JP6577660B2 - 試料中の複数種類の短鎖核酸の検出方法、組み合わせ分析キットおよび分析キット供給管理方法 - Google Patents

試料中の複数種類の短鎖核酸の検出方法、組み合わせ分析キットおよび分析キット供給管理方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、試料中の複数種類の短鎖核酸の検出方法、組み合わせ分析キットおよび分析キット供給管理方法に関する。
近年の様々な研究によりsiRNA(small interference RNA)やmiRNA(microRNA)のような小さなRNAが注目されている。siRNAは21〜23塩基の二本鎖RNAであり、これは人工的に合成され、遺伝子発現を抑制するために用いられる。一方、miRNAは18〜30塩基の一本鎖RNAであり、細胞内に存在し、遺伝子発現を調節していることが明らかになってきている。特に、癌をはじめとする様々な疾患とmiRNAの種類と発現量との関係が数多く報告されている。また、miRNAは、血清中にもエキソソームに内包された形で存在する。従って、miRNAは、非侵襲の診断ツールとして大いに期待される。
このような短い核酸断片を検出する場合、検出対象となる配列自身が短いために増幅用のプライマーをアニールさせる領域が確保できず、増幅が困難であり、その結果、高感度化が難しい。
特許第4879957号公報 特開2005−296014号公報 特表2008−513011号公報 特表2015−507928号公報 国際公開第2015/076356号
Jiagyan Zhenging et al. Chem. Commu., 2011, 47, 9465
本発明が解決しようとする課題は、試料中の複数種類の短鎖核酸を簡便に検出することができる検出方法、組み合わせ分析キット並びに分析キットの供給管理方法を提供することである。
実施形態の検出方法は、試料中の複数種類の標的核酸を検出する方法である。複数の標的核酸のそれぞれは、互いに異なる標的配列を含む短鎖核酸である。方法は、(a)標的核酸のそれぞれについて長鎖核酸を得るための長鎖化核酸セット群、複数の長鎖核酸を共通して増幅するプライマーセットおよびプローブ固定基体を準備すること、(b)前記標的配列またはその相補配列と、それに対応する前記第1のサブ長鎖化配列と、対応する前記第2のサブ長鎖化配列とを含む長鎖核酸群を得ること、(c)前記長鎖核酸群と前記プライマーセットとを増幅条件下に維持して、増幅産物群を得ること、(d)増幅産物群と前記第1のプローブとの間でのハイブリダイゼーションの有無および/または量を検出すること、(e)結果に基づいて前記複数の標的核酸を検出することを含む。
実施形態の検出方法の1例を示すフローチャートである。 実施形態の検出方法の1例を示すフローチャートである。 実施形態の長鎖化核酸セットの例を模式的に示す図である。 実施形態の長鎖化核酸セットの例を模式的に示す図である。 実施形態の長鎖化核酸セットの例を模式的に示す図である。 実施形態の長鎖化核酸セットの例を模式的に示す図である。 実施形態において形成される長鎖核酸の例を示す図である。 実施形態における長鎖化の例を示す図である。 実施形態における長鎖化の例を示す図である。 実施形態における長鎖化の例を示す図である 実施形態における長鎖化の例を示す図である 実施形態におけるプローブの例を示す図である。 実施形態の一体型デバイスおよび測定装置の例を示す図である。 実施形態の一体型デバイスおよび測定装置による検出方法の例を示すフローチャートである。 実施形態の供給管理方法の例を示す模式図である。 実験結果を示す図である。 実験結果を示す図である。 実験結果を示す図である。 実験結果を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
1.短鎖核酸のマルチプレックス検出法
1つの実施形態に従う短鎖核酸マルチプレックス検出法は、試料中の複数の短鎖核酸を複数の標的核酸からなる1つのシリーズとして同時期内に検出する。この方法においては、複数の反応がマルチプレックスに行われる。即ち、1つの反応場に2種類以上の反応対象、例えば、標的核酸、例えば遺伝子などが持ち込まれる。それらが共存している状態で、それらを共通する反応条件下に持ち込み、維持する。これにより、条件に適合する複数の核酸に対して共通する反応がもたらされる。これにより、1つのシリーズとして複数の標的核酸が検出される。「同時期内」とは、例えば、同時、順次または並行と解されてもよい。
当該方法は、予め標的核酸として定められた複数種類の短鎖核酸を同一反応場内、例えば、1つの容器内で扱う。当該方法は、複数の短鎖核酸をマルチプレックスに長鎖化すること、得られた複数の長鎖核酸をマルチプレックスに増幅すること、生じた増幅産物をマルチプレックスに検出することを含む。
図1および図2を参照しながら、実施形態の検出方法について説明する。まず、当該方法により1つのシリーズとして検出されるべき複数の短鎖核酸を標的核酸として選択する。
実施形態において検出されるべき標的核酸は、比較的鎖長が短く、標的となる配列(即ち、標的配列)を含む短鎖核酸であり、概ね50塩基よりも短い核酸であり得る。標的核酸の例としては、siRNA、miRNAまたは長い核酸、例えば、50塩基以上の塩基長の核酸が断片化された後に生ずる核酸断片であり得る。標的配列とは、検出されるべきヌクレオチド配列を意味する。このような標的核酸が、実施形態に従う方法により検出されるべき分析対象(analyte)である。
例えば、1つのシリーズとして検出されるべき複数の短鎖核酸の例は、例えば、癌、例えば、乳癌、大腸癌または肺がんなどの特定の疾患をテーマとして共通して関連している複数のmiRNAであり得る。また例えば、1つのシリーズに含まれ得る複数種類の標的核酸は、特定の疾患の指標となる遺伝子であるということを共通するテーマとしていてもよい。1つのシリーズに含まれ得る複数種類の標的核酸は、共通するテーマ、即ち、情報、例えば、特定の疾患、疾病および障害などの健康状況に関する情報で関連付けられ得るが、これらに限定するものではない。
本明細書全文を通して、用語「核酸」は、DNA、RNA、PNA、LNA、S−オリゴ、メチルホスホネートオリゴなど、その一部の構造を塩基配列によって表すことが可能な物質を総括的に示す。例えば、核酸は、天然由来のDNAおよびRNAなど、一部分または完全に人工的に合成および/または設計された人工核酸など、並びにそれらの混合物などであってもよい。
試料(sample)は、分析対象を含み得る分析されるべき対象であればよく、短鎖核酸を含む可能性のあるものであればよい。試料は、増幅反応および/またはハイブリダイゼーション反応を妨害しない状態にあることが好ましい。例えば、生体などから得られた材料を、本実施形態に従う試料として使用するためには、それ自身公知の何れかの手段により前処理を行ってもよい。例えば、試料は液体であり得る。例えば、試料は、血液、血清、白血球、尿、便、精液、唾液、組織、バイオプシー、口腔内粘膜、培養細胞、喀痰、リンパ液、汗、髄液、涙液、母乳、羊水などの生体物質、または環境から採取された環境物質、或いはそれらの混合物などであってもよい。或いは、これらの何れかを試料材料として生体または環境などから採取し、何れかの手段によって核酸を抽出し、得られた核酸成分を含む液体を試料としてもよい。
例えば、標的核酸を含む試料の準備は次のように行われる。例えば、試料材料を採取する。その後、試料材料に対して遠心、沈殿、抽出および/または分離などの処理を行い、核酸の増幅およびハイブリダイゼーションに適切な状態にある試料を得る。また、上述の試料材料が、そのままで核酸の増幅およびハイブリダイゼーションが可能な状態にある場合には、採取された試料材料を試料として使用してもよい。
例えば、核酸の抽出は、これらに限定されるものではないが、市販の核酸抽出キットであるPureLink(登録商標) miRNA Isolation Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)、microRNA Extractor(登録商標) SP Kit(和光純薬製)、NucleoSpin(登録商標) miRNA(タカラバイオ製)、mirpremier(登録商標) microRNA Isolarion Kit(シグマアルドリッチ製)、ハイピュアmiRNAアイソレーションキット(ロシュ・ライフサイエンス製)、PAXgene Blood miRNA Kit(キアゲン製)などを利用して実行し得る。或いは、このようなキットを使用せずに、例えば、試料材料を緩衝液で希釈した上で、80℃〜100℃の加熱処理を行い、その後遠心分離し、その上清を採取することにより試料を得てもよい。
図1のスキーム1の(S1)に1つのシリーズに含まれる複数の標的核酸の1例を示した。この例は、標的核酸1(1A,1B,1C,1D,1E)である。これらの標的核酸は、それぞれ標的配列1(10A,10B,10C,10D,10E)を含む。これらの配列は、互いに異なる種類の配列を有し、その長さは互いに同じであるか、または異なり得る(S1)。
標的核酸1は、標的配列10を含む。標的配列10は、5’端に第1のサブ標的配列11を含み、3’端に第2のサブ標的配列12を含む。例えば、標的配列10は、5’側の第1のサブ標的配列11と3’側の第2のサブ標的配列12とからなってもよく、それ以外の更なる配列を含んでもよい。更なる配列を含む場合、それは、第1のサブ標的配列11と第2のサブ標的配列12との間に存在していてもよく、第1のサブ標的配列11よりも5’側および/または第2のサブ標的配列12の3’側に存在してもよい。また、第1のサブ標的配列11の一部分と第2のサブ標的配列12の一部分とが、標的配列10上で互いに重なり合っていてもよい。このような重なり合っている部分の長さは、例えば1〜4塩基であり得る。第1のサブ標的配列11および第2のサブ標的配列12の長さは、互いに同じ長さであってもよく、異なる長さであってもよい。例えば、標的配列10を概ね半分ずつ分け合うような塩基数であってもよく、例えば、互いのTm差が小さい長さであってもよいが、これらに限定されるものではない。
例えば、標的配列10は、標的核酸1の全長であってもよく、その一部分の配列であってもよいが、概ね50塩基よりも短い長さであり得る。例えば、第1のサブ標的配列11および第2のサブ標的配列12の長さは、例えば、それぞれ2塩基以上55塩基以下、例えば、5塩基以上50塩基以下、10塩基以上35塩基以下、12塩基以上28塩基以上などであり得るが、これらの数値に限定されるものではない。
標的核酸10の長鎖化は、長鎖化核酸セット40を用いて行われる。長鎖化核酸セット40は、第1のサブ長鎖化核酸41と第2のサブ長鎖化核酸42とを含む。1つのシリーズに含まれる全ての標的配列について、各標的配列に特異的な1つの長鎖化核酸セット40を準備する。
第1のサブ長鎖化核酸41は、一端に第1の標的結合領域51を含む。これは、第1のサブ標的配列11と同じ配列か、またはそれに相補的な第1の相補配列であり得る。第1のサブ長鎖化核酸41は、他端側に第1の増幅用領域61を含み、第1の標的結合領域51と第1の増幅用領域61との間に第1の検出用領域71を含み得る(S1)。或いは、第1の検出用領域71が配置され得る領域は、第1の標的結合領域51を含まずに、それに隣接する塩基から第1の増幅用領域61と重複する領域内の何れかの範囲であってもよい。また、第1の検出用領域71は、第1の増幅用領域61と重複する場合であっても、第1の増幅用61には含まれない領域にまで及んでいる。第1の増幅用領域61の外側に更なる配列が含まれていてもいなくともよい。
第2のサブ長鎖化核酸42は、3’端に第2の標的結合領域52を含む。これは、第2のサブ標的配列12に相補的な第2の相補配列であり得る。第2のサブ長鎖化核酸42は、5’端側に第2の増幅用領域62を含む(S1)。これよりも5’端側に更なる配列が存在していてもいなくともよい。
検出用領域71は、1つのシリーズに含まれる全ての標的核酸1に対して1つずつ割り当てられている。1つのシリーズのために準備される全ての検出用領域71は、互いに異なる配列を有する。図1(S1)には、1例として標的核酸1(1A,1B,1C,1D,1E)を示した。標的核酸1(1A,1B,1C,1D,1E)のそれぞれは、検出用領域71(71A,71B,71C,71D,71E)のそれぞれに対応付けられている。標的核酸1が長鎖化される際に、割り当てられた特定の標的核酸に特異的な検出用領域が組み込まれることによって、得られた長鎖核酸は識別可能となる。
長鎖化の詳細は後述するが、マルチプレックス長鎖化によって各標的核酸1の存在に依存して、次のような長鎖核酸が得られる。長鎖核酸95は、対応する標的配列10上の第1のサブ標的配列11と第2のサブ標的配列12とに沿って、第1の標的結合領域51と第2の標的結合領域52とを向い合せる方向で、第1のサブ長鎖化核酸41および第2のサブ長鎖化核酸42に由来する配列を含む。即ち、第1のサブ長鎖化核酸41の配列またはその相補配列と第2のサブ長鎖核酸42の配列またはその相補配列とを含む(S2)。
第1の増幅用領域61および第2の増幅用領域62は、このような長鎖核酸95を鋳型として共働して核酸鎖を増幅する1つのプライマーセットのための配列である(S2)。第1の増幅用領域61の配列は1つのシリーズ内で共通しており、同様に第2の増幅用領域62の配列も1つのシリーズ内で共通している。即ち、1つのシリーズ内でマルチプレックス長鎖化によって形成された複数の長鎖核酸95は、1種類のプライマーセットによって共増幅される。言い換えれば、1つのシリーズ分に対応して得られる複数の長鎖核酸は、標的核酸毎に互いに異なるが、何れも同じ配列で構成されている増幅用領域を有しているために、複数種類の長鎖核酸は共増幅、即ち、マルチプレックス増幅できる(S3)。
増幅反応に使用されるプライマーセットは、1つのシリーズに含まれる全ての種類の長鎖核酸95を増幅するように構成されたユニバーサルプライマーセットである。これは、少なくとも第1の増幅用領域61に対応する第1のプライマーと、第2の増幅用領域62に対応する第2のプライマーとを含む。
ここにおいて「増幅」とは、プライマーセットを用いて鋳型核酸を連続して複製することを指す。実施形態において、使用され得る増幅法は、プライマーセットを用いて標的核酸を増幅するそれ自身公知の何れの増幅方法であり得る。増幅法は、変温増幅法であってもよく、等温増幅方法であってもよく、これらに限定するものではないが、例えば、PCR、LAMP、RT−LAMP、SMAP、RCAおよびICANなどであり得る。また、所望に応じて逆転写反応を前段階で行ってもよく、増幅反応と同期間内に行ってもよい。
プライマーセットの種類は、行われ得るべき増幅反応の種類により選択され得る。例えば、PCRのためのプライマーセットは、例えば、第1のプライマーとしてのフォワードプライマーと第2のプライマーとしてのリバースプライマーを含み得る。例えば、LAMPのためのプライマーセットは、例えば、FIPプライマーとBIPプライマーとを含み得る。更にLAMPのためのプライマーセットは、F3プライマー、B3プライマーおよび/またはループプライマー、即ち、LFプライマーおよび/またはLBプライマーを含み得る。その場合、サブ長鎖化核酸はそれらに対応する更なる増幅用領域を更に含み得る。
増幅用領域の長さは10塩基〜35塩基であってよく、好ましくは15塩基から30塩基であり得る。検出用領域の長さは、5塩基〜50塩基であってよく、好ましくは10塩基〜40塩基、より好ましくは15塩基から35塩基であり得る。
検出用領域および増幅用領域は、試料中に含まれ得る核酸とは異なる配列から選択され得る。好ましくはこれらの配列は、人工的に設計した核酸配列であり得る。これらの配列として、例えば自然界に存在する配列が用いられた場合には、意図せずして試料に混入した核酸についても増幅や検出が行われ得る。それにより結果が偽陽性となり得る。そのような意図せずして試料に混入し得る核酸は、例えば、ウイルス、細菌、カビ、酵母、植物および/または対象以外の動物などの核酸などであり得る。人工的設計した核酸配列を検出用領域および増幅用領域として使用することにより、これらの偽陽性の発生が抑制される。
人工的な配列は、例えば、次にように作製することが可能である。例えば、乱数を発生させて、A、G、C、Tに割り付けるという方法によって、人工的な配列を容易に作製できる。例えば製造された人工配列は、BLAST検索により、自然界に存在するものかどうかを確認し、それにより類似配列が検索されないものを選択すればよい。人工的配列は、増幅用のプライマーおよび検出用のプローブとして、より効率のよい配列を自由に作製および選択できるために有用である。それにより検出系の感度および精度を高めることが可能である。
上記の増幅により増幅産物100(100A,100B,100C,100D,100E)が得られる(図1(S3))。増幅産物100は、検出用領域71とプローブとのハイブリダイゼーションを検出することにより検出される。ハイブリダイゼーションの検出は、プローブ固定基体200により行われ得る。プローブ固定基体200は、基体220と、基体220上に固定されている複数種類のプローブとを備える(図1(S4))。プローブは、各検出用領域の配列と同じ配列またはその相補配列を含み得る。それによってプローブは、対応する配列を含む増幅産物100とハイブリダイズする。このハイブリダイゼーションを検出することにより増幅産物の存在または存在量を検知する。それによって、当該検出方法は、試料中の標的核酸の存在または存在量を検出する。
プローブ固定基体は、例えば狭義には、一般的に使用される「DNAチップ」、「核酸チップ」、「マイクロアレイ」および「DNAアレイ」などの用語と同義と解されてもよく、互いに交換可能に使用され得る。また広義には、詳しくは後述するが、更なる支持体に固定されている、例えばDNAチップなどの小型のプローブ固定基体と、例えば増幅反応部、流路などを構成するために必要な他の構成部材とが一体化されてなる検出用カセット、カートリッジなどのデバイスもプローブ固定基体と解され得る。これらの全ての態様が実施形態として提供され得る。
図2のスキーム2に示すように1つの実施形態において、当該検出方法は次の手続きを含む;予め標的核酸(または標的配列)に対応付けられた長鎖化核酸群、プライマーセットおよびプローブ核酸を準備すること(S21);これらを用いて目的とする複数の標的核酸を配列特異的に長鎖化すること(S22);得られた長鎖核酸群を、標的配列に非特異的に、ユニバーサルプライマーセットを用いて増幅すること(S23);生じた増幅産物中の検出用領域とプローブとのハイブリダイゼーションを検出すること(S24);試料中の複数の標的核酸を同時期内に検出すること(S25)。
上述では、第1のサブ長鎖化核酸41が1つの増幅用領域61と1つの検出用領域71とを含み、第2のサブ長鎖化核酸42が1つの増幅用領域62を含む例を示した。しかしながら更に、第1のサブ長鎖化核酸41および第2のサブ長鎖化核酸42は、更なる増幅用領域を含み得る。
また、第2のサブ長鎖化核酸42が更なる検出用領域を含んでもよい。その場合、第1のサブ長鎖化核酸41の検出配列71が第1の検出用領域71として存在し、第2のサブ長鎖化配列42が第2の検出用領域を含み得る。或いは、第1のサブ長鎖化核酸41が検出用領域71を含まずに、第2のサブ長鎖化配列42が第2の検出用領域を含んでもよい。
第2のサブ長鎖化配列42において検出用領域は、第2の標的結合領域52と第2の増幅用領域62との間に含まれ得る。或いは、第2の検出用領域72が配置され得る領域は、第2の標的結合領域52を含まずに、それに隣接する塩基から第2の増幅用領域62と重複する領域内の何れかの範囲であってもよい。また、第2の検出用領域72は、第2の増幅用領域62と重複する場合であっても、第2の増幅用62には含まれない領域にまで及んでいる。
例えば、第1および第2のサブ長鎖化核酸が、50塩基以上の長さを有する場合には、これらの鎖上の標的結合領域以外の部分の少なくとも一部分または全部分について、対応する相補鎖を用いて二本鎖にしておくことも好ましい。これによってこれらの核酸はより安定化される。これにより、特異性の低下、アニール効率の低下、ミスマッチにより生じる非特異的な反応、例えば、望まれないアニールの発生などを抑制することが可能となる。
また、第1および第2のサブ長鎖化核酸に含まれる第1の標的結合領域および第2の標的結合領域が、LNA(Locked Nucleic Acid)および/またはPNA(Peptide Nucleic Acid)を含んでいてもよい。このようにすることによりサブ標的配列との結合性を高めることが可能である。それによって安定した長鎖化を行うことが可能であり、その結果、高精度に標的核酸を検出することが可能となる。
このような検出法により、試料中の複数の標的核酸を同時に簡便に検出することが可能となる。
以下更に、具体的に当該方法について説明する。特定の配列に関する名称、符号または数字の直後に「c」を付けた場合には、その特定の配列の相補配列または相補鎖であることを表す。
2.長鎖化核酸セットの例
(1)第1および第2の例
図1(S1)に示した長鎖化核酸セットのうちの第1のサブ長鎖化核酸41について図3を用いて更に説明する。図1(S1)および図3(a)に示す第1のサブ長鎖化核酸41は、例えば、図3(b)に示すような第1のサブ長鎖化核酸41Aまたは41Acの何れかであり得る。第1のサブ長鎖化核酸41Aと第1のサブ長鎖化核酸41Acとは互いに相補鎖である。標的配列10を含む標的核酸1を長鎖化するために、長鎖化核酸セット40は、第1のサブ長鎖化核酸41Aまたは41Acの何れかと、第2のサブ長鎖化核酸42とを含み得る。
(1−1)第1の例
第1のサブ長鎖化核酸41Aは、5’端に第1の標的結合領域51Aを含む。これは、第1のサブ標的配列11の相補配列である。第1のサブ長鎖化核酸41Aは、5’端から第1の標的結合領域51A、第1の検出用領域71A、第1の増幅用領域61Aをこの順番で含み、5’端がリン酸化されている。
(1−2)第2の例
第1のサブ長鎖化核酸41Acは、3’端に第1の標的結合領域51Acを含む。これは、第1のサブ標的配列11と同じ配列である。第1のサブ長鎖化核酸41Acは、3’端側から第1の標的結合領域51Ac、第1の検出用領域71Ac、第1の増幅用領域61Acをこの順番で含む。
(2)第3および第4の例
第3および第4の例を図3(c)および(d)にそれぞれ示す。第3の例は、第2のサブ長鎖化核酸42が検出用領域72を含み、第1のサブ長鎖化核酸42が検出用領域71を含まない例である。第3の例において、第2のサブ長鎖化核酸42sは、3’端から第2の標的結合領域52、第2の検出用領域72、第2の増幅用領域62を含む(S1)。第4の例は、第1および第2のサブ長鎖化核酸がどもに検出用領域を含む例である。
(3)第5、第6および第7の例
LAMPなどの等温増幅法に好ましい長鎖化核酸セットの例を第5の例として図4Aおよび図4Cを参照しながら以下に説明する。図4Aは、第1のサブ長鎖化核酸141および第2のサブ長鎖化核酸142が含み得る増幅用領域と検出用領域とを含む態様の例を示している。しかしながら、これらのサブ長鎖化核酸141,142は、これらの増幅用領域および検出用領域を必ずしも全て含む必要はなく、所望に応じて選択され得る。以下に組み合わせの例について説明する。
図4Aの第5の例は基本的な例の1つである。そこにおいて、長鎖化核酸140は、第1のサブ長鎖化核酸141と、第2のサブ長鎖化核酸142Bとを含む。第1のサブ長鎖化核酸141は、一端に第1の標的結合領域151を含む。これは、第1のサブ標的配列11と同じ配列か、またはそれに相補的な第1の相補配列であり得る。第1のサブ長鎖化核酸141は、他端側に第1の増幅用領域161を含む。更に第1のサブ長鎖化核酸141は、第1の標的結合領域151のある一端側から他端に向けて、第1の標的結合領域151、プライマー結合領域163、第1の検出用領域171、第1の増幅用領域161をこの順番で含み得る。他方、第2のサブ長鎖化核酸142Bは、3’端に第2の標的結合領域152Bを含む。これは、第2のサブ標的配列12に相補的な第2の相補配列であり得る。第2のサブ長鎖化核酸142Bは、5’端側に第2の増幅用領域162Bを含む。第2のサブ長鎖化核酸142Bは、3’端から第2の標的結合領域152B、プライマー結合領域164B、第2の増幅用領域162Bをこの順番で含み得る。ここでプライマー結合領域は、LAMPなどの方法においてFIPプライマーおよびBIPプライマーの一部分に対応する配列を有する配列であり、増幅用領域または配列とも称され得る。
ここで、上記の第1のサブ長鎖化核酸141は更に、第1の増幅用領域161よりも更に他端側に第3の増幅用領域165を含み得る(図4C(A1)または(A2))。同様に、第2のサブ長鎖化核酸142Bは更に、第2の増幅用領域162Bよりも更に5’側に第4の増幅用領域166Bを含み得る(図4C(B2)または(B3))。また、第2のサブ長鎖化核酸142Bは、検出用領域172Bを第2の増幅用領域162Bと第2のプライマー結合領域164Bとの間に含んでもよい(図4C(B1)または(B3))。この場合、第1のサブ長鎖化核酸141は、第1の検出用領域171を含んでいても、含んでいなくともよい(例えば図4C(A2)または(A3))。また、第1のサブ長鎖化核酸141は、第1のプライマー結合領域163と第1の第1の増幅用領域161との間に第5の増幅用領域を含んでもよい(例えば、171の位置に171に代わりに、または171に加えて)。同様に第2のサブ長鎖化核酸142Bは、第2のプライマー結合領域164Bと第2の増幅用領域162Bとの間に第6の増幅用領域(例えば、172B(図4(B1)))を含んでいてもよい。この場合、この第5(または第6)の増幅用領域は、第1(または第2)の増幅用領域161(または162B)と第1(または第2)のプライマー結合領域163(または164B)との間にあり、第1(または第2)の増幅用領域161(または162B)の存在する領域を含み、且つ第1(または第2)のプライマー結合領域163(または164B)の領域を含まない領域に存在し得る。この領域は、後に形成され得る増幅産物においては、分子内結合により形成される一本鎖ループ領域となる。このような一本鎖ループ領域に、第1の検出用領域171、第2の検出用領域172B、第5の増幅用領域(例えば、171)および第6の増幅用領域(例えば、172B)などが含まれ得る。第5および第6の増幅用領域は一般的にはループプライマーに対応する領域であり得る。また、第1のサブ長鎖化核酸141および第2のサブ長鎖化核酸142Bの少なくとも一方に検出用領域を含ませるように、第1の検出用領域171または第2の検出用領域172Bが、第5の増幅用領域171または第6の増幅用領域172に置き換わって配置されてもよく、この領域に検出用領域と増幅用領域とが共に含まれてもよい。それらを共存させる場合には、検出用領域が標的配列に特異的であり、増幅用領域が標的配列に非特異的であるという構成から、それらは完全には重なり合わない。
サブ長鎖化核酸において、標的核酸結合領域、増幅用領域、検出用領域およびプライマー結合領域は、互いに直接に連結されていてもよく、望まれない非特異的なハイブリダイズが生じない配列がこれらの領域の間に存在していてもよい。例えば、上述の人工的な配列が含まれていてもよい。またプライマー結合領域は、上述した増幅用領域および検出用領域と同様に設計され得る。これらの配列は、例えば、20塩基以下であることが好ましいが、この限りではない。
図5(a)および(b)に上記第5の例の長鎖化核酸セット140を用いて得られた長鎖核酸を増幅して得られる増幅産物の例を示した。第1のプライマー181は、第1のサブ長鎖化核酸141の増幅用領域に対応し、例えば、5’側にF1c配列を有し、3’側にF2配列を有するFIPプライマーである。第2のプライマーは、第2のサブ長鎖化核酸142の増幅用領域に対応し、例えば、5’側にB1c配列を有し、3’側にB2配列を有するBIPプライマーである。増幅産物100Sは、一端から他端に向けて、F1c配列、F2配列、検出用領域171Ac、F1配列、B1c配列、B2c配列およびB1配列をこの順番で含み得る(a)。増幅産物100Tは、一端から他端に向けて、F1配列、F2c配列、検出用領域171A、F1c配列、B1配列、B2配列およびB1c配列をこの順番で含み得る。このような増幅産物は、分子内結合によって例えば図5(c)および(d)に示す立体構造を形成する。この例において分子内結合は、F1c配列とF1配列との間で形成され、他端のB1配列とB1c配列との間で形成され得る。
第6の例を図4B(a)に示す。ここにおいて、長鎖化核酸140は、第1のサブ長鎖化核酸141Aと上記第5の例に示した第2のサブ長鎖化核酸142Bと同じ構成のものを含む。
第1のサブ長鎖化核酸141Aは、5’端から第1の標的結合領域151A、第1のプライマー結合領域163A、第1の検出用領域171Aおよび第1の増幅用領域161Aをこの順番で含み、5’端がリン酸化されている。ここで、第1の標的結合領域151Aは、第1のサブ標的配列11の相補配列である。
第7の例を図4B(b)に示す。ここにおいて、長鎖化核酸140は、第1のサブ長鎖化核酸141Acと上記第5の例に示した第2のサブ長鎖化核酸142Bと同じ構成のものを含む。
第1のサブ長鎖化核酸141Acは、3’端から第1の標的結合領域151Ac、第1のプライマー結合領域163Ac、第1の検出用領域171Acおよび第1の増幅用領域161Acをこの順番で含む。ここで、第1の標的結合領域151Acは、第1のサブ標的配列11と同じ配列である。
上記の第5〜第7の例において、或いは、第1の検出用領域171(171A,171Ac)が配置され得る領域は、第1の標的結合領域151(151A,151Ac)を含まずに、それに隣接する塩基から第1の増幅用領域161(161A,161Ac)と重複する領域内の何れかの範囲であってもよい。また、第1の検出用領域171(171A,171Ac)は、第1の増幅用領域161(161A,161Ac)と重複する場合であっても、第1の増幅用領域161(161A,161Ac)には含まれない領域にまで及んでいる。
例えば、LAMPによる増幅のために、第1のサブ長鎖化核酸141(141A,141Ac)において、前記第1の増幅用領域161(161A、161Ac)は、F2結合領域であり、プライマー結合領域163(163A,163Ac)は、F1結合領域である。また、増幅用領域165(165A,165Ac)は、F3結合領域であり、ループプライマー結合領域は、LF結合領域であり得る。
第1のサブ長鎖化核酸141Aにおいて、第1の検出用領域171Aは、F1結合領域163Aの3’端よりも3’側に存在し、F2結合領域161Aの3’端よりも5’側に存在し得る。第1の検出用領域171Aは、その一部分がF2結合領域161Aの配列に重なっていてもよいが、その場合であってもF2結合領域161Aとは独立した配列も含む。
第1のサブ長鎖化核酸141Acにおいて、第1の検出用領域171Acは、F1結合領域163Acの5’端よりも5’側に存在し、F2結合領域161Acの5’端よりも3’側に存在する。第1の検出用領域171Acは、第1のサブ長鎖化核酸Ac上でF1結合領域を含まずにそれに隣接する塩基からF2結合領域と重複する領域までの間に存在し得る。第1の検出用領域171Acは、その一部分がF2結合領域161Acの配列に重なっていてもよいが、その場合であってもF2結合領域161Acとは独立した配列も有する。
第2のサブ長鎖化核酸142Bにおいて、第2の検出用領域172Bは、第2の標的核酸領域152Bと第2のプライマー結合領域162Bとの間に存在し得る。また、第2の検出用領域172Bは、第2の標的結合領域152Bの5’端よりも5’側であり、且つ第2のプライマー結合領域162Bの5’端よりも3’側に存在し得る。第2の検出用領域172Bは、第2のプライマー結合領域162Bと重複する場合であっても、第2のプライマー結合領域162Bには含まれない領域に及んでいる。
上述においては、第2のサブ長鎖化核酸として図4Aに示す第2のサブ長鎖化核酸142Bを用いる例を示した。しかしながら、第2のサブ長鎖化核酸として図4Aに示すサブ長鎖化核酸142Bcを用いることも可能である。その場合においても、対応する構成要素間の関係および第1のサブ長鎖化核酸との関係は、上述の関係に対応している。それに伴う第1のサブ長鎖化核酸の構成の変更などは上記に基づいて当業者により容易且つ明確に理解され得る。その1例を図4C(B4)に示す。この第2のサブ長鎖化核酸142Bcは、5’端に第2の標的結合領域52Bc、3’端側に第2のプライマー結合領域162Bc、これらの間に第3の増幅用領域172Bcとを含み、5’端がリン酸化されている。第3の増幅用領域172Bcは、LBプライマーの結合する領域に置換され得る。最も3’端側に更なる増幅用領域166Bcが含まれ得る。
3.長鎖化核酸セットによる長鎖化
上述のような長鎖化核酸セットを用いる標的核酸の長鎖化は、後述する2種類の方法の何れかを利用して行われ得る。
(3−1)ライゲーションによる長鎖化
第1の方法を図6Aのスキーム3および図6Bスキーム4に示す。ここで使用される第1のサブ長鎖化核酸は、第1のサブ長鎖化核酸41A,141Aであり、これらはそれぞれ、5’端に第1の標的結合領域51A,151Aを含み、且つ5’端がリン酸化されている。長鎖化の反応は、例えば、(S31)〜(S33)を含むスキーム3または(S41)〜(S43)を含むスキーム4のように進行する。
この方法では、まず標的核酸1に対して、第1のサブ長鎖化核酸41A,141Aと第2のサブ長鎖化核酸42B,142Bとをアニールさせる(S31,S41)。次に第1のサブ長鎖化核酸41A,141Aと第2のサブ長鎖化核酸42B,142Bとをそれぞれライゲーションによって繋いで長鎖核酸40E,140Eを形成する(S32,S42)。次に標的核酸1を遊離させ、長鎖核酸40E,140Eを得る(S33,S43)。長鎖核酸40E,140Eは、第1のサブ長鎖化核酸41A,141Aの配列と第2のサブ長鎖化核酸42B,142Bの配列とをそれぞれ含み、これらの配列の一部分に重複して標的配列10の相補配列10cを含む。このようにして標的核酸1の情報を含む長鎖核酸40E,140Eを得ることにより、標的核酸の長鎖化が達成される。
(3−2)ライゲーションによる長鎖化反応の例
上述のようなライゲーションによる長鎖化反応は、例えば、次にように行われ得る。標的核酸を含み得る試料と長鎖化核酸セットとを混合して長鎖化反応液を調製する。これを第1のサブ標的配列および第2のサブ標的配列のTm以下の温度で維持する。これにより長鎖化核酸セットを標的核酸に対してアニールさせる。次にリガーゼを添加し、その活性温度付近の温度に反応液を維持する。それによって2つのサブ標的配列を介して標的核酸に結合している第1のサブ長鎖化核酸と第2のサブ長鎖化核酸との間に存在するニック部分を連結する。これにより長鎖核酸が得られる。
或いは上記アニーリングとライゲーションとが同時に進行されてもよい。その場合、アニーリング用の反応液にリガーゼを持ち込まれ得る。
リガーゼの例は、これらに限定するものではないが、例えば、T4 RNA Ligase2、T4 DNA Ligase、SplintR ligaseなどが含まれる。例えば、T4 RNA Ligase2は、連結する3’端の2塩基以上をRNAとしたキメラ合成オリゴDNAを用いることによりライゲーション効率を高めることが可能である。例えば、Molecular Cell,2004,16,211を参照されたい。反応温度は、概ね10〜60℃で実施され得るが、酵素の種類、長鎖化核酸がLNAやPNAを含んでいるか否かに応じて任意に調製され得る。例えば、LNAやPNAを導入したサブ長鎖化核酸を用いる場合には、それらはサブ標的配列への結合力が強くため、通常よりも高い温度で反応を進めることが可能である。それにより標的配列に対するサブ長鎖化核酸のアニールの特異性が増大し、その結果、非特異反応を抑制することが可能となる。その場合には耐熱性リガーゼが好ましく用いられ得る。ライゲーションによる長鎖化に用いられる長鎖化試薬は、リガーゼを含み得る。
このようにして、予め標的核酸と定められた複数種類の短鎖核酸を1シリーズとして同一反応場内で扱い、複数種類の標的配列を1つの反応場、例えば、同一反応容器内で同時期内に長鎖化することが可能となる。
(3−3)ポリメラーゼによる長鎖化
第2の方法を図7Aおよび図7Bに示す。ここで使用される第1のサブ長鎖化核酸は、第1のサブ長鎖化核酸41Ac,141Acであり、3’端に第1の標的結合領域51Ac,151Acを含む。この長鎖化の反応は、(S51)〜(S55)を含むスキーム5または(S61)〜(S65)を含むスキーム6のように進行する。
この方法では、まず標的核酸1に対して第2のサブ長鎖化核酸42B,142Bをアニールさせる(S51,S61)。標的核酸1を鋳型にして、第2のサブ長鎖化核酸42B,142BをDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素によって3’端方向に伸張させる(S52,S62)。これにより第1の伸長鎖42BE,142BEを形成する。形成された第1の伸長鎖42BE,142BEに対して、第1の長鎖化核酸41Ac,41Acをアニールさせる(S53,S63)。第1の伸張鎖42BE,142BEを鋳型にして第1のサブ長鎖化核酸41Ac,141Acを3’端方向に伸張させる(S54,S64)。これにより第2の伸長鎖40Ec,140Ecを形成する。第2の伸長鎖40E,140Eを第1の伸長鎖42BE,142BEから遊離させる。これにより長鎖核酸40Ec,140Ecを得る。
長鎖核酸40Ec,140Ecは、第1のサブ長鎖化核酸41Ac,141Acの配列と第2のサブ長鎖化核酸42B,142Bの相補配列42Bc,412Bcとを含み、これらの配列の一部分に重複して標的配列10と同じ配列を含む。このようにして標的核酸1の情報を含む長鎖核酸40Ecおよび140Ecを得ることにより、標的核酸の長鎖化が達成される。
(3−4)ポリメラーゼによる長鎖化反応の例
上述のようなポリメラーゼによる長鎖化反応は、例えば、次のように行われ得る。標的核酸を含み得る試料と第2のサブ長鎖化核酸とDNAポリメラーゼとを混合して第1の長鎖化反応液を調製する。標的核酸がRNAである場合には、DNAポリメラーゼの代わりに逆転写酵素を長鎖化反応液に持ち込む。このような第1の長鎖化反応液を第2のサブ標的配列のTm以下の温度に維持する。それにより、第2のサブ標的配列と第2のサブ長鎖化核酸とがアニールする。次にDNAポリメラーゼ(または逆転写酵素)によって第1の伸長鎖を形成する。そこに第1の長鎖化核酸とDNAポリメラーゼ(または逆転写酵素)とを添加して第2の長鎖化反応液を調製する。これを第1のサブ標的配列のTm以下の温度に維持する。それによって第1の伸長鎖に対して第1のサブ長鎖化核酸をアニールさせ、第1の伸長鎖を鋳型として第1のサブ長鎖化核酸を伸長する。これにより第2の伸長鎖を形成する。
或いは第1の長鎖化反応液に、第2のサブ長鎖化核酸と共に第1のサブ長鎖化核酸を存在させてもよい。この場合、第1のサブ長鎖化核酸の伸長と第2のサブ長鎖化核酸の伸長とが同時に進行される。即ち、2つの方向に向かう伸長が同時に行われる。
第1の長鎖化反応液および第2の長鎖化反応液に含ませるDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素は、互いに同じ酵素であっても異なる酵素であってもよい。第1の長鎖化反応液と第2の長鎖化反応液とに含ませる酵素が互いに異なる場合、その違いは、例えば温度特性などであり得る。上述の例では、第1の長鎖化反応液に酵素を含ませて反応を行った後に、第2の長鎖化反応液に再度酵素を添加する例を示した。しかしながらこれに限定するものではない。例えば、第1の長鎖化と第2の長鎖化とを同時に行ってもよく、その場合、必要な酵素および長鎖化核酸が1つの反応場に共存し得る。また上述のように2段階の反応により第1の長鎖化反応と第2の長鎖化反応とを行う場合に、第1の長鎖化反応液中に予め第1の長鎖化反応のための第1の酵素と第2の長鎖化反応のための第2の酵素とを持ち込んでおいてもよい。ポリメラーゼによる長鎖化に用いられる長鎖化試薬は、ポリメラーゼまたは逆転写酵素などの酵素を含み得る。
DNAポリメラーゼの例は、これらに限定するものではないが、例えば、Klenow Flagment(Large Fragment E.coli DNA polymerase I)、T4 DNA polymerase、phi29 DNA polymerase、Bst DNA polymerase、Csa DNA polymerase、 96−7 DNA polymerase、 Vent(登録商標)(exo−)DNA polymerase、GspDDS DNA polymeraseなどであり得る。或いはそれは、DNAを鋳型にすることもできる逆転写酵素M−MuLV Reverse Transctiptase、Transcriptor Reverse Transctiptaseなどであってもよい。
逆転写酵素の例は、これらに限定するものではないが、M−MuLV Reverse Transctiptase、AMV Reverse Transctiptase、Transcriptor Reverse Transctiptase、SuperScript(登録商標) Transcriptor Reverse Transctiptase, MultiScribe Reverse Transctiptaseなどであり得る。
反応温度は、例えば概ね10℃〜60℃であり得る。また、反応温度は、使用される酵素の種類、サブ長鎖化核酸の配列、例えば、LNAやPNAを含むか否かなどに依存して変更または調製され得る。例えば、サブ長鎖化核酸がLNAやPNAを含んでいる場合には、サブ長鎖化核酸と標的核酸との結合力が強くなり、通常よりも高い温度で反応を進めることが可能である。これによりサブ長鎖化核酸の標的核酸へのアニールの特異性を増大することが可能となり、その結果、非特異的反応の発生を抑制することが可能となる。このような場合には、使用される酵素は耐熱性酵素、例えば、耐熱性DNAポリメラーゼおよび耐熱性逆転写酵素を用いることが好ましい。
このようにして、予め標的核酸と定められた複数種類の短鎖核酸を1シリーズとして同一反応場内で扱い、複数種類の標的配列を1つの反応場、例えば、同一反応容器内で同時期内に長鎖化することが可能となる。
4.長鎖核酸のマルチプレックス増幅
上述の通り、当該方法では、1つのシリーズに含まれる全ての長鎖核酸をユニバーサルプライマーセットを用いて1つの反応場において同時期内に増幅する。増幅反応条件は、選択される増幅反応に応じて決定され、一般的に用いられるそれ自身公知の酵素および反応条件から選択され得る。
例えば、LAMPを用いる場合には、一般的に用いられるBst DNA polymerase、Csa DNA polyerase、96−7 DNA polymerase、GspSSD DNA polymeraseなどを用いて、50℃〜70℃の等温で15〜90分間に亘り増幅を行い得る。増幅に必要な試薬(増幅試薬)は、例えば、ポリメラーゼなどの酵素、プライマーを起点とし新たなポリヌクレオチド鎖を形成する際に必要なデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)などの基質、逆転写を同時に行う場合には、逆転写酵素などの酵素およびそれに必要な基質など、更に、適切な増幅環境を維持するための塩類などの緩衝剤を含み得る。また増幅試薬として増粘剤が更に含まれ得る。このような増幅試薬は後述するアッセイキットに含まれて提供され得る。
5.増幅産物の検出
増幅産物に含まれる検出用領域とプローブとのハイブリダイゼーションを検出することによって、増幅産物が検出される。増幅産物を検出することによって、試料中の標的核酸が検出される。
ここで「検出」とは、標的核酸の有無および/または標的核酸の定量であり得る。ここで「プローブ」とは、プライマーセットにより形成された増幅産物を検出するための核酸鎖であり、検出用領域と特異的に結合する配列を有する。例えば、プローブは、検出用領域に相補的な配列を含んでいてもよく、検出用領域と同じ配列を含んでいてもよい。
プローブの塩基長は、これに限定するものではないが、例えば5塩基〜50塩基の範囲でよく、例えば10塩基〜40塩基の範囲が好ましく、例えば15塩基〜35塩基の範囲がより好ましい。
ハイブリダイゼーションの検出は、それ自身公知の何れかのハイブリダイズの有無または程度を検出するための原理を利用して行われ得る。例えば、適切な条件下に増幅産物とプローブとを共存させ、生じたハイブリダイゼーション信号を検知または定量すればよい。ハイブリダイゼーション信号は、光学的信号、化学的信号、電気化学的信号、放射能信号およびこれらの組み合わせなどであり得る。
増幅反応とハイブリダイズ反応とが同一反応場において同一反応溶液中で同時期に進行されてもよく、その場合、それらが同時に行われてもよく、増幅反応とハイブリダイズ反応とが連続して並行して行われてもよく、増幅反応に続いてハイブリダイズ反応が行われてもよい。或いは、増幅反応とハイブリダイズ反応とが同一反応場において異なる反応溶液中で連続して実施されてもよい。
(5−1)プローブ固定基体
プローブは、基体表面に固定された状態で提供され得る。例えば、プローブは、基体と、前記基体によって提供される第1の反応場に接する面に固定されている複数のプローブとを含むプローブ固定基体として提供されてもよい。プローブ固定基体の例を図8に示す。
図8(a)〜(c)は、プローブ固定基体の例の平面図である。図8(a)に示すプローブ固定基体300は、基体301と、基体301上面にアレイ状に配置された複数のプローブ固定領域302と、プローブ固定領域に種類毎に固定された複数のプローブ303とを備える。このようなプローブ固定基体300は、例えば蛍光、化学発光などの光学信号を利用する測定原理により増幅産物を検出する場合に使用され得る。増幅産物とプローブとのハイブリダイゼーションを検出するために、二本鎖を認識してそこに結合する標識物質、抗体や二次プローブ核酸を利用する増幅産物への標識物質の結合、増幅反応時の増幅産物へのdNTPに付与された標識物質の取り込みなどの手段を利用し得る。
図8(b)に示すプローブ固定基体400は、基体401と、基体401上面にアレイ上に配置されているプローブ固定領域としての複数の電極402と、電極402上に種類毎に固定された複数のプローブ403と、電極402に電気的に接続されたパット404とを備える。このようなプローブ固定基体400は、ハイブリダイゼーションの電気化学的検出のために使用され得る。このような検出は、例えば、プローブ403と増幅産物とにより形成される二本鎖を識別して結合するインタカレータなどの二本鎖認識物質などを利用してハイブリダイゼーションを検出し得る。ハイブリダイゼーション信号は電気信号として検出され、電気信号として伝えられる情報はパット404から取り出し得る。このプローブ固定基体400は、参照電極および対極を更に具備し得る。
二本鎖認識物質の例は、例えば、ヘキスト33258、アクリジンオレンジ、キナクリン、ドウノマイシン、メタロインターカレーター、ビスアクリジン等のビスインターカレーター、トリスインターカレーターおよびポリインターカレーターなどのそれ自身工程の二本鎖認識物質、更に、これらの二本鎖認識物質を電気化学的に活性な金属錯体、例えばフェロセン、ビオロゲンなどで更に修飾してもよい。二本鎖認識物質の濃度は、種類によって異なるが、一般的には1ng/mL〜1mg/mLの範囲の濃度で使用する。この際には、イオン強度が0.001〜5の範囲であり、pH5〜10の範囲の緩衝液を用いることができる。例えば、このような二本鎖認識物質は、ハイブリダイズ信号発生に関与する挿入剤であり得る。このような挿入剤は、ハイブリダイズ試薬として後述するアッセイキットに含まれ得る。
測定は、例えば二本鎖認識物質が電気化学的に反応する電位以上の電位を印加し、二本鎖認識物質に由来する反応電流値を測定する。この際、電位は定速で印加するか、或いはパルスで印加するか、或いは定電位を印加してもよい。ポテンショスタット、デジタルマルチメーターおよびファンクションジェネレーターなどの装置を用いて電流および電圧を制御してもよい。
プローブ固定基体300,400を用いる実施形態に従う方法において、これらのプローブ固定基体上で増幅反応および検出が同時期に行われ得る。或いは、他の反応場で行われた増幅反応により形成された増幅反応物をこれらのプローブ固定基体上に持ち込むことにより検出が行われてもよい。
図8(c)に、例えば、このプローブ固定基体300,400上を1つの反応場として、そこにおいて増幅反応とハイブリダイズ反応とを行う態様の1例を模式的に示す略図である。プローブ固定基体500は、基体501、基体上にアレイ状に配置されたプローブ固定領域502、プローブ固定領域502に種類毎に固定された複数のプローブ503、基体上に遊離可能に固定されたプライマーセット505および基体上に遊離可能に固定された増幅試薬507を備える。プライマーセット505および増幅試薬507は、液体による反応場の形成時に、または液体との接触によりプローブ基体500上から液体中に遊離し得る。例えば、このようなプローブ基体500による実施形態の方法では、プローブ固定基体500に対して試料または試料を含む液体を持ち込むこと、この液体により反応場を形成すること、増幅反応条件および検出反応条件下に反応場を持ち込むこと、ハイブリダイゼーションを検出することを含み得る。例えば、反応場は、流路、容器などの収容空間内に形成され得る。プライマーセット505および増幅試薬507の固定位置は、基体上に限らず反応場に接する何れかの収容空間内面であり得る。増幅試薬507は、プライマーセット以外の試薬であり、増幅反応に必要な何れかの物質または複数種類の物質の組み合わせであり得る。或いは増幅反応の際に共存し得る何れかの物質または複数の物質の組み合わせであり得る。増幅試薬は、例えば塩、dNTPなどの基質、増幅酵素などであり得る。
図8(d)には、例えば、上記のプローブ固定基体が流路を備える態様の1例を示す。これは、流路により連絡している2つの反応場において増幅反応とハイブリダイズ反応とをそれぞれ行うためのプローブ固定基体の1例であり、これは上記何れの検出様式に組み合わされてもよい。プローブ固定基体600は、基体601内部に反応場を維持するために例えば2つのチャンバを備える。例えばこれらは、増幅反応をその内部で行う第1のチャンバ610と、ハイブリダイズ反応をその内部で行う第2のチャンバ620であり、これらのチャンバは流路630で連絡されている。第1のチャンバ610底面615には、プライマーセット605と反応試薬607とが遊離可能に固定されている。第2のチャンバ620の底面625には、複数のプローブ固定化領域602がアレイ状に配置されており、そこに種類毎に複数のプローブ603が固定されている。第1のチャンバ610の上部には、液体を流入するための貫通孔618が形成されている。プローブ固定基体600での反応は、第1のチャンバ610に貫通孔618を通して試料または試料を含む液体を持ち込むこと、第1のチャンバ610を増幅反応条件下に維持すること、増幅産物を含み得る第1のチャンバ内の液体を流路630を通して第2のチャンバ620内に送ること、第2のチャンバ620内をハイブリダイズ反応条件下に維持すること、第2のチャンバ620内で生じたハイブリダイゼーションを検出することを含み得る。
上述のプローブ固定基体の例では、プライマーセットと増幅試薬とを遊離可能に固定した例を示したが、必ずしもこれらを共に固定せずともよく、例えば、プライマーセットまたは増幅試薬が試料または試料を含む液体に含まれて反応場に持ち込まれてもよく、それらとは別に反応場に持ち込まれてもよい。また何れの例においても、ハイブリダイズ反応を行う反応場を規定する何れかの壁面に検出可能なハイブリダイズ信号の発生を補助する、または当該発生に必要な試薬が固定されていてもよい。上記の例では、5カ所のプローブ固定領域を配置した例を示したが、この領域の数は、任意に変更可能であり、アレイ状に配置するとは、例えば縦横に所望の数で当該領域を配置することを指す。
基体は固相であればよく、一般的にDNAチップのための固相として使用される何れかの基体であればよい。基体は、例えば、ガラス、シリコン、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、マイクロタイタープレート、電極、磁石、ビーズ、プラスチック、ラテックス、合成樹脂、天然樹脂または光ファイバーなどによって構成されていてもよいが、これらに限定されるものではない。
プローブ固定基体は、標的核酸に対応付けられた検出用領域とハイブリダイズするための検出用プローブの他に、ネガティブコントロールプローブまたはポジティブコントロールプローブを更に含んでもよい。その場合、それらを固定する固定領域が基体に配置され得る。
プローブの基体への固定は、これらに限定されるものではないが、例えば、メルカプト基、アミノ基、アルデヒド基、カルボキシル基およびビオチンなど末端修飾基を介して行ってよい。これらの官能基の選択およびプローブの固定は、それ自身公知の手段により達成することが可能である。
プライマーセットおよび増幅試薬の固定は、例えばこれらを水または有機溶媒などに溶解または懸濁して得られた液体を滴下、乾燥することにより行われ得る。
例えば、増幅反応の後にハイブリダイズ反応を行う場合には、次のように行い得る。増幅反応により得られた増幅産物を上記のようなプローブ固定基体の反応場に持ち込む。これをプローブ存在下でハイブリダイズ条件に維持することにより、プローブと増幅産物とのハイブリダイゼーションが起こる。ハイブリダイゼーション温度は、適宜設定すればよい。反応効率を高めるために塩を添加し得る。そのために、予めプローブ固定基体のプローブ固定領域の近傍に塩を固定していてもよい。或いは増幅反応後の増幅産物を含む液体に塩を添加、混合することによって反応場に塩を持ち込んでもよい。例えば、ハイブリダイズ条件を満たすために必要な塩は、ハイブリダイズ試薬として後述するアッセイキットに含まれ得る。ハイブリダイズ反応中または反応前若しくは後に攪拌または振盪などを行ってもよい。それにより反応効率が高まり得る。
ハイブリダイゼーション後にプローブを洗浄するための洗浄液として、イオン強度が0.01〜5の範囲であり、pH5〜9の範囲の緩衝液が好適に用いられる。洗浄液は塩および界面活性剤などを含み得る。例えば、SSC溶液、Tris−HCl溶液、Tween20溶液またはSDS溶液などが用いられ得る。洗浄温度は、例えば10℃〜70℃の範囲であり得る。例えば、洗浄液は、プローブ固定基体の表面またはプローブ固定領域に通過または滞留させればよい。
ハイブリダイゼーション工程により生じたハイブリッドの検出は、所望の単一時点または経時的若しくは複数時点で行われてよく、蛍光検出方式または電気化学的検出方式が利用され得る。
図8(e)は、プローブ固定領域とそこに固定されたプローブとを示す一部抜粋した拡大図である。プローブ固定基体において、図8(e)に示す二本鎖核酸プローブ(以下、二本鎖プローブ)が使用されてもよい。プローブ固定基体700は、プローブ固定領域702に固定された二本鎖プローブ703を備える。二本鎖プローブ703は、アンカー核酸鎖(以下、アンカー鎖)710と、これに対してハイブリダイズしている被覆核酸鎖(以下、被覆鎖)720とを含む。被覆鎖720は、アンカー鎖710にハイブリダイズによる結合により捕捉されており、それによって基体701に固定されている。被覆鎖720は、アンカー鎖710に結合するためのアンカー相補配列711に加えて、検出されるべき検出用領域751とハイブリダイズするための検出相補配列721とを含む。このような被覆鎖720の構成によって、被覆鎖720とのハイブリダイズすることを巡って増幅産物750とアンカー鎖710とが競合する。その結果、二本鎖プローブに対して、対応する検出用領域751を含む増幅産物750が近づくと、被覆鎖720はアンカー鎖710から乖離し、増幅産物750とハイブリダイズして二本鎖を形成し得る。発明者らは、この現象が、反応場に存在する増幅産物の濃度依存性に生じることを実験によって証明している。例えば、このような二本鎖プローブ703を用いることにより、1つの反応場において増幅反応と並行してハイブリダイズ反応を行い、生じたハイブリダイゼーションを経時的に且つ定量的に検出ことが可能となる。このような二本鎖プローブ703を使用することによって増幅産物を従来に比べてより精度よく定量することが可能となる。二本鎖プローブ703の一本鎖への変化の測定は、例えば、電気化学的または光学的に検出することが可能である。例えば、電気化学的検出のためには電極上に二本鎖プローブ703が固定され得る。
二本鎖プローブ703において、被覆鎖がアンカー鎖に結合していることにより、プローブ中の標識物質の信号の検出が阻害されている。実施形態において、標識物質の信号の検出の阻害とは、標識物質が本来的に生ずる信号を検出できない状態、または被覆鎖がアンカー鎖に結合していないときに検出されるべき信号が検出できない状態に修飾するなど、検出が阻害される、または検出可能性が阻害されることをいう。例えば、標識物質を有するアンカー鎖が独立して一本鎖で存在するときには検出される信号が、アンカー鎖への被覆鎖の結合によって、減弱若しくは消失または検出不可能な信号に変更若しくは変調するなどをいう。このような標識物質の信号の検出の阻害は可逆的である。核酸プローブへの被覆鎖の結合の解消、即ち、被覆鎖が核酸プローブから脱離すると、本来的に標識物質の生じる信号が検出できる状態になる。
二本鎖プローブ703の一本鎖への変化の検出は、検出可能な信号を生ずる標識物質の使用により観察されるが、そのような標識物質は、アンカー鎖に結合している核酸の存在または存在量の増加により標識物質からの信号の検出が阻害されるという特徴を有する。言い換えればそのような標識物質は、例えばアンカー鎖に核酸が結合している場合には、標識物質からは信号が発生しない、生じる信号の大きさが小さくなる、標識物質からの信号が伝わりにくくなる、および/または検出が阻害されることなどを特徴としている。
このような標識物質の例は、電極活性物質であってもよく、これらに限定されるものではないが、例えば、電気的化学的に活性な金属錯体、鉄錯体、ルテニウム錯体、ルビジウム錯体、コバルト錯イオン、フェリシアン化物イオン、フェロシアン化物イオン、アントラキノン(Anthraquinone)、メチレンブルー(Methylene Blue)などであり得る。例えばフェリシアン化物イオン、フェロシアン化物イオン、鉄錯イオン、ルテニウム錯イオン、コバルト錯イオンなどは、その酸化還元電位が検出可能な電気的化学的信号となり得る酸化剤とも解され、そのような特性を有する他の酸化剤も同様に用い得る。例えば、フェロセンを含む化合物を用いることは好ましい。これらの標識物質は、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化カリウム、鉄錯体、ルテニウム錯体、コバルト錯体を反応液に溶解することにより得られる。
それらの反応液中の濃度は、例えば、10μM〜100mMであってもよく、また例えば約1mMであってもよい。電気化学的に活性な物質を標識物質として使用する場合、標識物質はセンサのより近くに配置される方が、センサから遠くにあるよりもより好ましい。標識物質のセンサからの距離は、例えば、50塩基程度のときであっても、電気化学的な信号を好ましく検出可能である。標識物質のセンサからの距離は、これらに限定するものではないが、例えば、60塩基以下、55塩基以下、50塩基以下、40塩基以下、30塩基以下、20塩基以下、10塩基以下であってもよい。或いは、標識物質は、アンカー鎖に含まれる核酸鎖中に配置されてもよく、核酸鎖の基板から近い末端若しくは遠い末端に付与されてもよく、アンカー鎖の核酸鎖と基体とを結合するための末端修飾基と当該核酸鎖との間に配置されてもよい。更に、標識物質は1つのアンカー鎖中に複数で含まれてもよく、単数で含まれてもよい。複数で含まれる場合、それらは同じ種類であっても、異なる種類であってもよい。或いは、標識物質は反応液中に存在させてもよい。
例えば、増幅反応とハイブリダイズ反応とを1つの反応場において同時に進行させる場合にはそれらは次のように行い得る。
例えば、プローブ固定領域702としての電極上に二本鎖プローブ703を備えるプローブ固定基体700を用いる場合、基体上で等温増幅を実施しながらリアルタイムでハイブリダイゼーションの進行をモニターすることができる。即ち、そのようなプローブ固定基体上で等温増幅を行った場合、反応液中の増幅産物750の存在量に依存して、被覆鎖720中の検出相補配列721と増幅産物750とがハイブリダイズし、被覆鎖720が電極702から解離する。このとき電極に固定されたプローブは二本鎖から一本鎖に変化する。この変化は、電極を用いて連続的に電気応答を調べることでリアルタイムに信号変化として捉えることができる。電極で信号を得るために、例えば、二本鎖認識物質にフェロセンなどの電極活性物質が結合している標識物質を用いることができる。この場合、プローブが一本鎖に変化すると、フェロセン標識された二本鎖認識物質が解離する。その結果、フェロセン応答が減少する。フェロセンは、電位掃引をサイクルで行うと酸化還元を繰り返す。それによりその応答を連続測定することが可能であるため、増幅の進行がモニターできる。
また、電極活性物質の応答は電極の極近傍の状態をよく反映する。従って、二本鎖認識物質を用いることなく、直接に応答変化を計測することも可能である。この場合、電極活性物質として、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化カリウム、鉄錯体、ルテニウム錯体、コバルト錯体、フェロセンなどが使用され得る。これらは何れも電位掃引をサイクルで行った場合に、酸化還元を繰返す。そのため、これらは増幅の進行に合わせて繰返し測定できる。これらの電極活性物質の応答は、電極上の二本鎖が一本鎖に変化する際に、電流値が増加すると共に、また或いはピーク電位が低電位側にシフトする。増幅反応の速さは増幅前の鋳型量に依存するため、あらかじめ定めた閾値を超えるまでの時間を計測すれば、増幅前の鋳型量に割り戻すことができ、増幅産物を定量可能となる。
電気化学的に活性な物質からの信号は、例えば、電流値、電位値、電気容量値、インピーダンス値などの何れかの電気的な指標であればよい。核酸プローブからの被覆核酸鎖5の脱離に伴う当該信号の量的変化および/または予め定めた電気的特性の変化を測定することによって、標的核酸の有無または存在量を決定することが可能となる。信号の量的変化または電気的特性の変化は、例えば、信号の大きさの変化、例えば、信号の減少または消失であってもよく、これらの大きさの変化が生じるまでの時間の長さ、大きさの変化の開始時点のシフトなどであってよく、特定時間内での積算値の変化などであってもよい。
核酸プローブからの電気信号は、核酸プローブが固定される基板から獲得され得る。その場合、例えば、少なくとも一部の基板表面に電極が配置されればよい。その場合、核酸プローブは、電極上に固定され得る。
或いは電気活性物質に代えて光学的活性物質が使用され得る。そのような物質からの信号は、何れかの光学的な指標であればよく、例えば、特定の波長を有する光、例えば、蛍光、発光などであってよい。アンカー鎖からの被覆鎖の脱離に伴う信号の量的および/または予め定めた光学的特性の変化を測定することによって、標的核酸の有無または存在量を決定することが可能となる。信号の量的または光学的特性の変化は、例えば、光強度の変化、光強度の増加、減弱若しくは消失、波長の変化などであってもよく、光強度の大きさまたは波長の変化が生じるまでの時間の長さ、当該変化の開始時点のシフトなどであってよく、また特定時間内での積算値の変化であってもよい。
標識物質として使用される蛍光物質の例は、これらに限定するものではないが、例えば、Alexa flour、BODIPY、Cy3、Cy5、FAM、Fluorescein、HEX、JOE、Marina Blue(商標)、Oregon Green、Pacific Blue(商標)、Rhodamine、Rhodol Green、ROX、TEMRA、TETおよびTexas Red(登録商標)などを含む。
このような光学的活性物質は、例えば、被覆鎖にクエンチャーを含ませることによりその検出可能性を阻害することが可能である。クエンチャーの例は、例えば、BHQ−1、BHQ−2およびDabcylなどを含む。また、例えば、標識物質としてCy3またはCy5が選択される場合には、クエンチャーとして例えば、EuキレートまたはUlightを用い得る。
このような二本鎖プローブを使用することにより、複数の短鎖核酸をより簡便に検出することが可能となる。
(5−2)一体型デバイスおよび測定装置
図9に更なるプローブ固定基体の例を示す。図9(a)はプローブ固定基体の平面図であり、図9(b)は線B−Bに沿った断面図である。このプローブ固定基体は、反応セルでの増幅反応とDNAチップ上でのハイブリダイズ反応とを連続して行うために、複数の構成要素を組み合わせて一体化してなるデバイス(以下、一体型デバイスと記す)の1例である。なお、一体型デバイス901は、検出用カセットまたは検出用カートリッジとも称され得る。
一体型デバイス901は、検体シリンジ902、洗浄液シリンジ903、挿入剤シリンジ904、反応セル905およびDNAチップ906を備える。DNAチップ906は、検出セル916内底面に固定されている。検体シリンジ902は、流路907で反応セル905に連結されている。洗浄シリンジ903、挿入剤シリンジ904は、流路909で検出セル916に連結されている。反応セル905は流路908で検出セル916と連結されている。一体型デバイス901は、本体920と、その一方の面に取り付けられている蓋体930とを備える。本体920の蓋体930側には凹部921a,921b,921cが形成されており、この凹部921a,921b,921cと蓋体930とにより検体シリンジ902、洗浄液シリンジ903、挿入剤シリンジ904、反応セル905および検出セル916が規定されている。蓋体930の検体シリンジ902、洗浄液シリンジ903、挿入剤シリンジ904に対応する位置には、それぞれ貫通孔931a,931b,931cが形成されている。使用時には、検体シリンジ902には検査の行われるべき試料が、洗浄液シリンジ903には洗浄液が、挿入剤シリンジ904にはハイブリダイズ信号発生に関与する挿入剤が収容されている。それらは貫通孔931a,931b,931cを通じて予め流入されている。DNAチップ906には、複数のプローブ固定領域としての電極906aがアレイ状に配置されており、そこにプローブ906bが種類毎に複数本ずつ固定されている。
一体型デバイス901による試料中の複数の標的核酸の検出方法を行うときには、測定装置により行われ得る。測定装置の例を図9(c)に示す。測定装置950は、測定ユニット960と、測定ユニット960を制御する制御機構970と、制御機構970を制御するコンピュータ980とを備える。測定ユニット960は、一体型デバイス901がカートリッジとして着脱可能にセットされるカートリッジ収容部961と、そこに収容されている一体型デバイス901からの信号を得る測定系962と、一体型デバイス901への液体の送りおよび/または出しをする送液系963と、一体型デバイス901の温度を制御する温度制御機構964とを備える。温度制御機構964による一体型デバイス901の温度制御は、カートリッジ収容部961内部に配置され、一体型デバイス901底面に接触する温度制御ブロック941a,941b,941cによって行われる(図9(b))。温度制御ブロック941a,941b,941cは、検体シリンジ902、洗浄液シリンジ903および挿入剤シリンジ904に亘る領域、反応セル905の領域、検出セル916の領域をそれぞれカバーしている。温度制御ブロック941a,941b,941cは、例えばヒータ、ペルティエ素子、冷却機構などであり得る。また温度制御ブロック941a,941b,941cは、更に小型の複数のユニットからなってもよく、それらは独立して制御されてもよい。
このような一体型デバイス901と測定装置950とを用いる検出方法の1例を図10のスキーム7に示した。検出方法は、試薬チューブ990内で標的核酸を含み得る試料、長鎖化核酸セットおよび長鎖化試薬を混合すること(S71)、検体シリンジ902内で標的核酸を長鎖化すること(S72)、反応セル905内で長鎖核酸、プライマーセットおよび増幅試薬を混合すること(S73)、反応セル905内で長鎖核酸を増幅すること(S74)、DNAチップ906内で増幅産物を検出すること(S75)を含む。このような手続きが実施される場所を図10(a)にパターン1として示す。
試薬チューブ990内での混合は、一体型デバイス901外にて行う。なお、一体型デバイス901および試薬チューブ990は、一体型デバイス901と共に後述するアッセイキットに含まれて提供され得る。試薬チューブ990には、長鎖化核酸および長鎖化試薬が予め含まれ得る。検出方法を行う場合には、必要に応じて試料材料から抽出された核酸を試料として試薬チューブ990に添加する。これを混合した後に、混合液を貫通孔931aを通して検体シリンジ902内に収容する。検体シリンジ902に収容されている反応液を温度制御ブロック941aによって、長鎖化に必要な温度条件下に一定時間維持し、長鎖化を進行させる。長鎖化後、送液系963により提供される送液機構によって反応液は検体シリンジ902から流路907を通って反応セル905に送られる。送液機構963は、それ自身公知の何れかの手段が利用され得る。反応セル905には、予めプライマーセットと増幅試薬とが遊離可能に固定されている。反応液との接触により、これらが液中に遊離し、増幅反応条件下で増幅反応が開始される。増幅温度条件は、温度制御ブロック941bによって満たされ得る。増幅後、送液系963によって反応液は、反応セル905から流路908を通り検出セル916に送られる。検出セル916の内壁には、予め複数種類のプローブがアレイ状に固定されている。更にDNAチップ906のプローブ固定領域を覆うように複数回に亘り蛇行している流路が形成されており、検出セル916の反応場が流路内に存在していてもよい。この場合、複数のプローブ固定領域は、流路内に流れ方向に沿って間隔を有して配置され得る。プローブと共にハイブリダイズ試薬が固定されていてもよい。ハイブリダイズの温度条件は、温度制御ブロック941cにより満たされる。ハイブリダイズ条件下で一定時間に亘り反応液を維持した後に、送液系963によって洗浄液シリンジ903に収容されている洗浄液を流路909を通り検出セル916に送る。温度制御ブロック941cにより検出セル916内の温度を洗浄温度に維持しながら洗浄液を一定時間に亘ってそこに維持する。これによりハイブリダイズ反応を停止する。その後、挿入剤シリンジ904に収容されている挿入剤を送液系963によって流路909を通り検出セル916に送る。プローブが固定されている各電極は、電気的に測定系962に接続されている。測定系962は、電極に電圧を印加しながらそこから生ずる電気信号をハイブリダイゼーション信号として受け取り、これを検出位置と対応付けて制御機構970に送る。制御機構970は、検出位置、ハイブリダイゼーション信号、ハイブリダイゼーション信号に関して予め決定された閾値、予め設定された計算式および検出位置と標的配列とを対応付けるテーブルなどに基づいて、試料中に所望の標的核酸が存在するか否か、存在する場合には必要に応じて存在量を決定する。
制御機構970は、測定系9622、送液系963、温度制御機構964、およびコンピュータ980に電気的に接続されている。制御機構970は、例えば、コンピュータ980に格納されたプログラム、テーブル、計算式などに従って、これらを制御し得る。更に、コンピュータ980は、得られた信号を測定データとして格納する機構を有し得る。コンピュータ980は、制御機構970に制御条件パラメータを与えて制御機構970を制御するとともに、制御機構970から送られた測定データに基づいて解析処理を実行し、標的核酸を検出および/または定量し得る。
上述の実施形態の例では、電気信号を検出する装置の例を示したが、光信号を生ずる標識物質を使用する場合であっても、同様に測定装置を利用し得る。その場合、例えば、ハイブリダイゼーション信号として光信号を検出するように測定系962が構成されていること、プローブ固定領域に電極が存在しなくてもよいこと、挿入剤シリンジに光学信号の検出に関与する試薬が収納されること以外は、上述と同様の構成を有し得る。例えば、標識物質として蛍光物質を使用する場合の測定系962は、DNAチップ906に励起光を照射する光照射ユニット、標識物質からの蛍光を光信号として得るセンシングユニット、光信号を電気信号に変換する光電変換ユニットなどを備え得る(図示せず)。
上記の実施形態においては、図10(a)のパターン1に従う例を示した。更なる態様においては、上述と同様の装置構成を有する一体型デバイス901と測定装置950とを用いて、そこにおいて行う手続きを変更する例を図9および図10を参照しながら2つの例について説明する。第1の更なる例は、図10(b)に示すパターン2であり、長鎖化(S72)を検体シリンジ902ではなく、一体型デバイス901外で行うこと以外は、パターン1と同様に手続きを行う。パターン2では、長鎖化反応を例えば試薬チューブ990内で行う。その場合、試薬チューブ990をヒートブロックなどで加熱して長鎖化を達成し得る。このような検出システムの場合には、測定装置950は、温度制御ブロック941aを必ずしも備える必要はない。試薬チューブ990内で形成された長鎖核酸を含む反応液が、貫通孔931aを通り検体シリンジ902に収納される。例えば、測定装置950が更に試薬チューブフォルダを備えてもよく、送液系963が試薬チューブフォルダに収容された試薬チューブ内からシリンジ機構などによって反応液を採取し、カートリッジ収容部961にある一体型デバイス901の貫通孔931aから検体シリンジ902内に送るように構成されていてもよい。また、測定装置950は、試薬チューブフォルダ内の試薬チューブ990に接して反応液の温度を調整する更なる温度制御ブロックを備え得る。
第2の更なる例は、図10(c)に示すパターン3であり、長鎖化(S72)を反応セル905内で行い、プライマーセットおよび増幅試薬との混合(S73)と増幅(S74)とを検出セル916のDNAチップ906上で行うこと以外は、パターン1と同様に手続きを行う。パターン3では、長鎖化反応を反応セル905内で行う。その場合、貫通孔931aから流入された試薬チューブ990からの混合液は、直ちに反応セル905に送られ得る。試薬チューブ990内で行う代わりに反応セル905内で行うこと以外は上述と同様にして長鎖化が達成され得る。このような検出システムの場合には、測定装置950は、温度制御ブロック941aを必ずしも備える必要はない。長鎖化後の反応液は、上述と同様にして検出セル916に送られ、検出セル916内で増幅反応および検出反応を行うことを除いてパターン1および2と同様に増幅、ハイブリダイズ反応および検出を行い得る。或いは上述した態様により検出セル916内で増幅反応を進行させながらハイブリダイズ反応を進行し、更に1つの反応場において検出を行い得る。この場合、検体シリンジ902に対応する温度調節ユニットはなくともよい。検出セル916内での増幅反応のために、予めDNAチップ上または検出セル916内部の何れか1箇所以上の壁面に増幅プライマーと増幅試薬とが固定されていてもよい。これらが溶け出すことで増幅が開始する。このようなパターン3は、増幅反応とハイブリダイズ反応とを同時に進行させながら、ハイブリダイゼーション信号をリアルタイムに測定するのに好ましい。その場合、二本鎖プローブと組み合わせることがより好ましい。その場合、電気化学検出に必要な電極活性物質は、選択された手続きに応じて試薬チューブ990内、検体シリンジ902内、挿入剤シリンジ904内、反応セル905内または検出セル916内に予め収容または固定しておいてもよく、もし存在するのであれば、そこに含まれる液体に混合しておいてもよい。
実施形態に従う核酸検出装置は、従来よりも高い精度で簡便に標的核酸を検出または定量することが可能である。また、当該核酸検出装置によれば、従来よりも短時間で標的核酸に関する検査を行うことが可能である。
6.マルチシリーズについての短鎖核酸のマルチプレックス検出法
1つの実施形態に従うと、マルチシリーズについての短鎖核酸のマルチプレックス検出法が提供される。この方法によれば、上述した1つのシリーズのためのマルチプレックス検出法を利用して複数の種類のシリーズについて、試料中の複数種類の短鎖核酸を簡便に検出し得る。
実施形態において、全てのシリーズについて、1種類のプローブ固定基体を共通して使用し得る。即ち、全てのシリーズに共通して、1種類のプローブセットを使用し得る。また全てのシリーズに共通して1種類のプライマーセットを使用し得る。1つのシリーズ内で使用される検出用領域の配列群を全てのシリーズに共通して使用し得る。1つのシリーズ内で使用される検出用領域の配列群は、そのシリーズ内で検出されるべき複数の標的核酸に対して割り当てられている。例えば、複数種類の検出用領域の配列群を予め用意し、それらに対して第1のシリーズに含まれる標的核酸群のそれぞれを対応付ける。シリーズの数を増やした場合には、それぞれのシリーズに含まれる標的核酸群に対して当該検出用領域の配列群を割り当てる。このような対応付けは、第1のシリーズについての検査を行う前に全てのシリーズについて行っておいてもよく、或いは順次行ってもよく、或いは非常に応じて定期的にシリーズを増やしてもよい。
このような方法により検出されるべきマルチシリーズに含まれ得る各シリーズは、例えば、複数の短鎖核酸により特徴付けられる共通するテーマ、例えば、ヘルスケア関連情報などであり得る。マルチシリーズは例えば、互いに異なる複数の健康状態の指標の組み合わせ、異なる疾患、例えば、癌、糖尿病、バセドウ病、膠原病などの組み合わせ、異なる遺伝子関連疾患の組み合わせ、異なる癌種の組み合わせ、例えば、乳癌、大腸癌または肺癌などの組み合わせ、特定の個人の身体状態を示す複数の検査項目の組み合わせなどであり得る。それらの組み合わせは、実施形態に従う検出方法の実施者が自由に選択することが可能である。例えば、1つのシリーズの検査またはマルチシリーズの検査に先駆けて全体的に決定されていてもよく、所望に応じて順次選択されてもよく、所望に応じて異なる時期に更なる検査が追加されてもよい。
例えば、複数のシリーズについての実施形態は、第1〜第nのシリーズを分析する方法であり得る。その場合、第1〜第nのシリーズ内のそれぞれについて予め定められた標的核酸群を小項目セットとして含み、前記小項目セットは複数種類の小項目を含んでおり、前記複数種類の小項目が前記複数の標的核酸群のそれぞれを検出することに対応し得る。複数種類の小項目セットは、互いに独立した数で複数の当該標的核酸を含み、それらの数は互いに同じであるか、異なり得る。
プローブ固定基体は、第1〜第nのシリーズ(nは2以上の整数である)で共通するユニバーサルプローブ固定基体であり、シリーズのそれぞれについて、シリーズ毎に独立して小項目セットに対応する複数種類の標的核酸を検出するために、
(a)複数の標的配列のそれぞれについて、標的配列を含む長鎖核酸を得るための長鎖化核酸セット群を準備することと、
(b)第1の増幅用領域に結合する第1のプライマーと、第2の増幅用領域に結合する第2のプライマーとを含み、前記長鎖化核酸セット群から得られた複数の長鎖核酸を共通して増幅するユニバーサルプライマーセットを準備することと、
(c)基体と、基体によって提供される第1の反応場に接する面に固定されている複数種類のプローブ群とを含むプローブ固定基体を準備することと、
(d)試料と、(b)で準備された長鎖化核酸セット群とを第2の反応場に持ち込み、
複数種類の標的核酸のそれぞれと、対応する第1のサブ長鎖化核酸および対応する第2のサブ長鎖化核酸との間でのアニールおよびライゲーション、および/または核酸伸長によって、複数の標的核酸のそれぞれについて、第1のサブ長鎖化配列と第2のサブ長鎖化配列またはその相補配列とを含む長鎖核酸群を得ることと、
(e)第3の反応場において、長鎖核酸群と前記ユニバーサルプライマーセットとを増幅条件下に維持し、それにより増幅産物群を得ることと、
(f)第1の反応場において、(e)で生じた全ての増幅産物群と第1のプローブとの間でのハイブリダイゼーションの有無および/または量を検出することと、
(g)(f)の結果に基づいて、試料中に存在する前記複数の標的核酸を検出することと、
更に、
(h)前記(g)の結果に基づいて、前記第1〜第nのシリーズのそれぞれについての分析結果を得ること、
(i)所望に応じて、第n+(1〜s)の更なるシリーズについて追加して前記(a)〜前記(g)を行い、その結果に基づいて前記第n+(1〜s)の更なるシリーズについての分析結果をそれぞれ得ること、ここで、sは2以上の整数である
を含み得る。
更に、実施形態に従えば、第1〜第nの小項目セットがそれぞれに含む小項目数は、m1個〜mn個であり、第1〜第nの小項目セット群における最大値はmmaxであり、mおよびnは互いに独立して2以上の整数であり、第1〜第nのシリーズのうちの任意の第xのシリーズは、対応する当該第xの小項目セットを用いて分析され、当該第xの小項目セットは、第1x〜第mxの小項目を含み、1≦mx≦mmaxであり得る。
ここにおいて、第1の反応場と第3の反応場が共通した1つの反応場であり、増幅反応と検出信号の検出および/または測定を同期間内に進行させ、検出信号を継続してモニタリングする、または経時的に複数の時点で検出若しくは測定し得る。
このような実施形態により、1つのシリーズに関しては、そこに含まれる複数種類の短鎖核酸を簡便に、同時期内に検出することが可能となり、そのような効果を複数種類のシリーズについて得ることが可能となる。
7.組み合わせ分析キット
実施形態によれば組み合わせ分析キットが提供される。これは、実施形態に従う検出方法を行うためのアッセイキットであり、以下キットとも称する。キットは、上述の何れかの2種類以上の長鎖化核酸セットを含む1シリーズ分の長鎖化核酸セット群、ユニバーサルプライマーセット、2種類以上のプローブを備えるプローブ固定基体を含み得る。アッセイキットは更に、任意に長鎖化試薬、増幅試薬、例えば酵素、基質、緩衝剤または緩衝液など、ハイブリダイズ試薬、例えば、塩など、洗浄剤、例えば洗浄液、標識物質、例えば電極活性物質、二本鎖認識物質など、取扱説明書並びにそれらの何れかの組み合わせなどを含み得る。
プローブ固定基体は、2種類以上のプローブ群を固定して備える。プローブ固定基体は、更に例えば長鎖化核酸セット、長鎖化試薬、ユニバーサルプライマーセット、増幅試薬、ハイブリダイズ試薬、洗浄剤、標識物質およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを遊離可能に固定された状態で備えるか、或いは溶液中に含まれた長鎖化試薬および洗浄剤を、例えば長鎖化試液および洗浄液として備える一体型デバイスとして提供され得る。或いはこれらの要素は、プローブ固定基体とは別体としてキットに含まれてもよい。その場合、長鎖化核酸セット、長鎖化試薬、ユニバーサルプライマーセット、増幅試薬、ハイブリダイズ試薬、洗浄剤、標識物質などおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つが少なくとも1つの試薬チューブに含まれた状態で提供され得る。
例えばキットは、プローブ固定基体の外部で行われる反応のための試薬チューブを含み得る。試薬チューブは、例えば長鎖化試薬を固体または液体として含み得る。このような試薬チューブを第1のチューブとして備えるキットは、更に第2試薬チューブを備え得る。第2の試薬チューブは、長鎖化核酸セット、長鎖化試薬、ユニバーサルプライマーセット、増幅試薬、ハイブリダイズ試薬、洗浄剤、標識物質などおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含み得る。例えば、第2の試薬チューブは、第1の試薬チューブ内に含まれず、一体型デバイス内にも備えられていない要素を含み得る。
例えばキットは、1シリーズ毎に作製され得る。上述のマルチシリーズについて短鎖核酸のマルチプレックス検出法を行うためのキットの組み方の例を表1を参照しながら説明する。
シリーズI,II,III,IVについて検査を行うためのキットI、キットII、キットIII、キットIVは、それぞれ標的核酸11〜16、標的核酸21〜28、標的核酸31〜34、標的核酸41〜47を検出するためのキットである。ここで、標的核酸は何れも短鎖核酸である。それぞれの標的核酸について特異的な配列をそれぞれの標的配列とする。これらの標的配列のそれぞれに対して検出用領域の配列をそれぞれ割り当てる。その際、標的核酸群11、21、31、41(即ち、10N+1、1≧N≧4)については検出用配列A、標的核酸群12、22、32、42(即ち、10N+2)には検出用配列B、標的核酸群13、23、33、43(即ち、10N+3)には検出用配列C、標的核酸群14、24、34、44(即ち、10N+4)には検出用配列D、標的核酸群15、25、45(即ち、10N+5)には検出用配列E、標的核酸群16、26、46(即ち、10N+6)には検出用配列F、標的核酸群27、47(即ち、10N+7)には検出用配列G、標的核酸28(即ち、10N+8)には検出用配列Hをそれぞれ割り当てる。これに従って、標的核酸毎に長鎖化核酸セットを作製する。増幅用領域は、全ての群間で共通させる。増幅用領域に従いプライマーセットを準備する。プライマーセットは、全ての群間で共通しているユニバーサルプライマーセットである。プローブ群は、検出用配列A、検出用配列B、検出用配列C、検出用配列D、検出用配列E、検出用配列F、検出用配列G、検出用配列Hに相補的な配列またはそれらと同じ配列をそれぞれ有するプローブA、プローブB、プローブC、プローブD、プローブE、プローブF、プローブG、プローブHを含み得る。プローブ群の配列は、増幅産物の配列を考慮して検出用領域の配列に相補的な配列であるのか、同じ配列であるのかを選択し得る。或いは両方の配列をそれぞれ含む2種類のプローブを用意し得る。これらのプローブ群をプローブ固定基体の反応場が形成される面に種類毎に固定する。プローブ固定基体の態様は、所望に応じて選択する。例えば、プローブ群は、プローブ固定基体をDNAチップとして作製し、それを上述の一体型デバイスの検出セル内に固定されて提供され得る。シリーズ間で共通するプローブ群を搭載している共通する一体型デバイス、即ち、ユニバーサル一体型デバイスを用いることによって共通する測定装置が使用が可能となる。このような一体型デバイスをカートリッジとして提供することにより検査の汎用性が向上する。
組み合わせ分析キットは、そこに含まれる要素が例えば異なる時点で提供元、例えば製造者または販売者などの提供者から提供先、例えば使用者、例えば病院、検査機関、研究施設および対象、例えば被検者および患者などに提供されてもよい。例えば、対応する測定装置を所有する提供先が、組み合わせ分析キットを使用する場合、第1のシリーズとして検査すべき複数の短鎖核酸のための組み合わせ分析キットを入手し得る。
組み合わせ分析キットは、例えば第1のシリーズに含まれる複数の標的核酸を検出するための長鎖化核酸セットを収容している第1の試薬チューブおよび一体型デバイスを含む。例えば一体型デバイスは、上記の一体型デバイス901であり、検体シリンジ902内壁に遊離可能に固定されている長鎖化試薬、洗浄液シリンジ903に収容された洗浄液、挿入剤シリンジ904に収容された標識物質液、反応セル905内に遊離可能に固定されているユニバーサルプライマーセットおよび増幅試薬、検出セル916内部に固定されているDNAチップ906にアレイ状に配置された電極上に固定されている複数種類のプローブセットおよび/または検出セル916内壁に遊離可能に固定された塩を備え得る。
更なる態様において、組み合わせ分析キットは、例えば第1のシリーズに含まれる複数の標的核酸を検出するための長鎖化核酸セットを収容している第1の試薬チューブおよび一体型デバイスを含む。例えば一体型デバイスは、増幅反応とハイブリダイズ反応とを1つの反応場において行うように構成されている一体型デバイス901であり、反応セル905内壁に遊離可能に固定されている長鎖化試薬、洗浄液シリンジ903に収容された洗浄液、挿入剤シリンジ904に収容された標識物質液、検出セル916内部に固定されているDNAチップ906にアレイ状に配置された電極上に固定されている複数種類のプローブセット、遊離可能に固定されているユニバーサルプライマーセットおよび増幅試薬を備え得る。何れの態様においてもプローブセットは、上述の何れかのプローブであるが、例えば二本鎖プローブであり得る。
ここにおいて、複数の一体型デバイスが先に提供先に納品されており、所望の検査項目についての検査が必要になった時に、順次に検査されるべきシリーズに含まれる複数の標的核酸を検出するための複数の長鎖化核酸セットを収容している試薬チューブが提供先に納品されてもよい。或いは複数の種類のシリーズのための第1の試薬チューブと、対応する複数個の一体型デバイスとが一緒に納品されてもよく、第1の試薬チューブの種類数と一体型デバイスの個数とが異なっていてもよく、同じであってもよい。或いは特定のシリーズに含まれる複数の標的核酸を検出するために必要とされる構成要素の一揃いが、シリーズ毎に提供されてもよい。或いは単一のシリーズについてのマルチプレックス検出を行うために必要とされる構成要素の一揃いを含む組み合わせ分析キットが一つの纏まりを形成している状態で組み合わせ分析キットとして提供されてもよい。
或いは例えば、対応する測定装置を所有する第1の提供先と、病院などの検査機関など、試料材料を対象から採取する第2の提供先に対して、それぞれ第1の提供先には一体型デバイスが納品され、第2の提供先には、検査されるべきシリーズに含まれる複数の標的核酸を検出するための複数の長鎖化核酸セットを収容している試薬チューブが提供されてもよい。
即ち、実施形態の組み合わせ分析キットは、そこに含まれる複数の要素が、互いに時間的および/または空間的に離れていてもよい。或いはそこに含まれる互いに異なる複数の要素の数が、必ずしも互いに対応しておらずともよい。
当該キットは、
(1)互いに異なる配列をそれぞれ有する複数の標的配列をそれぞれに含む複数の標的核酸のそれぞれを長鎖化し、複数の長鎖核酸を形成し、長鎖核酸の増幅産物を得るための試薬と、
(2)試薬と組合されて提供される、増幅産物を検出するための少なくとも1つのプローブ固定基体とを備え得る。
このとき、複数の標的核酸のそれぞれは、5’端に第1のサブ標的配列を有し、3’端に第2のサブ標的配列を有する短鎖核酸であり、試薬が、
(a)複数の標的核酸のそれぞれに対応する第1のサブ長鎖化核酸および第2のサブ長鎖化核酸を含む複数の長鎖化核酸群と、
(b)前記複数の標的核酸間で共通する配列を含む、前記第1の増幅用領域に結合する第1のプライマーと、前記複数の標的核酸間で共通する配列を含む、前記第2の増幅用領域に結合する第2のプライマーとを含むプライマーセットと、
を含み得る。
例えばプライマーセットがPCR法のためのものであるとき、第1のプライマーと第1のプライマーとの組み合わせが、フォワードプライマーとリバースプライマーとの組み合わせであってよく;更に
複数の標的核酸は第1〜第mの標的核酸であり、ここで、mは2以上の整数であり、
複数の標的配列は、標的核酸に対応して第1〜第mの標的配列であり、第1のサブ標的配列は、複数の標的配列に対応して第11〜第1mのサブ標的配列あり、第2のサブ標的配列は、複数の標的配列に対応して第21〜第2mのサブ標的配列であり、
第1の増幅用領域の配列は、第11〜第1mのサブ長鎖化核酸間で共通しており、第1の増幅用領域は、第1のプライマーの配列に結合する配列を含み、
第2の増幅用領域の配列は、第21〜第2mのサブ長鎖化核酸間で共通しており、第2の増幅用領域は、第2のプライマーの配列に結合する配列を含み得る。
増幅条件がLAMP法の反応条件であるとき、標的核酸は第1〜第mの標的核酸であってよく、ここで、mは2以上の整数であり、
複数の標的配列は、複数の標的核酸のそれぞれに対応している第1〜第mの標的配列であり、第1のサブ標的配列は、複数の標的配列のそれぞれに対応している第11〜第1mのサブ標的配列であり、第2のサブ標的配列は、標的配列のそれぞれに対応している第21〜第2mのサブ標的配列であり、第1の増幅用領域は、F2結合領域であり、更に前記第1のサブ長鎖化核酸はF1結合領域を含み、前記F1結合領域は、前記F2結合領域と第1のサブ標的結合領域との間に存在してよい。例えば、第1の検出用領域が第1のサブ長鎖化配列に含まれる場合には、第1の検出用領域は、第1のサブ長鎖化核酸上でF1結合領域とは重複しないようにその隣接する塩基からF2結合領域と重複する領域までの間に存在し、且つF2結合領域に重複しない領域を含み得る。第2の増幅用領域の配列は、B2結合領域であり、更に第2のサブ長鎖化核酸はB1結合領域を含み、B1結合領域は、B2結合領域と第2のサブ標的結合領域との間に存在し得る。第2の検出用領域が第2のサブ長鎖化配列に含まれる場合には、第2の検出用領域は、第2のサブ長鎖化核酸上でB1結合領域の5’端の5’側塩基からB2結合領域の5’端よりも3’側の範囲に存在し得る。第1のプライマーが、5’端にF1c配列を含み、3’端にF2配列を含むFIPプライマーであり、第2のプライマーが、5’端にB1c配列を含み、3’端にB2配列を含むBIPプライマーであり得る。第1の検出用領域が、標的配列のそれぞれに対応して第11〜第1mの検出用領域であり、第2の検出用領域が、標的配列のそれぞれに対応して第21〜第2mの検出用領域であり得る。プローブは、第1の検出用領域および/または第2の検出用領域に対応して第11〜第1mのプローブおよび/または第21〜第2mのプローブであり得る。
更なる実施形態によれば、当該試薬が、第1のシリーズに対応付けられた第1の試薬であり、第1の試薬のための複数の標的配列が、第1のシリーズに関連する標的核酸群であってもよい。組み合わせ分析キットは、プローブ固定基体と、上記の第1の試薬と組み合わせて提供される、第2〜第nのシリーズにそれぞれ対応付けられた第2〜第nの試薬のうちの少なくとも1つ、および第2〜第nの試薬のうちの少なくとも1つと組合されて提供され得る。
第2〜第nの試薬のそれぞれは、第2〜第nのシリーズ毎に対応付けられた当該試薬であり、シリーズ内で互いに異なる配列をそれぞれ有する複数の標的配列をそれぞれに含む複数の標的核酸のそれぞれを長鎖化し、複数の長鎖核酸を形成し、長鎖核酸の増幅産物を得るための試薬であり、および/または
第1〜第nのシリーズ毎に予め定められたm1〜mn個の小項目をそれぞれに含む第1〜第nの小項目セットが設定されていてよい。第1〜第nの小項目セットがそれぞれに含む小項目数は、m1個〜mn個であり、m1〜mnは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。第1〜第nの小項目セットにおける最大値はmmaxであり、mおよびnは互いに独立して2以上の整数であり、第1〜第nのシリーズのそれぞれに含まれる小項目の種類は、前記シリーズ間で少なくとも一部分が互いに異なっていてもよい。第1〜第nのシリーズのうちの任意の第xのシリーズは、対応する第xの小項目セットを用いて分析され、第xの小項目セットは、第1x〜第mxの小項目を含み、1≦mx≦mmaxであり得る。
第1x〜第mxの小項目は、互いに異なる配列を有する第1〜第mxの標的配列をそれぞれに有する第1x〜第mxの標的核酸の存在または存在量に関する情報をそれぞれ得ることであり、第xの小項目セットに含まれる第1〜第mxの標的配列は、第xのシリーズ内で共通するのテーマに関連する標的核酸群であり得る。第1x〜第mxの標的配列のそれぞれが、5’端に第11x〜第1mxのサブ標的配列をそれぞれ含み、3’端には第21x〜第2mxのサブ標的配列をそれぞれ含んでいてもよい。
検出用領域およびプローブについてはシリーズ間で必要とされる種類数は異なるものの、プライマーセット、プローブ群、例えば、一体型デバイスなどのプローブ固定基体は、複数のシリーズに亘って共通して使用できる。このような共通している構成要素の構成を固定することによって、容易に低コストのアッセイキットを組むことが可能となる。またこのようなアッセイキットであれば、提供者側も消費者側もアッセイキットの在庫管理が簡便になり、ランニングコストを下げることも可能となる。
8.組み合わせ分析キット供給管理方法
実施形態は、上述のマルチシリーズについて短鎖核酸のマルチプレックス検出法を行うために組み合わせ分析キットの提供を管理する方法である。
図11を参照しながら当該提供方法の例について説明する。この方法は、上述した何れかの組み合わせ分析キットを提供する方法であり得る。例えば、当該キットは、1つのシリーズに含まれる複数の標的核酸を検出するための長鎖化核酸セットを収容している試薬チューブと、ユニバーサル一体型デバイスとを含む。ユニバーサル一体型デバイスは、検体シリンジ902内壁に遊離可能に固定されている長鎖化試薬、洗浄液シリンジ903に収容された洗浄液、挿入剤シリンジ904に収容された標識物質液、反応セル905内に遊離可能に固定されているユニバーサルプライマーセットおよび増幅試薬、検出セル916内部に固定されているDNAチップ906にアレイ状に配置された電極上に固定されている複数種類のプローブセット、検出セル916内壁に遊離可能に固定された塩を備え得る。このような組み合わせ分析キットの場合、ユニバーサル一体型デバイスは、例えば常に同じ構成を有し得る。一方、長鎖化核酸は、シリーズ間で異なっており、検査されるべき対象により特定のシリーズが選択され得る。このような構成であるため、ユニバーサル一体型デバイスの管理については一括して制御することが可能である。
例えば、図11に示すように当該キットの在庫状況をクラウド1000にデータベース1010として保存することが可能である。このデータベース1010には、当該キットの提供元1020が自社の有する在庫情報を保存し得る。提供元1020が有する工場1030は、製造が進行中のキットの在庫情報を保存し得る。提供元からのキットを保持している問屋1040は、その在庫情報をそこ保存し得る。キットを使用する第1の使用施設1050および第2の使用施設1060も在庫情報をそこに保存し得る。これらの在庫情報によりデータベース1010を作製する。これらの情報に基づいて、例えば提供元が備える管理システム1021、例えば、コンピュータが当該キットの供給管理を行う。在庫情報は、例えばキット数および各キットの構成要素の数、並びにシリーズの種類など、シリーズが含む標的配列の情報、製造中のキットの数および種類、キットまたは各要素の製造年月日、使用可能期限に関する情報などであり得る。
図11に実施形態の1例における手続きの概要を示す。例えば、第1の使用施設1050が病院などの医療機関である場合、診察室において医師が検査の第1のシリーズの検査を行うというオーダーを出し得る(S101)。オーダーは、管理システム1021に送られる。オーダーを受けて管理システム1021は、クラウド1010のデーターを検索(S102)し、例えば施設1050に地理的に最も近くにあり且つ使用期限に時間的に最も近いキットを特定し、そのキットを施設1050に送るように指示を出す(S103)。この指示に従って、オーダーされたキットが施設1050に送られる。送られるキットは、例えば製造元1020、工場1030、問屋1040、第2の施設1060などが所有する在庫に含まれているものであり得る。施設1050に送られるキットを選定する条件は、所望に応じて予め定められた条件であればよく、またそれは任意に変更することが可能である。そのような条件は、例えば地理的に提供先に近いまたは最も近いこと、使用期限に時間的に近いまたは最も近いこと、ルーチン化された物流があり、他品との同時輸送が可能なことなどが設定され得る。また、在庫情報は、その在庫を有する場所と紐付けられ得る。クラウド1010に含まれるデータは、テーブルとして存在してもよく、それ自身公知のデータの集合体として存在してもよい。
或いは管理システム1020が、クラウド1000をモニターしていてもよい。施設1050からのオーダー(S101)は、クラウド1000に送られ、オーダー記憶部に記録され得る。管理システム1021は、クラウド1000に新たに追加された当該オーダーを検知し、クラウド1000の在庫データーを検索し(S103)、例えば試薬チューブについては、それを製造した後に施設1050に送るように工場1030に指示し、一体型デバイスについては、施設1050に地理的に近くの何れかの場所にあるものを施設1050に送るように指示を出す。この指示に従って、オーダーされたキットは、構成要素ごとに施設1050に送られる(S104)。
例えば施設1050内に試薬チューブのみが存在している場合、当該医師のオーダー(S101)を受けた信号を管理システムがクラウド1010内で検知し、施設1050に試薬チューブがあることを施設1050の検査実施部(図示せず)に知らせ(S104)、一体型デバイスについては上述の方法に従って、施設1050に送るように指示を出す(S104)。
上述ではクラウド1000を用いる例を示したが、クラウド1000の代わりに管理システム1020がデータベースを有し、そこに情報が保存されてもよい。その場合、オーダーに関する信号などのクラウド1000に送られる情報やクラウド1000から送られる情報は、管理システム1020に送られ、それに基づいて移行の手続きが上述のように行われ得る。
クラウド1000が含む在庫情報は、長鎖化核酸セットに関する情報とプローブ固定基体、例えば、ユニバーサル一体型デバイスに関する情報が独立して存在し得る。また使用者からのオーダーは、特定のシリーズを検査するためのキット一式であってもよく、その一部分、例えば、長鎖化核酸セットまたはプローブ固定基体のどちらか一方であってもよい。
このような提供方法により、検査実施者においては、より簡便にキットを入手可能となり、簡便に複数の短鎖核酸を同時期に検出することが可能となる。このようなキットにより、提供者側も消費者側もキットの在庫管理が簡便になり、ランニングコストを下げることが可能となる。また、例えば使用期限の最も近いキットを優先的に使用するように管理することにより、無駄な在庫を生有することなく、また工場における過剰な製造が防止で得る。
[例]
以下の例においては、サブ長鎖化核酸を長鎖化核酸と略す。また、例において参照される図面の符号については、上述にて引用された図面と符号とは別系統のものとして番号を割り振った。
1.LAMPによる短鎖核酸のマルチプレックス検出
(1)長鎖化核酸の準備
表2に示すmiRNA let−7−a(配列番号1)を検出するために実施形態に従って、図12(a)に示す長鎖化核酸2(それぞれ配列番号4および5)および長鎖化核酸3(配列番号10)を用意した。配列番号4は合成DNAオリゴ、配列番号5は3’端の2塩基がRNAであるキメラ合成オリゴである。
配列番号10は5’端がリン酸化された合成DNAオリゴである。サブ長鎖化核酸2に含まれる増幅用配列4、検出用配列5、プライマー結合配列6は、それぞれ配列番号6、配列番号7、配列番号8である。miRNAとアニールする標的結合領域7の配列(標的短鎖核酸部分相補鎖7)は配列番号9である。長鎖化核酸3に含まれるmiRNAとアニールする標的結合領域8の配列(標的短鎖核酸部分相補鎖8)は配列番号11である。プライマー結合配列9、増幅用配列10、増幅用配列11は、それぞれ配列番号12、配列番号13、配列番号14である。また、ライゲーション反応のポジティブコントロールとして、長鎖化核酸2および長鎖化核酸3を連結した合成オリゴDNA配列番号15を用意した。各配列についての詳細を表3および表4に記す。また表中では、プライマー結合配列を増幅用配列と記載する。
(2)標的短鎖核酸の長鎖化
長鎖化核酸2と長鎖化核酸3のライゲーションを以下のように電気泳動で確認した。20μLの反応溶液にて、何れも終濃度で、50mMのTris−HCl(pH7.5)、5mMのMgCl2、1mMのDTT、20μMのATP、Ribonuclease Inhibitorを20UおよびmiRNA(配列番号1)、長鎖化核酸2(配列番号4,5)および長鎖化核酸3(配列番号10)をいずれについても33pmolずつ添加し、65℃5分、30℃10分でアニールした。その後、T4 RNA Ligase2を2Uで添加して39℃35分インキュベートしてライゲーションした。反応液の10μLをE−Gel Ex 2%(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)にて電気泳動した。その結果を図12(b)に示す。そこに示される通り、標的短鎖核酸が存在し、長鎖化核酸2としてRNAキメラを用いた場合にライゲーション産物の生成を確認できた。
(3)増幅鋳型の増幅
次に、低濃度のmiRNA let−7−a(配列番号1)をライゲーションし、得られた増幅用鋳型を用いてLAMP増幅を行った。miRNAを0.2fmolと、長鎖化核酸2(配列番号5)および長鎖化核酸3(配列番号10)をそれぞれ0.2fmolずつとを混合し、10μL反応液で、上記(2)記載の反応条件にてライゲーションを行った。続いて、15μLの反応液を以下の組成となるよう添加して63℃90分のLAMP増幅を行った。LAMP反応液組成は次の通りである:何れも終濃度で、20mMのTris−HCl(pH8.8)、30mMのKCl、8mMのMgCl2、10mMの(NH)2SO、0.1%のTween−20、0.8MのBetaine、1.4mMの各dNTP、1.6μMのFIP(配列番号20)、1.6μMのBIP(配列番号21)、0.8μMのLF(配列番号22)および8UのBst DNA polymerase。反応はいずれも2連で行った。結果、miRNAを添加してライゲーションしたものでは、平均33分で濁度が立ち上がったが、miRNAを添加せずにライゲーションしたものでは90分増幅後も濁度が立ち上らなかった。miRNA存在下でライゲーションしたもののみ、LAMP増幅されることが確認された。さらに、増幅産物の特異性を確認するため、ライゲーションPC(配列番号15)を同様にLAMP増幅した産物と共に、制限酵素Hinf Iで断片化して電気泳動した。その結果は図13に示す通りである。miRNAを介してライゲーションしたサンプルはポジティブコントロールと同じバンドパターンとなり、特異性が確認された。
(4)増幅産物の検出
配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26の核酸プローブを搭載したDNAチップを以下のように作成した。各配列の詳細を表5に示す。
3’末端がチオールで修飾されているプローブDNAを3μMとなるよう100μMメルカプトヘキサノール溶液で調製し、ガラス上にφ200μmで形成した金電極に100nLスポット(各N=4)して固定した。乾燥後、超純水で洗浄、風乾しDNAチップを得た。上記(3)で増幅したLAMP産物を95℃5分で熱処理し、終濃度が2×SSC緩衝液となるよう20×SSC緩衝液を添加したのちに、DNAチップ上に載せて65℃10分ハイブリダイゼーションを行った。その後、0.2×SSC緩衝液で置換して35℃で3分間放置して洗浄し、次に75μMヘキスト33258を含むPIPES緩衝液に置換し25℃で1分放置して、二本鎖DNAにヘキスト33258を結合させた。電極に100mV/secで電位掃引してヘキスト33258の酸化電流を測定した。
その結果、図14に示す通りである。miRNA let−7−aのプローブ(配列番号23)を固定した電極からは平均97.9nAの高い電流値が得られ、無関係な配列すなわちネガティブコントロール(配列番号26)を固定した電極からは平均25nAと低い電流値となった。このようにLAMP産物のハイブリダイゼーションにより電気化学的信号を得ることができた。
以上のことから、miRNA let−7−aに二つの長鎖化核酸をアニールさせてライゲーションし、それを増幅鋳型にすることにより特異的にLAMP増幅することができ、さらにその産物は電気化学的DNAチップで検出できることが示された。
(5)マルチプレックス検出
次に、miRNA 3種let−7−a(配列番号1)、miR 21−5p(配列番号21)、miR 21−3p(配列番号3)のマルチプレックス検出を行った。3者に対し、サブ長鎖化核酸2としてそれぞれ配列番号5、配列番号16、配列番号18を、サブ長鎖化核酸3としてそれぞれ、配列番号10、配列番号17、配列番号19を用意した。miRNA、サブ長鎖化核酸2、サブ長鎖化核酸3をそれぞれ0.2fmolずつ混合した。これらを上記(3)に記載の条件にて、ライゲーションおよびLAMP増幅を行った。LAMP増幅用のプライマーは上記(3)と同じくFIP(配列番号20)、BIP(配列番号21)、LP(配列番号22)である。なお、増幅時間は60分に短縮した。増幅後のマルチ増幅産物をlet−7−aプローブ(配列番号23)、21−5pプローブ(破裂番号24)、21−3p(配列番号25)およびネガティブコントロール(配列番号26)を搭載した4枚のDNAチップ(DNAチップ1、DNAチップ2、DNAチップ3、DNAチップ4)それぞれについて上記(4)に記載の方法で同様に測定した。DNAチップ1、DNAチップ2、DNAチップ3、DNAチップ4に持ち込んだ試料は、サンプルA、サンプルB、サンプルC、サンプルDであり、これらの試料にはそれぞれ表6−1中で「+」で示されている標的核酸を含ませた。その結果を表6−2に示す。
表7−2中に太枠で示されているカラムが陽性結果を示しているが、この結果は、各サンプルが含む標的核酸の種類と一致している。この結果から、いずれのプローブからもシグナルが得られ、サンプルの状態を正確に示すことが明らかになった。したがって、同一容器内での標的3種のライゲーション、LAMPによる増幅反応を行い、それぞれに対応したDNAチップ検出が可能であることが示された。なお、同表に示す通り、単独での検出で各プローブの特異性についても確認された。
以上のことから、本実施形態によれば、複数の標的短鎖核酸を簡便にマルチプレックス長鎖化、増幅および検出できる方法およびキットを提供することができることが示された。
2.長鎖化核酸の二本鎖化による反応効率向上
長鎖化核酸を安定化するために、サブ長鎖化核酸を部分的に二本鎖化することにより、反応を効率化することができる。サブ長鎖化核酸2(配列番号5)に配列番号27を、長鎖化核酸3(配列番号10)に配列番号28の合成DNAをそれぞれアニールさせて一部を二本鎖化した。
その後、0.2fmolずつをmiRNA let−7−a(配列番号1)の1E+4〜8コピーと混合し、10μL反応液で、上記(2)記載の反応条件にて、ライゲーションを行った。続いて、15μLの反応液を以下の組成となるよう添加して63℃90分LAMP増幅を行った。LAMP反応液組成は次の通りである:何れも終濃度で20mMのTris−HCl(pH8.8)、30mMのKCl、8mMのMgCl2、10mMの(NH4)SO、0.1%のTween−20、0.8MのBetaine、1.4mMの各dNTP、1.6μMのFIP(配列番号20)、1.6μMのBIP(配列番号21)、0.8μMのLF(配列番号22)、および8UのBst DNA polymerase。反応はいずれも2連で行った。比較として、二本鎖化していない長鎖化核酸を用いたものも同様に増幅した。90分の増幅後、制限酵素 Hinf Iで断片化して電気泳動したところ、図15に示す結果となった。ライゲーションPCと同じバンドパターンが得られ特異増幅されたと判断できたものは、長鎖化核酸を二本鎖化せずに用いた場合には、miRNA 1E+8コピーまでであったが、長鎖化核酸を二本鎖化して用いた場合には、miRNA 1E+7〜6コピーまでで、より低濃度のmiRNAを検出することができた。
以上の結果から、実施形態により複数種類の短鎖核酸を簡便に検出することができることが明らかとなった。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
試料中の複数種類の標的核酸の検出する方法であって、
前記複数の標的核酸は短鎖核酸であり、当該標的核酸間で互いに異なる標的配列をそれぞれ含み、当該標的配列は、5’端側に第1のサブ標的配列を含み、3’端側に第2のサブ標的配列を含み、
前記方法は、
(a)前記複数の標的配列のそれぞれについて、当該標的配列を含む長鎖核酸を得るための長鎖化核酸セット群を準備すること、
ここで、
各長鎖化核酸セットは、第1のサブ長鎖化核酸と第2のサブ長鎖化核酸を含み、
目的とする当該標的配列に対応して、
前記第1のサブ長鎖化核酸は、前記第1のサブ標的配列と同じ配列またはそれに相補的な第1の相補配列を含む第1の標的結合領域を一端に含み、他端側に第1の増幅用領域を含み、
前記第2のサブ長鎖化核酸は、前記第2のサブ標的配列に相補的な第2の相補配列を含む第2の標的結合領域を3’端に含み、および5’端側に第2の増幅用領域を含む、
ここで、前記第1のサブ長鎖化核酸および前記第2のサブ長鎖化核酸の少なくとも一方は、更に検出用領域を含み、前記第1のサブ長鎖化配列が当該検出用領域を含む場合には、当該検出用領域は、前記第1の標的結合領域と前記第1の増幅用領域との間に前記第1の標的結合領域とは重なり合わないように第1の検出用領域として存在し、前記第2のサブ長鎖化配列が当該検出用領域を含む場合には、当該検出用領域は、前記第2の標的結合領域と前記第2の増幅用領域との間に前記第2の標的結合領域とは重なり合わないように第2の検出用領域として存在し、
前記検出用領域は、目的とする当該標的配列に予め対応付けられており、前記複数の標的核酸間で互いに異なる配列を有し、前記長鎖化核酸セットは、第1のサブ長鎖化核酸および第2のサブ長鎖化核酸の少なくとも一方に検出用領域を含み、
(b)前記第1の増幅用領域に結合する第1のプライマーと、前記第2の増幅用領域に結合する第2のプライマーとを含み、前記長鎖化核酸セット群から得られた複数の当該長鎖核酸を共通して増幅するユニバーサルプライマーセットを準備することと、
(c)基体と、前記基体によって提供される第1の反応場に接する面に固定されている複数種類のプローブ群とを含むプローブ固定基体を準備すること、
ここで、前記複数種類のプローブは、
(1)前記複数種類の第1の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列をそれぞれ含む、
(2)前記複数の第1の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列をそれぞれ含む、
(3)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列をそれぞれ含む、および/または
(4)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列をそれぞれ含み
(d)当該試料と、前記(b)で準備された前記長鎖化核酸セット群とを第2の反応場に持ち込み、
前記複数種類の標的核酸のそれぞれと、対応する前記第1のサブ長鎖化核酸および対応する前記第2のサブ長鎖化核酸との間でのアニールおよびライゲーション、および/または核酸伸長によって、前記複数の標的核酸のそれぞれについて、前記第1のサブ長鎖化配列と前記第2のサブ長鎖化配列またはその相補配列とを含む長鎖核酸群を得ることと、
(e)第3の反応場において、前記長鎖核酸群と前記ユニバーサルプライマーセットとを増幅条件下に維持し、それにより増幅産物群を得ることと、
(f)前記第1の反応場において、前記(e)で生じた全ての増幅産物群と前記第1のプローブとの間でのハイブリダイゼーションの有無および/または量を検出することと、
(g)前記(f)の結果に基づいて、前記試料中に存在する前記複数の標的核酸を検出することと
を含む方法。
[2]
[1]に記載の方法であって、前記増幅がPCR法により行われ、
前記複数の標的核酸は第1〜第mの標的核酸であり、ここで、mは2以上の整数であり、
前記複数の標的配列は、前記標的核酸に対応している第1〜第mの標的配列であり、前記第1のサブ標的配列は、複数の前記標的配列に対応している第11〜第1mのサブ標的配列であり、前記第2のサブ標的配列は、複数の前記標的配列に対応している第21〜第2mのサブ標的配列であり、
前記第1の増幅用領域の配列は、前記第11〜第1mのサブ長鎖化核酸間で共通しており、前記第1の増幅用領域は、第1のプライマーの配列に結合する配列を含み、
前記第2の増幅用領域の配列は、前記第21〜第2mのサブ長鎖化核酸間で共通しており、前記第2の増幅用領域は、第2のプライマーの配列に結合する配列を含む
方法。
[3]
[2]に記載の方法であって、
前記長鎖核酸群を得ることが、当該核酸のアニールとライゲーション反応とを含み、
前記第1のサブ長鎖化核酸において、前記第1の標的結合領域が5’端に存在し、前記第1の増幅用領域が3’端側に存在し、リン酸化されている5’端を有し、
前記第1の標的結合領域の配列が、前記第1のサブ標的配列の相補配列である
方法。
[4]
[2]に記載の方法であって、
前記長鎖核酸群を得ることが、DNAポリメラーゼを用いる伸張反応を含み、
前記第1のサブ長鎖化核酸において、前記第1の標的結合領域が3’端に存在し、前記第1の増幅用領域が5’端側に存在し、
前記第1の標的結合領域の配列が、前記第1のサブ標的配列と同じ配列である
方法。
[5]
[1]に記載の方法であって、前記増幅がLAMPにより行われ、
前記標的核酸は第1〜第mの標的核酸であり、ここで、mは2以上の整数であり、
前記複数の標的配列は、前記標的核酸のそれぞれに対応している第1〜第mの標的配列であり、前記第1のサブ標的配列は、前記標的配列のそれぞれに対応している第11〜第1mのサブ標的配列であり、前記第2のサブ標的配列は、前記標的配列のそれぞれに対応している第21〜第2mのサブ標的配列であり、
前記第1の増幅用領域は、F2結合領域であり、更に前記第1のサブ長鎖化核酸はF1結合領域を含み、前記F1結合領域は、前記F2結合領域と第1のサブ標的結合領域との間に存在し、
前記第1の検出用領域が第1のサブ長鎖化配列に含まれる場合、前記第1の検出用領域は、前記第1のサブ長鎖化核酸上で前記F1結合領域とは重複しないようにその隣接する塩基からF2結合領域と重複する領域までの間に存在し、且つF2結合領域に重複しない領域を含み、
前記第2の増幅用領域の配列は、B2結合領域であり、更に前記第2のサブ長鎖化核酸はB1結合領域を含み、前記B1結合領域は、前記B2結合領域と第2のサブ標的結合領域との間に存在し、
前記第2の検出用領域が第2のサブ長鎖化配列に含まれる場合、前記第2の検出用領域は、前記第2のサブ長鎖化核酸上で前記B1結合領域の5’端の5’側塩基からB2結合領域の5’端よりも3’側の範囲に存在し、且つB2結合領域に重複しない領域を含み、
前記第1の検出用領域および第2の検出用領域のうちの少なくとも一方が前記長鎖化核酸セットに含まれており、
前記第1のプライマーが、5’端にF1c配列を含み、3’端にF2配列を含むFIPプライマーであり、
前記第2のプライマーが、5’端にB1c配列を含み、3’端にB2配列を含むBIPプライマーであり、
前記第1の検出用領域が、前記標的配列のそれぞれに対応して第11〜第1mの検出用領域であり、前記第2の検出用領域が、前記標的配列のそれぞれに対応して第21〜第2mの検出用領域であり、
前記プローブが、前記第1の検出用領域および前記第2の検出用領域の存在に依存して第11〜第1mのプローブおよび/または第21〜第2mのプローブである
方法。
[6]
[5]に記載の方法であって、
前記長鎖核酸群を得ることが、当該核酸のアニールとライゲーション反応とを含み、
それぞれの前記複数の標的核酸について、前記第1のサブ標的結合領域は、前記第1の相補配列であり、これは対応する前記第11〜第1mのサブ長鎖化核酸の5’端に存在し、これらはリン酸化されている5’端を有し、
前記第1のプライマー結合領域の配列は、F2c配列であり、前記F1結合領域が、F1c配列であり、前記第1のサブ長鎖化核酸において、前記第1のサブ標的結合領域が5’端に存在し、そこから3’側に向けて前記F1c配列、前記F2c配列がこの順番で存在する
方法。
[7]
[5]に記載の方法であって、
前記長鎖核酸群を得ることが、DNAポリメラーゼを用いる伸張反応を含み、
それぞれの前記複数の標的核酸について、前記第1のサブ標的結合領域は、前記第1のサブ標的結合配列と同じ配列であり、これは対応する前記第11〜第1mのサブ長鎖化核酸の3’端に存在し、
前記第1のプライマー結合領域の配列は、F2配列であり、前記F1結合領域が、F1配列であり、前記第1のサブ長鎖化核酸において、前記第1のサブ標的結合領域が3’端に存在し、そこから5’側に向けて前記F1配列、前記F2配列がこの順番で存在する
方法。
[8]
[4]、[5]または[7]に記載の方法であって、前記DNAポリメラーゼが逆転写酵素である方法。
[9]
[5]〜[8]の何れか1つに記載の方法であって、前記増幅がLAMPにより行われ、
前記第1のプライマーが、少なくともLFプライマーと組合されて第1のプライマーセットとして準備され、前記第1のサブ長鎖化核酸が、更にLF結合領域含み、前記LF結合領域は、前記F1結合領域を含まずにその隣接する塩基から前記F2結合領域と重複する領域の端までの間に存在し、且つF2結合領域に重複しない領域を有する、および/または
前記第2のプライマーが、LBプライマーと組合されて第2のプライマーセットとして準備され、前記第2のサブ長鎖化核酸が、更にLB配列を含み、前記LB配列は、前記B2配列の5’端よりも3’側であり、且つ前記B1配列の5’端よりも5’側に存在し、且つB2配列に重複しない領域を有する
方法。
[10]
[5]〜[9]の何れか1つに記載の方法であって、
前記第1のプライマーが、少なくともF3プライマーと組合されて第1のプライマーセットとして準備され、前記第1のサブ長鎖化核酸が、更にF3結合領域を含み、前記F3結合領域は、前記第1のサブ標的結合領域の存在していない末端に向けて前記F2結合領域よりも外側に存在し、および/または
前記第2のプライマーが、少なくともB3プライマーと組合されて第1のプライマーセットとして準備され、前記第2のサブ長鎖化核酸が、更にB3配列を含み、前記B3配列は、前記B2配列の5’側に存在する
方法。
[11]
[1]〜[10]の何れか1つに記載の方法を用いて、第1〜第nのシリーズを分析する方法であって、前記第1〜第nのシリーズ内のそれぞれについて予め定められた標的核酸群を小項目セットとして含み、前記小項目セットは複数種類の小項目を含んでおり、前記複数種類の小項目が前記複数の標的核酸群のそれぞれを検出することに対応し、
前記複数種類の小項目セットは、互いに独立した数で複数の当該標的核酸を含み、それらの数は互いに同じであるか、異なっており、
前記プローブ固定基体は、前記第1〜第nのシリーズで共通するユニバーサルプローブ固定基体であり、nは2以上の整数であり
前記シリーズのそれぞれについて、当該シリーズ毎に独立して当該小項目セットに対応する当該複数種類の標的核酸を検出するために、前記(a)〜前記(g)を行い、更に、
(h)前記(g)の結果に基づいて、前記第1〜第nのシリーズのそれぞれについての分析結果を得ること、
(i)所望に応じて、第n+(1〜s)の更なるシリーズについて追加して前記(a)〜前記(g)を行い、その結果に基づいて前記第n+(1〜s)の更なるシリーズについての分析結果をそれぞれ得ること、ここで、sは2以上の整数である
を含む方法。
[12]
[11]に記載の方法であって、
当該第1〜第nの小項目セットがそれぞれに含む当該小項目数は、m1個〜mn個であり、第1〜第nの小項目セット群における最大値はmmaxであり、mおよびnは互いに独立して2以上の整数であり、
前記第1〜第nのシリーズのうちの任意の第xのシリーズは、対応する当該第xの小項目セットを用いて分析され、当該第xの小項目セットは、第1x〜第mxの小項目を含み、1≦mx≦mmaxである
方法。
[13]
[1]〜[12]の何れか1つに記載の方法であって、
前記第1の反応場と前記第3の反応場が共通した1つの反応場であり、前記増幅反応と前記検出信号の検出および/または測定を同期間内に進行させ、そこにおいて前記検出信号を継続してモニタリングする、または経時的に複数の時点で検出若しくは測定する方法。
[14]
[1]〜[13]の何れか1つに記載の方法であって、
前記第1のサブ長鎖化核酸および第2のサブ長鎖化核酸が、その一部にLNAまたはPNAを含む方法。
[15]
[1]〜[14]の何れか1つに記載の方法であって、
前記第1のサブ長鎖化核酸および第2のサブ長鎖化核酸がそれぞれ第1の標的結合領域および第2の標的結合領域を除く少なくとも一部分が二本鎖である
方法。
[16]
短鎖の複数種類の標的核酸について同時期内に検出するための組み合わせ分析キットであって
当該キットは、
(1)互いに異なる配列をそれぞれ有する複数の標的配列をそれぞれに含む複数の標的核酸のそれぞれを長鎖化し、複数の長鎖核酸を形成し、前記長鎖核酸の増幅産物を得るための試薬と、
(2)前記試薬と組合されて提供される、前記増幅産物を検出するための少なくとも1つのプローブ固定基体と
を備え、ここで、
前記複数の標的核酸のそれぞれは、5’端に第1のサブ標的配列を有し、3’端に第2のサブ標的配列を有する短鎖核酸であり、
(1−1)前記試薬が、
(a)前記複数の標的核酸のそれぞれに対応する第1のサブ長鎖化核酸および第2のサブ長鎖化核酸を含む複数の長鎖化核酸群と、
ここで、
前記第1のサブ長鎖化核酸は、前記第1のサブ標的配列またはそれに相補的な第1の相補配列を含む第1の標的結合領域を一端に含み、他端に第1の増幅用領域を含み、
前記第2のサブ長鎖化核酸は、前記第2のサブ標的配列またはそれに相補的な第2の相補配列を含む第2の標的結合領域を3’端に含み、5’端側に第2の増幅用領域を含み、
ここで、前記第1のサブ長鎖化配列および前記第2のサブ長鎖化配列の少なくとも何れか一方は更に、予め前記複数の標的配列のそれぞれに対応付けられ、互いに異なる配列を有する複数の検出用領域のうちの対応する1種類の検出用領域を含み、
第1のサブ長鎖化配列が第1の当該検出用領域を含む場合には、それは前記第1の標的結合領域と第1の増幅用領域との間に前記第1の標的結合領域とは重なり合わないように存在し、第2のサブ長鎖化配列が第2の当該検出用領域を含む場合には、それは前記第2の標的結合領域と第2の増幅用領域との間に第2の標的結合領域とは重なり合わないように存在し、
(b)前記複数の標的核酸間で共通する配列を含む、前記第1の増幅用領域に結合する第1のプライマーと、前記複数の標的核酸間で共通する配列を含む、前記第2の増幅用領域に結合する第2のプライマーとを含むプライマーセットと、
を含み、
(2−1)前記プローブ固定基体は、
基体と、
前記基体によって提供される第1の反応場に接する面に固定されている複数のプローブとを含み、
ここで、前記複数のプローブは、
(1)前記複数の第1の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列をそれぞれ含む、
(2)前記複数の第1の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列をそれぞれ含む、
(3)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列をそれぞれ含む、および/または
(4)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列をそれぞれ含む
を備える
キット。
[17]
[16]に記載のキットであって、前記プライマーセットがPCRのためのものであり、
前記第1のプライマーと第1のプライマーとの組み合わせが、フォワードプライマーとリバースプライマーとの組み合わせであり、
前記複数の標的核酸は第1〜第mの標的核酸であり、ここで、mは2以上の整数であり、
前記複数の標的配列は、前記標的核酸に対応して第1〜第mの標的配列であり、前記第1のサブ標的配列は、前記複数の標的配列に対応して第11〜第1mのサブ標的配列あり、前記第2のサブ標的配列は、前記複数の標的配列に対応して第21〜第2mのサブ標的配列であり、
前記第1の増幅用領域の配列は、前記第11〜第1mのサブ長鎖化核酸間で共通しており、前記第1の増幅用領域は、第1のプライマーの配列に結合する配列を含み、
前記第2の増幅用領域の配列は、前記第21〜第2mのサブ長鎖化核酸間で共通しており、前記第2の増幅用領域は、第2のプライマーの配列に結合する配列を含む
キット。
[18]
[16]に記載のキットであって、前記増幅条件がLAMPの反応条件であり、
前記標的核酸は第1〜第mの標的核酸であり、ここで、mは2以上の整数であり、
前記複数の標的配列は、複数の前記標的核酸のそれぞれに対応している第1〜第mの標的配列であり、前記第1のサブ標的配列は、複数の前記標的配列のそれぞれに対応している第11〜第1mのサブ標的配列であり、前記第2のサブ標的配列は、前記標的配列のそれぞれに対応している第21〜第2mのサブ標的配列であり、
前記第1の増幅用領域は、F2結合領域であり、更に前記第1のサブ長鎖化核酸はF1結合領域を含み、前記F1結合領域は、前記F2結合領域と第1のサブ標的結合領域との間に存在し、
前記第1の検出用領域が第1のサブ長鎖化配列に含まれる場合、前記第1の検出用領域は、前記第1のサブ長鎖化核酸上で前記F1結合領域とは重複しないようにその隣接する塩基からF2結合領域と重複する領域までの間に存在し、且つF2結合領域に重複しない領域を含み、
前記第2の増幅用領域の配列は、B2結合領域であり、更に前記第2のサブ長鎖化核酸はB1結合領域を含み、前記B1結合領域は、前記B2結合領域と第2のサブ標的結合領域との間に存在し、
前記第2の検出用領域が第2のサブ長鎖化配列に含まれる場合、前記第2の検出用領域は、前記第2のサブ長鎖化核酸上で前記B1結合領域の5’端の5’側塩基からB2結合領域の5’端よりも3’側の範囲に存在し、
前記第1のプライマーが、5’端にF1c配列を含み、3’端にF2配列を含むFIPプライマーであり、
前記第2のプライマーが、5’端にB1c配列を含み、3’端にB2配列を含むBIPプライマーであり、
前記第1の検出用領域が、前記標的配列のそれぞれに対応して第11〜第1mの検出用領域であり、前記第2の検出用領域が、前記標的配列のそれぞれに対応して第21〜第2mの検出用領域であり、
前記プローブが、前記第1の検出用領域および/または前記第2の検出用領域に対応して第11〜第1mのプローブおよび/または第21〜第2mのプローブである
キット。
[19]
[16]〜[18]の何れか1つに記載の組み合わせ分析キットであって
上記(1)の前記試薬が、第1のシリーズに対応付けられた第1の試薬であり、前記第1の試薬のための前記複数の標的配列が、前記第1のシリーズに関連する標的核酸群であり、
当該組み合わせ分析キットは、更に、
(3)上記(1)の前記第1の試薬と組み合わせて提供される、第2〜第nのシリーズにそれぞれ対応付けられた第2〜第nの試薬のうちの少なくとも1つ、
ここで、
第2〜第nの試薬のそれぞれは、当該第2〜第nのシリーズ毎に対応付けられた[16]〜[18]の何れか1つに記載の当該試薬であり、前記シリーズ内で互いに異なる配列をそれぞれ有する複数の当該標的配列をそれぞれに含む複数の当該標的核酸のそれぞれを長鎖化し、複数の当該長鎖核酸を形成し、前記長鎖核酸の増幅産物を得るための試薬である;および/または
(4)上記(1)および/または上記(3)の当該第2〜第nの試薬のうちの少なくとも1つと組合されて提供される、[16]に記載の前記プローブ固定基体;
を備え、
ここで、
前記第1〜第nのシリーズ毎に予め定められたm1〜mn個の小項目をそれぞれに含む第1〜第nの小項目セットが設定されており、当該第1〜第nの小項目セットがそれぞれに含む当該小項目数は、m1個〜mn個であり、m1〜mnは互いに同じであるか、異なっており、第1〜第nの小項目セットにおける最大値はmmaxであり、mおよびnは互いに独立して2以上の整数であり、当該第1〜第nのシリーズのそれぞれに含まれる当該小項目の種類は、前記シリーズ間で少なくとも一部分が互いに異なっており、
前記第1〜第nのシリーズのうちの任意の第xのシリーズは、対応する当該第xの小項目セットを用いて分析され、当該第xの小項目セットは、第1x〜第mxの小項目を含み、1≦mx≦mmaxであり、
前記第1x〜第mxの小項目は、互いに異なる配列を有する第1〜第mxの当該標的配列をそれぞれに有する第1x〜第mxの当該標的核酸の存在または存在量に関する情報をそれぞれ得ることであり、前記第xの小項目セットに含まれる前記第1〜第mxの標的配列は、前記第xのシリーズ内で共通するのテーマに関連する標的核酸群であり、
前記第1x〜第mxの標的配列のそれぞれが、5’端に第11x〜第1mxの当該サブ標的配列をそれぞれ含み、3’端には第21x〜第2mxの当該サブ標的配列をそれぞれ含んでいる
キット。
[20]
[16]〜[19]に記載の組み合わせ分析キットの供給管理方法であって、
− それを有する場所とを紐付けられた、前記キットに含まれる当該長鎖化核酸セットおよび当該プローブ固定基体に関する在庫情報を互いに独立して記憶しているデータベースを構築することと、
− 当該キットを使用者からのオーダーを受けた管理システムが、前記オーダー内容に応じて前記データベース中の当該在庫情報を検索し、そこに含まれる当該情報の中から予め定められた条件に従って使用者に送られる当該キットまたは当該長鎖化核酸セット若しくは当該プローブ固定基体を在庫として有する場所を決定し、当該場所から前記使用者に対して、前記使用者に送る指示を出すことと、
を備える
方法。

Claims (20)

  1. 試料中の複数種類の標的核酸の検出する方法であって、
    前記複数の標的核酸は短鎖核酸であり、当該標的核酸間で互いに異なる標的配列をそれぞれ含み、当該標的配列は、5’端側に第1のサブ標的配列を含み、3’端側に第2のサブ標的配列を含み、
    前記方法は、
    (a)前記複数の標的配列のそれぞれについて、当該標的配列を含む長鎖核酸を得るための長鎖化核酸セット群を準備すること、
    ここで、
    各長鎖化核酸セットは、第1のサブ長鎖化核酸と第2のサブ長鎖化核酸を含み、
    目的とする当該標的配列に対応して、
    前記第1のサブ長鎖化核酸は、前記第1のサブ標的配列と同じ配列またはそれに相補的な第1の相補配列を含む第1の標的結合領域を一端に含み、他端側に第1の増幅用領域を含み、
    前記第2のサブ長鎖化核酸は、前記第2のサブ標的配列に相補的な第2の相補配列を含む第2の標的結合領域を3’端に含み、および5’端側に第2の増幅用領域を含む、
    ここで、前記第1のサブ長鎖化核酸および前記第2のサブ長鎖化核酸の少なくとも一方は、更に検出用領域を含み、前記第1のサブ長鎖化配列が当該検出用領域を含む場合には、当該検出用領域は、前記第1の標的結合領域と前記第1の増幅用領域との間に前記第1の標的結合領域とは重なり合わないように第1の検出用領域として存在し、前記第2のサブ長鎖化配列が当該検出用領域を含む場合には、当該検出用領域は、前記第2の標的結合領域と前記第2の増幅用領域との間に前記第2の標的結合領域とは重なり合わないように第2の検出用領域として存在し、
    前記検出用領域は、目的とする当該標的配列に予め対応付けられており、前記複数の標的核酸間で互いに異なる配列を有し、前記長鎖化核酸セットは、第1のサブ長鎖化核酸および第2のサブ長鎖化核酸の少なくとも一方に検出用領域を含み、
    (b)前記第1の増幅用領域に結合する第1のプライマーと、前記第2の増幅用領域に結合する第2のプライマーとを少なくとも含み、前記長鎖化核酸セット群から得られた複数の当該長鎖核酸を共通して増幅するユニバーサルLAMPプライマーセットを準備することと、
    (c)基体と、前記基体によって提供される第1の反応場に接する面に固定されている複数種類のプローブ群とを含むプローブ固定基体を準備すること、
    ここで、前記複数種類のプローブは、
    (1)前記複数種類の第1の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列、
    (2)前記複数の第1の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列、
    (3)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列、
    (4)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列
    のうち、(1)ないし(4)の配列の少なくとも1つをそれぞれ含み、
    (d)当該試料と、前記()で準備された前記長鎖化核酸セット群とを第2の反応場に持ち込み、
    前記複数種類の標的核酸のそれぞれと、対応する前記第1のサブ長鎖化核酸および対応する前記第2のサブ長鎖化核酸との間でのアニールおよびライゲーション、および/または核酸伸長によって、前記複数の標的核酸のそれぞれについて、前記第1のサブ長鎖化配列と前記第2のサブ長鎖化配列またはその相補配列とを含む長鎖核酸群を得ることと、
    (e)前記第1の反応場において、前記長鎖核酸群と前記ユニバーサルLAMPプライマーセットとをLAMP条件下に維持し、それにより増幅産物群を得ることと、
    (f)前記第1の反応場において、前記(e)で生じた全ての増幅産物群と前記複数種類のプローブとの間でのハイブリダイゼーションの有無および/または量を検出することと、
    (g)前記(f)の結果に基づいて、前記試料中に存在する前記複数の標的核酸を検出することと
    を含む方法。
  2. 試料中の複数種類の標的核酸の検出する方法であって、
    前記複数の標的核酸は短鎖核酸であり、当該標的核酸間で互いに異なる標的配列をそれぞれ含み、当該標的配列は、5’端側に第1のサブ標的配列を含み、3’端側に第2のサブ標的配列を含み、
    前記方法は、
    (a)前記複数の標的配列のそれぞれについて、当該標的配列を含む長鎖核酸を得るための長鎖化核酸セット群を準備すること、
    ここで、
    各長鎖化核酸セットは、第1のサブ長鎖化核酸と第2のサブ長鎖化核酸を含み、
    目的とする当該標的配列に対応して、
    前記第1のサブ長鎖化核酸は、前記第1のサブ標的配列と同じ配列またはそれに相補的な第1の相補配列を含む第1の標的結合領域を一端に含み、他端側に第1の増幅用領域を含み、
    前記第2のサブ長鎖化核酸は、前記第2のサブ標的配列に相補的な第2の相補配列を含む第2の標的結合領域を3’端に含み、および5’端側に第2の増幅用領域を含む、
    ここで、前記第1のサブ長鎖化核酸および前記第2のサブ長鎖化核酸の少なくとも一方は、更に検出用領域を含み、前記第1のサブ長鎖化配列が当該検出用領域を含む場合には、当該検出用領域は、前記第1の標的結合領域と前記第1の増幅用領域との間に前記第1の標的結合領域とは重なり合わないように第1の検出用領域として存在し、前記第2のサブ長鎖化配列が当該検出用領域を含む場合には、当該検出用領域は、前記第2の標的結合領域と前記第2の増幅用領域との間に前記第2の標的結合領域とは重なり合わないように第2の検出用領域として存在し、
    前記検出用領域は、目的とする当該標的配列に予め対応付けられており、前記複数の標的核酸間で互いに異なる配列を有し、前記長鎖化核酸セットは、第1のサブ長鎖化核酸および第2のサブ長鎖化核酸の少なくとも一方に検出用領域を含み、
    (b)前記第1の増幅用領域に結合する第1のプライマーと、前記第2の増幅用領域に結合する第2のプライマーとを少なくとも含み、前記長鎖化核酸セット群から得られた複数の当該長鎖核酸を共通して増幅するユニバーサルLAMPプライマーセットを準備することと、
    (c)基体と、前記基体によって提供される第1の反応場に接する面に固定されている複数種類のプローブ群とを含むプローブ固定基体を準備すること、
    ここで、前記複数種類のプローブは、
    (1)前記複数種類の第1の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列、
    (2)前記複数の第1の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列、
    (3)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列、
    (4)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列
    のうち、(1)ないし(4)の配列の少なくとも1つをそれぞれ含み、
    (d)当該試料と、前記()で準備された前記長鎖化核酸セット群とを第2の反応場に持ち込み、
    前記複数種類の標的核酸のそれぞれと、対応する前記第1のサブ長鎖化核酸および対応する前記第2のサブ長鎖化核酸との間でのアニールおよびライゲーション、および/または核酸伸長によって、前記複数の標的核酸のそれぞれについて、前記第1のサブ長鎖化配列と前記第2のサブ長鎖化配列またはその相補配列とを含む長鎖核酸群を得ることと、
    (e)前記第1の反応場と連結される第3の反応場において、前記長鎖核酸群と前記ユニバーサルLAMPプライマーセットとをLAMP条件下に維持し、それにより増幅産物群を得ることと、
    (f)前記第1の反応場において、前記(e)で生じた全ての増幅産物群と前記複数種類のプローブとの間でのハイブリダイゼーションの有無および/または量を検出することと、
    (g)前記(f)の結果に基づいて、前記試料中に存在する前記複数の標的核酸を検出することと、
    を含む方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって
    前記標的核酸は第1〜第mの標的核酸であり、ここで、mは2以上の整数であり、
    前記複数の標的配列は、前記標的核酸のそれぞれに対応している第1〜第mの標的配列であり、前記第1のサブ標的配列は、前記標的配列のそれぞれに対応している第11〜第1mのサブ標的配列であり、前記第2のサブ標的配列は、前記標的配列のそれぞれに対応している第21〜第2mのサブ標的配列であり、
    前記第1の増幅用領域は、F2結合領域であり、更に前記第1のサブ長鎖化核酸はF1結合領域を含み、前記F1結合領域は、前記F2結合領域と第1のサブ標的結合領域との間に存在し、
    前記第1の検出用領域が第1のサブ長鎖化配列に含まれる場合、前記第1の検出用領域は、前記第1のサブ長鎖化核酸上で前記F1結合領域とは重複しないようにその隣接する塩基からF2結合領域と重複する領域までの間に存在し、且つF2結合領域に重複しない領域を含み、
    前記第2の増幅用領域の配列は、B2結合領域であり、更に前記第2のサブ長鎖化核酸はB1結合領域を含み、前記B1結合領域は、前記B2結合領域と第2のサブ標的結合領域との間に存在し、
    前記第2の検出用領域が第2のサブ長鎖化配列に含まれる場合、前記第2の検出用領域は、前記第2のサブ長鎖化核酸上で前記B1結合領域の5’端の5’側塩基からB2結合領域の5’端よりも3’側の範囲に存在し、且つB2結合領域に重複しない領域を含み、
    前記第1の検出用領域および第2の検出用領域のうちの少なくとも一方が前記長鎖化核酸セットに含まれており、
    前記第1のプライマーが、5’端にF1c配列を含み、3’端にF2配列を含むFIPプライマーであり、
    前記第2のプライマーが、5’端にB1c配列を含み、3’端にB2配列を含むBIPプライマーであり、
    前記第1の検出用領域が、前記標的配列のそれぞれに対応して第11〜第1mの検出用領域であり、前記第2の検出用領域が、前記標的配列のそれぞれに対応して第21〜第2mの検出用領域であり、
    前記プローブが、前記第1の検出用領域および前記第2の検出用領域の存在に依存して第11〜第1mのプローブおよび/または第21〜第2mのプローブである
    方法。
  4. 請求項に記載の方法であって、
    前記長鎖核酸群を得ることが、当該核酸のアニールとライゲーション反応とを含み、
    それぞれの前記複数の標的核酸について、前記第1のサブ標的結合領域は、前記第1の相補配列であり、これは対応する前記第11〜第1mのサブ長鎖化核酸の5’端に存在し、これらはリン酸化されている5’端を有し、
    前記第1のプライマー結合領域の配列は、F2c配列であり、前記F1結合領域が、F1c配列であり、前記第1のサブ長鎖化核酸において、前記第1のサブ標的結合領域が5’端に存在し、そこから3’側に向けて前記F1c配列、前記F2c配列がこの順番で存在する
    方法。
  5. 請求項に記載の方法であって、
    前記長鎖核酸群を得ることが、DNAポリメラーゼを用いる伸張反応を含み、
    それぞれの前記複数の標的核酸について、前記第1のサブ標的結合領域は、前記第1のサブ標的結合配列と同じ配列であり、これは対応する前記第11〜第1mのサブ長鎖化核酸の3’端に存在し、
    前記第1のプライマー結合領域の配列は、F2配列であり、前記F1結合領域が、F1配列であり、前記第1のサブ長鎖化核酸において、前記第1のサブ標的結合領域が3’端に存在し、そこから5’側に向けて前記F1配列、前記F2配列がこの順番で存在する
    方法。
  6. 請求項に記載の方法であって、前記DNAポリメラーゼが逆転写酵素である方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の方法であって
    前記第1のプライマーが、少なくともLFプライマーと組合されて第1のプライマーセットとして準備され、前記第1のサブ長鎖化核酸が、更にLF結合領域含み、前記LF結合領域は、前記F1結合領域を含まずにその隣接する塩基から前記F2結合領域と重複する領域の端までの間に存在し、且つF2結合領域に重複しない領域を有する、および/または
    前記第2のプライマーが、LBプライマーと組合されて第2のプライマーセットとして準備され、前記第2のサブ長鎖化核酸が、更にLB配列を含み、前記LB配列は、前記B2配列の5’端よりも3’側であり、且つ前記B1配列の5’端よりも5’側に存在し、且つB2配列に重複しない領域を有する
    方法。
  8. 前記請求項1〜7の何れか1項に記載の方法であって、
    前記第1のプライマーが、少なくともF3プライマーと組合されて第1のプライマーセットとして準備され、前記第1のサブ長鎖化核酸が、更にF3結合領域を含み、前記F3結合領域は、前記第1のサブ標的結合領域の存在していない末端に向けて前記F2結合領域よりも外側に存在し、および/または
    前記第2のプライマーが、少なくともB3プライマーと組合されて第1のプライマーセットとして準備され、前記第2のサブ長鎖化核酸が、更にB3配列を含み、前記B3配列は、前記B2配列の5’側に存在する
    方法。
  9. 請求項1〜の何れか1項に記載の方法を用いて、第1〜第nのシリーズを分析する方法であって、前記第1〜第nのシリーズ内のそれぞれについて予め定められた標的核酸群を小項目セットとして含み、前記小項目セットは複数種類の小項目を含んでおり、前記複数種類の小項目が前記複数の標的核酸群のそれぞれを検出することに対応し、
    前記複数種類の小項目セットは、互いに独立した数で複数の当該標的核酸を含み、それらの数は互いに同じであるか、異なっており、
    前記プローブ固定基体は、前記第1〜第nのシリーズで共通するユニバーサルプローブ固定基体であり、nは2以上の整数であり
    前記シリーズのそれぞれについて、当該シリーズ毎に独立して当該小項目セットに対応する当該複数種類の標的核酸を検出するために、前記(a)〜前記(g)を行い、更に、
    (h)前記(g)の結果に基づいて、前記第1〜第nのシリーズのそれぞれについての分析結果を得ること、
    (i)所望に応じて、第n+(1〜s)の更なるシリーズについて追加して前記(a)〜前記(g)を行い、その結果に基づいて前記第n+(1〜s)の更なるシリーズについての分析結果をそれぞれ得ること、ここで、sは2以上の整数である
    を含む方法。
  10. 請求項に記載の方法であって、
    当該第1〜第nの小項目セットがそれぞれに含む当該小項目数は、m1個〜mn個であり、第1〜第nの小項目セット群における最大値はmmaxであり、mおよびnは互いに独立して2以上の整数であり、
    前記第1〜第nのシリーズのうちの任意の第xのシリーズは、対応する当該第xの小項目セットを用いて分析され、当該第xの小項目セットは、第1x〜第mxの小項目を含み、1≦mx≦mmaxである
    方法。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の方法であって、
    増幅産物群を得ること及びハイブリダイゼーションの有無および/または量を検出することを同期間内に進行させ、前記ハイブリダイゼーションの有無および/または量を継続してモニタリングする、または経時的に複数の時点で検出若しくは測定する方法。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の方法であって、
    前記第1のサブ長鎖化核酸および第2のサブ長鎖化核酸が、その一部にLNAまたはPNAを含む方法。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載の方法であって、
    前記第1のサブ長鎖化核酸および第2のサブ長鎖化核酸がそれぞれ第1の標的結合領域および第2の標的結合領域を除く少なくとも一部分が二本鎖である
    方法。
  14. 短鎖の複数種類の標的核酸について同時期内に検出するための組み合わせ分析キットであって
    当該キットは、
    (1)互いに異なる配列をそれぞれ有する複数の標的配列をそれぞれに含む複数の標的核酸のそれぞれを長鎖化し、複数の長鎖核酸を形成し、前記長鎖核酸の増幅産物を得るための試薬と、
    (2)前記試薬と組合されて提供される、前記複数の長鎖核酸の増幅と前記増幅産物検出とを同一反応場内で行うための少なくとも1つのプローブ固定基体と
    を備え、ここで、
    前記複数の標的核酸のそれぞれは、5’端に第1のサブ標的配列を有し、3’端に第2のサブ標的配列を有する短鎖核酸であり、
    (1−1)前記試薬が、
    (a)前記複数の標的核酸のそれぞれに対応する第1のサブ長鎖化核酸および第2のサブ長鎖化核酸を含む複数の長鎖化核酸群と、
    ここで、
    前記第1のサブ長鎖化核酸は、前記第1のサブ標的配列またはそれに相補的な第1の相補配列を含む第1の標的結合領域を一端に含み、他端に第1の増幅用領域を含み、
    前記第2のサブ長鎖化核酸は、前記第2のサブ標的配列またはそれに相補的な第2の相補配列を含む第2の標的結合領域を3’端に含み、5’端側に第2の増幅用領域を含み、
    ここで、前記第1のサブ長鎖化配列および前記第2のサブ長鎖化配列の少なくとも何れか一方は更に、予め前記複数の標的配列のそれぞれに対応付けられ、互いに異なる配列を有する複数の検出用領域のうちの対応する1種類の検出用領域を含み、
    第1のサブ長鎖化配列が第1の当該検出用領域を含む場合には、それは前記第1の標的結合領域と第1の増幅用領域との間に前記第1の標的結合領域とは重なり合わないように存在し、第2のサブ長鎖化配列が第2の当該検出用領域を含む場合には、それは前記第2の標的結合領域と第2の増幅用領域との間に第2の標的結合領域とは重なり合わないように存在し、
    (b)前記複数の標的核酸間で共通する配列を含む、前記第1の増幅用領域に結合する第1のプライマーと、前記複数の標的核酸間で共通する配列を含む、前記第2の増幅用領域に結合する第2のプライマーとを少なくとも含むユニバーサルLAMPプライマーセットと、
    を含み、
    (2−1)前記プローブ固定基体は、
    基体と、
    前記基体によって提供される第1の反応場に接する面に固定されている複数のプローブとを含み、
    ここで、前記複数のプローブは、
    (1)前記複数の第1の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列、
    (2)前記複数の第1の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列、
    (3)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列、
    (4)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配
    のうち、(1)ないし(4)の配列の少なくとも1つをそれぞれ備える
    キット。
  15. 請求項14に記載のキットであって
    前記標的核酸は第1〜第mの標的核酸であり、ここで、mは2以上の整数であり、
    前記複数の標的配列は、複数の前記標的核酸のそれぞれに対応している第1〜第mの標的配列であり、前記第1のサブ標的配列は、複数の前記標的配列のそれぞれに対応している第11〜第1mのサブ標的配列であり、前記第2のサブ標的配列は、前記標的配列のそれぞれに対応している第21〜第2mのサブ標的配列であり、
    前記第1の増幅用領域は、F2結合領域であり、更に前記第1のサブ長鎖化核酸はF1結合領域を含み、前記F1結合領域は、前記F2結合領域と第1のサブ標的結合領域との間に存在し、
    前記第1の検出用領域が第1のサブ長鎖化配列に含まれる場合、前記第1の検出用領域は、前記第1のサブ長鎖化核酸上で前記F1結合領域とは重複しないようにその隣接する塩基からF2結合領域と重複する領域までの間に存在し、且つF2結合領域に重複しない領域を含み、
    前記第2の増幅用領域の配列は、B2結合領域であり、更に前記第2のサブ長鎖化核酸はB1結合領域を含み、前記B1結合領域は、前記B2結合領域と第2のサブ標的結合領域との間に存在し、
    前記第2の検出用領域が第2のサブ長鎖化配列に含まれる場合、前記第2の検出用領域は、前記第2のサブ長鎖化核酸上で前記B1結合領域の5’端の5’側塩基からB2結合領域の5’端よりも3’側の範囲に存在し、
    前記第1のプライマーが、5’端にF1c配列を含み、3’端にF2配列を含むFIPプライマーであり、
    前記第2のプライマーが、5’端にB1c配列を含み、3’端にB2配列を含むBIPプライマーであり、
    前記第1の検出用領域が、前記標的配列のそれぞれに対応して第11〜第1mの検出用領域であり、前記第2の検出用領域が、前記標的配列のそれぞれに対応して第21〜第2mの検出用領域であり、
    前記プローブが、前記第1の検出用領域および/または前記第2の検出用領域に対応して第11〜第1mのプローブおよび/または第21〜第2mのプローブである
    キット。
  16. 請求項14又は15に記載の組み合わせ分析キットであって
    上記(1)の前記試薬が、第1のシリーズに対応付けられた第1の試薬であり、前記第1の試薬のための前記複数の標的配列が、前記第1のシリーズに関連する標的核酸群であり、
    当該組み合わせ分析キットは、更に、
    (3)上記(1)の前記第1の試薬と組み合わせて提供される、第2〜第nのシリーズにそれぞれ対応付けられた第2〜第nの試薬のうちの少なくとも1つ、
    ここで、
    第2〜第nの試薬のそれぞれは、当該第2〜第nのシリーズ毎に対応付けられた請求項16〜18の何れか1項に記載の当該試薬であり、前記シリーズ内で互いに異なる配列をそれぞれ有する複数の当該標的配列をそれぞれに含む複数の当該標的核酸のそれぞれを長鎖化し、複数の当該長鎖核酸を形成し、前記長鎖核酸の増幅産物を得るための試薬である;および/または
    (4)上記(1)および/または上記(3)の当該第2〜第nの試薬のうちの少なくとも1つと組合されて提供される、請求項16に記載の前記プローブ固定基体;
    を備え、
    ここで、
    前記第1〜第nのシリーズ毎に予め定められたm1〜mn個の小項目をそれぞれに含む第1〜第nの小項目セットが設定されており、当該第1〜第nの小項目セットがそれぞれに含む当該小項目数は、m1個〜mn個であり、m1〜mnは互いに同じであるか、異なっており、第1〜第nの小項目セットにおける最大値はmmaxであり、mおよびnは互いに独立して2以上の整数であり、当該第1〜第nのシリーズのそれぞれに含まれる当該小項目の種類は、前記シリーズ間で少なくとも一部分が互いに異なっており、
    前記第1〜第nのシリーズのうちの任意の第xのシリーズは、対応する当該第xの小項目セットを用いて分析され、当該第xの小項目セットは、第1x〜第mxの小項目を含み、1≦mx≦mmaxであり、
    前記第1x〜第mxの小項目は、互いに異なる配列を有する第1〜第mxの当該標的配列をそれぞれに有する第1x〜第mxの当該標的核酸の存在または存在量に関する情報をそれぞれ得ることであり、前記第xの小項目セットに含まれる前記第1〜第mxの標的配列は、前記第xのシリーズ内で共通するのテーマに関連する標的核酸群であり、
    前記第1x〜第mxの標的配列のそれぞれが、5’端に第11x〜第1mxの当該サブ標的配列をそれぞれ含み、3’端には第21x〜第2mxの当該サブ標的配列をそれぞれ含んでいる
    キット。
  17. 請求項14〜16の何れか1項に記載の組み合わせ分析キットであって、
    前記複数の長鎖核酸の増幅と前記増幅産物の検出とを同一反応場内で同期間内に行うための少なくとも1つのプローブ固定基体と
    を備えるキット。
  18. 請求項14〜16に記載の組み合わせ分析キットの供給管理方法であって、
    − それを有する場所とを紐付けられた、前記キットに含まれる当該長鎖化核酸セットおよび当該プローブ固定基体に関する在庫情報を互いに独立して記憶しているデータベースを構築することと、
    − 当該キットを使用者からのオーダーを受けた管理システムが、前記オーダー内容に応じて前記データベース中の当該在庫情報を検索し、そこに含まれる当該情報の中から予め定められた条件に従って使用者に送られる当該キットまたは当該長鎖化核酸セット若しくは当該プローブ固定基体を在庫として有する場所を決定し、当該場所から前記使用者に対して、前記使用者に送る指示を出すことと、
    を備える
    方法。
  19. 請求項1〜13の何れか1項に記載の方法に用いる、
    試料中の、短鎖核酸である複数種類の標的核酸を、複数種類の長鎖化核酸セットを用いてそれぞれ長鎖化して得られる複数種類の長鎖核酸の増幅反応と、前記増幅反応によって得られる増幅産物の検出とを同一反応場内で行うためのプローブ固定基体であって、
    基体と、
    前記基体によって提供される第1の反応場に接する面に固定されている複数のプローブと、
    前記第1の反応場に接する面に遊離可能に固定されている、前記複数の長鎖核酸を増幅するための一種類のユニバーサルLAMPプライマーセットと
    を含み、
    前記複数のプローブは、
    (1)前記複数の長鎖化核酸セットにそれぞれ含まれる第1のサブ長鎖化核酸の第1の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列、
    (2)前記第1の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列、
    (3)前記複数の長鎖化核酸セットにそれぞれ含まれる第2のサブ長鎖化核酸の第2の検出用領域の配列のそれぞれと同じ配列、
    (4)前記複数の第2の検出用領域の配列のそれぞれに対する相補配列
    のうち、(1)ないし(4)の配列の少なくとも1つをそれぞれ含むプローブ固定基体。
  20. 前記第1の反応場は流路であり、
    前記一種類のユニバーサルLAMPプライマーセットは、前記流路の上流側の端に位置する、前記第1の反応場に接する面に遊離可能に固定されている、請求項19に記載のプローブ固定基体。
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