JPWO2015107573A1 - 光ディスク装置および光ディスク再生方法 - Google Patents

光ディスク装置および光ディスク再生方法 Download PDF

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Abstract

光ディスク媒体に記録された情報の再生信号に同期した再生クロック信号を生成、同期したデジタル再生信号を生成する同期化部と、デジタル再生信号の波形を整形し適応等化後デジタル再生信号を生成する適応等化器と、その信号を最尤復号し2値化信号を生成する最尤復号器と、デジタル再生信号のインパルス応答波形の時間幅LTに対し、2LT時間幅の2値化信号から期待波形を生成する期待波形生成器と、期待波形の位相を1T進めた波形生成する位相進み波形生成器と、期待波形の位相を1T遅らせた波形生成する位相遅れ波形生成器と、2値化信号の2LT時間幅中心から±(L/2)T区間において、適応等化後デジタル再生信号と、期待波形と、位相進み波形と、位相遅れ波形の各々から算出されるメトリック値に基づいて、再生信号と再生クロック信号との位相誤差を検出するメトリック検出器とを備え、同期化部は位相誤差からデジタル再生信号の位相を制御する。

Description

本開示は、光学的にデータが記録される光ディスク媒体、当該光ディスク媒体にデータの記録再生を行う光ディスク装置および光ディスク再生方法に関する。
現在、映像またはデータなどを保存する情報記録媒体として、DVDまたはBlu−ray(登録商標)ディスク(以下、BDとする)などの多くの種類の光ディスクが使用されている。これらの光ディスクは、ハードディスク装置または磁気テープに比べると保存信頼性が高い。そのため、光ディスクの用途は、従来の映像または音声などのAV(Audio Video)データを記録する用途に加え、データを長期間保存する用途へ拡大されつつある。
しかし、光ディスクの体積あたりに保存できるデータの容量はハードディスク装置または磁気テープに比べると1/3程度しかない。そのため、保存時のスペース効率の観点から、光ディスクのコストを上げずに、体積あたりに保存できるデータの容量を向上させる技術開発が求められており、精力的に研究開発が続けられている。最近では、BDの中でも1層あたり約33.4GBの記録密度のBDXL(登録商標)が、最も体積記録密度の高い光ディスクとして発売されている。
これらの光ディスクは、50年以上データを保存することが可能であり、データの長期保存の観点では、5年程度の寿命のハードディスク装置に比べると、10倍以上の保存信頼性を有している。そのため、長期保存用のデータをハードディスク装置から光ディスクへ移動させることで、長期の保存信頼性と保存コストの削減とを両立することが可能となる。特に、データ保管時に電力を消費するハードディスク装置に比べて、データ保管時に電力を必要としない光ディスクは、グリーンストレージとして二酸化炭素の排出量を削減できるとともに、近年大きな問題となっているデータセンターの消費電力を削減することにもつながる。
しかし、光ディスクの中でも最も記録密度の高いBDXLでも、体積あたりに保存できるデータの容量はハードディスク装置の1/3程度である。そのため、データ保管時における光ディスクの保管スペースは、ハードディスク装置に比べると多く必要となり、特にデータセンターのような保管スペースに対するコスト要求が高い用途においては、光ディスクの体積あたりの記録密度を向上させることが求められている。
光ディスクの体積あたりの記録密度を向上させるための技術としては、データを記録する線密度を高める信号処理技術がある。高線密度化を実現する信号処理方法としては、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式を用いることが一般的である。
PRML方式は、パーシャルレスポンス(PR)と最尤復号(ML)を組み合わせた技術であり、既知の符号間干渉が起こることを前提に再生波形から最も確からしい信号系列を選択する方式である。このため、従来のレベル判定方式よりも復号性能が向上することが知られている。光ディスクの高線密度化が進むと、符号間干渉およびSNR(Signal−Noise Ratio)劣化がさらに問題になる。
再生性能を維持するためには、PRML方式を高次のPRML方式で対応すればよい。例えば、直径12cmの光ディスクの記録層1層当たりの記録容量が25GBであるBDの場合では、PR(1,2,2,1)ML方式を採用することで再生性能を維持することができる。さらに、1層当たりの記録容量が33.4GBであるBDXLの場合、PR(1,2,2,2,1)ML方式を採用している。
PRML方式において、再生信号から2値のデジタルデータを復号する。このようなデジタル信号処理を行うためには、再生信号を1チャネルビット毎に同期してサンプリングする再生クロック信号を生成する。一般的に、再生クロック信号に関する情報は、記録マークのエッジに含まれている。再生信号を再生クロック信号に同期してサンプリングしたデジタル再生信号のエッジに相当する部分から、エッジの進みまたは遅れに関する位相情報を検出して、再生信号に同期した再生クロック信号を生成する。BDXLの場合、単純にエッジだけから位相情報を適切に検出することができないが、PRML方式において、ある状態から分岐した1組の信号系列のパスが合流するまでの複数点のメトリックを用いて位相情報を検出することで、安定な再生クロック信号を生成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
PR(1,2,2,2,1)ML方式の場合、符号間干渉の幅が前後に2Tまでの広がりであるので、記録マーク/スペースの最短が2TとなるRLL(1,7)変調則であれば、パターンを限定し、1つのエッジにおいて1つの位相情報を正確に検出できていた。
しかし、1層あたりの記録容量が50GB以上に高線密度化した場合、符号間干渉の幅が著しく広くなり、記録マークのエッジから得られる位相情報が複数重なりあう状態となり、正確な検出が困難になる。その結果、正確な再生クロック信号を生成することができなくなり、PRML方式による2値化判定に影響する誤差が大きくなり、ビットエラーレートを悪化させてしまう。最悪の場合、再生信号と再生クロック信号の同期がとれなくなり、再生不能となる。
特開2009−176405号公報
本開示は、上記の課題を解決するためになされたもので、安定して再生クロック信号を生成して再生性能を劣化させず、線密度を高めることのできる光ディスク装置を提供することを目的とするものである。
本開示の光ディスク装置は、光ディスク媒体に記録された情報を再生する光ディスク装置であって、情報より得られる再生信号に同期した再生クロック信号を生成し、再生クロック信号に同期したデジタル再生信号を生成する同期化部と、デジタル再生信号の波形を整形し適応等化後デジタル再生信号を生成する適応等化器と、適応等化後デジタル再生信号を最尤復号し2値化信号を生成する最尤復号器と、デジタル再生信号のインパルス応答波形の時間幅LTに対して、2LT時間幅の2値化信号から期待波形を生成する期待波形生成器と、期待波形の位相を1T進めた位相進み波形を生成する位相進み波形生成器と、期待波形の位相を1T遅らせた位相遅れ波形を生成する位相遅れ波形生成器と、2値化信号の2LT時間幅の中心から±(L/2)T区間において、適応等化後デジタル再生信号と、期待波形と、位相進み波形と、位相遅れ波形の各々から算出されるメトリック値に基づいて、再生信号と再生クロック信号との位相誤差を検出するメトリック検出器と、を備え、同期化部は、位相誤差を用いてデジタル再生信号の位相を制御する。
本開示によれば、符号間干渉により幅が広がって複数のエッジの影響が重なる中から、再生信号と再生クロック信号の位相誤差に関する情報を正確に検出し、安定した再生クロック信号を生成できる。そして、再生性能を劣化させずに、光ディスク媒体に記録されたデータを再生することが可能であり、データを記録する線密度を高めることができる。
図1は、本開示の実施の形態1における光ディスク装置の構成を示す図である。 図2は、本開示の実施の形態1における位相誤差検出を説明する図である。 図3は、本開示の実施の形態1における適応等化後デジタル再生信号と期待波形の信号値に大きな誤差が発生している状況を説明する図である。 図4は、本開示の実施の形態1におけるノイズの影響が大きくなる可能性の高い高域成分の部分を含む期待波形を説明する図である。 図5は、本開示の実施の形態1における光ディスク媒体に記録されているデータブロックのフォーマットを示す図である。 図6は、本開示の実施の形態1における別の光ディスク装置の構成を示す図である。 図7Aは、本開示の実施の形態1における位相補間フィルタを示す図である。 図7Bは、本開示の実施の形態1における位相補間フィルタの係数制御曲線を示す図である。 図8は、本開示の実施の形態2における光ディスク装置の構成を示す図である。 図9は、本開示の実施の形態2における相互相関検出器の位相誤差検出を説明する図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における光ディスク装置10の構成を示す図である。光ディスク装置10は、光ヘッド101、プリアンプ102、A/D変換器103、適応等化器104、最尤復号器105、位相誤差検出器106、ループフィルタ111、VCO(Voltage−Controlled Oscillator:発振器)112を備える。
光ヘッド101は、光ディスク媒体100から読み出したデータを再生する再生信号を生成する。図示しないサーボコントローラにより、光ヘッド101および光ディスク媒体100を回転させる、図示しないスピンドルモータは、光ヘッド101から光ディスク媒体100に照射された光ビームを光ディスク媒体100上に設けられたトラックに集光して走査するように制御されるとともに、目的のトラックにアクセスする移動も制御される。
プリアンプ102は、光ヘッド101により生成された再生信号が所定の振幅になるように増幅する。また、再生信号の信号成分を増幅し、ノイズ成分を抑制するためのフィルタ処理も行う。
A/D変換器103は、VCO112で生成される再生クロック信号に同期して再生信号をサンプリングし、デジタル再生信号を出力する。
適応等化器104は、デジタル再生信号の周波数特性が、予め決めた所定の周波数特性になるように適応的に等化処理を行い、適応等化後デジタル再生信号を生成する。例えば、FIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタで構成され、FIRフィルタから出力される信号と、予め決めた所定の周波数特性での期待波形との誤差が小さくなるように、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いてFIRフィルタのタップ係数が制御される。
最尤復号器105は、適応等化されたデジタル再生信号を最尤復号し、最尤復号の結果を示す2値化データを生成する。最尤復号器105は、例えば、ビタビ復号器やBCJR(Bahl−Cocke−Jeinek−Raviv)復号器を用いる。予め決めた周波数特性に基づいた期待波形とデジタル再生信号とのメトリック値から最も確からしい系列を推定する最尤復号により、デジタル再生信号を復号して2値化データを出力する。最尤復号器105から出力された2値化データは、さらに復調とエラー訂正処理が施されて、光ディスク媒体100に記録されている情報が再生される。
位相誤差検出器106は、デジタル再生信号と2値化データに基づいて、再生信号と再生クロック信号との位相誤差を検出する。位相誤差検出器106は、予め決めた所定の周波数特性に基づいて2値化データから期待波形を生成する期待波形生成器107と、位相を進めた期待波形を生成する位相進み波形生成器108と、位相を遅らせた期待波形を生成する位相遅れ波形生成器109と、デジタル再生信号、期待波形、位相進み波形、位相遅れ波形の各々のメトリック値に基づいて位相誤差を算出するメトリック検出器110で構成される。
ループフィルタ111は、再生しながら検出される位相誤差から不要な周波数帯域の成分を除去し、VCO112を制御する再生クロック制御信号として出力する。
VCO112は、再生クロック制御信号に基づいた周波数で再生クロック信号を生成する発振器である。VCO112は、位相誤差検出器106とループフィルタ111とあわせて、再生信号に同期した再生クロック信号が生成されるように、フィードバックループによりコントロールされるPLL(Phase Locked Loop)を構成する。位相誤差がゼロになるようにコントロールされて生成された再生クロック信号を用いて、A/D変換器103で再生信号をサンプリングすることにより、適応等化器104と最尤復号器105での2値化データの復号に対する誤差成分が小さくなり、安定した復号性能が得られる。
ここで、A/D変換器103、ループフィルタ111、VCO112を、デジタル再生信号に同期化した再生クロック信号を生成する構成、すなわち、再生クロック信号とデジタル再生信号を同期化する構成としてまとめて、同期化部113とする。
以下に、本実施の形態における光ディスク装置10の再生クロック信号の生成の動作について説明する。
適応等化器104と最尤復号器105は、予め決めた周波数特性に基づいた期待波形とデジタル再生信号との比較をすることで2値化データの復号を行っている。
予め決めた周波数特性として、例えば、BDXLの場合は、2値化データに1Tのマークがあったときの期待波形として、信号値の系列が(1,2,2,2,1)という5T分の時間幅のインパルス応答波形を用いる。BDXLの線密度において、状態数が少ないので、最尤復号における信号系列のパスの分岐と合流が単純であり、パターンを限定して記録マークのエッジに対応した位相誤差を抽出することができる。
これに対して、データを記録する線密度がさらに高くなると、インパルス応答波形の信号値の系列の時間幅が長くなり、かつ系列の信号値の総和に対する信号値の変化量が非常に小さくなってくる。このため、期待波形の算出において、多くの2値データとインパルス応答波形との畳込み演算をすることになり、信号値を決める状態数が指数的に増加する。さらに、状態数が指数的に増加することから信号系列のパスが著しく複雑化し、1つの記録マークのエッジに限定して位相誤差を抽出することができなくなる。
位相誤差検出器106は、期待波形と、期待波形の位相を進めた位相進み波形と、位相を遅らせた位相遅れ波形を用い、インパルス応答波形の時間幅に基づいた区間でメトリック値を計算する。これにより、特にパターンを限定することなく位相誤差を検出するので、状態数の増加の影響を受けない。
図2は、本実施の形態における位相誤差検出を説明する図である。図2に示すように、1Tのデジタル再生信号に対して得られるインパルス応答波形と2値化データとの畳込み演算により期待波形を生成する。
期待波形を生成するために、インパルス応答波形の時間幅をLとして、2LTの長さの2値化データを用いる。そのため、最尤復号器105で現時点までに復号した過去2LT分の2値化データを用いる。2LT分の2値化データとインパルス応答波形の畳込み演算により、3LT分の期待波形が生成される。実際の2値化データは、2LT分だけではなく、その前後にも連続している。したがって、実際の2値化データに対して、正確に期待波形が生成できるのは、2LT分の2値化データの中心位置からインパルス応答波形の時間幅Lに相当する±(L/2)Tの区間だけである。この±(L/2)T区間において、適応等化後デジタル再生信号と期待波形とを適切に比較することが可能であり、メトリック値を計算する区間とする。
期待波形生成器107は、2LT区間の2値化データとインパルス応答波形に基づいて期待波形を生成する。位相進み波形生成器108は、期待波形生成器107が生成した期待波形を1T時間進めた位相進み波形を生成する。位相遅れ波形生成器109は、期待波形生成器107が生成した期待波形を1T時間遅らせた位相遅れ波形を生成する。メトリック検出器110は、±(L/2)T区間においてメトリック値を算出する。メトリック値は、同じ時間位置における信号値の差の2乗の総和である。算出するメトリック値は、適応等化後デジタル再生信号と期待波形とのメトリック値R、適応等化後デジタル再生信号と位相進み波形とのメトリック値P、適応等化後デジタル再生信号と位相遅れ波形とのメトリック値Q、期待波形と位相進み波形とのメトリック値Pw、期待波形と位相遅れ波形とのメトリック値Qwである。これらのメトリック値を用いて、以下の式(1)にしたがって位相誤差Phを算出する。
Ph = ((P−R)/Pw + (R−Q)/Qw)/2 ・・・式(1)
式(1)は、メトリック値Pw、メトリック値Qwを分母とすることで、パターンによるメトリック値の差を正規化し、位相誤差として検出される感度が一定になるようにしている。A/D変換器103において、再生クロック信号を用いてサンプリングした現時点のタイミングが期待波形のタイミングと一致していればPh=0となる。期待波形のタイミングより早い場合にはPh<0となる。逆に、期待波形のタイミングより遅い場合にはPh>0として位相誤差が得られる。
位相誤差Phが小さくなるように、VCO112における再生クロック信号の周波数を上げる、あるいは下げるようにコントロールすることにより、再生信号と再生クロック信号を同期させることができる。
高線密度化による再生信号処理の課題は符号間干渉の増大、すなわちインパルス応答波形の時間幅の拡大にある。再生信号のもつ情報を抽出するためには、インパルス応答波形の時間幅を確実にカバーした範囲で信号処理を行わなければならない。従来のデジタル再生信号のエッジ位置の信号値だけを用いる方法は、複数のエッジの情報が干渉して混合されるようになると、再生信号がもつS/N性能を有効に活用できず、検出する位相誤差が不正確になり、安定な再生クロック信号を生成することができない。これに対し、本開示では、2LT区間の2値化データから期待波形を生成し、その中心部分の±(L/2)T区間においてメトリック値を計算することで、インパルス応答波形の時間幅をカバーしており、再生信号がもつS/N性能を全て有効に用いて、正確な位相誤差を得ることができる。従って、高線密度化に対しても安定な再生クロック信号を生成できる。
また、従来の方法では、再生信号がもつS/N性能を有効に活用できないため、正確な位相誤差を検出するには、検出するパターンを限定しなければならなかったが、高線密度化には対応できない。本開示では、再生信号がもつS/N性能を有効に活用できるように信号処理を行う時間幅をとっているため、検出するパターンを限定する必要はない。ただし、再生信号の信号値に変化がなければ位相誤差の情報を検出できないので、インパルス応答波形の時間幅以上であり、かつ記録されているデータの変調則に基づいてマークとスペースの変化が含まれる時間幅である必要がある。この信号処理の時間幅をもつことにより複数のエッジを含むパターン全体から位相誤差を検出することが可能となり、従来のようにパターンを限定することなく、期待波形を1Tだけ前後にシフトさせた位相進み波形と位相遅れ波形との比較から位相誤差を正確に検出することができる。パターンを限定する必要がないため、高線密度化によって指数的に増大する期待波形の信号値の状態数に依存することなく、位相誤差を容易に検出することが可能となる。
次に、上述の位相誤差の検出において、位相誤差が正確に検出できない場合について説明する。
位相誤差検出器106は、長い信号区間における適応等化後デジタル再生信号と期待波形との比較に基づいているので、適応等化器104の適応が過渡状態で不十分な場合や、再生信号そのものに大きな歪がある場合に、再生信号と再生クロック信号との位相誤差に関係なく、信号値に大きな誤差が発生し、検出した位相誤差の値が不正確になる。また、最尤復号器105において2値化データに誤りがあった場合も誤差が発生し、位相誤差が不正確になる。
図3は、本実施の形態における適応等化後デジタル再生信号と期待波形の信号値に大きな誤差が発生している状況を説明する図である。図3において、点線が適応等化後デジタル再生信号であり、実線が期待波形の信号値であり、メトリック計算区間において、誤差が大きい箇所がある。このような状況において、期待波形がとりうる最大振幅を±0.5の1としたとき、2つの波形の信号値の差が例えば0.2以上の場合に、その信号値の差を除去してメトリック値の計算を行う。このような除去処理を行うことで、誤差要因が小さい部分のみで正確な位相誤差を検出できる。
また、再生信号の振幅は、光ディスク媒体100上に設けられたトラックに対する光ヘッド101から照射された光ビームの集光状態によって変化する。さらに、再生信号の周波数特性は、光ヘッド101の光ビームの波長や、光ビームを集光するレンズの開口数(NA:Numerical Aperture)によっても変化する。これらの変化に対し、プリアンプ102と適応等化器104によって、所定の信号振幅、所定の周波数特性になるように適応的に信号処理が行われる。しかし、適応的な信号処理が十分な状態に収束するまでの過渡状態において、位相誤差の検出の誤差要因になり、再生クロック信号の同期に対する外乱となりやすい。このような誤差要因を低減するために、メトリック値の計算に含めない2つの波形の信号値の差を0.2に固定せず、適応的な信号処理が十分な状態に収束するまでは、0.1として、誤差要因に対して敏感に除去処理が働くようにしてもよい。
次に、上述とは別の位相誤差が正確に検出できない場合について説明する。
例えば、BDXLの線密度では、2Tは光学的な分解能の限界を超えているために再生信号の振幅がゼロになってしまうので、3T以上で振幅が得られる。さらに高線密度化すると、3Tさらには4Tでも再生信号の振幅が得られなくなる。そのため、2Tから4Tが連続するようなデータパターンでは、再生信号の信号値の変化が非常に小さく、再生クロック信号の位相のずれによる信号値の差も非常に小さくなってしまう。高域においては再生信号のゲインが非常に小さく、S/Nが小さくなっており、再生信号に含まれるノイズが、検出する位相誤差の値が不正確になる大きな要因になる。
図4は、本実施の形態におけるノイズの影響が大きくなる可能性が高い高域成分の部分を含む期待波形を説明する図である。メトリック計算区間において、期待波形がとりうる最大振幅を±0.5の1としたとき、期待波形の信号値が±0.1の範囲内であり、かつ所定の時間以上小振幅が連続している部分がある。この部分においては、2つの信号値の差を除去して、メトリック値の計算を行う。このような除去処理を行うことで、S/Nが良い部分のみで正確な位相誤差を検出できる。
このように、再生信号の変化が小さく、低S/Nな高域成分は少なからず存在するが、記録するデータの変調則によって、高域成分の連続状態を制限できる。例えば、BDで用いられているRLL(1,7)変調則では、最短の2Tは連続6回までと制限されている。高線密度化する場合には、さらに3Tあるいは4Tも含めた連続状態を制限した変調則とすれば、正確な位相誤差を検出できる高S/Nな部分が増え、安定な再生クロック信号を生成しやすくなる。
また、再生信号の変化が小さい高域成分が多く含まれている場合は、メトリック値Pw、Qwが非常に小さい値となってしまう。メトリック値Pw、Qwの平均的な値に対して、非常に小さい値が分母となる場合には、デジタル再生信号から求められるメトリック値P、Q、Rに含まれる誤差成分が増幅されてしまう。その結果、一時的に再生クロック信号の周波数を不正確な情報で大きく動かしてしまうことになり、再生性能の劣化につながる。
このような不安定要因を除くために、メトリック値PwあるいはQwが所定の閾値より小さい値であった場合には、メトリック値から位相誤差を算出せずに、位相誤差をゼロとする。また、再生信号のS/Nが低い状況では、メトリック値Pw、Qwに対する所定の閾値を通常より高くすることで安定化させてもよい。
図5は、光ディスク媒体100に記録されているデータブロックのフォーマットを示す図である。光ディスク媒体100に記録されているデータは、所定のブロック単位でエラー訂正符号化され、所定の変調則で変調されている。さらにブロックの先頭には、プリアンプ102や適応等化器104における信号振幅や周波数特性の制御、およびPLLにおける再生クロック信号の初期の同期がしやすいように単純なパターンが繰り返し記録されているランイン領域が付加されている。図5において、光ディスク媒体100のトラック上にデータがブロック単位で記録されている。1つのブロックは、ランインとデータで構成される。
位相誤差検出器106は、前述したようにメトリック値PwとQwによって位相誤差の安定性に影響が出る。初期のPLLの引き込み動作を短期間で安定して済ませるためには、メトリック値PwとQwの変化が小さい方がよい。具体的には、図5において、位相誤差を検出する区間であるメトリック計算区間毎に同じパターンが繰り返されて記録されていれば、常にメトリック値PwとQwは同じ値となる。同じ値であれば、安定して位相誤差を検出できる。安定したPLLの引き込みが実現できれば、ランインの長さを短くすることができ、ランインが占める領域を減らせるので、光ディスク媒体100の記録容量を有効に使用できる。
以上により、高線密度化による再生信号処理の課題である、符号間干渉により幅が広がり、複数のエッジの影響が重なる中から、再生信号と再生クロック信号の位相誤差に関する情報を正確に検出し、安定した再生クロック信号を生成することができる。そして再生性能を劣化させずに、光ディスク媒体に記録されたデータを再生することができ、データを記録する線密度を高めることができる。
なお、本実施の形態において光ディスク装置10の同期化部113は、再生信号に対して、再生クロック信号とA/D変換器103を用いて、同期化したデジタル再生信号を得る構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、同期化部として、別途生成したクロック信号を用いて、再生信号をA/D変換器によりデジタル再生信号とし、検出した位相誤差がゼロとなるように、デジタル再生信号の位相を制御するFIRフィルタを設け、FIRフィルタの出力から同期化したデジタル再生信号を得る構成でもよい。
図6は、本実施の形態における別の光ディスク装置60を示す図である。光ディスク装置60は、デジタル再生信号の位相を制御するFIRを設けた構成である。
図6に示す光ディスク装置60は、実施の形態1と同様に、光ヘッド601、プリアンプ602、A/D変換器603、適応等化器605、最尤復号器606、位相誤差検出器607、ループフィルタ608を備えており、さらに、位相補間フィルタ604、位相補間係数選択器609、ウォブル検出器610、ウォブルPLL611を備えている。光ディスク装置60は、光ディスク媒体600のトラックの蛇行から得られるウォブル信号を元に、ウォブルPLL611により生成したウォブル再生クロックを用いてA/D変換器603を動作させる。この構成は、例えば、国際公開第2007/037272号に開示されている。
ここで、A/D変換器603、位相補間フィルタ604、ループフィルタ608、位相補間係数選択器609、ウォブル検出器610、ウォブルPLL611を、生成した再生クロック信号を用いて同期化したデジタル再生信号を生成する構成、すなわち、再生クロック信号とデジタル再生信号を同期化する構成をまとめて、同期化部612とする。
ウォブル検出器610は、光ヘッド601から出力される再生信号に含まれるトラックの蛇行成分をウォブル信号として検出する。トラックの蛇行の周波数は、トラックに記録されるデータに比べて十分に低く、ウォブル信号は良好に検出されやすい。ウォブルPLL611は、ウォブル信号を所定の比で逓倍してデータの1Tに等しい周期のウォブル再生クロックを生成する。ウォブル再生クロックは、良好なウォブル信号から生成されるので安定性が高い。
しかし、データの再生信号に対して、データの1T境界での位相に同期しているわけではないため、ウォブル再生クロックを用いるA/D変換器603により得られるデジタル再生信号は、適応等化器605や最尤復号器606において理想的な位相同期状態とはなっていない。位相補間フィルタ604は、この位相同期ずれを補正したデジタル再生信号を出力するFIRフィルタである。位相補間フィルタ604のタップ係数は、位相補間係数選択器609により制御される。タップ係数はSINC関数を用いて求められる。位相誤差検出器607で検出された位相誤差は、ループフィルタ608に入力される。ループフィルタ608は、1次の積分器を備えており、位相誤差を積分し、所定のゲインをかけた値を位相制御値として位相補間係数選択器609へ出力する。位相補間係数選択器609は、入力された位相制御値に従って、SINC関数により求められるタップ係数を選択し、位相補間フィルタ604へ出力する。このタップ係数を用いることにより、位相補間フィルタ604は、入力されるデジタル再生信号の位相ずれを補正して位相同期状態となったデジタル再生信号を出力する。
図7Aは、本実施の形態の位相補間フィルタ604を示す図であり、図7Bは、本実施の形態の位相補間フィルタ604の係数制御曲線を示す図である。
位相補間フィルタ604は、直列に接続された遅延器701〜708と、乗算器709〜717と、加算器718を備えるFIRフィルタである。遅延器701〜708は、デジタルデータ信号値をクロック信号の1周期毎に遅延させる。乗算器709〜717は、それぞれの遅延器の値にタップ係数C1〜C8を乗算する。加算器718は、乗算器709〜717の出力を加算して、位相同期ずれを補正したデジタル再生信号を出力する。タップ係数C1〜C8は、例えば、図7Bに示すようなナイキスト補間特性に基づいて設定される。
この構成によれば、良好なウォブル信号から容易にデータの1Tに一致する周波数を有するウォブル再生クロックを得ることができるため、位相誤差検出器607、ループフィルタ608、位相補間係数選択器609、位相補間フィルタ604から構成されるデジタルPLLにおいて周波数誤差に対する広いキャプチャレンジは必要なく、位相のずれのみを制御すればよい。データを記録する線密度を高めるにともなって、位相誤差検出器607により検出される位相誤差値のみから周波数誤差と位相誤差の両方を制御する余裕は少なくなっていくが、この構成であれば、周波数誤差に対する制御は必要ないので、データの高線密度化にも高い安定性を維持したまま対応することが可能となる。
(実施の形態2)
図8は、本開示の実施の形態2における光ディスク装置80の構成を示す図である。光ディスク媒体800から読み出したデータを再生する光ディスク装置80は、実施の形態1と同様に、光ヘッド801、プリアンプ802、A/D変換器803、適応等化器804、最尤復号器805、位相誤差検出器806、ループフィルタ810、VCO811を備える。実施の形態1と同様に、A/D変換器803、ループフィルタ810、VCO811を、デジタル再生信号に同期化した再生クロック信号を生成する構成、すなわち、再生クロック信号とデジタル再生信号を同期化する構成としてまとめて、同期化部812とする。位相誤差検出器806以外の構成は、実施の形態1と同じ動作であるので、説明を省略する。
位相誤差検出器806は、+1T遅延器807と、−1T遅延器808と、相互相関検出器809から構成される。+1T遅延器807は、最尤復号器805が出力した2値化データ信号を+1T遅延させる回路である。−1T遅延器808は、逆に、2値化データを−1T遅延させる回路である。相互相関検出器809は、適応等化器804から出力される適応等化されたデジタル再生信号と+1T遅延器807の+1T遅延2値化データ信号との相互相関と、同じく適応等化されたデジタル再生信号と−1T遅延器808の−1T遅延2値化データ信号との相互相関を算出し、これら2つの相互相関の差を位相誤差値として出力する。
図9は、本実施の形態における相互相関検出器809の位相誤差検出を説明する図である。波形W[t+i](iは1〜11の自然数)は、適応等化されたデジタル再生信号を示している。波形B[t+i]は、最尤復号器805が出力した2値化データ信号を示している。相互相関検出器809は、1Tのデジタル信号を再生したときに得られるデジタル再生信号としてインパルス応答波形の時間幅Lにおいて、適応等化されたデジタル再生信号W[t+i]と−1T遅延2値化データ信号B[t+(i−1)]の相互相関を算出する。このとき、0と1の2値信号である−1T遅延2値化データ信号に対して、B[t+(i−1)]×2−1の計算で−1と+1の2値信号にすることにより、適応等化されたデジタル再生信号W[t+i]の単純な加減算で求めることができる。
同様に、時間幅Lにおいて、適応等化されたデジタル再生信号W[t+i]と+1T遅延2値化データ信号B[t+(i+1)]の相互相関を算出する。
2つの相互相関値の差をとることにより、適応等化されたデジタル再生信号W[t+i]がサンプリングされている位相が、2値化データ信号B[t+i]に対して前後どちらに位相がずれているかを示す相互相関位相誤差Perrを得ることができる。
Figure 2015107573
ここで、(数1)において、図9は、L=11の場合である。
以上によって、実施の形態1と同様に、符号間干渉により幅が広がり、複数のエッジの影響が重なる中から、再生信号と再生クロック信号の位相誤差に関する情報を正確に検出し、安定した再生クロック信号を生成することができる。そして、再生性能を劣化させずに、光ディスク媒体に記録されたデータを再生することができ、データを記録する線密度を高めることができる。さらに、実施の形態1に比べて、小さい演算回路で実現できる。
なお、本実施の形態において光ディスク装置80の同期化部812は、再生信号に対して、再生クロック信号とA/D変換器803を用いて、同期化したデジタル再生信号を得る構成としたが、これに限定されるものではない。実施の形態1で説明した、例えば、同期化部として、別途生成したクロック信号を用いて、再生信号をA/D変換器によりデジタル再生信号とし、検出した位相誤差がゼロとなるように、デジタル再生信号の位相を制御するFIRフィルタを設け、FIRフィルタの出力から同期化したデジタル再生信号を得る構成としてもよい。すなわち、本実施の形態の同期化部812の代わりに、図6の光ディスク装置60の同期化部612を用いてもよい。
この構成によれば、良好なウォブル信号から容易にデータの1Tに一致する周波数を有するウォブル再生クロックを得ることができるため、位相誤差検出器806、ループフィルタ608、位相補間係数選択器609、位相補間フィルタ604から構成されるデジタルPLLにおいて周波数誤差に対する広いキャプチャレンジは必要なく、位相のずれのみを制御すればよい。データを記録する線密度を高めるにともなって、位相誤差検出器806により検出される位相誤差値のみから周波数誤差と位相誤差の両方を制御する余裕は少なくなっていくが、この構成であれば、周波数誤差に対する制御は必要ないので、データの高線密度化にも高い安定性を維持したまま対応することが可能となる。
本開示は、高線密度でデータを光ディスク媒体に記録再生する光ディスク装置および光ディスク再生方法に有用である。
10,60,80 光ディスク装置
100,600,800 光ディスク媒体
101,601,801 光ヘッド
102,602,802 プリアンプ
103,603,803 A/D変換器
104,605,804 適応等化器
105,606,805 最尤復号器
106,607,806 位相誤差検出器
107 期待波形生成器
108 位相進み波形生成器
109 位相遅れ波形生成器
110 メトリック検出器
111,608,810 ループフィルタ
112,811 VCO
113,612,812 同期化部
604 位相補間フィルタ
609 位相補間係数選択器
610 ウォブル検出器
611 ウォブルPLL
701,702,703,704,705,706,707,708 遅延器
709,710,711,712,713,714,715,716,717 乗算器
718 加算器
807 +1T遅延器
808 −1T遅延器
809 相互相関検出器
本開示は、光学的にデータが記録される光ディスク媒体、当該光ディスク媒体にデータの記録再生を行う光ディスク装置および光ディスク再生方法に関する。
現在、映像またはデータなどを保存する情報記録媒体として、DVDまたはBlu−ray(登録商標)ディスク(以下、BDとする)などの多くの種類の光ディスクが使用されている。これらの光ディスクは、ハードディスク装置または磁気テープに比べると保存信頼性が高い。そのため、光ディスクの用途は、従来の映像または音声などのAV(Audio Video)データを記録する用途に加え、データを長期間保存する用途へ拡大されつつある。
しかし、光ディスクの体積あたりに保存できるデータの容量はハードディスク装置または磁気テープに比べると1/3程度しかない。そのため、保存時のスペース効率の観点から、光ディスクのコストを上げずに、体積あたりに保存できるデータの容量を向上させる技術開発が求められており、精力的に研究開発が続けられている。最近では、BDの中でも1層あたり約33.4GBの記録密度のBDXL(登録商標)が、最も体積記録密度の高い光ディスクとして発売されている。
これらの光ディスクは、50年以上データを保存することが可能であり、データの長期保存の観点では、5年程度の寿命のハードディスク装置に比べると、10倍以上の保存信頼性を有している。そのため、長期保存用のデータをハードディスク装置から光ディスクへ移動させることで、長期の保存信頼性と保存コストの削減とを両立することが可能となる。特に、データ保管時に電力を消費するハードディスク装置に比べて、データ保管時に電力を必要としない光ディスクは、グリーンストレージとして二酸化炭素の排出量を削減できるとともに、近年大きな問題となっているデータセンターの消費電力を削減することにもつながる。
しかし、光ディスクの中でも最も記録密度の高いBDXLでも、体積あたりに保存できるデータの容量はハードディスク装置の1/3程度である。そのため、データ保管時における光ディスクの保管スペースは、ハードディスク装置に比べると多く必要となり、特にデータセンターのような保管スペースに対するコスト要求が高い用途においては、光ディスクの体積あたりの記録密度を向上させることが求められている。
光ディスクの体積あたりの記録密度を向上させるための技術としては、データを記録する線密度を高める信号処理技術がある。高線密度化を実現する信号処理方法としては、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式を用いることが一般的である。
PRML方式は、パーシャルレスポンス(PR)と最尤復号(ML)を組み合わせた技術であり、既知の符号間干渉が起こることを前提に再生波形から最も確からしい信号系列を選択する方式である。このため、従来のレベル判定方式よりも復号性能が向上することが知られている。光ディスクの高線密度化が進むと、符号間干渉およびSNR(Signal−Noise Ratio)劣化がさらに問題になる。
再生性能を維持するためには、PRML方式を高次のPRML方式で対応すればよい。例えば、直径12cmの光ディスクの記録層1層当たりの記録容量が25GBであるBDの場合では、PR(1,2,2,1)ML方式を採用することで再生性能を維持することができる。さらに、1層当たりの記録容量が33.4GBであるBDXLの場合、PR(1,2,2,2,1)ML方式を採用している。
PRML方式において、再生信号から2値のデジタルデータを復号する。このようなデジタル信号処理を行うためには、再生信号を1チャネルビット毎に同期してサンプリングする再生クロック信号を生成する。一般的に、再生クロック信号に関する情報は、記録マークのエッジに含まれている。再生信号を再生クロック信号に同期してサンプリングしたデジタル再生信号のエッジに相当する部分から、エッジの進みまたは遅れに関する位相情報を検出して、再生信号に同期した再生クロック信号を生成する。BDXLの場合、単純にエッジだけから位相情報を適切に検出することができないが、PRML方式において、ある状態から分岐した1組の信号系列のパスが合流するまでの複数点のメトリックを用いて位相情報を検出することで、安定な再生クロック信号を生成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
PR(1,2,2,2,1)ML方式の場合、符号間干渉の幅が前後に2Tまでの広がりであるので、記録マーク/スペースの最短が2TとなるRLL(1,7)変調則であれば、パターンを限定し、1つのエッジにおいて1つの位相情報を正確に検出できていた。
しかし、1層あたりの記録容量が50GB以上に高線密度化した場合、符号間干渉の幅が著しく広くなり、記録マークのエッジから得られる位相情報が複数重なりあう状態となり、正確な検出が困難になる。その結果、正確な再生クロック信号を生成することができなくなり、PRML方式による2値化判定に影響する誤差が大きくなり、ビットエラーレートを悪化させてしまう。最悪の場合、再生信号と再生クロック信号の同期がとれなくなり、再生不能となる。
特開2009−176405号公報
本開示は、上記の課題を解決するためになされたもので、安定して再生クロック信号を生成して再生性能を劣化させず、線密度を高めることのできる光ディスク装置を提供することを目的とするものである。
本開示の光ディスク装置は、光ディスク媒体に記録された情報を再生する光ディスク装置であって、情報より得られる再生信号に同期した再生クロック信号を生成し、再生クロック信号に同期したデジタル再生信号を生成する同期化部と、デジタル再生信号の波形を整形し適応等化後デジタル再生信号を生成する適応等化器と、適応等化後デジタル再生信号を最尤復号し2値化信号を生成する最尤復号器と、デジタル再生信号のインパルス応答波形の時間幅LTに対して、2LT時間幅の2値化信号から期待波形を生成する期待波形生成器と、期待波形の位相を1T進めた位相進み波形を生成する位相進み波形生成器と、期待波形の位相を1T遅らせた位相遅れ波形を生成する位相遅れ波形生成器と、2値化信号の2LT時間幅の中心から±(L/2)T区間において、適応等化後デジタル再生信号と、期待波形と、位相進み波形と、位相遅れ波形の各々から算出されるメトリック値に基づいて、再生信号と再生クロック信号との位相誤差を検出するメトリック検出器と、を備え、同期化部は、位相誤差を用いてデジタル再生信号の位相を制御する。
本開示によれば、符号間干渉により幅が広がって複数のエッジの影響が重なる中から、再生信号と再生クロック信号の位相誤差に関する情報を正確に検出し、安定した再生クロック信号を生成できる。そして、再生性能を劣化させずに、光ディスク媒体に記録されたデータを再生することが可能であり、データを記録する線密度を高めることができる。
図1は、本開示の実施の形態1における光ディスク装置の構成を示す図である。 図2は、本開示の実施の形態1における位相誤差検出を説明する図である。 図3は、本開示の実施の形態1における適応等化後デジタル再生信号と期待波形の信号値に大きな誤差が発生している状況を説明する図である。 図4は、本開示の実施の形態1におけるノイズの影響が大きくなる可能性の高い高域成分の部分を含む期待波形を説明する図である。 図5は、本開示の実施の形態1における光ディスク媒体に記録されているデータブロックのフォーマットを示す図である。 図6は、本開示の実施の形態1における別の光ディスク装置の構成を示す図である。 図7Aは、本開示の実施の形態1における位相補間フィルタを示す図である。 図7Bは、本開示の実施の形態1における位相補間フィルタの係数制御曲線を示す図である。 図8は、本開示の実施の形態2における光ディスク装置の構成を示す図である。 図9は、本開示の実施の形態2における相互相関検出器の位相誤差検出を説明する図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における光ディスク装置10の構成を示す図である。光ディスク装置10は、光ヘッド101、プリアンプ102、A/D変換器103、適応等化器104、最尤復号器105、位相誤差検出器106、ループフィルタ111、VCO(Voltage−Controlled Oscillator:発振器)112を備える。
光ヘッド101は、光ディスク媒体100から読み出したデータを再生する再生信号を生成する。図示しないサーボコントローラにより、光ヘッド101および光ディスク媒体100を回転させる、図示しないスピンドルモータは、光ヘッド101から光ディスク媒体100に照射された光ビームを光ディスク媒体100上に設けられたトラックに集光して走査するように制御されるとともに、目的のトラックにアクセスする移動も制御される。
プリアンプ102は、光ヘッド101により生成された再生信号が所定の振幅になるように増幅する。また、再生信号の信号成分を増幅し、ノイズ成分を抑制するためのフィルタ処理も行う。
A/D変換器103は、VCO112で生成される再生クロック信号に同期して再生信号をサンプリングし、デジタル再生信号を出力する。
適応等化器104は、デジタル再生信号の周波数特性が、予め決めた所定の周波数特性になるように適応的に等化処理を行い、適応等化後デジタル再生信号を生成する。例えば、FIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタで構成され、FIRフィルタから出力される信号と、予め決めた所定の周波数特性での期待波形との誤差が小さくなるように、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いてFIRフィルタのタップ係数が制御される。
最尤復号器105は、適応等化されたデジタル再生信号を最尤復号し、最尤復号の結果を示す2値化データを生成する。最尤復号器105は、例えば、ビタビ復号器やBCJR(Bahl−Cocke−Jeinek−Raviv)復号器を用いる。予め決めた周波数特性に基づいた期待波形とデジタル再生信号とのメトリック値から最も確からしい系列を推定する最尤復号により、デジタル再生信号を復号して2値化データを出力する。最尤復号器105から出力された2値化データは、さらに復調とエラー訂正処理が施されて、光ディスク媒体100に記録されている情報が再生される。
位相誤差検出器106は、デジタル再生信号と2値化データに基づいて、再生信号と再生クロック信号との位相誤差を検出する。位相誤差検出器106は、予め決めた所定の周波数特性に基づいて2値化データから期待波形を生成する期待波形生成器107と、位相を進めた期待波形を生成する位相進み波形生成器108と、位相を遅らせた期待波形を生成する位相遅れ波形生成器109と、デジタル再生信号、期待波形、位相進み波形、位相遅れ波形の各々のメトリック値に基づいて位相誤差を算出するメトリック検出器110で構成される。
ループフィルタ111は、再生しながら検出される位相誤差から不要な周波数帯域の成分を除去し、VCO112を制御する再生クロック制御信号として出力する。
VCO112は、再生クロック制御信号に基づいた周波数で再生クロック信号を生成する発振器である。VCO112は、位相誤差検出器106とループフィルタ111とあわせて、再生信号に同期した再生クロック信号が生成されるように、フィードバックループによりコントロールされるPLL(Phase Locked Loop)を構成する。位相誤差がゼロになるようにコントロールされて生成された再生クロック信号を用いて、A/D変換器103で再生信号をサンプリングすることにより、適応等化器104と最尤復号器105での2値化データの復号に対する誤差成分が小さくなり、安定した復号性能が得られる。
ここで、A/D変換器103、ループフィルタ111、VCO112を、デジタル再生信号に同期化した再生クロック信号を生成する構成、すなわち、再生クロック信号とデジタル再生信号を同期化する構成としてまとめて、同期化部113とする。
以下に、本実施の形態における光ディスク装置10の再生クロック信号の生成の動作について説明する。
適応等化器104と最尤復号器105は、予め決めた周波数特性に基づいた期待波形とデジタル再生信号との比較をすることで2値化データの復号を行っている。
予め決めた周波数特性として、例えば、BDXLの場合は、2値化データに1Tのマークがあったときの期待波形として、信号値の系列が(1,2,2,2,1)という5T分の時間幅のインパルス応答波形を用いる。BDXLの線密度において、状態数が少ないので、最尤復号における信号系列のパスの分岐と合流が単純であり、パターンを限定して記録マークのエッジに対応した位相誤差を抽出することができる。
これに対して、データを記録する線密度がさらに高くなると、インパルス応答波形の信号値の系列の時間幅が長くなり、かつ系列の信号値の総和に対する信号値の変化量が非常に小さくなってくる。このため、期待波形の算出において、多くの2値データとインパルス応答波形との畳込み演算をすることになり、信号値を決める状態数が指数的に増加する。さらに、状態数が指数的に増加することから信号系列のパスが著しく複雑化し、1つの記録マークのエッジに限定して位相誤差を抽出することができなくなる。
位相誤差検出器106は、期待波形と、期待波形の位相を進めた位相進み波形と、位相を遅らせた位相遅れ波形を用い、インパルス応答波形の時間幅に基づいた区間でメトリック値を計算する。これにより、特にパターンを限定することなく位相誤差を検出するので、状態数の増加の影響を受けない。
図2は、本実施の形態における位相誤差検出を説明する図である。図2に示すように、1Tのデジタル再生信号に対して得られるインパルス応答波形と2値化データとの畳込み演算により期待波形を生成する。
期待波形を生成するために、インパルス応答波形の時間幅をLとして、2LTの長さの2値化データを用いる。そのため、最尤復号器105で現時点までに復号した過去2LT分の2値化データを用いる。2LT分の2値化データとインパルス応答波形の畳込み演算により、3LT分の期待波形が生成される。実際の2値化データは、2LT分だけではなく、その前後にも連続している。したがって、実際の2値化データに対して、正確に期待波形が生成できるのは、2LT分の2値化データの中心位置からインパルス応答波形の時間幅Lに相当する±(L/2)Tの区間だけである。この±(L/2)T区間において、適応等化後デジタル再生信号と期待波形とを適切に比較することが可能であり、メトリック値を計算する区間とする。
期待波形生成器107は、2LT区間の2値化データとインパルス応答波形に基づいて期待波形を生成する。位相進み波形生成器108は、期待波形生成器107が生成した期待波形を1T時間進めた位相進み波形を生成する。位相遅れ波形生成器109は、期待波形生成器107が生成した期待波形を1T時間遅らせた位相遅れ波形を生成する。メトリック検出器110は、±(L/2)T区間においてメトリック値を算出する。メトリック値は、同じ時間位置における信号値の差の2乗の総和である。算出するメトリック値は、適応等化後デジタル再生信号と期待波形とのメトリック値R、適応等化後デジタル再生信号と位相進み波形とのメトリック値P、適応等化後デジタル再生信号と位相遅れ波形とのメトリック値Q、期待波形と位相進み波形とのメトリック値Pw、期待波形と位相遅れ波形とのメトリック値Qwである。これらのメトリック値を用いて、以下の式(1)にしたがって位相誤差Phを算出する。
Ph = ((P−R)/Pw + (R−Q)/Qw)/2 ・・・式(1)
式(1)は、メトリック値Pw、メトリック値Qwを分母とすることで、パターンによるメトリック値の差を正規化し、位相誤差として検出される感度が一定になるようにしている。A/D変換器103において、再生クロック信号を用いてサンプリングした現時点のタイミングが期待波形のタイミングと一致していればPh=0となる。期待波形のタイミングより早い場合にはPh<0となる。逆に、期待波形のタイミングより遅い場合にはPh>0として位相誤差が得られる。
位相誤差Phが小さくなるように、VCO112における再生クロック信号の周波数を上げる、あるいは下げるようにコントロールすることにより、再生信号と再生クロック信号を同期させることができる。
高線密度化による再生信号処理の課題は符号間干渉の増大、すなわちインパルス応答波形の時間幅の拡大にある。再生信号のもつ情報を抽出するためには、インパルス応答波形の時間幅を確実にカバーした範囲で信号処理を行わなければならない。従来のデジタル再生信号のエッジ位置の信号値だけを用いる方法は、複数のエッジの情報が干渉して混合されるようになると、再生信号がもつS/N性能を有効に活用できず、検出する位相誤差が不正確になり、安定な再生クロック信号を生成することができない。これに対し、本開示では、2LT区間の2値化データから期待波形を生成し、その中心部分の±(L/2)T区間においてメトリック値を計算することで、インパルス応答波形の時間幅をカバーしており、再生信号がもつS/N性能を全て有効に用いて、正確な位相誤差を得ることができる。従って、高線密度化に対しても安定な再生クロック信号を生成できる。
また、従来の方法では、再生信号がもつS/N性能を有効に活用できないため、正確な位相誤差を検出するには、検出するパターンを限定しなければならなかったが、高線密度化には対応できない。本開示では、再生信号がもつS/N性能を有効に活用できるように信号処理を行う時間幅をとっているため、検出するパターンを限定する必要はない。ただし、再生信号の信号値に変化がなければ位相誤差の情報を検出できないので、インパルス応答波形の時間幅以上であり、かつ記録されているデータの変調則に基づいてマークとスペースの変化が含まれる時間幅である必要がある。この信号処理の時間幅をもつことにより複数のエッジを含むパターン全体から位相誤差を検出することが可能となり、従来のようにパターンを限定することなく、期待波形を1Tだけ前後にシフトさせた位相進み波形と位相遅れ波形との比較から位相誤差を正確に検出することができる。パターンを限定する必要がないため、高線密度化によって指数的に増大する期待波形の信号値の状態数に依存することなく、位相誤差を容易に検出することが可能となる。
次に、上述の位相誤差の検出において、位相誤差が正確に検出できない場合について説明する。
位相誤差検出器106は、長い信号区間における適応等化後デジタル再生信号と期待波形との比較に基づいているので、適応等化器104の適応が過渡状態で不十分な場合や、再生信号そのものに大きな歪がある場合に、再生信号と再生クロック信号との位相誤差に関係なく、信号値に大きな誤差が発生し、検出した位相誤差の値が不正確になる。また、最尤復号器105において2値化データに誤りがあった場合も誤差が発生し、位相誤差が不正確になる。
図3は、本実施の形態における適応等化後デジタル再生信号と期待波形の信号値に大きな誤差が発生している状況を説明する図である。図3において、点線が適応等化後デジタル再生信号であり、実線が期待波形の信号値であり、メトリック計算区間において、誤差が大きい箇所がある。このような状況において、期待波形がとりうる最大振幅を±0.5の1としたとき、2つの波形の信号値の差が例えば0.2以上の場合に、その信号値の差を除去してメトリック値の計算を行う。このような除去処理を行うことで、誤差要因が小さい部分のみで正確な位相誤差を検出できる。
また、再生信号の振幅は、光ディスク媒体100上に設けられたトラックに対する光ヘッド101から照射された光ビームの集光状態によって変化する。さらに、再生信号の周波数特性は、光ヘッド101の光ビームの波長や、光ビームを集光するレンズの開口数(NA:Numerical Aperture)によっても変化する。これらの変化に対し、プリアンプ102と適応等化器104によって、所定の信号振幅、所定の周波数特性になるように適応的に信号処理が行われる。しかし、適応的な信号処理が十分な状態に収束するまでの過渡状態において、位相誤差の検出の誤差要因になり、再生クロック信号の同期に対する外乱となりやすい。このような誤差要因を低減するために、メトリック値の計算に含めない2つの波形の信号値の差を0.2に固定せず、適応的な信号処理が十分な状態に収束するまでは、0.1として、誤差要因に対して敏感に除去処理が働くようにしてもよい。
次に、上述とは別の位相誤差が正確に検出できない場合について説明する。
例えば、BDXLの線密度では、2Tは光学的な分解能の限界を超えているために再生信号の振幅がゼロになってしまうので、3T以上で振幅が得られる。さらに高線密度化すると、3Tさらには4Tでも再生信号の振幅が得られなくなる。そのため、2Tから4Tが連続するようなデータパターンでは、再生信号の信号値の変化が非常に小さく、再生クロック信号の位相のずれによる信号値の差も非常に小さくなってしまう。高域においては再生信号のゲインが非常に小さく、S/Nが小さくなっており、再生信号に含まれるノイズが、検出する位相誤差の値が不正確になる大きな要因になる。
図4は、本実施の形態におけるノイズの影響が大きくなる可能性が高い高域成分の部分を含む期待波形を説明する図である。メトリック計算区間において、期待波形がとりうる最大振幅を±0.5の1としたとき、期待波形の信号値が±0.1の範囲内であり、かつ所定の時間以上小振幅が連続している部分がある。この部分においては、2つの信号値の差を除去して、メトリック値の計算を行う。このような除去処理を行うことで、S/Nが良い部分のみで正確な位相誤差を検出できる。
このように、再生信号の変化が小さく、低S/Nな高域成分は少なからず存在するが、記録するデータの変調則によって、高域成分の連続状態を制限できる。例えば、BDで用いられているRLL(1,7)変調則では、最短の2Tは連続6回までと制限されている。高線密度化する場合には、さらに3Tあるいは4Tも含めた連続状態を制限した変調則とすれば、正確な位相誤差を検出できる高S/Nな部分が増え、安定な再生クロック信号を生成しやすくなる。
また、再生信号の変化が小さい高域成分が多く含まれている場合は、メトリック値Pw、Qwが非常に小さい値となってしまう。メトリック値Pw、Qwの平均的な値に対して、非常に小さい値が分母となる場合には、デジタル再生信号から求められるメトリック値P、Q、Rに含まれる誤差成分が増幅されてしまう。その結果、一時的に再生クロック信号の周波数を不正確な情報で大きく動かしてしまうことになり、再生性能の劣化につながる。
このような不安定要因を除くために、メトリック値PwあるいはQwが所定の閾値より小さい値であった場合には、メトリック値から位相誤差を算出せずに、位相誤差をゼロとする。また、再生信号のS/Nが低い状況では、メトリック値Pw、Qwに対する所定の閾値を通常より高くすることで安定化させてもよい。
図5は、光ディスク媒体100に記録されているデータブロックのフォーマットを示す図である。光ディスク媒体100に記録されているデータは、所定のブロック単位でエラー訂正符号化され、所定の変調則で変調されている。さらにブロックの先頭には、プリアンプ102や適応等化器104における信号振幅や周波数特性の制御、およびPLLにおける再生クロック信号の初期の同期がしやすいように単純なパターンが繰り返し記録されているランイン領域が付加されている。図5において、光ディスク媒体100のトラック上にデータがブロック単位で記録されている。1つのブロックは、ランインとデータで構成される。
位相誤差検出器106は、前述したようにメトリック値PwとQwによって位相誤差の安定性に影響が出る。初期のPLLの引き込み動作を短期間で安定して済ませるためには、メトリック値PwとQwの変化が小さい方がよい。具体的には、図5において、位相誤差を検出する区間であるメトリック計算区間毎に同じパターンが繰り返されて記録されていれば、常にメトリック値PwとQwは同じ値となる。同じ値であれば、安定して位相誤差を検出できる。安定したPLLの引き込みが実現できれば、ランインの長さを短くすることができ、ランインが占める領域を減らせるので、光ディスク媒体100の記録容量を有効に使用できる。
以上により、高線密度化による再生信号処理の課題である、符号間干渉により幅が広がり、複数のエッジの影響が重なる中から、再生信号と再生クロック信号の位相誤差に関する情報を正確に検出し、安定した再生クロック信号を生成することができる。そして再生性能を劣化させずに、光ディスク媒体に記録されたデータを再生することができ、データを記録する線密度を高めることができる。
なお、本実施の形態において光ディスク装置10の同期化部113は、再生信号に対して、再生クロック信号とA/D変換器103を用いて、同期化したデジタル再生信号を得る構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、同期化部として、別途生成したクロック信号を用いて、再生信号をA/D変換器によりデジタル再生信号とし、検出した位相誤差がゼロとなるように、デジタル再生信号の位相を制御するFIRフィルタを設け、FIRフィルタの出力から同期化したデジタル再生信号を得る構成でもよい。
図6は、本実施の形態における別の光ディスク装置60を示す図である。光ディスク装置60は、デジタル再生信号の位相を制御するFIRを設けた構成である。
図6に示す光ディスク装置60は、実施の形態1と同様に、光ヘッド601、プリアンプ602、A/D変換器603、適応等化器605、最尤復号器606、位相誤差検出器607、ループフィルタ608を備えており、さらに、位相補間フィルタ604、位相補間係数選択器609、ウォブル検出器610、ウォブルPLL611を備えている。光ディスク装置60は、光ディスク媒体600のトラックの蛇行から得られるウォブル信号を元に、ウォブルPLL611により生成したウォブル再生クロックを用いてA/D変換器603を動作させる。この構成は、例えば、国際公開第2007/037272号に開示されている。
ここで、A/D変換器603、位相補間フィルタ604、ループフィルタ608、位相補間係数選択器609、ウォブル検出器610、ウォブルPLL611を、生成した再生クロック信号を用いて同期化したデジタル再生信号を生成する構成、すなわち、再生クロック信号とデジタル再生信号を同期化する構成をまとめて、同期化部612とする。
ウォブル検出器610は、光ヘッド601から出力される再生信号に含まれるトラックの蛇行成分をウォブル信号として検出する。トラックの蛇行の周波数は、トラックに記録されるデータに比べて十分に低く、ウォブル信号は良好に検出されやすい。ウォブルPLL611は、ウォブル信号を所定の比で逓倍してデータの1Tに等しい周期のウォブル再生クロックを生成する。ウォブル再生クロックは、良好なウォブル信号から生成されるので安定性が高い。
しかし、データの再生信号に対して、データの1T境界での位相に同期しているわけではないため、ウォブル再生クロックを用いるA/D変換器603により得られるデジタル再生信号は、適応等化器605や最尤復号器606において理想的な位相同期状態とはなっていない。位相補間フィルタ604は、この位相同期ずれを補正したデジタル再生信号を出力するFIRフィルタである。位相補間フィルタ604のタップ係数は、位相補間係数選択器609により制御される。タップ係数はSINC関数を用いて求められる。位相誤差検出器607で検出された位相誤差は、ループフィルタ608に入力される。ループフィルタ608は、1次の積分器を備えており、位相誤差を積分し、所定のゲインをかけた値を位相制御値として位相補間係数選択器609へ出力する。位相補間係数選択器609は、入力された位相制御値に従って、SINC関数により求められるタップ係数を選択し、位相補間フィルタ604へ出力する。このタップ係数を用いることにより、位相補間フィルタ604は、入力されるデジタル再生信号の位相ずれを補正して位相同期状態となったデジタル再生信号を出力する。
図7Aは、本実施の形態の位相補間フィルタ604を示す図であり、図7Bは、本実施の形態の位相補間フィルタ604の係数制御曲線を示す図である。
位相補間フィルタ604は、直列に接続された遅延器701〜708と、乗算器709〜717と、加算器718を備えるFIRフィルタである。遅延器701〜708は、デジタルデータ信号値をクロック信号の1周期毎に遅延させる。乗算器709〜717は、それぞれの遅延器の値にタップ係数C1〜C8を乗算する。加算器718は、乗算器709〜717の出力を加算して、位相同期ずれを補正したデジタル再生信号を出力する。タップ係数C1〜C8は、例えば、図7Bに示すようなナイキスト補間特性に基づいて設定される。
この構成によれば、良好なウォブル信号から容易にデータの1Tに一致する周波数を有するウォブル再生クロックを得ることができるため、位相誤差検出器607、ループフィルタ608、位相補間係数選択器609、位相補間フィルタ604から構成されるデジタルPLLにおいて周波数誤差に対する広いキャプチャレンジは必要なく、位相のずれのみを制御すればよい。データを記録する線密度を高めるにともなって、位相誤差検出器607により検出される位相誤差値のみから周波数誤差と位相誤差の両方を制御する余裕は少なくなっていくが、この構成であれば、周波数誤差に対する制御は必要ないので、データの高線密度化にも高い安定性を維持したまま対応することが可能となる。
(実施の形態2)
図8は、本開示の実施の形態2における光ディスク装置80の構成を示す図である。光ディスク媒体800から読み出したデータを再生する光ディスク装置80は、実施の形態1と同様に、光ヘッド801、プリアンプ802、A/D変換器803、適応等化器804、最尤復号器805、位相誤差検出器806、ループフィルタ810、VCO811を備える。実施の形態1と同様に、A/D変換器803、ループフィルタ810、VCO811を、デジタル再生信号に同期化した再生クロック信号を生成する構成、すなわち、再生クロック信号とデジタル再生信号を同期化する構成としてまとめて、同期化部812とする。位相誤差検出器806以外の構成は、実施の形態1と同じ動作であるので、説明を省略する。
位相誤差検出器806は、+1T遅延器807と、−1T遅延器808と、相互相関検出器809から構成される。+1T遅延器807は、最尤復号器805が出力した2値化データ信号を+1T遅延させる回路である。−1T遅延器808は、逆に、2値化データを−1T遅延させる回路である。相互相関検出器809は、適応等化器804から出力される適応等化されたデジタル再生信号と+1T遅延器807の+1T遅延2値化データ信号との相互相関と、同じく適応等化されたデジタル再生信号と−1T遅延器808の−1T遅延2値化データ信号との相互相関を算出し、これら2つの相互相関の差を位相誤差値として出力する。
図9は、本実施の形態における相互相関検出器809の位相誤差検出を説明する図である。波形W[t+i](iは1〜11の自然数)は、適応等化されたデジタル再生信号を示している。波形B[t+i]は、最尤復号器805が出力した2値化データ信号を示している。相互相関検出器809は、1Tのデジタル信号を再生したときに得られるデジタル再生信号としてインパルス応答波形の時間幅Lにおいて、適応等化されたデジタル再生信号W[t+i]と−1T遅延2値化データ信号B[t+(i−1)]の相互相関を算出する。このとき、0と1の2値信号である−1T遅延2値化データ信号に対して、B[t+(i−1)]×2−1の計算で−1と+1の2値信号にすることにより、適応等化されたデジタル再生信号W[t+i]の単純な加減算で求めることができる。
同様に、時間幅Lにおいて、適応等化されたデジタル再生信号W[t+i]と+1T遅延2値化データ信号B[t+(i+1)]の相互相関を算出する。
2つの相互相関値の差をとることにより、適応等化されたデジタル再生信号W[t+i]がサンプリングされている位相が、2値化データ信号B[t+i]に対して前後どちらに位相がずれているかを示す相互相関位相誤差Perrを得ることができる。
Figure 2015107573
ここで、(数1)において、図9は、L=11の場合である。
以上によって、実施の形態1と同様に、符号間干渉により幅が広がり、複数のエッジの影響が重なる中から、再生信号と再生クロック信号の位相誤差に関する情報を正確に検出し、安定した再生クロック信号を生成することができる。そして、再生性能を劣化させずに、光ディスク媒体に記録されたデータを再生することができ、データを記録する線密度を高めることができる。さらに、実施の形態1に比べて、小さい演算回路で実現できる。
なお、本実施の形態において光ディスク装置80の同期化部812は、再生信号に対して、再生クロック信号とA/D変換器803を用いて、同期化したデジタル再生信号を得る構成としたが、これに限定されるものではない。実施の形態1で説明した、例えば、同期化部として、別途生成したクロック信号を用いて、再生信号をA/D変換器によりデジタル再生信号とし、検出した位相誤差がゼロとなるように、デジタル再生信号の位相を制御するFIRフィルタを設け、FIRフィルタの出力から同期化したデジタル再生信号を得る構成としてもよい。すなわち、本実施の形態の同期化部812の代わりに、図6の光ディスク装置60の同期化部612を用いてもよい。
この構成によれば、良好なウォブル信号から容易にデータの1Tに一致する周波数を有するウォブル再生クロックを得ることができるため、位相誤差検出器806、ループフィルタ608、位相補間係数選択器609、位相補間フィルタ604から構成されるデジタルPLLにおいて周波数誤差に対する広いキャプチャレンジは必要なく、位相のずれのみを制御すればよい。データを記録する線密度を高めるにともなって、位相誤差検出器806により検出される位相誤差値のみから周波数誤差と位相誤差の両方を制御する余裕は少なくなっていくが、この構成であれば、周波数誤差に対する制御は必要ないので、データの高線密度化にも高い安定性を維持したまま対応することが可能となる。
本開示は、高線密度でデータを光ディスク媒体に記録再生する光ディスク装置および光ディスク再生方法に有用である。
10,60,80 光ディスク装置
100,600,800 光ディスク媒体
101,601,801 光ヘッド
102,602,802 プリアンプ
103,603,803 A/D変換器
104,605,804 適応等化器
105,606,805 最尤復号器
106,607,806 位相誤差検出器
107 期待波形生成器
108 位相進み波形生成器
109 位相遅れ波形生成器
110 メトリック検出器
111,608,810 ループフィルタ
112,811 VCO
113,612,812 同期化部
604 位相補間フィルタ
609 位相補間係数選択器
610 ウォブル検出器
611 ウォブルPLL
701,702,703,704,705,706,707,708 遅延器
709,710,711,712,713,714,715,716,717 乗算器
718 加算器
807 +1T遅延器
808 −1T遅延器
809 相互相関検出器

Claims (10)

  1. 光ディスク媒体に記録された情報を再生する光ディスク装置であって、
    前記情報より得られる再生信号に同期した再生クロック信号を生成し、前記再生クロック信号に同期したデジタル再生信号を生成する同期化部と、
    前記デジタル再生信号の波形を整形し適応等化後デジタル再生信号を生成する適応等化器と、
    前記適応等化後デジタル再生信号を最尤復号し2値化信号を生成する最尤復号器と、
    前記デジタル再生信号のインパルス応答波形の時間幅LTに対して、2LT時間幅の前記2値化信号から期待波形を生成する期待波形生成器と、
    前記期待波形の位相を1T進めた位相進み波形を生成する位相進み波形生成器と、
    前記期待波形の位相を1T遅らせた位相遅れ波形を生成する位相遅れ波形生成器と、
    前記2値化信号の2LT時間幅の中心から±(L/2)T区間において、前記適応等化後デジタル再生信号と、前記期待波形と、前記位相進み波形と、前記位相遅れ波形の各々から算出されるメトリック値に基づいて、前記再生信号と前記再生クロック信号との位相誤差を検出するメトリック検出器と、を備え、
    前記同期化部は、前記位相誤差を用いて前記デジタル再生信号の位相を制御する、光ディスク装置。
  2. 前記同期化部は、
    前記情報より得られる再生信号に同期した再生クロック信号を生成する発振器と、
    前記再生クロック信号に同期したデジタル再生信号を生成するA/D変換器と、
    前記位相誤差を用いて前記再生クロック信号を制御するループフィルタと、を含む、請求項1記載の光ディスク装置。
  3. 前記メトリック検出器は、前記適応化後デジタル再生信号と前記期待波形の信号値との差が所定の閾値以上の部分を除いて、前記メトリック値を算出する、請求項1記載の光ディスク装置。
  4. 前記メトリック検出器は、前記期待波形の信号値が、所定の振幅範囲内で、かつ所定の時間以上振幅が連続している部分を除いて、前記メトリック値を算出する、請求項1記載の光ディスク装置。
  5. 前記同期化部は、
    前記情報より得られる再生信号に含まれるウォブル信号から再生クロック信号を生成するウォブル検出器と、
    前記再生クロック信号に同期したデジタル再生信号を生成するA/D変換器と、
    前記デジタル再生信号の位相ずれを補正する位相補間フィルタと、
    前記位相誤差を用いて前記位相補間フィルタを制御する位相制御値を生成するループフィルタと、
    前記位相制御値に基づいて前記位相補間フィルタのフィルタ係数を選択する位相補間係数選択器と、を含む、請求項1記載の光ディスク装置。
  6. 光ディスク媒体に記録された情報を再生する光ディスク装置であって、
    前記情報より得られる再生信号に同期した再生クロック信号を生成し、前記再生クロック信号に同期したデジタル再生信号を生成する同期化部と、
    前記デジタル再生信号の波形を整形し適応等化後デジタル再生信号を生成する適応等化器と、
    前記適応等化後デジタル再生信号を最尤復号し2値化信号を生成する最尤復号器と、
    前記2値化信号を+1T遅延させて+1T遅延2値化データ信号を生成する+1T遅延器と、
    前記2値化信号を−1T遅延させて−1T遅延2値化データ信号を生成する−1T遅延器と、
    前記デジタル再生信号のインパルス応答波形の時間幅LTにおいて、前記適応等化後デジタル再生信号と前記+1T遅延2値化データ信号の相互相関と、前記適応等化後デジタル再生信号と前記−1T遅延2値化データ信号の相互相関から前記適応等化後デジタル再生信号がサンプリングされている位相が前記2値化信号に対して前後どちらに位相がずれているかを示す相互相関位相誤差を検出する相互相関検出器と、を備え、
    前記同期化部は、前記相互相関位相誤差を用いて前記デジタル再生信号の位相を制御する、光ディスク装置。
  7. 前記同期化部は、
    前記情報より得られる再生信号に同期した再生クロック信号を生成する発振器と、
    前記再生クロック信号に同期したデジタル再生信号を生成するA/D変換器と、
    前記相互相関位相誤差を用いて前記再生クロック信号を制御するループフィルタと、を含む、請求項6記載の光ディスク装置。
  8. 前記同期化部は、
    前記情報より得られる再生信号に含まれるウォブル信号から再生クロック信号を生成するウォブル検出器と、
    前記再生クロック信号に同期したデジタル再生信号を生成するA/D変換器と、
    前記デジタル再生信号の位相ずれを補正する位相補間フィルタと、
    前記位相誤差を用いて前記位相補間フィルタを制御する位相制御値を生成するループフィルタと、
    前記位相制御値に基づいて前記位相補間フィルタのフィルタ係数を選択する位相補間係数選択器と、を含む、請求項6記載の光ディスク装置。
  9. 光ディスク媒体に記録された情報を再生する光ディスク再生方法であって、
    再生クロック信号に同期して、前記情報より得られる再生信号から生成されたデジタル再生信号の波形を整形し適応等化後デジタル再生信号を生成するステップと、
    前記適応等化後デジタル再生信号を最尤復号し2値化信号を生成するステップと、
    前記デジタル再生信号のインパルス応答波形の時間幅LTに対して、2LT時間幅の前記2値化信号から期待波形を生成するステップと、
    前記期待波形の位相を1T進めた位相進み波形を生成するステップと、
    前記期待波形の位相を1T遅らせた位相遅れ波形を生成するステップと、
    前記2値化信号の2LT時間幅の中心から±(L/2)T区間において、前記適応等化後デジタル再生信号と、前記期待波形と、前記位相進み波形と、前記位相遅れ波形の各々から算出されるメトリック値に基づいて、前記再生信号と前記再生クロック信号との位相誤差を検出するステップと、
    前記位相誤差を用いて前記デジタル再生信号の位相を制御するステップと、を含む光ディスク再生方法。
  10. 光ディスク媒体に記録された情報を再生する光ディスク再生方法であって、
    再生クロック信号に同期して、前記情報より得られる再生信号から生成されたデジタル再生信号の波形を整形し適応等化後デジタル再生信号を生成するステップと、
    前記適応等化後デジタル再生信号を最尤復号し2値化信号を生成するステップと、
    前記2値化信号を+1T遅延させて+1T遅延2値化データ信号を生成するステップと、
    前記2値化信号を−1T遅延させて−1T遅延2値化データ信号を生成するステップと、
    前記デジタル再生信号のインパルス応答波形の時間幅LTにおいて、前記適応等化後デジタル再生信号と前記+1T遅延2値化データ信号の相互相関と、前記適応等化後デジタル再生信号と前記−1T遅延2値化データ信号の相互相関から前記適応等化後デジタル再生信号がサンプリングされている位相が前記2値化信号に対して前後どちらに位相がずれているかを示す相互相関位相誤差を検出するステップと、
    前記相互相関位相誤差を用いて前記デジタル再生信号の位相を制御するステップと、を含む、光ディスク再生方法。
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