JPWO2015076356A1 - 短鎖rnaの検出方法 - Google Patents

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Abstract

簡便かつ高精度に、短鎖RNAを検出する方法を提供する。下記工程(a)〜(c):(a)標的RNAに非相補的な配列を5’末端側に有する逆転写プライマーを用いて、前記標的RNAを鋳型として逆転写反応を行い、前記標的RNAより長い逆転写産物を作製する工程、(b)二本のプライマーを用いて、前記逆転写産物を鋳型として核酸増幅反応を行い、少なくとも片側の末端に一本鎖領域を含む二本鎖DNA増幅断片を作製する工程、および(c)前記二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域と、固相上に固定したオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせる工程を含む、核酸検出方法を提供する。

Description

本発明は、短鎖RNAの簡便な検出方法に関する。
生体内には多様なRNAが発現している。タンパク質のアミノ酸配列をコードしているmRNAを始めとして、ノンコーディングRNAと呼ばれる非翻訳領域をコードするRNAも多量に存在する。ノンコーディングRNAの中でもマイクロRNA(miRNA)は、細胞内に存在する18〜25個のヌクレオチドからなる短鎖のRNAである。動物、植物及びウイルスの発生においてマイクロRNAは重要な制御的役割を果たしている。さらに最近になって、マイクロRNAが動物において、細胞内のタンパク質翻訳等において制御機能を有することが明らかになってきた。それ以降、マイクロRNAの研究は劇的に進展し、今日miRBase データベースバージョン19(http://www.mirbase.org/)には24,521種のマイクロRNAが登録され、PubMedデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed)には25,646個のマイクロRNA関連論文が含まれており、これらはマイクロRNAの関心の高さおよび重要性を反映している。
マイクロRNAは、標的となるメッセンジャーRNAに結合することで翻訳を制御、抑制する。約30%のヒトゲノムはマイクロRNAによって転写、発現の制御がなされていると推測されている。
また、マイクロRNAの重要性は発生、成長および増殖、アポトーシス、分化、並びに様々なヒトの疾患、例えば癌および糖尿病を含む様々な細胞発現過程において、これらの疾患に関与していることが明らかである。
癌におけるマイクロRNAの重要性は、非特許文献1で強調され、ヒトの種々の癌におけるマイクロRNAの関与に関して述べられており、マイクロRNAの発現量の変化を測定することが癌研究の進展に大いに有用であることが述べられている。
これまでのマイクロRNAの検出方法として、qRT−PCR法、もしくは、マイクロアレイアッセイによる方法がある。しかし、マイクロRNAは18〜25個のヌクレオチドの短鎖のRNAであるために非常に増幅および検出が困難であった。この課題に対する解決法は、非特許文献2、特許文献1、非特許文献3に発表されている。非特許文献2は、遺伝子特異的逆転写工程、続くTaqManプローブおよびユニバーサル逆方向プライマーを含む遺伝子特異的順方向プライマーを使用した蛍光検出工程を含むqRT−PCRアッセイを開示している。特許文献1においても、同様の逆転写反応およびプライマーを用いて、マイクロRNAの蛍光検出がなされている。非特許文献3は、遺伝子特異的逆転写工程、続く遺伝子特異的順方向プライマーおよび2個のユニバーサルプライマーを使用したSYBR(登録商標)green qPCR工程を含むqRT−PCRアッセイを開示している。
しかしながら、迅速に、かつ簡便に、qRT−PCRによりマイクロRNAを検出し、マイクロアレイアッセイを行う方法は、知られていない。
特許第4879975号
Bandyopadhyay et al.Silence 2010,1:6 Chen C et al.Nucleic Acids Res.2005 Nov 27;33(20):e179. Sharbati−Tehrani et al.BMC Molecular.2008,9:34
臨床現場における遺伝子診断や検査においては、検査装置が大型かつ高価であること、および、検査時間を要することで、患者の検査費用や数回の通院での手間や負担を要することが多い。そこで、検査の正確性を保ちつつも患者および検査者の負担を軽減する必要があるという理由から、簡便、迅速かつ特異性の高い方法、低コストで特殊な装置を必要としない方法が求められる。本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は短鎖のRNAを逆転写反応により長鎖に延長することでPCR反応を効率的に行い、さらに、PCR産物に一本鎖を有することによって、ハイブリダイゼーション法の特異性の高さを活用し、かつ、PCR産物の検出工程に要する時間と工程を減らし、特殊な装置を必要とすることなく、簡便かつ高精度に、目視にて検出する核酸検出方法、および核酸検出デバイスまたはキットを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、標的RNAに対して逆転写プライマーを用いて逆転写反応を行うことで、標的RNAよりも長鎖のcDNAを作製し、効率的に一本鎖領域を有する二本鎖核酸として増幅し、さらに、当該核酸増幅断片を、前記一本鎖領域をハイブリダイゼーションし得るオリゴヌクレオチドプローブを有する固相と結合させ、これを検出することにより、特殊な装置を必要とすることなく、前記核酸増幅断片を簡便かつ高精度に検出できることを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、下記工程(a)〜(c):
(a)標的RNAに非相補的な配列を5’末端側に有する逆転写プライマーを用いて、前記標的RNAを鋳型として逆転写反応を行い、前記標的RNAより長い逆転写産物を作製する工程、
(b)二本のプライマーを用いて、前記逆転写産物を鋳型として核酸増幅反応を行い、少なくとも片側の末端に一本鎖領域を含む二本鎖DNA増幅断片を作製する工程、および
(c)前記二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域と、固相上に固定したオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせる工程
を含む、核酸検出方法に関する。
前記標的RNAが10塩基以上の塩基配列を有することが好ましい。
前記標的RNAが15塩基以上の塩基配列を有することが好ましい。
前記標的RNAがマイクロRNAであることが好ましい。
前記逆転写プライマーが標的RNAに相補的な配列を3塩基以上含むことが好ましい。
さらに、工程(a)の前に、標的RNAに対してポリA配列を3塩基以上付加する工程を含むことが好ましい。
前記逆転写プライマーがポリT配列を3塩基以上含むことが好ましい。
前記逆転写プライマーが、3’末端側に標的RNAに相補的な配列を1塩基以上含むことが好ましい。
前記逆転写産物が、標的RNAよりも3塩基以上長いことが好ましい。
前記標的RNAに非相補的な配列が、その配列内に互いに相補的な5塩基以上の配列を有することで、ループ構造を取り得る配列であることが好ましい。
前記プライマーが、タグ領域、ポリメラーゼ反応阻害領域、および逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有する領域を含むことが好ましい。
前記ポリメラーゼ反応阻害領域が核酸誘導体を含むことが好ましい。
前記核酸誘導体が、L型核酸、3−deoxy−2−hydroxy−dN、修飾塩基核酸、損傷塩基核酸、リン酸結合部位修飾核酸、RNA、2’−OMe−N、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
前記核酸誘導体が、5’−5’結合で逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有する領域と結合し、かつ/または、3’−3’結合でタグ領域と結合していることが好ましい。
前記ポリメラーゼ反応阻害領域が、非核酸誘導体を含むことが好ましい。
前記非核酸誘導体が、D−threoninol骨格を有することが好ましい。
前記D−threoninol骨格に、アゾベンゼン、ビオチン、EDTA、および発色団からなる群から選択される少なくとも1つが導入されていることが好ましい。
前記非核酸誘導体が、炭素鎖(C)、ペグ鎖((CHCHO))、ジスルフィド含有鎖(CSSC)、ジチオールフォスフォロアミダイト、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
前記プライマーが、複数種類および/または複数個のポリメラーゼ反応阻害領域を含むことが好ましい。
前記タグ領域が、逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有する領域と同一方向の核酸からなることが好ましい。
前記タグ領域が、逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有する領域と同一方向の核酸、および逆方向の核酸を含むことが好ましい。
前記二本鎖DNA増幅断片が、標識物質と結合可能であることが好ましい。
前記二本鎖DNA増幅断片が、一本鎖領域を介して標識物質と結合可能であることが好ましい。
前記二本鎖DNA増幅断片が、標識結合物質を含む配列を介して標識物質と結合可能であることが好ましい。
前記二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域と標識物質とを結合させる工程をさらに含むことが好ましい。
標識物質が着色担体からなり、前記二本鎖DNA増幅断片の目視検出を可能にすることが好ましい。
前記二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域と、固相上に固定したオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせる工程が、核酸検出デバイス上で行われることが好ましい。
前記核酸検出デバイスが、クロマトグラフィーデバイスであることが好ましい。
下記工程(a)〜(c):
(a)前記核酸検出デバイス上の、前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域とは異なる領域に、前記二本鎖DNA増幅断片を配置する工程、
(b)溶媒を用いて、前記二本鎖DNA増幅断片を、前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域の方向に、前記デバイス上で拡散させる工程、および
(c)前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域において、前記オリゴヌクレオチドプローブと、前記二本鎖DNA増幅断片とを、ハイブリダイズさせる工程、
を含むことが好ましい。
前記工程(c)の前に、前記二本鎖DNA増幅断片と、前記標識物質とを結合させる工程をさらに含むことが好ましい。
下記工程(d)〜(h):
(d)前記核酸検出デバイス上の、前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域とは各々異なる領域に、前記二本鎖DNA増幅断片、および前記標識物質をそれぞれ配置し、
(e)溶媒を用いて、前記二本鎖DNA増幅断片を、前記標識物質が配置されている領域の方向に拡散させ、
(f)前記標識物質が配置されている領域において、前記二本鎖DNA増幅断片と、標識物質とを結合させ、
(g)工程(f)で結合した複合体を前記オリゴヌクレオチドプローブが配置されている方向に、前記デバイス上で拡散させ、
(h)前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域において、前記オリゴヌクレオチドプローブと前記複合体とをハイブリダイズさせる、
を含むことが好ましい。
また、本発明は、前記核酸検出方法に用いる核酸検出デバイスであって、前記二本鎖DNA増幅断片を配置する領域、前記二本鎖DNA増幅断片と結合する前記オリゴヌクレオチドプローブを保持したクロマトグラフィー担体、および、標識物質が結合したオリゴヌクレオチドプローブとを具備してなる検出デバイスに関する。
本発明によれば、短鎖のRNAに対して逆転写反応を行うことにより、鎖長を延長し効率的なDNA増幅反応ができ、さらにDNA増幅産物の一本鎖領域を利用して特異的に固相と結合させることができ、更にもう片側には標識化合物との複合体を形成することができ、特殊な装置を用いることなくDNA増幅産物を簡便、迅速に目視判定することが可能となる。さらに、構造的に安定な二本鎖DNAを検出することによって、全長一本鎖の検出と比較して検出感度が向上される。また、固相に結合させるための増幅産物の一本鎖領域と、これに相補的な固相上のオリゴヌクレオチドプローブの組み合わせを複数種用意することで、試料中に存在する2種以上の標的核酸を同時に判別することも可能となる。
標的RNAと相補的な配列を有し、その配列の5’側に付加配列を有する逆転写プライマーを用いた逆転写反応の概念図である。 3’末端にポリAが付加した標的RNAに対して、付加配列−ポリT−VN(V=A,G,C)の逆転写プライマーを用いた逆転写反応の概念図である。 PCR用プライマーの概念図である。 図1で作製した逆転写産物から、両末端に一本鎖を有する二本鎖核酸の合成法の概念図である。 図2で作製した逆転写産物から、片側末端に一本鎖を有し、もう片側にはビオチン等からなる標識結合領域を有する二本鎖核酸の合成法の概念図である。 核酸クロマトグラフィーデバイスの一例を示す概略図である。 PCR産物検出原理の概念図である。 マイクロアレイ(DNAチップ)の一例を示す概略図である。 ビーズ担体の一例を示す概略図である。 実施例4における核酸クロマトグラフィー様ストリップによるPCR増幅産物の検出結果の一部である。
本発明は、下記工程(a)〜(c):
(a)標的RNAに非相補的な配列を5’末端側に有する逆転写プライマーを用いて、前記標的RNAを鋳型として逆転写反応を行い、前記標的RNAより長い逆転写産物を作製する工程、
(b)二本のプライマーを用いて、前記逆転写産物を鋳型として核酸増幅反応を行い、少なくとも片側の末端に一本鎖領域を含む二本鎖DNA増幅断片を作製する工程、および
(c)前記二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域と、固相上に固定したオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせる工程
を含む、核酸検出方法に関する。
二本鎖DNA増幅断片は、鋳型となる試料サンプル中の標的RNAに対して、逆転写プライマーを用いて逆転写反応によりcDNAを作製し、さらに、特定のプライマーセットを用いて核酸増幅反応を行うことにより得られる。
試料サンプルは特に限定されず、核酸増幅反応の鋳型として用いることができればよい。具体的には、血液、体液、組織、口腔内粘膜、毛髪、爪、培養細胞、動物、植物、微生物等のあらゆる生物試料サンプル由来の核酸を用いることができる。RNAとしてはトータルRNA、メッセンジャーRNA、トランスファーRNA、リボソームRNA、アンチセンスRNA、ノンコーディングRNA、マイクロRNA(miRNA)、pri−miRNA、pre−miRNA、small interfering RNA、small hairpin RNA、gRNA、snRNA、snoRNA、small temporal RNA、Piwi−interacting RNAを用いてもよい。
RNAは精製されたRNAである必要はなく、RNAを含む細胞や組織を精製処理することなく、そのまま逆転写反応および核酸増幅反応に適用することができる。RNAは、10塩基以上の塩基配列を有することが好ましく、15塩基以上の塩基配列を有することがより好ましい。
また、逆転写反応の前に、標的RNAの3’末端にポリA配列を付加することもできる。付加するポリA(アデニン)配列の長さは特に限定されないが、3塩基以上付加することが好ましく、5塩基以上付加することがより好ましい。
逆転写反応には、標的RNAに非相補的な配列を5’末端側に有する逆転写プライマーを使用する。逆転写反応において、図1のように標的RNA1の一部の配列と相補的な配列3を有し、さらにその5’末端側に標的RNAに非相補的な任意の付加配列4とを有する逆転写プライマー2を用いることにより、標的RNAには由来しない付加配列を有し、標的RNAより長鎖の逆転写産物cDNA5を作製することができる。逆転写産物は、標的RNAよりも3塩基以上長いことが好ましい。
また、別の逆転写反応の例としては、図2のようにポリAを3’末端側に有する標的RNA、もしくはポリAポリメラーゼによってポリAを付加した標的RNA6に対して、ポリAと相補的なポリT配列8を有し、さらにその5’末端側に標的RNAに非相補的な任意の付加配列9とを有する逆転写プライマー7を用いることにより、標的RNAに非相補的な付加配列を有し、標的RNAより長鎖の逆転写産物cDNA10を作製することができる。
標的RNAは1種類でもよく、2種類以上の標的RNAが存在してもよい。逆転写反応に用いる逆転写プライマーは1種類でもよく、2種類以上用いてもよい。
逆転写プライマー2は、標的RNAの3’末端側に対して相補的な配列を含み、かつ標的RNAに対して非相補的なタグ配列を有する。逆転写プライマー7は、標的RNAの3’末端側に対して相補的な配列を含み、もしくは評定RNAの3’末端のポリAに対して相補的なポリT配列を含み、かつ標的RNAに対して非相補的なタグ配列を有する。ポリT配列は、3塩基以上であることが好ましい。逆転写プライマーがポリT配列を含むときも、3’末端側に、標的RNAに相補的な配列を1塩基以上含むことが好ましい。
逆転写プライマーは、標的RNAに相補的な配列(プライマー本体領域)を3塩基以上含むことが好ましい。2塩基長以下では、特異的なハイブリダイズができない傾向がある。
逆転写プライマーに含まれる、標的RNAに非相補的な配列は、その配列内に互いに相補的な5塩基以上の配列を有することで、ループ構造をとり得る配列であることが好ましい。逆転写プライマーがループ構造をとることにより、ループ部によるpri−miRNAやpre−miRNAとの結合阻害が起こり、逆転写反応が進みにくくなる。よって、特異的に成熟マイクロRNA(mature−miRNA)を逆転写することができる。
逆転写反応に続いて、特定のプライマーセット、および図1、図2のように作製した逆転写産物を用いて核酸増幅反応を行う。
プライマーは、タグ領域、ポリメラーゼ反応阻害領域、およびプライマー本体領域を含む。プライマー本体領域は、逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有する領域である。タグ領域、およびポリメラーゼ反応阻害領域は、核酸増幅反応によっても二本鎖化されない。例えば、後述のように、プライマーがL型核酸を含む場合には、L型核酸がタグ領域、およびポリメラーゼ反応阻害領域を兼ねる。また、プライマーは、アゾベンゼンが導入されたD−threoninol骨格を有する化合物、および通常の一本鎖DNAからなるプライマーでもよい。この場合、通常の一本鎖DNA部分がタグ領域として機能し、アゾベンゼンが導入されたD−threoninol骨格を有する化合物がポリメラーゼ反応阻害領域として機能する。
図3に核酸増幅用プライマーを示す。このプライマーは、プライマー本体領域11と、前記プライマーの5’末端側の核酸増幅反応により二本鎖化されないタグ領域12からなる。また、プライマー本体領域とタグ領域との間に、ポリメラーゼ反応阻害領域13を有していてもよい。
プライマー本体領域とは、逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能であり、核酸増幅反応におけるプライマーとして機能し得る塩基配列を有するオリゴヌクレオチド領域を意味する。具体的には、逆転写産物(一本鎖DNA)の5’末端側と類似の配列、または3’末端側とハイブリダイズし得る配列であり、一般的には、逆転写産物の5’末端側と同一の塩基配列、または逆転写産物の3’末端側の塩基配列と相補的な配列である。これらのプライマー本体領域は、逆転写産物もしくはその相補鎖と特異的に結合可能であれば、塩基欠損や挿入、およびミスマッチ部位を有していてもよい。プライマー本体領域の長さは、8塩基以上であることが好ましく、12塩基以上であることがより好ましく、15塩基以上であることがさらに好ましい。また、プライマーの鎖長には特に上限はないが、その合成のコストなどの観点から、通常は50塩基以下、あるいは40塩基以下のものが好適である。
プライマーのタグ領域は、天然のヌクレオチドを含むことが好ましい。天然のヌクレオチドとは、天然のアデニン、チミン、グアニン、シトシン、ウラシルの塩基、および、デオキシリボース、リボースの糖部、および、リン酸基から構成されるヌクレオチドのことであり、各部分が人工的な修飾を受けていないヌクレオチドのことである。天然のヌクレオチドは、D型ヌクレオチドであってもよく、L型ヌクレオチドであってもよい。D型ヌクレオチドとは、D型のデオキシリボースもしくはリボースからなるヌクレオチドを示す。また、L型ヌクレオチドとは、L型のデオキシリボースもしくはリボースからなるヌクレオチドを示す。タグ領域が天然のヌクレオチドを含むことにより、合成が安価で容易になるという効果を奏する。また、プライマーのタグ領域における天然のヌクレオチドの割合は、5%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることがさらにより好ましく、90%以上であることが最も好ましい。タグ領域の長さは特に限定されず、相補鎖核酸とハイブリダイズするために十分な長さを有していればよい。通常、5塩基〜60塩基であり、好ましくは6塩基〜40塩基である。
具体的には、プライマーのタグ領域は、逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有するプライマー本体領域と同一方向の核酸からなることが好ましい。プライマーのタグ領域がプライマー本体領域と同一方向の核酸からなることにより、合成が安価で容易になるという効果を奏する。例えば、アゾベンゼン等の非天然の化合物がタグ領域とプライマー本体領域の間に入っている場合のように、タグ領域とプライマー本体領域が直接つながっていなくても、同一方向に配列されていることが好ましい。また、タグ領域は、逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有するプライマー本体領域と同一方向の核酸、および逆方向の核酸を含んでいてもよい。
ここで、核酸が同一方向であるとは、隣り合うヌクレオチド同士が、ヌクレオチド中の糖の3’位同士や5’位同士で結合するのではなく、ヌクレオチド中の糖の5’位と3’位の間でホスホジエステル結合していることをいう。例えば、タグ領域において、ヌクレオチド同士がホスホジエステル結合により糖の5’位と3’位の間で結合されている場合には、本体領域においても、ヌクレオチド同士が糖の5’位と3’位の間で形成されていることをいう。
ポリメラーゼ反応阻害領域は、ポリメラーゼによる核酸伸長反応を阻害し、当該領域を一本鎖構造に保つ領域である。プライマーは、複数種類および/または複数個のポリメラーゼ反応阻害領域を含んでいてもよい。ポリメラーゼ反応阻害領域の構造は、ポリメラーゼによる核酸伸長反応を阻害できれば特に限定されないが、核酸誘導体、または非核酸誘導体を含む構造が挙げられる。
核酸誘導体は、ポリメラーゼによる伸長反応を阻害し、タグ領域を一本鎖構造に保つことが可能なら特に限定されない。核酸誘導体として、5’−5’結合や3’−3’結合等の逆位配列構造を形成する核酸、強固なヘアピン構造やシュードノット構造のようにポリメラーゼの進行を阻害する立体構造を有する核酸、L型核酸、3−deoxy−2−hydroxy−dN、修飾塩基核酸、損傷塩基核酸、リン酸結合部位修飾核酸、RNA、2’−OMe−N、およびそれらの誘導体が挙げられる。
「ヘアピン構造」や「シュードノット構造」とは、同一分子内の他の一本鎖領域と対合して形成される、安定なループ構造を意味する。
「逆位配列構造」とは、5’−5’結合、3’−3’結合を有する構造である。5’−5’結合もしくは3’−3’結合とは、化学式(1)
で表される、DNAを構成するデオキシリボースの5’位とリン酸基を挟んで隣のデオキシリボースの5’位が結合している構造、もしくは、3’位とリン酸基を挟んで隣のデオキシリボースの3’位が結合している構造である。通常の5’位と3’位の結合とは逆方向であるため、逆位配列構造と呼ぶ。具体的な例としては、プライマー本体領域(逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有する領域)の5’領域と5’−5’結合で連結され、かつ、前記タグ領域の3’末端と3’−3’結合で連結されるように、逆位構造を2回有した構造が挙げられる。また、逆位構造の回数は少なくとも1回含んでいればよく、特に限定しないが、偶数回含んでいることが好ましい。偶数回の逆位構造を有すればタグ領域の末端が通常のプライマーと同じく5’位になるため、タグ領域からの非特異的な伸長反応を抑制することができ、検出時にも効果的である。また、ポリメラーゼ反応阻害領域を化学式(1)に示す1塩基ではなく、好ましくは5〜60塩基とすることで、ポリメラーゼ反応阻害領域とタグ領域の両方の機能を果たすことも可能である。
L型核酸は、化学式(2)
もしくは化学式(3)
で表される、核酸を構成する糖であるデオキシリボースもしくはリボースが、天然型のD型に対して光学異性体の構造を有するL型DNA、L型RNA、およびその誘導体である。L型核酸は、一般的に使用されているDNAポリメラーゼに認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。L型DNAは左巻きの二重らせん構造を形成するので、天然に存在するD型核酸とハイブリッドを形成することはなく、L型核酸同士でのみハイブリッドを形成できる。
3−deoxy−2−hydroxy−dNは、化学式(4)
で表される3−deoxy−2−hydroxy−dAのように、デオキシリボースの3’位に水酸基を有しておらず、2’位と隣のデオキシリボース5’位の間で2’−5’結合により結合している。そのため、DNAポリメラーゼに認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。本発明では、3−deoxy−2−hydroxy−dNが、2’−5’結合によりプライマーと連結されていることが好ましい。
修飾塩基核酸は、DNAの塩基部位にbiotin(ビオチン)や発色団などの修飾を有する核酸である。発色団としては、ピレン、エテノ、ピロロ、ぺリレン、フルオレセイン、FITC、Cy3、Cy5、TAMRA、ダブシル、シアニンなどが挙げられるがそれらに限定しない。修飾塩基核酸の例としては、化学式(5)
で表されるアミノC6−dA、化学式(6)
で表される2−Thio−dT、化学式(7)
で表される4−Thio−dT、化学式(8)
で表されるビオチン−dT、化学式(9)
で表されるカルボキシ−dT、化学式(10)
で表されるピレン−dU、化学式(11)
で表されるぺリレン−dU、化学式(12)
で表されるピロロ−dC、化学式(13)
で表されるエテノ−dA、化学式(14)
で表されるFITC−dT、化学式(15)
で表されるTAMRA−dT、化学式(16)
で表されるダブシル−dT、BHQ−1−dT、Cy3−dT、Cy5−dTなどが挙げられるがこれらに限定されない。これらは塩基部の修飾が立体的な障害となり、DNAポリメラーゼに認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。
損傷塩基核酸は、脱塩基ヌクレオチド(APサイト:脱プリン塩基、脱ピリミジン塩基)、化学式(17)
で表されるdSpacer、化学式(18)
で表されるAbasicや、5−ヒドロキシメチル−dNなど、脱塩基や修飾された塩基を有する核酸である。これらは、一般的に使用されるDNAポリメラーゼでは認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。
リン酸結合部位修飾核酸は、化学式(19)
で表されるホスホロチオエート(Sオリゴ)のように、核酸のリン酸基の一部を他の原子や分子で置き換えたもので、DNAポリメラーゼでは認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。
RNAは、化学式(20)
で表され、核酸を構成する糖がリボースからなり、一般的に使用されるDNAポリメラーゼでは認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。
2’−OMe−Nは、化学式(21)
で表される2’−OMe−Gのように、核酸を構成する糖部が修飾されており、DNAポリメラーゼでは認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。
非核酸誘導体としては、D−threoninol骨格、炭素鎖(C)、PCspacerなどの脂肪鎖、ペグ鎖((CHCHO))、ジスルフィド含有鎖(CSSC)、PNA、ジチオールフォスフォロアミダイト、および、それらの誘導体が挙げられるが、ポリメラーゼによる核酸伸長反応を阻害し、当該領域を一本鎖構造に保つことが可能なら特に限定されない。これらの非核酸分子は、核酸とは異なる構造を持つため、DNAポリメラーゼでは認識されず、DNA伸長反応の鋳型として機能しない。
D−threoninol(スレオニノール)骨格は、化学式(22)
で表され、核酸同士をスレオニノールで結合した構造をしており、スレオニノールのアミノ基に種々の分子を挿入することが可能である。アミノ基を介して結合できるものであれば特に限定しないが、例えば、Pyrrolo(ピロロ)、Pyrene(ピレン)、Etheno(エテノ)、Perylene(ぺリレン)、FITC、TET、HEX、JOE、Cy3、Cy5、Dabcyl、BHQなどの発色団、Biotin、EDTAの他、化学式(23)
で表されるアゾベンゼンを挿入することができる。
脂肪鎖は、Cで示すように、炭素鎖が連なった構造、および、その誘導体を示す。例えば、化学式(24)
で表されるC3リンカーや、C6リンカー、化学式(25)
で表されるC12リンカーが挙げられる。nの数は特に限定されない。また、誘導体として、化学式(26)
で表されるPCSspacer等の構造も挙げられる。
ペグ鎖は、(CHCHO)で示すようにポリエチレングリコールが連なった構造、および、その誘導体を示す。例えば、化学式(27)
で表されるSpacer9(トリエチレングリコールスペーサー)や、
化学式(28)
で表される、Spacer18(ヘキサ−エチレングリコールスペーサー)が挙げられるが、nの数は特に限定されない。
ジスルフィド含有鎖は、(CSSC)で表されるジスルフィド結合の構造を有するものを示す。例えば、化学式(29)
で表される炭素数が3のものが挙げられる。また、ジスルフィド結合を有していれば両側には脂肪鎖やペグ鎖などどの構造を取っていてもよい。また、ジスルフィド含有鎖として、化学式(30)
で表されるジチオールフォスフォロアミダイトなども挙げられる。
PNAとは主鎖にペプチド構造を保持した、DNAやRNAに似た構造を持つ分子であり、N−(2−アミノエチル)グリシンがアミド結合で結合したものが主鎖となっている。そして、核酸塩基に相当するプリン環やピリミジン環が、メチレン基とカルボニル基を介して主鎖に結合している。
BNA(LNA)とは、化学式(31)
で表され、DNAもしくはRNAの糖部構造を架橋修飾することによって人工的に合成された核酸を示す。
タグ領域が天然のヌクレオチドのみからなり、タグ領域の核酸の方向がプライマー本体領域と同一である場合には、通常、プライマー領域との間にポリメラーゼ反応阻害領域を要する。一方、タグ領域がL型核酸や人工核酸などのように、DNAポリメラーゼによる反応の鋳型にならず核酸増幅反応後も二本鎖化されない場合、タグ領域がポリメラーゼ反応阻害領域としても機能する。また、本発明のプライマーは、ヘアピン構造、シュードノット構造などの安定なループ構造、L型核酸、人工核酸などの非天然核酸、および脂肪鎖などの非核酸分子を単独で有するものであってもよく、複数を組み合わせて有するものであってもよい。
プライマーは、オリゴヌクレオチドの標識に通常用いられる様々な分子により標識することも可能である。このような分子としては、酵素、磁性粒子、蛍光色素、放射性同位元素等が挙げられる。これらを単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
設計したプライマーを製造する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により製造することができる。具体的には、DNA合成装置を用いるか、受託合成サービスを利用することで、設計したプライマーを容易に得ることができる。
核酸増幅法は、上述のプライマーを使用して、末端に一本鎖領域を有する二本鎖DNA増幅断片を得られる方法であれば特に限定されない。例えば、PCRが挙げられる。また、LAMP法、ICAN法などの等温増幅法も用いることができる。
核酸増幅法としてPCRを用いる場合、PCR反応に用いるリバースプライマーとフォワードプライマーの組み合わせとしては、両方のプライマーに異なるポリメラーゼ反応阻害領域を用いて一方を標識結合領域としてもよいし、片方にポリメラーゼ反応阻害領域を用いて、もう片方にはポリメラーゼ反応阻害領域を導入せずビオチンなどの修飾を行って標識結合領域としてもよい。
PCR条件は特に限定されるものではなく、上述した逆転写産物を鋳型として、前記プライマーセットを用いてPCRを行ったときに、cDNAの所望の領域が増幅される条件であればよい。具体的には、PCRに用いるポリメラーゼは、特に限定されるものではないが、耐熱性DNAポリメラーゼであることがより好ましく、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に有さない耐熱性DNAポリメラーゼであることがより好ましい。このような耐熱性DNAポリメラーゼとしては、Ex−Taq(タカラバイオ社製)等を挙げることができるが、これに限定されない。また、温度、時間、緩衝液組成等のPCRの反応条件も特に限定されるものではなく、選択したDNAポリメラーゼ、プライマーの配列、目的配列部分の長さ等に応じて、適宜設定すればよい。核酸増幅反応により増幅されるDNAの長さは、20塩基以上であることが好ましく、40塩基以上であることがより好ましい。20塩基未満であると非特異的増幅が増える傾向がある。
前記プライマーセットを使用して、定法によりPCRを行うことで、逆転写産物の末端に一本鎖領域を付加した二本鎖DNA増幅産物を得ることができる。
図4には、増幅反応の一例として、図1に記載の方法で作製した逆転写産物を鋳型として、プライマー本体領域とポリメラーゼ反応阻害領域とタグ領域からなるプライマーセットを用いた場合の増幅反応の模式図を示す。
フォワードプライマー18は逆転写産物5の5’末端側の一部と同一の配列からなるプライマー本体領域19と、その5’末端側にポリメラーゼ反応阻害領域20とタグ領域21を有する。リバースプライマー14は、逆転写産物の3’末端側の一部と相補的な配列からなるプライマー本体領域15と、その5’末端側にポリメラーゼ反応阻害領域 16とタグ領域17を有する。両プライマーに結合するタグ領域の配列は通常、それぞれ異なる配列を有している。前記プライマーセットを使用してPCRを行うと、プライマーに付加されたタグ領域は実質的にPCR反応に関与しないため、両末端に一本鎖領域を有するDNA増幅産物22が得られる。両末端に一本鎖領域を有するDNA増幅断片とは、図4で示すように標的核酸領域と同一の二本鎖DNA部、および、その両側のそれぞれの5’末端にタグ部として一本鎖領域を有するDNA増幅産物を意味する。つまり、図4に記載のDNA増幅断片は、両末端に修飾されていない核酸で構成される一本鎖領域を有する二本鎖DNA増幅断片であり、両末端の一本鎖領域はそれぞれ連続するDNA鎖と同一方向からなる配列を有している。
図5には、増幅反応の一例として、図2で作製した逆転写産物を鋳型として、プライマー本体領域とポリメラーゼ反応阻害領域とタグ領域からなるプライマーと標識結合プライマーを用いた場合の増幅反応の模式図を示す。フォワードプライマー27は逆転写産物10の5’末端側の一部と同一の配列およびポリT配列からなるプライマー本体領域19と、その5’末端側に標識結合領域29を有する。リバースプライマー23は、逆転写産物の3’末端側の一部と相補的な配列からなるプライマー本体領域24と、その5’末端側にポリメラーゼ反応阻害領域25とタグ領域26を有する。前記プライマーセットを使用してPCRを行うと、プライマーに付加されたタグ領域は実質的にPCR反応に関与しないため、末端に一本鎖領域を有するDNA増幅産物30が得られる。末端に一本鎖領域を有するDNA増幅断片とは、図5で示すように逆転写産物と同一の配列を有する二本鎖DNA部、および、その片側の5’末端側にタグ部として一本鎖領域を有するDNA増幅産物を意味する。つまり、図5に記載のDNA増幅断片は、末端に修飾されていない核酸で構成される一本鎖領域を有する二本鎖DNA増幅断片であり、末端の一本鎖領域は連続するDNA鎖と同一方向からなる配列を有している。
前記二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域を利用して、ハイブリダイゼーション複合体を形成する。ハイブリダイゼーションとは核酸を含む分子が相補的に複合体を形成することをいい、DNA/DNAのほか、DNA/RNA、DNA/PNA、L−DNA/L−DNAによる複合体などが含まれる。本発明の核酸検出方法では二本鎖DNA増幅断片が一本鎖領域を有するので、核酸増幅工程で得られたDNA増幅産物は、熱処理等の一本鎖化処理等を行うことなく、ハイブリダイゼーション反応に使用することができる。
末端に一本鎖領域タグを有する二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域と、捕捉用担体(固相)に固定したオリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせることができる。さらに、二本鎖DNA増幅断片が標識物質と結合可能であることが好ましい。二本鎖DNA増幅断片と標識物質との結合は、一本鎖領域を介した結合であってもよいし、標識結合領域を介した結合であってもよい。二本鎖DNA増幅断片、オリゴヌクレオチドプローブ、および標識物質からなる複合体を三者複合体と呼ぶ。なお、三者の結合順は特に限定されない。
オリゴヌクレオチドプローブの長さは、二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域とハイブリダイズできれば特に限定されないが、5塩基長以上であることが好ましく、10〜40塩基長であることがより好ましい。
標識結合領域は、標識が結合できればその構造は特に限定されない。例えば、ビオチン等の標的結合物質を含む配列を標識結合領域とすることができる。標的結合物質としてビオチンを使用する場合は、ビオチン−ストレプトアビジンの相互作用を利用して、標識結合領域にストレプトアビジンを結合させた標識物質を結合させることができる。
また、別態様として、一本鎖領域を標識結合領域とすることができる。この場合は、当該一本鎖領域と、標識物質に結合したオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションを利用して、標識結合領域に間接的に標識物質を結合させることができる。オリゴヌクレオチドプローブの長さは、二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域とハイブリダイズできれば特に限定されないが、5塩基長以上であることが好ましく、10〜40塩基長であることがより好ましい。
標識物質は、二本鎖DNA増幅断片の検出を実現するものであれば特に限定されないが、着色担体であって二本鎖DNA増幅断片の目視検出を実現できるものであることが好ましい。このような着色担体としては、着色粒子や酵素、色素結合担体などが挙げられる。これらの中でも、着色粒子を用いることが好ましい。
着色粒子としては、金、銀、銅、白金などの金属からなるコロイド粒子や、顔料や染料などでラテックスを着色してなる着色ラテックス、色素分子をシリカ(二酸化ケイ素)粒子内部に固定化したシリカナノ粒子などが挙げられる。これらの中でも、金コロイド粒子や、青色、赤色等に着色された水分散型高分子重合体からなる着色ラテックス粒子を用いることが好ましい。このような着色粒子を用いることにより、DNA増幅断片の目視判定をより容易なものとすることができる。特に多項目を同時に検出する際には、項目ごとに異なる色の着色粒子を用いることにより、多数の項目を同時に目視判定することが容易となる。
着色粒子を用いる場合、その粒径は、特に限定されるものではないが、三者複合体の形成、および、標的配列を含む増幅産物の固相への捕捉に悪影響が小さく、かつ、検出の際に発色のよいものであることが好ましい。着色粒子の粒径は、後述のクロマトグラフィー用媒体の孔径より小さい粒径から選択される。具体的には、通常500nm以下が用いられ、中でも0.1nm〜100nmとすることが好ましく、1nm〜50nmとすることがより好ましい。
着色担体として酵素を用いる場合、これらの酵素は、発色、もしくは、発光する基質の反応を触媒するタンパク質であることが好ましい。例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼなどが挙げられるが、肉眼で検出可能であればこれらに限定されない。
二本鎖DNA増幅断片の末端の一本鎖領域と、オリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーションが起こる条件で行われれば特に限定されないが、室温下、10mMリン酸緩衝液中で行われることが好ましい。このとき塩化ナトリウム等の塩を入れることで、ハイブリダイゼーションの効率は上昇する。
捕捉用担体(固相)上の認識可能な位置に形成された三者複合体に含まれる標識物質を検出することにより、標的核酸の有無を判定することができる。標的核酸の有無は、目視で判定することが好ましい。本発明の検出法によれば、核酸増幅反応の増幅産物は熱変性等の一本鎖化処理を行うことなく、そのままハイブリダイゼーション反応に使用することが可能である。また、特殊な装置を必要とすることなく、標的核酸の有無を簡便、迅速に目視にて判定することが可能である。
上記の三者複合体の形成による核酸検出方法は、核酸検出デバイス上で行われることが好ましい。また、クロマトグラフィーデバイスで行われることがより好ましい。
図6の核酸クロマトグラフィーデバイスは、基材となる部材35の上に、サンプルパッド31(二本鎖DNA増幅断片を添加するための担体)、コンジュゲートパッド32(着色担体を配置した担体)、捕捉用オリゴヌクレオチドを保持した担体33(クロマトグラフィー用媒体)、および吸収パッド34を、粘着剤等を用いて貼り合わせたものである。担体33の上には、捕捉用オリゴヌクレオチドを塗布したテストライン36、および、コントロールライン37が設けられている。着色担体結合オリゴヌクレオチドを展開溶液に混合する場合は、コンジュゲートパッド32が無くてもよい。
クロマトグラフィーでは、下記工程(a)〜(c):(a)前記核酸検出デバイス上の、前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域とは異なる領域に、前記二本鎖DNA増幅断片を配置する工程、(b)溶媒を用いて、前記二本鎖DNA増幅断片を、前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域の方向に、前記デバイス上で拡散させる工程、および(c)前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域において、前記オリゴヌクレオチドプローブと、前記二本鎖DNA増幅断片とを、ハイブリダイズさせる工程、を含む方法により、二本鎖DNA増幅断片が検出されることが好ましい。また、本発明は、前記核酸検出方法に用いる核酸検出デバイスであって、前記二本鎖DNA増幅断片を配置する領域、前記二本鎖DNA増幅断片と結合する前記オリゴヌクレオチドプローブを保持したクロマトグラフィー担体、および、標識物質が結合したオリゴヌクレオチドプローブとを具備してなる検出デバイスにも関する。
例えば、図6の核酸クロマトグラフィーデバイスの場合、工程(a)ではサンプルパッド31に二本鎖DNA増幅断片を配置する。工程(b)では矢印方向に二本鎖DNA増幅断片を拡散させる。工程(c)ではテストライン36において、固定されたオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイズにより、二本鎖DNA増幅断片を捕捉する。
工程(c)の前に、二本鎖DNA増幅断片と、標識物質とを結合させる工程をさらに含むことが好ましい。例えば、図6の核酸クロマトグラフィーデバイスの場合、コンジュゲートパッド32において、二本鎖DNA増幅断片と標識物質とを結合させる。
また、クロマトグラフィーでは、下記工程(d)〜(h):(d)前記核酸検出デバイス上の、前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域とは各々異なる領域に、前記二本鎖DNA増幅断片、および前記標識物質をそれぞれ配置し、(e)溶媒を用いて、前記二本鎖DNA増幅断片を、前記標識物質が配置されている領域の方向に拡散させ、(f)前記標識物質が配置されている領域において、前記二本鎖DNA増幅断片と、標識物質とを結合させ、(g)工程(f)で結合した複合体を前記オリゴヌクレオチドプローブが配置されている方向に、前記デバイス上で拡散させ、(h)前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域において、前記オリゴヌクレオチドプローブと前記複合体とをハイブリダイズさせる、を含むことが好ましい。
例えば、図6の核酸クロマトグラフィーデバイスの場合、工程(d)ではサンプルパッド31に二本鎖DNA増幅断片を配置し、コンジュゲートパッド32に標識物質を配置する。工程(e)では、二本鎖DNA増幅断片を、サンプルパッド31から矢印方向に拡散させる。工程(f)ではコンジュゲートパッド32において、二本鎖DNA増幅断片と、標識物質が結合する。工程(g)では二本鎖DNA増幅断片と、標識物質との結合による複合体を、矢印方向に拡散させる。工程(h)ではテストライン36においてオリゴヌクレオチドプローブと複合体とをハイブリダイズさせる。
メンブレン上のテストラインには前記二本鎖DNA増幅断片のタグ領域と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドプローブが、捕捉用のオリゴヌクレオチドプローブとして固定化されている。捕捉用のオリゴヌクレオチドプローブは、直接メンブレンに結合してもよく、官能基を介して結合していてもよく、何らかの物質を介してメンブレンに結合していてもよい。その仲介となる物質は、ペプチド、タンパク質、核酸などが挙げられるが限定されない。仲介となる物質がアビジンの場合は、捕捉用オリゴヌクレオチドにビオチン修飾が必要となる。
メンブレン上のコントロールラインには、着色担体捕捉用の物質が固定化されている。着色担体捕捉用物質としては、特に限定されないがオリゴヌクレオチドプローブ、ペプチド、タンパク質などが挙げられる。標識物質にオリゴヌクレオチドプローブを結合させている場合は、コントロールライン用の着色担体捕捉用物質もオリゴヌクレオチドプローブを用いる。よって、溶液が展開すると必ず標識物質が捕捉されるようになっている。コントロールライン用の着色担体捕捉用物質に関しても前述と同様に直接メンブレンに結合してもよいし、官能基を介して、結合していてもよいし、何らかの物質を介してメンブレンに結合していてもよい。その仲介となる物質は、ペプチド、タンパク質、核酸などが挙げられるが、限定されない。仲介となる物質がアビジンの場合は、捕捉用物質にビオチン修飾が必要となる。
テストラインにおける呈色により、試料中のターゲット核酸の存在を目視で判別することが可能である。一方、コントロールラインにおける呈色により、正常な展開と呈色反応が行えていることを目視で判別することが可能である。ここで、目視とは肉眼で観察して色を判断することをいう。また、本発明において、テストラインの着色強度は標的核酸の濃度と相関するので、テストライン呈色の着色強度をクロマトリーダー等で測定することにより、標的核酸の濃度を定量することが可能である。
クロマトグラフィー用媒体としては、定性濾紙、定量濾紙、分液濾紙、硝子繊維濾紙、シリカ繊維濾紙、複合繊維濾紙よりなる濾紙などが挙げられる。また、ニトロセルロースや酢酸セルロースなどのセルロースよりなる濾紙や、ポリエーテルスルフォンメンブレンなどの合成樹脂の膜や、シリカゲル、アガロース、デキストラン、ゼラチンなどの多孔質ゲルも使用することができる。また、ナイロンメンブレンも好適に使用できる。実際の使用に際して、このクロマトグラフ媒体の形態および大きさは特に制限されるものではなく、操作および反応結果の観察において適切であればよい。
これらの担体は、親水性や化合物の結合性を向上させるために様々な修飾を施すことも可能である。操作をより簡便にするためには、反応部位が表面に形成されているクロマトグラフィー媒体の裏面に、プラスチックなどよりなる支持体を設けることが好ましい。
デバイス内の展開方向としては、図6に示すように水平方向でもよいし、垂直方向でもよく特に限定されない。展開溶媒としては、核酸増幅反応における溶媒を使用することができるので、核酸増幅反応後の反応液をそのまま、図6におけるサンプルパッド32に滴下することができる。または、増幅反応後の反応液に、別途展開溶液を添加しサンプルパッドに添加することも可能である。展開溶媒としては、液体であれば特に限定されないが、リン酸緩衝液や、Tris緩衝液などのグッド緩衝液が使用可能である。また、溶媒には塩、界面活性剤、タンパク質、もしくは、核酸を溶解しておいてもよい。
図7にて、本発明の実施形態の一例として、クロマト担体上での三者複合体の形成を例にとって説明する。核酸増幅工程で得られたDNA増幅断片30は、熱処理等の一本鎖化処理等を行うことなく次の複合体形成工程に使用する。前記DNA断片の標識結合領域29と特異的に結合可能な物質38を着色担体39に結合させておくことで、前記DNA増幅断片30との結合により、第1の複合体40が形成される。複合体40は、PCRの反応容器のように、展開媒体にアプライする前に形成してもよいし、DNA増幅断片を担体上にアプライし、毛細管現象で移動中に前記標識物質を塗布、乾燥させた担体を通過させて形成することも可能である。
複合体40は、多孔質メンブレン等からなるクロマトグラフィー用媒体41上の識別可能な位置に予め結合した捕捉用オリゴヌクレオチドプローブ42と、展開媒体上で接触する。前記捕捉用のオリゴヌクレオチド42は、前記DNA増幅断片の一本鎖タグ配列26と相補的な配列を有しており、複合体40と捕捉用オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションにより、三者複合体が形成される。
三者複合体を形成する順序は特に限定されない。DNA増幅断片と標識物質が結合した複合体40を形成後、捕捉用のオリゴヌクレオチドプローブとの複合体を形成するのが好ましいが、DNA増幅断片を捕捉用のオリゴヌクレオチドプローブで展開媒体上で濃縮後、標識物質を展開し、三者複合体を形成することも可能である。
図8、図9では、図4で示した標識結合領域にも一本鎖タグ領域を利用した、両末端に一本鎖領域を有するDNA増幅断片の検出デバイスの例を示している。
クロマトグラフィーデバイス以外の核酸検出デバイス形態としては、図8で示されるマイクロアレイ(DNAチップ)が挙げられる。マイクロアレイ45上の捕捉用オリゴヌクレオチドを固定したウェル内に、ハイブリダイゼーションにより三者複合体を形成させることが可能である。
また、図9で示されるビーズ形態が挙げられる。捕捉用オリゴヌクレオチドを保持したビーズ担体46上で、ハイブリダイゼーションによる三者複合体を形成させることが可能である。
本発明の核酸検出方法、および核酸検出デバイスは、核酸増幅工程を含むあらゆる技術に用いることができる。換言すれば、核酸増幅法によるDNA増幅断片(例えば、PCR産物)を検出することを含むあらゆる分野の技術に用いることができる。具体的には、例えば、分子生物学の研究分野、病原体の検出、アレルゲンなど食品中の混入物の検出、食品の品質管理(偽装表示食品、遺伝子組み換え食品などの検査)、家畜管理、塩基多型(以下、「SNP」ともいう)の検出、ガンなどの疾患検査等に用いることができる。したがって、本発明には、本発明にかかる核酸検出方法を一工程として含む、病原体による感染症の検出方法、食品中の混合物(例えば、アレルゲン)の検出方法、食品の品質管理、家畜の管理方法、および塩基多型の検出方法等も含まれる。
ここで、本発明の利用の一実施形態として、本発明にかかる病原体の検出方法、およびアレルゲンの検出方法、について詳細に説明する。
本発明にかかる病原体の検出方法は、本発明にかかる核酸検出方法を用いて、病原体が特異的に有する遺伝子を検出する工程を含んでいればよい。上記病原体は、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、病原性細菌、病原性ウイルス、食中毒細菌、院内感染原因細菌およびウイルス等を挙げることができる。より具体的には、例えば、C型肝炎ウイルス(HCV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタインーバーウイルス(EBV)、ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)等のウイルス、0157等の大腸菌、結核菌、チフス菌、サルモネラ菌もしくは腸炎ビブリオ菌等の細菌、またはマイコプラズマ等の微生物を例示することができる。
本発明にかかる病原体の検出方法について、より具体的に説明すると、例えば、病原体の有無を検査する対象となる試料から調製したDNA試料に、上記病原体が特異的に有する遺伝子が含まれるか否かを上記核酸検出方法を用いて判定する。また、DNA試料を調製することなく、病原体の有無を検査する対象となる試料をそのまま核酸増幅法の鋳型として使用することもできる。例えば、病原体として大腸菌等の細菌を検出する場合に、細菌のコロニーの懸濁液を鋳型として使用することができる。その結果、病原体が特異的に有する遺伝子が検出された場合には、該試料には病原体が含まれていると判定する。これにより、特殊な装置を必要とすることなく、簡便に、かつ、高精度に、試料中に病原体が含まれているか否かを判定することができる。すなわち、本発明にかかる病原体の検出方法は、微生物の感染症の診断に用いることができる。
本発明にかかるアレルゲンの検出方法は、本発明にかかる核酸検出方法を用いて、アレルゲンをコードする遺伝子を検出する工程を含んでいればよい。上記アレルゲンは特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、食品中に含まれるアレルゲンを挙げることができる。より具体的には、卵白アレルゲン、乳アレルゲン、小麦アレルゲン、そばアレルゲン、および落花生アレルゲン等を挙げることができる。本発明にかかるアレルゲンの検出方法について、より具体的に説明すると、例えば、食品から調製したDNA試料に、卵、乳、小麦、そば、落花生などのアレルゲンをコードする遺伝子が含まれるか否かを上記核酸検出方法を用いて判定する。その結果、このような遺伝子が検出された場合には、該食品には、アレルゲンを含有する原料が含まれていると判定する。
これにより、特殊な装置を必要とすることなく、簡便に、かつ、高精度に食品等の試料中に、アレルゲンを含有する原料が含まれているか否かを判定することができる。なお、アレルゲンの由来は、上記例示したものに限定されるものではなく、例えば、穀類を例に取れば、イネ、トウモロコシ、アワ、キビ、ヒエ、ソバ、およびマメ類のすべてが含まれまた、DNAは、熱に安定であり、加工食品中でも微量に検出される。したがって、本発明にかかるアレルゲンの検出方法により得られたデータは、食品の表示に利用したり、食品のアレルギー情報として利用したりすることに加えて、加工助剤やキャリーオーバー等食品添加物のごく微量の残存、あるいは製造ライン問の相互汚染の有無等の生産者の意図していない物質の混入の検出に用いることができる。
そのほか、本発明は、ヒトを含む哺乳動物の親子鑑定、家畜の血統の特定、農産物の品種の特定、SNP検出、遺伝子の変異による疾患(癌など)の検出等に用いることができる。具体的には、例えば、家畜についていえば、血統登録、個体識別、親子判定、病原遺伝子のキャリア個体の除去などの目的に利用することができる。なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示した技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
<実施例1>
(1)テンプレート用RNAの合成
本実施例では、合成RNA(miR−156a、鎖長20mer)をつくばオリゴサービスにて合成し、鋳型として用いた。
テンプレートmiR−156a:5’−UGACAGAAGAGAGUGAGCAC−3’(配列番号1)
(2)逆転写プライマーの合成
テンプレートmiR−156aの3’末端側の6塩基と相補的な配列を、3’末端側に有する逆転写プライマーRTpを合成した。つくばオリゴサービスにて受託合成した。
RTp:5’−GTTGGCTCTGGTGCAGGGTCCGAGGTATTCGCACCAGAGCCAACGTGCTC−3’(配列番号2)
なお、プライマーの配列のうち、標的核酸とハイブリダイゼーションを形成する配列に下線を付す。
(3)逆転写反応
鋳型として工程(1)で合成したテンプレートmiR−156a、工程(2)で合成した逆転写プライマーを用い、PrimeScript(登録商標) High Fidelity RT−PCR Kit(タカラバイオ社製)のプロトコルに従い逆転写反応を行った。
逆転写反応液は、テンプレートmiR−156aを1fmol、逆転写プライマーRTp(10μM)を2μl、5倍濃縮のPrimeScript Bufferを4μl、RNase Inhibitor(40U/μl)を0.5μl、PrimeScript RTase(200U/μl)を1.0μl、およびRNaseフリー水で20μlに調製した。その後、穏やかに混和し、30℃10分、42℃30分、95℃5分で逆転写反応を行うことでmiR−156aのcDNAを作製した。
(4)アゾベンゼン付きプライマーおよびFITC修飾プライマーの合成
工程(3)で作製した逆転写産物の5’末端側と同一の配列を有するフォワードプライマーFと、逆転写産物の3’末端側と相補的な配列を有するリバースプライマーRを設計した。さらにリバースプライマーRの5’末端に非核酸のアゾベンゼン構造を有するポリメラーゼ阻害領域(X)、およびタグ配列Tを導入したタグ付プライマー(T−X−R)を作製した。さらにフォワードプライマーFの5’末端にFITCを導入した標識プライマー(H−F)を作製した。
本検討で作製したプライマーセットを示す。
T−X−R:5’−−GGTTAGCTTCCAACCACGTGTATGATC−X−GCGGCGGTGACAGAAGAGAGT−3’(配列番号3)
H−F:5’−−FITC−GTGCAGGGTCCGAGGT−3’(配列番号4)
(5)アゾベンゼン付きプライマーとFITC修飾プライマーを用いたPCR
前記工程(3)で作製した逆転写産物を鋳型として、前記工程(4)で作製したプライマーセットを用いてPCR反応を行った。プライマーT−X−RとプライマーH−Fを各15pmolと、前記工程(3)逆転写反応液0.5μlとを0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。その後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを35回行い、PCR増幅産物を得た。また、逆転写を行っていないRNA(miR−156a)をネガティブコントロール1、および別のマウスのトータルRNAを添加して工程(3)の逆転写反応を行ったサンプルをネガティブコントロール2としてPCR反応を行った。
(6)抗FITC抗体結合金コロイドの作製
Gold Colloid(40nm、9.0×1010(粒子数/ml)、British BioCell International社製)と抗FITC抗体溶液(5mMリン酸バッファー、pH7)を混合し、20分、室温で静置した。1%BSA、0.1%PEG溶液を1/2量添加し、10,000rpmで25分間遠心分離し、上清を除去、1%BSA、0.1%PEG溶液を添加し混和後、10000rpmで25分間遠心分離した。遠心後に上清を除去し、5mMリン酸バッファー(pH7)を添加した。このバッファー置換を再度行った。調製した金コロイド溶液に界面活性剤を混合して、グラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
(7)捕捉用オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号3のタグ領域に相補的な配列(配列番号5)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブを、ストレプトアビジンと混合する。その混合液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 180、ミリポア社製)にディスペンサーを用いてライン上に塗布し、40℃で30分間風乾した。
オリゴヌクレオチドプローブ1:5’−(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−Biotin−3’(配列番号5)。
(8)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示すように貼り合わせ、アゾベンゼン挿入プライマーとFITC修飾プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(9)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(5)で作製したPCR産物を変性することなく、直ちに工程(8)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。工程(3)で逆転写反応を行った標的のmiR156aを鋳型とした場合、テストライン上に標的核酸特異的な着色ラインが検出された。一方、ネガティブコントロール1としてmiR156aを逆転写反応せずに添加した場合のPCR産物においても、ラインの検出は認められなかった。また、ネガティブコントロール2としてマウスのトータルRNAの逆転写産物を鋳型として添加した場合にもラインの検出は認められなかった。クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
<実施例2>
(1)シロイヌナズナのトータルRNAの抽出
シロイヌナズナ1gに液体窒素に入れて乳鉢ですり潰した。次に、簡易RNA抽出キット(RT−PCR用)をプロトコルに従い使用して、トータルRNAを抽出した。
(2)ポリA付加
ポリAポリメラーゼ(ニューイングランドバイオラボズ社製)を用いて、シロイヌナズナから抽出したRNAについてポリA付加反応を行った。10倍濃縮のバッファーを2μl、10mM ATPを2μl、抽出RNA2μl、ポリAポリメラーゼ1U、およびRNaseフリー水を混合し、合計で20μlとした。37℃10分反応させ、RNAの3’末端にポリAを付加した。
(3)逆転写プライマーの合成
該RNAの3’末端側のポリA部に相補的な配列を、3’末端側に有する逆転写プライマーRTp−Tを合成した。つくばオリゴサービスにて受託合成した。
(V=A,G or C、N=A,T,G or C)
RTp−T:5’−GTTGGCTCTGGTGCAGGGTCCGAGGTATTCGCACCAGAGCCAACTTTTTTTTTTTTTTTVN−3’(配列番号6)
(4)逆転写反応
鋳型として工程(2)で作製したポリA付加RNA、逆転写プライマーとして工程(3)で合成した逆転写プライマーRTp−Tを用い、PrimeScript(登録商標) High Fidelity RT−PCR Kit(タカラバイオ社製)のプロトコルに従い逆転写反応を行った。
逆転写反応液は、ポリA付加RNAを1μl、逆転写プライマーRTp−T(10μM)を2μl、5倍濃縮のPrimeScript Bufferを4μl、RNase Inhibitor(40U/μl)を0.5μl、PrimeScript RTase(200U/μl)を1.0μl、およびRNaseフリー水で20μlに調製した。その後、穏やかに混和し、30℃10分、42℃30分、95℃5分で逆転写反応を行うことでmiR−156aのcDNAを作製した。
(5)脂肪鎖付きプライマーおよびFITC修飾プライマーの合成
工程(4)で作製した逆転写産物の5’末端側と同一の配列を有するフォワードプライマーFと、逆転写産物の3’末端側と相補的な配列を有するリバースプライマーRを設計した。さらにリバースプライマーRの5’末端に非核酸の脂肪鎖構造を有するポリメラーゼ阻害領域(XS)、およびタグ配列Tを導入したタグ付プライマー(T−X−R)を作製した。さらにフォワードプライマーFの5’末端にFITCを導入した標識プライマー(H−F)を作製した。
本検討で作製したプライマーセットを示す。
T−XS−R:5’−−GGTTAGCTTCCAACCACGTGTATGATC−XS−GCGGCGGTGACAGAAGAGAGT−3’(配列番号7)
H−F:5’−−FITC−GTGCAGGGTCCGAGGT−3’(配列番号8)
(6)脂肪鎖付きプライマーとFITC修飾プライマーを用いたPCR
前記工程(4)で作製した逆転写産物を鋳型として、前記工程(5)で作製したプライマーセットを用いてPCR反応を行った。プライマーT−X−RとプライマーH−Fを各15pmolと、前記工程(4)逆転写反応液0.5μlとを0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。その後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを35回行い、PCR増幅産物を得た。また、逆転写を行っていないRNA(miR−156a)をネガティブコントロール1、および別のマウスのトータルRNAを添加して工程(4)の逆転写反応を行ったサンプルをネガティブコントロール2としてPCR反応を行った。
(7)抗FITC抗体結合金コロイドの作製
Gold Colloid(40nm、9.0×1010(粒子数/ml)、British BioCell International社製)と抗FITC抗体溶液(5mMリン酸バッファー、pH7)を混合し、20分、室温で静置した。1%BSA、0.1%PEG溶液を1/2量添加し、10,000rpmで25分間遠心分離し、上清を除去、1%BSA、0.1%PEG溶液を添加し混和後、10000rpmで25分間遠心分離した。遠心後に上清を除去し、5mMリン酸バッファー(pH7)を添加した。このバッファー置換を再度行った。調製した金コロイド溶液に界面活性剤を混合して、グラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
(8)捕捉用オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号7のタグ領域に相補的な配列(配列番号9)を有するオリゴヌクレオチドプローブの塗布溶液を調製する。その塗布溶液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 180、ミリポア社製)にディスペンサーを用いてライン上に塗布し、40℃で30分間風乾した。
オリゴヌクレオチドプローブ2:5’−(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−3’(配列番号9)
(9)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示すように貼り合わせ、脂肪鎖構造挿入プライマーとFITC修飾プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(10)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(6)で作製したPCR産物を変性することなく、界面活性剤および塩化ナトリウムを含む展開溶液と混合し、直ちに工程(9)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。工程(4)で逆転写反応を行った標的のmiR156aを鋳型とした場合、テストライン上に標的核酸特異的な着色ラインが検出された。一方、ネガティブコントロール1としてmiR156aを逆転写反応せずに添加した場合のPCR産物では、ラインの検出は認められなかった。また、ネガティブコントロール2としてマウスのトータルRNAの逆転写産物を鋳型として添加した場合のPCR産物においてもラインの検出は認められなかった。クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
<実施例3>
(1)テンプレート用RNA1〜3の合成
合成RNA1〜3をつくばオリゴサービスにて合成し、鋳型として用いた。
テンプレートmiRNA:5’−UGACAGAAGAGAGUGAGCAC−3’(配列番号10)
テンプレートmiRNA2:5’−UUUGGAUUGAAGGGAGCUCUA−3’(配列番号11)
テンプレートmiRNA3:5’−UGAUUGAGCCGCGCCAAUAUC−3’(配列番号12)
(2)逆転写プライマーの合成
テンプレートmiRNA1の3’末端側の6塩基と相補的な配列を3’末端側に有する逆転写プライマーRTp1、テンプレートmiRNA2の3’末端側の6塩基と相補的な配列を3’末端側に有する逆転写プライマーRTp2、テンプレートmiRNA3の3’末端側の6塩基と相補的な配列を3’末端に有する逆転写プライマーRTp3を合成した。つくばオリゴサービスにて受託合成した。
RTp1:5’−TGGGCTGACCTAGAGGTCTTAACGTGCTC−3’(配列番号13)
RTp2:5’−CCGGAACAGACACCAGGTTTAACTAGAGC−3’(配列番号14)
RTp3:5’−ATACCGATGAGTGTGCTACCAACGATATT−3’(配列番号15)
(3)逆転写反応
鋳型として工程(1)で合成したテンプレートmiRNA1〜3、工程(2)で合成した逆転写プライマーRTp1〜3を用い、PrimeScript(R) High Fidelity RT−PCR Kit(タカラバイオ社製)のプロトコルに従い逆転写反応を行った。
サンプルとして、次の(i)〜(v)を準備した。
(i)テンプレートmiRNA1(1nM)
(ii)テンプレートmiRNA2(1nM)
(iii)テンプレートmiRNA3(1nM)
(iv)テンプレートmiRNA1,2,3(各1nM混合)
(v)テンプレートなし
逆転写反応液は、各サンプル1μlに対して、逆転写プライマーRTp1〜3(各10μM)を2μlずつ、5倍濃縮のPrimeScript Bufferを4μl、RNase Inhibitor(40U/μl)を0.5μl、PrimeScript RTase(200U/μl)を1.0μl、およびRNaseフリー水で20μlに調製した。その後、穏やかに混和し、30℃10分、42℃30分、95℃5分で逆転写反応を行うことでサンプル(i)〜(v)のそれぞれについて逆転写反応を行いcDNAを作製した。
(4)アゾベンゼン挿入プライマーの合成
miRNA1〜3に対する逆転写産物cDNA1〜3を鋳型として、核酸増幅反応が行えるようにそれぞれフォワードプライマー(F1)とリバースプライマー(R1)、フォワードプライマー(F2)とリバースプライマー(R2)、および、フォワードプライマー(F3)とリバースプライマー(R3)の3組のプライマーをそれぞれ設計した。それぞれの5’末端に非核酸構造であるアゾベンゼンを含むポリメラーゼ反応阻害領域(X)、およびタグ配列T1とT2、タグ配列T3とT4、および、タグ配列T5とT6を導入したタグ付きプライマー、T1−X−F1とT2−X−R1、T3−X−F2とT4−X−R2、および、T5−X−F3とT6−X−R3を合成した。この6種のアゾベンゼン挿入プライマーはつくばオリゴサービス株式会社にて受託合成を行い購入した。以下に本検討で作製した3組のプライマーセットを示す。
タグ配列T1:5’−(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG)−3’(配列番号16)
タグ配列T2:5’−(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA)−3’(配列番号17)
プライマーT1−X−F1:5’−(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG X TGGGCTGACCTAGAGGTCTT)−3’(配列番号18)
プライマーT2−X−R1:5’−(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA X GCGGCGGTGACAGAAGAGAGT)−3’(配列番号19)
タグ配列T3:5’−(CGCATTGAGCAAGTGTACAGAGCAT)−3’(配列番号20)
タグ配列T4:5’−(ATTATGCGTGGAGAAGCATATCATA)−3’(配列番号21)
プライマーT3−X−F2:5’−(CGCATTGAGCAAGTGTACAGAGCAT X CCGGAACAGACACCAGGTTT)−3’(配列番号22)
プライマーT4−X−R2:5’−(ATTATGCGTGGAGAAGCATATCATA X CGGCGGTTTGGATTGAAGGGA)−3’(配列番号23)
タグ配列T5:5’−(AATTGCGCATGTCCATGTGTAA)−3’(配列番号24)
タグ配列T6:5’−(TACTTTAGAGGAAACTGCTGAG)−3’(配列番号25)
プライマーT5−X−F3:5’−(AATTGCGCATGTCCATGTGTAA X ATACCGATGAGTGTGCTACC)−3’(配列番号26)
プライマーT6−X−R3:5’−(TACTTTAGAGGAAACTGCTGAG X TTCCTTGATTGAGCCGCGCC)−3’(配列番号27)
(5)アゾベンゼン挿入プライマーセット3組を用いたPCR反応
前記工程(4)で実施し作製した3組のプライマーセットを用いたPCR反応を行った。プライマーT1−X−F1、プライマーT2−X−R1、プライマーT3−X−F2、プライマーT4−X−R2、プライマーT5−X−F3、および、プライマーT6−X−R3を各15pmolと、工程(3)で作製したサンプル(i)〜(v)の各サンプルに対する逆転写反応液1μlをPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。
これら反応液を調製後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを30回行い、サンプル(i)〜(iv)に関しては目的の配列を有するDNA増幅断片を得た。サンプル(v)に関しては、増幅DNA断片なし(ネガティブコントロールとする)。
(6)ラテックス結合オリゴヌクレオチドプローブの作製
カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(青色)(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ3(配列番号28、配列番号16の相補鎖)、カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(オレンジ色)(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ4(配列番号29、配列番号20の相補鎖)、および、カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(緑色)(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ5(配列番号30、配列番号24の相補鎖)を、それぞれ水溶性カルボジイミドを必要量添加したMES緩衝液中で混合し、結合後、モノエタノールアミンでブロッキングを行った。前記反応液を遠心分離後、上清を除去し、得られた沈殿を水洗した。洗浄後、界面活性剤を含むHEPES緩衝液に再懸濁し、オリゴヌクレオチドプローブ3結合ラテックス(青色)、オリゴヌクレオチドプローブ4結合ラテックス(オレンジ色)、オリゴヌクレオチドプローブ5結合ラテックス(緑色)を作製した。
この3種のラテックスをグラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
オリゴヌクレオチドプローブ3:5’−(CTATAAACCCAGTGAAAAATGTTGCCA)−NH−3’(配列番号28)
オリゴヌクレオチドプローブ4:5’−(TTGCTCTGTACACTTGCTCAATGCG)−NH−3’(配列番号29)
オリゴヌクレオチドプローブ5:5’−(TTACACATGGACATGCGCAATT)−NH−3’(配列番号30)
(7)3種のオリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号17に相補的な配列(配列番号31)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ6、配列番号21に相補的な配列(配列番号32)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ7、および、配列番号25に相補的な配列(配列番号33)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ8を、それぞれストレプトアビジンと混合する。それらの混合液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 135、ミリポア社製)上の3箇所にディスペンサーを用いて、上流側から順に互いに離れた位置でライン上に塗布し、40℃で30分間風乾した。3本の検出ラインを作製した。
オリゴヌクレオチドプローブ6:5’−(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−Biotin−3’(配列番号31)
オリゴヌクレオチドプローブ7:5’−(TATGATATGCTTCTCCACGCATAAT)−Biotin−3’(配列番号32)
オリゴヌクレオチドプローブ8:5’−(CTCAGCAGTTTCCTCTAAAGTA)−Biotin−3’(配列番号33)
(8)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、工程(6)で作製したコンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示すように貼り合わせ、アゾベンゼン挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(9)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(4)で作製した(i)〜(v)のPCR産物をそれぞれ変性することなく、直ちに工程(5)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にそれぞれアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。その結果は以下に示す。
サンプル(i):1本目の検出ラインのみ青色に着色。
サンプル(ii):2本目の検出ラインのみオレンジ色に着色。
サンプル(iii):3本目の検出ラインのみ緑色に着色。
サンプル(iv):1本目の検出ラインが青色に、2本目の検出ラインがオレンジ色に、3本目の検出ラインが緑色にそれぞれ着色。
サンプル(v):どの検出ラインも着色は認められなかった。
この結果から、それぞれの標的遺伝子特異的に検出が可能であり、3種類の同時検出も確認できた。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
<実施例4>
(1)テンプレート用RNA1〜3の合成
合成RNA1〜3をつくばオリゴサービスにて合成し、鋳型として用いた。
テンプレートmiRNA:5’−UGACAGAAGAGAGUGAGCAC−3’(配列番号34)
テンプレートmiRNA2:5’−UUUGGAUUGAAGGGAGCUCUA−3’(配列番号35)
テンプレートmiRNA3:5’−UGAUUGAGCCGCGCCAAUAUC−3’(配列番号36)
(2)ポリA付加
ポリAポリメラーゼ(ニューイングランドバイオラボズ社製)を用いて、テンプレートmiRNA1〜3についてポリA付加反応を行った。
サンプルとして、次の(i)〜(v)を準備した。
(i)テンプレートmiRNA1(1nM)
(ii)テンプレートmiRNA2(1nM)
(iii)テンプレートmiRNA3(1nM)
(iv)テンプレートmiRNA1,2,3(各1nM混合)
(v)テンプレートなし
各サンプル(i)〜(v)を1μl、10倍濃縮のバッファーを2μl、10mM ATPを2μl、抽出RNA2μl、ポリAポリメラーゼ1U、RNaseフリー水で20μlとした。37℃10分反応させ、miRNAの3’末端にポリAを付加した。
(3)逆転写プライマーの合成
テンプレートmiRNAの3’末端側のポリA部に相補的な配列を3’末端側に有する逆転写プライマーRTp−Tを合成した。つくばオリゴサービスにて受託合成した。(V=A,G or C、N=A,T,G or C)
RTp−T:5’−GTTGGCTCTGGTGCAGGGTCCGAGGTATTCGCACCAGAGCCAACTTTTTTTTTTTTTTTVN−3’(配列番号37)
(4)逆転写反応
鋳型として工程(2)で作製したポリA付加サンプル、工程(3)で合成した逆転写プライマーRTp−Tを用い、PrimeScript(登録商標) High Fidelity RT−PCR Kit(タカラバイオ社製)のプロトコルに従い逆転写反応を行った。
逆転写反応液は、サンプル(i)〜(v)のポリA付加反応液を1μl、逆転写プライマーRTp−T(10μM)を2μl、5倍濃縮のPrimeScript Bufferを4μl、RNase Inhibitor(40U/μl)を0.5μl、PrimeScript RTase(200U/μl)を1.0μl、およびRNaseフリー水で20μlに調製した。その後、穏やかに混和し、30℃10分、42℃30分、95℃5分で逆転写反応を行うことで各サンプルの逆転写産物を作製した。
(5)アゾベンゼン挿入プライマーおよびBiotin修飾プライマーの合成
ポリAを付加したmiRNA1〜3に対する逆転写産物cDNA1〜3を鋳型として、核酸増幅反応が行えるようにそれぞれフォワードプライマー(F)とリバースプライマー(R1)〜(R3)のプライマーをそれぞれ設計した。フォワードプライマーの5’末端にはビオチン修飾を導入したB−Fを、リバースプライマー(R1)〜(R3)には、逆転写産物cDNA1〜3のそれぞれの3’末端側に相補的な配列と、それぞれの5’末端側に非核酸構造であるアゾベンゼンを含むポリメラーゼ反応阻害領域(X)、およびタグ配列T7、T8、T9を導入したタグ付きプライマー、T7−X−R1、T8−X−R2、およびT9−X−R3を合成した。この4種の修飾プライマーはつくばオリゴサービス株式会社にて受託合成を行い購入した。以下に本検討で作製した3組のプライマーセットを示す。
B−F:5’−−Biotin−TCTGGTGCAGGGTCCGAGGTA−3’(配列番号38)
タグ配列T7:5’−(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA)−3’(配列番号39)
プライマーT7−X−R1:5’−(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA X GCGGCGGTGACAGAAGAGAGT)−3’(配列番号40)
タグ配列T8:5’−(ATTATGCGTGGAGAAGCATATCATA)−3’(配列番号41)
プライマーT8−X−R2:5’−(ATTATGCGTGGAGAAGCATATCATA X CGGCGGTTTGGATTGAAGGGA)−3’(配列番号42)
タグ配列T9:5’−(TACTTTAGAGGAAACTGCTGAG)−3’(配列番号43)
プライマーT9−X−R3:5’−(TACTTTAGAGGAAACTGCTGAG X TTCCTTGATTGAGCCGCGCC)−3’(配列番号44)
(6)アゾベンゼン挿入プライマーおよびBiotinプライマーセットを用いたPCR反応
前記工程(5)で作製したプライマーセットを用いたPCR反応を行った。プライマーH−F、プライマーT7−X−R1、プライマーT8−X−R2、および、プライマーT9−X−R3を各15pmolと、工程(4)で作製したサンプル(i)〜(v)の各サンプルに対する逆転写反応液1μlをPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。
これら反応液を調製後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを30回行い、サンプル(i)〜(iv)に関しては目的の配列を有するDNA増幅断片を得た。サンプル(v)に関しては、増幅DNA断片なし(ネガティブコントロールとする)。
(7)ストレプトアビジン結合金コロイドの作製
Gold Colloid(40nm、9.0×1010(粒子数/ml)、British BioCell International社製)とストレプトアビジン溶液(5mMリン酸バッファー、pH7)を混合し、20分、室温で静置した。1%BSA、0.1%PEG溶液を1/2量添加し、10,000rpmで25分間遠心分離し、上清を除去、1%BSA、0.1%PEG溶液を添加し混和後、10000rpmで25分間遠心分離した。遠心後に上清を除去し、5mMリン酸バッファー(pH7)を添加した。このバッファー置換を再度行った。調製した金コロイド溶液に界面活性剤を混合して、グラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
(8)3種のオリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号39に相補的な配列(配列番号45)を有するオリゴヌクレオチドプローブ9、配列番号41に相補的な配列(配列番号46)を有するオリゴヌクレオチドプローブ10、および、配列番号43に相補的な配列(配列番号47)を有するオリゴヌクレオチドプローブ11を、それぞれ塗布溶液を調製し、ニトロセルロースメンブレン(商品名:FF170HP、ワットマン社製)上の3箇所にディスペンサーを用いて、上流側から順に互いに離れた位置でライン上に塗布し、40℃で30分間風乾した。3本の検出ラインを作製した。
オリゴヌクレオチドプローブ9:5’−(GATCTACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−3’(配列番号45)
オリゴヌクレオチドプローブ10:5’−(TATGATATGCTTCTCCACGCATAAT)−3’(配列番号46)
オリゴヌクレオチドプローブ11:5’−(CTCAGCAGTTTCCTCTAAAGTA)−3’(配列番号47)
(9)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、工程(8)で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、工程(7)で作製したコンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示すように貼り合わせ、アゾベンゼン挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(10)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(4)で作製した(i)〜(v)のPCR産物をそれぞれ変性することなく、直ちに工程(9)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にそれぞれアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。その結果は以下に示す。
サンプル(i):1本目の検出ラインのみ着色。
サンプル(ii):2本目の検出ラインのみ着色。
サンプル(iii):3本目の検出ラインのみ着色。
サンプル(iv):1本目、2本目、3本目全ての検出ラインが着色。
サンプル(v):どの検出ラインも着色は認められなかった。
この結果から、それぞれの標的遺伝子特異的に検出が可能であり、3種類の同時検出も確認できた。結果は図10に記載した。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
<実施例5>
(1)テンプレート用RNAの合成
実施例1と同様にテンプレートmiR−156aを合成した。
(2)逆転写プライマーの合成
実施例1と同様に逆転写プライマーRTpを合成した。
(3)逆転写反応
鋳型として工程(1)で合成したテンプレートmiR−156a、工程(2)で合成した逆転写プライマーを用い、PrimeScript(登録商標) High Fidelity RT−PCR Kit(タカラバイオ社製)のプロトコルに従い逆転写反応を行った。
テンプレート濃度の異なる以下のサンプルを用意した。
(i)テンプレートなし
(ii)テンプレートmiR−156a 1pM
(iii)テンプレートmiR−156a 10pM
(iv)テンプレートmiR−156a 100pM
各サンプル(i)〜(iv)をそれぞれのチューブに2μl添加し、実施例1の工程(3)と同条件で逆転写反応を行い、各サンプルにおいてmiR−156aのcDNAを作製した。
(4)ポリメラーゼ反応阻害領域(5’−5’結合+3’−3’結合)挿入プライマー、およびDIG修飾プライマーの合成
工程(3)で作製した逆転写産物の5’末端側と同一の配列を有するフォワードプライマーFと、逆転写産物の3’末端側と相補的な配列を有するリバースプライマーRを設計した。さらにリバースプライマーRの5’末端に5’−5’結合+3’−3’結合の構造を有するポリメラーゼ阻害領域(Xr)、およびタグ配列Tを導入したタグ付プライマー(T−X−R)を作製した。さらにフォワードプライマーFの5’末端にDIGを導入した標識プライマー(D−F)を作製した。
本検討で作製したプライマーセットを示す。
T−Xr−R:5’−−GGTTAGCTTCCAACCACGTGTATGATC−Xr−GCGGCGGTGACAGAAGAGAGT−3’(配列番号48)
D−F:5’−−DIG−GTGCAGGGTCCGAGGT−3’(配列番号49)
(5)ポリメラーゼ反応阻害領域(5’−5’結合+3’−3’結合)挿入プライマーとDIG修飾プライマーを用いたPCR
前記工程(3)で作製した逆転写産物を鋳型として、前記工程(4)で作製したプライマーセットを用いて、各サンプルに対してPCR反応を行った。プライマーT−Xr−RとプライマーD−Fを各15pmolと、前記工程(3)逆転写反応液0.5μlとを0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRキット(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。その後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを30回行い、PCR増幅産物を得た。
(6)抗DIG抗体結合金コロイドの作製
Gold Colloid(40nm、9.0×1010(粒子数/ml)、British BioCell International社製)と抗DIG抗体溶液(5mMリン酸バッファー、pH7)を混合し、20分、室温で静置した。1%BSA、0.1%PEG溶液を1/2量添加し、10,000rpmで25分間遠心分離し、上清を除去、1%BSA、0.1%PEG溶液を添加し混和後、10000rpmで25分間遠心分離した。遠心後に上清を除去し、5mMリン酸バッファー(pH7)を添加した。このバッファー置換を再度行った。調製した金コロイド溶液に界面活性剤を混合して、グラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
(7)捕捉用オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号3のタグ領域に相補的な配列(配列番号5)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブを、ストレプトアビジンと混合する。その混合液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 180、ミリポア社製)にディスペンサーを用いてライン上に塗布し、40℃で30分間風乾した。
オリゴヌクレオチドプローブ12:5’−(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−Biotin−3’(配列番号50)
(8)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示すように貼り合わせ、5’−5’結合、3’−3’結合挿入プライマーとDIG修飾プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(9)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(5)で作製したPCR産物を変性することなく、直ちに工程(8)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。工程(3)で逆転写反応を行ったサンプル(ii)〜(iv)の逆転写産物を鋳型とした場合、テストライン上に標的核酸特異的な着色ラインが検出された。一方、サンプル(i)の逆転写反応液をテンプレートとした場合は、ラインの検出は認められなかった。クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。また、各ラインの着色強度は、クロマトリーダー(浜松ホトニクス社製)で測定した結果、サンプル(i)〜(iv)中の標的RNA(miRNA156)の濃度と相関があり、その着色の違いは目視でも確認ができた。以下に、各サンプルを検出した際のテストラインの着色強度を示す。
サンプル(i):2mABS
サンプル(ii):114mABS
サンプル(iii):153mABS
サンプル(iv):173mABS
1.標的RNA
2.逆転写プライマー
3.標的RNAの一部と相補的な配列のプライマー本体領域
4.標的配列に由来しない付加配列
5.逆転写産物cDNA
6.標的RNA(3’末端にポリA配列を有する)
7.逆転写プライマー
8.ポリT配列を有するプライマー本体領域
9.標的配列に由来しない任意の付加配列
10.逆転写産物cDNA(ポリT配列を有する)
11.プライマー本体領域
12.タグ領域
13.ポリメラーゼ反応阻害領域
14.リバースプライマー
15.リバースプライマーのプライマー本体領域
16.ポリメラーゼ反応阻害領域
17.タグ領域
18.フォワードプライマー
19.逆転写産物の5’末端の一部と同一の配列からなるプライマー本体領域
20.ポリメラーゼ反応阻害領域
21.タグ領域
22.両末端に一本鎖領域を有するDNA増幅産物
23.リバースプライマー
24.リバースプライマーのプライマー本体領域
25.ポリメラーゼ反応阻害領域
26.タグ領域
27.フォワードプライマー
28.逆転写産物の5’末端の一部と同一の配列からなるプライマー本体領域
29.標識結合領域
30.末端に一本鎖領域を有し、反対側の末端に標識結合領域を有するDNA増幅産物
31.サンプルパッド
32.コンジュゲートパッド
33.捕捉用オリゴヌクレオチドを保持した担体
34.吸収パッド
35.基材
36.テストライン
37.コントロールライン
38.標識結合領域に特異的に結合可能な物質
39.着色担体(標識分子)
40.標識分子とDNA増幅産物との第1複合体
41.多孔質メンブレン
42.捕捉用オリゴヌクレオチド
43.標識分子に結合したオリゴヌクレオチド
44.標識分子
45.捕捉用オリゴヌクレオチドを各ウェルに保持した担体(マイクロアレイ)
46.捕捉用オリゴヌクレオチドを保持したビーズ担体
47.クロマトグラフィー様ストリップのニトロセルロースメンブレン(検出部のみ)
48.テストライン1
49.テストライン2
50.テストライン3

Claims (32)

  1. 下記工程(a)〜(c):
    (a)標的RNAに非相補的な配列を5’末端側に有する逆転写プライマーを用いて、前記標的RNAを鋳型として逆転写反応を行い、前記標的RNAより長い逆転写産物を作製する工程、
    (b)二本のプライマーを用いて、前記逆転写産物を鋳型として核酸増幅反応を行い、少なくとも片側の末端に一本鎖領域を含む二本鎖DNA増幅断片を作製する工程、および
    (c)前記二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域と、固相上に固定したオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせる工程
    を含む、核酸検出方法。
  2. 前記標的RNAが10塩基以上の塩基配列を有する、請求項1に記載の核酸検出方法。
  3. 前記標的RNAが15塩基以上の塩基配列を有する、請求項1または2に記載の核酸検出方法。
  4. 前記標的RNAがマイクロRNAである、請求項1〜3のいずれかに記載の核酸検出方法。
  5. 前記逆転写プライマーが標的RNAに相補的な配列を3塩基以上含む、請求項1〜4のいずれかに記載の核酸検出方法。
  6. さらに、工程(a)の前に、標的RNAに対してポリA配列を3塩基以上付加する工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の核酸検出方法。
  7. 前記逆転写プライマーがポリT配列を3塩基以上含む、請求項1〜4、および6のいずれかに記載の核酸検出方法。
  8. 前記逆転写プライマーが、3’末端側に標的RNAに相補的な配列を1塩基以上含む、請求項7に記載の核酸検出方法。
  9. 前記逆転写産物が、標的RNAよりも3塩基以上長い、請求項1〜8のいずれかに記載の核酸検出方法。
  10. 前記標的RNAに非相補的な配列が、その配列内に互いに相補的な5塩基以上の配列を有することで、ループ構造を取り得る配列である、請求項1〜9のいずれかに記載の核酸検出方法。
  11. 前記プライマーが、タグ領域、ポリメラーゼ反応阻害領域、および逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有する領域を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の核酸検出方法。
  12. 前記ポリメラーゼ反応阻害領域が核酸誘導体を含む、請求項11に記載の核酸検出方法。
  13. 前記核酸誘導体が、L型核酸、3−deoxy−2−hydroxy−dN、修飾塩基核酸、損傷塩基核酸、リン酸結合部位修飾核酸、RNA、2’−OMe−N、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項12に記載の核酸検出方法。
  14. 前記核酸誘導体が、5’−5’結合で逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有する領域と結合し、かつ/または、3’−3’結合でタグ領域と結合している、請求項12に記載の核酸検出方法。
  15. 前記ポリメラーゼ反応阻害領域が、非核酸誘導体を含む、請求項11に記載の核酸検出方法。
  16. 前記非核酸誘導体が、D−threoninol骨格を有する、請求項15に記載の核酸検出方法。
  17. 前記D−threoninol骨格に、アゾベンゼン、ビオチン、EDTA、および発色団からなる群から選択される少なくとも1つが導入されている、請求項16に記載の核酸検出方法。
  18. 前記非核酸誘導体が、炭素鎖(C)、ペグ鎖((CHCHO))、ジスルフィド含有鎖(CSSC)、ジチオールフォスフォロアミダイト、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項15に記載の核酸検出方法。
  19. 前記プライマーが、複数種類および/または複数個のポリメラーゼ反応阻害領域を含む、請求項11〜18のいずれかに記載の核酸検出方法。
  20. 前記タグ領域が、逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有する領域と同一方向の核酸からなる、請求項11〜19のいずれかに記載の核酸検出方法。
  21. 前記タグ領域が、逆転写産物もしくはその相補鎖にハイブリダイズ可能な配列を有する領域と同一方向の核酸、および逆方向の核酸を含む、請求項11〜20のいずれかに記載の核酸検出方法。
  22. 前記二本鎖DNA増幅断片が、標識物質と結合可能である、請求項1〜21のいずれかに記載の核酸検出方法。
  23. 前記二本鎖DNA増幅断片が、一本鎖領域を介して標識物質と結合可能である、請求項22に記載の核酸検出方法。
  24. 前記二本鎖DNA増幅断片が、標識結合物質を含む配列を介して標識物質と結合可能である、請求項22に記載の核酸検出方法。
  25. 前記二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域と標識物質とを結合させる工程をさらに含む、請求項1〜23のいずれかに記載の核酸検出方法。
  26. 標識物質が着色担体からなり、前記二本鎖DNA増幅断片の目視検出を可能にする、請求項22〜25のいずれかに記載の核酸検出方法。
  27. 前記二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域と、固相上に固定したオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせる工程が、核酸検出デバイス上で行われる、請求項1〜26のいずれかに記載の核酸検出方法。
  28. 前記核酸検出デバイスが、クロマトグラフィーデバイスである、請求項27に記載の核酸検出方法。
  29. 下記工程(a)〜(c):
    (a)前記核酸検出デバイス上の、前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域とは異なる領域に、前記二本鎖DNA増幅断片を配置する工程、
    (b)溶媒を用いて、前記二本鎖DNA増幅断片を、前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域の方向に、前記デバイス上で拡散させる工程、および
    (c)前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域において、前記オリゴヌクレオチドプローブと、前記二本鎖DNA増幅断片とを、ハイブリダイズさせる工程、
    を含む、請求項27または28に記載の核酸検出方法。
  30. 前記工程(c)の前に、前記二本鎖DNA増幅断片と、前記標識物質とを結合させる工程をさらに含む、請求項29に記載の核酸検出方法。
  31. 下記工程(d)〜(h):
    (d)前記核酸検出デバイス上の、前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域とは各々異なる領域に、前記二本鎖DNA増幅断片、および前記標識物質をそれぞれ配置し、
    (e)溶媒を用いて、前記二本鎖DNA増幅断片を、前記標識物質が配置されている領域の方向に拡散させ、
    (f)前記標識物質が配置されている領域において、前記二本鎖DNA増幅断片と、標識物質とを結合させ、
    (g)工程(f)で結合した複合体を前記オリゴヌクレオチドプローブが配置されている方向に、前記デバイス上で拡散させ、
    (h)前記オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域において、前記オリゴヌクレオチドプローブと前記複合体とをハイブリダイズさせる、
    を含む、請求項29または30に記載の核酸検出方法。
  32. 請求項1〜31のいずれかに記載の核酸検出方法に用いる核酸検出デバイスであって、前記二本鎖DNA増幅断片を配置する領域、前記二本鎖DNA増幅断片と結合する前記オリゴヌクレオチドプローブを保持したクロマトグラフィー担体、および、標識物質が結合したオリゴヌクレオチドプローブとを具備してなる検出デバイス。
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