以下、発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
[AVシステムの構成例]
図1は、実施の形態としてのAV(Audio Visual)システム5の構成例を示している。このAVシステム5は、ディスクレコーダ等のソース機器10と、N個のテレビ受信機等のシンク機器30-1〜30-Nを有している。ここで、ソース機器10は送信装置を構成し、シンク機器30-1〜30-Nは受信装置を構成している。
ソース機器10は、シンク機器30-1〜30-Nに、伝送媒体(伝送路)を介して、コンテンツデータとしてのAVストリームをブロードキャスト送信する機能を有する。また、ソース機器10は、シンク機器30-1〜30-Nに伝送媒体を介して情報を送信する機能を有する。また、ソース機器10は、シンク機器30-1〜30-Nから伝送媒体を介して送られてくる情報を受信する機能を有する。ここで、伝送媒体として、有線あるいは無線が使用される。
シンク機器30-1〜30-Nは、ソース機器10から上述したようにブロードキャスト送信されたAVストリームを受信して再生する機能を有する。また、シンク機器30-1〜30-Nは、ソース機器10から伝送媒体を介して送られてくる情報を受信する機能を有する。また、シンク機器30-1〜30-Nは、ソース機器10に、伝送媒体を介して、情報を送信する機能を有する。
シンク機器30-1〜30-Nは、自身の性能(Configuration/capability)に関する情報であるEDID(Extended Display Identification Data)を記憶しているEDID ROM(Read Only Memory)30a-1〜30a-Nを有している。EDID ROM30a-1〜30a-Nに記憶されているEDIDには、それぞれ、シンク機器30-1〜30-Nが対応可能なビデオフォーマット、オーディオフォーマットの情報も含まれている。
ソース機器10は、上述の情報の送受信の機能を用いて、シンク機器30-1〜30-NのEDID ROM30a-1〜30a-NからそれぞれEDIDを読み出す。そして、ソース機器10は、EDID内のビデオおよびオーディオのフォーマット情報に基づいて、AVストリームの伝送データフォーマット(ビデオフォーマットおよびオーディオフォーマット)を決定する。この場合、ソース機器10は、シンク機器30-1〜30-Nの全てが対応可能となるように、伝送データフォーマットを決定する。なお、ソース機器10における伝送データフォーマットの決定方法の詳細は後述する。
図1に示すAVシステム5において、ソース機器10からシンク機器30-1〜30-NにコンテンツデータとしてのAVストリームをブロードキャスト送信する際の動作を説明する。
ソース機器10では、AVストリームの伝送データフォーマットを決定することが行われる。この場合、ソース機器10では、情報の送受信機能が用いられて、シンク機器30-1〜30-NのEDID ROM30a-1〜30a-NからそれぞれEDIDを読み出すことが行われる。
ソース機器10では、EDID内のビデオおよびオーディオのフォーマット情報に基づいて、AVストリームにおけるビデオおよびオーディオの伝送フォーマットが、シンク機器30-1〜30-Nの全てが対応可能となるように決定される。そして、ソース機器10では、上述したように決定された伝送データフォーマットによるAVストリームが、シンク機器30-1〜30-Nに、ブロードキャスト送信される。
シンク機器30-1〜30-Nでは、ソース機器10から上述したようにブロードキャスト送信されたAVストリームが受信される。このAVストリームにおけるビデオおよびオーディオの伝送フォーマットは、上述したようにシンク機器30-1〜30-Nの全てで対応可能とされている。そのため、シンク機器30-1〜30-Nでは、受信されたAVストリームが再生される。
[AVストリームおよび情報の無線伝送を実現するための物理レイヤ例]
AVストリームおよび情報の無線伝送を実現するための物理レイヤ例を説明する。図2は、単一バンドを使用して、半二重通信を行う例を示している。ソース機器は各シンク機器に、単一バンドを用いて、ダウンリンクブロックを、非送信区間を挟んで順次送信する。また、シンク機器は、ソース機器に、上述のダウンリンクブロックの非送信区間に、上述の単一バンドを用いて、アップリンクブロックを送信する。
ダウンリンクブロックのヘッダ部には、各シンク機器に向けたコントロール情報、および次の非送信区間(インターバル)でアップリンクブロックを送出すべきシンク機器等の情報が含まれている。ヘッダ部の後に、シンク機器で再生するAVストリームが配置されている。ソース機器は、規定長のダウンリンクブロックを送信した後、シンク機器がアップリンクブロックを送信できるようにバンドを解放する。
直前のダウンリンクブロックで指定されたシンク機器は、上述したソース機器のバンド解放後に、ソース機器に対してアンプリンクブロックを送信する。アップリンクブロックには、ソース機器からの要求により、各種コントロール情報、EDID情報等が含まれている。
図3は、デュアルバンド(第1、第2のバンド)を使用して、全二重通信を行う例を示している。ソース機器は各シンク機器に、第1のバンドを用いて、ダウンリンクブロックを順次送信する。また、ソース機器は、ソース機器に、第2のバンドを用いて、アップリンクブロックを送信する。ダウンリンクブロックおよびアップリンクブロックの内容は、詳細説明は省略するが、上述の単一バンドを使用した例と同様である。
図2の例のように単一のバンドを使用する場合、使用バンド数は1つである。しかし、ソース機器は、ダウンリンクブロックの送信後にバンドを解放してシンク機器からのアップリンクブロックを受信する必要がある。また、シンク機器は、ダウンリンクブロックの非送信区間(インターバル)に同期して、アップリンクブロックをソース機器に送信する必要がある。
これに対して、図3の例のようにデュアルバンドを使用する場合、使用バンド数が2つとなる。しかし、ソース機器はバンドを解放することなく、ダウンリンクブロックを連続して送信できる。また、シンク機器は、ソース機器からの要求に対してタイミングを気にせずに、ダウンリンクブロックとは非同期に、アップリンクブロックをソース機器に送信できる。
[ソース機器、シンク機器の構成例]
ソース機器10およびシンク機器30(30-1〜30-N)の構成例を説明する。
最初に、ソース機器10の構成例について説明する。図4は、ソース機器10としてのディスクレコーダ10Aの構成例を示している。ディスクレコーダ10Aは、制御部11と、ユーザ操作部12と、表示部13と、ディスクドライブ14と、コーデック15と、外部装置を接続するための端子16と、パケット生成・分離部17と、通信部(無線/有線)18を有している。
制御部11は、ディスクレコーダ10Aの各部の動作を制御する。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read OnlyMemory)およびRAM(Random Access Memory)を備えている。ROMは、CPUの制御プログラム等を記憶している。RAMは、CPUの制御処理に必要なデータの一時記憶等に用いられる。
CPUは、ROMから読み出したプログラムやデータをRAM上に展開してプログラムを起動し、ディスクレコーダ10Aの各部の動作を制御する。また、CPUは、後述のように、EDIDをはじめ、シンク機器の各種情報、例えばテレビ/AVアンプ種別、およびテレビとAVアンプのペアリング情報、ダウンミックス機能の有無等の要求を、通信部18を通じて行う。また、CPUは、通信部18で受信した、シンク機器からの各種情報の解析を行う。
ユーザ操作部12および表示部13は、ユーザインタフェースを構成し、制御部11に接続されている。ユーザ操作部12は、ディスクレコーダ10Aの図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいは表示部13の表示面に配置されたタッチパネル、さらにはリモコン等で構成される。表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。
ディスクドライブ14は、コーデック15から供給される、ビデオデータ(映像信号)およびこのビデオデータに付随するオーディオデータ(音声信号)を、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式等でエンコードして得られるエンコードデータを、BD(Blu-ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等のディスク状記録媒体DCに記録する。また、ディスクドライブ14は、ディスク状記録媒体DCからエンコードデータを再生してコーデック15に供給する。
コーデック15は、ディスクドライブ14から供給されるエンコードデータを、ベースバンド(非圧縮)のビデオおよびオーディオのデータにMPEG方式等でデコードする。そして、コーデック15は、このビデオおよびオーディオのデータを、パケット生成・分離部17に供給すると共に、端子16に出力する。また、コーデック15は、図示しない外部装置から端子16に入力されるベースバンドのビデオおよびオーディオのデータを、エンコードデータにエンコードし、当該エンコードデータを、ディスクドライブ14に供給する。ここで、外部装置は、ハードディスクレコーダ(HDDレコーダ)、パーソナルコンピュータ、DVDレコーダ、ビデオカメラ等である。
パケット生成・分離部17は、コーデック15から供給されるビデオおよびオーディオのデータ、および各種情報を含む送信パケット、例えば上述のダウンリンクブロックを生成して、通信部18に供給する。また、このパケット生成・分離部17は、通信部18で受信された受信パケット、例えば上述のアップリンクブロックから各種情報を分離して、制御部11内のCPUに供給する。
通信部18は、パケット生成・分離部17で生成された送信パケット、例えば上述したダウンリンクブロックを、無線または有線の伝送媒体を介して、テレビ受信機等のシンク機器に向けてブロードキャスト送信する。また、この通信部18は、シンク機器から、無線または有線の伝送媒体を介して送られてくる受信パケット、例えば上述のアップリンクブロックを受信し、パケット生成・分離部17に供給する。
次に、シンク機器30(シンク機器30-1〜30-N)の構成例について説明する。図5は、シンク機器30としてのテレビ受信機30Aの構成例を示している。テレビ受信機30Aは、制御部31と、ユーザ操作部32と、EDIDROM42を有している。また、テレビ受信機30Aは、通信部(無線/有線)33と、パケット生成・分離部34と、切り替え器35と、チューナ36と、アンテナ端子37と、画像処理部38と、表示パネル39と、音声処理部40と、スピーカ41を有している。
制御部31は、テレビ受信機30Aの各部の動作を制御する。制御部31は、CPU、ROMおよびRAMを備えている。ROMは、CPUの制御プログラム等を記憶している。RAMは、CPUの制御処理に必要なデータの一時記憶等に用いられる。
CPUは、ROMから読み出したプログラムやデータをRAM上に展開してプログラムを起動し、テレビ受信機30Aの各部の動作を制御する。また、CPUは、ソース機器から送られてくるコントロール情報の解析を行う。また、CPUは、ソース機器からの要求に従ってEDIDをはじめ、シンク機器の各種情報を集めてパケット生成・分離部34に供給する。
ユーザ操作部32は、制御部31に接続されている。このユーザ操作部32は、テレビ受信機30Aの図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいはリモコン等で構成される。EDIDROM42には、テレビ受信機30Aの性能(Configuration/capability)に関する情報であるEDIDが記憶されている。このEDIDには、テレビ受信機30Aが対応可能なビデオフォーマット、オーディオフォーマットの情報も含まれている。このEDIDROM42は、制御部31に接続されている。このEDID ROM42は、例えば、EEPROM、あるいはフラッシュメモリ等で構成され、書き換え可能とされている。
通信部33は、ソース機器から、無線または有線の伝送媒体を介して送られてくる受信パケット、例えば上述のダウンリンクブロックを受信し、パケット生成・分離部34に供給する。また、通信部33は、パケット生成・分離部34で生成された送信パケット、例えば上述のアップリンクブロックを、無線または有線の伝送媒体を介して、ソース機器に送信する。
パケット生成・分離部34は、送信パケット、例えば上述のアップリンクブロックを生成して、通信部33に供給する。また、このパケット生成・分離部34は、ソース機器から無線または有線の伝送媒体を介して送られてくる受信パケット、例えば上述のダウンリンクブロックからビデオおよびオーディオのデータと、各種情報を分離抽出する。そして、パケット生成・分離部34は、ビデオおよびオーディオのデータを切り替え器35に供給する。また、パケット生成・分離部34は、ソース機器から送られてくる各種情報を制御部31内のCPUに供給する。
チューナ36は、例えばBS放送、地上波デジタル放送等を受信する。このチューナ36には、アンテナ端子37に接続された図示しないアンテナで捕らえられた放送信号が供給される。このチューナ36は、放送信号に基づいて、所定の番組のビデオおよびオーディオのデータを取得する。切り替え器35は、パケット生成・分離部34で抽出されたビデオおよびオーディオのデータまたはチューナ36で取得されたビデオおよびオーディオのデータを選択的に取り出す。
画像処理部38は、切り替え器35で取り出されたビデオデータに対して、色調整、輪郭強調、グラフィックスデータの重畳等の処理を行う。表示パネル39は、画像処理部38で処理されたビデオデータによる画像を表示する。表示パネル39は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)、PDP(Plasma Display Panel)等で構成される。
音声処理部40は、切り替え器35で取り出されたオーディオデータに対して、増幅、D/A変換等の必要な処理を行う。そして、音声処理部40は、処理後の音声信号をスピーカ41に供給する。
図6は、シンク機器30としてのAVアンプ30Bの構成例を示している。AVアンプ30Bは、制御部51と、ユーザ操作部52と、EDIDROM58を有している。また、AVアンプ30Bは、通信部(無線/有線)53と、パケット生成・分離部54と、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)55と、音声増幅回路56と、音声出力端子57a〜57fを有している。
制御部51は、AVアンプ30Bの各部の動作を制御する。制御部51は、CPU、ROMおよびRAMを備えている。ROMは、CPUの制御プログラム等を記憶している。RAMは、CPUの制御処理に必要なデータの一時記憶等に用いられる。
CPUは、ROMから読み出したプログラムやデータをRAM上に展開してプログラムを起動し、AVアンプ30Bの各部の動作を制御する。また、CPUは、ソース機器から送られてくるコントロール情報の解析を行う。また、CPUは、ソース機器からの要求に従ってEDIDをはじめ、シンク機器の各種情報を集めてパケット生成・分離部54に供給する。
ユーザ操作部52は、制御部51に接続されている。このユーザ操作部52は、AVアンプ30Bの図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいはリモコン等で構成される。EDIDROM58には、AVアンプ30Bの性能(Configuration/capability)に関する情報であるEDIDが記憶されている。このEDIDには、AVアンプ30Bが対応可能なオーディオフォーマットの情報も含まれている。このEDIDROM58は、制御部51に接続されている。このEDID ROM58は、例えば、EEPROM、あるいはフラッシュメモリ等で構成され、書き換え可能とされている。
通信部53は、ソース機器から、無線または有線の伝送媒体を介して送られてくる受信パケット、例えば上述のダウンリンクブロックを受信し、パケット生成・分離部54に供給する。また、通信部53は、パケット生成・分離部54で生成された送信パケット、例えば上述のアップリンクブロックを、無線または有線の伝送媒体を介して、ソース機器に送信する。
パケット生成・分離部54は、送信パケット、例えば上述のアップリンクブロックを生成して、通信部53に供給する。また、このパケット生成・分離部54は、ソース機器から無線または有線の伝送媒体を介して送られてくる受信パケット、例えば上述のダウンリンクブロックからオーディオデータと、各種情報を分離抽出する。そして、パケット生成・分離部54は、オーディオデータをDSP55に供給する。また、パケット生成・分離部54は、ソース機器から送られてくる各種情報を制御部51内のCPUに供給する。
DSP55は、パケット生成・分離部54で得られたオーディオデータを処理して、5.1chサラウンドを実現するための各チャネルの音声データを生成する処理、所定の音場特性を付与する処理、デジタル信号をアナログ信号に変換する処理等を行う。音声増幅回路56は、DSP55から出力されるフロントレフト音声信号SFL、フロントライト音声信号SFR、フロントセンタ音声信号SFCと、リアレフト音声信号SRL、リアライト音声信号SRRおよびサブウーファ音声信号Sswを増幅して、音声出力端子57a〜57fに出力する。
[伝送データフォーマットの決定方法]
ソース機器10における伝送データフォーマット(伝送ビデオフォーマット、伝送オーディオフォーマット)の決定方法の詳細を説明する。ソース機器10は、シンク機器30-1〜30-Nからそれぞれ取得したEDID内のビデオフォーマットの情報に基づいて、伝送ビデオフォーマットを決定する。また、ソース機器10は、シンク機器30-1〜30-Nからそれぞれ取得したEDID内のビデオフォーマットの情報に基づいて、伝送オーディオフォーマットを決定する。
伝送ビデオフォーマットの決定には、EDIDに含まれる、カラーフォーマット(Color Format)、ビデオ識別コード(Video IdentificationCode)、ディープカラーモード(Deep Color Mode)の情報が用いられる。また、伝送オーディオフォーマットの決定には、EDIDに含まれる、オーディオフォーマット、各オーディオフォーマットにおける最大チャネル数、サンプリング周波数および量子化ビット数の情報が用いられる。
図7は、EDID構造(Block1以降、HDMI用拡張部分)を示している。このEDID構造は、詳細説明は省略するが、EIA/CEA−861D規格で規定されている。
図7において、Video Data Blockの各CEA Short Video Descriptorに、当該シンク機器で表示可能なVideo Formatが定義される。図8は、CEA Short VideoDescriptorの詳細を示している。表示可能なVideo Formatは7ビットのVideo Identification Codeで指定される。図9は、VideoFormatとVideo Identification Code(Video ID Code)の対応を示している(一部抜粋)。
また、図7において、Audio Data Blockの各CEA Short Audio Descriptorに、当該シンク機器で再生可能なAudio Format、最大チャネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数が定義される。図10(a)〜(c)は、CEA Short Audio Descriptorの詳細を示している。このCEAShort Audio Descriptorは、Audio Formatの違いから、図10(a)〜(c)に示すように、3種類に分類されている。図10(a)は、「Audio Code=1: Linear-PCM」に対応したCEA ShortAudio Descriptorの詳細である。図10(b)は、「Audio Code=2-8」に対応したCEA Short Audio Descriptorの詳細である。図10(c)は、「AudioCode=9-15」に対応したCEA Short Audio Descriptorの詳細である。図11は、サポート可能なAudio Format Codeを示している。
また、図12は、Vendor Specific Data Block(VSDB)の構造を示す。Byte6に、シンク機器のディープカラーモードのサポート情報として、DC_48bit、DC_36bit、DC_30bit、およびDCY444が定義されている。なお、DCY444は、YCBCRのカラーフォーマットで、ディープカラーが許されているか否かを示す。
また、図7において、Byte3の Identification of Audio and YCBCRsupport に、当該シンク機器がサポートするカラーフォーマットが定義される。また、EDID構造の中に、図13に示すColorimetry Data Block が定義されている。このColorimetry Data Block のByte3のxvYCC709,xvYCC601でも、当該シンク機器がサポートするカラーフォーマットが定義される。
[伝送ビデオフォーマットの決定]
ソース機器10は、伝送ビデオフォーマットを決定するために、まず、シンク機器30-1〜30-Nが共通に対応可能なビデオフォーマットを示す共通リストを作成する。
この共通リストを作成する際に共通化する項目は、
a.カラーフォーマット種別(Color Format種別)
b.ビデオ識別コード種別(Video Identification Code種別)
c.ディープカラーモード種別(Deep Color Mode 種別)
の3点である。
「a.Color Format種別」の項目に関しては、図7に示すEDID構造の Byte3(RGB,YCBCR4:4:4, YCBCR 4:2:2)および図13に示す Colorimetry DataBlockの Byte3(xvYCC709, xvYCC601)が参照されて、共通項目が決定される。また、「b. Video Identification Code種別」の項目に関しては、図8に示す CEA Short Video Descriptorが参照されて、共通項目が決定される。さらに、「c. Deep Color Mode 種別」の項目に関しては、図12に示すVSDB構造のByte6(DC_48bit,DC_36bit,DC_30bit,DCY444)が参照されて、共通項目が決定される。
図14は、ビデオフォーマットに関する共通リストの作成例を示している。この例は、シンク機器が3台の場合を示している。カラーフォーマットに関して、シンク機器1はRGB,YCBCR4:4:4,YCBCR4:2:2,xvYCC601,xvYCC709をサポートしており、シンク機器2はRGB,YCBCR4:4:4,YCBCR4:2:2をサポートしており、シンク機器3はRGB,YCBCR4:4:4,YCBCR4:2:2をサポートしている。そのため、カラーフォーマットの共通項目は、RGB,YCBCR4:4:4,YCBCR4:2:2に決定される。なお、ソース機器およびシンク機器において、RGBをサポートすることがマンダトリー(必須)であり、その他のカラーフォーマットはオプション(随意)である。
また、ビデオフォーマットに関して、シンク機器1〜3は、それぞれ、以下のビデオフォーマットをサポートしている。シンク機器1は、01:640×480p@59.94/60Hz, 02:720×480p@59.94/60Hz, 03: 720×480p@59.94/60Hz,04: 1280×720p@59.94/60Hz, 05: 1920×1080i@59.94/60Hz, 16: 1920×1080p@59.94/60Hz,31: 1920×1080p@50Hz, 32: 1920×1080p@23.98/24Hzをサポートしている。シンク機器2は、01:640×480p@59.94/60Hz, 02:720×480p@59.94/60Hz, 03: 720×480p@59.94/60Hz,04: 1280×720p@59.94/60Hz, 05: 1920×1080i@59.94/60Hz, 32: 1920×1080p@23.98/24Hzをサポートしている。シンク機器3は、01:640×480p@59.94/60Hz, 02:720×480p@59.94/60Hz, 03: 720×480p@59.94/60Hz,04: 1280×720p@59.94/60Hz, 05: 1920×1080i@59.94/60Hz, 16: 1920×1080p@59.94/60Hz,31: 1920×1080p@50Hzをサポートしている。なお、各ビデオフォーマットの前の2桁の数字は、Video ID Code(図9参照)を示している。
そのため、ビデオフォーマットの共通項目は、01:640×480p@59.94/60Hz, 02:720×480p@59.94/60Hz, 03: 720×480p@59.94/60Hz,04: 1280×720p@59.94/60Hz, 05: 1920×1080i@59.94/60Hzに決定される。なお、ソース機器およびシンク機器において、01:640×480p@59.94/60Hz, 02:720×480p@59.94/60Hz, 03:720×480p@59.94/60Hz, 04: 1280×720p@59.94/60Hz,05: 1920×1080i@59.94/60Hzをサポートすることがマンダトリー(必須)であり、その他のビデオフォーマットはオプション(随意)である。
また、ディープカラーモードに関して、シンク機器1は DC_48bit,DC_36bit,DC_30bit,DCY444をサポートし、シンク機器2は DC_30bit,DCY444をサポートし、シンク機器3は DC_36bit,DC_30bit,DCY444をサポートしている。そのため、ディープカラーモードの共通項目は、DC_30bit,DCY444に決定される。
ソース機器10は、次に、上述のように作成される共通リストを用いて、伝送ビデオフォーマットとしての、カラーフォーマット、ビデオフォーマットおよびディープカラーモードを決定する。なお、この場合、ソース機器10は、カラーフォーマット、ビデオフォーマットおよびディープカラーモードの優先順位の保持情報を参照する。
図15は、ビデオフォーマットのうち、HDMIでよく使われているビデオフォーマットの優先順位を示している。図15に載っていない他のVideo Formatに関する優先度の判定基準については、オリジナルピクセルクロック数(Pixel Repetition Factor=0とした数値)の高い方を高優先度とする。また、例外として、1920x1080p@23.98/24Hzは、ソース機器と各シンク機器で共通にサポートしていた場合、これを最優先ビデオフォーマットとする。
図16は、カラーフォーマットの優先順位を示している。また、図17は、ディープカラーモードの優先順位を示している。図15、図16、図17において、いずれも、優先度の高い方が、高画質である。
ソース機器10の制御部(CPU)は、以下のようにして、伝送ビデオフォーマットを構成するビデオフォーマットを決定する。すなわち、制御部は、基本的には、送信対象のビデオデータ(映像ソース)のビデオフォーマットが、共通リストにあるときは、そのビデオフォーマットを伝送ビデオフォーマットに決定する。この場合、各シンク機器30-1〜30-Nでは、ソース機器10からブロードキャスト送信されるAVストリームのビデオフォーマットに対応可能となることから、再生が可能となる。つまり、ソース機器10から各シンク機器30-1〜30-NへのAVストリームのブロードキャスト送信を良好に行うことができる。
また、制御部は、送信対象のビデオデータのビデオフォーマットが共通リストにないときは、マンダトリー規格のビデオフォーマットを伝送ビデオフォーマットに決定する。このように決定されるときには、ソース機器10では、フォーマット変換部により、送信対象のビデオデータのビデオフォーマットが、マンダトリー規格のビデオフォーマットに変換されることになる。図4に示すディスクレコーダ10Aにおいては、フォーマット変換部は、例えばコーデック15内に備えられる。
この場合、各シンク機器30-1〜30-Nでは、ソース機器10からブロードキャスト送信されるAVストリームのビデオフォーマットがマンダトリー規格のビデオフォーマットであり、それに対応可能となり、再生が可能となる。つまり、映像ソース(送信対象のビデオデータ)のビデオフォーマットが共通リスト(ビデオ)にない場合であっても、ソース機器10から各シンク機器30-1〜30-NへのAVストリームのブロードキャスト送信を良好に行うことができる。
また、制御部は、共通リストに送信対象のビデオデータのビデオフォーマットより優先順位の高いビデオフォーマットがあり、かつフォーマット変換部においてこの優先順位の高いビデオフォーマットへの変換が可能であるとき、この優先順位の高いビデオフォーマットを伝送ビデオフォーマットに決定する。このように決定される場合には、ソース機器10では、フォーマット変換部により、送信対象のビデオデータのビデオフォーマットが、上述の優先順位の高いビデオフォーマットに変換されることになる。
この場合、映像ソース(送信対象のビデオデータ)は、優先順位の高いビデオフォーマットに変換されて、ソース機器10から複数のシンク機器30-1〜30-Nにブロードキャスト送信される。そのため、優先順位の高いビデオフォーマットほど高品質なビデオフォーマットであるとして、各シンク機器30-1〜30-Nでは、より高品質なビデオデータを受信でき、表示品質の向上を図ることができる。
詳細説明は省略するが、ソース機器10の制御部(CPU)は、上述したビデオフォーマットと同様にして、伝送ビデオフォーマットを構成するカラーフォーマットおよびディープカラーモードを決定する。
[伝送オーディオフォーマットの決定]
ソース機器10は、伝送オーディオフォーマットを決定するために、まず、シンク機器30-1〜30-Nが共通に対応可能なオーディオフォーマットを示す共通リストを作成する。
この共通リストを作成する際に共通化する項目は、
a. オーディオフォーマット種別
b. 各オーディオフォーマットにおける
b-1.最大チャネル数
b-2.サンプリング周波数
b-3.量子化ビット数
である。
各項目に関しては、図10(a)〜(c)に示すCEA Audio Descriptorが参照されて、共通項目が決定される。
図18は、オーディオフォーマットに関する共通リストの作成例を示している。この例は、シンク機器が3台の場合を示している。シンク機器1は、Audio Format Code=1(Linear-PCM)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number ofChannels=7(8ch),192/176.4/96/88.2/48/44.1/32kHz,24/20/16bitをサポートしている。また、シンク機器1は、Audio Format Code=6(AAC)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number of Channels=7(8ch),192/176.4/96/88.2/48/44.1/32kHzをサポートしている。
また、シンク機器1は、Audio Format Code=7(DTS)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number of Channels=7(8ch),192/176.4/96/88.2/48/44.1/32kHzをサポートしている。また、シンク機器1は、Audio Format Code=10(Dolby Digital+)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number of Channels=7(8ch),192/176.4/96/88.2/48/44.1/32kHzをサポートしている。さらに、シンク機器1は、Audio Format Code=11(DTS-HD)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number of Channels=7(8ch),192/176.4/96/88.2/48/44.1/32kHzをサポートしている。
シンク機器2は、Audio Format Code=1(Linear-PCM)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number of Channels=5(6ch),96/88.2/48/44.1/32kHz,24/20/16bitをサポートしている。また、シンク機器2は、Audio Format Code=7(DTS)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number of Channels=5(6ch),96/88.2/48/44.1/32kHzをサポートしている。
また、シンク機器2は、Audio Format Code=10(Dolby Digital+)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number of Channels=5(6ch),96/88.2/48/44.1/32kHzをサポートしている。さらに、シンク機器2は、Audio Format Code=11(DTS-HD)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number of Channels=5(6ch),96/88.2/48/44.1/32kHzをサポートしている。
シンク機器3は、Audio Format Code=1(Linear-PCM)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number of Channels=3(4ch),48/44.1/32kHz,24/20/16bitをサポートしている。また、シンク機器3は、Audio Format Code=10(Dolby Digital+)をサポートしており、このフォーマットにおいて、Max number of Channels=3(4ch),48/44.1/32kHzをサポートしている。
従って、オーディオフォーマットの共通項目は、シンク機器1〜3で共通に対応可能なように、Audio Format Code=1(Linear-PCM), Audio Format Code=10(DolbyDigital+)に決定される。また、Audio Format Code=1(Linear-PCM)のオーディオフォーマットにおいて、最大チャネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数は、シンク機器1〜3で共通に対応可能なように、Max number of Channels=3(4ch),48/44.1/32kHz,24/20/16bitに決定される。また、Audio Format Code=10(Dolby Digital+)のオーディオフォーマットにおいて、最大チャネル数、サンプリング周波数は、シンク機器1〜3で共通に対応可能なように、Max number of Channels=3(4ch),48/44.1/32kHzに決定される。
この場合、オーディオフォーマットに関しては、シンク機器1〜3で共通に持つものとされる。また、シンク機器1〜3で共通に対応可能な最大チャネル数は、シンク機器1〜3の最大チャネル数のうちで最小のチャネル数となる。さらに、サンプリング周波数、量子化ビット数に関しては、シンク機器1〜3で共通に持つものとされる。
ソース機器10は、次に、上述のように作成される共通リストを用いて、伝送オーディオフォーマットとしての、オーディオフォーマット、最大チャネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数を決定する。なお、この場合、ソース機器10は、オーディオフォーマットの優先順位の保持情報を参照する。
図19は、音質を基準に、図11中の各オーディオフォーマットの優先順位を示したものである。上位のフォーマットほど高音質となる。ただし、図19は一例を示したもので絶対的なものではない。
ソース機器10の制御部(CPU)は、以下のようにして、伝送オーディオフォーマットを構成するオーディオフォーマットを決定する。すなわち、制御部は、基本的には、送信対象のオーディオデータ(音声ソース)のオーディオフォーマットが、共通リストにあるときは、そのオーディオフォーマットを伝送オーディオフォーマットに決定する。この場合、各シンク機器30-1〜30-Nでは、ソース機器10からブロードキャスト送信されるAVストリームのオーディオフォーマットに対応可能となることから、再生が可能となる。つまり、ソース機器10から各シンク機器30-1〜30-NへのAVストリームのブロードキャスト送信を良好に行うことができる。
なお、共通リストに送信対象のオーディオデータのオーディオフォーマットより優先順位の高いビデオフォーマットがあり、かつフォーマット変換部においてこの優先順位の高いオーディオフォーマットへの変換が可能であるとき、制御部は、この優先順位の高いオーディオフォーマットを伝送オーディオフォーマットに決定してもよい。
この場合、音声ソース(送信対象のオーディオデータ)は、優先順位の高いオーディオフォーマットに変換されて、ソース機器10から複数のシンク機器30-1〜30-Nにブロードキャスト送信される。そのため、優先順位の高いオーディオフォーマットほど高品質なオーディオフォーマットであるとして、各複数のシンク機器30-1〜30-Nでは、より高品質なオーディオデータを受信でき、再生品質の向上を図ることができる。
また、制御部は、送信対象のオーディオデータのオーディオフォーマットが共通リストにない場合には、以下のようにして伝送オーディオフォーマットを決定する。すなわち、作成された共通リストに、各シンク機器が共通に対応可能なオーディオフォーマットがあり、フォーマット変換部においてそのオーディオフォーマットへの変換が可能であるとき、制御部は、そのオーディオフォーマットを伝送オーディオフォーマットに決定する。
また、作成された共通リストに、各シンク機器が共通に対応可能なオーディオフォーマットがあるが、フォーマット変換部においてそのオーディオフォーマットへの変換が不可能であるとき、制御部は、マンダトリー規格のオーディオフォーマットであるLinear-PCM,2chを伝送オーディオフォーマットに決定する。さらに、作成された共通リストに、各シンク機器が共通に対応可能なオーディオフォーマットがないときも、制御部は、マンダトリー規格のオーディオフォーマットであるLinear-PCM,2chを伝送オーディオフォーマットに決定する。この場合、各シンク機器30-1〜30-Nでは、ソース機器10からブロードキャスト送信されるAVストリームのオーディオオフォーマットがマンダトリー規格のオーディオフォーマットであり、それに対応可能となり、再生が可能となる。つまり、音声ソース(送信対象のオーディオデータ)のオーディオフォーマットが共通リスト(オーディオ)にない場合等であっても、ソース機器10から各シンク機器30-1〜30-NへのAVストリームのブロードキャスト送信を良好に行うことができる。
上述の伝送オーディオフォーマットの決定に伴って、制御部は、必要に応じて、オーディオフォーマットの変換、さらにはダウンミックス、サンプリング周波数変換、量子化ビット数変換を行う。
[ソース機器のスタートアップ時の動作]
図1に示すAVシステム10において、シンク機器30-1〜30Nの1つ以上がスタンバイ状態であって、ソース機器10の電源が投入されたときの動作を説明する。このとき、ソース機器10の制御部(CPU)は、図20〜図23のフローチャートに示す制御処理(イニシャル処理)を行う。
制御部は、まず、ステップST1において、処理を開始する。そして、制御部は、ステップST2において、スタンバイ状態のシンク機器から、順次、EDIDを読み出す。ここで、シンク機器30-1〜30-Nのスタンバイ状態とは、ソース機器10からAVストリームを受信して再生可能な状態を意味する。
次に、制御部は、ステップST3において、スタンバイ状態の各シンク機器のEDID内のビデオフォーマット情報に基づいて、スタンバイ状態の各シンク機器が共通に対応可能なビデオフォーマットを示す共通リスト(ビデオ)を作成する(図14参照)。
また、制御部は、ステップST3において、スタンバイ状態の各シンク機器のEDID内のオーディオフォーマット情報に基づいて、スタンバイ状態のシンク機器が共通に対応可能なオーディオフォーマットを示す共通リスト(オーディオ)を作成する(図18参照)。
次に、制御部は、ステップST4において、映像ソース(送信対象のビデオデータ)のカラーフォーマットがxvYCCであるか否かを判断する。カラーフォーマットがxvYCCであるとき、制御部は、ステップST5において、共通リスト(ビデオ)にxvYCCがあるか否かを判断する。xvYCCがあるとき、制御部は、ステップST6において、伝送カラーフォーマットをxvYCCに決定し、その後に、ステップST14の処理に移る。
また、ステップST5で共通リスト(ビデオ)にxvYCCがないとき、制御部は、ステップST7において、伝送カラーフォーマットをマンダトリー規格であるRGBに決定し、その後に、ステップST14の処理に移る。
また、制御部は、ステップST4で映像ソースのカラーフォーマットがxvYCCでないとき、ステップST8において、映像ソースのカラーフォーマットがRGBであるか否かを判断する。カラーフォーマットがRGBであるとき、制御部は、ステップST9において、伝送カラーフォーマットをRGBに決定する。なお、制御部は、このステップST9において、共通リスト(ビデオ)にxvYCCがあり、かつソース機器10のフォーマット変換部で変換可能ならば、伝送カラーフォーマットをxvYCCに決定してもよい。制御部は、このステップST9の処理の後、ステップST14の処理に移る。
また、制御部は、ステップST8において、映像ソースのカラーフォーマットがRGBでないとき、ステップST10において、映像ソースのカラーフォーマットがYCBCRであるか否かを判断する。映像ソースのカラーフォーマットがYCBCRであるとき、制御部は、ステップST11において、共通リスト(ビデオ)にYCBCRがあるか否かを判断する。共通リスト(ビデオ)にYCBCRがないとき、制御部は、ステップST9において、上述したように伝送カラーフォーマットをRGBあるいはxvYCCに決定し、その後にステップST14の処理に移る。
また、ステップST11で共通リスト(ビデオ)にYCBCRがあるとき、制御部は、ステップST12において、伝送カラーフォーマットをYCBCRに決定する。なお、制御部は、このステップST11において、共通リスト(ビデオ)にxvYCCがあり、かつソース機器10のフォーマット変換部で変換可能ならば、伝送カラーフォーマットをxvYCCに決定してもよい。制御部は、このステップST11の処理の後、ステップST14の処理に移る。
また、ステップST10で映像ソースのカラーフォーマットがYCBCRでないとき、制御部は、エラー(表示不可)であるとして、直ちに、ステップST14の処理に移る。上述のステップST4〜ステップST13の処理は、伝送カラーフォーマットを決定するための処理である。
ステップST14において、制御部は、映像ソースのビデオフォーマットが共通リスト(ビデオ)に存在するか否かを判断する。共通リスト(ビデオ)に映像ソースのビデオフォーマットが存在するとき、制御部は、ステップST15において、映像ソースのビデオフォーマットを伝送ビデオフォーマットに決定する。なお、制御部は、このステップST15において、アップコンバート可能な優先度上位ビデオフォーマットが共通リスト(ビデオ)にあるときは、そのうちの最上位ビデオフォーマットを、伝送ビデオフォーマットに決定してもよい。制御部は、ステップST15の処理の後、ステップST21の処理に移る。
また、ステップST14で映像ソースのビデオフォーマットが共通リスト(ビデオ)にないときは、制御部は、ステップST16において、アップコンバート可能な優先度上位ビデオフォーマットが共通リスト(ビデオ)にあるか否かを判断する。アップコンバート可能な優先度上位ビデオフォーマットが共通リスト(ビデオ)にあるとき、制御部は、ステップST17において、アップコンバート可能なうちの最上位ビデオフォーマットを、伝送ビデオフォーマットに決定する。制御部は、このステップST17の処理の後、ステップST21の処理に移る。
また、ステップST16でアップコンバート可能な優先度上位ビデオフォーマットが共通リスト(ビデオ)にないとき、制御部は、ステップST18において、ダウンコンバート可能なビデオフォーマットが共通リストにあるか否かを判断する。ダウンコンバート可能な優先度上位ビデオフォーマットが共通リスト(ビデオ)にあるとき、制御部は、ステップST19において、ダウンコンバート可能なうちの最上位ビデオフォーマットを、伝送ビデオフォーマットに決定する。制御部は、このステップST19の処理の後、ステップST21の処理に移る。
また、ステップST18でダウンコンバート可能なビデオフォーマットが共通リスト(ビデオ)にないとき、制御部は、ステップST20において、ビデオデータの伝送不可として、ステップST21の処理に移る。ステップST14〜ステップST20の処理は、伝送ビデオフォーマットを決定するための処理である。
ステップST21において、制御部は、映像ソースが、ディープカラーモードであるか否かを判断する。ディープカラーモードでないとき、制御部は、ステップST22において、24bit Color Modeに決定する。なお、制御部は、このステップST22において、変換可能ならば、共通リスト(ビデオ)上の優先度最上ディープカラーモードに決定する。制御部は、このステップST22の処理の後、ステップST28の処理に移る。
また、制御部は、ステップST21で映像ソースがディープカラーモードであるとき、ステップST23において、映像ソースのディープカラービット数が共通リスト(ビデオ)にあるか否かを判断する。映像ソースのディープカラービット数が共通リスト(ビデオ)にあるとき、制御部は、ステップST24において、映像ソースのディープカラービット数を、伝送ディープカラービット数に決定する。制御部は、このステップST24の処理の後、ステップST28の処理に移る。
また、制御部は、ステップST23で映像ソースのディープカラービット数が共通リスト(ビデオ)にないとき、ステップST25において、Non-Deep Color Mode(24bit)に変換可能か否かを判断する。Non-Deep Color Mode(24bit)に変換可能であるとき、制御部は、ステップST26において、24bit Color Modeに決定する。制御部は、このステップST26の処理の後、ステップST28の処理に移る。
また、制御部は、ステップST25でNon-Deep Color Mode(24bit)に変換可能できないとき、ステップST27において、ビデオデータの伝送不可として、ステップST21からステップST27の処理に移る。ステップST21〜ステップST27の処理は、伝送ディープカラーモードを決定するための処理である。
制御部は、ステップST28において、音声ソース(送信すべきオーディオデータ)のAudio Format codeが共通リスト(オーディオ)にあるか否かを判断する。共通リストにオーディオ)に音声ソースのAudio Format codeがあるとき、制御部は、ステップST29の処理に移る。このステップST29において、制御部は、音声ソースのオーディオフォーマットを伝送オーディオフォーマットに決定する。なお、制御部は、ステップST29において、変換可能ならば共通リスト(オーディオ)上の他の優先度上位のオーディオフォーマットを伝送オーディオフォーマットに決定してもよい。さらに、制御部は、このステップST29において、必要に応じて、ダウンミックス、サンプリング周波数変換、量子化ビット数変換を行う。制御部は、このステップST29の処理の後、ステップST31において、イニシャル処理を終了する。
また、ステップST28で共通リスト(オーディオ)に音声ソースのAudio Format codeがないとき、制御部は、ステップST30の処理に移る。このステップST30において、制御部は、共通リスト(オーディオ)上に変換可能なオーディオフォーマットがある場合、優先度上位のオーディオフォーマットに決定する。また、制御部は、このステップST30において、共通リスト(オーディオ)に変換可能なオーディオフォーマットがないとき、マンダトリー規格のオーディオフォーマットであるLinear-PCM,2chを伝送オーディオフォーマットに決定する。さらに、制御部は、このステップST30において、必要に応じて、ダウンミックス、サンプリング周波数変換、量子化ビット数変換を行う。制御部は、このステップST30の処理の後、ステップST31において、イニシャル処理を終了する。上述のステップST28〜ステップST30の処理は、伝送オーディオフォーマットを決定するための処理である。
[その他の動作]
「シンク機器スタートアップ時」
図1に示すAVシステム5において、ソース機器がスタンバイ状態であって、シンク機器30-1〜30Nのいずれかの電源が投入された時の動作は、上述したソース機器10の電源投入時の動作と同じである。ここで、ソース機器10のスタンバイ状態とは、シンク機器からの要求でAVストリームを伝送できる状態を意味する。
「AVストリーム伝送中に別シンク機器の電源が投入された時」
AVストリーム伝送中に別シンク機器の電源が投入されて、シンク機器の追加があるときは、追加される別シンク機器の表示再生能力によっては、現在伝送中のAVストリームの画質、音質が低下することがある。
そのため、別シンク機器の追加を受け入れるかどうかについては、以下の3項目を各シンク/ソース機器のメニュー等で設定できるようにする。受入れ許可時の処理は、上述したソース機器10の電源投入時の動作と同じである。
(1) 無条件で許可
(2) 無条件で不許可
(3) AVストリーム受信中の各シンク機器の合意で決定
(3)に関しては、現在受信中の各シンク機器上で視聴者に問い合わせを行い、その結果、規定数の合意が得られた場合には許可、得られなかった場合は不許可とするもので
ある。また、問い合わせ開始から規定時間内に応答しなかった場合の取り扱い(許可とするか、不許可とするか)についても規定する。
また、上述の3つの設定は以下の条件別に、個別に設定できるようにする。これにより、質が向上する変更は「無条件で許可」、低下する変更は「無条件で不許可」または「合意で決定」等と言うようにきめ細かな設定が可能となる。
a. オーディオ・ビデオ共にフォーマット変更が必要ない場合
b. オーディオの質が向上する変更の場合
c. オーディオの質が低下する変更の場合
d. オーディオの質は変わらないが、変更が必要な場合
e. ビデオの質が向上する変更の場合
f. ビデオの質が低下する変更の場合
g. ビデオの質は変わらないが、変更が必要な場合
「AVストリーム伝送中にシンク機器の1つの電源がオフとされた時」
AVストリーム伝送中にシンク機器の1つの電源がオフとされ、シンク機器が減少した場合、より質の高いオーディオ、ビデオフォーマットに変更できる可能性がある。変更するかどうかの対応については、以下の3項目を各シンク/ソース機器のメニュー等で設定できるようにする。
変更許可時の処理は、上述したソース機器10の電源投入時の動作と同じである。
(1) 無条件で許可
(2) 無条件で不許可
(3) AVストリーム受信中の各シンク機器の合意で決定
(3)に関しては、現在受信中の各シンク機器上で視聴者に問い合わせを行い、その結果、規定数の合意が得られた場合には許可、得られなかった場合は不許可とするもので
ある。また、問い合わせ開始から規定時間内に応答しなかった場合の取り扱い(許可とするか、不許可とするか)についても規定する。
また、上述の3つの設定は以下の条件別に、個別に設定できるようにする。これにより、質が向上する変更は「無条件で許可」、低下する変更は「無条件で不許可」または「合意で決定」等と言うようにきめ細かな設定が可能となる。
a. オーディオの質が向上する変更の場合
b. オーディオの質は変わらないが、変更が必要な場合
c. ビデオの質が向上する変更の場合
d. ビデオの質は変わらないが、変更が必要な場合
以上説明したように、図1に示すAVシステム5において、ソース機器10は複数のシンク機器30-1〜30-NからそれぞれEDIDを読み出し、各シンク機器が対応可能なビデオフォーマット、オーディオフォーマットの情報に基づいて、各シンク機器が共通に対応可能なビデオフォーマット、オーディオフォーマットを、伝送ビデオフォーマット、伝送オーディオフォーマットに決定する。したがって、ソース機器10は複数のシンク機器30-1〜30-Nへのブロードキャスト送信を良好に行うことができる。
[変形例]
「変形例1」
なお、上述実施の形態においては、複数のシンク機器30-1〜30-Nのスタンバイ状態にある全てからそれぞれEDIDを読み出し、各シンク機器が対応可能なオーディオフォーマットの情報に基づいて、伝送オーディオフォーマットを決定する例を説明した。
しかし、例えば、図24に示すAVシステム5Aのように、複数のシンク機器が複数組のテレビ受信機(テレビモニタ)とAVアンプの組み合わせからなる場合がある。図24においては、ルーム1において、テレビ受信機30A-1とAVアンプ30B-1とがペアリングされている。また、ルーム2において、テレビ受信機30A-2とAVアンプ30B-2とがペアリングされている。このようにテレビ受信機とAVアンプがペアリングされる場合、例えば、画像はテレビ受信機で表示し、音声はAVアンプで出力するという使い方がされる。
このAVシステム5Aの場合、AVアンプ30B-1,30B-2から読み出したEDIDに含まれるオーディオフォーマット情報に基づいて、伝送オーディオフォーマットが決定される。つまり、この場合、AVアンプ30B-1,30B-2のオーディオフォーマット情報に基づいて、共通リストが作成され、この共通リストを用いて、上述実施の形態と同様にして、伝送オーディオフォーマットが決定される。
図25は、図24のAVシステム5Aのビデオおよびオーディオの共通リストの作成例を示している。図25の例では、オーディオフォーマットの最大チャネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数は省略している。
シンク機器1(テレビ受信機30A-1)は、ビデオフォーマットに関して、1920×1080p@60Hz, 1920×1080i@60Hzをサポートしており、オーディオフォーマットに関して、L-PCMをサポートしている。また、シンク機器2(AVアンプ30B-1)は、オーディオフォーマットに関して、DSD,DTS-HDをサポートしている。また、シンク機器3(テレビ受信機30A-2)は、ビデオフォーマットに関して、1920×1080i@60Hzをサポートしており、オーディオフォーマットに関して、L-PCMをサポートしている。さらに、シンク機器4(AVアンプ30B-2)は、オーディオフォーマットに関して、DSD,L-PCMをサポートしている。
そのため、ビデオフォーマットの共通項目は、1920×1080i@60Hzに決定される。また、オーディオフォーマットの共通項目は、AVアンプ30B-1,30B-2のオーディオフォーマット情報に基づいて共通リストが作成されることから、DSDに決定される。
一般に、テレビ受信機(テレビモニタ)よりAVアンプの方が高音質のオーディオデータフォーマットに対応している。そのため、上述したように複数のAVアンプから取得したオーディオフォーマットの情報のみに基づいて伝送オーディオフォーマットを決定することで、低品質のオーディオフォーマットに決定されることを回避できる。すなわち、画像はテレビモニタで表示し、音声はAVアンプから出力するという使い方の場合に、再生品質の低下を抑制できる。
「変形例2」
また、上述実施の形態においては、複数のシンク機器30-1〜30-Nのスタンバイ状態にある全てからそれぞれEDIDを読み出し、各シンク機器が対応可能なオーディオフォーマットの情報に基づいて、伝送オーディオフォーマットを決定する例を説明した。
しかし、例えば、図26に示すAVシステム5Bのように、複数のシンク機器のなかにダウンミックス機能(多チャンネルのオーディオを、より少ないチャンネル数に変換すること)を持つシンク機器が含まれる場合がある。図26の例では、シンク機器30-1はダウンミックス機能があり、シンク機器30-2,30-3はダウンミックス機能がない。
このAVシステム5Bの場合、伝送オーディオフォーマットにおける最大チャネル数に関しては、ダウンミックス機能のないシンク機器30-2,30-3から読み出したEDIDに含まれる最大チャネル数の情報に基づいて、決定される。
図26の例では、シンク機器1は最大2chをサポートするが、同時にダウンミックス機能も持っている。シンク機器2およびシンク機器3は最大8chをサポートするがダウンミックス機能を持たない。この場合は共通リスト上では「Maxnumber of Channels=7(8ch)」と表記され、実際の伝送も8chとなる。
上述したように、伝送オーディオフォーマットにおける最大チャネル数をダウンミックス機能のないシンク機器の最大チャネル数情報に基づいて決定することで、例えばダウンミックス機能があるシンク機器の最大チャネル数が小さくても、ダウンミックス機能のないシンク機器が対応可能な最大チャネル数でオーディオデータを送信でき、再生品質の低下を抑制できる。図26の例では、ダウンミックス機能の有無を考慮することで、シンク機器1は2ch、シンク機器2およびシンク機器3は8chでの再生が可能となる。
上述の変形例1および変形例2では、ソース機器10は、各シンク機器の種別(テレビ受信機(テレビモニタ)またはAVアンプ)、テレビ受信機とAVアンプのペアリングの有無、シンク機器のダウンミックス機能の有無の情報を取得する必要がある。
しかし、現状のEDIDには、この種の情報は存在しない。そのため、新規に取得のための手段を追加する必要がある。図27、図29はその手段の実現例を示している。図27は、EDID Block1おいて、空いているExtended Tag Codeを、本目的のために使用する例である。EDIDのデータブロックでTag Code=7のとき、2Byte目にExtended Tag Codeを定義できる。現状、図28にExtended TagCodeの一覧を示すように、32〜255までが一般的な目的使用で予約(Reserved for General)されている。このうちの一つを使い、シンク機器のテレビ/AVアンプ種別、テレビとAVアンプのペアリング情報、シンク側のダウンミックス機能の有無を表示する。
図29は、ソース機器、シンク機器間で新規に要求/応答コマンドを定義する例である。この場合、シンク機器は、ソース機器からシンク情報の要求コマンド(Request Sink Information Command)を受けたら、シンク情報ブロック(Sink Information Block)をソース機器が送る。図30はシンク情報ブロックの構造の一例を示しており、シンク機器のテレビ/AVアンプ種別、テレビとAVアンプのペアリング情報、シンク側のダウンミックス機能の有無等の情報が含まれる。
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態においては、ソース機器10は、複数のシンク機器30-1〜30-Nが対応可能なデータフォーマットの情報に基づいて、各シンク機器30-1〜30-Nが共通に対応可能なデータフォーマットを伝送データフォーマットに決定している。
伝送路の伝送ビットレートは、当該伝送路が有線であっても無線であっても、その状態が変化することで変動する。例えば、伝送路がケーブルで構成される場合、当該ケーブルの劣化(曲がり、ねじれ、断線)やケーブル長による信号減衰、あるいはコネクタ部の接触不良などで、受信信号品質が劣化し、伝送路の伝送ビットレートは実質的に低下する。また、例えば、伝送路が無線である場合には、障害物や妨害波の存在等で、受信信号品質が劣化し、伝送路の伝送ビットレートは実質的に低下する。
ソース機器10が、上述したように決定した伝送データフォーマットによるコンテンツデータ(AVストリーム)を、各シンク機器30-1〜30-Nにブロードキャスト送信をする際、伝送ビットレートによっては、良好な送信が不可能な場合がある。したがって、伝送ビットレート情報に基づいて、ソース機器10は、決定した伝送データフォーマットによるコンテンツデータ(AVストリーム)をさらにデータ圧縮処理して送信することが考えられる。
[関連する技術]
ソース機器から1台のシンク機器にコンテンツデータ(AVストリーム)を送信する場合の例を説明する。図31は、AVシステム50の構成例を示している。このAVシステム50は、ソース機器としてのビデオカメラ100と、シンク機器としてのテレビ受信機(TV)200とを有している。また、ビデオカメラ100およびテレビ受信機200は、HDMIケーブル300を介して接続されている。
ビデオカメラ100には、HDMI送信部(HDMITX)102および高速データラインインタフェース103が接続されたHDMI端子101が設けられている。テレビ受信機200には、HDMI受信部(HDMI RX)202および高速データラインインタフェース203が接続されたHDMI端子201が設けられている。HDMIケーブル300の一端はビデオカメラ100のHDMI端子101に接続され、このHDMIケーブル300の他端はテレビ受信機200のHDMI端子201に接続されている。
このAVシステム50においては、ビデオカメラ100は、テレビ受信機200に、非圧縮(ベースバンド)映像信号または圧縮映像信号を送信できる。非圧縮映像信号は、HDMIのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネルを用いて送信される。この場合、非圧縮映像信号は、ビデオカメラ100のHDMI送信部102から、HDMIケーブル300を介して、テレビ受信機200のHDMI受信部202に供給される。また、圧縮映像信号も、HDMIのTMDSチャネルを用いて送信される。この場合、圧縮映像信号は、ビデオカメラ100のHDMI送信部102から、HDMIケーブル300を介して、テレビ受信機200のHDMI受信部202に供給される。
図32は、ビデオカメラ100の構成例を示している。ビデオカメラ100は、HDMI端子101と、HDMI送信部102と、高速データラインインタフェース103と、制御部111と、ユーザ操作部112と、表示部113と、撮像レンズ114と、撮像素子(イメージセンサ)115と、撮像信号処理部116と、コーデック117と、記録再生部118と、外部端子120と、n個のデータ圧縮部121-1〜121-nと、スイッチ部122と、イーサネットインタフェース(Ethernet I/F)123と、ネットワーク端子124とを有している。なお、「イーサネット」および「Ethernet」は登録商標である。
制御部111は、ビデオカメラ100の各部の動作を制御する。ユーザ操作部112および表示部113は、ユーザインタフェースを構成し、制御部111に接続されている。ユーザ操作部112は、ビデオカメラ100の図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいは表示部113の表示面に配置されたタッチパネル、さらにはリモコンの送受信機等で構成されている。表示部113は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成されている。
撮像素子115は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(ComplementaryMetal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等で構成されている。撮像素子115は、撮像レンズ114により撮像面に被写体の光学像が結像された状態で撮像処理を行って、撮像信号を出力する。撮像信号処理部116は、撮像素子115から出力される撮像信号(アナログ信号)に対し、サンプルホールドおよび利得制御、アナログ信号からデジタル信号への変換、さらにホワイトバランス調整、ガンマ補正等を行って、画像データ(映像信号)を生成する。
記録再生部118は、コーデック117から供給される、画像データ(映像信号)を、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式等でエンコードして得られるエンコードデータを、HD(Hard Disk)119に記録する。また、記録再生部118は、HD119からエンコードデータを再生し(読み出し)、コーデック117に供給する。
コーデック117は、記録再生部118から供給されるエンコードデータを、デコードして、非圧縮(ベースバンド)の映像信号を得て、必要に応じて、外部端子120を通じて外部装置130に供給する。また、コーデック117は、撮像信号処理部116から、あるいは外部装置130から供給される非圧縮の映像信号を、エンコードデータにエンコードし、当該エンコードデータを、記録再生部118に供給する。ここで、外部装置130は、HDDレコーダ、パーソナルコンピュータ、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ、ビデオカメラ等である。
また、コーデック117は、撮像信号処理部116から、あるいは外部装置130から供給される非圧縮の映像信号、またはデコードして得られた非圧縮の映像信号を、テレビ受信機200に送信するために、HDMI送信部102、データ圧縮部121-1〜121-n等に供給する。この意味で、コーデック117は、送信すべき非圧縮映像信号を出力する映像信号出力部を構成している。
なお、コーデック117は、信号変換部117aを備えており、必要に応じて、上述したようにHDMI送信部102、データ圧縮部121-1〜121-n等に供給する非圧縮映像信号の解像度、ビット深度、フレームレート等のフォーマットを、テレビ受信機200で取り扱われる、つまり、テレビ受信機200で表示可能に変換して出力する。
HDMI送信部102は、HDMIケーブル300を介して、テレビ受信機200のHDMI受信部202から、当該HDMI受信部202のE−EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を、DDC(Display Data Channel)を介して読み出す。このE−EDIDには、テレビ受信機200で取り扱われる映像信号のフォーマット(解像度、ビット深度、フレームレート等)の情報が含まれている。HDMI送信部102は、映像フォーマット情報受信部を構成している。
図33は、E−EDIDのデータ構造例を示している。このE−EDIDは、基本ブロックと拡張ブロックとからなっている。基本ブロックの先頭には、“E−EDID1.3 Basic Structure”で表されるE−EDID1.3の規格で定められたデータが配置され、続いて“Preferred timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報、および“2nd timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つための“Preferred timing”とは異なるタイミング情報が配置されている。
また、基本ブロックには、“2nd timing”に続いて、“Monitor NAME”で表される表示装置の名前を示す情報、および“Monitor Range Limits”で表される、アスペクト比が4:3および16:9である場合についての表示可能な画素数を示す情報が順番に配置されている。
拡張ブロックの先頭には、“Speaker Allocation”で表される左右のスピーカに関する情報が配置され、続いて“VIDEO SHORT”で表される、表示可能な画像サイズ(解像度)、フレームレート、インターレースであるかプログレッシブであるかを示す情報、アスペクト比などの情報が記述されたデータ、“AUDIO SHORT”で表される、再生可能な音声コーデック方式、サンプリング周波数、カットオフ帯域、コーデックビット数などの情報が記述されたデータ、および“Speaker Allocation”で表される左右のスピーカに関する情報が順番に配置されている。
また、拡張ブロックには、“Speaker Allocation”に続いて、“Vender Specific”で表されるメーカごとに固有に定義されたデータ、“3rd timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報、および“4th timing”で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報が配置されている。
図34は、VIDEO SHORT領域の映像データ例を示している。このVIDEO SHORT領域のByte#1からByte#Lまでに、CEA−861−Dで定義された映像信号フォーマットの内、受信装置(この実施の形態ではテレビ受信機200)が表示可能なフォーマットが、解像度・フレームレート・縦横比の組み合わせで表記されている。
図35は、Vender Specific領域のデータ構造例を示している。このVender Specific領域には、1バイトのブロックである第0ブロック乃至第Nブロックが設けられている。
“Vender Specific”で表されるデータの先頭に配置された第0ブロックには、“Vendor−Specific tag code(=3)”で表されるデータ“Vender Specific”のデータ領域を示すヘッダ、および“Length(=N)”で表されるデータ“Vender Specific”の長さを示す情報が配置される。
また、第1ブロック乃至第3ブロックには、“24bit IEEE Registration Identifier(0x000C03)LSB first”で表されるHDMI(R)用として登録された番号“0x000C03“を示す情報が配置される。さらに、第4ブロックおよび第5ブロックには、”A“、”B“、”C“、および”D“のそれぞれにより表される、24bitのシンク機器の物理アドレスを示す情報が配置される。
第6ブロックには、“Supports−AI”で表されるシンク機器が対応している機能を示すフラグ、“DC−48bit”、“DC−36bit”、および“DC−30bit”のそれぞれで表される1ピクセル当たりのビット数を指定する情報のそれぞれ、“DC−Y444”で表される、シンク機器がYCbCr4:4:4の画像の伝送に対応しているかを示すフラグ、および“DVI−Dual”で表される、シンク機器がデュアルDVI(Digital Visual Interface)に対応しているかを示すフラグが配置されている。
また、第7ブロックには、“Max−TMDS−Clock”で表されるTMDSのピクセルクロックの最大の周波数を示す情報が配置される。さらに、第8ブロックには、“Latency”で表される映像と音声の遅延情報の有無を示すフラグが配置されている。
また、第9ブロックには、“Video Latency”で表される、プログレッシブの映像の遅延時間データが配置され、第10ブロックには、“Audio Latency”で表される、プログレッシブの映像に付随する音声の遅延時間データが配置される。さらに、第11ブロックには、“Interlaced Video Latency”で表されるインターレースの映像の遅延時間データが配置され、第12ブロックには、“Interlaced Audio Latency”で表される、インターレースの映像に付随する音声の遅延時間データが配置されている。
このように、Vendor−Specific領域の第6ブロック(Byte#6)には、受信装置(この実施の形態ではテレビ受信機200)が表示できるビット深度情報が記述されている。
データ圧縮部121-1〜121-nは、それぞれ、コーデック117から出力された非圧縮の映像信号を所定の圧縮比をもって圧縮処理し、圧縮された映像信号を出力する。データ圧縮部121-1〜121-nは、映像信号圧縮部を構成している。データ圧縮部121-1〜121-nは、それぞれ、互いに異なる圧縮方式でデータ圧縮処理を行う。例えば、圧縮方式としては、「RLE(Run Length Encoding)」、「Wavelet」、「SBM(SuperBit Mapping)」、「LLVC(Low Latency Video Codec)」、「ZIP」等が考えられる。なお、データ圧縮部121-1〜121-nで必要とされる圧縮率は小さくてよく、ライン内圧縮処理、あるいはフレーム(フィールド)内圧縮処理を行う圧縮方式で十分であり、画質劣化を抑制するという観点からは可逆圧縮方式が望ましい。例えば、RLE、ZIPは可逆圧縮方式である。
スイッチ部122は、コーデック117から出力された非圧縮映像信号およびデータ圧縮部121-1〜121-nから出力された圧縮映像信号のうち、いずれかを選択的に取り出し、HDMI送信部102に供給する。このスイッチ部122は、映像信号選択部を構成している。
ここで、スイッチ部122およびデータ圧縮部121-1〜121-nの動作は、制御部111により、以下のように制御される。この場合、コーデック117から出力される非圧縮(ベースバンド)映像信号のビットレートをBR1とし、HDMI伝送路の伝送ビットレートをBR2とする。ビットレートBR1は、例えば、(解像度)×(フレームレート)×(3色分のビット深度)の算出式により、求めることができる。また、HDMI伝送路の伝送ビットレート(論理上の上限伝送ビットレート)BR2は、10.2Gbpsである。
図36は、映像フォーマットとそれに対応する非圧縮映像信号のビットレート(伝送レート)とを示している。上述したように、HDMI伝送路の伝送ビットレートBR2は10.2Gbpsであるので、コーデック117から出力される非圧縮映像信号のビットレートBR1が10.2Gbpsを超える場合には(図36に「*」印を付加したフォーマット参照)、当該非圧縮映像信号をそのままでは送信できない。
ビットレートBR1がビットレートBR2を超えていない場合、スイッチ部122は、コーデック117から出力される非圧縮映像信号を取り出して、HDMI送信部102に、送信すべき映像信号として供給する。一方、ビットレートBR1がビットレートBR2を超える場合、スイッチ部122は、コーデック117から出力される非圧縮映像信号に対してデータ圧縮部121-1〜121-nのいずれかでデータ圧縮処理されて得られた圧縮映像信号を取り出して、HDMI送信部102に、送信すべき映像信号として供給する。
ここで、制御部111は、テレビ受信機200から送られてくる、当該テレビ受信機200が対応可能な圧縮方式を示す情報を参照して、データ圧縮部121-1〜121-nのうちどのデータ圧縮部を選択するかを決定する。すなわち、制御部111は、テレビ受信機200が対応可能な圧縮方式でデータ圧縮処理を行うと共に、データ圧縮処理で生成された圧縮映像信号のビットレートがHDMI伝送路の伝送ビットレートBR2を超えないように圧縮処理を行う、という条件を満たすデータ圧縮部を選択する。この場合、圧縮比の変更が可能なデータ圧縮部にあっては、圧縮比の変更制御により、上述のビットレートの条件を満たすことができる場合がある。
なお、上述の条件を満たすデータ圧縮部が2つ以上存在する場合、制御部111は、その中に可逆圧縮方式のデータ圧縮を行うものがあるときは、そのデータ圧縮部を優先的に選択する。このように可逆圧縮方式のデータ圧縮を行うデータ圧縮部が優先的に選択されることで、データ圧縮処理による画質劣化が抑制される。
また、上述したように、ビットレートBR1がビットレートBR2を超える場合には、データ圧縮部121-1〜121-nのいずれかでデータ圧縮処理されて得られた圧縮映像信号を送信すべき映像信号とすることが基本であるが、データ圧縮部121-1〜121-nの中にテレビ受信機200が対応可能な圧縮方式でデータ圧縮処理を行うものが無かった場合、制御部111は、以下のような制御を行う。
すなわち、制御部111は、コーデック117が備える信号変換部117aにより非圧縮映像信号の解像度、ビット深度およびフレームレートのうち、1つまたは複数の項目を小さくして、当該非圧縮映像信号のビットレートBR1が、HDMI伝送路の伝送ビットレートBR2を超えないようにする。そして、制御部111は、コーデック117から出力される非圧縮映像信号をスイッチ部122で取り出し、HDMI送信部102に、送信すべき映像信号として供給する。
この実施の形態において、テレビ受信機200が対応可能な圧縮方式(伸長方式)を示す情報は、例えば、E−EDID(図33参照)のVender Specific領域に、図37に示すように、圧縮方式の対応を示す領域「Compress Method」と「Compress Method Length」が新たに定義されることで、ビデオカメラ100に送信される。
「Compress Method」には、圧縮方式の種類に応じてそれぞれビットが割当てられ、テレビ受信機200が対応している方式に該当するビットに、例えば「1」を設定する。圧縮方式の種類の数が8を超える場合には、複数のバイトを定義できるように、「Compress Method Length」にバイト数を定義する。この圧縮方式情報を、ビデオカメラ100が読み出すことで、ビデオカメラ100は、選択すべき圧縮方式を決定できる。ビデオカメラ100は、上述したようにテレビ受信機200側から供給される圧縮方式情報を、例えば、制御部111内に内蔵されている記憶部111aに保持しておく。
図38は、テレビ受信機200が4つの圧縮方式に対応している場合の「Compress Method Length」と「Compress Method」の記述例を示している。第8バイトのbit 5〜bit 0に、圧縮方式を定義した数が8個以下であるため、必要なデータ領域が1バイトでよいことを示す。第13バイトのbit 0には「LLVC(Low Latency Video Codec)」が、bit 1には「SBM(Super Bit Mapping)」が、bit 2には「Wavelet」が、bit3には「RLE(Run Length Encoding)」に対応していることを示す。
なお、テレビ受信機200は、ビデオカメラ100に、上述のテレビ受信機200が対応可能な圧縮方式(伸長方式)の情報を、E−EDIDのVender Specific領域ではなく、CECラインあるいは高速データラインを通じて、送信するようにしてもよい。
制御部111は、テレビ受信機200からE−EDIDのVender Specific領域、CECラインあるいは高速データライン等により、圧縮方式情報を受け取るので、HDMI送信部102、高速データラインインタフェース103等と共に、圧縮情報受信部を構成している。
図39のフローチャートは、制御部111における上述の制御動作を示している。まず、制御部111は、ステップST41において、制御処理を開始し、その後に、ステップST42において、コーデック117から出力される非圧縮映像信号のビットレートBR1を上述した算出式により求める。
次に、制御部111は、ステップST43において、コーデック117から出力される非圧縮映像信号のビットレートBR1が、HDMI伝送路の伝送ビットレートBR2より大きいか否かを判定する。BR1≦BR2であるとき、制御部111は、ステップST44において、映像信号をベースバンドで伝送することを決定する。すなわち、制御部111は、コーデック117から出力される非圧縮映像信号をスイッチ部122で取り出してHDMI送信部102に供給する。制御部111は、ステップST44の処理の後、ステップST45において、制御処理を終了する。
一方、BR1≦BR2でないとき、制御部111は、ステップST46において、受信側、つまりテレビ受信機200が対応可能な圧縮方式のデータ圧縮部があるか否かを判定する。受信側対応のデータ圧縮部があるとき、制御部111は、ステップST47において、圧縮して伝送することを決定する。すなわち、制御部111は、コーデック117から出力される非圧縮映像信号に対して、データ圧縮部121-1〜121-nのうち受信側対応のデータ圧縮部でデータ圧縮処理をし、その圧縮映像信号をスイッチ部122で取り出してHDMI送信部102に供給する。制御部111は、ステップST47の処理の後、ステップST45において、制御処理を終了する。
また、制御部111は、ステップST46で受信側対応のデータ圧縮部がないとき、ステップST48において、コーデック117から出力される非圧縮映像信号の解像度等を小さくし、そのビットレートBR1を、HDMI伝送路の伝送ビットレートBR2を超えないようにする。そして、制御部111は、ステップST44において、映像信号をベースバンドで伝送することを決定する。すなわち、制御部111は、コーデック117から出力される解像度等が小さくされた非圧縮映像信号をスイッチ部122で取り出してHDMI送信部102に供給する。制御部111は、ステップST44の処理の後、ステップST45において、制御処理を終了する。
制御部111は、スイッチ部122およびデータ圧縮部121-1〜121-nの制御情報、さらには上述したコーデック117から出力される映像信号のフォーマット情報(解像度等の情報)を、テレビ受信機200に送る。スイッチ部122およびデータ圧縮部121-1〜121-nの制御情報(以下、「圧縮情報」という)には、テレビ受信機200に送信される映像信号が非圧縮映像信号であるか圧縮映像信号であるかを示す情報、およびテレビ受信機200に送信される映像信号が圧縮映像信号であるときには圧縮方式、圧縮比等の情報が含まれている。
この実施の形態において、制御部111は、上述のスイッチ部122およびデータ圧縮部121-1〜121-nの制御情報を、AVI(AuxiliaryVideo Information) InfoFrame パケットを用いて、テレビ受信機200に送信する。このAVI InfoFrame パケットは、データをソース機器からシンク機器へ伝送し、現在アクティブとなっている映像・音声信号に関する情報を示す。このAVI InfoFrame パケットは映像フレーム毎に1回伝送されるため、ソース機器側で圧縮方式、圧縮比等が変更になった場合、当該AVI InfoFrame パケットのデータを変更することで、シンク機器側に通知できる。
図40は、AVI InfoFrame パケットのデータ構造例を示している。なお、図40には、ヘッダを除いた状態で示している。因みに、ヘッダには、パケットタイプ情報、バージョン情報、パケット長情報等が記述されている。この実施の形態において、ビデオカメラ100における圧縮情報は、図40に示すように、AVI InfoFrameパケットの第14バイトから第Mバイトに記述される。
第14バイトは圧縮方式情報および圧縮比情報のデータ長を表す。また、第15バイトから第(M−1)バイトは受信装置から伝送された対応圧縮方式の中で、どの圧縮方式を用いてデータ圧縮処理を行ったかを示す。例えば、第15バイトが「0x01」であれば「LLVC(Low Latency Video Codec)」が、「0x02」であれば「SBM(SuperBit Mapping)」が、「0x04」であれば「Wavelet」が、「0x08」であれば「RLE(RunLength Encoding)」が選択されて、データ圧縮処理が行われたことを示す。また、第16バイトは圧縮比データを示す。
図41は、AVI InfoFrameパケットにおける圧縮方式と圧縮比のデータ例を示している。このデータ例では、圧縮比の整数部と少数点以下の部分を4ビットずつで表現し、整数部が「0x02」、少数点以下が「0x00」であれば圧縮比は2.0となる。なお、圧縮比の表現は、整数形式ではなく、対数形式であってもよい。
なお、上述したコーデック117から出力される非圧縮映像信号のフォーマット(解像度等)の情報は、例えば、CECライン、あるいは高速データラインを用いて、ビデオカメラ100からテレビ受信機200に送られる。上述のAVI InfoFrameパケットで送信する圧縮情報に関しても、CECライン、あるいは高速データラインで送信するようにしてもよい。
上述したように、制御部111は、圧縮情報を、AVI InfoFrameパケット、CECライン、高速データライン等を用いて、テレビ受信機200に送信するので、HDMI送信部102、高速データラインインタフェース103等と共に、圧縮情報送信部を構成している。
HDMI送信部102は、HDMIに準拠した通信により、スイッチ部122から供給される映像信号を、HDMIケーブル300を介して、テレビ受信機200に一方向に送信する。この意味で、HDMI送信部102は、映像信号送信部を構成している。このHDMI送信部102の詳細は後述する。
高速データラインインタフェース103は、HDMIケーブル300を構成する所定のラインを用いた双方向通信のインタフェースである。この高速データラインインタフェース103は、イーサネットインタフェース123とHDMI端子101との間に挿入されている。この高速データラインインタフェース103は、制御部101からイーサネットインタフェース123を介して供給される送信データを、HDMI端子101からHDMIケーブル300を介して、テレビ受信機200に送信する。また、この高速データラインインタフェース103は、HDMIケーブル300からHDMI端子101を介して受信されたテレビ受信機200からの受信データを、イーサネットインタフェース123を介して制御部111に供給する。この高速データラインインタフェース103の詳細は後述する。
なお、イーサネットインタフェース123には、ネットワーク端子124が接続されている。ビデオカメラ100は、このネットワーク端子124を利用して、イーサネットのネットワークに接続可能とされている。
図42は、テレビ受信機200の構成例を示している。テレビ受信機200は、HDMI端子201と、HDMI受信部202と、高速データラインインタフェース203と、制御部211と、ユーザ操作部212と、チューナ214と、アンテナ端子215と、切り替え器216と、表示処理部217と、表示部218と、m個のデータ伸長部219-1〜219-mと、スイッチ部220と、イーサネットインタフェース221と、ネットワーク端子222とを有している。
制御部211は、テレビ受信機200の各部の動作を制御する。ユーザ操作部212は、ユーザインタフェースを構成し、制御部211に接続されている。ユーザ操作部212は、テレビ受信機200の図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいはリモコン等で構成される。
HDMI受信部202は、HDMIに準拠した通信により、HDMIケーブル300を介して接続されているビデオカメラ100のHDMI送信部102から一方向に送信されてくる映像信号を受信する。このHDMI受信部202は、映像信号受信部を構成する。このHDMI受信部202の詳細は後述する。このHDMI受信部202は、受信した映像信号を、スイッチ部220およびデータ伸長部219-1〜219-mに供給する。
高速データラインインタフェース203は、上述したビデオカメラ100の高速データラインインタフェース103と同様に、HDMIケーブル300を構成する所定のラインを用いた双方向通信のインタフェースである。この高速データラインインタフェース203は、イーサネットインタフェース221とHDMI端子201との間に挿入されている。
この高速データラインインタフェース203は、制御部211からイーサネットインタフェース221を介して供給される送信データを、HDMI端子201からHDMIケーブル300を介してビデオカメラ100に送信する。また、この高速データラインインタフェース203は、HDMIケーブル300からHDMI端子201を介して受信されたビデオカメラ100からの受信データを、イーサネットインタフェース221を介して制御部211に供給する。この高速データラインインタフェース203の詳細は後述する。
なお、イーサネットインタフェース221には、ネットワーク端子222が接続されている。テレビ受信機200は、このネットワーク端子222を利用して、イーサネットのネットワークに接続可能とされている。
チューナ214は、BS放送、地上波デジタル放送等を受信する。このチューナ214には、アンテナ端子215に接続された図示しないアンテナで捕らえられた放送信号が供給される。
データ伸長部219-1〜219-mは、HDMI受信部202で受信された映像信号が、圧縮された映像信号であり、その圧縮方式に自身が対応しているとき、当該映像信号にデータ伸長処理を施して、非圧縮映像信号を出力する。データ伸長部219-1〜219-mは、映像信号伸長部を構成している。スイッチ部220は、HDMI受信部202で受信された映像信号またはデータ伸長部219-1〜219-mで得られた非圧縮映像信号を、選択的に取り出し、切り替え器216に供給する。このスイッチ部220は、映像信号選択部を構成している。
ここで、データ伸長部219-1〜219-mおよびスイッチ部220の動作は、制御部211により、以下のように制御される。すなわち、制御部211は、上述したように、ビデオカメラ100から、AVI InfoFrameパケット、CECライン、あるいは、高速データラインを用いて送られてくる、圧縮情報および映像信号のフォーマット情報に基づいて、制御を行う。制御部211は、上述の圧縮情報および映像信号のフォーマット情報を、記憶部211aに保持する。
圧縮情報には、HDMI受信部202で受信された映像信号が非圧縮映像信号であるか圧縮映像信号であるかを示す情報、およびその映像信号が圧縮映像信号であるときには圧縮方式、圧縮比等の情報が含まれている。制御部111は、HDMI受信部202、高速データラインインタフェース203と共に、圧縮情報受信部を構成している。
制御部211は、上述の圧縮情報等に基づいて、データ伸長部219-1〜219-mおよびスイッチ部220の動作を制御する。すなわち、制御部211は、HDMI受信部202で受信した映像信号が非圧縮映像信号であるとき、当該非圧縮映像信号をスイッチ部220で取り出し、受信映像信号として切り替え器216に供給する。
一方、制御部211は、HDMI受信部202で受信した映像信号が圧縮映像信号であるとき、HDMI受信部202で受信した映像信号に対して、その圧縮方式に対応したデータ伸長部でデータ伸長処理を行い、その結果得られる非圧縮映像信号をスイッチ部220で取り出し、受信映像信号として切り替え器216に供給する。
なお、切り替え器216は、信号変換部216aを備えている。この信号変換部216aは、上述したようにHDMI受信部202で受信した映像信号が非圧縮映像信号であっても、この非圧縮映像信号がHDMI伝送路の伝送ビットレートとの関係から、ビデオカメラ100のコーデック117の信号変換部117aで解像度等が小さくされているときには、上述したようにビデオカメラ100から送信されている、当該非圧縮映像信号の解像度等の情報に基づいて、解像度等が当該テレビ受信機200で取扱可能な、つまりテレビ受信機200で表示可能な状態に戻される。
切り替え器216は、チューナ214で受信された映像信号またはスイッチ部220で取り出された映像信号を選択的に取り出し、表示処理部217に供給する。表示処理部217は、切り替え器216で取り出された画像データに対して、表示のための輪郭強調等の処理を行う。表示部218は、表示処理部217により処理された映像信号による画像を表示する。表示部218は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)等で構成される。
なお、ビデオカメラ100の説明で述べたように、テレビ受信機200からビデオカメラ100には、E−EDIDのVender Specific領域、CECライン、高速データライン等で、テレビ受信機200が対応可能な圧縮方式(伸長方式)を示す情報が送信される。この意味で、制御部211は、HDMI受信部202、高速データラインインタフェース203と共に、圧縮方式情報送信部を構成している。
また、ビデオカメラ100の説明で述べたように、テレビ受信機200からビデオカメラ100には、E−EDIDのVideo Short領域、Vender Specific領域で、テレビ受信機200で取り扱われる、つまりテレビ受信機200で非可能な映像信号のフォーマット情報が送信される。この意味で、HDMI受信部202は、映像フォーマット情報送信部を構成している。
以上のように構成される、図31(図32、図42)のAVシステム50の動作例を説明する。なお、音声系については、説明を省略する。
例えば、ユーザが、被写体を撮像するように、ビデオカメラ100を操作すると、撮像素子115は撮像動作を開始し、撮像信号処理部116から、被写体に対応した映像信号(画像データ)が得られる。撮像信号処理部116から出力される映像信号はコーデック117でエンコードされ、エンコードデータは記録再生部118によりHD119に記録される。また、例えば、ユーザが、外部装置130からのデータを記録するようにビデオカメラ100を操作すると、コーデック117により外部装置130からの映像信号がエンコードされ、エンコードデータは記録再生部118によりHD119に記録される。
ユーザが、HD119に記録されているデータを送信するようにビデオカメラ100を操作すると、記録再生部118により、HD119からエンコードデータが再生され、コーデック117に供給される。コーデック117では、記録再生部118で再生されたエンコードデータが、送信すべき非圧縮(ベースバンド)の映像信号にデコードされる。この非圧縮の映像信号の解像度、ビット深度、フレームレート等は、信号変換部117aにより、例えば、テレビ受信機200で取り扱われる、つまり、テレビ受信機200で表示可能に変換される。
コーデック117から出力される映像信号はそのままスイッチ部122を通じてHDMI送信部102に供給され、あるいは、コーデック117から出力される映像信号はデータ圧縮部121-1〜121-nのいずれかでデータ圧縮処理された後にスイッチ部122を通じてHDMI送信部102に供給される。
この場合、コーデック117から出力される非圧縮映像信号のビットレートをBR1とし、HDMI伝送路の伝送ビットレートをBR2とするとき、BR1≦BR2であるときは、コーデック117から出力される非圧縮映像信号が送信すべき映像信号としてHDMI送信部102に供給される。
一方、BR1≦BR2でないときは、コーデック117から出力される非圧縮映像信号に対してデータ圧縮部121-1〜121-nのいずれかでデータ圧縮処理が施され、出力される圧縮映像信号が、送信すべき映像信号としてHDMI送信部102に供給される。
なお、BR1≦BR2でないときであっても、データ圧縮部121-1〜121-nにテレビ受信機200で対応可能な圧縮方式でデータ圧縮処理を行うものがないときは、コーデック117から出力される非圧縮映像信号の解像度等が小さくされて、BR1≦BR2を満たすようにされ、その非圧縮映像信号が送信すべき映像信号としてHDMI送信部102に供給される。これにより、ビデオカメラ100は、HDMI伝送路の伝送ビットレート内で、所望のビットレートの映像信号を、テレビ受信機200に良好に送信できる。
また、ユーザが、撮像データを送信するようにビデオカメラ100を操作すると、上述したように撮像信号処理部116から出力される映像信号(画像データ)が、上述のHD119から再生された映像信号と同様に、そのままスイッチ部122を通じてHDMI送信部102に供給され、あるいは、コーデック117から出力される映像信号はデータ圧縮部121-1〜121-nのいずれかでデータ圧縮処理された後にスイッチ部122を通じてHDMI送信部102に供給される。
このようにHDMI送信部102に供給された映像信号(非圧縮映像信号または圧縮映像信号)は、HDMIに準拠した通信により、HDMIケーブル300を介して、テレビ受信機200に、一方向に、送信される。なお、制御部111から、映像信号のブランキング期間に挿入されるAVI InfoFrame パケット、CECライン、高速データライン等を用いて、送信映像信号の圧縮情報およびフォーマット情報が、テレビ受信機200に送信される。
テレビ受信機200では、HDMI受信部202により、HDMIに準拠した通信により、ビデオカメラ100のHDMI送信部102からHDMIケーブル300を介して一方向に送信されてくる映像信号が受信される。HDMI受信部202で受信された映像信号は、スイッチ部220およびデータ伸長部219-1〜219-mに供給される。
スイッチ部220およびデータ伸長部219-1〜219-mの動作は、ビデオカメラ100から、上述したように送られてくる圧縮情報に基づいて、制御される。すなわち、HDMI受信部202で受信された映像信号が非圧縮映像信号であるとき、当該非圧縮映像信号はスイッチ部220を通じて切り替え器216に供給される。一方、HDMI受信部202で受信された映像信号が圧縮映像信号であるとき、HDMI受信部202で受信された映像信号に対して、その圧縮方式に対応したデータ伸長部でデータ伸長処理が行われ、その結果得られた非圧縮映像信号がスイッチ部220を通じて切り替え器216に供給される。
なお、切り替え器216に供給される非圧縮映像信号がHDMI伝送路の伝送ビットレートとの関係から、ビデオカメラ100側で解像度等が小さくされているときには、上述したようにビデオカメラ100から送られてくるフォーマット情報に基づいて、解像度等が当該テレビ受信機200で取扱可能な、つまりテレビ受信機200で表示可能な状態に戻される。
これにより、HDMI受信部202で受信される映像信号が非圧縮映像信号であるか圧縮映像信号であるかによらず、切り替え器216には、良好な受信映像信号が供給される。なお、上述したようにビデオカメラ100においては、テレビ受信機200からの圧縮方式情報に基づいて、テレビ受信機200で対応可能な圧縮方式でデータ圧縮処理が行われるので、HDMI受信部202で受信される圧縮映像信号は、データ伸長部219-1〜219-mのいずれかによって、必ず伸長することができる。
また、チューナ214で受信された映像信号は切り替え器216に供給される。ユーザがユーザ操作部212によりHDMI受信部202を選択する操作を行うとき、切り替え器216ではHDMI受信部202で受信された映像信号が取り出される。一方、ユーザがユーザ操作部212によりチューナ214を選択する操作を行うとき、切り替え器216ではチューナ214で受信された画像データが取り出される。
切り替え器216で取り出された映像信号は、表示処理部217に供給される。表示処理部217では、制御部211の制御のもと、映像信号に対して輪郭強調処理、ノイズ除去処理等が行われ、処理後の映像信号は表示部218に供給される。表示部218では、表示処理部217から供給される画像データに基づいて、画像が表示される。
図43は、送信装置(ビデオカメラ100)から受信装置(テレビ受信機200)にHDMIケーブル300を介して映像信号を送信する場合における制御シーケンスを示している。
(a)送信装置は受信装置から伝送されたHPD(Hot Plug Detect)信号を受信すると、接続が確立されたことがわかる。(b)送信装置は受信装置に対し、圧縮方式(伸長方式)情報を含むE−EDIDデータの読み出しを要求する。(c)受信装置は要求を受信したら、受信装置の記憶部からE−EDIDデータを読み出して、送信装置へ伝送する。 送信装置は伝送されたEDIDデータから受信装置が対応可能な圧縮方式を認識し、送信装置が使用し得る圧縮方式を決定する。(d)ユーザから送信要求が出されて、選択された映像信号を送信するとき、送信装置は、HDMI伝送路の伝送ビットレートと、送信映像信号のビットレートを比較し、送信映像信号のビットレートがHDMI伝送路の伝送ビットレート以下であれば、非圧縮のまま伝送する。
一方、送信映像信号のビットレートがHDMI伝送路の伝送ビットレートを超える場合は、送信装置は、上述で決定した圧縮方式の中から適宜圧縮方式を選択し、さらに必要に応じて圧縮比を決定し、(e)その情報をAVI InfoFrame パケットの所定の領域に設定して受信装置に伝送し、圧縮映像信号を送信する。
(f)受信装置は、受信したAVI InfoFrame パケットから、圧縮方式と圧縮比の情報を抽出し、非圧縮であればそのまま表示部へ信号を渡す。一方、圧縮伝送ならば、圧縮方式と圧縮比の情報を用いて圧縮映像信号に対して伸長処理(復号化)を行う。(g)ユーザの操作により、送信停止が指示されたとき、送信装置は、映像信号の送信を停止する。
次に、ビデオカメラ100のHDMI送信部102およびテレビ受信機200のHDMI受信部202について説明する。図44は、HDMI送信部(HDMIソース)102と、HDMI受信部(HDMIシンク)202の構成例を示している。
HDMI送信部102は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間および垂直帰線区間を除いた区間である有効画像区間(以下、適宜、アクティブビデオ区間ともいう)において、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部202に一方向に送信するとともに、水平帰線区間または垂直帰線区間において、少なくとも画像に付随する音声データや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部202に一方向に送信する。
すなわち、HDMI送信部102は、トランスミッタ81を有する。トランスミッタ81は、例えば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、複数のチャネルである3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMIケーブル300を介して接続されているHDMI受信部202に、一方向にシリアル伝送する。
また、トランスミッタ81は、非圧縮の画像に付随する音声データ、さらには、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2でHDMIケーブル300を介して接続されているHDMI受信部202に、一方向にシリアル伝送する。
さらに、トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で送信する画素データに同期したピクセルクロックを、TMDSクロックチャネルで、HDMIケーブルを介して接続されているHDMI受信部202に送信する。ここで、1つのTMDSチャネル#i(i=0,1,2)では、ピクセルクロックの1クロックの間に、10ビットの画素データが送信される。
HDMI受信部202は、アクティブビデオ区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部102から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信するとともに、水平帰線区間または垂直帰線区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部102から一方向に送信されてくる、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。
すなわち、HDMI受信部202は、レシーバ82を有する。レシーバ82は、TMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMIケーブル300を介して接続されているHDMI送信部102から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号と、音声データや制御データに対応する差動信号を、同じくHDMI送信部102からTMDSクロックチャネルで送信されてくるピクセルクロックに同期して受信する。
HDMI送信部102とHDMI受信部202とからなるHDMIシステムの伝送チャネルには、HDMI送信部102からHDMI受信部202に対して、画素データおよび音声データを、ピクセルクロックに同期して、一方向にシリアル伝送するための伝送チャネルとしての3つのTMDSチャネル#0乃至#2と、ピクセルクロックを伝送する伝送チャネルとしてのTMDSクロックチャネルの他に、DDC(Display Data Channel)83やCECライン84と呼ばれる伝送チャネルがある。
DDC83は、HDMIケーブル300に含まれる図示せぬ2本の信号線からなり、HDMI送信部102が、HDMIケーブル300を介して接続されたHDMI受信部202から、E−EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。
すなわち、HDMI受信部202は、HDMIレシーバ82の他に、自身の性能(Configuration/capability)に関する性能情報であるE−EDIDを記憶している、EDID ROM(Read Only Memory)85を有している。HDMI送信部102は、HDMIケーブル300を介して接続されているHDMI受信部202から、当該HDMI受信部202のE−EDIDを、DDC83を介して読み出し、そのE−EDIDに基づき、例えば、HDMI受信部202を有する電子機器が対応している画像のフォーマット(プロファイル)、例えば、RGB、YCbCr4:4:4、YCbCr4:2:2等を認識する。
CECライン84は、HDMIケーブル300に含まれる図示せぬ1本の信号線からなり、HDMI送信部102とHDMI受信部202との間で、制御用のデータの双方向通信を行うのに用いられる。
また、HDMIケーブル300には、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるライン86が含まれている。ソース機器は、当該ライン86を利用して、シンク機器の接続を検出することができる。また、HDMIケーブル300には、ソース機器からシンク機器に電源を供給するために用いられるライン87が含まれている。さらに、HDMIケーブル300には、リザーブライン88が含まれている。
図45は、図44のHDMIトランスミッタ81とHDMIレシーバ82の構成例を示している。
トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのエンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cを有する。そして、エンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cのそれぞれは、そこに供給される画像データ、補助データ、制御データをエンコードし、パラレルデータからシリアルデータに変換して、差動信号により送信する。ここで、画像データが、例えばR(赤),G(緑),B(青)の3成分を有する場合、B成分(B component)はエンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、G成分(Gcomponent)はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、R成分(R component)はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
また、補助データとしては、例えば、音声データや制御パケットがあり、制御パケットは、例えば、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、音声データは、エンコーダ/シリアライザ81B,81Cに供給される。
さらに、制御データとしては、1ビットの垂直同期信号(VSYNC)、1ビットの水平同期信号(HSYNC)、および、それぞれ1ビットの制御ビットCTL0,CTL1,CTL2,CTL3がある。垂直同期信号および水平同期信号は、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給される。制御ビットCTL0,CTL1はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、制御ビットCTL2,CTL3はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される垂直同期信号および水平同期信号の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される制御ビットCTL0,CTL1の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される制御ビットCTL2,CTL3の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
レシーバ82は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのリカバリ/デコーダ82A,82B,82Cを有する。そして、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、TMDSチャネル#0,#1,#2で差動信号により送信されてくる画像データ、補助データ、制御データを受信する。さらに、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、画像データ、補助データ、制御データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、さらにデコードして出力する。
すなわち、リカバリ/デコーダ82Aは、TMDSチャネル#0で差動信号により送信されてくる画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Aは、その画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
リカバリ/デコーダ82Bは、TMDSチャネル#1で差動信号により送信されてくる画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Bは、その画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
リカバリ/デコーダ82Cは、TMDSチャネル#2で差動信号により送信されてくる画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Cは、その画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
図46は、HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で各種の伝送データが伝送される伝送区間(期間)の例を示している。なお、図46は、TMDSチャネル#0,#1,#2において、横×縦が720×480画素のプログレッシブの画像が伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。
HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて、ビデオデータ区間(VideoData period)、データアイランド区間(Data Island period)、およびコントロール区間(Control period)の3種類の区間が存在する。
ここで、ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(active edge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間であり、水平ブランキング期間(horizontal blanking)、垂直ブランキング期間(verticalblanking)、並びに、ビデオフィールド区間から、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を除いた区間であるアクティブビデオ区間(Active Video)に分けられる。
ビデオデータ区間は、アクティブビデオ区間に割り当てられる。このビデオデータ区間では、非圧縮の1画面分の画像データを構成する720画素×480ライン分の有効画素(Active pixel)のデータ、あるいは、それを圧縮処理して得られたデータが伝送される。
データアイランド区間およびコントロール区間は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に割り当てられる。このデータアイランド区間およびコントロール区間では、補助データ(Auxiliary data)が伝送される。
すなわち、データアイランド区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の一部分に割り当てられている。このデータアイランド区間では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、音声データのパケット等が伝送される。
コントロール区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
ここで、現行のHDMIでは、TMDSクロックチャネルで伝送されるピクセルクロックの周波数は、例えば165MHzであり、この場合、データアイランド区間の伝送レートは約500Mbps程度である。
図47は、HDMI端子101,201のピン配列を示している。このピン配列は、タイプA(type-A)の例である。
TMDSチャネル#iの差動信号であるTMDS Data#i+とTMDS Data#i−が伝送される差動線である2本のラインは、TMDS Data#i+が割り当てられているピン(ピン番号が1,4,7のピン)と、TMDS Data#i−が割り当てられているピン(ピン番号が3,6,9のピン)に接続される。
また、制御用のデータであるCEC信号が伝送されるCECライン84は、ピン番号が13であるピンに接続され、ピン番号が14のピンは空き(Reserved)ピンとなっている。また、E−EDID等のSDA(SerialData)信号が伝送されるラインは、ピン番号が16であるピンに接続され、SDA信号の送受信時の同期に用いられるクロック信号であるSCL(Serial Clock)信号が伝送されるラインは、ピン番号が15であるピンに接続される。上述のDDC83は、SDA信号が伝送されるラインおよびSCL信号が伝送されるラインにより構成される。
また、上述したようにソース機器がシンク機器の接続を検出するためのライン86は、ピン番号が19であるピンに接続される。また、上述したように電源を供給するためのライン87は、ピン番号が18であるピンに接続される。
次に、ビデオカメラ100の高速データラインインタフェース103およびテレビ受信機200の高速データラインインタフェース203について説明する。なお、ここでは、ビデオカメラ100をソース機器とし、テレビ受信機200をシンク機器として説明する。
図48は、ソース機器およびシンク機器の高速データラインインタフェースの構成例を示している。この高速データラインインタフェースは、LAN(Local Area Network)通信を行う通信部を構成する。この通信部は、HDMIケーブルを構成する複数のラインのうち、1対の差動ライン、この実施の形態においては、空き(Reserve)ピン(14ピン)に対応したリザーブライン(Ether−ライン)、およびHPDピン(19ピン)に対応したHPDライン(Ether+ライン)により構成された双方向通信路を用いて、通信を行う。
ソース機器は、LAN信号送信回路411、終端抵抗412、AC結合容量413,414、LAN信号受信回路415、減算回路416、プルアップ抵抗421、ローパスフィルタを構成する抵抗422および容量423、比較器424、プルダウン抵抗431、ローパスフィルタを形成する抵抗432および容量433、並びに比較器434を有している。ここで、高速データラインインタフェース(高速データラインI/F)は、LAN信号送信回路411、終端抵抗412、AC結合容量413,414、LAN信号受信回路415、減算回路416により構成されている。
電源線(+5.0V)と接地線との間には、プルアップ抵抗421、AC結合容量413、終端抵抗412、AC結合容量414およびプルダウン抵抗431の直列回路が接続される。AC結合容量413と終端抵抗412の互いの接続点P1は、LAN信号送信回路411の正出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路415の正入力側に接続される。また、AC結合容量414と終端抵抗412の互いの接続点P2は、LAN信号送信回路411の負出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路415の負入力側に接続される。LAN信号送信回路411の入力側には、送信信号(送信データ)SG411が供給される。
また、減算回路416の正側端子には、LAN信号受信回路415の出力信号SG412が供給され、この減算回路416の負側端子には、送信信号(送信データ)SG411が供給される。この減算回路416では、LAN信号受信回路415の出力信号SG412から送信信号SG411が減算され、受信信号(受信データ)SG413が得られる。
また、プルアップ抵抗421およびAC結合容量413の互いの接続点Q1は、抵抗422および容量423の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗422および容量423の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器424の一方の入力端子に供給される。この比較器424では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref1(+3.75V)と比較される。この比較器424の出力信号SG414は、ソース機器の制御部(CPU)に供給される。
また、AC結合容量414およびプルダウン抵抗431の互いの接続点Q2は、抵抗432および容量433の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗432および容量433の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器434の一方の入力端子に供給される。この比較器434では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref2(+1.4V)と比較される。この比較器434の出力信号SG415は、ソース機器の制御部(CPU)に供給される。
シンク機器は、LAN信号送信回路441、終端抵抗442、AC結合容量443,444、LAN信号受信回路445、減算回路446、プルダウン抵抗451、ローパスフィルタを構成する抵抗452および容量453、比較器454、チョークコイル461、抵抗462、並びに抵抗463を有している。ここで、高速データラインインタフェース(高速データラインI/F)は、LAN信号送信回路441、終端抵抗442、AC結合容量443,444、LAN信号受信回路445、減算回路446により構成されている。
電源線(+5.0V)と接地線との間には、抵抗462および抵抗463の直列回路が接続される。そして、この抵抗462と抵抗463の互いの接続点と、接地線との間には、チョークコイル461、AC結合容量444、終端抵抗442、AC結合容量443およびプルダウン抵抗451の直列回路が接続される。
AC結合容量443と終端抵抗442の互いの接続点P3は、LAN信号送信回路441の正出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路445の正入力側に接続される。また、AC結合容量444と終端抵抗442の互いの接続点P4は、LAN信号送信回路441の負出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路445の負入力側に接続される。LAN信号送信回路441の入力側には、送信信号(送信データ)SG417が供給される。
また、減算回路446の正側端子には、LAN信号受信回路445の出力信号SG418が供給され、この減算回路446の負側端子には、送信信号SG417が供給される。この減算回路446では、LAN信号受信回路445の出力信号SG418から送信信号SG417が減算され、受信信号(受信データ)SG419が得られる。
また、プルダウン抵抗451およびAC結合容量443の互いの接続点Q3は、抵抗452および容量453の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗452および容量453の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器454の一方の入力端子に供給される。この比較器454では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref3(+1.25V)と比較される。この比較器454の出力信号SG416は、シンク機器の制御部(CPU)に供給される。
HDMIケーブルに含まれるリザーブライン501およびHPDライン502は、差動ツイストペアを構成している。リザーブライン501のソース側端511は、ソース機器のHDMI端子の14ピンに接続され、当該リザーブライン501のシンク側端521はシンク機器のHDMI端子の14ピンに接続される。また、HPDライン502のソース側端512はソース機器のHDMI端子の19ピンに接続され、当該HPDライン502のシンク側端522はシンク機器のHDMI端子の19ピンに接続される。
ソース機器において、上述したプルアップ抵抗421とAC結合容量413の互いの接続点Q1は、HDMI端子の14ピンに接続され、また、上述したプルダウン抵抗431とAC結合容量414の互いの接続点Q2はHDMI端子の19ピンに接続される。一方、シンク機器において、上述したプルダウン抵抗451とAC結合容量443の互いの接続点Q3はHDMI端子の14ピンに接続され、また、上述したチョークコイル461とAC結合容量444の互いの接続点Q4はHDMI端子の19ピンに接続される。
次に、上述したように構成された、高速データラインインタフェースによるLAN通信の動作を説明する。
ソース機器において、送信信号(送信データ)SG411はLAN信号送信回路411の入力側に供給され、このLAN信号送信回路411から送信信号SG411に対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。そして、LAN信号送信回路411から出力される差動信号は、接続点P1,P2に供給され、HDMIケーブルの1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、シンク機器に送信される。
また、シンク機器において、送信信号(送信データ)SG417はLAN信号送信回路441の入力側に供給され、このLAN信号送信回路441から送信信号SG417に対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。そして、LAN信号送信回路441から出力される差動信号は、接続点P3,P4に供給され、HDMIケーブルの1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、ソース機器に送信される。
また、ソース機器において、LAN信号受信回路415の入力側は接続点P1,P2に接続されていることから、当該LAN信号受信回路415の出力信号SG412として、LAN信号送信回路411から出力された差動信号(電流信号)に対応した送信信号と、上述したようにシンク機器から送信されてくる差動信号に対応した受信信号との加算信号が得られる。減算回路416では、LAN信号受信回路415の出力信号SG412から送信信号SG411が減算される。そのため、この減算回路416の出力信号SG413は、シンク機器の送信信号(送信データ)SG417に対応したものとなる。
また、シンク機器において、LAN信号受信回路445の入力側は接続点P3,P4に接続されていることから、当該LAN信号受信回路445の出力信号SG418として、LAN信号送信回路441から出力された差動信号(電流信号)に対応した送信信号と、上述したようにソース機器から送信されてくる差動信号に対応した受信信号との加算信号が得られる。減算回路446では、LAN信号受信回路445の出力信号SG418から送信信号SG417が減算される。そのため、この減算回路446の出力信号SG419は、ソース機器の送信信号(送信データ)SG411に対応したものとなる。
このように、ソース機器の高速データラインインタフェースと、シンク機器の高速データラインインタフェースとの間では、双方向のLAN通信を行うことができる。
なお、図48において、HPDライン502は、上述のLAN通信の他に、DCバイアスレベルで、HDMIケーブルがシンク機器に接続されたことをソース機器に伝達する。すなわち、シンク機器内の抵抗462,463とチョークコイル461は、HDMIケーブルがシンク機器に接続されるとき、HPDライン502を、HDMI端子の19ピンを介して、約4Vにバイアスする。ソース機器は、HPDライン502のDCバイアスを、抵抗432と容量433からなるローパスフィルタで抽出し、比較器434で基準電圧Vref2(例えば、1.4V)と比較する。
ソース機器のHDMI端子の19ピンの電圧は、HDMIケーブルがシンク機器に接続されていなければ、プルダウン抵抗431が存在するために基準電圧Vref2より低く、逆に、HDMIケーブルがシンク機器に接続されていれば基準電圧Vref2より高い。したがって、比較器434の出力信号SG415は、HDMIケーブルがシンク機器に接続されているときは高レベルとなり、そうでないときは低レベルとなる。これにより、ソース機器の制御部(CPU)は、比較器434の出力信号SG415に基づいて、HDMIケーブルがシンク機器に接続されたか否かを認識できる。
また、図48において、リザーブライン501のDCバイアス電位で、HDMIケーブルの両端に接続された機器が、LAN通信が可能な機器(以下、「e−HDMI対応機器」という)であるか、LAN通信が不可能な機器(以下、「e−HDMI非対応機器」かを、相互に認識する機能を有している。
上述したように、ソース機器はリザーブライン501を抵抗421でプルアップ(+5V)し、シンク機器はリザーブライン501を抵抗451でプルダウンする。抵抗421,451は、e−HDMI非対応機器には存在しない。
ソース機器は、上述したように、比較器424で、抵抗422および容量423からなるローパスフィルタを通過したリザーブライン501のDC電位を基準電圧Vref1と比較する。シンク機器が、e−HDMI対応機器でプルダウン抵抗451があるときには、リザーブライン501の電圧が2.5Vとなる。しかし、シンク機器が、e−HDMI非対応機器でプルダウン抵抗451がないときには、リザーブライン501の電圧がプルアップ抵抗421の存在により5Vとなる。
そのため、基準電圧Vref1が例えば3.75Vとされることで、比較器424の出力信号SG414は、シンク機器がe−HDMI対応機器であるときは低レベルとなり、そうでないときは高レベルとなる。これにより、ソース機器の制御部(CPU)は、比較器424の出力信号SG414に基づいて、シンク機器がe−HDMI対応機器であるか否かを認識できる。
同様に、シンク機器は、上述したように、比較器454で、抵抗452および容量453からなるローパスフィルタを通過したリザーブライン501のDC電位を基準電圧Vref3と比較する。ソース機器が、e−HDMI対応機器でプルアップ抵抗421があるときには、リザーブライン501の電圧が2.5Vとなる。しかし、ソース機器が、e−HDMI非対応機器でプルアップ抵抗421がないときには、リザーブライン501の電圧がプルダウン抵抗451の存在により0Vとなる。
そのため、基準電圧Vref3が例えば1.25Vとされることで、比較器454の出力信号SG416は、ソース機器がe−HDMI対応機器であるときは高レベルとなり、そうでないときは低レベルとなる。これにより、シンク機器の制御部(CPU)は、比較器454の出力信号SG416に基づいて、ソース機器がe−HDMI対応機器であるか否かを認識できる。
図48に示す構成例によれば、1本のHDMIケーブルで映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換および認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインタフェースにおいて、LAN通信が1対の差動伝送路を介した双方向通信で行われ、伝送路のうちの少なくとも片方のDCバイアス電位によってインタフェースの接続状態が通知されることから、物理的にSCLライン、SDAラインをLAN通信につかわない空間的分離を行うことが可能となる。その結果、DDCに関して規定された電気的仕様と無関係にLAN通信のための回路を形成することができ、安定で確実なLAN通信が安価に実現できる。
なお、図48に示したプルアップ抵抗421が、ソース機器内ではなく、HDMIケーブル内に設けられているようにしてもよい。そのような場合、プルアップ抵抗421の端子のそれぞれは、HDMIケーブル内に設けられたラインのうち、リザーブライン501、および電源(電源電位)に接続されるライン(信号線)のそれぞれに接続される。
さらに、図48に示したプルダウン抵抗451および抵抗463がシンク機器内ではなく、HDMIケーブル内に設けられているようにしてもよい。そのような場合、プルダウン抵抗451の端子のそれぞれは、HDMIケーブル内に設けられたラインのうち、リザーブライン501、およびグランド(基準電位)に接続されるライン(グランド線)のそれぞれに接続される。また、抵抗463の端子のそれぞれは、HDMIケーブル内に設けられたラインのうち、HPDライン502、およびグランド(基準電位)に接続されるライン(グランド線)のそれぞれに接続される。
以上説明したように、図31に示すAVシステム50において、ビデオカメラ100(図32参照)は、非圧縮映像信号またはこの非圧縮映像信号に対してテレビ受信機200が対応可能な圧縮方式で圧縮処理を施して得られた圧縮映像信号を選択的に送信するものであり、伝送路の伝送ビットレート内で、所望のビットレートの映像信号を良好に送信できる。
また、図31に示すAVシステム50において、テレビ受信機200(図42参照)は、自身の対応可能な圧縮方式の情報をビデオカメラ100に送ると共に、ビデオカメラ100から送られてくる圧縮情報等に基づいて伸長処理、信号選択処理等を制御するものであり、送られてくる映像信号が非圧縮映像信号であるか圧縮映像信号であるかによらず、受信映像信号を良好に得ることができる。
なお、図31に示すAVシステム50は、HDMIの伝送路を用いるものを示している。しかし、HDMI以外の非圧縮映像信号の伝送路、例えば、DVI(Digital Visual Interface)、DP(Display Port)インタフェース、ワイヤレス伝送、さらに今後普及すると思われるギガビットEthernet・光ファイバーの伝送路を用いるものも同様に構成できる。
DVIの場合、上述したHDMIと同様に、映像信号の対応フォーマット(解像度、ビット深度、フレームレート等)を、受信装置が保有するE−EDIDと呼ばれる領域に記憶する規格が定義されている。したがって、このDVIの場合、上述したHDMIの場合と同様にして、送信装置は、映像信号を受信装置に送信する際には、DDC(Display Data Channel)を用いて受信装置のE−EDIDから上述の対応フォーマット情報を読み出し、送信映像信号のフォーマットを決めることができる。
このDVIの場合、HDMIと同様に、映像信号を、TMDSチャネル0〜TMDSチャネル2を用いて、ソース機器からシンク機器へ一方向で送信する(図44参照)。このDVI伝送路の論理上の上限伝送ビットレートは、3.96Gbpsである。
図49は、DPインタフェースを用いたDPシステムの構成例を示している。このDPシステムは、ディスプレイポート送信機器とディスプレイポート受信機器とが、DPインタフェースにより接続されている。そして、ディスプレイポート送信機器はディスプレイポートトランスミッタを備え、ディスプレイポート受信機器はディスプレイポートレシーバを備えている。
メインリンクは、1つ、2つ、または4つの二重終端差動信号ペア(ペアレーン)から構成され、専用のクロック信号は持たず、代わりに8B/10B符号化データストリームにクロックが埋め込まれている。DPインタフェースでは、2つの伝送速度が定められている。1つはペアレーン当たりの帯域幅が2.16Gbpsである。もう1つは、ペアレーン当たりの帯域幅が1.296Gbpsである。従って、このDPインタフェースの伝送路における論理上の上限伝送ビットレートは、1ポートあたり2.16Gbpsであり、最大4ポートで8.64Gbpsである。
このDPインタフェースでは、HDMIと違い、伝送速度とピクセル周波数は独立していて、ピクセルの深さや解像度、フレーム周波数、および転送ストリーム内の音声データやDRM情報などの付加データの有無ならびにその量を、自由に調整できる。
また、DPインタフェースでは、メインリンクとは別に、帯域幅1Mビット/秒、最大遅延500msの半二重双方向の外部(補助)チャネルがあり、この双方向通信によって送信機器と受信機器との間の機能に関する情報交換を行う。
このDPインタフェースにおいては、例えば、上述の外部(補助)チャネルにより、受信機器から対応可能な圧縮方式情報を送信機器に送ることができ、また、送信機器から受信機器に圧縮情報を送ることができる。なお、このDPインタフェースの場合、図示していないが、HDMIあるいはDVIと同様のEDIDに、受信機器で対応可能な圧縮方式(伸長方式)情報が記憶されている。また、このDPインタフェースでは、ホットプラグ検知は、接続先が変更されたことを検出するために備えられている。
図50は、ワイヤレスシステム50Aの構成例を示している。この図50において、図32および図42と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明を省略する。このワイヤレスシステム50Aは、送信装置100Aおよび受信装置200Aが無線伝送路300Aで接続された構成とされている。
送信装置100Aは、制御部131と、ユーザ操作部132と、表示部133と、再生部134と、n個のデータ圧縮部121-1〜121-nと、スイッチ部122と、ワイヤレス送受信部135とを有している。
制御部131は、送信装置100Aの各部の動作を制御する。ユーザ操作部132および表示部133は、ユーザインタフェースを構成し、制御部131に接続されている。ユーザ操作部132は、送信装置100Aの図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいは表示部133の表示面に配置されたタッチパネル、さらにはリモコンの送受信機等で構成されている。表示部133は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成されている。
再生部134は、例えば、光ディスク、HDD、あるいはメモリカード等の記録媒体から所定の映像コンテンツを再生し、非圧縮映像信号を出力する。この再生部134は、映像信号出力を構成している。ワイヤレス送受信部135は、無線伝送路300Aを介して、受信装置200Aから、映像信号の対応フォーマット(解像度、ビット深度、フレームレート等)の情報を受信し、このフォーマット情報を制御部131に供給する。制御部131は、このフォーマット情報を記憶部131aに記憶して保持する。再生部134は、制御部131の制御のもと、出力する非圧縮映像信号のフォーマット(解像度、ビット深度、フレームレート等)を、信号変換部134aにより、受信装置200Aで取り扱われる、つまり、受信装置200Aで表示可能に変換して出力する。ワイヤレス送受信部135は、映像フォーマット情報受信部を構成している。
データ圧縮部121-1〜121-nは、それぞれ、再生部134から出力された非圧縮の映像信号を所定の圧縮比をもって圧縮処理し、圧縮された映像信号を出力する。データ圧縮部121-1〜121-nは、映像信号圧縮部を構成している。データ圧縮部121-1〜121-nは、それぞれ、互いに異なる圧縮方式でデータ圧縮処理を行う。例えば、圧縮方式としては、「RLE(Run Length Encoding)」、「Wavelet」、「SBM(SuperBit Mapping)」、「LLVC(Low Latency Video Codec)」、「ZIP」等が考えられる。なお、データ圧縮部121-1〜121-nで必要とされる圧縮率は小さくてよく、ライン内圧縮処理、あるいはフレーム(フィールド)内圧縮処理等を行う圧縮率の小さな圧縮方式で十分であり、さらに画質劣化を抑制するという観点からは可逆圧縮方式が望ましい。例えば、RLE、ZIPは可逆圧縮方式である。
スイッチ部122は、再生部134から出力された非圧縮映像信号およびデータ圧縮部121-1〜121-nから出力された圧縮映像信号のうち、いずれかを選択的に取り出し、ワイヤレス送受信部135に、送信すべき映像信号として供給する。このスイッチ部122は、映像信号選択部を構成している。
ここで、スイッチ部122およびデータ圧縮部121-1〜121-nの動作は、制御部131により、以下のように制御される。この場合、再生部134から出力される非圧縮(ベースバンド)映像信号のビットレートをBR1とし、無線伝送路300Aの伝送ビットレートをBR2とする。ビットレートBR1は、例えば、(解像度)×(フレームレート)×(3色分のビット深度)の算出式により、求めることができる。
無線伝送路300Aの伝送ビットレートBR2は、この実施の形態においては、受信装置200Aから無線伝送路300Aを介して送られてくる、受信装置200A側におけるビットエラーレート情報に基づき、制御部131により設定される。制御部131は、受信装置200A側におけるビットエラーレート情報に基づいて、受信装置200A側におけるビットエラーレートが一定値以下とするビットレートで、しかも、その中で最も高いビットレートとなるように、当該ビットレートBR2を逐次変化させる。
すなわち、制御部131は、ビットエラーレートが一定値より大きくなる場合にはビットレートBR2の値を小さくし、逆にビットエラーレートが一定値より小さくなる場合にはビットレートBR2の値を大きくし、受信装置200A側におけるビットエラーレートを一定値近辺で推移させる。
ワイヤレス送受信部135は、上述したように、受信装置200Aから無線伝送路300Aを介して送られてくるビットエラーレート情報を受信し、制御部131に供給する。制御部131は、このビットエラーレート情報を記憶部131aに保持する。ワイヤレス送受信部135は、ビットエラーレート情報受信部を構成している。
ビットレートBR1がビットレートBR2を超えていない場合、スイッチ部122は、再生部134から出力される非圧縮映像信号を取り出して、ワイヤレス送受信部135に、送信すべき映像信号として供給する。一方、ビットレートBR1がビットレートBR2を超える場合、スイッチ部122は、再生部134から出力される非圧縮映像信号に対して、データ圧縮部121-1〜121-nのいずれかでデータ圧縮処理されて得られた圧縮映像信号を取り出して、ワイヤレス送受信部135に、送信すべき映像信号として供給する。
ここで、制御部131は、受信装置200Aから無線伝送路300Aを介して送られてくる、当該受信装置200Aが対応可能な圧縮方式を示す情報を参照して、データ圧縮部121-1〜121-nのうちどのデータ圧縮部を選択するかを決定する。すなわち、制御部131は、受信装置200Aが対応可能な圧縮方式でデータ圧縮処理を行うと共に、データ圧縮処理で生成された圧縮映像信号のビットレートが、上述のビットレートBR2(無線伝送路300Aの伝送ビットレート)を超えないように圧縮処理を行う、という条件を満たすデータ圧縮部を選択する。この場合、圧縮比の変更が可能なデータ圧縮部にあっては、圧縮比の変更制御により、上述のビットレートの条件を満たすことができる場合がある。
なお、上述の条件を満たすデータ圧縮部が2つ以上存在する場合、制御部131は、その中に可逆圧縮方式のデータ圧縮を行うものがあるときは、そのデータ圧縮部を優先的に選択する。このように可逆圧縮方式のデータ圧縮を行うデータ圧縮部が優先的に選択されることで、データ圧縮処理による画質劣化が抑制される。
また、上述したように、ビットレートBR1がビットレートBR2を超える場合には、データ圧縮部121-1〜121-nのいずれかでデータ圧縮処理されて得られた圧縮映像信号を送信すべき映像信号とすることが基本であるが、データ圧縮部121-1〜121-nの中に受信装置200Aが対応可能な圧縮方式でデータ圧縮処理を行うものが無かった場合、制御部131は、以下のような制御を行う。
すなわち、制御部131は、再生部134が備える信号変換部134aにより、この再生部134から出力される非圧縮映像信号の解像度、ビット深度およびフレームレートのうち、1つまたは複数の項目を小さくして、当該非圧縮映像信号のビットレートBR1が、無線伝送路300Aの伝送ビットレートBR2を超えないようにする。そして、制御部131は、再生部134から出力される非圧縮映像信号をスイッチ部122により取り出し、ワイヤレス送受信部135に、送信すべき映像信号として供給する。
ワイヤレス送受信部135は、上述したように、受信装置200Aから無線伝送路300Aを介して送られてくる、当該受信装置200Aが対応可能な圧縮方式の情報を受信し、制御部131に供給する。制御部131は、この圧縮方式情報を記憶部131aに保持する。ワイヤレス送受信部135は、圧縮方式情報受信部を構成している。
制御部131は、スイッチ部122およびデータ圧縮部121-1〜121-nの制御情報、さらには上述した再生部134から出力される非圧縮映像信号のフォーマット情報(解像度等の情報)を、無線伝送路300Aを介して、受信装置200Aに送る。スイッチ部122およびデータ圧縮部121-1〜121-nの制御情報(以下、「圧縮情報」という)には、送信映像信号が非圧縮映像信号であるか圧縮映像信号であるかを示す情報、および送信映像信号が圧縮映像信号であるときには圧縮方式、圧縮比等の情報が含まれている。制御部131は、ワイヤレス送受信部135と共に、圧縮情報送信部を構成している。
制御部131は、上述の圧縮情報を、例えば、上述の図31に示すAVシステム50と同様に、AVIInfoFrame パケットを利用して、受信装置200Aに送信できる(図40、図41参照)。
ワイヤレス送受信部135は、所定の通信により、スイッチ部122から供給される映像信号を、無線伝送路300Aを介して、受信装置200Aに送信する。この意味で、ワイヤレス送受信部135は、映像信号送信部を構成している。
受信装置200Aは、制御部231と、ユーザ操作部232と、ワイヤレス送受信部233と、m個のデータ伸長部219-1〜219-mと、スイッチ部220と、表示部234とを有している。
制御部231は、受信装置200Aの各部の動作を制御する。ユーザ操作部232は、ユーザインタフェースを構成し、制御部231に接続されている。ユーザ操作部232は、受信装置200Aの図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいはリモコン等で構成される。
ワイヤレス送受信部233は、所定の通信により、送信装置100Aから無線伝送路300Aを介して送信されてくる映像信号を受信する。このワイヤレス送受信部233は、映像信号受信部を構成している。このワイヤレス送受信部233は、受信した映像信号を、スイッチ部220およびデータ伸長部219-1〜219-mに供給する。
データ伸長部219-1〜219-mは、ワイヤレス送受信部233で受信された映像信号が、圧縮された映像信号であり、その圧縮方式に自身が対応しているとき、当該映像信号にデータ伸長処理を施して、非圧縮映像信号を出力する。データ伸長部219-1〜219-mは、映像信号伸長部を構成している。スイッチ部220は、ワイヤレス送受信部233で受信された映像信号またはデータ伸長部219-1〜219-mで得られた非圧縮映像信号を、選択的に取り出して、表示部234に供給する。このスイッチ部220は、映像信号選択部を構成している。
ここで、データ伸長部219-1〜219-mおよびスイッチ部220の動作は、制御部231により、以下のように制御される。すなわち、制御部231は、上述したように、送信装置100Aから無線伝送路300Aを介して送られてくる、圧縮情報、および、映像信号のフォーマット情報に基づいて、制御を行う。これらの情報は、ワイヤレス送受信部233で受信されて、制御部231に供給される、制御部231は、これらの情報を記憶部231aに保持する。
圧縮情報には、ワイヤレス送受信部233で受信された映像信号が非圧縮映像信号であるか圧縮映像信号であるかを示す情報、およびその映像信号が圧縮映像信号であるときには圧縮方式、圧縮比等の情報が含まれている。ワイヤレス送受信部233は、圧縮情報受信部を構成している。
制御部231は、上述の圧縮情報等に基づいて、データ伸長部219-1〜219-mおよびスイッチ部220の動作を制御する。すなわち、制御部231は、ワイヤレス送受信部233で受信した映像信号が非圧縮映像信号であるとき、当該非圧縮映像信号をスイッチ部220で取り出し、受信映像信号として表示部234に供給する。
一方、制御部231は、ワイヤレス送受信部233で受信した映像信号が圧縮映像信号であるとき、当該映像信号に対して、その圧縮方式に対応したデータ伸長部でデータ伸長処理を行い、その結果得られる非圧縮映像信号をスイッチ部220で取り出し、表示部234に供給する。
なお、表示部234は、信号変換部234aを備えている。この信号変換部234aは、上述したようにワイヤレス送受信部233で受信した映像信号が非圧縮映像信号であっても、この非圧縮映像信号が無線伝送路300Aの伝送ビットレートとの関係から、送信装置100Aの再生部134が備える信号変換部134aで解像度等が小さくされているときには、上述したように送信装置100Aから送信されてくる、当該非圧縮映像信号の解像度等の情報に基づいて、解像度等が当該受信装置200Aで取扱可能な、つまり受信装置200Aで表示可能な状態に戻される。
表示部234は、スイッチ部220から出力される映像信号による画像を表示する。表示部234は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)等で構成される。
なお、送信装置100Aの説明で述べたように、受信装置200Aから送信装置100Aには、無線伝送路300Aを介して、受信装置200Aが対応可能な圧縮方式(伸長方式)を示す情報が送信される。この圧縮方式情報は、例えば、制御部231の記憶部231aに保持されている。受信装置200Aから送信装置100Aに圧縮方式情報を送信する際、この記憶部231aから読み出された圧縮方式情報が、ワイヤレス送受信部233により、無線伝送路300Aを介して送信装置100Aに送信される。この意味で、ワイヤレス送受信部233は、圧縮方式情報送信部を構成している。
また、ワイヤレス送受信部233は、ビットエラーレート測定部233aを備えている。このビットエラーレート測定部233aは、送信装置100Aから送られてくる映像信号のビットエラーレートを、例えば、定期的に、測定する。ワイヤレス送受信部233は、このビットエラーレート測定部233aで得られたビットエラーレートの情報を、無線伝送路300Aを介して、送信装置100Aに送信する。送信装置100Aでは、このビットエラーレートの情報に基づいて、無線伝送路300Aの伝送ビットレートBR2を設定し、上述したように、データ圧縮部121-1〜121-nおよびスイッチ部122の制御を行うことができる。ワイヤレス送受信部233は、ビットエラーレート情報送信部を構成している。
以上のように構成される、図50のワイヤレスシステム50Aの動作例を説明する。例えば、ユーザが映像信号の送信操作を行うと、再生部134からはユーザが選択した所定の映像コンテンツの非圧縮映像信号が出力される。この非圧縮映像信号のフォーマット(解像度等)は、信号変換部134aにより、例えば、受信装置200Aで取り扱われる、つまり、受信装置200Aで表示可能に変換されている。
再生部134から出力される映像信号はそのままスイッチ部122を通じてワイヤレス送受信部135に供給され、あるいは、再生部134から出力される映像信号はデータ圧縮部121-1〜121-nのいずれかでデータ圧縮処理された後にスイッチ部122を通じてワイヤレス送受信部135に供給される。
この場合、再生部134から出力される非圧縮映像信号のビットレートをBR1とし、無線伝送路300Aの伝送ビットレートをBR2とするとき、BR1≦BR2であるときは、再生部134から出力される非圧縮映像信号が送信すべき映像信号としてワイヤレス送受信部135に供給される。
一方、BR1≦BR2でないときは、再生部134から出力される非圧縮映像信号に対してデータ圧縮部121-1〜121-nのいずれかでデータ圧縮処理が施され、出力される圧縮映像信号が、送信すべき映像信号としてワイヤレス送受信部135に供給される。
なお、BR1≦BR2でないときであっても、データ圧縮部121-1〜121-nに受信装置200Aで対応可能な圧縮方式でデータ圧縮処理を行うものがないときは、再生部134から出力される非圧縮映像信号の解像度等が小さくされて、BR1≦BR2を満たすようにされ、その非圧縮映像信号が送信すべき映像信号としてワイヤレス送受信部135に供給される。
ワイヤレス送受信部135では、スイッチ部122から供給される映像信号が、所定の通信により、無線伝送路300Aを介して、受信装置200Aに送信される。この場合、送信される映像信号のビットレートは、上述したように、無線伝送路300Aの伝送ビットレート内に抑えられている。したがって、送信装置100Aは、無線伝送路300Aの伝送ビットレート内で、所望のビットレートの映像信号を、受信装置200Aに良好に送信できる。
なお、この送信装置100Aから、受信装置200Aには、上述した映像信号の送信に伴って、無線伝送路300Aを通じて、送信映像信号の圧縮情報およびフォーマット情報が送信される。
受信装置200Aでは、ワイヤレス送受信部233により、所定の通信により、送信装置100Aのワイヤレス送受信部135から無線伝送路300Aを介して送信されてくる映像信号が受信される。ワイヤレス送受信部233で受信された映像信号は、スイッチ部220およびデータ伸長部219-1〜219-mに供給される。
スイッチ部220およびデータ伸長部219-1〜219-mの動作は、送信装置100Aから、上述したように送られてくる圧縮情報およびフォーマット情報に基づいて、制御される。
すなわち、ワイヤレス送受信部233で受信された映像信号が非圧縮映像信号であるとき、当該非圧縮映像信号がスイッチ部220を通じて表示部234に供給される。ワイヤレス送受信部233で受信された映像信号が圧縮映像信号であるとき、当該映像信号に対して、その圧縮方式に対応したデータ伸長部でデータ圧縮処理が行われ、その結果得られた非圧縮映像信号がスイッチ部220を通じて表示部234に供給される。
なお、表示部234に供給される非圧縮映像信号が無線伝送路300Aの伝送ビットレートとの関係から、送信装置100A側で解像度等が小さくされているときには、上述したように送信装置100Aから送られてくるフォーマット情報に基づいて、解像度等が当該受信装置200Aで取扱可能な、つまり受信装置200Aで表示可能な状態に戻される。
これにより、ワイヤレス送受信部233で受信される映像信号が非圧縮映像信号であるか圧縮映像信号であるかによらず、表示部234には、良好な受信映像信号が供給される。表示部234には、上述したようにスイッチ部220から供給される映像信号による画像が表示される。
なお、上述したように、送信装置100Aにおいては、受信装置200Aからの圧縮方式情報に基づいて、当該受信装置200Aが応可能な圧縮方式でデータ圧縮処理が行われるので、ワイヤレス送受信部233で受信される圧縮映像信号は、データ伸長部219-1〜219-mのいずれかによって、必ず伸長することができる。
また、受信装置200Aのワイヤレス送受信部233では、ビットエラーレート測定部233aにより、送信装置100Aから送られてくる映像信号のビットエラーレートが、例えば、定期的に、測定される。そして、測定されたビットエラーレートの情報は、ワイヤレス送受信部233から無線伝送路300Aを介して送信装置100A側に送られる。
送信装置100Aでは、制御部131により、無線伝送路300Aの伝送ビットレートBR2が、受信装置200Aから無線伝送路300Aを介して送られてくる、受信装置200A側におけるビットエラーレート情報に基づいて設定される。すなわち、制御部131により、受信装置200A側におけるビットエラーレートが一定値以下とするビットレートで、しかも、その中で最も高いビットレートとなるように、当該ビットレートBR2が逐次更新される。したがって、受信装置200A側におけるビットエラーレートを一定値近辺で推移させることができ、無線伝送路300Aの伝送許容ビットレート(ビットエラーレートが一定値となる伝送ビットレート)が不安定で揺れる場合であっても、送信装置100Aから受信装置200Aに映像信号を良好に送信できる。
図51は、送信装置100Aから受信装置200Aに、無線伝送路300Aを介して映像信号を送信する場合における制御シーケンスを示している。
(a)受信装置は、常に定期的にビーコンを出力し、送信装置がワイヤレスネットワーク内に存在するかどうかを確認する。(b)ユーザにより電源が投入され、あるいは既にスタンバイ状態にある送信装置は、(c)ビーコンに対してアクノーリッジを返答することでワイヤレスネットワークへの参加とリンク確立要求を行う。(d)受信装置は、送信装置を認識し、リンク確立アクノーリッジを返答する。
(e)送信装置は、受信装置に対し、圧縮方式(伸長方式)情報を含むEDIDデータの伝送を要求する。(f)受信装置は、要求を受信したら、受信装置の記憶部から所定のデータを読み出して、送信装置へ伝送する。送信装置は、伝送されたEDIDデータから受信装置が対応可能な圧縮方式を認識し、それに対応可能な送信装置の圧縮方式を決定する。
(g)ユーザにより選択された映像信号を伝送するとき、送信装置は、無線伝送路の伝送ビットレートと送信映像信号の必要伝送ビットレートを比較し、この必要伝送ビットレートが伝送路の伝送ビットレート以下であれば非圧縮のまま伝送する。一方、必要ビットレートが無線伝送路の伝送ビットレートを超える場合は、前述で決定した圧縮方式の中から適宜方式を選択し、また必要に応じて圧縮比を決定し、(h)その情報をAVI InfoFrame パケットの所定の領域に設定して受信装置に伝送し、映像信号の送信を開始する。
(i)受信装置は、受信したAVI InfoFrame パケットから圧縮方式、圧縮比等の情報を抽出し、非圧縮であればそのまま表示部へ信号を渡す。一方、圧縮伝送ならば圧縮方式、圧縮比等の情報を用いて伸長部を制御し、復号化する。無線伝送は伝送路の条件により伝送ビットレートが不安定で、刻々と変化するため、(j)送信装置は、受信装置からのビットエラーレート情報等により、定期的に無線伝送路の伝送ビットレート状況を確認する。
(k)送信装置は、無線伝送路の伝送ビットレートが現在送信している映像信号が必要とする伝送ビットレートを下回った場合は、圧縮比を変更したり、圧縮方式を変更したりして、送信映像信号が必要とする伝送ビットレートを無線伝送路の伝送ビットレート以下となるように制御し、同時に受信装置へ圧縮方式や圧縮比が変更となったAVI InfoFrame パケットを送信する。(m)ユーザの操作により送信停止が指示されたとき、送信装置は受信装置への映像信号の送信を停止する。
以上説明したように、図50に示すワイヤレスシステム50Aにおいて、送信装置100Aは、非圧縮映像信号またはこの非圧縮映像信号に対して受信装置200Aが対応可能な圧縮方式で圧縮処理を施して得られた圧縮映像信号を選択的に送信するものであり、無線伝送路300Aの伝送ビットレート内で、所望のビットレートの映像信号を良好に送信できる。
また、図50に示すワイヤレスシステム50Aにおいて、受信装置200Aは、自身の対応可能な圧縮方式の情報を送信装置100Aに送ると共に、送信装置100Aから送られてくる圧縮情報等に基づいて伸長処理、信号選択処理等を制御するものであり、送られてくる映像信号が非圧縮映像信号であるか圧縮映像信号であるかによらず、受信映像信号を良好に得ることができる。
なお、図50に示すワイヤレスシステム50Aにおいて、例えば、無線伝送路300Aが60GHz帯(ミリ波帯)である場合、室内での映像信号の伝送を考えた場合、送信波が壁や物体で反射するので、送信装置100Aのワイヤレス送受信部135におけるアンテナ(図示せず)の方向、つまり送信方向を変化させることで、図52に示すように、送信装置100Aから受信装置200Aまでの送信経路として、複数の経路(図示の例では(a)〜(c)の3経路)をとることが可能となる。
このような状況において、送信装置100Aは、予め、送信方向を複数の方向に変化させて、各方向で種々のビットレートの映像信号を送信すると共に受信装置200Aからビットエラーレート情報を受け取ることで、図53に示すような、テーブルを形成でき、このテーブルを制御部131の記憶部131aに保持しておくことができる。
図53のテーブルは、送信装置100Aから受信装置200Aに映像信号を送信する際に利用可能な経路と、その経路における無線伝送路300Aにおける伝送ビットレート(ビットエラーレートが一定値以下で送信が可能な伝送ビットレート)との対応関係を示している。なお、ここでは、TRa>TRb>TRcであるとする。
図52に示す状況において、送信装置100Aから受信装置200Aに(a)経路で映像信号の送信が行われている状態で、この(a)経路を遮断する位置に人などの障害物が入ってきた場合、送信装置100Aは、図53のテーブルを参照して、次に伝送ビットレートが大きな(b)経路で送信を行う状態となる。このとき、送信装置100Aの制御部131は、無線伝送路300Aの伝送ビットレートBR2を、TRaからTRbに変更して、データ圧縮部121-1〜121-nおよびスイッチ部122の動作を制御する。
また、上述のように送信装置100Aから受信装置200Aに(b)経路で映像信号の送信が行われる状態となった後に、さらに、この(b)経路を遮断する位置に人などの障害物が入ってきた場合、送信装置100Aは、図53のテーブルを参照して、次に伝送ビットレートが大きな(c)経路で送信を行う状態となる。このとき、送信装置100Aの制御部131は、無線伝送路300Aの伝送ビットレートBR2を、TRbからさらにTRcに変更して、データ圧縮部121-1〜121-nおよびスイッチ部122の動作を制御する。
このように、送信装置100Aから受信装置200Aまでの送信経路が変更される場合、テーブルに基づいて、無線伝送路300Aの伝送ビットレートBR2が変更されることで、データ圧縮部121-1〜121-nおよびスイッチ部122の動作が制御されることで、送信経路が変更されても、送信装置100Aから受信装置200Aに映像信号を良好に送信できる。
なお、映像信号送信装置は、図31に示すAVシステム50ではビデオカメラ100であり、図50に示すワイヤレスシステム50Aでは送信装置100Aであると共に、映像信号受信装置は、図31に示すAVシステム50ではテレビ受信機200であり、図50に示すワイヤレスシステム50Aでは受信装置200Aである。しかし、映像信号送信装置および映像信号受信装置はこれらに限定されるものではなく、その他の機器の組み合わせであってもよい。
また、データ圧縮部121-1〜121-nおよびデータ伸長部219-1〜219-mの部分はハードウェアおよびソフトウェアのいずれでも実現できる。計算負荷の小さなコーデックの場合であれば、ソフトウェア処理で実現することも有効である。ハードウェアであれば固有の処理しか行えないが、ソフトウェアであれば複数の圧縮方式の処理を簡単に変更できる。
[第2の実施の形態のAVシステムの構成例]
図54は、第2の実施の形態としてのAVシステム5′を示している。このAVシステム5′は、ディスクレコーダ等のソース機器10′と、N個のテレビ受信機等のシンク機器30′-1〜30′-Nを有している。ここで、ソース機器10′は送信装置を構成し、シンク機器30′-1〜30′-Nは受信装置を構成している。
ソース機器10′は、シンク機器30′-1〜30′-Nに、伝送媒体(伝送路)を介して、コンテンツデータとしてのAVストリームをブロードキャスト送信する機能を有する。また、ソース機器10′は、シンク機器30′-1〜30′-Nに伝送媒体を介して情報を送信する機能を有する。また、ソース機器10′は、シンク機器30′-1〜30′-Nから伝送媒体を介して送られてくる情報を受信する機能を有する。ここで、伝送媒体として、有線あるいは無線が使用される。
シンク機器30′-1〜30′-Nは、ソース機器10′から上述したようにブロードキャスト送信されたAVストリームを受信して再生する機能を有する。また、シンク機器30′-1〜30′-Nは、ソース機器10′から伝送媒体を介して送られてくる情報を受信する機能を有する。また、シンク機器30′-1〜30′-Nは、ソース機器10′に、伝送媒体を介して、情報を送信する機能を有する。
シンク機器30′-1〜30′-Nは、自身の性能(Configuration/capability)に関する情報であるEDID(Extended Display Identification Data)を記憶しているEDID ROM(Read Only Memory)30a-1〜30a-Nを有している。EDID ROM30a-1〜30a-Nに記憶されているEDIDには、それぞれ、シンク機器30′-1〜30′-Nが対応可能なビデオフォーマット、オーディオフォーマットの情報も含まれている。
ソース機器10′は、上述の情報の送受信の機能を用いて、シンク機器30′-1〜30′-NのEDID ROM30a-1〜30a-NからそれぞれEDIDを読み出す。そして、ソース機器10′は、EDID内のビデオおよびオーディオのフォーマット情報に基づいて、AVストリームの伝送フォーマット(ビデオフォーマットおよびオーディオフォーマット)を決定する。この場合、ソース機器10′は、シンク機器30′-1〜30′-Nの全てが対応可能となるように、伝送データフォーマットを決定する。なお、ソース機器10′における伝送データフォーマットの決定方法の詳細は後述する。
図54に示すAVシステム5′において、ソース機器10′からシンク機器30′-1〜30′-NにコンテンツデータとしてのAVストリームをブロードキャスト送信する際の動作を説明する。
ソース機器10′では、AVストリームの伝送データフォーマットを決定することが行われる。この場合、ソース機器10′では、情報の送受信機能が用いられて、シンク機器30′-1〜30′-NのEDID ROM30a-1〜30a-NからそれぞれEDIDを読み出すことが行われる。また、ソース機器10′では、情報の送受信機能が用いられて、シンク機器30′-1〜30′-Nからそれぞれビットエラーレート情報が周期的に取得される。また、ソース機器10′では、情報の送受信機能が用いられて、シンク機器30′-1〜30′-Nが対応可能なビデオ圧縮方式の情報が取得される
ソース機器10′では、EDID内のビデオおよびオーディオのフォーマット情報に基づいて、AVストリームにおけるビデオおよびオーディオの伝送フォーマットが、シンク機器30′-1〜30′-Nの全てが対応可能となるように決定される。
また、ソース機器10′では、各シンク機器30′-1〜30′-Nからのビットエラーレート情報に基づき、各シンク機器30′-1〜30′-Nとの間の伝送路の伝送ビットレートが設定される。そして、ソース機器10′では、各シンク機器30C′1〜30′-Nとの間の伝送路の伝送ビットレートに応じて、決定された伝送フォーマットによるAVストリームがそのまま、あるいはデータ圧縮処理されて、シンク機器30′-1〜30′-Nに、ブロードキャスト送信される。
データ圧縮される場合には、シンク機器30′-1〜30′-Nの全てが対応可能なデータ圧縮方式が使用される。この場合、シンク機器30′-1〜30′-Nの全てが対応可能なデータ圧縮方式が複数ある場合には、ビデオ圧縮方式の優先順位情報に基づいて、優先順位の高い圧縮方式が採用される。
シンク機器30′-1〜30′-Nでは、ソース機器10′から上述したようにブロードキャスト送信されたAVストリームが受信される。このAVストリームにおけるビデオおよびオーディオの伝送フォーマットは、上述したようにシンク機器30′-1〜30′-Nの全てで対応可能とされている。また、AVストリームがデータ圧縮処理されている場合、そのデータ圧縮方式は、上述したようにシンク機器30′-1〜30′-Nの全てで対応可能とされている。そのため、シンク機器30′-1〜30′-Nでは、受信されたAVストリームが再生される。
図54のAVシステム5′においては、詳細説明は省略するが、図1に示すAVシステム5と同様に、例えば、単一バンドあるいはデュアルバンドが使用されて、AVストリームおよび情報の無線伝送を行うことができる(図2、図3参照)。
[ソース機器、シンク機器の構成例]
ソース機器10′およびシンク機器30′(30′-1〜30′-N)の構成例を説明する。
ソース機器10′の構成例について説明する。図55は、ソース機器10′としてのディスクレコーダ10Cの構成例を示している。この図55において、図4と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明を省略する。
ディスクレコーダ10Cは、制御部11と、ユーザ操作部12と、表示部13と、ディスクドライブ14と、コーデック15と、外部装置を接続するための端子16と、パケット生成・分離部17と、通信部(無線/有線)18を有している。ディスクレコーダ10Cは、さらに、データ圧縮部19と、スイッチ部20を有している。
データ圧縮部19は、コーデック15から出力された非圧縮のビデオデータを所定の圧縮比をもって圧縮処理し、圧縮されたビデオデータを出力する。データ圧縮部19は、複数の圧縮方式に対応しており、制御部11の制御のもと、決定された所定の圧縮方式でデータ圧縮の処理を行う。例えば、圧縮方式は、「RLE(Run Length Encoding)」、「Wavelet」、「SBM(SuperBit Mapping)」、「LLVC(Low Latency Video Codec)」、「ZIP」等である。
スイッチ部20は、ビデオデータに関しては、制御部11の制御のもと、コーデック15から出力された非圧縮ビデオデータおよびデータ圧縮部19から出力された圧縮ビデオデータのうち、いずれかを選択的に取り出し、パケット生成・分離部17に供給する。また、スイッチ部20は、オーディオデータに関しては、コーデック15から出力された非圧縮オーディオデータをそのままパケット生成・分離部17に供給する。
図55のディスクレコーダ10Cのその他の構成は、詳細説明は省略するが、図4に示すディスクレコーダ10Aの構成と同様である。
次に、シンク機器30′(シンク機器30′-1〜30′-N)の構成例について説明する。図56は、シンク機器30としてのテレビ受信機30Cの構成例を示している。この図56において、図5と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
テレビ受信機30Cは、制御部31と、ユーザ操作部32と、EDIDROM42を有している。また、テレビ受信機30Cは、通信部(無線/有線)33と、パケット生成・分離部34と、切り替え器35と、チューナ36と、アンテナ端子37と、画像処理部38と、表示パネル39と、音声処理部40と、スピーカ41を有している。さらに、テレビ受信機30Cは、データ伸長部42と、スイッチ部43を有している。
通信部33はビットエラーレート測定部33aを備えている。このビットエラーレート測定部33aは、ソース機器10′(ディスクレコーダ10C)から送られてくるビデオデータのビットエラーレートを定期的に測定する。通信部33は、ビットエラーレート測定部33aで測定されたビットエラーレートの情報を、ソース機器10′からの要求があったとき、あるいは新たに測定されたときに、ソース機器10′に送る。
データ伸長部42は、制御部31の制御のもと、パケット生成・分離部34で得られたビデオデータが圧縮ビデオデータであるとき、当該圧縮ビデオデータに対して、そのデータ圧縮方式に対応したデータ伸長処理を施し、非圧縮ビデオデータを出力する。スイッチ部43は、制御部31の制御のもと、パケット生成・分離部34で得られたビデオデータ、あるいはデータ伸長部42で得られたビデオデータを選択的に取り出して、切り替え器35に供給する。
この場合、スイッチ部43は、パケット生成・分離部34で得られたビデオデータが非圧縮ビデオデータであるときは、当該ビデオデータを取り出す。また、スイッチ部43は、パケット生成・分離部34で得られたビデオデータが圧縮ビデオデータであるときは、データ伸長部42で得られたビデオデータを取り出す。
図56に示すテレビ受信機30Cのその他の構成は、詳細説明は省略するが、図5に示すテレビ受信機30Cの構成と同様である。
[伝送データフォーマットの決定方法、データ圧縮の要否判定方法]
ソース機器10′における伝送データフォーマットの決定方法に関しては、詳細説明は省略するが、図1のAVシステム5のソース機器10における伝送データフォーマットの決定方法と同様である。
ソース機器10′は、伝送路(伝送媒体)の伝送ビットレート情報に基づいて、ビデオデータのデータ圧縮の要否を判定する。この実施の形態において、ソース機器10′は、このデータ圧縮の要否判定の際に、予め作成されている、シンク機器の方向別伝送ビットレート管理テーブルを参照する。
ソース機器10′は、定期的に、送信方向を複数の方向に変化させて、各方向で種々のビットレートのビデオデータを各シンク機器30′-1〜30′-Nにブロードキャスト送信する。そして、ソース機器10′は、例えば、各シンク機器30′-1〜30′-Nに要求してビットエラーレート情報を受け取り、シンク機器の方向別伝送ビットレート管理テーブルを作成(更新)する。この場合、ソース機器10′は、ビットエラーレートに基づき、ビットエラーレートを一定値以下とするビットレートで、しかも、その中で最も高いビットレートとなるように、伝送ビットレートを設定する。
図57は管理テーブルの一例を示している。この例は、シンク機器が3台で、送信方向が3方向の場合の例である。
この管理テーブルにおいて、シンク機器1に関しては、送信方向(a)で伝送ビットレートはTR1a=8.0Gbpsに設定され、送信方向(b)で伝送ビットレートはTR1b=7.3Gbpsに設定され、送信方向(c)で伝送ビットレートはTR1c=3.5Gbpsに設定されている。また、シンク機器2に関しては、送信方向(a)で伝送ビットレートはTR2a=6.8Gbpsに設定され、送信方向(b)で伝送ビットレートはTR2b=7.0Gbpsに設定され、送信方向(c)で伝送ビットレートはTR2c=3.6Gbpsに設定されている。また、シンク機器3に関しては、送信方向(a)で伝送ビットレートはTR3a=5.2Gbpsに設定され、送信方向(b)で伝送ビットレートはTR3b=6.8Gbpsに設定され、送信方向(c)で伝送ビットレートはTR3c=3.7Gbpsに設定されている。
また、この管理テーブルにおいて、方向別に、伝送ビットレートの共通リストが決定されている。この共通リストは、各シンク機器に対して設定された伝送ビットレートのうち、最低値とされる。そのため、共通リストは、方向(a)に関しては5.2Gbpsに決定され、方向(b)に関しては6.8Gbpsに決定され、方向(c)に関しては3.5Gbpsに決定されている。
ソース機器10′は、このデータ圧縮の要否判定の際に、まず、上述の管理テーブルの共通リストのうち、伝送ビットレートが最大の送信方向(伝送経路)を採用することを決定する。なお、ソース機器10′から複数のシンク機器30′-1〜30′-Nにブロードキャスト送信する際には、この伝送ビットレートが最大の送信方向が採用される。
ソース機器10′は、次に、上述の採用決定された送信方向における共通リストの伝送ビットレートをBR2とし、決定された伝送ビデオフォーマットの非圧縮ビデオデータのビットレートをBR1とし、それらの大小関係に応じて、データ圧縮の要否を判定する。すなわち、BR1≦BR2のとき、ソース機器10′は、データ圧縮をしないこととする。この場合、ソース機器10′から複数のシンク機器30′-1〜30′-nには、決定された伝送ビデオフォーマットの非圧縮ビデオデータが、ブロードキャスト送信される。
また、BR>BR2のとき、ソース機器10′は、データ圧縮をすることとする。この場合、ソース機器10′は、予め作成されているビデオ圧縮方式共通リストに基づいて、圧縮方式を決定する。図58は、ビデオ圧縮方式共通リストの作成例を示している。この例は、シンク機器が3台の場合を示している。
この例において、シンク機器1はRE,ZIP,Wavelet,SBM,LLVCをサポートし、シンク機器2はRE,ZIP,SBM,LLVCをサポートし、シンク機器3はRE,Wavelet,SBM,LLVCをサポートしている。そのため、共通リストは、RE,SBM,LLVCとなる。
ソース機器10′は、共通リスト上のビデオ圧縮方式から、採用する圧縮方式を決定する。この場合、伝送ビットレートBR2を達成できるうちの、最上位優先度の圧縮方式を採用する。この場合、ソース機器10′から複数のシンク機器30′-1〜30′-nには、決定された伝送ビデオフォーマットの非圧縮ビデオデータが、さらに採用された圧縮方式でデータ圧縮処理された後に、ブロードキャスト送信される。
図59は、ビデオ圧縮方式の優先順位の一例を示している。優先順位の付け方は、可逆圧縮方式(ロスレスタイプ)を優先上位、非可逆方式(ロッシータイプ)を優先下位とする。それ以外は、インプリマターとする。
なお、共通リスト上に共通のビデオ圧縮方式がない場合、ソース機器10′は、例えば、送信対象のビデオデータの解像度、ビット深度およびフレームレートのうち、1つまたは複数の項目を小さくして、非圧縮ビデオデータのビットレートBR1を、伝送ビットレートBR2以下に調整して送信する。
以上説明したように、図54に示すAVシステム5′においては、図1に示すAVシステム5と同様の効果を得ることができる。また、図54に示すAVシステム5′において、ソース機器10′は、伝送路(伝送媒体)の伝送ビットレートに応じて、必要に応じて、決定された伝送ビデオフォーマットの非圧縮ビデオデータに対してさらにデータ圧縮処理を施して送信するので、ソース機器10′は、伝送路状態によらずに、複数のシンク機器30′-1〜30′-Nへのブロードキャスト送信を良好に行うことができる。
5,5A,5B,5′・・・AVシステム、10,10′・・・ソース機器、10A,10C・・・ディスクレコーダ、11・・・制御部、12・・・ユーザ操作部、13・・・表示部、14・・・ディスクドライブ、15・・・コーデック、17・・・パケット生成・分離部、18・・・通信部(無線/有線)、19・・・データ圧縮部、20・・・スイッチ部、30-1〜30-N,30′-1〜30′-N・・・シンク機器、30A,30C・・・テレビ受信機、30B・・・AVアンプ、31・・・制御部、32・・・ユーザ操作部、33・・・通信部(無線/有線)、34・・・パケット生成・分離部、35・・・切り替え器、36・・・チューナ、38・・・画像処理部、39・・・表示パネル、40・・・音声処理部、41・・・スピーカ、42・・・データ伸長部、43・・・スイッチ部、51・・・制御部、52・・・ユーザ操作部、53・・・通信部(無線/有線)、54・・・パケット生成・分離部、55・・・DSP、56・・・音声増幅回路