JPWO2015093355A1 - 電極構造体、空気電池及び空気電池スタック - Google Patents

電極構造体、空気電池及び空気電池スタック Download PDF

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Abstract

電極構造体は、第1電極ユニットと、第2電極ユニットと、第1の絶縁性枠体とを具備し、各電極ユニットが隣り合う構造を有する。第1電極ユニットは、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の通気面の外表面に空気電池用正極を備える。第2電極ユニットは、導電性基体の外表面に空気電池用負極を備える。第1の絶縁性枠体は、隣り合う電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う電極ユニットを離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。

Description

本発明は、電極構造体、空気電池及び空気電池スタックに関する。更に詳細には、本発明は、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得る空気電池用電極構造体、これを具備した空気電池及び空気電池スタックに関する。
空気電池は、空気中の酸素を正極活物質に、アルミニウム(Al)や鉄(Fe)、亜鉛(Zn)などの金属を負極活物質に用いた電池である。そして、空気電池は、電池容器内に正極活物質を備える必要がないため、エネルギー密度が高く、また、小型化や軽量化が可能である。そのため、空気電池は、携帯機器用電源として、更には電動車両などの駆動用電源としての利用が期待されている。また、電解液を電池本体とは別に保管することによって、空気電池の保管中には電池反応が起こらないので、活物質や電解液の消耗や変質が殆どなく、空気電池の半永久的な保存が可能である。そのため、特に、非常用、緊急用の予備電源として空気電池を利用することが注目されている。
このような空気電池の構造としては、略枠状の部材の一方に正極を設置すると共に、この正極に対向するように他方に負極を設置し、これら正極、負極及び枠状部材により形成される空間に電解液を注入して発電する電池(予備電池)が提案されている(特許文献1参照。)。
日本国特表2005−527069号公報
このような空気電池を実用する場合、多数の単セルを直列に積層してスタック化し、使用目的に即した出力電圧が得られるようにすることが必要となる。ところが、特許文献1に記載された空気電池では、セル間の導通のために電極端子を押し付けて接触させているため、接触抵抗が大きなものになると共に、小さな電極端子に発電電流が流れるため、オーム損失が大きくなるという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得る電極構造体、これを具備した空気電池及び空気電池スタックを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。その結果、下記の(1)〜(4)のいずれかに記載の構成とすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)電極構造体が、所定の第1電極ユニットと、所定の第2電極ユニットと、第1の絶縁性枠体とを具備し、各電極ユニットが、隣り合う構造を有し、第1の絶縁性枠体が、隣り合う電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う電極ユニットを離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
(2)電極構造体が、所定の第1電極ユニットと、所定の第2電極ユニットと、所定の第3電極ユニットと、第1の絶縁性枠体とを具備し、各電極ユニットが、隣り合う構造を有し、第1の絶縁性枠体が、隣り合う電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う電極ユニットを離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
(3)電極構造体が、2つの所定の第1電極ユニットと、空気電池用負極を備えた第2の絶縁性枠体とを具備し、空気電池用負極が、2つの第1電極ユニットの間に配設された構造を有し、第2の絶縁性枠体が、その枠内に空気電池用負極を備え、隣り合う2つの第1電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う2つの第1電極ユニットの空気電池用正極及び空気電池用負極を離間して接合し、かつ、隣り合う2つの第1電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
(4)電極構造体が、2つの所定の第1電極ユニットと、所定の第4電極ユニットと、空気電池用負極を備えた第2の絶縁性枠体とを具備し、空気電池用負極が、各電極ユニットの間に配設された構造を有し、第2の絶縁性枠体が、その枠内に空気電池用負極を備え、隣り合う各電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う各電極ユニットの空気電池用正極及び空気電池用負極を離間して接合し、かつ、隣り合う各電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
すなわち、本発明の第1の電極構造体は、第1電極ユニットと、第2電極ユニットと、第1の絶縁性枠体と、を具備し、各電極ユニットが隣り合う構造を有するものである。そして、第1電極ユニットは、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の通気面の外表面に空気電池用正極を備える。また、第2電極ユニットは、導電性基体の外表面に空気電池用負極を備える。更に、第1の絶縁性枠体は、隣り合う電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う電極ユニットを離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
また、本発明の第2の電極構造体は、第1電極ユニットと、第2電極ユニットと、第1電極ユニットと第2電極ユニットとの間に配設された、少なくとも1つの第3電極ユニットと、第3電極ユニットの個数より1つ多い個数の第1の絶縁性枠体と、を具備し、各電極ユニットが隣り合う構造を有するものである。そして、第1電極ユニットは、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の通気面の外表面に空気電池用正極を備える。また、第2電極ユニットは、導電性基体の外表面に空気電池用負極を備える。更に、第3電極ユニットは、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の通気面の外表面に空気電池用正極を備えると共に、通気面と反対側の面の外表面に空気電池用負極を備える。更にまた、第1の絶縁性枠体は、隣り合う電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う電極ユニットを離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
更に、本発明の第3の電極構造体は、2つの第1電極ユニットと、空気電池用負極を備えた第2の絶縁性枠体と、を具備し、空気電池用負極が2つの第1電極ユニットの間に配設された構造を有するものである。そして、第1電極ユニットは、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の通気面の外表面に空気電池用正極を備える。また、第2の絶縁性枠体は、その枠内に空気電池用負極を備え、かつ、隣り合う2つの第1電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う2つの第1電極ユニットの空気電池用正極及び空気電池用負極を離間して接合し、かつ、隣り合う2つの第1電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
また、本発明の第4の電極構造体は、2つの第1電極ユニットと、2つの第1電極ユニットの間に配設された、少なくとも1つの第4電極ユニットと、空気電池用負極を備え、第4電極ユニットの個数より1つ多い個数の第2の絶縁性枠体と、を具備し、空気電池用負極が各電極ユニットの間に配設された構造を有するものである。そして、第1電極ユニットは、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の通気面の外表面に空気電池用正極を備える。また、第4電極ユニットは、内部に通気空間を有し、かつ、対向する位置に通気面を有する基体の各通気面の外表面に空気電池用正極を備え、各通気面の外表面に配設された空気電池用正極同士が電気的に絶縁されている。更に、第2の絶縁性枠体は、その枠内に空気電池用負極を備え、かつ、隣り合う各電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う各電極ユニットの空気電池用正極及び空気電池用負極を離間して接合し、かつ、隣り合う各電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
更に、本発明の空気電池スタックは、上記本発明の第1〜第4のいずれかの電極構造体を具備したものである。
更にまた、本発明の空気電池は、上記本発明の第1又は第3の電極構造体を具備したものである。
本発明によれば、下記の(1)〜(4)のいずれかに記載の構成としたため、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得る電極構造体、これを具備した空気電池及び空気電池スタックを提供することができる。
(1)所定の第1電極ユニットと、所定の第2電極ユニットと、第1の絶縁性枠体と、を具備し、各電極ユニットが、隣り合う構造を有し、第1の絶縁性枠体が、隣り合う電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う電極ユニットを離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
(2)所定の第1電極ユニットと、所定の第2電極ユニットと、所定の第3電極ユニットと、第1の絶縁性枠体と、を具備し、各電極ユニットが、隣り合う構造を有し、第1の絶縁性枠体が、隣り合う電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う電極ユニットを離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
(3)2つの所定の第1電極ユニットと、空気電池用負極を備えた第2の絶縁性枠体と、を具備し、空気電池用負極が、2つの第1電極ユニットの間に配設された構造を有し、第2の絶縁性枠体が、その枠内に空気電池用負極を備え、隣り合う2つの第1電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う2つの第1電極ユニットの空気電池用正極及び空気電池用負極を離間して接合し、かつ、隣り合う2つの第1電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
(4)2つの所定の第1電極ユニットと、所定の第4電極ユニットと、空気電池用負極を備えた第2の絶縁性枠体と、を具備し、空気電池用負極が、各電極ユニットの間に配設された構造を有し、第2の絶縁性枠体が、その枠内に空気電池用負極を備え、隣り合う各電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、隣り合う各電極ユニットの空気電池用正極及び空気電池用負極を離間して接合し、かつ、隣り合う各電極ユニットと共に電解液収容部を形成している。
図1(A)は、第1の実施形態に係る電極構造体の一例を示す斜視図、図1(B)は、図1(A)に示した電極構造体の分解斜視図、図1(C)は、図1(A)に示した電極構造体のC−C線に沿った模式的な断面図である。 図2(A)は、第1の実施形態に係る電極構造体の他の一例を示す斜視図、図2(B)は、図2(A)に示した電極構造体の分解斜視図、図2(C)は、図2(A)に示した電極構造体のC−C線に沿った模式的な断面図である。 図3(A)は、第1の実施形態に係る電極構造体の更に他の一例を示す斜視図、図3(B)は、図3(A)に示した電極構造体の分解斜視図、図3(C)は、図3(A)に示した電極構造体のC−C線に沿った模式的な断面図である。 図4は、第2の実施形態に係る電極構造体の一例を示す斜視図である。 図5は、図4に示した電極構造体の分解斜視図である。 図6は、図4に示した電極構造体のVI−VI線に沿った模式的な断面図である。 図7は、第2の実施形態に係る電極構造体の他の一例を示す斜視図である。 図8は、図7に示した電極構造体の分解斜視図である。 図9は、図7に示した電極構造体のIX−IX線に沿った模式的な断面図である。 図10(A)は、第3の実施形態に係る電極構造体の一例を示す斜視図、図10(B)は、図10(A)に示した電極構造体の分解斜視図、図10(C)は、図10(A)に示した電極構造体のC−C線に沿った模式的な断面図である。 図11(A)は、第3の実施形態に係る電極構造体の他の一例を示す斜視図、図11(B)は、図11(A)に示した電極構造体の分解斜視図、図11(C)は、図11(A)に示した電極構造体のC−C線に沿った模式的な断面図である。 図12は、第4の実施形態に係る電極構造体の一例を示す斜視図である。 図13は、図12に示した電極構造体の分解斜視図である。 図14は、図12に示した電極構造体のXIV−XIV線に沿った模式的な断面図である。 図15は、第4の実施形態に係る電極構造体の他の一例を示す斜視図である。 図16は、図15に示した電極構造体の分解斜視図である。 図17は、図15に示した電極構造体のXVII−XVII線に沿った模式的な断面図である。 実施例1及び比較例1に係る空気電池スタックの発電性能を示すグラフである。 比較例1に係る空気電池スタックの一部を示す模式的な断面図である。 実施例2−1及び実施例2−2に係る空気電池の放電時間の延長効果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る電極構造体、空気電池及び空気電池スタックについて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態で引用する図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。また、本発明において、単に、「導電性基体の外表面」、「導電性基体の一方の外表面」及び「導電性基体の他方の外表面」のように記載した場合における外表面は、ユニット積層方向に平行な導電性基体の外表面でなく、ユニット積層方向に直交する導電性基体の外表面を意味する。なお、ユニット積層方向に直交する導電性基体の外表面は、ユニット積層方向に直交する導電性基体の外表面のみに限定されず、ユニット積層方向にほぼ直交する導電性基体の外表面も含む意味である。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る電極構造体及び空気電池の若干例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(A)は、第1の実施形態に係る電極構造体の一例を示す斜視図である。また、図1(B)は、図1(A)に示した電極構造体の分解斜視図である。更に、図1(C)は、図1(A)に示した電極構造体のC−C線に沿った模式的な断面図である。
図1に示すように、本例の電極構造体1は、第1電極ユニット10と、第2電極ユニット20と、第1の絶縁性枠体40と、を具備し、各電極ユニット(10,20)が隣り合う構造を有するものである。そして、第1電極ユニット10は、内部に通気空間12aを有し、かつ、一方に通気部を含む通気面12bを有する箱形の導電性基体12の通気面12bの外表面の一部に空気電池用正極層14を備える(以下「第1A電極ユニット10A」と記載することがある。)。また、第2電極ユニット20は、内部に通気空間22aを有する箱形の導電性基体22の外表面の一部に空気電池用負極層26を備える(以下「第2A電極ユニット20A」と記載することがある。)。更に、第1の絶縁性枠体40は、隣り合う電極ユニット(10,20)の空気電池用正極層14と空気電池用負極層26とが電解液収容部E側の全面で対向するように、隣り合う電極ユニット(10,20)を離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニット(10,20)と共に電解液収容部Eを形成している。なお、本例においては、第1の絶縁性枠体40は、第1A電極ユニット10A及び第2A電極ユニット20Aが嵌合する段差部(40a,40a)を有する。更に、本例においては、電解液(図示せず。)を電解液収容部Eに供給するための供給口40bと電解液(図示せず。)の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口40cとを有する。そして、本例の電極構造体1は、電解液収容部Eに図示しない電解液が充填されることにより、発電可能な空気電池となる。
このような構成とすることにより、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得るものとなる。また、この電極構造体を具備した空気電池においては、集電抵抗を低減して、出力を向上させることができる。
また、空気電池用負極側の通気空間に空気を供給することにより、放電に伴う電解液温度の上昇を抑制することができる。換言すれば、空気電池の放熱性を向上させることができる。これにより、電解液からの水分の蒸発を抑制することができるため、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
そして、電解液中の腐食生成物の濃度上昇を抑制することができるため、空気電池の放電時間を延長させることができる。
ここで、各構成について詳細に説明する。
上記導電性基体12としては、空気電池用正極層支持機能と、空気電池用正極層14に空気などの酸素含有ガスを供給し得る通気空間12a及び通気面12bにより発揮される空気流路機能とを有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、導電性基体12の外形形状は、矩形板状に限定されるものではなく、円形板状でもよく、更には板状以外の形状でもよい。また、通気空間12aは、例えば、金属製の非通気性板材121と通気性板材122とを同じく金属製のリブ123を介して接合し、箱形の導電性基体を形成することによって設けることができる。更に、通気面12bは、例えば、金属製の通気性板材122として、通気部となる複数の微細孔を有する発泡金属板やエッチング金属板、パンチング金属板などを適用して設けることが好ましい。
また、上記空気電池用正極層14としては、酸素を正極活物質とするものであって、例えば、酸素の酸化還元触媒を含み、必要に応じて添加される触媒を担持する導電性の担体を含んでいるものを適用することができる。なお、図示しないが、空気電池用正極層は、通気空間側に電解液収容部に充填される電解液の漏液を抑制ないし防止する液密通気層を有する。本例においては、通気面の外表面に導電性撥水層などの液密通気層(図示せず。)を介して空気電池用正極層が配設されている。導電性撥水層は、電解液に対する液密性(例えば、水密性である。)と、酸素に対する通気性を備え、電解液が外部に漏出するのを抑制ないし防止する一方、空気電池用正極層への酸素供給を可能にする機能を有するものである。例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂やポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂などの撥水性多孔質樹脂と黒鉛などの導電性材料からなるものを好適に用いることができる。
触媒としては、例えば、二酸化マンガンや四酸化三コバルトなどの金属酸化物や、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)等の金属、これらの合金や酸化物などから選択することができる。
触媒の形状や大きさは、特に限定されるものではなく、従来公知の触媒と同様の形状及び大きさを採用することができる。ただし、触媒の形状は、粒状であることが好ましく、触媒粒子の平均粒子径は、1〜30nmであることが好ましい。触媒粒子の平均粒子径がこのような範囲内の値であると、電気化学反応が進行する有効電極面積に関連する触媒利用率と担持の簡便さとのバランスを適切に制御することができる。
担体は、上記触媒を担持するための担体として、また、触媒と他の部材との間での電子の授受に関与する電子伝導パスとして機能する。担体としては、触媒成分を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、充分な電子伝導性を有しているものであればよく、主成分がカーボンであることが好ましい。担体としては、具体的には、カーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛などからなるカーボン粒子が挙げられる。
担体のサイズについても特に限定されるものではなく、担持の簡便さ、触媒利用率、触媒層の厚みを適切な範囲で制御するなどの観点からは、平均粒子径を5〜200nm程度、好ましくは10〜100nm程度とするとよい。
担体に対する触媒の担持量については、触媒とこれを担持した担体の全量に対して、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。触媒の担持量がこのような範囲内の値であると、担体上での触媒の分散度と触媒性能とのバランスが適切なものとなる。
なお、上記した触媒や、これを担持する担体の種類については、上記したものだけに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知の材料を適宜使用することができることは言うまでもない。
一方、上記導電性基体22としては、空気電池用負極支持機能を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、導電性基体12の外形形状は、矩形板状に限定されるものではなく、円形板状でもよく、更には板状以外の形状でもよい。また、通気空間22aは、例えば、金属製の非通気性板材221と非通気性板材221とを同じく金属製のリブ223を介して接合し、箱形の導電性基体を形成することによって設けることができる。
また、上記空気電池用負極層26としては、例えば、標準電極電位が水素より卑な金属単体や、これら金属を含む合金が好適に用いられる。このような金属単体としては、例えば、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)などを挙げることができる。また、合金としては、例えば、これらの金属元素に1種以上の金属元素又は非金属元素を加えたものを挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知の材料を適用することができる。
更に、上記第1の絶縁性枠体40は、例えば、樹脂のような電気絶縁性の材料から成るものであって、第1A電極ユニット10Aの空気電池用正極層14と第2A電極ユニット20Aの空気電池用負極層26とが対向するように、第1A電極ユニット10Aと第2A電極ユニット20Aとを離間して接合し、空気電池用正極層14と空気電池用負極層26との間に電解液収納部Eを形成するものである。そして、第1の絶縁性枠体40は、その外側面に電解液(図示せず。)を電解液収容部Eに供給するための供給口40bと、電解液(図示せず。)の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口40cとを有する。また、第1の絶縁性枠体40は、その内側面に第1A電極ユニット10Aが嵌合する段差部40aと第2A電極ユニット20Aが嵌合する段差部40aとを有する。これらの段差部(40a,40a)は、第1の絶縁性枠体の内側面に凸部を形成することによって設けることができる。また、これらの段差部(40a,40a)に、第1A電極ユニット10A及び第2A電極ユニット20Aが嵌合することによって、段差部を設けない場合より強固に接合することができる。
また、上記電解液としては、例えば、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)などの水溶液が用いられるが、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知の電解液を適用することができる。
そして、本例の電極構造体1は、電解液収容部Eに電解液が充填されることにより、発電可能な空気電池となる。
また、図2(A)は、第1の実施形態に係る電極構造体の他の一例を示す斜視図である。また、図2(B)は、図2(A)に示した電極構造体の分解斜視図である。更に、図2(C)は、図2(A)に示した電極構造体のC−C線に沿った模式的な断面図である。なお、上記の例において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図2に示すように、本例の電極構造体2は、第1電極ユニット10と、第2電極ユニット20と、第1の絶縁性枠体40と、を具備し、各電極ユニット(10,20)が隣り合う構造を有するものである。そして、第1電極ユニット10は、内部に通気空間12aを有し、かつ、一方に通気部を含む通気面12bを有する箱形の導電性基体12の通気面12bの外表面の一部に空気電池用正極層14を備える(以下「第1B電極ユニット10B」と記載することがある。)。また、第2電極ユニット20は、内部に通気空間22aを有する箱形の導電性基体22の外表面の一部に空気電池用負極層26を備える(以下「第2B電極ユニット20B」と記載することがある。)。更に、第1の絶縁性枠体40は、隣り合う電極ユニット(10,20)の空気電池用正極層14と空気電池用負極層26とが電解液収容部E側の一部で対向するように、隣り合う電極ユニット(10,20)を離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニット(10,20)と共に電解液収容部Eを形成している。なお、図中、電解液収容部Eのうち空気電池用正極層14と空気電池用負極層26とで挟まれていない部位をE’で示す。また、本例においても、第1の絶縁性枠体40は、第1B電極ユニット10B及び第2B電極ユニット20Bが嵌合する段差部(40a,40a)を有する。更に、本例においても、図示しない電解液を電解液収容部Eに供給するための供給口40bと電解液の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口40cとを有する。そして、本例の電極構造体2は、電解液収容部Eに図示しない電解液が充填されることにより、発電可能な空気電池となる。
このような構成とすることにより、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得るものとなる。また、この電極構造体を具備した空気電池においては、集電抵抗を低減して、出力を向上させることができる。
また、空気電池用正極層と空気電池用負極層とが一部で対向し、電解液収容部において、空気電池用正極層と空気電池用負極層とで挟まれていない部位を設けることにより、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
更に、空気電池用正極層と空気電池用負極層とが一部で対向し、電解液収容部において、空気電池用正極層と空気電池用負極層とで挟まれていない部位を設けることにより、このような部位において、空気電池用正極側の通気空間に空気を供給することにより、電解液を冷却することができるため、放電に伴う電解液温度の上昇を抑制することができる。もちろん、空気電池用負極側の通気空間に空気を供給することにより、放電に伴う電解液温度の上昇を抑制することもできる。換言すれば、空気電池の放熱性を向上させることができる。これらにより、電解液からの水分の蒸発を抑制することができるため、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
そして、電解液中の腐食生成物の濃度上昇を抑制することができるため、空気電池の放電時間を延長させることができる。
更に、図3(A)は、第1の実施形態に係る電極構造体の更に他の一例を示す斜視図である。また、図3(B)は、図3(A)に示した電極構造体の分解斜視図である。更に、図3(C)は、図3(A)に示した電極構造体のC−C線に沿った模式的な断面図である。なお、上記の例において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、本例の電極構造体3は、第1電極ユニット10と、第2電極ユニット20と、第1の絶縁性枠体40と、を具備し、各電極ユニット(10,20)が隣り合う構造を有するものである。そして、第1電極ユニット10は、第1A電極ユニット10Aから構成される。また、第2電極ユニット20は、内部に通気空間を有さない導電性基体23の外表面の一部に空気電池用負極層26を備える(以下「第2C電極ユニット20C」と記載することがある。)。更に、第1の絶縁性枠体40は、隣り合う電極ユニット(10,20)の空気電池用正極層14と空気電池用負極層26とが電解液収容部E側の全面で対向するように、隣り合う電極ユニット(10,20)を離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニット(10,20)と共に電解液収容部Eを形成している。なお、本例においても、第1の絶縁性枠体40は、第1A電極ユニット10A及び第2C電極ユニット20Cが嵌合する段差部(40a,40a)を有する。更に、図示しない電解液を電解液収容部Eに供給するための供給口40bと電解液の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口40cとを有する。そして、本例の電極構造体3は、電解液収容部Eに図示しない電解液が充填されることにより、発電可能な空気電池となる。
このような構成とすることによっても、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得るものとなる。また、この電極構造体を具備した空気電池においては、集電抵抗を低減して、出力を向上させることができる。
ここで、各構成について詳細に説明する。
上記導電性基体23としては、空気電池用負極支持機能を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、導電性基体23の外形形状は、矩形板状に限定されるものではなく、円形板状でもよく、更には板状以外の形状でもよい。なお、導電性基体23としては、例えば、上述した金属製の非通気性板材221自体を適用すればよい。
なお、図示しないが、上述した第1の実施形態においては、第1電極ユニットの導電性基体の通気面の外表面の全面に空気電池用正極層を備えていてもよく、また、第2電極ユニットの導電性基体の外表面の全面に空気電池用負極層を備えていてもよい。しかしながら、これらの電極ユニットを第1の絶縁性枠体に嵌合させる場合には、嵌合部位は電池反応に寄与させにくく、また、嵌合部位を電池反応に寄与させる場合には、接合強度が低下することがある。そのため、第1電極ユニットの導電性基体の通気面の外表面の一部に空気電池用正極層を備えることが好ましく、また、第2電極ユニットの導電性基体の外表面の一部に空気電池用負極層を備えることが好ましい。
また、図示しないが、上述した第1の実施形態においては、第1の絶縁性枠体は、第1電極ユニットが嵌合する段差部と第2電極ユニットが嵌合する段差部とを有することを必須としない。しかしながら、これらを嵌合することによって強固に接合させることができるため、第1電極ユニットが嵌合する段差部と第2電極ユニットが嵌合する段差部とを有することが好ましい。また、図示しないが、第1電極ユニットが嵌合する段差部又は第2電極ユニットが嵌合する段差部のいずれかのみを有する構成であってもよい。
更に、図示しないが、上述した第1の実施形態においては、第1電極ユニットの導電性基体の通気面と反対側の面の外表面の全面又は一部に空気電池用負極層を備えていてもよい。また、図示しないが、上述した第1の実施形態においては、第2電極ユニットの導電性基体の空気電池用負極層を備えた面と反対側の面が通気部を含む通気面であり、その通気面の外表面の全面又は一部に空気電池用正極層を備えていてもよい。
また、上述した第1の実施形態における電解液の供給時期については、当該空気電池を作動させる必要性が生じるまでは、電解液収容部を空のままの状態で保管しておき、空気電池の使用に際して電解液を注入するような注液式とすることが望ましい。このような注液式空気電池とすることにより、保管中における電解液や活物質の消耗や変質、劣化を避けることができ、半永久的な保管が可能となることから、非常用の予備電源として有効活用することができる。また、このとき、電解液を溶媒と電解質とに分けた状態で保管することもでき、これによって電解液タンクの材質的な制約を緩和することができる。
更に、上述した第1の実施形態においては、第1電極ユニットが、導電性基体の通気面の外表面の一部に空気電池用正極を備え、第2電極ユニットが、導電性基体の外表面の一部に空気電池用負極を備え、第1の絶縁性枠体が、空気電池用正極及び空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有していることを必須としない。しかしながら、上記所定の第1電極ユニット及び第2電極ユニットを第1の絶縁性枠体で接合する場合、第1の絶縁性枠体が、空気電池用正極及び空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有していることが好ましい。これにより、各電極ユニットを強固に接合することができる。
また、上述した第1の実施形態においては、空気電池用正極の電極面積が、その空気電池用正極が対向する空気電池用負極の電極面積より大きいことが好ましい。これは空気電池用負極における反応に比して、空気電池用正極における反応の活性が低い傾向を有するためである。そして、このような構成とすることにより、各電極反応の活性の差が電池性能の律速となりにくい。
なお、本発明において、各電極の電極面積とは、各電極層の厚み方向における投影面積であって、電解液収容部に露出している部分の面積を意味する。また、詳しくは後述するが各電極ユニット等が形成する電解液収容部と電極ユニットとの界面における面積に対して、その電極ユニットに形成された電極層が占める面積の割合をQ値と定義する。例えば、Q値が高いほど、電極に対する電解液量が少なくなることを意味する。また、例えば、電解液収容部と電極ユニットとの界面において、その半分の面積に電極層が形成されている場合には、Q値は0.5となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る電極構造体及び空気電池スタックの若干例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図4は、第2の実施形態に係る電極構造体の一例を示す斜視図である。また、図5は、図4に示した電極構造体の分解斜視図である。更に、図6は、図4に示した電極構造体のVI−VI線に沿った模式的な断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図4〜図6に示すように、本例の電極構造体100は、第1電極ユニット10と、第2電極ユニット20と、第1電極ユニット10と第2電極ユニット20との間に配設される、2つの第3電極ユニット30と、3つの第1の絶縁性枠体40と、を具備し、各電極ユニット(10,20,30)が隣り合う構造を有するものである。そして、第1電極ユニット10は、第1A電極ユニット10Aから構成される。また、第2電極ユニット20は、第2A電極ユニット20Aから構成される。更に、第3電極ユニット30は、内部に通気空間32aを有し、かつ、一方に通気部を含む通気面32bを有する箱形の導電性基体32の通気面32bの外表面の一部に空気電池用正極層34を備えると共に、通気面32bと反対側の面32cの外表面の一部に空気電池用負極層36を備える(以下「第3A電極ユニット30A」と記載することがある。)。更にまた、第1の絶縁性枠体40は、隣り合う電極ユニット(10,20,30)の空気電池用正極層14と空気電池用負極層36と、空気電池用正極層34と空気電池用負極層36と、及び空気電池用正極層34と空気電池用負極層26とが電解液収容部E側の全面で対向するように、隣り合う電極ユニット(10,20,30)を離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニット(10,20,30)と共に電解液収容部Eを形成している。なお、本例においても、第1の絶縁性枠体40は、第1A電極ユニット10A、第2A電極ユニット20A及び第3A電極ユニット30Aが嵌合する段差部(40a,40a,40a)を有する。更に、本例においても、図示しない電解液を電解液収容部Eに供給するための供給口40bと電解液の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口40cとを有する。そして、本例の電極構造体100は、電解液収容部Eに図示しない電解液が充填されることにより、発電可能な空気電池スタックとなる。
このような構成とすることにより、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得るものとなる。また、この電極構造体を具備した空気電池スタックにおいては、集電抵抗を低減して、出力を向上させることができる。
また、図4〜図6においては、4個の電極ユニットを使用し、3つのセルからなるスタックを示したが、上記電極ユニット間に第3電極ユニットと第1の絶縁性枠体を配設することによって、更に多数のセルからなるスタックを構成できることは言うまでもない。このように第3電極ユニットと第1の絶縁性枠体を追加して挟み込むことにより、使用目的に応じた出力性能に調整することができる。また、第3電極ユニットを適用することにより、集電ロスを大幅に低減することができる。
更に、通気空間に空気を供給することにより、空気電池用正極側だけでなく、空気電池用負極側にも空気が供給されるため、放電に伴う電解液温度の上昇を抑制することができる。換言すれば、空気電池スタックの放熱性を向上させることができる。これにより、電解液からの水分の蒸発を抑制することができるため、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
そして、電解液中の腐食生成物の濃度上昇を抑制することができるため、空気電池の放電時間を延長させることができる。
ここで、各構成について詳細に説明する。
上記導電性基体32としては、空気電池用正極及び空気電池用負極支持機能と、空気電池用正極層34に空気などの酸素含有ガスを供給し得る通気空間32aと通気面32bとにより発揮される空気流路機能とを有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、導電性基体32の外形形状は、矩形板状に限定されるものではなく、円形板状でもよく、更には板状以外の形状でもよい。また、通気空間32aは、例えば、金属製の非通気性板材321と通気性板材322とを同じく金属製のリブ323を介して接合し、箱形の導電性基体を形成することによって設けることができる。更に、通気面32bは、例えば、金属製の通気性板材322として、通気部となる複数の微細孔を有する発泡金属板やエッチング金属板、パンチング金属板などを適用して設けることが好ましい。
また、上記空気電池用正極層34及び空気電池用負極層36としては、例えば、上記空気電池用層14及び空気電池用負極層26と同様の構成とすればよい。
また、図7は、第2の実施形態に係る電極構造体の他の一例を示す斜視図である。また、図8は、図7に示した電極構造体の分解斜視図である。更に、図9は、図7に示した電極構造体のIX−IX線に沿った模式的な断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図7〜図9に示すように、本例の電極構造体101は、第1電極ユニット10と、第2電極ユニット20と、第1電極ユニット10と第2電極ユニット20との間に配設される、2つの第3電極ユニット30と、3つの第1の絶縁性枠体40と、を具備し、各電極ユニット(10,20,30)が隣り合う構造を有するものである。そして、第1電極ユニット10は、第1B電極ユニット10Bから構成される。また、第2電極ユニット20は、第2B電極ユニット20Bから構成される。更に、第3電極ユニット30は、内部に通気空間32aを有し、かつ、一方に通気部を含む通気面32bを有する箱形の導電性基体32の通気面32bの外表面の一部に空気電池用正極層34を備えると共に、通気面32bと反対側の面32cの外表面の一部に空気電池用負極層36を備える(以下「第3B電極ユニット30B」と記載することがある。)。更にまた、第1の絶縁性枠体40は、隣り合う電極ユニット(10,20,30)の空気電池用正極層14と空気電池用負極層36と、空気電池用正極層34と空気電池用負極層36と、及び空気電池用正極層34と空気電池用負極層26とが電解液収容部E側の一部で対向するように、隣り合う電極ユニット(10,20,30)を離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニット(10,20,30)と共に電解液収容部Eを形成している。なお、図中、電解液収容部Eのうち空気電池用正極層(14,34)と空気電池用負極層(26,36)とで挟まれていない部位をE’で示す。また、本例においても、第1の絶縁性枠体40は、第1B電極ユニット10B、第2B電極ユニット20B及び第3B電極ユニット30Bが嵌合する段差部(40a,40a,40a)を有する。更に、本例においても、図示しない電解液を電解液収容部Eに供給するための供給口40bと電解液の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口40cとを有する。そして、本例の電極構造体101は、電解液収容部Eに図示しない電解液が充填されることにより、発電可能な空気電池スタックとなる。
このような構成とすることにより、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得るものとなる。また、この電極構造体を具備した空気電池スタックにおいては、集電抵抗を低減して、出力を向上させることができる。
また、図7〜図9においても、4個の電極ユニットを使用し、3つのセルからなるスタックを示したが、上記電極ユニット間に第3電極ユニットと第1の絶縁性枠体を配設することによって、更に多数のセルからなるスタックを構成できることは言うまでもない。このように第3電極ユニットと第1の絶縁性枠体を追加して挟み込むことにより、使用目的に応じた出力性能に調整することができる。また、第3電極ユニットを適用することにより、集電ロスを大幅に低減することができる。
更に、通気空間に空気を供給することにより、空気電池用正極側だけでなく、空気電池用負極側にも空気が供給されるため、放電に伴う電解液温度の上昇を抑制することができる。換言すれば、空気電池スタックの放熱性を向上させることができる。これにより、電解液からの水分の蒸発を抑制することができるため、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
また、空気電池用正極層と空気電池用負極層とが一部で対向し、電解液収容部において、空気電池用正極層と空気電池用負極層とで挟まれていない部位を設けることにより、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
更に、空気電池用正極層と空気電池用負極層とが一部で対向し、電解液収容部において、空気電池用正極層と空気電池用負極層とで挟まれていない部位を設けることにより、このような部位において、通気空間に空気を供給することにより、電解液を冷却することができるため、放電に伴う電解液温度の上昇を抑制することができる。換言すれば、空気電池スタックの放熱性を向上させることができる。これにより、電解液からの水分の蒸発を抑制することができるため、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
そして、電解液中の腐食生成物の濃度上昇を抑制することができるため、空気電池の放電時間を延長させることができる。
なお、図示しないが、上述した第2の実施形態においても、第1電極ユニットの導電性基体の通気面の外表面の全面に空気電池用正極層を備えていてもよく、また、第3電極ユニットの導電性基体の一方の外表面の全面に空気電池用正極層を備え、他方の外表面の全面に空気電池用負極層を備えていてもよく、更に、第2電極ユニットの導電性基体の外表面の全面に空気電池用負極層を備えていてもよい。しかしながら、これらの電極ユニットを第1の絶縁性枠体に嵌合させる場合には、嵌合部位は電池反応に寄与させにくく、また、嵌合部位を電池反応に寄与させる場合には、接合強度が低下することがある。そのため、第1電極ユニットの導電性基体の通気面の外表面の一部に空気電池用正極層を備えることが好ましく、また、第3電極ユニットの導電性基体の一方の外表面の一部に空気電池用正極層を備え、他方の外表面の一部に空気電池用負極層を備えることが好ましく、更に、第2電極ユニットの導電性基体の外表面の一部に空気電池用負極層を備えることが好ましい。
また、図示しないが、上述した第2の実施形態においても、第1の絶縁性枠体は、第1電極ユニットや第2電極ユニット、第3電極ユニットが嵌合する段差部を有することを必須としない。しかしながら、これらを嵌合することによって強固に接合させることができるため、第1電極ユニットが嵌合する段差部と第2電極ユニットが嵌合する段差部と第3電極ユニットが嵌合する段差部とを有することが好ましい。また、図示しないが、第1電極ユニットが嵌合する段差部、第2電極ユニットが嵌合する段差部又は第3電極ユニットが嵌合する段差部のいずれかのみを有する構成であってもよい。
更に、上述した第2の実施形態における電解液の供給時期については、当該空気電池スタックを作動させる必要性が生じるまでは、電解液収容部Eを空のままの状態で保管しておき、空気電池スタックの使用に際して電解液を注入するような注液式とすることが望ましい。このような注液式空気電池スタックとすることにより、保管中における電解液や活物質の消耗や変質、劣化を避けることができ、半永久的な保管が可能となることから、非常用の予備電源として有効活用することができる。また、このとき、電解液を溶媒と電解質とに分けた状態で保管することもでき、これによって電解液タンクの材質的な制約を緩和することができる。
また、上述した第2の実施形態においては、第1電極ユニットが、導電性基体の通気面の外表面の一部に空気電池用正極を備え、第2電極ユニットが、導電性基体の外表面の一部に空気電池用負極を備え、第1の絶縁性枠体が、空気電池用正極及び空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有していることを必須としない。しかしながら、上記所定の第1電極ユニット及び第2電極ユニットを第1の絶縁性枠体で接合する場合、第1の絶縁性枠体が、空気電池用正極及び空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有していることが好ましい。これにより、各電極ユニットを強固に接合することができる。
更に、上述した第2の本実施形態においては、第1電極ユニットが、上記空気電池用正極層と空気電池用負極層とが対向する方向、換言すれば、層厚み方向(若しくはユニット積層方向)における一方の端部のみに配設され、第2電極ユニットが、上記空気電池用正極層と空気電池用負極層とが対向する方向における他方の端部のみに配設されていることが電極構造体の対称性や部材の共通化の観点から好ましい。
また、上述した第2の実施形態においても、空気電池用正極の電極面積が、その空気電池用正極が対向する空気電池用負極の電極面積より大きいことが好ましい。これは空気電池用負極における反応に比して、空気電池用正極における反応の活性が低い傾向を有するためである。そして、このような構成とすることにより、各電極反応の活性の差が電池性能の律速となりにくい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る電極構造体及び空気電池の若干例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図10(A)は、第3の実施形態に係る電極構造体の一例を示す斜視図である。また、図10(B)は、図10(A)に示した電極構造体の分解斜視図である。更に、図10(C)は、図10(A)に示した電極構造体のC−C線に沿った模式的な断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、本例の電極構造体4は、2つの第1電極ユニット10と、空気電池用負極層46を備えた第2の絶縁性枠体42と、を具備し、空気電池用負極層46が2つの第1電極ユニット10の間に配設された構造を有するものである。そして、第1電極ユニット10は、第1A電極ユニット10Aから構成される。また、第2の絶縁性枠体42は、その枠内に空気電池用負極層46を備え、かつ、隣り合う2つの第1電極ユニット10の空気電池用正極層14と空気電池用負極層46とが電解液収容部E側の全面で対向するように、隣り合う2つの第1電極ユニット10の空気電池用正極層14と空気電池用負極層46を離間して接合し、かつ、隣り合う2つの第1A電極ユニット10Aと共に電解液収容部Eを形成している。なお、本例においては、第2の絶縁性枠体42は、第1A電極ユニット10Aが嵌合する段差部(42a,42a)を有する。更に、本例においては、電解液(図示せず。)を電解液収容部Eに供給するための供給口42bと電解液(図示せず。)の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口42cとを有する。そして、本例の電極構造体4は、電解液収容部Eに図示しない電解液が充填されることにより、発電可能な空気電池となる。
このような構成とすることにより、空気電池用負極層の両面を反応面として利用することができるバイセル構造となり、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得るものとなる。また、この電極構造体を具備した空気電池においては、集電抵抗を低減して、出力を向上させることができる。なお、バイセル構造を有する場合、例えば、図示しない端子を外部に引き出して接続させればよい。
ここで、各構成について詳細に説明する。
上記第2の絶縁性枠体42は、例えば、樹脂のような電気絶縁性の材料から成るものであって、第1A電極ユニット10Aの空気電池用正極層14と、その枠内に備える空気電池用負極層46とが対向するように、第1A電極ユニット10Aの空気電池用正極層14と空気電池用負極層46とを離間して接合し、空気電池用正極層14と空気電池用負極層46との間に電解液収納部Eを形成するものである。そして、第1の絶縁性枠体42は、その外側面に電解液(図示せず。)を電解液収容部Eに供給するための供給口42bと、電解液(図示せず。)の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口42cとを有する。また、第2の絶縁性枠体42は、その内側面に第1A電極ユニット10Aが嵌合する段差部42aを有する。これらの段差部(42a,42a)は、第1の絶縁性枠体の内側面に凸部を形成することによって設けることができる。また、これらの段差部(42a,42a)に、第1A電極ユニット10Aが嵌合することによって、段差部を設けない場合より強固に接合することができる。
また、上記空気電池用負極層46としては、例えば、上記空気電池用負極層26と同様の構成とすればよい。
また、図11(A)は、第3の実施形態に係る電極構造体の他の一例を示す斜視図である。また、図11(B)は、図11(A)に示した電極構造体の分解斜視図である。更に、図11(C)は、図11(A)に示した電極構造体のC−C線に沿った模式的な断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、本例の電極構造体5は、2つの第1電極ユニット10と、空気電池用負極層46を備えた第2の絶縁性枠体42と、を具備し、空気電池用負極層46が2つの第1電極ユニット10の間に配設された構造を有するものである。そして、第1電極ユニット10は、第1B電極ユニット10Bから構成される。また、第2の絶縁性枠体42は、その枠内の一部に空気電池用負極層46を備え、かつ、隣り合う2つの第1電極ユニット10の空気電池用正極層14と空気電池用負極層46とが電解液収容部E側の一部で対向するように、隣り合う2つの第1電極ユニット10の空気電池用正極層14と空気電池用負極層46を離間して接合し、かつ、隣り合う2つの第1B電極ユニット10Bと共に電解液収容部Eを形成している。なお、図中、電解液収容部Eのうち空気電池用正極層14と空気電池用負極層46とで挟まれていない部位をE’で示す。また、本例においても、第2の絶縁性枠体42は、第1B電極ユニット10Bが嵌合する段差部(42a,42a)を有する。更に、本例においても、電解液(図示せず。)を電解液収容部Eに供給するための供給口42bと電解液(図示せず。)の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口42cとを有する。そして、本例の電極構造体5は、電解液収容部Eに図示しない電解液が充填されることにより、発電可能な空気電池となる。
このような構成とすることにより、空気電池用負極層の両面を反応面として利用することができるバイセル構造となり、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得るものとなる。また、この電極構造体を具備した空気電池においては、集電抵抗を低減して、出力を向上させることができる。なお、バイセル構造を有する場合、例えば、図示しない端子を外部に引き出して接続させればよい。
また、空気電池用正極層と空気電池用負極層とが一部で対向し、電解液収容部において、空気電池用正極層と空気電池用負極層とで挟まれていない部位を設けることにより、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
更に、空気電池用正極層と空気電池用負極層とが一部で対向し、電解液収容部において、空気電池用正極層と空気電池用負極層とで挟まれていない部位を設けることにより、このような部位において、通気空間に供給する空気により電解液を冷却することができるため、放電に伴う電解液温度の上昇を抑制することができる。換言すれば、空気電池の放熱性を向上させることができる。これにより、電解液からの水分の蒸発を抑制することができるため、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
そして、電解液中の腐食生成物の濃度上昇を抑制することができるため、空気電池の放電時間を延長させることができる。
なお、図示しないが、上述した第3の実施形態においては、第1電極ユニットの導電性基体の通気面の外表面の全面に空気電池用正極層を備えていてもよい。しかしながら、これらの電極ユニットを第2の絶縁性枠体に嵌合させる場合には、嵌合部位は電池反応に寄与させにくく、また、嵌合部位を電池反応に寄与させる場合には、接合強度が低下することがある。そのため、第1電極ユニットの導電性基体の通気面の外表面の一部に空気電池用正極層を備えることが好ましい。
また、図示しないが、上述した第3の実施形態においては、第2の絶縁性枠体は、第1電極ユニットが嵌合する段差部を有することを必須としない。しかしながら、これらを嵌合することによって強固に接合させることができるため、第1電極ユニットが嵌合する段差部を有することが好ましい。
更に、図示しないが、上述した第3の実施形態においては、第1電極ユニットの導電性基体の通気面の反対側の面が通気部を含む通気面であり、その通気面の外表面の全面又は一部に空気電池用正極層を備えていてもよい。
また、上述した第3の実施形態における電解液の供給時期については、当該空気電池を作動させる必要性が生じるまでは、電解液収容部を空のままの状態で保管しておき、空気電池の使用に際して電解液を注入するような注液式とすることが望ましい。このような注液式空気電池とすることにより、保管中における電解液や活物質の消耗や変質、劣化を避けることができ、半永久的な保管が可能となることから、非常用の予備電源として有効活用することができる。また、このとき、電解液を溶媒と電解質とに分けた状態で保管することもでき、これによって電解液タンクの材質的な制約を緩和することができる。
更に、上述した第3の実施形態においては、第1電極ユニットが、導電性基体の通気面の外表面の一部に空気電池用正極を備え、第2の絶縁性枠体が、その枠内の一部に空気電池用負極を備え、空気電池用正極及び空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有していることを必須としない。しかしながら、上記所定の第1電極ユニットを第2の絶縁性枠体で接合する場合、第2の絶縁性枠体が、空気電池用正極及び空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有していることが好ましい。これにより、各電極ユニットを強固に接合することができる。
また、上述した第3の実施形態においては、空気電池用正極の電極面積が、その空気電池用正極が対向する空気電池用負極の電極面積より大きいことが好ましい。これは空気電池用負極における反応に比して、空気電池用正極における反応の活性が低い傾向を有するためであり、このような構成とすることにより、各電極反応の活性の差が電池性能の律速となりにくい。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る電極構造体及び空気電池スタックの若干例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図12は、第4の実施形態に係る電極構造体の一例を示す斜視図である。また、図13は、図12に示した電極構造体の分解斜視図である。更に、図14は、図12に示した電極構造体のXIV−XIV線に沿った模式的な断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図12〜図14に示すように、本例の電極構造体102は、2つの第1電極ユニット10と、2つの第1電極ユニット10の間に配設される、2つの第4電極ユニット50と、空気電池用負極層46を備えた3つの第2の絶縁性枠体42と、を具備し、空気電池用負極層46が各電極ユニット(10,50)の間に配設された構造を有するものである。そして、第1電極ユニット10は、第1A電極ユニット10Aから構成される。また、第4電極ユニット50は、内部に通気空間52aを有し、かつ、対向する位置に通気面52bを有する基体52の各通気面52bの外表面に空気電池用正極層54を備える(以下「第4A電極ユニット50A」と記載することがある。)。更に、第2の絶縁性枠体42は、その枠内に空気電池用負極層46を備え、かつ、隣り合う電極ユニット(10,50)の空気電池用正極層(14,54)と空気電池用負極層46とが電解液収容部E側の全面で対向するように、隣り合う電極ユニット(10,50)の空気電池用正極層(14,54)及び空気電池用負極層46を離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニット(10,50)と共に電解液収容部Eを形成している。なお、本例においても、第2の絶縁性枠体42は、第1A電極ユニット10A及び第4A電極ユニット50Aが嵌合する段差部(42a,42a)を有する。更に、本例においても、図示しない電解液を電解液収容部Eに供給するための供給口42bと電解液の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口42cとを有する。そして、本例の電極構造体102は、電解液収容部Eに図示しない電解液が充填されることにより、発電可能な空気電池スタックとなる。
このような構成とすることにより、空気電池用負極層の両面を反応面として利用することができるバイセル構造となり、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得るものとなる。また、この電極構造体を具備した空気電池スタックにおいては、集電抵抗を低減して、出力を向上させることができる。なお、バイセル構造を有する場合、例えば、図示しない端子を外部に引き出して接続させればよい。
また、図12〜図14においては、4個の電極ユニットを使用し、6つのセルからなるスタックを示したが、上記電極ユニット間に第4電極ユニットと空気電池用負極層を備えた第2の絶縁性枠体を配設することによって、更に多数のセルからなるスタックを構成できることは言うまでもない。このように第4電極ユニットと空気電池用負極を備えた第2の絶縁性枠体を追加して挟み込むことにより、使用目的に応じた出力性能に調整することができる。
ここで、各構成について詳細に説明する。
上記基体52としては、各通気面の外表面に配設された空気電池用正極同士を電気的に絶縁すると共に、空気電池用正極支持機能と、空気電池用正極層54に空気などの酸素含有ガスを供給し得る通気空間52aと通気面52bとにより発揮される空気流路機能とを有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、基体52の外形形状は、矩形板状に限定されるものではなく、円形板状でもよく、更には板状以外の形状でもよい。また、通気空間52aは、例えば、金属製の通気性板材522を例えば絶縁性枠体と同じ樹脂製のリブ523を介して接合し、箱形の基体を形成することによって設けることができる。更に、通気面52bは、例えば、金属製の通気性板材522として、通気部となる複数の微細孔を有する発泡金属板やエッチング金属板、パンチング金属板などを適用して設けることが好ましい。
また、上記空気電池用正極層54としては、例えば、上記空気電池用正極層14と同様の構成とすればよい。
また、図15は、第4の実施形態に係る電極構造体の他の一例を示す斜視図である。また、図16は、図15に示した電極構造体の分解斜視図である。更に、図17は、図15に示した電極構造体のXVII−XVII線に沿った模式的な断面図である。なお、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図15〜図17に示すように、本例の電極構造体103は、2つの第1電極ユニット10と、2つの第1電極ユニット10の間に配設される、2つの第4電極ユニット50と、空気電池用負極層46を備えた3つの第2の絶縁性枠体42と、を具備し、空気電池用負極層46が各電極ユニット(10,50)の間に配設された構造を有するものである。そして、第1電極ユニット10は、第1B電極ユニット10Bから構成される。また、第4電極ユニット50は、内部に通気空間52aを有し、かつ、対向する位置に通気面52bを有する非導電性基体52の各通気面52bの外表面の一部に空気電池用正極層54を備える(以下「第4B電極ユニット50B」と記載することがある。)。更に、第2の絶縁性枠体42は、その枠内の一部に空気電池用負極層46を有し、かつ、隣り合う電極ユニット(10,50)の空気電池用正極層(14,54)と空気電池用負極層46とが電解液収容部E側の一部で対向するように、隣り合う電極ユニット(10,50)の空気電池用正極層(14,54)及び空気電池用負極層46を離間して接合し、かつ、隣り合う電極ユニット(10,50)と共に電解液収容部Eを形成している。なお、図中、電解液収容部Eのうち空気電池用正極層14と空気電池用負極層46とで挟まれていない部位をE’で示す。また、本例においても、第2の絶縁性枠体42は、第1B電極ユニット10B及び第4B電極ユニット50Bが嵌合する段差部(42a,42a)を有する。更に、本例においても、図示しない電解液を電解液収容部Eに供給するための供給口42bと電解液の供給時に電解液収容部E内の空気などの気体を排出するための排出口42cとを有する。そして、本例の電極構造体103は、電解液収容部Eに図示しない電解液が充填されることにより、発電可能な空気電池スタックとなる。
このような構成とすることにより、空気電池用負極層の両面を反応面として利用することができるバイセル構造となり、集電抵抗を低減して、出力を向上させ得るものとなる。また、この電極構造体を具備した空気電池スタックにおいては、集電抵抗を低減して、出力を向上させることができる。なお、バイセル構造を有する場合、例えば、図示しない端子を外部に引き出して接続させればよい。
また、図15〜図17においては、4個の電極ユニットを使用し、6つのセルからなるスタックを示したが、上記電極ユニット間に第4電極ユニットと空気電池用負極層を備えた第2の絶縁性枠体を配設することによって、更に多数のセルからなるスタックを構成できることは言うまでもない。このように第4電極ユニットと空気電池用負極を備えた第2の絶縁性枠体を追加して挟み込むことにより、使用目的に応じた出力性能に調整することができる。
また、空気電池用正極層と空気電池用負極層とが一部で対向し、電解液収容部において、空気電池用正極層と空気電池用負極層とで挟まれていない部位を設けることにより、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
更に、空気電池用正極層と空気電池用負極層とが一部で対向し、電解液収容部において、空気電池用正極層と空気電池用負極層とで挟まれていない部位を設けることにより、このような部位において、通気空間に供給する空気により電解液を冷却することができるため、放電に伴う電解液温度の上昇を抑制することができる。換言すれば、空気電池スタックの放熱性を向上させることができる。これにより、電解液からの水分の蒸発を抑制することができるため、放電に伴って空気電池用負極金属が電解液中に溶出することにより発生する大量の腐食生成物が、空気電池用正負極間に詰まることを抑制することができる。
そして、電解液中の腐食生成物の濃度上昇を抑制することができるため、空気電池スタックの放電時間を延長させることができる。
なお、図示しないが、上述した第4の実施形態においても、第1電極ユニットの導電性基体の通気面の外表面の全面に空気電池用正極層を備えていてもよく、また、第4電極ユニットの基体の通気面の外表面の全面に空気電池用負極層を備えていてもよい。しかしながら、これらの電極ユニットを第2の絶縁性枠体に嵌合させる場合には、嵌合部位は電池反応に寄与させにくく、また、嵌合部位を電池反応に寄与させる場合には、接合強度が低下することがある。そのため、第1電極ユニットの導電性基体の通気面の外表面の一部に空気電池用正極層を備えることが好ましく、また、第4電極ユニットの基体の通気面の外表面の一部に空気電池用正極層を備えることが好ましい。
また、図示しないが、上述した第4の実施形態においても、第2の絶縁性枠体は、第1電極ユニットや第4電極ユニットが嵌合する段差部を有することを必須としない。しかしながら、これらを嵌合することによって強固に接合させることができるため、第1電極ユニットが嵌合する段差部と第4電極ユニットが嵌合する段差部とを有することが好ましい。また、図示しないが、第1電極ユニットが嵌合する段差部や第4電極ユニットが嵌合する段差部のいずれかのみを有する構成であってもよい。
更に、上述した第4の実施形態における電解液の供給時期については、当該空気電池スタックを作動させる必要性が生じるまでは、電解液収容部Eを空のままの状態で保管しておき、空気電池スタックの使用に際して電解液を注入するような注液式とすることが望ましい。このような注液式空気電池スタックとすることにより、保管中における電解液や活物質の消耗や変質、劣化を避けることができ、半永久的な保管が可能となることから、非常用の予備電源として有効活用することができる。また、このとき、電解液を溶媒と電解質とに分けた状態で保管することもでき、これによって電解液タンクの材質的な制約を緩和することができる。
また、上述した第4の実施形態においては、第1電極ユニットが、導電性基体の通気面の外表面の一部に空気電池用正極を備え、第4電極ユニットが、上記所定の基体の各通気面の外表面の一部に空気電池用負極を備え、第2の絶縁性枠体が、その枠内の一部に空気電池用負極を備え、空気電池用正極及び空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有していることを必須としない。しかしながら、上記所定の第1電極ユニットや第4電極ユニットを第2の絶縁性枠体で接合する場合、第2の絶縁性枠体が、空気電池用正極及び空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有していることが好ましい。これにより、各電極ユニットを強固に接合することができる。
更に、上述した第4の実施形態においては、空気電池用正極の電極面積が、その空気電池用正極が対向する空気電池用負極ので電極面積より大きいことが好ましい。これは空気電池用負極における反応に比して、空気電池用正極における反応の活性が低い傾向を有するためであり、このような構成とすることにより、各電極反応の活性の差が電池性能の律速となりにくい。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
<1>電極ユニットの作製
導電性基体32(12,22)を作製するために、厚み0.1mm×縦100mm×横100mmのニッケル製板材(非通気性板材321(121,221)に相当する。)と、同様のサイズを有し、その中央部の縦90mm×横90mmの範囲に、化学エッチングによって0.2mm径の微細孔をチドリパターンに形成したニッケル製板材(通気性板材322(122,222)に相当する。)を準備し、これら両板材を高さ1.2mmのリブ(リブ323(223,123)に相当する。)により接合して導電性基体32(12,22)とした。
上記により得られた導電性基体32,22のニッケル製非通気性板材側(図6における下面側である。)の表面に、空気電池用負極層36,26として、厚み0.1mm×縦94mm×横94mmのサイズの亜鉛板を導電性接着剤によって貼り付けた。このとき、最下段となる電極ユニット12には、空気電池用負極層を設けていないものを使用した(図6参照。)。
一方、導電性基体32,12のニッケル製通気性板材側(図6における上面側である。)の表面には、エッチングによる微細孔形成領域の上に、導電性撥水層と、その上に空気電池用正極層34,14とを焼き付けた。なお、上記導電性撥水層は、アセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、HS100)1.5重量部と、黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製、SP20)3.5重量部と、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)5重量部から成るものとした。また、空気電池用正極層34,14については、アセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、HS100)2.5重量部と、黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製、SP20)2.5重量部と、ケッチェンブラック1.0重量部と、MnO(二酸化マンガン:日本重化学工業株式会社製)2重量部と、コロイダルシリカ1重量部と、PTFE1重量部から成るものとした。このとき、最上段の電極ユニット22には、空気電池用正極層を設けていないものを使用した(図6参照。)。
<2>絶縁性枠体の作製
ポリプロピレンを材料として、図5及び図6に示したように、凸状断面を備えた枠体からなり、外側面に電解液の供給口40bと、排出口40cを備え、上下両面に段差部40aを備え、上記サイズの電極ユニットが嵌合するようにした絶縁性枠体40を作製した。
<3>空気電池スタックの組み立て
上記構造を備えた電極ユニットを11個、具体的には、第1B電極ユニット10Bを1個、第3A電極ユニット30Aを9個、第2B電極ユニット20Bを1個、絶縁性枠体40を10個用意し、これらを交互に積層し、各電極ユニットの空気電池用正極層と空気電池用負極層とが対向した状態とすることによって、10セルからなる本例の空気電池スタックを得た。なお、積層に際しては、絶縁性枠体40の段差部40aにプライマーを塗布した後、変性アクリルシリコーン系接着剤(セメダイン株式会社製、スーパーX)をディスペンサーにより塗布することによって、各電極ユニット(10B,20B,30A)と絶縁性枠体40とをそれぞれ接合するようにした。
(比較例1)
上記同様の材料から成り同一サイズの空気電池用負極層36と、上記同様の材料から成り同一サイズの空気電池用正極層34を備えたセルを10個積層し、図19(簡略化のため、2セルから成る積層構造を示した。)に示すように、各セル間を波形の金属薄板から成る集電体60によって接続して、本例の空気電池スタックを得た。
〔性能評価〕
(1)セル間の集電抵抗
10セルからなり、図19に示すような積層構造を有する本発明外の比較例1の空気電池スタックに矢印Aで示すように0.5MPaの締結圧を加えた場合において、セル間の集電抵抗を測定した結果、500mΩ・cmであった。これに対して、本発明の範囲に属する実施例1の空気電池スタックにおいては、セル間の集電抵抗が150mΩ・cm(締結圧:0)に過ぎないことが確認された。
(2)発電性能
実施例1の空気電池スタックと、比較例1の空気電池スタックの発電性能を比較調査した。このとき、電解液としては、KOHの8M水溶液を用い、温度を室温とし、空気の供給量を毎分60Lとした。得られた結果を図18に示す。図18に示すように、実線で示す本発明の範囲に属する実施例1の空気電池スタックにおいては、例えば、100mA/cmの電流密度で電圧が約8Vであるのに対して、点線で示す本発明外の比較例1の空気電池スタックにおいては、上記電流密度において3Vの電圧が得られるに過ぎないことが確認された。
(実施例2−1)
<1>電極ユニットの作製
導電性基体12を作製するために、厚み0.1mm×縦100mm×横100mmのニッケル製板材の一部に、空気電池用正極層に空気を供給するための0.2mm経の微細孔を化学エッチングによってチドリパターンに形成したもの(通気性板材122に相当する。)と、厚み1mm×縦100mm×横100mmのアルミニウム製板材(非通気性板材121に相当する。)と、1.2mmの高さのアルミニウム製リブ(リブ123に相当する。)とを用意した。ニッケル製板材とアルミニウム製板材の両板材を高さ1.2mmのリブにより接合して導電性基体12とした。
上記により得られた導電性基体12のニッケル製通気性板材側(図2における上面側である。)の表面には、エッチングによる微細孔形成領域の上に、導電性撥水層と、その上に空気電池用正極層14とを焼き付けて、本例で用いる第1B電極ユニット10Bを得た(但し、電極面積は異なる。)。なお、上記導電性撥水層は、アセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、HS100)1.5重量部と、黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製、SP20)3.5重量部と、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)5重量部から成るものとした。また、空気電池用正極層14については、アセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、HS100)2.5重量部と、黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製、SP20)2.5重量部と、ケッチェンブラック1.0重量部と、MnO(二酸化マンガン:日本重化学工業製)2重量部と、コロイダルシリカ1重量部と、PTFE1重量部から成るものとした。
導電性基体22を作製するために、厚み0.1mm×縦100mm×横100mmのニッケル製板材(非通気性板材221に相当する。)と、厚み1mm×縦100mm×横100mmのアルミニウム製板材(非通気性板材221に相当する。)と、1.2mmの高さのアルミニウム製リブ(リブ223に相当する。)とを用意した。ニッケル製板材とアルミニウム製板材の両板材を高さ1.2mmのリブにより接合して導電性基体22とした。
上記により得られた導電性基体22のニッケル製非通気性板材側(図2における下面側である。)の表面に、空気電池用負極層26として、厚み1mmのマグネシウム合金板を導電性接着剤で貼り付けて、本例で用いる第2B電極ユニット20Bを得た(但し、電極面積は異なる。)。なお、第2B電極ユニット20Bが形成する電解液収容部Eと第2B電極ユニット20Bとの界面における面積に対して、第2B電極ユニット20Bに形成された電極層26が占める面積の割合であるQ値は0.8とした。
<2>絶縁性枠体の作製
ポリプロピレンを材料として、図2に示したように、凸状断面を備えた枠体からなり、外側面に電解液の供給口40bと、排出口40cを備え、上下両面に段差部40aを備え、上記サイズの電極ユニットが嵌合するようにした絶縁性枠体40を作製した。
<3>空気電池の組み立て
第1A電極ユニット10Aを1個、第2A電極ユニット20Aを1個、絶縁性枠体40を1個用意し、これらを積層し、各電極ユニットの空気電池用正極層と空気電池用負極層とが対向した状態とすることによって、本例の空気電池を得た。なお、積層に際しては、絶縁性枠体40の段差部40aにプライマーを塗布した後、変性アクリルシリコーン系接着剤(セメダイン株式会社製、スーパーX)をディスペンサーにより塗布することによって、各電極ユニット(10A,20A)と絶縁性枠体40とをそれぞれ接合するようにした。
(実施例2−2)
実施例2−1の電極ユニットの作製に際して、第2B電極ユニット20Bが形成する電解液収容部Eと第2B電極ユニット20Bとの界面における面積に対して、第2B電極ユニット20Bに形成された電極層26が占める面積の割合であるQ値を0.6としたこと以外は、実施例2−1と同様の操作を繰り返して、本例の空気電池を得た。
〔性能評価〕
(1)放電性能
実施例2−1及び実施例2−2の空気電池の放電時間の延長効果を比較調査した。このとき、電解液としては、NaClの4M水溶液を用い、温度を室温とし、空気の供給量を毎分60Lとした。得られた結果を図20に示す。
図20に示すように、実線で示す各例の空気電池におけるセル電圧が0.4Vとなるまでの放電時間を比較すると、Q値が0.6と相対的に低い実施例2−2の方がQ値が0.8と相対的に高い実施例2−1よりも放電時間が長くなることが分かる。
以上、本発明を若干の実施形態及び例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、図示しないが、第1の実施形態に係る電極構造体を適宜組み合わせて複数の電解液収容部を有する電極構造体(空気電池スタック)とすることもできる。
1,2,3,4,5 電極構造体(空気電池)
10 第1電極ユニット
10A 第1A電極ユニット
10B 第1B電極ユニット
12,22,23,32 導電性基体
12a,22a,32a,52a 通気空間
12b,32b,52b 通気面
32c 面
14,34,54 空気電池用正極層
26,36,46 空気電池用負極層
20 第2電極ユニット
20A 第2A電極ユニット
20B 第2B電極ユニット
20C 第2C電極ユニット
30 第3電極ユニット
30A 第3A電極ユニット
30B 第3B電極ユニット
40 第1の絶縁性枠体
40a,42a 段差部
40b,42b 供給口
40c,42c 排出口
42 第2の絶縁性枠体
50 第4電極ユニット
50A 第4A電極ユニット
50B 第4B電極ユニット
52 基体
60 集電体
100,101,102,103 電極構造体(空気電池スタック)
121,221,321 非通気性板材
122,222,322,522 通気性板材
123,223,323,523 リブ
E,E’ 電解液収容部
一方、上記導電性基体22としては、空気電池用負極支持機能を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、導電性基体22の外形形状は、矩形板状に限定されるものではなく、円形板状でもよく、更には板状以外の形状でもよい。また、通気空間22aは、例えば、金属製の非通気性板材221と非通気性板材221とを同じく金属製のリブ223を介して接合し、箱形の導電性基体を形成することによって設けることができる。

Claims (18)

  1. 内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の該通気面の外表面に空気電池用正極を備えた第1電極ユニットと、
    導電性基体の外表面に空気電池用負極を備えた第2電極ユニットと、
    第1の絶縁性枠体と、を具備し、
    上記各電極ユニットが、隣り合う構造を有し、
    上記第1の絶縁性枠体が、隣り合う電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、該隣り合う電極ユニットを離間して接合し、かつ、該隣り合う電極ユニットと共に電解液収容部を形成している
    ことを特徴とする電極構造体。
  2. 上記第1電極ユニットが、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の該通気面の外表面の一部に空気電池用正極を備え、
    上記第2電極ユニットが、導電性基体の外表面の一部に空気電池用負極を備え、
    上記第1の絶縁性枠体が、上記空気電池用正極及び上記空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の電極構造体。
  3. 内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の該通気面の外表面に空気電池用正極を備えた第1電極ユニットと、
    導電性基体の外表面に空気電池用負極を備えた第2電極ユニットと、
    上記第1電極ユニットと上記第2電極ユニットとの間に配設され、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の該通気面の外表面に空気電池用正極を備えると共に、該通気面と反対側の面の外表面に空気電池用負極を備えた、少なくとも1つの第3電極ユニットと、
    上記第3電極ユニットの個数より1つ多い個数の第1の絶縁性枠体と、を具備し、
    上記各電極ユニットが、隣り合う構造を有し、
    上記第1の絶縁性枠体が、隣り合う電極ユニットの空気電池用正極と空気電池用負極とが対向するように、該隣り合う電極ユニットを離間して接合し、かつ、該隣り合う電極ユニットと共に電解液収容部を形成している
    ことを特徴とする電極構造体。
  4. 上記第1電極ユニットが、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の該通気面の外表面の一部に空気電池用正極を備え、
    上記第2電極ユニットが、導電性基体の外表面の一部に空気電池用負極を備え、
    上記第3電極ユニットが、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の該通気面の外表面の一部に空気電池用正極を備えると共に、該通気面と反対側の面の外表面の一部に空気電池用負極を備え、
    上記第1の絶縁性枠体が、上記空気電池用正極及び上記空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有している
    ことを特徴とする請求項3に記載の電極構造体。
  5. 上記第1電極ユニットが、上記空気電池用正極と上記空気電池用負極とが対向する方向における一方の端部のみに配設され、
    上記第2電極ユニットが、上記空気電池用正極と上記空気電池用負極とが対向する方向における他方の端部のみに配設されている
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の電極構造体。
  6. 内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の該通気面の外表面に空気電池用正極を備えた、2つの第1電極ユニットと、
    空気電池用負極を備えた第2の絶縁性枠体と、を具備し、
    上記空気電池用負極が、上記2つの第1電極ユニットの間に配設された構造を有し、
    上記第2の絶縁性枠体が、その枠内に上記空気電池用負極を備え、かつ、隣り合う上記2つの第1電極ユニットの上記空気電池用正極と該空気電池用負極とが対向するように、隣り合う該2つの第1電極ユニットの該空気電池用正極及び該空気電池用負極を離間して接合し、かつ、隣り合う該2つの第1電極ユニットと共に電解液収容部を形成している
    ことを特徴とする電極構造体。
  7. 上記第1電極ユニットが、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の該通気面の外表面の一部に空気電池用正極を備え、
    上記第2の絶縁性枠体が、その枠内の一部に上記空気電池用負極を備え、かつ、上記空気電池用正極及び上記空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有している
    ことを特徴とする請求項6に記載の電極構造体。
  8. 内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の該通気面の外表面に空気電池用正極を備えた、2つの第1電極ユニットと、
    上記2つの第1電極ユニットの間に配設され、内部に通気空間を有し、かつ、対向する位置に通気面を有する基体の該各通気面の外表面に空気電池用正極を備え、該各通気面の外表面に配設された該空気電池用正極同士が電気的に絶縁されている、少なくとも1つの第4電極ユニットと、
    空気電池用負極を備え、上記第4電極ユニットの個数より1つ多い個数の第2の絶縁性枠体と、を具備し、
    上記空気電池用負極が、上記各電極ユニットの間に配設された構造を有し、
    上記第2の絶縁性枠体が、その枠内に上記空気電池用負極を備え、かつ、隣り合う上記各電極ユニットの上記空気電池用正極と該空気電池用負極とが対向するように、隣り合う該各電極ユニットの該空気電池用正極及び該空気電池用負極を離間して接合し、かつ、隣り合う該各電極ユニットと共に電解液収容部を形成している
    ことを特徴とする電極構造体。
  9. 上記第1電極ユニットが、内部に通気空間を有し、かつ、通気面を有する導電性基体の該通気面の外表面の一部に空気電池用正極を備え、
    上記第4電極ユニットが、内部に通気空間を有し、かつ、対向する位置に通気面を有する基体の該各通気面の外表面の一部に空気電池用正極を備え、該各通気面の外表面に配設された該空気電池用正極同士が電気的に絶縁されており、
    上記第2の絶縁性枠体が、その枠内の一部に上記空気電池用負極を備え、かつ、上記空気電池用正極及び上記空気電池用負極のうち電極面積が小さくない方の電極面積より大きい面積の開口部を有している
    ことを特徴とする請求項8に記載の電極構造体。
  10. 上記空気電池用正極の電極面積が、該空気電池用正極が対向する上記空気電池用負極の電極面積より大きいことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の電極構造体。
  11. 上記第1の絶縁性枠体が、上記第1電極ユニット、上記第2電極ユニット又は上記第3電極ユニットが嵌合する段差部を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つの項に記載の電極構造体。
  12. 上記第2の絶縁性枠体が、上記第1電極ユニット又は上記第4電極ユニットが嵌合する段差部を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の電極構造体。
  13. 上記第1の絶縁性枠体が、上記第1電極ユニット又は上記第2電極ユニットが嵌合する段差部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電極構造体。
  14. 上記第2の絶縁性枠体が、上記第1電極ユニットが嵌合する段差部を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の電極構造体。
  15. 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の電極構造体を具備したことを特徴とする空気電池スタック。
  16. 上記電解液収容部に電解液が注液されることによって発電が開始される注液式であることを特徴とする請求項15に記載の空気電池スタック。
  17. 請求項1、2、6及び7のいずれか1つの項に記載の電極構造体を具備したことを特徴とする空気電池。
  18. 上記電解液収容部に電解液が注液されることによって発電が開始される注液式であることを特徴とする請求項17に記載の空気電池。
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