本発明に係る音声無線伝送システムは、ソース機器と複数のスピーカ機器とを備えたシステムであり、無線オーディオシステム、無線スピーカシステムなどとも言える。このソース機器としては、CD(Compact Disc)プレーヤ、SACD(Super Audio CD)プレーヤ、BD(Blu-ray Disc;登録商標)プレーヤ、HDD(Hard disk drive)プレーヤなどの各種音声再生装置や、テレビ装置、PC(Personal Computer)などが挙げられる。ここで、音声再生装置としては、ネットワーク上のサーバに格納された楽曲ファイルをネットワーク経由で受信し、スピーカ機器に無線伝送するようなネットワークプレーヤも挙げられる。また、いずれのソース機器においても、スピーカ機器の一部を内蔵してもよい(なお、内蔵したスピーカ機器については各種データの伝送を有線で行う構成とすることもできる)。例えば、テレビ装置にセンタースピーカを表示部の筐体に具備しておき、他のチャンネル用のスピーカを上記スピーカ機器として別筐体で配置することができる。以下、図面を参照しながら、本発明に係る音声無線伝送システムについて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る音声無線伝送システムの一構成例を示すブロック図である。
図1で例示する音声無線伝送システムは、音声信号のソースとなるソース機器1と、音声信号の受信機側(再生側)であるスピーカ機器2a,2bとを備える。
本構成例の音声無線伝送システムでは、チャンネル毎に配置された2台のスピーカ機器2a,2bを含み、スピーカ機器2aが左チャンネル(Lch)の音声信号を再生し、スピーカ機器2bが右チャンネル(Rch)の音声信号を再生することを前提として説明する。
但し、スピーカ機器の台数はこれに限ったものではなく、ソース機器とスピーカ機器が1対多の関係で設けられていれば、スピーカ機器が3台以上であっても同様に適用できる。例えば、5.1chの音声信号の再生に6台のスピーカ機器を音声無線伝送システムに含めることもできる。
ソース機器1は、その全体をバス経由で制御する制御部(主制御部と呼ぶ)10を備えると共に、無線通信部15を備える。主制御部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)等で構成される。無線通信部15を備えることにより、ソース機器1を、スピーカ機器2a,2bに対して非圧縮の音声信号(原音のままの音声信号)を無線通信で送信する無線送信機として機能させることができる。
また、本構成例のソース機器1は、High-Definition Multimedia Interface(HDMI;登録商標。以下同様。)処理部11を備えており、HDMI処理部11に接続された図示しないHDMI入力部、HDMI出力部も備えている。さらに、ソース機器1は、HDMI処理部11から出力された音声信号に対して所定の信号処理を行う信号処理部13を備える。信号処理部13での所定の信号処理としては、例えば入力された音声信号に対し、ユーザ操作に応じて音質を変更する処理など、各チャンネルの音声信号を送信前に補正する補正処理が挙げられる。無論、信号処理部13での信号処理は、後述する信号処理部24での所定の信号処理とは異なる処理である。
HDMI処理部11は、HDMI入力部で入力された信号から音声信号を取り出して、信号処理部13に渡し、信号処理部13又は主制御部10が信号処理後の音声信号(Lchの音声信号及びRchの音声信号)を無線通信部15に指示して無線伝送させる。このように無線伝送されたLchの音声信号、Rchの音声信号は、それぞれスピーカ機器2a,2bの無線通信部21で受信して抽出され、後述の信号処理部24に出力されることになる。
なお、ソース機器1において音声信号をHDMI入力することを前提に説明しているが、これに限ったものではなく、別の入力モジュールによって入力してもよいし、若しくはソース機器1内に別途設けた記憶部に格納しておいた音声信号を読み出して信号処理部13に渡すような構成を採用することもできる。
さらに、本構成例のソース機器1は、後述するメモリ12と、各種情報を表示する表示部14と、ユーザ操作を受け付けてその操作信号を主制御部10に渡す操作部16と、を備えている。操作部16としては、ソース機器1の本体に設けられたボタン、リモートコントローラからの赤外線信号等の信号を受信する受信部、本体ボタン、タブレットやスマートフォンや携帯情報端末などの端末装置から無線通信により制御信号を受信する受信部などが挙げられる。
主制御部10は、操作信号に応じた制御信号を無線通信部15で無線搬送波に重畳し、スピーカ機器2a,2b側に伝送することで、ソース機器1側からスピーカ機器2a,2bを制御することができる。
一方、スピーカ機器2a,2bはいずれも、その全体をバス経由で制御する制御部(主制御部と呼ぶ)20を備えると共に、無線通信部21を備え、主制御部20及び無線通信部21には他の部位への電源に比べて小電力の電源が供給されている。例示するスピーカ機器2a,2bはいずれも、この小電力の電源としてデジタル信号処理回路等のデジタル回路に電力を供給するデジタル電源部と、上記他の部位への電源としてアナログ信号処理回路等のアナログ回路に電力を供給するアナログ電源部と、を備える。
主制御部20は、後述のD/Aコンバータ(DAC)25t,25m,25w及びアンプ部26t,26m,26wを制御する制御部の一例であり、例えばCPU等で構成される。無線通信部21を備えることにより、スピーカ機器2a,2bを、ソース機器1から無線通信で送信された音声信号を受信する無線受信機として機能させることができる。無線通信部21は、音声信号を受信する無線受信部の一例である。
無線通信部15、無線通信部21としては、それぞれ例えばWiSA Associationで規格化を進めている送信側、受信側のモジュールが適用できる。なお、本実施形態に係る処理(後述のエラー処理)を行う構成は、より微妙なエラーも検出し対応するという意味でより高級なオーディオ機器にほど搭載しておくことが好ましいため、音声信号を非圧縮で無線伝送するように説明しているが、これに限らず、圧縮された音声信号を無線伝送の対象としてもよい。
また、スピーカ機器2a,2bはいずれも、ソース機器1から無線通信で受信した音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変換するDAC25t,25m,25wと、DAC25t,25m,25wから出力されたアナログ信号の音声を出力するスピーカ部27t,27m,27wと、を有する。
スピーカ部27t,27m,27wとDAC25t,25m,25wとは1対1に対応しており、スピーカ部27t,27m,27wはそれぞれ、DAC25t,25m,25wから出力されたアナログ信号の音声を出力する。ここで、スピーカ部27t,27m,27wは、それぞれトゥイータ、ミッドレンジ、ウーファのスピーカを指しているが、スピーカ部の数や組み合わせはこれに限ったものではない。
また、スピーカ機器2a,2bはいずれも、無線通信部21で受信した音声信号に対し、所定の信号処理を施し、DAC25t,25m,25wに出力する信号処理部24と、DAC25t,25m,25wで変換後の音声信号を増幅し、それぞれスピーカ部27t,27m,27wに出力するアンプ部(AMP)26t,26m,26wと、をさらに有する。
信号処理部24は、DAC25t,25m,25wのそれぞれに対して異なる音声信号(それぞれアンプ部26t,26m,26wを経てスピーカ部27t,27m,27wで出力するための音声信号)を出力し、DAC25t,25m,25wは、信号処理部24で処理後の音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変換することになる。
信号処理部24は、アンプ部26t,26m,26wを調整することで、それぞれスピーカ部27t,27m,27wから出力する音声の音量を調整する音量調整部24aを有する。信号処理部24での上記所定の信号処理としては、このような音量調整処理の他に、例えば各種フィルタ処理等が挙げられる。これらの処理に必要なパラメータはメモリ22に格納されており、必要に応じて読み出され、上記操作信号に応じた制御信号に基づき書き換えられることになる。
そして、本実施形態の主たる特徴として、スピーカ機器2a,2bはいずれも、音声出力に関わるエラーを検出するエラー検出部23を有し、エラー検出部23で検出されたエラーの情報であるエラー情報を、ソース機器1に無線通信で送信する。ここで説明している構成例では、エラー検出部23は、アナログ電源部、デジタル電源部、無線通信部21、主制御部20、DAC25t,25m,25w、アンプ部26t,26m,26w、スピーカ部27t,27m,27wのうち、少なくとも1つについてエラーの検出処理を実行すればよい。例えば、エラー検出部23は、DAC25t,25m,25w及び/又はアンプ部26t,26m,26wにおけるエラーの検出処理を実行するように構成することもできる。
スピーカ機器2aでエラーが発生した場合で説明すると、スピーカ機器2aの主制御部20がエラー検出部23からのエラー検出を受けて、検出されたエラーの情報であるエラー情報をソース機器1に対して無線通信部21を介して送信する。なお、エラー検出時だけ送信してもよいし、エラーの状態を示す情報(ステータス情報)を定期的に送信してもよい。
なお、説明の便宜上、本構成例及び後述する他の構成例において、エラー検出部をDAC、信号処理部、アンプ部、主制御部に共通した部位として設けるように図示及び説明しているが、このような構成に限らず、実際には例えばDAC25tにはDAC25t用のエラー検出部を設けるなど、構成要素毎にエラー検出部が設けられていてもよい。主制御部20は、上述のように信号処理部24、DAC25t等、アンプ部26t等、並びにデジタル電源部やアナログ電源部を制御することになるが、その制御へのフィードバック情報として、エラーが発生していればそれぞれからエラー情報を受け取るように構成しておけばよい。また、エラー検出部23における検出機能の一部は主制御部20が担うようにしてもよい。
ソース機器1は、エラー情報を受信した場合、このエラー情報を送信したスピーカ機器2a以外のスピーカ機器2bに対し、そのエラー情報に応じた動作要求を無線通信で送信する。より具体的には、主制御部10が、他のスピーカ機器2bを制御するための制御信号の一種として、動作要求を示す信号を無線通信部15から送信すればよい。この信号を受けたスピーカ機器2bは、主制御部20がその動作要求に応じた処理を実行する。つまり、スピーカ機器2bは、上記のようなエラー情報を無線通信で送信可能な他のスピーカ機器2aからエラー情報を受信したソース機器1が無線通信で送信した「エラー情報に応じた動作要求」を無線通信で受信し、その動作要求に応じた処理を実行する。
上述のようなエラー処理により、或る1台のスピーカ機器でエラーが発生した場合に、他のスピーカ機器で同様のエラーが生じる可能性を、ソース機器側からの制御により迅速に低減することができ、場合によっては(上記他のスピーカ機器で未だそのエラーが発生していない場合には)同様のエラーを未然に防ぐことができる。
例えば、上記動作要求として、スピーカ機器2bへの動作停止要求を採用することで、他のスピーカ機器2bでのエラー発生をより回避させることができる。その他、スピーカ機器2aのDAC25t,25m,25wのいずれかでエラーが発生した場合には、スピーカ機器2bのDAC25t,25m,25wのうちの対応するDACへの動作停止要求、若しくは3つ全てのDAC25t,25m,25wに対する動作停止要求を、ソース機器1からスピーカ機器2bへ送信するようにしてもよい。
スピーカ機器2bでは、その動作停止要求に従い、対応するDACへの電力供給を遮断する(アナログ電源から電力が供給される部位の全てに対して電力供給を遮断してもよい)ことにより、DACの動作を停止させる。
なお、エラー情報を送信したスピーカ機器2aに対しても同様の制御信号を送信してもよい。但し、基本的に、スピーカ機器2aではエラーが発生した状態であるため、自身でそのエラーに対する処理(動作停止処理等)を行うような機能をもたせておき、その処理を実行することで、より被害を少なくすることができる。
ここでは、エラー情報が無線通信部21で送信されて無線通信部15で受信され、動作要求信号が無線通信部15で送信されて無線通信部21で受信されることを前提として説明する。一方で、エラー情報の送信や動作要求信号の受信用にスピーカ機器2a,2bに別途無線通信部を設けておいてもよいし、エラー情報の受信や動作要求信号の送信用にソース機器1に別途無線通信部を設けてもよい。これら別途設けるエラー情報やそれに応じた動作要求信号を送受信するための無線通信部としては、上述したWiFi、ZigBee、Bluetooth等の規格の無線通信部を採用することもできる。
また、本構成例のようにアンプ部26t,26m,26wを備えた形態においては、エラー検出部23は、DAC25t,25m,25wにおけるエラーの検出処理と、アンプ部26t,26m,26wにおけるエラーの検出処理の双方を行うことが好ましい。無論、本構成例のようにスピーカ部とアンプ部とDACのセットが複数設けられている場合には、各スピーカ部と各アンプ部と各DACについてのエラーの検出処理を行えばよい。ソース機器1から送信されるスピーカ機器2bへの動作要求としては、例えばスピーカ機器2aでエラーが検出された部位を少なくとも含むような動作停止要求が挙げられ、エラーに依ってはスピーカ部やアンプ部へのミュート要求も適用できる。これにより、DAC又はアンプ部のいずれかのエラーだけでなく、双方のエラーにも対処することができる。
本構成例のように信号処理部24を備えた形態においては、エラー検出部23は、DAC25t,25m,25wにおけるエラーの検出処理に加え、信号処理部24におけるエラーの検出処理を行うことが好ましい。この場合にも、ソース機器1から送信されるスピーカ機器2bへの動作要求としては、例えばスピーカ機器2aでエラーが検出された部位を少なくとも含むような動作停止要求が挙げられ、エラーに依ってはスピーカ部やアンプ部へのミュート要求も適用できる。これにより、DACやアンプ部のエラーだけでなく、信号処理部のエラーにも対処することができる。
また、ソース機器1に内蔵されるメモリ12には、エラー情報に応じて送信させる動作要求(動作要求信号)を記述したテーブル12aを格納しておくことが好ましい。これにより、主制御部10がテーブル12aを参照するだけで済むため、エラー発生時の他のスピーカ機器への動作要求信号を直ぐに送信できる。
また、ソース機器1の主制御部10は、エラー情報を受信した場合に、エラーが発生した旨を示す情報を表示部14に表示させる制御を行うことが好ましい。これにより、1つのスピーカ機器で発生したエラーに対して、受信側のシステム全体を迅速に停止するなどの処理が可能になるだけでなく、そのエラーの内容をユーザに直ぐに知らせることができる。
また、本構成例のように主制御部20を備えた形態においては、エラー検出部23は、DAC25t,25m,25w及び/又はアンプ部26t,26m,26wにおけるエラーの検出処理に加え、主制御部20におけるエラー(内部エラー)の検出処理を行うことが好ましい。この場合にも、ソース機器1から送信されるスピーカ機器2bへの動作要求としては、例えばスピーカ機器2aでエラーが検出された部位を少なくとも含むような動作停止要求が挙げられ、エラーに依っては主制御部20への停止要求も適用できる。これにより、DACやアンプ部のエラーだけでなく、DACやアンプ部を制御する制御部のエラーにも対処することができる。無論、主制御部20のエラーだけではなく、信号処理部24のエラーにも対処するように構成することもできる。
以上、図1の構成例では、アンプ部及びスピーカ部が無線通信部21と同じ筐体に設けられている。より具体的には、スピーカ機器2a,2bにそれぞれ複数台のDAC(DAC25t等)やそれに対応するアンプ部及びスピーカ部が設けられており、且つスピーカ部(スピーカ部27t等)がDAC25t,25m,25wと同じ筐体に設けられている。なお、スピーカ部がDACと同じ筐体に設けられている場合には、スピーカ部の前段にあるアンプ部やDACと無線通信部21の間にある信号処理部24や、無線通信部21も当然、スピーカ部と同じ筐体に設けられていることになる。
このように同じ筐体に設けられている例は、製品として流通する場合にスピーカ部とDACやアンプ部が破綻しないような整合された音声を出力するように設定されているため、音声無線伝送システムとしても良質の音声を出力できる利点がある。
本発明に係る音声無線伝送システムは、図1の構成例に限ったものではない。例えば、スピーカ機器2a,2bのそれぞれにDACやそれに対応するアンプ部及びスピーカ部が1セット設けられているだけでもよい。これにより、様々な関係の配置に対応することが可能になる。
その他の構成例について、図2〜図4を参照しながら説明する。以下の各構成例では、図1の構成例と異なる点のみを説明する。
図2で示す構成例では、ソース機器1に対し、Lch用のスピーカ機器として、受信機3a、アンプ部(AMP)4a、及びスピーカ部5a(フルレンジのスピーカを想定)が設けられており、同様にRch用のスピーカ機器として、受信機3b、アンプ部4b、及びスピーカ部5bも設けられている。受信機3a,3bにはそれぞれアンプ部4a,4bが接続されており、アンプ部4a,4bにはそれぞれスピーカ部5a,5bが接続されている。
受信機3a,3bはいずれも、主制御部30、無線通信部31、メモリ32、エラー検出部33、音量調整部34aを有する信号処理部34、及び、それぞれアンプ部4a,4bを接続するDAC35を備え、これらはそれぞれ図1の主制御部20、無線通信部21、メモリ22、エラー検出部23、信号処理部24、及びDAC(例えばDAC25m)と基本的に同様の処理を行う。但し、例えば信号処理部34は、1セットのアンプ部4a及びスピーカ部5aに対して出力する音声信号について上記所定の信号処理を実行する。
信号処理部34とスピーカ部5aの関係、信号処理部34とスピーカ部5bの関係のように、図2の構成例では、スピーカ機器にはDACとスピーカ部が1対1の関係で設けられている。また、上述のように、図2の構成例では、アンプ部及びスピーカ部が無線通信部31と別の筐体に設けられている。
また、図2の構成例では、図1の構成例と異なり、スピーカ部5a,5bは、それぞれDAC35と異なる筐体に設けられ、DAC35と有線で接続されている。本構成例のように信号処理部34が設けられた受信機3a,3bでは、スピーカ部5a,5bは、受信機3a,3bの信号処理部34と異なる筐体に設けられ、受信機3a,3bの信号処理部34と有線で接続されていることになる。これにより、既にユーザが所有しているスピーカを受信機に接続するだけで、本実施形態の音声無線伝送システムを利用し、その効果を享受することができる。なお、この構成の場合、基本的にアンプ部もスピーカ部と同様に信号処理部と異なる筐体に設けられ、信号処理部と有線で接続されているが、アンプ部も信号処理部と同じ筐体に設けるような構成を採用することもできる。
図3で示す構成例では、ソース機器1に対し、Lch用のスピーカ機器として、受信機6a、アンプ部(AMP)4at,4am,4aw、及びスピーカ部5at,5am,5aw(それぞれトゥイータ、ミッドレンジ、ウーファのスピーカを想定)が設けられており、同様にRch用のスピーカ機器として、受信機6b、アンプ部4bt,4bm,4bw、及びスピーカ部5bt,5bm,5bwも設けられている。
受信機6aにはそれぞれアンプ部4at,4am,4awが接続されており、アンプ部4at,4am,4awにはそれぞれスピーカ部5at,5am,5awが接続されている。また、受信機6bにはそれぞれアンプ部4bt,4bm,4bwが接続されており、アンプ部4bt,4bm,4bwにはそれぞれスピーカ部5bt,5bm,5bwが接続されている。
受信機6a,6bはいずれも、主制御部60、無線通信部61、メモリ62、エラー検出部63、音量調整部64aを有する信号処理部64、及び、DAC65t,65m,65wを備え、これらはそれぞれ図1の主制御部20、無線通信部21、メモリ22、エラー検出部23、信号処理部24、及びDAC25t,25m,25wと基本的に同様の処理を行う。受信機6aのDAC65t,65m,65wはそれぞれアンプ部4at,4am,4awに接続されており、受信機6bのDAC65t,65m,65wはそれぞれアンプ部4bt,4bm,4bwに接続されている。
図3の構成例におけるスピーカ機器には、図1の構成例と同様に複数台のDACが設けられている。また、図3の構成例では、図2の構成例と同様に、スピーカ部5at,5am,5aw、スピーカ部5bt,5bm,5bwは、それぞれDAC65t,65m,65wと異なる筐体に設けられ、DAC65t,65m,65wと有線で接続されている。このように、図3の構成例では、アンプ部及びスピーカ部が無線通信部61と別の筐体に設けられている。
図4で示す構成例では、1つのチャンネルに対し、複数のスピーカ機器で再生するようにしている。まず、本構成例では、ソース機器1に対し、Lch用のスピーカ機器として、受信機7t、アンプ部(AMP)4t、及びスピーカ部5t(トゥイータのスピーカを想定)と、受信機7w、アンプ部4w、及びスピーカ部5w(ウーファのスピーカを想定)と、が設けられている。ここで、受信機7t,7wにはそれぞれアンプ部4t,4wが接続されており、アンプ部4t,4wにはそれぞれスピーカ部5t,5wが接続されている。無論、音域を3つに分けてミッドレンジ用のセットをシステム構成に加えてもよい。
受信機7t,7wはいずれも、主制御部70、無線通信部71、メモリ72、エラー検出部73、音量調整部74aを有する信号処理部74、及び、それぞれアンプ部4t,4wを接続するDAC75を備え、これらはそれぞれ図2の主制御部30、無線通信部31、メモリ32、エラー検出部33、信号処理部34、及びDAC35と基本的に同様の処理を行う。
但し、例えば受信機7tでは、1セットのアンプ部4t及びスピーカ部5tに対して出力する音声信号(トゥイータ用の音声信号)を生成するために、受信したLch用の音声信号に対して信号処理部74での上記所定の信号処理を実行する。同様に、受信機7wでは、1セットのアンプ部4w及びスピーカ部5wに対して出力する音声信号(ウーファ用の音声信号)を生成するために、受信したLch用の音声信号に対して信号処理部74での上記所定の信号処理を実行する。
図4の構成例におけるスピーカ機器には、図2の構成例と同様に1台のDACが設けられている。また、図4の構成例では、図2の構成例と同様に、スピーカ部5t,5wがDAC75と異なる筐体に設けられ、DAC75と有線で接続されている。このように、図4の構成例では、アンプ部及びスピーカ部が無線通信部71と別の筐体に設けられている。
但し、図4の構成例では、図2の構成例と異なり、2台のスピーカ機器で1つのチャンネル用の音声信号を受信して再生している。
さらに、本構成例では、図示しないが、同様にRch用のスピーカ機器としてもLch用のスピーカ機器と同様の構成を備えている。
また、図1〜図4で示した構成例は、適宜組み合わせることができる。様々な組み合わせが想定できるため、その一例だけを挙げる。例えば、図1の構成例において、左フロントチャンネル(Lch)用にスピーカ機器2aを配置し、右フロントチャンネル(Rch)用にスピーカ機器2bを配置し、左リア(左サラウンド)チャンネル(LSch)用と右リアチャンネル(RSch)用にいずれも図2のスピーカ機器(例えば受信機3a、アンプ部4b、及びスピーカ部5a)を配置するように構成することができる。この場合、例えば、センターチャンネル用のスピーカ機器は、ソース機器1と同じ筐体に設け、有線伝送するように構成してもよいし、図1のスピーカ機器2aを採用してもよいし、他の構成を採用してもよい。
さらに、図1〜図4の構成例やそれらを組み合わせた構成例においてはいずれも、1つのアンプ部に対して複数のスピーカ部を有するような構成を採用することもできる。この構成の場合、アンプ部の出力先として、各スピーカ部の前段に対象となるスピーカ部用のLCフィルタ等のフィルタを設けておけば、つまりネットワークフィルタを設けておけば、各スピーカ部から異なる周波数帯域での出力が可能となる。
以下、図5A〜図13を参照しながら、上述した各構成例における上記のエラー情報や動作要求の具体例について説明する。無論、エラー情報や動作要求の例はこれに限ったものではなく、記述方式も以下の例に限ったものではない。
まず、図5A〜図5Cを参照しながら、上記エラー情報として、スピーカ機器からソース機器へ送信されるパラメータ(つまりスピーカ機器が受信する受信パラメータ)の具体例を説明する。図5Aは、本実施形態に係る音声無線伝送システムにおいてソース機器側でスピーカ機器側から受信する受信パラメータの一例を示す図である。また、図5Bは図5Aの受信パラメータのうちDevice Typeの一例を示す図で、図5Cは図5Aの受信パラメータのうちStatusの一例を示す図である。
受信パラメータとしては、図5Aの表81で示すような、その受信機内のデバイスの種類(Device Type)及びそのデバイスの状態(Status)を採用することができる。Device Typeとしては、図5Bの表82で示すような主制御部、無線通信部(音声の受信機側であり受信部、つまり上記無線受信部に相当)、音量調整部、DAC、AMP、アナログ電源部、及びデジタル電源部などが挙げられる。
デバイスの状態であるStatus(エラーステータス)としては、図5Cの表83で示すように、例えば正常、過電流、減電(電圧降下)、過温度、異常電圧、電流オフセット、クロック異常、クロック停止、システム異常などが挙げられる。さらに、表83で例示したように、これらの項目について警告段階であるのか、致命的な段階(致命的な状態)であるのかを分けてもよいし、別フラグで致命的か否かを分けてもよい。なお、個々のステータスについてはそれが生じた際の処理例と共に後述する。
このように、エラー情報に、過電流警告、電圧降下警告、過温度警告、電圧異常警告、電流オフセット警告、クロック異常警告、クロック停止警告、システム異常警告のうち、少なくとも1つの警告を示す情報を含むことにより、ソース機器1は、監視対象の警告をエラー情報として受信することができる。また、ソース機器1は、警告の段階で致命的な段階とは異なる処理を実行するような構成も採用できるようになる。
次に、上述の受信パラメータの具体例に対応してソース機器1から送信される送信パラメータの具体例について、図6A〜図6Cを参照して説明する。図6Aは、本実施形態に係る音声無線伝送システムにおいてソース機器側からスピーカ機器側に送信する送信パラメータの一例を示す図である。また、図6Bは図6Aの送信パラメータのうちDevice Typeの一例を示す図で、図6Cは図6Aの送信パラメータのうちCommandの一例を示す図である。
送信パラメータとしては、図6Aの表91で示すように、受信機内のデバイスの種類(Device Type)、動作要求の内容を示すコマンド(Command)、及びそのコマンドのパラメータ(Parameter)を採用することができる。なお、このパラメータが不要なコマンドも存在する。Device Typeとしては、図6Bの表92で示すような主制御部、無線通信部(音声の受信機側であり受信部、つまり上記無線受信部に相当)、音量調整部、DAC、AMP、図示しないアナログ電源部、及び図示しないデジタル電源部などが挙げられる。
Commandとしては、図6Cの表93で示すように、復帰、電源供給停止、音量調整(この場合、Parameterとして音量値を設定しておく)、リセット、温度測定、電圧測定、クロック測定などが挙げられる。
次に、上述の送信パラメータの具体例に対応してスピーカ機器2a,2b側からソース機器1側に送信されるパラメータ(応答パラメータと呼ぶ)の具体例について、図7A〜図7Cを参照しながら説明する。図7Aは、本実施形態に係る音声無線伝送システムにおいてスピーカ機器側からソース機器側に送信する応答パラメータの一例を示す図である。また、図7Bは図7Aの応答パラメータのうちDevice Typeの一例を示す図で、図7Cは図7Aの応答パラメータのうちStatusの一例を示す図である。
応答パラメータとしては、図7Aの表101で示すような、その受信機内のデバイスの種類(Device Type)、そのデバイスの状態(Status)、及びその状態を示すパラメータ(Parameter)を採用することができる。このParameterとしては測定値が記述されるが、このParameterが不要なデバイス状態も存在する。Device Typeとしては、図7Bの表102で示すような主制御部、無線通信部(音声の受信機側であり受信部、つまり上記無線受信部に相当)、音量調整部、DAC、AMP、図示しないアナログ電源部、及び図示しないデジタル電源部などが挙げられる。
デバイスの状態であるStatusとしては、図7Cの表103で示すように、例えば復帰、電源供給停止、現在の音量取得、リセット、温度測定、電圧測定、クロック測定などが挙げられる。ここでは、それぞれの項目について、完了したことを示すStatusと処理中であることを示すStatusが設けられている。つまり、動作が完了したか否かでStatusが変わるようになっている。そして、完了したことを示すStatusのうち少なくとも測定(又は検出)が伴うものについては、Parameterが設定される。現在の音量取得が完了した場合には音量値を設定し、温度、電圧、クロックの測定が完了した場合にはそれぞれ温度測定値、電圧測定値、クロック測定値を設定しておく。
次に、図1の構成例を例に挙げ、上述のようなパラメータのやり取りについて概略的に説明する。無論、他の構成例でも同様に適用できる。
まず、エラー検出部23がDAC25t,25m,25wやアンプ部26t,26m,26w等の状態を監視しておき、温度や駆動状態などが変化した場合にエラーが発生したとして、エラー情報として主制御部20にフィードバックする。また、主制御部20は自身で発生したエラー(内部エラー)も監視する。スピーカ機器2aでエラーが発生した際、そのスピーカ機器2aの主制御部20はそのエラー情報をソース機器1に送信する。なお、このような送信が不可能になるような種類の内部エラーが主制御部20で発生した場合については、本実施形態の処理では対処できないが、より頻度の高いその以外のエラーについては対処できる。
また、以上の説明では、最初のエラーに関する上記のエラー情報は、スピーカ機器側から自発的に送信することを前提として説明した。しかし、ソース機器1側からスピーカ機器に上記エラー情報を要求することもできる。この処理について、図8を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る音声無線伝送システムにおける処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
まず、ソース機器1がスピーカ機器2aに対し、エラー送信要求を送信し(ステップS1)、それに応答してスピーカ機器2aがその時点でのエラー情報を送信する(ステップS2)。全て正常の場合、エラー情報(00,00)(01,00)(02,00)(03,00)(04,00)(05,00)(06,00)が送信される。ここでは、受信パラメータ(エラー情報)として、図5A〜図5Cの例を挙げるが、便宜上、「0x」の表記は省略している。
スピーカ機器2aは、エラー送信要求を受けた時点でエラー検出処理を実行してエラー情報を返信してもよいし、それまで溜まっていたエラー情報を返信してもよい。前者の場合、このエラー送信要求は、エラー情報の測定、検出の指示に該当する。
また、スピーカ機器2bについてもステップS1,S2と同様の処理がなされる(ステップS3,S4)。ソース機器1がエラー送信要求を送信する順序はこれに限ったものではなく、予め決めておいた順序でよい。また、ブロードキャスト的若しくはマルチキャスト的な配信でエラー送信要求を無線伝送するようにしてもよい。また、エラー送信要求のタイミングは任意に決めておけばよく、例えば数秒間隔などとすればよい。これにより、スピーカ機器側から自発的にエラー情報を送信する必要がなくなり、エラー情報の収集も複数のスピーカ機器について同じタイミングで行うこともできる。
このようにしてソース機器1はエラー情報を受信する。そして、ソース機器1は、メモリ12内のテーブル12aを参照し、その受信パラメータに応じたコマンドを読み出して送信パラメータを生成して(或いはその受信パラメータに対応した送信パラメータを読み出して)、他のスピーカ機器2bへ無線伝送する。
ここで、受信パラメータにはそのスピーカ機器を示すIDなどを付加し、送信パラメータには他のスピーカ機器を示すIDを付加する(予めメモリに格納されたIDの中から、受信パラメータに含まれるID以外のIDを検索して付加する)ようにすることで、他のスピーカ機器への動作要求信号として上記送信パラメータを送信することができる。無論、エラーが生じたスピーカ機器も含めた形で、単にブロードキャスト的若しくはマルチキャスト的な配信で無線伝送するようにしてもよい。
他のスピーカ機器2bの主制御部20は、無線通信部21で受信した上記送信パラメータがどのような制御信号であるのか(どのようなコマンドを含んでいるのか)を解析して、制御対象となる部位を制御してその送信パラメータが示す動作を実行させればよい。
例えば、或るスピーカ機器のアンプ部に何らかの障害によるエラーが検知された場合には、そのスピーカ機器の主制御部20がアナログ電源部に対しアナログ電源をOFF(遮断)する制御を行うと同時に、上記受信パラメータをソース機器1に送信することで緊急停止用の通知を行う。
ソース機器1の主制御部10はそれを受けて、障害が発生したスピーカ機器以外のスピーカ機器(受信機)に対して、直ちにアナログ電源をOFFするような送信パラメータを送信することで停止要求を行う。各受信機はそれを受けて、アナログ電源を停止する。また、ソース機器1は、表示部14に、問題が発生して音声出力を停止して各受信機のアナログ電源を停止させたことを表示してもよい。
また、上記送信パラメータとして送信されるコマンドはこれに限ったものではない。例えばコマンドが音量変更制御コマンドであった場合には、スピーカ機器2bの主制御部20は、音量調整部24aに変更指示(ボリューム設定値など)を送り、音声ミュートON/OFFコマンドであった場合は、DAC25t,25m,25w及びアンプ部26t,26m,26wに対してON/OFF信号を送る。
また、DACでのエラー発生について上述したように、コマンド(動作要求)は他のスピーカ機器におけるエラー発生部位と同等の部位に対するものであってもよい。但し、上記組み合わせた構成例においては、図1の構成例におけるスピーカ機器2aでエラーが発生した部位(例えばアンプ部26tやアンプ部全て)だけを停止する動作要求を行っても、図2の構成例ではそれに対応するアンプ部が主制御部30の制御対象とはなっていない。このようなシステム構成も想定されるため、主制御部30では、そのような動作要求を受けた場合には、より安全な方向に制御するようにしておいてもよい。この例で言うと、アナログ電源を遮断してDAC35を停止させるなどして、アンプ部4aへの音声信号の出力を停止させればよい。
また、ソース機器1は、エラー情報を受信した場合、さらに詳細なエラー情報を得るために、エラーを検出したスピーカ機器(例えばスピーカ機器2a)に対して、受信したエラー情報が示すエラーに関係する情報であるエラー関係情報の測定、検出を指示してもよい。ここで、エラーを検出した以外のスピーカ機器(例えばスピーカ機器2b)に対しても同じくエラー関係情報の測定、検出を指示してもよい。つまり、システム内のスピーカ機器の一部又は全てに対してエラー関係情報の測定、検出を指示してもよい。このような処理により、ソース機器1がスピーカ機器2a(及びスピーカ機器2b)側からエラーの詳細情報を収集することができる。なお、エラー関係情報の例は次の処理例で説明する。
以下に、図5A〜図7Cのようなパラメータを用いる具体的な処理例について、本発明の第2〜第6の実施形態としてそれぞれ図9〜図13を併せて参照しながら説明する。図9、図10、図11、図12、図13は、それぞれ過電流、AMPの過温度、異常電圧、クロック異常、システム異常が検出された場合の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
ここでは、図1の構成例におけるスピーカ機器2aが、過電流、減電、過温度、異常電圧、電流オフセット、クロック異常、クロック停止、システム異常で停止した場合など、スピーカ機器2aのエラー検出部23がエラーを検出した場合の処理例を挙げる。但し、スピーカ機器2bのエラー検出部23がエラーを検出した場合は無論のこと、上述したように他の構成例でも同様に適用できる。無論、スピーカ機器の数が変わっても同様に適用できる。また、以下の説明では、受信パラメータ(エラー情報)、送信パラメータ、応答パラメータとして、図5A〜図7Cの例を挙げるが、便宜上、「0x」の表記は省略している。
(第2の実施形態)
(1)過電流を検出した場合:
図9に従って、スピーカ機器2aでアナログ電源に過電流が生じた場合のシーケンスを示す。アナログ電源は、エラー検出部23、信号処理部24、各DAC(DAC25t等)、各AMP(アンプ部26t等)等の電源である。AMPに接続されたスピーカを大出力で駆動するためには、アナログ電源の供給する電力も大出力にする必要がある。AMPの必要とする電力が、アナログ電源の規定の電力を越えるとアナログ電源が過電流状態になる。この状態が続くと、アナログ電源内の部品の劣化、破壊の可能性が増大する。
エラー検出部23は、アナログ電源について過電流か否かを検出する(ステップS11)。この検出は、例えば、回路内の電流監視用抵抗の電圧値を所定の時間積算した結果によって行う。エラー検出部23は、アナログ電源の過電流を検出した場合、主制御部20に通知する。この通知を受けた主制御部20は、直ちに各AMP及び各DACの電源を停止する(ステップS12)。過電流状態が持続するとAMP等の破壊の可能性があるからである。この時、アナログ電源全体を停止してもよい。
ソース機器1からは、定期的にエラー送信要求が各スピーカ機器に送られる(ステップS13)。エラー送信要求は、例えば1秒程度の間隔で行われる。各スピーカ機器内のエラー処理は、瞬時に行われるが、他の機器への情報通知は人の感覚から見て十分早ければよい。なお、図9ではスピーカ機器2aに対するエラー送信要求のみを図示している。このようなエラー送信要求に対して、エラー情報(05,01)がスピーカ機器2aからソース機器1に送られる(ステップS14)。エラー情報の最初の二桁はデバイスの種類を表し、次の二桁はエラーの内容を表している。この例では、「05」はデバイス種類がアナログ電源であることを意味し、「01」はエラーの内容が過電流で警告レベルであることを意味している。エラーが無い時は、図8で例示したようにステータスとして各デバイスが正常であることを示す(00,00)(01,00)(02,00)(03,00)(04,00)(05,00)(06,00)が送られる。
ソース機器1の主制御部10は、無線通信部15を介して、スピーカ機器2a以外のスピーカ機器2b等に例えば、音量下げ指示を送信する(ステップS15)。送信内容は、例えば(02,02,0010)である。ここで、最初の二桁はデバイスの種類を表し、次の二桁はコマンドを表し、次の四桁がコマンドパラメータを表している。この例では、先頭の「02」はデバイスの種類が音量調整部であることを意味し、次の「02」はコマンドが音量調整であることを意味している。「0010」は音量値の例である。また、ソース機器1の表示部14に、エラー発生のため、AMP、DACが停止した旨を表示する(ステップS16)。
この一連の制御シーケンスによって、スピーカ機器2aの破壊を防ぐと共に、他のスピーカ機器2bが鳴り続けるという中途半端な状態を回避することができ、ユーザに的確に異常を知らせることができる。また、異常について適切に表示することによって、ユーザに無用な不安感を与えずに済む。
(2)減電を検出した場合:
減電を検出した場合を説明する。減電とは、電源電圧が規定された値よりも低下することである。機器の使用電力が大きくなると、AC電源のインピーダンスによっては電源電圧の低下につながる。電源電圧が規定された値よりも低下すると、音声出力レベルに直接影響が出るため、高品位の音声を維持できなくなる。
減電は、例えば、アナログ電源の入力部分で検出される。減電が検出された場合、正常な電力供給ができなくなることからDAC、AMP等が故障することも考えられる。そのため、AMP及びDACを停止状態にする。ソース機器1は、減電が原因である旨を表示部14で表示し、ユーザにスピーカ機器2aの確認を行うように施す。また、減電が発生していない他のスピーカ機器2bについては、ステップS15で説明したようなソース機器1からの動作要求により音量を下げる。この動作によって、ユーザは、異常による停止について直ぐに的確に認識できる。また、減電が原因であることを認識するので、AC電源の強化等の対応を的確に行うことができる。
(第3の実施形態)
(3)過温度を検出した場合:
図10に従って、スピーカ機器2aでAMPに過温度が生じた場合のシーケンスを示す。AMPは、大出力の音声を出せば出すほど、電力量が増える。そのため、AMP自体が高温になりやすい。温度が規定のレベルを超えると構成する電子部品等に重大が影響を与え、劣化、故障の原因となる。
エラー検出部23は、AMP内に内蔵された温度センサにより温度を逐次測定し、その測定値を検出結果として主制御部20に送信する。主制御部20は、検出された温度が規定の温度よりも高くなると過温度と判断する。スピーカ機器2aの主制御部20は、過温度を検出すると(ステップS21)、無線通信部21を介してソース機器1にエラー情報を送信する(ステップS22)。送信内容は(04,03)である。ここで「04」はデバイスの種類がAMPであることを意味し、「03」はエラーの内容が過温度で警告レベルであることを意味している。
第2の実施形態では、ソース機器1からスピーカ機器2a,2bに定期的にエラー情報の送信要求を行い、エラーを検出したスピーカ機器2aからエラー値をソース機器1に送っていたが、本実施形態のように、より緊急な対応が必要な場合はエラーを検出したスピーカ機器2aが自発的にソース機器1にエラー情報を送信する。
ソース機器1は、スピーカ機器2aに対して温度測定指示を送信する(ステップS23)。この温度測定指示は、上記エラー関係情報の一例である温度測定値を要求する指示であり、その送信内容は(04,04,0000)である。ここで、最初の二桁はデバイスの種類を表し、次の二桁はコマンドを表し、次の四桁がコマンドパラメータを表している。この例では、先頭の「04」はデバイスの種類がAMPであることを意味し、次の「04」はコマンドが温度測定であることを意味している。最後の「0000」は、「このコマンドではコマンドパラメータが不要である」ことを意味しており、それをゼロで表現している。
スピーカ機器2aの主制御部20は、無線通信部21を介して上記温度測定指示を受け取り、エラー検出部23に対して温度測定を指示する(ステップS24)。温度測定結果は、エラー検出部23から主制御部20に送られ、主制御部20でその測定結果を示す測定結果データが生成され、無線通信部21を介してソース機器1に送信される(ステップS25)。この例における測定結果データは、(04,04,003C)である。ここで、最初の「04」、次の「04」、最後の「003C」の意味するところは、それぞれAMP、温度測定結果、60度である。図10では、1回のやり取りが描かれているが、過温度が続く限り逐次測定を行う。
温度が規定の温度以下になれば、過温度(警告)が解除され、温度測定は中止される。図10の例は、さらに温度が上昇し、それを検出した場合である(ステップS26)。その場合、スピーカ機器2aの主制御部20は、AMPの温度が致命的な値であると判断し、即時AMPを停止させる(ステップS27)。次に、主制御部20は、無線通信部21を介してソース機器1にエラー情報を送信する(ステップS28)。送信するエラー情報の内容は、AMPが致命的過温度であることを意味する(04,13)である。
以降は上記(1),(2)の場合と同様に、ソース機器1が他のスピーカ機器2bに対し音量下げ指示(02,02,0010)を送信する(ステップS29)。ここで、最初の「02」はデバイスの種類が音量調整部24aであることを意味し、次の「02」はコマンドが音量調整の指示であることを意味し、最後の「0010」は音量値を表わしている。停止せず、音量を下げているのは、スピーカ機器2aのAMPの温度が下がれば、音量を元に戻して演奏等を続行できる可能性があるからである。また、ソース機器1の表示部14には、エラーで音量を下げた旨の表示を行う(ステップS30)。
このような処理によって、スピーカ機器内の温度上昇という比較的起こりやすいエラーに対して、温度上昇の状態によって、段階的な対応ができる。また、ユーザにスピーカ機器内の温度上昇を知らせると共に、温度を低下させれば復帰可能であることを知らしめることができるので、ユーザに無用な心配をかけることがない。
(第4の実施形態)
(4)異常電圧を検出した場合:
図11に従って、スピーカ機器2aでアナログ電源が異常電圧になった場合の処理と異常が検出されなくなった場合の復帰処理のシーケンスを示す。スピーカ機器2aのアナログ電源から各ブロックへ供給する電源電圧が正規の値から外れた場合である。原因は、例えば、AC電源の電圧変動を吸収しきれなかった場合、各ブロックの負荷が急激に変化した場合等がある。いずれにしても、長時間異常電圧が続くと回路の故障につながるので迅速な対応が必要である。
エラー検出部23は、アナログ電源から各ブロックへの電源電圧の値を逐次測定し、測定した値を検出結果として主制御部20に送信する。主制御部20は、検出した電圧が既定の電圧値に対して、例えば±10%を超える変動が検出された場合に異常電圧と判断する。
主制御部20は、異常電圧を検出すると、直ちにAMPに音量下げを指示する(ステップS41)。例えば、最小の音量に絞るように指示する。次に、スピーカ機器2aの主制御部20は、無線通信部21を介してソース機器1にエラー情報を送信する(ステップS42)。送信内容は(05,04)である。ここで、最初の「05」はデバイスの種類がアナログ電源であることを意味し、次の「04」はエラーの内容が異常電圧で警告レベルであることを意味している。
このエラー情報を受信したソース機器1は、他のスピーカ機器2bに対して音量下げ指示を送信する(ステップS43)。送信内容は(02,02,0010)であり、その意味するところはステップS29について説明した通りである。停止せず、音量を下げているのは、スピーカ機器2aのアナログ電圧の出力電圧が規定以内に戻れば、音量を元に戻して演奏等を続行できる可能性があるからである。また、ソース機器1の表示部14には、エラーで音量を下げた旨の表示を行う(ステップS44)。
スピーカ機器2aは、アナログ電圧の電圧を継続的に検出し、異常電圧で無くなってから一定時間経過したか否かを確認する(ステップS45)。スピーカ機器2aの主制御部20は、異常電圧のエラーが解消したと判断し、ソース機器1に対して無線通信部21を介してエラー情報を送信する(ステップS46)。送信内容は(05,00)である。ここで、最初の「05」はデバイスの種類がアナログ電源であることを意味し、次の「00」は正常であることを意味している。
これを受信したソース機器1は、スピーカ機器2aが正常復帰したと判断して、他のスピーカ機器2bに音量を上げる指示(音量を戻す指示)を送信する(ステップS47)。送信内容は(02,02,0090)である。ここで、最初の「02」はデバイスの種類が音量調整部24aであることを意味し、次の「02」はコマンドが音量調整の指示であることを意味し、最後の「0090」は音量値を表わしている。この指示を受信したスピーカ機器2bは、主制御部20が音量調整部24aに音量値を「90」にするように指示する。
なお、スピーカ機器2aは、復帰シーケンスに音量を元に戻す処理を行うように構成しておけばよい。但し、何度も同じエラーが繰り返される場合には音量を下げたままの状態に保てばよい。また、ステップS47において、ソース機器1が正常復帰したスピーカ機器2aに対しても同じ音量を上げる指示を送信するようにしてもよい。
このような処理によって、スピーカ機器の異常に対して、迅速に他のスピーカ機器の状態を対応させるだけでなく、スピーカ機器のエラー復帰後も速やかに、他のスピーカ機器の音量も復帰させることができるので、ユーザに無用な不安を与えることなく、利便性に供するものである。
(5)電流オフセットを検出した場合(音声信号に直流成分が存在した場合):
上記(4)と同様に、スピーカ部を破壊する恐れがあるため、音量を下げる。その後の処理は上記(4)と同様である。
(第5の実施形態)
(6)クロック異常を検出した場合:
図12に従って、スピーカ機器2aでDAC制御のためのクロックが異常となった場合のシーケンスを示す。クロック異常とは、主制御部20からDACに供給されるクロックが時間的変動を持つ、或いは間欠的な発振となる状態である。経年劣化で配線抵抗が増加する場合やノイズや誘導によって変動する場合もある。小さな時間変動であれば、視聴時の違和感程度であるが、大きな変動、間欠的な発振であると、DACの出力が破綻し、AMP、スピーカ部の破壊につながる。
エラー検出部23は、スピーカ機器2aのDAC用クロックの変動を逐次測定し、測定した値を検出結果として主制御部20に送信する。主制御部20は、検出したクロックの変動値であるジッタ値が、例えば±1%を超える変動が検出された場合にクロック異常と判断する。
主制御部20は、クロック異常を検出すると、直ちにDACの電源を停止する(ステップS51)。次に、スピーカ機器2aの主制御部20は、無線通信部21を介してソース機器1にエラー情報を送信する(ステップS52)。送信内容は(00,06)である。ここで、最初の「00」はデバイスの種類が主制御部20であることを意味し、次の「06」はエラーの内容がクロック電圧で警告レベルであることを意味している。
このエラー情報を受信したソース機器1は、スピーカ機器2aに対して、クロック測定指示を送信する(ステップS54)。送信内容は(00,06,0000)である。ここで、最初の「00」はデバイスの種類が主制御部20であることを意味し、次の「06」はコマンドがクロック測定の指示であることを意味し、最後の「0000」は「このコマンドではコマンドパラメータが不要である」ことを意味している。なお、クロック測定指示の代わりに、単にクロックの有無だけを要求する指示を行ってもよい。このクロック測定値やクロックの有無は上記エラー関係情報の一例である。
また、ステップS54に先立ち又はその後、ソース機器1はスピーカ機器2aに対して音量をゼロにする要求、つまり音量ゼロ指示を送信する(ステップS53)。音量ゼロ指示の送信内容は(02,02,0000)である。ここで、最初の「02」はデバイスの種類が音量調整部24aであることを意味し、次の「02」はコマンドが音量調整の指示であることを意味し、最後の「0000」は音量値がゼロであることを意味している。また、ソース機器1は、他の受信機(つまりスピーカ機器2b)に対しても同様の指示を行う(ステップS55)。ステップS53,S55に関し、クロック異常は、音声に対して致命的なエラーとなる可能性があるので、音は完全にミュート(無音)と指示する。
また、ステップS54の処理に先立ち又はその後、ソース機器1は、クロック異常であるため正常に戻るまで待って欲しい(或いはスピーカ機器2aの確認を行って欲しい)旨を、表示部14に表示することで、ユーザに現状を通知する(ステップS56)。
上記クロック測定指示を受信したスピーカ機器2aは、適宜クロック測定結果をソース機器1に返すことになる。そのクロック測定結果が正常に戻った場合、ソース機器1はスピーカ機器2aに対してDACへの電力供給を再開させる。再開させてから一定期間後、全ての受信機(つまりスピーカ機器2a,2b)に対して音量を元に戻すように指示する。このとき、ステップS56で通知した内容は消去すればよく、この消去に併せて表示部14に正常に戻った旨を一定期間表示させてもよい。
このように、本実施形態では、クロック異常という音声に対して致命的なエラーになりやすいエラーに対して緊急に対応すると共に、ユーザにその旨を通知することによって、ユーザは、適切な対応をとることができ、ユーザの利便性に供する。
(7)クロック停止を検出した場合(主制御部20のクロックが停止した場合):
上記(6)と同様の処理を行う。
(第6の実施形態)
(8)システム異常を検出した場合(スピーカ機器2aのシステム全体の異常が発生した場合):
スピーカ機器2aの主制御部20で、システム異常と判断した場合には、それに応じてリセット等を行うが、主制御部20がハングアップしてしまった場合などには、エラー送信要求に対して応答ができなくなる。そのような場合のシーケンスについて、図13に従って説明する。
スピーカ機器2aがシステム異常を検出した場合(ステップS61)、ソース機器1からそのスピーカ機器2aに対してエラー送信要求を送信しても、応答が無い。ソース機器1は、所定の回数、応答が無かった場合、応答が無かったスピーカ機器2aがシステム異常を起こしていると判断して、そのスピーカ機器2aに対してリセット要求、つまりリセット指示を送信する(ステップS64)。図13の例では、ステップS62,S63においてエラー送信要求を合計2回行っても応答が無い場合に、システム異常と判定している。
ステップS64での送信内容は(00,03,0000)である。ここで、最初の「00」はデバイスの種類が主制御部20であることを意味し、次の「03」はコマンドがリセットの指示であることを意味し、最後の「0000」は「このコマンドではコマンドパラメータが不要である」ことを意味している。
さらに、ソース機器1は、他の受信機(つまりスピーカ機器2b)との同期を図るため、全ての受信機に対する音声供給を停止すると共に、上記他の受信機に対して音量ゼロ指示及びリセット指示を送信する(ステップS65,S66)。
スピーカ機器2a,2b内では、リセット要求に対して、無線通信部21が主制御部20を含む他の回路にリセットを行う機能を持つ。よって、ステップS64,S66のリセット指示を受けたスピーカ機器2a,2bはこの機能によりリセットを実行する。リセットは、アナログ電源を遮断し、デジタル電源も遮断して再起動させる。
その後、ソース機器1は、全ての受信機に対し、エラー送信要求を送信し(ステップS67,S69)、全ての受信機からステータスとして正常状態であることを示すエラー情報(00,00)・・・(06,00)を受信した場合(ステップS68,S70)、システムが復帰したと判断し、音声出力を再開する。
以上のように、上記エラー関係情報は、温度測定値、電圧測定値、クロック測定値、クロック動作の有無のうち少なくとも1つの情報を含むことで、致命的なエラーを回避できる。なお、クロック動作の有無はクロック測定値を要求することにより得ることができるが、単に有無だけを要求してもよい。上記エラー関係情報としてこのような情報を要求することにより、ソース機器1は、エラーに関して必要な詳細情報を得ることができる。
(その他)
以上、本発明に係るシステムについて説明したが、このシステムはWiSAで前提としている技術を採用しないこともできる。例えば、WiSAでは、スピーカの1つ1つに無線で音声信号を受信できるIC(Integrated Circuit)チップを搭載しているが、1つのスピーカ機器に複数の信号処理部を設けてもよい。
また、図1〜図4で例示したソース機器やスピーカ機器におけるスピーカ部以外の部位はそれぞれ、例えばマイクロプロセッサ(又はDSP:Digital Signal Processor)、メモリ、バス、インターフェイス、リモコン等の周辺装置などのハードウェアと、これらのハードウェア上にて実行可能なソフトウェアとにより実現できる。上記ハードウェアの一部は集積回路/ICチップセットとして搭載することができ、その場合、上記ソフトウェアはこのメモリに記憶しておければよい。また、本発明の各構成要素の全てをハードウェアで構成してもよく、その場合についても同様に、そのハードウェアの一部を集積回路/ICチップセットとして搭載することも可能である。
また、上述した様々な構成例における機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、ソース機器や受信機に供給し、各装置内のマイクロプロセッサ又はDSPによりプログラムコードが実行されることによっても、本発明の目的が達成される。この場合、ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した様々な構成例の機能を実現することになり、このプログラムコード自体や、プログラムコードを記録した記録媒体(外部記録媒体や内部記憶装置)であっても、そのコードを制御側が読み出して実行することで、本発明を構成することができる。外部記録媒体としては、例えばCD−ROM又はDVD−ROMなどの光ディスクやメモリカード等の不揮発性の半導体メモリなど、様々なものが挙げられる。内部記憶装置としては、ハードディスクや半導体メモリなど様々なものが挙げられる。また、プログラムコードはインターネットからダウンロードして実行することや、放送波から受信して実行することもできる。
以上、本発明に係る音声無線伝送システムについて説明したが、その処理の手順を説明したように、本発明は、複数のスピーカ機器と、該複数のスピーカ機器に対して音声信号を無線通信で送信するソース機器と、を備えた音声無線伝送システムにおける音声無線伝送方法としての形態も採り得る。以下に示す以外の応用例や効果については、音声無線伝送システムについて説明した通りであり、その説明を省略する。
本発明の一実施形態に係る音声無線伝送方法は、上記スピーカ機器のエラー検出部が、音声出力に関わるエラーを検出する検出ステップと、上記スピーカ機器が、上記検出ステップで検出されたエラーの情報であるエラー情報をソース機器に無線通信で送信するステップと、上記ソース機器が、上記エラー情報を送信したスピーカ機器以外のスピーカ機器に対し、上記エラー情報に応じた動作要求を無線通信で送信するステップと、を有する。
本発明の他の実施形態に係る音声無線伝送方法は、スピーカ機器のD/Aコンバータが、ソース機器から無線通信で受信した音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変換する変換ステップと、スピーカ機器のアンプ部が、D/Aコンバータから出力されたアナログ信号を増幅する増幅ステップと、スピーカ機器のスピーカ部が、アンプ部から出力されたアナログ信号の音声を出力する出力ステップと、スピーカ機器のエラー検出部が、D/Aコンバータ及び/又はアンプ部におけるエラーの検出処理を実行するエラー検出ステップと、スピーカ機器の送信部が、エラー検出ステップでエラーを検出した場合にソース機器に無線通信でエラー情報を送信するステップと、ソース機器の受信部が、エラー情報を受信した場合、ソース機器の送信部が、エラー情報を送信したスピーカ機器以外のスピーカ機器に対し、そのエラー情報に応じた動作要求を無線通信で送信するステップと、を有する。
なお、上記プログラムコード自体は、換言すると、本発明の一実施形態や他の実施形態に係る音声無線伝送方法を、ソース機器側のコンピュータとスピーカ機器側のコンピュータとに実行させるためのプログラムである。以下に示す以外の応用例や効果については、音声無線伝送システムについて説明した通りであり、その説明を省略する。
本発明の一実施形態に係る音声無線伝送方法を実行させるためのプログラムは、スピーカ機器側のコンピュータに、音声出力に関わるエラーを検出する検出ステップと、上記検出ステップで検出されたエラーの情報であるエラー情報をソース機器に無線通信で送信するステップと、上記エラー情報を無線通信で送信可能な他のスピーカ機器から上記エラー情報を受信した上記ソース機器が無線通信で送信した、上記エラー情報に応じた動作要求を、無線通信で受信するステップと、を実行させるための受信側プログラムを含む。また、上記のプログラムは、ソース機器側のコンピュータに、上記エラー情報を送信したスピーカ機器以外のスピーカ機器に対し、上記エラー情報に応じた動作要求を無線通信で送信するステップを実行させるための送信側プログラムを含む。
本発明の他の実施形態に係る音声無線伝送方法を実行させるためのプログラムは、スピーカ機器側のコンピュータに、D/Aコンバータに指示することで、ソース機器から無線通信で受信した音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変換させる変換ステップと、アンプ部に指示することで、D/Aコンバータから出力されたアナログ信号を増幅させる増幅ステップと、アンプ部から出力されたアナログ信号の音声を、スピーカ部から出力する出力ステップと、D/Aコンバータ及び/又はアンプ部におけるエラーの検出処理を実行するエラー検出ステップと、エラー検出ステップでエラーを検出した場合にソース機器に無線通信でエラー情報を送信するステップと、を実行させるための受信側プログラムを含む。また、上記のプログラムは、ソース機器側のコンピュータに、エラー情報を受信した場合、エラー情報を送信したスピーカ機器以外のスピーカ機器に対し、そのエラー情報に応じた動作要求を無線通信で送信するステップ、を実行させるための送信側プログラムを含む。
以上のように、本発明の一実施形態に係る音声無線伝送システムは、複数のスピーカ機器と、該複数のスピーカ機器に対して音声信号を無線通信で送信するソース機器と、を備えた音声無線伝送システムであって、前記スピーカ機器は、音声出力に関わるエラーを検出するエラー検出部を有し、前記エラー検出部で検出されたエラーの情報であるエラー情報を前記ソース機器に無線通信で送信し、前記ソース機器は、前記エラー情報を送信したスピーカ機器以外のスピーカ機器に対し、前記エラー情報に応じた動作要求を無線通信で送信することを特徴としたものである。これにより、或る1台のスピーカ機器でエラーが発生した場合に、他のスピーカ機器で同様のエラーが生じる可能性を、ソース機器側からの制御により迅速に低減することができ、場合によっては同様のエラーを未然に防ぐことができるといった効果が得られる。
また、前記スピーカ機器は、アナログ回路に電力を供給するアナログ電源部と、デジタル回路に電力を供給するデジタル電源部と、前記音声信号を受信する無線受信部と、制御部と、前記無線受信部で受信した前記音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、該D/Aコンバータから出力されたアナログ信号を増幅するアンプ部と、該アンプ部から出力されたアナログ信号の音声を出力するスピーカ部と、を有することを特徴としたものである。これにより、このような構成のスピーカ機器を備えた音声無線伝送システムにおいて、上記効果を得ることができる。
ここで、前記エラー検出部は、前記アナログ電源部、前記デジタル電源部、前記無線受信部、前記制御部、前記D/Aコンバータ、前記アンプ部、前記スピーカ部のうち、少なくとも1つについてエラーの検出処理を実行するようにすればよい。これにより、このような構成のスピーカ機器を備えた音声無線伝送システムにおいて、上記効果を得ることができる。
また、前記アンプ部及び前記スピーカ部は、前記無線受信部と同じ筐体又は別の筐体に設けられていることが好ましい。これにより、様々な関係の配置に対応することが可能になる。
また、前記エラー情報は、過電流警告、電圧降下警告、過温度警告、電圧異常警告、電流オフセット警告、クロック異常警告、クロック停止警告、システム異常警告のうち、少なくとも1つの警告を示す情報を含むようにしてもよい。これにより、ソース機器は、監視対象の警告をエラー情報として受信することができる。
また、前記ソース機器は、前記エラー情報を送信したスピーカ機器又は前記複数のスピーカ機器の一部又は全てに対して、受信した前記エラー情報が示すエラーに関係する情報であるエラー関係情報の測定、検出を指示することが好ましい。これにより、ソース機器がエラーの詳細情報を得ることができる。
また、前記エラー関係情報は、温度測定値、電圧測定値、クロック測定値、クロック動作の有無のうち、少なくとも1つの情報を含むようにしてもよい。これにより、ソース機器は、エラーに関して必要な詳細情報を得ることができ、致命的なエラーを回避できる。
また、前記ソース機器は、前記エラー情報を受信した場合、エラーが発生した旨を示す情報を表示する表示部をさらに有することが好ましい。これにより、1つのスピーカ機器で発生したエラーに対して、受信側のシステム全体を迅速に停止するなどの処理が可能になるだけでなく、そのエラーの内容をユーザに直ぐに知らせることができる。
本発明の他の実施形態に係る音声無線伝送システムは、複数のスピーカ機器と、該複数のスピーカ機器に対して音声信号を無線通信で送信するソース機器と、を備えた音声無線伝送システムであって、前記スピーカ機器は、前記ソース機器から無線通信で受信した音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、該D/Aコンバータから出力されたアナログ信号を増幅するアンプ部と、該アンプ部から出力されたアナログ信号の音声を出力するスピーカ部と、前記D/Aコンバータ及び/又は前記アンプ部におけるエラーの検出処理を実行するエラー検出部と、を有し、該エラー検出部で検出されたエラーの情報であるエラー情報を前記ソース機器に無線通信で送信し、前記ソース機器は、前記エラー情報を受信した場合、前記エラー情報を送信したスピーカ機器以外のスピーカ機器に対し、前記エラー情報に応じた動作要求を無線通信で送信することを特徴としたものである。これにより、或る1台のスピーカ機器でエラーが発生した場合に、他のスピーカ機器で同様のエラーが生じる可能性を、ソース機器側からの制御により迅速に低減することができ、場合によっては同様のエラーを未然に防ぐことができる。
また、前記ソース機器は、前記エラー情報に応じて送信させる動作要求を記述したテーブルを有するようにしてもよい。これにより、エラー発生時の他のスピーカ機器への動作要求信号を直ぐに送信できる。
また、前記ソース機器は、前記エラー情報を受信した場合、前記エラー情報を送信したスピーカ機器以外のスピーカ機器に対し、動作停止要求を無線通信で送信するようにしてもよい。これにより、他のスピーカ機器でのエラー発生をより回避させることができる。
また、前記ソース機器は、前記エラー情報を受信した場合、エラーが発生した旨を示す情報を表示する表示部をさらに有するようにしてもよい。これにより、1つのスピーカ機器で発生したエラーに対して、受信側のシステム全体を迅速に停止するなどの処理が可能になるだけでなく、そのエラーの内容をユーザに直ぐに知らせることができる。
また、前記スピーカ機器は、前記D/Aコンバータ及び前記アンプ部を制御する制御部を有し、前記エラー検出部は、前記D/Aコンバータ及び/又は前記アンプ部におけるエラーの検出処理に加え、前記制御部におけるエラーの検出処理を行うようにしてもよい。これにより、D/Aコンバータやアンプ部のエラーだけでなく、D/Aコンバータやアンプ部を制御する制御部のエラーにも対処することができる。
また、前記スピーカ機器は、前記ソース機器から無線通信で受信した音声信号に対し、所定の信号処理を施す信号処理部をさらに有し、前記D/Aコンバータは、前記信号処理部で処理後の音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変換し、前記エラー検出部は、前記D/Aコンバータ及び/又は前記アンプ部におけるエラーの検出処理に加え、前記信号処理部におけるエラーの検出処理を行うようにしてもよい。これにより、D/Aコンバータやアンプ部のエラーだけでなく、信号処理部のエラーにも対処することができる。
また、前記スピーカ機器には、前記D/Aコンバータが1又は複数台設けられている。これにより、様々な関係の配置に対応することが可能になる。
また、前記スピーカ部は、前記D/Aコンバータと同じ筐体に設けられていることが好ましい。これにより、製品として流通する場合にスピーカ部とD/Aコンバータやアンプ部が破綻しないような整合された音声を出力するように設定されているため、音声無線伝送システムとしても良質の音声を出力できる。
若しくは、前記スピーカ部は、前記D/Aコンバータと異なる筐体に設けられ、前記D/Aコンバータと有線で接続されているようにしてもよい。これにより、既にユーザが所有しているスピーカを受信機に接続するだけで、本発明の音声無線伝送システムを利用し、その効果を享受することができる。
また、本発明は、次のように、前記音声無線伝送システムにおける前記スピーカ機器としての形態や前記ソース機器としての形態も採り得る。以下に示す以外の応用例については、音声無線伝送システムについて説明した通りであり、その説明を省略する。
本発明の一実施形態に係るスピーカ機器は、ソース機器から無線通信で送信された音声信号を受信する無線受信部を有するスピーカ機器であって、音声出力に関わるエラーを検出するエラー検出部を有し、前記エラー検出部で検出されたエラーの情報であるエラー情報を前記ソース機器に無線通信で送信し、前記エラー情報を無線通信で送信可能な他のスピーカ機器から前記エラー情報を受信した前記ソース機器が無線通信で送信した、前記エラー情報に応じた動作要求を、無線通信で受信することを特徴としたものである。これにより、或る1台のスピーカ機器でエラーが発生した場合に、他のスピーカ機器で同様のエラーが生じる可能性を、ソース機器側からの制御により迅速に低減することができ、場合によっては同様のエラーを未然に防ぐことができる。
本発明の他の実施形態に係るスピーカ機器は、ソース機器から無線通信で送信された音声信号を受信するスピーカ機器であって、前記ソース機器から無線通信で受信した音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、該D/Aコンバータから出力されたアナログ信号を増幅するアンプ部と、該アンプ部から出力されたアナログ信号の音声を出力するスピーカ部と、前記D/Aコンバータ及び/又は前記アンプ部におけるエラーの検出処理を実行するエラー検出部と、を有し、該エラー検出部で検出されたエラーの情報であるエラー情報を前記ソース機器に無線通信で送信し、前記エラー情報を無線通信で送信可能な他のスピーカ機器から前記エラー情報を受信した前記ソース機器が無線通信で送信した、前記エラー情報に応じた動作要求を、無線通信で受信することを特徴としたものである。これにより、或る1台のスピーカ機器でエラーが発生した場合に、他のスピーカ機器で同様のエラーが生じる可能性を、ソース機器側からの制御により迅速に低減することができ、場合によっては同様のエラーを未然に防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係るソース機器は、複数のスピーカ機器に対して音声信号を無線通信で送信するソース機器であって、前記スピーカ機器は、音声出力に関わるエラーを検出するエラー検出部を有し、前記エラー検出部で検出されたエラーの情報であるエラー情報を前記ソース機器に無線通信で送信し、前記ソース機器は、前記エラー情報を送信したスピーカ機器以外のスピーカ機器に対し、前記エラー情報に応じた動作要求を無線通信で送信することを特徴としたものである。これにより、或る1台のスピーカ機器でエラーが発生した場合に、他のスピーカ機器で同様のエラーが生じる可能性を、ソース機器側からの制御により迅速に低減することができ、場合によっては同様のエラーを未然に防ぐことができる。
本発明の他の実施形態に係るソース機器は、複数のスピーカ機器に対して音声信号を無線通信で送信するソース機器であって、前記スピーカ機器は、前記ソース機器から無線通信で受信した音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、該D/Aコンバータから出力されたアナログ信号を増幅するアンプ部と、該アンプ部から出力されたアナログ信号の音声を出力するスピーカ部と、前記D/Aコンバータ及び/又は前記アンプ部におけるエラーの検出処理を実行するエラー検出部と、を有し、該エラー検出部で検出されたエラーの情報であるエラー情報を前記ソース機器に無線通信で送信し、前記ソース機器は、前記ソース機器に無線通信で送信された前記エラー情報を受信した場合、前記エラー情報を送信したスピーカ機器以外のスピーカ機器に対し、前記エラー情報に応じた動作要求を無線通信で送信することを特徴としたものである。これにより、或る1台のスピーカ機器でエラーが発生した場合に、他のスピーカ機器で同様のエラーが生じる可能性を、ソース機器側からの制御により迅速に低減することができ、場合によっては同様のエラーを未然に防ぐことができる。