JP2006067914A - 短鎖核酸の検出方法 - Google Patents

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Hidenori Horiuchi
秀紀 堀内
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Abstract

【課題】標的配列を有する短鎖核酸の検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】標的配列を有する短鎖核酸に対応する長鎖核酸鎖を用い、短鎖核酸の存在下において長鎖核酸鎖を固定化することによって、単独では検出が困難である短鎖核酸を検出する方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、短鎖核酸の検出方法、短鎖核酸の検出に用いるための核酸鎖、及び短鎖核酸の検出に用いるためのアッセイキットに関する。
特定の配列を含む核酸鎖を検出する方法としては、標的とする配列と相補的な配列を有する核酸鎖をプローブとして基体に固定し、このプローブに標的配列を有する核酸鎖をハイブリダイズさせる方法が代表的である。例えば特許文献1及び2には、ハイブリダイゼーションの効率を改善した方法が開示されている。一般に、これらの方法では核酸鎖を蛍光分子等のレポーター分子で標識し、該レポーター分子を検出することによって、固定化された核酸鎖を検出する。
近年、RNA干渉(RNA interference:RNAi)に関係する小さなRNAが注目されている。現在知られている小さなRNAにはsiRNA(small interference RNA)、miRNA(micro RNA)があり、siRNAは21〜23塩基の二本鎖RNA、miRNAは21〜25塩基の一本鎖RNAである。これらのRNAは医療分野などにおいて様々な用途への応用が期待されているが、生体内における血中濃度、細胞内挙動などを解析するためには、これらの短いRNA断片を検出することが必要である。
しかしながら、このような短い核酸断片を検出する場合は、核酸鎖が短いために多数のレポーター分子を結合することができず、従ってレポーター分子から得られる信号が微量なために検出が困難であるという問題があった。
また、短鎖核酸が二本鎖を形成している場合、まず熱変性などの手段によって一本鎖にした後にハイブリダイゼーションに供する必要がある。しかしながら、熱変性されて一本鎖になった短鎖核酸は、自由度の少ない固相上のプローブとハイブリダイズするよりも、溶液中を浮遊している相補鎖と再びハイブリダイズする確率の方が高く、プローブとのハイブリダイゼーション効率が低いなどの問題があった。
特開平6−70799号公報 特開平11−332566号公報
上記問題に鑑み、本発明は、検出すべき短鎖核酸に対応する長鎖核酸鎖を用いて多数のレポーター分子を結合可能にさせることによって、より効率的且つ高感度に短鎖核酸を検出できる方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明はその一つの態様として、基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションにより、標的配列を有する短鎖核酸を検出する方法において、前記標的配列と相補的な第一の配列を有する長鎖核酸鎖であって、その一端に前記プローブ核酸の配列と相補的な第二の配列を有し、該第二の配列に続いてループを形成するためのループ配列を有し、該ループ配列に続いて前記第二の配列と相補的な第三の配列を有し、該第三の配列に続いて、少なくとも該第三の配列とは異なる配列を有し且つ二本鎖部分を含む延長領域を有し、前記標的配列と相補的な第一の配列が、前記ループ配列から前記第三の配列にかけての位置に存在し、前記第二の配列と第三の配列がセルフハイブリダイズすることによって形成されたループ構造を有する長鎖核酸鎖を準備する工程と、前記短鎖核酸の標的配列部分と、前記長鎖核酸鎖の第一の配列部分とをハイブリダイズさせることによって、前記長鎖核酸鎖のループ構造を解消させて前記第二の配列部分を露出させる工程と、前記短鎖核酸が結合した長鎖核酸鎖の第二の配列部分と、前記プローブ核酸のハイブリダイゼーションを行う工程と、前記プローブ核酸とハイブリダイズすることによって前記基板に固定化された長鎖核酸鎖を検出する工程とを具備する短鎖核酸の検出方法を提供する。
また、本発明はその一つの態様として、基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションにより、試料に含まれる標的配列を有する短鎖核酸を検出する方法において、(a)一本鎖核酸部分と二本鎖核酸部分とを具備し、該一本鎖核酸部分の配列に、前記標的配列と同じ配列を含む長鎖核酸鎖を準備する工程と、(b)前記標的配列と同じ配列を有する一本鎖の短鎖核酸を準備する工程と、(c)所定の濃度の前記長鎖核酸鎖、及び、任意の濃度の前記短鎖核酸を含有する反応溶液を調製する工程と、(d)前記反応溶液に含まれる短鎖核酸及び長鎖核酸鎖と、前記標的配列と相補的な配列を有する基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションを行う工程と、(e)前記工程(d)において前記プローブ核酸とハイブリダイズすることによって前記基板に固定された長鎖核酸鎖を検出し、その結合量を測定する工程と、(f)前記工程(c)における反応溶液に含有される前記短鎖核酸の濃度を変化させ、前記工程(d)及び(e)を行う工程と、(g)前記工程(e)で得られた測定値から、前記反応溶液に含まれる短鎖核酸の濃度と、プローブ核酸に結合した長鎖核酸鎖の結合量との関係を表す検量線を作製する工程と、(h)測定すべき短鎖核酸が含まれ得る試料溶液に、所定の濃度の前記長鎖核酸鎖を含有させ、該試料溶液に含まれる短鎖核酸及び長鎖核酸鎖と、前記標的配列と相補的な配列を有する基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションを行う工程と、(i)前記工程(h)においてプローブ核酸とハイブリダイズすることによって前記基板に固定化された長鎖核酸鎖を検出し、その結合量を測定する工程と、(j)前記工程(i)において得られた測定値から、前記工程(g)で得られた検量線を用いて、前記試料溶液中の短鎖核酸濃度を決定する工程とを具備する、試料中の短鎖核酸の検出方法を提供する。
また、本発明はその一つの態様として、基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションにより、第一の配列と第二の配列を含む標的配列を有する短鎖核酸を検出する方法において、(i)前記第一の配列と相補的な配列を有する基板に固定されたプローブ核酸と、該短鎖核酸とをハイブリダイズさせる工程と、(ii)前記短鎖核酸の第二の配列と相補的な配列を有する第一部分及び該第一部分から連続した任意の配列を有する第二部分を具備する第一の連結核酸と、前記短鎖核酸とのハイブリダイゼーションを行い、前記第一の連結核酸の第一部分を前記短鎖核酸の第二の配列部分とハイブリダイズさせると共に、前記連結核酸の第二部分を前記短鎖核酸の第二の配列部分を超えて延出させる工程と、(iii)前記第一の連結核酸の第二部分の配列と相補的な配列を有する第一部分及び該第一部分から連続した任意の配列を有する第二部分を具備する第二の連結核酸と、前記第一の連結核酸とのハイブリダイゼーションを行い、前記第二の連結核酸の第一部分を前記第一の連結核酸の第二部分とハイブリダイズさせると共に、前記第二の連結核酸の第二部分を前記第一の連結核酸の第二部分を超えて延出させる工程と、(iv)前記プローブ核酸とハイブリダイズすることによって前記基板に固定化された核酸鎖を検出する工程とを具備する、短鎖核酸の検出方法を提供する。
また、本発明はその一つの態様として、基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションにより、標的配列を有する短鎖核酸を検出する方法において、(a)前記標的配列と相補的な第一の配列を有し、該第一の配列より3’側に、前記プローブ核酸の配列の一部と相補的な第二の配列を有し、該第一の配列より5’側に、任意の配列から成る延長領域を有するテンプレート核酸を準備する工程と、(b)前記テンプレート核酸の第一の配列部分に前記短鎖核酸をハイブリダイズさせる工程と、(c)前記短鎖核酸がハイブリダイズしたテンプレート核酸に、核酸伸長活性を有する核酸増幅用酵素を作用させて、該短鎖核酸の5’側を伸長させることによって、前記第二の配列部分を含む一本鎖部分及び二本鎖部分から成る長鎖核酸鎖を調製する工程と、(d)前記長鎖核酸鎖の一本鎖部分に含まれる前記第二の配列部分を、前記プローブ核酸にハイブリダイズさせることにより、前記長鎖核酸鎖を前記基板に固定化する工程と、(e)前記基板に固定化された長鎖核酸鎖を検出する工程とを具備する、短鎖核酸の検出方法を提供する。
また、本発明はその一つの態様として、短鎖核酸が有する標的配列と相補的な第一の配列を複数箇所に有する長鎖核酸鎖を準備する工程と、該長鎖核酸鎖と、前記短鎖核酸とのハイブリダイゼーションを行う工程と、前記工程によって前記短鎖核酸がハイブリダイズした長鎖核酸鎖を検出する工程とを具備し、前記長鎖核酸鎖が基板に固定されていることを特徴とする、標的配列を有する短鎖核酸の検出方法を提供する。
また、本発明の他の観点に従って、検出すべき標的配列と相補的な第一の配列を有する長鎖核酸鎖であって、その一端に、基板に固定されたプローブ核酸の配列と相補的な第二の配列を有し、該第二の配列に続いてループを形成するためのループ配列を有し、該ループ配列に続いて前記第二の配列と相補的な第三の配列を有し、該第三の配列に続いて、少なくとも該第三の配列とは異なる配列を有し且つ二本鎖部分を含む延長領域を有し、前記標的配列と相補的な第一の配列が、前記ループ配列から前記第三の配列にかけての位置に存在し、前記第二の配列と第三の配列がセルフハイブリダイズすることによってループ構造を形成し得る長鎖核酸鎖が提供される。
また、本発明の他の観点に従って、上記に記載された検出方法の何れかを行うために、長鎖核酸鎖、基板に固定されたプローブ核酸、連結核酸、テンプレート核酸、核酸増幅用酵素、及び核酸分解酵素から成る群から選択される少なくとも一つの要素を具備する、標的配列を有する短鎖核酸の検出用アッセイキットが提供される。
本発明に従えば、標的配列を有する短鎖核酸に対応する長鎖核酸鎖を用いることによって、単独では検出が困難である短鎖核酸を検出する方法が提供できる。
1.発明の概要
本発明は、標的配列を有する短鎖核酸を検出する方法であり、該短鎖核酸に対応する長鎖核酸鎖を用いることによって、単独では検出が困難である短鎖核酸の検出を可能とする方法である。
本発明で用いる長鎖核酸鎖は、短鎖核酸又はプローブ核酸と結合することによって基体に固定化される。この長鎖核酸鎖は、一本鎖部分と二本鎖部分を有する核酸鎖であり、その二本鎖部分には、二本鎖核酸に特異的に結合するレポーター分子を複数結合させることができる。本発明では、この長鎖核酸鎖を、短鎖核酸の存在下においてのみ固定化される得るものとすることによって、短鎖核酸を効率的且つ高感度に検出することを可能とした。
本明細書において、標的配列を有する短鎖核酸とは、特に言及しない限り一本鎖核酸を示す。検出されるべき短鎖核酸が二本鎖を形成している場合は、予め当業者に周知の方法、例えば熱変性方等によって解離され、一本鎖の状態にされた後に本発明の方法に供されるものとする。
また、本発明の方法において、プローブ核酸が固定される基体は、金薄膜、ガラス等の核酸を固定化できる基材から成る固体であれば何れのものでも良いが、本明細書においては、金属から成る基板を用いて説明する。
2.用語の説明
本発明において使用される「標的配列」とは、検出しようとする1つの連続する配列を意味する。「短鎖核酸」とは、特に指定しない限り標的配列を有する比較的短い鎖長の核酸を意味し、概ね50塩基よりも短い核酸を示す。短鎖核酸の例としては、siRNA、miRNA、又は長い核酸が断片化されたもの等が挙げられる。
本発明における種々の核酸は、DNA、RNA、S-オリゴ、メチルホスホネートオリゴ、PNA(即ち、ペプチド核酸)およびLNA(即ち、ロック核酸)などの核酸および核酸類似体、それらの幾つかを共に含む核酸および核酸類似体、並びにそれらの混合物など、一般的にその一部の構造を塩基配列によって表すことができる物質を総括的に示す。また、本発明において用いられる核酸は、天然に存在するものであっても、人工的に合成されたものであっても、またはそれらの混合物であってもよい。
以下、本明細書において図面を参照する際には、特定の塩基配列をアルファベットで表し、核酸中においてそのような塩基配列を有する部分を、配列部分として参照記号で表す。
3.実施態様
(I)本発明の第一の態様に従う短鎖核酸の検出方法を説明する。本態様では、基板に固定化されたプローブ核酸を用いるが、このプローブ核酸が有する配列を配列Aと称する。また、短鎖核酸が有する検出されるべき標的配列を配列Tと称する。
図1を参照して説明すると、まず標的配列Tを有する短鎖核酸18に対応する長鎖核酸鎖10を準備する。長鎖核酸鎖10を準備するとは、本検出方法を行う際に新たに長鎖核酸鎖10を調製することでもよく、又は予め調製された長鎖核酸鎖10を用意することでもよい。
第一の態様において用いられる長鎖核酸鎖10は、標的配列Tと相補的な第一の配列T´を有する。また、長鎖核酸鎖10はその一方の端部に、プローブ核酸16の配列Aと相補的な第二の配列A´を有する。さらに、該第二の配列A´に続いてループ14を形成するためのループ配列Sを有し、該ループ配列Sに続いて前記第二の配列A´と相補的な第三の配列、即ちプローブ核酸と同じ配列Aを有する。さらに該第三の配列Aに続いて延長領域110を有するが、この延長領域110は、該第三の配列に続いて少なくとも該第三の配列とは異なる配列Bを有し、且つ、二本鎖の部分を含む。この長鎖核酸鎖10において、標的配列Tと相補的な第一の配列T´は、前記ループ配列Sから前記第三の配列Aにかけての位置、即ち、ループ14から第三の配列部分13に跨った境界部11に存在する。このような長鎖核酸鎖10は、前記第二の配列部分12と第三の配列部分13がセルフハイブリダイズすることによって、図1(a)に示すようにループ構造を形成する。
この長鎖核酸鎖10のループ14は、適切なハイブリダイゼーション条件下で境界部11に短鎖核酸18がハイブリダイズすると、第二の配列部分12と第三の配列部分13とのセルフハイブリダイズが解離するために、ループ構造が解消される。ここでループ構造を解消させるために適切なハイブリダイゼーション条件は、短鎖核酸18が境界部11にハイブリダイズしていないにも関わらず、第二の配列部分12と第三の配列部分13とのセルフハイブリダイズが解離したり、或いは短鎖核酸18が境界部11にハイブリダイズしたにも関わらずセルフハイブリダイゼーションが解離しなかったりという状況が発生しない条件であり、それぞれの核酸の塩基配列によって、例えば反応温度、塩濃度等を適宜調節する。
ループ構造が解消されると、図1(b)に示したように第二の配列A´部分12が露出する。この第二の配列A´は、上述したようにプローブ核酸19の配列Aと相補的である。それ故、この露出した第二の配列部分12はプローブ核酸16とハイブリダイズすることが可能であり、図1(c)に示したように、長鎖核酸鎖10は、露出した第二の配列部分12がプローブ核酸16とハイブリダイズすることによって基板19に固定化される。即ち、第一の態様における長鎖核酸鎖10は、短鎖核酸18が存在する場合においてのみ、基板19に固定化され得る。
本態様における長鎖核酸鎖10は上述したように延長領域を有するが、この延長領域は、種々の形態の二本鎖部分を含むことができる。以下、延長領域の種々の形態を実施形態として説明する。
(1)延長領域の第一の実施形態を図1に示す。長鎖核酸鎖10の延長領域110は、該第三の配列に続いて第四の配列Bを有する。この第四の配列Bは、少なくとも該第三の配列Aとは異なる配列であって、前記第二の配列A´がこの延長領域に含まれる配列部分とハイブリダイズすることを防ぐために、第三の配列Aと共通する配列は含まれない。延長領域110はさらに、第四の配列Bの全部或いは一部と相補的な配列B´を有する相補鎖101を具備し、第四の配列部分15と相補鎖101とで二本鎖を形成する。この第四の配列部分15及びその相補的な部分101は、任意の鎖長にすればよい。
このような延長領域110は、長鎖核酸鎖10を調製する際に相補鎖101をハイブリダイズさせておいてもよく、或いは短鎖核酸18とのハイブリダイゼーションの後、または基板19に固定された後に相補鎖101をハイブリダイズさせ、二本鎖部分を形成させてもよい。或いは、これら全てのハイブリダイゼーション工程を同時に行ってもよい。
延長領域110に二本鎖部分が含まれることによって、長鎖核酸鎖10に多数のレポーター分子を付加させることができ、固定化された核酸を容易に検出することが可能である。
(2)延長領域の第二の実施形態を図2に示す。長鎖核酸鎖20の延長領域210は、第三の配列Aに続いて第四の配列Bを有する。この第四の配列Bは、少なくとも該第三の配列Aとは異なる配列であって、前記第二の配列A´がこの延長領域に含まれる配列部分とハイブリダイズすることを防ぐために、第三の配列Aと共通する配列は含まれない。さらに本実施形態では、連結核酸と名付けられる核酸鎖を用いる。この連結核酸とは、第四の配列Bと相補的な配列を有する第一部分212、及び該第一部分212から連続した任意の配列を有する第二部分214を有する核酸であり、これを第一の連結核酸220とする。第一の連結核酸220は、その第一部分212が該第四の配列部分25とハイブリダイズしており、その第二部分214は前記第四の配列部分25を越えて延出している。即ち、該第二部分214は、前記第三の配列部分23とは反対方向に延出している。
さらに、本実施形態では第二の連結核酸222を用いる。第二の連結核酸222は、第一の連結核酸の第二部分214の配列と相補的な配列を有する第一部分224、及び該第一部分224から連続した他の任意の配列を有する第二部分226を含む。第二の連結核酸222は、その第一部分224が第一の連結核酸の第二部分214とハイブリダイズしており、その第二部分は第一の連結核酸を超えて延出している。即ち、第二の連結核酸の第二部分226も、前記第三の配列部分23とは反対方向に延出している。
以上のように、二つの連結核酸を順次ハイブリダイズさせて連結することによって、二本鎖部分を含む延長領域210を形成させることができる。
本実施形態ではさらに、任意の数の連結核酸を用い、延長領域210を任意の鎖長に形成させてもよい。これには、図2(d)に示したように、第二の連結核酸222の第二部分226を、さらに他の連結核酸の第一部分とハイブリダイズさせ、この他の連結核酸の第二部分をさらにもう一つの連結核酸の第一部分とハイブリダイズさせる。このように、一つの連結核酸の第一部分と他の連結核酸の第二部分を次々とハイブリダイズさせていくことによって、任意の鎖長の延長領域210を形成することができる。
本実施形態の延長領域210は、比較的短い核酸を複数用いることによって形成することができ、鎖長の調節が容易に行える。また、用いる核酸が比較的短いために、核酸の合成が容易であるとともに、経費を低減させることができる。
(3)延長領域の第三の実施形態を図3に示す。長鎖核酸鎖30の延長領域310は、第三の配列Aに続いて第四の配列Bを有する。この第四の配列Bは、少なくとも該第三の配列Aとは異なる配列であって、前記第二の配列A´がこの延長領域に含まれる配列部分とハイブリダイズすることを防ぐために、第三の配列Aと共通する配列は含まれない。延長領域310はさらに、第四の配列Bに続いて任意の配列Rを有し、続いて第四の配列Bと相補的な第五の配列B´を有する。本実施形態の延長領域310は、第四の配列部分313と第五の配列部分314との間でセルフハイブリダイズすることによって、二本鎖を形成している。二本鎖部分の鎖長は、第四及び第五の配列部分の鎖長を調節することで、所望の長さにすることができる。
本第三の実施形態では、延長領域310は一本鎖であるため、一工程で長鎖核酸鎖30を調製することができる。また、核酸のハイブリダイゼーションは、その塩基配列、反応条件などによってハイブリダイゼーション効率が異なり、完全にハイブリダイズしない可能性もある。しかしながら本実施形態の延長領域313は、セルフハイブリダイゼーションによって形成されるため、略完全にハイブリダイズし、高確率で二本鎖を形成させる必要がある場合に有用である。
以上に示した延長領域の3つの実施形態は、本発明の第一の態様における例であるが、この他に適切な形態の延長領域を用いてもよい。また、上記の実施形態は、それぞれの利点を考慮し、標的配列や反応条件等の種々の条件に適した方法を選択すればよい。
続いて、第一の態様における長鎖核酸鎖の準備工程に続く工程を、図1を代表例として説明する。
上述したような長鎖核酸鎖10を準備した後、長鎖核酸鎖10と、短鎖核酸18とのハイブリダイゼーションを行う。このハイブリダイゼーションにおいて、短鎖核酸18の標的配列部分を長鎖核酸鎖10の第一の配列部分11にハイブリダイズさせる。短鎖核酸18がハイブリダイズしたことによって長鎖核酸鎖10のループ構造が解消され、第二の配列部分12が露出される。
プローブ核酸16の配列Aと相補的な配列A´を有する第二の配列部分12が露出されたことで、長鎖核酸鎖10と、プローブ核酸16とのハイブリダイゼーションを行うことができる。このハイブリダイゼーションによって長鎖核酸鎖10の第二の配列部分12がプローブ核酸16にハイブリダイズし、長鎖核酸鎖10は基板19に固定化される。
最後に、基板に固定化された長鎖核酸鎖10を検出する。長鎖核酸鎖10の検出は、長鎖核酸鎖10に二本鎖核酸と特異的に結合するレポーター分子を結合させ、長鎖核酸鎖10に結合しているレポーター分子を検出することによって行う。例えば、レポーター分子として二本鎖核酸と特異的に結合する電気化学的活性を有する挿入剤、例えばヘキスト33258分子等を用い、長鎖核酸鎖が固定された基板を電極として電流値を測定することによって長鎖核酸鎖を検出することができる。また、レポーター分子として、蛍光物質、またはRI物質を用い、蛍光または放射線を測定することによって検出しても良い。このとき、蛍光物質は、蛍光標識された抗体、蛍光分子、及び、ビオチン−アビジン複合体などを用いることが好ましい。
レポーター分子は、短鎖核酸18とのハイブリダイゼーションに供される前の長鎖核酸鎖10に予め付加されていても良く、或いは、長鎖核酸鎖10が固定化された後に付加させてもよい。
また或いは、長鎖核酸鎖10が、基板19に固定されたプローブ核酸16に結合したことによる基板19の質量変化を測定することによって長鎖核酸鎖10を検出してもよい。
以上記載した第一の態様では、長鎖核酸鎖を用いることによって、実質的に短鎖核酸の鎖長を延長させることができる。固定化された核酸の検出では、レポーター分子が二本鎖部分に結合するために、核酸の二本鎖部分の鎖長を延長することによって、結合するレポーター分子数を増加させ、よってレポーター分子から生じる信号を増強させることができる。従って、本態様に従えば、単独では検出が困難な短鎖核酸を容易に精度良く検出することが可能である。
(II)次に、図4を用いて、本発明の第二の態様に従う短鎖核酸の検出方法を説明する。第二の態様は、試料に含まれる標的配列Tを有する短鎖核酸48を検出し、さらに、その短鎖核酸の濃度を測定する方法である。
第二の態様ではまず、本態様における長鎖核酸鎖40を準備する。この長鎖核酸鎖40は、その一方の端部に一本鎖核酸部分43を有し、その他の部分に二本鎖核酸部分47を有す。一本鎖核酸部分43の配列には、標的配列Tと同じ配列Tが含まれる。二本鎖核酸部分47は、一本鎖核酸部分43から連続した任意の配列部分と、この配列と相補的な配列を有する相補鎖401とがハイブリダイズすることによって形成される。
第二の態様では、さらに、標的配列Tと同じ配列を有する一本鎖の短鎖核酸45を準備する。この短鎖核酸45は、合成によって調製されてもよく、或いは天然の核酸を含むサンプルから抽出したものであってもよい。
次に、上記の長鎖核酸鎖40及び短鎖核酸45を共に含む反応溶液を調製する。反応溶液は、長鎖核酸鎖40の濃度を一定とし、短鎖核酸45の濃度は変化させて、異なる短鎖核酸濃度のそれぞれについて調製する。
調製したそれぞれの反応溶液を用い、反応溶液に含まれる短鎖核酸45及び長鎖核酸鎖40と、標的配列と相補的な配列T´を有し、基板49に固定されたプローブ核酸46とのハイブリダイゼーションを行う。次いで、プローブ核酸46とハイブリダイズすることによって基板49に固定された長鎖核酸鎖40を検出する。
反応溶液には、短鎖核酸45と長鎖核酸鎖40とが含まれるため、それらとプローブ核酸とのハイブリダイゼーションは競合反応となる。従って、反応溶液中に含まれる長鎖核酸鎖40の濃度を一定とし、短鎖核酸45の濃度を変化させると、短鎖核酸45の濃度が上昇するにつれ、プローブ核酸とハイブリダイズする長鎖核酸鎖40の割合が減少する。
プローブ核酸46とハイブリダイズした長鎖核酸鎖40の検出方法は、上記第一の態様で記載した方法と同様に行えばよい。しかしながら、本第二の態様において長鎖核酸鎖40が固定化された量の変化を詳細に観察するためには、レポーター分子の結合量を高精度に検出する必要がある。それ故、レポーター分子として二本鎖核酸と特異的に結合する電気化学的活性を有する挿入剤を用い、長鎖核酸鎖が固定された基板を電極として電流値を測定することによって行う方法が好ましい。
上記の工程によって、反応溶液に含まれる短鎖核酸45の濃度と、プローブ核酸にハイブリダイズした長鎖核酸鎖40の結合量との関係を表す検量線を作製することができる。ここで、長鎖核酸鎖40の結合量とは、便宜上、固定化された長鎖核酸鎖40に結合したレポーター分子から得られる信号の強さ(例えば電流値)を意味し、長鎖核酸鎖40の絶対量を意味するものではない。
次に、上述の反応系とは別に、測定すべき短鎖核酸48が含まれ得る試料溶液を準備し、所定の濃度の長鎖核酸鎖40を含有させる。このときの長鎖核酸鎖40の濃度は、上記検量線を作製する際に用いた反応溶液の濃度と等しくする。調製された試料溶液は、標的配列Tと相補的な配列T´を有する基板に固定されたプローブ核酸46とのハイブリダイゼーションに供される。この工程において、試料溶液に含まれる短鎖核酸48及び長鎖核酸鎖40は、プローブ核酸46と競合的にハイブリダイズする。
次いで、プローブ核酸とハイブリダイズすることによって基板49に固定化された長鎖核酸鎖40を上記と同様に検出し、その結合量を測定する。得られた測定値から、上記の工程で得られた検量線を用いて、試料溶液中に含有される短鎖核酸48の濃度を決定することができる。
以上説明した本態様の方法に従えば、試料中に含まれる短鎖核酸を直接測定することができ、さらに含有濃度も測定することができる。
(III)次に、図5を用いて、本発明の第三の態様に従う短鎖核酸の検出方法を説明する。第三の態様においては、短鎖核酸58が有する標的配列は、二つの部分に区分され、第一の配列T1及び第二の配列T2と称される。本態様で用いられる基板に固定されたプローブ核酸56は、短鎖核酸58の第一の配列T1と相補的な配列T1´を有する。
本態様の方法では、まず、プローブ核酸56と短鎖核酸58とのハイブリダイゼーションを行い、短鎖核酸58の第一の配列部分505とプローブ核酸56とをハイブリダイズさせる。
また、本態様においては、連結核酸と名付けられる核酸鎖を用いる。この連結核酸とは、短鎖核酸の第二の配列T2と相補的な配列を有する第一部分513及び第一部分から連続した任意の配列を有する第二部分514を具備する核酸であり、これを第一の連結核酸512とする。
上記短鎖核酸58とプローブ核酸56とのハイブリダイゼーションに続いて、この第一の連結核酸512と、短鎖核酸58とのハイブリダイゼーションを行い、第一の連結核酸の第一部分513を短鎖核酸の第二の配列部分506にハイブリダイズさせる。この際、第一の連結核酸の第二部分514は、短鎖核酸58の第二の配列部分506を超えて延出される。即ち、第二部分514は、プローブ核酸56と反対方向に延出される。
さらに、本態様では第二の連結核酸517を用いる。第二の連結核酸517は、第一の連結核酸の第二部分514の配列と相補的な配列を有する第一部分515、及び該第一部分515から連続した他の任意の配列を有する第二部分516を含む。
上記工程に続いて、この第二の連結核酸517と第一の連結核酸512のハイブリダイゼーションを行い、第二の連結核酸517の第一部分515を、第一の連結核酸512の第二部分514にハイブリダイズさせる。この際、第二の連結核酸517の第二部分516は、第一の連結核酸512の第二部分514を超えて延出する。即ち、第二部分514は、プローブ核酸56と反対方向に延出される。
この様に、連結核酸をハイブリダイズさせることによって、一つの短鎖核酸58につき、二本鎖を含む核酸鎖を形成させることができる。このように形成された核酸鎖を、長鎖核酸鎖50と称する。本態様では、プローブ核酸56及び短鎖核酸58を介して固定化された長鎖核酸鎖50を検出することによって、短鎖核酸58を検出することができる。検出方法は、上記第一の態様に記載した方法と同様に行えばよい。
本態様はさらに、任意の数の連結核酸を用い、長鎖核酸鎖50を任意の鎖長に形成させてもよい。これには、第二の連結核酸の第二部分516と、これと相補的な配列を有する他の連結核酸の第一部分とをハイブリダイズさせ、またその第二部分をさらに別の連結核酸の第一部分とハイブリダイズさせる。この手順を繰り返すことにより、任意の数の連結核酸を連続的にハイブリダイズさせる。
複数の連結核酸をハイブリダイズさせることによって、長鎖核酸鎖50に含まれる二本鎖部分を延長させることができ、検出を容易することができる。
なお、ここではプローブ核酸56から核酸を順にハイブリダイズさせてゆく方法について記載したが、予め連結核酸同士をハイブリダイズさせた後、プローブ核酸56に結合している短鎖核酸58とハイブリダイズさせてもよく、或いは、プローブ核酸56、短鎖核酸58、及び任意の数の連結核酸について、同時にハイブリダイゼーションを行ってもよい。この場合は、当然ながら不適切なハイブリダイズが起こらないように、プローブ核酸及び連結核酸の配列を調製することが必要である。
(IV)次に、図8〜10を用いて、本発明の第四の態様に従う短鎖核酸の検出方法を説明する。第四の態様では、テンプレート核酸と称する一本鎖の核酸を用い、これに標的配列Tを有する短鎖核酸をプライマーとして結合させ、伸長反応させることで二本鎖核酸を調製する。調製された二本鎖核酸は、配列Aを有する基板に固定されたプローブ核酸を介して固定化された後、検出される。
(1)図8を参照して、本態様の第一の実施形態を説明する。第一の実施形態においてはまず、テンプレート核酸83を準備する。テンプレート核酸83は、短鎖核酸88の標的配列Tと相補的な第一の配列T´を有する。また第一の配列T´より3´側に、プローブ核酸86に含まれる配列Aと相補的な第二の配列A´を有する。テンプレート核酸83の第一の配列T´より5´側には任意の配列を有し、この任意の配列からなる部分を延長領域810と称する。この延長領域810は任意の長さとしてよい。このようなテンプレート核酸83は、本実施形態の検出方法を行う際に調製されても良く、或いは予め調製されていたものを用いても良い。
次に、準備されたテンプレート核酸83の第一の配列部分82に、短鎖核酸88をハイブリダイズさせる。続いて、短鎖核酸88がハイブリダイズしたテンプレート核酸83に、核酸伸長活性を有する核酸増幅用酵素を作用させて、該短鎖核酸の5’側を伸長させる。核酸増幅用酵素は、ポリメラーゼ等を用い、使用する酵素を活性化させるに適した条件下で作用させる。これによって、テンプレート核酸83の第二の配列部分82及び延長領域810が二本鎖核酸となる。伸長反応によって形成される二本鎖は、テンプレート核酸の延長領域を調節し、検出に適した任意の長さにする。
この工程で得られた一本鎖部分と二本鎖部分を含む核酸を長鎖核酸鎖80と称する。長鎖核酸鎖80の一本鎖部分には、前述した通り、プローブ核酸86に含まれる配列Aと相補的な第二の配列部分84が含まれる。
従って、長鎖核酸鎖80とプローブ核酸86とのハイブリダイゼーションを行うことにより、長鎖核酸鎖80の第二の配列部分84をプローブ核酸86にハイブリダイズさせることができる。このハイブリダイゼーション工程により、長鎖核酸鎖80は基板に固定化される。
基板に固定化された長鎖核酸鎖80は、上記第一の態様で示した方法と同様に検出する。
このような第一の実施形態に従えば、短鎖核酸をプライマーとして用いることにより、短鎖核酸の存在下においてのみ二本鎖の長鎖核酸鎖が形成され、これによって、短鎖核酸の検出が可能となる。
(2)次に、図9を参照して、本態様の第二の実施形態を説明する。第二の実施形態では、標的配列Tを有する短鎖核酸98を検出するために、テンプレート核酸93を用いる。テンプレート核酸93は、第一の実施形態と同様に、標的配列Tと相補的な第一の配列T´を有し、その3´側にプローブ核酸に含まれる配列Aと相補的な第二の配列A´を有し、また第一の配列T´の5´側に任意の配列の延長領域910を有する。
第一の実施形態と同様に、テンプレート核酸93の第一の配列部分92に短鎖核酸98をハイブリダイズさせた後、伸長反応を行う。これにより、第二の配列A´を含む一本鎖部分94、第一の配列部分92及び延長領域910とそれらの相補鎖から成る二本鎖部分を含む核酸が得られ、これを長鎖核酸鎖90と称する。
次に、本実施形態においては、長鎖核酸鎖90をヌクレアーゼ処理する。ヌクレアーゼは、短鎖核酸98と同種の核酸のみを分解するヌクレアーゼを用い、長鎖核酸鎖90に含まれる短鎖核酸98及び/又は短鎖核酸98と同種の核酸であって長鎖核酸鎖90に含まれない、即ちテンプレート核酸と結合しなかった未反応の核酸、若しくは標的配列を有さず溶液中に遊離している核酸を分解する。
従って、本実施形態では、短鎖核酸とテンプレート核酸には別種の核酸が用いられる。前述したように種々の核酸を用いることができるが、特に、短鎖核酸としてRNAを用い、テンプレート核酸、プローブ核酸等の他の核酸にDNAやその類似体を用いることが好ましい。短鎖核酸がRNAの場合、ヌクレアーゼにはリボヌクレアーゼを用いる。
リボヌクレアーゼとしてRNase Hを用いることにより、DNAと結合したRNAのみを分解することができる。即ち、長鎖核酸鎖90のうち、短鎖核酸98のみを分解する。また、リボヌクレアーゼとしてRNase A又はT1を用いても良い。この場合、長鎖核酸鎖90に含まれる短鎖核酸98だけでなく、長鎖核酸鎖に含まれない、即ちテンプレート核酸93と結合していない未反応のRNA、又は短鎖核酸以外のRNAなども分解することができる。これらのRNAを分解することによって、ハイブリダイゼーションを行う際のバックグラウンドを低減させることができる。
長鎖核酸鎖90に含まれる短鎖核酸98を分解することによって、プローブ核酸とハイブリダイズし得る一本鎖部分を長くすることができる。本実施形態で用いられるプローブ核酸96は、テンプレート核酸の第一の配列及び第二の配列の全部又は一部と相補的な配列を有することができ、これらの配列の中から適切な部分の配列を選択することができる。プローブ核酸96の配列Aの選択範囲が広がることによって、擬陽性のシグナルの出にくい配列や、陽性シグナルを検出しやすい配列を選定しやすくなる。また、プローブ核酸/長鎖核酸鎖間のTm値をコントロールしやすくなる。従って、ハイブリダイゼーション条件のコントロールをしやすくでき、例えばハイブリダイゼーションを比較的高い温度で行って特異性を高くすることもできる。
(3)図10を参照して、本態様の第三の実施形態を説明する。第三の形態は、基本的に上記第一及び第二の実施形態と同様であるが、検出されるべき短鎖核酸が二本鎖であることを特徴とする。故に、テンプレート核酸及びテンプレート核酸の第二の配列と相補的なプローブ核酸は、短鎖核酸のセンス鎖及びアンチセンス鎖のそれぞれに対応して準備される。
二本鎖の短鎖核酸のうち、標的配列Tを有する短鎖核酸108をセンス鎖とし、これと相補的な配列T´を有する短鎖核酸をアンチセンス鎖108´とする。前述の第一及び第二の実施形態と同様に、標的配列Tと相補的な第一の配列T´を有するテンプレート核酸103を準備する。同時に、配列T´と相補的な第一の配列Tを有するテンプレート核酸103´を準備する。このそれぞれのテンプレート核酸は、前述の通り第一の配列T又はT´より3´側に、基板に固定されたプローブ核酸に含まれる配列と相補的な第二の配列を有するが、テンプレート核酸103及び103´が有する第二の配列は、全く異なる配列を用い、それぞれのテンプレート核酸に対するプローブ核酸も全く異なる配列を用い、相互にハイブリダイズする可能性を低減させることが好ましい。
第三の実施形態では、短鎖核酸108及び108´をハイブリダイズしたままの長鎖核酸鎖100及び100´を、プローブ核酸106及び106´とのハイブリダイゼーションに供しても良い。また、第二の実施形態と同様に、ヌクレアーゼを作用させて短鎖核酸108及び108´を分解し、その後にプローブ核酸106及び106´とのハイブリダイゼーションに供しても良い。
本実施形態のように、二本鎖の短鎖核酸のセンス鎖及びアンチセンス鎖をともに検出することによって、双方の核酸鎖から信号が検出されるため、一本鎖の短鎖核酸を検出するよりも強い信号を得ることができる。
以上に述べた第四の態様は、テンプレート核酸が単独でプローブ核酸とハイブリダイズしても一本鎖核酸のままでは検出されず、短鎖核酸が存在し、伸長されて二本鎖になった場合のみ検出される。従って、単独では検出が困難な短鎖核酸を高精度に検出することができる。また、短鎖核酸が低コピーしか存在しない場合でも、定量性を保った検出が可能である。
(V)次に、図11及び12を参照して、本発明の第五の態様に従う短鎖核酸の検出方法を説明する。第五の態様においては、短鎖核酸が有する標的配列Tと相補的な第一の配列T´を複数箇所に有する長鎖核酸鎖を準備する。この長鎖核酸鎖に含まれる複数の第一の配列T´は、連続して存在してもよく、或いは、間に他の任意の配列を挟んでもよい。長鎖核酸鎖は、本態様の検出方法を行う際に調製されてもよく、又は予め調製されたものを用意してもよい。
準備された長鎖核酸鎖は、標的配列Tを有する短鎖核酸とのハイブリダイゼーションに供され、これによって短鎖核酸が長鎖核酸鎖の第一の配列T´にハイブリダイズされる。
本態様の方法において、短鎖核酸がハイブリダイズした長鎖核酸鎖は、基板に固定化された後に検出される。以下に、長鎖核酸鎖を基板に固定化する方法の実施形態を説明する。
(1)第一の実施形態を図11に示した。本実施形態では、長鎖核酸鎖116を例えば末端をSH基で標識する等の方法を用いて予め基板111に固定化しておく。標的配列Tを有する短鎖核酸118は、基板111に固定された長鎖核酸鎖116にハイブリダイズする。即ち、本実施形態においては、長鎖核酸鎖116はプローブ核酸として用いられる。
本実施形態によれば、1種類の核酸を用いるだけで短鎖核酸が検出でき、簡便且つ経済的である。
(2)第二の実施形態を図12に示した。本実施形態では、長鎖核酸鎖125はさらにその一方の末端部に、基板121に固定されたプローブ核酸126が有する配列Aと相補的な第二の配列A´を有する。標的配列Tを有する短鎖核酸128は、長鎖核酸鎖125の第一の配列部分とハイブリダイズする。次いで、短鎖核酸128がハイブリダイズした長鎖核酸鎖125とプローブ核酸126とのハイブリダイゼーションを行い、長鎖核酸鎖125の第二の配列部分をプローブ核酸126にハイブリダイズさせる。これによって、長鎖核酸鎖125は基板に固定化される。
なお、上記の説明では、短鎖核酸を長鎖核酸鎖とハイブリダイズさせた後に、長鎖核酸鎖をプローブ核酸とハイブリダイズさせたが、長鎖核酸鎖をプローブ核酸とハイブリダイズさせた後に短鎖核酸とのハイブリダイゼーションを行っても良く、また或いは同時にハイブリダイゼーションを行っても良い。
本実施形態によれば、固定化される前の溶液中に存在する長鎖核酸鎖と短鎖核酸とのハイブリダイゼーションを行うため、核酸の自由度が高く、良好なハイブリダイゼーション効率が得られる。
また、本実施形態の長鎖核酸鎖は、短鎖核酸が存在しない場合に溶液中でstem-loop構造などの二次構造を形成するため、プローブ核酸とはほとんどハイブリダイズしない。反対に、短鎖核酸が存在する場合は、短鎖核酸が結合することで二次構造が解消されるために、プローブ核酸とのハイブリダイズも高効率で行われる。従って、標的核酸が存在しない場合、信号はほとんど検出されないと考えてよい。
以上に述べた実施形態において、長鎖核酸鎖の検出は、上記第一の態様で述べた方法と同様に行うことができる。また、本態様においては、短鎖核酸を予め標識しておき、標識化合物を検出する方法も好適に用いられる。短鎖核酸を予め標識する方法では、一つの長鎖核酸鎖に複数の短鎖核酸がハイブリダイズするために、長鎖核酸鎖から得られる信号が増強されるために、短鎖核酸の存在を検出することが可能である。
さらに、以上に述べた第一の実施形態は、検出されるべき短鎖核酸が二本鎖である場合にも適用できる。この場合、長鎖核酸鎖は、短鎖核酸のうち配列Tを有するセンス鎖、及び配列Tと相補的な配列T´を有するアンチセンス鎖のそれぞれに対して準備する、即ち、第一の配列T´または第一の配列Tを有する2種類の長鎖核酸鎖を準備する。
短鎖核酸のセンス鎖及びアンチセンス鎖を同時に検出することで、ハイブリ効率が向上し、感度を上昇させることが可能である。
さらに、以上に述べた二つの実施形態は、検出されるべき短鎖核酸が複数存在する場合には、それぞれの短鎖核酸に対応する長鎖核酸鎖を用いることにより、同時に検出を行うことができる。この場合、それぞれの長鎖核酸鎖及びプローブ核酸の配列は無関係な配列を用いる。
プローブ核酸と短鎖核酸とのハイブリダイゼーションは、塩濃度が30 mM以上、特に100mM以上が好ましく、反応温度は25℃〜70℃が好ましい。またこの温度内で温度を上げ下げしてもよい。
以上に本発明の短鎖核酸検出方法の各態様を説明したが、本発明はさらに他の観点から、上記の各態様における検出方法に用いるための長鎖核酸鎖を提供する。また、各態様における長鎖核酸鎖と、標的配列を有する短鎖核酸との複合体も提供される。
さらに、本発明の他の観点から、上記各態様における短鎖核酸検出方法に用いるための、長鎖核酸鎖、基板に固定されたプローブ核酸、連結核酸、テンプレート核酸、核酸増幅用酵素、及び核酸分解酵素から成る群から選択される少なくとも一つの要素を具備する短鎖核酸の検出用アッセイキットが提供される。
(実施例1)
以下、本発明の第一の態様に従った実施例を記載する。第一の実施形態における長鎖核酸鎖を用い、標的配列を有する短鎖核酸の検出試験を行った。
(1)核酸の調製
下記に示した配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。標的配列を有する短鎖核酸として、配列番号1の配列を有するsiRNAを用いた。この配列番号1は、HIV-1の複製に必須なHIVの遺伝子(trans activation factor)を阻害し、HIVの複製を抑えることが出来るsiRNAの配列である。
長鎖核酸鎖として、配列番号2の配列を有する長鎖核酸鎖1を用いた。配列番号2の配列において、太字の部分は標的配列と相補的な配列を示し、二重下線部はプローブ核酸Bの配列に対して相補的な配列を示し、下線部は二重下線部と相補的な配列を示し、下線領域と二重下線領域との間にループを形成させるための任意の配列部分が含まれる。配列番号3の配列を有する核酸は、長鎖核酸鎖の延長領域における二本鎖を形成するための相補鎖である。
配列番号4は、プローブ A の配列を示す。プローブAは、短鎖核酸(siRNA)と相補的な配列を有し、siRNAとハイブリダイズするプローブである。配列番号5は、プローブBの配列を示す。プローブBは、長鎖核酸鎖1に含まれる二重下線部の配列と相補的な配列を有し、長鎖核酸鎖1とハイブリダイズするプローブである。これら2種類のプローブは、それぞれ3’末端をSH基で修飾して用いた。
Figure 2006067914
(2)プローブ固定化電極の作成
プローブA及びBのそれぞれを含むプローブ溶液を、金電極上に4電極ずつスポットし、1時間静置後、超純水で洗浄し、風乾し、プローブ固定化電極とした。
(3)反応溶液の調製
次の3種類の核酸をそれぞれ2×SSC溶液に添加し、反応溶液を調製した。
(1)siRNA(2×1014 copy/mL)のみ
(2)長鎖核酸鎖1(1×1015 copy/mL)のみ
(3)siRNA(2×1014 copy/mL)+長鎖核酸鎖1(1×1015 copy/mL)
それぞれの反応溶液を95℃で5分間加熱し、熱変性後、氷柱で冷却した。
(4)プローブとのハイブリダイゼーション
(3)で調製した核酸を含む反応溶液に、(2)で作製したプローブ固定化電極を浸漬し35℃で60分間静置した。その後、核酸を含まない緩衝液で洗浄を行った。この電極を、挿入剤であるヘキスト33258溶液(50μM)を含むリン酸緩衝液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
(5)結果
電流測定の結果を図6に示す。このグラフは各プローブを固定した電極における電流値を示している。
siRNAのみを含む反応溶液では、siRNAに相補的な配列を有するプローブAを固定した電極であっても電流値増加は確認されなかった。このことから、siRNAのような短鎖核酸を単独で検出することが確認された。
長鎖核酸鎖1のみを含む反応溶液では、長鎖核酸鎖1に含まれる配列と相補的な配列を有するプローブBを固定した電極であっても電流値増加は見られなかった。このことから、長鎖核酸鎖1は、単独ではプローブBとハイブリダイズされないことが確認された。
長鎖核酸鎖1及びsiRNAを含む反応溶液では、プローブBを固定した電極においてのみ、電流値の増加が見られた。ここで確認された電流値増加は、siRNAが長鎖核酸鎖1とハイブリダイズしたことにより、長鎖核酸鎖1のプローブBと相補的な配列部分が露出され、これによって長鎖核酸鎖1がプローブBとハイブリダイズした結果であると考えられる。
以上の結果から、長鎖核酸鎖1を用いることにより、短い核酸断片であるsiRNAを検出可能であることが示された。
(実施例2)
以下、本発明の第二の態様に従って、短鎖核酸の検出を行った実施例を記載する。標的配列と同じ配列を有する短鎖核酸としてsiRNAを用い、検量線を作製した。
(1)下記に示した配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。短鎖核酸として用いたsiRNAは、実施例1と同じく配列番号1の配列を有する。
長鎖核酸鎖2は配列番号6の配列を有し、その下線部はsiRNAの配列(配列番号1)と同じである。下線部より3’側には任意の配列が付加され、その配列部分は二本鎖を形成している。
プローブAは、検出すべきsiRNAと相補的な配列を有し、siRNAとハイブリダイズするプローブである。プローブCは、プローブAと相同性が低く、siRNAとハイブリダイズしない配列を有するプローブである。これら2種類のプローブは、それぞれ3’末端をSH基で修飾して用いた。
配列番号1(siRNA): UAGCAAUUGGUACAAGCAGUU
配列番号6(長鎖核酸2):UAGCAAUUGGUACAAGCAGUUTCCCATTTGTTCTCACTGCCACGGAAAGCATGTTTATAGTCTTCCAGCAGCAACGCCAGGTGTCTAGGCACAGATGAACCCCTCCTTAGGATCCCCACTGCTC
配列番号7(プローブA): AACTGCTTGTACCAATTGCUA
配列番号8(プローブC): TCCGGGCGCAGAAACAGCTGT
(2)プローブ固定化電極の作成
上記の実施例1に記載した方法で行った。
(3)反応溶液の調製
2×SSC溶液に、一定量(2×1014 copy/mL)の長鎖核酸鎖2、さまざまな濃度のsiRNAを添加し、各々を反応溶液とした。siRNAの濃度は、それぞれ1×1010、3×1010、1×1011、3×1011、1×1010、3×1012、1×1012、3×1013、1×1013、3×1014、1×1014、3×1015 copy/mLとした。
(4)プローブとのハイブリダイゼーション
(3)で調製した核酸を含む反応溶液に、(2)で作製したプローブ固定化電極を浸漬し35℃で60分間静置した。その後、核酸を含まない緩衝液で洗浄を行った。この電極を挿入剤であるヘキスト33258溶液(50μM)を含むリン酸緩衝液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
(5)結果
電流測定の結果を図7に示す。このグラフは各プローブを固定した電極における電流値を示している。
反応溶液中に含まれるsiRNAの濃度の増加に伴い、長鎖核酸鎖2由来の電流値が減少することが示された。これは、siRNAと、同じ配列を有する長鎖核酸鎖2とが競合反応した結果であると考えられる。
この結果より、反応溶液に含まれるsiRNA濃度を変化させることによって、長鎖核酸鎖の結合量が変化することが示された。従って、長鎖核酸鎖のプローブに対する結合量を、電流値を指標にして検出することにより、siRNAの存在、またはその濃度を測定することが可能であることが示された。
(実施例3)
以下、本発明の第四の態様に従って、第一の実施形態における方法を用い、短鎖核酸の検出を行った実施例を記載する。
(1)核酸の調製
下記に示した配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。標的配列を有する短鎖核酸として、配列番号9の配列を有するsiRNAを用いた。この配列番号9の配列は、β‐アクチン遺伝子から転写されるm-RNAに対してsiRNAとして効率よく働くことが知られている配列である。
テンプレート核酸として、配列番号10の配列を有するテンプレート核酸Aを用いた。配列番号13は、プローブAの配列を示す。プローブAは、テンプレート核酸Aに含まれるsiRNAの配列と相補的な配列より、3’側に存在する配列と相補的な配列を有する。プローブBは、配列番号9〜13の配列と関連を持たないプローブである。これら2種類のプローブは、それぞれ5’末端をSH基で修飾して用いた。
配列番号9(siRNA):5’-GCAAUGAUCUUGAUCUUCAUU-3’
配列番号10(テンプレート核酸A):
5’-(G)30 AATGAAGATCAAGATCATTGCGGGGGGGGGGGGGGG-3’
配列番号11(テンプレート核酸B):
5’-(G)30 TGCGCTCCTGGACGTAGCCTTGGGGGGGGGGGGGGG-3’
配列番号12(短鎖RNA):5’-UAGCAAUUGGUACAAGCAGUU-3’
配列番号13(プローブ A): 5’-CCCCCCCCCCCCCCC-3’
配列番号14(プローブB): 5’-AAAAAAAAAAAAAAA-3’
(2)プローブ固定化電極の作成
プローブA及びBのそれぞれを含むプローブ溶液を、金電極上にスポットし、1時間静置後、超純水で洗浄し、風乾し、プローブ固定化電極とした。
(3)伸長反応による長鎖核酸鎖の作製
テンプレート核酸Aを終濃度1012コピー/mL程度、また、siRNAを終濃度0.2μMで含有する溶液を調製、終濃度0.04U/μLの耐熱性DNA合成酵素Pyrobest DNA polymerase (Takara)を添加し、至適酵素反応溶液組成にて66℃10分間反応させた。反応後、1/9量の20×SSC緩衝液を添加した。
(4)プローブとのハイブリダイゼーション
(3)で得られた反応後の溶液に、(2)で作製したプローブ固定化電極を浸漬し35℃で60分間静置した。その後、核酸を含まない0.2×SSCで15分間洗浄を行った。この電極を、挿入剤であるヘキスト33258溶液(50μM)を含むリン酸緩衝液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
(5)結果
プローブ Aを固定化した電極からのみ特異的な電流値増加が得られた。
なお、ここで用いたテンプレート核酸Aは、短鎖核酸(siRNA)と相補的な配列の5’側及び3’側のそれぞれに、Poly Gを使用したが、他の任意の配列・長さの核酸を用い、これに対応したプローブで検出を行った場合でも同様な結果が得られることが確認された。
さらに、比較対照として上記と同様な酵素反応・ハイブリダイゼーションを次の4つの組合せで行ったが、特異的な電流値増加信号は得られなかった。
(a)上記と同様のsiRNA(配列番号9)+siRNA(配列番号9)と相補的な配列を含まないテンプレート核酸B(配列番号11)
(b)siRNA(配列番号9)のみ
(c)テンプレート核酸A(配列番号2)のみ
(d)短鎖RNA(配列番号4)+短鎖RNA(配列番号4)と相補配列を持たないテンプレート核酸A(配列番号2)
以上の結果から、本発明の方法により標的の短鎖RNAを特異的に検出可能なことが示された。
(実施例4)
以下、本発明の第四の態様に従って、第二の実施形態における方法を用い、短鎖核酸の検出を行った実施例を記載する。
(1)核酸の調製
下記に示した配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。標的配列を有する短鎖核酸として、実施例3と同じsiRNAを用いた。また、テンプレート核酸A及びB(配列番号10及び11)、短鎖RNA(配列番号12)、プローブA及びB(配列番号13及び14)は上記実施例3と同様のものを用いた。
プローブCは、テンプレート核酸A上のsiRNAと相補的な配列の3’側に隣接する配列と相補的な配列を含み、さらに、siRNAと同じ配列を含む核酸である。このプローブCは、所望の長鎖核酸鎖が製造された場合にのみ、ハイブリダイズする。プローブDはsiRNAに対応するDNA配列をもつ核酸である。ここで示した4種類のプローブは、それぞれ5’末端をSH基で修飾して用いた。
配列番号9(siRNA1):5’-GCAAUGAUCUUGAUCUUCAUU-3’
配列番号10(テンプレート核酸A):
5’-(G)30 AATGAAGATCAAGATCATTGCGGGGGGGGGGGGGGG-3’
配列番号11(テンプレート核酸B):
5’-(G)30 TGCGCTCCTGGACGTAGCCTTGGGGGGGGGGGGGGG-3’
配列番号12(短鎖RNA):5’-UAGCAAUUGGUACAAGCAGUU-3’
配列番号13(プローブ A): 5’-CCCCCCCCCCCCCCC-3’
配列番号14(プローブB): 5’-AAAAAAAAAAAAAAA-3’
配列番号15(プローブC): 5’-CCCCCCCCCCGCAATGATCTTGATCT-3’
配列番号16(プローブD): 5’-GCAATGATCTTGATCTTCATT-3’
(2)プローブ固定化電極の作成
プローブA〜Dのそれぞれを含むプローブ溶液を、金電極上にスポットし、1時間静置後、超純水で洗浄し、風乾し、プローブ固定化電極とした。
(3)長鎖核酸鎖の作製
テンプレート核酸Aを終濃度1012コピー/mL程度、siRNAを終濃度0.2μMで含有する溶液を調製、終濃度0.04U/μLの耐熱性DNA合成酵素Pyrobest DNA polymerase (Takara)を添加し、至適酵素反応溶液組成にて66℃10分間反応させた。反応後、至適酵素反応溶液組成にてリボヌクレアーゼ処理を行い、1/9量の20×SSC緩衝液を添加した。
(4)プローブとのハイブリダイゼーション
(3)で得られた反応後の溶液に、(2)で作製したプローブ固定化電極を浸漬し35℃で60分間静置した。その後、核酸を含まない0.2×SSCで15分間洗浄を行った。この電極を、挿入剤であるヘキスト33258溶液(50μM)を含むリン酸緩衝液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
(6)結果
プローブ A、CおよびDを固定化した電極からのみ特異的な電流値増加が得られた。
なお、ここで用いたテンプレート核酸Aは、短鎖核酸(siRNA)と相補的な配列の5’側及び3’側のそれぞれに、Poly Gを使用したが、他の任意の配列・長さの核酸を用い、これに対応したプローブで検出を行った場合でも同様な結果が得られることが確認された。
さらに、比較対照として上記と同様な酵素反応・ハイブリダイゼーションを次の4つの組合せで行ったが、特異的な電流値増加信号は得られなかった。
(a)上記と同様のsiRNA(配列番号9)+siRNA(配列番号9)と相補的な配列を含まないテンプレート核酸B(配列番号11)
(b)siRNA(配列番号9)のみ
(c)テンプレート核酸A(配列番号2)のみ
(d)短鎖RNA(配列番号4)+短鎖RNA(配列番号4)と相補配列を持たないテンプレート核酸A(配列番号2)
以上の結果から、本発明の方法により標的の短鎖RNAを特異的に検出可能なことが示された。
(実施例5)
以下、本発明の第四の態様に従って、第三の実施形態における方法を用い、短鎖核酸の検出を行った実施例を記載する。
(1)核酸の調製
下記に示した配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。標的配列を有する短鎖核酸として、実施例3と同じsiRNAを用いた。また、テンプレート核酸A(配列番号10)、プローブA及びB(配列番号13及び14)は上記実施例3と同様のものを用いた。配列番号17のsiRNA2は、配列番号9のsiRNAと相補的である。テンプレート核酸Cは、配列番号17のsiRNA2と相補的な配列を有し、その5’側にPolyGを、3’側に任意の配列を有する。
プローブDは、テンプレート核酸C上の siRNAと相補的な配列の3’側に隣接する配列と相補的な配列である。ここで示した各種プローブは、それぞれ5’末端をSH基で修飾して用いた。
配列番号9(siRNA1):5’-GCAAUGAUCUUGAUCUUCAUU-3’
配列番号10(テンプレート核酸A):
5’-(G)30 AATGAAGATCAAGATCATTGCGGGGGGGGGGGGGGG-3’
配列番号13(プローブ A): 5’-CCCCCCCCCCCCCCC-3’
配列番号14(プローブB): 5’-AAAAAAAAAAAAAAA-3’
配列番号46(プローブD): 5’-TTTTTTTTTTTTTTT-3’
配列番号17(siRNA2):5'-UGAAGAUCAAGAUCAUUGCUU-3’
配列番号18(テンプレート核酸C):
5’-(G)30 AAGCAATGATCTTGATCTTCAAAAAAAAAAAAAAAA-3’
(2)プローブ固定化電極の作成
プローブA〜Dのそれぞれを含むプローブ溶液を、金電極上にスポットし、1時間静置後、超純水で洗浄し、風乾し、プローブ固定化電極とした。
(3)反応溶液の調製
テンプレート核酸A及びCを、各々終濃度1012コピー/mL程度で含有する反応溶液を調製。さらに、次の4つの組合せのサンプル(終濃度0.2μM)と混合した。
(a)siRNA1(配列番号9)
(b)siRNA2(配列番号17)
(c)siRNA1+siRNA2(配列番号9、17)
(d)二本鎖状態になったsiRNA1+siRNA2(配列番号9、17)
次いで、終濃度0.04U/μLの耐熱性DNA合成酵素Pyrobest DNA polymerase (Takara)を添加し、至適酵素反応溶液組成にて98℃1分→66℃10分間で反応させた。反応後、1/9量の20×SSC緩衝液を添加した。
(5)プローブとのハイブリダイゼーション
(3)で得られた反応後の溶液に、(2)で作製したプローブ固定化電極を浸漬し35℃で60分間静置した。その後、核酸を含まない0.2×SSCで15分間洗浄を行った。この電極を、挿入剤であるヘキスト33258溶液(50μM)を含むリン酸緩衝液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
(6)結果
次の表1に示したような結果が得られた。
Figure 2006067914
なお上記ではテンプレート核酸A、BでsiRNA1及び2と相補的な配列の5’側 、3’側、それぞれにホモポリマーを使用した場合を記載したが、各々に他の任意の配列をもちい、これにあわせたプローブで検出を行った場合でも同様な結果が得られることが確認された。また、siRNA1及び2は、完全に相補的でなくともよく、部分的に相補配列を保持している場合であっても本方法を用いて検出することが可能である。
以上の結果から、本発明の方法により同時に複数の短鎖標的RNA検出が可能であること、および、2本鎖状態の標的の短鎖RNAを特異的に検出可能なことが示された。
(実施例6)
以下、本発明の第四の態様に従って、第三の実施形態における方法を用い、短鎖核酸の検出を行った実施例を記載する。
(1)核酸の調製
下記に示した配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。
プローブEはテンプレート核酸C上のsiRNA2と相補的な配列の3’側に隣接する配列と相補的な配列と、siRNA2に対応するDNA配列の両方を合せもつ核酸であり、所望のターゲット構造が製造された場合にのみ、長鎖核酸鎖とハイブリダイズするプローブである。ここで示した各種プローブは、それぞれ5’末端をSH基で修飾して用いた。
配列番号9(siRNA1):5’-GCAAUGAUCUUGAUCUUCAUU-3’
配列番号10(テンプレート核酸A):
5’-(G)30 AATGAAGATCAAGATCATTGCGGGGGGGGGGGGGGG-3’
配列番号11(テンプレート核酸B):
5’-(G)30 TGCGCTCCTGGACGTAGCCTTGGGGGGGGGGGGGGG-3’
配列番号12(短鎖RNA):5’-UAGCAAUUGGUACAAGCAGUU-3’
配列番号13(プローブ A): 5’-CCCCCCCCCCCCCCC-3’
配列番号14(プローブB): 5’-AAAAAAAAAAAAAAA-3’
配列番号15(プローブC): 5’-CCCCCCCCCCGCAATGATCTTGATCT-3’
配列番号46(プローブD): 5’-TTTTTTTTTTTTTTT-3’
配列番号17(siRNA2):5'-UGAAGAUCAAGAUCAUUGCUU-3’
配列番号18(テンプレート核酸C):
5’-(G)30 AAGCAATGATCTTGATCTTCAAAAAAAAAAAAAAAA-3’
配列番号19(プローブE): 5’-TTTTTTTTTTGAAGATCAAGATC-3’
(2)プローブ固定化電極の作成
プローブA〜Eのそれぞれを含むプローブ溶液を、金電極上にスポットし、1時間静置後、超純水で洗浄し、風乾し、プローブ固定化電極とした。
(3)反応溶液の調製
テンプレート核酸A及びCを、各々終濃度1012コピー/mL程度で含有する反応溶液を調製。さらに、次の4つの組合せのサンプル溶液(終濃度0.2μM)と混合した。
(a)siRNA1(配列番号9)
(b)siRNA2(配列番号17)
(c)siRNA1+siRNA2(配列番号9、17)
(d)二本鎖状態になったsiRNA1+siRNA2(配列番号9、17)
次いで、終濃度0.04U/μLの耐熱性DNA合成酵素Pyrobest DNA polymerase (Takara)を添加し、至適酵素反応溶液組成にて98℃1分→66℃10分間で反応させた。反応後、至適酵素反応溶液組成にてリボヌクレアーゼ処理を行い、1/9量の20×SSC緩衝液を添加した。
(5)プローブとのハイブリダイゼーション
(3)で得られた反応後の溶液に、(2)で作製したプローブ固定化電極を浸漬し35℃で60分間静置した。その後、核酸を含まない0.2×SSCで15分間洗浄を行った。この電極を、挿入剤であるヘキスト33258溶液(50μM)を含むリン酸緩衝液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
(6)結果
次の表1に示したような結果が得られた。
Figure 2006067914
なお上記ではテンプレート核酸A、BでsiRNA1及び2と相補的な配列の5’側 、3’側、それぞれにホモポリマーを使用した場合を記載したが、各々に他の任意の配列を用い、これにあわせたプローブで検出を行った場合でも同様な結果が得られることが確認された。また、siRNA1及び2は、完全に相補的でなくともよく、部分的に相補配列を保持している場合であっても本方法を用いて検出することが可能である。
以上の結果から、本発明の方法により同時に複数の短鎖標的RNA検出が可能であること、および、2本鎖状態の標的の短鎖RNAを特異的に検出可能なことが示された。
(実施例7)
本発明の第四の態様に従って、第一、第二、及び第三の実施形態における方法を用い、短鎖核酸の検出を行ったところ、下記に示すような種々の配列を有する短鎖RNAについても、上記実施例と同様に特異的な検出が可能であった。またさらに、複数種類の短鎖核酸の各々を同時に1つの基板上で測定することが可能であった。
1)ラミン(Lamin)A/C に対するsiRNA
配列番号20(センス鎖 siRNA):5’-CUG GAC UUC CAG AAG AAC ATT-3'
配列番号21(アンチセンス鎖 siRNA):5’-UGU UCU UCU GGA AGU CCA GTT-3'
2)ルシフェラーゼGL2 (蛍の発光に関与する遺伝子)に対するsiRNA
配列番号22(センス鎖 siRNA):5’-CGU ACG CGG AAU ACU UCG ATT-3'
配列番号23(アンチセンス鎖 siRNA):5’-UCG AAG UAU UCC GCG UAC GTT-3'
3) β-アクチン(細胞骨格系遺伝子)に対するに対するsiRNA
配列番号24(センス鎖 siRNA):5’-UGA AGA UCA AGA UCA UUG CTT-3'
配列番号25(アンチセンス鎖 siRNA):5’-GCA AUG AUC UUG AUC UUC ATT-3'
4)ビメンチン(細胞骨格系遺伝子)に対するに対するsiRNA
配列番号26(センス鎖 siRNA):5’-CUA CAU CGA CAA GGU GCG CTT-3'
配列番号27(アンチセンス鎖 siRNA):5’-GCG CAC CUU GUC GAU GUA GTT-3'。
ビメンチンは細胞骨格系の主要成分のひとつで多種類の細胞に存在する細胞骨格系の主要成分(中間フィラメント)のサブユニット蛋白質遺伝子に対するsiRNAであり、細胞増殖や発ガンへも関与する。
5) tat (HIV-1の複製に必須なHIVの遺伝子)に対するsiRNA
配列番号28(センス鎖 siRNA):5’-CUG CUU GUA CCA AUU GCU AdTdT -3'
配列番号29(アンチセンス鎖 siRNA):5’-UAG CAA UUG GUA CAA GCA GdTdT -3'(生体内への導入によりHIV複製が抑制される。)
6) CD4(HIVの細胞受容体)に対するsiRNA
配列番号30(センス鎖 siRNA):5’-GAU CAA GAG ACU CCU CAG UdGdA-3'
配列番号31(アンチセンス鎖 siRNA):5’-ACU GAG GAG UCU CUU GAU CdTdG-3'
(生体内への導入によりHIVの細胞への進入が抑制される。)
7)p24( HIVのgag蛋白質)に対するsiRNA
配列番号32(センス鎖 siRNA):5’-P.GAU UGU ACU GAG AGA CAG GCU-3'
配列番号33(アンチセンス鎖 siRNA):5’-P.CCU GUC UCU CAG UAC AAU CUU-3'(生体内への導入によりHIVプロウイルスの発現が抑制される。)
8)K-RASV12(変異型Gprotein)に対するsiRNA
配列番号34(センス鎖 siRNA):5’-GUU GGA GCU GUU GGC GUA GUU-3'
配列番号35(アンチセンス鎖 siRNA):5’-CUA CGC CAA CAG CUC CAA CUU-3'
(細胞への導入によりガンが抑えられる。)
9)GFP(くらげの蛍光蛋白)に対するsiRNA
配列番号36(センス鎖 siRNA) 5’-GGC UAC GUC CAG GAG CGC ACC-3'
配列番号37(アンチセンス鎖 siRNA)5’-UGC GCU CCU GGA CGU AGC CUU-3'
なお、本実施例では電流検出型核酸固定化基板、具体的にはDNAチップを使用したが、発明の用途はこれに限定される物ではなく、他の検出方式によるDNAチップ、具体的には蛍光検出方式や化学発色方式、ビーズアレーなどにも適用可能である。また、測定対象としてsiRNAを使用した例を示したが発明の用途はこれに限定される物ではない。
(実施例8)
以下、本発明の第五の態様に従って、第一の実施形態における長鎖核酸鎖を用い、短鎖核酸の検出を行った実施例を記載する。
(1)核酸の調製
下記に示した配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。標的配列を有する短鎖核酸として、配列番号36及び37の配列を有するsiRNA3を用いた。siRNA3の配列は、GFP遺伝子に対するsiRNAの配列である。
配列番号38及び39の配列を有するsiRNA4は、siRNA3とは無関係な配列をもつsiRNAである。
長鎖核酸鎖Aは、配列番号36の配列と相補的な配列を4箇所有し、配列番号36のsiRNA3とハイブリダイズする。長鎖核酸鎖Bは、配列番号37の配列と相補的な配列を4箇所有し、配列番号37のsiRNA3とハイブリダイズする。長鎖核酸鎖Cは、siRNA3とは無関係な配列を有し、siRNA3とハイブリダイズしない核酸鎖である。これらの長鎖核酸鎖A〜Cは、それぞれ3’末端をSH基で標識して用いた。
配列番号36(siRNA3 センス鎖): GGCUACGUCCAGGAGCGCACC
配列番号37(siRNA3 アンチセンス鎖): UGCGCUCCUGGACGUAGCCUU
配列番号38(siRNA4 センス鎖):GAUUGUACUGAGAGACAGGCU
配列番号39(siRNA4 アンチセンス鎖): CCUGUCUCUCAGUACAAUCUU
配列番号40(長鎖核酸鎖A):
GGTGCGCTCCTGGACGTAGCCGGTGCGCTCCTGGACGTAGCCGGTGCGCTCCTGGACGTAGCCGGTGCGCTCCTGGACGTAGCC
配列番号41(長鎖核酸鎖B):
AAGGCTACGTCCAGGAGCGCAAAGGCTACGTCCAGGAGCGCAAAGGCTACGTCCAGGAGCGCAAAGGCTACGTCCAGGAGCGCA
配列番号42(長鎖核酸鎖C):
AACTACGCCAACAGCTCCAACAACTACGCCAACAGCTCCAACAACTACGCCAACAGCTCCAACAACTACGCCAACAGCTCCAAC
(2)長鎖核酸鎖固定化電極の作成
長鎖核酸鎖A〜Cの各々を含む核酸溶液を金電極上に4電極ずつスポットし、1時間静置後、超純水で洗浄し、風乾し、核酸固定化電極とした。
(3)反応溶液の調製
次の核酸を、それぞれ2×SSC溶液に添加し、2種類の反応溶液を調製した。
(1)siRNA3(2×1014 copy/mL)
(2)siRNA4(2×1014 copy/mL)
各反応溶液を95℃で5分間加熱し、熱変性後、氷柱で冷却した。
(4)ハイブリダイゼーション
(3)で調製した反応溶液を含む緩衝液中に、(2)で作製した核酸固定化電極を浸漬し、35℃で60分間静置した。その後、核酸を含まない緩衝液で洗浄した。この電極を挿入剤であるヘキスト33258溶液(50μM)を含むリン酸緩衝液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
(5)結果
電流測定の結果を図13に示す。このグラフは各長鎖核酸鎖を固定した電極における電流値を示している。
標的配列とは無関係な配列を有するsiRNA4を含む反応溶液では、長鎖核酸鎖A、B、及びCを固定した電極すべてにおいて、電流値増加は確認されなかった。
一方、標的配列siRNA3を含む反応溶液では、長鎖核酸鎖A、及びBを固定した電極において、電流値の増加が観察された。また、長鎖核酸鎖Cを固定化した電極においては、電流値増加は見られなかった。
この結果から、標的配列siRNA3が、その相補鎖配列をもつ長鎖核酸鎖AまたはBにハイブリダイズし、その結果生じる二本鎖部分にヘキスト分子が入り込み、電流応答を示したことが示唆される。
以上のことから、本実施形態の長鎖核酸鎖を用いることによって、短い核酸断片であるsiRNAを検出可能であることが示された。
(実施例9)
以下、本発明の第五の態様に従って、第二の実施形態における長鎖核酸鎖を用い、短鎖核酸の検出を行った実施例を記載する。
(1)核酸の調製
下記に示した配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。標的配列を有する短鎖核酸として、配列番号36の配列を有するsiRNA3を用いた。siRNA3の配列は、GFP遺伝子に対するsiRNAの配列である。
長鎖核酸鎖Dは、siRNA3(配列番号36)がハイブリダイズする領域を4箇所有し、且つ検出プローブAとハイブリダイズする相補的な配列を5’末端側に有する。
プローブAは長鎖核酸鎖Dの5’末端側の配列と相補的な配列を有する。プローブCはsiRNA3及び長鎖核酸鎖Dとは無関係な配列を有する。プローブA及びBは、それぞれ3’末端をSH基で標識されているものを用いた。
配列番号36(siRNA3 センス鎖): GGCUACGUCCAGGAGCGCACC
配列番号38(siRNA4 センス鎖):GAUUGUACUGAGAGACAGGCU
配列番号43(プローブA):GATCAAGAGACTCCTCAGTGA
配列番号44(プローブC):AACTACGCCAACAGCTCCAAC
配列番号45(長鎖核酸鎖D):
TCACTGAGGAGTCTCTTGATCGGTGCGCTCCTGGACGTAGCCGGTGCGCTCCTGGACGTAGCCGGTGCGCTCCTGGACGTAGCCGGTGCGCTCCTGGACGTAGCC
(2)プローブ固定化電極の作成
プローブA、Cの各々を含むプローブ溶液を4電極ずつ金電極上にそれぞれスポットし、1時間静置後、超純水で洗浄し、風乾し、プローブ固定化電極とした。
(3)反応溶液の調製
次の核酸を、それぞれ長鎖核酸鎖Dを含む2×SSC溶液に添加し、2種類の反応溶液を調製した。
(1)siRNA3(2×1014 copy/mL)
(2)siRNA4(2×1014 copy/mL)
各反応溶液を95℃で5分間加熱し、熱変性後、氷柱で冷却した。
(4)プローブとのハイブリダイゼーション
(3)で調製した反応溶液を含む緩衝液中に、(2)で作製した核酸プローブ固定化電極を浸漬し35℃で60分間静置した。その後、核酸を含まない緩衝液で洗浄した。この電極を挿入剤であるヘキスト33258溶液(50μM)を含むリン酸緩衝液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
(5)結果
電流測定の結果を図14に示す。このグラフは各プローブを固定した電極における電流値を示している。
標的配列とは無関係な配列を有するsiRNA4を含む反応溶液では、プローブA、Cを固定した電極のどちらについても電流値増加は確認されなかった。
一方、標的配列を有するsiRNA3を含む反応溶液では、プローブAを固定した電極において電流値の増加が見られた。また、プローブCを固定化した電極においては、電流値増加は見られなかった。
この結果から、標的配列siRNA3が長鎖核酸鎖Dにハイブリダイズし、さらにsiRNA3がハイブリダイズした長鎖核酸鎖DがプローブAとハイブリダイズし、その結果として長い二本鎖部分が形成され、そこにヘキスト分子が入り込んで電流応答を示したことが示唆される。以上のことから、本実施形態の長鎖核酸鎖を用いることによって、短い核酸断片であるsiRNAを検出可能であることが示された。
短鎖核酸検出方法の第一の態様における第一の実施形態の模式図。 短鎖核酸検出方法の第一の態様における第二の実施形態の模式図。 短鎖核酸検出方法の第一の態様における第三の実施形態の模式図。 短鎖核酸検出方法の第二の態様の模式図。 短鎖核酸検出方法の第三の態様の模式図。 第一の態様における検出方法を用いた短鎖核酸検出試験の結果を示す図。 第二の態様に従って作製した検量線を示す図。 短鎖核酸検出方法の第四の態様における第一の実施形態の模式図。 短鎖核酸検出方法の第四の態様における第二の実施形態の模式図。 短鎖核酸検出方法の第四の態様における第三の実施形態の模式図。 短鎖核酸検出方法の第五の態様における第一の実施形態の模式図。 短鎖核酸検出方法の第五の態様における第二の実施形態の模式図。 第五の態様における検出方法を用いた短鎖核酸検出試験の結果を示す図。 第五の態様における検出方法を用いた短鎖核酸検出試験の結果を示す図。
符号の説明
10…長鎖核酸鎖、11…第一の配列部分、12…第二の配列部分、13…第三の配列部分、14…ループ配列部分、15…第四の配列部分、16…プローブ核酸、18…標的配列を有する短鎖核酸、19…基板、83…テンプレート核酸、101…相補鎖、110…延長領域。

Claims (25)

  1. 基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションにより、標的配列を有する短鎖核酸を検出する方法において、
    前記標的配列と相補的な第一の配列を有する長鎖核酸鎖であって、その一端に前記プローブ核酸の配列と相補的な第二の配列を有し、該第二の配列に続いてループを形成するためのループ配列を有し、該ループ配列に続いて前記第二の配列と相補的な第三の配列を有し、該第三の配列に続いて、少なくとも該第三の配列とは異なる配列を有し且つ二本鎖部分を含む延長領域を有し、前記標的配列と相補的な第一の配列が、前記ループ配列から前記第三の配列にかけての位置に存在し、前記第二の配列と第三の配列がセルフハイブリダイズすることによって形成されたループ構造を有する長鎖核酸鎖を準備する工程と、
    前記短鎖核酸の標的配列部分と、前記長鎖核酸鎖の第一の配列部分とをハイブリダイズさせることによって、前記長鎖核酸鎖のループ構造を解消させて前記第二の配列部分を露出させる工程と、
    前記短鎖核酸が結合した長鎖核酸鎖の第二の配列部分と、前記プローブ核酸のハイブリダイゼーションを行う工程と、
    前記プローブ核酸とハイブリダイズすることによって前記基板に固定化された長鎖核酸鎖を検出する工程と、
    を具備する、短鎖核酸の検出方法。
  2. 前記長鎖核酸鎖に含まれる延長領域は、前記第三の配列とは異なる第四の配列を有し、該第四の配列部分は、該第四の配列の全部又は一部と相補的な配列を有する相補鎖と二本鎖を形成していることを特徴とする、請求項1に記載の短鎖核酸の検出方法。
  3. 前記長鎖核酸鎖に含まれる延長領域は、前記第三の配列とは異なる第四の配列を有し、
    該第四の配列と相補的な配列を有する第一部分及び該第一部分から連続した任意の配列を有する第二部分を有し、前記第一部分が前記第四の配列部分とハイブリダイズすると共に前記第二部分は前記第四の配列部分を越えて延出している第一の連結核酸を有し、
    前記第一の連結核酸の第二部分の配列と相補的な配列を有する第一部分及び該第一部分から連続した他の任意の配列を有する第二部分を含み前記第一部分が前記第一の連結核酸とハイブリダイズすると共に、前記第二部分は前記第一の連結核酸を超えて延出した第二の連結核酸を有することを特徴とする、請求項1に記載の短鎖核酸の検出方法。
  4. 前記第二の連結核酸の第二部分は、さらに他の連結核酸の第一部分とハイブリダイズし、該他の連結核酸の第二部分はさらにもう一つの連結核酸の第一部分とハイブリダイズし、
    任意の数の連結核酸が順次ハイブリダイズされることによって連結されたことを特徴とする、請求項3に記載の短鎖核酸の検出方法。
  5. 前記長鎖核酸鎖に含まれる延長領域は、前記第三の配列とは異なる第四の配列を有し、該第四の配列部分がセルフハイブリダイズすることによって二本鎖を形成していることを特徴とする、請求項1に記載の短鎖核酸の検出方法。
  6. 基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションにより、試料に含まれる標的配列を有する短鎖核酸を検出する方法において、
    (a)一本鎖核酸部分と二本鎖核酸部分とを具備し、該一本鎖核酸部分の配列に、前記標的配列と同じ配列を含む長鎖核酸鎖を準備する工程と、
    (b)前記標的配列と同じ配列を有する一本鎖の短鎖核酸を準備する工程と、
    (c)所定の濃度の前記長鎖核酸鎖、及び、任意の濃度の前記短鎖核酸を含有する反応溶液を調製する工程と、
    (d)前記反応溶液に含まれる短鎖核酸及び長鎖核酸鎖と、前記標的配列と相補的な配列を有する基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションを行う工程と、
    (e)前記工程(d)において前記プローブ核酸とハイブリダイズすることによって前記基板に固定された長鎖核酸鎖を検出し、その結合量を測定する工程と、
    (f)前記工程(c)における反応溶液に含有される前記短鎖核酸の濃度を変化させ、前記工程(d)及び(e)を行う工程と、
    (g)前記工程(e)で得られた測定値から、前記反応溶液に含まれる短鎖核酸の濃度と、プローブ核酸に結合した長鎖核酸鎖の結合量との関係を表す検量線を作製する工程と、
    (h)測定すべき短鎖核酸が含まれ得る試料溶液に、所定の濃度の前記長鎖核酸鎖を含有させ、該試料溶液に含まれる短鎖核酸及び長鎖核酸鎖と、前記標的配列と相補的な配列を有する基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションを行う工程と、
    (i)前記工程(h)においてプローブ核酸とハイブリダイズすることによって前記基板に固定化された長鎖核酸鎖を検出し、その結合量を測定する工程と、
    (j)前記工程(i)において得られた測定値から、前記工程(g)で得られた検量線を用いて、前記試料溶液中の短鎖核酸濃度を決定する工程と、
    を具備する、試料中の短鎖核酸の検出方法。
  7. 基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションにより、第一の配列と第二の配列を含む標的配列を有する短鎖核酸を検出する方法において、
    (i)前記第一の配列と相補的な配列を有する基板に固定されたプローブ核酸と、該短鎖核酸とをハイブリダイズさせる工程と、
    (ii)前記短鎖核酸の第二の配列と相補的な配列を有する第一部分及び該第一部分から連続した任意の配列を有する第二部分を具備する第一の連結核酸と、前記短鎖核酸とのハイブリダイゼーションを行い、前記第一の連結核酸の第一部分を前記短鎖核酸の第二の配列部分とハイブリダイズさせると共に、前記連結核酸の第二部分を前記短鎖核酸の第二の配列部分を超えて延出させる工程と、
    (iii)前記第一の連結核酸の第二部分の配列と相補的な配列を有する第一部分及び該第一部分から連続した任意の配列を有する第二部分を具備する第二の連結核酸と、前記第一の連結核酸とのハイブリダイゼーションを行い、前記第二の連結核酸の第一部分を前記第一の連結核酸の第二部分とハイブリダイズさせると共に、前記第二の連結核酸の第二部分を前記第一の連結核酸の第二部分を超えて延出させる工程と、
    (iv)前記プローブ核酸とハイブリダイズすることによって前記基板に固定化された核酸鎖を検出する工程と、
    を具備する、短鎖核酸の検出方法。
  8. (v)前記第二の連結核酸の第二部分と、該第二部分の配列と相補的な配列を有する他の連結核酸の第一部分とのハイブリダイゼーションを行い、前記他の連結核酸の第一部分を前記第二の連結核酸の第二部分とハイブリダイズさせると共に、前記他の連結核酸の第二部分を前記第二の連結核酸の第二部分を超えて延出させる工程と、
    (vi)前記他の連結核酸から、任意の数の連結核酸を順次ハイブリダイズさせていくことによって、基板に固定化された核酸鎖を延長させる工程をさらに具備する、請求項7に記載の短鎖核酸の検出方法。
  9. 基板に固定されたプローブ核酸とのハイブリダイゼーションにより、標的配列を有する短鎖核酸を検出する方法において、
    (a)前記標的配列と相補的な第一の配列を有し、該第一の配列より3’側に、前記プローブ核酸の配列の一部と相補的な第二の配列を有し、該第一の配列より5’側に、任意の配列から成る延長領域を有するテンプレート核酸を準備する工程と、
    (b)前記テンプレート核酸の第一の配列部分に前記短鎖核酸をハイブリダイズさせる工程と、
    (c)前記短鎖核酸がハイブリダイズしたテンプレート核酸に、核酸伸長活性を有する核酸増幅用酵素を作用させて、該短鎖核酸の5’側を伸長させることによって、前記第二の配列部分を含む一本鎖部分及び二本鎖部分から成る長鎖核酸鎖を調製する工程と、
    (d)前記長鎖核酸鎖の一本鎖部分に含まれる前記第二の配列部分を、前記プローブ核酸にハイブリダイズさせることにより、前記長鎖核酸鎖を前記基板に固定化する工程と、
    (e)前記基板に固定化された長鎖核酸鎖を検出する工程と、
    を具備する、短鎖核酸の検出方法。
  10. 前記工程(c)において調製された長鎖核酸鎖に、前記短鎖核酸と同種の核酸のみを分解するヌクレアーゼを作用させて、前記長鎖核酸鎖に含まれる短鎖核酸及び/又は前記短鎖核酸と同種の核酸であって前記長鎖核酸鎖に含まれない遊離の核酸を分解させる工程をさらに含み、前記プローブ核酸の配列は、前記テンプレート核酸の第一の配列及び第二の配列の全部又は一部と相補的な配列を有する、請求項9に記載の短鎖核酸の検出方法。
  11. 前記標的配列を有する短鎖核酸はRNAであり、前記短鎖核酸と同種の核酸を分解するヌクレアーゼはリボヌクレアーゼである、請求項10に記載の短鎖核酸の検出方法。
  12. 前記標的配列を有する短鎖核酸は二本鎖であり、前記テンプレート核酸、及び該テンプレート核酸の第二の配列と相補的なプローブ核酸は、前記短鎖核酸のセンス鎖及びアンチセンス鎖それぞれについて準備されることを特徴とする、請求項9〜11の何れか一項に記載の短鎖核酸の検出方法。
  13. 短鎖核酸が有する標的配列と相補的な第一の配列を複数箇所に有する長鎖核酸鎖を準備する工程と、
    該長鎖核酸鎖と、前記短鎖核酸とのハイブリダイゼーションを行う工程と、
    前記工程によって前記短鎖核酸がハイブリダイズした長鎖核酸鎖を検出する工程と、
    を具備し、前記長鎖核酸鎖が基板に固定されていることを特徴とする、標的配列を有する短鎖核酸の検出方法。
  14. 二本鎖短鎖核酸のセンス鎖が有する標的配列と相補的な第一の配列を複数箇所に有する第一の長鎖核酸鎖を準備する工程と、
    前記短鎖核酸のアンチセンス鎖に相補的な配列を複数箇所に有する第二の長鎖核酸を準備する工程と、
    該二種類の長鎖核酸鎖と、前記短鎖核酸とのハイブリダイゼーションを行う工程と、
    前記工程によって前記短鎖核酸がハイブリダイズした長鎖核酸鎖を検出する工程と、
    を具備し、前記長鎖核酸鎖が基板に固定されていることを特徴とする、標的配列を有する短鎖核酸の検出方法。
  15. 前記長鎖核酸鎖は、基板に固定されたプローブ核酸である、請求項13または14に記載の短鎖核酸の検出方法。
  16. 前記長鎖核酸鎖は、基板に固定されたプローブ核酸の配列と相補的な配列をその一方の末端部に具備し、前記長鎖核酸鎖と短鎖核酸とのハイブリダイゼーションの前後において、該長鎖核酸鎖と前記プローブ核酸とのハイブリダイゼーションを行う工程をさらに含む、請求項13または14に記載の短鎖核酸の検出方法。
  17. 前記標的配列を有する短鎖核酸、前記長鎖核酸鎖、前記プローブ核酸、前記連結核酸、及び前記テンプレート核酸は、DNA、RNA、S-オリゴ、メチルホスホネートオリゴ、PNA、及びLNAから成る群から選択される核酸又は核酸類似体、それらの幾つかを共に含む核酸および核酸類似体、或いはそれらの混合物から形成される、請求項1〜10、及び12〜16の何れか一項に記載の短鎖核酸の検出方法。
  18. 前記長鎖核酸鎖の検出は、該長鎖核酸鎖に二本鎖核酸と特異的に結合するレポーター分子を結合させ、該長鎖核酸鎖に結合しているレポーター分子を検出することによって行われる、請求項1〜17の何れか一項に記載の短鎖核酸の検出方法。
  19. 前記レポーター分子は、二本鎖核酸と特異的に結合する電気化学的活性を有する挿入剤であり、該レポーター分子の検出は、前記長鎖核酸鎖が固定された基板の電流値を測定することによって行われる、請求項18に記載の短鎖核酸の検出方法。
  20. 前記レポーター分子は、蛍光物質、またはRI物質である、請求項18に記載の標的配列を有する短鎖核酸の検出方法。
  21. 前記蛍光物質は、蛍光標識された抗体、蛍光分子、及び、ビオチン−アビジン複合体、から成る群から選択される、請求項20に記載の短鎖核酸の検出方法。
  22. 前記長鎖核酸鎖の検出は、前記長鎖核酸が、前記基板に固定されたプローブ核酸に結合したことによる前記基板の質量変化を検出することによって行われる、請求項1〜17の何れか一項に記載の短鎖核酸の検出方法。
  23. 検出すべき標的配列と相補的な第一の配列を有する長鎖核酸鎖であって、その一端に、基板に固定されたプローブ核酸の配列と相補的な第二の配列を有し、該第二の配列に続いてループを形成するためのループ配列を有し、該ループ配列に続いて前記第二の配列と相補的な第三の配列を有し、該第三の配列に続いて、少なくとも該第三の配列とは異なる配列を有し且つ二本鎖部分を含む延長領域を有し、前記標的配列と相補的な第一の配列が、前記ループ配列から前記第三の配列にかけての位置に存在し、前記第二の配列と第三の配列がセルフハイブリダイズすることによってループ構造を形成し得る長鎖核酸鎖。
  24. 請求項23に記載された長鎖核酸鎖の第一の配列に、検出すべき標的配列を有する短鎖核酸がハイブリダイズしたことによって、前記第二の配列と第三の配列とのセルフハイブリダイズによって形成されるループ構造が解離された鎖状構造を有する、短鎖核酸−長鎖核酸鎖複合体。
  25. 請求項1〜22の何れか一項に記載の検出方法を行うために、長鎖核酸鎖、基板に固定されたプローブ核酸、連結核酸、テンプレート核酸、核酸増幅用酵素、及び核酸分解酵素から成る群から選択される少なくとも一つの要素を具備する、標的配列を有する短鎖核酸の検出用アッセイキット。
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WO2009028336A1 (ja) * 2007-08-24 2009-03-05 Olympus Corporation 一分子蛍光分析によるsiRNAの濃度測定方法
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