子22cに発生する電圧である。トランジスタ22(Q7)が含む、ベース−エミッタ間に位置する第2の抵抗器21(R2)の両端に発生する電圧ΔVR2が、所定のスレッシュホールド電圧値Vthに達したとき、コレクタ端子22cから電流Icが供給される。
さらに、詳細に説明する。
図6Aの(a)に示すように、時刻t<t2において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、Vthより低い。よって、図6Aの(b)に示すように、コレクタ端子22cから電流Icは供給されないため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0となる。
図6Aの(a)に示すように、時刻t=t2において、トランジスタ22(Q7)が含むベース−エミッタ間に位置する第2の抵抗器21(R2)の両端に発生する電圧ΔVR2は、Vthとなる。よって、図6Aの(b)に示すように、コレクタ端子22cから第1の抵抗器19(R1)に、電流Icが供給されるため、電圧ΔVR1(1)が発生する。
図6Aの(c)は、電流検出抵抗器4を用いて判定する、電流I0の制限レベルを電圧に換算して表した電流制限レベルVCLの上限値を示す特性図である。
電流検出抵抗器4で発生する電圧は、インバータ部3を介して、電流検出抵抗器4に流れる電流I0に起因する。インバータ部3がON/OFFすることに応じて、電流I0が流れたり、電流I0が停止したりする。電流制限レベルVCLは、電流I0の制限レベルを電圧に換算したものであり、電流検出抵抗器4で発生する電圧の上限値を示す。
さらに、詳細に説明する。
図6Aの(b)に示すように、時刻t<t2において、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0である。このとき、図6Aの(c)に示すように、電流制限レベルは、VCL(0)=Vrefという大きな値となる。
図6Aの(b)に示すように、時刻t=t2において、上述したように、コレクタ端子22cから第1の抵抗器19(R1)に電流が供給されるため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=ΔVR1(1)となる。このとき、図6Aの(c)に示すように、電流制限レベルVCLは、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)で導き出される。
図6Aの(d)は、インバータ部3の温度TCを示す特性図である。インバータ部3には、駆動巻線9、10、11に供給される電流が流される。本実施の形態3では、モータ60が過負荷の状態を示す。このとき、駆動巻線9、10、11に供給される電流I0は、モータ駆動装置102で許容される、電流制限値の上限値となっている。
さらに、詳細に説明する。
図6Aの(c)に示すように、時刻t<t2において、インバータ部3に流される電流I0は、電流制限レベルが、VCL(0)=Vrefで規制される。換言すれば、電流検出抵抗器4(R0)に発生する電圧がVCL(0)=Vrefで規制される値に達するまで、モータ駆動装置102は、電流I0として、大きな電流を流すことができる。このとき、図6Aの(d)に示すように、インバータ部3の温度TCは、通電時間の経過に合せて上昇する。
その後、図6Aの(c)に示すように、時刻t=t2において、上述したように、インバータ部3に流すことができる電流を制限する、電流制限レベルはVCL(1)=Vref−ΔVR1(1)となる。つまり、実際に、電流検出抵抗器4(R0)に流すことができる電流I0の上限は、少なくなる。よって、図6Aの(d)に示すように、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇は抑制される。その結果、インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、過負荷の状態にある駆動巻線9、10、11に対して、インバータ部3を介して、電流I0が流される。インバータ部3に電流I0が流されると、インバータ部3の温度が上昇する。感温抵抗器20(TH)は、直接または間接に、インバータ部3の温度が上昇していることを検出する。感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)が検出する温度が上昇すると、感温抵抗器20(TH)の抵抗値は低下する。感温抵抗器20(TH)の抵抗値が低下すれば、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が上昇を続けた結果、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、予め定めたスレッシュホールド電圧Vthに達する。
トランジスタ22(Q7)には、ダイオード23(D10)とベース端子22bを介して、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が伝達される。第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=Vthに達すると、トランジスタ22(Q7)は、第1の抵抗器19(R1)に対して電流Icを供給する。やがて、第1の抵抗器19(R1)には、ΔVR1=ΔVR1(1)となる電圧が発生する。
第1の抵抗器19(R1)において、発生する電圧がΔVR1=ΔVR1(1)になると、電流制限レベルはVCL(0)=Vrefから、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)となる。
この結果、実施の形態2と同様、電流検出抵抗器4で規制される電流値は低くなる。換言すれば、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇が抑制される。インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。よって、本実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、インバータ部3が過熱して、破壊に至ることを防止できる。
さらに、本実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと第2の接続点51との間に、ダイオード23(D10)が存在する。よって、モータ駆動装置102は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と比べて、トランジスタ22(Q7)が導通に至る、スレッシュホールド電圧が、2倍に電圧なる。従って、トランジスタ22(Q7)が徐々に導通するため、インバータ部3の温度は、緩やかな変化を経て、一定の温度TC(1)に至る。
本構成とすれば、インバータ部3に流される電流I0が大きく、スイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6によるスイッチング損失や、電流検出抵抗器4(R0)などによる損失が過大となる場合、つぎの効果を奏する。
すなわち、図6Bは、本発明の実施の形態3と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。図6Bには、比較例において、モータ駆動装置が有するインバータ部3の温度TCが示される。
図6Bに示すように、時刻t<t1において、インバータ部3に過大な電流I0が流されると、インバータ部3の温度は、上昇する。インバータ部3等は、熱容量を有する。よって、インバータ部3の温度は、電流I0が供給されるタイミングとの間で、時間的な遅延を生じながら上昇する。
時刻t=t1において、インバータ部3に供給される電流I0は、瞬時に小さい電流値に切り替えられる。熱容量による時間遅れが生じているため、インバータ部3の温度は、インバータ部3に供給される電流I0が小さい電流値に切り替えられた後も上昇を続ける。やがて、インバータ部3の温度は、Tc(2)(>TC(1))まで上昇する。
その後、インバータ部3に供給される電流I0が小さい電流値に切り替えられたことにより、インバータ部3の温度は下降に転じる。やがて、インバータ部3とインバータ部3の周囲等との間で、熱的な飽和状態が生じる。その結果、インバータ部3の温度は、Tc(1)に至る。
本実施の形態3におけるモータ駆動装置102を用いれば、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと第2の接続点51との間に生じる電圧は、比較的緩やかに上昇する。よって、インバータ部3に供給される電流I0は、徐々に少なくなるため、オーバーシュートが生じるという不具合の発生を抑制できる。
また、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同様、つぎの作用、効果を奏する。すなわち、温度TC(1)は、第2の抵抗器21(R2)の抵抗値を変更する、あるいは、感温抵抗器20(TH)を温度特性が異なるものに変更することで、任意に変更できる。
また、電流I0を制限する電流制限値は、第1の抵抗器19(R1)の抵抗値を変更することで、電流を制限する量を変更できる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置の構成図である。図8Aは、本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置の特性図である。図8Bは、本発明の実施の形態4と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。
図7は、本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置の構成図である。図8Aは、本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置の特性図である。図8Bは、本発明の実施の形態4と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。
本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、上述した実施の形態2におけるモータ駆動装置101に対して、特に、つぎの点で異なる。
すなわち、過電流調整部117cが有する、Q7で示すトランジスタは、バイポーラ型トランジスタ(Bipolar transistor)に換えて、絶縁ゲート型トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor。以下、「MOSFET」と記す。)が用いられる。
本構成において、本実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、Q7で示すトランジスタを、MOSFET24とするものである。MOSFET24は、MOSFET24を導通するために必要となる入力電圧値が大きい。よって、本実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、実施の形態2で示したモータ駆動装置101と比べて、部品数を増やすことなく、実施の形態3と同様、あるいは、実施の形態3以上に、インバータ部3の温度上昇カーブを緩やかにできる。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1、2に示した構成と同一のものについては、同じ符号を付して、説明を援用する。
図7に示すように、本実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、MOSFET24(Q7)が用いられる点以外は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同じ構成である。モータ駆動装置103は、MOSFET24(Q7)が用いられるため、モータ駆動装置101と比べて、スレッシュホールド電圧が高くなる。
つまり、MOSFET24(Q7)のスレッシュホールド電圧VGS(on)は、モータ駆動装置101におけるスレッシュホールド電圧VFや、モータ駆動装置102におけるスレッシュホールド電圧VF×2よりも大きい。
以上のように構成されたモータ駆動装置103について、図8Aに示す、特性図を用いて、モータ駆動装置103の動作、作用を説明する。
図8Aの(a)は、時間tの経過により変化する感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTと、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTが変化することに伴う、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2と、を示す特性図である。
時刻t=0において、モータ駆動装置103は、運転を開始する。その後、時間tが経過すると、インバータ部3には、モータ60を駆動する電流が流されるため、インバータ部3の温度は上昇する。よって、インバータ部3の温度を検出する感温抵抗器20(TH)の温度も上昇する。なお、感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。
さらに、時間tの経過とともに、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。一方、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。
その後、時刻t=t1において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、電圧VFに達する。実施の形態2において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VFとなったとき、モータ駆動装置101は、トランジスタ22(Q7)が導通に至った。
しかしながら、本実施の形態4において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VFとなっても、モータ駆動装置103は、MOSFET24(Q7)が導通に至らない。その理由は、上述したように、MOSFET24(Q7)が導通に至るスレッシュホールド電圧VGS(on)が、モータ駆動装置101が有するトランジスタ22(Q7)のスレッシュホールド電圧VFより高いためである。つまり、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、MOSFET24(Q7)が導通するために必要とされる、スレッシュホールド電圧Vth=VGS(on)を満たしていない。
さらに、時刻t=t2において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、電圧VF×2に達する。実施の形態3において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VF×2となったとき、モータ駆動装置102は、トランジスタ22(Q7)が導通に至った。
しかしながら、本実施の形態4において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VF×2となっても、モータ駆動装置103は、MOSFET24(Q7)が導通に至らない。その理由は、上述したように、MOSFET24(Q7)が導通に至るスレッシュホールド電圧VGS(on)が、モータ駆動装置102が有するトランジスタ22(Q7)のスレッシュホールド電圧VF×2より高いためである。つまり、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、MOSFET24(Q7)が導通するために必要とされる、スレッシュホールド電圧Vth=VGS(on)を満たしていない。
やがて、時刻t=t3において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、MOSFET24(Q7)が導通を開始する、スレッシュホールド電圧Vth(=VGS(on))に達する。
図8Aの(b)は、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧ΔVR1を示す特性図である。
電圧ΔVR1は、ドレイン端子24cから電流Idが供給されることで、ドレイン端子24cに発生する電圧である。MOSFET24(Q7)が含む、ゲート−ソース間に位置する第2の抵抗器21(R2)の両端に発生する電圧ΔVR2が、所定のスレッシュホールド電圧値Vth(=VGS(on))に達したとき、ソース端子24aからドレイン端子24cを介して、電流Idが供給される。
さらに、詳細に説明する。
図8Aの(a)に示すように、時刻t<t3において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、Vthより低い。よって、図8Aの(b)に示すように、ドレイン端子24cから電流Idは供給されないため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0となる。
図8Aの(a)に示すように、時刻t=t3において、MOSFET24(Q7)が含むゲート−ソース間に位置する第2の抵抗器21(R2)の両端に発生する電圧ΔVR2は、Vth(=VGS(on))となる。よって、図8Aの(b)に示すように、ドレイン端子24cから第1の抵抗器19(R1)に、電流Idが供給されるため、電圧ΔVR1(1)が発生する。
図8Aの(c)は、電流検出抵抗器4を用いて判定する、電流I0の制限レベルを電圧に換算して表した電流制限レベルVCLの上限値を示す特性図である。
電流検出抵抗器4で発生する電圧は、インバータ部3を介して、電流検出抵抗器4に流れる電流I0に起因する。インバータ部3がON/OFFすることに応じて、電流I0が流れたり、電流I0が停止したりする。電流制限レベルVCLは、電流I0の制限レベルを電圧に換算したものであり、電流検出抵抗器4で発生する電圧の上限値を示す。
さらに、詳細に説明する。
図8Aの(b)に示すように、時刻t<t2において、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0である。このとき、図8Aの(c)に示すように、電流制限レベルは、VCL(0)=Vrefという大きな値となる。
その後、図8Aの(b)に示すように、時刻t=t3において、上述したように、ドレイン端子24cから第1の抵抗器19(R1)に電流が供給されるため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=ΔVR1(1)となる。このとき、図8Aの(c)に示すように、電流制限レベルVCLは、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)で導き出される。
図8Aの(d)は、インバータ部3の温度TCを示す特性図である。インバータ部3には、駆動巻線9、10、11に供給される電流が流される。本実施の形態3では、モータ60が過負荷の状態を示す。このとき、駆動巻線9、10、11に供給される電流I0は、モータ駆動装置103で許容される、電流制限値の上限値となっている。
さらに、詳細に説明する。
図8Aの(c)に示すように、時刻t<t3において、インバータ部3に流される電流I0は、電流制限レベルが、VCL(0)=Vrefで規制される。換言すれば、電流検出抵抗器4(R0)に発生する電圧がVCL(0)=Vrefで規制される値に達するまで、モータ駆動装置103は、電流I0として、大きな電流を流すことができる。このとき、図8Aの(d)に示すように、インバータ部3の温度TCは、通電時間の経過に合せて上昇する。
その後、図8Aの(c)に示すように、時刻t=t3において、上述したように、インバータ部3に流すことができる電流を制限する、電流制限レベルはVCL(1)=Vref−ΔVR1(1)となる。つまり、実際に、電流検出抵抗器4(R0)に流すことができる電流I0の上限は、少なくなる。よって、図8Aの(d)に示すように、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇は抑制される。その結果、インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、過負荷の状態にある駆動巻線9、10、11に対して、インバータ部3を介して、電流I0が流される。インバータ部3に電流I0が流されると、インバータ部3の温度が上昇する。感温抵抗器20(TH)は、直接または間接に、インバータ部3の温度が上昇していることを検出する。感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)が検出する温度が上昇すると、感温抵抗器20(TH)の抵抗値は低下する。感温抵抗器20(TH)の抵抗値が低下すれば、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が上昇を続けた結果、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、予め定めたスレッシュホールド電圧Vth=VGS(ON)に達する。
MOSFET24(Q7)には、ゲート端子24bを介して、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が伝達される。第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=Vthに達すると、MOSFET24(Q7)は、第1の抵抗器19(R1)に対して電流Idを供給する。やがて、第1の抵抗器19(R1)には、ΔVR1=ΔVR1(1)となる電圧が発生する。
第1の抵抗器19(R1)において、発生する電圧がΔVR1=ΔVR1(1)になると、電流制限レベルはVCL(0)=Vrefから、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)となる。
この結果、実施の形態2と同様、電流検出抵抗器4で規制される電流値は低くなる。換言すれば、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇が抑制される。インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。よって、本実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、インバータ部3が過熱して、破壊に至ることを防止できる。
さらに、本実施の形態4におけるモータ駆動装置103が有するMOSFET24(Q7)は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と、実施の形態3におけるモータ駆動装置102が有するトランジスタ22(Q7)と比べて、MOSFET24(Q7)が導通に至る、スレッシュホールド電圧が高い。従って、MOSFET24(Q7)が徐々に導通するため、インバータ部3の温度は、緩やかな変化を経て、一定の温度TC(1)に至る。
本構成とすれば、インバータ部3に流される電流I0が大きく、スイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6によるスイッチング損失や、電流検出抵抗器4(R0)などによる損失が過大となる場合、つぎの効果を奏する。
すなわち、図8Bは、本発明の実施の形態4と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。図8Bには、比較例において、モータ駆動装置が有するインバータ部3の温度TCが示される。
図8Bに示すように、時刻t<t1において、インバータ部3に過大な電流I0が流されると、インバータ部3の温度は、上昇する。インバータ部3等は、熱容量を有する。よって、インバータ部3の温度は、電流I0が供給されるタイミングとの間で、時間的な遅延を生じながら上昇する。
時刻t=t1において、インバータ部3に供給される電流I0は、瞬時に小さい電流値に切り替えられる。熱容量による時間遅れが生じているため、インバータ部3の温度は、インバータ部3に供給される電流I0が小さい電流値に切り替えられた後も上昇を続ける。やがて、インバータ部3の温度は、Tc(2)(>TC(1))まで上昇する。
その後、インバータ部3に供給される電流I0が小さい電流値に切り替えられたことにより、インバータ部3の温度は下降に転じる。やがて、インバータ部3とインバータ部3の周囲等との間で、熱的な飽和状態が生じる。その結果、インバータ部3の温度は、Tc(1)に至る。
本実施の形態4におけるモータ駆動装置103を用いれば、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと第2の接続点51との間に生じる電圧は、比較的緩やかに上昇する。よって、インバータ部3に供給される電流I0は、徐々に少なくなるため、オーバーシュートが生じるという不具合の発生を抑制できる。
また、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同様、つぎの作用、効果を奏する。すなわち、温度TC(1)は、第2の抵抗器21(R2)の抵抗値を変更する、あるいは、感温抵抗器20(TH)を温度特性が異なるものに変更することで、任意に変更できる。
また、電流I0を制限する電流制限値は、第1の抵抗器19(R1)の抵抗値を変更することで、電流を制限する量を変更できる。
(実施の形態5)
図9は、本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置の構成図である。図10は、本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置の特性図である。
図9は、本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置の構成図である。図10は、本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置の特性図である。
本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置104は、上述した実施の形態2におけるモータ駆動装置101に対して、特に、つぎの点で異なる。
すなわち、過電流調整部117dは、第2の接続点51と、感温抵抗器20(TH)との間に、第3の抵抗器25(R3)をさらに有する。
本構成において、第2の接続点51は、第3の抵抗器25を介して感温抵抗器20と接続される。よって、本実施の形態5におけるモータ駆動装置104は、感温抵抗器20の損失を減らすことができる。また、本実施の形態5におけるモータ駆動装置104は、感温抵抗器20自体で生じる損失による発熱を抑えることで、インバータ部3と感温抵抗器20との間に生じる温度差を小さくできる。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1、2に示した構成と同一のものについては、同じ符号を付して、説明を援用する。
図9に示すように、本実施の形態5におけるモータ駆動装置104は、第2の接続点51と、感温抵抗器20(TH)との間に、第3の抵抗器25(R3)を挿入する点以外は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同じ構成である。
第3の抵抗器25(R3)が追加されたモータ駆動装置104は、第3の抵抗器25(R3)を有さないモータ駆動装置101と比べて、感温抵抗器20(TH)に流れる電流ITHを少なくできる。
以上のように構成されたモータ駆動装置104について、図10に示す、特性図を用いて、モータ駆動装置104の動作、作用を説明する。
図10には、インバータ部3の温度TCが一定の温度TC(1)に到達する様子と、この状態に対応する感温抵抗器20(TH)の温度TTHが変化する様子とが示される。
感温抵抗器20(TH)には、感温抵抗器20(TH)に電流ITHが流れることで、損失が発生する。よって、感温抵抗器20(TH)とインバータ部3との間には、温度差ΔTC−TH(1)が生じる。温度差ΔTC−TH(1)は、感温抵抗器20(TH)に流れる電流ITHの値に比例する。
インバータ部3は、過熱による素子の破壊が回避されることが望まれる。よって、インバータ部3と感温抵抗器20(TH)との間に、温度差ΔTC−TH(1)が生じることは好ましくない。
そこで、第2の接続点51と感温抵抗器20(TH)との間に、第3の抵抗器25(R3)を挿入することにより、感温抵抗器20(TH)に流れる電流ITHを少なくする。よって、モータ駆動装置104は、温度差ΔTC−TH(1)が小さくなる。
その他の動作については、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同様であり、説明を援用する。
また、第3の抵抗器25(R3)は、実施の形態3におけるモータ駆動装置102や、実施の形態4におけるモータ駆動装置103に追加すれば、本実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した実施の形態3から実施の形態5に示す、モータ駆動装置102、103、104は、実施の形態1および実施の形態2に示す、モータ駆動装置1、101で得ることができる効果に加えて、さらに、各々の構成にて得ることができる効果を奏する。
本発明におけるモータ駆動装置は、電流制限値を低下させる温度設定を、任意の設定値に調整できる。
すなわち、従来のモータ駆動装置は、従来、正特性を有する感温抵抗器の製造者が準備していた選択肢でのみ、電流制限値を低下させる温度設定を定めていた。本発明におけるモータ駆動装置は、負特性を有する感温抵抗器と、この感温抵抗器と組合せる抵抗器の抵抗値を選択することにより、任意の電流制限値を低下させる温度設定を定めることができる。
よって、本発明のモータ駆動装置は、インバータ技術が用いられるモータ駆動装置の過熱保護以外に、インダクタンス負荷をインバータ制御する機器などにも適用できる。
また、負特性を有する感温抵抗器は、入手が容易であるため、設計の自由度が向上する。
1,101,102,103,104 モータ駆動装置
2 直流電源
2a 正極側出力部
2b 負極側出力部
3 インバータ部
3a,3b,3c 出力端子
4 電流検出抵抗器
6 ゲートドライブ回路
7 制御LOGIC回路
8 三角波発生器
9,10,11,46,47,48 駆動巻線
12 オフセット電圧発生器
12a 第1の端子
12b 第2の端子
13 感温器
14 入力電圧発生器
15 電圧電流変換部
15a 電源接続端子
15b 第3の入力端子
15c 第2の出力端子
16 比較器
16a 第1の入力端子
16b 第2の入力端子
16c 第1の出力端子
17 過電流検出部
17a,117a,117b,117c,117d 過電流調整部
18 基準電圧源
19 第1の抵抗器(オフセット電圧発生器)
20 感温抵抗器(感温器)
21 第2の抵抗器(入力電圧発生器)
22 トランジスタ(電圧電流変換部)
22a エミッタ端子
22b ベース端子
22c コレクタ端子
23 ダイオード
23a アノード
23b カソード
24 MOSFET(絶縁ゲート型トランジスタ)
24a ソース端子
24b ゲート端子
24c ドレイン端子
25 第3の抵抗器
28 インバータ回路
35 過電流検出回路
36 コンパレータ
38 +端子
39 −端子
40 直流電源
41 電流検出抵抗器
42 感温抵抗器
43 抵抗器
44 定電圧源
45,60 モータ
50 第1の接続点
51 第2の接続点
55 レギュレータ電源
55a 正極側端子
55b 負極側端子
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q11,Q12,Q13,Q14,Q15,Q16 スイッチング素子
2 直流電源
2a 正極側出力部
2b 負極側出力部
3 インバータ部
3a,3b,3c 出力端子
4 電流検出抵抗器
6 ゲートドライブ回路
7 制御LOGIC回路
8 三角波発生器
9,10,11,46,47,48 駆動巻線
12 オフセット電圧発生器
12a 第1の端子
12b 第2の端子
13 感温器
14 入力電圧発生器
15 電圧電流変換部
15a 電源接続端子
15b 第3の入力端子
15c 第2の出力端子
16 比較器
16a 第1の入力端子
16b 第2の入力端子
16c 第1の出力端子
17 過電流検出部
17a,117a,117b,117c,117d 過電流調整部
18 基準電圧源
19 第1の抵抗器(オフセット電圧発生器)
20 感温抵抗器(感温器)
21 第2の抵抗器(入力電圧発生器)
22 トランジスタ(電圧電流変換部)
22a エミッタ端子
22b ベース端子
22c コレクタ端子
23 ダイオード
23a アノード
23b カソード
24 MOSFET(絶縁ゲート型トランジスタ)
24a ソース端子
24b ゲート端子
24c ドレイン端子
25 第3の抵抗器
28 インバータ回路
35 過電流検出回路
36 コンパレータ
38 +端子
39 −端子
40 直流電源
41 電流検出抵抗器
42 感温抵抗器
43 抵抗器
44 定電圧源
45,60 モータ
50 第1の接続点
51 第2の接続点
55 レギュレータ電源
55a 正極側端子
55b 負極側端子
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q11,Q12,Q13,Q14,Q15,Q16 スイッチング素子
本発明は、モータの駆動装置に関するものであり、特に、モータが過負荷の状態となったときに、駆動装置に過熱状態が発生することを防止する。
従来、モータは、インバータ部を介して、モータが含む駆動巻線に、駆動電流が供給される。モータが駆動されている際、モータが過負荷の状態になることがある。モータが過負荷の状態になると、インバータ部の温度が過度に上昇する。インバータ部の温度が過度に上昇することを防止する手段として、つぎのものがある。すなわち、インバータ部には、温度を検出する感温素子が取り付けられる。モータが過負荷の状態になったとき、感温素子は、インバータ部の温度が上昇していることを検出する。感温素子が、インバータ部の温度が上昇していることを検出すると、駆動巻線に供給される電力は減らされる、あるいは、駆動巻線に供給される電力は停止される。
モータが高温になっているとき、駆動巻線に供給される電力を減らす技術として、例えば、特許文献1に開示されたものがある。以下、図面を用いて、特許文献1の概要を示す。
図11Aは、従来のモータ駆動装置の構成図である。図11Bは、図11Aで示したモータ駆動装置を構成する要部の拡大図である。図12Aは、従来のモータ駆動装置の抵抗変化比の特性図である。図12Bは、従来のモータ駆動装置の電流制限値の特性図である。
図11Aに示す構成図には、直流電源40と、インバータ回路28と、電流検出抵抗器41と、過電流検出回路35などが示される。インバータ回路28は、スイッチング素子Q11〜スイッチング素子Q16を含む。直流電源40が含む+端子38と直流電源40が含む−端子39との間には、インバータ回路28と、電流検出抵抗器41とが、直列に接続される。
図11Bには、過電流検出回路35の内部構成が示される。過電流検出回路35は、正特性を有する感温抵抗器42と、抵抗器43(R101)とを有する。感温抵抗器42が含む一方の端子は、電流検出抵抗器41と接続される。感温抵抗器42が含む他方の端子は、コンパレータ36の入力端子と接続されるとともに、抵抗器43(R101)を介して、定電圧源44(E)にプルアップされる。
図12Aには、感温抵抗器42の抵抗値に関する温度変化比が示される。正特性を有する感温抵抗器42について、温度変化比は、雰囲気温度25℃を基準とする。
図12Bには、過電流検出回路35について、電流制限値の温度変化が示される。
モータ45が過負荷の状態となり、駆動巻線46、47、48に大きな電流が供給され続けると、モータ45の温度とモータ駆動装置の温度は上昇する。しかし、過電流検出回路35で制限できる電流の制限値は、正特性を有する感温抵抗器42の特性により、モータ45等の温度が上昇することに反して、急激に低下する。よって、駆動巻線46、47、48に供給される電流が減るため、モータ45等の温度上昇が抑制される。
本発明が対象とするモータ駆動装置は、インバータ部と、電流検出抵抗器と、過電流検出部と、過電流調整部と、を備える。
インバータ部と電流検出抵抗器とは、直流電源が含む正極側出力部と直流電源が含む負極側出力部との間で、第1の接続点を介して、直列に接続される。インバータ部は、複数のスイッチング素子を含む。電流検出抵抗器は、インバータ部を通る電流が流される。直流電源から取り出された電力は、インバータ部を介して、モータに供給される。モータは、複数の駆動巻線を含む。
電流検出抵抗器に発生する電圧が、所定の電圧値に達した際、過電流検出部は、複数のスイッチング素子をオフ状態にする。
感温器は、インバータ部の温度を検出する。過電流調整部は、感温器が検出した結果に基いて、過電流検出部に伝達される、電流検出抵抗器に発生した電圧を調整する。
過電流検出部は、第1の入力端子と、第2の入力端子と、第1の出力端子と、を含む、比較器を有する。
第1の入力端子は、電流検出抵抗器に発生する電圧が入力される。第2の入力端子は、予め設定された所定の基準電圧が入力される。比較器は、電流検出抵抗器に発生する電圧と基準電圧とを比較する。第1の出力端子は、比較器にて比較された結果を出力する。
過電流調整部は、レギュレータ電源と、入力電圧発生器と、電圧電流変換部と、オフセット電圧発生器と、を有する。
レギュレータ電源は、正極側端子と、負極側端子と、を含む。正極側端子と負極側端子との間において、入力電圧発生器は、第2の接続点を介して、感温器と直列に接続される。
電圧電流変換部は、電源接続端子と、第3の入力端子と、第2の出力端子と、を含む。電源接続端子は、正極側端子に接続される。第3の入力端子は、第2の接続点に接続される。第3の入力端子から入力される、感温器が検出した結果に応じて、第2の出力端子は、所定の電流を出力する。
オフセット電圧発生器は、第1の端子と、第2の端子と、を含む。第1の端子は、第1の入力端子および第2の出力端子に接続される。第2の端子は、第1の接続点を介して、電流検出抵抗器と接続される。
第1の入力端子に入力される電圧は、電流検出抵抗器に発生した電圧に対して、オフセット電圧発生器で調整された電圧が伝達される。
本発明の実施の形態であるモータ駆動装置は、後述する構成により、インバータ部に流される電流を制限する、電流の制限値を、変更できる。
つまり、従来のモータ駆動装置には、つぎの改善すべき点があった。すなわち、電流の制限値を低下させる温度は、正特性を有する感温抵抗器が自ら備える温度特性に大きく依存する。つまり、正特性を有する感温抵抗器を使用する者は、正特性を有する感温抵抗器を製造する者が準備した範囲でのみ、温度設定ができる。製造者が準備した、感温抵抗器の温度特性は、図12Aで示された、抵抗温度特性代表カーブA、B、Cで示される。換言すれば、使用者は、電流の制限値を低下させる温度を、任意の温度に変更することは困難であった。
しかも、感温抵抗器は、感温抵抗器の温度特性が、図12Aで示された、抵抗温度特性代表カーブA、B、Cに対して、許容される誤差が±50%という大きな値を含むものもある。このように、大きな許容される誤差を含む感温抵抗器を用いる場合、希望する温度を検出するため、感温抵抗器に対して設定される設計上の温度は、見極めが困難であった。
そこで、本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置は、入力電圧発生器を成す抵抗器が含む抵抗値を変更することにより、任意に、電流の制限値を低下させる温度を設定できる。
具体的には、例えば、入力電圧発生器とオフセット電圧発生器とは、それぞれ抵抗器で実現できる。感温器は、例えば、サーミスタのような、負特性を有する感温抵抗器で実現できる。電圧電流変換部は、例えば、トランジスタで実現できる。
特に、本実施の形態におけるモータ駆動装置は、負特性を有する感温抵抗器を用いることで、温度設定の精度が向上する。負特性を有する感温抵抗器は、高い精度を有する部品が容易に入手され易い。
また、本実施の形態におけるモータ駆動装置は、オフセット電圧発生器を成す抵抗器が含む抵抗値が変更されると、検出される電流の制限値が、所望の値に設定できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置の構成図である。図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置の特性図である。
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置の構成図である。図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置の特性図である。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、インバータ部3と、電流検出抵抗器4と、過電流検出部17と、過電流調整部17aと、を備える。
インバータ部3と電流検出抵抗器4とは、直流電源2が含む正極側出力部2aと直流電源2が含む負極側出力部2bとの間で、第1の接続点50を介して、直列に接続される。インバータ部3は、複数のスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6を含む。電流検出抵抗器4は、インバータ部3を通る電流I0が流される。直流電源2から取り出された電力は、インバータ部3を介して、モータ60に供給される。モータ60は、複数の駆動巻線9、10、11を含む。
電流検出抵抗器4に発生する電圧が、所定の電圧値に達した際、過電流検出部17は、複数のスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6をオフ状態にする。
感温器13は、インバータ部3の温度を検出する。過電流調整部17aは、感温器13が検出した結果に基いて、過電流検出部17に伝達される、電流検出抵抗器4に発生した電圧を調整する。
過電流検出部17は、第1の入力端子16aと、第2の入力端子16bと、第1の出力端子16cと、を含む、比較器16を有する。
第1の入力端子16aは、電流検出抵抗器4に発生する電圧が入力される。第2の入力端子16bは、予め設定された所定の基準電圧が入力される。比較器16は、電流検出抵抗器4に発生する電圧と基準電圧とを比較する。第1の出力端子16cは、比較器16にて比較された結果を出力する。
過電流調整部17aは、レギュレータ電源55と、入力電圧発生器14と、電圧電流変換部15と、オフセット電圧発生器12と、を有する。
レギュレータ電源55は、正極側端子55aと、負極側端子55bと、を含む。正極側端子55aと負極側端子55bとの間において、入力電圧発生器14は、第2の接続点51を介して、感温器13と直列に接続される。
電圧電流変換部15は、電源接続端子15aと、第3の入力端子15bと、第2の出力端子15cと、を含む。電源接続端子15aは、正極側端子55aに接続される。第3の入力端子15bは、第2の接続点51に接続される。第3の入力端子15bから入力される、感温器13が検出した結果に応じて、第2の出力端子15cは、所定の電流を出力する。
オフセット電圧発生器12は、第1の端子12aと、第2の端子12bと、を含む。第1の端子12aは、第1の入力端子16aおよび第2の出力端子15cに接続される。第2の端子12bは、第1の接続点50を介して、電流検出抵抗器4と接続される。
第1の入力端子16aに入力される電圧は、電流検出抵抗器4に発生した電圧に対して、オフセット電圧発生器12で調整された電圧が伝達される。
本構成は、例えば、つぎの具体的な要素を用いて、モータ駆動装置1を具現化できる。すなわち、入力電圧発生器14とオフセット電圧発生器12は、それぞれ抵抗器で構成できる。感温器13は、サーミスタのように、負特性を有する感温抵抗器で構成できる。電圧電流変換部15は、トランジスタで構成できる。
本実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、入力電圧発生器14の抵抗値を変更すれば、任意に、電流制限値を低下させる温度を設定できる。また、本実施の形態1におけるモータ駆動装置1に用いられる、負特性を有する感温抵抗器は、高い精度を有する部品が容易に入手できる。よって、本実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、高い精度で、判定する温度を設定できる。さらに、オフセット電圧発生器12の抵抗値を変更すれば、電流制限値が目標とする値を、任意に設定できる。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。
図1に示すように、モータ駆動装置1は、直流電源2と、インバータ部3と、電流検出抵抗器4と、ゲートドライブ回路6と、制御LOGIC回路7と、三角波発生器8と、駆動巻線9、10、11を含むモータ60と、過電流検出部17と、過電流調整部17aと、を備える。過電流検出部17は、比較器16を有する。過電流調整部17aは、オフセット電圧発生器12と、感温器13と、入力電圧発生器14と、電圧電流変換部15と、を有する。
つぎに、各構成要素が互いに接続される状態を説明する。
直流電源2が含む正極側出力部2aと直流電源2が含む負極側出力部2bとの間に、インバータ部3と電流検出抵抗器4とが、直列に接続される。インバータ部3の出力端子3a、3b、3cには、モータ60に含まれる駆動巻線9、10、11が接続される。駆動巻線9、10、11は、3相星型結線を形成する。
インバータ部3には、つぎの手順で、三角波発生器8から出力された搬送周期信号に基く、PWM信号が入力される。
すなわち、搬送周期信号は、三角波発生器8から制御LOGIC回路7に、出力される。制御LOGIC回路7は、入力された搬送周期信号に基いて、PWM信号を生成する。生成されたPWM信号は、制御LOGIC回路7からゲートドライブ回路6を介して、インバータ部3に伝達される。
過電流検出部17は、比較器16を有する。比較器16は、第1の入力端子16aと、第2の入力端子16bと、第1の出力端子16cと、を含む。第1の入力端子16aには、オフセット電圧発生器12を介して、電流検出抵抗器4が接続される。第2の入力端子16bには、基準電圧源18が含む正極側端子が接続される。第2の入力端子16bには、Vrefで示される電圧が印加される。
レギュレータ電源55が含む正極側端子55aとレギュレータ電源55が含む負極側端子55bとの間には、入力電圧発生器14と感温器13とが、直列に接続される。負極側端子55bは、グラウンドともいう。
電圧電流変換部15は、電源接続端子15aと、第3の入力端子15bと、第2の出力端子15cと、を含む。電源接続端子15aは、レギュレータ電源55が含む正極側端子55aと接続される。第3の入力端子15bは、入力電圧発生器14と感温器13とが接続される、第2の接続点51と接続される。第2の出力端子15cは、オフセット電圧発生器12が含む第1の端子12a、および、比較器16が含む第1の入力端子16aに接続される。
感温器13は、インバータ部3の近傍に配置されたり、インバータ部3に直接、取り付けられたりする。感温器13には、インバータ部3の温度が、直接または間接に、よく伝達される。
以上のように構成されたモータ駆動装置1について、図2に示す、特性図を用いて、モータ駆動装置1の動作、作用を説明する。
なお、以下の説明において、本実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、負特性を有する感温器13が用いられる。
図2の(a)は、時間tの経過により変化する感温器13の抵抗値RTと、感温器13の抵抗値RTが変化することに伴う、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINと、を示す特性図である。
時刻t=0において、モータ駆動装置1は、運転を開始する。その後、時間tが経過すると、インバータ部3には、モータ60を駆動する電流が流されるため、インバータ部3の温度は上昇する。よって、インバータ部3の温度を検出する感温器13の温度も上昇する。なお、感温器13は、負特性を有するため、感温器13の抵抗値RTは低下する。
さらに、時間tの経過とともに、感温器13の抵抗値RTは低下する。一方、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは上昇する。
やがて、時刻t=t1において、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは、Vthに達する。
図2の(b)は、オフセット電圧発生器12に発生するオフセット電圧ΔVOFFSETを示す特性図である。
オフセット電圧ΔVOFFSETは、電圧電流変換部15が含む第2の出力端子15cから電流が供給されることで、第2の出力端子15cに発生する電圧である。
電圧電流変換部15が含む第3の入力端子15bに入力される電圧が、所定のスレッシュホールド電圧値Vthに達したとき、第2の出力端子15cから電流が供給される。
さらに、詳細に説明する。
図2の(a)に示すように、時刻t<t1において、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは、Vthより低い。よって、図2の(b)に示すように、第2の出力端子15cから電流が供給されないため、オフセット電圧は、ΔVOFFSET=0となる。
図2の(a)に示すように、時刻t=t1において、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは、Vthとなる。よって、図2の(b)に示すように、第2の出力端子15cからオフセット電圧発生器12に、電流が供給されるため、オフセット電圧ΔVOFFSET(1)が発生する。
図2の(c)は、電流検出抵抗器4を用いて判定する、電流I0の制限レベルを電圧に換算して表した電流制限レベルVCLの上限値を示す特性図である。
電流検出抵抗器4で発生する電圧は、インバータ部3を介して、電流検出抵抗器4に流れる電流I0に起因する。インバータ部3がON/OFFすることに応じて、電流I0が流れたり、電流I0が停止したりする。電流制限レベルVCLは、電流I0の制限レベルを電圧に換算したものであり、電流検出抵抗器4で発生する電圧の上限値を示す。
さらに、詳細に説明する。
図2の(b)に示すように、時刻t<t1において、オフセット電圧は、ΔVOFFSET=0である。このとき、図2の(c)に示すように、電流制限レベルは、VCL(0)=Vrefという大きな値となる。
図2の(b)に示すように、時刻t=t1において、第2の出力端子15cからオフセット電圧発生器12に電流が供給されるため、オフセット電圧は、ΔVOFFSET=ΔVOFFSET(1)となる。このとき、図2の(c)に示すように、電流制限レベルVCLは、VCL(1)=Vref−ΔVOFFSET(1)で導き出される。
図2の(d)は、インバータ部3の温度TCを示す特性図である。インバータ部3には、駆動巻線9、10、11に供給される電流が流される。本実施の形態1では、モータ60が過負荷の状態を示す。このとき、駆動巻線9、10、11に供給される電流I0は、モータ駆動装置1で許容される、電流制限値の上限値になっている。
さらに、詳細に説明する。
図2の(c)に示すように、時刻t<t1において、インバータ部3に流される電流I0は、電流制限レベルが、VCL(0)=Vrefで規制される。換言すれば、電流検出抵抗器4に発生する電圧がVCL(0)=Vrefで規制される値に達するまで、モータ駆動装置1は、電流I0として、大きな電流を流すことができる。このとき、図2の(d)に示すように、インバータ部3の温度TCは、通電時間の経過に合せて上昇する。
その後、図2の(c)に示すように、時刻t=t1において、上述したように、インバータ部3に流すことができる電流を制限する、電流制限レベルはVCL(1)=Vref−ΔVOFFSET(1)となる。つまり、実際に、電流検出抵抗器4に流すことができる電流I0の上限は、少なくなる。よって、図2の(d)に示すように、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇は抑制される。その結果、インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、過負荷の状態にある駆動巻線9、10、11に対して、インバータ部3を介して、電流I0が流される。インバータ部3に電流I0が流されると、インバータ部3の温度は上昇する。感温器13は、直接または間接に、インバータ部3の温度が上昇していることを検出する。感温器13は、負特性を有するため、感温器13で検出される温度が上昇すると、感温器13の抵抗値は低下する。感温器13の抵抗値が低下すれば、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは上昇する。入力電圧発生器14の電圧値ΔVINが上昇を続けた結果、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINは、予め定めたスレッシュホールド電圧Vthに達する。
電圧電流変換部15には、第3の入力端子15bを介して、入力電圧発生器14の電圧値ΔVINが伝達される。入力電圧発生器14の電圧値がΔVIN=Vthに達すると、電圧電流変換部15は、オフセット電圧発生器12に対して電流を供給する。やがて、オフセット電圧発生器12には、オフセット電圧がΔVOFFSET=ΔVOFFSET(1)となる電圧が発生する。
オフセット電圧発生器12において、オフセット電圧がΔVOFFSET=ΔVOFFSET(1)になると、電流制限レベルはVCL(0)=Vrefから、VCL(1)=Vref−ΔVOFFSET(1)となる。
この結果、電流検出抵抗器4で規制される電流値は低くなる。換言すれば、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇が抑制される。インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。よって、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置1は、インバータ部3が過熱して、破壊に至ることを防止できる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の構成図である。図4Aは、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置に用いられる負特性を有する感温抵抗器20(TH)が備える代表特性図である。図4Bは、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の特性図である。
図3は、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の構成図である。図4Aは、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置に用いられる負特性を有する感温抵抗器20(TH)が備える代表特性図である。図4Bは、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の特性図である。
本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置101は、上述した実施の形態1におけるモータ駆動装置1に対して、特に、つぎの過電流調整部117aを有する点が異なる。
すなわち、モータ駆動装置101が備える過電流調整部117aは、オフセット電圧発生器である第1の抵抗器19と、入力電圧発生器である第2の抵抗器21と、電圧電流変換部であるトランジスタ22と、感温器である感温抵抗器20と、を有する。
トランジスタ22は、正極側端子55aと接続するエミッタ端子22aと、第1の入力端子16aと接続するコレクタ端子22cと、第2の接続点51と接続するベース端子22bと、を含む。なお、エミッタ端子22aは、上述した実施の形態1において、電源接続端子15aに相当する。同様に、コレクタ端子22cは、上述した実施の形態1において、第2の出力端子15cに相当する。ベース端子22bは、上述した実施の形態1において、第3の入力端子15bに相当する。
感温抵抗器20は、負特性を有する。
本構成により、第2の抵抗器21の抵抗値を変更すれば、任意に、電流制限値を低下させる温度を設定できる。また、本実施の形態2におけるモータ駆動装置101に用いられる、負特性を有する感温抵抗器は、高い精度を有する部品が容易に入手できる。よって、本実施の形態2におけるモータ駆動装置101は、高い精度で、判定する温度を設定できる。さらに、第1の抵抗器19の抵抗値を変更すれば、電流制限値が目標とする値を、任意に設定できる。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1に示した構成と同一のものについては、同じ符号を付して、説明を援用する。
図3に示すように、モータ駆動装置101は、直流電源2と、インバータ部3と、電流検出抵抗器4と、ゲートドライブ回路6と、制御LOGIC回路7と、三角波発生器8と、駆動巻線9、10、11を含むモータ60と、過電流検出部17と、過電流調整部117aと、を備える。過電流検出部17は、比較器16を有する。過電流調整部117aは、第1の抵抗器19(R1)と、負特性を有する感温抵抗器20(TH)と、第2の抵抗器21(R2)と、トランジスタ22(Q7)と、を有する。
つぎに、各構成要素が互いに接続される状態を説明する。
直流電源2が含む正極側出力部2aと直流電源2が含む負極側出力部2bとの間に、インバータ部3と電流検出抵抗器4とが、直列に接続される。インバータ部3の出力端子3a、3b、3cには、モータ60に含まれる駆動巻線9、10、11が接続される。駆動巻線9、10、11は、3相星型結線を形成する。
インバータ部3には、つぎの手順で、三角波発生器8から出力された搬送周期信号に基く、PWM信号が入力される。
すなわち、搬送周期信号は、三角波発生器8から制御LOGIC回路7に出力される。制御LOGIC回路7は、入力された搬送周期信号に基いて、PWM信号を生成する。生成されたPWM信号は、制御LOGIC回路7からゲートドライブ回路6を介して、インバータ部3に伝達される。
過電流検出部17は、比較器16を有する。比較器16は、第1の入力端子16aと、第2の入力端子16bと、第1の出力端子16cと、を含む。第1の入力端子16aには、第1の抵抗器19(R1)を介して、電流検出抵抗器4が接続される。第2の入力端子16bには、基準電圧源18が含む正極側端子が接続される。第2の入力端子16bには、Vrefで示される電圧が印加される。
レギュレータ電源55(VREG)が含む正極側端子55aとレギュレータ電源55(VREG)が含む負極側端子55bとの間には、第2の抵抗器21(R2)と、負特性を有する感温抵抗器20(TH)とが、直列に接続される。負極側端子55bは、グラウンドともいう。
トランジスタ22(Q7)は、エミッタ端子22aと、ベース端子22bと、コレクタ端子22cと、を含む。エミッタ端子22aは、レギュレータ電源55(VREG)が含む正極側端子55aと接続される。ベース端子22bは、第2の抵抗器21(R2)と感温抵抗器20(TH)とが接続される、第2の接続点51と接続される。コレクタ端子22cは、第1の抵抗器19(R1)と、比較器16が含む第1の入力端子16aに接続される。
感温抵抗器20(TH)は、インバータ部3の近傍に配置されたり、インバータ部3に直接、取り付けられたりする。感温抵抗器20(TH)には、インバータ部3の温度が、直接または間接に、よく伝導される。
以上のように構成されたモータ駆動装置101について、図4A、図4Bに示す、特性図を用いて、モータ駆動装置101の動作、作用を説明する。
図4Aは、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置に用いられる負特性を有する感温抵抗器20(TH)が備える代表特性図である。感温抵抗器20(TH)は、雰囲気温度25℃において、抵抗値が100kΩである。感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、雰囲気温度に反比例して抵抗値が減少する。例えば、感温抵抗器20(TH)は、雰囲気温度100℃において、抵抗値が約5.5kΩである。本実施の形態2におけるモータ駆動装置101には、図4Aで示す特性を有する感温抵抗器20(TH)が用いられた。
図4Bの(a)は、時間tの経過により変化する感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTと、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTが変化することに伴う、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2と、を示す特性図である。第2の抵抗器21(R2)は、トランジスタ22(Q7)が含む、ベース−エミッタ間に位置する。
時刻t=0において、モータ駆動装置101は、運転を開始する。その後、時間tが経過すると、インバータ部3には、モータ60を駆動する電流が流されるため、インバータ部3の温度は上昇する。よって、インバータ部3の温度を検出する感温抵抗器20(TH)の温度も上昇する。なお、感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。
さらに、時間tの経過とともに、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。一方、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。
やがて、時刻t=t1において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、トランジスタ22(Q7)が導通を開始する、スレッシュホールド電圧Vth(=VF)に達する。
図4Bの(b)は、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧ΔVR1を示す特性図である。
電圧ΔVR1は、コレクタ端子22cから電流Icが供給されることで、コレクタ端子22cに発生する電圧である。トランジスタ22(Q7)が含む、ベース−エミッタ間に位置する第2の抵抗器21(R2)に発生する電圧ΔVR2が、所定のスレッシュホールド電圧値Vth(=VF)に達したとき、コレクタ端子22cから電流Icが供給される。
さらに、詳細に説明する。
図4Bの(a)に示すように、時刻t<t1において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、Vthより低い。よって、図4Bの(b)に示すように、コレクタ端子22cから電流Icは供給されないため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0となる。
図4Bの(a)に示すように、時刻t=t1において、トランジスタ22(Q7)が含むベース−エミッタ間に位置する第2の抵抗器21(R2)に発生する電圧ΔVR2は、Vthとなる。よって、図4Bの(b)に示すように、コレクタ端子22cから第1の抵抗器19(R1)に、電流Icが供給されるため、電圧ΔVR1(1)が発生する。なお、Vthの電圧は、バイポーラトランジスタではVth=VF=約0.6Vである。
図4Bの(c)は、電流検出抵抗器4を用いて判定する、電流I0の制限レベルを電圧に換算して表した電流制限レベルVCLの上限値を示す特性図である。
電流検出抵抗器4で発生する電圧は、インバータ部3を介して、電流検出抵抗器4に流れる電流I0に起因する。インバータ部3がON/OFFすることに応じて、電流I0が流れたり、電流I0が停止したりする。電流制限レベルVCLは、電流I0の制限レベルを電圧に換算したものであり、電流検出抵抗器4で発生する電圧の上限値を示す。
さらに、詳細に説明する。
図4Bの(b)に示すように、時刻t<t1において、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0である。このとき、図4Bの(c)に示すように、電流制限レベルは、VCL(0)=Vrefという大きな値となる。
図4Bの(b)に示すように、時刻t=t1において、上述したように、コレクタ端子22cから第1の抵抗器19(R1)に電流が供給されるため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=ΔVR1(1)となる。このとき、図4Bの(c)に示すように、電流制限レベルVCLは、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)で導き出される。
図4Bの(d)は、インバータ部3の温度TCを示す特性図である。インバータ部3には、駆動巻線9、10、11に供給される電流が流される。本実施の形態2では、モータ60が過負荷の状態を示す。このとき、駆動巻線9、10、11に供給される電流I0は、モータ駆動装置101で許容される、電流制限値の上限値となっている。
さらに、詳細に説明する。
図4Bの(c)に示すように、時刻t<t1において、インバータ部3に流される電流I0は、電流制限レベルが、VCL(0)=Vrefで規制される。換言すれば、電流検出抵抗器4(R0)に発生する電圧がVCL(0)=Vrefで規制される値に達するまで、モータ駆動装置1は、電流I0として、大きな電流を流すことができる。このとき、図4Bの(d)に示すように、インバータ部3の温度TCは、通電時間の経過に合せて上昇する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置101は、過負荷の状態にある駆動巻線9、10、11に対して、インバータ部3を介して、電流I0が流される。インバータ部3に電流I0が流されると、インバータ部3の温度が上昇する。感温抵抗器20(TH)は、直接または間接に、インバータ部3の温度が上昇していることを検出する。感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)で検出される温度が上昇すると、感温抵抗器20(TH)の抵抗値は低下する。感温抵抗器20(TH)の抵抗値が低下すれば、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が上昇を続けた結果、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、予め定めたスレッシュホールド電圧Vthに達する。
トランジスタ22(Q7)には、ベース端子22bを介して、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が伝達される。第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=Vthに達すると、トランジスタ22(Q7)は、第1の抵抗器19(R1)に対して電流Icを供給する。やがて、第1の抵抗器19(R1)には、ΔVR1=ΔVR1(1)となる電圧が発生する。
第1の抵抗器19(R1)において、発生する電圧がΔVR1=ΔVR1(1)になると、電流制限レベルはVCL(0)=Vrefから、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)となる。
この結果、電流検出抵抗器4で規制される電流値は低くなる。換言すれば、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇が抑制される。インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。よって、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置101は、インバータ部3が過熱して、破壊に至ることを防止できる。
温度TC(1)は、第2の抵抗器21(R2)の抵抗値を変更する、あるいは、感温抵抗器20(TH)を温度特性が異なるものに変更することで、任意に変更できる。
また、電流I0を制限する電流制限値は、第1の抵抗器19(R1)の抵抗値を変更することで、電流を制限する量を変更できる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置の構成図である。図6Aは、本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置の特性図である。図6Bは、本発明の実施の形態3と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。
図5は、本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置の構成図である。図6Aは、本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置の特性図である。図6Bは、本発明の実施の形態3と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。
本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、上述した実施の形態2におけるモータ駆動装置101に対して、特に、つぎの点で異なる。
すなわち、過電流調整部117bは、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと、第2の接続点51との間に、ダイオード23(D10)をさらに有する。
ダイオード23(D10)のアノード23aは、ベース端子22bと接続される。ダイオード23(D10)のカソード23bは、第2の接続点51と接続される。
本構成とすれば、本実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、トランジスタ22を導通するために要する入力電圧が2倍になる。よって、本実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と比べて、入力電圧に対するコレクタ電流の変化を、より緩やかにすることができる。その結果、モータ駆動装置102の温度上昇カーブは、緩やかになる。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1、2に示した構成と同一のものについては、同じ符号を付して、説明を援用する。
図5に示すように、本実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと、第2の接続点51との間に、ダイオード23(D10)を挿入する点以外は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同じ構成である。
ダイオード23(D10)が追加されたモータ駆動装置102は、ダイオード23(D10)を有さないモータ駆動装置101と比べて、トランジスタ22(Q7)を導通するために、2倍の電圧を必要とする。
具体的には、第2の接続点51を基準とした場合、モータ駆動装置101は、トランジスタ22(Q7)を導通するために、ベース−エミッタ間に電圧VFを必要とする。一方、モータ駆動装置102は、トランジスタ22(Q7)を導通するために、ベース−エミッタ間に電圧VF×2を必要とする。
以上のように構成されたモータ駆動装置102について、図6Aに示す、特性図を用いて、モータ駆動装置102の動作、作用を説明する。
図6Aの(a)は、時間tの経過により変化する感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTと、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTが変化することに伴う、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2と、を示す特性図である。
時刻t=0において、モータ駆動装置102は、運転を開始する。その後、時間tが経過すると、インバータ部3には、モータ60を駆動する電流が流されるため、インバータ部3の温度は上昇する。よって、インバータ部3の温度を検出する感温抵抗器20(TH)の温度も上昇する。なお、感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。
さらに、時間tの経過とともに、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。一方、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。
その後、時刻t=t1において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、電圧VFに達する。実施の形態2において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VFとなったとき、モータ駆動装置101は、トランジスタ22(Q7)が導通に至った。
しかしながら、本実施の形態3において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VFとなっても、モータ駆動装置102は、トランジスタ22(Q7)が導通に至らない。その理由は、上述したように、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと第2の接続点51との間に、ダイオード23(D10)が存在するためである。つまり、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、トランジスタ22(Q7)が導通するために必要とされる、スレッシュホールド電圧Vth=VF×2を満たしていない。
やがて、時刻t=t2において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、トランジスタ22(Q7)が導通を開始する、スレッシュホールド電圧Vth(=VF×2)に達する。
図6Aの(b)は、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧ΔVR1を示す特性図である。
電圧ΔVR1は、コレクタ端子22cから電流Icが供給されることで、コレクタ端子22cに発生する電圧である。トランジスタ22(Q7)が含む、ベース−エミッタ間に位置する第2の抵抗器21(R2)の両端に発生する電圧ΔVR2が、所定のスレッシュホールド電圧値Vthに達したとき、コレクタ端子22cから電流Icが供給される。
さらに、詳細に説明する。
図6Aの(a)に示すように、時刻t<t2において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、Vthより低い。よって、図6Aの(b)に示すように、コレクタ端子22cから電流Icは供給されないため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0となる。
図6Aの(a)に示すように、時刻t=t2において、トランジスタ22(Q7)が含むベース−エミッタ間に位置する第2の抵抗器21(R2)の両端に発生する電圧ΔVR2は、Vthとなる。よって、図6Aの(b)に示すように、コレクタ端子22cから第1の抵抗器19(R1)に、電流Icが供給されるため、電圧ΔVR1(1)が発生する。
図6Aの(c)は、電流検出抵抗器4を用いて判定する、電流I0の制限レベルを電圧に換算して表した電流制限レベルVCLの上限値を示す特性図である。
電流検出抵抗器4で発生する電圧は、インバータ部3を介して、電流検出抵抗器4に流れる電流I0に起因する。インバータ部3がON/OFFすることに応じて、電流I0が流れたり、電流I0が停止したりする。電流制限レベルVCLは、電流I0の制限レベルを電圧に換算したものであり、電流検出抵抗器4で発生する電圧の上限値を示す。
さらに、詳細に説明する。
図6Aの(b)に示すように、時刻t<t2において、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0である。このとき、図6Aの(c)に示すように、電流制限レベルは、VCL(0)=Vrefという大きな値となる。
図6Aの(b)に示すように、時刻t=t2において、上述したように、コレクタ端子22cから第1の抵抗器19(R1)に電流が供給されるため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=ΔVR1(1)となる。このとき、図6Aの(c)に示すように、電流制限レベルVCLは、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)で導き出される。
図6Aの(d)は、インバータ部3の温度TCを示す特性図である。インバータ部3には、駆動巻線9、10、11に供給される電流が流される。本実施の形態3では、モータ60が過負荷の状態を示す。このとき、駆動巻線9、10、11に供給される電流I0は、モータ駆動装置102で許容される、電流制限値の上限値となっている。
さらに、詳細に説明する。
図6Aの(c)に示すように、時刻t<t2において、インバータ部3に流される電流I0は、電流制限レベルが、VCL(0)=Vrefで規制される。換言すれば、電流検出抵抗器4(R0)に発生する電圧がVCL(0)=Vrefで規制される値に達するまで、モータ駆動装置102は、電流I0として、大きな電流を流すことができる。このとき、図6Aの(d)に示すように、インバータ部3の温度TCは、通電時間の経過に合せて上昇する。
その後、図6Aの(c)に示すように、時刻t=t2において、上述したように、インバータ部3に流すことができる電流を制限する、電流制限レベルはVCL(1)=Vref−ΔVR1(1)となる。つまり、実際に、電流検出抵抗器4(R0)に流すことができる電流I0の上限は、少なくなる。よって、図6Aの(d)に示すように、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇は抑制される。その結果、インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、過負荷の状態にある駆動巻線9、10、11に対して、インバータ部3を介して、電流I0が流される。インバータ部3に電流I0が流されると、インバータ部3の温度が上昇する。感温抵抗器20(TH)は、直接または間接に、インバータ部3の温度が上昇していることを検出する。感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)が検出する温度が上昇すると、感温抵抗器20(TH)の抵抗値は低下する。感温抵抗器20(TH)の抵抗値が低下すれば、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が上昇を続けた結果、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、予め定めたスレッシュホールド電圧Vthに達する。
トランジスタ22(Q7)には、ダイオード23(D10)とベース端子22bを介して、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が伝達される。第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=Vthに達すると、トランジスタ22(Q7)は、第1の抵抗器19(R1)に対して電流Icを供給する。やがて、第1の抵抗器19(R1)には、ΔVR1=ΔVR1(1)となる電圧が発生する。
第1の抵抗器19(R1)において、発生する電圧がΔVR1=ΔVR1(1)になると、電流制限レベルはVCL(0)=Vrefから、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)となる。
この結果、実施の形態2と同様、電流検出抵抗器4で規制される電流値は低くなる。換言すれば、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇が抑制される。インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。よって、本実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、インバータ部3が過熱して、破壊に至ることを防止できる。
さらに、本実施の形態3におけるモータ駆動装置102は、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと第2の接続点51との間に、ダイオード23(D10)が存在する。よって、モータ駆動装置102は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と比べて、トランジスタ22(Q7)が導通に至る、スレッシュホールド電圧が、2倍に電圧なる。従って、トランジスタ22(Q7)が徐々に導通するため、インバータ部3の温度は、緩やかな変化を経て、一定の温度TC(1)に至る。
本構成とすれば、インバータ部3に流される電流I0が大きく、スイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6によるスイッチング損失や、電流検出抵抗器4(R0)などによる損失が過大となる場合、つぎの効果を奏する。
すなわち、図6Bは、本発明の実施の形態3と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。図6Bには、比較例において、モータ駆動装置が有するインバータ部3の温度TCが示される。
図6Bに示すように、時刻t<t1において、インバータ部3に過大な電流I0が流されると、インバータ部3の温度は、上昇する。インバータ部3等は、熱容量を有する。よって、インバータ部3の温度は、電流I0が供給されるタイミングとの間で、時間的な遅延を生じながら上昇する。
時刻t=t1において、インバータ部3に供給される電流I0は、瞬時に小さい電流値に切り替えられる。熱容量による時間遅れが生じているため、インバータ部3の温度は、インバータ部3に供給される電流I0が小さい電流値に切り替えられた後も上昇を続ける。やがて、インバータ部3の温度は、Tc(2)(>TC(1))まで上昇する。
その後、インバータ部3に供給される電流I0が小さい電流値に切り替えられたことにより、インバータ部3の温度は下降に転じる。やがて、インバータ部3とインバータ部3の周囲等との間で、熱的な飽和状態が生じる。その結果、インバータ部3の温度は、Tc(1)に至る。
本実施の形態3におけるモータ駆動装置102を用いれば、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと第2の接続点51との間に生じる電圧は、比較的緩やかに上昇する。よって、インバータ部3に供給される電流I0は、徐々に少なくなるため、オーバーシュートが生じるという不具合の発生を抑制できる。
また、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同様、つぎの作用、効果を奏する。すなわち、温度TC(1)は、第2の抵抗器21(R2)の抵抗値を変更する、あるいは、感温抵抗器20(TH)を温度特性が異なるものに変更することで、任意に変更できる。
また、電流I0を制限する電流制限値は、第1の抵抗器19(R1)の抵抗値を変更することで、電流を制限する量を変更できる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置の構成図である。図8Aは、本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置の特性図である。図8Bは、本発明の実施の形態4と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。
図7は、本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置の構成図である。図8Aは、本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置の特性図である。図8Bは、本発明の実施の形態4と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。
本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、上述した実施の形態2におけるモータ駆動装置101に対して、特に、つぎの点で異なる。
すなわち、過電流調整部117cが有する、Q7で示すトランジスタは、バイポーラ型トランジスタ(Bipolar transistor)に換えて、絶縁ゲート型トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor。以下、「MOSFET」と記す。)が用いられる。
本構成において、本実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、Q7で示すトランジスタを、MOSFET24とするものである。MOSFET24は、MOSFET24を導通するために必要となる入力電圧値が大きい。よって、本実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、実施の形態2で示したモータ駆動装置101と比べて、部品数を増やすことなく、実施の形態3と同様、あるいは、実施の形態3以上に、インバータ部3の温度上昇カーブを緩やかにできる。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1、2に示した構成と同一のものについては、同じ符号を付して、説明を援用する。
図7に示すように、本実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、MOSFET24(Q7)が用いられる点以外は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同じ構成である。モータ駆動装置103は、MOSFET24(Q7)が用いられるため、モータ駆動装置101と比べて、スレッシュホールド電圧が高くなる。
つまり、MOSFET24(Q7)のスレッシュホールド電圧VGS(on)は、モータ駆動装置101におけるスレッシュホールド電圧VFや、モータ駆動装置102におけるスレッシュホールド電圧VF×2よりも大きい。
以上のように構成されたモータ駆動装置103について、図8Aに示す、特性図を用いて、モータ駆動装置103の動作、作用を説明する。
図8Aの(a)は、時間tの経過により変化する感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTと、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTが変化することに伴う、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2と、を示す特性図である。
時刻t=0において、モータ駆動装置103は、運転を開始する。その後、時間tが経過すると、インバータ部3には、モータ60を駆動する電流が流されるため、インバータ部3の温度は上昇する。よって、インバータ部3の温度を検出する感温抵抗器20(TH)の温度も上昇する。なお、感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。
さらに、時間tの経過とともに、感温抵抗器20(TH)の抵抗値RTは低下する。一方、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。
その後、時刻t=t1において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、電圧VFに達する。実施の形態2において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VFとなったとき、モータ駆動装置101は、トランジスタ22(Q7)が導通に至った。
しかしながら、本実施の形態4において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VFとなっても、モータ駆動装置103は、MOSFET24(Q7)が導通に至らない。その理由は、上述したように、MOSFET24(Q7)が導通に至るスレッシュホールド電圧VGS(on)が、モータ駆動装置101が有するトランジスタ22(Q7)のスレッシュホールド電圧VFより高いためである。つまり、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、MOSFET24(Q7)が導通するために必要とされる、スレッシュホールド電圧Vth=VGS(on)を満たしていない。
さらに、時刻t=t2において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、電圧VF×2に達する。実施の形態3において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VF×2となったとき、モータ駆動装置102は、トランジスタ22(Q7)が導通に至った。
しかしながら、本実施の形態4において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=VF×2となっても、モータ駆動装置103は、MOSFET24(Q7)が導通に至らない。その理由は、上述したように、MOSFET24(Q7)が導通に至るスレッシュホールド電圧VGS(on)が、モータ駆動装置102が有するトランジスタ22(Q7)のスレッシュホールド電圧VF×2より高いためである。つまり、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、MOSFET24(Q7)が導通するために必要とされる、スレッシュホールド電圧Vth=VGS(on)を満たしていない。
やがて、時刻t=t3において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、MOSFET24(Q7)が導通を開始する、スレッシュホールド電圧Vth(=VGS(on))に達する。
図8Aの(b)は、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧ΔVR1を示す特性図である。
電圧ΔVR1は、ドレイン端子24cから電流Idが供給されることで、ドレイン端子24cに発生する電圧である。MOSFET24(Q7)が含む、ゲート−ソース間に位置する第2の抵抗器21(R2)の両端に発生する電圧ΔVR2が、所定のスレッシュホールド電圧値Vth(=VGS(on))に達したとき、ソース端子24aからドレイン端子24cを介して、電流Idが供給される。
さらに、詳細に説明する。
図8Aの(a)に示すように、時刻t<t3において、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、Vthより低い。よって、図8Aの(b)に示すように、ドレイン端子24cから電流Idは供給されないため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0となる。
図8Aの(a)に示すように、時刻t=t3において、MOSFET24(Q7)が含むゲート−ソース間に位置する第2の抵抗器21(R2)の両端に発生する電圧ΔVR2は、Vth(=VGS(on))となる。よって、図8Aの(b)に示すように、ドレイン端子24cから第1の抵抗器19(R1)に、電流Idが供給されるため、電圧ΔVR1(1)が発生する。
図8Aの(c)は、電流検出抵抗器4を用いて判定する、電流I0の制限レベルを電圧に換算して表した電流制限レベルVCLの上限値を示す特性図である。
電流検出抵抗器4で発生する電圧は、インバータ部3を介して、電流検出抵抗器4に流れる電流I0に起因する。インバータ部3がON/OFFすることに応じて、電流I0が流れたり、電流I0が停止したりする。電流制限レベルVCLは、電流I0の制限レベルを電圧に換算したものであり、電流検出抵抗器4で発生する電圧の上限値を示す。
さらに、詳細に説明する。
図8Aの(b)に示すように、時刻t<t2において、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=0である。このとき、図8Aの(c)に示すように、電流制限レベルは、VCL(0)=Vrefという大きな値となる。
その後、図8Aの(b)に示すように、時刻t=t3において、上述したように、ドレイン端子24cから第1の抵抗器19(R1)に電流が供給されるため、第1の抵抗器19(R1)に発生する電圧は、ΔVR1=ΔVR1(1)となる。このとき、図8Aの(c)に示すように、電流制限レベルVCLは、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)で導き出される。
図8Aの(d)は、インバータ部3の温度TCを示す特性図である。インバータ部3には、駆動巻線9、10、11に供給される電流が流される。本実施の形態3では、モータ60が過負荷の状態を示す。このとき、駆動巻線9、10、11に供給される電流I0は、モータ駆動装置103で許容される、電流制限値の上限値となっている。
さらに、詳細に説明する。
図8Aの(c)に示すように、時刻t<t3において、インバータ部3に流される電流I0は、電流制限レベルが、VCL(0)=Vrefで規制される。換言すれば、電流検出抵抗器4(R0)に発生する電圧がVCL(0)=Vrefで規制される値に達するまで、モータ駆動装置103は、電流I0として、大きな電流を流すことができる。このとき、図8Aの(d)に示すように、インバータ部3の温度TCは、通電時間の経過に合せて上昇する。
その後、図8Aの(c)に示すように、時刻t=t3において、上述したように、インバータ部3に流すことができる電流を制限する、電流制限レベルはVCL(1)=Vref−ΔVR1(1)となる。つまり、実際に、電流検出抵抗器4(R0)に流すことができる電流I0の上限は、少なくなる。よって、図8Aの(d)に示すように、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇は抑制される。その結果、インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、過負荷の状態にある駆動巻線9、10、11に対して、インバータ部3を介して、電流I0が流される。インバータ部3に電流I0が流されると、インバータ部3の温度が上昇する。感温抵抗器20(TH)は、直接または間接に、インバータ部3の温度が上昇していることを検出する。感温抵抗器20(TH)は、負特性を有するため、感温抵抗器20(TH)が検出する温度が上昇すると、感温抵抗器20(TH)の抵抗値は低下する。感温抵抗器20(TH)の抵抗値が低下すれば、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は上昇する。第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が上昇を続けた結果、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2は、予め定めたスレッシュホールド電圧Vth=VGS(ON)に達する。
MOSFET24(Q7)には、ゲート端子24bを介して、第2の抵抗器21(R2)の電圧値ΔVR2が伝達される。第2の抵抗器21(R2)の電圧値がΔVR2=Vthに達すると、MOSFET24(Q7)は、第1の抵抗器19(R1)に対して電流Idを供給する。やがて、第1の抵抗器19(R1)には、ΔVR1=ΔVR1(1)となる電圧が発生する。
第1の抵抗器19(R1)において、発生する電圧がΔVR1=ΔVR1(1)になると、電流制限レベルはVCL(0)=Vrefから、VCL(1)=Vref−ΔVR1(1)となる。
この結果、実施の形態2と同様、電流検出抵抗器4で規制される電流値は低くなる。換言すれば、インバータ部3に流される電流I0が少なくなるため、インバータ部3の温度上昇が抑制される。インバータ部3の温度は、一定の温度TC(1)で飽和する。よって、本実施の形態4におけるモータ駆動装置103は、インバータ部3が過熱して、破壊に至ることを防止できる。
さらに、本実施の形態4におけるモータ駆動装置103が有するMOSFET24(Q7)は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と、実施の形態3におけるモータ駆動装置102が有するトランジスタ22(Q7)と比べて、MOSFET24(Q7)が導通に至る、スレッシュホールド電圧が高い。従って、MOSFET24(Q7)が徐々に導通するため、インバータ部3の温度は、緩やかな変化を経て、一定の温度TC(1)に至る。
本構成とすれば、インバータ部3に流される電流I0が大きく、スイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6によるスイッチング損失や、電流検出抵抗器4(R0)などによる損失が過大となる場合、つぎの効果を奏する。
すなわち、図8Bは、本発明の実施の形態4と比較する比較例におけるモータ駆動装置が備えるインバータ部の温度特性図である。図8Bには、比較例において、モータ駆動装置が有するインバータ部3の温度TCが示される。
図8Bに示すように、時刻t<t1において、インバータ部3に過大な電流I0が流されると、インバータ部3の温度は、上昇する。インバータ部3等は、熱容量を有する。よって、インバータ部3の温度は、電流I0が供給されるタイミングとの間で、時間的な遅延を生じながら上昇する。
時刻t=t1において、インバータ部3に供給される電流I0は、瞬時に小さい電流値に切り替えられる。熱容量による時間遅れが生じているため、インバータ部3の温度は、インバータ部3に供給される電流I0が小さい電流値に切り替えられた後も上昇を続ける。やがて、インバータ部3の温度は、Tc(2)(>TC(1))まで上昇する。
その後、インバータ部3に供給される電流I0が小さい電流値に切り替えられたことにより、インバータ部3の温度は下降に転じる。やがて、インバータ部3とインバータ部3の周囲等との間で、熱的な飽和状態が生じる。その結果、インバータ部3の温度は、Tc(1)に至る。
本実施の形態4におけるモータ駆動装置103を用いれば、トランジスタ22(Q7)が含むベース端子22bと第2の接続点51との間に生じる電圧は、比較的緩やかに上昇する。よって、インバータ部3に供給される電流I0は、徐々に少なくなるため、オーバーシュートが生じるという不具合の発生を抑制できる。
また、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同様、つぎの作用、効果を奏する。すなわち、温度TC(1)は、第2の抵抗器21(R2)の抵抗値を変更する、あるいは、感温抵抗器20(TH)を温度特性が異なるものに変更することで、任意に変更できる。
また、電流I0を制限する電流制限値は、第1の抵抗器19(R1)の抵抗値を変更することで、電流を制限する量を変更できる。
(実施の形態5)
図9は、本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置の構成図である。図10は、本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置の特性図である。
図9は、本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置の構成図である。図10は、本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置の特性図である。
本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置104は、上述した実施の形態2におけるモータ駆動装置101に対して、特に、つぎの点で異なる。
すなわち、過電流調整部117dは、第2の接続点51と、感温抵抗器20(TH)との間に、第3の抵抗器25(R3)をさらに有する。
本構成において、第2の接続点51は、第3の抵抗器25を介して感温抵抗器20と接続される。よって、本実施の形態5におけるモータ駆動装置104は、感温抵抗器20の損失を減らすことができる。また、本実施の形態5におけるモータ駆動装置104は、感温抵抗器20自体で生じる損失による発熱を抑えることで、インバータ部3と感温抵抗器20との間に生じる温度差を小さくできる。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1、2に示した構成と同一のものについては、同じ符号を付して、説明を援用する。
図9に示すように、本実施の形態5におけるモータ駆動装置104は、第2の接続点51と、感温抵抗器20(TH)との間に、第3の抵抗器25(R3)を挿入する点以外は、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同じ構成である。
第3の抵抗器25(R3)が追加されたモータ駆動装置104は、第3の抵抗器25(R3)を有さないモータ駆動装置101と比べて、感温抵抗器20(TH)に流れる電流ITHを少なくできる。
以上のように構成されたモータ駆動装置104について、図10に示す、特性図を用いて、モータ駆動装置104の動作、作用を説明する。
図10には、インバータ部3の温度TCが一定の温度TC(1)に到達する様子と、この状態に対応する感温抵抗器20(TH)の温度TTHが変化する様子とが示される。
感温抵抗器20(TH)には、感温抵抗器20(TH)に電流ITHが流れることで、損失が発生する。よって、感温抵抗器20(TH)とインバータ部3との間には、温度差ΔTC−TH(1)が生じる。温度差ΔTC−TH(1)は、感温抵抗器20(TH)に流れる電流ITHの値に比例する。
インバータ部3は、過熱による素子の破壊が回避されることが望まれる。よって、インバータ部3と感温抵抗器20(TH)との間に、温度差ΔTC−TH(1)が生じることは好ましくない。
そこで、第2の接続点51と感温抵抗器20(TH)との間に、第3の抵抗器25(R3)を挿入することにより、感温抵抗器20(TH)に流れる電流ITHを少なくする。よって、モータ駆動装置104は、温度差ΔTC−TH(1)が小さくなる。
その他の動作については、実施の形態2におけるモータ駆動装置101と同様であり、説明を援用する。
また、第3の抵抗器25(R3)は、実施の形態3におけるモータ駆動装置102や、実施の形態4におけるモータ駆動装置103に追加すれば、本実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した実施の形態3から実施の形態5に示す、モータ駆動装置102、103、104は、実施の形態1および実施の形態2に示す、モータ駆動装置1、101で得ることができる効果に加えて、さらに、各々の構成にて得ることができる効果を奏する。
本発明におけるモータ駆動装置は、電流制限値を低下させる温度設定を、任意の設定値に調整できる。
すなわち、従来のモータ駆動装置は、従来、正特性を有する感温抵抗器の製造者が準備していた選択肢でのみ、電流制限値を低下させる温度設定を定めていた。本発明におけるモータ駆動装置は、負特性を有する感温抵抗器と、この感温抵抗器と組合せる抵抗器の抵抗値を選択することにより、任意の電流制限値を低下させる温度設定を定めることができる。
よって、本発明のモータ駆動装置は、インバータ技術が用いられるモータ駆動装置の過熱保護以外に、インダクタンス負荷をインバータ制御する機器などにも適用できる。
また、負特性を有する感温抵抗器は、入手が容易であるため、設計の自由度が向上する。
1,101,102,103,104 モータ駆動装置
2 直流電源
2a 正極側出力部
2b 負極側出力部
3 インバータ部
3a,3b,3c 出力端子
4 電流検出抵抗器
6 ゲートドライブ回路
7 制御LOGIC回路
8 三角波発生器
9,10,11,46,47,48 駆動巻線
12 オフセット電圧発生器
12a 第1の端子
12b 第2の端子
13 感温器
14 入力電圧発生器
15 電圧電流変換部
15a 電源接続端子
15b 第3の入力端子
15c 第2の出力端子
16 比較器
16a 第1の入力端子
16b 第2の入力端子
16c 第1の出力端子
17 過電流検出部
17a,117a,117b,117c,117d 過電流調整部
18 基準電圧源
19 第1の抵抗器(オフセット電圧発生器)
20 感温抵抗器(感温器)
21 第2の抵抗器(入力電圧発生器)
22 トランジスタ(電圧電流変換部)
22a エミッタ端子
22b ベース端子
22c コレクタ端子
23 ダイオード
23a アノード
23b カソード
24 MOSFET(絶縁ゲート型トランジスタ)
24a ソース端子
24b ゲート端子
24c ドレイン端子
25 第3の抵抗器
28 インバータ回路
35 過電流検出回路
36 コンパレータ
38 +端子
39 −端子
40 直流電源
41 電流検出抵抗器
42 感温抵抗器
43 抵抗器
44 定電圧源
45,60 モータ
50 第1の接続点
51 第2の接続点
55 レギュレータ電源
55a 正極側端子
55b 負極側端子
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q11,Q12,Q13,Q14,Q15,Q16 スイッチング素子
2 直流電源
2a 正極側出力部
2b 負極側出力部
3 インバータ部
3a,3b,3c 出力端子
4 電流検出抵抗器
6 ゲートドライブ回路
7 制御LOGIC回路
8 三角波発生器
9,10,11,46,47,48 駆動巻線
12 オフセット電圧発生器
12a 第1の端子
12b 第2の端子
13 感温器
14 入力電圧発生器
15 電圧電流変換部
15a 電源接続端子
15b 第3の入力端子
15c 第2の出力端子
16 比較器
16a 第1の入力端子
16b 第2の入力端子
16c 第1の出力端子
17 過電流検出部
17a,117a,117b,117c,117d 過電流調整部
18 基準電圧源
19 第1の抵抗器(オフセット電圧発生器)
20 感温抵抗器(感温器)
21 第2の抵抗器(入力電圧発生器)
22 トランジスタ(電圧電流変換部)
22a エミッタ端子
22b ベース端子
22c コレクタ端子
23 ダイオード
23a アノード
23b カソード
24 MOSFET(絶縁ゲート型トランジスタ)
24a ソース端子
24b ゲート端子
24c ドレイン端子
25 第3の抵抗器
28 インバータ回路
35 過電流検出回路
36 コンパレータ
38 +端子
39 −端子
40 直流電源
41 電流検出抵抗器
42 感温抵抗器
43 抵抗器
44 定電圧源
45,60 モータ
50 第1の接続点
51 第2の接続点
55 レギュレータ電源
55a 正極側端子
55b 負極側端子
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q11,Q12,Q13,Q14,Q15,Q16 スイッチング素子
Claims (6)
- 直流電源が含む正極側出力部と前記直流電源が含む負極側出力部との間に、複数のスイッチング素子を含むインバータ部と、前記インバータ部を通る電流が流れる電流検出抵抗器とを、第1の接続点を介して直列に接続し、前記直流電源から取り出した電力を、前記インバータ部を介して、複数の駆動巻線を含むモータに供給するとともに、
前記電流検出抵抗器に発生する電圧が、所定の電圧値に達した際、前記複数のスイッチング素子をオフ状態にする過電流検出部と、
前記インバータ部の温度を感温器で検出し、前記感温器が検出した結果に基いて、前記過電流検出部に伝達される、前記過電流検出抵抗器に発生した電圧を調整する過電流調整部と、
を備え、
前記過電流検出部は、
前記電流検出抵抗器に発生する電圧が入力される第1の入力端子と、
予め設定された所定の基準電圧が入力される第2の入力端子と、
前記電流検出抵抗器に発生する電圧と前記基準電圧とを比較して、比較した結果を出力する第1の出力端子と、
を含む、比較器を有し、
前記過電流調整部は、
正極側端子と、負極側端子と、を含むレギュレータ電源と、
前記正極側端子と前記負極側端子との間において、第2の接続点を介して前記感温器と直列に接続される入力電圧発生器と、
前記正極側端子に接続される電源接続端子と、
前記第2の接続点に接続される第3の入力端子と、
前記第3の入力端子から入力される、前記感温器が検出した結果に応じて、所定の電流を出力する第2の出力端子と、
を含む電圧電流変換部と、
前記第1の入力端子および前記第2の出力端子に接続される第1の端子と、
前記第1の接続点を介して、前記電流検出抵抗に接続される第2の端子と、
を含む、オフセット電圧発生器と、
を有し、
前記第1の入力端子に入力される電圧は、前記電流検出抵抗器に発生した電圧に対して、前記オフセット電圧発生器で調整した電圧を伝達するモータ駆動装置。 - 前記過電流調整部は、
前記オフセット電圧発生器が、第1の抵抗器であり、
前記入力電圧発生器が、第2の抵抗器であり、
前記電圧電流変換部が、
前記正極側端子と接続するエミッタ端子と、
前記第1の入力端子と接続するコレクタ端子と、
前記第2の接続点と接続するベース端子と、
を含むトランジスタであり、
前記感温器が、負特性を有する感温抵抗器である、
請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記ベース端子と前記接続点との間に、
前記ベース端子とアノードとを接続し、
前記第2の接続点とカソードとを接続する、
ダイオードをさらに有する、請求項2に記載のモータ駆動装置。 - 前記トランジスタは、絶縁ゲート型トランジスタである、請求項2または3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
- 前記第2の接続点と前記感温抵抗器との間に、第3の抵抗器をさらに有する、請求項2または3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
- 前記第2の接続点と前記感温抵抗器との間に、第3の抵抗器をさらに有する、請求項4に記載のモータ駆動装置。
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